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技術 細胞培養装置、及び弁機構部材

出願人 株式会社日立製作所学校法人東京女子医科大学国立大学法人大阪大学
発明者 小林豊茂加藤美登里紀ノ岡正博清水達也岡野光夫
出願日 2015年4月30日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2015-093033
公開日 2016年12月15日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2016-208864
状態 未査定
技術分野 微生物・酵素関連装置
主要キーワード 接続固定状態 チューブ固定具 水平機構 準備プログラム 通常弁 終了プログラム 分岐機構 本チューブ
関連する未来課題
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図面 (12)

課題

大量培養の際、ポンプの送液量増大や複数の培養容器への等量送液を実現し、装置全体の小型化や、流路設置作業の効率化等を実現する。

解決手段

中間タンク12を設けることで、細胞培地が通るチューブ14からなる流路とポンプ13を分離させ、中間タンク12と複数のポートを有した培養容器11の間に、任意のポートへ送液する弁切り替えを可能とする多点弁機構20を接続する。多点弁機構20は、着脱可能な第1弁機構と第2弁機構からなり、着脱による流路設置の容易性向上や設置ミス防止を図ることができる。これにより、装置全体の小型化や、流路設置作業の効率化、細胞へのダメージを最小化する装置構成が可能になる。

概要

背景

現在、再生医療のための細胞培養の作業は限りなく除菌されたクリーンルームの中で、厳格な製造工程の下で熟練された作業者手作業により行われている。特に、筋肉から採取した細胞による心不全治療や、人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell:iPS細胞)など幹細胞治療による再生医療においては、多量の細胞を培養しなければならない。特にiPS細胞は、細胞保存(iPS細胞ストックとも呼ぶ)の前後で多量の細胞増殖を要する。そのため、作業者の負担の大幅な増加と作業者への教育育成に必要な時間とコスト、人為的なミス検体取り違え、さらに菌などを保有するヒトによる生物学的汚染コンタミネーション)等が生じ易くなり、それらの対策に多くのコストを要する。そのことが細胞大量培養の普及や産業化において大きな壁となっている。そのため、機器により一連の培養作業を自動化することで、それら問題点を解決させることが期待されている。

しかし、密になった細胞を別のより大型の培養容器へ疎の状態で播きなおす継代作業や、培養終了時に大量の培地内に浮遊している細胞を回収するための濃縮作業が必要となる。多量の細胞を培養処理する場合には、細胞にダメージを与える浮遊状態で大量の細胞浮遊液ハンドリングや、細胞の乾燥に注意を払いながら大量の培地注入・排出する必要がある。そこで、流路内の液体処理時間が可能な限り短くなるよう、送液の効率化が望まれる。iPS細胞などの未分化幹細胞は培養系によっては、細胞がダメージに弱い場合があるので、特に上記の効率化が必要である。

従来の培養装置では、清潔性を保持しつつ、多量の液体を処理し、外力や浮遊時間による細胞へのダメージの極小化するための工夫がなされているが、例えば特許文献1は、流路内に中間タンクおよび分離型電磁弁を設置して、それらを駆動させて、細胞へのダメージが少なく液体を送液する手段を備える。また、例えば特許文献2は複数の容器からの液体を一つの弁機構にて切り替えて送液する流体機構とその液体の送液手段を備える。

概要

大量培養の際、ポンプの送液量増大や複数の培養容器への等量送液を実現し、装置全体の小型化や、流路設置作業の効率化等を実現する。中間タンク12を設けることで、細胞や培地が通るチューブ14からなる流路とポンプ13を分離させ、中間タンク12と複数のポートを有した培養容器11の間に、任意のポートへ送液する弁切り替えを可能とする多点弁機構20を接続する。多点弁機構20は、着脱可能な第1弁機構と第2弁機構からなり、着脱による流路設置の容易性向上や設置ミス防止をることができる。これにより、装置全体の小型化や、流路設置作業の効率化、細胞へのダメージを最小化する装置構成が可能になる。

目的

しかし、閉鎖系構造の培養容器で培養するためには、培養処理を実施する機構と制御を如何に効率化するかが課題である

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

培養容器と、細胞培地保持可能なタンクと、前記培養容器と前記タンクとの間に設置される弁機構部材と、前記培養容器と前記弁機構部材と前記タンクを接続する流路と、前記弁機構部材を制御する制御部とを、備え、前記弁機構部材は、前記培養容器に接続される前記流路が付設される第1弁機構と、前記第1弁機構が着脱可能に装着され、前記第1弁機構に付設される前記流路を開閉する第2弁機構からなる、ことを特徴とする細胞培養装置

請求項2

請求項1記載の細胞培養装置であって、前記第1弁機構の前記第2弁機構に着脱される側に、前記流路が独立して少なくも1つ付設可能である、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項3

請求項1記載の細胞培養装置であって、前記タンクの前記弁機構部材とは接続しない側にポンプを設置する、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項4

請求項1記載の細胞培養装置であって、前記第1弁機構は、前記流路を付設するためのガイドを有する、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項5

請求項1記載の細胞培養装置であって、前記弁機構部材は、前記第1弁機構及び前記第2弁機構を固定する固定具を有し、前記第1弁機構及び前記第2弁機構は、それぞれ着脱する側に相互に嵌合可能なガイドを有する、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項6

請求項1記載の細胞培養装置であって、前記第2弁機構は、前記第1弁機構が着脱される側に出し入れ可能な移動部を有する、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項7

請求項6記載の細胞培養装置であって、前記第2弁機構の前記移動部は、前記第1弁機構が着脱される側に出し入れされることにより、前記第1弁機構に付設される前記流路を開閉可能な突起を有する、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項8

請求項7記載の細胞培養装置であって、前記第1弁機構の前記第2弁機構に着脱される側に、前記第2弁機構の前記移動部が挿入可能な空間を有する、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項9

請求項8記載の細胞培養装置であって、前記第1弁機構は、前記空間に、前記第2弁機構の前記突起に対向する突起を有し、前記制御部により、前記第2弁機構の前記移動部の出し入れを制御して、前記第1弁機構の突起と前記第2弁機構の突起とで前記流路を挟み込む、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項10

請求項1に記載の細胞培養装置であって、前記培養容器が設置される水平機構を備えた恒温槽と、培地供給機構と、ガス供給機構と、を更に備え、前記培地供給機構は前記弁機構部材を介して、前記培養容器に培地を供給し、前記ガス供給機構は前記培養容器にガスを供給する、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項11

請求項10に記載の細胞培養装置であって、閉鎖型接続機器を介して、前記培地供給機構及び前記ガス供給機構との接続及び脱着を行う、ことを特徴とする細胞培養装置。

請求項12

培養容器に接続される複数の流路各々が独立して付設される第1弁機構と、前記第1弁機構が着脱可能に装着され、前記第1弁機構に付設される複数の前記流路を選択的に開閉可能な移動部を備える第2弁機構とからなる、ことを特徴とする弁機構部材。

請求項13

請求項12記載の弁機構部材であって、前記第1弁機構は、前記流路各々を付設するための複数のガイドを有する、ことを特徴とする弁機構部材。

請求項14

請求項12記載の弁機構部材であって、前記第2弁機構の前記移動部は、前記第1弁機構が着脱される側に出し入れされることにより、前記第1弁機構に付設される前記流路を開閉可能な突起を有する、ことを特徴とする弁機構部材。

請求項15

請求項14記載の弁機構部材であって、前記第1弁機構の前記第2弁機構に着脱される側に、前記第2弁機構の前記移動部が挿入可能な空間を有し、前記第1弁機構は、前記空間に、前記第2弁機構の前記突起に対向する突起を有し、前記第2弁機構の前記移動部の出し入れにより、前記第1弁機構の突起と前記第2弁機構の突起とで前記流路を挟み込む、ことを特徴とする弁機構部材。

技術分野

0001

本発明は、細胞を培養する細胞培養装置、特に、効率よく培養液を供給する自動培養技術に関する。

背景技術

0002

現在、再生医療のための細胞培養の作業は限りなく除菌されたクリーンルームの中で、厳格な製造工程の下で熟練された作業者手作業により行われている。特に、筋肉から採取した細胞による心不全治療や、人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell:iPS細胞)など幹細胞治療による再生医療においては、多量の細胞を培養しなければならない。特にiPS細胞は、細胞保存(iPS細胞ストックとも呼ぶ)の前後で多量の細胞増殖を要する。そのため、作業者の負担の大幅な増加と作業者への教育育成に必要な時間とコスト、人為的なミス検体取り違え、さらに菌などを保有するヒトによる生物学的汚染コンタミネーション)等が生じ易くなり、それらの対策に多くのコストを要する。そのことが細胞大量培養の普及や産業化において大きな壁となっている。そのため、機器により一連の培養作業を自動化することで、それら問題点を解決させることが期待されている。

0003

しかし、密になった細胞を別のより大型の培養容器へ疎の状態で播きなおす継代作業や、培養終了時に大量の培地内に浮遊している細胞を回収するための濃縮作業が必要となる。多量の細胞を培養処理する場合には、細胞にダメージを与える浮遊状態で大量の細胞浮遊液ハンドリングや、細胞の乾燥に注意を払いながら大量の培地注入・排出する必要がある。そこで、流路内の液体処理時間が可能な限り短くなるよう、送液の効率化が望まれる。iPS細胞などの未分化幹細胞は培養系によっては、細胞がダメージに弱い場合があるので、特に上記の効率化が必要である。

0004

従来の培養装置では、清潔性を保持しつつ、多量の液体を処理し、外力や浮遊時間による細胞へのダメージの極小化するための工夫がなされているが、例えば特許文献1は、流路内に中間タンクおよび分離型電磁弁を設置して、それらを駆動させて、細胞へのダメージが少なく液体を送液する手段を備える。また、例えば特許文献2は複数の容器からの液体を一つの弁機構にて切り替えて送液する流体機構とその液体の送液手段を備える。

先行技術

0005

特開2013−31461号公報
WO2004/027390

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1のような自動培養装置においては、中間タンクを介することでポンプが液体の通る流路外に設置しており、ポンプが送液に使用する外力を細胞懸濁液に与えない構成、また液体の分岐においてソレノイドと弁機構が分離していることにより、着脱が容易な構成を示している。しかし大量の液体を供給するために、弁機構が大型化・煩雑化し、ソレノイドを含む全体が大型化してしまう。更に、弁数が増加するほど、弁機構を設置する機構が大型化してしまい、着脱を如何容易におこなうかが課題となる。

0007

特許文献2の自動培養装置においては、回転型弁機構によりポンプ一つで複数の液体保持機構内の液体を任意に供給している。しかし、回転弁機構を使用しているため、その部分では閉鎖系流路が接続できず、構造上必ず開放系になってしまう課題がある。

0008

現在、培養で作成したヒト細胞組織をヒトへ移植する再生医療では、手術室で採取した組織を無菌処理した試験管等に入れて、内部が無菌的状態で運び出し、適正製造基準GMP:Good Manufacturing Practice)に準拠したクリーンルーム(CPC: Cell Processing Center)内で組織から必要な細胞を単離し、目的の調整を実施して培養する。採取された細胞を製造工程内で一切の汚染なく培養するために、厳格なレギュレーション適合した工程、環境下で人手により製造しなければならない。培養処理を機械により自動的に行う自動培養装置においても、製造した細胞や組織は、工程内で、一切菌やウィルス等による生物学的汚染があってはならない。

0009

そのような状況下で、自動培養のための培養容器自身ならびに流路を閉鎖系構造とし、その内部は滅菌処理可能で、外部から駆動力を供給して細胞を培養するシステムが開発されている。しかし、閉鎖系構造の培養容器で培養するためには、培養処理を実施する機構と制御を如何に効率化するかが課題である。特に、多量の細胞を処理するため、培養容器が大型化し、培養工程が複雑化した場合に一層の効率化が求められる。特に、閉鎖系構造の流路においては、ピンチバブル形式ペリスタポンプを用いられることが多いが、ペリスタポンプはチューブをしごいて無菌的に送液を行う特性上、大容量の送液には向いていない。大容量の送液を行うためのチューブの大型化による、乱流の発生や直接しごくことによる細胞へのダメージの問題が生じるためである。更に、ピンチバルブ形式では、チューブを開閉する開閉部とその駆動力を与えるソレノイド部が一体化しているため、閉鎖系流路では、培養装置に設置する際に一本一本チューブを設置しなければならず、設置の煩雑性、設置ミスの危険性といった課題がある。

0010

本発明の目的は、このような状況における課題を解決し、大容量の培地処理のための装置の小型化や、流路設置作業の効率化等を可能とする細胞培養装置、及び弁機構部材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

上記の目的を達成するため、本発明においては、培養容器と、細胞や培地を保持可能なタンクと、培養容器とタンクとの間に設置される弁機構部材と、培養容器と弁機構部材とタンクを接続する流路と、弁機構部材を制御する制御部とを備え、弁機構部材は、培養容器に接続される流路が付設される第1弁機構と、第1弁機構が着脱可能に装着され、第1弁機構に付設される流路を開閉する第2弁機構からなる細胞培養装置を構成する。

0012

また、上記の目的を達成するため、本発明においては、培養容器に接続される複数の流路各々が独立して付設される第1弁機構と、第1弁機構が着脱可能に装着され、第1弁機構に付設される複数の流路を選択的に開閉可能な移動部を備える第2弁機構とからなる弁機構部材を構成する。

発明の効果

0013

本発明により、弁機構部材の第1弁機構および第2弁機構の着脱可能な構成による装置の小型化、流路設置の容易性向上を図ることができる。

図面の簡単な説明

0014

実施例1に係る、自動培養装置の培地分岐機構の一例を示した構成図である。
実施例1に係る、弁機構部材の第1弁機構と第2弁機構が接続する前の分離状態を示した構成図である。
実施例1に係る、弁機構部材の第1弁機構と第2弁機構が接続した後の接続固定状態を示した構成図である。
実施例1に係る、接続固定状態でチューブ周辺を示す構成図である。
実施例1に係る、接続固定状態でソレノイドがチューブをつぶしたチューブ周辺を示す構成図である。
実施例1に係る、分離状態でチューブ周辺を示す構成図である。
実施例1に係る、第1弁機構の空間内にソレノイドが入りチューブをつぶした状態を示す構成図である。
実施例1に係る、第1弁機構の空間内にソレノイドが入る前の状態を示す構成図である。
実施例1に係る、自動培養装置における培養容器要素であるモジュールの配置の一例を示す構成図である
実施例1に係る、自動培養装置における培養容器要素であるモジュールの着脱の一例を示す構成図である。
実施例1に係る、自動培養装置全体の制御回路構成の一例を示すブロック図である。

0015

以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、以下で説明する実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。また、各図において共通の構成については同一の参照番号が付されている。

0016

実施例1は、培養容器と、細胞や培地を保持可能なタンクと、培養容器とタンクとの間に設置される弁機構部材と、培養容器と弁機構部材とタンクを接続する流路と、弁機構部材を制御する制御部とを備え、弁機構部材は、培養容器に接続される流路が付設される第1弁機構と、第1弁機構が着脱可能に装着され、第1弁機構に付設される流路を開閉する第2弁機構からなる構成の細胞培養装置、並びに弁機構部材の実施例である。

0017

図1は実施例1に係る自動培養装置の一構成例の全体概略図を示す図である。同図において、複数のポートを有する培養容器11は弁機構部材である多点弁機構20、チューブ14、弁15を介して、細胞懸濁液や培地を一時的に保持する中間タンク12に接続され、中間タンク12の他端にはポンプ13が接続されている。言い換えるなら、タンクの弁機構部材とは接続しない側にポンプを設置した構成となっている。多点弁機構20は、複数の連続して配置される弁機構23を備えている。なお、チューブで構成される流路17、18は後で説明する閉鎖型接続機構である無菌接続機構16を介して培地供給機構廃液入れ19に接続される。

0018

図2図3は、本実施例の弁機構部材である多点弁機構20の一構成例を説明するための図である。図2は多点弁機構20を構成する第1弁機構21と第2弁機構22が接続される前の状態を示し、図3は弁機構部材である多点弁機構20を構成する第1弁機構21と第2弁機構22が接続された状態を示している。図2に示すように、第1弁機構21と第2弁機構22が接続される前に、第1弁機構21には流路であるチューブ4が付設される。そのため、第1弁機構21には、図2に示すようにチューブガイド36が設けられている。言い換えるなら、第1弁機構21の第2弁機構22に着脱される側に、チューブ4からなる流路が独立して少なくも1つ付設可能な構成となっており、第1弁機構21は、流路を固定するためのチューブガイドを有する。また、第1弁機構21は第2弁機構22と接続固定状態となるため、第2弁機構22と対抗する面が嵌合するための凹凸構造を有し、ガイド32が両端に形成されている。すなわち、第1弁機構及び第2弁機構は、それぞれ着脱する側に相互に嵌合可能なガイドを備える。

0019

一方、第2弁機構22には、第1弁機構21と対抗する面が嵌合するための凸凹構造を有し、ガイド32がその両端に形成されている。また、その凸構造部には、移動部であるソレノイド30が挿入される。ソレノイド30の第1弁機構21と対抗する面には流路であるチューブを開閉するための凸部34が形成されている。なお、図3に示すように、31は後で説明する移動部であるソレノイドが挿入される空間を示し、33は、第1弁機構21と第2弁機構22を接続固定状態に保つための固定具である。すなわち、第2弁機構は、第1弁機構が着脱される側に出し入れ可能な移動部を有し、この移動部は、第1弁機構が着脱される側に出し入れされることにより、第1弁機構に付設される流路であるチューブを開閉可能な突起である凸部を有する。また、弁機構部材は、第1弁機構及び第2弁機構を固定する固定具を有する。

0020

図4A図4B図4Cはそれぞれ、第1弁機構21と第2弁機構22が接続し、第2弁機構22の第1弁機構21が着脱される側に出し入れ可能な移動部であるソレノイド30によりチューブ14を開閉する状態を説明するための断面概略図である。図5A及び図5Bはそれぞれ、第1弁機構21の空間31内に移動部であるソレノイド30を配置した状態を説明するための概略図である。

0021

<弁機構部材の構成>
以下、図2図3図4A図4B図4C図5A、及び図5Bを用いて、本実施例の弁機構部材である多点弁機構の一構成例の詳細について説明する。上述の通り、多点弁機構20は第1弁機構21および第2弁機構22から構成されており、第1弁機構21にはチューブガイド36に沿ってチューブ14が付設され、第2弁機構22には流路を開閉する開閉機構として機能する移動部であるソレノイド30が設置される。以下、図2に示す状態を第1の状態と呼ぶ。第1弁機構21と第2弁機構22はガイド32により、接続時の位置のずれや形による設置間違いを補正できるようになっている。第1弁機構21と第2弁機構22をガイド32に沿って接続させ、固定具33で固定すると図3に示す状態になる。以下、図3に示す状態を第2の状態と呼ぶ。

0022

図4Cおよび図5Bは第1の状態を示しており、図4Aおよび図5Aは第2の状態を示している。また、図4Bは第2弁機構の第1弁機構が着脱される側に出し入れ可能な移動部であるソレノイド30の凸部34を第1弁機構21の空間31に突出する凸部35に押し込み、チューブ14をつぶして、流路を閉じた状態を示し、以下、この状態を第3の状態と呼ぶ。言い換えるなら、第1弁機構の第2弁機構に着脱される側に、第2弁機構の移動部が挿入可能な空間を有し、また、第1弁機構は、当該空間に第2弁機構の突起に対向する突起を有し、制御部により、第2弁機構の移動部の出し入れを制御して、第1弁機構の突起と第2弁機構の突起とで流路を挟み込むことで流路の開閉を実現する。

0023

図4Cおよび図5Bのように、第1弁機構内21のチューブガイド36に沿って、チューブ14が設置している。チューブガイド36の両側にはチューブ固定具37があり、チューブ14をつぶした際にチューブ14の移動を防止する。このチューブ固定具37は第1弁機構21から突出してチューブガイド36の両側に形成され、チューブ14を両側から挟み込んで固定する構造を有する。

0024

図4Bの第3の状態に示すように、第2弁機構22のソレノイド30の凸部34がチューブ14を第1弁機構21の空間31の凸部35に押し込む際に、第1弁機構21の空間31にソレノイド30が入るようになっている。ソレノイド30の凸部34は同図では1本を図示してあるが、流路を確実に閉じるため、平行、或いは×印様に交差した2本以上の凸部で構成してもよい。第1弁機構21の空間31内にはソレノイド30の凸部34に対する凸部35があるが、この凸部35はソレノイド30の凸部34より大きいことが望ましい。なお、ソレノイド30各々の上面や、それらの凸部34に荷重センサを設けて、各ソレノイド30が作動しているかどうかをチェックすることができる。

0025

図4Aに示すように、第2の状態ではソレノイド30の凸部34がチューブ14を押さない程度、すなわち流路は開状態になっている。第1弁機構21の空間31により、ソレノイド30の凸部34を含む先端は空間31内に入ることにより、第3の状態にならないエラーを回避することができる。図4Bに示すように、第3の状態でソレノイド30が押し込まれ、チューブ14をつぶしている状態では、ソレノイド30の凸部34および空間31の凸部35がチューブ14を閉じて、流路を開閉する弁機能を果たすことができる。培養容器11の複数のポートに対応する複数のチューブ14をそれぞれ開閉する複数のソレノイド30のオンオフは制御部82によって制御される。

0026

本実施例の弁機構部材である多点弁機構では、第1弁機構21にはチューブ14のみを設置する構成とし、駆動系にかかわる機構を排除することで、軽量化、量産化が果たすことができ、消耗品としての使用を可能にする。一方、第2弁機構22には移動部であるソレノイド30があり、基本的には制御部82等を備えた自動培養装置10本体に固定し、制御部82の制御を可能とする構成とする。そして、この固定された第2弁機構22に第1弁機構21を嵌合するよう設置することで、多点弁機構20として動作させることができる。

0027

<弁機構部材の配置>
続いて、図1を用いて、培養容器11への細胞懸濁液や培地などの送液方法の一例について説明する。細胞懸濁液や培地は中間タンク12上面に接続したポンプ13で吸引して、チューブなどの流路17、無菌接続機構16を介して、中間タンク12内に供給・保持する。所定量の液量を吸引した後に、弁15を閉から開に切り替える。その際に多点弁機構20の任意の弁機構23を開け(閉じ)、ポンプ13を動作させて、培養容器11の所定の場所へ吸引・保持した細胞懸濁液や培地を供給する。培養容器11内の液体を廃棄する場合には、弁機構部材である多点弁機構20の任意の弁機構23を開け(閉じ)、ポンプ13を動作させて、中間タンク12に廃液を一時保存して、もしくはそのまま、流路18を介して、図示を省略した廃液入れへ送液する。本実施例の構成において用いるポンプ13はペリスタポンプ、シリンジポンプダイヤフラムポンプ等いずれでも構わない。

0028

以上説明したことから明らかなように、本実施例の弁機構部材では、第1弁機構のチューブガイドにチューブを設置する。弁動作時にチューブがずれないようにチューブガイドには固定具を設ける。チューブガイド内に空間31を有し、ここに第2弁機構の移動部であるソレノイドが入ることでチューブを開閉する。開閉を確実にするため、第1弁機構および第2弁機構には凸部を設けている。また、第1弁機構との接続を正確にするガイドと、第1弁機構と第2弁機構の設置に使う固定具を用いている。

0029

本構成により、複数の流路を含めた複数の弁機構を同時にワンタッチ簡便かつ設置ミスを防止して構成することができ、細胞懸濁液や培地は送液時に、ポンプ13の駆動部を直接介さないため、細胞等へのダメージを極小にすることができる。また、通常弁機構は消耗品として、使用後に廃棄することは難しいが、本実施例の構成における第1弁機構21を第2弁機構22から取り外し、第1弁機構21に付設されたチューブ14等と一緒に廃棄することが可能となり、コスト削減やバイオハザードの安全性を確保することが可能となる。閉鎖型流路は単回使用であることが多いが、本構成の第1弁機構には部品を有さないので、第1弁機構自信を最小の部品構成として単回使用の消耗品とすることができる。

0030

なお、より好適には、第1弁機構21に付設したチューブ14の一端に接続する培養容器11、チューブ14の他端に接続する弁15、中間タンク12、及び無菌接続機構16を一体化して消耗品として製造・出荷することで、コスト削減、廃棄処理の容易化、バイオハザードの安全性をより一層確保することができる。この場合、多点弁機構20の第2弁機構22と同様、ポンプ13、更には、次に説明する恒温槽40や水平機構41は、自動培養装置10本体に固定する構成となる。

0031

<培養容器を含む自動培養装置の構成>
図6は本実施例の自動培養装置10の全体配置の一例を示した概略斜視図であり、図7は自動培養装置10の培養要素の配置に関する概略構成図である。図6に示すように、図示を省略した複数のポートを有する培養容器11は、例えば一つもしくは複数の培養面を有し、複数のポートを介して細胞懸濁液や培地を供給・排出するよう構成される。培養容器11は周辺温度が37℃に保持してある恒温槽40内部で、加速度センサアクティブステージからなる水平機構41の上に設置する。水平機構41は後で説明する制御部82と表示部80および入力部81によりコントロールされる。培養容器11、水平機構41とでモジュール47を構成する。

0032

培養容器11には加湿されたガスを供給するためのガス供給機構42や、細胞懸濁液や培地を供給するための培地供給機構43や、図示を省略した廃液入れが接続されている。培地供給機構43等と培養容器11の間には、必要に応じて分岐44があり、図1に示したポンプ13、中間タンク12、弁15、弁機構部材である多点弁機構20等を含む培地分岐機構45が配置されている。言い換えるなら、図6に示す自動培養装置は、ガスを供給するガス供給機構から細胞容器にガスを供給し、培養容器を温度一定空間である恒温槽内で、水平機構の上に設置する構成を備えている。

0033

ガス供給機構42、培地供給機構43、および廃液入れ等と、培養容器11や培地分岐機構45との間に無菌接続機構46を設ける。図7に示すように分岐44から細胞の培養状態に応じて、培養容器要素であるモジュール47を接続・脱着することで、連続的な細胞培養処理ができる。すなわち、培養容器は、閉鎖型接続機器である無菌接続機構を介して、培地供給機構及びガス供給機構との接続及び脱着を行う。これにより、無菌状態を保持したまま大量かつ効率的に細胞培養処理を可能とすることができる。なお、図7においては図示の都合上、廃液入れと、それに接続される流路は図示を省略した。

0034

<自動培養装置の回路構成
図8は、本実施例における、自動培養装置10における内部機器を制御するための制御系回路の一構成を示すブロック図である。自動培養装置10の制御系回路は、データや指示を入力するための入力部(キーボードマウス等)81と、自動培養装置10の各動作を制御する中央処理部(CPU)で構成される制御部82と、制御の状況をユーザに示す表示部80と、CPUで実行されるプログラムパラメータ等を格納するROM85と、一時的にデータや処理結果を格納するRAM86と、キャッシュ等の動作を行うためのメモリ85と、ヒータファンガス供給水供給等の処理をおこない、それらのセンサによる恒温槽40内の環境保持装置87と、ガス供給の環境を制御するガス供給部環境制御部88、培地保管部の環境を制御する培地保管部環境制御部89を備えている。

0035

ユーザが入力部81や通信部84から処理するべき培養工程を指示すると、制御部82は、ROM85に格納された培養準備プログラムに従って、初期値出し等に関係する培養容器11の水平機構41の駆動機構90、ポンプ13等の制御をおこない、チューブ14の設置や動作を表示部80で通知し、その状態を検知する。第2弁機構22の移動部であるソレノイド30の制御、およびそれに付随するセンサの処理も同様におこなう。そして、制御部82は、ROM85に格納された自動培養プログラムに従って、培養容器11の水平機構41を制御し、ポンプ13を制御する制御や、ソレノイド30等の制御をおこない、細胞培養処理を実施する。随時、表示部80と通信部84でその処理状況をユーザに示すことができる。細胞培養処理が終了したら、表示部80と通信部84で終了をユーザに示し、制御部82は、ROM85に格納された終了プログラムに従い、終了処理をおこなう。以上により、自動培養装置10による一連の細胞培養処理を実現することが可能となる。

0036

以上説明した本実施例によれば、大容量の培地処理が必要な大量継代培養等において、ポンプの送液量増大や複数の培養容器への等量送液を実現し、装置全体の小型化や、流路設置作業の効率化、更には細胞へのダメージを最小化する自動培養装置を提供することができる。

0037

なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。例えば、上記の実施例においては、細胞懸濁液や培地の培養容器への供給と、廃液とは中間タンクに接続された2本のチューブ等の流路を用いる構成を説明したが、1本の流路で細胞懸濁液や培地の供給、排出を行うようにすることも可能である。また、ガス供給部環境制御部88、培地保管部環境制御部89は、制御部82とは別構成にしたが、これらを全て制御部82で兼用しても良い。更に、図6において、恒温槽40は全てのモジュール47に共通の一つの恒温槽を用いても良いし、適当な個数を纏めて共通の恒温槽を利用する構成でも良い。

実施例

0038

更に、上述した各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を実現するプログラムを作成する例を説明したが、それらの一部又は全部を例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良いことは言うまでもない。

0039

10自動培養装置
11培養容器
12中間タンク
13ポンプ
14チューブ
15 弁
16、46無菌接続機構
17、18経路
19廃液入れ
20多点弁機構
21 第1弁機構
22 第2弁機構
23 弁機構
30ソレノイド
31 空間
32ガイド
33固定具
34 凸部(ソレノイド)
35 凸部(第1弁機構)
36チューブガイド
37チューブ固定具
40恒温槽
41水平機構
42ガス供給機構
43培地供給機構
44分岐
45 培地分岐機構
47モジュール
80 表示部
81 入力部
82 制御部
83メモリ
84通信部
85 ROM
86 RAM
87 環境保持装置
88ガス供給部環境制御部
89 培地保管部環境制御部
90駆動機構部

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