図面 (/)

この項目の情報は公開日時点(2016年11月24日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

皮膚、胃腸呼吸器尿路、又は生殖器官における細菌の感染、及び該感染に関連した疾患の予防及び/又は治療に有効な組成物の提供。

解決手段

病気診断された被験体、または当該病気の1つ以上の症状を示している被験体における当該病気を治療するための、ポリN−アセチルグルコサミンの短くなった繊維(sNAGナノファイバー」を含んでいる局所用の組成物であって、上記病気は、腸の病気又は皮膚の病気であり、(i)細菌叢における不均衡、又は(ii)異常或いは変化した細菌叢に関連しており、上記sNAGナノファイバーは、長さが約1〜10μm未満であり、70%以上の割合でN−アセチルグルコサミン単糖を含んでおり、上記sNAGナノファイバーは、in vitroにおけるStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖又は生存に影響を与えないもの、又は実質的に影響を与えないものである組成物。

概要

背景

概要

皮膚、胃腸呼吸器尿路、又は生殖器官における細菌の感染、及び該感染に関連した疾患の予防及び/又は治療に有効な組成物の提供。病気診断された被験体、または当該病気の1つ以上の症状を示している被験体における当該病気を治療するための、ポリN−アセチルグルコサミンの短くなった繊維(sNAGナノファイバー」を含んでいる局所用の組成物であって、上記病気は、腸の病気又は皮膚の病気であり、(i)細菌叢における不均衡、又は(ii)異常或いは変化した細菌叢に関連しており、上記sNAGナノファイバーは、長さが約1〜10μm未満であり、70%以上の割合でN−アセチルグルコサミン単糖を含んでおり、上記sNAGナノファイバーは、in vitroにおけるStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖又は生存に影響を与えないもの、又は実質的に影響を与えないものである組成物。

目的

本明細書には、海洋由来のpGlcNAcナノファイバーが記載されており、当該ナノファイバーは創傷治癒の速度を増加させるだけではなく、先天性免疫刺激するように作用し、抗菌活性を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

被験体における細菌の感染を治療する方法であって、以下の工程を含んでいることを特徴とする方法:上記細菌の感染と診断された被験体、または上記細菌の感染の1つ以上の症状を示している被験体に対して、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物局所的に投与する工程であって、上記sNAGナノファイバーのうちの50%を上回るsNAGナノファイバーが約1〜15μmの間の長さであり、上記sNAGナノファイバーは、invitroにおけるStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖または生存に影響を与えないものであり、かつ、上記sNAGナノファイバーは、筋肉内への埋め込み試験において試験された場合に非反応性である工程。

請求項2

上記感染は、皮膚感染、胃腸感染呼吸器感染、尿路感染、または生殖器官感染であることを特徴とする請求項1に記載の方法。

請求項3

被験体における細菌の感染に関連した疾患、または、細菌の不均衡に関連した疾患を治療する方法であって、以下の工程を含んでいることを特徴とする方法:上記細菌の感染に関連した疾患、もしくは、細菌の不均衡に関連した疾患と診断された被験体、または、上記細菌の感染に関連した疾患、もしくは、細菌の不均衡に関連した疾患の1つ以上の症状を示している被験体に対して、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物を局所的に投与する工程であって、上記sNAGナノファイバーのうちの50%を上回るsNAGナノファイバーが約1〜15μmの間の長さであり、上記sNAGナノファイバーは、invitroにおけるStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖または生存に影響を与えないものであり、かつ、上記sNAGナノファイバーは、筋肉内への埋め込み試験を行った場合に非反応性である工程。

請求項4

上記疾患は、細菌の感染に関連していることを特徴とする請求項3に記載の方法。

請求項5

上記疾患は、皮膚疾患または胃腸疾患であることを特徴とする請求項3または4に記載の方法。

請求項6

上記感染は、院内感染であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

細菌の感染に関連した疾患を予防する方法であって、以下の工程を含んでいることを特徴とする方法:被験体に対して、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物を局所的に投与する工程であって、上記sNAGナノファイバーのうちの50%を上回るsNAGナノファイバーが約1〜15μmの間の長さであり、上記sNAGナノファイバーは、invitroにおけるStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖または生存に影響を与えないものであり、かつ、上記sNAGナノファイバーは、筋肉内への埋め込み試験を行った場合に非反応性である工程。

請求項8

上記被験体は、創傷を有している、または、外科手術を経験していることを特徴とする請求項7に記載の方法。

請求項9

被験体における細菌に感染した創傷を治療する方法であって、以下の工程を含んでいることを特徴とする方法:細菌の感染と診断された被験体、または、細菌の感染の1つ以上の症状を示している被験体における上記創傷の部位に対して、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物を局所的に投与する工程であって、上記sNAGナノファイバーのうちの50%を上回るsNAGナノファイバーが約1〜15μmの間の長さであり、上記sNAGナノファイバーは、invitroにおけるStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖または生存に影響を与えないものであり、かつ、上記sNAGナノファイバーは、筋肉内への埋め込み試験を行った場合に非反応性である工程。

請求項10

上記創傷は、開放創であることを特徴とする請求項9に記載の方法。

請求項11

上記開放創は、銃創刺創裂創切り傷擦過傷穿通創、または外科創傷であることを特徴とする請求項10に記載の方法。

請求項12

上記創傷は、刺創であり、上記刺創は、血液透析処置またはカテーテル処置に起因するものであり、ヒトである上記被験体は、血液透析に関連した感染、またはカテーテル法に関連した感染であると診断されていることを特徴とする請求項11に記載の方法。

請求項13

上記感染は、以下の種のうちの1つ以上の細菌によるものであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法:Bacillus anthracis, Bordetella pertussis, Borrelia burgdorferi, Brucella abortus, Brucella canis, Brucella melitensis, Brucella suis, Campylobacter jejuni, Chlamydia pneumonia, Chlamydia trachomatis, Clamidophila psittaci, Clostridium botulinum, Clostridium difficule, Clostridium perfringens, Clostridium tetani, Corynebacterium diphtheriae, Enterococcus faecalis, Enterococcus faecium, Escherichia coli, Francisella tularensis, Haemophilus influenae, Helicobacter pylori, Legionella pneumphila, Leptospira pneumophila, Leptospira interrogans, Listeria monocytogenes, Mycobacterium leprae, Mycobacterium tuberculosis, Mycoplasma pneumoniae, Neisseria gonorrhoeae, Neisseria meningitides, Pseudomonas aeruginosa, Proteus mirabilis, Rickettsia rickettsii, Salmonella typhi, Salmonella typhimurium, Shigella sonnei, Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Staphylococcus saprophyticus, Streptococcus agalactiae, Streptococcus pneumonia, Streptococcus pyogenes, Treponema pallidum, Vibria cholerae, およびYersinia pestis。

請求項14

上記細菌は、標準的な抗生物質治療に対して耐性を有していることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。

請求項15

上記感染は、MRSAの感染、Pseudomonasの感染またはC. dificuleの感染であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

上記被験体はヒトであることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。

請求項17

上記sNAGナノファイバーは、クリームゲル軟膏、膜、粉末スプレー、または坐薬として製剤化されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。

請求項18

上記組成物は、1つ以上の追加の抗菌剤を含んでいることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。

請求項19

上記組成物は、1つ以上の抗菌剤と併用して投与されることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。

請求項20

上記抗菌剤が抗生物質であることを特徴とする請求項18または19に記載の方法。

請求項21

上記sNAGナノファイバーのうちの50%を上回るsNAGナノファイバーが約2〜10μmの間の長さであることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。

請求項22

上記sNAGナノファイバーのうちの50%を上回るsNAGナノファイバーが約4〜7μmの間の長さであることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。

請求項23

上記sNAGナノファイバーの100%が約1〜15μmの間の長さであることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。

請求項24

上記sNAGナノファイバーは、ポリN−アセチルグルコサミンまたはポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体へのガンマ線照射によって生産され、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンもしくは上記ポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体は、乾燥された繊維の形態で500〜2000kgyにて放射線照射される、または、上記ポリ−β−N−アセチルグルコサミンもしくは上記ポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体は、湿っている繊維の形態で100〜500kgyにて放射線を照射されることを特徴とする請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。

請求項25

上記sNAGナノファイバーは、微細藻類のポリ−N−アセチルグルコサミンから生産されることを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。

請求項26

上記sNAGナノファイバーは、N−アセチルグルコサミン単糖および/またはグルコサミン単糖を含んでおり、上記sNAGナノファイバーの単糖のうちの70%を上回る単糖がN−アセチルグルコサミン単糖であることを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。

請求項27

sNAGナノファイバーおよび抗生物質を含んでいる組成物であって、上記sNAGナノファイバーのうちの50%を上回るsNAGナノファイバーが約1〜15μmの間の長さであり、上記sNAGナノファイバーは、invitroにおけるStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖または生存に影響を与えないものであり、上記sNAGナノファイバーは、筋肉内への埋め込み試験を行った場合に非反応性であることを特徴とする組成物。

請求項28

請求項29

sNAGナノファイバーおよび亜鉛を含んでいる組成物であって、上記sNAGナノファイバーのうちの50%を上回るsNAGナノファイバーが約1〜15μmの間の長さであり、上記sNAGナノファイバーは、invitroにおけるStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖または生存に影響を与えないものであり、上記sNAGナノファイバーは、筋肉内への埋め込み試験を行った場合に非反応性であることを特徴とする組成物。

発明の詳細な説明

0001

本願は、米国特許仮出願第61/324,657号(出願日2010年4月15日)に基づいて優先権を主張し、該特許仮出願の内容は全て参照によって本明細書中引用されるものとする。

0002

〔1.技術分野〕
本明細書では、ポリN−アセチルグルコサミンおよび/またはポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体の短くなった繊維(sNAGナノファイバー)を含んでいる組成物、並びに当該組成物の抗菌性の適用が記載されている。上記sNAGナノファイバーは、細菌の感染、および細菌の感染に関連した疾患の予防および/または治療のために、組成物へと製剤化され得る。上記組成物を用いた投薬計画もまた記載されている。

0003

〔2.背景技術
現在、抗生物質は、細菌の感染に対する標準的な治療法である。しかしながら、特定の抗生物質に対してアレルギー反応を示す人もいれば、抗生物質に関連した副作用苦しむ人もおり、また、抗生物質の継続的な利用は、しばしば当該抗生物質の効果の減少を引き起こす。さらに、抗生物質治療は、しばしば細菌の抗生物質耐性株の発生を引き起こす。従って、抵抗性を発生させずに、または長期間にわたって効果を減少させることなく感染に対抗する場合に効果的な、新しい抗菌剤が継続的に必要とされている。臨床的な状況(例えば、皮膚、消化器および呼吸器感染症の治療、ならびに創傷の治療)において使用することができる、抗生物質ではない抗菌剤が必要とされている。

0004

創傷感染は、細菌の感染の一種である。特に糖尿病等の慢性疾患を有する患者、または免疫抑制中の患者において、創傷感染は主要な合併症である。上記患者は、好中球およびマクロファージの移動および動員(recruitment)を包含する、適切な炎症反応崩壊しており、このことは患者の感染を増加させる素因となる(Singer, A.J. and R.A. Clark, 1999, N Engl J Med 341(10): 738-46)。さらに、細菌の感染は、創傷の治癒欠陥および敗血症を引き起こし得る。現在の多数の抗生物質治療の効果の無さ、および、MRSA(メチシリン耐性S. aureus)等の抗生物質耐性菌流行の増加を鑑みて、新しい臨床治療需要が高まっている。

0005

〔3.発明の概要
1つの側面において、本明細書には、被験体における細菌の感染、および/または、細菌の感染に関連した疾患もしくは細菌の感染によって引き起こされる疾患を治療および/または予防する方法が記載されている。

0006

特定の実施形態において、本明細書には、被験体における細菌の感染を治療する方法であって、被験体に対して、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物を局所的に投与する工程を含んでいることを特徴とする方法が記載されている。いくつかの実施形態において、上記被験体は、上記細菌の感染と診断されているか、または上記細菌の感染の1つ以上の症状を示している。細菌の感染および細菌の感染の症状を診断する方法は、当該分野にて公知であるか、または本明細書に記載されている。上記感染は、皮膚感染、胃腸感染、呼吸器感染、尿路感染生殖器官感染、または本明細書に記載されているような被験体の体の他のいずれかの器官もしくは組織の感染であってもよい。1つの実施形態において、上記感染は、院内感染、MRSAの感染、Pseudomonasの感染またはC. dificuleの感染である。

0007

特定の実施形態において、本明細書には、被験体における細菌の感染に関連した疾患、または、細菌の不均衡に関連した疾患を治療および/または予防する方法であって、被験体に対して、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物を局所的に投与する工程を含んでいることを特徴とする方法が記載されている。上記実施形態の1つにおいて、上記方法は、細菌の感染に関連した疾患を治療および/または予防する工程を包含している。別の実施形態において、上記方法は、細菌の不均衡(例えば、本明細書に記載されているような細菌叢(bacterial microbiota)における不均衡)に関連した疾患を治療および/または予防する工程を包含している。特定の実施形態において、上記方法は、既存の細菌の感染を治療する工程を包含している。上記実施形態のいくつかにおいて、治療される被験体は、細菌の感染に関連した疾患と診断されているか、または、当該疾患の1つ以上の症状を示している。他の実施形態において、治療される被験体は、細菌の不均衡に関連した疾患と診断されているか、または、当該不均衡の1つ以上の症状を示している。上記疾患は、皮膚疾患胃腸疾患呼吸器疾患尿路疾患、生殖器官疾患、または本明細書に記載されているような被験体の体の他のいずれの器官もしくは組織の疾患であってもよい。いくつかの実施形態において、上記疾患は、皮膚疾患または胃腸疾患である。1つの実施形態において、上記疾患は、院内感染、MRSAの感染、Pseudomonasの感染またはC. dificuleの感染に関連している。

0008

いくつかの実施形態において、本明細書には、細菌の感染および/または細菌の感染に関連した疾患を予防する方法であって、被験体に対して、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物を局所的に投与する工程を含んでいることを特徴とする方法が記載されている。いくつかの実施形態において、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、細菌の感染に関連した疾患を予防するために、細菌の感染の危険性が高い被験体に投与される。特定の実施形態において、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、創傷を有している被験体、または、外科手術を経験した被験体に投与される。1つの実施形態において、上記組成物は免疫障害を有する被験体に投与される。いくつかの実施形態において、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は創傷に投与され、上記創傷は、細菌の感染の危険性が高い状態にある。特定の実施形態において、上記創傷は、開放創である。上記開放創は、銃創刺創裂創擦過傷切り傷(cut)、穿通創外科創傷、または他のいずれの創傷であってもよい。特定の実施形態において、上記創傷は、刺創であってもよく、例えば、血液透析処置またはカテーテル処置に起因する刺創であってもよい。いくつかの実施形態において、治療される被験体は、血液透析に関連した感染、またはカテーテル法に関連した感染であると診断されていてもよい。1つの実施形態において、sNAG組成物によって予防される細菌の感染および/または細菌の感染に関連した疾患は、創傷(例えば、開放創)におけるものではないか、または、創傷に関連していない。上記実施形態の1つにおいて、細菌の感染および/または細菌の感染に関連した疾患は、創傷の部位におけるものではない(例えば、開放創の部位におけるものではない)。

0009

いくつかの実施形態において、本明細書には、被験体における細菌に感染した創傷を治療する方法であって、被験体における上記創傷の部位に対して、sNAGナノファイバーを含んでいる組成物を局所的に投与する工程を含んでいることを特徴とする方法が記載されている。いくつかの実施形態において、治療される被験体は、細菌の感染と診断されているか、または、当該細菌の感染の1つ以上の症状を示している。特定の実施形態において、上記創傷は、開放創である。上記開放創は、銃創、刺創、裂創、擦過傷、切り傷、穿通創、外科創傷、または他のいずれの創傷であってもよい。特定の実施形態において、上記創傷は、刺創であってもよく、例えば、血液透析処置またはカテーテル処置に起因する刺創であってもよい。いくつかの実施形態において、治療される被験体は、血液透析に関連した感染、またはカテーテル法に関連した感染であると診断されていてもよい。

0010

本明細書に記載されている方法を用いて治療または予防される細菌の感染は、以下の属の1つ以上の細菌による感染を包含している:Bordetella, Borrelia, Brucella, Campylobacter, Chlamydia および Clamidophylia, Clostridium, Corynebacterium, Enterococcus, Escherichia, Francisella, Haemophilus, Helicobacter, Legionella, Leptospira, Listeria, Mycobacterium, Mycoplasma, Neisseria, Pseudomonas, Rickettsia, Salmonella, Shigella, Staphylococcus, Streptococcus, Treponema, Vibria, ならびに Yersinia。いくつかの実施形態において、sNAG組成物は、上記列挙された属の細菌の1つ以上に由来する細菌による感染に関連した疾患、または当該疾患の症状の1つ以上を治療および/または予防するために使用され得る。

0011

本明細書に記載されている方法を用いて治療または予防される細菌の感染はまた、以下の種の1つ以上の細菌による感染を包含している:Bacillus anthracis, Bordetella pertussis, Borrelia burgdorferi, Brucella abortus, Brucella canis, Brucella melitensis, Brucella suis, Campylobacter jejuni, Chlamydia pneumonia, Chlamydia trachomatis, Clamidophila psittaci, Clostridium botulinum, Clostridium difficule, Clostridium perfringens, Clostridium tetani, Corynebacterium diphtheriae, Enterococcus faecalis, Enterococcus faecium, Escherichia coli, Francisella tularensis, Haemophilus influenae, Helicobacter pylori, Legionella pneumphila, Leptospira pneumophila, Leptospira interrogans, Listeria monocytogenes, Mycobacterium leprae, Mycobacterium tuberculosis, Mycoplasma pneumoniae, Neisseria gonorrhoeae, Neisseriameningitides, Pseudomonas aeruginosa, Proteus mirabilis, Rickettsia rickettsii, Salmonella typhi, Salmonella typhimurium, Shigella sonnei, Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Staphylococcus saprophyticus; Streptococcus agalactiae, Streptococcus pneumonia, Streptococcus pyogenes, Treponema pallidum, Vibria cholerae, およびYersinia pestis。いくつかの実施形態において、sNAG組成物は、上記列挙された種の細菌の1つ以上に由来する細菌による感染に関連した疾患、または当該疾患の症状の1つ以上を治療および/または予防するために使用され得る。

0012

特定の実施形態において、本明細書に記載されている方法を用いて治療または予防される細菌の感染は、MRSAの感染、Pseudomonasの感染またはC. dificuleの感染である。いくつかの実施形態において、sNAG組成物は、MRSAの感染、Pseudomonasの感染またはC. dificuleの感染に関連した疾患、または当該疾患の症状の1つ以上を治療および/または予防するために使用され得る。

0013

特定の実施形態において、本明細書に記載されている方法を用いて治療または予防される細菌の感染は、当業者に公知の細菌であって、標準的な抗菌治療に対して耐性を有する細菌(例えば、1つ以上の抗生物質に対して耐性を有する細菌)によって引き起こされる。1つの実施形態において、本明細書に記載されている方法を用いて治療または予防される細菌の感染は、MRSA(例えば院内のMRSA)である。いくつかの実施形態において、sNAG組成物は、1つ以上の抗生物質に対して耐性を有する細菌による感染に関連した疾患を治療および/または予防するために使用され得る。1つの実施形態において、sNAG組成物は、MRSA(例えば院内のMRSA)に関連した疾患(例えば院内のMRSAに関連した疾患)を治療および/または予防するために使用され得る。

0014

本明細書に記載されている方法を用いて治療される被験体は、哺乳類であってもよく、好ましくはヒトである。上記被験体はまた、家畜(例えば、ニワトリウシブタヤギ)、もしくはペット(例えば、イヌまたはネコ)、または他のいずれの動物であってもよい。

0015

本明細書に記載されている方法において検討されているsNAGナノファイバーは、下記のセクション5.1において記載されているように、様々な長さ、幅、および分子量であり得る。特定の実施形態において、sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%または99%以上)、またはsNAGナノファイバーの100%は、約1〜15μmの間の長さである。いくつかの実施形態において、sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%または99%以上)、またはsNAGナノファイバーの100%は、約2〜10μmの間の長さ、または約4〜7μmの間の長さである。記載された長さのsNAGナノファイバーは、例えば下記のセクション5.2において記載されているように得ることができる。

0016

いくつかの実施形態において、sNAGナノファイバーは、ポリ−N−アセチルグルコサミンまたはポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体への放射線照射(例えば、ガンマ線照射)によって生産された。いくつかの実施形態において、sNAGナノファイバーは、乾燥された繊維の形態でのポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンへの放射線照射(例えば、500〜2000kgy)、または、湿っている繊維の形態でのポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンへの放射線照射(例えば、100〜500kgy)によって生産される。

0017

特定の実施形態において、sNAGナノファイバーは微細藻類に由来する。別の実施形態において、sNAGナノファイバーは甲殻類には由来していない。さらに別の実施形態において、sNAGナノファイバーは微細藻類、甲殻類(例えば、エビ)、菌類、または他のいずれの供給源に由来していてもよい。

0018

1つの実施形態において、sNAGナノファイバーはN−アセチルグルコサミン単糖および/またはグルコサミン単糖を含んでおり、当該sNAGナノファイバーの単糖のうちの60%、70%、80%、90%、95%または99%を上回る単糖がN−アセチルグルコサミン単糖である。別の実施形態において、sNAGナノファイバーはN−アセチルグルコサミン単糖および/またはグルコサミン単糖を含んでおり、当該sNAGナノファイバーの単糖の70%を上回る単糖がN−アセチルグルコサミン単糖である。

0019

特定の実施形態において、本明細書に記載されている方法に用いられるsNAGナノファイバーは、in vitroにおけるStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖または生存に影響を与えないものであるか、または、in vitroにおけるStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖または生存に実質的に影響を与えないものである。いくつかの実施形態において、sNAGナノファイバーは、in vitroにおける細菌培養物の細菌の増殖または生存を、1 log、0.75 log、0.5 log、0.25 log、0.2 logまたは0.1 log未満減少させる(例えば、Staphylococcus aureusの細菌培養物がsNAGナノファイバーを用いてin vitroにおいて処理/培養された場合)。細菌の増殖または生存に対するsNAGナノファイバーの効果の試験、および、試験結果の評価は、例えば、下記のセクション5.1、実施例2(例えば、セクション6.2.2.5)、および図11Eに記載されている。

0020

特定の実施形態において、本明細書に記載されている方法に用いられるsNAGナノファイバーは、生体適合性試験(単数または複数)において非反応性である。例えば、本明細書に記載されている方法に用いられるsNAGナノファイバーは、溶出試験筋肉内への埋め込み試験、皮内試験、または全身性の試験(systemic test)において試験された場合に非反応性であり得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、溶出試験、筋肉内への埋め込み試験、皮内試験、または全身性の試験において試験された場合に非反応性である。他の実施形態において、本明細書に記載されている方法に用いられるsNAGナノファイバーは、溶出試験、筋肉内への埋め込み試験、皮内試験、または全身性の試験において試験された場合にグレード(Grade)0またはグレード1である。さらに別の実施形態において、明細書に記載されている方法に用いられるsNAGナノファイバーは、溶出試験、筋肉内への埋め込み試験、皮内試験、または全身性の試験において試験された場合に、最大でも、軽度の反応性である。1つの実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または当該ナノファイバーを含んでいる組成物は、筋肉内への埋め込み試験によって決定される場合に、非反応性である。特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、例えば適用する部位において、アレルギー反応または炎症を引き起こさない。他の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、例えば適用する部位において、最大でも、軽度のアレルギー反応または軽度の炎症を引き起こす。

0021

本明細書に記載されている組成物の、検討されている投与方法は、局所的であり、例えば、皮膚上において局所的;創傷、手術、細菌の感染、または感染の症状(例えば、腫れ)の部位において局所的;並びに、体の表面に対して局所的(例えば、皮膚、粘膜(例えば、肛門、目、))、もしくは他の組織の表面に対して局所的である。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または当該ナノファイバーを含んでいる組成物は、包帯(dressing)、包帯(bandage)、マットスプレー液体懸濁物、膜、粉末軟膏クリームペースト坐薬、またはゲルとして製剤化される。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または当該ナノファイバーを含んでいる組成物は、クリーム、ゲル、軟膏、膜、粉末、スプレー、または坐薬として製剤化される。

0022

別の側面において、本明細書には、本明細書に記載されている方法において使用するための組成物が記載されている。特定の実施形態において、上記組成物は、sNAGナノファイバーを含んでいる。特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、sNAGナノファイバーと、細菌の感染、細菌の感染に関連した疾患、またはそれらの症状の予防および/または治療に有用な1つ以上の追加の活性成分とを含んでいる。いくつかの実施形態において、上記追加の活性成分は抗菌剤である。上記追加の抗菌剤は、抗生物質である。別の実施形態において、上記追加の抗菌剤は亜鉛である。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、抗生物質を含んでいない。さらに他の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、いずれの追加の抗菌剤も含んでいない。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、sNAGナノファイバーを唯一の活性成分として含んでおり、いずれの追加の抗菌剤も含んでいない。

0023

特定の実施形態において、組成物は、上記sNAGナノファイバーと抗生物質とを含んでいる。本発明の組成物において使用され得る抗生物質の例には、マイクロライド系(例えば、エリスロマイシンアジスロマイシン)、アミノグリコシド系(例えば、アミカシンゲンタマイシンネオマイシンストレプトマイシン)、セファロスポリン系(例えば、セファドロキシルセファクロールセフォタキシムセフェピム)、フルオロキノロン系(例えば、シプロフロキサシンレボフロキサシン)、ペニシリン系(例えば、ペニシリンアンピシリンアモキシシリン)、テトラサイクリン系(例えば、テトラサイクリンドキシサイクリン)、および/またはカルバペネム系(例えば、メロペネムイミペネム)が包含される。本明細書に記載されているsNAGナノファイバーおよび薬剤は、上記組成物において使用され得る。いくつかの実施形態において、組成物は、上記sNAGナノファイバーと、S. auresの感染、MRSAの感染、Pseudomonasの感染、もしくはC. dificuleの感染を治療もしくは予防するために効果的な薬剤、または上記感染を治療もしくは予防するために一般的に使用される薬剤(例えば、上記感染に対して効果的な抗生物質、または上記感染に対して一般的に使用される抗生物質)とを含んでいる。

0024

他の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、1つ以上の追加の抗菌剤、または他のいずれかの適切な治療法と併用して投与される。いくつかの実施形態において、上記追加の抗菌剤または治療法は、抗生物質(例えば、当該分野にて公知である、または本明細書に記載されているように、細菌の感染、または治療される細菌の感染に関連した疾患に対して標準的な抗生物質治療)である。いくつかの実施形態において、上記追加の抗菌剤は、S. auresの感染、MRSAの感染、Pseudomonasの感染、もしくはC. dificuleの感染を治療もしくは予防するために効果的な薬剤、または上記感染を治療もしくは予防するために一般的に使用される薬剤(例えば、上記感染に対して効果的な抗生物質、または上記感染に対して一般的に使用される抗生物質)である。いくつかの実施形態において、上記追加の治療法は、sNAGナノファイバー組成物を投与する前、当該組成物の投与と同時、または当該組成物を投与した後に投与される。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、他のいずれの治療法とも併用して投与されず、例えば、抗生物質と併用して投与されない。

0025

〔3.1 用語〕
本明細書において使用される場合、用語「sNAGナノファイバー」、「sNAG」、「タリダーム(Taliderm)」または「タリメド(Talymed)」(以前は「Taliderm」として知られていた)は、ポリ−N−アセチルグルコサミンおよび/またはポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体の短くなった繊維を意味するために、同義的に使用される。

0026

本明細書において使用される場合、用語「約」は、任意の値の周辺の範囲を意味し、その結果としての値が、明示されている値と同一または実質的に同一(例えば、10%、5%または1%以内)であることを意味する。1つの実施形態において、「約」は、任意の値または範囲の10%以内を意味する。別の実施形態において、用語「約」は、任意の値または範囲の5%以内を意味する。別の実施形態において、用語「約」は、任意の値または範囲の1%以内を意味する。

0027

本明細書において使用される場合、用語「疾患」、「障害」または「病気(condition)」は、被験体における病状を意味するために同義的に使用される。特定の実施形態において、上記疾患は、細菌の感染に関連した、または細菌の感染によって引き起こされる病的状態である。

0028

本明細書において使用される場合、用語「細菌の感染」は、細胞または被験体における細菌の増殖および/または存在による侵入を意味する。

0029

本明細書において使用される場合、数学用語「log」はlog10を意味する。

0030

本明細書において使用される場合、用語「治療法(複数または単数)」は、細菌の感染、または細菌の感染に関連した症状もしくは病気の予防および/または治療において使用され得る、いずれのプロトコル、方法、組成物、剤形、および/または薬剤をも意味し得る。特定の実施形態において、用語「治療法」は、sNAGナノファイバー、またはsNAGナノファイバーを含んでいる薬学的組成物を意味する。他の実施形態において、用語「治療法」は、sNAGナノファイバー、またはsNAGナノファイバーを含んでいる薬学的組成物以外の治療法を意味する。特定の実施形態において、「追加の治療法(単数または複数)」は、sNAGナノファイバー、またはsNAGナノファイバーを含んでいる薬学的組成物以外の治療法を意味する。特定の実施形態において、上記治療法は、アジュバント療法として、sNAGナノファイバー、またはsNAGナノファイバーを含んでいる薬学的組成物の使用を包含する;例えば、抗生物質、並びに/または、細菌の感染、もしくは細菌の感染に関連した症状もしくは病気の予防および/もしくは治療において有用な他の治療法等の薬物治療と併用してsNAGナノファイバー組成物を使用する。

0031

本明細書において使用される場合、sNAGナノファイバー組成物を被験体に投与する工程に関連して、用語「効果的な量」は、結果として有益な効果または治療効果をもたらすsNAGナノファイバーの量を意味する。特定の実施形態において、sNAGナノファイバーの「効果的な量」は、以下の効果の少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ以上を達成するために十分な量を意味する:(i)細菌の感染の解消(clearance);(ii)細菌の感染に関連した1つ以上の症状の除去、(iii)細菌の感染を解消するために必要な時間の減少;(iv)細菌の感染、および/または細菌の感染に関連した1つ以上の症状の重症度の減少または改善;(v)細菌の感染、および/または細菌の感染に関連した1つ以上の症状の期間の減少;(vi)細菌の耐性株(単数または複数)の発生の防止もしくは遅延、または発生した細菌の耐性株の数の減少;(vii)細菌の感染、および/または細菌の感染に関連した1つ以上の症状の再発の防止;(viii)細菌の細胞集団の減少または除去;(ix)細菌の感染によって引き起こされる病気または細菌の感染に関連した病気の重症度および/または期間の減少;(x)被験体の入院の減少;(xi)入院期間の減少;(xii)被験体の生存の増加;(xiii)別の治療法の治療効果の促進または改善;(xiv)死亡の減少;(xv)ある被験体から別の被験体へ、または、ある器官もしくは組織から別の器官もしくは組織への細菌の蔓延の減少または排除;(xvi)細菌の数の増加の防止;(xvii)細菌の感染、および/または細菌の感染に関連した1つ以上の症状の発達または発病の予防;(xviii)細菌の感染に関連した症状の数の減少;(xix)細菌の感染によって引き起こされる病気または細菌の感染に関連した病気の期間および/または重症度の減少;(xx)細菌毒素、または細菌の感染に関連した毒素の生産の阻害または減少;(xxi)細菌の感染に関連した炎症の安定化または減少;(xxii)1つ以上のデフェンシンタンパク質および/またはデフェンシン様タンパク質発現誘導;(xxiii)1つ以上のToll様レセプターの発現の誘導;(xxiv)細菌の感染、または細菌の感染に関連した1つ以上の症状の解消または減少に有益な1つ以上のタンパク質の発現の誘導;(xxvi)細菌の感染に関連した臓器不全、または細菌の感染に関連した疾患に関連した臓器不全の減少;(xxvii)細菌の感染によって引き起こされる病気または細菌の感染に関連した病気の発病、発達または再発の防止;および/または(xxviii)当該分野にてよく知られた方法(例えばアンケート)によって評価された生活の質の改善。特定の実施形態において、sNAGナノファイバーの「効果的な量」は、本明細書において(例えば、下記のセクション5.6において)特定されたsNAGナノファイバー組成物の量を意味する。

0032

本明細書において使用される場合、用語「高齢のヒト」は、65以上のヒトを指す。

0033

本明細書において使用される場合、用語「ヒトの成人」は、18歳以上のヒトを指す。

0034

本明細書において使用される場合、用語「ヒトの子供」は、1歳〜18歳のヒトを指す。

0035

本明細書において使用される場合、用語「ヒトの乳児(infant)」は、新生児から1歳のヒトを指す。

0036

本明細書において使用される場合、用語「ヒトの早産児」は、新生児から1歳のヒトであって、在胎期間37週未満(例えば、妊娠の37週目より前、36週、35週、34週、33週、32週、31週、30週、29週、28週、または28週未満)で産まれたヒトを指す。

0037

本明細書において使用される場合、用語「ヒトの幼児(toddler)」は、1歳〜3歳のヒトを指す。

0038

本明細書において使用される場合、用語「大多数」は、50%を上回る数を指し、例えば、50.5%、51%、52%等を包含する。

0039

本明細書において使用される場合、用語「被験体」および「患者」は、動物(例えば、ウシ、ウマヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウウズラ、ネコ、イヌ、マウスラットウサギモルモット等)を指すために同義的に使用される。特定の実施形態において、上記被験体は、例えば非霊長類または霊長類(例えば、ヒト)である。特定の実施形態において、上記被験体はヒトである。本明細書において提供される方法に従って治療される患者に関する更なる情報については下記のセクション5.5を参照されたい。

0040

本明細書において使用される場合、用語「低発現」は、遺伝子の発現に関連して(例えば、当該遺伝子によって生産されるタンパク質またはペプチドのレベルに基づいて)、遺伝子の「通常」の発現未満である発現を指す。特定の実施形態において、「低発現」は、遺伝子の「通常」の発現の、90%未満、80%未満、75%未満、70%未満、65%未満、60%未満、55%未満、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、または20%未満である遺伝子の発現を指す。別の特定の実施形態において、「低発現」は、遺伝子の「通常」の発現に比べ、約20倍少ない、約15倍少ない、約10倍少ない、約5倍少ない、約4倍少ない、約3倍少ない、約2倍少ない、または約1.5倍少ない遺伝子の発現を指す。

0041

〔4.図面の簡単な説明〕
図1>ナノファイバーは、Ets1の上流調節因子であるAkt1の活性化を刺激する。(A)血清飢餓ECのNAGおよびsNAGによる刺激に対する反応におけるホスホ−Aktのウェスタンブロット分析。(B)スクランブルコントロールSCR)またはAkt1 shRNAレンチウイルスのいずれかに感染したECのRTPCR分析であって、ローディングコントロールとしてEts1およびS26の発現が評価されている。(C)sNAGナノファイバーからAkt1、Ets1またはデフェンシンへのシグナルを伝達するシグナル伝達経路の模式図。

0042

<図2>Akt1ヌル動物における創傷の治癒の遅延は、Taliderm処理によって部分的に救済される。(A)Taliderm処理あり、および、Taliderm処理なしの創傷を形成されたWTマウスおよびAKT1ヌルマウスの代表的な図。(B)代表的なマウスの3日目の創傷に由来する皮膚切片のH&E染色。

0043

図3>sNAGナノファイバーは、初代内皮細胞におけるサイトカインおよびデフェンシンの発現を刺激する。(A)a−デフェンシンに対する抗体を用いた、sNAGあり、またはsNAGなしで処理したECの免疫組織学的試験。(B)ECのナノファイバー処理の結果、α−デフェンシン1−3が分泌されたことを示すELISA(血清飢餓、5μg/mlまたは10μg/mlのsNAGを用いて処理)。

0044

図4>sNAGナノファイバーは、Akt1に依存する様式で、初代内皮細胞におけるデフェンシンの発現を刺激する。(A)および(B)PD98059(MAP阻害剤、「PD」)、ウォルトマンニン(P13K阻害剤、「wtm」)ありもしくはなし、または、スクランブルコントロール(SCR)もしくはAkt1(AKT1) shRNAレンチウイルスに感染した、sNAGありまたはなし(snag)で処理された血清飢餓EC(ss)の定量的RT−PCRであって、上記遺伝子の発現が評価されている。

0045

<図5>sNAGナノファイバーは、マウスのケラチノサイトにおけるβ−デフェンシン3の発現を刺激する。(A)3日目のWT動物およびAkt1ヌル動物に由来するマウス皮膚の創傷切片であって、パラフィン包埋された切片の、β−デフェンシン3(右上側のパネルにおいて明るい染色として見える;例えば、太い白矢印を参照されたい)およびインボルクリンを用いた免疫蛍光染色。(B)NIHImageJソフトウェアを用いた、β−デフェンシン3の免疫蛍光染色の定量(TX=Taliderm;Akt1=Akt1ヌル)。(C)β−デフェンシン3(明るい染色として見える;例えば、太い白矢印を参照されたい)およびTOPRO−3(核染色;例えば、細い白矢印を参照されたい)を用いた、WTおよびAkt1ヌルの処理済みのケラチノサイトおよび未処理のケラチノサイトの免疫蛍光染色。WTおよびAkt1ヌルのTalidermで処理された創傷におけるβ−デフェンシン3の染色の増加に注目されたい。

0046

図6>Akt1に依存した転写因子結合部位。Akt1に依存した転写因子の結合部位の模式図。Genomatixソフトウェアを用いて、DEF1、4および5のmRNAの保存部位について、転写開始部位の500bp上流を分析した(ETS−黒い楕円;FKHD−縞模様の楕円;CREB−白い楕円;NFKBチェックの楕円)。

0047

図7>sNAG処理の結果、in vitroにおいてデフェンシンが発現および分泌される。(A)示された時間において、sNAG(50μg/ml)を用いて処理された血清飢餓(ss)初代内皮細胞のRTPCR分析であって、β−デフェンシン3およびα−デフェンシン1の発現について評価されている。(B)血清飢餓(未処理)の内皮細胞、またはsNAGナノファイバー(10μg/mlで5時間)を用いて処理された内皮細胞のいずれかの免疫蛍光標識。抗体は、α−デフェンシン5(FITC、左上側のパネル)、β−デフェンシン3(テキサスレッド、右上側のパネル)に対するものである。核はTOPRO−3を用いて染色されている(青、左下側のパネル)。右下側のパネルは3重のオーバーレイを示している。(C)血清飢餓(未処理)のケラチノサイト、またはsNAGナノファイバー(10μg/mlで5時間)を用いて処理されたケラチノサイトのいずれかの免疫蛍光標識(HaCat)。抗体は、α−デフェンシン5(FITC、左上側のパネル)、β−デフェンシン3(テキサスレッド、右上側のパネル)に対するものである。核はTOPRO−3を用いて染色されている(青、左下側のパネル)。

0048

図8>sNAGによって誘導されたデフェンシンの発現は、Akt1に依存している。(A)PD98059(PD)(50μM)、ウォルトマンニン(WTM)(100nm)あり、またはなしの、sNAGを用いた3時間の処理あり、またはなしの血清飢餓内皮細胞から分離された全RNAに由来するα−デフェンシン1に対するプライマーを使用した定量的RT−PCR分析。定量はS26タンパク質サブユニットと比較されている。(B)PD98059(50μM)、ウォルトマンニン(100nm)を用いた処理あり、またはなしの、sNAGを用いた3時間の処理あり、またはなしの血清飢餓内皮細胞から分離された全RNAに由来するβ−デフェンシン3の発現の定量であって、当該定量はS26と比較されている。(C)示された時間においてsNAGを用いて刺激された血清飢餓内皮細胞(SS)中のホスホ−Aktのウェスタンブロット分析。ラインは、レーンが除去されている箇所を示している。(D)sNAGを用いた処理あり、またはなしの、スクランブルコントロール(SCR)またはAkt1 shRNAレンチウイルスに感染した血清飢餓内皮細胞の定量的RT−PCR分析であって、α−デフェンシン4について評価されている。定量はS26と比較して示されている。(E)sNAGを用いた処理あり、またはなしの、スクランブルコントロール(SCR)またはAkt1 shRNAレンチウイルスに感染した血清飢餓内皮細胞から分離された全RNAに由来するβ−デフェンシン3の発現の定量。定量はS26と比較して示されている。全ての実験は、少なくとも3反復行われ、かつ、少なくとも独立して3回繰り返され、p値が示されている。

0049

図9>sNAGによって誘導されたin vivoにおけるデフェンシンの発現は、Akt1を必要とする。(A)WTマウス(n=3)およびAkt1マウスの両方から、創傷形成から3日後に採集した皮膚の創傷の切片であって、パラフィンに包埋された切片。創傷は未処理であるか、またはsNAG膜を用いて処理されているかのいずれかであった。β−デフェンシン3(緑、右上側のパネルにおいて明るい染色として見える;例えば、太い白矢印を参照)、インボルクリン(赤)およびTopro(青、核染色;例えば、細い白矢印を参照)に対する抗体を用いて、免疫蛍光を行った。(B)3日目に採集された、sNAGを用いて処理されたWT由来の切片であって、パラフィンに包埋された切片。β−デフェンシン3(緑、右上側のパネルにおいて明るい染色として見える;例えば、太い白矢印を参照)、インボルクリン(赤)およびTopro(青、核染色;例えば、細い白矢印を参照)に対する抗体を用いて、免疫蛍光を行った。β−デフェンシン3を発現している表皮層をうまく示すために、当該低倍率(20x)が含まれている。スケールバー=50μm。(C)パラフィンに包埋された切片からのβ−デフェンシン3の発現の定量を、NIH ImageJソフトウェアを用いて行った。実験は、独立して3回繰り返され、p値が示されている。

0050

図10>sNAG処理は野生型マウスでの創傷の閉鎖を増加させる。未処理であるか、またはsNAG膜を用いて処理されているかのいずれかであるC57B16野生型動物に由来する創傷組織切片のH&E染色。創傷形成後日数は各パネルの左側に示されている。黒い実線は、創傷の閉鎖を示しているケラチノサイト細胞層を示している。黒い矢印は、創床(wound bed)の縁を示している。

0051

<図11>sNAG処理は、Akt1に依存する様式で、細菌の感染を減少させる。(A)WTマウスに由来する、S. aureusに感染した創傷の組織グラム染色。WTマウスには4mm生検パンチを用いて創傷を形成した。創傷を形成した直後に、マウスに1×109cfu/ml接種した。感染して30分後、Talidermを用いて処理グループのマウスを処理した。皮膚サンプルは処理から5日後に採集され、分析のために切断された。組織グラム染色を行った。暗い紫色の染色は、グラム陽性細菌と細菌を取り込んだ好中球とを示している。20倍および40倍での断面図が示されている。(B)WTマウスおよびAkt1ヌルマウス(n=3)に由来する、S. aureusに感染した創傷であって、パラフィンに包埋された創傷の組織グラム染色。感染した創傷は、未処理であるか、またはsNAG膜を用いて処理されているかのいずれかであって、分析のために創床を3日目および5日目に採集した。暗い紫色の染色は、創床におけるグラム陽性細菌の存在を示している。黒い矢印はグラム陽性染色の例を示している。未処理のWTにおける陽性染色蓄積に注目されたい(当該蓄積は、sNAGを用いて処理されたWT動物においては見られない)。スケールバー=50μm。(C)創傷形成後5日目に由来するCFUを、処理された、および未処理のWTマウス(n=3)およびAkt1ヌルマウス(n=3)の両方を用いて、S. aureusに感染した創傷から定量した。Akt1ヌル動物に比べて、sNAGを用いて処理された野生型マウスでは、創床における細菌の量の顕著な減少を示した。全ての実験は、独立して3回繰り返され、p値が示されている。(D)(C)に記載された方法と同様にして、創傷形成後3日目における感染した創傷から定量されたCFU。感染した創傷のsNAG処理によって、3日目のWT動物およびAkt1ヌル動物の両方のCFUの顕著な減少が示されたが、Akt1動物では2倍の差であったのに比べて、WT動物では、およそ10倍の差を示した。(E)未処理であるか、または様々な量のsNAGナノファイバーを用いて処理されたかのいずれかであるS. aureus培養物におけるCFUの定量。各実験は、独立して3回繰り返され、p値が示されている。(F)β−デフェンシン3ペプチド(1.0uM)を用いて処理された、または当該ペプチドを用いずに処理されたWTマウス(n=3)から創傷形成後3日目に採集された、S. aureusに感染した創傷の組織グラム染色。β−デフェンシン3ペプチドを用いて処理された感染創傷におけるグラム陽性染色の減少に注目されたい。(G)β−デフェンシン3ペプチドを用いて処理された、または当該ペプチドを用いずに処理された、S. aureusに感染したWTマウス(n=3)からのCFUの定量。ペプチドを用いて処理された感染創傷では、CFUの顕著な減少が示された(p<.05)。スケールバー=50μm。各実験は、独立して3回繰り返され、p値が示されている。

0052

図12>S. aureusに感染した創傷のsNAG処理によるデフェンシンの発現の急激な誘導。(A)3日目に採集された、S. aureusに感染した創傷に由来する組織切片であって、パラフィンに包埋された切片に対して、sNAGを用いて処理されたWTマウス(n=3)および未処理のWTマウス(n=3)の両方に由来するβ−デフェンシン3(緑、右上側のパネルおよび中央の下側のパネルにおいて明るい染色として見える;例えば、太い白矢印を参照)、ケラチノサイト層を標識するためのインボルクリン(赤)およびTopro(青、核染色;例えば、細い白矢印を参照)に対する抗体を用いて、免疫蛍光を行った。ケラチン非特異的染色が、二次抗体のみを用いて染色された、一次抗体なしのコントロールによって示された。スケールバー=50μm。(B)NIH ImageJソフトウェアを用いた、パラフィンに包埋された切片からのβ−デフェンシン3の発現の定量。sNAGを用いて処理された、S. aureusに感染した創傷では、β−デフェンシン3の染色の顕著な増加が示された(p<.05)。実験は、独立して3回繰り返され、p値が示されている。

0053

図13>β−デフェンシン3に対する抗体は、sNAG処理の抗菌効果を妨げる。(A)3日目に採集された、WTマウス(n=3)に由来する、sNAGを用いて処理されたS. aureusに感染した創傷であって、パラフィンに包埋された創傷の組織グラム染色。sNAGを用いて処理された創傷は、sNAG処理の前に、β−デフェンシン3抗体またはアイソトープコントロールヤギIgG抗体のいずれかを用いて処理された。代表的な画像は、β−デフェンシン3に対する抗体を用いて処理されたマウスの創床におけるグラム陽性染色(黒い矢印)の蓄積の増加を示している。スケールバー=20μm。(B)sNAG処理の前に、β−デフェンシン3抗体(n=3)またはコントロールIgG抗体(n=3)のいずれかを用いて処理された、S. aureusに感染したWTマウスに由来するCFUの定量。β−デフェンシン3の適用により、CFUが顕著に増加した(p<.05)。

0054

図14>sNAG処理は、Pseudomonas aeruginosaによる細菌感染を減少させる。マウスに4mm生検パンチを用いて創傷を形成し、1.5×109cfu/mlのP. aeruginosaを接種した。感染した創傷は、未処理(n=6)であるか、または感染から30分後にsNAG膜(n=6)を用いて処理(n=6)を行うかのいずれかとした。分析のために3日目に創床を採集し、30分間培養して蒔き(plated)、未処理の感染した創傷および処理済みの感染した創傷のCFUを定量した。sNAGを用いて処理されたマウスでは、未処理の動物に比べて、創床における細菌の量の顕著な減少が示された(p<.05)。

0055

<図15>pGlcNAc繊維の化学的構造および物理的構造における放射線照射の影響。(A)放射線照射におけるpGlcNAcの分子量と放射線レベル/剤形との間の相関関係。(B)放射線照射されていないpGlcNAcスラリー(上のライン)、100kGyにて放射線を照射されたpGlcNAcスラリー(下のライン)、および200kGyにて放射線を照射されたpGlcNAcスラリー(中央のライン)。(C)走査型電子顕微鏡(SEM)によるpGlcNAcの分析。(D)走査型電子顕微鏡(SEM)によるsNAGの分析。

0056

図16>pGlcNAcは代謝率に影響を与えなかった。各期間(すなわち、24時間および48時間)において、4つのバーはそれぞれ、以下を示している(左から右へ):血清飢餓(SS)、VEGF、ならびに、50μg/mlおよび100μg/mlにおけるpGlcNAc(NAG)。

0057

図17>pGlcNAcは、血清飢餓によって誘導されるヒト臍静脈内皮細胞(EC)の細胞死を防止した。各期間(すなわち、24時間、48時間および72時間)において、5つのバーはそれぞれ、以下を示している(左から右へ):血清飢餓(SS)、VEGF、ならびに、50μg/ml、100μg/mlおよび250μg/mlにおけるpGlcNAc(NAG)。

0058

図18>sNAGは、代謝率の顕著な増加を誘導した。5つのバーはそれぞれ、以下を示している(左から右へ):血清飢餓(SS)、VEGF、ならびに、50μg/ml、100μg/mlおよび200μg/mlにおけるsNAG。

0059

図19>sNAGは、血清飢餓によって誘導されるECの細胞死を防止しなかった。各期間(すなわち、24時間および48時間)において、5つのバーはそれぞれ、以下を示している(左から右へ):血清飢餓(SS)、VEGF、ならびに、50μg/ml、100μg/mlおよび200μg/mlにおけるsNAG。

0060

〔5.詳細な説明〕
本発明者らは、sNAGナノファイバーが、Staphylococcus aureusおよびPseudomonasaeruginosaに感染した皮膚の創傷における細菌感染を減少させることを見出した。いずれの特定の作用機序によっても制限されることもなく、セクション6.2に提示されたデータは、sNAGの抗菌効果がsNAGと細菌との直接的な相互作用に起因するものではなく、例えば、Akt1の活性化によるデフェンシンの調節等の下流での影響に起因するものであることを示唆している。具体的には、データは、in vitroにおけるsNAGナノファイバーを用いた細菌培養物の処理が細菌の数に影響を与えていないことを示しており、sNAGナノファイバーが細菌の増殖を直接的には阻害していないことを示している。セクション6.2.2.5に記載され、図11Eに示されている特定の実施例においては、sNAGナノファイバーはStaphylococcus aureusの増殖または生存に直接的な影響を与えない。下記のセクション6.2.2.5に記載されている試験は、細菌の増殖または生存に対するsNAGナノファイバーの直接的な影響がないことを試験するために利用され得る。当該実施例においては、溶液中のS. aureusの培養物を様々な濃度のsNAGナノファイバーを用いて3時間処理し、その後、培養物を37℃で一晩培養し、細菌のCFU/mlを決定した。図11Eに示されているように、細菌の増殖または生存に対する影響は観察されなかった。

0061

本発明の発明者らは、sNAGナノファイバーはデフェンシンの発現を刺激することが可能であって、当該刺激によって先天性の抗菌反応が促進され得ることを見出した。デフェンシンが先天性免疫において重要な役割を担っており、抗菌作用において機能することは広く認められている。下記のセクション6.1および6.2において提示される実施例によって実証されているように、本発明の発明者らは、sNAGナノファイバーが、内皮細胞におけるα型デフェンシンおよびβ型デフェンシンの両方の発現、ならびに、in vitroでのケラチノサイトおよびin vivoでの創傷治癒モデルにおけるβ型デフェンシンの発現を増加し得ることを見出した。

0062

さらに、下記のセクション6.1および6.2において提示される実施例によって実証されているように、いずれの特定の作用機序によっても制限されるものではないが、創傷治癒モデルにおいて、in vitroおよびin vivoでのsNAGに依存したデフェンシンの発現にとってAkt1は重要であると考えられる。一貫して、sNAGナノファイバーは、野生型のコントロール動物におけるStaphylococcus aureusに感染した皮膚の創傷の細菌感染を減少させたが、同様に処理されたAkt1ヌル動物においては細菌の感染を減少させなかった。

0063

本発明の発明者らはまた、Toll様レセプターの数がヒト内皮細胞のsNAG処理によって上方制御され得ることを見出した。Toll様レセプター(「TLR(単数または複数)」)は、よく保存されたレセプターであり、先天性免疫の活性化を引き起こす細菌の成分の特定の分子パターンを認識するレセプターである。近年の研究では、ヒトデフェンシンの発現とTLRの活性化とが関連付けられている。特に、TLRの活性化はデフェンシンの合成の増加を引き起こし得る。従って、いずれの特定の作用機序によっても制限されるものではないが、sNAGナノファイバーは、Akt1の活性化を介して、先天性免疫および細菌の除去の刺激因子として作用し得る。

0064

従って、本明細書には、細菌の感染および細菌の感染に関連した疾患を予防および/または治療するための新しい方法としてのsNAGナノファイバーの利用が記載されている。特定の実施形態において、sNAGナノファイバーを用いた細菌の感染の治療は、患者における細菌の量を減少させる。特定の実施形態において、sNAGナノファイバーの利用は、創傷の閉鎖を促進し、同時に、創傷における細菌の感染を根絶する、低減させる、または予防する。

0065

〔5.1sNAGナノファイバー〕
本明細書には、sNAGナノファイバー組成物が記載されている。当該sNAGナノファイバー組成物は、ポリ−N−アセチルグルコサミンおよび/またはポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体の繊維を含んでおり、当該繊維の大多数は、当業者に知られた方法によって(例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)によって)測定した場合に、30ミクロン未満の長さであり、少なくとも長さ1ミクロンである。当該sNAGナノファイバーを、例えば、本明細書に記載されているように得てもよい。

0066

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、当業者に知られた方法によって(例えば、SEMによって)測定した場合に、長さが約30、25、20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、または3ミクロン未満であり、少なくとも1ミクロンである。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、当業者に知られた方法によって(例えば、SEMによって)測定した場合に、長さが約15ミクロン未満、もしくは約12ミクロン未満であり、少なくとも1ミクロンである。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの全て(100%)は、当業者に知られた方法によって(例えば、SEMによって)測定した場合に、長さが約15ミクロン未満であり、少なくとも1ミクロンである。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、当業者に知られた方法によって(例えば、SEMによって)測定した場合に、長さが14、13、12、11、10、9、8もしくは7ミクロン以下であり、少なくとも1ミクロンである。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、当業者に知られた方法によって(例えば、SEMによって)測定した場合に、長さが1〜15、2〜15、2〜14、1〜12、2〜12、1〜10、2〜10、3〜12、3〜10、1〜9、2〜9、3〜9、1〜8、2〜8、3〜8、4〜8、1〜7、2〜7、3〜7、4〜7、1〜6、1〜5、1〜4、または1〜3ミクロンの間である。

0067

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、当業者に知られた方法によって(例えば、SEMによって)測定した場合に、長さが約8、7、6、5、4、3または2ミクロンである。別の特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、当業者に知られた方法によって(例えば、SEMによって)測定した場合に、長さが約2〜約10ミクロン、約3〜8ミクロン、または約4〜約7ミクロンの間である。別の特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの全て(100%)は、当業者に知られた方法によって(例えば、SEMによって)測定した場合に、長さが約2〜約10ミクロン、約3〜8ミクロン、または約4〜約7ミクロンの間である。

0068

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、電子顕微鏡によって測定した太さおよび/または直径が0.005〜5ミクロンの間の範囲である。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、太さおよび/または直径が平均で約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.2、2.4、2.6、2.8、3または4ミクロンであるか、または例えば0.02〜2ミクロン、0.02〜1ミクロン、0.02〜0.75ミクロン、0.02〜0.5ミクロン、0.02〜0.5ミクロン、0.05〜1ミクロン、0.05〜0.75ミクロン、0.05〜0.5ミクロン、0.1〜1ミクロン、0.1〜0.75ミクロン、0.1〜0.5ミクロン等の間の範囲である。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、約0.02〜1ミクロンの太さまたは直径を有する。他の特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、約0.05〜0.5ミクロンの太さまたは直径を有する。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの全て(100%)は、約0.02〜1ミクロンまたは約0.05〜0.5ミクロンの太さまたは直径を有する。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、約0.02〜2ミクロン、0.02〜1ミクロン、0.02〜0.75ミクロン、0.02〜0.5ミクロン、0.02〜0.5ミクロン、0.05〜1ミクロン、0.05〜0.75ミクロン、0.05〜0.5ミクロン、0.1〜1ミクロン、0.1〜0.75ミクロン、または0.1〜0.5ミクロンの太さまたは直径を有する。

0069

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、長さが1ミクロンと15ミクロンとの間であり、約0.02〜1ミクロンの太さまたは直径を有する。

0070

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの分子量は、100kDa、90kDa、80kDa、75kDa、70kDa、65kDa、60kDa、55kDa、50kDa、45kDA、40kDa、35kDa、30kDa、または25kDa未満である。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、100kDa、90kDa、80kDa、75kDa、70kDa、65kDa、60kDa、55kDa、50kDa、45kDA、40kDa、35kDa、30kDa、または25kDa未満の分子量を有する。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、約5kDa〜100kDa、約10kDa〜100kDa、約20kDa〜100kDa、約10kDa〜80kDa、約20kDa〜80kDa、20kDa〜75kDa、約25kDa〜約75kDa、約30kDa〜約80kDa、約30kDa〜約75kDa、約40kda〜約80kDa、約40kDa〜約75kDa、約40kDa〜約70kDa、約50kDa〜約70kDa、または約55kDa〜約65kDaの間の分子量を有する。1つの実施形態において、上記sNAGナノファイバーの大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)は、約60kDaの分子量を有する。

0071

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの1%〜5%、5%〜10%、5%〜15%、20%〜30%または25%〜30%は脱アセチル化されている。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーの1%、5%、10%、15%、20%、25%、または30%は脱アセチル化されている。他の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%または1%未満は脱アセチル化されている。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%以上、または全て(100%)は脱アセチル化されている。他の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%未満は脱アセチル化されている。

0072

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの70%〜80%、75%〜80%、75%〜85%、85%〜95%、90%〜95%、90%〜99%または95%〜100%はアセチル化されている。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーの70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%はアセチル化されている。他の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、99.5%または99.9%を上回る数はアセチル化されている。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%以上、または全て(100%)はアセチル化されている。他の実施形態において、上記sNAGナノファイバーの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%未満はアセチル化されている。

0073

いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、少なくとも1つのグルコサミン単糖を含んでおり、さらにN−アセチルグルコサミン単糖の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%を含んでいてもよい。他の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、少なくとも1つのN−アセチルグルコサミン単糖を含んでおり、さらにグルコサミン単糖の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%を含んでいてもよい。

0074

1つの側面において、上記sNAGナノファイバーは、MTアッセイにおいて血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞(EC)の代謝率を増加させる。MTTアッセイは、細胞の増殖(cellular proliferation (cell growth))を測定するための実験室試験および標準的な比色アッセイ(色の変化を測定するアッセイ)である。要約すれば、生きている細胞のミトコンドリアにおいて、黄色のMTT(3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミドテトラゾール)は紫色のホルマザン還元される。当該還元は、ミトコンドリア還元酵素が活性である場合にのみ起こる。それゆえ、変換は生存(生きている)細胞の数と直接的に比較され得る。細胞の代謝率は当業者に一般的に知られている他の技術によって決定されてもよい。

0075

別の側面において、上記sNAGナノファイバーは、トリパンブルー排除試験において血清飢餓ECのアポトーシスを救済しない。トリパンブルー排除試験は、細胞懸濁物中に存在する生存細胞の数を決定するために使用される色素排除試験である。当該試験は、生きている細胞はトリパンブルー、エオジン、またはプロピジウム等の特定の色素を排除する無傷細胞膜(intact cell membranes)を有しており、一方死んでいる細胞は無傷の細胞膜を有していないという原理に基づいている。細胞の生存は当業者に一般的に知られている他の技術によって決定されてもよい。

0076

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物が記載されており、上記sNAGナノファイバーは、MTTアッセイにおいて血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞の代謝率を増加させ、かつ/または、トリパンブルー排除試験において血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救済しない。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、MTTアッセイにおいて血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞の代謝率を増加させ、かつ、トリパンブルー排除試験において血清飢餓ヒト臍帯静脈内皮細胞のアポトーシスを救済しない。

0077

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは生体適合性である。生体適合性は、種々の技術によって決定され得る。当該技術としては、特に限定されないが、例えば、溶出試験、筋肉内への埋め込み、または動物被験体への皮内注射もしくは全身投与(systemic injection)等の処置が包含される。上記試験は、米国特許第6,686,342号(例えば、実施例10参照)に記載されており、その内容は全て参照によって本明細書中に引用されるものとする。

0078

特定の実施形態において、本明細書中に記載されている方法に用いられるsNAGナノファイバーは生体適合性試験(単数または複数)において非反応性である。例えば、本明細書に記載されている方法に用いられるsNAGナノファイバーは、溶出試験、筋肉内への埋め込み試験、皮内試験、または全身性の試験において試験された場合に非反応性であり得る。他の実施形態において、本明細書に記載されている方法に用いられるsNAGナノファイバーは、溶出試験、筋肉内への埋め込み試験、皮内試験、または全身性の試験において試験された場合にグレード0またはグレード1である。さらに別の実施形態において、明細書に記載されている方法に用いられるsNAGナノファイバーは、溶出試験、筋肉内への埋め込み試験、皮内試験、および/または全身性の試験において試験された場合に、最大でも、軽度の反応性である。特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、例えば適用する部位において、アレルギー反応または炎症を引き起こさない。他の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、例えば適用する部位において、最大でも、軽度のアレルギー反応または軽度の炎症を引き起こす。関連する試験、および、試験結果の評価は、例えば、米国特許第6,686,342号(その内容は全て参照によって本明細書中に引用されるものとする)、および下記のセクション6.8に記載されている。

0079

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、筋肉内への埋め込み試験において試験された場合に、非反応性である。1つの側面において、筋肉内への埋め込み試験は、下記のセクション6.8.3に記載されているような、筋肉内への埋め込み試験(ISO 4週間の埋め込み)である。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、溶出試験によって決定される生物反応性を示さない(溶出試験グレード=0)。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、皮内注射試験によって決定される試験スコアが「0」に等しく、かつ/または、最大でも無視できる程度の刺激性である。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、Kligman試験において皮内での反応を引き起こさず(すなわち、グレードIの反応)、かつ/または、Kligman試験によって決定される弱いアレルギーポテンシャル(allergenic potential)を示す。

0080

特定の側面において、上記sNAGナノファイバーは、免疫的中性である(すなわち、当該sNAGナノファイバーは免疫反応を引き起こさない)。

0081

いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、生分解性である。上記sNAGナノファイバーは、患者に投与した後または埋め込んだ後、好ましくは、約1日、2日、3日、5日、7日(1週間)、8日、10日、12日、14日(2週間)、17日、21日(3週間)、25日、28日(4週間)、30日、1か月、35日、40日、45日、50日、55日、60日、2か月、65日、70日、75日、80日、85日、90日、3か月、95日、100日または4か月以内に分解される。

0082

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、検出可能な異物反応を引き起こさない。異物反応は、創傷治癒の間に起こり得るものであり、外傷部位における滲出液の蓄積、創面切除する炎症細胞浸潤、および肉芽組織の形成を包含する。異物が存在し続けることは、完全な治癒を阻害し得る。創傷治癒において起こる再吸収および再構築よりも、異物巨細胞の形成、異物の被包(encapsulation)、および慢性炎症によって、異物反応は特徴付けられる。被包は、異物の周り堆積する、固く、一般的に血管のないコラーゲンの殻が、宿主組織から異物を効果的に隔離することを指す。1つの実施形態において、上記sNAGナノファイバーを用いた部位(例えば、創傷、または創傷において細菌に感染した部位)の処理は、処理後、1日、3日、5日、7日、10日または14日間は異物反応を引き起こさない。上記実施形態の1つにおいて、上記sNAGナノファイバーを用いた部位(例えば、創傷)の処理は、処理後、1日、3日、5日、7日、10日または14日間は異物の被包を引き起こさない。

0083

いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、(i)繊維を含んでおり、当該繊維の大多数は長さが約1ミクロンと約15ミクロンとの間であり、かつ、(ii)(a)MTTアッセイにおいて血清飢餓ECの代謝率を増加させ、かつ/または、トリパンブルー排除試験において血清飢餓ECのアポトーシスを救済せず、かつ(b)筋肉内への埋め込み試験において試験された場合に、非反応性である。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、(i)繊維を含んでおり、当該繊維の大多数は長さが約1ミクロンと約12ミクロンとの間であり、かつ、(ii)(a)MTTアッセイにおいて血清飢餓ECの代謝率を増加させ、かつ/または、トリパンブルー排除試験において血清飢餓ECのアポトーシスを救済せず、かつ(b)筋肉内への埋め込み試験において試験された場合に、非反応性である。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、(i)繊維を含んでおり、当該繊維の大多数は長さが約4ミクロンと約7ミクロンとの間であり、かつ、(ii)(a)MTTアッセイにおいて血清飢餓ECの代謝率を増加させ、かつ/または、トリパンブルー排除試験において血清飢餓ECのアポトーシスを救済せず、かつ(b)筋肉内への埋め込み試験において試験された場合に、非反応性である。

0084

いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、当業者によって決定されるS. aureus等の細菌の増殖または生存に対して直接的な影響を与えない。他の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、下記のセクション6.2.2.5に記載されている方法によって決定されるように、S. aureus等の細菌の増殖または生存に対して直接的な影響を与えない。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、in vitroにおいて細菌の増殖または生存に対して直接的な影響を与えない。1つの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、(例えば、in vitroにおいて)グラム陰性細菌の増殖または生存に対して直接的な影響を与えない。別の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、(例えば、in vitroにおいて)グラム陽性細菌の増殖または生存に対して直接的な影響を与えない。さらに別の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、(例えば、in vitroにおいて)グラム陽性細菌またはグラム陰性細菌のどちらの増殖または生存に対しても直接的な影響を与えない。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーまたはsNAGナノファイバー組成物は、細菌(例えば、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌、または両方のタイプの細菌)に結合しない。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバー(例えば、50〜500μgのsNAGナノファイバー)を用いたin vitroにおける細菌培養物の培養は、10分間、30分間、1時間、2時間、3時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間または96時間の培養では、細菌の量を減少させない(上記細菌培養物はグラム陽性および/またはグラム陰性であり得る)。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバー(例えば、約80〜300μgまたは約100〜200μgのsNAGナノファイバー)を用いたin vitroにおけるS. aureusの培養物の培養は、2時間、3時間、6時間、または24時間の培養では、細菌の量を減少させない(上記細菌培養物はグラム陽性および/またはグラム陰性であり得る)。さらに他の実施形態において、例えば、Staphylococcusaureusの細菌培養物をin vitroにおいて上記sNAGナノファイバーを用いて処理/培養した場合に、上記sNAGナノファイバーはin vitroにおける細菌の増殖または生存を、1 log、0.9 log、0.8 log、0.75 log、0.7 log、0.6 log、0.5 log、0.4 log、0.3 log、0.25 log、0.2 log、0.1 log、0.05 log、または0.025 log未満減少させる。いくつかの実施形態において、例えば、Staphylococcus aureusの細菌培養物をin vitroにおいて上記sNAGナノファイバーを用いて処理/培養した場合に、上記sNAGナノファイバーはin vitroにおける細菌の増殖または生存を、1×104、2×104、3×104、4×104、5×104、6×104、7×104、8×104、9×104、または10×104cfu/ml未満減少させる。細菌の増殖または生存に対するsNAGナノファイバーの影響の試験、および試験結果の評価は、例えば、後述する実施例2(例えばセクション6.2.2.5)および図11Eに記載されている。

0085

いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、(i)繊維を含んでおり、当該繊維の大多数は長さが約1ミクロンと約15ミクロンとの間、約1ミクロンと約12ミクロンとの間、もしくは約4ミクロンと約7ミクロンとの間であり、(ii)in vitroにおいてStaphylococcus aureusの細菌培養物の細菌の増殖または生存に影響を与えず、かつ(b)生体適合性試験(例えば、筋肉内への埋め込み試験)において試験された場合に、非反応性である。

0086

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、sNAGナノファイバー組成物を用いて処理された、または、sNAGナノファイバー組成物に曝された細胞、組織または期間において、特定のパターンの遺伝子の発現(例えば、RT−PCR、マイクロアレイまたはELISAによって決定されるRNAまたはタンパク質の発現)を誘導する。具体的には、特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、1つ以上のデフェンシンタンパク質、1つ以上のデフェンシン様タンパク質、および/または1つ以上のToll様レセプターの発現を誘導する。さらに他の実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、抗菌効果を有すると知られている1つ以上のタンパク質の発現を誘導する。

0087

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、1つ以上のα−デフェンシン(例えば、DEFA1(すなわち、α−デフェンシン1)、DEFA1B、DEFA3、DEFA4、DEFA5、DEFA6)、1つ以上のβ−デフェンシン(例えば、DEFB1(すなわち、β−デフェンシン1)、DEFB2、DEFB4、DEFB103A、DEFB104A、DEFB105B、DEFB107B、DEFB108B、DEFB110、DEFB112、DEFB114、DEFB118、DEFB119、DEFB123、DEFB124、DEFB125、DEFB126、DEFB127、DEFB128、DEFB129、DEFB131、DEFB136)、および/または1つ以上のθ−デフェンシン(例えば、DEFT1P)の発現を誘導する。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、DEFA1、DEFA3、DEFA4、DEFA5、DEFB1、DEFB3、DEFB103A、DEFB104A、DEFB108B、DEFB112、DEFB114、DEFB118、DEFB119、DEFB123、DEFB124、DEFB125、DEFB126、DEFB128、DEFB129、およびDEFB131のうちの1つ以上の発現を誘導する。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、1つ以上のTollレセプター(例えば、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11、および/またはTLR12)の発現を誘導する。他の実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、IL−1、CEACAM3、SPAG11、SIGIRR(IL1様レセプター)、IRAK1、IRAK2、IRAK4、TBK1、TRAF6およびIKKiのうちの1つ以上の発現を誘導する。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、IRAK2、SIGIRR、TLR1、TLR2、TLR4、TLR7、TLR8、TLR10およびTRAF6のうちの1つ以上の発現を誘導する。1つの実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、上記遺伝子産物のうちの少なくとも1つの発現を誘導する。

0088

いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、上記sNAGナノファイバーを用いて処理する前の被験体の細胞、組織または器官における上記遺伝子のうちの1つ以上の発現のレベル(例えば、上記遺伝子のうちの1つ以上の発現において知られている平均的なレベル)に比べて、約0.25倍、0.5倍、1倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、12倍、15倍または20倍以上の量にて上記遺伝子のうちの1つ以上の発現を誘導する。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、上記sNAGナノファイバーを用いて処理する前の被験体の細胞、組織または器官における上記遺伝子のうちの1つ以上の発現のレベル(例えば、上記遺伝子のうちの1つ以上の発現において知られている平均的なレベル)の約10%、25%、50%、75%、100%、125%、150%、175%、200%、225%、250%、275%、300%、350%、400%、450%、500%、550%、600%、650%、700%、750%、800%、900%または1000%以上の量にて上記遺伝子のうちの1つ以上の発現を誘導する。

0089

いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバー(ただし、長いポリ−N−アセチルグルコサミン、キチンおよび/またはキトサンではない)は、当業者に知られている方法によって決定されるように、または本明細書に記載されているように、上記1つ以上の遺伝子の発現を誘導する。いくつかの実施形態において、長いポリ−N−アセチルグルコサミン、キチンおよび/またはキトサンは、当業者に知られている方法によって決定されるように、または本明細書に記載されているように、上記1つ以上の遺伝子の発現を誘導しないか、または上記sNAGナノファイバーによって誘導される上記1つ以上の遺伝子の発現のレベルに比べて、より低いレベル(例えば、1.25倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、または10倍を上回る倍率で低い)の上記1つ以上の遺伝子の発現を誘導する。

0090

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、下記のセクション6.2〜6.5の表I、II、III、V、VIIIおよびIXにおいて実証されている1つ以上の遺伝子発現プロファイルと一致、同様、ほぼ同一、または同等である遺伝子発現プロファイルを誘導する。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、下記のセクション6.2〜6.5の表I、II、III、V、VIIIおよびIXにおいてsNAG処理によって上方制御されることが示されている遺伝子のうちの1つ以上の発現を誘導する。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、下記のセクション6.2〜6.5の表I、II、III、V、VIIIおよびIXにおいてsNAG処理によって上方制御されることが示されている遺伝子の大多数または全ての発現を誘導する。上記実施形態のうちのいくつかにおいて、遺伝子発現のレベルは、当業者に知られている方法によって、または本明細書に記載されている方法によって、sNAGナノファイバーを用いた細胞、組織または器官の処理から1時間、2時間、4時間、5時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、16時間、18時間、20時間、24時間、48時間、3日または5日後に測定される。

0091

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、長いポリ−N−アセチルグルコサミンのポリマーまたは繊維によって誘導される遺伝子発現プロファイルとは異なる遺伝子発現プロファイルを誘導する。特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーによって誘導される遺伝子発現プロファイルは、下記のセクション6.2〜6.5の表I、II、III、V、VIIIおよびIXに示されている遺伝子発現プロファイルと一致、同様、ほぼ同一、または同等であり、一方、長いポリ−N−アセチルグルコサミンのポリマーまたは繊維によって誘導される遺伝子発現プロファイルは、下記のセクション6.5の表VIIIおよび/またはIXに示されている遺伝子発現プロファイルと一致、同様、ほぼ同一、または同等である。他の実施形態において、上記sNAGナノファイバー、または上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、キチンまたはキトサンによって誘導される遺伝子発現プロファイルとは異なる遺伝子発現プロファイルを誘導する。

0092

特定の実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、ポリ−N−アセチルグルコサミンおよび/またはポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体に放射線を照射することによって得られる。ポリ−N−アセチルグルコサミンおよびポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体に関しては下記のセクション5.1.1を、放射線照射に用いられるsNAGナノファイバーを生産する方法に関してはセクション5.2を参照されたい。放射線照射は、ポリ−N−アセチルグルコサミンの繊維および/またはポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体の繊維の長さを短縮し、短くなったポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンの繊維および/または短くなったポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体の繊維(すなわち、sNAGナノファイバー)を形成するために使用され得る。具体的には、放射線照射は、ポリ−N−アセチルグルコサミンおよび/またはポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体の微細構造破壊せずにそれらの長さおよび分子量を減少させるために使用され得る。sNAGナノファイバーの赤外線スペクトル(IR)は、放射線が照射されていないポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンまたはその誘導体と同様、ほぼ同一、または同等である。

0093

1つの実施形態において、上記sNAGナノファイバーは、キチンまたはキトサンに由来していない。一方、別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物がキチンまたはキトサンに由来していてもよく、または上記sNAGナノファイバーがキチンまたはキトサンに由来していてもよい。

0094

〔5.1.1ポリ−N−アセチルグルコサミンおよびその誘導体〕
米国特許第5,622,834号;第5,623,064号;第5,624,679号;第5,686,115号;第5,858,350号;第6,599,720号;第6,686,342号;第7,115,588号および米国特許公開第2009/0117175号(上記のそれぞれの内容は、参照によって本明細書中に引用される)には、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンおよびポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体、ならびにそれらの生産方法が記載されている。いくつかの実施形態において、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンは、β−1→4配置を有している。他の実施形態において、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンは、α−1→4配置を有している。上記ポリ−N−アセチルグルコサミンおよびポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体は、ポリマーの形態または繊維の形態であってもよい。

0095

ポリ−N−アセチルグルコサミンは例えば、微細藻類(好ましくは珪藻)によって生産されてもよく、当該微細藻類から精製されてもよい。上記ポリ−N−アセチルグルコサミンの生産の出発源として使用され得る珪藻には、特に限定されないが、Coscinodiscus属、Cyclotella属、およびThalassiosira属の種が包含される。ポリ−N−アセチルグルコサミンを、当該分野にて公知の機械力法および化学的/生物学的方法を包含する様々な方法を介して、珪藻培養物から得てもよい(例えば、米国特許第5,622,834号;第5,623,064号;第5,624,679号;第5,686,115号;第5,858,350号;第6,599,720号;第6,686,342号;および第7,115,588号参照。上記のそれぞれの内容は、全て参照によって本明細書中に引用される)。特定の実施形態において、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンは、以下のうちの1つ以上には由来していない:、甲殻類、昆虫、菌類または酵母

0096

1つの実施形態において、ポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンは、a)N−アセチルグルコサミンポリマー繊維細胞体から分離することが可能な生物学的薬剤(例えば、例えばフッ化水素系)を用いて、細胞体およびポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンポリマー繊維を含んでいる微細藻類を処理し、当該ポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンポリマー繊維を細胞体から放出させる工程;b)上記ポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンポリマー繊維を細胞体から分離させる工程;ならびにc)分離されたポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンポリマー繊維から混入物質を除去し、ポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンポリマーを単離および精製する工程を含んでいる処理に由来する。

0097

他の実施形態において、上記ポリ−β−1→4−N−アセチルグルコサミンは、以下のうちの1つ以上に由来していてもよい:貝、甲殻類、昆虫、菌類または酵母。特定の実施形態において、本願に記載されている組成物はキチンまたはキトサンを含んでいない。

0098

上記ポリ−N−アセチルグルコサミンの単糖ユニットの1つ以上は、脱アセチル化されていてもよい。特定の実施形態において、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンの1%〜5%、5%〜10%、5%〜15%、20%〜30%または25%〜30%は脱アセチル化されている。いくつかの実施形態において、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンの1%、5%、10%,15%、20%、25%、または30%は脱アセチル化されている。他の実施形態において、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンの30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%または1%未満は脱アセチル化されている。いくつかの実施形態において、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%以上、または全て(100%)は脱アセチル化されている。他の実施形態において、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%未満は脱アセチル化されている。

0099

特定の実施形態において、ポリ−N−アセチルグルコサミン組成物は、アセチル化されたグルコサミン(すなわち、N−アセチルグルコサミン)単糖の70%〜80%、75%〜80%、75%〜85%、85%〜95%、90%〜95%、90%〜99%または95%〜100%を含んでいる。いくつかの実施形態において、ポリ−N−アセチルグルコサミン組成物は、アセチル化されたグルコサミン(すなわち、N−アセチルグルコサミン)単糖の70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%または100%を含んでいる。他の実施形態において、ポリ−N−アセチルグルコサミン組成物は、アセチル化されたグルコサミンの70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、99.5%または99.9%を上回る割合のアセチル化されたグルコサミンを含んでいる。いくつかの実施形態において、ポリ−N−アセチルグルコサミン組成物は、アセチル化されたグルコサミンの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%もしくは99%以上、または全て(100%)を含んでいる。他の実施形態において、ポリ−N−アセチルグルコサミン組成物は、アセチル化されたグルコサミンの1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%未満を含んでいる。

0100

いくつかの実施形態において、ポリ−N−アセチルグルコサミン組成物は、少なくとも1つのグルコサミン単糖を含んでおり、さらにN−アセチルグルコサミン単糖の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%を含んでいてもよい。他の実施形態において、ポリ−N−アセチルグルコサミン組成物は、少なくとも1つのN−アセチルグルコサミン単糖を含んでおり、さらにグルコサミン単糖の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%を含んでいてもよい。

0101

ポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体もまた、本明細書中に記載されている組成物中に使用され得る。ポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体、および当該誘導体の製造方法は、米国特許第5,623,064号に記載されており(例えば、セクション5.4参照)、その内容は全て参照によって本明細書中に引用される。ポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体としては、特に限定されないが、部分的に、または完全に脱アセチル化されたポリ−N−アセチルグルコサミン、またはその脱アセチル化された誘導体が包含される。さらに、ポリ−N−アセチルグルコサミンは、硫酸化リン酸化および/または硝酸化されることによって誘導体化されてもよい。ポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体としては、例えば、硫酸化されたポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体、リン酸化されたポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体、または硝酸化されたポリ−N−アセチルグルコサミンの誘導体が包含される。さらに、ポリ−N−アセチルグルコサミンの単糖ユニットの1つ以上は、1つ以上のスルホニル基、1つ以上のO−アシル基を含んでいてもよい。さらに、上記脱アセチル化されたポリ−N−アセチルグルコサミンの単糖の1つ以上は、N−アシル基を含んでいてもよい。ポリ−N−アセチルグルコサミン、またはその脱アセチル化された誘導体の単糖の1つ以上は、O−アルキル基を含んでいてもよい。ポリ−N−アセチルグルコサミンの単糖の1つ以上は、アルカリ誘導体であってもよい。ポリ−N−アセチルグルコサミンの脱アセチル化された誘導体の単糖ユニットの1つ以上は、N−アルキル基を含んでいてもよい。ポリ−N−アセチルグルコサミンの脱アセチル化された誘導体の単糖ユニットの1つ以上は、少なくとも1つのデオキシハロゲン誘導体を含んでいてもよい。ポリ−N−アセチルグルコサミンの脱アセチル化された誘導体の単糖ユニットの1つ以上は、塩を形成してもよい。ポリ−N−アセチルグルコサミンの脱アセチル化された誘導体の単糖ユニットの1つ以上は、金属キレートを形成してもよい。特定の実施形態において、上記金属は亜鉛である。ポリ−N−アセチルグルコサミンの脱アセチル化された誘導体の単糖ユニットの1つ以上は、N−アルキリデン基またはN−アリリデン基を含んでいてもよい。1つの実施形態において、上記誘導体は、酢酸塩誘導体である。別の実施形態において、上記誘導体は、酢酸塩誘導体ではない。1つの実施形態において、ポリ−N−アセチルグルコサミンまたは脱アセチル化されたポリ−N−アセチルグルコサミンは、酪酸を用いて誘導体化される。別の実施形態において、上記誘導体は酪酸を用いて誘導体化されない。

0102

〔5.2sNAGナノファイバーの製造方法〕
上述したポリ−N−アセチルグルコサミンのポリマーもしくは繊維、ならびにポリ−N−アセチルグルコサミンのポリマーもしくは繊維の誘導体は、乾燥したポリマーもしくは繊維、またはポリマーもしくは繊維の膜として放射線を照射され得る。また、上述したポリ−N−アセチルグルコサミンのポリマーもしくは繊維、ならびにポリ−N−アセチルグルコサミンのポリマーもしくは繊維の誘導体は、湿っている状態で放射線を照射され得る。放射線照射によるsNAGナノファイバーの製造方法、および製造されたsNAGナノファイバーは、米国特許公開第2009/0117175号に記載されており、その内容は、全て参照によって本明細書中に引用される。

0103

特定の実施形態において、上記ポリ−N−アセチルグルコサミンのポリマーまたは繊維は、放射線照射のために、懸濁物/スラリーまたはウェットケーキ(wet cake)として形成される。放射線照射は、上記ポリマーまたは繊維を最終的な剤形(例えば、包帯)へと製剤化する前、製剤化と同時、または製剤化した後に行われ得る。一般的に、懸濁物/スラリーまたはウェットケーキ中のポリマーまたは繊維の含有量は様々である。例えば、スラリーの形成のために蒸留水1mlあたりに約0.5mg〜約50mgのポリマーまたは繊維が使用され、 ウェットケーキの形成のために蒸留水1mlあたりに約50mg〜約1000mgのポリマーまたは繊維が使用される。上記ポリマーまたは繊維は、懸濁物/スラリーまたはウェットケーキをより形成しやすくするために、まず凍結乾燥され、液体窒素中で凍結され、粉砕され得る。また、上記懸濁物/スラリーは、水分を除去してウェットケーキを形成するために濾過され得る。特定の側面において、上記ポリマーまたは繊維は、蒸留水1mlあたりに約0.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、12mg、15mg、18mg、20mg、25mg もしくは50mgのポリマーもしくは繊維、または上述の実施形態の間のいずれかの範囲(例えば、1〜10mg/ml、5〜15mg/ml、2〜8mg/ml、20〜50mg/ml等)のポリマーまたは繊維を含んでいる懸濁物として放射線を照射され得る。他の側面において、上記ポリマーまたは繊維は、蒸留水1mlあたりに約50〜1,000mgのポリマーまたは繊維を含んでいるウェットケーキとして放射線を照射され得る。特定の実施形態において、上記ウェットケーキは、蒸留水1mlあたりに約50、100、200、300、400、500、600、700、800、900 もしくは1000mgのポリマーもしくは繊維、またはその間のいずれかの範囲(例えば、100〜500mg/ml、300〜600mg/ml、50〜1000mg/ml等)のポリマーまたは繊維を含んでいる。

0104

上記放射線の照射は、ガンマ線照射、e−ビーム照射、またはx線の形態であることが好ましい。照射源は2つであることが好ましい:放射性原子核および電気。特定の実施形態において、上記放射性原子核は、コバルト−60およびセシウム−137である。上記原子核両方とも、質量を持たない光子であるガンマ線放射する。上記ガンマ線は0.66〜1.3MeVのエネルギーを有している。電気を使えば、電子が発生し、エネルギーが10MeV以上まで高められる。ポリマーまたは繊維に放射線を照射してサイズを縮小する場合に考慮するべきことは、水と同様の密度を有する物質に対する10MeVの電子による透過(penetration)の深さは、片側からの曝露で約3.7cm、または両側からの曝露で約8.6cmに制限されるということである。透過の深さは、より低い電子エネルギーで減少する。電子エネルギーは、金属(通常はタングステンまたはタンタル)の標的を電子ビーム経路中に配置することによってx線に変換され得る。x線への変換は、5MeVまでのエネルギーを有する電子に制限される。x線は質量を持たない光子であり、ガンマ線と同様にポリマーまたは繊維を透過し得る。電子エネルギーのx線への変換はたった約8%の効率である。低い変換効率の原因となるx線生産施設においては、高性能電子ビーム装置が必要とされている。

0105

特定の実施形態において、上記放射線の照射は、ガンマ線の照射である。

0106

放射線の吸収線量は、生産物単位重量あたりに吸収されたエネルギーであり、グレイ(gy)またはキログレイ(kgy)で測定される。乾燥されたポリマーまたは繊維において、好ましい吸収線量は、約500〜2,000kgyの放射線であり、最も好ましくは約750〜1,250kgyまたは約900〜1,100kgyの放射線である。湿ったポリマーまたは繊維において、好ましい吸収線量は、約100〜500kgyの放射線であり、最も好ましくは約150〜250kgyまたは約200〜250kgyの放射線である。

0107

上記放射線照射量は、上記ポリマーまたは繊維の長さにおける当該照射量の効果の観点から記載され得る。特定の実施形態において、使用された放射線照射量によって、好ましくは、ポリマーまたは繊維の長さが当該ポリマーまたは繊維の当初の長さの約10%〜90%のいずれかで減少する。特定の実施形態において、平均的な長さは、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、もしくは約90%、またはその間のいずれかの範囲(例えば20〜40%、30〜70%等)で減少する。または、使用された放射線照射量によって、好ましくは、上記ポリマーまたは繊維の長さが1〜100ミクロンのいずれかまで減少する。特定の実施形態においては当初の繊維の長さに依存して、上記ポリマーまたは繊維の平均的な長さが約15ミクロン未満、約14ミクロン未満、約13ミクロン未満、約12ミクロン未満、約11ミクロン未満、約10ミクロン未満、約8ミクロン未満、約7ミクロン未満、約5ミクロン未満、約4ミクロン未満、約3ミクロン未満、2ミクロン未満、または1ミクロン未満まで減少する。特定の実施形態において、上記ポリマーまたは繊維の大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)の長さは、約20ミクロン以下、約15ミクロン以下、約12ミクロン以下、約10ミクロン以下、約8ミクロン以下、約7ミクロン以下、または約5ミクロン以下まで減少する。特定の実施形態において、上記ポリマーまたは繊維に対する放射線照射によって、上記繊維の大多数(特定の実施形態において、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間)の長さは、約1〜20ミクロンの間、約1〜15ミクロンの間、約2〜15ミクロンの間、約1〜12ミクロンの間、約2〜12ミクロンの間、約1〜10ミクロンの間、約2〜10ミクロンの間、約1〜8ミクロンの間、約2〜8ミクロンの間、約1〜7ミクロンの間、約2〜7ミクロンの間、約3〜8ミクロンの間、約4〜7ミクロンの間、約1〜5ミクロンの間、約2〜5ミクロンの間、約3〜5ミクロンの間、約4〜10ミクロンの間のいずれか、または同様に包含される上記の長さの間のいずれかの範囲へと減少する。

0108

上記放射線照射量はまた、上記ポリマーまたは繊維の分子量における当該照射量の効果の観点から記載され得る。特定の実施形態において、使用された放射線照射量によって、好ましくは、ポリマーまたは繊維の分子量が、当該ポリマーまたは繊維の当初の分子量の約10%〜90%のいずれかで減少する。特定の実施形態において、平均的な分子量は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、もしくは約90%、またはその間のいずれかの範囲(例えば20〜40%、30〜70%等)で減少する。または、使用された放射線照射量によって、好ましくは、上記ポリマーまたは繊維の分子量が1,000〜1,000,000ダルトンのいずれかまで減少する。特定の実施形態においては当初の分子量に依存して、上記ポリマーまたは繊維の平均的な分子量が1,000,000ダルトン未満、750,000ダルトン未満、500,000ダルトン未満、300,000ダルトン未満、200,000ダルトン未満、100,000ダルトン未満、90,000ダルトン未満、80,000ダルトン未満、70,000ダルトン未満、60,000ダルトン未満、50,000ダルトン未満、25,000ダルトン未満、10,000ダルトン未満、または5,000ダルトン未満まで減少する。特定の実施形態において、上記平均的な分子量は、500ダルトン以上、1,000ダルトン以上、2,000ダルトン以上、3,500ダルトン以上、5,000ダルトン以上、7,500ダルトン以上、10,000ダルトン以上、25,000ダルトン以上、50,000ダルトン以上、60,000ダルトン以上、または100,000ダルトン以上まで減少する。上述の平均的な分子量の間のいずれかの範囲もまた包含される;例えば、特定の実施形態において、上記ポリマーまたは繊維に対する放射線照射は、上記平均的な分子量を10,000〜100,000ダルトンの間、1,000〜25,000ダルトンの間、50,000〜500,000ダルトンの間、25,000〜100,000ダルトンの間、30,000〜90,000ダルトンの間、約40,000〜80,000ダルトンの間、約25,000〜75,000ダルトンの間、約50,000〜70,000ダルトンの間、または約55,000〜65,000ダルトンの間等のいずれかまで減少させる。特定の実施形態において、上記ポリマーまたは繊維に対する放射線照射は、上記ポリマーまたは繊維の大多数の分子量を減少させ、特定の実施形態においては、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間の繊維を約20,000〜100,000ダルトン、約25,000〜75,000ダルトン、約30,000〜90,000ダルトン、約40,000〜80,000ダルトン、約50,000〜70,000ダルトン、または約55,000〜65,000ダルトンの間のいずれかまで減少させる。特定の実施形態において、上記ポリマーまたは繊維に対する放射線照射は、上記ポリマーまたは繊維の大多数の分子量を減少させ、特定の実施形態においては、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、もしくは100%、または55%〜65%、55%〜75%、65%〜75%、75%〜85%、75%〜90%、80%〜95%、90%〜95%、もしくは95%〜99%の間の繊維を約60,000ダルトンまで減少させる。

0109

放射線照射の後、スラリーを濾過して乾燥させ、またウェットケーキを乾燥させて、本発明の実施において有用な組成物(例えば、包帯、および本明細書に記載されている他の組成物)を形成することができる。

0110

〔5.3sNAGナノファイバーを含んでいる組成物〕
上記sNAGナノファイバーは、本明細書に記載されているような局所的な投与のための種々の組成物として製剤化されていてもよい。

0111

上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、クリーム、膜、フィルム、溶液、懸濁物、粉末、ペースト、軟膏、坐薬、ゼラチン様組成物、エアロゾル、ゲル、またはスプレーとして製剤化されていてもよい。1つの実施形態において、上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、極薄膜として製剤化されていてもよい。いくつかの実施形態において、上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、包帯、マット、または包帯として製剤化されていてもよい。投与前の液体に含まれる溶液または懸濁物において好適な固体の製剤もまた、検討されている。当該組成物が、抗菌活性が有効となり得る、整形外科用インプラント肩用ピン、ねじ等)、心臓血管インプラントステントカテーテル等)等の埋め込み型の装置に組み込まれたり、または当該装置上にコーティングされたりする可能性もある。

0112

上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤の1つ以上を含んでいてもよい。好適な賦形剤は、水、生理食塩水食塩水D型グルコースグリセロールエタノール等、またはそれらの組み合わせを含み得る。好適な賦形剤はまた、デンプン、グルコース、ラクトーススクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉チョークシリカゲルステアリン酸ナトリウムグリセロールモノステアレート、油(ピーナッツ油大豆油鉱物油ごま油等の、石油、動物、植物、または合成に由来する油を包含する)、タルク塩化ナトリウム、乾燥したスキムミルクプロピレングリコール等を含んでいる。さらに、上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、湿潤剤乳化剤、pH緩衝剤、および他の薬剤のうちの1つ以上を含んでいてもよい。上記sNAGナノファイバー組成物はまた、生理学的に許容可能な担体に組み込まれていてもよく、例えば、局所適用に好適な生理学的に許容可能な担体に組み込まれていてもよい。用語「薬学的に許容可能」とは、連邦政府もしくは州政府に認可されていること、または米国薬局方もしくは動物(特にヒト)における使用についての他の一般的に認められている薬局方に記載されていることを意味する。好適な薬学的に許容可能な担体の例はE.W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。

0113

組成物中の上記sNAGナノファイバーの最終的な量は様々であり得る。例えば、組成物(例えば、患者に投与するために調整された組成物)中の上記sNAGナノファイバーの量は、体積あたりの重量で約50%、約60%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約98%、または約99%以上であり得る。1つの実施形態において、組成物中の上記sNAGナノファイバーの量は約95%、約98%、約99、または約100%である。また、組成物(例えば、患者に投与するために調整された組成物)中の上記sNAGナノファイバーの量は、体積あたりの重量で約50%〜100%、約60%〜100%、約70%〜100%、約75%〜100%、約80%〜100%、約90%〜100%、約95%〜100%、約70%〜95%、約75%〜95%、約80%〜95%、約90%〜95%、約70%〜90%、約75%〜90%、または約80%〜90%であってもよい。組成物は、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、90%、95%または99%を上回る濃度の上記sNAGナノファイバーの溶液を含んでいてもよい。

0114

sNAGナノファイバー組成物は、創傷包帯として製剤化されていてもよい。特定の実施形態において、sNAGナノファイバー組成物は、バリア(barrier)、膜、またはフィルムの形態で創傷包帯として製剤化されていてもよい。または、sNAGナノファイバー組成物は、バリア、膜、またはフィルム等の包帯の基材に添加されてもよい。バリア、膜、またはフィルムは種々の標準的なサイズで供給され、さらに切断し、治療する領域のサイズに合わせることができる。上記基材は、患者への投与の前に、ポリマーまたは繊維が添加またはコーティングされている包帯またはガーゼ等の従来の包帯材料であってもよい。または、上記sNAGナノファイバーが、ひもマイクロビーズミクロスフィア、または微小繊維から製造されたバリア、膜、またはフィルムとして製剤化されてもよく、または上記組成物がバリア形成マットとして製剤化されていてもよい。特定の実施形態において、包帯の少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%は上記sNAGナノファイバーから構成されている。特定の側面において、包帯は、ガーゼまたは包帯等の従来の包帯材料を含んでいない。当該実施形態においては、上記sNAGナノファイバー自体が、創傷包帯として製剤化されている。

0115

上記sNAGナノファイバーを含んでいる組成物は、いずれかの好適な天然のポリマーもしくは繊維または合成されたポリマーもしくは繊維をさらに含んでいてもよい。好適なポリマーまたは繊維の例としては、セルロースポリマーキサンポリアラミドポリアミドポリイミド、ポリアミド/イミド、ポリアミドヒドラジドポリヒドラジドポリイミダゾールポリベンゾオキサゾールポリエステルアミド、ポリエステル/イミド、ポリカーボネート/アミド、ポリカーボネート/イミド、ポリスルホン/アミド、ポリスルホン/イミド等、コポリマーおよびそれらの混合物が包含される。他の好適なポリマーまたは繊維の種類としては、ポリフッ化ビニリデンおよびポリアクリロニトリルが包含される。上記ポリマーまたは繊維の例としては、米国特許RE 30,351号;第4,705,540号;第4,717,393号;第4,717,394号;第4,912,197号;第4,838,900号;第4,935,490号;第4,851,505号;第4,880,442号;第4,863,496号;第4,961,539号;および欧州特許出願0 219 878に記載されているポリマーまたは繊維が包含され、上記文献の内容は全て参照によって引用される。上記ポリマーまたは繊維は、セルロースポリマー、ポリアミド、ポリアラミド、ポリアミド/イミド、またはポリイミドのいずれかのうちの少なくとも1つが含んでいる。特定の実施形態において、上記ポリマーまたは繊維は、ポリアラミド、ポリエステル、ウレタンおよびポリテトラフルオロエチレンを含んでいる。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、2つ以上の種類のポリマーを含んでいる(例えば、上記sNAGナノファイバーおよびセルロース)。

0116

特定の側面において、上記sNAGナノファイバーは、組成物中の唯一の活性成分である。

0117

他の実施形態において、組成物は、例えば、抗菌効果および/または治癒(例えば創傷の治癒)を促進するために、1つ以上の追加の活性成分を含んでいる。いくつかの実施形態において、上記追加の活性成分は、1つ以上の抗菌剤(例えば、抗生物質、デフェンシンペプチド、デフェンシン様ペプチド、またはTollレセプター様ペプチド)、または成長因子である。特定の実施形態において、上記追加の活性成分は、例えば、PDGF−AA、PDGF−AB、PDGF−BB、PDGF−CC、PDGF−DD、FGF−1、FGF−2、FGF−5、FGF−7、FGF−10、EGF、TGF−α、(HB−EGF)、アンフィレグリンエピレグリンベータセルリンニューレグリンエピゲン(epigen)、VEGF−A、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、VEGF−E、胎盤成長因子(PLGF)、アンジオポエチン−1、アンジオポエチン−2、IGF−I、IGF−II、肝細胞成長因子HGF)、およびマクロファージ刺激タンパク質(MSP)のうちの1つ以上の成長因子である。他の実施形態において、上記追加の活性成分は、免疫システムを促進する薬剤、鎮痛剤または解熱剤(fever relief agent)である。

0118

特定の実施形態において、上記追加の活性成分は、以下の種類の抗生物質のうちの1つの抗生物質である:マイクロライド系(例えば、エリスロマイシン、アジスロマイシン)、アミノグリコシド系(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン)、セファロスポリン系(例えば、セファドロキシル、セファクロール、セフォタキシム、セフェピム)、フルオロキノロン系(例えば、シプロフロキサシン、レボフロキサシン)、ペニシリン系(例えば、ペニシリン、アンピシリン、アモキシシリン)、テトラサイクリン系(例えば、テトラサイクリン、ドキシサイクリン)、およびカルバペネム系(例えば、メロペネム、イミペネム)。いくつかの特定の実施形態において、上記追加の活性成分は、バンコマイシンサルファ剤(例えば、コトリモキサゾール/トリメトプリムスルファメトキサゾール)、テトラサイクリン(例えば、ドキシサイクリン、ミノサイクリン)、クリンダマイシンオキサゾリジノン(例えばリネゾリド)、ダプトマイシンテイコプラニンキヌプリスチンダルフォプリスチンシナシッド)、チゲサイクリンアリシンバシトラシンニトロフラントイン過酸化水素ノボビオシン、ネチルミシン、メチルグリオキサルハチデフェンシン−1、トブラマイシングルコン酸クロルヘキシジン(chlorhexidine digluconate)、グルコン酸クロルヘキシジン(chlorhexidine gluconate)、レボフロキサシン、亜鉛、および銀のうちの1つ以上である。いくつかの実施形態において、組成物は、上記sNAGナノファイバーと、S. auresの感染、MRSAの感染、Pseudomonasの感染、もしくはC. dificuleの感染を治療もしくは予防するために効果的な薬剤、または上記感染を治療もしくは予防するために一般的に使用される薬剤(例えば、上記感染に対して効果的な抗生物質、または上記感染に対して一般的に使用される抗生物質)とを含んでいる。

0119

sNAGナノファイバー組成物は、コラーゲンを含んでいてもよいが、特定の側面においては、sNAGナノファイバー組成物は、コラーゲンを含んでいない。

0120

特定の実施形態において、sNAGナノファイバー組成物は、いずれの追加の治療法も含んでいない。特定の実施形態において、sNAGナノファイバー組成物は、いずれの追加の抗菌剤、デフェンシンペプチド、デフェンシン様ペプチド、Tollレセプター様ペプチド、または成長因子を含んでいない。いくつかの実施形態において、sNAGナノファイバー組成物は抗生物質を含んでいない。さらに他の実施形態において、sNAGナノファイバー組成物は、追加の治療法(例えば、抗生物質)を含んでいてもよい。上記実施形態の1つにおいて、上記追加の治療法(例えば、抗生物質)は、上記sNAGナノファイバー中にて被包、固定または製剤化されない。

0121

他の側面において、sNAGナノファイバー組成物は、顕著な量のタンパク質を含んでいない。特定の実施形態において、sNAGナノファイバー組成物中のタンパク質の含有量は、0.1重量%、0.5重量%または1重量%以下である。他の実施形態において、上記組成物中のタンパク質の含有量は、クマシー染色によって検出することが不可能である。

0122

1つの実施形態においては、亜鉛もsNAGナノファイバー組成物中に含まれている。抗菌特性に加えて、亜鉛は創傷治癒においても役割を果たす(Andrews et al., 1999, Adv Wound Care 12:137-8参照)。上記亜鉛は、酸化亜鉛硫酸亜鉛酢酸亜鉛、またはグルコン酸亜鉛等の塩の形態で加えられることが好ましい。

0123

〔5.4 sNAG組成物の抗菌性の利用〕
様々な細菌の感染または細菌の感染に関連した疾患が、本明細書に記載されているsNAGナノファイバー組成物の投与によって治療および/または予防され得る(例えば、下記のセクション5.4.1および5.4.2参照)。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は静菌性である。別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は殺菌性である。実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、グラム陽性細菌による感染および/または当該感染に関連したいずれかの疾患を治療および/または予防するために使用されてもよい。別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、グラム陰性細菌による感染および/または当該感染に関連したいずれかの疾患を治療および/または予防するために使用されてもよい。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、グラム陰性細菌およびグラム陽性細菌の両方による感染および/または当該感染に関連したいずれかの疾患を治療および/または予防するために使用されてもよい。

0124

本明細書に記載されている組成物を用いて治療および/または予防され得る細菌の感染には、Aquaspirillum科、Azospirillum科、Azotobacteraceae科、Bacteroidaceae科、Bartonella種、Bdellovibrio科、Campylobacter種、Chlamydia種(例えば、Chlamydia pneumoniae)、クロストリジウム、Enterobacteriaceae科(例えば、Citrobacter種、エドワードシエラ属、Enterobacter aerogenes、Erwinia種、Escherichia coli、ハフニア属の種、Klebsiella種、モルガネラ属の種、Proteus vulgaris、プロビデンシア属、Salmonella種、Serratia marcescens、およびShigella flexneri)、Gardinella科、Haemophilus influenzae、Halobacteriaceae科、Helicobacter科、Legionallaceae科、Listeria種、Methylococcaceae科、マイコバクテリア(例えばMycobacterium tuberculosis)、Neisseriaceae科、Oceanospirillum科、Pasteurellaceae科、Pneumococcus種、Pseudomonas種、Rhizobiaceae科、Spirillum科、Spirosomaceae科、Staphylococcus(例えば、メチシリン耐性Staphylococcus aureusおよびStaphylococcus pyrogenes)、Streptococcus(例えば、Streptococcus enteritidis、Streptococcus fasciae、およびStreptococcus pneumoniae)、Vampirovibr Helicobacter科、および/またはVampirovibrio科の細菌による感染が包含される。特定の実施形態において、上記細菌による感染によって引き起こされる疾患、または上記細菌による感染と関連した疾患はまた、本明細書に記載されている組成物を用いて予防および/または治療され得る。

0125

本明細書に記載されている組成物を用いて治療および/または予防され得る細菌の感染には、以下の属の細菌による感染も包含される:Bordetella, Borrelia, Brucella, Campylobacter, ChlamydiaおよびClamidophylia, Clostridium, Corynebacterium, Enterococcus, Escherichia, Francisella, Haemophilus, Helicobacter, Legionella, Leptospira, Listeria, Mycobacterium, Mycoplasma, Neisseria, Pseudomonas, Rickettsia, Salmonella, Shigella, Staphylococcus, Streptococcus, Treponema, Vibria, および/またはYersinia。特定の実施形態において、上記細菌による感染によって引き起こされる疾患、または上記細菌による感染と関連した疾患はまた、本明細書に記載されている組成物を用いて予防および/または治療され得る。

0126

本明細書に記載されている組成物を用いて治療および/または予防され得る細菌の感染には、以下の種の細菌による感染も包含される:Bacillus anthracis, Bordetella pertussis, Borrelia burgdorferi, Brucella abortus, Brucella canis, Brucella melitensis, Brucella suis, Campylobacter jejuni, Chlamydia pneumonia, Chlamydia trachomatis, Clamidophila psittaci, Clostridium botulinum, Clostridium difficule, Clostridium perfringens, Clostridium tetani, Corynebacterium diphtheriae, Enterococcus faecalis, Enterococcus faecium, Escherichia coli, Francisella tularensis, Haemophilus influenae, Helicobacter pylori, Legionella pneumphila, Leptospira pneumophila, Leptospira interrogans, Listeria monocytogenes, Mycobacterium leprae, Mycobacterium tuberculosis, Mycoplasma pneumoniae, Neisseria gonorrhoeae, Neisseria meningitides, Pseudomonas aeruginosa, Proteus mirabilis, Rickettsia rickettsii, Salmonella typhi, Salmonella typhimurium, Shigella sonnei, Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Staphylococcus saprophyticus, Streptococcus agalactiae, Streptococcus pneumonia, Streptococcus pyogenes, Treponema pallidum, Vibriacholerae, および/またはYersinia pestis。特定の実施形態において、上記細菌による感染によって引き起こされる疾患、または上記細菌による感染と関連した疾患はまた、本明細書に記載されている組成物を用いて予防および/または治療され得る。

0127

いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、好気性細菌による感染および/または当該感染に関連した疾患を予防および/または治療するために使用され得る。他の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、嫌気性細菌による感染および/または当該感染に関連した疾患を予防および/または治療するために使用され得る。

0128

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、Pseudomonas aeruginosaの感染を予防および/または治療するために使用される。Pseudomonasは、土壌、水、他の湿潤性の環境、植物および動物において見られるグラム陰性の好気性細菌であり、当該細菌の臨床分離株青緑色の色素であるピオシアニンおよび特徴的な甘い匂いを産生する。Pseudomonas aeruginosaは、尿路感染、肺炎、呼吸器系感染、皮膚炎軟組織感染、菌血骨関節感染、胃腸感染、および種々の全身感染症を引き起こすことで知られている。Pseudomonas aeruginosaは、特にやけどを負った患者、嚢胞性線維症の患者、免疫不全の患者(例えば、AIDSおよび癌患者)、および1週間を超えて入院している患者における感染の重要な原因として知られている。Pseudomonas aeruginosaは、例えば、以下に限定されないが、肺炎、尿路感染、菌血の院内感染を頻繁に引き起こす。上記感染のいずれか、または全ては本明細書に記載されている組成物によって予防および/または治療され得る。

0129

いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、Staphの感染(特にStaphylococcus aureusの感染)を予防および/または治療するために使用される。本明細書に記載されている、本実施形態および他の実施形態におけるsNAGナノファイバー組成物の利用は、抗生物質に依存しない細菌の感染の解消を可能にするとともに、耐性を有する生物の発生を防ぎ得る。

0130

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、1つ以上の抗菌剤に対して耐性を有する細菌に対抗するために使用され得る。例えば、本明細書に記載されている組成物は、1つ以上の抗生物質に対して耐性を有する細菌を処置するために使用され得る。上記細菌の例としては、例えば、MRSA(メチシリン耐性Staphylococcus aureus)、VRSA(バンマイシン耐性S. aureus)、VRE(バンノマイシン耐性Enterococus)、ペニシリン耐性Enterococcus、PRSP(ペニシリン耐性Streptococcus pneumonia)、イソニアジドリファンピン耐性Mycobacterium tuberculosisおよび他の抗生物質耐性株の細菌(例えば、E. coli, Salmonella, Campylobacter, およびStreptococciの耐性株)等の、従来の抗生物質に対して耐性を有する細菌が挙げられる。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、多剤耐性細菌を処置するために使用され得る。

0131

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(「MRSA」;多剤耐性Staphylococcus aureusまたはオキサシリン耐性Staphylococcus aureus(ORSA))を処置および/または予防するために使用され得る。MRSAは、ベータラクタム系抗生物質に対する耐性を発達させているStaphylococcus aureusのあらゆる株である。上記ベータラクタム系抗生物質には、限定はされないが、ペニシリン(ペニシリン、メチシリンジクロキサシリンナフシリン、オキサシリン等)およびセファロスポリンが包含される。MRSAの公知の株のいくつかは、エリスロマイシンおよびシプロフロキサシンに対して耐性を有するEMRSA15およびEMRSA16(MRSA252としても知られている);CC8(ST8:USA300としても知られている);ST1:USA400;ST8:USA500;ST59:USA1000;ST93株;ST80株;ならびにST59株である。MRSAは、ヒトにおける多くの感染の原因となっている。MRSAは、健康上の重大な懸念となっており、医療に関連したブドウ球菌感染症(staph infections)のおよそ50%の原因となっている。米国では、毎年、94,000人を上回る人が深刻なMRSA感染症にかかっており、約19,000人が感染によって死んでいる。特に蔓延しているMRSAは、病院内のものである;病院におけるMRSA感染症の危険因子としては、事前の抗生物質(例えばキノロン系抗生物質)の曝露、集中治療室への入室、手術およびMRSAがコロニーを形成している患者への接触が包含される。開放創を有する患者、免疫不全の患者(例えば、HIV/AIDS、癌、移植処置、重い喘息による)、幼い子供(例えば、ヒトの乳児およびヒトの幼児)、および高齢者(例えば、高齢のヒト)は、MRSA感染症にかかるリスクが高い。注射薬利用者、糖尿病の人、皮膚病変の患者、侵襲的な装置(例えば、血管内カテーテル)を用いている患者、ならびに医療従事者および限定空間内で時間を過ごしている他の人(例えば、囚人兵士療養施設(nursing homes)等の長期的な医療施設の患者)においては、MRSA感染症に対する危険性がより高いことが観察されている。他の呼吸器、開いた創傷、静脈内カテーテル、および尿路もまた、感染の可能性がある部位ではあるが、S. aureusは、前鼻孔(鼻孔)に最も頻繁にコロニーを形成する。市中感染型MRSA感染の多くは、皮膚および軟組織に集中している。MRSAの初期の症状には、発熱および発疹を伴い得るにきびクモに咬まれた跡またはおでき(boils)に似た赤い;後にんだおできへと発達し得る瘤が包含される。市中感染型MRSA感染の一般的な兆候は、壊疽性筋膜炎もしくは化膿性筋炎等の皮膚感染、壊疽性肺炎、感染性心内膜炎、骨感染症または間接感染症である。MRSAには、当該株(例えば、PVL、PSM)によってもたらされる毒素に起因し得る、敗血症および毒素性ショック症候群を引き起こすものもある。MRSAは蜂巣炎を引き起こし得る。上記の株のMRSAもしくは公知の株のMRSA、MRSAと診断された患者、MRSAの症状、MRSAのリスクがある患者の集団、および/またはMRSAに関連した疾患は、本明細書に記載されている組成物を用いて処置され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、MRSAの症状の1つ以上の発症もしくは発達を予防する、または、当該症状(例えば、本明細書に記載されている症状)の1つ以上の期間および/もしくは重症度を低減させる。

0132

本明細書に記載されている組成物は、好ましくない細菌を殺すため、または当該細菌にダメージを与えるための殺菌剤として使用され得る。例えば、本明細書に記載されている組成物は、予防的に細菌の感染を防止するために、もしくは定着した細菌の感染を治療するために使用され得る。または上記組成物は、感染しやすい被験体が有する領域、または細菌が増殖しやすい部位である体の領域(例えば、歯茎、開放創、床擦れ、ならびに膣または股間の領域)に対して局所的に投与され得る。

0133

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌の増殖および/または細菌の生存を、約0.1 log、0.2 log、0.25 log、0.3 log、0.4 log、0.5 log、0.6 log、0.7 log、0.75 log、0.8 log、0.9 log、1 log、1.25 log、1.5 log、1.75 log、2 log、2.25 log、2.5 log、2.75 log、3 log、3.25 log、3.5 log、3.75 log、4 log、4.5 log、5 log、5.5 log、6 log、6.5 log、7 log、7.5 log、8 log、8.5 log、9 log、9.5 log、10 log、10.5 log、11 log、11.5 log、12 log、12.5 log、13 log、13.5 log、14 log、14.5 log、または15 logコロニー形成単位(CFU)/mLを上回る値で減少させる。特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌の増殖および/または細菌の生存を、約0.2 log〜15 log、0.2 log〜10 log、0.2 log〜5 log、0.5 log〜15 log、0.5 log〜10 log、0.5 log〜5 log、0.5 log〜3 log、1 log〜15 log、1 log〜12 log、1 log〜10 log、1 log〜7 log、1 log〜5 log、1 log〜3 log、1.5 log〜5 log、2 log〜15 log、2 log〜10 log、2 log〜5 log、3log〜15 log、3 log〜10 log、3 log〜5 log、4 log〜10 log、2 log〜8 log、3 log〜8 log、4 log〜8 log、2 log〜7 log、3 log〜7 log、2 log〜6 logコロニー形成単位(CFU)/mL、および上記値の間のいずれかの値で減少させる。特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌の増殖および/または細菌の生存を、1×1010、0.5×1011、1×1011、1.5×1011、2×1011、2.5×1011,3×1011、4×1011、5×1011、7×1011、1×1012、1.5×1012、2×1012、3×1012、5×1012、7×1012、8×1012、1×1013、1.5×1013、もしくは2×1013(CFU)/mL、または上記値の間のいずれかの値以上の値で減少させる。いくつかの実施形態において、細菌の増殖および/または生存における上記減少は、sNAGナノファイバー組成物の1回の適用/投薬または複数回の適用/投薬による細菌の感染の治療後、約30分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、15時間、18時間、20時間、22時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、1日、2日、3日、4日、5日、7日、10日、1週間、2週間、3週間、4週間、1か月または2か月未満で達成される。

0134

1つの実施形態において、sNAGナノファイバー組成物を用いて治療される感染症は、ウイルス感染症真菌感染症寄生虫感染症、またはイースト菌感染症ではない。

0135

細菌の感染に関連した種々の疾患または病状は、本明細書に記載されているsNAGナノファイバー組成物を用いて治療および/または予防され得る(例えば、下記のセクション5.4.2参照)。1つの実施形態において、既存の細菌の感染、または細菌の感染に関連した疾患の治療方法が検討される。

0136

いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、創傷を治療するために使用され得る(下記のセクション5.4.1参照)。特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌に感染した創傷を治療するために使用される。他の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、創傷における細菌の感染を予防するために使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、創傷感染に関連することが知られている細菌を処置するために使用され、特にStaphylococcus aureus/MRSA, Streptococcus pyrogenes, Enterococci および/または Psudomonas aeuruginosaの感染、ならびに上記感染に関連した疾患を治療するために使用される。

0137

他の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、創傷を治療するためには使用されない。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、慢性的な創傷を治療するためには使用されない。別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、熱傷創を治療するためには使用されない。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、外科創傷を治療するためには使用されない。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、慢性的な創傷、熱傷創および外科創傷を治療するためには使用されない。別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、創傷および/またはやけどを治療するためには使用されない。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、感染していない創傷を治療するためには使用されない。

0138

いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌に感染した創傷を治療するためには使用されない。別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、創傷に関連した細菌の感染、または創傷によって引き起こされる細菌の感染を治療するためには使用されない。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、Staphylococcus aureus/MRSA, Streptococcus pyrogenes, Enterococci および/または Psudomonas aeuruginosa等の、創傷感染に関連することが知られている細菌を処置するためには使用されない。

0139

いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、創傷とは関連しない種々の細菌の感染、ならびに細菌の感染によって引き起こされる疾患、もしくは細菌の感染に関連した疾患を治療および/または予防するために使用され得る(下記のセクション5.4.2参照)。

0140

特定の実施形態において、細菌の感染に関連した疾患の治療には、疾患を治療するため、または有益な効果もしくは治療効果を得るために、本明細書に記載されている組成物の1つを被験体または被験体の集団に投与することが含まれる。特定の実施形態において、上記治療は、被験体または被験体の集団において以下の効果のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ以上を達成する:(i)細菌の感染に関連した疾患または症状の重症度の減少または改善;(ii)細菌の感染に関連した疾患または症状の期間の減少;(iii)細菌の感染に関連した疾患または症状の進行の防止;(iv)細菌の感染に関連した疾患または症状の後退;(v)細菌の感染に関連した症状の発達または発生の防止;(vi)細菌の感染に関連した症状の再発の防止;(vii)被験体または被験体の集団から別の被験体または被験体の集団への疾患の蔓延の予防または減少;(viii)疾患に関連した臓器不全の減少;(ix)入院の発生の減少;(x)入院期間の減少;(xi)生存の増加;(xii)疾患の除去;(xiii)別の治療法の予防効果または治療効果の促進または改善;(xiv)当該分野にてよく知られた方法(例えばアンケート)によって評価された生活の質の改善;(xv)疾患の症状の数の減少;および/または(xvi)死亡の減少。いくつかの実施形態において、治療には、本明細書に記載されている組成物を用いたいずれかの治療法が含まれる。

0141

いくつかの実施形態において、細菌の感染の治療には、細菌の感染または細菌の感染の症状を治療するために、本明細書に記載されている組成物の1つを被験体または被験体の集団に投与することが含まれる。特定の実施形態において、上記治療は、被験体または被験体の集団において以下の効果のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ以上を達成する:(i)細菌の感染の解消;(ii)細菌の感染に関連した1つ以上の症状の根絶;(iii)細菌の感染を解消するために必要な時間の減少;(iv)細菌の感染、および/または細菌の感染に関連した1つ以上の症状の重症度の減少または改善;(v)細菌の感染、および/または細菌の感染に関連した1つ以上の症状の期間の減少;(vi)細菌の耐性株(単数または複数)の発生の防止もしくは遅延、または発生した細菌の耐性株の数の減少;(vii)細菌の感染に関連した1つ以上の症状の再発の防止;(viii)細菌の細胞集団の減少または除去(当該分野にて公知の方法、または本明細書に記載されている方法の1つによるCFU/mLまたは対数減少によって測定される、例えば、患者の生物学的サンプルにおける細菌の数の減少等);(ix)被験体の入院の減少;(x)入院期間の減少;(xi)被験体の生存の増加;(xii)別の治療法の治療効果の促進または改善;(xiii)死亡の減少;(xiv)ある被験体から別の被験体へ、またはある器官もしくは組織から別の器官もしくは組織への細菌の蔓延の減少または排除;(xv)細菌の数の増加の防止;(xvi)細菌の感染に関連した1つ以上の症状の発達または発生の防止;(xvii)細菌の感染に関連した症状の数の減少;(xviii)細菌毒素、または細菌の感染に関連した毒素の生産の阻害または減少;(xix)細菌の感染に関連した炎症の安定化または減少;(xx)細菌の感染に関連した臓器不全、または細菌の感染に関連した疾患に関連した臓器不全の減少;および/または(xxi)当該分野にてよく知られた方法(例えばアンケート)によって評価された生活の質の改善。

0142

特定の実施形態において、被験体に対する本明細書に記載されている組成物の投与は、結果として以下のうちの1つ以上をもたらす:(i)1つ以上のデフェンシンタンパク質および/またはデフェンシン様タンパク質の発現の誘導;(ii)1つ以上のToll様レセプターの発現の誘導;および/または(iii)細菌の感染、または細菌の感染に関連した1つ以上の症状の解消または減少に有益な1つ以上のタンパク質の発現の誘導。

0143

特定の実施形態において、細菌の感染の予防には、以下の効果のうちの1つ以上を達成するために、被験体または被験体の集団に対して本明細書に記載されている組成物の1つを投与することが含まれる:(i)細菌の感染、または細菌の感染に関連した症状の発達または発生の阻害;および/または(ii)細菌の感染、または細菌の感染に関連した症状の再発の阻害。

0144

他の実施形態において、細菌の感染の予防には、細菌の感染に関連した疾患を予防するために、被験体または被験体の集団に対して本明細書に記載されている組成物の1つを投与することが含まれる。特定の実施形態において、上記予防は、被験体または被験体の集団において以下の効果のうちの1つ以上を達成する:(i)細菌の感染に関連した疾患、またはその症状の発達または発生の阻害;および/または(ii)細菌の感染に関連した疾患、または細菌の感染に関連した症状の再発の阻害。

0145

〔5.4.1創傷における細菌の感染の治療または予防〕
特定の実施形態において、本明細書に記載されているsNAGナノファイバー組成物は、体のいずれかの組織に影響を与える種々の細菌に感染した創傷を治療するため、または、細菌に感染する危険性がある創傷の感染を予防するために有用であり得る。

0146

創傷には、開放および閉鎖の2種類がある。開放創は、創傷の原因となった対象に従って分類される。例えば、切開(incisions)または切創(外科創傷を包含する)は、ナイフ剃刀またはガラス破片等のきれいな、刃の鋭い物体に起因するものである。裂傷は、硬組織上に存在する軟組織に対する鈍い衝撃(例えば、頭がい骨上の皮膚の裂傷)、または出産等による皮膚および他の組織の引き裂きに起因する不規則な創傷である。擦過傷(abrasions)またはかすり傷(grazes)は、表在性の創傷であって、皮膚の最も上の層(表皮)が削られるものである。刺創(puncture wounds)は、または針等の皮膚を突き刺す物体に起因する。穿通創は、ナイフ等の物体が体に入ることに起因する。銃創は、銃弾または同様の発射体が体の中へ入り込むこと(例えば、射入創)、および/または体の外へ出ていくこと(例えば、射出創)に起因する。医学的な文脈においては、刺創(stab wounds)および銃創は全て、開放創であると考えられる。開放創はまた、熱傷、化学的損傷、または電気的損傷によって引き起こされたやけども包含している。閉鎖創には、打撲傷(より一般的にはとして知られており、皮膚の下にダメージを与える、鈍器で殴られた傷に起因する)、血腫(hematoma)(血腫(blood tumor)とも呼ばれ、血管へのダメージによって皮膚の下に血液が集められることに起因する)、および挫傷(crushinginjuries)(多量または極端な量の力が長時間加えられることに起因する)が包含される。

0147

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌に感染した開放創を治療するため、または、開放創における細菌の感染を予防するために使用される。特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、銃創、刺創および/または穿通創における細菌の感染を治療または予防するために使用され得る。特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、手術後の細菌の感染、手術部位の細菌の感染、カテーテルに関連した細菌の感染、または血液透析に関連した細菌の感染を治療または予防するために使用され得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、開放創、銃創、刺創および/または穿通創における細菌の感染を治療または予防するためには使用されない。特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、手術後の細菌の感染、手術部位の細菌の感染、カテーテルに関連した細菌の感染、または血液透析に関連した細菌の感染を治療または予防するためには使用されない。

0148

いくつかの実施形態において、上記創傷は、慢性的な創傷である。慢性的な創傷は、適切に治癒しなかった創傷であり、当該創傷には、外科創傷(例えば、皮膚移植ドナーとなった部位)、皮膚潰瘍(例えば、糖尿病性潰瘍静脈うっ血性潰瘍下腿潰瘍動脈不全潰瘍、または褥瘡)、または熱傷創が包含される。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、慢性的な創傷における感染(例えば、糖尿病性潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、下腿潰瘍、動脈不全潰瘍、褥瘡、外科創傷、またはやけどに関連した感染)を治療または予防するために使用される。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、慢性的な創傷における細菌の感染を治療または予防するためには使用されない(例えば、糖尿病性潰瘍、静脈うっ血性潰瘍、下腿潰瘍、動脈不全潰瘍、褥瘡、外科創傷、またはやけどに関連した細菌の感染を予防するためには使用されない)。

0149

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、院内における細菌の感染を治療または予防するために使用される。院内における細菌の感染のなかでも、外科創傷における細菌の感染が主流である;統計では、最大で全ての外科患者の8%であることが示されている。上記の種類の感染の直接的なコストは、1年あたり、およそ4.5億ドルである。院内で感染する細菌の多くは、抗生物質に対する耐性を発達させているため、抗生物質に基づかない治療が望ましい。本明細書に記載されているsNAGナノファイバーの院内の環境での利用は、上記コストの多くを負担し、抗生物質耐性の種の産生を顕著に減少させ得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、院内における細菌の感染(例えば、外科的な細菌の感染)を治療または予防するためには使用されない。

0150

1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、出血している創傷(例えば、出血している外傷)における細菌の感染を治療または予防するために使用される。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、銃創、刺創、穿通創または外科創傷における細菌の感染を治療または予防することを目的として、当該創傷を治療するために使用され得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、出血している創傷(例えば、出血している外傷)における細菌の感染を治療または予防するためには使用されない。

0151

本明細書に記載されている組成物は、皮膚の創傷(例えば、皮膚の表皮層および皮層に影響を与える創傷)ならびに角膜および上皮系列の器官における損傷における細菌の感染を治療または予防することを目的として、上記創傷における細菌の感染を治療または予防するために有用であり得る。上記創傷は、切り傷、擦過傷、やけど、化学物質への曝露、外科的処置(例えば、外科的切開、皮膚移植)を包含する種々の外傷によって引き起こされ得る。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、眼の上皮層支質層および内皮層に影響を与える創傷を包含する角膜および強膜の創傷における細菌の感染を治療または予防することを目的として、上記創傷を治療するために使用され得る。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、皮膚の創傷における細菌の感染を治療または予防するためには使用されない。

0152

いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌の感染と診断された患者の創傷を治療するために使用され得る。本明細書に記載されている組成物が細菌に感染した創傷を治療するために使用される特定の実施形態において、創傷は、細菌性抗原の存在に対する試験またはアッセイによって、細菌に感染していると決定される。1つの実施形態において、患者の創傷における細菌の感染を検出するために、創傷の培養が行われる。さらに別の実施形態において、創傷は、細菌の感染の1つ以上の症状の存在の結果、感染していると決定される。

0153

他の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、患者が例えば以下の細菌の感染の症状の1つ以上を示している場合に、患者の創傷を治療するために使用され得る:創傷の治癒が遅い;創傷の部位における熱、赤みおよび/もしくは腫れ;創傷の部位における圧痛;創傷の部位における体液または膿の排出;ならびに/または熱。創傷における細菌の感染の症状としては、以下に限定されないが、限局性紅斑、限局性の痛み、限局性の熱、蜂巣炎、水腫膿瘍粘性があり、変色し、かつ化膿している状態であり得る分泌物、創傷治癒の遅延、創縁の中および/もしくは創縁上の両方の組織の変色、もろい(friable)、出血している肉芽組織、創傷部位に由来する異臭、包帯を交換した部位における予期せぬ痛みおよび/もしくは圧痛、リンパ管炎(すなわち、創傷に起因する赤い線であって、腫れあがって、圧痛のあるリンパ腺患部からの排膿を引き起こす)、ならびに、創底における創傷のポケット形成(pocketing)/ブリッジ形成(bridging)に関連した創傷の崩壊(wound breakdown)(すなわち、創床全体にわたる肉芽組織の均一な広がりとは対照的に、創傷によって、創底における肉芽組織の細長一片が発達する)が包含される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、上記症状の1つ以上の発生または発達を予防する、または、上記症状の1つ以上の期間および/もしくは重症度を減少させる。

0154

1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、創傷治癒、および、創傷における細菌の感染の治療のため、または創傷治癒、および、創傷における細菌の感染の予防のために使用され得る。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、創傷における細菌の感染を治療または予防すると同時に、創傷治癒を促進するために使用される。創傷治癒におけるsNAGナノファイバー組成物の効果、および、創傷治癒への適用におけるsNAGナノファイバーの利用のいくつかは、米国特許公開第2009/0117175号に記載されており、当該内容は、全て参照によって本明細書中に引用される(例えば、実施例2参照)。

0155

〔5.4.2 他の細菌の感染の治療または予防〕
特定の実施形態において、本明細書に記載されているsNAGナノファイバー組成物は、皮膚、胃腸管、呼吸器、尿路、生殖器官、血液、喉、耳、眼、洞(sinus)、または体の他のいずれかの器官もしくは組織における細菌の感染の治療および/または予防のために使用され得る。別の実施形態において、本明細書に記載されているsNAGナノファイバー組成物は、細菌の感染に関連した、皮膚の病気、胃腸の病気、呼吸器の病気、および/または他のいずれかの器官もしくは組織の病気を治療および/または予防するために使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているsNAGナノファイバー組成物は、細菌の感染を治療または予防するために、患者の皮膚、口、耳、目、肛門または股間の領域に局所的に適用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、創傷の部位ではなく、かつ/または、創傷に関連していない、もしくは、創傷によって引き起こされたのではない、体の器官または組織における細菌の感染を治療および/または予防するために使用され得る。

0156

特定の実施形態において、本明細書に記載されているsNAGナノファイバー組成物は、既存の細菌の感染を治療するために使用され得る。例えば、上記組成物は、試験またはアッセイ(例えば、本明細書に記載されている試験または当該分野にて公知の試験の1つ)によって細菌の感染と診断された被験体を治療するために使用され得る。または、上記組成物は、細菌の感染、または細菌の感染に関連した疾患の1つ以上の症状(例えば、当業者にとって公知、および/または本明細書に記載されている細菌の感染の1つ以上の症状(例えば、治療を行う医者または内科医によって、細菌の感染の症状であると決定される))を示している被験体を治療するために使用され得る。

0157

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌叢における不均衡に関連した病気、または異常もしくは変化した細菌叢に関連した病気を治療するために使用され得る。例えば、上記組成物は、皮膚の細菌叢がコントロールの被験体(例えば、皮膚の病気の症状を示していない被験体)と異なっている患者の皮膚の病気を治療するために使用され得る。他の実施形態において、上記組成物は、胃腸の細菌叢(または他のいずれかの組織もしくは器官の微生物相)がコントロールの被験体(例えば、胃腸の病気の症状を示していない被験体)と異なっている患者の胃腸の病気(または他のいずれかの組織もしくは器官の病気)を治療するために使用され得る。

0158

他の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌の感染に関連していると知られている、または細菌の感染によって悪化すると知られているいずれかの疾患(例えば、にきび)を治療するために使用され得る。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、P. aeruginosaに感染した嚢胞性線維症患者を治療するために使用され得る。

0159

いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌によって分泌または排出される毒素に対して効果的である。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌毒素(および/または細菌毒素によって引き起こされる病気もしくは症状)を阻害する/減少させるために使用され得る。細菌毒素の例としては、例えば、Bacillus anthracis, Clostridium difficile, Corynebacterium diphtheria, Pseudomonas aeruginosa;内毒素および/または細胞溶解素が挙げられる。いくつかのデフェンシンは、Bacillus anthracis, Clostridium difficile, Corynebacterium diphtheria, Pseudomonas aeruginosaによって生産される毒素、および細胞溶解素(グラム陽性細菌によって生産され、赤血球を溶解する内毒素)を包含する細菌毒素を阻害することができる。上記デフェンシンの機能を考慮すれば、結果としてデフェンシンの発現および分泌をもたらす経路の活性化は、抗生物質に依存しない細菌の感染の解消を可能にし、細菌の耐性の発生を回避し得る。

0160

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、皮膚における1つ以上の細菌の感染、または細菌の感染に関連した皮膚の疾患を治療および/または予防するために使用され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、限局性の皮膚感染および/またはびまん性の皮膚感染を治療するために使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、表皮、真皮、および/または皮下組織下皮)に影響を与える、皮膚感染、または細菌の感染に関連した皮膚の疾患を治療または予防するために使用される。上記実施形態のいくつかにおいて、感染している皮膚の層には、表皮の1つ以上の層(すなわち、基底層有棘層顆粒層透明層、および角質層)、真皮の1つ以上の種類の組織(すなわち、コラーゲン、弾性組織および細網繊維)、真皮の1つ以上の層(すなわち、上層乳頭層、および下部の網状層);および/または下皮の1つ以上の種類の組織(すなわち、脂肪エラスチンおよび結合組織)が包含される。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、皮膚表面上の細菌の感染を治療または予防するために使用される。別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、皮膚に対するStaphylococcus(Staph)の感染および/または皮膚に対するStreptococcus(Strep)の感染を治療または予防するために使用される。さらに別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、皮膚に対するStaphylococcus albusおよび/またはStaphylococcus aureusの感染を治療するために使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、蜂巣炎、膿痂疹毛嚢炎紅色陰癬、癰、せつ腫、膿瘍、丹毒、および/または皮膚炭疽を治療または予防するために使用される。別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、蜂巣炎を治療または予防するために使用される。蜂巣炎は、深い真皮および皮下組織に影響を与え、通常、顔、腕および足に影響を与え、ほとんどの場合に、細菌の感染を引き起こす皮膚のひび割れに起因して起こる。蜂巣炎の症状には、以下の1つ以上が包含される:皮膚のひび割れ周辺の皮膚の腫れ、痛み、圧痛、水疱外見上の徴候リンパ節の間の赤い線、熱、および悪寒。別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、毛嚢の皮膚における細菌の感染(例えば、毛嚢炎)を治療または予防するために使用される。毛嚢炎の症状には、腫れ、毛髪周辺の膿疱硬性小結節、および痛みが包含される。別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、にきびを治療または予防するために使用される。にきびの出現は高い頻度で細菌の感染の症状である。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌の感染に関連した皮膚炎または細菌の感染によって引き起こされた皮膚炎を治療または予防するために使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、上記の症状の1つ以上の発生もしくは発達を予防する、または上記症状の1つ以上の期間および/または重症度を減少させる。

0161

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、1つ以上の腸/消化管の細菌の感染、または細菌の感染に関連した胃腸疾患を治療または予防するために使用され得る。腸における細菌の感染の一般的な形態には、salmonella, shigella, E. coli, Clostridium, Staphylococcus, Listeria, および Yersiniaが包含される。上記細菌は、下痢、ならびに、および腸の炎症(胃腸炎としても知られている)を引き起こす。腸における細菌の感染の症状としては、以下に限定されないが、腹部痙攣および痛み、血便食欲不振、時に嘔吐を伴う吐き気、熱、ならびに、下痢が包含される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、しばしば細菌の感染に関連している食中毒の1つ以上の症状を示している患者を治療するために使用される。

0162

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、Staphの感染(例えば、Staphylococcus aureusの感染)に関連した疾患を治療するために使用され得る。上記実施形態のいくつかにおいて、上記疾患は、皮膚、、口、および/または生殖器の領域におけるStaphの感染である。いくつかの実施形態において、上記疾患は、肺炎、髄膜炎心内膜炎、毒素性ショック症候群、および/または敗血症である。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、1つ以上の抗生物質に対する耐性を有するStaph細菌(例えば、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA))を処置するために使用され得る。特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、Staphの感染であると診断された被験体、またはStaphの感染の1つ以上の症状(例えば、以下のうちの1つ以上の存在:赤い小さな瘤、赤く堅い瘤、膿んだ瘤もしくは膿瘍、おでき、眼の麦粒腫、水疱および/もしくはかさぶたのある赤い皮膚(例えば、鼻および口の周辺のかさぶたのある赤い皮膚)、または毒素性ショック症候群(単数または複数)の症状)を示している被験体に対して投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、上記の症状の1つ以上の発生もしくは発達を予防する、または上記症状の1つ以上の期間および/または重症度を減少させる。

0163

特定の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌の感染に関連した風邪を治療または予防するために使用され得る。例えば、本明細書に記載されている組成物は、標準的な鎮痛剤の使用にもかかわらず持続する風邪を治療または予防するために使用され得る。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、洞、耳または喉における細菌の感染を治療または予防するために使用され得る。上記細菌の感染の症状としては、限局性の痛みおよび腫れが包含される。洞における細菌の感染は、鼻汁、ならびに、顔もしくは額の一部における激痛を引き起こし得る。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、連鎖球菌性咽頭炎(Streptococcus pyogenes)を治療するために使用される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、上記の症状の1つ以上の発生もしくは発達を予防する、または上記症状の1つ以上の期間および/または重症度を減少させる。

0164

いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、生殖器、尿路もしくは肛門における細菌の感染、または細菌の感染に関連した尿路または生殖器の疾患を治療または予防するために使用され得る。上記実施形態のいくつかにおいて、本明細書に記載されている組成物は、細菌の感染に関連した性感染症を治療するために使用される。上記感染の症状としては、以下に限定されないが、痛みを伴う尿排泄、濁った排出物、および/または性交時の痛みが包含される。上記実施形態のいくつかにおいて、本明細書に記載されている組成物は、梅毒淋病クラミジア感染症、およびトリコモナス症のうちの1つ以上を治療または予防するために使用される。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、クラミジア感染症を治療するために使用される。別の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、淋病を治療するために使用される。淋病の症状としては、限局性の骨盤の痛み、痒みおよび炎症、痛みを伴う尿排泄、濃い黄色または緑色の排出物、月経期の出血が包含される。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、細菌性膣炎の感染を治療または予防するために使用される。細菌性膣炎の症状としては、膣排泄物臭気、膣の痒み、および腹部の痛みが包含される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、上記の症状の1つ以上の発生もしくは発達を予防する、または上記症状の1つ以上の期間および/または重症度を減少させる。

0165

他の実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、呼吸器感染(例えば、における細菌の感染)、または細菌の感染に関連した呼吸器疾患を治療または予防するために使用され得る。いくつかの実施形態において、上記組成物は、上気道感染症を治療または予防するために使用される。1つの実施形態において、上記組成物は、結核を治療または予防するために使用される。結核は、結核菌によって引き起こされ、くしゃみまたは唾液によって人から人へ蔓延する感染性の強い疾患である。従って、本明細書に記載されている組成物は、結核であると診断された被験体または結核の症状を示している被験体だけではなく、当該被験体に接触した個体(例えば、家族のメンバー介護者または医療関係者)をも治療するために使用され得る。結核の症状としては、喀血過度体重減少倦怠感、食欲不振および持続性発熱が包含される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、上記の症状の1つ以上の発生もしくは発達を予防する、または上記症状の1つ以上の期間および/または重症度を減少させる。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、肺炎および/またはStreptococcus pneumoniaeの感染を治療するために使用される。別の実施形態において、上記組成物は、気管支炎を治療するために使用される。1つの実施形態において、本明細書に記載されている組成物は、Moraxella catarrhalis, Streptococcus pneumoniaおよび/またはHaemophilus influenzaを処置するために使用される。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ