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技術 嫌気硬化性組成物

出願人 株式会社スリーボンド
発明者 大村愛
出願日 2015年4月16日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2015-084435
公開日 2016年12月8日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2016-204431
状態 特許登録済
技術分野 マクロモノマー系付加重合体
主要キーワード 雄ねじ部分 嫌気硬化性 攪拌釜 嫌気硬化性組成物 アセチルチオ尿素 点塗布 糸ひき リン酸エステル骨格
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月8日)のものです。
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課題

従来の嫌気硬化性組成物ではは硬化物硬質であるため実現できなかった、100℃雰囲気下などの高温雰囲気や、85℃×85%RHなどの高温高湿雰囲気の変化に追従することができ、柔軟性を付与した場合でも高温雰囲気や高温高湿雰囲気などで耐性を有する硬化物を形成する嫌気硬化性組成物を提供する。

解決手段

(A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物。(A)成分:(メタアクリルモノマー重合させた主骨格を有し、主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー(B)成分:キレート剤および(メタ)アクリルモノマー(C)成分:嫌気硬化触媒(D)成分:有機過酸化物

概要

背景

特許文献1には、組成物中に靱性付与剤としてポリマー微粒子を分散させた嫌気硬化性組成物の発明が記載されている。これは、当該発明は硬化物硬質であるものの、硬化物にかかる歪みをポリマー微粒子が緩衝している。しかしながら、硬化物は硬質であるためその応力緩和には限界がある。また、硬化物に柔軟性を付与するためには、ウレタンアクリレート汎用されていたが、ウレタン結合加水分解してしまうため高温高湿雰囲気(85℃×85%RH)下に放置されると強度低下が発生した。

概要

従来の嫌気硬化性組成物ではは硬化物が硬質であるため実現できなかった、100℃雰囲気下などの高温雰囲気や、85℃×85%RHなどの高温高湿雰囲気の変化に追従することができ、柔軟性を付与した場合でも高温雰囲気や高温高湿雰囲気などで耐性を有する硬化物を形成する嫌気硬化性組成物を提供する。(A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物。(A)成分:(メタアクリルモノマー重合させた主骨格を有し、主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー(B)成分:キレート剤および(メタ)アクリルモノマー(C)成分:嫌気硬化触媒(D)成分:有機過酸化物なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物。(A)成分:(メタアクリルモノマー重合させた主骨格を有し、主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー(B)成分:キレート剤および(メタ)アクリルモノマー(C)成分:嫌気硬化触媒(D)成分:有機過酸化物

請求項2

(A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物。(A)成分:(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し、主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー(B)成分:(B−1)成分として、25℃で固形のキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーにより25℃で固形のキレート剤を溶解させた組成物(C)成分:嫌気硬化触媒(D)成分:有機過酸化物

請求項3

請求項2の(B)成分に記載されるキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーが、リン酸エステル骨格に有する(メタ)アクリルモノマーである請求項2に記載の嫌気硬化性組成物。

請求項4

請求項2または3のいずれかの(B)成分に記載されているキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーが、以下の構造である請求項2または3のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物。(ここで、nは1または2であり、R1は水素またはメチル基を、R2は炭素数が1〜5の炭化水素基を示す。)

請求項5

(A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物。(A)成分:(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し、主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー(B)成分:(B−2)成分として、25℃で液状のキレート剤と相溶する(メタ)アクリルモノマーにより25℃で液状のキレート剤を相溶させた組成物(C)成分:嫌気硬化触媒(D)成分:有機過酸化物

請求項6

請求項5の(B)成分に記載されるキレート剤と相溶する(メタ)アクリルモノマーが、分子中に水酸基および/またはカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーである請求項5に記載の嫌気硬化性組成物。

請求項7

請求項6の(B)成分に記載されるキレート剤と相溶する水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーが、以下の構造である請求項6に記載の嫌気硬化性組成物。(ここで、R1は水素またはメチル基を、R2は炭素数が1〜5の炭化水素基を示す。)

請求項8

前記(C)成分がサッカリンである請求項1〜7のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物。

請求項9

さらに、硬化促進剤を含む請求項1〜8のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物。

請求項10

さらに、重合禁止剤を含む請求項1〜9のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物。

技術分野

0001

本発明は、硬化物軟質嫌気硬化性組成物に関するものである。

背景技術

0002

特許文献1には、組成物中に靱性付与剤としてポリマー微粒子を分散させた嫌気硬化性組成物の発明が記載されている。これは、当該発明は硬化物が硬質であるものの、硬化物にかかる歪みをポリマー微粒子が緩衝している。しかしながら、硬化物は硬質であるためその応力緩和には限界がある。また、硬化物に柔軟性を付与するためには、ウレタンアクリレート汎用されていたが、ウレタン結合加水分解してしまうため高温高湿雰囲気(85℃×85%RH)下に放置されると強度低下が発生した。

先行技術

0003

公表2010−082482号公報

発明が解決しようとする課題

0004

従来の嫌気硬化性組成物は硬化物が硬質であるため、100℃雰囲気下などの高温雰囲気や、85℃×85%RHなどの高温高湿雰囲気の変化に追従することができず、仮に柔軟性を付与した場合でも高温雰囲気や高温高湿雰囲気などで耐性を有する硬化物を形成する嫌気硬化性組成物は存在しなかった。

課題を解決するための手段

0005

本発明者は、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。

0006

本発明の要旨を次に説明する。本発明の第一の実施態様は、(A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物である。
(A)成分:(メタアクリルモノマー重合させた主骨格を有し、主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー
(B)成分:キレート剤および(メタ)アクリルモノマー
(C)成分:嫌気硬化触媒
(D)成分:有機過酸化物

0007

本発明の第二の実施態様は、(A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物である。
(A)成分:(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し、主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー
(B)成分:(B−1)成分として、25℃で固形のキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーにより25℃で固形のキレート剤を溶解させた組成物
(C)成分:嫌気硬化触媒
(D)成分:有機過酸化物

0008

本発明の第三の実施態様は、第二の実施態様の(B)成分に記載されるキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーが、リン酸エステル骨格に有する(メタ)アクリルモノマーである第二の実施態様に記載の嫌気硬化性組成物である。

0009

本発明の第四の実施態様は、第二または第三の実施態様のいずれかの(B)成分に記載されているキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーが、一般式1の構造である第二または第三の実施態様のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物である。

0010

本発明の第五の実施態様は、(A)〜(D)成分を含む嫌気硬化性組成物である。
(A)成分:(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し、主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー
(B)成分:(B−2)成分として、25℃で液状のキレート剤と相溶する(メタ)アクリルモノマーにより25℃で液状のキレート剤を相溶させた組成物
(C)成分:嫌気硬化触媒
(D)成分:有機過酸化物

0011

本発明の第六の実施態様は、第五の実施態様の(B)成分に記載されるキレート剤と相溶する(メタ)アクリルモノマーが、分子中に水酸基および/またはカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーである第五の実施態様に記載の嫌気硬化性組成物である。

0012

本発明の第七の実施態様は、第六の実施態様の(B)成分に記載されるキレート剤と相溶する水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーが、一般式2の構造である第六の実施態様に記載の嫌気硬化性組成物である。

0013

本発明の第八の実施態様は、前記(C)成分がサッカリンである第一から第七の実施態様のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物である。

0014

本発明の第九の実施態様は、さらに、硬化促進剤を含む第一から第八の実施態様のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物である。

0015

本発明の第十の実施態様は、さらに、重合禁止剤を含む第一から第九の実施態様のいずれかに記載の嫌気硬化性組成物である。

発明の効果

0016

本発明の嫌気硬化性組成物は硬化物が軟質であり、外部からの応力緩和する能力が向上させる事を可能とし、組成物の保存安定性の維持と合わせて、嫌気硬化後に十分な強度を発現する。

0017

本発明の詳細を次に説明する。本発明で使用することができる(A)成分としては、(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し、主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマーである。(A)成分を主剤に用いることにより、柔軟性がある軟質な硬化物を形成することができる。

0018

主骨格の形成に用いる(メタ)アクリルモノマーとは、アクリル基たまはメタクリル基を有するモノマーの総称である。例示するならば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明においては、前記(メタ)アクリルモノマーより選択して重合させることができるが、好ましくは炭化水素基を有する(メタ)アクリルモノマーを選択することが好ましい。

0019

(A)成分の重量平均分子量は、好ましくは5000〜40000である。重量平均分子量が5000未満であると硬化物が有する弾性が発現されにくくなる傾向があり、耐熱試験において硬化物に割れが発生する。一方、重量平均分子量が40000を超えると粘性が高くなりすぎて熱硬化性組成物を塗布する際に糸ひきが発生する。(A)成分は種々の重合法により得ることができ、その方法は特に限定されないが、モノマーの汎用性及び反応制御の容易性の点からラジカル重合法が好ましい。ラジカル重合の中でも制御ラジカル重合が好ましく、リビングラジカル重合がより好ましく、原子移動ラジカル重合が特に好ましい。また、主骨格である(メタ)アクリルモノマーの重合体に対して、(メタ)アクリル基の導入法は、(1)末端に水酸基を有するビニル系重合体と、塩素臭素、または水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、との反応による方法、(2)末端にハロゲン基を有するビニル系重合体とアルカリ金属イオンまたは4級アンモニウムイオン含有(メタ)アクリレート化合物との反応による方法、(3)末端に水酸基を有するビニル系重合体にジイソシアネート化合物を反応させ、残存イソシアネート基と水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られる方法などが挙げられる。これらの方法は既に公知な方法であり、特開昭61−133201号公報、特開平11−80250号公報、特開2000−38404号公報、特開2001−271055号公報、特開2002−69121号公報などに記載されている。また、本発明の(A)成分は100℃雰囲気下などの高温雰囲気や、85℃×85%RHなどの高温高湿雰囲気でも変質せずに柔軟性を失わない特性がある。

0020

(A)成分を主剤に用いることにより、柔軟性がある軟質な硬化物を形成することができる。しかしながら、(A)成分には合成時の金属触媒等が残留しているおそれがあり、嫌気性硬化性組成物で(A)成分を使用するためには、事前に当該金属触媒等をキレート剤により処理して補足しておく必要がある。しかしながら、(A)成分は極性が低いため、(A)成分にそのままキレート剤を添加しても、キレート剤が溶解せずに残ったり、キレート剤による補足の効果が発現しない現象がみられる。当該現象は(A)成分以外の(メタ)アクリルオリゴマーには見られない現象である。

0021

本発明では、本発明の特性を損なわない範囲で(A)成分以外の(メタ)アクリルオリゴマーを添加することもできる。具体例としては、多価ポリオール多官能イソシアネートと(メタ)アクリル基と水酸基を有する化合物を合成したいわゆるウレタン変性(メタ)アクリルオリゴマーが挙げられる。多価ポリオールは様々な骨格を有して良く、エチレンオキサイド骨格ポリエステル骨格ポリエーテル骨格ポリブタジエン骨格水添ポリブタジエン骨格など様々なものを使用することができる。また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂に(メタ)アクリル酸を付加させたエポキシ変性(メタ)アクリルオリゴマーも挙げられるが、これらに限定されるものではない。特開2007−224155に記載される実施例の様に本発明の(A)成分ではなくエポキシ変性(メタ)アクリルオリゴマーを用いた場合や、特開平01−020282に記載される実施例の様に、本発明の(A)成分ではなくウレタン変性(メタ)アクリルオリゴマーを使用した場合では、後述のトルク六角ボルト六角ナット接着力)が15〜30N・mと高めに発現する傾向がみられる。

0022

本発明では、本発明の特性を損なわない範囲で(メタ)アクリルモノマーを使用することもできる。嫌気硬化性組成物の粘度を調整し作業性を向上させる目的で、(メタ)アクリルオリゴマーと(メタ)アクリルモノマーを混合することもできるし、(メタ)アクリルモノマー単独で使用することもできる。(メタ)アクリルモノマーとは、1分子中に1の(メタ)アクリル基を有し、分子量が1000未満の低分子量の化合物である。好ましいアクリルモノマーとしては、分子内に水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーおよび/または飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマーである。水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。最も好ましくは、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートおよび/または2−ヒドロキシエチルメタクリレートが挙げられるがこれらに限定されるものではない。飽和脂環構造を有する(メタ)アクリルモノマーの具体例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンタニル(メタ)アクリレートなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。最も好ましくは、イソボルニル骨格および/またはジシクロペンタニル骨格を有する(メタ)アクリルモノマーである。

0023

本発明で使用することができる(B)成分としては、キレート剤および(メタ)アクリルモノマーである。好ましくは、(B−1)成分として25℃で固形のキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーにより25℃で固形のキレート剤を溶解させた組成物、または(B−2)成分として25℃で液状のキレート剤と相溶する(メタ)アクリルモノマーにより25℃で液状のキレート剤を相溶させた組成物である。溶解または相溶の際には、30〜60℃に加熱しても良い。キレート剤は、組成物中の不純物である金属イオン配位して、金属をキレート化して不活性にし、嫌気硬化性組成物において反応性を抑制する化合物である。そのため、キレート剤により嫌気硬化性組成物は保存安定性を維持することができる。

0024

25℃で固形のキレート剤の具体例としては、株式会社同人化学研究所製のEDTA・2Na、EDTA・4Naなどが、キレスト株式会社製のEDTA系(エチレンジアミン四酢酸)、NTA系(ニトリ四酢酸)、DTPA系(ジエチレントリアミン五酢酸)、HEDTA系(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、TTHA系(トリエチレンテトラミン酢酸)、PDTA系(1,3−プロパンジアミン四酢酸)、DPTA−OH系(1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸)、HIDA系(ヒドロキシエチルイミノ二酢酸)、DHEG系ジヒドロキシエチルグリシン)、GEDTA系(グリコールエーテルジアミン四酢酸)、CMGA系(ジアルボキシメチルグルタミン酸)、EDDS系((S,S)−エチレンジアミンジコハク酸)およびEDTMP系(エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸))の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、25℃で液状のキレート剤の具体例としては、キレスト株式会社製のMZ−8や、HEDP系(1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸)、NTMP系(ニトリロトリス(メチレンホスホン酸))およびPBTC系(2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸)の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。キレート剤は、極性があるオリゴマーやモノマーには溶解または相溶するが、本発明の(A)成分のような極性が低いオリゴマーには溶解または相溶しにくいか全くしない。

0025

25℃で固形のキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーとしては、25℃で固形のキレート剤を溶解させるものであれば限定されないが、好ましくはリン酸エステル骨格を有する(メタ)アクリルモノマーである。特に好ましくは、一般式1の(メタ)アクリルモノマーであり、ここでnは1または2であり、R1は水素またはメチル基を、R2は炭素数が1〜5の炭化水素基を示す。

0026

25℃で液状のキレート剤と相溶する(メタ)アクリルモノマーとしては、25℃で液状のキレート剤と相溶するものであれば限定されないが、好ましくは分子中に水酸基および/またはカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーである。特に好ましくは、一般式2の(メタ)アクリルモノマーであり、ここでR1は水素またはメチル基を、R2は炭素数が1〜5の炭化水素基を示す。

0027

(B)成分中のキレート剤の濃度としては、0.1〜20質量%であることが好ましい。また、(A)成分100質量部に対して(B)成分が0.1〜5.0質量部添加されることが好ましく、より好ましい添加量は0.1〜2.0質量部である。

0028

本発明で使用することができる(C)成分としては、嫌気硬化触媒である。酸素と触れていない嫌気状態において、被着体の金属イオンと(C)成分が反応して、後述の(D)成分を分解してフリーラジカルを発生させる。特に、(C)成分としては、式3の様なサッカリンであることが好ましい。

0029

(A)成分100質量部に対して(C)成分は0.1〜5.0質量部添加されることが好ましく、より好ましい添加量は0.1〜2.0質量部である。(C)成分が0.1質量部以上であると嫌気硬化性を発現し、(C)成分が5.0質量部以下であると保存安定性を維持することができる。

0030

本発明で使用することができる(D)成分としては、有機過酸化物である。特に好ましくは、ハイドロパーオキサイドである。ハイドロパーオキサイドとは式4の様な構造を有する有機過酸化物であり、ここでR3は鎖状脂肪族炭化水素環状脂肪族炭化水素芳香族炭化水素又はそれらの誘導体を示す。具体的には、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなど挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0031

(A)成分100質量部に対して、(D)成分は0.1〜5.0質量部添加されることが好ましい。(D)成分が0.1質量部以上であると硬化性を発現し、(D)成分が5.0質量部以下であると保存安定性を維持することができる。

0032

本発明では、(C)成分と(D)成分の反応を促進させる化合物として、硬化促進剤を添加することができる。具体的には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−P−トルイジンジイソプロパノール−P−トルイジン、トリエチルアミン等の3級アミン類ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン等のポリアミン類チオ尿素エチレンチオ尿素ベンゾイルチオ尿素アセチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素等のチオ尿素類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。

0033

本発明では粘度を調整する目的で、ヒュームドシリカを添加することができる。未処理の表面にはシラノールが残留している親水性タイプ、前記シラノールをジメチルジクロロシランなどで処理してシリカ表面疎水化した疎水性タイプなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。親水性タイプの具体的な商品としては、日本アエロジル株式会社製のアエロジル90、130、150、200、255、300、380等が挙げられ、疎水性タイプの具体的な商品としては、日本アエロジル株式会社製のアエロジルR972(ジメチルジクロロシラン処理)、R974(ジメチルジクロロシラン処理)、R104(オクタメチルシクロテトラシロキサン処理)、R106(オクタメチルシクロテトラシロキサン処理)、R202(ポリジメチルシロキサン処理)、R805(オクチルシラン処理)、R812(ヘキサメチルジシラザン処理)、R816(ヘキサデシルシラン処理)、R711(メタクリルシラン処理)などが挙げられる。その他にキャボット株式会社製のヒュームドシリカであるキャボシルシリーズなどが挙げられる。

0034

本発明は経時による粘度変化をさらに抑制するために、重合禁止剤を添加することができる。具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールヒドロキノンヒドロキノンモノメチルエーテル、4−t−ブチルカテコールなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。

0035

本発明は光硬化性を付与するため、光開始剤を添加しても良い。具体例としては、アセトフェノンプロピオフェノンベンゾフェノンキサントール、フルオレインベンズアルデヒドアンスラキノントリフェニルアミンカルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−メチルアセトフェノン、3−ペンチルアセトフェノン、4−メトキシアセトフェノン、3−ブロモアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジアセチルベンゼン、3−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、オリゴ(2−ヒドロキシー2−メチルー1−(4−(1−メチルビニルフェニルプロパノン)、4−アリルアセトフェノン、カンファーキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、4−メチルベンゾフェノン、4−クロロ−4’−ベンジルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルー1−フェニルー1−プロパノン、3−クロロキサントーン、3,9−ジクロロキサントーン、3−クロロ−8−ノニルキサントーン、ベンゾイル、ベンゾイルメチルエーテルベンゾインブチルエーテルビス(4−ジメチルアミノフェニルケトン、ベンジルメトキシケタール、2−クロロチオキサントーン、o−メチルベンゾエートベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルホーメートなどがあげられるが、これらに限定されるものではない。

0036

また、目的に応じて酸化防止剤を添加してもよく、具体的にはフェノール系酸化防止剤チオエーテル系酸化防止剤リン系酸化防止剤ニトロキシド系酸化防止剤などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。

0037

本発明の可使時間や硬化物の物性が損なわれない程度にその特性を調整するために、各種のラジカル熱硬化剤老化防止剤可塑剤、物性調整剤、溶剤光安定剤等の添加剤を配合してもよい。

0038

次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下、本発明の嫌気硬化性組成物を単に組成物と呼ぶ。

0039

[実施例1〜9、比較例1〜3]
組成物を調製するために下記成分を準備した。
(A)成分:(メタ)アクリルモノマーを重合させた主骨格を有し、主骨格の末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー
・両末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー(粘度:470Pa・s)(RC−200C 株式会社カネカ製
・両末端に(メタ)アクリル基を有するオリゴマー(粘度:230Pa・s)(RC−100C 株式会社カネカ製)
(メタ)アクリルモノマー
イソボルニルメタクリレートライトエステルIB−X共栄社化学株式会社製)
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(HEMA 株式会社日本触媒製)
・4−ヒドロキシブチルアクリレート(4−HBA 大阪有機化学工業株式会社製)
トリエチレングリコールジメタクリレート(3G 新中化学工業株式会社製)
・2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(ライトエステルHO−MS 共栄社化学株式会社)
・2−ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート(JPA−514化学工業株式会社製)
・2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート(ライトエステルP−1M 共栄社化学株式会社製)
・2−メタクロイロキシエチルアシッドホスフェート(MR−200 大八化学工業株式会社製)
キレート剤
・エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸二ナトリウム塩二水和物(25℃で固体)(2NA(EDTA・2Na) 株式会社同人化学研究所製)
・エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸四ナトリウム塩四水和物(25℃で固体)(4NA(EDTA・4Na) 株式会社同人化学研究所製)
アミノカルボン酸塩(25℃で液体)(MZ−8キレスト株式会社製)
(B−1)成分:25℃で固形のキレート剤を溶解させる(メタ)アクリルモノマーにより25℃で固形のキレート剤を溶解させた組成物
マスター1]
・90質量部のJPA−514に対して、EDTA2Naを10質量部添加して50℃雰囲気下で2時間攪拌する。EDTA2NaのJPA−514溶液をマスター1と呼ぶ。
[マスター2]
・90質量部のP−1Mに対して、EDTA2Naを10質量部添加して50℃雰囲気下で2時間攪拌する。EDTA2NaのP−1M溶液をマスター2と呼ぶ。
[マスター3]
・90質量部のMR−200に対して、1EDTA2Naを10質量部添加して50℃雰囲気下で2時間攪拌する。EDTA2NaのMR−200溶液をマスター3と呼ぶ。
(B−2)成分:25℃で液状のキレート剤と相溶する(メタ)アクリルモノマーにより25℃で液状のキレート剤を相溶させた組成物
[マスター4]
・99質量部のHEMAに対して、MZ−8を1質量部添加して1時間攪拌する。MZ−8のHEMA溶液をマスター4と呼ぶ。
(C)成分:嫌気硬化触媒
・サッカリン(試薬
(D)成分:有機過酸化物
・クメンハイドロパーオキサイド(パークミルH−80日本油脂株式会社製)
硬化促進剤
ベンゾチアゾール(試薬)
・p−メトキシフェノール(試薬)
ドデカンチオール(試薬)
重合禁止剤
・2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)(試薬)
・ヒドロキノン(HQ)(試薬)
その他
・1−ベンジル−2−メチルイミダゾールキュアゾール1B2MZ 四国化成工業株式会社製)
・2−エチル−4−メチルイミダゾール(キュアゾール2E4MZ 四国化成工業株式会社製)

0040

[参考1〜21]
前記(メタ)アクリルモノマーを攪拌容器量した後、前記キレート剤を秤量して攪拌容器に添加する。参考1〜16は50℃雰囲気下で2時間攪拌し、参考17〜21は25℃雰囲気かで2時間攪拌する。詳細な調製量は表1と表2に従い、数値は全て質量部で表記する。

0041

溶解性・相溶性確認]
参考例1〜16については25℃まで冷ませる。参考1〜21に対して目視で、下記の評価基準に従い、溶解性または相溶性の確認を行う。(A)成分との相溶を考慮すると、「○」であることが好ましい。
評価基準
○:透明
△:白濁
×:不溶

0042

0043

0044

表1では25℃で固形のキレート剤と(メタ)アクリルモノマーとの溶解性を確認している。参考6〜8および参考14〜16において、リン酸エステルを骨格に有する(メタ)アクリルモノマーにより溶解性が確認された。一方、表2では25℃で液状のキレート剤と(メタ)アクリルモノマーとの相溶性を確認している。参考17、18および20において、分子中に水酸基および/またはカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーによる相溶性が確認された。

0045

[実施例1〜9、比較例1〜3]
(A)成分、(メタ)アクリルモノマー、(B)成分(またはキレート剤)(C)成分、および重合禁止剤を攪拌釜に秤量し、50℃に加熱し8時間程度攪拌する。その後、室温に戻し(D)成分および硬化促進剤を秤量して攪拌釜に投入して、1時間攪拌した。詳細な調製量は表3に従い、数値は全て質量部で表記する。

0046

0047

実施例1〜9および比較例1〜3に対して、性状確認、保存安定性確認(促進)、トルク測定を実施した。その結果を表4にまとめた。

0048

[性状確認]
製造直後の状態を目視にて確認し、下記の評価基準により判断した。透明であることで各成分が完全に混ざっていると判断できるため、「○」であることが好ましい。ここで、ゲル化とは反応させていないにもかかわらず、粘度が高くなった状態を言う。
評価基準
○:透明で分離・ゲル化が無い
×:ゲル化が有る
××:分離が有る

0049

[保存安定性確認(促進)]
製造直後の各組成物を80℃×30分に放置して、性状を目視で確認する。性状確認で性状が「×」の場合は、確認が出来ないため「未測定」と表記する。当該保存安定性確認は、25℃雰囲気下の保存安定性と相関があり、「○」であることが好ましい。
評価基準
○:ゲル化しない
×:ゲル化した

0050

[トルク測定]
M10、P1.5×20mmの金剛鋲螺製の六角ボルト(JIS B1180)、M10、P=1.5の紀州ファスナー製の六角ナットを使用した。ボルト雄ねじ部分先端約10mmに組成物を6点塗布し、ナットに挿入して、ボルトは最後まで締め込まなかった。そのままの状態で25℃で24時間放置し、組成物を硬化させた。ナットを接着したボルトは、ボルトの頭を万力で固定し、トルクレンチによりナットを回転させ、ナットが初めて動き出す時の強度を「トルク(N・m)」として測定する。硬化が完了している目安としては、5MPa以上であれば良い。また、性状確認で性状が「×」または「××」の場合は組成物そのものが調製できず、トルク測定が出来ないため「未測定」と表記する。

0051

0052

(B)成分を用いた実施例1〜9では組成物の調製直後に透明で分離・ゲル化が無い状態である。一方、(B)成分を使用せずにキレート剤をそのまま添加した比較例1と3においてはゲル化が発生し液状を保持することができず、比較例2においては組成物内で分離している。さらに、実施例1〜9は保存安定性がある。

実施例

0053

さらに、実施例1〜9ではトルクについて強度が発現している。本発明の(A)成分の代わりにエポキシ変性(メタ)アクリルオリゴマーやウレタン変性(メタ)アクリルオリゴマーを使用した場合ではトルクが15〜30N・mであることから、本発明の実施例1〜9のトルクは低めであることが分かる。本発明の嫌気硬化性組成物を用いてトルクのテストピースを作成する時には十分に硬化しているが、トルクが低めであることから硬化物が軟質であると言える。

0054

先行技術に開示されている嫌気硬化性組成物は、硬化後の硬化物は硬質であることを特徴とする。そのため、嫌気硬化性が付与されると共に硬化物が軟質な硬化物は知られていない。本発明は硬化物が軟質であり、外部からの応力を緩和する能力を向上させるため、嫌気硬化性組成物が用いられる従来の用途だけではなく、新たな用途で使用される可能性がある。

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