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技術 除電装置

出願人 春日電機株式会社
発明者 野村信雄鈴木浩志村真二最上智史峯村和樹
出願日 2015年4月2日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-075850
公開日 2016年11月24日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2016-197493
状態 特許登録済
技術分野 静電気の除去 電子写真における除電・感光体形状
主要キーワード 極性配置 電極バー 先端間距離 交流電極 対向放電電極 シート近傍 直流電極 放電電極針
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年11月24日)のものです。
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図面 (9)

課題

シートの両面を、より完璧に除電でき、しかも小型化が可能な除電装置を提供することである。

解決手段

シート1の一方の面1aに対向し、上記シート1の移動方向Aにほぼ直交する直線上に配置され、直流電圧印加する複数の第1の放電電極12aと、シート1を挟んで第1の放電電極12aと対向し、シート1の移動方向Aにほぼ直交する直線上に配置され、直流電圧を印加する複数の第2の放電電極13aとを備え、上記第1、2の放電電極12a,13aは、それぞれ隣り合う放電電極の極性逆極性にするとともに、上記シート1を挟んで対向する第1の放電電極12aと第2の放電電極13aの極性を逆極性にする。そして、シート1を挟んで対向する第1,2放電電極12a,13a間の距離zを、隣り合う放電電極12a,12a間の距離x、13a,13a間の距離xよりも小さくした。

概要

背景

従来から、帯電したシートの表面を除電する除電装置が知られている。
図6に示す従来の除電装置は、矢印A方向に移動するシート1の移動方向上流側から順に、シート1を挟んで対向する正の直流電極バー2と負の直流電極バー3、その下流側で対向する負の直流電極バー4と正の直流電極バー5、及び一対の交流電極バー6,7を備えている。
上記直流電極バー2〜5及び交流電極バー6,7は、それぞれ、シート1の幅方に延びる直線上に複数の放電電極針を配置してなり、放電電極針の先端をシート1の面1a又は1bに対向させている。

上記正の直流電極バー2,5には正の直流高電圧源8が接続され、正の直流高電圧が印加されて正のコロナ放電が発生し、空気の正イオンが生成される。また、負の直流電極バー3,4には、負の直流高電圧源9が接続され、負の直流高電圧が印加されて負のコロナ放電が発生し、空気の負イオンが生成される。
さらに、交流電極バー6,7には、交流高電圧源10が接続され、交流高電圧が印加されて正,負イオンが交互に生成されるようにしている。

このような除電装置では、帯電したシート1は、その移動過程で、まず、一方の面1aに上記正の直流電極バー2で生成された正イオンが照射されて負の電荷が除電され、次に負の直流電極バー4で生成された負イオンが照射されて正の電荷が除電され、シート1の面1aは一定のレベルまで除電されるが、残った電荷が交流電極バー6で生成された正,負イオンでさらに除電される。

また、シート1の他方の面1bには、負の直流電極バー3から負イオンが照射されて正の電荷が除電され、正の直流電極バー5から正イオンが照射されて負の電荷が除電され、残った電荷が交流電極バー7で生成された正,負イオンで除電される。
なお、上記の除電過程において、シート1を挟んで対向する直流電極バー2と3、直流電極バー4と5は、互いに逆極性電圧が印加されているため、シート1に向かう電気力線によって、各直流電極バー2〜5によって生成されたイオンはシート1に強制的に導かれるようになっている。

上記従来の除電装置において、上流側の一組の正,負の直流電極バー2,3の下流側に、もう一組の負,正の直流電極バー4,5と、一対の交流電極バー6,7とを設けているのは次の理由による。
上記各直流電極バー2〜5には、正又は負のいずれか一方の極性の直流高電圧が印加されるので、1つの直流電極バーにおける全ての放電電極針は同一極性になる。そのため、1つの直流電極バーでコロナ放電によって生成されるイオンの極性は正,負いずれか一方のみとなる。

これに対し、帯電したシート1の表面は、全体として正,負いずれかの極性への偏りがあったとしても、完全に一方の極性の電荷しか存在しないということはほとんどない。
そのため、シート1の表面を一定レベルまで除電しようとすると、正又は負のいずれか一方のイオンのみを照射したのでは足りず、シート1の移動方向に沿って極性を反対にした直流電極バーを設けることが必要になる。
つまり、図6に示すように、正の直流電極バー2の下流に負の直流電極バー4を、負の直流電極バー3の下流に正の直流電極バー5を設けることが必須である。

また、上記のように配置した直流電極バー2〜5を通過したシート1の面1a,1bには、下流側の直流電極バー4,5の影響がより強く出ることになる。
一方の面1aでは、初めに正イオンが照射され、負の電荷が除電されるが、上記正イオンはシート1に向かう電気力線によって上記面1aに導かれるようになっているため、強制的に導かれた正イオンによって面1aは正に逆帯電してしまうことがある。
このように逆帯電してしまった部分や、もともと正に帯電していた部分の電荷は、下流側の負の直流電極バー4から放射される負イオンによって除電される。しかし、この負イオンも上記したようにシート1に向かう電気力線によって強制的に導かれるため、正の電荷を除電するだけでなく、面1aを負に逆帯電させてしまいやすい。そのため、正,負の直流電極バー2,4を通過したシート1の面1aは負に逆帯電してしまうことが多い。

同様に、他方の面1b側は、下流側に位置する正の直流電極バー5によって正に逆帯電してしまう傾向がある。このように、シート1が下流側の上記直流電極バー4,5を通過した後にも、面1a,1bには電荷が残っている。この残っている電荷を除電するために、上記交流電極バー6,7を設けている。

概要

シートの両面を、より完璧に除電でき、しかも小型化が可能な除電装置を提供することである。 シート1の一方の面1aに対向し、上記シート1の移動方向Aにほぼ直交する直線上に配置され、直流電圧を印加する複数の第1の放電電極12aと、シート1を挟んで第1の放電電極12aと対向し、シート1の移動方向Aにほぼ直交する直線上に配置され、直流電圧を印加する複数の第2の放電電極13aとを備え、上記第1、2の放電電極12a,13aは、それぞれ隣り合う放電電極の極性を逆極性にするとともに、上記シート1を挟んで対向する第1の放電電極12aと第2の放電電極13aの極性を逆極性にする。そして、シート1を挟んで対向する第1,2放電電極12a,13a間の距離zを、隣り合う放電電極12a,12a間の距離x、13a,13a間の距離xよりも小さくした。

目的

この発明の目的は、シートの両面を完璧に除電でき、しかも小型化が可能な除電装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

移動するシートの両面に、放電により生成された正イオン及び負イオン照射して上記シートの両面を除電する除電装置において、上記シートの一方の面に対向し、上記シートの移動方向にほぼ直交する直線上に配置され、直流電圧印加する複数の第1の放電電極と、上記シートを挟んで上記第1の放電電極と対向し、上記シートの移動方向にほぼ直交する直線上に配置され、直流電圧を印加する複数の第2の放電電極とを備え、上記第1,2の放電電極は、それぞれ隣り合う放電電極の極性逆極性にするとともに、上記シートを挟んで対向する第1の放電電極と第2の放電電極の極性を逆極性にし、上記シートを挟んで対向する第1,2放電電極間の距離を、隣り合う放電電極間の距離よりも小さくした除電装置。

請求項2

上記シートの移動方向に対して上流となる位置に上記第1,2の放電電極を設け、この第1,2の放電電極よりも下流となる位置であって、上記シートの一方の面に対向するとともに、上記シートの移動方向にほぼ直交する一方の交流電極と、上記シートを挟んで上記一方の交流電極と対向するとともに、上記シートの移動方向にほぼ直交する他方の交流電極とを備えた請求項1に記載の除電装置。

技術分野

0001

この発明は、両面が帯電した状態で移動するシートを両面同時に除電する除電装置に関する。

背景技術

0002

従来から、帯電したシートの表面を除電する除電装置が知られている。
図6に示す従来の除電装置は、矢印A方向に移動するシート1の移動方向上流側から順に、シート1を挟んで対向する正の直流電極バー2と負の直流電極バー3、その下流側で対向する負の直流電極バー4と正の直流電極バー5、及び一対の交流電極バー6,7を備えている。
上記直流電極バー2〜5及び交流電極バー6,7は、それぞれ、シート1の幅方に延びる直線上に複数の放電電極針を配置してなり、放電電極針の先端をシート1の面1a又は1bに対向させている。

0003

上記正の直流電極バー2,5には正の直流高電圧源8が接続され、正の直流高電圧が印加されて正のコロナ放電が発生し、空気の正イオンが生成される。また、負の直流電極バー3,4には、負の直流高電圧源9が接続され、負の直流高電圧が印加されて負のコロナ放電が発生し、空気の負イオンが生成される。
さらに、交流電極バー6,7には、交流高電圧源10が接続され、交流高電圧が印加されて正,負イオンが交互に生成されるようにしている。

0004

このような除電装置では、帯電したシート1は、その移動過程で、まず、一方の面1aに上記正の直流電極バー2で生成された正イオンが照射されて負の電荷が除電され、次に負の直流電極バー4で生成された負イオンが照射されて正の電荷が除電され、シート1の面1aは一定のレベルまで除電されるが、残った電荷が交流電極バー6で生成された正,負イオンでさらに除電される。

0005

また、シート1の他方の面1bには、負の直流電極バー3から負イオンが照射されて正の電荷が除電され、正の直流電極バー5から正イオンが照射されて負の電荷が除電され、残った電荷が交流電極バー7で生成された正,負イオンで除電される。
なお、上記の除電過程において、シート1を挟んで対向する直流電極バー2と3、直流電極バー4と5は、互いに逆極性電圧が印加されているため、シート1に向かう電気力線によって、各直流電極バー2〜5によって生成されたイオンはシート1に強制的に導かれるようになっている。

0006

上記従来の除電装置において、上流側の一組の正,負の直流電極バー2,3の下流側に、もう一組の負,正の直流電極バー4,5と、一対の交流電極バー6,7とを設けているのは次の理由による。
上記各直流電極バー2〜5には、正又は負のいずれか一方の極性の直流高電圧が印加されるので、1つの直流電極バーにおける全ての放電電極針は同一極性になる。そのため、1つの直流電極バーでコロナ放電によって生成されるイオンの極性は正,負いずれか一方のみとなる。

0007

これに対し、帯電したシート1の表面は、全体として正,負いずれかの極性への偏りがあったとしても、完全に一方の極性の電荷しか存在しないということはほとんどない。
そのため、シート1の表面を一定レベルまで除電しようとすると、正又は負のいずれか一方のイオンのみを照射したのでは足りず、シート1の移動方向に沿って極性を反対にした直流電極バーを設けることが必要になる。
つまり、図6に示すように、正の直流電極バー2の下流に負の直流電極バー4を、負の直流電極バー3の下流に正の直流電極バー5を設けることが必須である。

0008

また、上記のように配置した直流電極バー2〜5を通過したシート1の面1a,1bには、下流側の直流電極バー4,5の影響がより強く出ることになる。
一方の面1aでは、初めに正イオンが照射され、負の電荷が除電されるが、上記正イオンはシート1に向かう電気力線によって上記面1aに導かれるようになっているため、強制的に導かれた正イオンによって面1aは正に逆帯電してしまうことがある。
このように逆帯電してしまった部分や、もともと正に帯電していた部分の電荷は、下流側の負の直流電極バー4から放射される負イオンによって除電される。しかし、この負イオンも上記したようにシート1に向かう電気力線によって強制的に導かれるため、正の電荷を除電するだけでなく、面1aを負に逆帯電させてしまいやすい。そのため、正,負の直流電極バー2,4を通過したシート1の面1aは負に逆帯電してしまうことが多い。

0009

同様に、他方の面1b側は、下流側に位置する正の直流電極バー5によって正に逆帯電してしまう傾向がある。このように、シート1が下流側の上記直流電極バー4,5を通過した後にも、面1a,1bには電荷が残っている。この残っている電荷を除電するために、上記交流電極バー6,7を設けている。

先行技術

0010

特開2008−004397号公報

発明が解決しようとする課題

0011

上記したように従来の除電装置は、直流電極バー2,3と4,5では、それぞれ一方の極性のイオンのみを生成し、対向する電極バー引き付けられるようにして、シート1の両面1a,1bには、互いに逆極性のイオンが強制的に導かれるため、シート1の厚みを介して電界Eが閉じる電気二重層が形成される(図7参照)。
説明のため、図7はシート1の厚みを大きく表しているが、実際にはシート1の厚みは数十〔μm〕〜1〔mm〕程度である。このようなシート1では、シート1の面1a,1bの正,負の電荷が、シート1の厚みを介して閉じた電界Eを形成する電気二重層を形成するため、見掛け帯電電位は低くなる。このように、シート1の見掛けの帯電電位が低いので、これを除電するために、上記交流電極バー6,7に同相交流高電圧を印加しても、交流電極バー6,7で生成されたイオンをシート1に引き寄せる力が弱く、シート1の面1a,1bの全ての電荷を中和することはほとんどできなかった。つまり、従来の除電装置では、電気二重層が形成されやすいうえ、形成された電気二重層を除電することも難しかった。

0012

一方で、静電気を利用したいわゆる電子写真画像形成プロセスによって印刷されたシートを除電する用途がある。
上記電子写真画像形成プロセスをシート1が通過すると、その両面1a,1bは帯電するが、上記したようにシート1の厚みが小さいと、上記のような電気二重層が形成されやすく、印刷機内に除電工程を設けてもシート1は除電されにくい。ただし、上記のように電界Eが閉じた状態であれば、上記シート1の面1a,1bの除電が不十分で、電荷が残っていたとしても特に問題は起こらない。

0013

しかし、上記のように見かけ上は帯電していないように見えるシート1が印刷機から排出されてトレイ11上に積層されると、図8に示すように、積層されたシート1,1が接触して、これらの距離はほぼゼロになり、シート1の厚みよりも小さくなる。したがって、シート1の両面の電荷は、自身の両面の電荷よりも、接触した他のシート1の電荷と結びつきやすい。例えば、図8に示す上から2枚目のシート1の一方の面1a上の負の電荷は、当該シート1の他方の面1bの正の電荷よりも、上層のシート1の面1bの正の電荷と引き合う力が大きくなる。そのため、積層されたシート1,1間には、正,負の電荷によって強力な吸引力fが発生する。なお、図8において最下層のシート1の面1bの電荷を表わしていないが、この面1bの電荷はそのまま残っている。

0014

上記吸引力fが発生すれば、この吸引力fによって積層されたシート1,1同士がくっついてしまう。その結果、シート1を1枚ずつ剥がすことが難しくなって、その後の工程がスムーズに進まないという問題が発生する。
そこで、上記トレイ11に積層される前のシート1をほぼ完璧に除電するため、印刷機に除電装置を組み付けて用いることが考えられるが、上記したように、図6に示す従来の除電装置では、シート1の両面1a,1bの電荷を完璧に除電することができないため、積層したシート1同士が吸着してしまうという問題があった。

0015

しかも、従来の除電装置は、シート1の移動方向に沿って、シート1を挟んだ少なくとも二組の直流電電極バー2,3と4,5と、一対の交流電極バー6,7とを設けることが必須である。そのため、この除電装置は、シート1の移動方向の寸法が大きくなり、小型化が難しかった。また、直流電気バー4,5によってシート1が逆帯電してしまうと、それを除電するために、正,負の直流電極バーの組をさらに下流側に設けて除電用のイオンを生成しなければならないこともあり、除電装置がより大型化してしまうこともあった。
また、大型化した除電装置では、スペース的に設置できない場合が多くなってしまう。
この発明の目的は、シートの両面を完璧に除電でき、しかも小型化が可能な除電装置を提供することである。

課題を解決するための手段

0016

この発明は、移動するシートの両面に、放電により生成された正イオン及び負イオンを照射して上記シートの両面を除電する除電装置を前提とする。
そして、第1の発明は、上記シートの一方の面に対向し、上記シートの移動方向にほぼ直交する直線上に配置され、直流電圧を印加する複数の第1の放電電極と、上記シートを挟んで上記第1の放電電極と対向し、上記シートの移動方向にほぼ直交する直線上に配置され、直流電圧を印加する複数の第2の放電電極とを備え、上記第1,2の放電電極は、それぞれ隣り合う放電電極の極性を逆極性にするとともに、上記シートを挟んで対向する第1の放電電極と第2の放電電極の極性を逆極性にし、上記シートを挟んで対向する第1,2放電電極間の距離を、隣り合う放電電極間の距離よりも小さくしたことを特徴とする。
なお、上記シートを挟んで対向する電極は、必ずしも正対しなくてもよい。シートの幅方向あるいは移動方向に多少ずれている場合も、上記対向に含むものとする。

0017

第2の発明は、上記シートの移動方向に対して上流となる位置に上記第1,2の放電電極を設け、この第1,2の放電電極よりも下流となる位置であって、上記シートの一方の面に対向するとともに、上記シートの移動方向にほぼ直交する一方の交流電極と、上記シートを挟んで上記一方の交流電極と対向するとともに、上記シートの移動方向にほぼ直交する他方の交流電極とを備えたことを特徴とする。

発明の効果

0018

第1の発明によれば、シートを挟んで互いに逆極性になる第1の放電電極及び第2の放電電極を配置すると、シート近傍ゼロ電位面となり、正イオン及び負イオンをシートの近傍に効率良く導いて除電に寄与させることができる。しかも、複数の第1の放電電極及び第2の放電電極が、それぞれ、シートの移動方向に直交する方向に沿って正,負交互に配置されているので、隣り合う極性の異なる放電電極間でもゼロ電位面が形成され、正と負の放電電極で生成されたイオンは、隣の放電電極に向かって拡散することになる。ただし、上記シートを挟んで対向する第1,2の放電電極間の距離を、隣り合う放電電極間の距離よりも小さくしているので、イオンに作用する力は、シートに向かう力の方が隣り合う放電電極に向かう力よりも強くなる。

0019

すなわち、生成された正イオンと負イオンは、隣り合う放電電極の方向に引き付けられながら、シート方向に強く引き付けられて、上記シートに向かって移動するので、シートの近傍には正イオンと負イオンとが同時に混在することになる。そのため、シート両面の正,負の電荷が同時に除電されるとともに、一方の極性のみのイオンを強制的に照射した場合のような逆帯電も起こりにくく、電気二重層も形成されにくくなる。
したがって、シートを挟んだ一組の第1,2放電電極だけで、効率的でほぼ完璧な除電が可能になる。
一組の第1,2放電電極だけで、ほぼ完璧な除電ができるため、装置を小型化することもでき、例えば印刷機に除電装置を取り付けるような場合にも、設置場所選択の自由度が上がる。

0020

第2の発明によれば、直流の第1,2放電電極によって除電しきれなかった電荷が多少残ったとしても、それを、交流電極によって生成される正,負イオンによって除電できる。

図面の簡単な説明

0021

第1実施形態の除電装置の概略構成図である。
第1実施形態の放電電極の極性配置を示した図である。
放電電極の配置と除電用イオンとの関係についての説明図である。
第2実施形態の除電装置の概略構成図である。
第2実施形態の放電電極の極性配置を示した図である。
従来の除電装置の概略構成図である。
帯電したシートの断面図である。
帯電したシートが積層した状態の説明図である。

実施例

0022

図1に示すこの発明の第1実施形態は、矢印A方向に移動するシート1の面1a,1bを同時に除電する除電装置である。シート1は、例えば、電子写真による画像形成プロセスを備えた印刷機から出力される毎葉シートである。
この実施形態の除電装置は、図1に示すようにシート1を挟んだ両面1a,1bに対向する位置に、移動方向に沿って上流側から順に、第1,2直流電極バー12,13、第1,2交流電極バー14,15を備えている。

0023

上記第1,2直流電極バー12,13及び第1,2交流電極バー14,15は、それぞれシート1を幅方向にまたぐ長さを有する棒状の部材で、一直線上に複数の放電電極針を配置して構成されている。そして、第1,2直流電極バー12,13は、それぞれ直流高電圧源16,17に接続され、上記第1,2交流電極バー14,15には交流高電圧源18が接続されている。なお、上記第1,2交流電極バー14,15には図示しないアース電極を備え、このアース電極と図示していない放電電極針との間で放電を発生させている。

0024

上記第1交流電極バー14がこの発明の一方の交流電極であり、第2交流電極バー15が他方の交流電極である。
そして、各電極バー12,14のそれぞれには、シート1を挟んで互いに対向する電極バー13,15が設けられている点は、上記従来の除電装置と同じである。
ただし、この第1実施形態の第1,2直流電極バー12,13は、正,負のいずれか一方の極性の放電電極針のみで構成されるのではなく、図2,3に示すように、正,負の放電電極針12aや13aが交互に配置されている。
なお、上記シート1を挟んで対向する放電電極針12aと13aとは、必ずしも正対しなくてもよく、シート1の幅方向あるいは移動方向に多少ずれていても構わない。

0025

図2は、図1のシート1の幅方向の断面から第1,2直流電極バー12,13を見た図であり、上記第1直流電極バー12の各放電電極針12aと第2直流電極バー13の放電電極針13aの配置を示している。
図2に示すように、シート1の一方の面1a側に設けられた第1直流電極バー12はその長手方向に正,負の放電電極針12aを交互に配置してこの発明の第1の放電電極を構成している。

0026

また、シート1を挟んで対向する面1b側には、図2に示すように、第1直流電極バー12に対向する第2電極バー13の複数の放電電極針13aが、対向する上記放電電極針12aと逆極性にして配置されている。この面1b側では、上記第2直流電極バー13の放電電極針13aが、シート1の幅方向に正,負が交互になるように配置され、この発明の第2の放電電極を構成している。
そして、上記第1,2直流電極バー12,13に接続された直流高電圧源16,17は、上記配列にしたがって、各放電電極針12a,13aに正又は負の直流高電圧を印加する電源である。

0027

また、図2,3に示すように、第1,2直流電極バー12,13においてシート1の幅方向に隣り合う放電電極針12a,12a同士、13a,13a同士の距離をx、シート1を介して対向する放電電極針12a,13aの距離をzとしたとき、距離zを上記距離xよりも小さく、すなわち距離x>距離zにしている。
なお、上記対向する電極針12a,13aの先端が正対していない場合にも、電極針12a,13aの先端間距離を上記距離zとする。

0028

上記のように距離x>距離zとした理由を、以下に説明する。
この実施形態の第1,2直流電極バー12,13では、シート1を挟んで対向する放電電極針12a,13aを逆極性にしている。したがって、上記第1,2直流電極バー12,13のみで形成される電界を考えると、上記第1,2直流電極バー12,13の中央である図3に一点鎖線Lで示す位置はゼロ電位面Lになる。
そのため、面1a側において第1放電電極針12aで生成された正,負イオンには、放電電極針12aから上記ゼロ電位面Lに向かう力が作用する。したがって、上記ゼロ電位面Lの近傍にシート1を設ければ、上記正イオン及び負イオンがシート1の近傍に導かれることになる。

0029

また、第1電極バー12の長手方向において隣り合う放電電極針12a,12aの極性は逆極性であり、隣り合う放電電極針12a,12a間の空間中央近傍にも、電位がゼロとなる図示しないゼロ電位面が存在することになる。そのため、特定の放電電極針12aで生成されたイオンには、隣り合う放電電極針12aへ向かう力が作用することになる。
上記隣り合う放電電極針12a,12a間の距離xが、対向する放電電極針12a,13a間の距離zよりも小さいときには、放電電極針12aの先端で生成されたイオンが隣の放電電極針12aに引き付けられやすくなってしまう。
各放電電極針12aで生成されたイオンが隣り合う放電電極針12aに多く引き付けられてしまうと、第1直流電極バー12で生成されたイオンのうちシート1の面1aの近傍に到達するイオン量が少なくなってしまい、生成されたイオンが効率的に除電に寄与しなくなる。

0030

そこで、この第1実施形態では、対向する放電電極針間の距離zを、隣り合う放電電極針12a,12a間の距離xよりも小さくして、生成された正イオン及び負イオンをより効率的にシート1の面1aの近傍に到達させるようにしている。
上記のことは、シート1の他方の面1b側においても同様である。この実施形態では、第2直流電極バー13の放電電極針13a,13a間の距離xも、上記距離zより大きくして、他方の面1bにおいても面1a側と同様に、正イオン及び負イオンを効率的に面1bの近傍に到達させることができるようにしている。

0031

上記のようにしたこの第1実施形態の除電装置では、第1直流電極バー12と第2直流電極バー13でシート1の幅方向に沿って交互に同時に生成された正イオン及び負イオンは、シート1の両面1a,1bの近傍に向かって強く導かれる。ただし、各放電電極針12a,13aの先端で生成されたイオンは、同極性のイオンと反発するとともに、隣り合う放電電極針12a,12a間や13a,13a間に形成されるゼロ電位面に向かって導かれるため、上記ゼロ電位面Lすなわちシート1に向かう過程で図3の幅方向に広がる。

0032

また、シート1の各面1a,1bの近傍は、上記したように電位がほぼゼロなので、そこに存在するイオンの極性が一方に偏ることはない。したがって、上記各面1a,1bの近傍には、正イオンと負イオンとがほぼ均一に混在し、各面1a,1b上のいずれの極性の電荷も効率的に除電されることになる。
なお、上記したように、対向する電極針12a,13aの中央がゼロ電位面Lとなるため、シート1の両面1a,1bを同時に効率的に除電するためには、シート1を上記対向電極間距離zの中央に設けることが好ましい。

0033

上記のように、シート1を挟んで対向する電極を逆極性にすることで、シート1の近傍に正イオン及び負イオンが効率的に導かれるようにしているが、シート1の除電に寄与しない余分なイオンは、例えば面1aの近傍まで達しても、面1a側に上記イオンを引き付ける電荷が無い場合には、その近傍に同時に導かれた逆極性のイオンと結合して中和するか、近くの接地金属へ吸着し消滅する。従来のように一方の極性のイオンのみを強制的にシート1に導く場合と比べて面1aを逆帯電させることは少ない。この点は、他方の面1b側についても同様である。つまり、上記第1,2直流電極バー12,13のみで、両面1a,1bのほぼ完璧な除電が可能である。

0034

さらに、この第1実施形態では、上記第1,2直流電極バー12,13の下流側に設けた上記第1,2交流電極バー14,15で正イオンと負イオンとを交互に生成して、シート1の面1a,1bに僅かに残された電荷を除電することができるようにしている。なお、シート1が、上記第1,2直流電極バー12,13を通過しても面1a,1bに電荷が残されることは、移動する上記シート1が振動などによって上記ゼロ電位面Lからずれた場合などに起こる。シート1がゼロ電位面Lから離れると、必要な正,負イオンがシート1の近傍に到達しないことも起こるからである。
上記のように、第1実施形態の除電装置では、例えば印刷機から排出され、帯電したシート1が、第1,2直流電極バー12,13間を通過する過程で、同時に放射される正イオン及び負イオンによって、面1a,1bが同時に効率的に除電されるとともに、第1,2交流電極バー14,15によってより完璧な除電が実現できる。その結果、積層されたシート1同士が静電付着してしまうことを防止できる。

0035

この第1実施形態の除電装置は、図6に示す従来の除電装置のように二組の直流電極バーを必要とせず、第1,2直流電極バー12,13の一組で足りるため、その分、シート1の移動方向のサイズを小さくすることができる。したがって、例えば、印刷機のシート排出口に設置する際の自由度が上がる。

0036

また、この第1実施形態では、第1,2直流電極バー12,13によって除電した後に、更に、第1,2交流電極バー14,15による除電工程を設けているが、シート1の帯電状態に応じて第1,2直流電極バー12,13に印加する適切な直流高電圧値を設定するとともに、この直流高電圧値に応じて、隣り合う放電電極針間の距離x、対向放電電極針間の距離zなどを適切に設定すれば、第1,2交流電極バー14,15を省略することも可能である。上記したように、第1,2直流電極バー12,13だけでも、シート1の両面に、正イオンと負イオンとを偏りなく同時に導くことができるからである。
そして、上記第1,2交流電極バー14,15を省略できれば、シート1の移動方向のサイズをさらに小さくして除電装置を小型化することができるため、この除電装置の設置の自由度はさらに上がる。

0037

図4,5に示す第2実施形態は、シート1の移動方向に沿って、上記第1,2直流電極バー12,13と第1,2交流電極バー14,15との間に、第3,4直流電極バー19,20を設けた点が、上記第1実施形態と異なる。その他の構成は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の構成要素には第1実施形態と同じ符号を付し、個々の詳細な説明は省略する。
第3,4直流電極バー19,20は、それぞれシート1を幅方向にまたぐ長さを有する棒状の部材で、一直線上に複数の放電電極針を配置して構成されるとともに、それぞれ直流高電圧源21,22に接続されている。

0038

図5はこの第2実施形態の除電装置を、上記面1a側から見たときの電極の極性配置を示した図で、第1直流電極バー12の各放電電極針12aと第3直流電極バー19の放電電極針19aと、第1交流電極バー14の放電電極の極性配置を示している。
図5に示すように、シート1の一方の面1a側であって、上流側に設けられた第1直流電極バー12はその長手方向に正,負の放電電極針12aを交互に配置し、その下流の第3直流電極バー19も、同様に正,負の放電電極針を交互に配置して構成されているが、シート1の移動方向に沿って配置される、第1直流電極バー12の放電電極針12aと第3直流電極バー19の放電電極針19aとは、その極性を逆極性にしている。

0039

また、第3,4直流電極バー19,20の放電電極針19a,20aの極性配置も、上記放電電極針12a,13aと同じように、隣り合う放電電極針同士が逆極性であって、シート1を挟んで対向する放電電極針同士が逆極性になるようにしている。
したがって、上記直流高電圧源21,22は、第3,4直流電極バー19,20の放電電極針19a,20aに対して、正又は負の直流高電圧を印加する電源である。
これにより、シート1の幅方向及び移動方向のいずれにおいても正,負イオンが交互に生成されることになる。
さらに、第3,4直流電極バー19,20においても、隣り合う放電電極針19a,19a間、20a,20a間を距離xとし、この距離xと対向する放電電極針間の距離zとの関係が距離x>距離zとなるように設定している。

0040

また、図5に示すように、上記第1直流電極バー12の放電電極針12aとシート1の移動方向に間隔を保って配置された第3直流電極バー19の逆極性の放電電極針19aとの間の距離をyとし、この距離yを上記距離zよりも大きく、すなわち距離y>距離zにしている。このようにしたのは、第1直流電極バー12と第3直流電極バー19との間に生成されるシート1の移動方向に沿った電気力線によって、シート1の面1aの近傍に導かれるイオン量が少なくなってしまうことを防止するためである。

0041

もし、上記距離yを距離zより小さくすると、例えば放電電極針12aの先端で生成されたイオンのうち放電電極針19a側に引きつけられるイオン量が多くなって、面1aの近傍に到達するイオン量が少なくなってしまう。同様に、放電電極19aで生成されたイオンも放電電極12a側に引き付けられてしまうので、第2実施形態では、上記距離y>距離zにしている。
なお、シート1の他方の面1b側においても同様に、面1bに対向する第2直流電極バー13と第4直流電極バー20との距離yを上記距離zよりも大きくしている。そして、各放電電極針13a,20aで生成されたイオンが、上記ゼロ電位面Lに向かい効率的に面1bの近傍へ導かれるようにしている。

0042

この第2実施形態では、シート1の両面1a,1bに、第1,2直流電極バー12,13から同時に正,負イオンを導いて除電するとともに、下流側に設けた第3,4直流電極バー19,20が、上記第1,2直流電極バー12,13と同様に機能して除電し、さらに第1,2交流電極バー14,15によって僅かに残された電荷も除電している。
第2実施形態では、第1,2直流電極バー12,13によって除電した後に、更に、第3,第4直流電極バー19,20及び第1,2交流電極バー14,15による除電工程を設けることで、正,負イオンの生成量を多くして、両面1a,1b同時により完璧な除電を可能にしている。

0043

なお、上記完璧、ほぼ完璧な除電とは、シート1の面1a,1b上の表面電荷をほぼゼロにするということであり、積層したシート1同士の間で、種々のトラブルの原因となる付着が発生しない状態のことである。面1a,1b全体として、計測した表面電位がゼロであっても、積層された面1a,1b同士がくっついてしまう吸引力を発生させるような電荷が残っている状態は、ここでいう完璧な除電状態ではない。

0044

また、図2,5では4本の放電電極針を示しているが、これは説明のためのもので、実際の放電電極針の本数ではない。放電電極針の本数は、上記距離xや距離z、印加電圧、シート1の幅などに応じて設定するものである。例えば、印刷機用とする場合、上記距離xを30〔mm〕、zを25〔mm〕、印加電圧を−9〔kV〕及び+9〔kV〕とし、シート1の寸法に応じた本数に設定している。
また、上記第1,2実施形態では、対向する第1,2交流電極バー14,15に交流高電圧源18によって、同じ電圧を印加しているが、第1交流電極バー14への印加電圧と第2交流電極バー15への印加電圧の位相をずらしてもよい。例えば、第1,2交流電極バー14,15に印加する電圧を逆位相にすれば、シート1を挟んだ両側に生成されるイオンと対向電極とが逆極性になり、上記イオンを、シート1の面1a,1bの近傍へ到達しやすくすることもできる。

0045

印刷されたシートなどの両面を完璧に除電したい用途に有用である。

0046

1シート
1a,1b (シートの)面
12 (第1の放電電極である)第1直流電極バー
12a (第1の放電電極である)放電電極針
13 (第2の放電電極である)第2直流電極バー
13a (第2の放電電極である)放電電極針
14 第1交流電極バー
15 第2交流電極バー
16直流高電圧源
17 直流高電圧源
18交流高電圧源
x 隣り合う電極間距離
z 対向する電極間距離

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