図面 (/)

技術 トランスデューサ用可撓性シート

出願人 バンドー化学株式会社
発明者 加藤秀之大高秀夫野中敬三
出願日 2016年8月9日 (3年6ヶ月経過) 出願番号 2016-156607
公開日 2016年12月1日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2016-201995
状態 特許登録済
技術分野 特殊な電動機、発電機 超音波モータ、圧電モータ、静電モータ
主要キーワード 平面視ドーナツ状 導電エラストマー 剛性フレーム 略同一厚 導電性金属フィラー 誘電性フィラー 絶縁性オイル 弾性基材
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月1日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (8)

課題

柔軟性及び安定性に優れるトランスデューサ用可撓性シートの提供を目的とする。

解決手段

本発明のトランスデューサ用可撓性シートは、軟化剤を含む弾性基材及び導電性フィラーを有する導電エラストマー層と、軟化剤を含む弾性基材を有する誘電エラストマー層とを備え、前記導電エラストマー層の一方の面に前記誘電エラストマー層が積層された積層体を含むトラスデューサ用可撓性シートであって、前記積層体は、幅:10mm、長さ:50mmの試験片を作製し、前記試験片を50℃で5時間放置したときの前記幅の減少が12%未満であることを特徴とする。

概要

背景

トランスデューサには、機械エネルギー電気エネルギーとの変換を行うアクチュエータジェネレータ等がある。小型で軽量なトランスデューサを構成するためには、誘電エラストマー層導電エラストマー層とを備えるトランスデューサ用可撓性シートが用いられている。

このトランスデューサ用可撓性シートにあっては、誘電エラストマー層は、電気抵抗が高く、絶縁破壊電圧が高いことが望まれ、さらに容易に変形するよう軟質であることが望まれる。また、導電エラストマー層は、ヒステリシスロスが少なく十分な導電性を有するとともに誘電エラストマー層の変形に追従可能な程度に軟質であることが望まれる(特開2010−153364号公報参照)。

この誘電エラストマー層及び導電エラストマー層を軟質とするために、誘電エラストマー層が有する弾性基材及び導電エラストマー層が有する弾性基材に軟化剤を含有させることが考えられる。しかし、誘電エラストマー層の弾性基材に軟化剤を多量に含有させると、誘電エラストマー層の弾性基材中の軟化剤が導電エラストマー層に移行し、その結果、導電エラストマー層が膨潤して皺が生じたり、導電エラストマー層の電気抵抗が上昇してしまう等の不都合が生じる。逆に、導電エラストマー層の弾性基材に軟化剤を多量に含有させると、導電エラストマー層の弾性基材中の軟化剤が誘電エラストマー層に移行してしまい、導電エラストマー層の弾性率が高くなり、誘電エラストマー層の変形を阻害してしまい、トランスデューサの機能低下を招くおそれがある。

また、上記のようなトランスデューサ用可撓性シートは、予め形成された誘電エラストマー層に、溶剤に溶解された導電エラストマー層形成材料を塗工することによって製造されている。しかし、このような製造方法では、導電エラストマー層形成材料の溶剤によって誘電エラストマー層が膨潤してしまい、製品に皺が発生したり、誘電エラストマー層の軟化剤などの添加物溶媒溶け出し、誘電エラストマー層の機能低下を招くおそれがある。

概要

柔軟性及び安定性に優れるトランスデューサ用可撓性シートの提供を目的とする。本発明のトランスデューサ用可撓性シートは、軟化剤を含む弾性基材及び導電性フィラーを有する導電エラストマー層と、軟化剤を含む弾性基材を有する誘電エラストマー層とを備え、前記導電エラストマー層の一方の面に前記誘電エラストマー層が積層された積層体を含むトラスデューサ用可撓性シートであって、前記積層体は、幅:10mm、長さ:50mmの試験片を作製し、前記試験片を50℃で5時間放置したときの前記幅の減少が12%未満であることを特徴とする。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、柔軟性及び安定性に優れるトランスデューサ用可撓性シート、並びにトランスデューサ用可撓性シートの製造方法の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

軟化剤を含む弾性基材及び導電性フィラーを有する導電エラストマー層と、軟化剤を含む弾性基材を有する誘電エラストマー層とを備え、前記導電エラストマー層の一方の面に前記誘電エラストマー層が積層された積層体を含むトラスデューサ用可撓性シートであって、前記積層体は、幅:10mm、長さ:50mmの試験片を作製し、前記試験片を50℃で5時間放置したときの前記幅の減少が12%未満であることを特徴とするトランスデューサ用可撓性シート。

請求項2

前記幅の減少が5%未満である請求項1に記載のトランスデューサ用可撓性シート。

技術分野

0001

本発明は、トランスデューサ用可撓性シート及びトランスデューサ用可撓性シートの製造方法に関する。

背景技術

0002

トランスデューサには、機械エネルギー電気エネルギーとの変換を行うアクチュエータジェネレータ等がある。小型で軽量なトランスデューサを構成するためには、誘電エラストマー層導電エラストマー層とを備えるトランスデューサ用可撓性シートが用いられている。

0003

このトランスデューサ用可撓性シートにあっては、誘電エラストマー層は、電気抵抗が高く、絶縁破壊電圧が高いことが望まれ、さらに容易に変形するよう軟質であることが望まれる。また、導電エラストマー層は、ヒステリシスロスが少なく十分な導電性を有するとともに誘電エラストマー層の変形に追従可能な程度に軟質であることが望まれる(特開2010−153364号公報参照)。

0004

この誘電エラストマー層及び導電エラストマー層を軟質とするために、誘電エラストマー層が有する弾性基材及び導電エラストマー層が有する弾性基材に軟化剤を含有させることが考えられる。しかし、誘電エラストマー層の弾性基材に軟化剤を多量に含有させると、誘電エラストマー層の弾性基材中の軟化剤が導電エラストマー層に移行し、その結果、導電エラストマー層が膨潤して皺が生じたり、導電エラストマー層の電気抵抗が上昇してしまう等の不都合が生じる。逆に、導電エラストマー層の弾性基材に軟化剤を多量に含有させると、導電エラストマー層の弾性基材中の軟化剤が誘電エラストマー層に移行してしまい、導電エラストマー層の弾性率が高くなり、誘電エラストマー層の変形を阻害してしまい、トランスデューサの機能低下を招くおそれがある。

0005

また、上記のようなトランスデューサ用可撓性シートは、予め形成された誘電エラストマー層に、溶剤に溶解された導電エラストマー層形成材料を塗工することによって製造されている。しかし、このような製造方法では、導電エラストマー層形成材料の溶剤によって誘電エラストマー層が膨潤してしまい、製品に皺が発生したり、誘電エラストマー層の軟化剤などの添加物溶媒溶け出し、誘電エラストマー層の機能低下を招くおそれがある。

先行技術

0006

特開2010−153364号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、柔軟性及び安定性に優れるトランスデューサ用可撓性シート、並びにトランスデューサ用可撓性シートの製造方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するためになされた発明は、
弾性基材及び導電性フィラーを有する導電エラストマー層と、上記導電エラストマー層の一方の面に積層され弾性基材を有する誘電エラストマー層とを備え、
上記導電エラストマー層の弾性基材及び上記誘電エラストマー層の弾性基材が軟化剤を含有し、
上記導電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合(a)と上記誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合(b)との差が10質量%以下であるトランスデューサ用可撓性シートである。

0009

当該トランスデューサ用可撓性シートは、上記構成を有することで、柔軟性及び安定性に優れる。当該トランスデューサ用可撓性シートが上記構成を有することで上記効果を奏する理由としては、上記導電エラストマー層の弾性基材及び誘電エラストマー層の弾性基材が軟化剤を含有することで柔軟性が向上すること、上記導電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合(a)と上記誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合(b)との差が10質量%以下であることで、軟化剤が導電エラストマー層と誘電エラストマー層との間を移行してそれぞれの物性が変化することを抑制でき、安定性に優れること等が考えられる。

0010

当該トランスデューサ用可撓性シートは、
上記導電エラストマー層の他方の面に積層される他の誘電エラストマー層をさらに備え、
上記他の誘電エラストマー層は、軟化剤を含有する弾性基材を有し、
上記他の誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合(b’)と上記軟化剤含有割合(a)との差が10質量%以下であることが好ましい。

0011

当該トランスデューサ用可撓性シートが上記構成を有することで、複数の当該トランスデューサ用可撓性シートを、交差して重ねあわせ、交互に蛇腹状に折り畳むことでトランスデューサ素子を得ることができる。具体的には、例えば一対の当該トランスデューサ用可撓性シートを、略直角に交差して重ねあわせ、交互に蛇腹状に折り畳むことでトランスデューサ素子を得ることができる。また、導電エラストマー層の他方の面に積層される他の誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合(b’)と上記軟化剤含有割合(a)との差が10質量%以下であることで、軟化剤が導電エラストマー層と他の誘電エラストマー層との間を移行しにくい。

0012

当該トランスデューサ用可撓性シートは、
上記誘電エラストマー層の一方の面に積層される他の導電エラストマー層をさらに備え、
上記他の導電エラストマー層は、軟化剤を含有する弾性基材及び導電性フィラーを有し、
上記他の導電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合(a’)と上記軟化剤含有割合(b)との差が10質量%以下であることが好ましい。

0013

当該トランスデューサ用可撓性シートが上記構成を有することで、誘電エラストマー層の両面にそれぞれ導電エラストマー層が積層された構造となるので、この両面の導電エラストマー層を電極として用いることで、トランスデューサ素子として好適に用いることができる。また、誘電エラストマー層の一方の面に積層される他の導電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合(a’)と上記軟化剤含有割合(b)との差が10質量%以下であることで、軟化剤が他の導電エラストマー層と誘電エラストマー層との間を移行しにくい。

0014

上記軟化剤含有割合(a)は、30質量%以上80質量%以下であり、上記軟化剤含有割合(b)は、30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。上記構成とすることで、当該トランスデューサ用可撓性シートの柔軟性をより向上させることができる。導電エラストマー層の弾性基材及び/又は誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合が80質量%を超えると、エラストマー層成型することが難しくなり、また、エラストマー層の絶縁性が低下してトランスデューサとしての機能が低下するおそれがある。一方、導電エラストマー層の弾性基材及び/又は誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤の含有割合が30質量%未満であると、エラストマー層の弾性率が高くなり、変形量が小さくなるので、トランスデューサとしての機能が低下するおそれがある。

0015

上記誘電エラストマー層は誘電性フィラーを含有することが好ましい。これにより、上記誘電エラストマー層の誘電率をより高めることができる。

0016

上記導電性フィラーはカーボンナノチューブであることが好ましい。導電エラストマー層がカーボンナノチューブを含有することで、上記導電エラストマー層の電気抵抗をより低下させ、導電性を向上させることができ、また、変形を繰り返しても導電性の低下を抑制することができる。

0017

本発明のトランスデューサ用可撓性シートの製造方法は、
一の離型フィルムに、軟化剤含有割合が30質量%以上80質量%以下の弾性基材を有する誘電エラストマー層を積層することで、第1シート体を形成する工程、
他の離型フィルムに、軟化剤含有割合が30質量%以上80質量%以下かつ上記誘電エラストマー層の軟化剤含有割合との差が10質量%以下の弾性基材及び導電性フィラーを有する導電エラストマー層を積層することで、第2シート体を形成する工程、及び
上記第1シート体と上記第2シート体とを、誘電エラストマー層と導電エラストマー層との対向状態で積層することで多層構造体を形成する工程
を有する。

0018

当該トランスデューサ用可撓性シートの製造方法によれば、従来の誘電エラストマー層に溶媒に溶解された導電エラストマー層形成材料を塗工する方法に比べて、誘電エラストマー層の弾性基材中の軟化剤が溶媒に溶け出すことがなく、容易且つ確実に当該トランスデューサ用可撓性シートを製造することができる。また、このように製造された当該トランスデューサ用可撓性シートは、導電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合と誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合との差が10質量%以下であるため、軟化剤が導電エラストマー層と誘電エラストマー層との間を移行しにくい。

0019

当該トランスデューサ用可撓性シートの製造方法は、
上記第1シート体を形成する工程において、複数枚の第1シート体を形成し、
上記多層構造体から第2シート体の離型フィルムを剥離する工程、及び
上記多層構造体から第2シート体の離型フィルムが剥離された積層体に、他の第1シート体を、誘電エラストマー層と導電エラストマー層との対向状態で積層する工程
をさらに有することが好ましい。

0020

これにより、導電エラストマー層の両面に誘電エラストマー層が積層されたトランスデューサ用可撓性シートを製造することができる。このようにして製造された複数のトランスデューサ用可撓性シートを、交差して重ねあわせ、交互に蛇腹状に折り畳むことでトランスデューサ素子を得ることができる。

0021

当該トランスデューサ用可撓性シートの製造方法は、
上記第2シート体を形成する工程において、複数枚の第2シート体を形成し、
上記多層構造体から第1シート体の離型フィルムを剥離する工程、及び
上記多層構造体から第1シート体の離型フィルムが剥離された積層体に、他の第2シート体を、導電エラストマー層と誘電エラストマー層との対向状態で積層する工程
をさらに有することが好ましい。

0022

これにより、誘電エラストマー層の両面に導電エラストマー層が積層されたトランスデューサ用可撓性シートを製造することができる。このようにして製造されたトランスデューサ用可撓性シートは誘電エラストマー層の両面の導電エラストマー層を電極として用いることで、トランスデューサ素子として好適に用いることができる。

0023

当該トランスデューサ用可撓性シートの製造方法は、上記多層構造体を形成する工程の前に、上記第2シート体を所定形状に裁断する工程をさらに有することが好ましい。これにより、導電エラストマー層を所望の大きさとした後に、この導電エラストマー層と誘電エラストマー層とを積層することができる。

0024

また、上記裁断する工程において、第1シート体よりも第2シート体が小さくなるよう裁断し、上記多層構造体を形成する工程において、上記第2シート体の導電エラストマー層が上記第1シート体の誘電エラストマー層からはみ出さないように積層されることが好ましい。このように上記第2シート体の導電エラストマー層が上記第1シート体の誘電エラストマー層からはみ出さないように積層されることで、導電エラストマー層が短絡を起きるのを抑制することができる。

0025

ここで、「一方」とは、トランスデューサ用可撓性シート全体に対する所定方向をいい、「他方」とは、それと反対方向をいう。

発明の効果

0026

以上説明したように、本発明のトランスデューサ用可撓性シートは、軟化剤が導電エラストマー層と誘電エラストマー層の間を移行することを抑制することでそれぞれの物性が変化したり形態が変化したりすることを抑制でき、柔軟性及び安定性に優れる。

図面の簡単な説明

0027

図1は、本発明の第一実施形態のトランスデューサ用可撓性シートの説明図であり、(A)は概略的断面図、(B)は概略的正面図である。
図2は、第一実施形態のトランスデューサ用可撓性シートを用いたトランデューサ素子の概略的正面図である。
図3は、第一実施形態のトランスデューサ用可撓性シートを用いたトランデューサ素子の概略的平面図である。
図4は、本発明の第二実施形態のトランスデューサ用可撓性シートの説明図であり、(A)は概略的平面図、(B)は概略的正面図である。
図5は、本発明の第一実施形態のトランスデューサ用可撓性シートを製造する方法の工程図(概略的断面図)であり、(A)は工程(1)の状態、(B)は工程(2)の状態、(C)は工程(3)の状態を示す。
図6は、本発明の第一実施形態のトランスデューサ用可撓性シートを製造する方法の工程図(概略的断面図)であり、(A)は工程(4)の状態、(B)は工程(5)の状態を示す。
図7は、実施例のオイル(軟化剤)移行反り試験におけるオイル(軟化剤)移行前後の試験片の状態を示す。図7(A)はオイル(軟化剤)移行前の試験片の状態を示す。図7(B)及び(C)はオイル(軟化剤)移行後の試験片の状態の例を示す。

0028

以下、本発明の実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。

0029

[第一実施形態]
<トランスデューサ用可撓性シート1>
当該トランスデューサ用可撓性シート1は、帯状のシート体からなり、導電性フィラー及び弾性基材を有する導電エラストマー層12と、この導電エラストマー層12の表面側(一方側)及び裏面側(他方側)に積層される一対の誘電エラストマー層11とを備えている。表裏一対の誘電エラストマー層11は同一構成を有している。

0030

上記導電エラストマー層12の弾性基材及び誘電エラストマー層11の弾性基材が軟化剤を含有し、導電エラストマー層12の弾性基材における軟化剤含有割合と誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合との差が10質量%以下である。このような構成とすることで、当該トランスデューサ用可撓性シート1は、柔軟性及び安定性に優れる。また、この差は5質量%以下であることがより好ましい。当該トランスデューサ用可撓性シート1が上記構成を有することで上記効果を奏する理由としては、導電エラストマー層12の弾性基材及び誘電エラストマー層11の弾性基材が軟化剤を含有することで柔軟性が向上すること、導電エラストマー層12の弾性基材における軟化剤含有割合と誘電エラストマー層11の弾性基材における軟化剤含有割合との差が10質量%以下であることで、軟化剤が導電エラストマー層12と誘電エラストマー層11の間を移行してそれぞれの物性が変化したり形態が変化したりすることを抑制でき、安定性に優れること等が考えられる。

0031

当該トランスデューサ用可撓性シート1は、平均厚みが10μm以上300μm以下であることが好ましく、50μm以上180μm以下であることがより好ましい。また、当該トランスデューサ用可撓性シート1の幅(短手方向の長さ)は、用いられるトランスデューサの用途等に応じて適宜設計変更可能であり、例えば1cmとすることが可能である。さらに、当該トランスデューサ用可撓性シート1の長さ(長手方向の長さ)は、用いられるトランスデューサの用途等により適宜設計変更可能であるが、例えば50cmとすることが可能である。

0032

(誘電エラストマー層11)
上記誘電エラストマー層11は、軟化剤を含有する弾性基材を有し、弾性変形可能な層である。この誘電エラストマー層11の弾性基材を構成するエラストマーとしては、天然ゴムポリイソブチレンゴムイソプレンゴムニトリルゴム(NBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴムSBR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、シリコンゴムフッ素ゴムアクリルゴムウレタンゴム等が挙げられる。これらのうち、高い絶縁強度、低い吸湿性を有するゴムが好ましく、さらに軟化剤を多量に(例えば30質量%以上)含有させることを考慮すると、極性が低いゴム(例えば天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリイソブチレンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、シリコンゴム)がより好ましい。なお、極性の大小は、例えばSP値溶解度パラメータ)により判断することができ、SP値が8.5以下であると極性が低いと判断してよい。

0033

上記軟化剤は、誘電エラストマー層11の弾性率を低下する等の目的で含有される。上記軟化剤としては、いわゆるプロセスオイルゴム伸展油等が挙げられるが、精製された絶縁性オイルが好ましく用いられ、パラフィン系オイルナフテン系オイルがより好ましい。シリコンゴムを誘電エラストマー層11の弾性基材に用いる場合は、絶縁性オイルとしてシリコンオイルを用いることもできる。

0034

誘電エラストマー層11の弾性基材を構成するゴムとしては、ゴム伸展油を含む油展タイプの共役ジエン系ゴムと、ゴム成分のみからなる非油展タイプのゴムが存在し、いずれのタイプのものも使用可能である。但し、油展タイプのゴムのゴム伸展油の誘電エラストマー層11の弾性基材における含有量は、軟化剤の含有量として扱う。

0035

誘電エラストマー層11の弾性基材における軟化剤含有割合としては、30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。軟化剤含有割合が30質量%未満では、誘電エラストマー層11の柔軟性が不十分となるおそれがある。一方、軟化剤含有割合が80質量%を超えると、誘電エラストマー層11の絶縁強度が著しく低下するおそれがある。

0036

誘電エラストマー層11は、誘電率を高めるため、誘電性フィラーを誘電エラストマー層中に分散して含有することが好ましい。誘電性フィラーとしては、例えばチタン酸バリウムチタン酸ジルコン酸鉛チタン酸ストロンチウム等の高誘電性無機フィラー誘電性ポリマー微粒子等の高誘電性ポリマー微粒子等が挙げられる。これらのうち、高誘電性無機フィラーが好ましく、チタン酸バリウムがより好ましい。誘電性ポリマー微粒子としては、特に限定されないが、ポリアクリロニトリル等の高誘電性ポリマー微粒子が好ましい。さらに、誘電エラストマー層11の弾性基材は、誘電エラストマー層中における誘電性フィラーの分散性を向上させるため、従来公知のカップリング剤や分散安定剤を含有してもよい。

0037

また、誘電エラストマー層11の弾性基材は、その他必要に応じて従来公知の架橋剤、加硫促進剤老化防止剤等のエラストマー又は軟化剤と相溶又は反応する他の添加剤を含有してもよい。

0038

一対の誘電エラストマー層11は、他の誘電エラストマー層11と略同一厚みで形成されている。なお、略同一厚みとは、一方の誘電エラストマー層11の平均厚みに対する他方の誘電エラストマー層11の平均厚みの比が0.95以上1.05以下であることを意味する。

0039

この誘電エラストマー層11の平均厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましく、30μm以上80μm以下であることがより好ましい。上記下限値未満であると、誘電エラストマー層11が薄くなりすぎ、誘電エラストマー層11が絶縁破壊するおそれが生じる。一方、上記上限値を超えると、導電エラストマー層同士間が離間し過ぎ、静電容量が小さくなるおそれがある。

0040

また、誘電エラストマー層11は、他の誘電エラストマー層11と略同一幅で形成されている。なお、略同一幅とは、一方の誘電エラストマー層11の幅に対する他方の誘電エラストマー層11の幅の比が0.95以上1.05以下であることを意味する。この誘電エラストマー層11の幅は、用いられるトランスデューサの用途等に応じて適宜設計変更可能であり、例えば1cmとすることが可能である。

0041

また、誘電エラストマー層11は、圧縮弾性率が、0.1MPa以上1.5MPa以下であることが好ましく、0.3MPa以上0.7MPa以下であることがより好ましい。上記下限値未満であると誘電エラストマー層11が軟らか過ぎ、圧縮変形ひずみが大きくなり過ぎるおそれがある。一方、上記上限値を超えると、誘電エラストマー層11が硬すぎ、層厚方向圧縮し難いおそれがある。上記圧縮弾性率は、JIS−K6254の低変形圧縮試験準拠して、10%歪を与えた場合の圧縮弾性率である。

0042

また、誘電エラストマー層11に対する誘電性フィラーの含有割合としては、80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましい。誘電性フィラーの含有割合が上記上限値を超えると、誘電エラストマー層が硬くなり変形しにくくなるおそれがある。

0043

(導電エラストマー層12)
導電エラストマー層12は、上記誘電エラストマー層11の伸縮に追従可能な伸縮性を有する構成とすることが好ましい。この導電エラストマー層は、導電性フィラー及び弾性基材を有する。ここで、導電エラストマー層の弾性基材を構成するエラストマーとしては、誘電エラストマー層11と接着可能なものが好適に用いられ、誘電エラストマー層11の弾性基材を構成するエラストマーと同様なものを用いることが好ましく、誘電エラストマー層の弾性基材を構成するエラストマーと同じエラストマーから構成されることがより好ましい。また、この導電エラストマー層12の弾性基材を構成するエラストマーとしては、上述の誘電エラストマー層11の弾性基材を構成するエラストマーと同様、極性が低いことが好ましく、SP値が8.5以下であることが好ましい。なお、この導電エラストマー層12の弾性基材を構成するエラストマーのSP値と上述の誘電エラストマー層11を構成するエラストマーのSP値との差は、1.0以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましい。

0044

上記導電性フィラーとしては、種々のものが採用可能であり、例えば導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブ(単層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブ)、導電性金属フィラー等を採用可能である。これらのうち、少量で電気抵抗を低下することができ導電エラストマー層12の弾性率を上昇させにくいカーボンナノチューブが好ましい。

0045

導電エラストマー層12に対する導電性フィラーの含有割合としては、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。導電性フィラーの含有割合を上記範囲とすることで、効果的に導電エラストマー層12の電気抵抗を低下することができる。

0046

導電エラストマー層12の弾性基材における軟化剤含有割合としては、30質量%以上80質量%以下であることが好ましい。導電エラストマー層12の弾性基材における軟化剤含有割合を上記範囲とすることで、上記誘電エラストマー層11に追従可能な伸縮性を効果的に発揮することができる。

0047

導電エラストマー層12は、誘電エラストマー層11よりも薄く設けられていることが好ましい。導電エラストマー層12の平均厚み(1層)としては、1μm以上90μm以下であることが好ましく、1μm以上50μm以下であることがより好ましい。ここで、導電エラストマー層12の平均厚みは、誘電エラストマー層11の平均厚みの0.03倍以上0.4倍以下であることが好ましく、0.05倍以上0.2倍以下であることがより好ましい。

0048

また、導電エラストマー層12は、圧縮弾性率が1.5MPa以下であることが好ましく、0.7MPa以下であることがより好ましい。上記上限値を超えると、導電エラストマー層12が硬すぎ、誘電エラストマー層11に追従できなくなるおそれがある。

0049

また、導電エラストマー層12は、誘電エラストマー層11からはみ出さないように積層されている。つまり、導電エラストマー層12は、誘電エラストマー層11よりも幅狭に形成されて、誘電エラストマー層11は、導電エラストマー層12よりも外側に延出した部13を有している。これにより、導電エラストマー層12の端面での短絡等を防止している。ここで、この袖部13の幅は、誘電エラストマー層11の平均厚みに対して、3倍以上50倍以下が好ましく、5倍以上10倍以下がより好ましい。上記下限値未満であると短絡防止効果が十分に得られないおそれがある。一方、上記上限値を超えると、変形特性を抑制するおそれがある。

0050

<利点>
上記導電エラストマー層12の弾性基材及び誘電エラストマー層11の弾性基材が軟化剤を含有し、導電エラストマー層12の弾性基材における軟化剤含有割合と誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合との差が10質量%以下であることで、当該トランスデューサ用可撓性シート1は、柔軟性及び安定性に優れる。

0051

<トランスデューサ素子>
上記構成からなる当該トランスデューサ用可撓性シートによって、図2及び図3に示すようなトランスデューサ素子100を得ることができる。

0052

このトランスデューサ素子100は、複数の帯状の当該トランスデューサ用可撓性シート1が導電エラストマー層12同士の間に誘電エラストマー層11が配設されるよう折り畳まれている。具体的には、一対の当該トランスデューサ用可撓性シート1が、略直角に交差して重ねあわされ、交互に蛇腹状に折り畳まれている。この一対の当該トランスデューサ用可撓性シート1は、同一構成のものを使用している。なお、一対の当該トランスデューサ用可撓性シート1は、10層以上10000層以下で重畳されていることが好ましく30層以上1000層以下で重畳されていることがより好ましく、50層以上100層以下で重畳されていることがさらに好ましい。上記下限値未満であると、圧縮時に当該トランスデューサ用可撓性シート1が平面方向に伸長しにくいおそれがある。上記上限値を超えると、当該トランスデューサ用可撓性シート1の長さが長くなり過ぎ、当該トランスデューサ用可撓性シート1に欠陥を生ずるおそれがある。

0053

[第二実施形態]
<トランスデューサ用可撓性シート2>
当該トランスデューサ用可撓性シート2は、図4に示すように誘電エラストマー層21と、この誘電エラストマー層21の表面側及び裏面側に積層される導電エラストマー層22とを備えている。すなわち、一の導電エラストマー層22と、この一方の面に積層される誘電エラストマー層21と、この誘電エラストマー層21の一方の面に積層される他の導電エラストマー層22とを備えている。なお、表裏の導電エラストマー層22は同一構成を有している。また、本実施形態のトランスデューサ用可撓性シート2は、円盤状の誘電エラストマー層の表裏面に平面視ドーナツ状の導電エラストマー層が同心状に積層される構成とすることも可能である。

0054

上記導電エラストマー層22及び誘電エラストマー層21は、第一実施形態と同様に、それぞれ軟化剤を含有する弾性基材を有し、導電エラストマー層22の弾性基材における軟化剤含有割合と誘電エラストマー層21の弾性基材における軟化剤含有割合との差が10質量%以下である。このようにすることで、当該トランスデューサ用可撓性シート2は、柔軟性及び安定性に優れる。また、この差は5質量%以下であることがより好ましい。なお、第二実施形態の導電エラストマー層22及び誘電エラストマー層21は、第一実施形態の導電エラストマー層12及び誘電エラストマー層11と略同様の構成を採用できるため、詳細な説明は省略する。

0055

当該トランスデューサ用可撓性シート2の平均厚みが20μm以上400μm以下であることが好ましく、50μm以上200μm以下であることがより好ましい。また、導電エラストマー層22の平均厚み(1層)は、1μm以上100μm以下であることが好ましく、1μm以上50μm以下であることがより好ましい。誘電エラストマー層21は、平均厚みが20μm以上200μm以下であることが好ましく、50μm以上100μm以下であることがより好ましい。

0056

また、当該トランスデューサ用可撓性シート2(誘電エラストマー層21)の大きさ(直径)は、用いられるトランスデューサの用途等に応じて適宜設計変更可能である。袖部13の幅は、誘電エラストマー層21の平均厚みに対して、3倍以上が好ましく、5倍以上がより好ましい。上記下限値未満であると短絡防止効果が十分に得られないおそれがある。

0057

<利点>
当該トランスデューサ用可撓性シート2は、両面の導電エラストマー層22を電極として用いることで、トランスデューサ素子として好適に用いることができる。また導電エラストマー層22の弾性基材及び誘電エラストマー層21の弾性基材が軟化剤を含有し、導電エラストマー層22の弾性基材における軟化剤含有割合と誘電エラストマー層21の弾性基材における軟化剤含有割合との差が10質量%以下であることで、当該トランスデューサ用可撓性シート2は、柔軟性及び安定性に優れる。

0058

<トランスデューサ用可撓性シート1の製造方法>
次に、本発明のトランスデューサ用可撓性シートの製造方法の一実施形態として、第一実施形態のトランスデューサ用可撓性シート1を製造する方法を図5を参酌しつつ説明する。

0059

本実施形態のトランスデューサ用可撓性シートの製造方法は、
一の離型フィルム33に、軟化剤含有割合が30質量%以上80質量%以下の弾性基材を有する誘電エラストマー層11を積層することで、第1シート体31を形成する工程(以下、「工程(1)」とも称する)、
他の離型フィルム43に、軟化剤含有割合が30質量%以上80質量%以下かつ上記誘電エラストマー層11の軟化剤含有割合との差が10質量%以下の弾性基材及び導電性フィラーを有する導電エラストマー層12を積層することで、第2シート体41を形成する工程(以下、「工程(2)」とも称する)、及び
上記第1シート体31と上記第2シート体41とを、誘電エラストマー層11と導電エラストマー層12との対向状態で積層することで多層構造体を形成する工程(以下、「工程(3)」とも称する)
を有する。

0060

当該トランスデューサ用可撓性シートの製造方法は、さらに
上記第1シート体31を形成する工程において、複数枚の第1シート体31を形成し、
上記多層構造体から第2シート体41の離型フィルム43を剥離する工程(以下、「工程(4)」とも称する)、及び
上記多層構造体から第2シート体41の離型フィルム43が剥離された積層体に、他の第1シート体31を、誘電エラストマー層11と導電エラストマー層12との対向状態で積層する工程(以下、「工程(5)」とも称する)
を有する。

0061

本発明のトランスデューサ用可撓性シート1の製造方法は、上記工程(3)の前に、
上記第2シート体41を所定形状に裁断する工程(以下「工程(3a)」とも称する)
をさらに有することが好ましい。

0062

以下、各工程を説明する。

0063

[工程(1)]
本工程では、一の離型フィルム33に、軟化剤含有割合が30質量%以上80質量%以下の弾性基材を有する誘電エラストマー層11を積層することで、第1シート体31を形成する。

0064

離型フィルム33としては、特に限定されないが、離型処理が施されたプラスチックフィルム以外にも、フッ素系樹脂フィルム、表面に離型処理が施された紙、不織布、金箔等が挙げられる。離型フィルムとしては、シリコーン処理がなされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが好ましい。離型フィルムの厚さとしては、特に限定されないが70μm以上100μm以下の厚さのものが好適に用いられる。

0065

まず、エラストマー、軟化剤、誘電性フィラー及び必要に応じて加えられる架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤等の添加剤を含有する誘電エラストマー組成物を作成する。次に上記誘電エラストマー組成物をトルエン等の溶媒に溶解し、これを塗工液として、上記離型フィルム上にコーティングし、続いて溶媒を乾燥させ加熱架橋することで第1シート体31を形成することができる。あるいは、本加熱して架橋する代わりに、必要に応じて半架橋又は加熱しないことも可能である。また、誘電エラストマー層11の形成は、押出し成形法等によって形成することも可能である。誘電エラストマー層11は、10μm以上300μm以下の平均厚みで形成される。

0066

なお、トランスデューサ用可撓性シート1の製造においては、この工程(1)において、複数枚の第1シート体31を形成する。

0067

[工程(2)]
本工程では、他の離型フィルム43に、軟化剤含有割合が30質量%以上80質量%以下かつ上記誘電エラストマー層の軟化剤含有割合との差が10質量%以下の弾性基材及び導電性フィラーを有する導電エラストマー層12を積層することで、第2シート体41を形成する。

0068

まず、導電エラストマー組成物を作成する。導電エラストマー組成物は、エラストマー、軟化剤、導電性フィラー及び必要に応じて高分子分散剤等を含有する。この導電エラストマー組成物をトルエン等の溶媒に溶解し、これを塗工液として、上記他の離型フィルム上にロールコータグラビアコータを用いてコーティングされる。このコーティングは、全面コーティングされてもよいし、幅方向断面から見てストライプ状又はパターン状にコーティングされてもよい。コーティング後、溶媒を乾燥させ、必要に応じて加熱架橋することにより第2シート体41を形成する。あるいは、本加熱して架橋する代わりに、必要に応じて半架橋又は加熱しないことも可能である。導電エラストマー層12は、1μm以上90μm以下の平均厚みで形成される。

0069

[工程(3a)]
本工程では、上記第2シート体41を所定形状に裁断する。導電エラストマー層12が離型フィルムに全面コーティングされている場合には、裁断後の第2シート体41は第1シート体31よりも小さくすれば、第2シート体41の導電エラストマー層12を上記第1シート体31の誘電エラストマー層11からはみ出さないように積層することが可能となる。裁断方法としては特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。

0070

また、必要に応じて第1シート体31も所定形状に裁断することもできる。

0071

[工程(3)]
本工程では、第1シート体31と第2シート体41とを、誘電エラストマー層11と導電エラストマー層12との対向状態で積層することで多層構造体を形成する。

0072

誘電エラストマー層11の弾性基材及び導電エラストマー層12の弾性基材が共に軟化剤をある程度多く含有している場合は、誘電エラストマー層11と導電エラストマー層12との間には粘着性があるので、各層のエラストマーが完全に架橋されていても、加圧のみで誘電エラストマー層11と導電エラストマー層12とは密着一体化される。

0073

誘電エラストマー層11と導電エラストマー層12と間の密着が不十分な場合には、加熱して加圧することで密着性を高めることもできる。この場合、第1シート体31を形成する工程(1)の加熱架橋の際、又は第2シート体41を形成する工程(2)の加熱架橋の際、又は上記両方の工程における加熱架橋の際に加熱温度を低くしたり加熱時間を短縮することで、各エラストマーの架橋度を低くしておき、その後工程(3)において加熱して架橋を進行させれば、より確実に誘電エラストマー層11と導電エラストマー層12とを密着させることが可能となる。

0074

[工程(4)及び工程(5)]
工程(4)において、上記多層構造体から第2シート体41の離型フィルム43を剥離し、工程(5)において、上記多層構造体から第2シート体41の離型フィルム43が剥離された積層体に、他の第1シート体31を、誘電エラストマー層11と導電エラストマー層12との対向状態で積層する。

0075

上記工程(5)における積層方法についての説明は、上記工程(3)と同様であるので説明を省略する。

0076

<利点>
当該トランスデューサ用可撓性シート1の製造方法によれば、従来の誘電エラストマー層に溶媒に溶解された導電エラストマー層形成材料を塗工する方法に比べ、誘電エラストマー層の弾性基材中の軟化剤が溶媒に溶け出すことがなく、製造工程における誘電エラストマー層と導電エラストマー層との間での軟化剤の移行やブリードに起因する物性変化が少なく、容易且つ確実に当該トランスデューサ用可撓性シートを製造することができる。

0077

また、当該トランスデューサ用可撓性シート1の製造方法は、第1シート体31よりも第2シート体41が小さくなるよう裁断されることで、導電エラストマー層12の短絡を効果的に防止することができる。

0078

<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施態様の他、種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。

0079

つまり、上記実施形態においては、トランスデューサ用可撓性シート1及び2として三層構造のものについて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明に係るトランスデューサ用可撓性シートとして、誘電エラストマー層11と導電エラストマー層12との二層構造のトランスデューサ用可撓性シートを用いることも可能である。

0080

また、上記実施形態においては、トランスデューサ用可撓性シート1の一対の誘電エラストマー層11が同一厚みのものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一対の誘電エラストマー層11の厚みが異なるものも本発明に係るトランスデューサ用可撓性シート1の意図する範囲内である。

0081

さらに、当該トランスデューサ用可撓性シートとして四層以上の構造を有するものを採用することも可能である。

0082

また、上記実施形態においては、トランスデューサ用可撓性シート1の一対の誘電エラストマー層が同一構成のものについて説明したが、表裏の誘電エラストマー層が異なる構成のトランスデューサ用可撓性シートを用いることも適宜設計変更可能である。

0083

さらに、上記実施形態においては、トランスデューサ用可撓性シート1の誘電エラストマー層11の弾性基材と導電エラストマー層12の弾性基材とが同じエラストマーから構成されるものについて説明したが、異なるエラストマーから構成されてもよい。

0084

また、上記実施形態においては、第一実施形態のトランスデューサ用可撓性シート1の製造方法についてのみ説明したが、略同様の方法によって第二実施形態のトランスデューサ用可撓性シート2を製造することができる。つまり、上記工程(1)、工程(2)及び工程(3)を行った後に、得られた多層構造体から第1シート体31の離型フィルム33を剥離し、上記多層構造体から第1シート体31の離型フィルム33が剥離された積層体に、他の第2シート体41を、誘電エラストマー層21と導電エラストマー層22との対向状態で積層することによって、第二実施形態のトランスデューサ用可撓性シート2を製造することができる。

0085

以下、実施例によって当該発明をさらに具体的に説明するが、当該発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0086

トランスデューサ用可撓性シート51として、図7(A)〜(C)に示すように導電エラストマー層53の一方の面に誘電エラストマー層52が積層された2層構造のものを用い、表1に示す組成ゴム種膜厚、各成分の含有割合)の各トランスデューサ用可撓性シートの試験片を作製した。各試験片の幅は10mm、長さは50mmとした。EPDM(エチレン−プロピレンゴム)としては、市販品を用いた。誘電エラストマー層には誘電性フィラーとしてチタン酸バリウムを添加した。導電エラストマー層には、導電性フィラーとして多層カーボンナノチューブ(VGCF(登録商標)、昭和電工製)を添加した。

0087

作製した各トランスデューサ用可撓性シートの試験片を用い、オイル(軟化剤)移行反り試験を実施した。

0088

<オイル(軟化剤)移行反り試験>
図7(A)に示すように、各試験片の長手方向の一端を剛性フレーム54で固定して吊り下げ、50℃で5時間以上放置してオイル移行を進行させた。オイルの移行にともない、図7(B)又は(C)に示すように試験片に反りが生じる場合があるので、図7(B)又は図7(C)の最短幅Wを測定した。最短幅Wの初期幅(10mm)に対する減少が5%未満であったものを「○」、5%以上12%未満のものを「△」、12%以上のものを「×」と評価した。結果を表1に合わせて示す。なお、表中の「向き」の項目において、「誘→導」とは、誘電エラストマー層から導電エラストマー層に軟化剤が移行し、誘電エラストマー層は収縮して導電エラストマー層が膨潤する方向に反ることを示す。逆に、「誘←導」とは、導電エラストマー層から誘電エラストマー層に軟化剤が移行し、導電エラストマー層は収縮して誘電エラストマー層が膨潤する方向に反ることを示す。

0089

実施例

0090

表1の結果から明らかなように、初期幅に対する変化が12%以下となったのは、導電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合と誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合との差が、略10質量%以下のときであることが分かった。従って、本発明のトランスデューサ用可撓性シートは、導電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合と誘電エラストマー層の弾性基材における軟化剤含有割合との差が10質量%以下であることで、それぞれの物性が変化したり形態が変化したりすることを抑制でき、安定性に優れることが分かった。

0091

本発明のトランスデューサ用可撓性シートは、軟化剤が導電エラストマー層と誘電エラストマー層の間を移行することを抑制することでそれぞれの物性が変化したり形態が変化したりすることを抑制でき、柔軟性及び安定性に優れる。

0092

1トランスデューサ用可撓性シート
11誘電エラストマー層
12導電エラストマー層
13袖部
100トランスデューサ素子
2 トランスデューサ用可撓性シート
21 誘電エラストマー層
22 導電エラストマー層
31 第1シート体
33離型フィルム
41 第2シート体
43 離型フィルム
51 トランスデューサ用可撓性シート
52 誘電エラストマー層
53 導電エラストマー層
54剛性フレーム
W最短幅

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 日本特殊陶業株式会社の「 保持装置、および、保持装置の製造方法」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】セラミックス部材の吸着面の温度分布の制御性が低下することを抑制する。【解決手段】保持装置は、第1のセラミックス部材と、第3の表面と、第2のセラミックス部材と、第1のセラミックス部材と第2のセラ... 詳細

  • ミネベアミツミ株式会社の「 ステータ構造およびレゾルバ」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】複数のリード線を効率よく巻線に接続すること。【解決手段】実施形態のステータ構造は、ステータコアと、インシュレータと、巻線と、端子台部とを備える。ステータコアは、環状の本体部と、本体部の径方向に... 詳細

  • 東レ株式会社の「 静電チャックを用いた物体の移載方法」が 公開されました。( 2019/09/05)

    【課題】 第1の静電チャックに吸着された被吸着物を、一度に多数であっても、静電チャックとの位置関係を保ったまま、第2の静電チャックに確実に移載することが可能な方法を提供する。【解決手段】 静電吸着... 詳細

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ