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技術 炭素高反応性装入物の装入量決定方法および高炉操業方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 横山浩一樋口謙一
出願日 2015年4月3日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2015-076613
公開日 2016年11月24日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-196681
状態 特許登録済
技術分野 鉄の製造
主要キーワード 炭素含有割合 上昇領域 セメントボンド 鉄系原料 投入条件 減少領域 滴下試験 低下領域
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

炭素高反応性装入物の好適な装入量事前に決定することが可能な、新規かつ改良された炭素高反応性装入物の装入量決定方法及びこれを用いた高炉操業方法を提供する。

解決手段

上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、高炉内に存在する還元ガス利用率が最大となる際の余剰炭材原単位を余剰炭材の上限装入量として特定し、かつ、還元ガスの利用率が最大となるセメントの原単位をセメントの上限装入量として特定する工程と、余剰炭材の上限装入量及びセメントの上限装入量との比を閾値として算出する工程と、炭素高反応性装入物内の余剰炭材の含有率及びセメントの含有率と、閾値とに基づいて、炭素高反応性装入物の装入量を決定する工程と、を含むことを特徴とする、炭素高反応性装入物の装入量決定方法が提供される。

概要

背景

高炉においては、炉頂から鉄系原料酸化鉄を含む原料。主として、焼結鉱)及びコークスを層状に装入し、高炉下部の羽口から熱風送風する。これにより、高炉内を降下する酸化鉄を加熱するともに、主としてCOからなる還元ガスにより還元する。すなわち、銑鉄を製造する。

このような高炉操業において、省エネルギーなどの観点から還元材比を低減する技術について検討が重ねられている。ここで、還元材比は、例えば高炉に導入される全ての還元材原単位、すなわちコークスの原単位及び羽口から吹き込まれる微粉炭の原単位の総和として示される。特許文献1〜4には、このような技術の一例として、炭素高反応性装入物を使用する技術が開示されている。ここで、炭素高反応性装入物は、少なくとも、炭材と、セメントとを含む。炭素高反応性装入物は、さらに酸化鉄を含む場合が多い。酸化鉄を含むものは、通常、非焼成含炭塊成鉱と称され、特にペレタイザーを用いて球形のペレット状となされたものは非焼成含炭ペレットとも称される。

炭素高反応性装入物に含まれる炭材は、コークスよりも反応性が高い(すなわち、コークスよりも低温ガス化する)。したがって、炭素高反応性装入物に含まれる酸化鉄(以下、このような酸化鉄を「同胞酸化鉄」とも称する)は、炭素高反応性装入物に含まれる炭材によって急速に還元される。すなわち、炭素高反応性装入物に含まれる炭材は、コークスよりも低温でガス化する。そして、同胞酸化鉄は、炭材のガス化によって生成した還元ガスによって還元される。したがって、高炉内では、低温時から還元ガスによる同胞酸化鉄の還元が開始されるので、還元ガスの利用率が向上する。

さらに、炭素高反応性装入物は、同胞酸化鉄を金属鉄に還元するために必要な炭材量よりも余剰の炭材を含む。ここで、同胞酸化鉄を金属鉄に還元するために必要な炭材量は、量論計算によって決定される。余剰分の炭材、すなわち余剰炭材は、高炉内で炭素高反応性装入物の近くに存在する鉄系原料(以下、このような鉄系原料を「装入酸化鉄」とも称する)を還元させる。すなわち、余剰炭材もコークスよりも低温でガス化する。そして、装入酸化鉄は、余剰炭材のガス化によって生成した還元ガスによって還元される。したがって、高炉内では、低温時から還元ガスによる装入酸化鉄の還元が開始される。この点でも、還元ガスの利用率が向上する。

炭素高反応性装入物の例として含炭塊成鉱高反応性コークスなどが挙げられる。特許文献1は、含炭塊成鉱の一例として、石炭溶融性を結合に活用した鉄鉱石ブリケットを開示する。特許文献1では、粉鉱石と、揮発分が16%以上、ギーセラー流動度が20DDPM以上の粘結炭(炭材)とを混合する。そして、混合物を260〜550℃の温度域及び成形圧20〜150MPaで熱間成形した後、成形温度範囲で5分間以上の脱ガス処理を行う。これにより、見掛け密度が2.3g/cm3以上である鉄鉱石ブリケットを作製する。

特許文献2は、含炭塊成鉱の一例として、セメントボンド含炭塊成鉱を開示する。特許文献2では、鉄分を40質量%以上含有する微粉状鉄含有原料と、炭素分を10質量%以上含有する微粉状炭材とに水硬性バインダを添加する。そして、水分を調整しつつこれらの原料を混合、造粒することにより、冷間圧潰強度50kg/cm2以上のセメントボンド含炭塊成鉱を作製する。また、特許文献2では、全原料の粒度を2mm以下とし、全原料中の炭素含有割合(T.C)が15〜25質量%となるように前記微粉状炭材の配合割合を調整し、かつ、該微粉状炭材のメジアン径を100〜150μmとする。

特許文献3は、高反応性コークスの一例として、性状の異なる石炭を2種以上配合して製造した平均粒径が38mm以下の高反応性小塊コークスを開示する。具体的に、特許文献3は、(x)コークス内部に存在する気孔径:1〜10μmの気孔の総容量が25mm3/g以上であり、(y)ドラム強度指数(DI15015)が70以上である高反応性小塊コークスを開示する。

特許文献4は、高反応性コークスの一例として、フェロコークスを開示する。フェロコークスは、金属鉄を触媒とすることでコークスの反応性を高めたものである。また、特許文献4は、フェロコークスの好適な装入量を決定する方法についても開示する。具体的には、特許文献4では、フェロコークスを高炉原料として使用する際に、フェロコークス中のカーボン量が、送風量および炉頂ガス分析結果から算出されるソルーションロスカーボン量の1.7倍以内になるようにフェロコークス使用量の上限を管理する。特許文献4には、フェロコークスの高炉使用量が約160kg/tp程度のときにフェロコークスによる還元材比低減効果がもっと効率よく得られることが示されている。

一方、コークスの装入量は、鉄系原料の還元特性(すなわち被還元性)にも影響される。このため、鉄系原料の還元特性値を測定する方法が提案されている。鉄系原料の還元特性値を測定する方法として、JIS−RI(JIS M8713)が知られている。この方法は、製鉄業界で広く知られた方法であり、鉄系原料を900℃の温度下で一定時間(3時間)CO還元を行うことで鉄系原料の被還元性を測定する。

また、特許文献5、6、及び非特許文献1にも鉄系原料の還元特性値を測定する方法が開示されている。特許文献5に開示された測定方法は、いわゆるRA法とも称される方法である。具体的に、特許文献5では、焼結鉱に還元ガスを接触させて、被還元性を測定する。すなわち、還元ガスのCO2含有割合及び温度を変数とするカルシウムフェライト還元平衡線と酸化鉄の還元平衡線とで挟まれ、かつ800℃以上間接還元温度以下の温度範囲で囲まれる領域内で、焼結鉱の被還元率を測定する。

特許文献6に開示された測定方法は、高温荷重軟化試験装置を用いた測定方法であり、大型滴下試験法とも称される。具体的に、特許文献6は、竪型炉で使用する塊状の鉄鉱石類るつぼに装入し、該るつぼを電気炉内に配設し、電気炉の下方より還元ガスを導入して鉄鉱石類の加熱還元を行う。すなわち、特許文献6では、電気炉を上下2段に配設し、両電気炉間の継目フランジで結合し、下段電気炉の下方より還元ガスを導入し、該下段電気炉を空のまま昇温するとともに、上段電気炉に鉄鉱石類を装入したるつぼを配設する。そして、上段電気炉の温度とるつぼ内鉄鉱石類の温度とを同時に測定し、該温度の差をあらかじめ設定した一定の値となるように上段電気炉の電力を調整する。

非特許文献1に開示された方法は、BORIS炉法、またはBIS炉法とも称される。具体的に、非特許文献1では、試験装置内に鉄系原料と炭材との互層を形成することで高炉の塊状帯を再現する。そして、高炉炉頂ガスに相当する出口ガスのCO利用率を計測することで鉄系原料の被還元性を測定する。また、その結果に基づく計算により還元材比を推定できる。

概要

炭素高反応性装入物の好適な装入量を事前に決定することが可能な、新規かつ改良された炭素高反応性装入物の装入量決定方法及びこれを用いた高炉操業方法を提供する。上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、高炉内に存在する還元ガスの利用率が最大となる際の余剰炭材の原単位を余剰炭材の上限装入量として特定し、かつ、還元ガスの利用率が最大となるセメントの原単位をセメントの上限装入量として特定する工程と、余剰炭材の上限装入量及びセメントの上限装入量との比を閾値として算出する工程と、炭素高反応性装入物内の余剰炭材の含有率及びセメントの含有率と、閾値とに基づいて、炭素高反応性装入物の装入量を決定する工程と、を含むことを特徴とする、炭素高反応性装入物の装入量決定方法が提供される。

目的

本発明の目的とするところは、炭素高反応性装入物の好適な装入量を事前に決定することが可能な、新規かつ改良された炭素高反応性装入物の装入量決定方法及びこれを用いた高炉操業方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

余剰炭材及びセメントを含む炭素高反応性装入物高炉への装入量を決定する炭素高反応性装入物の装入量決定方法であって、前記高炉内に存在する還元ガス利用率が前記余剰炭材の原単位に依存して決まる最大値となる際の前記余剰炭材の原単位を前記余剰炭材の上限装入量として特定し、かつ、前記還元ガスの利用率が前記セメントの原単位に依存して決まる最大値となる際の前記セメントの原単位を前記セメントの上限装入量として特定する工程と、前記余剰炭材の上限装入量及び前記セメントの上限装入量との比を閾値として算出する工程と、前記炭素高反応性装入物内の前記余剰炭材の含有率及び前記セメントの含有率と、前記閾値とに基づいて、前記炭素高反応性装入物の装入量を決定する工程と、を含むことを特徴とする、炭素高反応性装入物の装入量決定方法。

請求項2

前記閾値を算出する工程では、前記余剰炭材の上限装入量を前記セメントの上限装入量で除算することで、前記閾値を算出し、前記炭素高反応性装入物の装入量を決定する工程では、前記炭素高反応性装入物内の前記余剰炭材の含有率を前記セメントの含有率で除算した値が前記閾値以上となる場合には、前記余剰炭材の上限装入量を前記余剰炭材の含有率で除算した値を前記炭素高反応性装入物の装入量とし、前記炭素高反応性装入物内の前記余剰炭材の含有率を前記セメントの含有率で除算した値が前記閾値未満となる場合には、前記セメントの上限装入量を前記セメントの含有率で除算した値を前記炭素高反応性装入物の装入量とすることを特徴とする、請求項1記載の炭素高反応性装入物の装入量決定方法。

請求項3

請求項1または2記載の炭素高反応性装入物の装入量決定方法により決定された装入量以下の炭素高反応性装入物を高炉に装入することを特徴とする、高炉操業方法

技術分野

0001

本発明は、炭素高反応性装入物装入量決定方法および高炉操業方法に関する。

背景技術

0002

高炉においては、炉頂から鉄系原料酸化鉄を含む原料。主として、焼結鉱)及びコークスを層状に装入し、高炉下部の羽口から熱風送風する。これにより、高炉内を降下する酸化鉄を加熱するともに、主としてCOからなる還元ガスにより還元する。すなわち、銑鉄を製造する。

0003

このような高炉操業において、省エネルギーなどの観点から還元材比を低減する技術について検討が重ねられている。ここで、還元材比は、例えば高炉に導入される全ての還元材原単位、すなわちコークスの原単位及び羽口から吹き込まれる微粉炭の原単位の総和として示される。特許文献1〜4には、このような技術の一例として、炭素高反応性装入物を使用する技術が開示されている。ここで、炭素高反応性装入物は、少なくとも、炭材と、セメントとを含む。炭素高反応性装入物は、さらに酸化鉄を含む場合が多い。酸化鉄を含むものは、通常、非焼成含炭塊成鉱と称され、特にペレタイザーを用いて球形のペレット状となされたものは非焼成含炭ペレットとも称される。

0004

炭素高反応性装入物に含まれる炭材は、コークスよりも反応性が高い(すなわち、コークスよりも低温ガス化する)。したがって、炭素高反応性装入物に含まれる酸化鉄(以下、このような酸化鉄を「同胞酸化鉄」とも称する)は、炭素高反応性装入物に含まれる炭材によって急速に還元される。すなわち、炭素高反応性装入物に含まれる炭材は、コークスよりも低温でガス化する。そして、同胞酸化鉄は、炭材のガス化によって生成した還元ガスによって還元される。したがって、高炉内では、低温時から還元ガスによる同胞酸化鉄の還元が開始されるので、還元ガスの利用率が向上する。

0005

さらに、炭素高反応性装入物は、同胞酸化鉄を金属鉄に還元するために必要な炭材量よりも余剰の炭材を含む。ここで、同胞酸化鉄を金属鉄に還元するために必要な炭材量は、量論計算によって決定される。余剰分の炭材、すなわち余剰炭材は、高炉内で炭素高反応性装入物の近くに存在する鉄系原料(以下、このような鉄系原料を「装入酸化鉄」とも称する)を還元させる。すなわち、余剰炭材もコークスよりも低温でガス化する。そして、装入酸化鉄は、余剰炭材のガス化によって生成した還元ガスによって還元される。したがって、高炉内では、低温時から還元ガスによる装入酸化鉄の還元が開始される。この点でも、還元ガスの利用率が向上する。

0006

炭素高反応性装入物の例として含炭塊成鉱高反応性コークスなどが挙げられる。特許文献1は、含炭塊成鉱の一例として、石炭溶融性を結合に活用した鉄鉱石ブリケットを開示する。特許文献1では、粉鉱石と、揮発分が16%以上、ギーセラー流動度が20DDPM以上の粘結炭(炭材)とを混合する。そして、混合物を260〜550℃の温度域及び成形圧20〜150MPaで熱間成形した後、成形温度範囲で5分間以上の脱ガス処理を行う。これにより、見掛け密度が2.3g/cm3以上である鉄鉱石ブリケットを作製する。

0007

特許文献2は、含炭塊成鉱の一例として、セメントボンド含炭塊成鉱を開示する。特許文献2では、鉄分を40質量%以上含有する微粉状鉄含有原料と、炭素分を10質量%以上含有する微粉状炭材とに水硬性バインダを添加する。そして、水分を調整しつつこれらの原料を混合、造粒することにより、冷間圧潰強度50kg/cm2以上のセメントボンド含炭塊成鉱を作製する。また、特許文献2では、全原料の粒度を2mm以下とし、全原料中の炭素含有割合(T.C)が15〜25質量%となるように前記微粉状炭材の配合割合を調整し、かつ、該微粉状炭材のメジアン径を100〜150μmとする。

0008

特許文献3は、高反応性コークスの一例として、性状の異なる石炭を2種以上配合して製造した平均粒径が38mm以下の高反応性小塊コークスを開示する。具体的に、特許文献3は、(x)コークス内部に存在する気孔径:1〜10μmの気孔の総容量が25mm3/g以上であり、(y)ドラム強度指数(DI15015)が70以上である高反応性小塊コークスを開示する。

0009

特許文献4は、高反応性コークスの一例として、フェロコークスを開示する。フェロコークスは、金属鉄を触媒とすることでコークスの反応性を高めたものである。また、特許文献4は、フェロコークスの好適な装入量を決定する方法についても開示する。具体的には、特許文献4では、フェロコークスを高炉原料として使用する際に、フェロコークス中のカーボン量が、送風量および炉頂ガス分析結果から算出されるソルーションロスカーボン量の1.7倍以内になるようにフェロコークス使用量の上限を管理する。特許文献4には、フェロコークスの高炉使用量が約160kg/tp程度のときにフェロコークスによる還元材比低減効果がもっと効率よく得られることが示されている。

0010

一方、コークスの装入量は、鉄系原料の還元特性(すなわち被還元性)にも影響される。このため、鉄系原料の還元特性値を測定する方法が提案されている。鉄系原料の還元特性値を測定する方法として、JIS−RI(JIS M8713)が知られている。この方法は、製鉄業界で広く知られた方法であり、鉄系原料を900℃の温度下で一定時間(3時間)CO還元を行うことで鉄系原料の被還元性を測定する。

0011

また、特許文献5、6、及び非特許文献1にも鉄系原料の還元特性値を測定する方法が開示されている。特許文献5に開示された測定方法は、いわゆるRA法とも称される方法である。具体的に、特許文献5では、焼結鉱に還元ガスを接触させて、被還元性を測定する。すなわち、還元ガスのCO2含有割合及び温度を変数とするカルシウムフェライト還元平衡線と酸化鉄の還元平衡線とで挟まれ、かつ800℃以上間接還元温度以下の温度範囲で囲まれる領域内で、焼結鉱の被還元率を測定する。

0012

特許文献6に開示された測定方法は、高温荷重軟化試験装置を用いた測定方法であり、大型滴下試験法とも称される。具体的に、特許文献6は、竪型炉で使用する塊状の鉄鉱石類るつぼに装入し、該るつぼを電気炉内に配設し、電気炉の下方より還元ガスを導入して鉄鉱石類の加熱還元を行う。すなわち、特許文献6では、電気炉を上下2段に配設し、両電気炉間の継目フランジで結合し、下段電気炉の下方より還元ガスを導入し、該下段電気炉を空のまま昇温するとともに、上段電気炉に鉄鉱石類を装入したるつぼを配設する。そして、上段電気炉の温度とるつぼ内鉄鉱石類の温度とを同時に測定し、該温度の差をあらかじめ設定した一定の値となるように上段電気炉の電力を調整する。

0013

非特許文献1に開示された方法は、BORIS炉法、またはBIS炉法とも称される。具体的に、非特許文献1では、試験装置内に鉄系原料と炭材との互層を形成することで高炉の塊状帯を再現する。そして、高炉炉頂ガスに相当する出口ガスのCO利用率を計測することで鉄系原料の被還元性を測定する。また、その結果に基づく計算により還元材比を推定できる。

0014

特開平11−92833号公報
特開2008−95177号公報
特開2010−95711号公報
特開2011−94182号公報
特開2006−249507号公報
特開平7−27623号公報

先行技術

0015

ら「高反応性コークス使用による高炉内反応効率向上技術」:鉄と鋼,87(2001),357

発明が解決しようとする課題

0016

上述した通り、炭素高反応性装入物を高炉に装入することで、還元材比の低減が期待される。その一方で、炭素高反応性装入物を高炉に過剰に装入すると、還元ガスの利用率がかえって低下することがわかっている。

0017

したがって、炭素高反応性装入物の装入量には好適値が存在することになる。しかし、炭素高反応性装入物の好適な装入量を事前に(高炉操業前に)予測する方法はこれまで全く提案されていなかった。なお、鉄系原料の還元特性値の測定方法は、あくまで鉄系原料の単独あるいは混合組みあわせの還元特性値を測定する方法であり、炭素高反応性装入物の好適な装入量を予測するものではない。

0018

また、特許文献4は、フェロコークスの好適な装入量を決定する方法を開示する。特許文献4で開示されている方法は、高炉の操業データに基づいてフェロコークスの装入量を調整するものであり、高炉操業前にフェロコークスの好適な装入量を決定するものではない。

0019

そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。本発明の目的とするところは、炭素高反応性装入物の好適な装入量を事前に決定することが可能な、新規かつ改良された炭素高反応性装入物の装入量決定方法及びこれを用いた高炉操業方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0020

上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、余剰炭材及びセメントを含む炭素高反応性装入物の高炉への装入量を決定する炭素高反応性装入物の装入量決定方法であって、前記高炉内に存在する還元ガスの利用率が前記余剰炭材の原単位に依存して決まる最大値となる際の前記余剰炭材の原単位を前記余剰炭材の上限装入量として特定し、かつ、前記還元ガスの利用率が前記セメントの原単位に依存して決まる最大値となる際の前記セメントの原単位を前記セメントの上限装入量として特定する工程と、前記余剰炭材の上限装入量及び前記セメントの上限装入量との比を閾値として算出する工程と、前記炭素高反応性装入物内の前記余剰炭材の含有率及び前記セメントの含有率と、前記閾値とに基づいて、前記炭素高反応性装入物の装入量を決定する工程と、を含むことを特徴とする、炭素高反応性装入物の装入量決定方法が提供される。

0021

ここで、閾値を算出する工程では、余剰炭材の上限装入量をセメントの上限装入量で除算することで、閾値を算出し、炭素高反応性装入物の装入量を決定する工程では、炭素高反応性装入物内の余剰炭材の含有率をセメントの含有率で除算した値が閾値以上となる場合には、余剰炭材の上限装入量を余剰炭材の含有率で除算した値を炭素高反応性装入物の装入量とし、炭素高反応性装入物内の余剰炭材の含有率をセメントの含有率で除算した値が閾値未満となる場合には、セメントの上限装入量をセメントの含有率で除算した値を炭素高反応性装入物の装入量としてもよい。

0022

本発明の他の観点によれば、上記の装入量決定方法により決定された装入量以下の炭素高反応性装入物を高炉に装入することを特徴とする、高炉操業方法が提供される。

発明の効果

0023

以上説明したように本発明によれば、高炉内に存在する還元ガスの利用率の最大値のうち、余剰炭材の原単位に依存して決まる余剰炭材依存最大値と、セメントの原単位に依存して決まるセメント依存最大値とを特定することができる。そして、本発明では、これらの最大値に基づいて、炭素高反応性装入物の好適な装入量を決定する。したがって、炭素高反応性装入物の好適な装入量を事前に決定することが可能となる。

図面の簡単な説明

0024

余剰炭材使用原単位と還元ガス利用率との相関を示すグラフである。
セメント使用原単位と還元ガス利用率との相関を示すグラフである。
セメント使用原単位、余剰炭材使用原単位、及びガス利用率の相関を示すグラフである。

0025

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。

0026

<1.本発明者による検討>
(経緯)
本発明者は、炭素高反応性装入物の好適な装入量を決定するためのパラメータについて検討した。以下、本発明者が行った検討について説明する。上述したように、炭素高反応性装入物は、少なくとも、炭材及びセメントを含む。炭素高反応性装入物は、さらに酸化鉄を含む場合が多い。炭素高反応性装入物に含まれる炭材は、高炉に装入されるコークスよりも反応性が高い。炭素高反応性装入物は、同胞酸化鉄を金属鉄に還元するために必要な炭材量よりも余剰の炭材を含む。したがって、炭素高反応性装入物に含まれる炭材は、同胞酸化鉄のみならず、装入酸化鉄の還元を促進することができる。

0027

このように、炭素高反応性装入物を高炉に装入することで、還元材比の低減が期待される。その一方で、炭素高反応性装入物を過剰に高炉に装入すると、還元ガスの利用率がかえって低下することがわかっている。したがって、炭素高反応性装入物の装入量には上限値が存在することになる。しかし、炭素高反応性装入物の装入量の上限値を事前に(高炉操業前に)予測する方法はこれまで全く提案されていなかった。

0028

検討方法
そこで、本発明者は、炭素高反応性装入物の構成要素である余剰炭材及びセメントに着目した。そして、本発明者は、これらの原単位(銑鉄1トンあたりの装入量)と還元ガスの利用率との間に相関があるか否かを確認するために、以下のBIS炉試験を行った。このBIS炉試験の試験条件として、炭素高反応性装入物の使用条件を表1に示す。

0029

0030

また、炭素高反応性装入物として、余剰炭材及びセメントの質量比が異なる複数種類の非焼成含炭塊成鉱を使用した。ここで、非焼成含炭塊成鉱に含まれる炭材は、粒度が100μm以下のコークス系粉体を用い、セメントは、早強ポルトランドセメントを用いた。また、酸化鉄は、粒度が100μm以下の焼結系、鉱石系の粉体を20:80(質量比)で混合したものを用いた。なお、炭材原料と酸化鉄原料の成分を予め測定し、目標とする含炭塊成鉱成分にするために、これらの原料の混合比率(質量比)を調整した。また、本実施形態での粒度は、例えば目開きの大きさが異なるを用いて測定される。例えば、目開きが100μmの篩を用意し、各原料をこの篩にかける。この篩に残留した原料は、粒度が100μmより大きく、篩から落ち測定試料は粒度100μm以下となる。

0031

(結果)
その結果を図1及び図2に示す。まず、図1について説明する。図1横軸は、余剰炭材使用原単位、すなわちBIS炉に投入された余剰炭材の原単位を示す。余剰炭材の原単位は、非焼成含炭塊成鉱の原単位に非焼成含炭塊成鉱中の余剰炭材の含有率を乗じることで算出される。縦軸は、還元ガスの利用率、即ちガス利用率を示す。ガス利用率は、BIS炉から排出される排ガス中のCO2ガス濃度を、排ガス中のCO2ガス及びCOガス(還元ガス)濃度の総和で除算した値である。

0032

グラフL1〜L5は、余剰炭材の原単位とガス利用率との相関を示す。グラフL1に対応する非焼成含炭塊成鉱は、余剰炭材とセメントとを10:15の質量比で含み、グラフL2に対応する非焼成含炭塊成鉱は、余剰炭材とセメントとを10:12の質量比で含む。グラフL3に対応する非焼成含炭塊成鉱は、余剰炭材とセメントとを10:10の質量比で含み、グラフL4に対応する非焼成含炭塊成鉱は、余剰炭材とセメントとを10:7の質量比で含む。グラフL5に対応する非焼成含炭塊成鉱は、余剰炭材とセメントとを10:5の質量比で含む。

0033

グラフL1〜L3では、余剰炭材の原単位が20kg/tとなる前に還元ガスの利用率が最大となった。また、還元ガスの利用率が最大となる時のセメントの原単位を算出したところ、いずれも18kg/tであった。なお、セメントの原単位は、非焼成含炭塊成鉱の原単位に非焼成含炭塊成鉱中のセメントの含有率を乗じることで算出される。また、グラフL4、L5では、余剰炭材の原単位が20kg/tとなった際に還元ガスの利用率が最大となった。また、セメントに対する余剰炭材の質量比が大きくなるほど、還元ガスの利用率の最大値が大きくなった。さらに、当該質量比が大きくなるほど、還元ガスの利用率が最大となる際の余剰炭材の原単位が大きくなった。ただし、当該質量比をいくら大きくしても、還元ガスの利用率が最大となる際の余剰炭材の原単位が20kg/tを超えることはなかった。したがって、余剰炭材の原単位が20kg/t以下となる場合に、還元ガスの利用率が最大となった。

0034

一方、図2の横軸は、セメント使用原単位、すなわちBIS炉に投入されたセメントの原単位を示す。縦軸は、還元ガスの利用率、すなわちガス利用率を示す。グラフL6〜L9は、セメントの原単位とガス利用率との相関を示す。グラフL6に対応する非焼成含炭塊成鉱は、余剰炭材とセメントとを10:5の質量比で含み、グラフL7に対応する非焼成含炭塊成鉱は、余剰炭材とセメントとを10:7の質量比で含む。グラフL8に対応する非焼成含炭塊成鉱は、余剰炭材とセメントとを10:10の質量比で含み、グラフL9に対応する非焼成含炭塊成鉱は、余剰炭材とセメントとを10:12の質量比で含む。

0035

グラフL6〜L7では、セメントの原単位が18kg/tとなる前に還元ガスの利用率が最大となった。また、還元ガスの利用率が最大となる時の余剰炭材の原単位を測定したところ、いずれも20kg/tであった。また、グラフL8〜L9では、セメントの原単位が18kg/tとなった際に還元ガスの利用率が最大となった。また、余剰炭材に対するセメントの質量比が大きくなるほど、還元ガスの利用率の最大値が小さくなった。さらに、当該質量比が大きくなるほど、還元ガスの利用率が最大となる際のセメントの原単位が大きくなった。ただし、当該質量比をいくら大きくしても、還元ガスの利用率が最大となる際のセメントの原単位が18kg/tを超えることはなかった。したがって、セメントの原単位が18kg/t以下となる場合に、還元ガスの利用率が最大となった。

0036

(還元ガスのガス利用率の余剰炭材依存最大値とセメント依存最大値)
図1及び図2によれば、余剰炭材及びセメントの原単位と、還元ガスの利用率との間には相関があることがわかる。さらに、還元ガスの利用率の最大値には、余剰炭材の原単位に依存して(すなわち、余剰炭材の原単位がネックとなって)決まる最大値(以下、「余剰炭材依存最大値」とも称する)と、セメントの原単位に依存して決まる最大値(以下、「セメント依存最大値」とも称する)とに区分されることもわかる。

0037

図3は、上記の知見を整理したものである。図3中の原点を通る4本のグラフL10〜L13は、セメント原単位、余剰炭材原単位、及び還元ガスの利用率の相関を上記水準毎に表す。具体的には、グラフL10は、水準1(セメント含有率5質量%)のセメント原単位、余剰炭材原単位、及び還元ガスの利用率の相関を示し、グラフL11は、水準2(同7質量%)のセメント原単位、余剰炭材原単位、及び還元ガスの利用率の相関を示す。グラフL12は、水準3(同10質量%)のセメント原単位、余剰炭材原単位、及び還元ガスの利用率の相関を示し、グラフL13は、水準5(同15質量%)のセメント原単位、余剰炭材原単位、及び還元ガスの利用率の相関を示す。

0038

具体的には、グラフL10〜L13の傾斜は、非焼成含炭塊成鉱の余剰炭材含有率をセメント含有率で除した比(κ)を表し、κが大きいほどグラフL10〜L13の傾斜は大きくなる。すなわち、グラフL10〜L13の傾斜が大きいほど、セメントに対する余剰炭材の含有率が高くなる。グラフL10〜L13には、実線で描かれた部分と破線で描かれた部分とが存在する。実線で描かれた部分では、余剰炭材及びセメントの原単位の増加に応じて還元ガスの利用率が上昇する。破線で描かれた部分では、余剰炭材及びセメントの原単位の増加に応じて還元ガスの利用率が減少する。グラフL10〜L13によれば、図3の縦軸及び横軸で規定されるxy平面は、余剰炭材及びセメントの原単位の増加に応じて還元ガスの利用率が上昇する領域(以下、「利用率上昇領域」とも称する)と、余剰炭材及びセメントの原単位の増加に応じて還元ガスの利用率が低下する領域(以下、「利用率低下領域」とも称する)とに区分されることがわかる。利用率上昇領域と利用率低下領域とは、2本のグラフ(稜線)L20、L21によって区分される。各グラフL20、L21は、それぞれ一定の余剰炭材原単位及びセメント原単位を示す。

0039

また、κが1.11(=20/18)より大きいグラフL10、L11では、余剰炭材原単位が20kg/t(すなわち、グラフL20が示す余剰炭材原単位)に達するまでは、セメント原単位及び余剰炭材原単位の増加に伴って還元ガスの利用率も増加する。そして、余剰炭材原単位が20kg/tに一致した際に、還元ガスの利用率が最大となる。そして、余剰炭材原単位が20kg/tを超えた後は、セメント原単位及び余剰炭材原単位の増加に伴って還元ガスの利用率が低下する。したがって、グラフL10、L11における還元ガスの利用率の最大値は、余剰炭材原単位がネックとなって定まる最大値、すなわち余剰炭材依存最大値となる。また、グラフL20が示す余剰炭材原単位は、余剰炭材の上限装入量を示す。

0040

一方、κが1.11(=20/18)より小さいグラフL12、L13では、セメント原単位が18kg/t(すなわち、グラフL21が示すセメント原単位)に達するまでは、セメント原単位及び余剰炭材原単位の増加に伴って還元ガスの利用率も増加する。そして、セメント原単位が18kg/tに一致した際に、還元ガスの利用率が最大となる。そして、セメント原単位が18kg/tを超えた後は、セメント原単位及び余剰炭材原単位の増加に伴って還元ガスの利用率が低下する。したがって、グラフL12、L13における還元ガスの利用率の最大値は、セメント原単位がネックとなって定まる最大値、すなわちセメント依存最大値となる。また、グラフL21が示すセメント原単位は、セメントの上限装入量を示す。

0041

また、セメント依存最大値同士を比較すると、非焼成含炭塊成鉱中のセメントの含有率が低いほど、セメント依存最大値が大きくなる(図2のグラフL8、L9参照)。したがって、還元ガスの利用率向上の観点からは、非焼成含炭塊成鉱中のセメントの含有率はなるべく低いほうが好ましいことがわかる。

0042

また、κが1.11となる場合には、余剰炭材原単位が20kg/tとなった際にセメント原単位も18kg/tとなる。そして、この時に還元ガスの利用率が最大となる。

0043

このように、非焼成含炭塊成鉱の余剰炭材含有率とセメント含有率との比κによって還元ガスの利用率のネックとなる要因が異なる。より具体的には、余剰炭材の上限装入量をセメントの上限装入量で除算した値がネック要因を決定するための閾値(上記の例では1.11)となる。そして、比κが閾値以上となる場合には、還元ガスの利用率の最大値は、余剰炭材原単位がネックとなって定まる。すなわち、余剰炭材原単位が上限装入量(=20kg/t)となる場合に、還元ガスの利用率は最大値となる。一方、比κが閾値未満となる場合には、還元ガスの利用率の最大値は、セメント原単位がネックとなって定まる。すなわち、セメント原単位が18kg/tとなる場合に、還元ガスの利用率は最大値となる。また、余剰炭材及びセメントの原単位のうち、いずれか一方の原単位が上限装入量に達した場合、他方の原単位が上限装入量に達していなくても、還元ガスの利用率は最大となる。

0044

そして、余剰炭材及びセメントの上限装入量は、非焼成含炭塊成鉱の組成(例えば、酸化鉄、炭材及びセメントの種類、粒度等)、及び高炉の操業条件等によって変動しうると想定される。

0045

したがって、高炉への炭素高反応性装入物の装入量は、概略以下の工程によって決定することができる。まず、余剰炭材の上限装入量及びセメントの上限装入量を特定する。そして、余剰炭材の上限装入量をセメントの上限装入量で除算することで、閾値を算出する。そして、実際に高炉に装入する炭素高反応性装入物の余剰炭材含有率とセメント含有率との比κを算出する。そして、閾値と比κとに基づいて、炭素高反応性装入物の装入量を決定する。すなわち、比κが閾値以上となる場合には、炭素高反応性装入物の装入量は、余剰炭材の上限装入量を余剰炭材の含有率で除算した値となる。比κが閾値未満となる場合には、炭素高反応性装入物の装入量は、セメントの上限装入量をセメントの含有率で除算した値となる。

0046

(作用)
なお、本発明者は、余剰炭材及びセメントの原単位に上限装入量が存在する理由を以下のように考えている。上述したように、余剰炭材は、装入酸化鉄の還元を促進することができる。ただし、高炉に装入される余剰炭材が多すぎる、すなわち余剰炭材の原単位が上限装入量を超えると、装入酸化鉄を還元するのに十分な量以上の還元ガスが余剰炭材から発生してしまう。すなわち、還元ガスの利用率が低下してしまう。

0047

一方、セメントは、炭素高反応性装入物を構成する材料同士を結着させる機能を有する。セメントの含有率は、炭素高反応性装入物の強度を確保する観点から、5〜15質量%(炭素高反応性装入物の総質量に対する質量%)とされることが多い。したがって、セメントは、炭素高反応性装入物の強度を確保するために必要な構成要素である。しかし、セメントの原単位が上限装入量を超えると、セメントが高炉内で脱水反応を起こす。脱水反応は吸熱反応なので、セメントが脱水反応を起こすと、高炉内の温度が低下する。高炉内の温度が低下すると、還元ガスの利用率が低下する。

0048

本発明者は、上記の知見に基づいて、本実施形態に係る炭素高反応性装入物の装入量決定方法及び高炉操業方法に想到した。

0049

<2.本実施形態が適用可能な炭素高反応性装入物>
つぎに、本実施形態が適用可能な炭素高反応性装入物について説明する。本実施形態が適用可能な炭素高反応性装入物は特に制限されない。すなわち、炭素高反応性装入物として公知のものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、炭素高反応性装入物は、含炭塊成鉱、フェロコークス等であってもよい。また、炭素高反応性装入物は、焼成されたものであっても、非焼成のものであってもよい。炭素高反応性装入物は、上述したように、少なくとも、炭材、及びセメントを含む。炭素高反応性装入物は、さらに酸化鉄を含んでいてもよい。炭材は、高炉に装入されるコークスよりも反応性が高いものであることが好ましい。炭材の例としては、例えば微粉炭等が挙げられる。セメントは、例えば早強ポルトランドセメントであってもよい。

0050

<3.炭素高反応性装入物の装入量決定方法>
つぎに、本実施形態に係る炭素高反応性装入物の装入量決定方法について説明する。炭素高反応性装入物の装入量決定方法は、第1〜第2の工程を含む。以下、各工程を説明する。

0051

(第1の工程)
第1の工程では、余剰炭材及びセメントの上限装入量を決定する。具体的には、炭素高反応性装入物を構成する酸化鉄、炭材、及びセメントを用意し、これらの材料を用いて、炭素高反応性装入物を作製する。さらに、高炉の操業条件を再現したBIS炉を用意する。そして、BIS炉に装入する炭素高反応性装入物の原単位を変更しながら、還元ガスの利用率を測定する。そして、測定結果に基づいて、図3に示すグラフ、すなわちセメント原単位、余剰炭材原単位、及び還元ガスの利用率の相関を示すグラフを作製する。

0052

そして、余剰炭材及びセメントの質量比が異なる複数種類の炭素高反応性装入物を作製する。例えば、余剰炭材の含有率を固定し、セメントの含有率(及び酸化鉄の含有率)を変更した複数種類の炭素高反応性装入物を作製すればよい。そして、これらの炭素高反応性装入物を用いて上記と同様の処理を行う。

0053

そして、作製された複数のグラフに基づいて、利用率上昇領域と利用率減少領域とを区分する2本の稜線を特定する。そして、これらの稜線が示す余剰炭材原単位及びセメント原単位をそれぞれ余剰炭材の上限装入量及びセメントの上限装入量とする。

0054

(第2の工程)
第2の工程では、高炉に装入される炭素高反応性装入物の装入量を決定する。具体的には、まず、高炉に装入される炭素高反応性装入物の組成を特定する。具体的には、炭素高反応性装入物中の余剰炭材の含有率及びセメントの含有率を特定する。

0055

ついで、余剰炭材の上限装入量をセメントの上限装入量で除算することで、閾値を算出する。そして、炭素高反応性装入物内の余剰炭材の含有率及びセメントの含有率と、閾値とに基づいて、炭素高反応性装入物の装入量を決定する。

0056

より詳細には、炭素高反応性装入物内の余剰炭材の含有率をセメントの含有率で除算した値が閾値以上となる場合には、余剰炭材の上限装入量を余剰炭材の含有率で除算した値を炭素高反応性装入物の装入量とする。一方、炭素高反応性装入物内の余剰炭材の含有率をセメントの含有率で除算した値が閾値未満となる場合には、セメントの上限装入量をセメントの含有率で除算した値を炭素高反応性装入物の装入量とする。

0057

<4.高炉操業方法>
本実施形態における高炉操業方法では、上述した炭素高反応性装入物の装入量決定方法により決定された装入量以下の炭素高反応性装入物を高炉に装入する。このように、本実施形態では、炭素高反応性装入物の好適な装入量を事前に決定し、当該決定された装入量の炭素高反応性装入物を高炉に装入することができる。特に本実施形態では、炭素高反応性装入物の組成(例えば余剰炭材及びセメントの種類、質量比等)によらず、炭素高反応性装入物の好適な装入量を事前に決定することができる。したがって、炭素高反応性装入物の組成は、製鉄所内の原料バランス原料性状、価格などの様々な背景によって決定されるが、このような組成に応じて炭素高反応性装入物の好適な装入量を決定することができる。

0058

つぎに、還元ガスの利用率の最大値が余剰炭材及びセメントの原単位に依存して決まることを確認するために、以下の実施例を行った。この実施例では、セメントの含有率だけが異なる2種類の非焼成含炭塊成鉱A、Bを用意した。

0059

ここで、非焼成含炭塊成鉱A、Bに含まれる炭材、および酸化鉄は、先に述べたものと同様のものとした。すなわち、炭材は、粒度が100μm以下のコークス系粉体とした。酸化鉄は、粒度が100μm以下の焼結系、鉱石系の粉体を20:80の質量比で混合したものとした。バインダは、早強ポルトランドセメントとした。そして、これらの原料の混合比率(質量比)を調整することで、非焼成含炭塊成鉱A、Bを作製した。

0060

また、非焼成含炭塊成鉱A、B中の余剰炭材の含有率は10質量%とした。また、非焼成含炭塊成鉱A中のセメントの含有率は5質量%とした。また、非焼成含炭塊成鉱B中のセメントの含有率は12質量%とした。

0061

そして、非焼成含炭塊成鉱A、Bを以下の表2に示す投入条件1〜6で高炉に投入した。なお、ベース操業として、非焼成含炭塊成鉱A、Bを投入しない操業も行った。また、高炉のベースの操業条件は以下の表3に示すものとした。また、投入条件1〜6にて非焼成含炭塊成鉱A、Bを使用する場合、高炉の効率が変化する。この結果、溶銑温度が変化しうる。そこで、投入条件1〜6にて非焼成含炭塊成鉱A、Bを使用する場合、溶銑温度がベース条件と一致するように微粉炭比、或いはコークス比を調整した。そして高炉の排ガス中のCO2ガス濃度、COガス濃度を測定し、これらの測定値に基づいて還元ガスの利用率を算出した。測定結果を表4に示す。

0062

なお、本実施例では、非焼成含炭塊成鉱A、Bの原単位を増加させるに伴い、非焼成含炭塊成鉱A、B由来の鉄、炭材装入量が増加する。そこで、非焼成含炭塊成鉱A、Bを増使用する際には、塊鉱石及びペレットの使用量を減じ、コークス及び微粉炭(ここでの微粉炭は、高炉羽口から熱風とともに高炉内に導入されるものである)の使用量を減じることとした。ただし、非焼成含炭塊成鉱A、B中の炭材の反応性は、コークス及び微粉炭の反応性よりも高く、先に述べたように非焼成含炭塊成鉱A、Bの使用量が増加するに伴い、高炉の効率、即ち還元材比が変化する。したがって、非焼成含炭塊成鉱A、Bの使用量の増加に伴って、還元材比、つまり高炉内の全炭材(コークス、微粉炭含む)の使用量を高炉の溶銑温度の変化に応じて変化させた。つまり、非焼成含炭塊成鉱A、Bの使用開始時や使用量を変化させる際には、高炉内の全ての鉄、炭材装入量はベースの操業条件で規定される装入量とした。そして、非焼成含炭塊成鉱A、Bの効果で高炉の効率が徐々に変化するので、このような変化に応じて高炉内の全炭材使用量(具体的には、コークス及び微粉炭の使用量)を増減させた。これにより、溶銑温度を一定とした。すなわち、高炉内のトータルの投入鉄量、実質的な炭材量、及び出銑量を各投入条件で一定とした。

0063

0064

0065

0066

セメントの含有率が低い非焼成含炭塊成鉱Aを使用した操業では、還元ガスの利用率の最大値は余剰炭材の原単位によって決まった。具体的には、余剰炭材の原単位が20kg/tとなった場合に、還元ガスの利用率が最大値となった。したがって、余剰炭材の上限装入量は20kg/tとなり、余剰炭材依存最大値は51.4%となる。

0067

一方、セメントの含有率が高い非焼成含炭塊成鉱Bを使用した操業では、還元ガスの利用率の最大値はセメントの原単位によって決まった。具体的には、セメントの原単位が18kg/tとなった場合に、還元ガスの利用率が最大値となった。したがって、セメントの上限装入量は18kg/tとなり、セメント依存最大値は50.6%となる。なお、余剰炭材依存最大値とセメント依存最大値とが異なるのは、これらの最大値に対応する余剰炭材の原単位が異なるからである。

0068

このように、本実施例によれば、還元ガスの利用率の最大値が余剰炭材及びセメントの原単位に依存して決まることが確認できた。なお、非焼成含炭塊成鉱Aを用いた操業では、非焼成含炭塊成鉱Aの装入量を、200kg/t以下とすればよい。ここで、200kg/tは、余剰炭材の上限装入量(20kg/t)を非焼成含炭塊成鉱A内の余剰炭材の含有率(0.1)で除算した値である。また、非焼成含炭塊成鉱Bを用いた操業では、非焼成含炭塊成鉱Bの装入量を、150kg/t以下とすればよい。ここで、150kg/tは、セメントの上限装入量(18kg/t)を非焼成含炭塊成鉱B内のセメントの含有率(0.12)で除算した値である。

実施例

0069

以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

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