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技術 ピン付きゴムブッシュ及びその組立て分解方法

出願人 日本車輌製造株式会社
発明者 新村浩此川徹
出願日 2015年4月8日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-079023
公開日 2016年12月1日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2016-199093
状態 特許登録済
技術分野 鉄道車両懸架装置、車輪装置 防振装置 ばね
主要キーワード 金属筒状体 組立て分解 円筒鋼管 ゴム成形型 押圧ゴム 略筒状体 板状ゴム 略三角形断面
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題

軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみを簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できるピン付きゴムブッシュ及びその組立て分解方法を提供する。

解決手段

軸部1と、軸部の外周側に配置され取付対象物4の貫通孔41に装着される外筒部2と、軸部と外筒部との間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部3とを備えたピン付きゴムブッシュ10である。外筒部は、周方向で分割した複数個外筒分割片21、22、23からなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める部211、221、231が、当該外筒分割片の外周面212、222、232より内径側に形成されている。

概要

背景

一般に、鉄道車両用オイルダンパ等には、図11に示すようなピン付きゴムブッシュ100が使用されている。かかるピン付きゴムブッシュ100は、インナー部材である軸部(ピン)101と、アウター部材である外筒部102と、軸部101と外筒部102との間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部103とからなり、軸部101とゴム部103と外筒部102とが加硫接着によって一体化されたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
図11に示すように、上記ピン付きゴムブッシュ100において、軸部101は、例えば、鉄道車両における台車等の取付部104にボルト等で締結され、外筒部102は、例えば、車軸を支持するオイルダンパ105の取付部106に装着されている。上記ピン付きゴムブッシュ100は、軸部101とゴム部103と外筒部102とが加硫接着により一体化されているので、鉄道車両の走行振動等に対して、安定した防振性能を発揮することができる。

概要

軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみを簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できるピン付きゴムブッシュ及びその組立て分解方法を提供する。軸部1と、軸部の外周側に配置され取付対象物4の貫通孔41に装着される外筒部2と、軸部と外筒部との間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部3とを備えたピン付きゴムブッシュ10である。外筒部は、周方向で分割した複数個外筒分割片21、22、23からなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める部211、221、231が、当該外筒分割片の外周面212、222、232より内径側に形成されている。

目的

本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみを簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できるピン付きゴムブッシュ及びその組立て分解方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

軸部と、前記軸部の外周側に配置され取付対象物貫通孔に装着される外筒部と、前記軸部と前記外筒部との間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部とを備えたピン付きゴムブッシュであって、前記外筒部は、周方向で分割した複数個外筒分割片からなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、前記ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める部が、当該外筒分割片の外周面より内径側に形成されていることを特徴とするピン付きゴムブッシュ。

請求項2

請求項1に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、前記外筒分割片の周方向端部には、隣接する外筒分割片同士を弾発可能に係合させる係合凸部と係合凹部とが形成されていることを特徴とするピン付きゴムブッシュ。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、前記ゴム部は、板状ゴム径方向へ複数個積層して形成されていることを特徴とするピン付きゴムブッシュ。

請求項4

請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、前記軸部には、外周側へ膨出する膨出部が形成され、前記外筒部と前記ゴム部との間には、前記ゴム部を前記膨出部に沿わせるように押圧する押圧部材を挿入したことを特徴とするピン付きゴムブッシュ。

請求項5

請求項4に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、前記押圧部材は、板状ゴムを複数個積層して形成されていることを特徴とするピン付きゴムブッシュ。

請求項6

請求項5に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、前記外筒部の内周面には、前記押圧部材における板状ゴムの軸方向端縁を外方から規制する鍔付き筒状体を備えたことを特徴とするピン付きゴムブッシュ。

請求項7

請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載されたピン付きゴムブッシュの組立て分解方法であって、前記棚部に係止して前記ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を保持する保持治具を備え、当該保持治具によって前記外筒部を縮径させた状態に保持して、前記外筒部を前記取付対象物の貫通孔に着脱させることを特徴とするピン付きゴムブッシュの組立て分解方法。

請求項8

請求項7に記載されたピン付きゴムブッシュの組立て分解方法であって、前記保持治具には、前記棚部に係止可能な爪部と、当該爪部と一体状に形成され前記軸部に締結可能に形成された基端部とを有する係止部材を備え、前記係止部材を前記軸部に締結した状態で、前記外筒部を前記取付対象物の貫通孔に挿脱させることを特徴とするピン付きゴムブッシュの組立て分解方法。

技術分野

0001

本発明は、例えば、鉄道車両用オイルダンパ等に使用されるピン付きゴムブッシュ及びその組立て分解方法に関する。

背景技術

0002

一般に、鉄道車両用オイルダンパ等には、図11に示すようなピン付きゴムブッシュ100が使用されている。かかるピン付きゴムブッシュ100は、インナー部材である軸部(ピン)101と、アウター部材である外筒部102と、軸部101と外筒部102との間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部103とからなり、軸部101とゴム部103と外筒部102とが加硫接着によって一体化されたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
図11に示すように、上記ピン付きゴムブッシュ100において、軸部101は、例えば、鉄道車両における台車等の取付部104にボルト等で締結され、外筒部102は、例えば、車軸を支持するオイルダンパ105の取付部106に装着されている。上記ピン付きゴムブッシュ100は、軸部101とゴム部103と外筒部102とが加硫接着により一体化されているので、鉄道車両の走行振動等に対して、安定した防振性能を発揮することができる。

先行技術

0003

特開2003−226239号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかしながら、上記ピン付きゴムブッシュ100におけるゴム部103は、ひび割れ等が発生しやすく、その耐久寿命は、一般的に6〜8年程度であり、金属製の軸部101や外筒部102に比較して著しく短い。ゴム部103が寿命に達したときには、ゴム部103と加硫接着された軸部101及び外筒部102を含むピン付きゴムブッシュ100全体を交換することになる。そのため、上記ピン付きゴムブッシュ100には、まだ十分使用できる軸部101及び外筒部102をゴム部103と一緒廃棄せざるを得ず、メンテナンスコストが掛かりすぎるという問題があった。

0005

本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみを簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できるピン付きゴムブッシュ及びその組立て分解方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するため、本発明に係るピン付きゴムブッシュ及びその組立て分解方法は、以下の構成を備えている。
(1)軸部と、前記軸部の外周側に配置され取付対象物貫通孔に装着される外筒部と、前記軸部と前記外筒部との間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部とを備えたピン付きゴムブッシュであって、
前記外筒部は、周方向で分割した複数個外筒分割片からなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、前記ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める部が、当該外筒分割片の外周面より内径側に形成されていることを特徴とする。

0007

本発明においては、外筒部は、周方向で分割した複数個の外筒分割片からなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める棚部が、当該外筒分割片の外周面より内径側に形成されているので、各外筒分割片の棚部に治具等を係止して、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部を取付対象物の貫通孔より僅かに小さく縮径させ、当該貫通孔に外筒部を挿入させることができる。また、外筒部を取付対象物の貫通孔に挿入させた後、棚部に係止した治具等を取り外しても、当該貫通孔に挿入された外筒部は、僅かに拡径するだけで、当該貫通孔に圧着され、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重は、略そのまま維持される。そのため、軸部とゴム部と外筒部とを、加硫接着することなくゴム部を予圧縮した状態で一体化して、外筒部を取付対象物の貫通孔に簡単に装着することができる。なお、棚部は、外筒分割片の外周面より内径側に形成されているので、外筒部を取付対象物の貫通孔に挿入する際、ゴム部を予圧縮する治具等と貫通孔との干渉を回避することができる。
また、ゴム部が寿命に達したときには、各外筒分割片の棚部に治具等を係止して、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部を僅かに縮径させて軸部とゴム部と外筒部とを取付対象物の貫通孔から脱出させることができる。その後、各外筒分割片の棚部に係止した治具等を取り外して、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を解除すれば、軸部とゴム部と外筒部とを分離して、ゴム部のみを簡単に交換することができる。この場合、軸部と外筒部とを再利用することができる。
よって、本発明によれば、軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみを簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できるピン付きゴムブッシュを提供することができる。

0008

(2)(1)に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、
前記外筒分割片の周方向端部には、隣接する外筒分割片同士を弾発可能に係合させる係合凸部と係合凹部とが形成されていることを特徴とする。

0009

本発明においては、外筒分割片の周方向端部には、隣接する外筒分割片同士を弾発可能に係合させる係合凸部と係合凹部とが形成されているので、隣接する外筒分割片同士が多少離間した状態でも、外筒分割片同士を互いに係合させることができる。そのため、隣接する外筒分割片同士が係合した状態で、外筒部を僅かに拡径させ、外筒部の内周側にゴム部を簡単に挿入することができる。
その結果、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみをより簡単に交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。

0010

(3)(1)又は(2)に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、
前記ゴム部は、板状ゴム径方向へ複数個積層して形成されていることを特徴とする。

0011

本発明においては、ゴム部は、板状ゴムを径方向へ複数個積層して形成されているので、市販の板状ゴムを所定形状に複数個切断して径方向へ巻回しながら積層することによって、ゴム部を略筒状に形成することができる。そのため、ゴム部を一体成形するゴム成形型を用いることなく、ゴム部をよりローコストで簡単に形成することができる。また、積層した複数個の板状ゴムの内、劣化した一部の板状ゴムのみを交換することもできる。
その結果、ゴム部が寿命に達したときには、よりローコストでゴム部のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。

0012

(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、
前記軸部には、外周側へ膨出する膨出部が形成され、前記外筒部と前記ゴム部との間には、前記ゴム部を前記膨出部に沿わせるように押圧する押圧部材を挿入したことを特徴とする。

0013

本発明においては、軸部には、外周側へ膨出する膨出部が形成され、外筒部とゴム部との間には、ゴム部を膨出部に沿わせるように押圧する押圧部材を挿入したので、膨出部に対するゴム部の位置ズレを防止しつつ、ゴム部における軸方向のばね定数と軸直角方向(径方向)のばね定数との差を低減させることができる。また、外筒部の内周面を軸部の膨出部に追従させて形成する必要が無く、外筒部を所定板厚筒状体から簡単に形成することもできる。
その結果、ゴム部の性能向上及び外筒部の簡素化を図りつつ、ゴム部が寿命に達したときには、よりローコストでゴム部のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。

0014

(5)(4)に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、
前記押圧部材は、板状ゴムを複数個積層して形成されていることを特徴とする。

0015

本発明においては、押圧部材は、板状ゴムを複数個積層して形成されているので、市販の板状ゴムを所定形状に切断して積層することによって、押圧部材を簡単に形成することができる。そのため、所定形状に一体成形するゴム成形型を用いることなく、押圧部材をよりローコストで簡単に形成することができる。また、積層した複数個の板状ゴムの内、劣化した一部の板状ゴムのみを交換することもできる。
その結果、押圧部材が寿命に達したときには、よりローコストで押圧部材のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。

0016

(6)(5)に記載されたピン付きゴムブッシュにおいて、
前記外筒部の内周面には、前記押圧部材における板状ゴムの軸方向端縁を外方から規制する鍔付き筒状体を備えたことを特徴とする。

0017

本発明においては、外筒部の内周面には、押圧部材における板状ゴムの軸方向端縁を外方から規制する鍔付き筒状体を備えたので、押圧部材における積層された板状ゴムの位置ズレやほつれ等を簡単に防止することができる。
その結果、押圧部材の形状安定性を高めつつ、押圧部材が寿命に達したときには、よりローコストで押圧部材のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。

0018

(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載されたピン付きゴムブッシュの組立て分解方法であって、
前記棚部に係止して前記ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を保持する保持治具を備え、当該保持治具によって前記外筒部を縮径させた状態に保持して、前記外筒部を前記取付対象物の貫通孔に着脱させることを特徴とする。

0019

本発明においては、棚部に係止してゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を保持する保持治具を備え、当該保持治具によって外筒部を縮径させた状態に保持して、外筒部を取付対象物の貫通孔に着脱させるので、各外筒分割片の棚部に保持治具を係止して、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部を取付対象物の貫通孔より僅かに小さく縮径させ、当該貫通孔に外筒部を挿入させることができる。また、外筒部を取付対象物の貫通孔に挿入させた後、棚部に係止した保持治具を取り外すことによって、当該貫通孔に挿入された外筒部は、僅かに拡径するだけで、取付対象物の貫通孔に圧着される。外筒部は、僅かに拡径するだけで、取付対象物の貫通孔に圧着されるので、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重は、略そのまま維持される。そのため、軸部とゴム部と外筒部とを、加硫接着することなくゴム部を予圧縮した状態で一体化して、外筒部を取付対象物の貫通孔に簡単に装着することができる。なお、棚部は、外筒分割片の外周面より内径側に形成されているので、外筒部を取付対象物の貫通孔に挿入する際、ゴム部を予圧縮する保持治具と貫通孔との干渉を回避することができる。
また、ゴム部が寿命に達したときには、各外筒分割片の棚部に保持治具を係止して、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部を僅かに縮径させて軸部とゴム部と外筒部とを取付対象物の貫通孔から脱出させることができる。その後、各外筒分割片の棚部に係止した保持治具を取り外して、ゴム部を軸心方向へ予圧縮する荷重を解除することによって、軸部とゴム部と外筒部とを分離して、ゴム部のみを簡単に交換することができる。この場合、軸部と外筒部とを再利用することができる。
よって、本発明によれば、軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみを簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できるピン付きゴムブッシュの組立て分解方法を提供することができる。

0020

(8)(7)に記載されたピン付きゴムブッシュの組立て分解方法であって、
前記保持治具には、前記棚部に係止可能な爪部と、当該爪部と一体状に形成され前記軸部に締結可能に形成された基端部とを有する係止部材を備え、前記係止部材を前記軸部に締結した状態で、前記外筒部を前記取付対象物の貫通孔に挿脱させることを特徴とする。

0021

本発明においては、保持治具には、棚部に係止可能な爪部と、当該爪部と一体状に形成され軸部に締結可能に形成された基端部とからなる係止部材を備え、係止部材を軸部に締結した状態で、外筒部を取付対象物の貫通孔に挿脱させるので、係止部材を軸部に締結することによって各外筒分割片の棚部と係止部材の爪部との係止状態を確実に維持しつつ、外筒部を取付対象物の貫通孔に挿入させ、又は外筒部を取付対象物の貫通孔から脱出させることができる。そのため、外筒部の取付対象物の貫通孔への着脱作業を、より確実かつ簡単に行うことができる。また、上記着脱作業には、外筒部を取付対象物の貫通孔へ圧入する圧入装置などの大掛かりな装置を必要としない。
その結果、軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく簡単に一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみをより一層簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できる。

発明の効果

0022

本発明によれば、軸部とゴム部と外筒部とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部が寿命に達したときには、ゴム部のみを簡単に交換して軸部と外筒部とを再利用できるピン付きゴムブッシュ及びその組立て分解方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0023

本発明の実施形態に係るピン付きゴムブッシュの断面図である。
図1に示すA視正面図である。
図2に示すB−B断面図である。
図1に示すピン付きゴムブッシュの第1変形例における断面図である。
図4に示すC視正面図である。
図1に示すピン付きゴムブッシュの第2変形例における断面図である。
図6に示すD視正面図である。
図1に示すピン付きゴムブッシュにおいて、ゴム部を予圧縮させる加圧治具の正面図である。
図1に示すピン付きゴムブッシュにおいて、ゴム部を予圧縮させた状態を保持する保持治具の断面図である。
図9に示すE視正面図である。
従来のピン付きゴムブッシュを鉄道車両用オイルダンパに装着した説明図である。

実施例

0024

次に、本発明の実施形態に係るピン付きゴムブッシュについて、図面を参照しながら詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係るピン付きゴムブッシュの全体構成を説明し、その後、本ピン付きゴムブッシュの変形例を説明する。最後に、本ピン付きゴムブッシュの組立て分解方法を説明する。

0025

<ピン付きゴムブッシュの全体構成>
まず、本実施形態に係るピン付きゴムブッシュの全体構成について、図1図3を用いて説明する。図1に、本発明の実施形態に係るピン付きゴムブッシュの断面図を示す。図2に、図1に示すA視正面図を示す。図3に、図2に示すB−B断面図を示す。図3(a)は、外筒部を縮径させた状態を示し、図3(b)は、外筒部を拡径させた状態を示す。

0026

図1図3に示すように、本実施形態に係るピン付きゴムブッシュ10は、軸部1と、軸部1の外周側に配置され取付対象物4の貫通孔41に装着される外筒部2と、軸部1と外筒部2との間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部3とを備え、例えば、鉄道車両用オイルダンパ等に装着されている。

0027

軸部1は、金属製の略棒状体からなり、その軸方向中央部に外周側へ円弧状に膨出する膨出部11が形成されている。軸部1には、膨出部11の両端から所定厚さで軸方向へ延設された連結部12が形成されている。連結部12には、それぞれ垂直状に穿設された締結孔13が形成されている。連結部12は、締結孔13にボルト等を挿通して取付対象物(例えば、台車など)8に固定する。連結部12の取付対象物8への当接部には、軸部1の廻り止めを兼ねた垂直状壁部14が形成されている。

0028

外筒部2は、金属製の棚付き筒状体からなり、軸部1の膨出部11の外周側に配置されている。外筒部2は、取付対象物(例えば、鉄道車両用オイルダンパなど)4の貫通孔41に圧着されている。外筒部2の軸方向長さは、軸部1の膨出部11の軸方向長さと同程度である。外筒部2は、周方向で3等分に分割した複数個(3個)の外筒分割片21、22、23からなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める棚部211、221、231が、当該外筒分割片の外周面212、222、232より所定の段差で内径側に形成されている。棚部211、221、231は、円弧状に形成されている。なお、外周面212、222、232と棚部211、221、231との段差の高さは、後述する保持治具6の爪部611、621の厚さ以上に設定されている。

0029

外筒部2は、軸部1の膨出部11における円弧形状に対応して、軸方向の中央部が薄肉状に形成され、軸方向の両端部が厚肉状に形成されている。外筒分割片21、22、23の周方向端部213、223、233には、隣接する外筒分割片同士を弾発可能に係合させる係合凸部5と係合凹部53とが形成されている。係合凸部5と係合凹部53とは、外筒分割片21、22、23の厚肉状に形成された軸方向の両端部に形成されている。係合凸部5は、球状のボール体51と当該ボール体51を係合凹部53に向けて付勢するボール付勢体52とから構成されている。ボール付勢体52は、例えば、ゴム部材である。

0030

ボール付勢体52は、周方向端部233から周方向へ穿設された収納孔233hに挿入されている。隣接する外筒分割片21、22、23の周方向端部213、223、233の間に多少の隙間Pがある場合でも、ボール付勢体52の付勢力によってボール体51と係合凹部53との係合状態を保持させることができる。したがって、外筒部2を縮径又は拡径させた場合でも、各外筒分割片21、22、23を互いに連結させた状態を維持することができる。なお、係合凹部53には、外筒分割片21の外周面から傾斜孔215が穿設されている。傾斜孔215は、ボール体51をボール付勢体52の付勢力に抗して、収納孔233hへ押し戻すピンを挿入する孔である。

0031

ゴム部3は、ゴム製の略筒状体からなり、軸部1の膨出部11の外周面と外筒部2の内周面とによって径方向へ挟圧されている。ゴム部3の軸方向長さは、軸部1の膨出部11の軸方向長さと同程度である。ゴム部3は、所定形状に一体成形するゴム成形型によって形成されている。ゴム部3は、例えば、硬度50〜60°程度(JIS K 6253)であって、その厚さ方向の予圧縮率が20〜40%程度であるように、成分配合されている。

0032

<ピン付きゴムブッシュの変形例>
次に、本ピン付きゴムブッシュの変形例を、図4図7を用いて説明する。図4に、図1に示すピン付きゴムブッシュの第1変形例における断面図を示す。図5に、図4に示すC視正面図を示す。図6に、図1に示すピン付きゴムブッシュの第2変形例における断面図を示す。図7に、図6に示すD視正面図を示す。

0033

(第1変形例)
図4図5に示すように、第1変形例のピン付きゴムブッシュ10Bは、軸部1と、軸部1の外周側に配置され取付対象物4の貫通孔41に装着される外筒部2Bと、軸部1と外筒部2Bとの間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部3Bとを備え、例えば、鉄道車両用オイルダンパ等に装着されている。第1変形例のピン付きゴムブッシュ10Bは、前述したピン付きゴムブッシュ10に対して、軸部1のみが共通し、外筒部2B及びゴム部3Bが相違する。ここでは、相違する外筒部2B及びゴム部3Bについて詳細に説明し、共通する軸部1については、同一の符号を付してその説明を割愛する。

0034

外筒部2Bは、金属製の棚付き筒状体からなり、軸部1の膨出部11の外周側に配置されている。外筒部2Bは、所定の板厚金属筒状体(例えば、円筒鋼管)を所定の長さに切断し、軸方向端部のみを階段状に縮径加工して作製する。外筒部2Bは、取付対象物(例えば、鉄道車両用オイルダンパなど)4の貫通孔41に圧着されている(図1を参照)。外筒部2Bの軸方向長さは、軸部1の膨出部11の軸方向長さと同程度である。外筒部2Bは、周方向で3等分に分割した複数個(3個)の外筒分割片21B、22B、23Bからなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、ゴム部3Bを軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める棚部211B、221B、231Bが、当該外筒分割片の外周面212B、222B、232Bより所定の段差で内径側に形成されている。棚部211B、221B、231Bは、軸心を中心とする円弧状に形成されている。なお、外周面212B、222B、232Bと棚部211B、221B、231Bとの段差の高さは、後述する保持治具6の爪部611、621の厚さ以上に設定されている。

0035

ゴム部3Bは、板状ゴム31B、32B、33Bを径方向へ複数個(例えば、3個)積層して略筒状に形成されている。各板状ゴム31B、32B、33Bは、市販のシート状の板状ゴムを所定の大きさに切断して、軸部1の膨出部11に巻回して形成されている。板状ゴム31B、32B、33Bの軸方向長さは、軸部1の膨出部11の軸方向長さと同程度である。板状ゴム31B、32B、33Bは、例えば、硬度50〜60°程度(JIS K 6253)であって、その厚さ方向の予圧縮率が20〜40%程度であるように、成分配合されている。また、外筒部2Bとゴム部3Bとの間には、一対の押圧ゴム部(押圧部材)34B、35Bが挿入されている。押圧ゴム部34B、35Bは、軸方向前後に配置され、板状ゴム31B、32B、33Bを外周側から押圧して軸部1の膨出部11に沿わせるように円環状に形成されている。押圧ゴム部34B、35Bは、略三角形断面円環形状に一体成形するゴム成形型によって形成されている。

0036

(第2変形例)
図6図7に示すように、第2変形例のピン付きゴムブッシュ10Cは、軸部1と、軸部1の外周側に配置され取付対象物4の貫通孔41に装着される外筒部2Cと、軸部1と外筒部2Cとの間に嵌合され予圧縮された略筒状のゴム部3Cとを備え、例えば、鉄道車両用オイルダンパ等に装着されている。第2変形例のピン付きゴムブッシュ10Cは、前述したピン付きゴムブッシュ10に対して、軸部1のみが共通し、外筒部2C及びゴム部3Cが相違する。ここでは、相違する外筒部2C及びゴム部3Cについて詳細に説明し、共通する軸部1については、同一の符号を付してその説明を割愛する。

0037

外筒部2Cは、金属製の棚付き筒状体からなり、軸部1の膨出部11の外周側に配置されている。外筒部2Cは、変形例1の外筒部2Bと同様に作製する。外筒部2Cは、取付対象物(例えば、鉄道車両用オイルダンパなど)4の貫通孔41に圧着されている(図1を参照)。外筒部2Cの軸方向長さは、軸部1の膨出部11の軸方向長さと同程度である。外筒部2Cは、周方向で3等分に分割した複数個(3個)の外筒分割片21C、22C、23Cからなり、それぞれの外筒分割片の軸方向端部には、ゴム部3Cを軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める棚部211C、221C、231Cが、当該外筒分割片の外周面212C、222C、232Cより所定の段差で内径側に形成されている。棚部211C、221C、231Cは、軸心を中心とする円弧状に形成されている。なお、外周面212C、222C、232Cと棚部211C、221C、231Cとの段差の高さは、後述する保持治具6の爪部611、621の厚さ以上に設定されている。

0038

外筒部2Cの内周面には、樹脂製の鍔付き筒状体24が装着されている。鍔付き筒状体24は、熱収縮チューブを所定の長さに切断し、加熱しながら軸方向端部のみを軸心方向へL字状に曲げ加工して作製する。鍔付き筒状体24は、後述する押圧ゴム部34C、35Cにおける板状ゴム341C、342C、343C、板状ゴム351C、352C、353Cの軸方向端縁を外方から規制するように形成されている。鍔付き筒状体24は、押圧ゴム部34C、35Cを被覆するように一体成形してもよいが、外筒分割片21C、22C、23Cと同様に、周方向で分割してもよい。

0039

ゴム部3Cは、板状ゴム31C、32C、33Cを径方向へ複数個(例えば、3個)積層して略筒状に形成されている。各板状ゴム31C、32C、33Cは、第1変形例のゴム部3Bと同様に、市販のシート状の板状ゴムを所定の大きさに切断して、軸部1の膨出部11に巻回して形成されている。板状ゴム31C、32C、33Cの軸方向長さは、軸部1の膨出部11の軸方向長さと同程度である。板状ゴム31C、32C、33Cは、例えば、硬度50〜60°程度(JIS K 6253)であって、その厚さ方向の予圧縮率が20〜40%程度であるように、成分配合されている。

0040

外筒部2Cとゴム部3Cとの間には、一対の押圧ゴム部(押圧部材)34C、35Cが挿入されている。押圧ゴム部34C、35Cは、軸方向前後に配置され、板状ゴム31B、32B、33Bを外周側から押圧して軸部1の膨出部11に沿わせるように円環状に巻回されている。押圧ゴム部34C、35Cは、板状ゴム341C、342C、343C、板状ゴム351C、352C、353Cをそれぞれ径方向へ複数個(例えば、3個)積層して、全体として略三角形断面を構成するように形成されている。板状ゴム341C、342C、343C、板状ゴム351C、352C、353Cは、市販のシート状の板状ゴムをそれぞれ所定の大きさに切断して形成されている。

0041

<ピン付きゴムブッシュの組立て分解方法>
次に、本ピン付きゴムブッシュの組立て分解方法を、図8図10を用いて説明する。図8に、図1に示すピン付きゴムブッシュにおいて、ゴム部を予圧縮させる加圧治具の正面図を示す。図9に、図1に示すピン付きゴムブッシュにおいて、ゴム部を予圧縮させた状態を保持する保持治具の断面図を示す。図10に、図9に示すE視正面図を示す。

0042

組立て方法
図8に示すように、本ピン付きゴムブッシュを組み立てるときには、外筒部2(21、22、23)の外周面に、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させる加圧治具7を装着する。加圧治具7には、外筒部2(21、22、23)の外周面に沿って円弧状に形成された外筒当接部711と、外筒当接部711の両端部から水平状に延設された加圧部712とからなる一対の枠部材71を備えている。また、加圧治具7には、対向する加圧部712同士を近接させる方向へ押圧する押圧部材72を備えている。押圧部材72は、例えば、対向する加圧部712を貫通する締結ボルト721とナット722とから構成されている。加圧治具7の締結ボルト721とナット722とを締付けることによって、外筒部2(21、22、23)の外径を、取付対象物4の貫通孔41(図1を参照)より僅かに小さく縮径させる。

0043

次に、図9図10に示すように、外筒部2(21、22、23)の外周面に加圧治具7を装着した状態で、外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に保持治具6を係止する。保持治具6には、外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に係止可能な爪部611、621と当該爪部611、621と一体状に形成され軸部1に締結可能に形成された基端部612、622とからなる一対の係止部材61、62と、対向する基端部612、622同士を近接する方向へ押圧する押圧部材63、64とを備えている。なお、爪部611、621は、軸心を中心とする円弧状に形成され、その外径は、外筒分割片21、22、23の外周面212、222、232の外径以下に設定されている。また、基端部612、622には、軸部1の垂直状壁部14に当接する縦壁部613,623が形成されている。押圧部材63、64は、例えば、対向する基端部612、622を貫通する締結ボルト63とナット64とから構成されている。係止部材61、62を軸部1に締結した状態で、締結ボルト63のねじ軸631が軸部1の締結孔13に当接し、爪部611、621が棚部211、221、231から外れるのを防止している。

0044

次に、外筒部2(21、22、23)の外周面に装着した加圧治具7を外してから、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、取付対象物(例えば、鉄道車両用オイルダンパなど)4の貫通孔41に外筒部2を挿入する。また、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に挿入させた後、棚部211、221、231に係止した保持治具6の爪部611、621を取り外す。これによって、取付対象物4の貫通孔41に挿入された外筒部2は、僅かに拡径するだけで、その貫通孔41に圧着される。外筒部2は、僅かに拡径するだけで、取付対象物4の貫通孔41に圧着されるので、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重は、略そのまま維持される。また、軸部1の連結部12は、締結孔13にボルト等を挿通して取付対象物(例えば、台車など)8に固定する。以上の手順で、本ピン付きゴムブッシュ10を組み立てることができる。

0045

分解方法
次に、図9図10に示すように、ゴム部3が寿命に達したときには、軸部1の連結部12と取付対象物(例えば、台車など)8との連結を解除した上で、各外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に保持治具6の爪部611、621を係止して、締結ボルト63とナット64とを締付け、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部2を僅かに縮径させて軸部1とゴム部3と外筒部2とを取付対象物4の貫通孔41から脱出させる。

0046

その後、各外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に係止した保持治具6を取り外して、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を解除し、軸部1とゴム部3と外筒部2とを分離する。これによって、ゴム部3のみを簡単に交換することができる。この場合、軸部1と外筒部2とを再利用することができる。以上の手順で、本ピン付きゴムブッシュ10を分解することができる。

0047

作用効果
以上、詳細に説明した本実施形態に係るピン付きゴムブッシュ10によれば、外筒部2は、周方向で分割した複数個の外筒分割片21、22、23からなり、それぞれの外筒分割片21、22、23の軸方向端部には、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を受け止める棚部211、221、231が、当該外筒分割片の外周面212、222、232より内径側に形成されているので、各外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に保持治具6の爪部611、621を係止して、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41より僅かに小さく縮径させ、当該貫通孔41に外筒部2を挿入させることができる。また、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に挿入させた後、棚部211、221、231に係止した保持治具6の爪部611、621を取り外しても、取付対象物4の貫通孔41に挿入された外筒部2は、僅かに拡径するだけで、取付対象物4の貫通孔41に圧着され、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重は、略そのまま維持される。そのため、軸部1とゴム部3と外筒部2とを、加硫接着することなくゴム部を予圧縮した状態で一体化して、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に簡単に装着することができる。また、軸部1とゴム部3と外筒部2とを加硫接着する費用を、不要とすることができる。

0048

なお、棚部211、221、231は、外筒分割片21、22、23の外周面212、222、232より内径側に形成されているので、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に挿入する際、ゴム部3を予圧縮する保持治具6と貫通孔41との干渉を回避することができる。

0049

また、ゴム部3が寿命に達したときには、各外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に保持治具6の爪部611、621を係止して、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部2を僅かに縮径させて軸部1とゴム部3と外筒部2とを取付対象物4の貫通孔41から脱出させることができる。その後、各外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に係止した保持治具6の爪部611、621を取り外して、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を解除すれば、軸部1とゴム部3と外筒部2とを分離して、ゴム部3のみを簡単に交換することができる。この場合、軸部1と外筒部2とを再利用することができる。

0050

よって、本実施形態によれば、軸部1とゴム部3と外筒部2とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部3が寿命に達したときには、ゴム部3のみを簡単に交換して軸部1と外筒部2とを再利用できるピン付きゴムブッシュ10を提供することができる。

0051

また、本実施形態によれば、外筒分割片21、22、23の周方向端部213、223、233には、隣接する外筒分割片21、22、23同士を弾発可能に係合させる係合凸部5と係合凹部53とが形成されているので、隣接する外筒分割片21、22、23同士が多少離間した状態でも、外筒分割片21、22、23同士を互いに係合させることができる。そのため、隣接する外筒分割片21、22、23同士が係合した状態で、外筒部2を僅かに拡径させ、外筒部2の内周側にゴム部3を簡単に挿入することができる。その結果、ゴム部3が寿命に達したときには、ゴム部3のみをより簡単に交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。

0052

また、本実施形態によれば、ゴム部3B(3C)は、板状ゴム31B、32B、33B(31C、32C、33C)を径方向へ複数個積層して形成されているので、市販の板状ゴムを所定形状に複数個切断して径方向へ巻回しながら積層することによって、ゴム部3B(3C)を略筒状に形成することができる。そのため、所定形状のゴム部を一体成形するゴム成形型を用いることなく、ゴム部3B(3C)をよりローコストで簡単に形成することができる。また、積層した複数個の板状ゴム31B、32B、33B(31C、32C、33C)の内、劣化した一部の板状ゴムのみを交換することもできる。その結果、ゴム部3B(3C)が寿命に達したときには、よりローコストでゴム部3B(3C)のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。

0053

また、本実施形態によれば、軸部1には、外周側へ膨出する円弧状の膨出部11が形成され、外筒部2B(2C)とゴム部3B(3C)との間には、板状ゴム31B、32B、33B(31C、32C、33C)を膨出部11に沿わせるように押圧する押圧ゴム部34B、35B(34C、35C)を挿入したので、膨出部11に対する板状ゴム31B、32B、33B(31C、32C、33C)の位置ズレを防止しつつ、ゴム部3B(3C)における軸方向のばね定数と軸直角方向(径方向)のばね定数との差を低減させることができる。また、外筒部2B(2C)の内周面を軸部1の膨出部11に追従させて形成する必要が無く、外筒部2B(2C)を所定板厚の筒状体から簡単に形成することもできる。その結果、ゴム部3B(3C)の性能向上及び外筒部2B(2C)の簡素化を図りつつ、ゴム部3B(3C)が寿命に達したときには、よりローコストでゴム部のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。

0054

また、本実施形態によれば、押圧ゴム部34C(35C)は、板状ゴム341C、342C、343C(351C、352C、353C)を複数個積層して形成されているので、市販の板状ゴムを所定形状に切断して積層することによって、押圧ゴム部34C(35C)を簡単に形成することができる。そのため、所定形状の押圧ゴム部を一体成形するゴム成形型を用いることなく、押圧ゴム部34C(35C)をよりローコストで簡単に形成することができる。また、押圧ゴム部34C(35C)における積層した複数個の板状ゴム341C、342C、343C(351C、352C、353C)の内、劣化した一部の板状ゴムのみを交換することもできる。
その結果、押圧ゴム部34C(35C)が寿命に達したときには、よりローコストで押圧ゴム部のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。

0055

また、本実施形態によれば、外筒部2Cの内周面には、押圧ゴム部34C(35C)における板状ゴム341C、342C、343C(351C、352C、353C)の軸方向端縁を外方から規制する鍔付き筒状体24を備えたので、積層された板状ゴム341C、342C、343C(351C、352C、353C)の位置ズレやほつれ等を簡単に防止することができる。その結果、押圧ゴム部34C(35C)の形状安定性を高めつつ、押圧ゴム部34C(35C)が寿命に達したときには、よりローコストで押圧ゴム部のみを交換して、メンテナンスコストのより一層の低減を図ることができる。

0056

また、他の実施形態に係るピン付きゴムブッシュの組立て分解方法によれば、棚部211、221、231に係止してゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を保持する保持治具6を備え、当該保持治具6によって外筒部2を縮径させた状態に保持して、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に着脱させるので、各外筒分割片の棚部211、221、231に保持治具6を係止して、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41より僅かに小さく縮径させ、当該貫通孔41に外筒部2を挿入させることができる。また、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に挿入させた後、棚部211、221、231に係止した保持治具6を取り外すことによって、当該貫通孔41に挿入された外筒部2は、僅かに拡径するだけで、取付対象物4の貫通孔41に圧着される。外筒部2は、僅かに拡径するだけで、取付対象物4の貫通孔41に圧着されるので、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重は、略そのまま維持される。そのため、軸部1とゴム部3と外筒部2とを、加硫接着することなくゴム部3を予圧縮した状態で一体化して、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に簡単に装着することができる。なお、棚部211、221、231は、外筒分割片21、22、23の外周面212、222、232より内径側に形成されているので、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に挿入する際、ゴム部3を予圧縮する保持治具6と貫通孔41との干渉を回避することができる。

0057

また、ゴム部3が寿命に達したときには、各外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に保持治具6を係止して、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を作用させた状態で、外筒部2を僅かに縮径させて軸部1とゴム部3と外筒部2とを取付対象物4の貫通孔41から脱出させることができる。その後、各外筒分割片21、22、23の棚部211、221、231に係止した保持治具6を取り外して、ゴム部3を軸心方向へ予圧縮する荷重を解除することによって、軸部1とゴム部3と外筒部2とを分離して、ゴム部3のみを簡単に交換することができる。この場合、軸部1と外筒部2とを再利用することができる。

0058

よって、本他の実施形態によれば、軸部1とゴム部3と外筒部2とを加硫接着することなく一体化し、ゴム部3が寿命に達したときには、ゴム部3のみを簡単に交換して軸部1と外筒部2とを再利用できるピン付きゴムブッシュ10の組立て分解方法を提供することができる。

0059

また、本他の実施形態によれば、保持治具6には、棚部211、221、231に係止可能な爪部611、621と、当該爪部611、621と一体状に形成され軸部1に締結可能に形成された基端部612、622とからなる一対の係止部材61、62を備え、係止部材61、62を軸部1に締結した状態で、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に挿脱させるので、係止部材61、62を軸部1に締結することによって各外筒分割片の棚部211、221、231と係止部材61、62の爪部611、621との係止状態を確実に維持しつつ、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に挿入させ、又は外筒部2を取付対象物4の貫通孔41から脱出させることができる。そのため、外筒部2の取付対象物4の貫通孔41への着脱作業を、より確実かつ簡単に行うことができる。また、この着脱作業においては、外筒部2を取付対象物4の貫通孔41に圧入する圧入装置などの大掛かりな装置を必要としない。その結果、軸部1とゴム部3と外筒部2とを加硫接着することなく簡単に一体化し、ゴム部3が寿命に達したときには、ゴム部3のみをより一層簡単に交換して軸部1と外筒部2とを再利用できる。

0060

以上、本実施形態のピン付きゴムブッシュ10及び他の実施形態に係るピン付きゴムブッシュの組立て分解方法を詳細に説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、本実施形態では、ピン付きゴムブッシュ10の外筒部2は、3等分に分割したが、必ずしもこれに限る必要はなく、例えば、2等分又は4等分以上に分割してもよい。
また、例えば、本実施形態では、ピン付きゴムブッシュ10を鉄道車両用オイルダンパに装着したが、必ずしもこれに限る必要はなく、例えば、鉄道車両の各種リンク軸はり等にも装着することができる。

0061

1 軸部
2、2B、2C外筒部
3、3B、3Cゴム部
4、8取付対象物
5係合凸部
6保持治具
7加圧治具
10、10B、10Cピン付きゴムブッシュ
11膨出部
12 連結部
21、22、23外筒分割片
24鍔付き筒状体
41貫通孔
53 係合凹部
61、62係止部材
21B、22B、23B 外筒分割片
21C、22C、23C 外筒分割片
31B、32B、33B板状ゴム
31C、32C、33C 板状ゴム
34B、35B押圧ゴム部(押圧部材)
34C、35C 押圧ゴム部(押圧部材)
211、221、231棚部
212、222、232外周面
213、223、233周方向端部
341C、342C、343C 板状ゴム
351C、352C、353C 板状ゴム
611、621 爪部
612、622基端部

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