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技術 燃料供給装置及び船舶

出願人 株式会社三井E&Sマシナリー
発明者 辻康之
出願日 2015年4月24日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2015-089169
公開日 2016年12月8日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2016-205270
状態 特許登録済
技術分野 燃料噴射装置 船舶の推進 液体燃料の供給
主要キーワード 流速成分 吐出サイクル 予測トルク 開放圧力 液体燃料供給管 燃料容器内 推進用プロペラ 圧縮ユニット
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

船舶推進用プロペラ回転数の短時間の変動に対応するように、推進用内燃機関に供給する燃料の圧力を精度よく制御する。

解決手段

燃料供給装置は、燃料を加圧する圧縮機と、前記圧縮機の出力端と接続され、前記推進用内燃機関に供給する燃料が流れる主配管と、前記主配管内の加圧した燃料の圧力を計測するセンサと、前記内燃機関に供給する燃料の燃料供給量を制御する第1の制御装置と、前記圧縮機により加圧される燃料の圧力を制御する第2の制御装置と、を備える。前記第2の制御装置は、前記回転主軸主軸回転数と、船速と、推進用プロペラのピッチの情報に基づいて前記回転主軸に作用するトルクを算出し、前記トルクに対応する前記内燃機関の回転トルクを発生させるための燃料供給量を予測し、前記センサで計測した前記圧力が目標圧力になるように前記燃料供給量に基づいて前記主配管内の燃料の圧力を制御する。

概要

背景

海や河川航行する船舶推進用内燃機関では、内燃機関から推進用プロペに延びる回転主軸主軸回転数が、与えられた目標設定回転数になるように、内燃機関に供給する燃料供給量電子ガバナで制御する方式の内燃機関が一般的に用いられている。このような電子制御の内燃機関には、排気熱エネルギ回収するための排熱回収システムを組み合わせたものがある(特許文献1)。

概要

船舶の推進用プロペラの回転数の短時間の変動に対応するように、推進用内燃機関に供給する燃料の圧力を精度よく制御する。燃料供給装置は、燃料を加圧する圧縮機と、前記圧縮機の出力端と接続され、前記推進用内燃機関に供給する燃料が流れる主配管と、前記主配管内の加圧した燃料の圧力を計測するセンサと、前記内燃機関に供給する燃料の燃料供給量を制御する第1の制御装置と、前記圧縮機により加圧される燃料の圧力を制御する第2の制御装置と、を備える。前記第2の制御装置は、前記回転主軸の主軸回転数と、船速と、推進用プロペラのピッチの情報に基づいて前記回転主軸に作用するトルクを算出し、前記トルクに対応する前記内燃機関の回転トルクを発生させるための燃料供給量を予測し、前記センサで計測した前記圧力が目標圧力になるように前記燃料供給量に基づいて前記主配管内の燃料の圧力を制御する。

目的

本発明は、船舶の推進用プロペラの回転数の短時間の変動に対応するように、推進用内燃機関に供給する燃料の圧力を精度よく制御する燃料制御装置、及びその燃料供給装置を備えた船舶を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

船舶推進用内燃機関燃料を供給する燃料供給装置であって、船舶の推進用内燃機関に燃料を供給するために、燃料を加圧する圧縮機と、前記圧縮機の出力端と接続され、前記推進用内燃機関に供給する燃料が流れる主配管と、前記主配管内の加圧した燃料の圧力を計測するセンサと、前記推進用内燃機関と推進用プロペラを接続した回転主軸主軸回転数目標回転数になるように、前記内燃機関に供給する燃料の燃料供給量を制御する第1の制御装置と、前記圧縮機により加圧される燃料の圧力を制御する第2の制御装置と、を備え、前記第2の制御装置は、前記回転主軸の主軸回転数の情報と、船舶の船速の情報と、前記回転主軸に接続した推進用プロペラのピッチ情報に基づいて前記回転主軸に作用するトルクを算出するトルク計算部と、前記トルクに対応する前記内燃機関の回転トルクを前記内燃機関に発生させるための燃料供給量を予測するデマンド予測部と、前記センサで計測した前記圧力が目標圧力になるように前記燃料供給量に基づいて前記主配管内の燃料の圧力を制御する圧力制御部と、を備えることを特徴とする燃料供給装置。

請求項2

前記圧縮機の燃料の出力端には、圧力制御弁が設けられ、前記圧力制御弁の制御により前記主配管内の燃料の圧力が制御される、請求項1に記載の燃料供給装置。

請求項3

前記圧縮機から吐出する燃料の吐出頻度あるいは燃料の圧縮の程度を制御することにより、前記主配管内の燃料の圧力が制御される、請求項1に記載の燃料供給装置。

請求項4

前記トルク計算部は、前記主軸回転数の情報、前記船速の情報、及び、前記推進用プロペラのピッチ情報の他に、船舶に与える舵角の情報に基づいて、前記トルクを算出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料供給装置。

請求項5

さらに、船舶に与える現在の舵角の情報と、前記回転主軸の現在の主軸回転数の情報と、船舶の現在の船速の情報に基づいて、船舶の将来の予測船速を算出する船速予測計算部を備え、前記トルク計算部は、前記予測船速を前記船舶の船速の情報として用いて、予測トルクを前記トルクとして算出し、前記デマンド予測部は、前記予測トルクを用いて、前記燃料供給量を予測燃料供給量として求め、前記圧力制御部は、前記予測燃料供給量に基づいて、前記主配管内の燃料の圧力を制御する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料供給装置。

請求項6

燃料を加圧する圧縮機と、加圧した燃料の供給を受けて駆動する船舶の推進用内燃機関と、前記圧縮機の出力端と接続され、前記船舶の推進用内燃機関に供給する燃料が流れる主配管と、前記主配管内の加圧した燃料の圧力を計測するセンサと、前記推進用内燃機関と推進用プロペラを接続した回転主軸の主軸回転数を計測する回転計と、船舶の船速を計測する船速計と、前記回転主軸の主軸回転数が目標回転数になるように、前記内燃機関に供給する燃料の燃料供給量を制御する第1の制御装置と、前記圧縮機により加圧される燃料の圧力を制御する第2の制御装置と、を備え、前記第2の制御装置は、前記回転主軸の主軸回転数の情報と、船舶の船速の情報と、前記回転主軸に接続した推進用プロペラのピッチ情報に基づいて前記回転主軸に作用するトルクを算出するトルク計算部と、前記トルクに対応する前記内燃機関の回転トルクを前記内燃機関に発生させるための燃料供給量を予測するデマンド予測部と、前記センサで計測した前記圧力が目標圧力になるように前記燃料供給量に基づいて前記主配管内の燃料の圧力を制御する圧力制御部と、を備えることを特徴とする船舶。

請求項7

前記トルク計算部は、前記主軸回転数の情報、前記船速の情報、及び、前記推進用プロペラのピッチ情報の他に、船舶に与える舵角の情報に基づいて、前記トルクを算出する、請求項6に記載の船舶。

技術分野

0001

本発明は、船舶推進用内燃機関燃料を供給する燃料供給装置及び船舶に関する。

背景技術

0002

海や河川航行する船舶の推進用内燃機関では、内燃機関から推進用プロペに延びる回転主軸主軸回転数が、与えられた目標設定回転数になるように、内燃機関に供給する燃料供給量電子ガバナで制御する方式の内燃機関が一般的に用いられている。このような電子制御の内燃機関には、排気熱エネルギ回収するための排熱回収システムを組み合わせたものがある(特許文献1)。

先行技術

0003

国際公開第2010/074043号

発明が解決しようとする課題

0004

一般に、内燃機関とクランク軸と接続した回転主軸の先端に設けられている推進用プロペラの回転数は、潮流、波、あるいは船舶の舵角等によって短時間に変化し易い一方、船舶の船速は、船舶の質量が大きいことから、短時間では変化しない。このため、潮流、波、あるいは船舶の舵角等によって回転主軸に作用する回転トルクは短時間に変化しやすい。このような状況において、上記特許文献1に示されるように、推進用プロペラの回転数、すなわち、回転主軸の主軸回転数が目標回転数に一致するように、内燃機関に供給する燃料供給量が制御される。したがって、主軸回転数の変動に応じて制御される燃料供給量は短時間で大きく変動するため、燃料供給装置では、供給する燃料の圧力が変動し、必要な燃料供給量の燃料を内燃機関に供給することは難しかった。

0005

また、主軸回転数を目標回転数にするように燃料供給量を制御する場合、燃料供給量を流量計等で計測することはできず、流量調整バルブ開度で燃料供給量を調整する。このため、短時間の主軸回転数の変動に適用できる安定した十分な精度のバルブ操作による燃料供給量の制御を実現することは難しい。

0006

そこで、本発明は、船舶の推進用プロペラの回転数の短時間の変動に対応するように、推進用内燃機関に供給する燃料の圧力を精度よく制御する燃料制御装置、及びその燃料供給装置を備えた船舶を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の一態様は、船舶の推進用内燃機関に燃料を供給する燃料供給装置である。当該燃料供給装置は、
船舶の推進用内燃機関に燃料を供給するために、燃料を加圧する圧縮機と、
前記圧縮機の出力端と接続され、前記推進用内燃機関に供給する燃料が流れる主配管と、
前記主配管内の加圧した燃料の圧力を計測するセンサと、
前記推進用内燃機関と推進用プロペラを接続した回転主軸の主軸回転数が目標回転数になるように、前記内燃機関に供給する燃料の燃料供給量を制御する第1の制御装置と、
前記圧縮機により加圧される燃料の圧力を制御する第2の制御装置と、を備える。
前記第2の制御装置は、
前記回転主軸の主軸回転数の情報と、船舶の船速の情報と、前記回転主軸に接続した推進用プロペラのピッチ情報に基づいて前記回転主軸に作用するトルクを算出するトルク計算部と、
前記トルクに対応する前記内燃機関の回転トルクを前記内燃機関に発生させるための燃料供給量を予測するデマンド予測部と、
前記センサで計測した前記圧力が目標圧力になるように前記燃料供給量に基づいて前記主配管内の燃料の圧力を制御する圧力制御部と、を備える。

0008

前記圧縮機の燃料の出力端には、圧力制御弁が設けられ、前記圧力制御弁の制御により前記主配管内の燃料の圧力が制御される、ことが好ましい。

0009

前記圧縮機から吐出する燃料の吐出頻度あるいは燃料の圧縮の程度を制御することにより、前記主配管内の燃料の圧力が制御される、ことが好ましい。

0010

前記トルク計算部は、前記主軸回転数の情報、前記船速の情報、及び、前記推進用プロペラのピッチ情報の他に、船舶に与える舵角の情報に基づいて、前記トルクを算出する、ことが好ましい。

0011

さらに、船舶に与える現在の舵角の情報と、前記回転主軸の現在の主軸回転数の情報と、船舶の現在の船速の情報に基づいて、船舶の将来の予測船速を算出する船速予測計算部を備え、
前記トルク計算部は、前記予測船速を前記船舶の船速の情報として用いて、予測トルクを前記トルクとして算出し、
前記デマンド予測部は、前記予測トルクを用いて、前記燃料供給量を予測燃料供給量として求め、
前記圧力制御部は、前記予測燃料供給量に基づいて、前記主配管内の燃料の圧力を制御する、ことが好ましい。

0012

本発明の他の態様は、船舶であり、船舶は、
燃料を加圧する圧縮機と、
加圧した燃料の供給を受けて駆動する船舶の推進用内燃機関と、
前記圧縮機の出力端と接続され、前記船舶の推進用内燃機関に供給する燃料が流れる主配管と、
前記主配管内の加圧した燃料の圧力を計測するセンサと、
前記推進用内燃機関と推進用プロペラを接続した回転主軸の主軸回転数を計測する回転計と、
船舶の船速を計測する船速計と、
前記回転主軸の主軸回転数が目標回転数になるように、前記内燃機関に供給する燃料の燃料供給量を制御する第1の制御装置と、
前記圧縮機により加圧される燃料の圧力を制御する第2の制御装置と、を備え、
前記第2の制御装置は、
前記回転主軸の主軸回転数の情報と、船舶の船速の情報と、前記回転主軸に接続した推進用プロペラのピッチ情報に基づいて前記回転主軸に作用するトルクを算出するトルク計算部と、
前記トルクに対応する前記内燃機関の回転トルクを前記内燃機関に発生させるための燃料供給量を予測するデマンド予測部と、
前記センサで計測した前記圧力が目標圧力になるように前記燃料供給量に基づいて前記主配管内の燃料の圧力を制御する圧力制御部と、を備える。

0013

前記トルク計算部は、前記主軸回転数の情報、前記船速の情報、及び、前記推進用プロペラのピッチ情報の他に、船舶に与える舵角の情報に基づいて、前記トルクを算出する、ことが好ましい。

発明の効果

0014

上述の燃料供給装置及び船舶によれば、船舶の推進用プロペラの回転数の短時間の変動に対応するように、推進用内燃機関に供給する燃料の圧力を精度よく制御することができる。

図面の簡単な説明

0015

本実施形態の燃料供給装置の構成の一例を説明する図である。
本実施形態の燃料供給装置の構成の他の例を説明する図である。
本実施形態の燃料供給装置の圧縮機の構成の一例を示す図である。

実施例

0016

以下、本実施形態の燃料供給装置及び船舶を、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態の燃料供給装置の構成の一例を説明する図である。

0017

燃料供給装置10は、エンジン1、蛇2、回転主軸3、推進用プロペラ4を備える船舶に設けられている。燃料供給装置10は、圧縮機12、主配管14、及び制御装置16を主に備える。燃料供給装置10の構成要素は、全て、船舶に搭載されている。
圧縮機12は、燃料を加圧する装置で、燃料がガスである場合、燃料は複数の圧縮ユニット多段に並べて所定の圧力、例えば数10〜数100バールに加圧される。
圧縮機12の燃料ガスの出力端は、船舶の推進用内燃機関であるエンジン1に供給する燃料の主配管14と接続されている。主配管14から供給される燃料は、図示されない燃料噴射弁を介してエンジン1のシリンダボア内に供給される。主配管14には、燃料の供給量を調整するために、開度が制御される流量制御弁6が設けられている。
回転主軸3は、エンジン1の図示されないクランク軸と接続されて、クランク軸の回転が回転主軸3に伝達される。
回転主軸3の先端には、船舶の推進用プロペラ4が設けられている。推進用プロペラ4のピッチは固定されている。
また、推進用プロペラ4の船舶の進行方向の後端の側に、蛇2が設けられている。

0018

主配管14には、加圧された燃料の圧力を計測する圧力センサ7aが設けられている。圧力センサ7aの計測位置は、流量制御弁6に対して圧縮機12側にある。すなわち、圧力センサ7aは、圧縮機12の出力端と流量制御弁6との間にある加圧された燃料の圧力を計測する。
また、回転主軸3には、回転主軸3の主軸回転数を計測する回転計7bが設けられている。
蛇角回転軸には、蛇角を計測する操角センサ7cが設けられている。
船舶には、船速を計測する速度センサ7dが設けられている。速度センサ7dの計測する船速は、対水速度である。したがって、舵角が0度でないとき、推進用プロペラ4を通過する水は舵角の分だけ傾斜して流れるので、回転する推進用プロペラ4が横切る水の流速、すなわち、回転主軸3に平行な水の流速成分は、舵角の分だけ船速から低下した速度になっている。

0019

ガバナ5は、回転計7bにより計測された主軸回転数が目標回転数になるように、流量制御弁6の開度を制御する。すなわち、ガバナ5は、エンジン1と推進用プロペラ4を接続した回転主軸3の主軸回転数が目標回転数になるように、エンジン1に供給する燃料の燃料供給量を制御する装置(第1の制御装置)である。ガバナ5は、オペレータの指示等によって提供されるプロペラ回転数指令に応じて、流量制御弁6の開度を制御することにより燃料供給量を制御する。

0020

燃料供給装置10は、圧縮機12、主配管14、及び制御装置16を主に備え、エンジン1に所望の圧力の燃料を供給する。流量制御弁6では上述したように弁の開度が制御されるが、開度の制御だけでは、燃料の供給量を所望の量にすることは難しい。このため、本実施形態では、ガバナ5の制御とは別に、制御装置16は、流量制御弁6に対して圧縮機12側の主配管14の部分における燃料の圧力を後述するように制御する構成になっている。すなわち、制御装置16は、圧縮機12により加圧された主配管14内の燃料の圧力を制御する装置(第2の制御装置)である。

0021

制御装置16は、具体的には、トルク計算部16a、デマンド予測部16b、及び圧力制御部16cを備える。
トルク計算部16aは、回転計7bによって計測された回転主軸3の主軸回転数の情報と、速度センサ7dによって計測された船舶の船速の情報と、推進用プロペラ4のピッチ情報に基づいて回転主軸3に作用するトルク、すなわち、回転主軸3及び推進用プロペラ4が受けるトルクを算出する。ピッチ情報とは、推進用プロペラ4が一回転するときに船舶が進む距離の情報である。

0022

推進用プロペラ4は水中で回転するとき水の抵抗によってトルクを受ける。このトルクに抗するように、推進用プロペラ4、さらには、回転主軸3には、回転トルクがエンジン1から与えられる。しかし、潮流、波あるいは蛇角に応じて水から推進用プロペラ4及び回転主軸3が受けるトルクは変動あるいは変化する。このため、エンジン1の回転トルクもトルクの変動あるいは変化に対応して変動あるいは変化させることが必要である。このため、トルク計算部16aは、回転主軸3に作用するトルクを、主軸回転数の情報と、船速の情報と、ピッチ情報に基づいて算出する。このようなトルクは、予め記憶されているトルク算出式に従って演算して算出してもよいし、主軸回転数の情報及び船速の情報とトルクの対応関係を、ピッチ情報毎に記憶した参照テーブルを予め保持しておき、計測した主軸回転数の情報と、計測した船速の情報と、ピッチ情報とを用いて、記憶した参照テーブルを呼び出して参照し、トルクを求めてもよい。
推進用プロペラ4及び回転主軸3に作用するトルクは上述したように頻繁に変動あるいは変化する場合、これに応じて主軸回転数も頻繁に変動あるいは変化する。一方、ガバナ5は、主軸回転数を一定に保持しようとする制御によって、流量制御弁6の開度を調整しようとする。このとき、開度が頻繁に変動あるいは変化するので、主配管14内の燃料の圧力も変動する。このため、流量供給弁6の開度によって燃料の供給量を制御しようとしても精度の高い燃料供給量の制御は難しい。このため、本実施形態では、回転主軸3に作用するトルクに対応する必要な回転トルクを算出して、後述するような回転トルクに応じて主配管14内の燃料の圧力が目標圧力になるように制御する。

0023

さらに、トルク計算部16aは、主軸回転数の情報、船速の情報、及び、推進用プロペラ4のピッチ情報の他に、船舶に与える舵角の情報に基づいて、回転トルクを算出することも好ましい。蛇角が付くと(0でなくなると)、蛇角が付くことによって、推進用プロペラ4を流れる水の流れ方向も傾斜する。このため、推進用プロペラ4が水から受けるトルクも船速を蛇角が付いた分だけ変化する。しかし、このトルクが変化すると主軸回転数も変化するため、この主軸回転数を一定に保持しようとするガバナ5の制御によって、流量制御弁6の開度も変化する。このとき、開度が変化することによって、主配管14内の燃料の圧力も変化することは好ましくない。このため、本実施形態では、主配管14内の燃料の圧力が目標圧力になるように、算出したトルクに基づいて主配管14内の燃料の圧力を制御する。このため、舵角が付いたときのトルクの変化を考慮して、トルク計算部16aは、主軸回転数の情報、船速の情報、及び、推進用プロペラ4のピッチ情報の他に、船舶に与える舵角の情報に基づいて、回転主軸3に作用するトルクを算出することが好ましい。

0024

デマンド予測部16bは、トルク計算部16aで算出した回転主軸3に作用するトルクに対応するエンジン1の必要な回転トルクをエンジン1に発生させる燃料供給量を予測し、さらに、単位時間当たりの燃料供給量を算出する。ここで、回転トルクは、トルク計算部16aで算出したトルクと一致するように定めて燃料供給量を予測してもよいし、トルク計算部16aで算出したトルクに所定の比率乗算したものを、回転トルクとして定めて燃料供給量を予測してもよい。
このような燃料供給量は、求めた回転トルクの情報を用いて算出される。回転トルクは燃料供給量によって変化するので、回転トルクに対する燃料供給量の対応関係を表した参照テーブルと、求めた必要な回転トルクの情報を用いて燃料供給量、具体的には、1サイクルの燃料供給量を求める。このような参照テーブルは、予めエンジン1の特性として制御装置16に記憶されている。
こうして求められる燃料供給量は、エンジン1の1サイクルの燃料供給量であるので、デマンド予測部16bは、計測によって得られた主軸回転数の情報を用いて、単位時間当たりの燃料供給量を算出する。

0025

圧力制御部16cは、デマンド予測部16bで算出された単位時間当たりの燃料供給量と、圧力センサ7aで計測された圧力の情報とを用いて、主配管14内の燃料の圧力が、定められた目標圧力になるように、単位時間当たりの燃料供給量に基づいて制御する。エンジン1への燃料供給量の変動あるいは変化によって、主配管14内の圧力も変動あるいは変化する。このため、主配管14内の燃料の圧力が、例えば一定の目標圧力になるように、制御される。

0026

燃料がガスである場合、圧縮機12の燃料の出力端には、図1に示すように、圧力制御弁12aが設けられ、圧力制御弁12aの制御により主配管14内の燃料の圧力が制御されることが好ましい。圧力制御弁12aの制御は、弁の開度の制御により行われる。この制御では、単位時間当たりの燃料供給量と圧力センサ7aにより計測される圧力の情報に対する、圧力が目標圧力になるための圧力制御弁12aの開度の関係を表した参照テーブルを予め用意しておき、デマンド予測部16bで予測された燃料供給量と圧力センサ7aにより計測された圧力の情報から、圧力制御弁12aの開度を制御量として定めるとよい。

0027

主配管14内の燃料の圧力が変化あるいは変動したときに、圧力センサ7aで計測した圧力が目標圧力になるようにフィードバック制御をすることもできるが、このフィードバック制御では、実際に主配管14内の燃料の圧力が変化あるいは変動した後に、圧力を制御するので、エンジン1の必要とする燃料供給量が確保できなくなる。このため、本実施形態では、主軸回転数の情報と、船速の情報と、推進用プロペラ4のピッチ情報に基づいて回転主軸の回転トルクを予測し、この回転トルクから、燃料供給量を算出し、この燃料供給量に基づいて、主配管14内の燃料の圧力が目標圧力になるようにフィードフォワードで制御する。

0028

図1に示す制御装置16は、計測された船舶の船速の情報を、主軸回転数の情報、舵角の情報、及び推進用プロペラ4のピッチ情報とともに用いてトルク計算部16aでトルクを算出するが、図2に示すような制御装置16を用いて、現在〜将来の燃料供給量を予測し、これに基づいて、主配管14内の燃料が目標圧力になるように、圧力制御弁12aを制御することもできる。現在〜将来とは、現在の時刻から、例えば数10分後までの範囲をいう。図2は、図1に示す本実施形態の燃料供給装置の構成と異なる他の例を説明する図である。
図2に示す制御装置16は、船速予測計算部16dと、トルク計算部16aと、デマンド予測部16bと、圧力制御部16cを備える。図2に示すトルク計算部16aは、船速度変化部16dで算出される現在〜将来の船速の予測結果を用いて現在〜将来にかけてのトルクを予測する。これ以外は、図2に示すトルク計算部16aの機能は図1に示すトルク計算部16aと同じである。デマンド予測部16bは、現在〜将来の燃料供給量、燃料の圧力を予測する。これ以外の機能は、図1に示すデマンド予測部16bと同じである。
圧力制御部16cは、現在〜将来の燃料供給量と、計測された現在の燃料の圧力を用いて、上述した参照テーブルを用いて、圧力制御弁12aの開度を制御量として定める。したがって、図2に示すトルク計算部16a、デマンド予測部16b及び圧力制御部16cの機能の説明は省略する。

0029

船舶が一定の船速で移動している状態から、エンジン1の出力トルクを一定に保った状態で、蛇角を切って旋回開始させるとき、船の進行方向は徐々に変化し、これに伴って船の船速は低下した状態から、徐々に増大していく。このような船速が過渡的に変化する継続時間は大型船程長く、数10分程度かかる。したがって、このような船速の変化である将来の船速の予測は、予め船の運動方程式を用いて得ることができる。したがって、図2に示す制御装置16は、船舶の将来の船速の変化を予測する船速予測計算部16dを備える。

0030

圧力制御部16cでは、船速予測計算部16dで算出された予測船速を用いてデマンド予測部16bで算出された予測燃料供給量と現在の主配管14の圧力の情報から参照テーブルを参照して、圧力制御弁12aの開度を定めて制御する。例えば、現在の燃料供給量と、将来の予測燃料供給量を重み付け平均し、この平均値と圧力センサ7aで計測された圧力の情報と、参照テーブルを用いて、圧力制御弁12aの開度を定めて主配管14の燃料の圧力を制御する。上記重み付け平均に用いる重み付け係数は、現在から将来に向けて離れるほど小さくなることが好ましい。
なお、船速予測計算部16dは、上述したように、エンジン1の出力トルクを一定に保った状態で、船が一定の船速で移動している状態から、蛇角を切って船が旋回を開始する条件において、船速の予測を開始し、それ以外の条件では、予測船速を算出せず、現在の計測された船速を、トルク計算部16aに供給してもよい。このようにすることで、図1に示す制御装置16と同じ動作を行うことができる。なお、船速予測計算部16dが予測船速の算出を開始した場合、時々刻々、現在〜将来の予測船速度の情報をトルク計算部16aに供給し、これにより、現在〜将来の予測トルクを算出し、さらに、デマンド予測部16bは、現在〜将来の予測燃料供給量を時々刻々算出する。圧力制御部16cは、時々刻々算出される予測燃料供給量を用いて、圧力調整弁12aの開度を逐次制御する。

0031

このように、燃料供給装置10は、船舶に与える現在の舵角の情報と、回転主軸3の現在の主軸回転数の情報と、船舶の現在の船速の情報に基づいて、船舶の将来の予測船速を算出する船速予測計算部16dを備える。その際、トルク計算部16aは、予測船速を船舶の船速の情報として用いて、予測トルクを算出し、デマンド予測部16bは、予測トルクを用いて、燃料供給量を予測燃料供給量として求め、圧力制御部16cは、予測燃料供給量に基づいて、主配管14内の燃料の圧力を制御することが好ましい。このように、制御装置16は、船速を予測することにより、主配管14内の燃料の圧力のフィードフォワード制御を効率よく行なうことができる。

0032

なお、図1,2に示す形態では、燃料はガスを用いた場合を説明したが、燃料として液体燃料を対象とすることもできる。この場合、圧力燃料制御弁12aの開度の制御に代えて、圧縮機12から吐出される燃料の吐出頻度あるいは燃料の圧縮の程度を制御することにより、主配管14内の燃料の圧力が制御されることが好ましい。燃料の圧縮の程度は、圧縮機12がピストンポンプである場合、ピストンポンプの吐出弁開放圧力を含む。圧縮機12から吐出される燃料の吐出頻度は、例えば圧縮機12がピストンポンプである場合、ピストンポンプのピストンの駆動速度を制御することにより燃料を主配管14に吐出する単位時間当たりの吐出サイクルを含む。

0033

図3は、本実施形態の燃料供給装置の圧縮機の構成の一例を示す図である。図3に示す例は、燃料がガスの場合の圧縮機の構成であり、5段に接続された複数の圧縮ユニット30〜38を圧縮機12として用いた形態の一例である。
圧縮機12は、5つの圧縮ユニット30,32,34,36,38を備える。圧縮ユニット30,32,34,36,38は、それぞれ、圧縮部30a,32a,34a,36a,38aと、クーラー30b,32b,34b,36b,38bと、圧力センサ30c,32c,34c,36c,38cと、スピルバック弁30d,32d,34d,36d,38dと、接続管30e,32e,34e,36e,38eと、コントローラ30f,32f,34f,36f,38fと、を備える。圧縮ユニット30〜38の構成は、いずれも同じであるので、圧縮ユニット30を代表して説明する。

0034

圧縮ユニット30では、供給された燃料ガスを圧縮部30aで所定の圧力に高めるとともに、クーラー30bで圧縮により高温になったガス状の燃料を冷却し出力する。圧縮された燃料の一部は、スピルバック弁30dの開度の制御により、接続管30eを介して圧縮部30aの燃料供給側に流れる。これにより、圧縮ユニット30の出力端における燃料の圧力は、調整される。このようなスピルバック弁30dが、図1,2に示す圧力制御弁12aに対応する。なお、スピルバック弁30dの開度の制御は、圧力制御部16cから送られてきた指示信号に基づいて、圧縮ユニット30のスプリバック弁30dの燃料の圧力制御に用いられる。なお、圧力センサ30cは、図1,2に示す圧力センサ7aに対応する。圧力センサ30cから計測された圧力の情報は、コントローラ30fを介して、圧力制御部16cに送られる。
このように、圧縮ユニット30〜38の各段は、スピルバック弁30d〜38dを用いて、燃料の圧力を調整することにより、バランス良く圧力を制御することができる。

0035

圧縮機12は、5つの圧縮ユニット30〜38を備えるが、1〜4個のいずれか1つであってもよく、6個以上であってもよい。圧縮ユニット30〜38は、燃料が供給される方向に直列に接続されるとともに、図示されないモータによって駆動されるクランク軸によって駆動される。液体燃料供給管4を通って供給された燃料は、最も入口側に配置される1段目の圧縮ユニット30から順に、2段目〜4段目の圧縮装置32、34、36を経由して、最も出口側に配置された5段目(最終段)の圧縮ユニット38に供給され、段階的に昇圧される。例えば、圧縮ユニット30〜38は、略同様の圧縮率で、燃料を圧縮するよう構成され、各段の圧縮率が3.1倍である場合は、燃料の圧力を大気圧から300bar程度の圧力にまで昇圧することができる。第4段目の圧縮ユニット36と第5段目の圧縮ユニット38との間の管路には、逆止弁40が設けられていることが好ましい。第5段目の圧縮ユニット38は、最終的に燃料の圧力を例えば数100バールに上昇させるため、燃料の圧力は極めて高くなる。このため、圧縮ユニット38の圧縮部38aのピストンを含む駆動部には、潤滑油給油する給油式コンプレッサが用いられる。一方、1段目〜4段目の圧縮ユニット30〜36の圧縮部30a〜36aには、燃料の圧力は比較的低いため、潤滑油を給油しない無給油式コンプレッサが用いられる。無給油式コンプレッサを用いるのは、図示されない燃料容器内液化燃料に、潤滑油が混入する量を抑えるためである。したがって、逆止弁40を圧縮ユニット36と圧縮ユニット38の間に設けることにより、エンジン1への燃料の燃料供給量が急減して、圧縮ユニット38から圧縮ユニット36に向けて、潤滑油を含有した燃料が、無給油式コンプレッサを備える圧縮ユニット30〜36に逆流するのを防止することができる。

0036

このように、圧縮機12が複数の圧縮ユニット30〜38で構成される場合でも、各段の圧縮ユニット30〜38のそれぞれに圧縮部の出力側の燃料の圧力を制御することが好ましい。

0037

以上、本発明の燃料供給装置及び船舶について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。

0038

1エンジン
2 蛇
3回転主軸
4推進用プロペラ
6流量制御弁
7a,30c,32c,34c,36c,38c圧力センサ
7b回転計
7c 操角センサ
7d速度センサ
10燃料供給装置
12圧縮機
12a圧力制御弁
14主配管
16制御装置
16aトルク計算部
16bデマンド予測部
16c圧力制御部
16d船速予測計算部
30,32,34,36,38 圧宿ユニット
30a,32a,34a,36a,38a圧縮部
30b,32b,34b,36b,38bクーラ
30d,32d,34d,36d,38dスピルバック弁
30e,32e,34e,36e,38e接続管
30f,32f,34f,36f,38fコントローラ
40 逆止弁

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