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技術 組成物、フッ素化試薬、及びフッ素化有機化合物の製造方法

出願人 ダイキン工業株式会社国立大学法人北海道大学
発明者 東昌弘岸川洋介原正治
出願日 2015年4月21日 (6年9ヶ月経過) 出願番号 2015-087097
公開日 2016年12月8日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2016-204200
状態 特許登録済
技術分野 ピリジン系化合物 ハロゲン、その化合物 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード ふける 爆発危険性 ベンゼン系芳香族化合物 ジフルオロ体 PF5 キノノイド 保護水 供試組成物
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月8日)のものです。
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課題

IF5−ピリジン−HFのみからなるフッ素化剤を用いた従来のフッ素化有機化合物の製造方法では、十分な収率で製造できなかったフッ素化有機化合物を、四塩化炭素を用いずに、高い収率で得られるフッ素化有機化合物の製造方法、及びこれを可能にするフッ素化試薬の提供。

解決手段

(1)IF5、及び(2)非プロトン性溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)を含有し、前記非プロトン性溶媒の含量が50質量ppm〜20質量%の範囲内である組成物、及び該組成物と接触させることにより有機化合物フッ素化する方法。

概要

背景

フッ素化合物は、機能性材料、医農薬化合物電子材料等の各種化製品、その中間体等として極めて重要な化合物である。
従来から、各種の有機化合物原料として、これをフッ素化させて目的とするフッ素化合物を得る際に、フッ素化剤として、フッ素フッ化水素、四フッ化硫黄等が用いられている。しかしながら、これらのフッ素化剤は、毒性、腐食性、反応時における爆発危険性等のために取扱が難しく、そのために特殊な装置や技術が必要である。
近年、フッ化物イオンによる求核置換反応を利用して、有機化合物にフッ素原子を導入する反応およびそのためのフッ素化剤が種々開発されている。
例えば、五フッ化ヨウ素(IF5)は、高い酸化力を持つ強力なフッ素化剤として知られているが、空気中では水分と反応して、HFを発生しながら分解する危険な液体状のフッ素化剤である。この様な性質を有するIF5については、近年、ピリジン−HFを混ぜると、空気中で安定な白色固体(IF5−ピリジン−HF)となり、種々のイオウ化合物等とのフッ素化に有効であることが報告されている(非特許文献1、非特許文献2参照)。

概要

IF5−ピリジン−HFのみからなるフッ素化剤を用いた従来のフッ素化有機化合物の製造方法では、十分な収率で製造できなかったフッ素化有機化合物を、四塩化炭素を用いずに、高い収率で得られるフッ素化有機化合物の製造方法、及びこれを可能にするフッ素化試薬の提供。(1)IF5、及び(2)非プロトン性溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)を含有し、前記非プロトン性溶媒の含量が50質量ppm〜20質量%の範囲内である組成物、及び該組成物と接触させることにより有機化合物をフッ素化する方法。なし

目的

従来から、各種の有機化合物を原料として、これをフッ素化させて目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(1)IF5、及び(2)(シクロアルカン塩素含有有機溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)、芳香族溶媒ニトリル含有有機溶媒、及びフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上の非プロトン性溶媒を含有し、前記非プロトン性溶媒の含量が50質量ppm〜20質量%の範囲内である組成物

請求項2

更に、酸、及び塩基を含有する請求項1に記載の組成物。

請求項3

更に、HF、及び有機塩基を含有する請求項1に記載の組成物。

請求項4

(1)IF5−ピリジン−HF、及び(2)(シクロ)アルカン、塩素含有有機溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)、芳香族溶媒、ニトリル含有有機溶媒及びフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上の非プロトン性溶媒を含有し、前記非プロトン性溶媒の含量が50質量ppm〜20質量%の範囲内である組成物である請求項1に記載の組成物。

請求項5

前記非プロトン性溶媒が、炭素数1〜10の(シクロ)アルカン、炭素数1若しくは2の塩素含有有機溶媒、及び炭素数1〜7のフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。

請求項6

前記非プロトン性溶媒が、炭素数1〜10の(シクロ)アルカンである請求項1〜4のいずれか1項に記載に記載の組成物。

請求項7

前記非プロトン性溶媒が、シクロヘキサンである請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。

請求項8

フッ素化試薬である請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。

請求項9

フッ素化有機化合物の製造方法であって、有機化合物を、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物と接触させることにより、当該有機化合物をフッ素化する工程Aを含む製造方法。

技術分野

0001

本発明は、組成物フッ素化試薬、及びフッ素化有機化合物の製造方法に関する。

背景技術

0002

フッ素化合物は、機能性材料、医農薬化合物電子材料等の各種化製品、その中間体等として極めて重要な化合物である。
従来から、各種の有機化合物原料として、これをフッ素化させて目的とするフッ素化合物を得る際に、フッ素化剤として、フッ素フッ化水素、四フッ化硫黄等が用いられている。しかしながら、これらのフッ素化剤は、毒性、腐食性、反応時における爆発危険性等のために取扱が難しく、そのために特殊な装置や技術が必要である。
近年、フッ化物イオンによる求核置換反応を利用して、有機化合物にフッ素原子を導入する反応およびそのためのフッ素化剤が種々開発されている。
例えば、五フッ化ヨウ素(IF5)は、高い酸化力を持つ強力なフッ素化剤として知られているが、空気中では水分と反応して、HFを発生しながら分解する危険な液体状のフッ素化剤である。この様な性質を有するIF5については、近年、ピリジン−HFを混ぜると、空気中で安定な白色固体(IF5−ピリジン−HF)となり、種々のイオウ化合物等とのフッ素化に有効であることが報告されている(非特許文献1、非特許文献2参照)。

先行技術

0003

S.Hara, M.Monoi, R.Umemura, C.Fuse, Tetrahedron, 2012, 68, 10145-10150.
Journal of Fluorine Chemistry, Volume 167, 2014, Pages 101-104

発明が解決しようとする課題

0004

IF5−ピリジン−HFは優れたフッ素化剤であるが、IF5−ピリジン−HFのみからなるフッ素化剤を用いたフッ素化有機化合物の製造方法では、十分な収率で製造できないフッ素化有機化合物が存在し、更なるフッ素化有機化合物の製造方法、及びフッ素化試薬の提供が求められている。
非特許文献1に記載の技術では、溶媒として四塩化炭素が用いられている。当該四塩化炭素は、産業上の規制から、完全に除去されなければならない。
しかし、本発明者らの検討によれば、四塩化炭素を完全に除去した場合、フッ素化有機化合物を十分な収率で製造できないことが明らかになった。
従って、本発明は、IF5−ピリジン−HFのみからなるフッ素化剤を用いた従来のフッ素化有機化合物の製造方法では、十分な収率で製造できなかったフッ素化有機化合物を、四塩化炭素を用いずに、高い収率で得られるフッ素化有機化合物の製造方法、及びこれを可能にするフッ素化試薬の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、鋭意検討の結果、
(1)IF5、及び
(2)(シクロアルカン塩素含有有機溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)、芳香族溶媒ニトリル含有有機溶媒、及びフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上の非プロトン性溶媒を含有し、
前記溶媒の含量が50質量ppm〜20質量%の範囲内である
組成物
によって、前記課題が解決できることを見出し、更なる研究の結果、本発明を完成するに至った。

0006

本発明は、次の態様を含む。

0007

項1.
(1)IF5、及び
(2)(シクロ)アルカン、塩素含有有機溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)、芳香族溶媒、ニトリル含有有機溶媒、及びフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上の非プロトン性溶媒を含有し、
前記非プロトン性溶媒の含量が50質量ppm〜20質量%の範囲内である
組成物。
項2.
更に、酸、及び塩基を含有する項1に記載の組成物。
項3.
更に、HF、及び有機塩基を含有する項1に記載の組成物。
項4.
(1)IF5−ピリジン−HF、及び
(2)(シクロ)アルカン、塩素含有有機溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)、芳香族溶媒、ニトリル含有有機溶媒、及びフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上の非プロトン性溶媒を含有し、
前記非プロトン性溶媒の含量が50質量ppm〜20質量%の範囲内である
組成物である項1に記載の組成物。
項5.
前記非プロトン性溶媒が、炭素数1〜10の(シクロ)アルカン、炭素数1若しくは2の塩素含有有機溶媒、及び炭素数1〜7のフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上である項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
項6.
前記非プロトン性溶媒が、炭素数1〜10の(シクロ)アルカンである項1〜4のいずれか1項に記載に記載の組成物。
項7.
前記非プロトン性溶媒が、シクロヘキサンである項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
項8.
フッ素化試薬である項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
項9.
フッ素化有機化合物の製造方法であって、
有機化合物を、項1〜8のいずれか1項に記載の組成物と接触させることにより、当該有機化合物をフッ素化する工程Aを含む製造方法。

0008

以下、本発明の組成物、フッ素化試薬、及びフッ素化有機化合物の製造方法を詳細に説明する。

0009

用語
明細書中記号及び略号は、特に記載のない限り、本明細書の文脈に沿い、本発明が属する技術分野において通常用いられる意味に解される。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。

0010

組成物
本発明の組成物は、
(1)IF5、及び
(2)(シクロ)アルカン、塩素含有有機溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)、芳香族溶媒、ニトリル含有有機溶媒及びフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上の非プロトン性溶媒を含有し、
前記非プロトン性溶媒の含量が50質量ppm〜20質量%の範囲内である
組成物
である。

0011

本明細書中、「塩素含有有機溶媒」は、1個以上の塩素原子構成原子として含有する有機溶媒を意味する。
本明細書中、「フッ素含有有機溶媒」は、1個以上のフッ素原子を構成原子として含有する有機溶媒を意味する。
これらから理解されるように、「塩素含有有機溶媒」、及び「フッ素含有有機溶媒」は、互いに重複し得る概念である。
本発明の組成物が含有する「非プロトン性溶媒」としての「(シクロ)アルカン」としては、例えば、
(1)ペンタンヘキサン、及びヘプタンなどのアルカン、及び
(2)シクロヘキサン、及びメチルシクロヘキサンなどのシクロアルカンが挙げられる。
本発明の組成物が含有する「非プロトン性溶媒」としての「塩素含有有機溶媒」としては、例えば、
(1)ジクロロメタンジクロロエタンクロロホルムフルオロトリクロロメタン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン、2−クロロ−1,2−ジブロモ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,1−ジフルオロテトラクロロエタン、1,2−ジフルオロテトラクロロエタン、ヘプタフルオロ−2,3,3−トリクロロブタン、1,1,1,3−テトラクロロテトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロトリフルオロエタン、及びポリクロロトリフルオロエチレンなどの塩素含有脂肪族溶媒;並びに
(2)クロロベンゼン、及びジクロロベンゼンなどの塩素含有芳香族溶媒が挙げられる。
本発明の組成物が含有する「非プロトン性溶媒」としての「フッ素含有有機溶媒」としては、例えば、
(1)フルオロトリクロロメタン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン、2−クロロ−1,2−ジブロモ−1,1,2−トリフルオロエタン、1,2−ジブロモヘキサフルオロプロパン、1,2−ジブロモテトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロテトラクロロエタン、1,2−ジフルオロテトラクロロエタン、ヘプタフルオロ−2,3,3−トリクロロブタン、1,1,1,3−テトラクロロテトラフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロペンタフルオロプロパン、1,1,1−トリクロロトリフルオロエタン、及び(2)ポリクロロトリフルオロエチレンなどのフッ素含有脂肪族溶媒;並びに
フルオロベンゼンなどのフッ素含有芳香族溶媒が挙げられる。
本発明の組成物が含有する「非プロトン性溶媒」としての「芳香族溶媒」としては、例えば、ベンゼントルエン、及びクロロベンゼン等が挙げられる。
本発明の組成物が含有する「非プロトン性溶媒」としての「ニトリル含有有機溶媒」としては、例えば、アセトニトリルプロピオニトリル、及びベンゾニトリル等が挙げられる。
当該非プロトン性溶媒は、1種単独であってもよく、又は2種以上の混合物若しくは組合せであってもよい。
当該非プロトン性溶媒からは、四塩化炭素は除かれる。本発明の組成物は、好ましくは、四塩化炭素を実質的に、又は完全に含有しない。

0012

前記非プロトン性溶媒は、好ましくは、非極性溶媒である。
前記非プロトン性溶媒は、好ましくは、(シクロ)アルカン、塩素含有有機溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)、及びフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上である。
当該非プロトン性溶媒は、好ましくは、炭素数1〜10の(シクロ)アルカン、炭素数1若しくは2の塩素含有有機溶媒(より好ましくは、クロロホルム)、及び炭素数1〜7のフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上である。

0013

当該非プロトン性溶媒は、好ましくは、炭素数1〜10の(シクロ)アルカンである。

0014

前記非プロトン性溶媒は、具体的に特に好ましくは、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタン、及びクロロホルムからなる群より選択される1種以上である。

0015

前記非プロトン性溶媒は、最も好ましくは、シクロヘキサンである。

0016

本発明の組成物における当該非プロトン性溶媒の含量の下限は、好ましくは、50質量ppm、より好ましくは、60質量ppm、更に好ましくは、70質量ppm、より更に好ましくは、80質量ppmである。
当該非プロトン性溶媒の含量がこのような値であることにより、本発明の組成物は、フッ素化剤として好適に機能し、すなわち、本発明の組成物を用いて、原料である有機化合物から、高い収率でフッ素化された有機化合物を得ることができる。
本発明の組成物における当該非プロトン性溶媒の含量の上限は、特に限定されないが、例えば、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、1質量%、又は1000質量ppmであることができる。
当該非プロトン性溶媒の含量の上限がこのような値であることにより、溶媒、及び反応系の取り扱いが容易になる。
本発明の組成物における当該非プロトン性溶媒の含量は、好ましくは、50質量ppm〜25質量%の範囲内であり、より好ましくは、50質量ppm〜1質量%の範囲内であり、更に好ましくは、60質量ppm〜1000質量ppmの範囲内であり、より更に好ましくは、70質量ppm〜1000質量ppmの範囲内であり、特に好ましくは、80質量ppm〜1000質量ppmの範囲内である。

0017

本発明の組成物における当該非プロトン性溶媒の含量は、当該非プロトン性溶媒の含量が正確に測定可能慣用の方法を用いて測定すればよいが、具体的には、以下の溶媒含量の方法により、測定できる。
<溶媒含量の測定方法
i)本発明の組成物の約50〜150 mgを正確に量する。
ii)0.1N KOH水溶液を4 ml添加する。
iii)トルエンを2 ml添加する。
iv)5分間撹拌後、10分間静置する。
v)トルエン層中の溶媒をGC測定する。
vi)検量線の値から溶媒量を算出する。n=3の平均値を溶媒量とする。ここで、「溶媒量」は、本発明の組成物における「溶媒の含量」、すなわち、(溶媒の質量)/(本発明の組成物の質量)である。

0018

本発明の組成物は、好ましくは、更に、酸、塩基、塩、及び添加物からなる群より選ばれる1〜4種、好ましくは1〜3種、更に好ましくは酸、塩基、及び塩の組み合わせを除く1〜3種を含有してもよい。

0019

前記「酸」としては、例えば、
硫酸硝酸リン酸ポリリン酸、フッ化水素、フッ酸、塩酸臭化水素ヨウ化水素次亜塩素酸亜塩素酸塩素酸過塩素酸、過臭素酸、過ヨウ素酸等のハロゲン化水素、又はハロゲン化水素酸次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸、又は過ハロゲン酸;
フルオロスルホン酸クロロスルホン酸メタンスルホン酸エタンスルホン酸トリフルオロメタンスルホン酸ジフルオロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ベンゼンスルホン酸トルエンスルホン酸ニトロベンゼンスルホン酸等のスルホン酸、或いはポリスチレンスルホン酸フッ素化スルホン酸樹脂(Nafion−H)等のポリマー担持スルホン酸;
ギ酸酢酸プロピオン酸クロル酢酸ブロム酢酸、ジクロル酢酸トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸グリコール酸乳酸安息香酸シュウ酸コハク酸等の、モノ、若しくはポリカルボン酸
SO3,BF3,BCl3,B(OCH3)3,AlCl3,AlBr3,SbF3,SbCl3,SbF5,PF3PF5,AsF3,AsCl3,AsF5,TiCl4,NbF5,TaF5等のルイス酸、又はそのエーテル錯体; HBF4,HPF6,HAsF6,HSbF6,HSbCl6等のルイス酸とハロゲン化水素とからなる酸、又はこれらのエーテル等との錯体
、又はこれらの2種以上の混合物
が挙げられる。

0020

前記「酸」は、様々な担体に担持されていてもよい。
当該「担体」としては、SiO2、メチル化SiO2、Al2O3、Al2O3−WB、MoO3、ThO2、ZrO2、TiO2、Cr2O3、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−ZrO2、TiO2−ZrO2、Al2O3−B2O3、SiO2−WO3、SiO2−NH4F、HSO3Cl−Al2O3、HF−NH4−Y、HF−Al2O3、NH4F−SiO2−Al2O3、AlF3−Al2O3、Ru−F−Al2O3、F−Al2O3、KF−Al2O3、AlPO4、AlF3、ボーキサイトカオリン活性炭グラファイト、Pt−グラファイト、イオン交換樹脂金属硫酸塩塩化物、金属(例、Al)、合金(例、Al−Mg、Ni−Mo)、及びポリマー(例、ポリスチレン)等が挙げられる。

0021

本発明の組成物が酸を含有する場合、その量は、IF5 1molに対して好ましくは0.5〜20molの範囲内、より好ましくは、0.8〜10molの範囲内、更に好ましくは、0.9〜5molの範囲内である。

0022

前記「塩基」としては、例えば、
水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化リチウム水酸化ルビジウム水酸化セシウム水酸化マグネシウム水酸化カルシウム、及び水酸化バリウム等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属水酸化物
ナトリウムメトキシドナトリウムエトキシドナトリウムブトキシドカリウムメトキシドカリウムエトキシド、カリウムブトキシド、リチウムメトキシド、及びリチウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド
水素化ナトリウム水素化カリウム水素化リチウム、及び水素化カルシウム等のアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属水素化物
ナトリウム、カリウム、及びリチウム等のアルカリ金属;
マグネシウムオキシド、及びカルシウムオキシド等のアルカリ土類金属酸化物
アンモニア水酸化アンモニウム水酸化テトラメチルアンモニウム水酸化テトラエチルアンモニウム水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化オクチトリエチルアンモニウム、及び水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム等の水酸化アンモニウム塩、又はアンバーライト樹脂等のポリマー担持水酸化アンモニウム塩等;
脂肪族アミン第一級アミン第二級アミン第三級アミン)、脂環式アミン(第二級アミン、第三級アミン)、芳香族アミン(第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン)、及び複素環式アミン等の有機塩基等;及び
ポリアリルアミンポリビニルピリジン等のポリマー担持アミン化合物
等が挙げられる;
が挙げられる。
本明細書中、「脂肪族第一級アミン」としては、メチルアミンエチルアミンプロピルアミンブチルアミンペンチルアミンヘキシルアミンシクロヘキシルアミンエチレンジアミン等が挙げられる。
本明細書中、「脂肪族第二級アミン」としては、ジメチルアミンジエチルアミンジプロピルアミンジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミンジシクロヘキシルアミン等が挙げられる。
本明細書中、「脂肪族第三級アミン」としては、トリメチルアミントリエチルアミンジイソプロピルエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
本明細書中、「脂環式第二級アミン」としては、ピペリジンピペラジンピロリジンモルホリン等が挙げられる。
本明細書中、「脂環式第三級アミン」としては、N−メチルピペラジン、N−メチルピロリジン、5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナン−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
本明細書中、「芳香族アミン」としては、アニリンメチルアニリンジメチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ハロアニリンニトロアニリン等が挙げられる。
本明細書中、「複素環式アミン」としては、ピリジン、ピリミジン、ピペラジン、キノリンイミダゾール等が挙げられる。

0023

本発明の組成物が塩基を含有する場合、その量は、IF5 1molに対して、好ましくは0.5〜20molの範囲内、より好ましくは、0.8〜10molの範囲内、更に好ましくは、0.9〜5molの範囲内である。

0024

前記「添加物」としては、例えば、ハロゲンハロゲン間化合物、及びポリハロゲン化物等が挙げられる。
前記「ハロゲン」としては、例えば、ヨウ素、臭素、及び塩素等が挙げられ、なかでもヨウ素、臭素が好ましく、更にヨウ素が好ましい。
前記「ハロゲン間化合物」としては、ClF、BrF、ICl、IBr、I2Cl6、及びICl3等が挙げられる。
前記「ポリハロゲン化物」としては、例えば、LiCl4I、NaCl4I、KCl4I、CsCl4I、RbCl4I、Me4NCl4I、Et4NCl4I、Pr4NCl4I、BU4NCl4I、PhNMe3Cl4I、PhCH2NMe3Cl4I、Me3SCl4I、Cl8IP、KCl3I2、Me4NCl3I2、2,2‘−ビピリジニウムμ−クロロジクロロアイダート(2,2’−bipyridinium μ−chlorodichlorodiiodate)、2,2’−ビキノリニウムμ−クロロジクロロジアイオダート(2,2’−biquinolinium μ−chlorodichlorodiiodate)、KCl2I、Me4NCl2I、Me4NClI2、Et4NCl3、Ph4AsCl3、KClF2、Me4NClF4、CsClF4、CsCl3FI、KBrClI、NH4BrClI、Me4NBrClI、Me4NBrCl2、Bu4NBrCl2、Me4NBrCl2I2、CsBrFI、NaBrF2、KBrF2、CsBrF4、Me4NBrF4、CsBrF6、Me4NBrF6、Et4NBr6Cl、CsBr3、Me4NBr3、Et4Br3、Bu4NBr3、PhCH2NMe3Br3、ピリジニウムトリブロミド(pyridinium tribromide)、Br7P、CsBrI2、Me4NBrI2、Me4NBrI4、Me4NBrI6、KBr2Cl、Me4NBr2Cl、Bu4NBr2Cl、KBr2I、Me4NBr2I、Bu4NBr2I、2,2’−ビピリジニウムμ−ブロモジブロモジアイオダート(2,2’−bipyridinium μ−bromodibromodiiodate)、NaF2I、KF2I、CsF4I、CsF6I、CsF8I、KI3、CsI3、Me4NI3、Et4NI3、Pr4NI3、Bu4NI3、ピリジニウムトリアイオジド(pyridinium triiodide)、Me4NI5、Et4NI7、Me4NI9、Me4PBr3、Me4PI3、Me4PIBr2、Me4PICl2、Et4PI3、Bu4PI3、Ph4PI3、Ph4PBr3、及びPh4PIBr2等が挙げられる。
当該「添加物」は、1種単独であってもよく、2種以上の混合物若しくは組合せであってもよい。

0025

本発明の組成物は、好ましくは、酸、及び塩基を含有する。

0026

本発明の組成物が、酸及び塩基を含有する場合、当該酸及び当該塩基は、本発明の組成物中で、塩を形成していてもよい。

0027

当該「塩」としては、例えば、
硫酸ナトリウム硫酸水素ナトリウム硫酸カリウム硫酸水素カリウム硫酸リチウム硫酸セシウム硫酸カルシウム硫酸マグネシウム硫酸アンモニウム、硫酸トリエチルアンモニウム、硫酸ピリジニウム、硫酸トリメチルピリジニウム、硫酸ポリアリルアンモニウム、硫酸ポリビニルピリジニウム、メタンスルホン酸ナトリウム、メタンスルホン酸アンモニウム、メタンスルホン酸テトラメチルアンモニウム、エタンスルホン酸カリウム、ブタンスルホン酸リチウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウムトルエンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、及びポリスチレンスルホン酸ナトリウム等の硫酸若しくはスルホン酸の金属塩若しくはアンモニウム塩
ギ酸ナトリウムギ酸アンモニウム酢酸ナトリウム酢酸カリウム酢酸リチウム酢酸マグネシウム酢酸カルシウム酢酸アンモニウム酢酸メチルアンモニウム、酢酸ジエチルアンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム酢酸ピリジニウムプロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、酪酸ナトリウム、酢酸ポリアリルアンモニウム、酢酸ポリビニルピリジニウム、イソ酪酸ナトリウム、バレリアン酸ナトリウム、ノナン酸ナトリウム、クロル酢酸ナトリウム、ブロム酢酸ナトリウム、トリクロル酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム乳酸ナトリウム安息香酸ナトリウムシュウ酸ナトリウムコハク酸ナトリウムポリアクリル酸ナトリウム等のカルボン酸の金属塩若しくはアンモニウム塩;
LiBr、LiI、NaBr、NaI、KBr、KI、RbBr、RbI、CsBr、CsI、BeBr2、BeI2、MgBr2、MgI2、CaBr2、CaI2、SrBr2、SrI2、BaBr2、BaI2、ZnBr2、ZnI2、CuBr2、CuI2、CuBr、CuI、AgBr、AgI、AuBr、AuI、NiBr2、NiI2、PdBr2、PdI2、PtBr2、PtI2、CoBr2、Col2、FeBr2、FeBr3、FeI2、FeI3、MnBr2、MnI2、CrBr2、CrI2、PbBr2、PbI2、SnBr2、SnI2、SnBr4、SnI4等の金属塩;
NH4Br、NH4I、MeNH3Br、MeNH3I、Me4NBr、Me4NI、Et4NBr、Et4NI、Bu4NBr、Bu4NI、PhMe3NBr、PhMe3NI、PhCH2NMe3I、臭化ピリジニウム、ヨウ化ピリジニウムヨウ化クロルピリジニウム、ヨウ化メチルピリジニウム、ヨウ化シアノピリジニウム、ヨウ化ビピリジニウム、ヨウ化キノリウム、ヨウ化イソキノリウム、臭化N−メチルピリジニウム、ヨウ化N−メチルピリジニウム、ヨウ化N−メチルキノリウム等のピリジニウム塩若しくはアンモニウム塩;
Me4PBr、Me4PI、Et4PI、Pr4I、Bu4PBr、Bu4PI、Ph4PBr、Ph4PI等のホスホニウム塩
フッ化ナトリウムフッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化アンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化ポリアリルアンモニウム、塩化ナトリウム塩化アンモニウム次亜塩素酸ナトリウム亜塩素酸ナトリウム塩素酸ナトリウム過塩素酸ナトリウム、過臭素酸ナトリウム、過ヨウ素酸ナトリウム等のハロゲン化水素、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸、ハロゲン酸若しくは過ハロゲン酸の金属塩若しくはアミン塩
炭酸ナトリウム炭酸カリウム炭酸リチウム炭酸水素ナトリウム炭酸水素カリウム炭酸水素リチウム炭酸カルシウム炭酸マグネシウム等の炭酸塩
リン酸ナトリウムリン酸カリウムリン酸水素ナトリウム、リン酸2水素ナトリウムリン酸アンモニウム、リン酸ピリジニウム等のリン酸の金属塩若しくはアミン塩;
硝酸ナトリウム硝酸カリウム硝酸アンモニウム、硝酸ピリジニウム等の硝酸の金属塩、又はアミン塩;
NaBF4、KBF4、LiBF4、NaSbF6、NaAsF6、NaPF6、NH4BF4、NH4SbF6、NH4PF6、等のルイス酸とハロゲン化水素とからなる金属塩若しくはアミン塩;
テトラメチルホスホニウムフルオライド、テトラメチルホスホニウムアセテートテトラフェニルホスホニウムフルオライド等のホスホニウム塩;
(C2H5)4NF、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムフルオライド、(C2H5)3N−(HF)n、(C2H5)4NF−(HF)n、(n−C4H9)3N−(HF)n、(n−C4H9)4NF−(HF)n、BF3・Et2O−(HF)n等(n=1〜20)のフッ素アニオン若しくはHFを有する常温溶融塩が挙げられる。
当該「塩」は、1種単独であってもよく、2種以上の混合物若しくは組合せであってもよい。

0028

本発明の組成物は、特に好ましくは、酸としてHF、及び塩基としてピリジンを含有する。
本発明の組成物において、IF5は、酸、塩基と複合体を形成していてもよい
本発明の組成物において、IF5、HF、及びピリジンは、その一部又は全部(好ましくは実質的に全部、より好ましくは全部)が、IF5−ピリジン−HFを形成していてもよい。
IF5−ピリジン−HFは、前記非特許文献1に記載された公知の物質である。
IF5−ピリジン−HFは、(1)IF5、(2)IF5の1モルに対して1モルのピリジン、及び(3)IF5の1モルに対して1モルのHFから構成される複合体である。
一般的には、IF5−ピリジン−HFは、前記非特許文献1に記載の方法に従って製造できる。
具体的には、IF5を、ピリジン−HF(ピリジン 50モル%、HF 50モル%)と混合することによって得られる。ピリジン−HF(ピリジン 50モル%、HF 50モル%)は、ピリジンを等モル無水HFに加えることによって得られる。

0029

本発明の組成物の好適な一態様は、
(1)IF5−ピリジン−HF、及び
(2)(シクロ)アルカン、塩素含有有機溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)、芳香族溶媒、ニトリル含有有機溶媒、及びフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上の非プロトン性溶媒を含有し、
前記非プロトン性溶媒の含量が50質量ppm〜20質量%の範囲内である
組成物
である。
当該態様の組成物の「(1)IF5−ピリジン−HF」の含量は、好ましくは、例えば、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、96質量%以上、97質量%以上、98質量%以上、又は99質量%以上である。

0030

本発明の効果が著しく損なわれない程度において、本発明の組成物は、IF5−ピリジン−HFを構成していない、IF5、ピリジン、HF、又はそれらの組み合わせを含有していてもよい。これらの含有量は、総量で、好ましくは、45質量%以下である。
また、本発明の効果が著しく損なわれない程度において、本発明の組成物は、水を含有していてもよい。その含有量は、好ましくは、1質量%以下である。

0031

当該好適な一態様の組成物において、当該非プロトン性溶媒は、当該IF5−ピリジン−HFとともに錯体を形成していてもよい。

0032

本発明の当該好適な一態様の組成物における当該非プロトン性溶媒の含量の下限は、好ましくは、50質量ppm、より好ましくは、80質量ppmである。
当該非プロトン性溶媒の含量がこのような値であることにより、本発明の当該好適な一態様の組成物は、フッ素化剤として好適に機能し、すなわち、本発明の当該好適な一態様の組成物を用いて、原料である有機化合物から、高い収率でフッ素化された有機化合物を得ることができる。
本発明の当該好適な一態様の組成物における当該非プロトン性溶媒の含量の上限は、特に限定されないが、例えば、20質量%、1質量%、又は1000質量ppmである。
本発明の当該好適な一態様の組成物における当該非プロトン性溶媒の含量は、好ましくは、50質量ppm〜20質量%の範囲内であり、より好ましくは、50質量ppm〜1質量%の範囲内であり、更に好ましくは、70質量ppm〜1000質量ppmの範囲内である。

0033

組成物の製造方法
本発明の組成物は、例えば、次の方法に従って、又はこれに準じて製造できる。
以下、(シクロ)アルカン、塩素含有有機溶媒(但し、四塩化炭素を除く。)、芳香族溶媒、ニトリル含有有機溶媒、及びフッ素含有有機溶媒からなる群より選択される1種以上の非プロトン性溶媒を単に「非プロトン性溶媒」と記載する場合がある。
以下に、
(1)IF5−ピリジン−HF、及び
(2)非プロトン性溶媒を含有し、
前記非プロトン性溶媒の含量が50質量ppm〜20質量%の範囲内である
組成物の製造方法を説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
IF5を容器に入れ、その後、非プロトン性溶媒(例、シクロヘキサン)を添加し、更にその後、ピリジン−HFの混合物を添加する。
得られた混合物を、非プロトン性溶媒の含量が所望の範囲内になるように、減圧乾燥する。
ここで、非プロトン性溶媒の含量が所定量を下回らないようにすることが望ましい。非プロトン性溶媒の含量が所定量を下回った場合、非プロトン性溶媒の含量が所望の範囲内になるように、非プロトン性溶媒を添加しても、得られた組成物は、フッ素化試薬として十分に高い性能で機能することができない。

0034

本発明の組成物は、フッ素化試薬として好適に使用できる。
本発明の組成物は、フッ素化試薬として、後記するフッ素化有機化合物の製造方法のように使用できる。

0035

フッ素化有機化合物の製造方法

0036

本発明のフッ素化有機化合物の製造方法は、
有機化合物を、本発明の組成物と接触させることにより、当該有機化合物をフッ素化する工程Aを含む。

0037

本発明において、反応基質である有機化合物としては、例えば、
(1)OH基を有する化合物、
(2)ケトン類ジケトン、β−ケトカルボン酸、β−ケトエステルを含む)、アルデヒド類シッフ塩基、及びヒドラゾン等のイミン類、又はエステル類
(3)スルフィド類
(4)エポキシ類
(5)芳香族化合物(例、フェニルヒドラジン誘導体フェノール誘導体2−ナフトール誘導体アニリン誘導体)、
(6)チオカルボニル化合物
(7)不飽和炭素化合物(例、オレフィン化合物
が挙げられる。
なお、本発明における、有機化合物のフッ素化は、水素原子がフッ素原子に置換されることに加えて、後記の各丸括弧内に示すように、以下の原子、又は基などがフッ素原子に置換されること(置き換えられること)を意味する:水素原子(CH→CF)、カルボニル基(CO→CF2)、ヒドラジノ基(C−NHNH2→C−F;C=N−NH2→CF2)、水酸基(C−OH→C−F)、及びエポキシ基(C−O−→C−F)。
以下に、本発明の製造方法におけるフッ素化を例示する。これにより、本発明の製造方法によって得られるフッ素化有機化合物もまた例示される。

0038

(1)OH基を有する化合物のフッ素化
当該フッ素化では、例えば、以下の反応が行われる。



〔式中、R1は1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基アシル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基を示す。R1aは1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、アシル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、又は1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基を示す。〕

0039

なお、本明細書において、置換基を有してもよいとは、置換基を有する場合(すなわち、置換)と置換基を有していない場合(すなわち、無置換)を意味する。例えば、置換基を有してもよいアルキル基とは、アルキル基(すなわち、無置換のアルキル基)と置換基を有するアルキル基(すなわち、置換アルキル基)とを意味する。

0040

OH基を有する化合物としては、具体的には、
メタノールエタノールn−プロパノールイソプロパノールn−ブタノールイソブタノール、tert−ブタノールペンタノールヘキサノールオクタノールデカノールパルミチルアルコールステアリルアルコールオレイルアルコールなどの脂肪族アルコールベンジルアルコール、少なくとも一つの非保護水酸基を有するモノ−、ジ−若しくはトリサッカライドシクロヘキシルアルコールアスコルビン酸などの脂環式アルコールコレステロールコール酸コルチゾンなどのステロイド系アルコールなどのアルコール類;並びに
酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、アクリル酸メタクリル酸クロトン酸酪酸吉草酸イソ吉草酸ピバル酸ラウリン酸ミリスチン酸パルミチン酸ステアリン酸オレイン酸リノール酸リノレン酸ケイヒ酸などの脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、マロン酸グルタル酸アジピン酸マレイン酸フマール酸クエン酸等のポリカルボン酸;安息香酸、サリチル酸、(o−,m−,p−)フタル酸ナリジクス酸ニコチン酸などの芳香族カルボン酸パントテン酸ビオチンなどのカルボン酸基を有するビタミン類グリシンアラニンフェニルアラニンシステインアスパラギン酸グルタミン酸トレオニンヒスチジンリシンメチオニンプロリン等の20種の天然アミノ酸;乳酸、クエン酸、リンゴ酸酒石酸などのヒドロキシカルボン酸などのカルボン酸類が挙げられる。

0041

(2)ケトン類(ジケトン、β−ケトカルボン酸、β−ケトエステルを含む)、アルデヒド類、シッフ塩基、及びヒドラゾン等のイミン類、又はエステル類のフッ素化
当該フッ素化では、例えば、以下の反応が行われる。



〔式中、XはO又はNR’(R’は、水素原子、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよい複素環基、1個以上の置換基を有してもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有してもよいアリールオキシ基アミノ基、1個以上の置換基を有してもよいモノアルキルアミノ基、1個以上の置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、アシル基、アシルアミノ基を示す。)を示す。R2、R2aおよびR2cは、同一又は異なって水素原子、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよい複素環基、1個以上の置換基を有してもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有してもよいアリールオキシ基、1個以上の置換基を有してもよいモノアルキルアミノ基、1個以上の置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、アシル基、又はアシルアミノ基を示す。R2とR2aは互いに結合して環状構造を形成してもよい。

0042

R2bは、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、又は1個以上の置換基を有してもよいアリール基を示す。〕
環状構造としては、1個以上の置換基を有してもよい脂肪族4〜7員環などが挙げられる。

0045

シッフ塩基、及びヒドラゾン等のイミン類としては、ケトン又はアルデヒドと適当な第一級アミンやヒドラジンとの縮合物が挙げられる。

0046

エステル類としては、イソ酪酸メチル、及びイソ酪酸エチルなどが挙げられる。
(3)スルフィド類(ジチオアセタールジチオケタールを含む)のフッ素化
当該フッ素化では、例えば、S原子の隣のメチレンの水素原子の1個又は2個をフッ素原子に置換する又はS原子をフッ素で置換する反応が行われる。



〔式中、R3a、R3a’、及びR3a’’は、同一又は異なって、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基、又は1個以上の置換基を有してもよい複素環基を示すか、或いはR3aとR3a’が一緒になって、1個以上の置換基を有してもよい脂肪族4〜7員環を示す。R3、及びR3bは、同一又は異なって、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよい複素環基、1個以上の置換基を有してもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有してもよいアリールオキシ基、アミノ基、1個以上の置換基を有してもよいモノアルキルアミノ基、1個以上の置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、アシル基、アシルアミノ基、シアノ基、1個以上の置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよい複素環基の結合したスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有してもよいアリールスルホニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキルスルホニル基、又は1個以上の置換基を有してもよい複素環基の結合したスルホニル基を示すか、或いはR3及びR3bは、これらが結合する炭素原子と共に、ヘテロ原子を介し、又は介することなく互いに結合して4〜8員環を形成してもよい(該環は、ハロゲン原子オキソ基、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、シアノ基、及びアミノ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。)。R3c、及びR3dは、同一又は異なって、水素原子、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよい複素環基、1個以上の置換基を有してもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有してもよいアリールオキシ基、1個以上の置換基を有してもよいモノアルキルアミノ基、1個以上の置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、アシル基、又はアシルアミノ基を示すか、或いはR3cとR3dは、これらが隣接する炭素原子と共に、互いに結合して、飽和又は不飽和の1個以上の置換基を有する脂肪族4〜7員環を形成していてもよい(該環は、ハロゲン原子、オキソ基、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、シアノ基、及びアミノ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。)。〕
スルフィド化合物としては、メチルエチルスルフィドメチルベンジルスルフィド、2−フェニルチオ酢酸エステル、2−フェニルチオアセトフェノン、2−(メチルチオ)アセトフェノン、ビス(メチルチオ)メチルベンゼン、2−オクチル−1,3−ジチアン、2−フェニル−2−トリフルオロメチル−1,3−ジチオラン、トリス(エチルチオ)ヘキサン、4−トリス(メチルチオ)トルエンなどが挙げられる。

0047

(4)オレフィン化合物又はエポキシ化合物のフッ素化
当該フッ素化では、例えば、以下の反応により、フッ素の付加反応が行われる。



〔式中、R4、R4a、R4b及びR4cは、同一又は異なって、水素原子、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよい複素環基を示す。〕
オレフィンとしては、テトラフルオロエチレンアクリル酸メチル及びメタクリル酸メチルなどが挙げられる。
エポキシ化合物としては、オキシラン、1,2−エポキシエチルベンゼン、1−クロロ−2,3−エポキシプロパン、α,α’−エポキシビベンジルなどが挙げられる。

0048

(5)芳香族化合物のフッ素化
当該フッ素化では、例えば、以下の反応により、芳香環フッ素置換基が導入される。フェノール誘導体又はアニリン誘導体の芳香環へのフッ素化は、フッ素化後、亜鉛末等の還元剤還元することにより行うことができ、目的とするフッ素化物を得ることができる。

0049

(5−1)フェニルヒドラジン誘導体のフッ素化
1個以上の置換基を有してもよいフェニルヒドラジン残基をフッ素原子に置換することができる。



〔式中、R5a、R5b、R5c、R5d、及びR5eは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルカノイル基アリールカルボニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基アリールカルボニルアミノ基、アルキルチオ基を示す。〕
(5−2)フェノール誘導体のフッ素化
フェノール誘導体はIF5により、下記に示すジフルオロ化したキノノイド構造となり、次いで還元することにより、オルト位又はパラ位にフッ素が導入されたフェノール誘導体が生成する。

0050

〔式中、R5a、R5b、R5c、及びR5dは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルカノイル基、アリールカルボニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、又はアルキルチオ基を示す。〕
オルト及びパラ位の全てが置換された出発原料では、オルト又はパラ位にフッ素原子が導入され、フルオロ化したキノノイド構造の化合物が生成する。

0051

上記の例では、フェノール誘導体として1個以上の置換基を有してもよいフェノールを用いたが、水酸基又はアルコキシ基などの電子供与性基を有し、及び更に置換されていてもよいベンゼン系芳香族化合物又は縮合多環炭化水素にも同様にフッ素原子を導入することができる。

0052

(5−3)2−ナフトール誘導体のフッ素化
ナフトールの1位をモノ−又はジ−フッ素化することができる。



〔式中、R5a、R5b、R5c、R5d、R5e、R5f、及びR5gは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルカノイル基、アリールカルボニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、又はアルキルチオ基を示す。〕

0053

(5−4)アニリン誘導体のフッ素化
アニリン誘導体もまたフェノール誘導体と同様に、IF5により、下記に示すジフルオロ化したキノノイド構造となり、次いで還元することにより、オルト位又はパラ位にフッ素が導入されたアニリン誘導体が生成する。



〔式中、R5a、R5b、R5c、及びR5dは、同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、アルカノイル基、アリールカルボニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルキルチオ基を示す。〕
アニリン誘導体として1個以上の置換基を有してもよいアニリン、及び1個以上の置換基を有してもよいナフチルアミンでも同様に芳香環にフッ素原子を導入することができる。

0054

(6)チオカルボニル化合物(チオケトンチオエステルチオ炭酸エステルチオアミドジチオカルボン酸エステルジチオカルバメートを含む)のフッ素化
以下の反応を行う:



〔式中、R6およびR6aは、同一又は異なって、水素原子、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよい複素環基、1個以上の置換基を有してもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有してもよいアリールオキシ基、1個以上の置換基を有してもよいモノアルキルアミノ基、1個以上の置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、アシル基、アシルアミノ基を示す。R6とR6aは互いに結合して環状構造を形成してもよい。R6bは、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよい複素環基を示す。〕
チオカルボニル化合物としては、ジチオ炭酸O−(4−イソプロピルフェニル)S−メチル、ジチオ炭酸O−(4−ブロモフェニル)S−メチル、4−(((メチルチオ)カルボノチオイルオキシ安息香酸エチル、ジチオ炭酸O−デシルS−メチル、ジチオ炭酸O−(3−フェニルプロピル)S−メチル、シクロヘキサンカルボチオ酸O−メチル、1−ピペリジンカルボチオ酸O−プロピル、ジチオ安息香酸メチルチオベンゾフェノンチオ安息香酸O−フェニル、N,N−ジメチルフェニルチオアミド、3−キノリンジチオカルボン酸エチル、トリフルオロメタンカルボチオイルナフタレン、N−メチル−N−フェニルトリフルオロメタンチオアミド、N−ベンジル−N−フェニルヘプタフルオロプロパンチオアミド、ジチオ炭酸O−(4’−ペンチル−[1,1’−ビ(シクロヘキサン)]−4−イル)S−メチル、



などが挙げられる。

0055

(7)−COOR基を有するエチルスルフィド類のエチル部分のポリフッ素化
当該フッ素化では、S原子の隣のエチル部分がポリフッ素化される。
R7−S−CH(COOR7a)−CH3
→R7−S−CHF−CF2−COOR7a
〔式中、R7は、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、又は1個以上の置換基を有してもよい芳香族複素環基を示す。R7aは、水素原子、1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよい複素環基、1個以上の置換基を有してもよいアルコキシ基、1個以上の置換基を有してもよいアリールオキシ基、アミノ基、1個以上の置換基を有してもよいモノアルキルアミノ基、1個以上の置換基を有してもよいジアルキルアミノ基、アシル基、アシルアミノ基、シアノ基、1個以上の置換基を有してもよいアルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよいアリールスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよい複素環基の結合したスルフィニル基、1個以上の置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有してもよいアリールスルホニル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキルスルホニル基、又は1個以上の置換基を有してもよい複素環基の結合したスルホニル基を示す。〕
−COOR基を有するエチルスルフィド類としては、2−((4−クロロフェニル)チオ)プロパン酸エチルなどが挙げられる。

0056

(8)不飽和炭素化合物のフッ素化
当該フッ素化では、炭素炭素二重結合、又は炭素−炭素三重結合に、フッ素及びヨウ素が付加する。
(a) R8aR8a’C=CR8bR8b’ → FR8aC−CR8bI
(b) R8aC≡CR8b → FR8aC=CR8bI
〔式中、R8a、R8a’、R8b、及びR8b’は、同一又は異なって、水素原子、又は1個以上の置換基を有してもよいアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアリール基、1個以上の置換基を有してもよいアラルキル基、1個以上の置換基を有してもよいアルケニル基、アシル基、1個以上の置換基を有してもよいシクロアルキル基、1個以上の置換基を有してもよいヘテロシクロアルキル基、エステル基又はハロゲン原子を示す。R8a、R8a’、R8b、及びR8b’のうちの2個以上は、互いに結合して環状構造を形成してもよい。〕
環状構造としては、1個以上の置換基を有してもよい脂肪族4〜12員環などが挙げられる。
不飽和炭素化合物としては、デセンシクロドデセン、ドデシンなどのC2〜C20不飽和炭素化合物などが挙げられる。

0057

アルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルn−ブチルイソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルドデシルトリデシルテトラデシルペンタデシル、ヘキサデシルヘプタデジル、オクタデシルなどの直鎖又は分枝を有するC1〜C18アルキル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの直鎖又は分枝を有するC1〜C6アルキル基が挙げられる。

0058

アルコキシ基としては、メトキシエトキシ、n−プロポキシイソプロポキシ、n−ブトキシイソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシヘキシルオキシなどの直鎖又は分枝を有するC1〜C6アルコキシ基が挙げられる。

0059

アルケニル基としては、ビニル基アリル基、3−ブテニル基等のC2〜C6アルケニル基などが挙げられる。

0060

ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子ヨウ素原子が挙げられる。

0061

アリール基としては、フェニル基ナフチル基などが挙げられる。

0062

アリールオキシ基としては、フェノキシ基ナフチルオキシ基などが挙げられる。

0063

アラルキル基としては、2−フェニルエチル、ベンジル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル等のC7〜C10アラルキル基などが挙げられる。

0064

シクロアルキル基としては、シクロプロピルシクロブチルシクロペンチルシクロヘキシルシクロヘプチル、シクロオクチルなどのC3〜C8シクロアルキル基が挙げられ、C3〜C7シクロアルキル基が好ましい。

0065

ヘテロシクロアルキル基としては、前記のシクロアルキル基の環状構造を形成する1個若しくはそれ以上の炭素原子が、窒素原子酸素原子硫黄原子などで置換されたものが挙げられる。

0066

モノアルキルアミノ基としては、前記のC1〜C6アルキル基でモノ置換されたアミノ基などが挙げられる。

0067

ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノジエチルアミノ、ジ−n−プロピルアミノジイソプロピルアミノジブチルアミノジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ等の前記のC1〜C6アルキル基でジ置換されたアミノ基などが挙げられる。

0068

アシルアミノ基としては、ホルミルアミノベンゾイルアミノアセチルアミノプロピオニルアミノ、n−ブチリルアミノなどの炭素数1〜8のアシルアミノ基(例、ホルミルアミノ基、アルカノイルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基)が挙げられる。

0069

アルキルチオ基としては、−S−(C1〜C6アルキル基)などが挙げられる(C1〜C6アルキル基は、前記に同じ)。

0070

複素環基としては、ピペリジルフリルチエニルイミダゾリルオキサゾリルチアゾリルピロリル、ピロリジニルトリアゾリルベンゾチアゾリルベンゾイミダゾリル、オキサジアゾリルチアジアゾリル、インドリルピラゾリルピリダジニルシンノリニルキノリル、イソキノリル、キノキサリニルピラジニルピリジルベンゾフリル、ベンゾチエニル、テトラゾリル等の、5〜10員の、単環式、又は2環式の、窒素酸素、及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を環構成原子として有する複素環基が挙げられる。

0071

複素環基のうち、芳香族複素環基としては、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピロリル、トリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、インドリル、ピラゾリル、ピリダジニル、シンノリニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、ピラジニル、ピリジル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、テトラゾリル等の、5〜10員の、単環式、又は2環式の、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を環構成原子として有するヘテロアリール基が挙げられる。

0072

アシル基としては、ホルミル基アセチルプロピオニル、n−ブチリル、イゾブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイルなどの直鎖又は分枝を有する炭素数2〜6のアルカノイル基、及びベンゾイル基等の炭素数7〜15のアリールカルボニル基が挙げられる。

0073

アルキルスルフィニル基、アラルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、シクロアルキルスルフィニル基、ヘテロシクロアルキルスルフィニル基、及び複素環基の結合したスルフィニル基の、アルキル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、及び複素環基としては、それぞれ、前記のものが例示される。

0074

アルキルスルホニル基、アラルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、ヘテロシクロアルキルスルホニル基、及び複素環基の結合したスルホニル基の、アルキル基、アラルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、及び複素環基としては、それぞれ、前記のものが例示される。

0075

エステル基としては、例えば、アシル−O−基、及びアルコキシ−CO−基が挙げられる。ここで、「アシル」、及び「アルコキシ」としては、前記の「アシル基」、及び「アルコキシ基」が挙げられる。

0076

1個以上の置換基を有するアルキル基、1個以上の置換基を有するアルコキシ基、1個以上の置換基を有するアルケニル基などの置換基の数は、1〜5個、好ましくは1〜3個が挙げられる。置換基としては、ハロゲン、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキルチオ、シアノ、ニトロ、アミノ基、水酸基などが挙げられ、ハロゲンを有するアルキル基としては、アルキル基の水素の一部又はすべてがフッ素に置換したものが挙げられる。

0077

1個以上の置換基を有するアラルキル基、1個以上の置換基を有するアリール基、1個以上の置換基を有するアリールオキシ基、1個以上の置換基を有するシクロアルキル基、1個以上の置換基を有するヘテロシクロアルキル基、1個以上の置換基を有する複素環基、1個以上の置換基を有するモノアルキルアミノ基、1個以上の置換基を有するジアルキルアミノ基、アシルアミノ基、1個以上の置換基を有するアルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有するアラルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有するアリールスルフィニル基、1個以上の置換基を有するシクロアルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有するヘテロシクロアルキルスルフィニル基、1個以上の置換基を有する複素環基の結合したスルフィニル基、1個以上の置換基を有するアルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有するアラルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有するアリールスルホニル基、1個以上の置換基を有するシクロアルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有するヘテロシクロアルキルスルホニル基、1個以上の置換基を有する複素環基の結合したスルホニル基などの置換基の数は、1〜5個、好ましくは1〜3個が挙げられる。置換基としては、C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ、シアノ、ニトロ、アミノ基、水酸基などが挙げられる。

0078

1個以上の置換基を有する脂肪族4〜7員環などの置換基の数は、1〜5個、好ましくは1〜3個が挙げられる。置換基としては、C1〜C6アルキル基、ハロゲン原子、C1〜C6アルコキシ基、C1〜C6アルキルチオ、シアノ、ニトロ、アミノ基、水酸基、カルボキシルエステルなどが挙げられる。また、



も、1個以上の置換基を有する脂肪族4〜7員環に含まれる。

0079

アシル基としては、クロロアセチル基、ブロモアセチル基ジクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基等の置換アセチル基、メトキシアセチル基、エトキシアセチル基等のアルコキシ置換アセチル基、メチルチオアセチル基等のアルキルチオ置換アセチル基、フェノキシアセチル基、フェニルチオアセチル基、2−クロロベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、4−クロロベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、4−t−ブチルベンゾイル基、4−メトキシベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル基等の置換ベンゾイル基などが挙げられる。

0080

工程Aで用いられる本発明の組成物の量は、基質である有機化合物におけるフッ素化をふける部分1molに対し、当該IF5が0.2〜10モルの範囲内になるような量で、好適に用いられる。具体的に例えば。前記IF5−ピリジン−HFの量は、出発化合物である有機化合物の1モルに対して、好ましくは0.2〜10モルの範囲内、より好ましくは、0.5〜5モルの範囲内、更に好ましくは、0.5〜3モルの範囲内である。

0081

本発明の製造方法の工程Aは、空気中において好適に実施できる。当該空気は、乾燥処理を行われていない通常の空気であることができる。従って、本発明の製造方法は、低コストで実施でき、工業的に有利である。

0082

本発明の製造方法の工程Aの反応温度は、通常、−100℃〜140℃の範囲内、好ましくは、−20℃〜120℃の範囲内、より好ましくは、0℃〜100℃の範囲内である。

0083

本発明の製造方法の工程Aの反応時間は、通常、0.5〜48時間の範囲内、好ましくは、1〜24時間の範囲内、より好ましくは、2〜24時間の範囲内である。

0084

本発明の製造方法は、反応溶媒の存在下で好適に実施できる。
当該「反応溶媒」の例は、前記本発明の組成物が含有する非プロトン性溶媒の例と同様であることができる。
当該反応溶媒としては、例えば、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、シクロヘキサン並びにそれらの2種以上の混合溶媒が挙げられる。
工程Aで用いられる反応溶媒の量は、出発化合物である有機化合物の1質量部に対して、好ましくは0〜50質量部の範囲内、より好ましくは5〜30質量部の範囲内である。

0085

本発明の製造方法は、例えば、空気中で、反応器に入れた、反応溶媒、及び本発明の組成物に、1個以上の水素原子を有する有機化合物を加えることによって、実施できる。

0086

本発明の製造方法で製造されるフッ素化有機化合物は、抽出等の慣用の方法で生成することができる。

発明の効果

0087

本発明の組成物、フッ素化試薬、又は製造方法によれば、従来のIF5−ピリジン−HFのみからなるフッ素化剤を用いた従来のフッ素化有機化合物の製造方法では、十分な収率で製造できなかったフッ素化有機化合物を、高い収率で得られる。

0088

従来のフッ素化有機化合物の製造方法では、十分な収率で製造できなかったフッ素化有機化合物としては、フッ素原子をより多く有する化合物が挙げられる。このような化合物として、具体的には、例えば、
トリフルオロメチル4−イソプロピルフェニルエーテル、
1−ブロモ−4−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、
4−(トリフルオロメトキシ)安息香酸エチル、
1−(トリフルオロメトキシ)デカン
(3−(トリフルオロメトキシ)プロピル)ベンゼン、
3−((4−クロロフェニル)チオ)−2,2,3−トリフルオロプロパン酸エチル、
4−ペンチル−4’−(トリフルオロメトキシ)−1,1’−ビ(シクロヘキサン)、
1−フルオロ−2−ヨードシクロドデカン
5−フルオロ−6−ヨードデカン、及び
(Z)−2−フルオロ−1−ヨードドデカ−1−エン
が挙げられる。

実施例

0089

以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例中、特に限定されない限り、単位「ppm」は質量ppmを意味する。
実施例中の記号の意味を以下に記載する。
pen:ペンチル

0090

各例において、残存シクロヘキサン量を、以下の測定方法によって測定した。
<測定方法>
i)供試組成物の約50〜150 mgを正確に秤量する。
ii)0.1N KOH水溶液を4 ml添加する。
iii)トルエンを2 ml添加する。
iv)5分間撹拌後、10分間静置する。
v)トルエン層中の残存シクロヘキサンをGC測定する。
vi)検量線の値から残存シクロヘキサン量を算出する。n=3の平均値を残存シクロヘキサン量とする。ここで、「残存シクロヘキサン量」は、供試組成物における「シクロヘキサンの含量」、すなわち、(シクロヘキサンの質量)/(供試組成物の質量)である。

0091

製造例1
IF5(45g, 0.20mol)を容器に入れ、その後、0℃で、シクロヘキサン200mlを添加し、更にその後、ピリジン−HF(ピリジン 50%モル、HF 50%モル)(20g, 各々0.20mol)を添加した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、その後室温で1時間放置して、IF5−ピリジン−HF及びシクロヘキサンを含有する固体を得た。
得られた固体を、減圧乾燥の条件を変えて減圧乾燥することにより、それぞれシクロヘキサン含有量が異なる、IF5−ピリジン−HF及びシクロヘキサンを含有する固体組成物を得た。以下、当該固体組成物をIF5−ピリジン−HFと記載し、そのシクロヘキサン含有量を残存シクロヘキサン量として表記した。

0092

実施例1(フッ素化反応試験



蓋付反応容器にIF5−ピリジン−HF(1.1mmol)(残存シクロヘキサン量:202 質量ppm)とジクロロメタン(2.0 mL)を入れ、基質1(1.0mmol)を加えて、0℃で3時間反応させた。精製後、残渣に内部標準ヘキサフルオロベンゼン)を加え、19F-NMR生成物を定量した結果、60%収率で、ジフルオロ体2が生成していることがわかった。

0093

比較例1(フッ素化反応試験)
蓋付き反応容器にIF5−ピリジン−HF(1.1mmol)(残存シクロヘキサン量:43 質量ppm)とジクロロメタン(2.0 mL)を入れ、室温で、基質1(1.0 mmol)を加えて、0℃で3時間反応させた。精製後、残渣に内部標準(ヘキサフルオロベンゼン)を加え、19F-NMRで生成物を定量した結果、ジフルオロ体2は検出されず、収率0%であり、ジフルオロ体2が生成していないことがわかった。

0094

試験例1(フッ素化反応試験)
実施例1、及び比較例1と同様にして、様々な残存シクロヘキサン量のIF5−ピリジン−HFを用いて製造した、各生成物試料(実施例1〜4、比較例1〜2)について行ったフッ素化反応試験の結果を、表1に示した。これから明らかなように、本発明の組成物を用いた場合、フッ素化反応が進行し、目的物が得られた。




+:フッ素化反応生成物(ジフルオロ体2)が検出された。
n.d.:フッ素化反応生成物(ジフルオロ体2)が検出されなかった。

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