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技術 改良地盤及び地盤改良工法

出願人 学校法人関東学院株式会社アートンシビルテクノ
発明者 金子誓村沢譲規矩大義
出願日 2016年4月1日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-074217
公開日 2016年11月24日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2016-196803
状態 特許登録済
技術分野 地盤中に固結物質を施すことによる地盤強化
主要キーワード 破線ライン 仮想正方形 応力図 硬い粘土 剛性力 各折れ線 片振幅 振動実験
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年11月24日)のものです。
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図面 (17)

課題

鉛直力水平力に対する抗力経済性及び透水性に優れるとともに、施工性が高い地盤改良工法を提供すること。

解決手段

6本の平断面円形改良柱体10の中心が平面視正六角形頂点にそれぞれ位置するように地中に配置された複数の六角状ユニット2と、六角状ユニット2の内部に形成された未改良部3と、を有し、六角状ユニット2を構成する隣り合う改良柱体10の側面同士が線接触するとともに、隣り合う六角状ユニット2同士のうち、隣り合う改良柱体10の側面同士が線接触することを特徴とする。

概要

背景

セメント系固化材土砂とを攪拌翼混合攪拌することにより、円柱状の改良柱体地中複数本形成する地盤改良工法が知られている。当該地盤改良工法における改良柱体は、例えば、直径が概ね0.6〜2m、長さが概ね2〜20mの範囲で形成されている。当該地盤改良工法は、改良柱体の配置方法により、一般的に、杭式改良工法ブロック式改良工法、壁式改良工法及び格子式改良工法の4つに分類されている。

杭式改良工法は、複数の改良柱体を互いに離間して配置する工法である。杭式改良工法は、施工が容易であるとともに、改良率が10〜30%程度と低く、経済的にも優れた工法である。しかし、改良柱体が一本一本独立しているため、大きな水平力が作用すると、改良柱体が連鎖的に傾倒するおそれがある。つまり、杭式改良工法は、構造物鉛直荷重に対する支持力の増加や地盤沈下対策としては有効であるが、地震時の水平力や液状化対策としては効力がない。なお、改良率とは、改良対象地盤表面積に対する改良柱体の総平断面積の割合を言う。

ブロック式改良工法は、改良柱体同士をオーバーラップして配置するため、鉛直力及び水平力の両方に対して抗力があり、未改良部がほとんど生じないことから液状化対策としても有効である。しかし、ブロック式改良は、改良率が78.5%以上になり施工費が嵩むという問題がある。また、改良率が大きくなると改良対象地盤の透水性が悪く、雨水の浸透の妨げになるという問題もある。

壁式改良工法は、水平力が作用する方向にだけ改良柱体を連続して壁状に配置する工法である。壁式改良工法では、連続した壁式配置と直交する方向は所定の間隔で未改良部が発生し、この未改良部によって液状化が発生する可能性がある。

格子式改良工法は、平面視格子状平面視四角形)となるように改良柱体を配置し、隣り合う改良柱体同士を20cm程度オーバーラップさせる工法である。格子式改良工法によれば、改良率を50%程度に下げても格子状全体の剛性力を高めることができ、水平力にも対抗できる。また、格子の幅と深さの関係を一定の範囲に収めることで、それぞれの格子に囲まれた未改良部の液状化も防ぐことができる(特許文献1参照)。

概要

鉛直力・水平力に対する抗力、経済性及び透水性に優れるとともに、施工性が高い地盤改良工法を提供すること。6本の平断面円形の改良柱体10の中心が平面視正六角形頂点にそれぞれ位置するように地中に配置された複数の六角状ユニット2と、六角状ユニット2の内部に形成された未改良部3と、を有し、六角状ユニット2を構成する隣り合う改良柱体10の側面同士が線接触するとともに、隣り合う六角状ユニット2同士のうち、隣り合う改良柱体10の側面同士が線接触することを特徴とする。

目的

本発明はこのような課題を解決するために創作されたものであり、鉛直力・水平力に対する抗力、経済性及び改良対象地盤の透水性に優れるとともに、施工性の高い地盤改良工法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

6本の平断面円形改良柱体の中心が平面視正六角形頂点にそれぞれ位置するように地中に配置された複数の六角状ユニットと、前記六角状ユニットの内部に形成された未改良部と、を有し、前記六角状ユニットを構成する隣り合う前記改良柱体の側面同士が線接触するとともに、隣り合う前記六角状ユニット同士のうち、隣り合う前記改良柱体の側面同士が線接触することを特徴とする改良地盤

請求項2

地震時に、隣り合う前記改良柱体の側面同士の接触部に生じる鉛直方向せん断力が、当該接触部に生じる摩擦抵抗力以下となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の改良地盤。

請求項3

6本の平断面円形の改良柱体の中心が平面視正六角形の頂点にそれぞれ位置するように地中に配置し、内部に未改良部を備えた六角状ユニットを複数個形成する工程を含み、前記工程では、前記六角状ユニットを構成する隣り合う前記改良柱体の側面同士を線接触させるとともに、隣り合う前記六角状ユニット同士のうち、隣り合う前記改良柱体の側面同士を線接触させることを特徴とする地盤改良工法

技術分野

0001

本発明は、改良地盤及び地盤改良工法に関する。

背景技術

0002

セメント系固化材土砂とを攪拌翼混合攪拌することにより、円柱状の改良柱体地中複数本形成する地盤改良工法が知られている。当該地盤改良工法における改良柱体は、例えば、直径が概ね0.6〜2m、長さが概ね2〜20mの範囲で形成されている。当該地盤改良工法は、改良柱体の配置方法により、一般的に、杭式改良工法ブロック式改良工法、壁式改良工法及び格子式改良工法の4つに分類されている。

0003

杭式改良工法は、複数の改良柱体を互いに離間して配置する工法である。杭式改良工法は、施工が容易であるとともに、改良率が10〜30%程度と低く、経済的にも優れた工法である。しかし、改良柱体が一本一本独立しているため、大きな水平力が作用すると、改良柱体が連鎖的に傾倒するおそれがある。つまり、杭式改良工法は、構造物鉛直荷重に対する支持力の増加や地盤沈下対策としては有効であるが、地震時の水平力や液状化対策としては効力がない。なお、改良率とは、改良対象地盤表面積に対する改良柱体の総平断面積の割合を言う。

0004

ブロック式改良工法は、改良柱体同士をオーバーラップして配置するため、鉛直力及び水平力の両方に対して抗力があり、未改良部がほとんど生じないことから液状化対策としても有効である。しかし、ブロック式改良は、改良率が78.5%以上になり施工費が嵩むという問題がある。また、改良率が大きくなると改良対象地盤の透水性が悪く、雨水の浸透の妨げになるという問題もある。

0005

壁式改良工法は、水平力が作用する方向にだけ改良柱体を連続して壁状に配置する工法である。壁式改良工法では、連続した壁式配置と直交する方向は所定の間隔で未改良部が発生し、この未改良部によって液状化が発生する可能性がある。

0006

格子式改良工法は、平面視格子状平面視四角形)となるように改良柱体を配置し、隣り合う改良柱体同士を20cm程度オーバーラップさせる工法である。格子式改良工法によれば、改良率を50%程度に下げても格子状全体の剛性力を高めることができ、水平力にも対抗できる。また、格子の幅と深さの関係を一定の範囲に収めることで、それぞれの格子に囲まれた未改良部の液状化も防ぐことができる(特許文献1参照)。

先行技術

0007

特開2013−2078号公報

発明が解決しようとする課題

0008

従来の地盤改良工法を鉛直力・水平力に対する抗力、経済性及び透水性の観点からみると、格子式改良工法に多くの利点がみられる。しかし、格子式改良工法は、隣り合う改良柱体同士をオーバーラップさせる必要があるところ、一の改良柱体を施工した後に1日以上経過させると、改良柱体が固化してある程度の強度になるため、このオーバーラップ施工が困難になるという問題がある。固化した改良柱体をオーバーラップさせる場合は、出力の大きな大型の施工機械が必要になる。これにより、狭隘な場所での施工が困難になるとともに、騒音も大きくなる。

0009

本発明はこのような課題を解決するために創作されたものであり、鉛直力・水平力に対する抗力、経済性及び改良対象地盤の透水性に優れるとともに、施工性の高い地盤改良工法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、前記課題を解決するため、6本の平断面円形の改良柱体の中心が平面視正六角形頂点にそれぞれ位置するように地中に配置された複数の六角状ユニットと、前記六角状ユニットの内部に形成された未改良部と、を有し、前記六角状ユニットを構成する隣り合う前記改良柱体の側面同士が線接触するとともに、隣り合う前記六角状ユニット同士のうち、隣り合う前記改良柱体の側面同士が線接触することを特徴とする。

0011

また、本発明は、6本の平断面円形の改良柱体の中心が平面視正六角形の頂点にそれぞれ位置するように地中に配置し、内部に未改良部を備えた六角状ユニットを複数個形成する工程を含み、前記工程では、前記六角状ユニットを構成する隣り合う前記改良柱体の側面同士を線接触させるとともに、隣り合う前記六角状ユニット同士のうち、隣り合う前記改良柱体の側面同士を線接触させることを特徴とする。

0012

かかる構成によれば、改良率は概ね60%程度になり、施工費を低減することができ、経済性に優れる。また、正六角形を呈する複数の六角状ユニットを線接触させることにより、改良率が低い割に、鉛直力及び水平力に対する抗力を高めることができる。また、各六角状ユニットの内部には改良柱体を設けないため、各六角状ユニットの内部の未改良部が透水機能を有する。また、各六角状ユニット間に生じる未改良部も透水機能を有する。また、改良柱体の側面同士を線接触させるだけでよいため、容易に施工することができる。さらに、改良柱体の側面同士を切削する必要がなく、小型の施工機械でも対応できるため、狭隘な現場でも施工可能となる。

0013

また、地震時に、隣り合う前記改良柱体の側面同士の接触部に生じる鉛直方向せん断力が、当該接触部に生じる摩擦抵抗力以下となるように設定されていることが好ましい。

0014

かかる地盤改良工法によれば、鉛直力・水平力に対する抗力をより高めることができる。

発明の効果

0015

本発明に係る地盤改良工法によれば、鉛直力・水平力に対する抗力、経済性及び透水性に優れるとともに、施工性を高めることができる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の第一実施形態に係る改良地盤を示す模式平面図である。
第一実施形態に係る六角状ユニットを示す平面図である。
第一実施形態に係る2本の改良柱体を示す側面図である。
格子間隔/改良深さと格子内原地盤過剰間隙水圧との関係を示すグラフである。
格子式改良工法に係る応力図である。
第一実施形態に係る地盤改良工法の応力図である。
鉛直方向せん断力と摩擦抵抗力の算出方法を説明するための施工(改良)区域断面模式図である。
(a)は液状化層厚h及び非液状化層厚dから求められる震度Kを示す表であり、(b)は図8(a)に対応するグラフである。
鉛直方向せん断力に対する格子式改良工法の作用図である。
鉛直方向せん断力に対する第一実施形態に係る地盤改良工法の作用図である。
(a)は実験装置の側断面図であり、(b)は実験装置の平面図であり、(c)は実験用の改良柱体を示す側面図である。
実施例1を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
比較例1を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
実施例2を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
比較例2を示す図であり、(a)は平面図、(b)は側断面図である。
本発明の第二実施形態に係る改良地盤を示す模式平面図である。

実施例

0017

[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る改良地盤1は、施工区域Z内に配置された、複数の六角状ユニット2、未改良部3,3’及び複数の補助改良柱体4を備えて構築されている。施工区域Zの形状、大きさは、特に制限されるものではないが、本実施形態では矩形状を呈する。本実施形態の施工区域Zは、例えば、改良柱体10の直径Φを1.0mとすると横寸法aが12.0mであり、縦寸法bが10.57m(約130m2)である。

0018

図2に示すように、六角状ユニット2は、6本の改良柱体10で構成されている。各改良柱体10は、円柱状を呈する。改良柱体10の中心は、正六角形の頂点が位置するように配置している。図3に示すように、改良柱体10の直径Φ及び長さHは、例えば、直径Φが概ね0.6〜2.0m、長さHが概ね2.0〜20mの範囲で適宜設定される。

0019

本実施形態の六角状ユニット2の仮想正六角形の一辺は、改良柱体10の直径Φと同一寸法である。隣り合う改良柱体10,10の周面(側面)同士は線接触している。図3に示すように、六角状ユニット2は、地面Gから所定の深さDで埋設されている。深さDは、適宜設定される。

0020

本実施形態では、改良柱体10の直径Φを1.0mに設定しているため、施工区域Z内に14個の六角状ユニット2が配置されている。本実施形態の改良地盤1の改良率は63.7%になっている。

0021

改良柱体10の直径Φ及び長さHは、図3に示すように、所定の上載荷重が作用する場合において、水平力P2(動水圧と施工区域Zの重量及び上載荷重の慣性力)により隣り合う改良柱体10,10の接触部(線状に接触している部分)に生じる鉛直方向せん断力τvが、水平力P1(周囲からの土圧)により当該接触部に生じる摩擦抵抗力以下となるように設定する。

0022

改良柱体10の材料は、鉛直力・水平力に対して所定の圧縮強度発現するものであれば特に制限されないが、本実施形態ではセメント系固化材と土砂とを用いている。改良柱体10の製造方法も特に制限されないが、本実施形態では、セメント系固化材を地中に注入しつつ、地中の土砂とセメント系固化材とを攪拌翼で混合攪拌することにより形成している。改良柱体10は、公知の施工機械を用いて形成することができる。当該施工機械は、例えば、複数の攪拌翼を備えたロッドと、ロッドを回転駆動させる駆動手段と、ロッド及び駆動手段とを保持する車両本体とで主に構成されている。

0023

図1に示すように、隣り合う六角状ユニット2,2同士は、線接触するように配置されている。ここで、複数の六角状ユニット2を区別する場合には六角状ユニット2A,2B,2C・・・のように称する。六角状ユニット2Aの一の改良柱体10は、六角状ユニット2Aに隣接する他の六角状ユニット2Bの一の改良柱体10と線接触するように配置されている。このとき、線接触する改良柱体10,10の各中心は、六角状ユニット2Aの中心と六角状ユニット2Bの中心とを結ぶ線上に位置する。

0024

また、六角状ユニット2Aの他の改良柱体10は、六角状ユニット2Aに隣接する他の六角状ユニット2Cの一の改良柱体10と線接触するように配置されている。このとき、線接触する改良柱体10,10の各中心は、六角状ユニット2Aの中心と六角状ユニット2Cの中心とを結ぶ線上に位置する。

0025

このように、六角状ユニット2Aは、その周囲に放射状に配置された他の六角状ユニット2B,2C,2D,2E,2F,2Gとそれぞれ線接触している。つまり、六角状ユニット2B,2C,2D,2E,2F,2Gは、六角状ユニット2Aの周囲を60°ずつ位相して配置されている。さらに、六角状ユニット2B,2C,2D,2E,2F,2Gはさらにその外側の六角状ユニット2と線接触している。すなわち六角状ユニット2がこの
ように配置されることにより、隣り合う3つの六角状ユニット2(例えば、六角状ユニット2A、2B、2C)の中心を結ぶ平面形状が正三角形状となり、施工区域Z内で全体としてハニカム構造を形成している。

0026

未改良部3は、元の地盤に相当する部位である。つまり、未改良部3は、六角状ユニット2の内部において改良されていない領域(6つの改良柱体10で囲まれた領域)である。また、図1に示すように、隣り合う三つの六角状ユニット2,2,2で囲まれる領域も未改良部3’となる。当該未改良部3’も、六角状ユニット2の内部の未改良部3と同等の形状となる。

0027

未改良部3の大きさは、格子状形式改良地盤の模型振動実験建築基礎のための地盤改良設計指針案:社団法人日建築学会著)の『格子間隔/改良深さと格子内原地盤の過剰間隙水圧の関係』のグラフ(図4参照)を参考に導くことができる。

0028

例えば、改良柱体10の直径Φを1.0m、長さを4.0mに設定した場合、図2に示すように、未改良部3の間隔Lは概ね1.0mになり、深さH(液状化層厚h)は4.0mになる。よって、L/H(h)は0.25となる。図4に示すように、液状化が発生しないようにするためには、最大過剰間隔水圧比を0.5以下に設定する必要がある。したがって、L/H(h)の値が0.95以下であれば好ましい。本実施形態ではL/H(h)を0.5〜0.05に設定しているため、液状化を防ぐことができる。

0029

補助改良柱体4は、施工区域Zの外縁と六角状ユニット2との間に複数本配置されている。補助改良柱体4は、施工区域Zの外縁と六角状ユニット2との間を充填する改良柱体である。補助改良柱体4を設けることにより、改良地盤1の水平力・鉛直力に対する抗力をより高めることができる。補助改良柱体4は、改良柱体10と同じ材料で形成されており、同じ施工方法で形成される。隣り合う補助改良柱体4同士は線接触している。また、隣り合う六角状ユニット2の改良柱体10と補助改良柱体4とも線接触するように配置されている。補助改良柱体4は、施工区域Zと六角状ユニット2との間において、必要に応じて複数本配設される。補助改良柱体4は、本実施形態では、例えば19本配置されている。

0030

次に、本実施形態に係る地盤改良工法について説明する。本実施形態に係る地盤改良工法は、準備工程と、ハニカム構造形成工程と、補助改良柱体形成工程とを行う。

0031

準備工程は、地面G(図3参照)において、改良柱体10を形成する予定位置に目印を形成する工程である。準備工程では、仮想正六角形の頂点にそれぞれ目印を形成する。

0032

ハニカム構造形成工程は、地中に複数の六角状ユニット2を形成する工程である。ハニカム構造形成工程では、前記した施工機械を用いて、6本の改良柱体10を形成し、一の六角状ユニット2を形成する。改良柱体10は、仮想正六角形の頂点に改良柱体10の中心が位置するように形成する。改良柱体10の直径Φ及び長さHは、図3に示すように所定の上載荷重が作用する場合において、水平力P2により隣り合う改良柱体10,10の接触部に作用する鉛直方向せん断力τv及び水平力P1により当該接触部に生じる摩擦抵抗力を考慮しつつ、液状化対策としてのL/H(h)の値を考慮しつつ決定することができる。

0033

そして、当該六角状ユニット2の周囲に複数の六角状ユニット2を形成する。隣り合う六角状ユニット2,2の一方の改良柱体10と、他方の改良柱体10とを線接触させて、複数の六角状ユニット2が全体としてハニカム構造を形成するように形成する。なお、ハニカム構造形成工程では、必ずしも六角状ユニット2ごとに形成する必要はなく、最終的
に複数の六角状ユニット2が形成されてハニカム構造になればよい。

0034

補助改良柱体形成工程は、施工区域Zの外縁と六角状ユニット2との隙間に複数の補助改良柱体4を形成する工程である。以上により改良地盤1が形成される。

0035

次に、水平方向せん断力に対する本実施形態に係る改良地盤1の作用について説明する。まずは、図5を参照して比較例となる格子式改良工法の四角状ユニット20の作用について説明する。図5に示すように、格子式改良工法の四角状ユニット20は、平面視仮想正方形の辺上に、複数の円柱状の改良柱体30の中心が位置するように並設して構成されている。隣り合う改良柱体30同士は、20cm程度オーバーラップしている。例えば、改良柱体30A,30Bがオーバーラップすることで、ラップ部Eが形成され、改良柱体30A,30Cがオーバーラップすることで、ラップ部Fが形成されている。四角状ユニット20の内部は、未改良部23になっている。

0036

水平方向せん断力の作用に関して従来の四角状ユニット20では、例えば四角状ユニット20の改良柱体30Aに水平力P0(P0=P1+P2)が作用した場合、ラップ部E,Fの水平方向のせん断抵抗力τE及びτFで改良柱体30AがX方向にずれることを防止している。

0037

次に、図6を参照して水平方向せん断力に対する本実施形態に係る六角状ユニット2の作用について説明する。図6では、6本の改良柱体10を、10a,10b,10c,10d,10e,10fを付して区別する。図6に示すように、本実施形態に係る六角状ユニット2では、例えば改良柱体10aに水平力P0が作用すると、改良柱体10aに隣接する改良柱体10bから反力Pbを受けるとともに、改良柱体10aに隣接する改良柱体10cから反力Pcを受ける。また、他の改良柱体10も改良柱体10aと同様に、当該改良柱体10に対して水平力P0が作用すると、隣接している他の2つの改良柱体10,10から反力を受ける。これにより、改良柱体10に水平力P0が作用しても当該水平力P0に対抗する反力が作用するため、各改良柱体10がずれること(ここでは、改良柱体10aがX方向にずれること)を防ぐことができる。

0038

すなわち本実施形態に係る改良地盤1(六角状ユニット2)によれば、仮想正六角形の頂点に互いに接して配置された改良柱体10,10同士は水平力P0に対してアーチアクション効果(楔効果)により各々の改良柱体10の中心に向かって水平方向の圧縮力が伝達され、改良柱体10,10同士の接触部での水平方向(改良柱体外周接線方向)のせん断力は作用しない(実質的にゼロに近い)ため、改良柱体10,10同士をオーバーラップさせる必要はない。

0039

以上説明した改良地盤1によれば、改良率は概ね60%程度になり、施工費を低減することができ、経済性に優れる。また、正六角形を呈する複数の六角状ユニット2によりハニカム構造が構築されているため(六角状ユニット2,2同士を線接触させているため)、改良率が低い割に、鉛直力及び水平力に対する抗力を高めることができる。また、各六角状ユニット2の内部に改良柱体10を設けないため、各六角状ユニット2の内部の未改良部3が透水機能を有する。また、隣り合う六角状ユニット2,2間に生じる未改良部3’も透水機能を有する。

0040

また、本実施形態によれば、また、改良柱体10,10同士を線接触させるだけでよいため、容易に施工することができる。つまり、改良柱体10,10同士をオーバーラップさせる必要がないため、改良柱体10の一部を切削する必要もない。これにより、小型の施工機械でも対応できるため、狭隘な現場でも施工可能となる。

0041

また、本実施形態では、未改良部3のL/H(h)を0.5〜0.05としているため、液状化を防ぐことができる。また、本実施形態では、水平力P2(動水圧と施工区域Zの重量及び上載荷重の慣性力)により隣り合う改良柱体10,10の接触部に生じる鉛直方向せん断力τv が、水平力P1(周囲からの土圧)により当該接触部に生じる摩擦抵抗力以下となるように改良柱体10の直径Φ及び長さHを設定している。これにより、水平力に対する抗力をより高めることができる。また、施工にあたっては改良柱体10の直径Φを設計値よりも、例えば、5〜10%大きくすることにより、施工誤差を吸収して改良柱体10,10同士を確実に線接触させることができる。また、特許請求の範囲の「正六角形」とは、設計誤差より数学的な意味での「正六角形」とはなっていないが、実質的に正六角形となるものも含む意味である。

0042

次に、図7を参照して、鉛直方向せん断力と摩擦抵抗力の算出方法について詳述する。セメント系固化材を用いた固結工法による地盤改良においては、鉛直方向せん断力は、施工区域Zの中央部に生じ、かつ、地震時に周囲地盤が液状化した場合に最も大きくなる。施行区域側断面奥行き1mあたりの最大鉛直方向せん断力(kN/m)をτvmaxとすると、最大鉛直方向せん断力τvmaxは、下記式(1)で求められる。

0043

ここで、式(1)においては、図7に示す施工区域Zの幅(m)をB、液状化層厚(m)をh、非液状化層厚(m)をd、上載物の幅(m)をl、施工区域Zの地下水位以上の重量(kN/m)をW1=γtdB、単位体積重量(kN/m3)をγt、施工区域Zの地下水位以下の重量(kN/m)をW2=γt´hB、水中単位体積重量(kN/m3)をγt´とする。また、上載荷重(kN/m)をQ=ql、単位面積当たり荷重(kN/m2)をq、主働土圧(kN/m)をPaH=(1/2)kaγtd2、主働土圧係数<1をka、受働土圧(kN/m)をPPH=(1/2)kpγtd2、受働土圧係数>1をkp、液状化時の土圧(kN/m)をPOH=kO((1/2)γt´h2+γtdh)、kO=1.0とする。さらに、動水圧(kN/m)をPDH≒(7/8)・(π/4)・(γw+RU・γt´)Kh2、水の単位体積重量(10kN/m3)をγw、過剰間隙水圧比(1.0)をRU、慣性力(kN/m)をKQ、KW1、KW2、設計に用いる震度KをK=αmax/g、地表面最大水平加速度(gal)をαmax、重力加速度(980gal)をgとする。なお、震度Kは、0.15〜0.36の範囲に設定することが好ましい。本実施形態では、説明の便宜上、1tf/m2を10kN/m2に換算し、1tf/m3を10kN/m3に換算する。

0044

式(1)の6/B2は、施工区域奥行き1mあたりの平断面係数逆数である。式(1)のMは、図7に示す施工区域Zの中央部の下端を中心とするモーメントであり、モーメントMは、下記式(2)で求められる。

0045

水平力P1は、下記式(3)で求められる。

0046

水平力P2は、下記式(4)で求められる。

0047

最大鉛直方向せん断力τvmaxに対する抵抗力は、本実施形態では水平力P1(周囲からの土圧)により隣り合う改良柱体10,10の接触部に生じる摩擦抵抗力である。施工区域側断面奥行き1mあたりの摩擦抵抗力f(kN/m)の大きさは、水平力P1=PaH+POHに改良柱体10,10同士の摩擦係数μを乗じた値、すなわち下記式(5)で求められる。

0048

摩擦係数μに関して、道路土工指針では硬い粘土でμ=0.5を採用している。

0049

地震時(液状化時)に施工区域Zを安定させるためには、摩擦抵抗力fが最大鉛直せん断力τvmax以上でなければならない。すなわち、f/τvmax≧1.0の関係を満足する必要がある。

0050

例として、式(1),(5)に下記数値代入し、f=τvmaxとして液状化層厚h及び非液状化層厚dと震度Kとの関係を求めると、図8(a),(b)に示す結果となる。ここでは代入する数値は、B=15m、γt=18kN/m3、γt´=10kN/m3、q=10kN/m2、l=10m、Q=100kN/m、ka=0.41、kp=2.46(φ25°)、ko=1.0とした。また、液状化層厚hには、2m、4m、6m、8m、10m、20mのいずれかの数値を代入し、非液状化層厚dには、1m、2m、3m、4mのいずれかの数値を代入した。

0051

図8(b)に示すグラフでは、1m〜4mの非液状化層厚dごとの4つの折れ線グラフを表している。各折れ線は、摩擦抵抗力fと最大鉛直方向せん断力τvmaxが等しくなる境界(f=τvmaxのライン)を示す。

0052

すなわち折れ線よりも震度Kが大きい領域では摩擦抵抗力fが最大鉛直方向せん断力τvmaxよりも小さいことを意味し(f<τvmax)、折れ線よりも震度Kが小さい領域では摩擦抵抗力fが最大鉛直方向せん断力τvmaxよりも大きいことを意味している(f>τvmax)。例えば、液状化層厚hが2mで非液状化層厚dが4mのケースでは、震度K=0.399(391gal)となり、この数値と同等の震度の地震に対しては摩擦抵抗力fと最大鉛直方向せん断力τvmaxが等しくなる。また、上記数値よりも大きい震度の地震に対しては摩擦抵抗力fが最大鉛直方向せん断力τvmaxよりも小さくなり、上記数値よりも小さい震度の地震に対しては摩擦抵抗力fが最大鉛直方向せん断力τvmaxよりも大きくなる。

0053

ここで、震度Kの目安は、例えば建築基礎構造設計指針(日本建築学会編、2004年8月10日)では損傷限界検討用としてK=0.15〜0.20(150gal〜200gal)が推奨されており、終局限界検討用としてK=0.36(350gal)が推奨されている。これらの数値と図8(a)に示す数値とを照らし合わせると、損傷限界検討用の数値については全てのケースで満たしており、また終局限界検討用の数値についても一部のケースで満たしていることが分かる。このことから、多くのケースにおいて、最大鉛直方向せん断力τvmaxに対して隣り合う改良柱体10,10の接触部に生じる摩擦抵抗力fで抵抗できることが裏付けられた。

0054

なお、図8(a)、(b)においては改良柱体10aの下端を下層の非液状化層に根入れをしていないケースを想定しているが、根入れをすることにより図8(a)、(b)に示す震度Kの数値が上がるため、本発明の適用範囲が広がることになる。

0055

次に、鉛直方向せん断力に対する本実施形態に係る改良地盤1の作用について説明する。まずは、図9を参照して、比較例となる格子式改良工法の接円四角状ユニット50の作用について説明する。格子式改良工法の接円四角状ユニット50は、隣り合う改良柱体60,60同士がオーバーラップせずに線接触する点が、図5に示す四角状ユニット20と相違する。

0056

図3でも説明したように、接円四角状ユニット50では、例えば改良柱体60Aに水平力P0(P0=P1+P2)が作用した場合、水平力P2(動水圧と施工区域Zの重量及び上載荷重の慣性力)により隣り合う改良柱体60A,60Bの接触部には鉛直方向せん断力τvが生じると共に、接円四角状ユニット50の中心に向かう水平力P1(周囲からの土圧)により隣り合う改良柱体60,60の接触部には摩擦抵抗力が生じる。しかし、接円四角状ユニット50では、水平力P1により改良柱体60同士が接円四角状ユニット50の中心に向けて相互に締め付けられる配置関係になっていない。換言すると、各改良柱体60には隣り合う改良柱体60,60の間に食い込むような力が相互に作用していないので、地震動で改良柱体60がずれやすくなっている。特に仮想正方形の各辺の中央に位置する改良柱体60がずれやすくなる。このようなずれが生じると、摩擦抵抗力が全く働かないため、改良柱体60,60同士をオーバーラップさせる必要がある。

0057

次に、図10を参照して、鉛直方向せん断力に対する本実施形態に係る六角状ユニット2の作用について説明する。図3でも説明したように、本実施形態に係る六角状ユニット2では、例えば改良柱体10bに水平力P0(P0=P1+P2)が作用すると、水平力P2(動水圧と施工区域Zの重量及び上載荷重の慣性力)により隣り合う改良柱体10b,10dの接触部には鉛直方向せん断力τvが生じると共に、六角状ユニット2の中心に向かう水平力P1(周囲からの土圧)により隣り合う改良柱体10,10の接触部には摩擦抵抗力が生じる。六角状ユニット2では、水平力P1により改良柱体10同士が六角状ユニット2の中心に向けて相互に締め付けられる配置関係になっている。換言すると、各改良柱体10には隣り合う改良柱体10,10の間に食い込むような力が相互に作用しているので、地震動を受けても楔効果により各改良柱体10がずれることを防ぐことができる。これにより、本実施形態に係る六角状ユニット2では、摩擦抵抗力が確実に働くため、改良柱体10,10同士をオーバーラップさせる必要はない。

0058

次に、図11図15を参照して、本発明の改良地盤(六角状ユニット)の作用効果について、実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
<実験装置、改良柱体>
まずは、図11(a)〜(c)を参照して、本実験に用いる実験装置100と改良柱体200について説明する。
実験装置100は、上方に開口する箱状のアクリル槽110と、アクリル槽110の内側面に設置されたスポンジ120と、アクリル槽110の底面とスポンジ120の内側面とに亘って設置された外側塩ビシート130とを備えている。外側塩ビシート130の内側には、水分を含んだ砂140が敷設されている。砂140上には、内側塩ビシート150が設置されている。内側塩ビシート150上には、載荷重体160が載置されている。載荷重体160は、砂と鉄粉と鉄製直方体とからなり、下側からこの順序積み重ねられている。内側塩ビシート150の周縁は、上方へ折り曲げられており、外側塩ビシート130に対して隙間170を空けて対向している。本実験では、振動を与えて砂140が液状化すると、隙間170から噴砂が発生するため、液状化の発生を容易に確認できるようになっている。載荷重体160の鉄製直方体には、沈下量を測るための測定点P(図11(b)に示す破線円参照)となる目印が付されている。測定点Pは、アクリル槽110の縦横方向に等間隔で複数並設されている。

0059

アクリル槽110の縦横寸法D1,D2は、それぞれ19cm、40cmに設定した。スポンジ120の厚さ寸法D3は、2cmに設定した。対向する一対のスポンジ120,120間の内寸法D4は、36cmに設定した。砂140の高さ寸法D5は、15.2cmに設定した。砂140と水の相対密度は、液状化の発生に適する40〜50%に設定した。載荷重体160の砂の厚さは1cm、鉄粉の厚さは2.2cm、鉄製直方体の縦横高さ寸法は2cm、2cm、3cmにそれぞれ設定した。載荷重体160の載荷重は、3.2kN/m2に設定した。

0060

図11(c)に示す改良柱体200は、ソイルセメント製の円柱体からなる。改良柱体200は、直径φが25mm、長さHが150mm、密度ρtが1.88g/cm3、一軸圧縮強度quが1200kN/m2のものを使用した。

0061

実験方法
本実験方法は、図示せぬ加振装置により実験装置100を左右方向(水平方向)に加振して、液状化が発生したときの各測定点Pにおける鉄製直方体の沈下量と、改良柱体200のずれとを測定した。本実験では、振動周波数を4Hz、片振幅を2.5mm、加速度を161galとした。実施例1〜2では六角状ユニット300を使用し、比較例1〜2では接円四角状ユニット400を使用して、上記各測定を行った。実施例1と比較例1では、各ユニット300,400に加わる左右方向の土圧が均等となる環境下で実験を行い、実施例2と比較例2では、各ユニット300,400に加わる左右方向の土圧が不均等となる環境下で実験を行った。

0062

<実施例1>
図12(a),(b)に示すように、実施例1では、アクリル槽110の左右方向の中央に六角状ユニット300を配置した。実施例1では、20秒間の加振を行ったところ、加振開始から約1〜2秒後に液状化がはじまった。
実施例1では、六角状ユニット300の内側に位置する測定点Pの沈下量が2mm〜3mmとなり、六角状ユニット300の外側に位置する測定点Pの沈下量が3mm〜16mmとなった。図12(b)に示す破線ラインY1は沈下状況を模式的に示しており、沈下量は比較的少なかった。実施例1では、改良柱体200の左右方向のずれが発生しなかった。

0063

<比較例1>
図13(a),(b)に示すように、比較例1では、アクリル槽110の左右方向の中央に接円四角状ユニット400を配置した。比較例1では、15秒間の加振を行ったところ、加振開始から約1〜2秒後に液状化がはじまった。
比較例1では、接円四角状ユニット400の内側に位置する測定点Pの沈下量が3mm〜4mmとなり、接円四角状ユニット400の外側に位置する測定点Pの沈下量が3mm〜26mmとなった。図13(b)に示す破線ラインY2は、沈下状況を模式的に示している。破線ラインY2は、図12(b)に示す破線ラインY1よりも下に位置している。すなわち、比較例1の沈下量は、実施例1の沈下量よりも多かった。比較例1では、改良柱体200のうち最も左側と右側の列において内側に隣接する他の改良柱体200がないものが接円四角状ユニット400の中心に向けて5mm程度ずれた(図13(a)の白抜き矢印図13(b)の破線参照)。

0064

<実施例2>
図14(a),(b)に示すように、実施例2では、アクリル槽110の右側に六角状ユニット300を偏心して配置した。六角状ユニット300には、当該六角状ユニット300に対して左側の土圧が右側の土圧よりも大きく加わっている。実施例2では、13秒間の加振を行ったところ、加振開始から約4〜5秒後に液状化がはじまった。
実施例2では、六角状ユニット300の内側に位置する測定点Pの沈下量が2mmとなり、六角状ユニット300の外側に位置する測定点Pの沈下量が3mm〜16mmとなった。図14(b)に示す破線ラインY3は沈下状況を模式的に示しており、沈下量は比較的少なかった。実施例2では、改良柱体200の左右方向のずれが発生しなかった。

0065

<比較例2>
図15(a),(b)に示すように、比較例2では、アクリル槽110の右側に接円四角状ユニット400を偏心して配置した。接円四角状ユニット400には、当該接円四角状ユニット400に対して左側の土圧が右側の土圧よりも大きく加わっている。比較例2では、13秒間の加振を行ったところ、加振開始から約4〜5秒後に液状化がはじまった。
比較例2では、接円四角状ユニット400の内側に位置する測定点Pの沈下量が3mm〜4mmとなり、接円四角状ユニット400の外側に位置する測定点Pの沈下量が4mm〜17mmとなった。図15(b)に示す破線ラインY4は、沈下状況を模式的に示している。破線ラインY4は、図14(b)に示す破線ラインY3よりも下に位置している。すなわち、比較例2の沈下量は、実施例2の沈下量よりも多かった。比較例2では、改良柱体200のうち最も左側と中央の列において右側に隣接する他の改良柱体200がないものが右側に7〜10mm程度ずれた(図15(a)の白抜き矢印、図15(b)の破線参照)。

0066

<小括>
実施例1と比較例1の実験結果を対比すると、各ユニット300,400に加わる左右方向の土圧が均等となる環境下では、六角状ユニット300の沈下量が接円四角状ユニット400の沈下量よりも少ないことが実証された。また、接円四角状ユニット400では、地震動(液状化)による改良柱体200のずれが発生するが、六角状ユニット300では、地震動(液状化)による改良柱体200のずれが発生しないことが実証された。
実施例2と比較例2の実験結果を対比すると、各ユニット300,400に加わる左右方向の土圧が不均等となる環境下においても、六角状ユニット300の沈下量が接円四角状ユニット400の沈下量よりも少ないことが実証された。また、接円四角状ユニット400では、地震動(液状化)による改良柱体200のずれが発生するが、六角状ユニット300では、地震動(液状化)による改良柱体200のずれが発生しないことが実証された。

0067

以上説明した実施例1〜2及び比較例1〜2によれば、接円四角状ユニット400では、水平力P1(周囲からの土圧)により改良柱体200同士が接円四角状ユニット400の中心に向けて相互に締め付けられる配置関係になっておらず、各改良柱体200には隣り合う改良柱体200,200の間に食い込むような力が相互に作用していないので、地震動で改良柱体200がずれるものと推察される。また、改良柱体200のずれが発生することから、沈下量も多くなると推察される。
これに対して、六角状ユニット300では、水平力P1により改良柱体200同士が六角状ユニット300の中心に向けて相互に締め付けられる配置関係になっており、各改良柱体200には隣り合う改良柱体200,200の間に食い込むような力が相互に作用しているので、地震動を受けても楔効果により各改良柱体200がずれないものと推察される。また、改良柱体200のずれが発生しないことから、沈下量も少なくなると推察される。

0068

[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図16に示すように、第二実施形態に係る改良地盤41は、複数の六角状ユニット2、未改良部3,5を備えて構築されている。改良地盤41は、六角状ユニット2の配置が第一実施形態と相違する。以下、第一実施形態と相違する部分を中心に説明する。

0069

本実施形態の施工区域Zは、例えば、改良柱体10の直径Φを1.0mとすると横寸法aが12.0mであり、縦寸法が10.96m(約130m2)である。六角状ユニット2の構造は、第一実施形態と同一である。六角状ユニット2は、本実施形態では、隣り合う六角状ユニット2,2のうち、各六角状ユニット2の2本の改良柱体10同士が線接触するように配置されている。隣り合う六角状ユニット2,2のうち線接触する合計4つの改良柱体10の中心を結ぶ平面形状は平面視正方形呈する。また、隣り合う4つの六角状ユニット2(例えば、六角状ユニット2α,2β,2γ,2δ)の中心を結ぶ平面形状が矩形状となるように配置されている。補助改良柱体4は第一実施形態と同様の目的で本実施形態では、例えば6本配置されている。

0070

また、隣り合う4つの六角状ユニット2によって未改良部5が形成されている。未改良部5は、未改良部3と同様に改良されていない地盤であって、透水性機能を有する領域である。なお、L/H(h)を設定する場合は、未改良部5の長辺部Laの値をLに代入する。

0071

以上説明した第二実施形態に係る改良地盤41でも、第一実施形態に係る改良地盤1と略同等の効果を奏することができる。改良地盤41によれば、改良率は60.9%程度になり施工費を低減することができ、経済性に優れる。また、隣り合う六角状ユニット2,2同士を線接触させているため、改良率が低い割に、鉛直力及び水平力に対する抗力を高めることができる。

0072

1改良地盤
2 六角状ユニット
3 未改良部
3’ 未改良部
4補助改良柱体
10 改良柱体
Φ 直径
H 長さ

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