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課題
解決手段
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、結晶性ポリエステルポリオール20〜30質量%、ポリエーテルポリオール35〜40質量%、ガラス転移温度が50〜90℃であるアクリル系共重合体15〜25質量%、及び、熱可塑性ポリカプロラクトン3〜7質量%を含む原料組成物とポリイソシアネート化合物との反応物であり、且つ末端にイソシアネート基を含有しているウレタンプレポリマーを含有していることを特徴とする。
概要
背景
従来から、家具、外装材及び内装材などの基材表面に、着色などの化粧が施された化粧シートを接着剤を用いて接着することにより、意匠性を付与することが行われている。
基材と化粧シートとの接着に用いられる接着剤としては、有機溶剤を含む接着剤や、湿気硬化型ホットメルト接着剤が知られている。なかでも、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、シックハウス症候群の原因とされる揮発性有機化合物(VOC)を含んでおらず、作業衛生や環境汚染に対する対策となることから多く用いられている。
湿気硬化型ホットメルト接着剤としては、例えば、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分とするホットメルト型接着剤が用いられている(例えば、特許文献1)。このような湿気硬化型ホットメルト接着剤は、加熱溶融させた状態で基材に塗工された後、冷却固化することにより、初期接着強度を発現する。その後、湿気硬化型ホットメルト接着剤が塗工された基材を一定時間放置することによって、イソシアネート基と大気や基材中に含まれている湿気とが反応してウレタンプレポリマーが架橋構造を形成し、これにより湿気硬化型ホットメルト接着剤が硬化して接着強度がさらに向上する。
概要
本発明は、常態接着強度及び耐熱クリープ性が高い水準にありながら、高温下(50℃)でシートの保持力に優れた湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する。 本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、結晶性ポリエステルポリオール20〜30質量%、ポリエーテルポリオール35〜40質量%、ガラス転移温度が50〜90℃であるアクリル系共重合体15〜25質量%、及び、熱可塑性ポリカプロラクトン3〜7質量%を含む原料組成物とポリイソシアネート化合物との反応物であり、且つ末端にイソシアネート基を含有しているウレタンプレポリマーを含有していることを特徴とする。 なし
目的
本発明の目的は、湿気硬化型ホットメルト接着剤に求められる、基本性能である、常態接着強度及び耐熱クリープ性が高い水準にありながら、高温下(50℃)でシートの保持力(初期接着強度)に優れた湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成
請求項1
炭素数が12である直鎖状ポリカルボン酸及び炭素数が6である直鎖状ポリオールの縮合重合体である結晶性ポリエステルポリオール20〜30質量%、ポリエーテルポリオール35〜40質量%、ガラス転移温度が50〜90℃であるアクリル系共重合体15〜25質量%、及び、熱可塑性ポリカプロラクトン3〜7質量%を含む原料組成物とポリイソシアネート化合物との反応物であり、且つ末端にイソシアネート基を含有しているウレタンプレポリマーを含有しており、上記原料組成物において、上記結晶性ポリエステルポリオール、上記ポリエーテルポリオール、上記アクリル系共重合体、上記熱可塑性ポリカプロラクトン及び上記ポリイソシアネート化合物の全量を100質量%とすることを特徴とする湿気硬化型ホットメルト接着剤。
請求項2
120℃の溶融粘度が40000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化型ホットメルト接着剤。
技術分野
0001
本発明は、湿気硬化型ホットメルト接着剤に関する。
背景技術
0003
基材と化粧シートとの接着に用いられる接着剤としては、有機溶剤を含む接着剤や、湿気硬化型ホットメルト接着剤が知られている。なかでも、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、シックハウス症候群の原因とされる揮発性有機化合物(VOC)を含んでおらず、作業衛生や環境汚染に対する対策となることから多く用いられている。
0004
湿気硬化型ホットメルト接着剤としては、例えば、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを主成分とするホットメルト型接着剤が用いられている(例えば、特許文献1)。このような湿気硬化型ホットメルト接着剤は、加熱溶融させた状態で基材に塗工された後、冷却固化することにより、初期接着強度を発現する。その後、湿気硬化型ホットメルト接着剤が塗工された基材を一定時間放置することによって、イソシアネート基と大気や基材中に含まれている湿気とが反応してウレタンプレポリマーが架橋構造を形成し、これにより湿気硬化型ホットメルト接着剤が硬化して接着強度がさらに向上する。
先行技術
0005
特開2001−262113号公報
発明が解決しようとする課題
0006
基材表面に化粧シートを湿気硬化型ホットメルト接着剤を用いて接着させるにあたって、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、冷却固化によって初期接着強度を発現し、化粧シートを固定する。しかし、雰囲気温度が高いと固化に時間がかかり、初期接着強度の発現が遅くなる。例えば、夏の場合、基材表面温度が50℃である場合がある。そのため、夏には貼り合せ直後のシートの浮きや剥離が生じやすい。
0007
また、現在この化粧シートの貼り合せに用いられる湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度は120℃で40000mP・s以下が主流である。湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度は120℃で40000mP・s以下であればこれまでと同様の作業性が期待できる。作業性を考慮して湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度は、120℃で40000mP・s以下であることが好ましい。
0008
したがって、本発明の目的は、湿気硬化型ホットメルト接着剤に求められる、基本性能である、常態接着強度及び耐熱クリープ性が高い水準にありながら、高温下(50℃)でシートの保持力(初期接着強度)に優れた湿気硬化型ホットメルト接着剤を提供することである。
課題を解決するための手段
0009
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、炭素数が12である直鎖状ポリカルボン酸及び炭素数が6である直鎖状ポリオールの縮合重合体である結晶性ポリエステルポリオール20〜30質量%、ポリエーテルポリオール35〜40質量%、ガラス転移温度が50〜90℃であるアクリル系共重合体15〜25質量%、及び、熱可塑性ポリカプロラクトン3〜7質量%を含む原料組成物とポリイソシアネート化合物との反応物であり、且つ末端にイソシアネート基を含有しているウレタンプレポリマーを含有しており、上記原料組成物において、上記結晶性ポリエステルポリオール、上記ポリエーテルポリオール、上記アクリル系共重合体、上記熱可塑性ポリカプロラクトン及び上記ポリイソシアネート化合物の全量を100質量%とすることを特徴とする。
0010
上記湿気硬化型ホットメルト接着剤において、120℃の溶融粘度が40000mPa・s以下であることを特徴とする。
発明の効果
0011
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、湿気硬化型ホットメルト接着剤に求められる、基本性能である、常態接着強度及び耐熱クリープ性が高い水準にありながら、高温下(50℃)でのシートの保持力(初期接着強度)に優れている。
0012
本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、炭素数が12である直鎖状ポリカルボン酸及び炭素数が6である直鎖状ポリオールの縮合重合体である結晶性ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ガラス転移温度が50〜90℃であるアクリル系共重合体、及び、熱可塑性ポリカプロラクトンを含む原料組成物とポリイソシアネート化合物との反応物であり、且つ末端にイソシアネート基を含有しているウレタンプレポリマーを含有している。
0013
(結晶性ポリエステルポリオール)
原料組成物は、結晶性ポリエステルポリオールを含んでいる。結晶性ポリエステルポリオールは、炭素数が12である直鎖状ポリカルボン酸と、炭素数が6である直鎖状ポリオールとの縮合重合体である。
0014
湿気硬化型ホットメルト接着剤においては、ポリエステルポリオールとして結晶性を有する結晶性ポリエステルポリオールを用いている。結晶性ポリエステルポリオールを用いることによって、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度の発現を図っている。
0015
ポリエステルポリオールが結晶性であるか否かは下記基準に基づいて判断される。本発明において、結晶性ポリエステルポリオールとは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量が3cal/g(12.558J/g)以上であるポリエステルポリオールを意味する。非結晶性ポリエステルポリオールとは、JIS K7121に規定される示差走査熱量測定(DSC)の測定において、10℃/分の昇温速度で測定した融解曲線の吸熱量が3cal/g(12.558J/g)未満であるポリエステルポリオールを意味する。
0018
結晶性ポリエステルポリオールとしては、湿気硬化型ホットメルト接着剤の初期接着強度に優れているので、両末端にカルボキシ基を有し且つ炭素数が12である直鎖状ジカルボン酸と、両末端に水酸基を有し且つ炭素数が6である直鎖状ポリオールとの縮合重合体が好ましく、ドデカン二酸と1,6−ヘキサンジオールとの縮合重合体であることが好ましい。
0019
結晶性ポリエステルポリオールの数平均分子量は、400〜10000であり、1000〜5000が好ましく、2000〜4000がより好ましい。結晶性ポリエステルポリオールの数平均分子量が上記範囲内にあると、ウレタンプレポリマーにおける架橋点間分子鎖長が適度な長さとなり、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた初期接着強度を有する。
0020
なお、結晶性ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体、及び熱可塑性ポリカプロラクトンの数平均分子量は、下記の要領で測定された値をいう。数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法を用いて測定することができる。例えば、ポリエーテルポリオールを1.0質量%の濃度となるようにテトラヒドロフラン(THF)に溶解させることにより試料溶液を調製し、この試料溶液を用いて下記測定装置及び測定条件によるGPC法により、標準ポリスチレンを基準として、屈折率検出計を用いて行うことができる。
0021
測定装置としては、例えば、送液装置がLC−9A、屈折率検出計がRID−6A、カラムオーブンがCTO−6A、データ解析装置がC−R4Aからなるシステム(いずれも島津製作所社製)を使用することができる。GPCカラムとしては、例えば、GPC−805(排除限界400万)3本、GPC−804(排除限界40万)1本(いずれも島津製作所社製)をこの順に接続して使用することができる。また、測定条件は、試料注入量25μL(リットル)で、溶出液テトラヒドロフラン(THF)、送液量1.0mL/分、カラム温度45℃とする。
0022
原料組成物中における結晶性ポリエステルポリオールの含有量は、結晶性ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体、熱可塑性ポリカプロラクトン、及びポリイソシアネート化合物の全量を100質量%としたとき、20〜30質量%であり、23〜27質量%が好ましい。結晶性ポリエステルポリオールの含有量が20質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、初期接着強度に優れている。結晶性ポリエステルポリオールの含有量が30質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤のオープンタイムが長くなり高い接着強度を維持する。
0023
(ポリエーテルポリオール)
原料組成物は、ポリエーテルポリオールを含有している。ポリエーテルポリオールとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及び化1の構造式で示されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、及びビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ポリプロピレングリコールがより好ましい。ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の中でも、ビスフェノールAにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドが付加してなる付加物がより好ましい。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールにおいて、ポリオキシエチレン単位とポリオキシプロピレン単位の配列は、ランダムであってもブロックであってもよい。ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物は、例えば、ビスフェノールAの活性水素にアルキレンオキサイドを付加反応させることにより得られる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びイソブチレンオキサイドなどが挙げられる。ビスフェノールAに二種以上のアルキレンオキサイドが付加している場合、各アルキレンオキサイド単位の配列はランダムでもブロックでもよい。
0025
加水分解性シリル基の加水分解性基としては、特に限定されず、例えば、水素原子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基などが挙げられる。
0026
式中、n及びmは、正の整数である。
0027
ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、400〜10000であり、1000〜5000が好ましく、2000〜4000がより好ましい。ポリエーテルポリオールの数平均分子量が上記範囲内にあると、ウレタンプレポリマーにおける架橋点間分子鎖長が適度な長さとなり、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた初期接着強度を有する。
0028
原料組成物中におけるポリエーテルポリオールの含有量は、結晶性ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体、熱可塑性ポリカプロラクトン及びポリイソシアネート化合物の全量を100質量%としたとき、35〜40質量%であり、36〜38質量%が好ましい。ポリエーテルポリオールの含有量が35質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度が下がり作業性及び接着性が向上する。湿気硬化型ホットメルト接着剤の含有量が40質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、優れた初期接着強度を有する。
0029
原料組成物は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の物性を損なわない範囲内において、上記ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオール以外のポリオールを含有していてもよい。このようなポリオールとしては、例えば、上記ポリエステルポリオール以外のポリエステルポリオール、上記ポリエーテルポリオール以外のポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール、ポリカーボネートなどが挙げられる。
0030
(アクリル系共重合体)
アクリル系共重合体は、(メタ)アクリル酸とアクリル系モノマーとの共重合体である。本発明において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。アクリル系共重合体は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0031
アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸と共重合可能であれば、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)メタクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なお、アクリル系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、本発明において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
0032
なお、アクリル系共重合体は、例えば、エボニックジャパン社から商品名「ダイナコールAC1630」「ダイナコール AC1920」「ダイナコール AC4830」及び「ダイナコール AC1750」、三菱レイヨン社から商品名「ダイヤナールBR‐113」及び「ダイヤナール BR‐122」にて市販されている。
0033
アクリル系共重合体の数平均分子量は、80000以上が好ましく、120000以上がより好ましい。アクリル系共重合体の数平均分子量が80000以上であると、アクリル系共重合体はその分子量が大きいので分子間凝集力が大きく、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた初期接着強度を有する。アクリル系共重合体の数平均分子量は、300000以下が好ましく、250000以下がより好ましい。アクリル系共重合体の数平均分子量が300000以下であると、湿気硬化型接着剤の著しい粘度上昇が抑制されて、湿気硬化型接着剤の作業性が向上する。
0034
アクリル系共重合体のガラス転移温度は50〜90℃であり、50〜80℃が好ましい。アクリル系共重合体のガラス転移温度が上記範囲内であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融から固化までの時間が適切になり、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた初期接着強度を有する。
0035
アクリル系共重合体のガラス転移温度は、JIS K7121に準拠してDSC測定を行い、10℃/分の昇温速度で室温から120℃まで加熱した後に10℃/分の冷却速度で120℃から0℃まで冷却し、次に、10℃/分の昇温速度にて0℃から120℃まで加熱したときに測定されたDSC曲線の段差の中間点の温度とする。
0036
原料組成物中におけるアクリル系共重合体の含有量は、結晶性ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体、熱可塑性ポリカプロラクトン及びポリイソシアネート化合物の全量を100質量%としたとき、15〜25質量%であり、17〜22質量%が好ましい。アクリル系共重合体の含有量が15質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、優れた初期接着強度を有する。アクリル系共重合体の含有量が25質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度が下がり、作業性及び常態接着強度が向上する。
0038
熱可塑性ポリカプロラクトンは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。熱可塑性カプロラクトンは、例えば、Perstorp社から商品名「Capa6400」及び「Capa6500」にて市販されている。熱可塑性ポリカプロラクトンの数平均分子量は、10000〜80000が好ましく、30000〜80000がより好ましい。熱可塑性ポリカプロラクトンの数平均分子量が上記範囲内にあると、熱可塑性ポリカプロラクトンはその分子量が大きいので分子間凝集力が大きく、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた初期接着強度有する。
0039
原料組成物中における熱可塑性ポリカプロラクトンの含有量は、結晶性ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体、熱可塑性ポリカプロラクトン及びポリイソシアネート化合物の全量を100質量%としたとき、3〜7質量%であり、4〜6質量%が好ましい。熱可塑性ポリカプロラクトンの含有量が3質量%以上であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、優れた初期接着強度を有する。熱可塑性ポリカプロラクトンの含有量が7質量%以下であると、湿気硬化型ホットメルト接着剤のオープンタイムが長くなり、常態接着強度が向上する。
0040
(ポリイソシアネート化合物)
ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基を1分子中に2個以上有する化合物をいう。
0041
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4−MDI)、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,2’−MDI)、カルボジイミド変成ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI、2,4体、2,6体、又はこれらの混合物)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びイソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。ポリイソシアネート化合物は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0042
ポリイソシアネート化合物としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びカルボジイミド変性ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましく、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートがより好ましい。
0043
(ウレタンプレポリマー)
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、原料組成物とポリイソシアネート化合物との反応物であり且つ末端にイソシアネート基を含有しているウレタンプレポリマーを含有している。
0044
具体的には、ウレタンプレポリマーは、結晶性ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体及び熱可塑性ポリカプロラクトンを含む原料組成物と、ポリイソシアネート化合物とを反応させることによって得られる。
0045
原料組成物とポリイソシアネート化合物の全体において、イソシアネート基(−NCO)の合計モル数と、水酸基(−OH)の合計モル数の比(イソシアネート基の合計モル数/水酸基の合計モル数)は1.5〜3が好ましく、2〜2.5がより好ましい。イソシアネート基(−NCO)の合計モル数と、水酸基(−OH)の合計モル数の比(イソシアネート基の合計モル数/水酸基の合計モル数)が1.5以上であると、ウレタンプレポリマーの粘度を適度なものとし、湿気硬化型ホットメルト接着剤は優れた塗工性を有し、更に、硬化後に優れた耐熱クリープ性を有する。イソシアネート基(−NCO)の合計モル数と、水酸基(−OH)の合計モル数の比(イソシアネート基の合計モル数/水酸基の合計モル数)が3以下であると、未反応のポリイソシアネート化合物を抑制し、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気硬化時に、湿気硬化型ホットメルト接着剤の発泡を抑制することができる。
0046
ウレタンプレポリマーの合成方法としては、例えば、ウレタンプレポリマーは、結晶性ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリル系共重合体及び熱可塑性ポリカプロラクトンを含む原料組成物を80〜140℃に加熱して溶融状態とし、原料組成物を減圧下などで脱水処理した後、溶融状態の原料組成物に窒素雰囲気下にてポリイソシアネート化合物を添加して、原料組成物とポリイソシアネート化合物とを反応させてウレタンプレポリマーを合成する方法が挙げられる。
0047
(他の添加剤)
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、上記ウレタンプレポリマーを含有しているが、ウレタンプレポリマー以外に添加剤が含有されていてもよい。
0048
添加剤としては、湿気硬化型ホットメルト接着剤の物性を損なわなければ、特に限定されず、例えば、粘着付与剤、オイル、可塑剤、熱可塑性樹脂、硬化触媒、安定剤、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、香料、顔料、染料、及び、加水分解性シリル基を有するポリマーなどが挙げられる。なお、添加剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0049
粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族石油樹脂、及び芳香族石油樹脂などが挙げられる。粘着付与剤の環球軟化点は90〜150℃が好ましい。環球軟化点は、JAI‐7−1999(日本接着剤工業会規格)に準拠して測定された温度をいう。粘着付与剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0051
可塑剤としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル類、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪酸−塩基酸エステル、アジピン酸ジオクチルなどの脂肪酸二塩基酸エステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシリノール酸メチルなどの脂肪族エステル、トリメリット酸エステル、塩素化パラフィン、アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油、プロセスオイル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルのエポキシ可塑剤、ビニル系モノマーを重合して得られるビニル系重合体、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステルなどのポリアルキレングリコールのエステルなどが挙げられる。可塑剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0052
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン誘導体、ポリイソブテン、ポリオレフィン類、ポリアルキレンオキシド類、ポリウレタン類、ポリアミド類、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ニトロブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、水添ニトロブタジエンゴム(水添NBR)、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(水添SBS)、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(水添SIS)、及び水添スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(水添SEBS)などを挙げることができる。熱可塑性樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0053
硬化触媒は、湿気硬化型ホットメルト接着剤の湿気反応性を向上させるために用いられる。触媒としては、アミン系硬化触媒や錫系硬化触媒などが用いられる。アミン系硬化触媒としては、特に限定されないが、モルホリン系化合物が好ましい。モルホリン系化合物としては、具体的には、2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ビス(2,6−ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、ビス(2−(2,6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)−(2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)プロピル)アミン、トリス(2−(4−モルホリノ)ブチル)アミン、トリス(2−(2、6−ジメチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2、6−ジエチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2−(2−エチル−4−モルホリノ)エチル)アミン、及びトリス(2−(2−エチル−4−モルホリノ)エチルアミンなどが挙げられる。錫系硬化触媒としては、特に限定されず、例えば、酸第1錫、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジアセテート、及びジオクタン酸第1錫などが挙げられる。硬化触媒は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0054
安定剤は、特に限定されないが、有機燐系化合物が好ましい。有機燐系化合物としては、例えば、トリクレシルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)フォスフェート、トリブトキシエチルフォスフェート、トリフェニルフォスフェート、オクチルジフェニルフォスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、トリフェニルホスファイト、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、芳香族リン酸縮合エステルが挙げられる。なかでも、常温で固体の有機燐系化合物が好ましく、トリフェニルホスファイト、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィンオキサイド、及び芳香族リン酸縮合エステルがより好ましい。有機燐系化合物によれば、湿気硬化型ホットメルト接着剤の硬化速度を低下させることなく、湿気硬化型ホットメルト接着剤の熱安定性を向上させることができる。安定剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0055
充填剤の例としては、例えば、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水珪素、含水珪素、ケイ酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、ベントナイト、有機ベントナイト、シラスバルーン、ガラスミクロバルーン、フェノール樹脂及び塩化ビニリデン樹脂などから形成された有機ミクロバルーン、並びにPVC(ポリ塩化ビニル)及びPMMA(ポリメチルメタクリレート)などの樹脂から形成された粒子などが挙げられる。充填剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0056
酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、及びポリフェノール系酸化防止剤などが挙げられる。酸化防止剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0057
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が好適に用いられる。その中でもアミン部分が3級アミンであるヒンダードアミン系光安定剤がより好ましい。光安定剤としては、例えば、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジニル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、及びビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどが挙げられる。光安定剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0058
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、及びベンゾフェノン系紫外線吸収剤などが挙げられる。紫外線吸収剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
0059
加水分解性シリル基を有するポリマーは、一分子中に少なくとも1個の架橋可能な加水分解性シリル基を有する。加水分解性シリル基は、加水分解性基が珪素原子に結合した基である。この加水分解性基としては、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオキシド基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、及びアルケニルオキシド基などが挙げられる。
0060
加水分解性シリル基としては、反応後に有害な副生成物を生成しないので、アルコキシ基が珪素原子に結合したアルコキシシリル基が好ましい。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、及びベンジルオキシ基などを挙げることができる。なかでも、メトキシ基及びエトキシ基が好ましい。
0061
アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシシリル基を挙げることができる。加水分解性シリル基を有するポリマーは、これらのアルコキシシリル基を単独または2種以上有していてもよい。
0062
加水分解性シリル基を有するポリマーの主鎖としては、ポリアルキレンオキサイド、ポリエーテルポリオール、(メタ)アクリレート系重合体及びポリオレフィンが好ましく挙げられる。ポリアルキレンオキサイドとしては、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイドなどが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、これらのランダム共重合体やブロック共重合体、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。(メタ)アクリレート系重合体を構成するモノマーとしては、アルキル基の炭素数が好ましくは1〜12、より好ましくは2〜8であるアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。ポリオレフィンとしては、エチレン、プロピレンなどの単独重合体や共重合体が挙げられ、具体的には、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒法ポリエチレン、高密度ポリエチレン(HDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−α−オレフィン共重合体(エチレン−プロピレン共重合体など)などが挙げられる。
0063
[化粧材]
上述した本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、化粧材の製造に好適に用いられる。本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤は、基材と化粧シートとを接着一体化させるために用いられることが好ましい。
0064
化粧材の構成としては、特に制限されず、従来公知の化粧材の構成が挙げられる。例えば、本発明の湿気硬化型ホットメルト接着剤によって基材と化粧シートとが接着一体化されてなる化粧材が挙げられる。
0065
湿気硬化型ホットメルト接着剤は、上記の如き構成を有しているので、湿気硬化型ホットメルト接着剤に求められる、基本性能である、常態接着強度及び耐熱クリープ性が高い水準にありながら、高温下(50℃)でシートの初期接着強度に優れているので、夏の高温下でも化粧シートの剥離や浮きを抑えることができる。
0066
そして、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度は120℃で40000mP・s以下が好ましい。湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度が40000mP・s以下であると、優れた作業性を有する。なお、湿気硬化型ホットメルト接着剤の溶融粘度は、B型粘度計を用いて日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して温度120℃、回転速度20rpmの条件下にて測定して得られた溶融粘度をいう。なお、B型粘度計としては、例えば、ブルックフィールド社から商品名「B型粘度計デジタルレオメーターDVII(ローターNo.29)」にて市販されている。
0067
化粧材の製造方法としては、例えば、湿気硬化型ホットメルト接着剤を70〜160℃に加熱することで溶融させた後、基材又は化粧シートのうちの一方の上に塗布し、塗布した湿気硬化型ホットメルト接着剤に基材又は化粧シートのうちの他方を重ね合わせて積層体を得、この積層体を養生させることにより湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させ、これにより接着剤層を形成すると共に、接着剤層によって基材と化粧シートとが接着一体化された化粧材を得る方法が挙げられる。
0070
化粧材に用いられる基材としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、及びメラミン樹脂などの合成樹脂からなる合成樹脂板;天然木材、合板、ミディアムデンシティファイバーボード(MDF)パーティクルボード、硬質ファイバーボード、半硬質ファイバーボード、及び集成材などの木材;無機ボード;並びにアルミニウム、鉄、及びステンレスなどの金属からなる金属板などが挙げられる。基材において、接着剤層と接着一体化される面には、必要に応じて、プラズマ処理、アクリル系樹脂やメラミンアクリル系樹脂などの電着塗装処理、及びアルマイト処理などのプライマー処理が行われていてもよい。また、基材には、溝部の他、R部や逆R部などの曲面部が形成されていてもよい。
0071
化粧シートとしては、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、及びポリプロピレンなどの合成樹脂からなるシート、紙、突板、金属箔などが挙げられる。化粧シートは、その表面に色や模様を付すことにより装飾性が高められていてもよい。
0073
湿気硬化型ホットメルト接着剤の使用要領を説明する。先ず、湿気硬化型ホットメルト接着剤をアルミニウムパックなどの収納容器から取り出す。湿気硬化型ホットメルト接着剤は、アルミニウムパックなどの収納容器からの剥離性に優れているので、収納容器から容易に取り出すことができる。
0074
次に、湿気硬化型ホットメルト接着剤を100〜130℃に加熱して溶融させた後、溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を被着体に塗布する。被着体に塗布した湿気硬化型ホットメルト接着剤上に別の被着体を重ね合わせて、二つの被着体を湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して重ね合わせる。このとき、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、長時間に亘って優れた初期接着強度を維持するので、二つの被着体を湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して確実に重ね合わせた状態に保持することができる。更に、湿気硬化型ホットメルト接着剤は、長いオープンタイムを有していることから、二つの被着体同士の位置合わせを容易に行うことができる。
0075
しかる後、湿気硬化型ホットメルト接着剤を好ましくは20〜25℃にて相対湿度50〜60%の環境下に120〜168時間に亘って放置することによって湿気硬化型ホットメルト接着剤を硬化させて、二つの被着体を接着一体化することができる。ホットメルト接着剤は、硬化後に優れた常態接着強度及び耐熱クリープ性を有していることから、二つの被着体は長期間に亘って安定的に接着一体化される。
0076
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
0077
先ず、後述する実施例及び比較例において湿気硬化型ホットメルト接着剤の製造に用いた各成分の詳細について記載する。
0078
(結晶性ポリエステルポリオール)
・結晶性ポリエステルポリオール(A1)
ドデカン二酸(炭素数12)と1,6‐ヘキサンジオール(炭素数6)とを縮合重合させてなる結晶性ポリエステルポリオール(数平均分子量:3600、宇部興産社製商品名「ETERNACOLL3010」)
・結晶性ポリエステルポリオール(A2)
ドデカン二酸(炭素数12)と1,6‐ヘキサンジオール(炭素数6)とを縮合重合させてなる結晶性ポリエステルポリオール(数平均分子量:2500、宇部興産社製 商品名「ETERNACOLL 3015」)
0079
(ポリエーテルポリオール)
・ポリエーテルポリオール(B1)
ポリプロピレングリコール(数平均分子量:3000、旭硝子社製商品名「エクセノール3020」)
・ポリエーテルポリオール(B2)
ポリプロピレングリコール(数平均分子量:400、旭硝子社製 商品名「エクセノール420」
・ポリエーテルポリオール(B3)
ポリプロピレングリコール(数平均分子量:2000、旭硝子社製 商品名「エクセノール2020」)
0080
(アクリル系共重合体)
・アクリル系共重合体(C1)(数平均分子量:140000、ガラス転移温度:65℃、エボニックジャパン製商品名「ダイナコールAC1750」)
・アクリル系共重合体(C2)(数平均分子量:210000、ガラス転移温度:50℃、三菱レイヨン製 商品名「ダイヤナールBR‐122」)
0081
(熱可塑性ポリカプロラクトン)
・熱可塑性ポリカプロラクトン(D1)(数平均分子量:50000製 Perstorp社製商品名「Capa6500」)
・熱可塑性ポリカプロラクトン(D2)(数平均分子量:37000製 Perstorp社製 商品名「Capa6400」)
0082
(ポリイソシアネート化合物)
・4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
0083
(実施例1〜13、比較例1〜8)
表1及び表2に示した所定量の結晶性ポリエステルポリオール(A1)〜(A2)、ポリエーテルポリオール(B1)〜(B3)、アクリル系共重合体(C1)〜(C2)、及び、熱可塑性ポリカプロラクトン(D1)〜(D2)を撹拌羽を有する1リットル四つ口フラスコ内に投入し、140℃に加熱、溶融させて溶融状態の原料組成物を得た。
0084
得られた原料組成物に133.3Pa(1mmHg)以下の減圧下にて脱水処理を施した後、フラスコ内を窒素ガスでパージし、原料組成物を80℃まで冷却した。次に、フラスコ内の原料組成物に、表1に示した所定量の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを添加した。原料組成物と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの全量において、イソシアネート基(−NCO)の合計モル数と、水酸基(−OH)の合計モル数の比(イソシアネート基の合計モル数/水酸基の合計モル数)を表1及び表2に示した。
0087
(溶融粘度)
ブルックフィールド社から商品名「B型粘度計デジタルレオメーターDVII(ローターNo29)」にて市販されているB型粘度計を用いて日本接着剤工業会規格JAI−7−1999に準拠して温度120℃の条件下にて測定した。
40000mP・s以下を「○」、40000mP・s以上を「×」とした。
0088
(初期クリープ試験(初期接着強度))
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱して溶融させた後、溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を、平面長方形状のオレフィンシート(厚み180μm)の一面に塗工厚み50μmで塗工した。その後、表面温度を50℃に調整した中密度繊維(ミディアムデンシティファイバーボード。以下、MDF)基材上に、オレフィンシートを、塗工した湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して重ね合わせた後、オレフィンシート上にゴムロールを転動させて、オレフィンシートとMDF基材とを圧着させることにより、試験片を得た。
0089
50℃雰囲気下、オレフィンシートが下面となるようにして試験片を水平に設置した後、オレフィンシートの長さ方向における一方の端部に、垂直方向に12g/30mmの加重をかけた。この状態のまま5分経過後、オレフィンシートが剥離した長さ(mm)を測定した。
0090
(常態接着強度)
湿気硬化型ホットメルト接着剤を120℃に加熱して溶融させた後、溶融状態の湿気硬化型ホットメルト接着剤を、平面長方形状のオレフィンシート(厚み180μm)の一面に塗工厚み50μmで塗工した。その後、表面温度を40℃に調整したMDF基材上に、オレフィンシートを、塗工した湿気硬化型ホットメルト接着剤を介して重ね合わせた後、オレフィンシート上にゴムロールを転動させて、オレフィンシートとMDF基材とを圧着させることにより、試験片を得た。
0091
次に、試験片を、温度23℃、相対湿度55%環境下に1時間に亘って放置することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を冷却固化させた。その後、試験片を温度23℃、相対湿度55%環境下に1週間に亘って放置することにより、湿気硬化型ホットメルト接着剤を湿気硬化させた。そして、MDF基材からオレフィンシートを、剥離角度180度、剥離速度200mm/分で剥離し、この時の平均の剥離強度を「常態接着強度(N/25mm)」として測定した。
0092
(耐熱クリープ試験)
常態接着強度の測定における上記手順と同様にして、試験片を作製すると共に試験片の湿気硬化型ホットメルト接着剤を湿気硬化させた。60℃の温度環境下において、オレフィンシートが下面となるようにして試験片を水平に設置した後、オレフィンシートの長さ方向における一方の端部に、垂直方向に500g/25mmの加重をかけた。この状態のまま24時間経過後、オレフィンシートが剥離した長さ(mm)を測定した。
0093
実施例
0094
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