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課題

海水冷却系において復水器真空度の低下又は熱交換器熱貫流率低下を抑制できる方法の提供。

解決手段

海水冷却水取水するための取水路と、前記取水路から復水器又は熱交換器に海水冷却水を送液するためのポンプと、前記ポンプと前記復水器又は前記熱交換器とを接続する配管とを含む冷却水系において、前記取水路に塩素剤及び海水電解液の少なくとも一方を添加すること、及び、前記ポンプ又は前記配管に過酸化水素及び過酸化水素発生剤の少なくとも一方を添加することを含む、復水器又は熱交換器の冷却水系に用いられる海水冷却水の処理方法

概要

背景

冷却水として海水を使用する発電所製鉄所石油化学プラントなどは、波浪などを避けるために、内海湾内に面した所に多く建設されている。内海や湾内において海水を取水すると、海水中に生息するムラサキイガイフジツボコケムシヒドロ虫などの海生生物スライム等が、海水取水路配管導水路熱交換器復水器細管などの通水路に付着する。これらの付着した海生生物等は、成長して通水路を狭め、さらに水路内壁などの付着部から脱落し、配管や熱交換器内の通水阻害して冷却効率を低下させたりする。また、局部的な乱流酸素濃淡電池を生じて金属の腐食障害などの様々な問題を引き起こす。

特に、発電設備復水器は、蒸気タービンから排出された蒸気凝縮することでタービン背圧真空近傍に保ちプラント熱効率を高くする役割と、凝縮した水(復水)を回収してボイラ原子炉に再び送る役割をもっている。そして、細管の内側に冷却海水を、外側に蒸気を配する表面復水器を採用している。この復水器細管に海生生物やスライムが付着し伝熱機能が低下すると、発電効率の低下に直結することからより詳細な管理が必要となる。復水器の機能は発電効率に影響するため、タービン背圧を復水器内真空度として管理している。
冷却水として海水を使用したことに起因するこのような障害を防止するため、海生生物やスライムの付着防止には薬液注入などが、付着した海生生物やスライムの除去には、スポンジボールなどの連続細管洗浄装置が使用されている。具体的には、薬液注入法として電解塩素などの塩素剤過酸化水素水溶液などが海水冷却水系の海生生物やスライム対策適応されている。

本出願人は、海生生物種に対する選択性、つまり付着防止若しくは抑制の対象とする海生生物種が異なる過酸化水素剤と塩素剤との特徴を活かし、時間的間隔を空けて交互かつ別時に同一箇所に両者を添加する方法(「間欠添加方法」ともいう)や、過酸化水素と塩素剤とを併用する海生生物の付着抑制方法(「併用添加方法」ともいう)を提案した(特許文献1)。しかし、併用添加方法では過酸化水素剤と塩素剤とを安定に共存させることができず、両薬剤の特徴が十分に活かされていなかった。そこで、本出願人は、工業用海水冷却水系に予め過酸化水素等を加え、特定の過酸化水素濃度となるように分散された海水冷却水に、特定濃度で塩素剤を添加する処理方法(特許文献2)や、結合塩素と過酸化水素との併用による処理方法(特許文献3)を提案した。

特許文献1は、海水を使用している流路、プラントにおける海生生物の付着を抑制する方法であって、過酸化水素又は過酸化水素発生剤及び塩素又は有効塩素発生剤を使用する海生生物付着抑制方法を開示する。
特許文献2は、工業用海水冷却水系における海生付着生物の付着防止又は成長抑制をする工業用海水冷却水の処理方法であって、工業用海水冷却水系に予め過酸化水素もしくは過酸化水素発生剤を0.01〜2mg/Lの濃度になるように分散された海水冷却水に、塩素ガスもしくは有効塩素発生剤をトリハロメタン類の生成を防止しうる濃度又はそれ以
下の濃度で添加することを開示する。
特許文献3は、海水冷却水系への海生生物の付着を防止すると共に、海水冷却系に存在する金属製配管腐食を防止する海生生物付着防止方法であって、海水冷却水系の海水に濃度0.1〜0.5mg/Lのアンモニウムイオンと、アンモニウムイオン1モルに対して有効塩素又は臭素換算して0.7〜1.2モルの塩素剤又は臭素剤との共存下に、海生生物の付着防止有効量の過酸化水素あるいは過酸化水素供給化合物を添加することを開示する。
非特許文献1は、海生生物付着防止に用いる電解塩素は、注入量が多すぎると放水口における海水中の残留塩素濃度管理基準値を超えてしまい、逆に、注入量が少なすぎると海生生物の付着防止効果が得られなくなることを開示する。また、非特許文献1は、海生生物付着防止には、電解塩素のほか、過酸化水素が使用できることを開示する。

概要

海水冷却系において復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制できる方法の提供。海水冷却水を取水するための取水路と、前記取水路から復水器又は熱交換器に海水冷却水を送液するためのポンプと、前記ポンプと前記復水器又は前記熱交換器とを接続する配管とを含む冷却水系において、前記取水路に塩素剤及び海水電解液の少なくとも一方を添加すること、及び、前記ポンプ又は前記配管に過酸化水素及び過酸化水素発生剤の少なくとも一方を添加することを含む、復水器又は熱交換器の冷却水系に用いられる海水冷却水の処理方法。なし

目的

そこで、本開示は、一又は複数の実施形態において、低濃度の薬剤の添加で海水冷却系における復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制できる方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

復水器又は熱交換器冷却水系に用いられる海水冷却水処理方法であって、前記冷却水系は、海水冷却水を取水するための取水路と、前記取水路から前記復水器又は前記熱交換器に海水冷却水を送液するためのポンプと、前記ポンプと前記復水器又は前記熱交換器とを接続する配管とを含み、前記取水路に塩素剤及び海水電解液の少なくとも一方を添加すること、及び、前記ポンプ又は前記配管に過酸化水素及び過酸化水素発生剤の少なくとも一方を添加することを含む、海水冷却水の処理方法。

請求項2

前記復水器又は前記熱交換器における海水冷却水の残留塩素濃度を0.2mg/L未満とし、該海水冷却水の過酸化水素濃度を0.1mg/L以上2mg/L以下とすることを含む、請求項1に記載の海水冷却水の処理方法。

請求項3

前記復水器又は熱交換器における海水冷却水の残留塩素濃度及び過酸化水素濃度が所定の範囲内になるようにすることで、前記復水器の真空度の低下又は前記熱交換器の熱貫流率低下を抑制する、請求項1又は2に記載の海水冷却水の処理方法。

請求項4

復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制する方法であって、前記復水器又は前記熱交換器の冷却水系は、海水冷却水を取水するための取水路と、前記取水路から前記復水器又は前記熱交換器に海水冷却水を送液するためのポンプと、前記ポンプと前記復水器又は前記熱交換器とを接続する配管とを含み、前記取水路に塩素剤及び海水電解液の少なくとも一方を添加すること、及び、前記ポンプ又は前記配管に過酸化水素及び過酸化水素発生剤の少なくとも一方を添加することを含む、方法。

技術分野

0001

本開示は、海水冷却水処理方法、及び、復水器真空度の低下又は熱交換器熱貫流率低下を抑制する方法に関する。より詳細には、取水路海生生物スライムの付着を抑制しつつ、復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制でき、さらに、放水路における残留塩素濃度を所定の管理基準濃度未満に制御できる海水冷却水の処理方法に関する。

背景技術

0002

冷却水として海水を使用する発電所製鉄所石油化学プラントなどは、波浪などを避けるために、内海湾内に面した所に多く建設されている。内海や湾内において海水を取水すると、海水中に生息するムラサキイガイフジツボコケムシヒドロ虫などの海生生物やスライム等が、海水取水路配管導水路、熱交換器や復水器細管などの通水路に付着する。これらの付着した海生生物等は、成長して通水路を狭め、さらに水路内壁などの付着部から脱落し、配管や熱交換器内の通水阻害して冷却効率を低下させたりする。また、局部的な乱流酸素濃淡電池を生じて金属の腐食障害などの様々な問題を引き起こす。

0003

特に、発電設備の復水器は、蒸気タービンから排出された蒸気凝縮することでタービン背圧真空近傍に保ちプラント熱効率を高くする役割と、凝縮した水(復水)を回収してボイラ原子炉に再び送る役割をもっている。そして、細管の内側に冷却海水を、外側に蒸気を配する表面復水器を採用している。この復水器細管に海生生物やスライムが付着し伝熱機能が低下すると、発電効率の低下に直結することからより詳細な管理が必要となる。復水器の機能は発電効率に影響するため、タービン背圧を復水器内の真空度として管理している。
冷却水として海水を使用したことに起因するこのような障害を防止するため、海生生物やスライムの付着防止には薬液注入などが、付着した海生生物やスライムの除去には、スポンジボールなどの連続細管洗浄装置が使用されている。具体的には、薬液注入法として電解塩素などの塩素剤過酸化水素水溶液などが海水冷却水系の海生生物やスライム対策適応されている。

0004

本出願人は、海生生物種に対する選択性、つまり付着防止若しくは抑制の対象とする海生生物種が異なる過酸化水素剤と塩素剤との特徴を活かし、時間的間隔を空けて交互かつ別時に同一箇所に両者を添加する方法(「間欠添加方法」ともいう)や、過酸化水素と塩素剤とを併用する海生生物の付着抑制方法(「併用添加方法」ともいう)を提案した(特許文献1)。しかし、併用添加方法では過酸化水素剤と塩素剤とを安定に共存させることができず、両薬剤の特徴が十分に活かされていなかった。そこで、本出願人は、工業用海水冷却水系に予め過酸化水素等を加え、特定の過酸化水素濃度となるように分散された海水冷却水に、特定濃度で塩素剤を添加する処理方法(特許文献2)や、結合塩素と過酸化水素との併用による処理方法(特許文献3)を提案した。

0005

特許文献1は、海水を使用している流路、プラントにおける海生生物の付着を抑制する方法であって、過酸化水素又は過酸化水素発生剤及び塩素又は有効塩素発生剤を使用する海生生物付着抑制方法を開示する。
特許文献2は、工業用海水冷却水系における海生付着生物の付着防止又は成長抑制をする工業用海水冷却水の処理方法であって、工業用海水冷却水系に予め過酸化水素もしくは過酸化水素発生剤を0.01〜2mg/Lの濃度になるように分散された海水冷却水に、塩素ガスもしくは有効塩素発生剤をトリハロメタン類の生成を防止しうる濃度又はそれ以
下の濃度で添加することを開示する。
特許文献3は、海水冷却水系への海生生物の付着を防止すると共に、海水冷却系に存在する金属製配管腐食を防止する海生生物付着防止方法であって、海水冷却水系の海水に濃度0.1〜0.5mg/Lのアンモニウムイオンと、アンモニウムイオン1モルに対して有効塩素又は臭素換算して0.7〜1.2モルの塩素剤又は臭素剤との共存下に、海生生物の付着防止有効量の過酸化水素あるいは過酸化水素供給化合物を添加することを開示する。
非特許文献1は、海生生物付着防止に用いる電解塩素は、注入量が多すぎると放水口における海水中の残留塩素濃度が管理基準値を超えてしまい、逆に、注入量が少なすぎると海生生物の付着防止効果が得られなくなることを開示する。また、非特許文献1は、海生生物付着防止には、電解塩素のほか、過酸化水素が使用できることを開示する。

0006

特公昭61−2439号公報
特開平8−24870号公報
特開2003−329389号公報

先行技術

0007

2014年10月20日に恒星厚生から発行された書籍「発電所海水設備汚損対策ハンドブック」、126頁及び133頁

発明が解決しようとする課題

0008

海生生物やスライムの付着防止に電解塩素などの塩素剤を注入する場合、塩素剤の注入量を可能な限り高濃度にする必要があると同時に放水口の残留塩素濃度を検出下限値(例えば、DPD法で0.05mg/L)未満に制御する必要がある。しかしながら、塩素剤の減衰は、海水中のアンモニウム塩亜硝酸塩第一鉄イオンなどの還元性無機物質や還元性有機物質、プランクトン類の量によって著しく変化する。そのため、塩素剤を高濃度添加すると放水口の残留塩素濃度が検出下限値を超える場合が生じ得る。一方、放水口での残留塩素濃度を検出下限値未満にすると、防汚対象箇所において塩素剤が防汚有効濃度に達しない場合が生じ得る。塩素剤が防汚有効濃度に達しない場合は海生付着生物やスライムが付着することになり、復水器の真空度が低下し、発電効率の低下に直結したり、熱交換器の熱貫流率が低下したりする。このように塩素剤のみで海水冷却水を処理することは、その管理が困難であった。

0009

過酸化水素剤は、安全性が高い半面、その添加量が少なくなると付着生物に対する選択性が現れ、広範な海生生物種の付着を防止若しくは抑制することが困難になる。

0010

特許文献1に記載の「間欠添加方法」は、時間的間隔を空けて交互かつ別時に同一箇所に両者を添加する必要があり、その操作が煩雑になるという欠点がある。「併用添加方法」では、過酸化水素剤と塩素剤との酸化還元反応により、両薬剤が消費される、つまり両薬剤の濃度が低下するので、両薬剤又はいずれか一方を大量に添加しなければ十分な効果が発揮されないという課題がある。

0011

また、特許文献2に記載の発明は、トリハロメタン類の生成が抑制されるとともに、過酸化水素の添加量を低減しても、添加箇所以降の区域においても海生生物の付着及び成長を有効に抑制するという効果を有する(特許文献2、明細書、段落0012参照)。しかし、取水口等に過酸化水素濃度が1.0mg/Lとなるように予め過酸化水素を添加して分散させたとしても、復水器に到るまでにヒドロ虫やスライムが大量に付着し、脱落した
ポリプ群体が復水器の細管に付着し細管を狭窄したり、閉塞したりすることが予想された。

0012

また、特許文献3に記載の発明は、鉄系配管に対する腐食が軽減されるものの、過酸化水素のみを添加した場合と同様な付着防止効果しか得られない(特許文献3、明細書、段落0027段落)。

0013

このように、これまでの塩素剤の使用や、塩素剤及び過酸化水素を併用しても、特に低濃度の薬剤の添加では、海水冷却水系の復水器及び熱交換器において、通水による復水器の真空度の低下や熱交換器の熱貫流率低下の抑制を達成することは困難であった。

0014

そこで、本開示は、一又は複数の実施形態において、低濃度の薬剤の添加で海水冷却系における復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制できる方法を提供する。

0015

本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、海水冷却系において、低濃度の薬剤の添加で取水路の海生生物やスライムの付着を抑制しつつ、復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制でき、さらに、放水路における残留塩素濃度を所定の管理基準濃度未満に制御できる方法を提供する。

0016

本発明の発明者らは、上記課題を解決するためにモデル水路による実験を重ねた結果、予め電解塩素もしくは有効塩素発生剤が添加分散された工業用海水冷却水に過酸化水素もしくは過酸化水素発生剤を添加して、復水器や熱交換器を想定した箇所の残留塩素濃度を0.07mg/L、かつ、過酸化水素濃度を0.35mg/Lとすることにより、復水器細管や熱交換器細管にオベリア類(ヒドロ虫)や二枚貝等の海生生物やスライムの付着を有効に防止できることを見出した。また、工業用海水冷却水系の取水口を想定した箇所に過酸化水素を1mg/Lとなるように添加しても、熱交換器(復水器)入口を想定した箇所までにオベリア類(ヒドロ虫)やスライムが付着するのに対し、塩素剤を残留塩素として0.05mg/Lとなるように添加した場合には、オベリア類(ヒドロ虫)やスライムの付着が抑制されることも見出した。さらに、放水口を想定した箇所における残留塩素濃度が検出下限値未満と検出限界以下の濃度となることも確認した。
そして、この方法を現場の発電設備の海水冷却水系で実施したところ、取水口設備の水路取水管から復水器にいたるまで、及び、復水器細管において、ヒドロ虫や二枚貝等の海生生物やスライムの付着が有効に抑制され、復水器の真空度の低下が顕著に抑制され、発電効率が低下しない事実を確認し、さらに放水口のおける残留塩素濃度が検出下限値未満となることも確認し、本発明を完成させた。

課題を解決するための手段

0017

本開示は、一又は複数の実施形態において、復水器又は熱交換器の冷却水系に用いられる海水冷却水の処理方法であって、前記冷却水系は、海水冷却水を取水するための取水路と、前記取水路から前記復水器又は前記熱交換器に海水冷却水を送液するためのポンプと、前記ポンプと前記復水器又は前記熱交換器とを接続する配管とを含み、
前記取水路に塩素剤及び海水電解液の少なくとも一方を添加すること、及び、
前記ポンプ又は前記配管に過酸化水素及び過酸化水素発生剤の少なくとも一方を添加することを含む、海水冷却水の処理方法に関する。

0018

本開示は、さらにその他の一又は複数の実施形態において、復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制する方法であって、前記冷却水系は、海水冷却水を取水するための取水路と、前記取水路から前記復水器又は前記熱交換器に海水冷却水を送液するためのポンプと、前記ポンプと前記復水器又は前記熱交換器とを接続する配管とを含み、
前記取水路に塩素剤及び海水電解液の少なくとも一方を添加すること、及び、
前記ポンプ又は前記配管に過酸化水素及び過酸化水素発生剤の少なくとも一方を添加することを含む、復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制する方法に関する。

発明の効果

0019

本開示の方法によれば、一又は複数の実施形態において、海水冷却系における復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制できる。

0020

本開示は、その他の一又は複数の実施形態において、海水冷却系において、塩素剤(海水電解液を含む)や過酸化水素の添加濃度を低減できるとともに、取水路の海生生物やスライムの付着を抑制しつつ、復水器や熱交換器の細管にヒドロ虫や二枚貝等の海生生物やスライムの付着が有効に抑制されるという効果、ならびに、復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を顕著に抑制でき、さらに、放水路における残留塩素濃度を所定の管理基準濃度未満に制御できる。

図面の簡単な説明

0021

図1は、実施例で使用したモデル冷却水系の概略図である。
図2は、海水冷却水を利用する復水器又は熱交換器の冷却水系の一例の概略図である。

0022

海水冷却水を利用する復水器又は熱交換器の冷却水系の限定されない一又は複数の実施形態を図1の概略図に示す。海水冷却水系は、海に接続する海水冷却水を取水するための取水路21と、取水路21から復水器10の復水器細管11に海水冷却水を送液するためのポンプ12と、ポンプ12と復水器10とを接続する配管13と、復水器10と放水路22とを接続する配管14とを含む。取水路21には、カーテンウォール31、バースクリーンロータリースクリーン等のスクリーン32が設置される。

0023

取水路21には海水を取り入れる入口である取水口(図示せず)、取水口の後にあってスクリーン設備の前にある取水槽(図示せず)、各種スクリーン設備31及び32を含む。取水路は水路方式であっても配管方式であってもよい。

0024

ポンプ12、及びポンプ12と復水器10とを接続する配管13は、復水器又は熱交換器前のポンプ又は配管に含まれる。

0025

本開示に係る方法において、塩素剤及び/又は海水電解液を海水冷却水系の上流側に添加し、過酸化水素及び/又は過酸化水素発生剤を復水器又は熱交換器の直前に添加することが好ましい。したがって、塩素剤及び/又は海水電解液の添加場所は過酸化水素及び/又は過酸化水素発生剤の添加場所の上流側のいずれかにすることを含む。

0026

本開示は、塩素剤及び/又は海水電解液を海水冷却水系の上流側に添加し、過酸化水素及び/又は過酸化水素発生剤を復水器又は熱交換器の前に添加すると、具体的には、海水冷却水系の取水路に塩素を添加し、海水冷却水系のポンプ又はその下流に過酸化水素を添加すると、これまでの塩素剤の使用や塩素剤と過酸化水素との併用では達成できなかった効果、すなわち、低濃度の薬剤の添加で、取水路から復水器又は熱交換器までを含む通水路全体におけるヒドロ虫や二枚貝等を含む海生生物やスライムの付着を抑制しつつ、復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制し、さらに、放水路における残留塩素濃度を抑制できるという効果が得られる、という知見に基づく。

0027

本開示により、水路における海生生物やスライムの付着が抑制され、復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下が抑制され、さらに、放水路における残留塩素濃度が抑制されるメカニズムの詳細は明らかではないが以下のように推定される。過酸化水素には、海生生物やスライムに対する付着防止又は成長抑制の効果があるとともに、残留塩素を分解する作用がある。よって、取水路で塩素を添加し、復水器又は熱交換器に近いポンプ又はその下流で過酸化水素を添加することにより、取水路で海生生物やスライムの付着防止又は成長抑制をするとともに、復水器又は熱交換器において残留塩素と過酸化水素を共存させてより効率的な海生生物やスライムの付着防止と成長抑制効果を発揮させ、その結果、復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制できると考えられる。また、取水路で塩素を添加し、復水器又は熱交換器に近いポンプ又はその下流で過酸化水素を添加することにより、復水器又は熱交換器において残留塩素と過酸化水素を一定時間共存させて残留塩素を分解し、放水路における残留塩素濃度を低減することができる。
本開示は、これらのメカニズムに限定されなくてもよい。

0028

よって、本開示は、一態様において、取水路に塩素剤及び海水電解液の少なくとも一方を添加すること、及び、取水路から復水器又は熱交換器に海水冷却水を送液するためのポンプ又は該ポンプと前記復水器又は前記熱交換器とを接続する配管に過酸化水素及び過酸化水素発生剤の少なくとも一方を添加することを含む、復水器又は熱交換器の冷却水系に用いられる海水冷却水の処理方法、復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制する方法、及び、復水器又は熱交換器の冷却水系の排水における残留塩素濃度の制御方法(以下、これらの全部又は一部を「本開示に係る方法」ということがある。)に関し得る。

0029

[塩素剤及び海水電解液]
本開示に係る方法において、塩素剤及び海水電解液の少なくとも一方は、取水路に添加される。塩素剤又は海水電解液の添加場所は、一又は複数の実施形態において、前記取水路先端部、前記取水路に設けられたバースクリーン若しくはロータリースクリーン等のスクリーン又はその上流側、又は、前記ポンプの上流側が挙げられる。添加場所が取水路の上流であるほど、取水路における海生生物やスライムの付着防止及び/又は成長抑制の効果が発揮される範囲が広くなる。すなわち、添加場所の下流から海生生物やスライムの付着防止及び/又は成長抑制の効果が発揮される。

0030

塩素剤としては、限定されない一又は複数の実施形態において、塩素ガス、次亜塩素酸塩次亜塩素酸カルシウム次亜塩素酸ナトリウムなど)、塩素化イソシアヌル酸ジクロロイソシアヌル酸塩ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムジクロロイソシアヌル酸カリウムなど)、モノクロロイソシアヌル酸塩(モノクロロイソシアヌル酸ナトリウム、モノクロロイソシアヌル酸カリウムなど)、及び、トリクロロイソシアヌル酸塩(トリクロロイソシアヌル酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌル酸カリウムなど)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。

0031

海水電解液としては、限定されない一又は複数の実施形態において、海水を電気分解することによって次亜塩素酸などの活性塩素種を生成させたものをいう。

0032

塩素剤又は海水電解液の添加方法は、限定されない一又は複数の実施形態において、取水路に接続された配管からポンプ等により注入すること、或いは取水路に投入することが挙げられる。添加においては、海水や淡水で適宜希釈してもよい。塩素剤又は海水電解液を海水冷却水中に分散させるため、冷却水系は、分散手段を有してもよい。分散手段としては、一又は複数の実施形態において、拡散器撹拌装置、取水路又は配管におけるじゃま板が挙げられる。

0033

塩素剤又は海水電解液の添加量は、一又は複数の実施形態において、海生生物やスライムの付着防止及び/又は成長抑制の観点から、取水される海水の塩素要求量を超える量である。塩素剤又は海水電解液の添加濃度は、一又は複数の実施形態において、復水器又は熱交換器における残留塩素濃度を参照して適宜調節されうる。復水器又は熱交換器における残留塩素濃度としては、一又は複数の実施形態において、所定の管理基準値が挙げられる。復水器又は熱交換器における残留塩素濃度としては、一又は複数の実施形態において、放水路における残留塩素低減の観点から、0.2mg/L未満、0.15mg/L以下、0.1mg/L以下、又は、0.08mg/L以下が挙げられる。復水器又は熱交換器における残留塩素濃度としては、一又は複数の実施形態において、海生生物やスライムの付着防止及び/又は成長抑制の効果を発揮する観点から、復水器又は熱交換器における残留塩素濃度としては、0.01mg/L以上、0.02mg/L以上、又は、0.05mg/L以上が挙げられる。復水器又は熱交換器における残留塩素濃度は、一又は複数の実施形態において、0.01mg/L以上0.15mg/L以下、又は0.01mg/L以上0.1mg/L以下、又は0.02mg/L以上0.08mg/L以下が挙げられる。

0034

塩素剤又は海水電解液の1日あたりの添加時間は、30分以上が好ましく24時間添加してもよい。より好ましい添加時間は、1〜24時間である。添加は、連続添加でもよく、間欠添加でもよい。

0035

本開示において、復水器又は熱交換器における残留塩素濃度とは、一又は複数の実施形態において、復水器又は熱交換器の入口、中、又は出口のいずれかから得られる冷却水における残留塩素濃度をいう。本開示において、残留塩素1mgとは塩素1mgと同じ酸化当量に相当する量をいう。残留塩素濃度は、実施例に記載した方法で測定できる。

0036

[過酸化水素及び過酸化水素発生剤]
本開示に係る方法において、過酸化水素及び過酸化水素発生剤の少なくとも一方は、取水路から復水器若しくは熱交換器に海水冷却水を送液するためのポンプ、又は、該ポンプと前記復水器又は前記熱交換器とを接続する配管に添加される。過酸化水素又は過酸化水素発生剤の添加場所は、一又は複数の実施形態において、海水冷却系の前記ポンプ又はその下流であって、復水器又は熱交換器の上流側の配管である。過酸化水素又は過酸化水素発生剤の添加場所は、一又は複数の実施形態において、復水器又は熱交換器の汚れ防止及び復水器の真空度低下又は熱交換器の熱貫流率低下の抑制の観点から、好ましくは、より復水器又は熱交換器に近い配管である。

0037

過酸化水素としては、限定されない一又は複数の実施形態において、過酸化水素水溶液の形態があげられる。

0038

過酸化水素発生剤としては、水等の液中で過酸化水素を発生するものが挙げられ、一又は複数の実施形態において、過炭酸ナトリウム過炭酸カリウム等の可溶性過炭酸塩、過ホウ酸ナトリウムや過ホウ酸カリウム等の可溶性過ホウ酸塩等の各種の可溶性ペルオクソ酸塩、尿素/過酸水付加物メタケイ酸塩過酸化水素付加物過酸化ナトリウム等が挙げられる。

0039

過酸化水素又は過酸化水素発生剤の添加方法は、限定されない一又は複数の実施形態において、配管に接続された配管からポンプ等により送液することにより行うことが挙げられる。添加においては、海水や淡水で適宜希釈してもよい。

0040

過酸化水素又は過酸化水素発生剤の添加濃度は、一又は複数の実施形態において、復水器又は熱交換器における過酸化水素濃度を参照して適宜調節されうる。復水器又は熱交換器における過酸化水素濃度としては、一又は複数の実施形態において、塩素剤との酸化還
元反応を急激に進ませない観点から、2mg/L以下、1.5mg/L以下、1.2mg/L以下、又は、0.8mg/L以下が挙げられる。復水器又は熱交換器における過酸化水素濃度としては、一又は複数の実施形態において、海生生物やスライムの付着防止及び/又は成長抑制の効果を発揮する観点から、0.1mg/L以上、0.17mg/L以上、又は、0.3mg/L以上が挙げられる。復水器又は熱交換器における過酸化水素濃度としては、一又は複数の実施形態において、0.1mg/L以上2mg/L以下、0.17mg/L以上1.2mg/L以下、0.17mg/L以上1.1mg/L以下、0.17mg/L以上0.8mg/L以下、又は、0.3mg/L以上0.8mg/L以下が挙げられる。過酸化水素濃度は、実施例に記載した方法で測定できる。
過酸化水素又は過酸化水素発生剤の1日当たりの添加時間は、塩素剤又は海水電解液の添加時間と同様である。
本開示において、復水器又は熱交換器における過酸化水素濃度とは、一又は複数の実施形態において、復水器又は熱交換器の入口、中、又は出口のいずれかから得られる冷却水における過酸化水素濃度をいう。

0041

本開示は、以下の、一又は複数の実施形態に関しうる;
[1]復水器又は熱交換器の冷却水系に用いられる海水冷却水の処理方法であって、
前記冷却水系は、海水冷却水を取水するための取水路と、前記取水路から前記復水器又は前記熱交換器に海水冷却水を送液するためのポンプと、前記ポンプと前記復水器又は前記熱交換器とを接続する配管とを含み、前記取水路に塩素剤及び海水電解液の少なくとも一方を添加すること、及び、前記ポンプ又は前記配管に過酸化水素及び過酸化水素発生剤の少なくとも一方を添加することを含む、海水冷却水の処理方法。
[2] 前記復水器又は前記熱交換器における海水冷却水の残留塩素濃度を0.2mg/L未満とし、該海水冷却水の過酸化水素濃度を0.1mg/L以上2mg/L以下とすることを含む、[1]に記載の海水冷却水の処理方法。
[3] 前記復水器又は熱交換器における残留塩素濃度及び過酸化水素濃度が所定の範囲内になるようにすることで、前記復水器の真空度の低下又は前記熱交換器の熱貫流率低下を抑制する、[1]又は[2]に記載の海水冷却水の処理方法。
[4] 復水器の真空度の低下又は熱交換器の熱貫流率低下を抑制する方法であって、前記復水器又は前記熱交換器の冷却水系は、海水冷却水を取水するための取水路と、前記取水路から前記復水器又は前記熱交換器に海水冷却水を送液するためのポンプと、前記ポンプと前記復水器又は前記熱交換器とを接続する配管とを含み、前記取水路に塩素剤及び海水電解液の少なくとも一方を添加すること、及び、前記ポンプ又は前記配管に過酸化水素及び過酸化水素発生剤の少なくとも一方を添加することを含む、方法。

0042

以下、実施例を用いて本開示をさらに説明する。ただし、本開示は以下の実施例に限定して解釈されない。

0043

[モデル水路を用いた評価試験
太平洋に面した和山県沿岸の某所に、図1に示す水路試験装置を設け、試験を行った。水路試験装置の各水路内には、図1に示すように、付着生物調査用にアクリル製のカラム内径64mm×長さ300mm×厚さ2mm、表面積:602.88cm2、半円
半割しその片方内面目合5mm、糸径1mmのビニロン網を張りつけたものを再度円柱状にしたもの)を取り付けた。分岐部から水路の末端図1における海水採取箇所)までの長さは6mであり、分岐部から1m及び3mの位置に1番目のカラム及び2番目のカラムをそれぞれ設置し、第一薬剤添加箇所及び第二薬剤添加箇所は、それぞれ分岐部から0.5m及び2.5mの位置とした。1番目のカラムは、第二薬剤の添加箇所前の取水路や送水配管を想定したものであり、2番目のカラムは、復水器や熱交換器を想定したものである。

0044

水中ポンプを用いて揚水した海水を、分岐させた各水路に流量1.0m3/hで一過式
に通水した(約84日間)。薬剤の添加は、1日あたり20時間連続して行い、以下に示す薬剤を図1に示す第一薬剤添加箇所及び第二薬剤添加箇所からそれぞれ添加した。第一薬剤添加箇所及び第二薬剤添加箇所における薬剤添加は同時に開始した。通水開始から約84日後にカラムを回収し、下記の評価を行った。また、薬剤添加中に二番目の付着生物調査用カラムの出口から海水を採取し、採取した海水を2分間撹拌した後、残留塩素濃度の測定を行い排水の残留塩素濃度とした。それらの結果を下記表1に示す。

0045

(実施例1)
第一薬剤として次亜塩素酸ナトリウム、第二薬剤として過酸化水素を使用した。次亜塩素酸ナトリウム(第一薬剤)は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素として12%含有)を適宜希釈し、1番目のカラム中の海水の残留塩素濃度が表1に示す1番目のカラムの残留塩素濃度となるように、図1に示す第一薬剤添加箇所(1番目の付着生物調査用カラムの手前)から定量ポンプを用いて水路に添加した。過酸化水素(第二薬剤)は、35%過酸化水素溶液を適宜希釈し、2番目のカラム中の海水の過酸化水素濃度が表1に示す2番目のカラムの過酸化水素濃度になるように、図1に示す第二薬剤添加箇所(2番目の付着生物調査用カラムの手前)から定量ポンプを用いて水路に添加した。なお、表1における薬剤濃度は、1番目カラム及び2番目カラムから採取した海水の薬剤濃度である。薬剤濃度の測定は、後述する方法で行った。

0046

(実施例2〜8)
表1に示す残留塩素濃度及び過酸化水素濃度となるように、次亜塩素酸ナトリウム及び過酸化水素を添加した以外は、実施例1と同様に行った。

0047

(比較例1)
第一薬剤として次亜塩素酸ナトリウムを使用し、第二薬剤は使用しなかった。次亜塩素酸ナトリウムは、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素として12%含有)を適宜希釈し、1番目のカラム中の海水の残留塩素濃度が表1に示す残留塩素濃度となるように、第一薬剤添加箇所から定量ポンプを用いてそれぞれ水路に添加した。

0048

(比較例2〜5)
表1に示す残留塩素濃度となるように、次亜塩素酸ナトリウムを添加した以外は、比較例1と同様に行った。

0049

(比較例6)
第一薬剤として過酸化水素を使用し、第二薬剤は使用しなかった。過酸化水素は、過酸化水素は、35%過酸化水素溶液を適宜希釈し、1番目のカラム中の海水の過酸化水素が表1に示す過酸化水素濃度になるように、第一薬剤添加箇所から定量ポンプを用いて水路に添加した。

0050

(比較例7)
第二薬剤として次亜塩素酸ナトリウムを使用した以外は、比較例6と同様にして行った。次亜塩素酸ナトリウムは、次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素として12%含有)を適宜希釈し、2番目のカラム中の海水の残留塩素濃度が表1に示す残留塩素濃度となるように、第二薬剤添加箇所から定量ポンプを用いてそれぞれ水路に添加した。

0051

ブランク
第一薬剤及び第二薬剤のいずれの添加箇所においても薬剤を添加しなかった(無薬注)。

0052

[評価]
イガイ類付着数及びオベリア類の被覆率計測
回収したカラムからイガイ類の付着数(個数)及びオベリア類の被覆率(%)の計測を行った。イガイ類の付着数(個数)は、それぞれカラム目視観察により計数した。オベリア類の被覆率(%)は、通水終了後のカラムに5mm目合いのネットを押し当て、被覆面と非被覆面の目数を計数し、カラムの表面積602.88cm2を100%として被覆率
を算出した。

0053

(残留塩素濃度の測定)
DPD法残留塩素計原理化工業株式会社製、型式:DP−3F)を用いて、DPD試薬発色による吸光光度法によって計測を行い、得られた全残留塩素濃度を残留塩素濃度とした。なお、検出下限値(0.05mg/L)未満については、表示される数値を記録した。

0054

(過酸化水素濃度の測定)
項目水質計(株式会社共立理化学研究所社製、型式:ラムダ9000)を用いて、酵素法により測定した。

0055

0056

表1に示すように、第一薬剤として次亜塩素酸ナトリウム、第二薬剤として過酸化水素
を使用した実施例1〜8では、処理後の海水における残留塩素濃度が検出限界値(0.05mg/L)未満であっても、2番目の付着生物調査用カラムのオベリア類の被覆率を2%以下、イガイ類の付着数を0個にまで低減できた。

0057

また、実施例5〜8では、第一薬剤添加箇所における残留塩素濃度が高濃度の場合であっても、第二薬剤として過酸化水素を併用することにより、処理後の海水における残留塩素濃度を検出限界値未満とすることができ、また、1番目の付着生物調査用カラムにおいても、2番目の付着生物調査用カラムと同様にオベリア類の被覆率及びイガイ類の付着数を低減できた。

0058

したがって、実施例1〜8の方法によれば、過酸化水素を添加する前の取水路及び配管等並びに熱交換器又は復水器への海生生物の付着を十分に抑制できることから、熱交換器又は復水器の熱貫流率の低下を抑制でき、その機能を十分に維持できると考えられる。

0059

これに対し、第二薬剤として過酸化水素を使用しない比較例1では、処理後の海水における残留塩素濃度は検出限界値未満であったものの、1番目及び2番目のカラムのオベリア類の被覆率がそれぞれ8%、イガイ類の付着数がそれぞれ15個となり、熱交換器又は復水器の熱貫流率の低下が予想される。また、第二薬剤として過酸化水素を使用せず、また第一薬剤添加箇所における残留塩素濃度が0.05mg/L以上である比較例2〜5は、1番目及び2番目のカラムにおけるオベリア類被覆率及びイガイ類の付着個数の低減が確認できたものの、処理後の海水における残留塩素濃度が検出限界値を超えるという問題があった。さらに、比較例2については、2番目のカラムにおけるイガイ類の付着個数が3個であり、熱交換器又は復水器の熱貫流率の低下が予想される。第一薬剤として過酸化水素を使用した比較例6は、1番目及び2番目のカラムのオベリア類の被覆率がともに10%となり、熱交換器又は復水器の熱貫流率の低下が予想される。第一薬剤として過酸化水素、第二薬剤として次亜塩素酸ナトリウムを使用した比較例7は、1番目のカラムのオベリア類被覆率が17.5%と増加したことから、取水抵抗増し取水量が少なくなることが予想され、また脱落した群体が熱交換器又は復水器の細管に付着して細管を狭窄したり閉塞することにより、熱貫流率が低下し、その結果復水器の真空度が低下することが予想される。

0060

実機の発電所における試験]
取水口先端部において海水に電解塩素を添加し、海生生物等による汚損の防止を行っていた某発電所において、取水口先端部における電解塩素の添加に加え、復水器入口付近に過酸化水素水溶液を添加することにより、海生生物等による汚損防止処理を行った。電解塩素は復水器出口の残留塩素濃度が0.1mg/Lになるように添加し、過酸化水素は復水器の過酸化水素濃度が1.05mg/Lになるように添加した。薬剤の添加は一日3時間連続して行い、それを4か月間行った。復水器出口の残留塩素濃度は0.05〜0.12mg/L、平均0.078mg/Lであり、海水の放水口における残留塩素濃度は検出下限値未満であった。

実施例

0061

その結果、前年同時期と比較して復水器(熱交換器)の熱貫流率が上昇し、復水器細管の清浄度が最大10%改善された。清浄度は、(汚れた熱交換器の熱貫流率)/(汚れのない熱交換器の熱交換率)で計算される。また、復水器の真空度が改善され(平均で約670mmHgから約680mmHg)、タービン負荷下げることなく運転を行なうことができたためタービン出力が低下することもなかった。

0062

10復水器
11復水器細管
12ポンプ
13送水配管
14放水配管
21取水路
22放水路
31カーテンウォール
32 スクリーン

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