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技術 コンクリート除去方法

出願人 日本車輌製造株式会社
発明者 土井一慶市江保昭
出願日 2015年4月28日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2015-091550
公開日 2016年12月8日 (2年8ヶ月経過) 公開番号 2016-205085
状態 特許登録済
技術分野 既存建築物への作業 道路の舗装構造 道路の補修 橋または陸橋
主要キーワード センサ穴 想定内 樹脂コンクリート チッパー 温度帯域 継続利用 ハツリ 振動減衰性
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月8日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (9)

課題

樹脂コンクリートの効率的な除去を可能とするコンクリート除去方法の提供。

解決手段

コンクリート構造物10の一部に用いられた、熱硬化性樹脂結合材として骨材を固めた樹脂コンクリート施工部である樹脂コン施工部20に、ヒータ穴25を開け、ヒータ穴25にヒータ30を挿入し、ヒータ30で樹脂コン施工部20を加熱し、樹脂コン施工部20の温度が熱硬化性樹脂を軟化させる所定の温度帯域となるようにヒータ30を制御し、樹脂コン施工部20が温度帯域を維持した状態で樹脂コン施工部20を破砕し、コンクリート構造物10から樹脂コンクリートを取り除く。

概要

背景

コンクリート構造物撤去する方法は色々提案されている。しかし、施工補修樹脂コンクリートを使ったケースでは、樹脂コンクリートの物性により従来のコンクリート構造物を撤去する方法を適用することは困難である。これは樹脂コンクリートが高強度で振動減衰性が高いため、例えばハツリ工具としては、ブレーカーチッパーハンマーと言ったハツリに用いられる工具を用いても破砕が難しいことによる。それ故、色々な手法が検討されている。

特許文献1には、コンクリート構造物の解体方法に関する技術が開示されている。コンクリート構造物に、予め形状を記憶し拡径した形状記憶金属からなるリブを有する補強材埋設する。そして、コンクリート構造物を解体するに際して、補強材の一部を露出させて、加熱手段によりその露出部を介して補強材を加熱して元の形状に回復させ、コンクリート構造物に亀裂を与えて解体している。

特許文献2には、樹脂系材料破壊工法に関する技術が開示されている。樹脂モルタル若しくは、樹脂コンクリートの撤去に際して、施工時に、予め樹脂モルタルもしくは樹脂コンクリートの内部に設置されている電熱線もしくは新たに設置した電熱線に特定の電流を供給する。そして電熱線を発熱させ、樹脂モルタルもしくは樹脂コンクリートの強度特性を低下させ、熱源の極近傍と熱源付近の間に、極端な温度差を生じさせ、亀裂などを発生させる。そうすることで樹脂コンクリートを破砕させている。

概要

樹脂コンクリートの効率的な除去を可能とするコンクリート除去方法の提供。コンクリート構造物10の一部に用いられた、熱硬化性樹脂結合材として骨材を固めた樹脂コンクリート施工部である樹脂コン施工部20に、ヒータ穴25を開け、ヒータ穴25にヒータ30を挿入し、ヒータ30で樹脂コン施工部20を加熱し、樹脂コン施工部20の温度が熱硬化性樹脂を軟化させる所定の温度帯域となるようにヒータ30を制御し、樹脂コン施工部20が温度帯域を維持した状態で樹脂コン施工部20を破砕し、コンクリート構造物10から樹脂コンクリートを取り除く。

目的

本発明はこの様な課題を解決する為に、樹脂コンクリートの効率的な除去を可能とするコンクリート除去方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コンクリート構造物の一部に用いられた、熱硬化性樹脂結合材として骨材を固めた樹脂コンクリートを有する樹脂コンクリート施工部に、ヒータ穴を開け、前記ヒータ穴にヒータを挿入し、前記ヒータで前記樹脂コンクリート施工部を加熱し、前記樹脂コンクリート施工部の温度が前記熱硬化性樹脂を軟化させる所定の温度帯域となるように前記ヒータを制御し、前記樹脂コンクリート施工部が前記温度帯域を維持した状態で前記樹脂コンクリート施工部を破砕し、前記コンクリート構造物から前記樹脂コンクリートを取り除くこと、を特徴とするコンクリート除去方法

請求項2

請求項1に記載のコンクリート除去方法において、前記樹脂コンクリート施工部に、内部温度を測定するセンサを挿入するためのセンサ穴を開け、前記センサを挿入し、前記センサによって前記樹脂コンクリート施工部の前記内部温度を測定しながら、前記内部温度が前記温度帯域となるように前記ヒータを制御すること、を特徴とするコンクリート除去方法。

請求項3

請求項1または請求項2に記載のコンクリート除去方法において、前記樹脂コンクリート施工部に接する前記コンクリート構造物の境界部分の温度が、100℃以下となるように、前記境界部分から前記ヒータ穴の位置を離して配置すること、を特徴とするコンクリート除去方法。

請求項4

請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のコンクリート除去方法において、前記熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル樹脂であり、前記温度帯域が100℃を下限とすること、を特徴とするコンクリート除去方法。

請求項5

請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のコンクリート除去方法において、前記樹脂コンクリート施工部の内部に補強材が配置され、前記ヒータ穴を開ける際に、前記補強材を避けて穴が開けられ、前記補強材を継続して利用できるように残して作業すること、を特徴とするコンクリート除去方法。

技術分野

0001

本発明は、コンクリート除去方法に関し、詳しくは構造物の一部に用いられた樹脂コンクリートの除去を簡単に行う技術に関する。

背景技術

0002

コンクリート構造物撤去する方法は色々提案されている。しかし、施工補修に樹脂コンクリートを使ったケースでは、樹脂コンクリートの物性により従来のコンクリート構造物を撤去する方法を適用することは困難である。これは樹脂コンクリートが高強度で振動減衰性が高いため、例えばハツリ工具としては、ブレーカーチッパーハンマーと言ったハツリに用いられる工具を用いても破砕が難しいことによる。それ故、色々な手法が検討されている。

0003

特許文献1には、コンクリート構造物の解体方法に関する技術が開示されている。コンクリート構造物に、予め形状を記憶し拡径した形状記憶金属からなるリブを有する補強材埋設する。そして、コンクリート構造物を解体するに際して、補強材の一部を露出させて、加熱手段によりその露出部を介して補強材を加熱して元の形状に回復させ、コンクリート構造物に亀裂を与えて解体している。

0004

特許文献2には、樹脂系材料破壊工法に関する技術が開示されている。樹脂モルタル若しくは、樹脂コンクリートの撤去に際して、施工時に、予め樹脂モルタルもしくは樹脂コンクリートの内部に設置されている電熱線もしくは新たに設置した電熱線に特定の電流を供給する。そして電熱線を発熱させ、樹脂モルタルもしくは樹脂コンクリートの強度特性を低下させ、熱源の極近傍と熱源付近の間に、極端な温度差を生じさせ、亀裂などを発生させる。そうすることで樹脂コンクリートを破砕させている。

先行技術

0005

特開平3−129068号公報
特開平4−197457号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載の技術では樹脂コンクリートの効率的な破砕は困難であると思われる。特許文献1の手法では、コンクリート内に埋め込むための形状記憶金属よりなる補強材を適切な位置に埋め込む必要がある。特許文献2の手法では、施工時に適切に電熱線をコンクリート内に埋め込む必要があり、電熱線の発する熱で樹脂コンクリートを破砕するためにはかなりの時間を要すると考えられる。また、予め補強材や電熱線を埋め込んでおくことは、既に施工されている樹脂コンクリートに適用することは困難であるし、予め破砕のための電熱線を埋め込んでおくことはコスト的にも問題があると思われる。

0007

そこで、本発明はこの様な課題を解決する為に、樹脂コンクリートの効率的な除去を可能とするコンクリート除去方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

前記目的を達成するために、本発明の一態様によるコンクリート除去方法は、以下のような特徴を有する。

0009

(1)コンクリート構造物の一部に用いられた、熱硬化性樹脂結合材として骨材を固めた樹脂コンクリートを有する樹脂コンクリート施工部に、ヒータ穴を開け、前記ヒータ穴にヒータを挿入し、前記ヒータで前記樹脂コンクリート施工部を加熱し、前記樹脂コンクリート施工部の温度が前記熱硬化性樹脂を軟化させる所定の温度帯域となるように前記ヒータを制御し、前記樹脂コンクリート施工部が前記温度帯域を維持した状態で前記樹脂コンクリート施工部を破砕し、前記コンクリート構造物から前記樹脂コンクリートを取り除くこと、を特徴とする。

0010

上記(1)に記載の態様によれば、樹脂コンクリート施工部が有する樹脂コンクリートの除去が容易になる。これは、樹脂コンクリートを含んで構成される樹脂コンクリート施工部を、所定温度に加熱することで樹脂成分が軟化し、破砕が容易な状態となる。この段階で、ブレーカーなどの工具を用いての樹脂コンクリートの除去が容易となるためである。この結果、コンクリート構造物の一部に用いられている樹脂コンクリート施工部の除去が、短時間で行えるようになり、樹脂コンクリート施工部の効率的な除去が可能となる。

0011

(2)(1)に記載のコンクリート除去方法において、前記樹脂コンクリート施工部に、内部温度を測定するセンサを挿入するためのセンサ穴を開け、前記センサを挿入し、前記センサによって前記樹脂コンクリート施工部の前記内部温度を測定しながら、前記内部温度が前記温度帯域となるように前記ヒータを制御すること、が好ましい。

0012

上記(2)に記載の態様によって、適切な温度帯域を保持できるので、コンクリート施工部の除去が効率的に行うことが出来る。

0013

(3)(1)または(2)に記載のコンクリート除去方法において、前記樹脂コンクリート施工部に接する前記コンクリート構造物の境界部分の温度が、100℃以下となるように、前記境界部分から前記ヒータ穴の位置を離して配置すること、が好ましい。

0014

上記(3)に記載の態様によれば、コンクリート構造物から樹脂コンクリート施工部の樹脂コンクリートを除去する際に生じる熱によって、コンクリート構造物側のコンクリートが劣化するなどの悪影響を防ぐことが可能となる。

0015

(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載のコンクリート除去方法において、前記熱硬化性樹脂が不飽和ポリエステル樹脂であり、前記温度帯域が100℃を下限とすること、が好ましい。

0016

上記(4)に記載の態様によれば、いわゆる樹脂コンクリートの撤去が容易となる。樹脂コンクリートは、速硬性に優れて作業の迅速さを求められる現場での利用が便利である反面、破砕・撤去に関してはその物性より困難を伴うが、ヒータによる加熱によって物性が変化するため、ブレーカーなどを用いた撤去が容易となる。

0017

(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載のコンクリート除去方法において、前記樹脂コンクリート施工部の内部に補強材が配置され、前記ヒータ穴を開ける際に、前記補強材を避けて穴が開けられ、前記補強材を継続して利用できるように残して作業すること、が好ましい。

0018

上記(5)に記載の態様によれば、補強材を継続して利用できるため、施工コストを安価に済ますことが可能となる。なお、センサ穴を用いる場合も同様に補強材を避けることが望ましい。

図面の簡単な説明

0019

第1実施形態の、コンクリート構造物の斜視図である。
第1実施形態の、樹脂コン施工部に穴を開けた様子を示す斜視図である。
第1実施形態の、樹脂コン施工部にヒータ及びセンサを挿入した様子を示す斜視図である。
第1実施形態の、ヒータの温度変化と樹脂コン内部の温度変化の様子を示すグラフである。
第1実施形態の、ヒータの温度変化と樹脂コン内部の温度変化の別の態様を示すグラフである。
第2実施形態の、橋梁の支承部分の斜視図である。
第2実施形態の、橋梁の断面図である。
第2実施形態の、支承部分の拡大図である。

実施例

0020

まず、本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明を行う。図1に、第1実施形態の、コンクリート構造物の斜視図を示す。コンクリート構造物10は、樹脂コン施工部20とコンクリート施工部15より成り、図示しない構造物を支え土台役割を果たしている。樹脂コン施工部20は、樹脂コンクリート及び鉄筋等で形成された施工部である。樹脂コンクリートは、熱硬化性樹脂を結合材として用い、骨材として用いられる砕石や砂、炭酸カルシウムなどを固めたものであり、熱硬化性樹脂には不飽和ポリエステル樹脂を用いている。コンクリート施工部15は、普通ポルトランドセメントを結合材として用い、骨材を固めた一般的なコンクリートより成る。

0021

コンクリート構造物10の補修にあたって、図示しない構造物を別の部材で支持しておき、速硬性の高い樹脂コンクリートを用いて樹脂コン施工部20を形成した上で、支持部材を取り除くといった様な補修方法が用いられることがある。しかし、樹脂コン施工部20だけ再び除去しなければならなくなるケースでは、この樹脂コン施工部20の除去が問題となっていた。

0022

図2に、樹脂コン施工部20に穴を開けた様子を示す。図3に、樹脂コン施工部20に設けた穴にヒータとセンサを挿入した様子を示す。図1に示すようなコンクリート構造物10の樹脂コン施工部20を撤去するにあたり、図2に示すように、樹脂コン施工部20にヒータ穴25を削孔して複数設ける。また、必要に応じ樹脂コン施工部20にセンサ穴26を削孔して設ける。なお、コンクリートに回転工具を用いて削孔して設けた穴は「孔」と表記されることが多いが、ここでは必ずしも貫通孔を設ける必要が無いという意図から「穴」と表現する。以下、明細書中ではヒータ穴25、センサ穴26等と表記する。また、第1実施形態ではヒータ穴25を複数設けているが、樹脂コン施工部20の大きさやヒータ30の能力との兼ね合いで、ヒータ穴25は1つだけで十分な場合もある。

0023

そして、ヒータ穴25にヒータ30を挿入し、センサ穴26にセンサ31を挿入する。なお、ヒータ穴25の間隔は、できるだけ均等であることが望ましく、センサ穴26の位置はヒータ穴25から等距離にあることが望ましい。ただし、鉄筋の位置などによっては、鉄筋を避けた位置にヒータ穴25を配置してもよい。また、別途温度測定手段を備えて、適切に樹脂コン施工部20内の温度測定ができる場合や、外部温度計測することで内部温度の想定が出来る場合、或いは、樹脂コン施工部20の熱的物性が把握されており、時間で管理すれば想定内の温度帯域を維持できるような場合には、センサ穴26を省略しても良い。

0024

図4は、ヒータ30の温度と樹脂コン内部の温度変化をグラフとして示す。縦軸を温度、横軸を時間としている。そして、センサ温度L1(ヒータ30に付属するセンサを用いて測温されたデータ)と樹脂コン内部温度L2(センサ31を用いて測温されたデータ)がそれぞれ示されている。なお、実際には細かな温度変動はあるが、ここでは簡略化して説明している。樹脂コン施工部20内部の樹脂コン内部温度L2は、図4に示すように所定温度以上となるようにヒータ30の制御を行い、その温度帯域を維持する。なお、ヒータ30の温度は400℃を上限に設定してある。これは、樹脂コン施工部20からの発火リスクを低減する措置である。出願人は、この条件で樹脂コン施工部20からの発火も発煙も無いことを確認している。第1実施形態では熱硬化性樹脂を軟化させる所定の温度を100℃以上の温度を設定している。

0025

樹脂コン内部温度L2が100℃を超えた段階で、樹脂コン施工部20の樹脂コンクリートは十分に軟化し、耐衝撃性が低下するので、樹脂コン施工部20より樹脂コンクリートを除去することが容易となる。なお、ここで言う「軟化」とは、除去が容易になる程度に柔らかくなることを示しており、必ずしも樹脂コン施工部20に使用する樹脂の軟化点に達していることを意味しない。樹脂コン内部温度L2が100℃以上の場合を樹脂コンクリート除去容易区間S1とし、樹脂コンクリート除去容易区間S1にある間は、樹脂コンクリートの除去がハツリ用の工具を用いて容易に行える。こうして樹脂コン施工部20の樹脂コンクリートを除去する。

0026

第1実施形態のコンクリート構造物10のコンクリート除去方法は、上記構成であるので、以下に説明するような作用及び効果を奏する。

0027

第1実施形態は、コンクリート構造物10の一部に用いられた、熱硬化性樹脂を結合材として骨材を固めた樹脂コンクリート施工部である樹脂コン施工部20に、所定間隔でヒータ穴25を開け、樹脂コン施工部20にセンサ穴26を開け、ヒータ穴25にヒータ30を挿入し、センサ穴26にセンサ31を挿入し、ヒータ30で樹脂コン施工部20を加熱し、センサ31で樹脂コン施工部20の内部温度を測定し、樹脂コン施工部20の温度が熱硬化性樹脂を軟化させる所定の温度帯域となるようにヒータ30を制御し、所定の温度帯域を維持した状態で樹脂コン施工部20を破砕し、コンクリート構造物10から樹脂コンクリートを取り除くものである。

0028

この様な構成であるので、コンクリート構造物10から樹脂コン施工部20の樹脂コンクリートを除去することが容易になる。樹脂コン施工部20に用いた樹脂コンクリートは、耐衝撃性が高く、常温であればその耐衝撃性故に時間をかけて少しずつハツリとるような形で樹脂コン施工部20を取り除くしかない。しかしながら、樹脂コンクリートに用いられている熱硬化性樹脂の種類によっては、所定の温度、不飽和ポリエステル樹脂であれば内部温度を100℃以上の温度とすると、軟化して耐衝撃性が低下する性質の樹脂もある。この様な樹脂を利用した樹脂コン施工部の内部温度を所定の温度、100℃以上にまで上げて熱硬化性樹脂を軟化させることで、熱硬化性樹脂が有する耐衝撃性などが低下し、ブレーカーなどの工具を用いて樹脂コン施工部20の樹脂コンクリートを除去することが容易になる。

0029

また、第1実施形態ではヒータ30を用いて連続的に樹脂コン施工部20を昇温させ、温度維持を行っているが、別の温度管理方法も考えられる。図5は、ヒータ30の温度変化と、センサ31で測定する樹脂コン施工部20内の温度変化の別の態様をグラフに示している。樹脂コン施工部20は、その温度特性によって温度上昇も温度降下も緩やかに進行するので、樹脂コンクリート除去容易区間S1が所定の時間維持されるように、樹脂コン施工部20が所定温度より高い温度になるまで余分に加熱する。その後、ヒータ30の加熱を停止し、樹脂コン施工部20からヒータ30及びセンサ31を取り除く。そして、樹脂コン施工部20の温度が樹脂コンクリート除去容易区間S1にある間に、樹脂コン施工部20から樹脂コンクリートを除去する。

0030

この様な運用では、樹脂コン施工部20から樹脂コンクリートを除去するにあたって、ヒータ30やセンサ31を破損するリスクを低減することが可能となる。ヒータ30やセンサ31を破損してしまうと、感電のリスクなども考えられ、作業上の安全面にもメリットがある。なお、ヒータ30の本数を増やして昇温の速度を高め、ヒータ30による加熱を終了後は緩やかに温度降下され樹脂コンクリート除去容易区間S1にある間に、工具を用いて樹脂コン施工部20の樹脂コンクリートを除去するような運用も考えられる。また、樹脂コン施工部20の温度特性が事前に分かっていれば必ずしも測温手段としてのセンサ31を必要としない。

0031

次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と類似した構成ではあるが、より具体的な事例として橋梁100の一部に設けられた樹脂コン施工部155の除去について説明する。

0032

図6に、橋梁100の支承120部分の斜視図を示す。なお、説明の都合上、橋桁130は省いてある。図7に、橋梁100の断面図を示す。コンクリート構造物である橋梁100は、床版110、橋桁130及び橋脚150を有している。そして、橋脚150の上に設置される支承120によって橋桁130が支持されている。そして、この支承120が設置されている橋脚150の一部には樹脂コン施工部155が形成されている。

0033

橋梁100の補修手段として、樹脂コンクリートのような速硬性の樹脂コンクリートを用いるケースがある。ただし、このような樹脂コン施工部155が設けられたコンクリート構造物の補修などが必要になることがあり、課題に書いたようにこの樹脂コンクリートの破砕も必要になる。

0034

次に、この樹脂コン施工部155の破砕手順について説明する。図8に、樹脂コン施工部の拡大図を示す。樹脂コン施工部155にヒータ穴161及びセンサ穴162を開ける。ヒータ穴161は等間隔に開けられ、センサ穴162はヒータ穴161の間に設けられている。なお、ここで便宜上、樹脂コン施工部155と橋脚150との境目を境界部163とすると、ヒータ穴161は境界部163から所定距離離して形成される。また、樹脂コン施工部155内部には鉄筋151が配置されているが、ヒータ穴161及びセンサ穴162を設けるにあたり、鉄筋151の位置を事前に把握しておくことが好ましい。そして、鉄筋151を避けてヒータ穴161及びセンサ穴162を設ける。

0035

この様なヒータ穴161とセンサ穴162を設けた上で、センサ31とヒータ30を樹脂コン施工部155に挿入する。後は、第1実施形態と同様にして所定の温度以上に樹脂コン施工部155を昇温させて所定時間保持する事で、樹脂コン施工部155の除去が容易となる。この際に、樹脂コン施工部155内に配置される鉄筋151は撤去せずに残すことが好ましい。樹脂コンクリート自体は軟化するため、鉄筋151を残しての撤去は可能である。

0036

第2実施形態のコンクリート除去方法は上記構成である為、以下に説明するような作用及び効果を奏する。

0037

第2実施形態は、橋梁100などのコンクリート構造物の一部に用いられた、熱硬化性樹脂を結合材として骨材を固めた樹脂コンクリート施工部である樹脂コン施工部155に、所定間隔でヒータ穴161を開け、樹脂コン施工部155にセンサ穴162を開け、ヒータ穴161にヒータ30を挿入し、センサ穴162にセンサ31を挿入し、ヒータ30で樹脂コン施工部155を加熱し、センサ31で樹脂コン施工部155の内部温度を測定し、樹脂コン施工部155の温度が熱硬化性樹脂を軟化させる所定温度以上となるようにヒータ30を制御し、所定温度を維持した状態で樹脂コン施工部155を破砕し、橋梁100から樹脂コン施工部155を取り除く。

0038

樹脂コン施工部155の温度を上げることで、第1実施形態同様に熱硬化性樹脂を軟化させる。こうすることで、熱硬化性樹脂が有する耐衝撃性などが低下して、ブレーカーなどの工具を用いて樹脂コン施工部155の樹脂コンクリートを除去することが容易になる。また、樹脂コン施工部155と橋梁100との境界部163とヒータ穴161とは所定の距離離されていることで、橋梁100部分の温度が100℃以下になるように設定されている。

0039

出願人は鉄筋151によって温度が伝わってしまうことも懸念したが、鉄筋151による影響は支配的ではなく境界部163からヒータ穴161の位置を離してあれば問題無いことを確認している。このため、橋梁100部分のコンクリートの劣化を防ぐことができる。これは、樹脂コン施工部155から樹脂コンクリートを除去した後、残存した橋梁100部分のコンクリートは補修後も継続して利用される。このため、継続利用する残存した橋梁100部分のコンクリートにダメージを与えないことが望ましい。その為に、樹脂コン施工部155との界面である境界部163において、コンクリートの温度が100℃を越えないように設定されることが考えられる。

0040

ただし、境界部163のコンクリートの温度が100℃を越えるような場合であっても、境界部163を越えて橋梁100側のコンクリートの一部を除去することで、コンクリートの劣化の懸念を解消しうる。この場合は、境界部163の外側に設定される残存境界部164の温度が100℃以下となるように設定し、樹脂コン施工部155の樹脂コンクリート及び、境界部163から残存境界部164までの間のコンクリートを除去することで、継続利用する橋梁100側のコンクリートに対して、補修工事時の昇温に起因するコンクリートのダメージを抑えることが可能となる。

0041

また、樹脂コン施工部155に有する鉄筋151を撤去せずに利用することで、樹脂コンクリートを除去した後に、普通ポルトランドセメントなどを用いたコンクリートを打込むにあたり、作業効率を上げることができる。

0042

以上、本発明に係るコンクリート除去方法の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、第1実施形態及び第2実施形態では熱硬化性樹脂を用いた樹脂コンクリートについて例示しているが、適切な加熱をすることで物性が変化する性質の樹脂を用いたコンクリートであれば適用が可能である。また、第1実施形態のコンクリート施工部15や第2実施形態の橋脚150が、普通ポルトランドセメントではなく早強セメントなど他の種類のセメントを用いたコンクリートであることを妨げない。

0043

また、センサ穴26及びセンサ穴162、ヒータ穴25及びヒータ穴161等の位置に関しても、樹脂コン施工部20または樹脂コン施工部155の内部温度を適切に制御できるのであれば、その個数や位置などを変更することを妨げない。例えば、第1実施形態ではセンサ穴26及びヒータ穴25を、コンクリート施工部15の上面から垂直方向に設けているが、第2実施形態の様に側面から設けることも考えられる。

0044

また、ヒータ30はカートリッジヒータを想定して説明しているが、樹脂コン施工部20または樹脂コン施工部155を適切に昇温できる昇温手段であれば、ヒータ30の形状を変えたり、外部から熱を加えたりするなどの手法を用いることを妨げない。また、橋脚150側にもセンサ穴及びセンサを追加して設け、橋脚150の内部温度を測定することで境界部163の温度が所定温度以上になっていないことを確認するなどの運用も考えられる。

0045

また、第1実施形態及び第2実施形態に示したヒータ30による昇温の範囲についても、例えば樹脂コンクリートに不飽和ポリエステル樹脂を用いた場合であっても100℃を超えない範囲で制御することを妨げない。また、第1実施形態及び第2実施形態に示したヒータ30による樹脂コン施工部20の昇温の範囲についても、温度の上昇と共に熱硬化性樹脂は軟化する傾向にあるので、所定温度を100℃より高く設定し、より軟化させてハツリをより容易にすることや、所定温度を100℃より低く設定し、軟化の程度は低くなってハツリの容易さは低下するが、加熱時間の短縮を優先するなど、状況に応じて所定温度の設定を変更し、制御することを妨げない。

0046

また、樹脂コンクリートに用いられる樹脂の種類によって、温度と軟化の関係は異なるので、樹脂の温度特性に応じて所定温度の設定を変更することを妨げない。また、樹脂コン施工部20と同様に、ヒータ30の所定温度の設定及び境界部163の所定温度の設定の変更及び残存境界部164の所定温度の設定の変更を行うことを妨げない。

0047

10コンクリート構造物
15コンクリート施工部
20、155樹脂コン施工部
25、161ヒータ穴
26、162センサ穴
30 ヒータ
31センサ
100橋梁
110床版
120 支承
130橋桁
150橋脚
151鉄筋
163境界部
164 残存境界部

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