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技術 生体情報読取装置

出願人 シナノケンシ株式会社学校法人中央大学
発明者 中村浩行土肥徹次工藤耕太
出願日 2016年4月19日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2016-083812
公開日 2016年12月8日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-202908
状態 特許登録済
技術分野 脈拍・心拍・血圧・血流の測定
主要キーワード 微小出力 装着用具 ディジタル演算回路 センサ接触 ソフトウェア演算 センサ波形 汎用部品 脈波検出センサ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月8日)のものです。
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図面 (12)

課題

人体に装着して常時連続して生体情報である脈波信号を取得可能であり、かつ体動等による外乱の影響をできるだけ除去して高精度な測定が可能な生体情報読取装置を提供する。

解決手段

生体情報読取装置は、生体からの生体信号を取得する生体信号取得部と、生体信号取得部が取得した生体信号に重畳する外乱成分を除去する外乱除去部と、外乱除去部が外乱を除去した生体信号に基づいて生体情報を演算する生体情報演算部と、を具備し、生体信号取得部は多軸圧力センサであり、多軸圧力センサの圧力検出軸の方向成分がそれぞれ異なる。

概要

背景

従来、血圧測定方法として、オシロメトリック法トノメトリ法が知られている。オシロメトリック法は、上腕手首カフを巻いて、血管を圧迫し、一旦血液の流れを止めてから、カフの圧力をゆるめて減圧していく過程で、心臓脈動同調した血管壁振動を反映したカフ圧チェックして血圧値を測定するものである。このカフを用いるオシロメトリック法による血圧測定は、非観血かつ非侵襲であり近年では機械による自動測定も可能となっており、気軽に血圧測定を行うことができる。しかし、血圧測定用の装置は携行用途としては大きい上に測定に必要な時間も数十秒〜1分と長く、更に血圧測定の間は安静にしていなくてはならないため、血圧測定の頻度日常生活に支障を来してしまう問題がある。

トノメトリ法は、動脈偏平接触圧をもつセンサを押し当てて、そのセンサに抗して脈動する動脈の内圧の変動を測定して血圧値を得る方法である。トノメトリ法での血圧測定の概念図を図11に示す。人間の手首附近断面模式図であり、撓骨の上に撓骨動脈があり、その直上の皮膚の上にセンサアレイが載置されている様子を意味する。センサアレイは一般に平面状であり、これを皮膚に押圧する際にはセンサ接触面と対向する皮膚も平面状に押し広げられる。

センサアレイには、複数のセンサがその名のとおりアレイ状に配置されており、撓骨動脈直上附近のセンサが動脈の脈波を最も広いダイナミックレンジで捉えることができる。よって、センサアレイがある程度以上の大きさであれば、血管の位置を大まかに把握してセンサアレイを装着し、各センサから得られた信号のうち最もダイナミックレンジの大きなものを採用すれば良い。

概要

人体に装着して常時連続して生体情報である脈波信号を取得可能であり、かつ体動等による外乱の影響をできるだけ除去して高精度な測定が可能な生体情報読取装置を提供する。生体情報読取装置は、生体からの生体信号を取得する生体信号取得部と、生体信号取得部が取得した生体信号に重畳する外乱成分を除去する外乱除去部と、外乱除去部が外乱を除去した生体信号に基づいて生体情報を演算する生体情報演算部と、を具備し、生体信号取得部は多軸圧力センサであり、多軸圧力センサの圧力検出軸の方向成分がそれぞれ異なる。

目的

本発明は、人体に装着して常時連続して生体情報である脈波信号を取得可能であり、かつ体動等による外乱の影響をできるだけ除去して高精度な測定が可能な生体情報読取装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

生体情報読取を行う生体情報読取装置であって、生体からの生体信号を取得する生体信号取得部と、前記生体信号取得部が取得した生体信号に重畳する外乱成分を除去する外乱除去部と、前記外乱除去部が外乱を除去した前記生体信号に基づいて生体情報を演算する生体情報演算部と、を具備し、前記生体信号取得部は多軸圧力センサであり、該多軸圧力センサの圧力検出軸の方向成分がそれぞれ異なる、ことを特徴とする生体情報読取装置。

請求項2

生体情報読取を行う生体情報読取装置であって、生体からの生体信号を取得する生体信号取得部と、前記生体信号取得部が取得した生体信号に重畳する外乱成分を除去する外乱除去部と、前記外乱除去部が外乱を除去した前記生体信号に基づいて生体情報を演算する生体情報演算部と、を具備し、前記生体信号取得部は複数の単軸圧力センサである、ことを特徴とする生体情報読取装置。

請求項3

生体情報読取を行う生体情報読取装置であって、生体からの生体信号を取得する生体信号取得部と、前記生体信号取得部が取得した生体信号に重畳する外乱成分を除去する外乱除去部と、前記外乱除去部が外乱を除去した前記生体信号に基づいて生体情報を演算する生体情報演算部と、を具備し、前記生体信号取得部は多軸圧力センサと単軸圧力センサであり、該多軸圧力センサの圧力検出軸の方向成分がそれぞれ異なる、ことを特徴とする生体情報読取装置。

請求項4

請求項1から3のいずれか1項に記載の生体情報読取装置であって、前記外乱除去部は、前記多軸圧力センサまたは前記単軸圧力センサの血管直上位置よりのずれによる影響と生体の動きである体動の影響とのうち1つまたは両方を除去することを特徴とする生体情報読取装置。

請求項5

請求項1から4のいずれか1項に記載の生体情報読取装置であって、前記生体情報演算部は、安定側脈波より得られる1拍分の側脈波信号中の特徴点であるStarting Point、Percussion Wave、Tidal Wave、Dicrotic Wave のそれぞれを起点とした相互の時間間隔および前後の側脈波信号中の特徴点との時間間隔のうち少なくとも1つを側脈波循環動態値として採用し生体情報を演算する側脈波循環動態演算部を有する、ことを特徴とする生体情報読取装置。

請求項6

請求項5に記載の生体情報読取装置であって、前記側脈波循環動態演算部は、安定側脈波信号の一次微分を行う速度側脈波演算部を有し、該速度側脈波のゼロクロス点より、Starting Point、Percussion Wave、Tidal Wave、Dicrotic Wave情報を取得することを特徴とする生体情報読取装置。

請求項7

請求項1から6のいずれか1項に記載の生体情報読取装置であって、前記多軸圧力センサまたは前記単軸圧力センサは、MEMS式センサであることを特徴とする生体情報読取装置。

請求項8

請求項1から6のいずれか1項に記載の生体情報読取装置であって、前記多軸圧力センサまたは前記単軸圧力センサは、静電容量式センサであることを特徴とする生体情報読取装置。

技術分野

0001

本発明は、圧力センサ生体信号としての脈波を読み取る生体情報読取装置に関する。特に脈波波形によって血圧を測定する生体情報読取装置に関する。

背景技術

0002

従来、血圧測定方法として、オシロメトリック法トノメトリ法が知られている。オシロメトリック法は、上腕手首カフを巻いて、血管を圧迫し、一旦血液の流れを止めてから、カフの圧力をゆるめて減圧していく過程で、心臓脈動同調した血管壁振動を反映したカフ圧チェックして血圧値を測定するものである。このカフを用いるオシロメトリック法による血圧測定は、非観血かつ非侵襲であり近年では機械による自動測定も可能となっており、気軽に血圧測定を行うことができる。しかし、血圧測定用の装置は携行用途としては大きい上に測定に必要な時間も数十秒〜1分と長く、更に血圧測定の間は安静にしていなくてはならないため、血圧測定の頻度日常生活に支障を来してしまう問題がある。

0003

トノメトリ法は、動脈偏平接触圧をもつセンサを押し当てて、そのセンサに抗して脈動する動脈の内圧の変動を測定して血圧値を得る方法である。トノメトリ法での血圧測定の概念図を図11に示す。人間の手首附近断面模式図であり、撓骨の上に撓骨動脈があり、その直上の皮膚の上にセンサアレイが載置されている様子を意味する。センサアレイは一般に平面状であり、これを皮膚に押圧する際にはセンサ接触面と対向する皮膚も平面状に押し広げられる。

0004

センサアレイには、複数のセンサがその名のとおりアレイ状に配置されており、撓骨動脈直上附近のセンサが動脈の脈波を最も広いダイナミックレンジで捉えることができる。よって、センサアレイがある程度以上の大きさであれば、血管の位置を大まかに把握してセンサアレイを装着し、各センサから得られた信号のうち最もダイナミックレンジの大きなものを採用すれば良い。

先行技術

0005

特開2011−239840号公報
特開2005−253865号公報
特開2007−007075号公報

発明が解決しようとする課題

0006

特許文献1(特開2011−239840号公報)は、3軸圧力センサを利用して既存のトノメトリ法のセンサの押圧方向を補正する技術が開示されている。しかし、測定装置の装着自由度の向上や測定安定度の向上などについては示唆がなく、連続して安定した血圧測定を行う環境を産み出すものとなっていない。

0007

また、特許文献2(特開2005−253865号公報)には、生体情報取得センサとは別に加速度センサを設けて、体動を検知する技術が開示されている。しかしながら、体動が検知できたとしても体動時の脈波波形を無効と取扱うだけであれば、常時体を動かすような状況(スポーツなど)では利用できないこととなり、連続した血圧測定の要求に応えることができない。

0008

また、異なる例として特許文献3(特開2007−007075号公報)によって、脈波から血圧値を演算する技術が開示されている。しかしながら、脈波が安定して取得できることが前提での演算であり、日常生活を送る人間の脈波を取得するのが困難であるという事情を一切考慮しておらず、やはり連続した血圧測定の要求に応えることができない。

0009

このように、従来の技術では、疾病の重要な予測要因であり且つ周囲環境や身体・精神状態により短期突発的に生ずる血圧変動を精度よく捉えることができない。このため、体動があってもこれらの外乱を除去してさらなる高精度な測定が可能な方法が求められている。

0010

本発明は、人体に装着して常時連続して生体情報である脈波信号を取得可能であり、かつ体動等による外乱の影響をできるだけ除去して高精度な測定が可能な生体情報読取装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

本発明の第一の側面は、生体情報読取を行う生体情報読取装置であって、生体からの生体信号を取得する生体信号取得部と、生体信号取得部が取得した生体信号に重畳する外乱成分を除去する外乱除去部と、外乱除去部が外乱を除去した生体信号に基づいて生体情報を演算する生体情報演算部と、を具備し、生体信号取得部は多軸圧力センサであり、多軸圧力センサの圧力検出軸の方向成分がそれぞれ異なる、ことを特徴とする。

0012

本発明の他の側面は、生体情報読取を行う生体情報読取装置であって、生体からの生体信号を取得する生体信号取得部と、生体信号取得部が取得した生体信号に重畳する外乱成分を除去する外乱除去部と、外乱除去部が外乱を除去した生体信号に基づいて生体情報を演算する生体情報演算部と、を具備し、生体信号取得部は複数の単軸圧力センサである、ことを特徴とする。

0013

また、本発明の他の側面は、生体情報読取を行う生体情報読取装置であって、生体からの生体信号を取得する生体信号取得部と、生体信号取得部が取得した生体信号に重畳する外乱成分を除去する外乱除去部と、外乱除去部が外乱を除去した生体信号に基づいて生体情報を演算する生体情報演算部と、を具備し、生体信号取得部は多軸圧力センサと単軸圧力センサであり、多軸圧力センサの圧力検出軸の方向成分がそれぞれ異なる、ことを特徴とする。

0014

なお、外乱除去部は、多軸圧力センサまたは単軸圧力センサの血管直上位置よりのずれによる影響と生体の動きである体動の影響とのうち1つまたは両方を除去することができる。

0015

なお、前記生体情報演算部は、安定側脈波より得られる1拍分の側脈波信号中の特徴点であるStarting Point、Percussion Wave、Tidal Wave、Dicrotic Wave のそれぞれを起点とした相互の時間間隔および前後の側脈波信号中の特徴点との時間間隔のうち少なくとも1つを側脈波循環動態値として採用し生体情報を演算する側脈波循環動態演算部を有する、ことができる。

0016

また、前記側脈波循環動態演算部は、安定側脈波信号の一次微分を行う速度側脈波演算部を有し、該速度側脈波のゼロクロス点より、Starting Point、Percussion Wave、Tidal Wave、Dicrotic Wave情報を取得することができる。

0017

また、前記多軸圧力センサまたは前記単軸圧力センサは、MEMS式センサであり、あるいは静電容量式センサであることができる。

発明の効果

0018

本発明により、高精度で連続した脈波信号の測定が実現でき、結果として常時連続した生体情報取得が可能となる。

図面の簡単な説明

0019

本発明の一実施形態の脈波波形取得装置の構成を示すブロック図である。
本発明の第一の実施形態の概念を示す図である。
本発明の第一の実施形態のセンサの配置を示す図である。
本発明の第一の実施形態の信号処理の概念を示す図である。
本発明の第二の実施形態のセンサの配置を示す図である。
本発明の第二の実施形態の脈波波形取得装置の構成を示すブロック図である。
本発明の第二の実施形態の体動の影響によるセンサが検出する力を説明する図である。
本発明の第二の実施形態の信号処理を説明する図である。波形aは、脈波検出センサ出力波形、波形bは、慣性力検出センサの出力波形、波形cは、較正後の出力波形を示す。
体位による血圧の変化を示す図である。
脈波立ち上がり時間と血圧値の相関を示す図である。
センサアレイを用いる従来技術を示す図である。

実施例

0020

以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。

0021

詳細な説明の前に、本明細書内で共通の事項について説明する。
本発明において、側脈波とは、血管の圧力で検出した脈波をいい、安定側脈波とは、センサの位置ズレ及び体動の影響が除去された側脈波を意味するものとする。

0022

図1は、本発明の第一の実施形態の生体情報としての脈波取得装置の構成を示すものである。この脈波取得装置は、図1に示すように、人体の脈波を取得する検出部のセンサとして、直交するX,Y,Zの3軸方向の圧力を検出する直交3軸圧力センサ11を備えたものである。直交3軸圧力センサ(以下3軸圧力センサという)は、弾性体12を介して装着体13に取り付けられる。装着体13は、3軸圧力センサ11を測定すべき人体の手首の撓骨動脈の近傍の皮膚に密着するように押し当てるためのものである。図2は、装着体13に3軸圧力センサ11が取り付けられた状態を示すものである。装着体13は、人体の手首の皮膚に3軸圧力センサ11を接触させることができる湾曲した樹脂構造のものであり、その平坦内面部分に3軸圧力センサ11が取り付けられて、3軸圧力センサを手首に固定できる。3軸圧力センサ11の装着体13への取り付けは、3軸圧力センサ11が皮膚に適切な圧力で押し当てられるように、弾性体12を介して取り付けられている。

0023

装着体13は、従来の一方が開口して、手首に嵌めて3軸圧力センサ11を手首の皮膚に押し当てて固定するために、手首にはめたときに固定するためのバンドを備えている。この手首への固定構造は、脈波を取得するために手首に嵌める従来のカフと機能としては変わらない。また、装着体13はカフと同様に柔軟な素材のたとえば布製のものでもよく、3軸圧力センサ11を適切な圧力で皮膚に接することができる構造であればよい。

0024

図1は、本実施の形態の脈波読取装置のブロック構成を示すものである。本実施形態の脈波読取装置は、装着体13に取り付けられた3軸圧力センサ11の検出出力が入力され、検出した3軸の圧力情報から外乱を除去して脈波波形や血圧を演算する信号処理部21、信号処理部21で血圧を演算するためのパラメータ演算式等の情報、演算結果の波形データや3軸圧力センサ11からのデータ等を記憶する記憶部22、取得した脈波波形や脈波から推定演算した血圧情報を表示し、あるいは操作指示等の操作情報を表示する表示部23、検出開始や終了等の操作情報を入力する操作部24を備える。
3軸圧力センサは、請求項でいう生体信号取得部に相当し、信号処理部21、記憶部22は、請求項でいう外乱除去部および生体情報を演算する生体情報演算部に相当し、脈波読取装置は生体情報読取装置に相当する。
ここで、表示部23、操作部24は一体化してもよい。たとえば操作入力タッチパネル方式入力方式とすれば、表示と操作入力とを一体化できる。

0025

信号処理部21、記憶部22、表示部23、操作部24は、装着体13とは別の筐体収納することができるが、小型化した場合には、装着体13に設けてもよい。また、筐体には、図示しないが、脈波取得装置を動作させる電源を有する。電源は、電池を用いてもよいし、商用電源から取得してもよい。

0026

この脈波読取装置は、図示しない外部インタフェースを備えており、信号処理部21の出力は、図示しない外部インタフェースを介して、外部の装置に出力することができる。外部インタフェースは、脈波読取装置を患者モニタ装置として用いる場合、あるいは運動時の脈波波形を取得する等、外部装置で脈波波形を収集する場合に使用することができる。

0027

図2は、本実施形態の脈波読取装置で取得する脈波の測定原理を説明する図である。手首の撓骨動脈の近傍の皮膚表面に3軸圧力センサ11を置き、XYZの3軸方向の圧力を検出する。Z軸方向が手首の皮膚表面の上方向、すなわち、動脈圧が皮膚方向に押す方向であり、X軸方向は、手首の横方向、Y軸方向は手首の縦方向になる。

0028

外乱の除去について図3図4を用いて説明する。
上述のようにセンサとして3軸圧力センサを1つ用い、外乱として体動によって取得する脈波波形が乱れるものを想定している。
図3にある通り、3軸圧力センサ11が撓骨動脈の直上に配置されている。このとき、X軸方向に体動が発生したものとする。3軸圧力センサ11の脈波波形信号として、Z軸センサ信号とX軸センサ信号とに着目する。Z軸センサ信号は脈波波形取得に適しており、X軸センサ信号はX方向の体動成分取得に適している。

0029

そこで、図4に示すように、3軸圧力センサの出力信号のうち、Z軸センサの出力とX軸センサの出力を演算増幅器211に入力して、X軸方向で生じた体動成分を除去する。これにより、図4に示すように演算増幅器211の出力信号から体動成分を除去することができる。

0030

脈波は血流増減によって発生するので血管断面を基準に見ると径方向伸縮する態様となり、血管の中心から外側へ略等方向の圧力波が発生することになる。よって、血管至近の皮膚上においては3軸圧力センサのうちのZ軸成分に強く脈波が圧力波として捉えられることとなるが、絶対値は相対的に小さくなるもののX軸センサやY軸センサにも脈波成分が含まれることになる。

0031

なお、上述の説明では、説明を簡略にするためY軸については省いたが、当然Y軸センサの信号も加味すればより良いものとなる。
また、図4の説明では、Z軸センサ信号からX軸センサ信号の成分除去をアナログ回路の演算増幅器で実現する例で説明したが、信号処理部21内での外乱除去、脈波波形から血圧値を演算する等の信号処理を、ディジタル演算回路で実現できることはいうまでもない。

0032

なお、このようにZ軸センサ以外にX軸やY軸のセンサにも脈波成分が重畳するので、これら各軸のセンサ信号を合成またはハードウェアソフトウェア演算することにより3軸圧力センサが必ずしも血管の直上に位置しなくても安定側脈波を取得することが可能であり、センサアレイ方式と同様の配置自由度を享受できる。また、X軸およびY軸のセンサ波形より3軸圧力センサの適正な配置位置が判るので、センサの波形を見ながら適正な位置を探し出すことも可能となる。
センサ適正位置探索には、音量音波長や光量・光波長の変化によりガイドする方法が好適である。

0033

3軸圧力センサとしては、具体的にはマイクロマシンと称されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を用いたものや静電容量方式のものなどが適用可能である。

0034

本実施形態の説明は、センサ出力のような微小出力信号の増幅同相ノイズ除去性能に優れる演算増幅器を用いた回路を一例としたが、反転非反転増幅回路トランジスタを用いた増幅回路や、さらにはフィルタ回路を追加した場合であっても実現可能である。

0035

上述の第一の実施の形態の説明は、ひとつの3軸圧力センサを用いた場合について説明してきたが、これ以外の方式も可能であることを図5から図8を参照しながら説明する。

0036

図5図3と略同じであるが、第二の実施の形態として、センサとして3軸圧力センサを2つ用い、ひとつは、脈波検出用のセンサとして撓骨動脈直上に配置し、もうひとつは、体動があったときの慣性力検出用のセンサとして、血管の近傍に配置される。

0037

図6は、ふたつのセンサを用いた第二の実施の形態の脈波波形読取装置の構成を示すブロック図である。センサとして、脈波検出センサ112と、体動を検出する体動検出用の慣性力検出センサ113とを用いる。他の構成は第一の実施の形態と同じであるので説明は省略する。

0038

図7は、脈波検出センサ112と慣性力検出センサ113に働く力をベクトル表示したものである。脈波検出センサ112は、撓骨動脈の血圧と、体動によって脈波検出センサ112に働く慣性力とが合成された力を検出する。慣性力検出センサ113は、撓骨動脈の血圧は働かず、慣性力のみを検出する。このため、下記の式で表すように、脈波検出センサ112の出力から慣性力検出センサ113で検出した出力を引くことで、脈波検出センサ112が出力する脈波波形に加わる体動によって生ずる慣性力による外乱(ノイズ)を除去することができる。
血圧脈波=脈波検出センサ(血圧脈波+慣性力)−慣性力検出センサ(慣性力)

0039

図8は、体動として、手首をX軸方向(左右に水平)に動かしたときの、脈波検出センサ112のZ軸成分波形と、慣性力検出センサ113のZ軸成分波形と、慣性力について較正した波形を示すものである。図8の波形aは、脈波検出センサ112の出力波形、図8の波形bは、慣性力検出センサ113の出力波形、図8の波形cは、較正後の波形を示している。
このように、脈波検出センサの近傍に慣性力検出センサを配置して、脈波検出センサの出力から慣性力検出センサからの出力を引く処理を行うことで、体動によってセンサに働く慣性力による脈波波形のばらつきを低減できる。

0040

上述の第二の実施形態は、第一の実施形態の例と同じくZ軸方向に加わる場合を示すものであった。
脈波検出センサ112は血管直上に配置され、慣性力検出センサ113は脈波検出センサ112と異なる位置に配置するが、慣性力検出センサ113と脈波検出センサ112との相互の位置関係は直接的に規定されないようにする。具体的には、装着用具などで2つのセンサの相互位置を固定せず、各センサ個別に絆創膏状のもので装着するなどする。要するに、皮膚の弾性を失わないように取扱うということである。
また、上述の脈波検出センサ112、慣性力検出センサ113として、3軸圧力センサを用い、Z軸方向の圧力のみを用いて脈波波形取得と体動による除去を行ってもよい。また、3軸圧力センサをふたつ用い、各センサの各軸成分を利用して、各軸ごとに体動除去を行うとさらによい。
また、慣性力検出センサ113として、単軸圧力センサを用い、脈波検出センサ112の3軸成分と、慣性力検出センサ113の単軸成分とを利用することで、脈波波形の取得と体動成分の除去とを行うことも可能である。
この場合、慣性力検出センサ113の検出方向を特定の利用状況特化して設計することにより、体動成分の除去に好適である。たとえば、テニスラケットボールを打つ状況下では、腕における体動はZ軸方向になるので、単軸圧力センサの検出方向をZ軸と平行にするとよい。ランニング状況下では、腕における体動はX軸方向になるので、単軸圧力センサの検出方向をX軸と平行にするとよい。ボクシングジャブを繰り出す状況下では、腕における体動はY軸方向になるので、単軸圧力センサの検出方向をY軸と平行とするとよい。
また、単軸圧力センサの検出方向は必ずしもX・Y・Z軸のいずれかと平行とする必要はなく、任意の利用状況に応じて適宜設定可能なようにしてもよい。

0041

また、第一の実施の形態と同じく、波形処理方法として、アナログ回路の演算増幅器を用い、この演算増幅器に、脈波検出センサ112と慣性力検出用センサ113の出力を入力して脈波検出センサの検出波形から慣性力検出センサの検出波形との差分をとる波形処理を行うことで、体動による外乱の影響を低減することが可能である。

0042

なお、脈波検出センサ112と慣性力検出センサ113の相互位置関係を規定するものは皮膚の状態が支配要因となる。センサアレイ方式ではセンサの存在する部分は皮膚表面に一定の圧力で押圧されるので皮膚の弾性が失われてしまい、血管直上の脈波由来の圧力波も減衰してしまう。よってセンサアレイ方式では押圧する圧力が一定になるよう厳密に管理する必要があるが、Z軸方向の体動があるとセンサを一定の圧力で押圧できなくなってしまい、その間は脈波波形を取得できない。特にセンサアレイ方式のセンサは通常の圧力センサと比較して質量が大きいので体動に伴う振動も過大になり、結果として安定した脈波取得が困難となる。
その点、本発明の方式だと軽量小型の圧力センサを複数(2つ以上)使用することで効果的に体動信号を除去できる。

0043

ここまで外乱として体動の除去について説明してきたが、改めて体動の影響度の大きさについて説明する。
図9は体位によって手首の血圧がどのように変化するかを測定した結果についてである。同じ手首であっても姿勢により131mmHgから96mmHgの違いがあった。これは、血圧は姿勢によって大きく変動しており、体動の無い安静な状態での血圧測定が実際の血圧変動を反映できていないということを意味する。
このことより、どのような姿勢であっても血圧をきちんと測定できることの重大性が判る。

0044

さらに、脈波波形と血圧の関係について説明する。
脈波波形の特徴が血圧と相関があることは詳細に本明細書内で記載することはしないが、発明者自身の実験では一定の精度で図10のような相関があることが分かっており、相関があること自体は一般論として事実である。
請求の範囲に記載の生体情報演算部はこのような脈波波形から血圧値を演算する作業を行うものである。

0045

ここで、脈波波形の形状と、その波形解析について説明する。
圧力センサで検出された一拍の側脈波信号は、波形立ち上がり位置を「Starting Point」、第一のピークを「Percussion Wave」、第二のピークを「Tidal Wave」、第三のピークを「Dicrotic Wave」という。脈波波形の解析は、これらの特徴点を基点として相互の時間間隔および前後の側脈波信号中の特徴点との時間間隔を側脈波循環動態値として採用し、脈波波形のパラメータを抽出して、脈波波形解析を行っている。
さらに、この脈波波形解析では、取得した安定側脈波信号の一次微分を行うことで、速度側脈波を得て、その速度側脈波のゼロクロス点より、「Starting Point」、「Percussion Wave」、「Tidal Wave」、「Dicrotic Wave」情報を取得できる。
さらには、速度側脈波を微分することで、加速度側脈波を得て脈波波形解析を行うこともできる。
これらの取得した脈波信号により、血圧測定ができ、また、波形解析により血圧値だけでなく、血管の硬さの程度、心臓疾患診断等ひとの健康状態の判断に資することが可能となっている。

0046

以上、本発明について好適な実施例を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない限り多くの改変を施すことが可能であるのは勿論である。

0047

量産可能な圧力センサおよび汎用部品より構成されたアナログ回路、あるいはディジタル回路を用いて血圧測定を行うことができ、身体の異変予兆の把握などの作業の効率を向上させるなどの効果を有している。

0048

11…3軸圧力センサ
112…脈波検出センサ
113…慣性力検出センサ
12…弾性体
13…装着体
21…信号処理部
211…演算増幅器
22…記憶部
23…表示部
24…操作部

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