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技術 自動車の変速装置の暖機制御装置

出願人 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
発明者 徳田結一
出願日 2015年4月6日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2015-077657
公開日 2016年11月24日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2016-196943
状態 特許登録済
技術分野 伝動装置(歯車、巻掛け、摩擦)の制御 油圧・電磁・流体クラッチ・流体継手
主要キーワード アイドラーギヤ 摩擦円板 インナークラッチ インナードライブ ギヤオイル アウタードライブ 暖機制御装置 MTF
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重要な関連分野

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図面 (6)

課題

エンジン冷態にあるときでもエンジンの停止を回避して変速装置暖機を可能にする自動車の変速装置の暖機制御装置を提供する。

解決手段

自動車の変速装置の制御装置200は、インナークラッチを作動させるための作動油の温度が第1閾値を超えた場合に入力軸から第1動力伝達系に動力を伝達するようにインナークラッチを接続するインナークラッチ制御部82と、作動油の温度が第1閾値よりも高い第2閾値を超えた場合に入力軸から第2動力伝達系に動力を伝達するようにアウタークラッチを接続するアウタークラッチ制御部83と、を備える。

概要

背景

寒冷地では、変速装置作動油(ATF)やギヤオイルMTF)が低温になることで高粘度となり、ATF潤滑不良によるクラッチ焼け、MTFのフリクション大によるギヤ入れ不良等の問題を引き起こす。

これにより、自動車の変速装置の暖機制御装置が各種提案されている。

例えば、特許文献1には、入力用単式プラネタリギヤ変速用プラネタリギヤとが設けられた自動変速機の暖機制御装置が開示されている。

自動変速機は、第1サンギヤ入力軸とを第1中空軸を介して係脱可能に連結する第1クラッチと、キャリアと単式プラネタリギヤのリングギヤとを係脱可能に連結する第2クラッチと、第2サンギヤと入力軸とを第2中空軸を介して連結する第3クラッチとを備えている。また、自動変速装置は、第2サンギヤをケースに対して係脱可能に固定する第1ブレーキと、キャリアをケースに対して係脱可能に固定する第2ブレーキとを備えている。

暖機制御装置は、自動変速機の走行レンジPレンジである場合、又は走行レンジがDレンジ又はNレンジであって車両が停止する場合に暖機制御を実行する。自動変速機の走行レンジがDの場合には、1段速(L)形成用の第1クラッチを開放し、その代わりに高速段用の第2クラッチを係合する。一方、自動変速機の走行レンジがPレンジ又はNレンジであれば、全ての摩擦係合要素(第1乃至第3クラッチ並びに第1及び第2ブレーキ)が開放されている状態から第2クラッチを係合する。このように、エンジンアイドリング中等に車両が停止している状態で、自動変速機内の高速段用の第2クラッチを係合して内部の差回転を生じさせることで、作動油を昇温させるようになっている。

概要

エンジンが冷態にあるときでもエンジンの停止を回避して変速装置の暖機を可能にする自動車の変速装置の暖機制御装置を提供する。自動車の変速装置の制御装置200は、インナークラッチを作動させるための作動油の温度が第1閾値を超えた場合に入力軸から第1動力伝達系に動力を伝達するようにインナークラッチを接続するインナークラッチ制御部82と、作動油の温度が第1閾値よりも高い第2閾値を超えた場合に入力軸から第2動力伝達系に動力を伝達するようにアウタークラッチを接続するアウタークラッチ制御部83と、を備える。

目的

本発明の少なくとも一実施形態は、エンジンが冷態にあるときでもエンジンの停止を回避して変速装置の暖機を可能にする自動車の変速装置の暖機制御装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

エンジン動力が伝達される入力軸と、前記入力軸出力軸との間に設けられ、前記入力軸から前記出力軸に動力を伝達するための第1動力伝達系と、前記第1動力伝達系と異なる動力伝達系であって前記第1動力伝達系よりも大きな慣性モーメントを有する第2動力伝達系と、前記入力軸と前記第1動力伝達系との間に設けられ、前記入力軸から前記第1動力伝達系に動力を伝達し、又は遮断するためのインナークラッチと、前記入力軸と前記第2動力伝達系との間であって、前記インナークラッチの外周に設けられ、前記入力軸から前記第2動力伝達系に動力を伝達し、又は遮断するためのアウタークラッチと、を備える自動車変速装置制御装置であって、前記制御装置は、前記変速装置を作動させるための作動油の温度が第1閾値を超えた場合に前記入力軸から前記第1動力伝達系に動力を伝達するように前記インナークラッチを接続するインナークラッチ制御部と、前記作動油の温度が前記第1閾値よりも高い第2閾値を超えた場合に前記入力軸から前記第2動力伝達系に動力を伝達するように前記アウタークラッチを接続するアウタークラッチ制御部と、を備えることをこと特徴とする自動車の変速装置の制御装置。

請求項2

前記制御装置は、さらに、暖機を開始するための前提条件成立したか否かを判定する前提条件判定部を備え、前記前提条件判定部が前記前提条件の成立を判定した場合に前記インナークラッチ制御部と前記アウタークラッチ制御部とを有効にすることを特徴とする請求項1に記載の自動車の変速装置の制御装置。

請求項3

前記インナークラッチ制御部は、さらに、前記エンジンを冷却するための冷却水の温度が第3閾値を超えた場合に前記入力軸から前記第1動力伝達系に動力を伝達するように前記インナークラッチを接続することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車の変速装置の制御装置。

請求項4

前記アウタークラッチ制御部は、さらに、前記冷却水の温度が前記第3閾値よりも高い第4閾値を超えた場合に前記入力軸から前記第2動力伝達系に動力を伝達するようにアウタークラッチを接続することを特徴とする請求項3に記載の自動車の変速装置の制御装置。

請求項5

前記インナークラッチ制御部は、前記入力軸と前記第1動力伝達系とが徐々に接続されるように前記インナークラッチを制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の自動車の変速装置の制御装置。

請求項6

前記第1動力伝達系は、インナードライブピニオンを含み、前記インナークラッチは、前記インナードライブピニオンと前記入力軸との間に設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の自動車の変速装置の制御装置。

請求項7

前記第2動力伝達系は、アウタードライブピニオンを含み、前記アウタークラッチは、前記アウタードライブピニオンと前記入力軸との間に設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の自動車の変速装置の制御装置。

請求項8

前記第2動力伝達系は、さらに、前記アウタードライブピニオンから動力が伝達されるカウンターシャフトを含むことを特徴とする請求項7に記載の自動車の変速装置の制御装置。

技術分野

0001

本開示は、自動車変速装置暖機制御装置に関する。

背景技術

0002

寒冷地では、変速装置の作動油(ATF)やギヤオイルMTF)が低温になることで高粘度となり、ATF潤滑不良によるクラッチ焼け、MTFのフリクション大によるギヤ入れ不良等の問題を引き起こす。

0003

これにより、自動車の変速装置の暖機制御装置が各種提案されている。

0004

例えば、特許文献1には、入力用単式プラネタリギヤ変速用プラネタリギヤとが設けられた自動変速機の暖機制御装置が開示されている。

0005

自動変速機は、第1サンギヤ入力軸とを第1中空軸を介して係脱可能に連結する第1クラッチと、キャリアと単式プラネタリギヤのリングギヤとを係脱可能に連結する第2クラッチと、第2サンギヤと入力軸とを第2中空軸を介して連結する第3クラッチとを備えている。また、自動変速装置は、第2サンギヤをケースに対して係脱可能に固定する第1ブレーキと、キャリアをケースに対して係脱可能に固定する第2ブレーキとを備えている。

0006

暖機制御装置は、自動変速機の走行レンジPレンジである場合、又は走行レンジがDレンジ又はNレンジであって車両が停止する場合に暖機制御を実行する。自動変速機の走行レンジがDの場合には、1段速(L)形成用の第1クラッチを開放し、その代わりに高速段用の第2クラッチを係合する。一方、自動変速機の走行レンジがPレンジ又はNレンジであれば、全ての摩擦係合要素(第1乃至第3クラッチ並びに第1及び第2ブレーキ)が開放されている状態から第2クラッチを係合する。このように、エンジンアイドリング中等に車両が停止している状態で、自動変速機内の高速段用の第2クラッチを係合して内部の差回転を生じさせることで、作動油を昇温させるようになっている。

先行技術

0007

特開2012−87910号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、通常、変速装置を暖機するときはエンジンも冷態状態にあり、エンジンの運転状態は安定していない。この状態で変速装置を暖機すると、エンジンにかかる負荷が急激に増大し、エンジンが停止(エンスト)することがある。

0009

上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、エンジンが冷態にあるときでもエンジンの停止を回避して変速装置の暖機を可能にする自動車の変速装置の暖機制御装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る自動車の変速装置の制御装置は、
エンジンの動力が伝達される入力軸と、
記入力軸出力軸との間に設けられ、前記入力軸から前記出力軸に動力を伝達するための第1動力伝達系と、
前記第1動力伝達系と異なる動力伝達系であって前記第1動力伝達系よりも大きな慣性モーメントを有する第2動力伝達系と、
前記入力軸と前記第1動力伝達系との間に設けられ、前記入力軸から前記第1動力伝達系に動力を伝達し、又は遮断するためのインナークラッチと、
前記入力軸と前記第2動力伝達系との間であって、前記インナークラッチの外周に設けられ、前記入力軸から前記第2動力伝達系に動力を伝達し、又は遮断するためのアウタークラッチと、
を備える自動車の変速装置の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記変速装置を作動させるための作動油の温度が第1閾値を超えた場合に前記入力軸から前記第1動力伝達系に動力を伝達するように前記インナークラッチを接続するインナークラッチ制御部と、
前記作動油の温度が前記第1閾値よりも高い第2閾値を超えた場合に前記入力軸から前記第2動力伝達系に動力を伝達するように前記アウタークラッチを接続するアウタークラッチ制御部と、
を備える。

0011

上記(1)の構成によれば、インナークラッチを作動させるための作動油の温度が第1閾値を超えた場合に入力軸から第1動力伝達系に動力を伝達するようにインナークラッチを接続するので、第2動力伝達系よりも慣性モーメントが小さな第1動力伝達系に動力が伝達され、自動車の変速装置の暖機が開始される。これにより、エンジンが冷態にあるときでもエンジンの停止を回避して変速装置の暖機を可能にする自動車の変速装置の暖機制御装置を提供することができる。

0012

また、作動油の温度が第1閾値よりも高い第2閾値を超えた場合に入力軸から第2動力伝達系に動力を伝達するようにアウタークラッチを接続するので、第1動力伝達系よりも慣性モーメントが大きな第2動力伝達系に動力が伝達され、自動車の変速装置の暖機が促進される。

0013

(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記制御装置は、さらに、
暖機を開始するための前提条件成立したか否かを判定する前提条件判定部を備え、
前記前提条件判定部が前記前提条件の成立を判定した場合に前記インナークラッチ制御部と前記アウタークラッチ制御部を有効にする。

0014

上記(2)の構成によれば、前提条件の成立を判定した場合にインナークラッチ制御部とアウタークラッチ制御部とを有効にするので、前提条件の成立により変速装置の暖機を開始することができる。

0015

(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記インナークラッチ制御部は、さらに、前記エンジンを冷却するための冷却水の温度が第3閾値を超えた場合に前記入力軸から前記第1動力伝達系に動力を伝達するように前記インナークラッチを接続する。

0016

上記(3)の構成によれば、インナークラッチ制御部は、さらに、エンジンを冷却するための冷却水の温度が第3閾値を超えた場合に入力軸から第1動力伝達系に動力を伝達するようにインナークラッチを接続するので、作動油の温度が第1閾値を超え、かつ、冷却水の温度が第3閾値を超えた場合にインナークラッチが接続される。これにより、適正なタイミングで暖機を開始することができる。

0017

(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、
前記アウタークラッチ制御部は、さらに、前記冷却水の温度が前記第3閾値よりも高い第4閾値を超えた場合に前記入力軸から前記第2動力伝達系に動力を伝達するようにアウタークラッチを接続する。

0018

上記(4)の構成によれば、アウタークラッチ制御部は、さらに、冷却水の温度が第3閾値よりも高い第4閾値を超えた場合に入力軸から前記第2動力伝達系に動力を伝達するようにアウタークラッチを接続するので、作動油の温度が第2閾値を超え、かつ、冷却水の温度が第4閾値を超えた場合にインナークラッチの接続が遮断され、アウタークラッチが接続される。これにより、適正なタイミングで暖機の促進を図ることができる。

0019

(5)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)のいずれか一つの構成において、
前記インナークラッチ制御部は、前記入力軸と前記第1動力伝達系とが徐々に接続されるように前記インナークラッチを制御する。

0020

上記(5)の構成によれば、入力軸と第1動力伝達系とが徐々に接続されるようにインナークラッチが制御されるので、入力軸と第1動力伝達系とが接続される際のエンジンの停止を抑制できる。

0021

(6)幾つかの実施形態では、上記(1)から(5)のいずれか一つの構成において、
前記第1動力伝達系は、インナードライブピニオンを含み、
前記インナークラッチは、前記インナードライブピニオンと前記入力軸との間に設けられる。

0022

上記(6)の構成によれば、インナークラッチは、インナードライブピニオンと入力軸との間に設けられるので、インナークラッチが接続されるとインナードライブピニオンが回転を開始する。したがって、インナードライブピニオンが回転することにより、暖機が開始される。

0023

(7)幾つかの実施形態では、上記(1)から(6)の構成において、
前記第2動力伝達系は、アウタードライブピニオンを含み、
前記アウタークラッチは、前記アウタードライブピニオンと前記入力軸との間に設けられる。

0024

上記(7)の構成によれば、アウタークラッチは、アウタードライブピニオンと入力軸との間に設けられるので、アウタークラッチが接続されるとアウタードライブピニオンが回転を開始する。したがって、アウタードライブピニオンが回転することにより、暖機が促進される。

0025

(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、
前記第2動力伝達系は、さらに、前記アウタードライブピニオンから動力が伝達されるカウンターシャフトを含む。

0026

上記(8)の構成によれば、第2動力伝達系は、さらに、アウタードライブピニオンから動力が伝達されるカウンターシャフトを含むので、アウタードライブピニオンが回転するとカウンターシャフトが回転する。したがって、アウタードライブピニオンの回転に伴いカウンターシャフトが回転することにより、暖機が促進される。

発明の効果

0027

本発明の少なくとも一実施形態によれば、エンジンが冷態にあるときでもエンジンの停止を回避して変速装置の暖機を可能にする自動車の変速装置の暖機制御装置が提供される。

図面の簡単な説明

0028

本発明の一実施形態に係る自動車の変速装置の暖機制御装置の構成を概略的に示す模式図である。
図1に示した自動車の変速装置の構造を概略的に示す断面図である。
図1に示した自動車の変速装置を制御する油圧回路を示す模式図である。
図1に示した暖機制御装置の制御手順を示すフローチャートである。
図1に示した変速装置の暖機作動を示すタイムチャートである。

実施例

0029

以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。

0030

図1は、本発明の一実施形態に係る自動車の変速装置の暖機制御装置の構成を概略的に示す模式図である。図2は、図1に示した自動車の変速装置の構造を概略的に示す断面図であり、図3は、図1に示した自動車の変速装置を制御する油圧回路を示す模式図である。

0031

まず、図2及び図3に基づいて、本発明の実施形態に係る自動車の変速装置の構成を説明する。
図2に示すように、本発明の実施形態にかかる自動車の変速装置1は、デュアルクラッチトランスミッションと称されるものであり、入力軸2と、出力軸3と、第1動力伝達系4と、第2動力伝達系5と、インナークラッチ6と、アウタークラッチ7とを備えている。

0032

入力軸2は、エンジン100(図1参照)の動力が伝達される軸であり、変速装置1においてエンジン100と接合される入力側中央に回転可能に支持されている。

0033

出力軸3は、走行装置等に動力を伝達するための軸であり、本実施形態に係る出力軸3は、エンジン100と反対側中央において、入力軸2と同軸上に回転可能に支持されている。

0034

第1動力伝達系4は、入力軸2から出力軸3に動力を伝達するためのものであり、入力軸2と出力軸3との間に設けられている。本実施形態に係る第1動力伝達系4は、5速、6速及び3速を構成する動力伝達系であり、インナードライブピニオン41のほか3rdギヤ42及び第1アクチュエータ43を含んで構成される。

0035

インナードライブピニオン41は、入力軸2と出力軸3との間において、入力軸2及び出力軸3と同軸上に設けられる中実動力伝達部材であって、入力軸側は入力軸2と対向し、出力軸側は出力軸3を収容するように配置されている。

0036

また、インナードライブピニオン41の出力軸側となる端部にはピニオンギヤ41Aが設けられている。

0037

また、第1アクチュエータ43は、動力の伝達経路を変更するためのものであり、ピニオンギヤ41Aと3rdギヤ42との間に設けられている。第1アクチュエータ43は、図3に示すように、エンジン100に接続されたオイルポンプ101により汲み上げられた作動油(ATF(Automatic Transmission Fluid))(以下「ATF」という)で作動され、この作動状態によって5速、6速、及び3速がシンクロされる。

0038

第2動力伝達系5は、第1動力伝達系4と同様に、入力軸2から出力軸3に動力を伝達するものであり、入力軸2と出力軸3との間に設けられるが、第1動力伝達系4と異なる動力伝達系であって、第1動力伝達系よりも大きな慣性モーメントを有している。本実施形態に係る第2動力伝達系は、1速、6速、4速及びリバースを構成する動力伝達系であり、アウタードライブピニオン51、カウンターシャフト52のほかアイドラーギヤ53、Revギヤ54、1st2ndギヤ55、第2アクチュエータ56、及び第3アクチュエータ57を含んで構成される。

0039

アウタードライブピニオン51は、インナードライブピニオン41と同軸上に設けられる円筒状の動力伝達部材であって、入力軸側は入力軸2と対向し、出力軸側はインナードライブピニオン41に設けられたピニオンギヤ41Aと対向するように配置されている。

0040

また、アウタードライブピニオン51の出力軸側となる端部にはピニオンギヤ51Aが設けられている。

0041

カウンターシャフト52は、アウタードライブピニオン51から動力が伝達される中実な動力伝達部材であって、アウタードライブピニオン51及び出力軸3と平行に配置されている。

0042

また、カウンターシャフト52は、回転可能に支持され、その一端部にはアウタードライブピニオン51に設けられたピニオンギヤ51Aと噛合する従動ギヤ521が設けられている。これにより、カウンターシャフト52は、アウタードライブピニオン51に常時従動し、アウタードライブピニオン51が回転するとカウンターシャフト52が回転する。

0043

第2アクチュエータ56及び第3アクチュエータ57は、第1アクチュエータ43と同様に、動力伝達経路を変更するためのものである。第2アクチュエータ56は、カウンターシャフト52に回転自在に支持され、3rdギヤ42に噛合するギヤ523と4thギヤ524との間に設けられている。第2アクチュエータ56は、第1アクチュエータ43と同様に、エンジン100に接続されたオイルポンプ101により汲み上げられたATFで作動され、この作動状態によって、1速、6速、及び4速、そしてリバースがシンクロされる。第3アクチュエータ57は、Revギヤ54と1st2ndギヤ55との間に設けられている。第3アクチュエータ57は、第1アクチュエータ43及び第2アクチュエータ56と同様に、エンジン100に接続されたオイルポンプ101により汲み上げられたATFで作動され、この作動状態によって、リバースと1速及び2速がシンクロされる。

0044

インナークラッチ6は、入力軸2から第1動力伝達系4に動力を伝達し、又は遮断するためのものであり、入力軸2と第1動力伝達系4との間に設けられている。

0045

図2に示すように、本実施形態に係るインナークラッチ6は、多板式のクラッチであって、入力軸2とインナードライブピニオン41との間に設けられている。具体的にはインナードライブピニオン41側の摩擦円板が設けられたホイール61が内側となり、入力軸2側の摩擦円板が設けられるホイール21が外側となるもので、それぞれに設けられた摩擦円板が軸方向に交互に重ねられている。

0046

これにより、インナークラッチ6が軸方向に押圧され、入力軸2側に設けられた摩擦円板からインナードライブピニオン41側に設けられた摩擦円板に動力が伝達されると、入力軸2とインナードライブピニオン41が連結され、入力軸2からインナードライブピニオン41に動力が伝達される。一方、軸方向に押圧された力が解放され、入力軸2側に設けられた摩擦円板からインナードライブピニオン41側に設けられた摩擦円板に動力が伝達されなくなると、入力軸2とインナードライブピニオン41の連結が解放され、入力軸2からインナードライブピニオン41への動力伝達が遮断される。

0047

アウタークラッチ7は、入力軸2から第2動力伝達系5に動力を伝達し、又は遮断するためのものであり、入力軸2と第2動力伝達系5との間であって、インナークラッチ6の外周に設けられている。

0048

図2に示すように、本実施形態に係るアウタークラッチ7は、インナークラッチ6と同様に、多板式のクラッチであって、入力軸2とアウタードライブピニオン51との間に設けられている。具体的には、入力軸2側の摩擦円板が設けられたホイール21が内側となり、アウタードライブピニオン51側の摩擦円板が設けられたホイール71が外側となるもので、それぞれに設けられ摩擦円板が軸方向に交互に重ねられている。

0049

これにより、アウタークラッチ7が軸方向に押圧され、入力軸2側に設けられた摩擦円板からアウタードライブピニオン51側に設けられた摩擦円板に動力が伝達されると、入力軸2とアウタードライブピニオン51が連結され、入力軸2からアウタードライブピニオン51に動力が伝達される。一方、軸方向に押圧された力が解放され、入力軸2側に設けられた摩擦円板からアウタードライブピニオン51側に設けられた摩擦円板に動力が伝達されなくなると、入力軸2とアウタードライブピニオン51の連結が解放され、入力軸2からアウタードライブピニオン51への動力伝達が遮断される。

0050

つぎに、上述した変速装置1を暖機する暖機制御装置8の構成を説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る変速装置1を暖機する暖機制御装置8は、トランスミッションコントロールユニット(TCU(Transmission Control Unit))200(以下「TCU200」いう)に構成される。暖機制御装置8は、インナークラッチ制御部82と、アウタークラッチ制御部83とを備えている。

0051

インナークラッチ制御部82は、変速装置1を作動させるためのATFの温度(以下「ATF温度」という)が第1閾値(例えば、−15°C)を超えた場合に入力軸2から第1動力伝達系4に動力を伝達するようにインナークラッチ6を接続するものである。

0052

本発明の実施形態に係るインナークラッチ制御部82は、さらに、エンジン100を冷却するための冷却水の温度(以下「冷却水温度」という)が第3閾値(例えば、10°C)を超えた場合に入力軸2から第1動力伝達系4に動力を伝達するようにインナークラッチ6を接続する。

0053

また、本発明の実施形態では、インナークラッチ制御部82は、入力軸2と第1動力伝達系4、すなわち、インナードライブピニオン41とが徐々に接続されるようにインナークラッチ6を制御する。これにより、入力軸2とインナードライブピニオン41とが徐々に接続され、入力軸2に急激な負荷が作用するのを回避できる。この結果、入力軸2と第1動力伝達系4とが接続される際のエンジン100の停止が抑制される。

0054

アウタークラッチ制御部83は、ATF温度が第1閾値よりも高い第2閾値(例えば、−5°C)を超えた場合に入力軸2から第2動力伝達系5に動力を伝達するようにアウタークラッチ7を接続するものである。

0055

本発明の実施形態に係るアウタークラッチ制御部83は、さらに、冷却水温度が第3閾値よりも高い第4閾値(例えば、20°C)を超えた場合に入力軸2から第2動力伝達系5に動力を伝達するようにアウタークラッチ7を接続する。

0056

また、本発明の実施形態では、アウタークラッチ制御部83は、入力軸2と第2動力伝達系5、すなわち、アウタードライブピニオン51とが徐々に接続されるようにアウタークラッチ7を制御する。したがって、入力軸2とアウタードライブピニオン51とが徐々に接続され、入力軸2に急激な負荷が作用するのを回避できる。これにより、入力軸2と第2動力伝達系5とが接続される際のエンジンの停止を抑制できる。

0057

また、図1に示すように、本発明の実施形態に係る暖機制御装置8は、前提条件判定部81をさらに備えている。

0058

前提条件判定部81は、暖機を開始するための前提条件が成立したか否かを判定するためのものであり、本発明の実施形態に係る暖機制御装置8は、前提条件判定部81が前提条件の成立を判定した場合にインナークラッチ制御部82とアウタークラッチ制御部83を有効にする。

0059

上記構成によれば、前提条件の成立を判定した場合にインナークラッチ制御部82とアウタークラッチ制御部83とを有効にするので、前提条件の成立により変速装置1の暖機を開始することができる。

0060

図4は、図1に示した暖機制御装置の制御手順を示すフローチャートであり、図5は、図1に示した変速装置の暖機作動を示すタイムチャートである。
つぎに、図4及び図5に基づいて、上述した暖機制御装置8の制御を説明する。
図4に示すように、暖機制御装置8が暖機制御を開始すると、まず、前提条件判定部81において暖機前提条件が成立するか否かが判定される(ステップS1)。暖機前提条件は、チェンジレバー201がパーキングレンジ(以下「Pレンジ」という)又はニュートラルレンジ(以下「Nレンジ」という)にあること、自動車が停車状態にあること、ギヤがニュートラルにあること等である。チェンジレバー201がPレンジ又はNレンジにあるか否かは、チェンジレバー201からの信号により判定される。自動車が停車状態にあるか否かは、車速センサ202からの信号により判定され、車速が0の場合に停車状態にあると判定される。ギヤがニュートラルにあるか否かはギヤポジションセンサ203からの信号により判定される。

0061

前提条件判定部81において暖機前提条件が成立すると判定されると(ステップS1:Yes)、インナークラッチ制御部82においてATF温度が第1閾値を超え、かつ、冷却水温度が第3閾値を超えているか否かが判定される(ステップS2)。

0062

インナークラッチ制御部82においてATF温度が第1閾値を超え、かつ、冷却水温度が第3閾値を超えていると判定されると、インナークラッチ制御部82は、インナークラッチ6を接続する(ステップS3)。具体的には、図5に示すように、入力軸2とインナードライブピニオン41とが徐々に接続されるようにインナークラッチ6を制御する。これにより、入力軸2とインナードライブピニオン41とが徐々に接続され、入力軸に急激な負荷が作用するのを回避できる。この結果、入力軸2とインナードライブピニオン41とが接続される際のエンジン停止が抑制される。

0063

このように入力軸2とインナードライブピニオン41とが接続されると、インナードライブピニオン41が入力軸2とともに回転する。これにより、インナードライブピニオン41が摩擦熱により温められ、インナードライブピニオン41が浸かっているギヤオイルが撹拌される(暖機開始)。

0064

尚、本実施形態では、ATF温度が第1閾値を超え、かつ、冷却水温度が第3閾値を超えていると判定されるとインナークラッチ6を接続することとしたが、冷却水温度は通常ATF温度と相関関係にあるので、ATF温度が第1閾値を超えていると判定された場合にインナークラッチ6を接続するようにしてもよい。

0065

インナークラッチ制御部82がインナークラッチ6を接続すると、アウタークラッチ制御部83においてATF温度が第1閾値よりも高い第2閾値を超え、かつ、冷却水温度が第3閾値よりも高い第4閾値を超えているか否かが判定される(ステップS4)。

0066

アウタークラッチ制御部83においてATF温度が第2閾値を超え、かつ、冷却水温度が第4閾値を超えていると判定されると、アウタークラッチ制御部83は、アウタークラッチ7を接続する(ステップS4)。具体的には、図5に示すように、入力軸2とアウタードライブピニオン51とが徐々に接続されるようにアウタークラッチ7を制御する。これにより、入力軸2とアウタードライブピニオン51とが徐々に接続され、入力軸に急激な負荷が作用するのを回避できる。この結果、入力軸2とアウタードライブピニオン51とが接続される際のエンジン停止が抑制される。

0067

このように入力軸2とアウタードライブピニオン51とが接続されると、アウタードライブピニオン51及びカウンターシャフト52が入力軸2とともに回転する。これにより、アウタードライブピニオン51及びカウンターシャフト52が摩擦熱により温められ、アウタードライブピニオン51及びカウンターシャフト52が浸かっているギヤオイルが撹拌される(暖機促進)。

0068

アウタークラッチ制御部83がアウタークラッチ7を接続すると、暖機が終了したか否かが判定される(ステップS6)。暖機が終了したか否かは、ATF温度や冷却水温度を指標としてもよいが、これに限られるものではない。
そして、暖機が終了したと判定されると、一連の暖機制御装置8の制御が終了する。

0069

尚、本実施形態では、ATF温度が第2閾値を超え、かつ、冷却水温度が第4閾値を超えていると判定されるとアウタークラッチ7を接続することとしたが、上述したように冷却水温度は通常ATF温度と相関関係にあるので、ATF温度が第3閾値を超えていると判定された場合にアウタークラッチ7を接続するようにしてもよい。

0070

また、本実施形態では、インナークラッチ6を接続した状態でアウタークラッチ7を接続するものとしたが、インナークラッチ6の接続を遮断した後にアウタークラッチ7を接続するものとしてもよい。

0071

上述した本発明の実施形態に係る自動車の変速装置1の暖機制御装置8によれば、変速装置1を作動させるための作動油の温度が第1閾値を超えた場合に入力軸2から第1動力伝達系4に動力を伝達するようにインナークラッチ6を接続するので、第2動力伝達系5よりも慣性モーメントが小さな第1動力伝達系4に動力が伝達され、自動車の変速装置1の暖機が開始される。これにより、エンジン100が冷態にあるときでもエンジン100の停止を回避して変速装置1の暖機を可能にする自動車の変速装置1の暖機制御装置8を提供することができる。

0072

また、作動油の温度が第1閾値よりも高い第2閾値を超えた場合に入力軸2から第2動力伝達系5に動力を伝達するようにアウタークラッチ7を接続するので、第1動力伝達系4よりも慣性モーメントが大きな第2動力伝達系5に動力が伝達され、自動車の変速装置1の暖機が促進される。

0073

また、インナークラッチ制御部82は、ATF温度が第1閾値を超え、かつ、冷却水温度が第3閾値を超えた場合にインナークラッチ6が接続されるので、適正なタイミングで暖機を開始することができる。

0074

また、アウタークラッチ制御部83は、ATF温度が第2閾値を超え、かつ、冷却水温度が第4閾値を超えた場合にインナークラッチ6の接続が遮断され、アウタークラッチ7が接続される。これにより、適正なタイミングで暖機の促進を図ることができる。

0075

本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。

0076

1変速装置
2入力軸
21ホイール
3出力軸
4 第1動力伝達系
41インナードライブピニオン
41Aピニオンギヤ
42 3rdギヤ
43 第1アクチュエータ
5 第2動力伝達系
51アウタードライブピニオン
51A ピニオンギヤ
52カウンターシャフト
521従動ギヤ
523 ギヤ
524 4thギヤ
53アイドラーギヤ
54 Revギヤ
55 1st2ndギヤ
56 第2アクチュエータ
57 第3アクチュエータ
6インナークラッチ
61 ホイール
7アウタークラッチ
71 ホイール
8暖機制御装置
81前提条件判定部
82 インナークラッチ制御部
83 アウタークラッチ制御部
100エンジン
101オイルポンプ
201チェンジレバー
202車速センサ
203 ギヤポジションセンサ

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