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技術 鉄道地上設備の保守支援システム、保守支援方法、及び保守支援プログラム

出願人 株式会社日立製作所
発明者 矢野浩仁高井智仁江口俊宏
出願日 2015年4月28日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2015-091477
公開日 2016年12月8日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-203931
状態 特許登録済
技術分野 特定用途計算機 鉄道交通の監視、制御、保安
主要キーワード 腐食度合 輸送負荷 変換情報データ 直近過去 予測計算結果 負荷増加量 総合負荷 対象線
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

鉄道地上設備劣化予測精度を向上させる。

解決手段

鉄道地上設備の保守支援システムであって、複数の地点において観測された天候及び当該地点の地理的条件に関する情報を含む環境情報を記憶している環境情報記憶部と、鉄道地上設備の経時劣化と環境情報との関係を表す関係式を保持しており、劣化予測を実行しようとする対象である鉄道地上設備の特定を受けて、当該鉄道地上設備の設置位置に近接する位置で記録された前記環境情報を、劣化予測実行期間にわたって取得し、取得した環境情報と前記関係式とにより前記鉄道地上設備の経時劣化度合いを予測するように構成された環境負荷推定部とを備えている。

概要

背景

鉄道地上設備保守支援システムは、鉄道の運行を円滑に行うため、地上設備の監視点検交換といった保守作業支援するためのシステムである。鉄道地上設備には様々な設備が存在し、例えば、信号関連では、信号機転てつ器警報機遮断機など、線路関連では、レール枕木分岐器など、電力関連では、き電線トロリー線などが挙げられる。これら設備の保守については、従来は基本的に一定期間経過した時に交換する運用時間基準保全)を行っていたが、近年は設備の状態をセンサ等で常時監視を行い、一定の基準を超えたら、もしくは一定の基準を超えることが予想された場合に交換する運用(状態基準保全)に変わろうとしている。この点、例えば特許文献1には、電力会社の送電用架線金具腐食予測するために、標高海岸距離といった地形情報、および濡れ時間といった環境情報をもとに金具腐食速度推定して余寿命を予測している。

概要

鉄道地上設備の劣化予測精度を向上させる。 鉄道地上設備の保守支援システムであって、複数の地点において観測された天候及び当該地点の地理的条件に関する情報を含む環境情報を記憶している環境情報記憶部と、鉄道地上設備の経時劣化と環境情報との関係を表す関係式を保持しており、劣化予測を実行しようとする対象である鉄道地上設備の特定を受けて、当該鉄道地上設備の設置位置に近接する位置で記録された前記環境情報を、劣化予測実行期間にわたって取得し、取得した環境情報と前記関係式とにより前記鉄道地上設備の経時劣化度合いを予測するように構成された環境負荷推定部とを備えている。

目的

本発明は上記の、及び他の課題を解決するためになされたものでその一つの目的は、保守対象設備が設置されている環境等の影響を加味して鉄道地上設備の劣化を適切に予測することを可能とする鉄道地上設備の保守支援システム、保守支援方法、及び保守支援プログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

鉄道地上設備保守支援システムであって、複数の地点において観測された天候及び当該地点の地理的条件に関する情報を含む環境情報を記憶している環境情報記憶部と、鉄道地上設備の経時劣化と環境情報との関係を表す関係式を保持しており、劣化予測を実行しようとする対象である鉄道地上設備の特定を受けて、当該鉄道地上設備の設置位置に近接する位置で記録された前記環境情報を、劣化予測実行期間にわたって取得し、取得した環境情報と前記関係式とにより前記鉄道地上設備の経時劣化度合いを予測するように構成された環境負荷推定部と、を備えている鉄道地上設備の保守支援システム。

請求項2

請求項1に記載の鉄道地上設備の保守支援システムであって、鉄道の各線区運行される列車の線区内の複数地点における走行状態輸送量とを含む輸送情報を記憶している輸送情報記憶部と、鉄道地上設備の経時劣化と輸送情報との関係を表す関係式を保持しており、劣化予測を実行しようとする対象である鉄道地上設備の特定を受けて、当該鉄道地上設備が属する線区に関する輸送情報を、劣化予測実行期間にわたって取得し、取得した輸送情報と前記関係式とにより前記鉄道地上設備の経時劣化度合いを予測するように構成された輸送負荷推定部と、前記環境情報及び輸送情報から求められた鉄道地上設備の経時劣化度合いとを加算する用に構成された総合負荷推定部と、を備えている鉄道地上設備の保守支援システム。

請求項3

請求項2に記載の鉄道地上設備の保守支援システムであって、前記特定された劣化予測を実行しようとする対象である鉄道地上設備に近接する位置で記録された環境情報が列車の走行状態に与える影響を算出するように構成された列車挙動推定部を備え、前記輸送負荷推定部は、前記列車挙動推定部による算出された環境情報が列車の走行状態に与える影響を含めて前記鉄道地上設備の経時劣化度合いを予測するように構成されている、鉄道地上設備の保守支援システム。

請求項4

請求項1に記載の鉄道地上設備の保守支援システムであって、鉄道の各線区で実施される鉄道設備に関する業務の実施時期実施内容とを含む業務情報を記憶している業務情報記憶部と、鉄道地上設備の経時劣化と業務情報との関係を表す関係式を保持しており、劣化予測を実行しようとする対象である鉄道地上設備の特定を受けて、当該鉄道地上設備が属する線区に関する業務情報を、劣化予測実行期間にわたって取得し、取得した業務情報と前記関係式とにより前記鉄道地上設備の経時劣化度合いを予測するように構成された業務負荷推定部と、前記環境情報及び業務情報から求められた鉄道地上設備の経時劣化度合いとを加算するように構成された総合負荷推定部と、を備えている鉄道地上設備の保守支援システム。

請求項5

請求項1に記載の鉄道地上設備の保守支援システムであって、鉄道の各線区に設置されている鉄道地上設備の設置位置と当該設備の種類を示す情報である種別情報とを記憶している設備情報記憶部と、前記地上設備の種別ごとに当該地上設備の経時劣化に影響を与える環境情報中の環境因子と、当該環境因子と経時劣化との関係を表す関係式を記憶している環境劣化モデル記憶部と、前記特定された劣化予測対象である鉄道地上設備に関する環境情報を取得することができない場合、前記設備情報記憶部から当該鉄道地上設備に近接している他の種別の地上設備を取得するとともに、当該地上設備に関する環境因子と経時劣化との関係を表す関係式を環境劣化モデル記憶部から取得し、取得した関係式から当該地上設備と関係のない環境因子を除外することにより当該地上設備に関する環境情報を推定するように構成された環境情報推定部と、を備えている鉄道地上設備の保守支援システム。

請求項6

請求項1から5までのいずれかに記載の鉄道地上設備の保守支援システムであって、前記各線区のキロ程と地上の絶対位置との対応関係を記憶している変換情報記憶部を備え、前記環境負荷推定部が、前記特定された劣化予測対象である鉄道地上設備が設置されているキロ程を、前記変換情報記憶部を参照して地上の絶対位置に変換し、変換後の絶対位置に基づいて環境情報を取得する、鉄道地上設備の保守支援システム。

請求項7

請求項1から5までのいずれかに記載の鉄道地上設備の保守支援システムであって、前記鉄道地上設備の劣化度合いを判定するための基準となる判定値判定時期とを記憶している点検情報記憶部を備え、前記環境負荷推定部が、前記判定時期から劣化予測計算期間始期における前記劣化度合いを判定するための判定値を前記関係式によって算出し、当該算出した判定値に基づいて劣化予測期間に渡る劣化度合いを算出する、鉄道地上設備の保守支援システム。

請求項8

鉄道地上設備の保守支援方法であって、プロセッサメモリとを有するコンピュータが、複数の地点において観測された天候及び当該地点の地理的条件に関する情報を含む環境情報を記憶し、鉄道地上設備の経時劣化と環境情報との関係を表す関係式を保持しており、劣化予測を実行しようとする対象である鉄道地上設備の特定を受けて、当該鉄道地上設備の設置位置に近接する位置で記録された前記環境情報を、劣化予測実行期間にわたって取得し、取得した環境情報と前記関係式とにより前記鉄道地上設備の経時劣化度合いを予測する、鉄道地上設備の保守支援方法。

請求項9

鉄道地上設備の保守支援プログラムであって、プロセッサとメモリとを有するコンピュータに、複数の地点において観測された天候及び当該地点の地理的条件に関する情報を含む環境情報を記憶させ、鉄道地上設備の経時劣化と環境情報との関係を表す関係式を記憶させ、劣化予測を実行しようとする対象である鉄道地上設備の特定を受けて、当該鉄道地上設備の設置位置に近接する位置で記録された前記環境情報を、劣化予測実行期間にわたって取得させ、取得した環境情報と前記関係式とにより前記鉄道地上設備の経時劣化度合いを予測させる、鉄道地上設備の保守支援プログラム。

技術分野

背景技術

0002

鉄道地上設備の保守支援システムは、鉄道の運行を円滑に行うため、地上設備の監視点検交換といった保守作業支援するためのシステムである。鉄道地上設備には様々な設備が存在し、例えば、信号関連では、信号機転てつ器警報機遮断機など、線路関連では、レール枕木分岐器など、電力関連では、き電線トロリー線などが挙げられる。これら設備の保守については、従来は基本的に一定期間経過した時に交換する運用時間基準保全)を行っていたが、近年は設備の状態をセンサ等で常時監視を行い、一定の基準を超えたら、もしくは一定の基準を超えることが予想された場合に交換する運用(状態基準保全)に変わろうとしている。この点、例えば特許文献1には、電力会社の送電用架線金具腐食予測するために、標高海岸距離といった地形情報、および濡れ時間といった環境情報をもとに金具腐食速度推定して余寿命を予測している。

先行技術

0003

特開2007−263923号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら特許文献1に記載の技術は、電力の送電用架線金具に対する劣化予測方法であり、鉄道分野での適用方法については想定していない。特に鉄道地上設備に関する劣化予測については触れていない。鉄道地上設備については、設置環境だけでなく、設備設置場所近辺列車運行状況も同様に劣化に影響すると考えられており、特許文献1ではこうした観点にはまったく触れていないという課題がある。

0005

本発明は上記の、及び他の課題を解決するためになされたものでその一つの目的は、保守対象設備が設置されている環境等の影響を加味して鉄道地上設備の劣化を適切に予測することを可能とする鉄道地上設備の保守支援システム、保守支援方法、及び保守支援プログラムを提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

前記課題を解決するために本発明の一態様は、鉄道地上設備の保守支援システムであって、複数の地点において観測された天候及び当該地点の地理的条件に関する情報を含む環境情報を記憶している環境情報記憶部と、鉄道地上設備の経時劣化と環境情報との関係を表す関係式を保持しており、劣化予測を実行しようとする対象である鉄道地上設備の特定を受けて、当該鉄道地上設備の設置位置に近接する位置で記録された前記環境情報を、劣化予測実行期間にわたって取得し、取得した環境情報と前記関係式とにより前記鉄道地上設備の経時劣化度合いを予測するように構成された環境負荷推定部とを備えている。

発明の効果

0007

本発明によれば、保守対象設備が設置されている環境等の影響を加味して鉄道地上設備の劣化を適切に予測することが可能となる。

図面の簡単な説明

0008

図1は、本発明の一実施形態に係る鉄道地上設備の保守支援システムの構成例を示す図である。
図2は、図1のシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3は、点検情報テーブル112の構成例を示す図である。
図4は、環境情報テーブル113の構成例を示す図である。
図5は、変換情報テーブル117の構成例を示す図である。
図6は、設定情報データ110の構成例を示す図である。
図7は、第1実施形態の処理フロー例を説明するためのフローチャートである。
図8は、本発明の第2実施形態に係る鉄道地上設備の保守支援システムの構成例を示す図である。
図9は、輸送情報テーブル603の構成例を示す図である。
図10は、第2実施形態の処理フロー例を説明するためのフローチャートである。
図11は、結果出力部104の出力例であって、設備劣化に関する設備への負荷量を示す特性図の一例である。
図12は、本発明の第3実施形態に係る鉄道地上設備の保守支援システムの構成例を示す図である。
図13は、第3実施例の処理フロー例を説明するためのフローチャートである。
図14は、本発明の第4実施形態に係る鉄道地上設備の保守支援システムの構成例を示す図である。
図15は、業務情報テーブル1103の構成例を示す図である。
図16は、第4実施形態の処理フロー例を説明するためのフローチャートである。
図17は、本発明の第5実施形態に係る鉄道地上設備の保守支援システムの構成例を示す図である。
図18は、周辺設備情報テーブル1304の構成例を示す図である。
図19は、環境劣化モデルテーブル1308の構成例を示す図である。
図20は、第5実施形態の処理フロー例を説明するためのフローチャートである。

実施例

0009

以下、図面に基づいて、本発明につきその実施形態に即して説明する。以下の説明において、同一の符号を付した部分は同一の要素を表し、その基本的な構成及び動作は同様であるものとする。

0010

第1実施形態
まず、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態は、鉄道地上設備の保守計画等を支援するために、保守対象となる地上設備の周辺における環境情報に基づき、当該地上設備の劣化を予測するものである。

0011

図1は、本実施形態による鉄道地上設備の保守支援システム1の構成例を示す構成図である。保守支援システム1は、例えば図2に例示するハードウェア構成を有するコンピュータである保守支援装置100を備える。図2において、保守支援装置100は、CPU等のプロセッサ11、RAM、ROM等を有するメモリ主記憶デバイス)12、ハードディスクドライブ(HDD)、半導体ドライブSSD)等を有する補助デバイス13、キーボードマウスタッチパネル等を備える入力デバイス14、液晶表示装置プリンタ等を備える出力デバイス15、ローカルエリアネットワーク(LAN)等の通信回線
を通じて他の機器との接続を可能とするインタフェース回路である通信インタフェース16、及びこれらの要素を相互に接続するバス17等の情報処理資源を備える。

0012

保守支援装置100に劣化予測処理を実行させるためのデータは、入力デバイス14を通じて入力してもよいし、通信インタフェース16を介して外部機器から転送してもよい。本実施形態では、後述する各種データ、例えば点検情報データ108、環境情報データ109、計算管理部102の動作を規定するための設定情報データ110が、通信インタフェース16に接続された端末装置を通じて入力されるものとする。

0013

プロセッサ11は、メモリ12に格納されたプログラムに従って、本実施形態のシミュレーション処理を実行する演算実行部として機能する。図1に示すように、メモリ12には、外部から入力された情報を補助記憶デバイス13に記録するための点検情報記録部106、環境情報記録部107、変換情報記録部118、計算管理部102の動作を規定する設定情報データ110を受け付け設定入力部103と、プログラム実行に必要な情報を補助記憶デバイス13から抽出する点検情報抽出部114と、環境情報抽出部115と、位置変換記録部116と、計算処理を行う環境負荷推定部105と、計算処理の実行管理を行う計算管理部102を実現するための1つ以上のコンピュータプログラムが記憶される。この際、プロセッサ11が、メモリ12内に格納されている計算管理部102を実行することにより、メモリ12に記憶されている各プログラムが適宜呼び出され、各部に付加された機能(プログラムとしての機能)を発揮することができる。

0014

次に、図1を参照して各プログラムの機能を説明する。点検情報記録部106は、端末装置から点検情報データ108が入力された場合、補助記憶デバイス13内に点検情報テーブル112として記録するための機能である。同様に環境情報記録部107は、端末装置から環境情報データ109が入力された場合、補助記憶デバイス13に環境情報テーブル113として記録するための機能であり、変換情報記録部118は、端末装置から変換情報データ119が入力された場合、補助記憶デバイス13に変換情報テーブル117として記録するための機能を有する。なお、例えば点検情報データ108について、簡単のため、以下単に点検情報と呼ぶこととする。本実施形態、後述する他の実施形態での処理実行に使用する各情報についても同様である。

0015

点検情報抽出部114は、計算管理部102の指示に従い、該当する点検情報108を点検情報テーブル112の中から検索し、抽出するための機能である。同様に環境情報抽出部115は、計算管理部102の指示に従い、該当する環境情報109を環境情報テーブル113から検索・抽出する機能であり、位置変換抽出部116は、該当する変換情報119を変換情報テーブル117から検索・抽出する機能である。

0016

環境負荷推定部105は、設備の点検情報108と設備の周囲の環境情報とに基づき、該当する設備の環境による劣化の進行度合いを推定する機能を有する。当該設備の位置が、当該設備が属する鉄道線区キロ程(当該鉄道線区の起点からの距離)で管理されている場合には、後述する変換情報テーブル117を参照して位置情報の変換を行い、当該設備から近い位置で取得された環境情報を利用する。

0017

計算管理部102は、後述の図7に例示するフローチャートに従って、それぞれのプログラムを実行し、所定の処理を行うための機能を有する。計算管理部102は設定入力部103の設定内容に基づき図7のフローチャート通りに処理を行い、結果出力部104にて処理結果を出力する。

0018

設定入力部103は、例えば入力デバイス14から入力される設定情報110の内容を受信し、計算管理部102に渡すための機能を有する。設定入力部103では、劣化予測
を実行する対象の地上設備を選択することができる。また設定入力部103では、劣化予測の処理実行を計算管理部102に命令することもできる。

0019

次に、本実施形態の処理に使用する情報について説明する。図3は、点検情報テーブル112の構成例を示す図である。点検情報テーブル112(点検情報記憶部)は、鉄道地上設備について実施した点検の内容を格納している。図3において、点検情報テーブル112の各エントリを構成する情報は、設備ID201、種別ID202、線区ID203、キロ程203、点検日204、及び点検値205の各項目から構成される。設備ID201は、点検対象となった設備を識別するための識別符号である。種別ID202は、対応する設備の種別を表す識別符号である。線区ID203とキロ程204は当該設備が設置されている場所を示したものであり、本例では該当設備が設置されている線区の起点からの道のりを示すキロ程で表している。点検日205は当該設備に対する点検を実施した年月日を表したものであり、その時の点検値が点検値206で示されたものである。この点検値206は設備の種別ごとに異なっていてもよい。例えば種別ID202が遮断機である情報に対応する点検値206は、遮断機の動作完了までの時間とすることができる。一方、種別ID202が線路である場合の点検値206は、レールの腐食度合と設定することができる。なお、本実施形態では点検値206は1つの情報について一つである例で説明しているが、点検値206は種別ごとに複数設定されても良い。例えば種別ID202が線路である場合については、レールの腐食度合と、摩耗量の2つの点検値を記録してもよい。

0020

次に、環境情報テーブル113について説明する。図4は、環境情報テーブル113の構成例を示す図である。環境情報テーブル113(環境情報記憶部)は、種々の地点の地理的条件と、そこで経時的に収集される気温降水量等の気象データ集積である。図4において、環境情報テーブル113の各エントリは、地点ID301、地点302、標高303、年月日304、天気305、最高気温306、最低気温307、降雨降雪量308、及び日射量309の各項目から構成される。地点ID301は、当該環境情報が取得された地点を識別するための識別符号であり、環境情報109を相互に識別するために用いられる。地点302は地点ID301で特定される地点の地球上の位置を示す情報であり、本例では緯度経度で表している。標高303は地点ID301で特定される地点の標高を示している。年月日304は対応する環境情報が観測された日を表しており、天気305、最高気温306、最低気温307、降雨/降雪量308、及び日射量309は、その日の観測結果を示している。なお、図4の例では、過去に観測された環境情報109について説明したが、地上設備の将来の劣化予測を行うため、各地点における未来の環境情報109も同様に蓄積しておく。未来の環境情報109は、過去の観測データに基づいて統計的に得られる予測値とすることができる。

0021

次に、変換情報テーブル117について説明する。図5は、変換情報テーブル117の構成例を示す図である。変換情報テーブル117(変換情報記憶部)は、保守の対象となる地上設備のキロ程によって示される位置と、環境情報テーブル113の取得地点を示す位置とを対応付けるために用いられる。図5において、変換情報テーブル117の各エントリは、線区ID1801、キロ程1802、位置1803の各項目から構成される。線区ID1801は、鉄道線区を相互に識別するための識別符号である。なお、線区が上下線別に管理されている場合は、ここの線区ID1801にて、上下別のIDで管理してもよい。キロ程1802は、対応する線区ID1801で特定される線区における起点からの道のりを示している。位置1803は、対応するキロ程を地球上の絶対位置、図5の例では緯度経度で表した数値が示されている。この変換情報テーブル117を使うことで、劣化予測を行う地上設備のキロ程と地球上での絶対位置とが対応付けられるため、劣化予測を行う地上設備について適用すべき環境情報109を取得することが可能となっている。

0022

次に、設定情報110について説明する。図6は、設定情報110の構成例を示す図である。設定情報110は、本実施形態の保守支援装置100によって実施しようとする劣化予測処理の内容を含み、入力デバイス14等から入力されたデータが、設定入力部103を介して受信される。図6において、設定情報110は、予測期間401、対象設備ID402、時間刻み403の各項目から構成される。予測期間401は、実行しようとする劣化予測の実行期間を示している。対象設備ID402は、劣化予測を行う対象設備の設備IDを示している。なお対象設備については1つだけでなく、複数選択してもよい。時間刻み403は、劣化予測を行うときの時間刻み(劣化予測処理実行のインターバル)を示したものである。

0023

次に、以上説明した情報に基づいて実行される、本実施形態における鉄道地上設備の劣化予測処理について説明する。図7は、第1実施形態の処理例を説明するためのフローチャートである。図7の処理フローは、保守支援装置100の計算管理部102が各プログラムを実行させることによって行われる。まず、装置100の電源投入後、入力デバイス14等からの処理実行命令を受信して計算管理部102が処理を開始すると(S500)、設定入力部103は、設定情報110に格納されているデータを読み込み、対象設備ID402を参照して対象設備の設定を実行する(S501)。次いで、設定入力部103は、点検情報抽出部114を介して点検情報テーブル112を参照して、対象設備に対応する点検情報108の内容を取得する(S502)。これにより、対象設備についての直近過去の点検値が、劣化予測のための基準値として与えられる。次いで、設定入力部103は、設定情報110に記録されている予測期間により劣化予測処理を実行する期間を劣化計算期間として設定する(S503)。また、設定入力部103は、設定情報110から時間刻み設定を取得する(S503)。以上の設定内容は設定入力部103から計算管理部102に渡され、以下の処理フローが実行される。

0024

まず、計算管理部102は、環境情報抽出部115を介して、設定情報110の予測期間401にて指定された予測開始時点に該当する環境情報109を取得する(S504)。この際、計算管理部102は、処理対象設備に最も近い地点で記録された環境情報109を取得するために、変換情報テーブル117を利用する。すなわち、当該設備に該当するキロ程を点検情報テーブル112から取得し、そのキロ程にもっとも近いレコードを変換情報テーブル117から探索し、取得した位置をその設備の位置として、環境情報テーブル113から該当する環境情報109を取得する。次に、環境負荷推定部105は、得られた環境情報109を基に環境負荷計算を行う(S506)。ここで、環境負荷計算の例を以下に示す。この数式は、各日に生じる温度差によって設備を構成する機材の負荷が累積していく例を示している。

0025

ここで、環境負荷とは、具体的には、対象設備が線路であればレールの腐食度合いであ
り、環境負荷推定部105は、点検情報テーブル112における直近過去の点検情報108から該当設備の腐食度合い点検値を取得し、現在までの環境情報109及び現在から予測期間始期までの環境情報109推定値を利用して、予測期間始期における点検値を初期値として算出する。次いで、環境負荷推定部105は、設定情報110に記録された時間刻み毎の環境負荷を算出し、予測計算期間の終期到来するまで負荷計算反復実行し(S507,No)、終期が到来したと判定した場合には劣化推定結果を出力して処理を終了する(S507,Yes、S508、S509)。劣化推定結果は適宜の形式で出力すればよく、例えば予測計算期間に対する環境負荷の予測値を表形式で示す、予測計算期間に対する環境負荷の累積値ヒストグラムグラフィックに出力することなどが考えられる。

0026

本実施形態によれば、鉄道地上設備に対し、設置環境の影響を考慮した劣化予測をすることが可能となる。

0027

第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態の環境情報に加えて、対象地上設備が属する鉄道線区を運行される列車の輸送情報も活用した地上設備の劣化予測を行うものである。なお、第1実施形態と同じ要素、処理の部分については、重複を避けるために説明を省略し、第2実施形態の特徴部分について説明する。

0028

図8は、本実施形態に係る鉄道地上設備の保守支援システム1の構成例を示す図である。保守支援システム1の中核である保守支援装置100は図2に例示したハードウェア構成を有するコンピュータであるが、輸送負荷を推定するための輸送負荷推定部602、輸送負荷と環境負荷とを統合して推定するための総合負荷推定部601と、輸送負荷推定の基礎情報である輸送情報605を入力管理するための、輸送情報記録部604、輸送情報テーブル603、輸送情報抽出部606を備えている点が、第1実施形態と異なる。

0029

輸送負荷推定部602は、入力デバイス14あるいは通信インタフェース16を介して入力される輸送情報605に基づいて鉄道地上設備の劣化を推定する機能を有する。輸送負荷とは、例えば列車通過に伴いレールに加えられる重量負荷等を意味し、輸送負荷推定部602は輸送情報605に基づいて重量負荷等の計算を実行することができる。

0030

輸送情報記録部604は、入力された輸送情報605を輸送情報テーブル603に記録するための機能を有する。輸送情報抽出部606は、計算管理部102の指示に従い、該当する輸送情報605を抽出するための機能を有する。

0031

次に、輸送情報テーブル603について説明する。図9は、輸送情報テーブル603の構成例を示す図である。輸送情報テーブル603(輸送情報記憶部)は、特定の鉄道線区を運行される各列車の種々の地点における走行状況を記録してなり、列車ID801、線区ID802、駅間ID803、年月日804、時刻805、キロ程806、速度807、加減速度808、及び輸送量809の各項目により構成されている。列車ID801は列車を相互に識別するための識別符号である。線区ID802は対象線区を相互に識別するための識別符号であり、駅間ID803は対応する列車が在線している駅間を特定するための識別符号である。例えば、図8の輸送情報603上で線区ID802、キロ程806を指定すると、その地点を通過する列車の列車ID801、通過する年月日804、時刻805、速度807、加減速度808、及び輸送量809を取得することができる。輸送量809については、各列車の輸送人数であっても、輸送重量であっても、列車重量を含めた総重量のいずれであってもよい。なお、特定線区の特定時刻における列車の走行状態(速度、加減速度)は、列車運行図表、及び各列車の運転曲線から取得することができるので、年月日804、時刻805との対応により将来運行予定の列車についても、あら
かじめ輸送情報テーブル603に設定可能である。速度807は、例えば列車重量がレールに作用する時間の指標であり、加減速度808は、列車の車輪踏面によるレールの摩耗に関する指標を与える。列車の走行状態は、過去に運行された列車に関しては、実際の運行管理記録から取得することもできる。輸送量809についても、輸送実績値を用いてもよいし、輸送計画値を用いてもよい。

0032

次に、本実施形態で実行される処理について説明する。図10は本実施形態の処理を実現するフローチャートの一例を示したものである。図10のフローチャートの基本構成は第1実施形態の場合と同様であるが、輸送情報605を利用する処理の部分が異なる。以下には、この輸送情報605に関する部分についてのみ説明する。図10を参照すると、S506の環境負荷計算に続いて、計算管理部102は、輸送情報抽出部606を介して輸送情報605の取得を行う(S701)。ここでは、輸送情報抽出部606は、対象設備の付近を通過する線区を設備に対応付けられているキロ程と比較することにより検索して取得している。本実施形態では、輸送情報抽出部606が点検情報テーブル112から対象設備に対応する線区IDとキロ程とを特定し、輸送情報テーブル603の中から、線区ID、キロ程、輸送負荷推定を実行する時間刻み範囲にある通過列車を全て抽出し、その輸送量の集計結果により輸送負荷の計算を実行する(S702)。輸送負荷は、例えば次式で計算することができる。



係数βは、特定の地上設備に対して輸送量が与える影響実績に基づいて適宜決定することができる。計算管理部102は、この輸送負荷をすでに算出されている環境負荷に加算することにより総合負荷を算出する(S703)。例えば地上設備が線路であり、劣化予測対象がレールの摩耗である場合、ある期間の予測環境負荷が0.5mm、予測輸送負荷が0.7mmであったとすれば、対応する総合負荷は両者の和として1.2mmと求められる。総合負荷の計算は、S506の判断ステップにより、予測計算期間が終了するまで反復実行される。

0033

次に、本実施形態における結果出力部104の出力例について説明する。図11は、本実施形態の結果出力部104によって出力される設備劣化に関する設備の負荷量を示す特性図の例である。例えばレールの摩耗に関する予測計算結果であるとすれば、グラフ80の中に、輸送負荷81による摩耗量と、環境負荷82による摩耗量とがそれぞれ示されるとともに、その合計として総合負荷量が示されている。なお、図11の例では、予測計算された本負荷量を、他の同種の負荷量と容易に比較することができるように、他の同種設備に関して予測計算された結果の平均値である他平均劣化度83についても重畳させて表示を行っている。他平均劣化度83は、計算管理部102が実行して記録している過去の予測計算結果から算出することができる。図11に例示するように、各予測計算時点での負荷量の内訳を示すことで、どのような要因が劣化の進行に寄与しているかを容易に判定することができるようにしている。また他の同種の設備と劣化の進行度合いを比較することができるので、設備設置場所が劣化に与える影響等を分析することもできる。

0034

本実施形態によれば、鉄道地上設備に対し、環境の影響と、輸送の影響を両方考慮した劣化予測をすることが可能となる。

0035

第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、環境情報と輸送情報とを組み合わせた第2実施形態においてさらに、予測対象となる地上設備設置地点を通過する列車の挙動による設備劣化への影響を加味して予測精度をさらに向上させようとするものである。以下、第1、及び第2実施形態と同じ要素、処理の部分については重複を避けるために説明を省略し、本実施形態の特徴部分について説明する。

0036

図12は、第3実施形態に係る鉄道地上設備の保守支援システム1の構成例を示す図である。図12のシステム1が有する保守支援装置100の構成は概ね第2実施形態のものと同様であるが、列車挙動推定部901を備えている点が異なる。この列車挙動推定部901は、環境情報109及び輸送情報605を用いて対象設備を通過する列車の挙動を模擬して、その挙動が設備の劣化に与える影響を推定する機能を有する。列車挙動推定部901により、例えば強風時に列車を構成する車両が動揺することによる線路に与える影響、勾配で列車が空転、あるいは滑走することによるレールに与える影響等の要素を予測計算に取り入れることができる。なお、これらの列車挙動推定に必要な追加情報は、あらかじめ環境情報109、輸送情報605に記録しておくものとする。例えば強風時の列車挙動を加入する場合には環境情報109に風速(m/s)の項目を設け、列車の滑走、空転の
影響を加入する場合には、輸送情報605に線路勾配(‰)の項目を設けておく。

0037

次に、第3実施形態において実行される処理について説明する。図13は第3実施形態の処理を実現するフローチャートの一例を示したものである。図13のフローチャートの基本構成は第2実施形態の場合と同様であるが、列車挙動計算を実行するステップ(S1001)の部分が異なる。以下には、この列車挙動計算ステップS1001に関する部分についてのみ説明する。図13を参照すると、列車挙動推定部901は、S506で取得した環境情報109と、S701で取得した輸送情報605とを用いて、列車挙動推定の計算を実行する。例えば列車の空転滑走については、以下に例示する確率式により列車ごとに空転滑走が発生する確率である期待空転滑走量を求める。

0038

期待空転滑走量 = Σ(Pr(天気、勾配、車種))
Pr(天気、勾配、車種):事前観測に基づいた、確率式
計算の一例としては、輸送情報テーブル603から抽出される各列車について上記確率式を適用し、空転滑走発生確率を求め、当該列車の輸送量に空転滑走確率を乗じて得られる輸送負荷の増分に対して空転滑走時の経験的な負荷増加量(例えば空転滑走によるレール摩耗量の増加)を乗じて、劣化予測に加味することができる。なお、上式において、車種の項目は、一般に、列車に含まれる動力車の割合により空転滑走発生確率が変化するのを反映させるためである。

0039

以上説明したように、第3実施形態によれば、列車挙動による影響も加味して鉄道地上設備の負荷量を予測計算することができる。

0040

第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態の環境情報に加えて、対象地上設備に対して実施した保線・信号保守・列車運行安全上の各種業務に関する情報をさらに活用して地上設備の劣化予測を行うものである。なお、第1実施形態と同じ要素、処理の部分については、重複を避けるために説明を省略し、第4実施形態の特徴部分について説明する。

0041

図14は、本実施形態に係る鉄道地上設備の保守支援システム1の構成例を示す図である。保守支援システム1の中核である保守支援装置100は図2に例示したハードウェア構成を有するコンピュータであるが、地上設備に対して実施した業務内容を記録した業務情報1105を業務情報テーブル1103に記録する機能を有する業務情報記録部1104、業務情報テーブル1103から劣化予測に必要な業務情報1105を抽出する機能を有する業務情報抽出部1102、及び抽出した業務情報1105を用いて対象地上設備に与える業務負荷を算出する機能を有する業務負荷推定部1106を備えている点が、第1実施形態と異なる。業務情報抽出部1102が抽出した業務情報1105は、計算管理部102に渡される。

0042

次に、業務情報1105について説明する。図15は、業務情報1105を格納している業務情報テーブル1103(業務情報記憶部)の構成例を示す図である。業務情報1105には、線区ID1601、キロ程1602と、年月日1603、時刻1604、及びそれらで特定される線区上の場所、日時に実施した作業の内容を示す作業内容1605の各項目が記録されている。

0043

次に、本実施形態で実行される処理について説明する。図16は本実施形態の処理を実現するフローチャートの一例を示したものである。図16のフローチャートの基本構成は第1実施形態の場合と同様であるが、業務情報1105を利用する処理の部分が異なる。以下には、この業務情報1105に関する部分についてのみ説明する。S506で環境負荷計算を実行した後、業務情報抽出部1102は、対象設備の位置付近で、予測期間中に作業した作業内容を、業務情報テーブル1103から線区ID1601、キロ程1602、年月日1603、時刻1604に基づいて抽出する(S1201)。業務負荷推定部1106は、抽出した業務情報1105の中から、劣化予測計算に関係する項目について、業務負荷を計算する(S1202)。例えば凍結防止剤散布による影響については、次式でその影響を定量化する。

0044

業務による腐食負荷=γΣ(凍結防止剤平均散布量
γ:レールの腐食と凍結防止剤平均散布量との相関を表す係数
その後、総合負荷推定部601が、算出された環境負荷と業務負荷とを合算して総合負荷とし、以後予測計算期間が終了するまで反復して総合負荷の算出を実行する(S507の判断ステップ)。

0045

以上説明したように、本実施形態によれば、地上設備の周囲環境の状況によって発生した業務による鉄道地上設備の劣化も劣化予測に反映させることができる。

0046

第5実施形態
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態は、ある鉄道地上設備の劣化状況を推定する際に、対象設備に関する環境情報が利用できない場合でも、近傍の鉄道地上設備の劣化の経緯から、その地点付近の環境情報を推定することで、環境負荷を計算する例を示している。なお、第1実施形態と同じ要素、処理の部分については、重複を避けるために説明を省略し、第5実施形態の特徴部分について説明する。

0047

図17は、第5実施形態に係る鉄道地上設備の保守支援システム1の構成例を示す図である。保守支援システム1の中核である保守支援装置100は図2に例示したハードウェア構成を有するコンピュータであるが、第1実施形態の環境情報に関する処理を実行する機能部、データに代えて、周辺設備情報設定部1305、周辺設備情報テーブル1304、周辺設備検出部1303、環境劣化モデル設定部1309、環境劣化モデルテーブル1308、環境劣化モデル取得部1307、及び環境情報推定部1302を備えている点が
、第1実施形態と異なる。周辺設備情報設定部1305は、後述する周辺設備情報1306が設定入力部103から入力されるのを受けて、周辺設備情報1306を周辺設備情報テーブル1304に記録する機能を有する。周辺設備検出部1303は、劣化予測計算の対象となっている地上設備の設置箇所に基づいてその周辺にある他の地上設備に関する情報を周辺設備情報テーブル1304から検出する。一方、環境劣化モデル設定部1309は、環境劣化モデル1310を設定するための機能であり、環境劣化モデルテーブル1308に蓄積された環境劣化モデル1310は、環境劣化モデル取得部1307にて取得されて、計算管理部102に渡される。

0048

図18は、周辺設備情報テーブル1304(周辺設備情報記憶部)の構成例を示している。周辺設備情報1306は、設備ID1701、線区ID1702、設置キロ程1703、及び種別ID1704の各項目を備えている。設備ID1701は、周辺設備を特定するための識別符号、線区ID1702は対応する設備ID1701で特定される周辺設備が設置されている線区を示す。設置キロ程1703は該当線区での周辺設備の設置場所を示し、種別ID1704は対応する周辺設備の機器種別である。

0049

図19は、環境劣化モデルテーブル1308の構成例を示している。環境劣化モデルテーブル1308(環境劣化モデル記憶部)に記録されている各エントリである環境劣化モデル1310は、識別符号であるモデルID1901、対象設備を特定する種別ID1902、説明変数1903、及び関数形態1904の各項目を備えている。説明変数1903は、対応する機器種別に関し、環境劣化に影響する主要な因子を列挙してなる。図18の例では、種別ID1902が「架線」である場合、劣化に影響する主要な要因として、風速及び温度差があげられている。関数形態1904の項目には、説明変数1903で列挙された因子が設備の劣化とどのように関連付けられるかを、関数形態で示している。図18の例では、架線の劣化は、作用する風速と温度差との積の累積に対応して進行することが記録されている。

0050

次に、本実施形態で実行される処理について説明する。図20は本実施形態を実現するフローチャートの一例を示したものである。図20のフローチャートの基本構成は第1実施形態の場合と同様であるが、周辺設備情報1306及び環境劣化モデル1310を利用する処理の部分が異なる。以下には、この相違部分についてのみ説明する。なお、本実施形態の場合、第1実施形態の処理において環境情報抽出部115が対象設備に対応する環境情報109の取得を試みた結果、該当する環境情報109を取得することができなかったという事象前提となる。

0051

図20を参照すると、S504の時間刻み設定に続いて、計算管理部102は、周辺設備検出部1303を介して予測計算対象となっている地上設備の線区IDとキロ程とに基づいて、周辺にある最も近い他の地上設備の設備ID1701及び種別ID1704を、周辺設備情報テーブル1304から抽出する(S1401)。次いで、環境劣化モデル取得部1307は、取得した周辺設備について、環境情報を推定するための環境劣化モデル1310を、環境劣化モデルテーブル1308から取得する(S1402)。例えば、ある線区の特定箇所にある線路について劣化予測を実行しようとして、対応する環境情報が得られなかったとする。この場合、周辺設備検出部1303は、その周囲にある他の地上設備を周辺設備情報テーブル1304で検索する。その結果、例えば設備として架線が抽出されたとすると、環境劣化モデル取得部1307は、環境劣化モデルテーブル1308から架線に該当する環境劣化モデル(図19ではモデルID「M01」)を取得する。

0052

次に、環境情報推定ステップであるS1403では、環境情報推定部1302が、取得した環境劣化モデル1310を使い、その設備の劣化状況をもとに、劣化予測対象の地上設備に関する環境成分の劣化を推定する。具体的には、最初に劣化予測をしようとしてい
る設備の種別IDを参照し、劣化を予測する説明変数を特定する。図19の例では、対象の設備が線路であれば、説明変数は温度差である。一方、すでに取得している周辺設備が架線であるとすれば、図19より説明変数は風速及び温度差である。他の地上設備である架線について劣化予測計算がされていれば、その出力値図19の関数形態1904で規定されているように、風速と温度差との積の累積値である。したがって、得られている劣化予測計算値から風速による成分を除外した残りが、温度差の寄与分となる。したがって、架線に関する温度差と劣化度合いとの関係が既知であるから、線路の劣化予測に必要な温度差という環境情報が逆算できるのである。このことは、図11に例示した環境負荷と輸送負荷との総合負荷による劣化予測結果を、環境劣化の因子の総和に置き換えると容易に理解できるであろう。図20の処理フロー例では、以降、この環境情報を用いて対象設備の環境負荷計算を実行して予測計算を完了させることができる。

0053

以上説明したように、本実施形態によれば、劣化予測計算対象の地上設備関する環境情報が直接的に取得できない場合であっても、近隣の他の設備に関して算出された劣化度合いを利用して必要な環境情報を逆推定することができ、もって所望の設備の劣化予測計算を実行することができる。

0054

以上のように、本発明の実施形態によれば、保守対象設備が設置されている環境等の影響を加味して鉄道地上設備の劣化を適切に予測することが可能となる。また、劣化予測の対象である設備についての環境情報が得られない場合であっても、周辺の他の設備に関する劣化予測結果から、必要な環境情報を推定することができ、もって劣化予測処理を実行することができる。

0055

本発明の技術的範囲は上記の実施形態に限定されることはなく、他の変形例、応用例等も、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内に含まれるものである。

0056

1保守支援システム100保守支援装置
102 計算管理部103設定入力部 104結果出力部
105環境負荷推定部 112点検情報テーブル
113環境情報テーブル117変換情報テーブル
601総合負荷推定部 602輸送負荷推定部
603輸送情報テーブル 901列車挙動推定部
1103業務情報テーブル1106業務負荷推定部
1302環境情報推定部 1304周辺設備情報テーブル
1308環境劣化モデルテーブル

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