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技術 気腹システム

出願人 オリンパス株式会社
発明者 平賀都敏山岡弘治糟谷侑磨上杉武文古川喜之
出願日 2015年5月11日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2015-096681
公開日 2016年12月15日 (3年3ヶ月経過) 公開番号 2016-209344
状態 特許登録済
技術分野 手術用機器 内視鏡
主要キーワード 吸引フィルタ 管路圧力 測定ルーチン 循環停止 各構成部位 リリーフ動作 循環チューブ 詰まり検出
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

気腹装置循環装置とを備える気腹システムにおいて、循環排煙時にどのチューブ詰まりが生じているかを検知することができる気腹システムを提供する。

解決手段

気腹システム1は、ガスを送気し患者腹腔圧を所定の設定圧に維持する気腹装置11と、気腹装置11から患者の体腔内にガスを送気する気腹チューブ18と、患者の体腔内からガスを吸引する吸引チューブ19と、吸引したガスを循環させる循環装置12と、吸引チューブ19と気腹チューブ18とを接続する循環チューブ39とを有する。気腹装置11は、気腹チューブ18の圧力を検知する圧力センサ115と、圧力センサ115によって検知された第一の圧力値と第二の圧力値の差分を所定の設定値と比較することにより前記気腹チューブ18もしくは吸引チューブ19のいずれが詰まっているかを判定する制御部116と、を備えている。

概要

背景

近年、患者への侵襲を小さくする目的で、開腹することなく、治療処置を行う腹腔鏡下外手術が行われている。この腹腔鏡下外科手術においては、患者の腹部に、例えば観察用内視鏡体腔内に導く第1のトロカールと、処置具処置部位に導く第2のトロカールとが穿刺される。この腹腔鏡下外科手術では、第1のトロカールの挿通孔を介して腹腔内に挿入された内視鏡を用いて、処置部位と第2のトロカールの挿通孔を介して挿入された処置具を観察しながら処置等が行われる。

このような腹腔鏡下外科手術においては、内視鏡の視野を確保する目的及び処置具を操作するための領域を確保する目的で、気腹装置が用いられている。気腹装置は、体腔内に気腹用気体として例えば二酸化炭素ガスなどを注入して腔内を一定の圧力に拡張し、内視鏡の視野や処置具の操作領域を確保する。

一般的に、腹腔内で電気メス超音波処置具などを用いて医療処置が行われる際には、煙やミストが発生し、内視鏡による術野阻害されてしまう場合がある。これを防止するために、循環装置を用いて腹腔内のガス吸引し、フィルタなどを通すことにより排煙処理した後に体腔内に戻す気腹システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

特許文献1に記載されているような循環装置を用いる気腹システムでは、体腔内のガスを吸引する際に、腹腔から切り取られた微小組織片などが異物として吸引チューブ混入する可能性がある。このような異物の混入などによりガスの循環ライン詰まりが生じた場合、体腔内から吸引されたガスを体腔内に戻すことができなくなってしまうため、体腔内の圧力が低下してしまう。体腔内の圧力が低下してしまうと、体腔が萎んでしまうために術作業が困難になってしまうという問題があった。

気腹チューブに詰まりが生じた場合に、詰まりを検知する手段を備えた気腹システムは、従来、提案されている(例えば、特許文献2参照)。

概要

気腹装置と循環装置とを備える気腹システムにおいて、循環排煙時にどのチューブで詰まりが生じているかを検知することができる気腹システムを提供する。気腹システム1は、ガスを送気し患者の腹腔圧を所定の設定圧に維持する気腹装置11と、気腹装置11から患者の体腔内にガスを送気する気腹チューブ18と、患者の体腔内からガスを吸引する吸引チューブ19と、吸引したガスを循環させる循環装置12と、吸引チューブ19と気腹チューブ18とを接続する循環チューブ39とを有する。気腹装置11は、気腹チューブ18の圧力を検知する圧力センサ115と、圧力センサ115によって検知された第一の圧力値と第二の圧力値の差分を所定の設定値と比較することにより前記気腹チューブ18もしくは吸引チューブ19のいずれが詰まっているかを判定する制御部116と、を備えている。

目的

本発明は、気腹装置と循環装置とを備える気腹システムにおいて、循環排煙時にどのチューブで詰まりが生じているかを検知することができる気腹システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

所定の気体を送気するとともに接続された管路を所定の設定圧に維持する制御部を有する気腹装置と、一端が被検体腹壁刺入された第一の接続機器に接続されるとともに、他端が前記気腹装置と接続され、前記所定の気体を送気する送気管路と、前記被検体の体腔内から気体を吸引循環する循環装置と、一端が前記被検体の腹壁に刺入された第二の接続機器に接続されるとともに、他端が前記循環装置と接続され、前記気体を吸引する吸引管路と、前記循環装置と前記気腹装置とを接続し、前記吸引管路から吸引された前記気体を循環する循環管路と、を有し、前記気腹装置は、前記送気管路の圧力を検知する圧力検知部と、前記圧力検知部によって検知された第一の圧力値と第二の圧力値の差分を所定の設定値と比較することにより前記送気管路もしくは前記吸引管路のいずれが詰まっているかを判定する詰まり状態判定部と、を備えており、前記第一の圧力値は、前記循環装置が循環を開始する直前に前記圧力検知部によって検知された圧力値であり、前記第二の圧力値は、前記第一の圧力値が検知されてから所定時間経過後に前記圧力検知部によって検知された圧力値であることを特徴とする、気腹システム

請求項2

前記設定値は、前記循環装置が循環を行っている際の動圧よりも大きな値であり、前記詰まり状態判定部は、前記第一の圧力値と前記第二の圧力値との差分が、前記設定値よりも大きい場合に、前記送気管路が詰まっていると判定する、請求項1に記載の気腹システム。

請求項3

前記設定値は、前記循環装置が循環を行っている際の動圧の範囲内の値であり、前記詰まり状態判定部は、前記第一の圧力値と前記第二の圧力値との差分が前記設定値よりも大きく、かつ、前記第二の圧力値を検知後に前記圧力検知部によって検知された第三の圧力値と前記第一の圧力値との差分が前記設定値よりも小さい場合に、前記吸引管路が詰まっていると判定する、請求項1に記載の気腹システム。

請求項4

前記設定値は、前記循環装置が循環を行っている際の動圧よりも大きな値を有する第一の設定値と、前記循環装置が循環を行っている際の動圧の範囲内の値を有する第二の設定値から構成されており、前記詰まり状態判定部は、前記第一の圧力値と前記第二の圧力値との差分が、前記第一の設定値よりも大きい場合に、前記送気管路が詰まっていると判定し、また、前記第一の圧力値と前記第二の圧力値との差分が前記第二の設定値よりも大きく、かつ、前記第二の圧力値を検知後に前記圧力検知部によって検知された第三の圧力値と前記第一の圧力値との差分が前記第二の設定値よりも小さい場合に、前記吸引管路が詰まっていると判定する、請求項1に記載の気腹システム。

請求項5

前記詰まり状態判定部の判定結果に基づき、前記送気管路もしくは前記吸引管路が詰まりの状態を表示する表示部を更に備える、請求項1乃至3に記載の気腹システム。

技術分野

0001

本発明の実施形態は、気腹システムに関し、特に、気腹装置循環装置とを備える気腹システムに関する。

背景技術

0002

近年、患者への侵襲を小さくする目的で、開腹することなく、治療処置を行う腹腔鏡下外手術が行われている。この腹腔鏡下外科手術においては、患者の腹部に、例えば観察用内視鏡体腔内に導く第1のトロカールと、処置具処置部位に導く第2のトロカールとが穿刺される。この腹腔鏡下外科手術では、第1のトロカールの挿通孔を介して腹腔内に挿入された内視鏡を用いて、処置部位と第2のトロカールの挿通孔を介して挿入された処置具を観察しながら処置等が行われる。

0003

このような腹腔鏡下外科手術においては、内視鏡の視野を確保する目的及び処置具を操作するための領域を確保する目的で、気腹装置が用いられている。気腹装置は、体腔内に気腹用気体として例えば二酸化炭素ガスなどを注入して腔内を一定の圧力に拡張し、内視鏡の視野や処置具の操作領域を確保する。

0004

一般的に、腹腔内で電気メス超音波処置具などを用いて医療処置が行われる際には、煙やミストが発生し、内視鏡による術野阻害されてしまう場合がある。これを防止するために、循環装置を用いて腹腔内のガス吸引し、フィルタなどを通すことにより排煙処理した後に体腔内に戻す気腹システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。

0005

特許文献1に記載されているような循環装置を用いる気腹システムでは、体腔内のガスを吸引する際に、腹腔から切り取られた微小組織片などが異物として吸引チューブ混入する可能性がある。このような異物の混入などによりガスの循環ライン詰まりが生じた場合、体腔内から吸引されたガスを体腔内に戻すことができなくなってしまうため、体腔内の圧力が低下してしまう。体腔内の圧力が低下してしまうと、体腔が萎んでしまうために術作業が困難になってしまうという問題があった。

0006

気腹チューブに詰まりが生じた場合に、詰まりを検知する手段を備えた気腹システムは、従来、提案されている(例えば、特許文献2参照)。

先行技術

0007

特表2013−541972号公報
特開平9−38029号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献2に記載された気腹システムは、気腹装置のみで構成されており、循環装置を持たない。従って、気腹時における気腹チューブの詰まりは検知できるが、循環排煙時における循環ライン(吸引チューブから循環チューブ、気腹チューブを通って体腔にガスを戻すライン)のどこで詰まりが生じているかを検知することができないという問題があった。

0009

そこで、本発明は、気腹装置と循環装置とを備える気腹システムにおいて、循環排煙時にどのチューブで詰まりが生じているかを検知することができる気腹システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明の一態様の気腹システムは、所定の気体を送気するとともに接続された管路を所定の設定圧に維持する制御部を有する気腹装置と、一端が被検体腹壁刺入された第一の接続機器に接続されるとともに、他端が前記気腹装置と接続され、前記所定の気体を送気する送気管路と、前記被検体の体腔内から気体を吸引し循環する循環装置と、一端が前記被検体の腹壁に刺入された第二の接続機器に接続されるとともに、他端が前記循環装置と接続され、前記気体を吸引する吸引管路と、前記循環装置と前記気腹装置とを接続し、前記吸引管路から吸引された前記気体を循環する循環管路と、を有する。前記気腹装置は、前記送気管路の圧力を検知する圧力検知部と、前記圧力検知部によって検知された第一の圧力値と第二の圧力値の差分を所定の設定値と比較することにより前記送気管路もしくは前記吸引管路のいずれが詰まっているかを判定する詰まり状態判定部と、を備えている。前記第一の圧力値は、前記循環装置が循環を開始する直前に前記圧力検知部によって検知された圧力値であり、前記第二の圧力値は、前記第一の圧力値が検知されてから所定時間経過後に前記圧力検知部によって検知された圧力値である。

発明の効果

0011

本発明の気腹システムによれば、気腹装置と循環装置とを備える気腹システムにおいて、循環排煙時にどのチューブで詰まりが生じているかを検知することができる。

図面の簡単な説明

0012

本発明の実施形態に係わる気腹システム1の全体構成の一例を説明する図。
本実施形態に係わる気腹装置11の構成の一例を説明するブロック図。
気腹チューブ18に詰まりが生じた場合における管路圧力状態変化を説明する図。
吸引チューブ19に詰まりが生じた場合における管路圧力の状態変化を説明する図。
体腔内への通常の送気動作を説明するフローチャート
通常送気完了後に行う循環排煙動作を説明するフローチャート。
循環排煙動作中における詰まり検知動作を説明するフローチャート。
循環排煙動作と管路圧力の状態変化との関係を説明する図。
気腹システム1の変形例の全体構成の一例を説明する図。
気腹システム1の別の変形例の全体構成の一例を説明する図。

実施例

0013

以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)

0014

図1は、本発明の第1の実施形態に係わる気腹システム1の全体構成の一例を説明する図である。図1に示すように、本実施形態の気腹システム1は、気腹装置11と、循環装置12とを含んで構成される。気腹システム1は、内視鏡観察下、送気により拡張された患者の腹腔内の患部を、電気メス、超音波処置具などの処置具を用いて処置する手術に用いられる。

0015

図1に示すように、患者の腹壁13には、第一の接続機器としての送気用のトロカール15と、第二の接続機器としての吸引用のトロカール16とが穿刺され、これらのトロカール15,16を介して、内視鏡と処置具を腹腔内に挿入され、内視鏡観察下、処置具を用いて、患者の体内の患部に対する処置が行われる。

0016

所定のガスを送気する気腹装置11には、炭酸ガスCO2ガス)が充填されたボンベ17が接続チューブ17aを介して接続されている。気腹装置11の送気口金11aには、送気管路しての気腹チューブ18の一端が接続され、気腹チューブ18の他端は、患者の腹壁13に穿刺されたトロカール15に接続されている。気腹装置11は、気腹チューブ18とトロカール15を介して、患者の腹腔内に炭酸ガスを送気できるように構成されている。

0017

すなわち、気腹チューブ18は、気腹装置11に一端が接続されると共に、他端が腹壁13に刺入されたトロカール15に接続され、トロカール15を介して所定の気体を腹腔内に送出する送気管路である。

0018

循環装置12には、炭酸ガスを循環させるためポンプ38が接続されている。ポンプ38には、吸引管路としての吸引チューブ19の一端が接続され、吸引チューブ19の他端はトロカール16に接続されている。また、ポンプ38には、気腹チューブ18と接続された循環管路としての循環チューブ39が接続されている。

0019

ポンプ38は、循環装置12からの起動信号により起動される。ポンプ38が起動すると、ポンプ38はトロカール16と吸引チューブ19を介して腹腔内の炭酸ガスを吸引し、循環チューブ39、気腹チューブ18、及びトロカール15を介して炭酸ガスを腹腔内へ送気するようにして、炭酸ガスを循環させる。つまり、トロカール15に接続された気腹チューブ18、トロカール16に接続された吸引チューブ19、吸引チューブと気腹チューブ18とを接続する循環チューブ39、及び、ポンプ38によって、腹腔内の炭酸ガスを循環する循環経路が形成される。なお、吸引チューブ19の途中には、吸引フィルタ19aが設けられている。

0020

なお、気腹装置11と循環装置12は、通信ケーブル22によって接続され、互いに各種データの通信が可能になされている。

0021

図2は、本実施形態に係わる気腹装置11の構成の一例を説明するブロック図である。図2に示すように、気腹装置11は、減圧器111と、電磁開閉弁112と、流量センサ113と、電磁リリーフ弁114と、圧力センサ115と、気腹装置11内の各構成部位の制御を行う制御部116とが主に設けられている。また、気腹装置11には、操作入力及び情報表示を行うための表示部としてのフロントパネル11bも設けられている。

0022

気腹装置11には、接続チューブ17aを介して炭酸ガス(CO2ガス)が充填されたボンベ17が接続されている。また、送気口金11aには、気腹チューブ18が接続されている。

0023

減圧器111は、ボンベ17から供給される高圧のガスを、人体に危険のない程度の圧力にまで減圧する。例えば、ボンベ17から6MPa程度の高圧で供給されるガスを、0.1MPa程度にまで減圧する。

0024

電磁開閉弁112は、制御部116から入力される制御信号に基づいて開閉動作を行う。電磁開閉弁112が開になると、ボンベ17から供給される炭酸ガスが気腹チューブ18に吐出される。

0025

流量センサ113は、体腔内に供給される炭酸ガスの流量を測定し、測定結果を制御部116へ出力する。

0026

電磁リリーフ弁114は、制御部116から入力される制御信号に基づいて開閉動作を行う。電磁リリーフ弁114が開になると、腹腔内に充填されている炭酸ガスが大気中に放出される。

0027

圧力検知部としての圧力センサ115は、気腹チューブ18内の圧力を測定する。電磁開閉弁112が開の状態の場合(送気中)は、ボンベ17から供給されているガスの圧力を計測し、電磁開閉弁112が閉の状態の場合(送気停止中)は、気腹チューブ18を介して腹腔の圧力を測定する。なお、圧力センサ115での測定結果は、制御部116へ出力される。

0028

制御部116は、気腹装置11全体の制御を行うため、電磁開閉弁112、流量センサ113、電磁リリーフ弁114、圧力センサ115及びフロントパネル11bと、それぞれの信号線により接続されている。さらに、制御部116は、通信ケーブル22を介して、循環装置12と通信可能となっている。また、制御部116は、後述のようにガスの循環排煙動作中に、循環経路に詰まりが発生した場合に、詰まりの発生及び詰まりの箇所を検知する詰まり状態判定部としての機能も有する。

0029

次に、本実施形態の気腹システム1を用い、腹腔内の炭酸ガスを循環する系のうち、気腹チューブ18の詰まりを検知する方法について、図3を用いて説明する。図3は、気腹チューブ18に詰まりが生じた場合における管路圧力の状態変化を説明する図である。

0030

患者の体腔内に気腹装置11を用いてガスを送気し、圧力センサ115の測定値Pが所定の設定圧力に到達すると、送気を停止して循環装置12によるガスの循環を開始する(時刻t1)。

0031

循環が開始されると、圧力センサ115では腔内圧に循環中の動圧を加えた圧力が測定されるため、管路圧力の測定値Pとして、循環開始直前腹腔圧Paよりも動圧分だけ高い値(Pb1)が検知される。ここで、気腹チューブ18に詰まりが生じている場合、体腔内から吸引されたガスは、詰まり部分に遮られてしまい、体腔内に戻すことができなくなってしまう。この場合、圧力センサ115で検知される管路圧力の測定値Pは、通常状態(Pb1)よりも高い値(Pb2)となる。

0032

例えば、設定圧力が10mmHgの場合、気腹チューブ18に詰まりが生じていない状態では、循環開始直後の管路圧力の測定値Pb1は、30〜180mmHg程度の値を示す。これに対し、気腹チューブ18に詰まりが生じている状態では、循環開始直後の管路圧力の測定値Pb2は250mmHg程度まで上昇する。

0033

なお、循環開始直後の管路圧力の測定値Pは、腹腔圧の設定圧力によって値が変動する。そこで、送気を停止して循環を開始した直後の管路圧力の測定値Pと、循環開始直前の管路圧力の測定値Pa(すなわち、腹腔圧の設定圧力)との差分(P−Pa)を算出し、この値が所定の閾値Pth1を超える場合に、気腹チューブ18に詰まりが生じていると検知することができる。

0034

例えば、上述の一例の場合、気腹チューブ18に詰まりが生じていない場合、循環を開始した直後の管路圧力の測定値Pb1と循環開始直前の管路圧力の測定値Paとの差分は20〜170mmHgである。これに対し、気腹チューブ18に詰まりが生じている状態では、循環を開始した直後の管路圧力の測定値Pb2と循環開始直前の管路圧力の測定値Paとの差分は240mmHgである。従って、閾値Pth1としては、170mmHg〜240mmHgの間の値(例えば、200mmHg)を設定することが望ましい。

0035

このように、本実施形態によれば、気腹チューブ18に詰まりが発生している場合は、詰まりが発生していない場合に比べ、循環時の管路圧力が高い値で推移することを利用し、
送気を停止して循環を開始した直後の圧力センサ115の測定値Pと循環開始直前の管路圧力の測定値Pa(すなわち、腹腔圧の設定圧力)との差分が閾値Pth1よりも高いことを検出することで、気腹チューブ18に詰まりが発生していることを検知することができる。

0036

なお、管路圧力を測定する圧力センサ115は、気腹装置11内でなく、循環装置12内に設けてもよい。
(第2の実施形態)

0037

上述した第1の実施形態の気腹システム1では、ガスの循環動作中における気腹チューブ18の詰まり検知について述べたが、本実施形態では、吸引チューブ19の詰まりを検知する点が異なっている。

0038

本実施形態の気腹システム1の構成は、第1の実施形態と同様の構成である。以下、本実施形態における、吸引チューブ19の詰まりを検知する方法について、図4を用いて説明する。図4は、吸引チューブ19に詰まりが生じた場合における管路圧力の状態変化を説明する図である。

0039

患者の体腔内に気腹装置11を用いてガスを送気し、圧力センサ115の測定値Pが所定の設定圧力に到達すると、送気を停止して循環装置12によるガスの循環を開始する(時刻t1´)。

0040

循環が開始されると、圧力センサ115では腔内圧に循環中の動圧を加えた圧力が測定されるため、管路圧力として、循環開始直前の腹腔圧Pa´よりも動圧分だけ高い値(Pb1´)が測定される。ここで、吸引チューブ19に詰まりが生じている場合、詰まり部分によって体腔内からガスを吸引することができない一方、循環チューブ39や気腹チューブ18内に溜まっているガスが体腔内に混入する。この場合、圧力センサ115で測定される管路圧力は、一時的に通常状態(Pb1´)まで上昇するが、すぐに腹腔圧Pa´に戻ってしまう。

0041

例えば、設定圧力が10mmHgの場合、吸引チューブ19に詰まりが生じていない状態では、循環開始直後の管路圧力の測定値Pは30〜180mmHg程度の値を示し、循環動作中はこの管路圧力を保った状態となる。これに対し、吸引チューブ19に詰まりが生じている状態では、循環開始直後の管路圧力の測定値Pは30〜180mmHg程度まで上昇するが、すぐに設定圧力である10mmHg近傍の値に低下してしまう。

0042

なお、循環開始直後の管路圧力の測定値Pは、腹腔圧の設定圧力によって値が変動する。そこで、送気を停止して循環を開始した直後の管路圧力の測定値Pと、循環開始直前の管路圧力の測定値Pa´(すなわち、腹腔圧の設定圧力)との差分(P−Pa´)を測定し、この値が所定の閾値Pth2を一旦超えた後、再び閾値Pth2を下回った場合に、吸引チューブ19に詰まりが生じていると検知することができる。

0043

例えば、上述の一例の場合、吸引チューブ19に詰まりが生じていない場合、循環を開始した直後の管路圧力の測定値Pと循環開始直前の管路圧力の測定値Pa´との差分は20〜170mmHgであり、循環中もこの値を保っている。これに対し、吸引チューブ19に詰まりが生じている状態では、循環を開始した直後の管路圧力の測定値Pと循環開始直前の管路圧力の測定値Pa´との差分は20〜170mmHgであるが、すぐに10mmHg程度に減少し、この値近傍を推移する。従って、閾値Pth2としては、20〜170mmHgの間の値のうち、できるだけ小さい値(例えば、20mmHg)を設定することが望ましい。

0044

このように、本実施形態によれば、吸引チューブ19に詰まりが発生している場合は、循環開始時には詰まりが発生していない場合と同様に管路圧力が上昇するが、すぐに管路圧力は腹腔圧近傍まで低下することを利用し、送気を停止して循環を開始した直後の圧力センサ115の測定値Pと循環開始直前の管路圧力の測定値Pa´との差分が、閾値Pth2を超過した後に再び閾値Pth2を下回ることを検出することで、吸引チューブ19に詰まりが発生していることを検知することができる。

0045

なお、管路圧力を測定する圧力センサ115は、気腹装置11内でなく、循環装置12内に設けてもよい。
(第3の実施形態)

0046

上述した第1及び第2の実施形態の気腹システム1では、循環動作中に気腹チューブ18又は吸引チューブ19のどちらか一方の詰まりの検知について述べたが、本実施形態では、循環動作中にチューブ詰まりが発生した場合に、気腹チューブ18又は吸引チューブ19のどちらのチューブで詰まりが発生したかを区別して検知する点が異なっている。

0047

本実施形態の気腹システム1の構成は、第1の実施形態と同様の構成である。以下、本実施形態における、循環系のチューブのうち詰まりが発生したチューブを検知する方法について、図5から図8を用いて説明する。図5は、体腔内への通常の送気動作を説明するフローチャートである。図6は、通常送気完了後に行う循環排煙動作を説明するフローチャートである。図7は、循環排煙動作中における詰まり検知動作を説明するフローチャートである。図8は、循環排煙動作と管路圧力の状態変化との関係を説明する図である。

0048

まず、図5のフローに従って、患者の体腔内圧が設定圧力に達するまで、ガスを間欠送気し気腹する。すなわち、制御部116により電磁開閉弁112を開の状態にして、ボンベ17から供給される炭酸ガスを気腹チューブ18に吐出し、患者の体腔内に送気する(ステップS1)。送気を開始して一定時間が経過すると、制御部116は電磁開閉弁112を閉の状態にして、体腔内への炭酸ガスの吐出を停止する(ステップS2)。そして、送気停止期間中に、圧力センサ115で体腔内の圧力Pを測定し(ステップS3)、測定値が予め設定されている設定圧に到達していない場合(ステップS4、NO)、ステップS1に戻って間欠送気を続ける。

0049

一方、圧力センサ115での測定値Pが予め設定されている設定圧に到達している場合(ステップS4、YES)、十分に気腹が行えていると判断し、図5の通常送気動作を終了する。気腹装置11の制御部116は、通信ケーブル22を介して循環装置12に循環指示を出力し、図6の循環排煙動作に移行する。

0050

循環排煙動作では、まず、ポンプ38を動作させて体腔内からガスを吸引し、吸引チューブ19、循環チューブ39、気腹チューブ18を介して体腔内にガスを戻す循環動作を行う(ステップS11)。このとき、吸引チューブ19の途中に設けられた吸引フィルタ19aや、循環装置内12の図示しない排煙機構などにより、ガス中の煙やミストを除去する。

0051

ステップS11における循環動作中に、循環経路における詰まり有無の検出も行う。詰まり検出の具体的な手順を、図7を用いて説明する。まず、ポンプ38を停止し循環を停止させた状態で、圧力センサ115によって腔圧Pを測定する(ステップS21)。なお、ステップS21は、図5のステップS4の直後に実施される。従って、ステップS21において測定される腔圧Pは設定圧と等しくなる。以下、ステップS21における腔圧Pの測定値をPaとする。そして、気腹装置11の制御部116は、通信ケーブルを介して循環装置12に循環開始指示を出力し、ポンプ38を動作させて、ガスの循環を開始させる(ステップS22)。そして、ガスの循環開始直後に、圧力センサ115によって再び腔圧Pを測定する(ステップS23)。以下、ステップS23における腔圧Pの測定値をPbとする。

0052

ステップS21で測定した腔圧PaとステップS23で測定した腔圧Pbとの差分を計算し、予め設定された閾値Pth1よりも差分が大きい場合(ステップS24、YES)、気腹チューブ18に詰まりが生じていると検知し(ステップS25)、詰まり検出を含む循環動作を終了する。なお、閾値Pth1は、第1の実施形態で説明したように、詰まりが発生していない通常状態における循環を開始した直後の管路圧力Pb1と、循環開始直前の管路圧力の測定値Paとの差分より大きく、気腹チューブ18に詰まりが生じている状態における循環を開始した直後の管路圧力Pb2と、循環開始直前の管路圧力の測定値Paとの差分よりも小さい値(例えば、200mmHg)に設定しておく。

0053

一方、ステップS21で測定した腔圧PaとステップS23で測定した腔圧Pbとの差分が、予め設定された閾値Pth1以下の場合(ステップS24、NO)、ステップS26に進み、管路圧力が腔圧Paから上昇していることを以前に検知しているか否かを判定する。圧力上昇を検知していない場合(ステップS26、NO)、ステップS21で測定した腔圧PaとステップS23で測定した腔圧Pbとの差分と、予め設定された閾値Pth2と比較する。なお、閾値Pth2は、第2の実施形態で説明したように、詰まりが発生していない状態における循環を開始した直後の管路圧力Pb1と循環開始直前の管路圧力の測定値Paとの差分値の範囲内であって、できるだけ小さい値(例えば20mmHg)に設定しておく。

0054

差分が閾値Pth2よりも大きい場合(ステップS27、YES)、管路圧力が腔圧Paから上昇している旨を検知し(ステップS28)、ステップS29に進む。一方、差分が閾値Pth2以下である場合、管路圧力の上昇を検知せずに、ステップS29に進む。

0055

一方、圧力上昇を以前に検知している場合(ステップS26、YES)も、ステップS21で測定した腔圧PaとステップS23で測定した腔圧Pbとの差分と、予め設定された閾値Pth2と比較する。差分が閾値Pth2よりも小さい場合(ステップS30、YES)、管路圧力は一旦上昇するものの、循環開始直前の腔圧の測定値Pa程度に低下していると判断できるため、吸引チューブ19に詰まりが生じていると検知し(ステップS31)、詰まり検出を含む循環動作を終了する。

0056

差分が閾値Pth2以上である場合(ステップS31、NO)、管路圧力は上昇したまま低下しておらず通常の循環状態であると判断し、ステップS29へ進む。ステップS29では、ステップS22においてガスの循環が開始されてから所定時間が経過したか否かを判定する。ガスの循環が開始されてから所定時間が経過していない場合(ステップS29、NO)、ステップS22に戻り、循環を継続したままステップS23以降の一連のつまり検知動作を繰り返し実行する。ガスの循環が開始されてから所定時間が経過した場合(ステップS29、YES)、図7に示す詰まり検知を含む循環動作の一連の手順を終了する。

0057

以上のように、図6のステップS11における循環動作が終了すると、気腹装置11の制御部116は、通信ケーブルを介して循環装置12に循環停止指示を出力し、ポンプ38を停止させ(ステップS12)、圧力センサ115によって腔圧を測定する(ステップS13)。

0058

腔圧が設定圧力と等しい場合(ステップS14、YES)、ステップS11に戻って詰まり検知を含むガスの循環動作を繰り返し実行する(図8参照)。一方、ステップS13で測定された腔圧が設定圧力と一致しない場合(ステップS14、NO)、腔圧が設定圧力よりも非常に高くなっているか否かを判定する。腔圧が設定圧力よりも非常に高くなっている場合(ステップS15、YES)、気腹装置11の制御部116は、電磁リリーフ弁114を開の状態に制御して、腔内のガスを大気中にリリーフする(ステップS17)。電磁リリーフ弁114を開にしてから一定時間経過後、制御部116は電磁リリーフ弁114を閉の状態に制御して、ガスのリリーフを停止する(ステップS118)。そして、ステップS13に戻り、圧力センサ115により腔圧の測定を行う。ステップS13からステップS18までのガスのリリーフ動作は、腔圧が設定圧力になるまで繰り返し実行される。

0059

一方、腔圧が設定圧力比べて非常に低い場合(ステップS15、NO)、ステップS16に進み、腔圧が設定圧力になるまで図5に示す通常の送気動作を行い、患者の体腔を気腹する。以上の一連の動作により、患者の体腔内への送気、及び循環動作を行いつつ、循環動作中に詰まりが発生した場合には、どのチューブで詰まりが生じたのかをただちに検知することができる。

0060

このように、本実施形態では、患者の体腔内への送気が終了し、体腔内の圧力が設定圧力に到達してガスの循環を開始した場合に、循環開始直前の腔圧Pa(すなわち、腹腔圧の設定圧力)と、循環開始後の腔圧Pbを測定し、その差分を閾値Pth1及び閾値Pth2と比較する。閾値Pth1には、詰まりが発生していない通常状態における循環を開始した直後の管路圧力Pb1と循環開始直前の腔圧Paとの差分より大きく、気腹チューブ18に詰まりが生じている状態における循環を開始した直後の管路圧力Pb2と循環開始直前の腔圧Paとの差分よりも小さい値を予め設定しておく。また、閾値Pth2には、詰まりが発生していない状態における循環を開始した直後の管路圧力Pb1´と循環開始直前の腔圧Paとの差分値の範囲内であって、できるだけ小さい値を設定しておく。

0061

差分が閾値Pth1よりも大きい場合には、気腹チューブ18に詰まりが発生していることがただちに検知でき、差分が閾値Pth2より一旦大きくなるが、すぐに閾値Pth2以下になる場合には、吸引チューブ19に詰まりが発生していることがただちに検知できる。すなわち、本実施形態では、気腹時の循環排煙動作中において、通常の腔圧測定ルーチンの中で、循環経路に詰まりが生じている場合には、詰まりが生じたチューブを特定することができる。

0062

なお、循環経路に詰まりが生じていることを検知した場合、気腹装置11のフロントパネル11bや、気腹システム1が設置された手術室モニタなどに、気腹チューブ18と吸引チューブ19のどちらに詰まりが発生したかを、メッセージやシステム図などを用いて表示してもよい。

0063

更に、第1から第3の実施形態では、圧力センサ115により測定した管路圧力を用いて循環経路の詰まり有無とその場所を検知したが、図9に示すように、循環チューブ39など循環経路の途中に流量計40を設置して、ガスの流れの有無を検知することによりチューブ詰まりを検知するように構成してもよい。図9は、気腹システム1の変形例の全体構成の一例を説明する図である。この場合、流量計40と気腹装置11の制御部116とは通信ケーブル41で接続されており、流量計40の測定値を制御部116がモニタし、チューブ詰まりを検知するように構成する。なお、流量計40は、循環チューブ39の途中でなく、気腹チューブ18の途中、または、吸引チューブ19の途中に設けてもよい。

0064

また、図10に示すように、流量計40のかわりに絞り42を設置し、絞り42前後の差圧差圧計43で測定することにより、ガスの流れの有無を検知し、チューブ詰まりを検知するように構成してもよい。図10は、気腹システム1の変形例の全体構成の一例を説明する図である。この場合、差圧計43と気腹装置11の制御部116とは通信ケーブルで接続されており、差圧計43の測定値を制御部116がモニタし、チューブ詰まりを検知するように構成する。

0065

本明細書における各「部」は、実施の形態の各機能に対応する概念的なもので、必ずしも特定のハードウェアソフトウエアルーチンに1対1には対応しない。従って、本明細書では、実施の形態の各機能を有する仮想回路ブロック(部)を想定して実施の形態を説明した。また、本実施の形態における各手順の各ステップは、その性質に反しない限り、実行順序を変更し、複数同時に実行し、あるいは実行毎に異なった順序で実行してもよい。さらに、本実施の形態における各手順の各ステップの全てあるいは一部をハードウェアにより実現してもよい。

0066

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として例示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

0067

1…気腹システム、11…気腹装置、11a…送気口金、11b…フロントパネル、12…循環装置、13…腹壁、15、16…トロカール、17…ボンベ、17a…接続チューブ、18…気腹チューブ、19…吸引チューブ、19a…吸引フィルタ、22、41…通信ケーブル、38…ポンプ、39…循環チューブ、40…流量計、43…差圧計、111…減圧器、112…電磁開閉弁、113…流量センサ、114…電磁リリーフ弁、115…圧力センサ、116…制御部、

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