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技術 排ガス浄化触媒とその製造方法

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 金沢孝明
出願日 2016年2月12日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-024929
公開日 2016年12月15日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2016-209858
状態 特許登録済
技術分野 排気の後処理 触媒による排ガス処理 触媒
主要キーワード 環境影響負荷 ピーク範囲 X線回折法 耐久度 エコカー 耐久試験結果 セル壁面 細孔量
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

高温耐久中の貴金属触媒凝集による劣化抑制効果に優れた排ガス浄化触媒を提供する。

解決手段

多孔質担体と、多孔質担体に担持された貴金属触媒と、からなる排ガス浄化触媒であって、多孔質担体はアルミナセリアジルコニア系複合酸化物粒子からなり、900℃5時間焼成後の物性値で、粒子の細孔直径は2〜20nmの範囲にあり、粒子の比表面積は75〜115m2/gの範囲にあり、粒子に含まれるセリア−ジルコニア複合酸化物結晶子の大きさは4〜6nmの範囲にあり、粒子の嵩密度の大きさは0.5〜0.9cm3/gの範囲にある。

概要

背景

各種産業界においては、環境影響負荷低減に向けた様々な取り組みが世界規模でおこなわれており、中でも、自動車産業においては、燃費性能に優れたガソリンエンジン車は勿論のこと、ハイブリッド車電気自動車等のいわゆるエコカーの普及とそのさらなる性能向上に向けた開発が日々進められている。このようなエコカーの開発に加えて、エンジンから排出される排ガス浄化する排ガス浄化触媒に関する研究も盛んに行われている。

この排ガス浄化触媒には、酸化触媒三元触媒NOx吸蔵還元触媒などが含まれており、この排ガス浄化触媒において触媒活性発現するのは、白金(Pt)やパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などの貴金属触媒であり、貴金属触媒はアルミナ(Al2O3)などの多孔質酸化物からなる多孔質担体担持された状態で一般に用いられている。

車両エンジンマフラー繋ぐ排ガスの排気系統には、排ガスを浄化するための触媒コンバーターが一般に配設されている。エンジンはCOやNOx、未燃焼のHCやVOCなど、環境に有害な物質を排出することがあり、こうした有害物質許容可能な物質に変換するべく、RhやPd、Ptのような貴金属触媒が多孔質担体に担持された触媒層基材セル壁面に配設されてなる触媒コンバーターに排ガスを通すことにより、COはCO2に転化され、NOxはN2とO2に転化され、VOCは燃焼してCO2とH2Oが生成されることになる。

貴金属触媒を担持する多孔質担体として、セリアジルコニア系複合酸化物(CeO2-ZrO2固溶体、CZ材などと称される)を挙げることができ、これは助触媒とも称され、排ガス中の有害成分であるCOやNOx、HCを同時除去する上記三元触媒に必須の成分であり、この助触媒に必須の成分としてCeO2が挙げられる。

このCeO2はその曝される排ガス中の酸素分圧に依拠してCe3+、Ce4+とその酸化数が変化し、電荷の過不足補償するために酸素吸放出する機能や酸素を貯蔵する機能(酸素吸放出能(OSC: Oxygen Storage Capacity))を有する。そして、この三元触媒の浄化ウィンドウを保持するべく、排ガスの雰囲気変動を吸収・緩和し、理論空燃比付近に保つことを可能としている。

ところで、排ガス浄化触媒は高温に晒されることで触媒性能が低下してしまうといった問題を有しており、耐熱性の向上が課題である。

ここで、従来の排ガス浄化触媒においては、貴金属触媒が担持される多孔質担体の耐久後の比表面積を維持するべく、多孔質担体の粉末内に比較的大きな細孔を多数形成しておき、多孔質担体が焼結するのを回避する方向で開発が進められている。

しかしながら、多孔質担体の粉末内に比較的大きな細孔が多数形成されていることで、貴金属触媒のシンタリング凝集抑制効果を低下させてしまい、さらには、多孔質担体の粉末の嵩を大きくしてしまうことでモノリスへの塗布量が制限される要因になるといった別途の問題が生じ得る。なお、細孔量を少なくすることで比表面積が低下し、貴金属触媒の担持が困難になることより、貴金属触媒の担持と耐久後の貴金属触媒の凝集抑制の両立の観点から、細孔量の調整は極めて困難な状況にある。

ここで、特許文献1には、多孔質担体と、多孔質担体に担持された触媒貴金属と、からなる排ガス浄化用触媒に関し、多孔質担体が金属アルコキシドから調製されたアルミニウムセリウムジルコニウム複合酸化物粒子からなり、粒子の組成モル比でCe/Zr=1/3〜3/1かつAl/(Ce+Zr)=2〜10の範囲にある排ガス浄化用触媒が開示されている。

特許文献1に記載される排ガス浄化用触媒では、粒子の組成をモル比でCe/Zr=1/3〜3/1かつAl/(Ce+Zr)=2〜10の範囲に調整したことにより、耐久後におけるOSCの低下がほとんど生じないことから、リーン雰囲気に曝される時間が減少し、貴金属触媒のシンタリングなどの劣化が抑制され、初期の高い活性を長く持続させることができるとしている。

しかしながら、この貴金属触媒のシンタリングによる劣化抑制効果、より詳細には、高温耐久中の貴金属触媒の凝集による劣化抑制効果に関しては、改善の余地があると考えられる。

概要

高温耐久中の貴金属触媒の凝集による劣化抑制効果に優れた排ガス浄化触媒を提供する。多孔質担体と、多孔質担体に担持された貴金属触媒と、からなる排ガス浄化触媒であって、多孔質担体はアルミナ−セリア−ジルコニア系複合酸化物の粒子からなり、900℃5時間焼成後の物性値で、粒子の細孔直径は2〜20nmの範囲にあり、粒子の比表面積は75〜115m2/gの範囲にあり、粒子に含まれるセリア−ジルコニア複合酸化物結晶子の大きさは4〜6nmの範囲にあり、粒子の嵩密度の大きさは0.5〜0.9cm3/gの範囲にある。

目的

ところで、排ガス浄化触媒は高温に晒されることで触媒性能が低下してしまうといった問題を有しており、耐熱性の向上が課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

多孔質担体と、該多孔質担体に担持された貴金属触媒と、からなる排ガス浄化触媒であって、前記多孔質担体はアルミナセリアジルコニア系複合酸化物粒子からなり、900℃5時間焼成後の物性値で、前記粒子の細孔直径は2〜20nmの範囲にあり、該粒子の比表面積は75〜115m2/gの範囲にあり、該粒子に含まれるセリア−ジルコニア複合酸化物結晶子の大きさは4〜6nmの範囲にあり、該粒子の嵩密度の大きさは0.5〜0.9cm3/gの範囲にある、排ガス浄化触媒。

請求項2

セリウム塩化合物ジルコニウム塩化合物水性溶媒に溶解して水溶液とする工程と、前記水溶液中にアルミニウムイソプロポキシドを添加し前駆体溶液を製造する工程と、前記前駆体溶液から水分を除去し、残渣を乾燥および焼成することでアルミナ‐セリア‐ジルコニア系複合酸化物を製造する工程と、前記アルミナ‐セリア‐ジルコニア系複合酸化物から排ガス浄化触媒を製造する工程と、を備えている、排ガス浄化触媒の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、排ガス浄化触媒とその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

各種産業界においては、環境影響負荷低減に向けた様々な取り組みが世界規模でおこなわれており、中でも、自動車産業においては、燃費性能に優れたガソリンエンジン車は勿論のこと、ハイブリッド車電気自動車等のいわゆるエコカーの普及とそのさらなる性能向上に向けた開発が日々進められている。このようなエコカーの開発に加えて、エンジンから排出される排ガス浄化する排ガス浄化触媒に関する研究も盛んに行われている。

0003

この排ガス浄化触媒には、酸化触媒三元触媒NOx吸蔵還元触媒などが含まれており、この排ガス浄化触媒において触媒活性発現するのは、白金(Pt)やパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)などの貴金属触媒であり、貴金属触媒はアルミナ(Al2O3)などの多孔質酸化物からなる多孔質担体担持された状態で一般に用いられている。

0004

車両エンジンマフラー繋ぐ排ガスの排気系統には、排ガスを浄化するための触媒コンバーターが一般に配設されている。エンジンはCOやNOx、未燃焼のHCやVOCなど、環境に有害な物質を排出することがあり、こうした有害物質許容可能な物質に変換するべく、RhやPd、Ptのような貴金属触媒が多孔質担体に担持された触媒層基材セル壁面に配設されてなる触媒コンバーターに排ガスを通すことにより、COはCO2に転化され、NOxはN2とO2に転化され、VOCは燃焼してCO2とH2Oが生成されることになる。

0005

貴金属触媒を担持する多孔質担体として、セリアジルコニア系複合酸化物(CeO2-ZrO2固溶体、CZ材などと称される)を挙げることができ、これは助触媒とも称され、排ガス中の有害成分であるCOやNOx、HCを同時除去する上記三元触媒に必須の成分であり、この助触媒に必須の成分としてCeO2が挙げられる。

0006

このCeO2はその曝される排ガス中の酸素分圧に依拠してCe3+、Ce4+とその酸化数が変化し、電荷の過不足補償するために酸素吸放出する機能や酸素を貯蔵する機能(酸素吸放出能(OSC: Oxygen Storage Capacity))を有する。そして、この三元触媒の浄化ウィンドウを保持するべく、排ガスの雰囲気変動を吸収・緩和し、理論空燃比付近に保つことを可能としている。

0007

ところで、排ガス浄化触媒は高温に晒されることで触媒性能が低下してしまうといった問題を有しており、耐熱性の向上が課題である。

0008

ここで、従来の排ガス浄化触媒においては、貴金属触媒が担持される多孔質担体の耐久後の比表面積を維持するべく、多孔質担体の粉末内に比較的大きな細孔を多数形成しておき、多孔質担体が焼結するのを回避する方向で開発が進められている。

0009

しかしながら、多孔質担体の粉末内に比較的大きな細孔が多数形成されていることで、貴金属触媒のシンタリング凝集抑制効果を低下させてしまい、さらには、多孔質担体の粉末の嵩を大きくしてしまうことでモノリスへの塗布量が制限される要因になるといった別途の問題が生じ得る。なお、細孔量を少なくすることで比表面積が低下し、貴金属触媒の担持が困難になることより、貴金属触媒の担持と耐久後の貴金属触媒の凝集抑制の両立の観点から、細孔量の調整は極めて困難な状況にある。

0010

ここで、特許文献1には、多孔質担体と、多孔質担体に担持された触媒貴金属と、からなる排ガス浄化用触媒に関し、多孔質担体が金属アルコキシドから調製されたアルミニウムセリウムジルコニウム複合酸化物粒子からなり、粒子の組成モル比でCe/Zr=1/3〜3/1かつAl/(Ce+Zr)=2〜10の範囲にある排ガス浄化用触媒が開示されている。

0011

特許文献1に記載される排ガス浄化用触媒では、粒子の組成をモル比でCe/Zr=1/3〜3/1かつAl/(Ce+Zr)=2〜10の範囲に調整したことにより、耐久後におけるOSCの低下がほとんど生じないことから、リーン雰囲気に曝される時間が減少し、貴金属触媒のシンタリングなどの劣化が抑制され、初期の高い活性を長く持続させることができるとしている。

0012

しかしながら、この貴金属触媒のシンタリングによる劣化抑制効果、より詳細には、高温耐久中の貴金属触媒の凝集による劣化抑制効果に関しては、改善の余地があると考えられる。

先行技術

0013

特許第3379369号公報

発明が解決しようとする課題

0014

本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、高温耐久中の貴金属触媒の凝集による劣化抑制効果に優れた排ガス浄化触媒を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0015

前記目的を達成すべく、本発明による排ガス浄化触媒は、多孔質担体と、該多孔質担体に担持された貴金属触媒と、からなる排ガス浄化触媒であって、前記多孔質担体はアルミナ−セリア−ジルコニア系複合酸化物の粒子からなり、900℃5時間焼成後の物性値で、前記粒子の細孔直径は2〜20nmの範囲にあり、該粒子の比表面積は75〜115m2/gの範囲にあり、該粒子に含まれるセリア−ジルコニア複合酸化物結晶子の大きさは4〜6nmの範囲にあり、該粒子の嵩密度の大きさは0.5〜0.9cm3/gの範囲にある。

0016

本発明の排ガス浄化触媒は、アルミニウムイソプロポキシド加水分解することで製作されるものであり、複合酸化物粒子の細孔直径を2〜20nmの範囲としたことに加えて、複合酸化物粒子の比表面積を75〜115m2/gの範囲とし、複合酸化物粒子に含まれるセリア−ジルコニア複合酸化物の結晶子の大きさを4〜6nmの範囲とし、複合酸化物粒子の嵩密度の大きさを0.5〜0.9cm3/gの範囲としたことで、高温耐久中の貴金属触媒の凝集を効果的に抑制可能としたものである。

0017

具体的には、複合酸化物粒子の細孔直径が2〜20nmの範囲に設定されていることで、貴金属触媒はその内部にしか担持されず、高温耐久中の凝集が抑制でき、活性低下が少なくなる。

0018

また、複合酸化物粒子の嵩密度の大きさが0.5〜0.9cm3/gの範囲ゆえに従来一般の粒子の嵩密度の半分程度となり、したがって従来品に比してモノリスに対して2倍程度コートすることが可能になる。

0019

また、複合酸化物粒子に含まれるセリア−ジルコニア複合酸化物(CZ材)の結晶子の大きさが4〜6nmの範囲であることと、上記する貴金属触媒の凝集抑制が相俟って、耐久度に高いOSC量が得られることになる。

0020

ここで、多孔質担体に担持される貴金属触媒としては、白金(Pt)やパラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)を単体で、もしくはそれらの組み合わせが挙げられる。

0021

また、本発明による排ガス浄化触媒の製造方法は、セリウム塩化合物ジルコニウム塩化合物水性溶媒に溶解して水溶液とする工程と、前記水溶液中にアルミニウムイソプロポキシドを添加し前駆体溶液を製造する工程と、前記前駆体溶液から水分を除去し、残渣を乾燥および焼成することでアルミナ‐セリア‐ジルコニア系複合酸化物を製造する工程と、前記アルミナ‐セリア‐ジルコニア系複合酸化物から排ガス浄化触媒を製造する工程と、を備えているものである。

0022

セリウム塩、ジルコニウム塩を含む水溶液に添加されたアルミニウムイソプロポキシドを加水分解することにより、細孔直径の小さなアルミナ‐セリア‐ジルコニア系複合酸化物を製造することができる。

発明の効果

0023

以上の説明から理解できるように、本発明の排ガス浄化触媒によれば、排ガス浄化触媒を構成する多孔質担体がアルミナ−セリア−ジルコニア系複合酸化物の粒子からなり、900℃5時間焼成後の物性値で、少なくとも粒子の細孔直径が2〜20nmの範囲にあることによって、高温耐久中の貴金属触媒の凝集抑制効果に優れた排ガス浄化触媒となる。また、本発明の排ガス浄化触媒の製造方法によれば、アルミニウムプロポキシドから調整することで、微細な細孔直径のアルミナ‐セリア‐ジルコニア複合酸化物を得ることができ、高温耐久中の貴金属触媒の凝集抑制効果に優れた排ガス浄化触媒を製造することができる。

図面の簡単な説明

0024

実施例と比較例の複合酸化物の嵩密度の測定結果を示した図である。
実施例と比較例の複合酸化物のCZ材の結晶子の大きさに関する測定結果を示した図である。
実施例と比較例の複合酸化物の比表面積の測定結果を示した図である。
実施例と比較例の複合酸化物の細孔直径の測定結果を示した図であって、(a)は初期(耐久前)の測定結果を示した図であり、(b)は耐久後の測定結果を示した図である。
実施例と比較例の複合酸化物のピーク細孔直径の測定結果を示した図である。
実施例と比較例の複合酸化物の耐久後のPt結晶子の大きさに関する測定結果を示した図である。
実施例と比較例の耐久後のOSC量の測定結果を示した図である。
実施例と比較例の耐久後のHC50%浄化率に関する測定結果を示した図である。

実施例

0025

以下、図面を参照して本発明の排ガス浄化触媒の実施の形態を説明する。本発明の排ガス浄化触媒は、多孔質担体と、多孔質担体に担持された貴金属触媒と、から大略構成される。

0026

ここで、多孔質担体は、アルミニウムイソプロポキシドから調製されたアルミナ−セリア−ジルコニア系複合酸化物の粒子から形成されている。そして、以下で詳細に記載する実験結果に基づき、900℃5時間焼成後の物性値で、複合酸化物粒子の細孔直径は2〜20nmの範囲に設定され、複合酸化物粒子の比表面積は75〜115m2/gの範囲に設定され、複合酸化物粒子に含まれるセリア−ジルコニア複合酸化物の結晶子の大きさは4〜6nmの範囲に設定され、複合酸化物粒子の嵩密度の大きさは0.5〜0.9cm3/gの範囲に設定される。

0027

アルミナ−セリア−ジルコニア系複合酸化物の製作過程において、Ce(NO3)36H20とZrO(NO3)22H2Oを溶解する溶媒として、エチレングリコールではなく、蒸留水を使用することにより、アルミナ−セリア−ジルコニア系複合酸化物の比表面積を高くすることができ、焼成条件として、従来の製造方法における低温短時間焼成から高温長時間焼成(900℃程度かそれより高温で5時間程度かそれより長時間)に変更したことにより、アルミナ−セリア−ジルコニア系複合酸化物担体の内部に形成される直径2〜50nm程度の範囲のメソ孔の割合を増加させることができ、その結果として高温耐久中に貴金属触媒が凝集するのを抑制可能となった。

0028

(各種実験とその結果)
本発明者等は、以下で示す実施例1〜8と比較例1〜3の複合酸化物の試験体を製作し、各複合酸化物に貴金属触媒を担持させて排ガス浄化触媒の試験体を製作した。

0029

<実施例1>
蒸留水400cc(cm3)に、Ce(NO3)3・6H20を47.1gと、ZrO(NO3)2・2H2Oを52.1g溶解し、85℃で攪拌し、その中にAl(OC3H7)3を80.1g、その溶解を確認しながらゆっくり添加し、溶解後にロータリーエバポレーターにて90℃で完全に水分を飛ばし、900℃で5時間焼成して、Al2O3: CeO2: ZrO2 = 32:30:38の複合酸化物を作製した。

0030

<実施例2>
実施例1の蒸留水を800ccに変更した以外は実施例1と同条件である。

0031

<実施例3>
実施例1の蒸留水を1200ccに変更した以外は実施例1と同条件である。

0032

<実施例4>
実施例1でAl(OC3H7)3を溶解後に60%硝酸を8cc添加した以外は実施例1と同条件である。

0033

<実施例5>
実施例2でAl(OC3H7)3を溶解後に60%硝酸を4cc添加した以外は実施例1と同条件である。

0034

<実施例6>
実施例2でAl(OC3H7)3を溶解後に60%硝酸を8cc添加した以外は実施例1と同条件である。

0035

<実施例7>
蒸留水600cc(cm3)に、Ce(NO3)3・6H20を25.3gと、ZrO(NO3)2・2H2Oを47.7g溶解し、85℃で攪拌し、その中にAl(OC3H7)3を60.2g、その溶解を確認しながらゆっくり添加し、溶解後にロータリーエバポレーターにて90℃で完全に水分を飛ばし、900℃で5時間焼成して、Al2O3: CeO2: ZrO2 = 32:21:47の複合酸化物を作製した。

0036

<実施例8>
蒸留水1500cc(cm3)に、Ce(NO3)3・6H20を70.7gと、ZrO(NO3)2・2H2Oを78.2g溶解し、85℃で攪拌し、その中にAl(OC3H7)3を384.3g、その溶解を確認しながらゆっくり添加し、溶解後にロータリーエバポレーターにて90℃で完全に水分を飛ばし、900℃で5時間焼成して、Al2O3: CeO2: ZrO2 = 60:18:22の複合酸化物を作製した。

0037

<比較例1>
Al(OC3H7)3の代わりに硝酸塩のAl(NO3)3・9H2Oを147g用いて、Al、Ce、Zr硝酸塩水溶液を1L作製し、炭酸Na水溶液をpH10になるまで添加して沈殿物を生成させ、濾過洗浄を5回繰り返した後、120℃で乾燥させ、900℃で5時間焼成して複合酸化物を作製した。

0038

<比較例2>
比較例1で炭酸Naの代わりにアンモニア水溶液を用いてpH10になるまで添加して沈殿物を生成させた以外は比較例1と同条件である。

0039

<比較例3>
実施例1でCe(NO3)3・6H20を47.1gだけエチレングリコール100ccにあらかじめ溶解させた溶液を作製しておき、Al(OC3H7)3添加後に加えた。これは、既述する特許文献1(特許第3379369号公報)に記載の実施例と同じ方法である。

0040

触媒性能評価法>
実施例1〜8、比較例1〜3の各複合酸化物に対してPtを1質量%担持させて排ガス浄化触媒を製作し、1100℃で5時間の耐久試験各排ガス浄化触媒に対して実施し、耐久試験後触媒の各種性能評価を実施した。

0041

<実験結果>
耐久試験前の測定結果を図1〜5および表1に示し、耐久試験後の触媒性能結果を図6〜8および表2に示す。ここで、図1各試験体の嵩密度の測定結果を示した図であり、図2は各試験体のCZ材の結晶子の大きさに関する測定結果を示した図である。また、図3は各試験体の比表面積の測定結果を示した図であり、図4は各試験体の細孔直径の測定結果を示した図であって、図4(a)は初期(耐久前)の測定結果を示した図であり、図4(b)は耐久後の測定結果を示した図である。また、図5は実施例と比較例の複合酸化物のピーク細孔直径の測定結果を示した図である。

0042

[表1]

0043

まず、図1および表1において、各試験体の嵩密度はJIS R1628:1997にて測定した。同図より、比較例1〜3の嵩密度の大きさが0.7〜1.7cm3/gの範囲にあるのに対して、実施例1〜8の嵩密度の大きさは0.5〜0.9cm3/gの範囲にあり、比較例1、2の半分程度であることが分かる。このことは、モノリスに塗布できる触媒量が比較例1、2に対して実施例1〜8が2倍程度まで可能になることを意味している。

0044

次に、図2および表1において、各試験体のCZ材の結晶子の大きさはJIS H7805:2005のX線回折法にて測定した。同図より、比較例1〜3のCZ材の結晶子の大きさが5〜7nmの範囲であるのに対して、実施例1〜8のCZ材の結晶子の大きさは4〜6nmの範囲にあることが分かる。

0045

次に、図3および表1において、各試験体の比表面積はJIS R1626:1996にて測定した。同図より、比較例1〜3の比表面積が35〜80m2/gの範囲にあるのに対して、実施例1〜8の比表面積は75〜115m2/gの範囲にあることが分かる。

0046

次に、図4(a)において、耐久試験結果の良好な実施例3と比較例2を取り出して、各試験体の耐久試験前の初期の細孔直径を測定し、その分布を示した。実施例3では細孔直径のピーク範囲が2〜20nmの範囲にあることが分かる。なお、比較例2の細孔直径のピーク範囲は10〜70nm程度であることが分かる。

0047

図4(b)より、耐久試験後の細孔分布は、実施例3では20〜70nm程度がピーク範囲となり、比較例2では70〜120nm程度がピーク範囲となり、図4(a)の結果からいずれも細孔直径が数十nmずれる傾向にあることが分かる。

0048

次に、図5および表1において、各試験体のCZ材の窒素吸着法での細孔直径のピーク(ピーク細孔直径)は、実施例1〜8がいずれも10nm以下であるのに対して、比較例1〜3はいずれも10nmを超える傾向にあることが分かる。

0049

次に、図6〜8および表2を参照して耐久後の触媒性能評価について考察する。ここで、図6は各試験体の耐久後のPt結晶子の大きさに関する測定結果を示した図であり、図7は各試験体の耐久後のOSC量の測定結果を示した図であり、図8は各試験体の耐久後のHC50%浄化率に関する測定結果を示した図である。

0050

[表2]

0051

図6および表2において、各試験体のPt結晶子の大きさはJIS H7805:2005のX線回折法にて測定した。同図より、耐久後の比較例1〜3のPt粒子径は40〜55nm程度と大きくなっているのに対して、実施例1〜8のPt粒子径の大きさは31〜36nm程度と比較例に比して格段に小さいことが分かる。

0052

これは、実施例1〜8では、高温耐久中のPtの凝集が抑制されていることに依拠するものである。

0053

次に、図7および表2において、比較例1〜3の耐久後のOSC量(酸素貯蔵量)が1.4〜1.6(a.u.)であるのに対して、実施例1〜8の耐久後のOSC量は1.65〜2.2(a.u.)となり、比較例に比して40%以上もOSC量が増加することが分かった。

0054

さらに、図8および表2において、比較例1〜3の耐久後のHC50%浄化率が490〜510程度であったのに対して、実施例1〜8の耐久後のHC50%浄化率は460〜480程度となり、実施例のHC浄化性能が高いことが分かった。

0055

以上、図1図5の結果に基づき、本発明の排ガス浄化触媒を構成するアルミナ−セリア−ジルコニア系複合酸化物の粒子に関し、複合酸化物粒子の細孔直径は2〜20nmの範囲とし、複合酸化物粒子の比表面積は75〜115m2/gの範囲とし、複合酸化物粒子に含まれるセリア−ジルコニア複合酸化物の結晶子の大きさは4〜6nmの範囲とし、複合酸化物粒子の嵩密度の大きさは0.5〜0.9cm3/gの範囲に規定することとした。

0056

また、図6図8の結果より、本発明の複合酸化物を備えた排ガス浄化触媒によれば、耐久試験後の貴金属触媒の凝集を効果的に抑制でき、OSC量を増加させることができ、HCの浄化率を高めることができることが実証されている。

0057

以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。

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