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技術 溶銑の脱燐方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 鈴木健人阿部光利寺畠知道田中秀栄
出願日 2015年4月14日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2015-082168
公開日 2016年12月1日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2016-199800
状態 特許登録済
技術分野 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼
主要キーワード 実験水準 燐酸化物 珪素濃度 焼結工場 ダスト粉 高純度鋼 プリメルト 全酸素量
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年12月1日)のものです。
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課題

低コスト脱燐剤を用いて、脱燐効率の向上と排滓性を両立させた溶銑脱燐方法を提案する。

解決手段

Siを0.10〜0.60mass%含有する混銑車内の溶銑に脱燐剤を吹き込んで脱燐を行う際、CaOを30〜50mass%含有する転炉スラグ酸化鉄に対して5〜25mass%の範囲で混合した脱燐剤を溶銑中に吹き込み、生成するスラグ塩基度(CaO/SiO2)を1.0〜2.5の範囲に制御することを特徴とする溶銑の脱燐方法。

概要

背景

鋼材に対する品質要求の高度化にともなって、高純度鋼に対するニーズ増しており、燐、硫黄水素窒素酸素などの不純物や、MnS、Al2O3等の非金属介在物含有量を低減することが要求されている。このような高純度化は、転炉精錬のみでは、生産性コストの面から十分には行えない。そこで、高炉で製造された溶銑転炉まで移送する取鍋または混銑車トーピードカー)と呼ばれる容器内で、溶銑からあらかじめ不純物を取り除く「溶銑予備処理」が行われている。

上記溶銑予備処理では溶銑の脱珪脱燐脱硫が行われる。溶銑中珪素は、転炉では最初に酸化され、添加された生石灰(CaO)、酸化鉄(FeO)と反応して滓化し、CaO−FeO−SiO2系のスラグとなる。このため、溶銑中の珪素濃度が低ければ、転炉ではこの反応が短縮され、生産効率が向上するとともに、生成スラグ量も少なく、したがって鉄の歩留りが高い精錬が可能となるからである。脱珪は、溶銑中にミルスケール焼結鉱などの酸化鉄を投入して行う。

脱燐は、通常、生石灰、酸化鉄、螢石などを混合した脱燐剤をガスとともに溶銑中に吹き込んで、下記反応;
2P+3CaO+5FeO → 3CaO・P2O5+5Fe
により、溶銑中の燐を酸化物とし、生成した燐酸化物スラグ相移行させたのち、スラグを排出することによって行う。なお、脱燐反応は、珪素濃度が低いほど進行するので、脱珪後に脱燐処理を行うのが普通である。

上記脱燐反応には、脱燐剤であるCaOがFeOと反応して滓化することが重要であり、上記滓化反応は、脱燐効率に大きく影響することが知られている。ここで、上記脱燐効率とは、(溶銑中の燐の酸化に用いられた酸素量(Nm3/t))/(溶銑に供給した全酸素量(Nm3/t)−Siの酸化に使用した酸素量(Nm3/t))のことをいう。上記滓化反応を促進させるためには、CaO源FeO源を予め混合したり、あるいは、上記混合物をさらにプリメルトしたりすることが有効である。しかし、プリメルトすることは、副原料コストの上昇を招くという問題がある。なお、上記CaO源としては、生石灰よりも安価な転炉スラグを再利用することが従来から行われている。

CaO源とFeO源の混合物を脱燐剤として用いる技術としては、例えば、特許文献1には、転炉スラグを脱燐成分として利用して溶銑脱燐を行なうに当たり、酸化鉄源を除く脱燐成分として、転炉スラグ:50〜70mass%と蛍石:1〜8mass%を含む脱燐剤を使用する技術が開示されている。

概要

低コストの脱燐剤を用いて、脱燐効率の向上と排滓性を両立させた溶銑の脱燐方法を提案する。Siを0.10〜0.60mass%含有する混銑車内の溶銑に脱燐剤を吹き込んで脱燐を行う際、CaOを30〜50mass%含有する転炉スラグを酸化鉄に対して5〜25mass%の範囲で混合した脱燐剤を溶銑中に吹き込み、生成するスラグの塩基度(CaO/SiO2)を1.0〜2.5の範囲に制御することを特徴とする溶銑の脱燐方法。なし

目的

本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストの脱燐剤を用いて、脱燐効率の向上と排滓性を両立させた溶銑の脱燐方法を提案することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

混銑車内溶銑脱燐剤を吹き込んで脱燐を行う際、CaOを30〜50mass%含有する転炉スラグ酸化鉄に対して5〜25mass%の範囲で混合した脱燐剤を溶銑中に吹き込み、生成するスラグ塩基度(CaO/SiO2)を1.0〜2.5の範囲に制御することを特徴とする溶銑の脱燐方法

請求項2

上記溶銑は、Siを0.10〜0.60mass%含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の溶銑の脱燐方法。

技術分野

0001

本発明は、溶銑脱燐方法に関し、具体的には、混銑車において、安価な脱燐剤を用いて、効率よくかつ排滓性よく脱燐を行う、溶銑の脱燐方法に関するものである。

背景技術

0002

鋼材に対する品質要求の高度化にともなって、高純度鋼に対するニーズ増しており、燐、硫黄水素窒素酸素などの不純物や、MnS、Al2O3等の非金属介在物含有量を低減することが要求されている。このような高純度化は、転炉精錬のみでは、生産性コストの面から十分には行えない。そこで、高炉で製造された溶銑を転炉まで移送する取鍋または混銑車(トーピードカー)と呼ばれる容器内で、溶銑からあらかじめ不純物を取り除く「溶銑予備処理」が行われている。

0003

上記溶銑予備処理では溶銑の脱珪、脱燐、脱硫が行われる。溶銑中珪素は、転炉では最初に酸化され、添加された生石灰(CaO)、酸化鉄(FeO)と反応して滓化し、CaO−FeO−SiO2系のスラグとなる。このため、溶銑中の珪素濃度が低ければ、転炉ではこの反応が短縮され、生産効率が向上するとともに、生成スラグ量も少なく、したがって鉄の歩留りが高い精錬が可能となるからである。脱珪は、溶銑中にミルスケール焼結鉱などの酸化鉄を投入して行う。

0004

脱燐は、通常、生石灰、酸化鉄、螢石などを混合した脱燐剤をガスとともに溶銑中に吹き込んで、下記反応;
2P+3CaO+5FeO → 3CaO・P2O5+5Fe
により、溶銑中の燐を酸化物とし、生成した燐酸化物スラグ相移行させたのち、スラグを排出することによって行う。なお、脱燐反応は、珪素濃度が低いほど進行するので、脱珪後に脱燐処理を行うのが普通である。

0005

上記脱燐反応には、脱燐剤であるCaOがFeOと反応して滓化することが重要であり、上記滓化反応は、脱燐効率に大きく影響することが知られている。ここで、上記脱燐効率とは、(溶銑中の燐の酸化に用いられた酸素量(Nm3/t))/(溶銑に供給した全酸素量(Nm3/t)−Siの酸化に使用した酸素量(Nm3/t))のことをいう。上記滓化反応を促進させるためには、CaO源FeO源を予め混合したり、あるいは、上記混合物をさらにプリメルトしたりすることが有効である。しかし、プリメルトすることは、副原料コストの上昇を招くという問題がある。なお、上記CaO源としては、生石灰よりも安価な転炉スラグを再利用することが従来から行われている。

0006

CaO源とFeO源の混合物を脱燐剤として用いる技術としては、例えば、特許文献1には、転炉スラグを脱燐成分として利用して溶銑脱燐を行なうに当たり、酸化鉄源を除く脱燐成分として、転炉スラグ:50〜70mass%と蛍石:1〜8mass%を含む脱燐剤を使用する技術が開示されている。

先行技術

0007

特開2001−207206号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、上記特許文献1に開示の技術は、脱燐剤として転炉スラグを利用する場合に見られるスロッピングを防止するととともに、炉壁等へのスラグの付着を防止し、安全に効率良く脱燐処理することを目的としており、脱燐反応効率を向上させることについては考慮していない。また、混合物中の転炉スラグ比率が50mass%以上と高いため、生成したスラグが高塩基度となるため、固化し易く、排滓性に劣り、最悪、排滓することができなくなったり、転炉への溶銑装入ができなくなったりするおそれがある。

0009

本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストの脱燐剤を用いて、脱燐効率の向上と排滓性を両立させた溶銑の脱燐方法を提案することにある。

課題を解決するための手段

0010

発明者らは、上記課題の解決に向け、脱燐剤の成分組成に着目して鋭意検討を重ねた。その結果、酸化鉄とリサイクル材である転炉スラグのみからなる脱燐剤を用いることによって低コスト化を図るとともに、酸化鉄に対する転炉スラグの配合比率を適性化することによって脱燐効率を向上し、かつ、排滓性を安定化することができることを見出し、本発明を開発するに至った。

0011

上記知見に基く本発明は、混銑車内の溶銑に脱燐剤を吹き込んで脱燐を行う際、CaOを30〜50mass%含有する転炉スラグを酸化鉄に対して5〜25mass%の範囲で混合した脱燐剤を溶銑中に吹き込み、生成するスラグの塩基度(CaO/SiO2)を1.0〜2.5の範囲に制御することを特徴とする溶銑の脱燐方法である。

0012

本発明の溶銑の脱燐方法が対象とする上記溶銑は、Siを0.10〜0.60mass%含有するものであることを特徴とする。

発明の効果

0013

本発明によれば、溶銑の脱燐処理を、排滓性を悪化させることなく、高効率かつ低コストで行うことが可能となる。

0014

上述したように、本発明は、溶銑の脱燐処理を、排滓性を悪化させることなく、高効率かつ低コストで行うことを可能とする技術であり、その特徴は、混銑車内の溶銑に脱燐剤を吹き込んで脱燐を行う際、CaOを30〜50mass%含有する転炉スラグを酸化鉄に対して5〜25mass%の範囲で混合した脱燐剤を溶銑中に吹き込み、生成するスラグの塩基度(CaO/SiO2)を1.0〜2.5の範囲に制御するところにある。
以下、具体的に説明する。

0015

まず、本発明の溶銑の脱燐処理は、溶銑を高炉から製鋼工程に移送する混銑車(トーピードカー)において行う脱燐処理に限定する。混銑車において、酸化鉄源やCaO源、酸素ガス等を浸漬ランスを介して溶銑内に吹き込んで脱燐反応を進行させた後、排滓して脱燐処理することは従来から行われており、本発明は上記脱燐処理を改善する技術であるからである。

0016

また、本発明の脱燐処理を施す対象となる溶銑は、高炉で製造されている通常の銑鉄と同じ、Si濃度が0.10〜0.60mass%程度で、P濃度が0.100〜0.150mass%程度のものであることが好ましい。ただし、前述したように、脱燐反応は、珪素濃度が低いほど進行するので、予め脱珪処理を施してSi濃度を低減しておくこと、具体的には0.30mass%程度以下に低減しておくことがより好ましい。

0017

また、本発明が脱燐処理に用いる脱燐剤は、酸素源としての酸化鉄FeOと、CaO源としての転炉スラグを混合したものであることが必要である。転炉スラグは、多量のフリーCaOを含有していることや、一度、溶融しているため滓化し易く、かつ、安価であるからである。なお、酸化鉄としては、粉砕した鉄鉱石粉焼結鉱粉焼結工場で発生したダスト粉等を用いることが好ましい。

0018

ここで、上記脱燐剤に混合する転炉スラグは、CaOを30〜50mass%含有するものであることが必要である。CaOの含有量が30mass%未満では、脱燐に必要なCaOが不足し、脱燐が不十分となるだけでなく、転炉スラグの投入量が増加し、溶銑温度の低下を招く。一方、CaOの上限を50mass%とする理由は、転炉スラグ中のCaO濃度の上限は通常が50mass%程度であるからである。好ましいCaO濃度は40〜50mass%の範囲である。

0019

また、上記脱燐剤に混合する転炉スラグの混合率は、5〜25mass%の範囲とする必要がある。転炉スラグの混合率が5mass%未満では、脱燐剤としての効果が十分ではなく、一方、転炉スラグの混合率が25mass%を超えると、脱燐剤中に含まれる酸素源としてのFeOの量が減少する。したがって、酸素源として必要な量のFeOを吹き込むためには、転炉スラグも一緒に吹き込む必要があり、スラグの高塩基度化や溶銑温度の低下を招くからである。好ましい混合率は10〜20mass%の範囲である。

0020

また、脱燐処理時に生成させるスラグの塩基度(CaO/SiO2)は1.0〜2.5の範囲に制御することが必要である。スラグの塩基度が1.0未満では、CaO分が低過ぎて、脱燐効率が低下する。一方、塩基度が2.5を超えると、前述したように、スラグが固化し易くなり、混銑車から排滓することが難しくなるからである。なお、好ましい塩基度は1.2〜1.8の範囲である。

0021

混銑車内の、Si濃度が0.15〜0.30mass%、P濃度が0.125〜0.140mass%の溶銑に対して、浸漬ランスから、酸素ガスを0.15Nm3/溶鋼t/minの供給速度で供給する際、酸化鉄粉と転炉スラグからなる脱燐剤を同時に供給して脱燐処理を施す実験を行った。
この際、浸漬ランスから溶銑中に供給する溶銑1トン当たりの酸素ガスは1.5Nm3/t、脱燐剤は40〜60kg/tの範囲とするとともに、転炉スラグ中に含まれるCaOの含有率、および、脱燐剤中に含まれる転炉スラグの混合率を種々に変化させた。なお、上記脱燐処理後の溶銑中のP濃度は0.020〜0.080mass%の範囲であった。
上記脱燐実験条件を、脱燐処理の結果(生成したスラグの塩基度、排滓性、脱燐処理後のP濃度および脱燐効率とともに表1に示した。
この結果から、従来技術の比較例(実験水準5)では、脱燐効率は8.0%であったが、本発明例では9.2%以上に向上していることがわかる。中でも、転炉スラグの配合率が15mass%(実験水準2)のときに脱燐効率が最も良好な結果となっていることがわかる。なお、実験水準4の比較例は、転炉スラグの配合率が25%を超えている例である。この例の場合には、転炉滓を増やしているので、脱燐効率は良好であるが、酸素源が不足するため、転炉スラグと同時に酸化鉄などの固体酸素源追加添加することが必須となり、副原料コストが大幅に上昇するだけでなく、塩基度の過剰な上昇や溶銑温度の低下を招く等の問題が発生する。

実施例

0022

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