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技術 導電性布帛

出願人 セーレン株式会社
発明者 上杉隆辻本和久
出願日 2015年4月3日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2015-077265
公開日 2016年11月24日 (2年7ヶ月経過) 公開番号 2016-196139
状態 特許登録済
技術分野 積層体(2)
主要キーワード 測定上限値 エンジニアリング会社 ウェアラブルデバイス 下地コーティング ベース素材 無機系膜 水性コート剤 回屈曲後
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年11月24日)のものです。
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図面 (2)

課題

柔軟性(屈曲性)及び追従性に優れ、曲げに対する耐久性が高く、高い導電性が長く持続する導電性布帛及びその製造方法の提供。

解決手段

下地コーティング層4を有する布帛3と、支持体付きパターン金属箔1とを、下地コーティング層4と支持体付きパターン状金属箔1の接着層2とが重なるように貼り合わせ、次いで支持体付きパターン状金属箔1から支持体剥離して布帛3上にパターン状金属箔1を転写し、続いて少なくともパターン状金属箔1を覆うようにカバーコート5を施すことにより、布帛3上に下地コーティング層4、パターン状接着層2、及びパターン状金属箔1がこの順で順次積層される、カバーコート5を有する導電性布帛を製造する方法。

概要

背景

導電性を有する布帛は、電子部品センサー類実装することによって、ウェアラブルデバイスとして利用することができる。本発明の導電性を有する布帛を用いたウェアラブルデバイスを装着することで、人間や動物生体信号や動作を計測することができ、医療分野ヘルスケア分野に利用されるほか、環境、建築分野などの多様な産業においてその有用性が注目されている。

布帛に導電性を付与する従来の技術としては、導電性を有する糸を織込んだり編込んだりする手法(例えば特許文献1)、導電性ペースト印刷する手法(例えば特許文献2)などがある。

しかしながら、導電性を有する糸を織り込んだり編み込んだりする手法では、特殊な装置を要することや、導電性パターン形状の自由度が低いことなどの問題がある。導電性ペーストを印刷する手法では導電性が不十分となる場合があるため、導電性を上げるために印刷するペーストの量を増やす必要から布帛が硬く重くなる傾向があるという問題があり、さらには布帛の柔軟性に追従できずに割れを生じるおそれもあった。

これまでに、装飾目的等で布帛に接着剤等を介して薄い金属層を形成させる方法が提案されている(特許文献3,4)。また、布帛上にインクジェットプリント方式電子回路等を形成してなる電子衣料が提案されている(特許文献5)。

概要

柔軟性(屈曲性)及び追従性に優れ、曲げに対する耐久性が高く、高い導電性が長く持続する導電性布帛及びその製造方法の提供。下地コーティング層4を有する布帛3と、支持体付きパターン金属箔1とを、下地コーティング層4と支持体付きパターン状金属箔1の接着層2とが重なるように貼り合わせ、次いで支持体付きパターン状金属箔1から支持体剥離して布帛3上にパターン状金属箔1を転写し、続いて少なくともパターン状金属箔1を覆うようにカバーコート5を施すことにより、布帛3上に下地コーティング層4、パターン状接着層2、及びパターン状金属箔1がこの順で順次積層される、カバーコート5を有する導電性布帛を製造する方法。

目的

本発明は、布帛本来の柔軟性を損なうことなく十分な導電性を備え、曲げ等の形状変化に対する追従性及び耐久性に優れた導電性布帛及びその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

布帛上に下地コーティング層、パターン接着層、及びパターン状金属箔がこの順で順次積層され、且つ少なくともパターン状金属箔を覆うカバーコートを有する導電性布帛であって、前記下地コーティング層を形成する樹脂材料剥離強度が、当該樹脂材料を厚み20μmのフィルムとし、JIS−C5016に準じて引張り速度50mm/分にて厚み100μmのPETフィルムから90°で引き剥がすときの剥離強度として0.05N/mm以下である、導電性布帛。

請求項2

前記接着層を形成する樹脂材料の剥離強度が0.1N/mm以上である、請求項1記載の導電性布帛。

請求項3

前記金属箔が銅箔である、請求項1記載の導電性布帛。

請求項4

前記金属箔の厚みが1〜30μmである、請求項1記載の導電性布帛。

請求項5

布帛上に下地コーティング層、パターン状接着層、及びパターン状金属箔がこの順で順次積層され、且つ少なくともパターン状金属箔を覆うカバーコートを有する導電性布帛を製造する方法であって、以下の工程(a)、(b)及び(c)を含むことを特徴とする、導電性布帛の製造方法。(a)少なくとも片面に下地コーティング層を有する布帛と、支持体とパターン状金属箔と該パターン状金属箔表面に形成されたパターン状接着層とを有する支持体付きパターン状金属箔とを、前記下地コーティング層と前記パターン状接着層とが重なるように貼り合わせる工程、(b)前記支持体付きパターン状金属箔から支持体を剥離し、布帛上にパターン状金属箔を転写する工程、及び(c)少なくともパターン状金属箔を覆うようにカバーコートを施す工程

請求項6

前記支持体付きパターン状金属箔が、基材剥離層とを有する支持体の該剥離層上にめっきレジスト印刷して所望の導電パターンとは逆のパターンを有するめっきレジスト層を形成したのち、前記支持体に電気めっき処理を施して所望の導電パターンを有するパターン状金属箔層を形成し、次いで該パターン状金属箔層の上に選択的に接着層用樹脂材料を塗布してパターン状接着層を形成して得られるものである、請求項5記載の製造方法。

請求項7

前記剥離層が、基材上に電気ニッケルスズめっき処理により形成されたニッケルスズ薄膜層である、請求項6記載の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、非導電性の繊維からなる布帛上に金属箔によるパターン回路)等を転写した導電性を有する布帛に関する。詳しくは、本発明は布帛本来の柔軟性を損なうことなく十分な導電性を備え、曲げ等の形状変化に対する追従性及び耐久性に優れた導電性布帛、及びその製造方法に関する。

背景技術

0002

導電性を有する布帛は、電子部品センサー類実装することによって、ウェアラブルデバイスとして利用することができる。本発明の導電性を有する布帛を用いたウェアラブルデバイスを装着することで、人間や動物生体信号や動作を計測することができ、医療分野ヘルスケア分野に利用されるほか、環境、建築分野などの多様な産業においてその有用性が注目されている。

0003

布帛に導電性を付与する従来の技術としては、導電性を有する糸を織込んだり編込んだりする手法(例えば特許文献1)、導電性ペースト印刷する手法(例えば特許文献2)などがある。

0004

しかしながら、導電性を有する糸を織り込んだり編み込んだりする手法では、特殊な装置を要することや、導電性パターン形状の自由度が低いことなどの問題がある。導電性ペーストを印刷する手法では導電性が不十分となる場合があるため、導電性を上げるために印刷するペーストの量を増やす必要から布帛が硬く重くなる傾向があるという問題があり、さらには布帛の柔軟性に追従できずに割れを生じるおそれもあった。

0005

これまでに、装飾目的等で布帛に接着剤等を介して薄い金属層を形成させる方法が提案されている(特許文献3,4)。また、布帛上にインクジェットプリント方式電子回路等を形成してなる電子衣料が提案されている(特許文献5)。

先行技術

0006

特開2013−019064号公報
特開2014−151018号公報
特開平07−216765号公報
特開2003−073982号公報
特開2005−146499号公報

発明が解決しようとする課題

0007

本発明は、布帛本来の柔軟性を損なうことなく十分な導電性を備え、曲げ等の形状変化に対する追従性及び耐久性に優れた導電性布帛及びその製造方法を提供することを課題とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明者らは、鋭意検討した結果、布帛上に、下地コーティング層、接着層、金属箔及びカバーコートを有する導電性布帛が、上記課題を解決しうることを見いだし、本発明を完成するに至った。また、かかる導電性布帛については、支持体めっきレジストで所望の導電パターンとは逆のパターンを有するめっきレジスト層を形成したのち電気めっきによりパターン状金属箔層を形成したのち、これを布帛に貼り付けて支持体を剥離することにより、所望の導電パターンを有する導電性布帛が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明は、以下に示す導電性布帛及び導電性布帛の製造方法に関する。
(1)布帛上に下地コーティング層、パターン状接着層、及びパターン状金属箔がこの順で順次積層され、且つ少なくともパターン状金属箔を覆うカバーコートを有する導電性布帛であって、前記下地コーティング層を形成する樹脂材料剥離強度が、当該樹脂材料を厚み20μmのフィルムとし、JIS−C5016に準じて引張り速度50mm/分にて厚み100μmのPETフィルムから90°で引き剥がすときの剥離強度として0.05N/mm以下である、導電性布帛。

0010

(2)前記接着層を形成する樹脂材料の剥離強度が0.1N/mm以上である、(1)記載の導電性布帛。
(3)前記金属箔が銅箔である、(1)記載の導電性布帛。
(4)前記金属箔の厚みが1〜30μmである、(1)記載の導電性布帛。

0011

(5)布帛上に下地コーティング層、パターン状接着層、及びパターン状金属箔がこの順で順次積層され、且つ少なくともパターン状金属箔を覆うカバーコートを有する導電性布帛を製造する方法であって、以下の工程(a)、(b)及び(c)を含むことを特徴とする、導電性布帛の製造方法。
(a)少なくとも片面に下地コーティング層を有する布帛と、支持体とパターン状金属箔と該パターン状金属箔表面に形成されたパターン状接着層とを有する支持体付きパターン状金属箔とを、前記下地コーティング層と前記パターン状接着層とが重なるように貼り合わせる工程、
(b)前記支持体付きパターン状金属箔から支持体を剥離し、布帛上にパターン状金属箔を転写する工程、及び
(c)少なくともパターン状金属箔を覆うようにカバーコートを施す工程

0012

(6)前記支持体付きパターン状金属箔が、基材剥離層とを有する支持体の該剥離層上にめっきレジストを印刷して所望の導電パターンとは逆のパターンを有するめっきレジスト層を形成したのち、前記支持体に電気めっき処理を施して所望の導電パターンを有するパターン状金属箔層を形成し、次いで該パターン状金属箔層の上に選択的に接着層用樹脂材料を塗布してパターン状接着層を形成して得られるものである、(5)記載の製造方法。

0013

(7)前記剥離層が、基材上に電気ニッケルスズめっき処理により形成されたニッケルスズ薄膜層である、(6)記載の製造方法。

発明の効果

0014

本発明においては、布帛に接着層を介して薄い金属箔を貼り付けることで容易に布帛上に導電性を付与することができる。用いる金属箔や接着剤の種類や厚みを選択することで、布帛の柔軟性を損なわず、この柔軟性に追従して曲げに対する耐久性の高い導電性布帛とすることができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の導電性布帛の一例を示す概略図(断面構成)である。

0016

1・・・パターン状金属箔
2・・・パターン状接着層
3・・・布帛
4・・・下地コーティング層
5・・・カバーコート

0017

1.導電性布帛
図1に、本発明の導電性布帛の断面構成の概略図を示す。図1によれば、本発明の導電性布帛は、層構成として布帛3上に(i)下地コーティング層4が積層され、その上に(ii)パターン状接着層2、及び(iii)パターン状金属箔1が順次積層され、且つ少なくとも(iii)パターン状金属箔1を覆うようにカバーコート5が形成されている。

0018

(1)布帛
本発明に用いられる布帛としては、例えば、織物編物、不織布などの繊維布帛を挙げることができる。また、繊維素材としては、例えば、綿、羊毛等の天然繊維レーヨンキュプラ等の再生繊維アセテートトリアセテート等の半合成繊維ポリアミドナイロン6ナイロン66等)、ポリエステルポリエチレンテレフタレートポリトリメチレンテレフタレート等)、ポリウレタンポリアクリル等の合成繊維などを挙げることができ、これらが2種以上組み合わされていてもよい。なかでも、繊維物性全般に優れた合成繊維からなる布帛が好ましく、特にポリエステル繊維からなる布帛が好ましい。
繊維布帛には、必要に応じて染色、帯電防止加工難燃加工カレンダー加工などが施されていてもよい。布帛の厚みは特に限定されないが、0.02〜1mm程度であることが好ましい。

0019

(2)下地コーティング層
本発明における下地コーティング層は、金属箔に対して防水などの化学的な保護と断裂を防ぐ機械的な保護の機能を担う。下地コーティング層は布帛表面に層として形成されていてもよく、また布帛全体を覆う形態であってもよい。

0020

平織物などのように比較的緻密な構造の布帛や表面凹凸の少ない布帛を用いる場合、下地コーティングは主に布帛の防水(化学的な保護)を目的として設けられる。その場合、例えば布帛を、下地コーティング層を形成する樹脂材料(以下、「下地コーティング剤」という場合がある)に浸漬し、糸の間隙に下地コーティング剤を充填することにより下地コーティング層を形成することができる。このとき布帛全体が薄い下地コーティング層(膜)で覆われるような形態となり、必ずしも下地コーティング層が布帛上に独立した層として形成されない場合がある。

0021

一方、編物などのように表面凹凸が大きく繊維構造が比較的粗い布帛の場合、下地コーティングは主に布帛表面の平滑化を目的として設けられる。その場合、ある程度厚みのある下地コーティング層を独立した層として布帛表面に積層させることが好ましい。布帛の防水のみならず、金属箔の断裂を防ぐ機械的な保護を目的としているためである。

0022

布帛は糸の重なりや絡まり合いで形成されているため、その表面に細かな凹凸がある。一方、金属箔層は布帛の凸部分同士を橋渡しするように布帛上に形成されるため、布帛が屈曲される際、重なり絡まり合っている糸がずれて布帛の凸部分同士の距離が大きく変動することに伴い、直接貼り付けられた金属箔は断裂する。下地コーティングは布帛の表面の凹凸を無くして平坦にし、布帛を構成する糸が個別に動く(ずれる)ことを抑えることにより、金属箔の断裂を防ぐ作用があると考えられる。

0023

下地コーティング層の好ましい厚みは1〜50μmである。このような厚みの下地コーティング層を設けることにより、導電性布帛を屈曲させても金属箔が断裂することなく、柔軟性を有しつつ導電性を保つことができる。

0024

下地コーティング層を形成する樹脂材料としては、防水性を有するもの(回路等を形成する金属箔を保護する機能を有するもの)で且つ布帛の柔らかな風合いを損なわないものであれば、特に制限されないが、好ましくはウレタン系樹脂シリコーン系樹脂が用いられる。より具体的には、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂ポリエステル系ポリウレタン樹脂等のポリウレタン樹脂ウレタン変性エポキシ樹脂ウレタン変性アクリル樹脂ウレタン変性ポリエステル樹脂等のウレタン変性樹脂シリコーン樹脂シリコーン変性エポキシ樹脂シリコーン変性ポリエステル樹脂シリコーン変性フェノール樹脂等のシリコーン変性樹脂等が挙げられる。

0025

下地コーティング層は、接着層のような強い接着性を持たないことが好ましい。具体的には、本発明の下地コーティング層は、それを形成する樹脂材料の剥離強度が、当該樹脂材料を厚み20μmのフィルムとし、JIS−C5016に準じて引張り速度50mm/分にて厚み100μmのPETフィルムから90°で引き剥がすときの剥離強度として0.05N/mm以下であることが必要であり、好ましくは0.01N/mm以下である。このように本発明においては、このような接着性の低い樹脂材料を用いて下地コーティング層を形成する。

0026

これは、本発明の導電性布帛が、後述する本発明特有の方法で製造して得られるものであることによる。
すなわち、本発明の導電性布帛は、(a)少なくとも片面に下地コーティング層を有する布帛と、支持体とパターン状金属箔と該パターン状金属箔表面に形成されたパターン状接着層とを有する支持体付きパターン状金属箔とを、前記下地コーティング層と前記パターン状接着層とが重なるように貼り合わせる工程、(b)前記支持体付きパターン状金属箔から支持体を剥離し、布帛上にパターン状金属箔を転写する工程、及び(c)少なくともパターン状金属箔を覆うようにカバーコートを施す工程を含む方法によって製造することができる。

0027

かかる製造方法において、工程(a)で布帛と支持体付パターン状金属箔とを貼り合わせる際に、布帛の下地コーティング層が支持体に接着しないことが重要である。下地コーティング層が支持体に接着すると、次工程(b)において支持体付きパターン状金属箔から支持体を容易に剥離することができなくなるおそれがあるからである。

0028

下地コーティング層と支持体との間の剥離強度は、接着層とパターン状金属箔間の剥離強度よりも十分に小さい必要があり、具体的には0.05N/mm以下、好ましくは0.01N/mm以下である。

0029

下地コーティング層用樹脂材料の接着性が強く上記剥離強度の値が大きすぎる場合、導電性布帛の製造時に下地コーティング層が支持体に接着してしまい、パターン状金属箔から支持体を簡便に引き剥がすことができず、本発明の導電性布帛が得られなくなるおそれがある。あるいは、支持体上のめっきレジスト層や剥離層が破断して布帛側(下地コーティング層の表面)に付着し、汚染及び/又は異物付着という問題を引き起こすおそれがある。

0030

なお、本発明における剥離強度は、JIS−C5016「導体の引き剥がし強さ」(90°ピール剥離試験)に準じて引張速度50mm/分、引張長さ50mmにて1分間かけて剥離するという剥離試験を行い、測定範囲における剥離強度の最大値(この剥離時間内で測定された剥離強度の最大値)を本発明における剥離強度として評価したものである。具体的には、接着層又は下地コーティング層となる樹脂材料を、PETフィルム上に厚み20μmで形成させた後、別のPETフィルムを重ねて貼り合わせ、続いて片面のPETフィルムを固定してもう一方のPETフィルムを90°で引き剥がしたときの剥離強度の最大値を、本発明の剥離強度(N/mm)としている。剥離強度の測定に用いるPETフィルムは、厚み100μmのダイアホイル(三菱樹脂製)である。
本発明で使用する下地コーティング層の樹脂材料としては、上記剥離試験により求められる剥離強度が0.05N/mm以下、好ましくは0.01N/mm以下のものを用いる。

0031

(3)接着層
本発明における接着層は、パターン状の金属箔側に選択的に形成され、布帛とパターン状の金属箔とを貼り合わせるために用いられる。接着層を構成する接着材料は、布帛(下地コーティング層を含む)とパターン状の金属箔との両方に対して良好な接着性を有し、かつ布帛の風合を損なわないものであれば特に制限されず、例えばウレタン系樹脂やアクリル系樹脂を用いることができる。作業性の観点からホットメルト性を有するものが好ましく用いられる。防水が主目的の場合は特にウレタン系樹脂が好ましい。より具体的には、一液型湿気硬化型ウレタン接着剤が好ましい。
接着層の厚みは特に限定されないが、好ましくは1〜50μm程度である。

0032

接着層は、下地コーティング層とは異なりある程度高い接着性を持つことが好ましい。具体的には、本発明の接着層は、それを形成する樹脂材料の剥離強度が、当該樹脂材料を厚み20μmのフィルムとし、JIS−C5016に準じて引張り速度50mm/分にて厚み100μmのPETフィルムから90°で引き剥がすときの剥離強度として0.1N/mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.5N/mm以上である。
本発明では、下地コーティング層を形成する樹脂材料より十分に高い接着性を有する樹脂材料で接着層を形成する。

0033

これは上述したように、本発明の導電性布帛が、後述する本発明特有の方法で製造して得られるものであることによる。すなわち、本発明の製造方法においては、工程(a)で布帛と支持体付パターン状金属箔とを、接着層を挟んで貼り合わせ、次いで工程(b)で支持体付きパターン状金属箔から支持体を剥離して布帛上にパターン状金属箔を転写する。布帛と支持体付パターン状金属箔とをしっかり接着させることにより、支持体の剥離後に確実にパターン状金属箔が転写されるようにすることが重要である。

0034

下地コーティング層と支持体との間の剥離強度は、接着層とパターン状金属箔間の剥離強度よりも十分に小さい必要があり、具体的には0.05N/mm以下、好ましくは0.01N/mm以下である。

0035

接着層用樹脂材料の接着性が弱く上記剥離強度の値が小さすぎる場合、支持体をパターン状金属箔から剥離する際にパターン状金属箔が同時に剥離し、パターン状金属箔を布帛へ確実に転写できなくなるおそれがある。

0036

(4)金属箔
金属箔を構成する金属としては、銅、ニッケル、すず亜鉛クロム、銀、金などが挙げられる。特に好ましくは銅箔が用いられる。金属箔の厚みは特に制限されないが、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜20μmである。

0037

(5)カバーコート
本発明のカバーコートは、少なくとも下地コーティング層の上に形成されたパターン状接着層及びパターン状金属箔を覆うように形成される。これは主に、布帛上に形成されたパターン状金属層の絶縁、防水、断裂防止等を目的として形成されている。

0038

カバーコートに用いられる樹脂材料としては特に制限されないが、好ましくはウレタン系、シリコーン系樹脂が好ましい。より具体的にはポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。さらに具体的にはポリエーテル系ポリウレタン等が挙げられる。下地コーティング層を形成する樹脂材料と同じものを用いてもよい。

0039

カバーコートの厚みは5〜20μm程度である。カバーコートの厚みが厚すぎると風合いが低下する場合があり、薄すぎると絶縁・断裂の防止効果が不十分となる場合がある。なお、ここでいうカバーコートの厚みとは、布帛の下地コーティング層の表面からカバーコート層の表面までである。

0040

2.導電性布帛の製造方法
本発明の導電性布帛は、その製造方法に特に制限はないが、好ましくは以下の工程(a)、(b)及び(c)を含む方法によって製造される。

0041

(a)少なくとも片面に下地コーティング層を有する布帛と、支持体とパターン状金属箔と該パターン状金属箔表面に形成されたパターン状接着層とを有する支持体付きパターン状金属箔とを、前記下地コーティング層と前記パターン状接着層とが重なるように貼り合わせる工程、
(b)前記支持体付きパターン状金属箔から支持体を剥離し、布帛上にパターン状金属箔を転写する工程、及び
(c)少なくともパターン状接着層及びパターン状金属箔を覆うようにカバーコートを施す工程

0042

(1)下地コーティング層を有する布帛
本発明の方法の工程(a)で用いられる布帛は、少なくとも片面に下地コーティング層を有するものであり、下地コーティング層は布帛表面に層として形成されていてもよく、また布帛全体を覆う形態であってもよい。

0043

布帛に下地コーティング層を形成する方法としては、布帛を下地コーティング剤に浸漬する方法、アプリケーターナイフローラー刷毛ディスペンサーインクジェット印刷スクリーン印刷などで塗布する方法などが挙げられる。布帛を下地コーティング剤に浸漬する方法の場合は浸漬したのち通常の方法で乾燥処理される。

0044

(2)支持体付きパターン状金属箔
本発明の方法で用いる支持体付きパターン状金属箔は、支持体とパターン状金属箔と該パターン状金属箔表面に形成されたパターン状接着層とを有するものであり、次のような方法で作製することができる。すなわち、前記支持体付きパターン状金属箔は、基材と剥離層とを有する支持体の該剥離層上にめっきレジストを印刷して所望の導電パターンとは逆のパターンを有するめっきレジスト層を形成したのち、前記支持体に電気めっき処理を施して所望の導電パターンを有するパターン状金属箔層を形成し、次いで該パターン状金属箔層の上に選択的に接着層用樹脂材料を塗布してパターン状接着層を形成して得られる。

0045

1)支持体(基材と剥離層)
本発明で用いる支持体は、基材と剥離層とを有する。基材としては、金属薄膜樹脂フィルム等に金属を積層した金属積層体などが挙げられる。剥離層としては有機系膜無機系膜が用いられる。

0046

本発明のパターン状金属箔は支持体の前記剥離層上に形成される。剥離層は、パターン状金属箔が支持体の基材と強く結合しすぎることを防ぎ、上記工程(b)において支持体をパターン状金属箔から剥離する際に容易に剥離し、確実にパターン状金属層を布帛側に転写することを可能にするという効果がある。剥離層の厚みは特に制限されないが、好ましくは0.05〜1μm程度、より好ましくは0.1〜0.5μm程度である。

0047

剥離層を形成しうる有機系膜としては、窒素含有有機化合物硫黄含有有機化合物カルボン酸などの膜が挙げられ、これらのなかから1種または2種以上を混合して用いることができる。

0048

具体的には、窒素含有有機化合物としては、置換基を有するトリアゾール化合物である1,2,3−ベンゾトリアゾールカルボキシベンゾトリアゾール、N’,N’−ビスベンゾトリアゾリメチルユリア、1H−1,2,4−トリアゾールおよび3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール等が挙げられる。硫黄含有有機化合物としては、メルカプトベンゾチアゾールチオシアヌル酸および2−ベンズイミダゾールチオール等が挙げられる。カルボン酸としては、特にモノカルボン酸を用いることが好ましく、なかでもオレイン酸リノール酸リノレイン酸等を用いることが好ましい。
有機系膜を基材上に形成する方法としては、化合物の種類に応じて従来公知の塗布方法、例えば浸漬法スプレー法などを採用することができる。

0049

剥離層を形成しうる無機系膜としては、ニッケルやアルミニウムを主とする合金、ニッケルやアルミニウムの酸化物硫化物などの無機化合物からなる膜が挙げられる。
無機系膜を基材上に形成する方法としては、膜材料の種類に応じて、例えば電気めっき法無電解めっき法蒸着法などを採用することができる。

0050

これらのうちでは無機系膜が好ましく、さらには電気ニッケル−スズめっきで形成されるニッケル−スズ薄膜が好ましい。電気ニッケル−スズめっきの方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。

0051

本発明で用いられる基材としては、片面に形成する剥離層とその上にめっき処理により形成するパターン状金属箔層との剥離性を確保するために、表面粗さがRa=0.5μm以下のものを用いることが望ましい。基材表面の粗さが大きすぎると、基材上に形成した剥離層表面の凹凸も大きくなる傾向があり、この凹凸を有する剥離層表面にめっき処理を行ってパターン状金属箔層を形成しようとすると、凹凸にめっき金属が入り込むため、アンカー効果によりパターン状金属箔層と剥離層との密着性が高くなり過ぎ、その結果、剥離層からのパターン状金属箔層の剥離性が低下する場合がある。表面粗さの下限は特に限定されないが、Ra=0.005μm以上であることが好ましい。

0052

また、本発明で用いられる基材の上に剥離層として電気ニッケル−スズめっき処理によりニッケル−スズ薄膜層を形成する場合、前記基材はその少なくとも片面が導電性を有するものであることが好ましい。より好ましくは、表面抵抗が0.3Ω/□以下の基材が好ましい。導電性が低いと電気ニッケル−スズめっき処理が十分に行えず、剥離層としてニッケル−スズ薄膜層を形成することが困難となる場合がある。表面抵抗の下限は特に限定されないが、0.001Ω/□以上であることが好ましい。

0053

本発明では、支持体の基材として、上述したような条件を備える金属薄膜、金属積層体などを選択することが望ましい。
基材用金属薄膜に使用される金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、チタンステンレスなどが挙げられる。これらのうちで特に好ましいものは銅である。なお、アルミニウムを用いる場合はアルミニウム薄膜めっき液溶けないようにジンケート処理等の公知の前処理をすることが好ましい。

0054

基材用金属薄膜の厚みは特に制限されないが、好ましくは18〜500μm程度である。なお、基材として単体金属からなる基材用金属薄膜を用い、剥離層として合金又は金属化合物(酸化物、硫化物など)を用いる場合、基材用金属薄膜の表面部分のみを酸化してこの酸化被膜を剥離層として用いることもできる。その一例としては、基材用金属薄膜として金属アルミニウムを用い、その表面部分のみを酸化してこの酸化被膜を剥離層として用いることなどが挙げられる。

0055

本発明の基材用金属積層体は、樹脂フィルム等の積層用ベースフィルムの少なくとも片面に金属が積層された各種フィルムである。金属としては銅、アルミニウムなどが挙げられる。積層用ベースフィルムとしてはPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、PEN(ポリエチレンナフタレート)などが挙げられる。積層用ベースフィルムの厚みは特に制限されないが、好ましくは25〜125μm程度である。積層される金属層の厚みは特に制限されないが、好ましくは0.05〜20μm程度である。

0056

積層の条件は特に限定されず、金属薄膜と積層用ベースフィルムとを貼り合せる方法や、樹脂フィルム表面へ金属めっきや金属蒸着などにより金属層を形成する方法など、従来公知の方法で行うことができる。また、市販の蒸着フィルムを用いることもできる。

0057

2)めっきレジスト
本発明では、上記支持体の剥離層上にめっきレジストを印刷して所望の導電パターンとは逆のパターン(以下、単に「逆パターン」という)を有するめっきレジスト層を形成する。

0058

本発明で用いられるめっきレジストは、剥離層に密着し、後述するめっき処理工程において用いられるめっき液に対する薬剤耐性があり、かつ導電性のないものであれば特に限定されない。

0059

逆パターン状のめっきレジスト層を形成する方法としては、逆パターン状に印刷されためっきレジストを硬化させることが好ましい。硬化方法としては熱硬化及び紫外線硬化のいずれであってもよい。したがって、本発明のめっきレジストは熱硬化型であっても、紫外線硬化型であってもよい。

0060

めっきレジストは通常、溶剤バインダー樹脂、着色成分、添加剤等が必要に応じて適宜配合されている。
バインダー樹脂としては、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系、イソシアネート系などの樹脂を用いることができる。バインダー樹脂は熱硬化型であってもよく、紫外線硬化型であってもよい。

0061

熱硬化型のバインダー樹脂としてはエポキシ樹脂、カルボン酸アクリルポリマー等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂クレゾールノボラック型エポキシ樹脂フェノールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。具体的には、エポキシ樹脂としては「EPICLON 850」(エポキシ当量188)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては「EPICLON N-665」(エポキシ当量202〜212)、「EPICLON N-680」(エポキシ当量206〜216)、「EPICLON N-695」(エポキシ当量209〜219)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては「EPICLON N-775」(エポキシ当量184〜194)(いずれも商品名、DIC株式会社製)などが挙げられる

0062

カルボン酸アクリルポリマーとしては、「JONCRYL 682」(分子量1700、固形分酸価240mgKOH/g)、「JONCRYL 683」(分子量8000、固形分酸価165mgKOH/g)(いずれも商品名、BASFジャパン株式会社製)、「ARUFON UC-3000」(分子量10000、固形分酸価74mgKOH/g)、「ARUFON UC-3900」(分子量4600、固形分酸価108mgKOH/g)(いずれも商品名、東亜合成株式会社製)などが挙げられる。

0064

レジストインク固形分濃度として、バインダー成分は10%〜100%の範囲とすることができる。

0065

溶剤としては特に限定されないが、水;ヘキサンシクロヘキサンヘプタン等の炭化水素類ベンゼントルエンキシレン等の芳香族炭化水素類石油ナフサメタノールエタノールn-プロピルアルコールイソプロピルアルコール等のアルコール類テトラヒドロフランジオキサン等のエーテル類エチルアセテートイソプロピルアセテートブチルアセテートγ−ブチロラクトン等のエステル類アセトンメチルエチルケトンメチルイソブチルケトンシクロヘキサノン等のケトン類エチレングリコールジエチレングリコールプロピレングリコールジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA;ブチルカルビトールアセテート)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートDPMA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等のグリコールエステル類グリコールエーテル類グリコールエステルエーテル類;ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。

0066

着色成分としては、無機系、有機系を問わず、従来インクに使用されてきた公知の顔料染料を用いることができる。
その他、各種添加剤を必要に応じて加えることができる。かかる各種添加剤の具体例としては、表面調整剤消泡剤レベリング剤レオロジーコントロール剤硬化促進剤等が挙げられる。

0067

表面調整剤としては、例えばシリコーン系表面調整剤としてBYK−300、BYK−301、BYK−306等(いずれも商品名、ビックケミージャパン(株)製)、アクリル系表面調整剤として、BYK−350、BYK−352、BYK−354等(いずれも商品名、ビックケミージャパン(株)製)が挙げられる。

0068

消泡剤としては、BYK−051、BYK−052、BYK−053等(いずれも商品名、ビックケミージャパン(株)製)が挙げられる。
レベリング剤としては、BYKETOL−OK、BYKETOL−SPECIAL等(いずれも商品名、ビックケミージャパン(株)製)が挙げられる。

0069

レオロジーコントロール剤としては、BYK−405、BYK−410等(いずれも商品名、ビックケミージャパン(株)製)が挙げられる。
溶剤や各種添加剤は、例えばめっきレジストの粘度や印刷性等を調整するために適宜用いることができる。

0070

特に、めっきレジストに硬化促進剤を加えることが好ましい。めっきレジストに硬化促進剤を加えることにより、より精密なパターンを有するパターン状金属箔を得ることができる。これは、印刷後に速やかにレジストインクが硬化し、硬化促進剤を加えない場合に比べて、インクの流動によるパターンの滲みや広がりが抑制され、より繊細なレジストパターンが得られ、さらにこの上にめっき処理を施すことにより精密なパターン状金属箔が得られることによるものと思われる。

0071

硬化促進剤はバインダー樹脂に対応して選択する必要がある。具体的には、エポキシ樹脂に対しては、イミダゾール化合物アミン化合物などが好ましく用いられる。イミダゾール化合物としては、「SIZ」、「2MZ−H」、「2MZ−OK」等の四国化成工業(株)製キュアゾールシリーズ(いずれも商品名)が挙げられる。アミン化合物としては、「PN−23」、「PN−H」、「PN−31」等の味の素ファインテクノ(株)製アミキュアシリーズ(いずれも商品名)が挙げられる。

0073

紫外線硬化型樹脂に対しては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(BASF製、商品名;イルガキュア184)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF製、商品名;イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(BASF製、商品名;イルガキュア369)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド(BASF製、商品名;ルシリンTPO)等の光重合開始剤ジエチルチオキサントン等の増感剤が挙げられる。

0074

硬化促進剤のめっきレジストに対する配合割合は特に制限されず、適宜調整することができる。

0075

本発明で用いられるめっきレジストは、剥離層との密着性が高いめっきレジスト層を形成しうるものが好ましい。また、めっきレジストは、後述するめっき処理工程において用いられるめっき液に対する薬剤耐性を有することが好ましい。

0076

めっきレジストは体積抵抗率が108Ω・cm以上であることが好ましい。体積抵抗率が108Ω・cm未満であると、電気めっき処理の際にめっきレジスト層の表面にもめっき金属が析出する場合があるため、精密なパターン状金属箔が得られない場合がある。同様の理由で、めっきレジストに用いる着色成分には、金属微粒子等の導電性成分を含まないことが好ましい。

0077

3)めっきレジストの印刷
めっきレジストを剥離層上に印刷するときの印刷方法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷、フォトリソグラフィーグラビアオフセット印刷フレキソ印刷、インクジェット印刷など、既知の方法を適用することができる。これらのうち、インクジェット印刷、スクリーン印刷などが好ましい。

0078

剥離層上に形成されるめっきレジスト層の厚みは、絶縁性が確保でき、且つ後工程で形成する金属箔の厚みよりも薄いことが好ましく、より好ましくは0.1μm〜2μm程度である。

0079

めっきレジスト層の厚みは、例えばスクリーン印刷の場合は、版の乳剤の厚みとインクの粘度を最適化することによって調整できる。グラビア印刷およびグラビアオフセット印刷の場合は、グラビア版の凹部の彫刻の深さとインクの粘度を最適化することによって調整できる。インクジェット印刷の場合は、インクジェットノズルから吐出するインクの液滴の大きさと吐出回数を制御することによって調整することができる。

0080

めっきレジストを印刷後、形成されためっきレジスト層を硬化させる。熱硬化型のめっきレジストを用いる場合、生産コスト等の産業的な観点から、温度は低く加熱時間(乾燥時間)は短い方が好ましい。好ましくは50〜150℃にて、5〜60分間で硬化させる。紫外線硬化型のめっきレジストを用いる場合、波長が200nm〜400nmのUV光を、めっきレジストの硬化に必要な積算光量になるように照射すれば良い。

0081

4)めっき処理
本発明では、剥離層上にめっきレジスト層を形成したのち、前記支持体にめっき処理を施し、剥離層上のめっきレジスト層以外の部分に金属箔層を形成する。このとき、めっきレジスト層は所望の導電パターンと逆パターンで形成されているため、所望の導電パターンを有するパターン状金属箔層が形成される。

0082

めっき処理としては、電気めっき、無電解めっき等が挙げられる。めっき処理の例として、以下に電気銅めっき処理について説明する。
電気銅めっき処理としては、硫酸銅めっき浴を使用する方法など従来公知の方法を適宜用いることができる。めっき処理の条件も従来公知のものを採用することができる。
剥離層上に形成される銅箔の厚みは、公知の技術に基づき、電流密度や反応時間を変えることで調整することができる。

0083

本発明のめっき処理として電気銅めっき処理を採用し、これにより支持体の剥離層上にパターン状銅箔層を形成する場合、銅箔の厚みが上記条件を満たす範囲になるような電気銅めっき処理の好ましい条件としては、例えば電流密度;0.2〜5A/dm2、反応時間;0.5分〜30分等が挙げられる。

0084

このようにして形成されたパターン状金属箔層の厚みは特に制限されないが、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜20μmである。

0085

5)接着層の形成
前記支持体の剥離層上に所望の導電パターンを有するパターン状金属箔層を形成したのちは、該パターン状金属箔層の上に選択的に接着層用樹脂材料を塗布してパターン状接着層を形成する。接着層の形成方法としては、接着層用樹脂材料を、各種印刷技術やディスペンサー、インクジェット等の公知の技術を用いて、パターン状金属箔層上にのみ選択的に塗布する方法を用いることができる。これにより、パターン状金属箔と同じ所望の導電パターンを有する接着層がパターン状金属箔上に形成され、本発明の「支持体とパターン状金属箔と該パターン状金属箔表面に形成されたパターン状接着層とを有する支持体付きパターン状金属箔」が得られる。

0086

(3)貼り合わせ
本発明では、上述した方法により得られた「少なくとも片面に下地コーティング層を有する布帛」と、「支持体とパターン状金属箔と該パターン状金属箔表面に形成されたパターン状接着層とを有する支持体付きパターン状金属箔」とを、前記下地コーティング層と前記パターン状接着層とが重なるように貼り合わせる(工程(a))。すなわち、支持体上のパターン状金属箔を接着層を挟んで布帛と貼り合わせる。

0087

貼り合わせる方法としては加熱圧着が好ましい。加熱圧着の条件は特に制限されないが、好ましくは温度80〜150℃、圧力0.5〜2.0kgf/cm2、時間1〜5分である。

0088

(4)支持体の剥離
前記支持体付きパターン状金属箔と布帛とを貼り合わせた後は、支持体をパターン状金属箔から剥離し、布帛上にパターン状金属箔を転写する(工程(b))。接着層によって貼り合わされた布帛とパターン状金属箔間の剥離強度は、パターン状金属箔と支持体との間の剥離強度よりも十分に大きいことが好ましい。

0089

本発明においては、上述した支持体に剥離層が含まれ、この剥離層とパターン状金属箔とが適度な剥離性を有し容易に剥離することができるため、上記工程(b)において支持体を該剥離層においてパターン状金属箔から容易に剥離することができる。剥離層は支持体側に残る。このようにして支持体を容易に剥離可能とすることによって、精密なパターン状金属箔を布帛に簡便に転写することができる。

0090

(5)カバーコートの形成
本発明の方法では、支持体を剥離してパターン状金属箔を布帛に転写したのち、少なくとも該パターン状金属箔を覆うようにカバーコートを施す(工程(c))。カバーコートは、主に布帛上に形成されたパターン状金属層の絶縁、防水、断裂防止等を目的としている。好ましくはカバーコートは、少なくとも下地コーティング層の上に形成されたパターン状接着層及びパターン状金属箔を覆うように形成され、導電性布帛全体を覆うように形成されていてもよい。

0091

カバーコートの形成方法は特に制限されないが、例えば前記布帛におけるパターン状銅箔が転写された面に、アプリケーターを用いてカバーコート用の樹脂材料(カバーコート剤)を塗布することによって形成することができる。

0092

本発明の方法によって得られる導電性布帛は、柔軟性(屈曲性)及び追従性に優れ、曲げに対する耐久性が高くパターン状金属箔が断裂しにくいので、高い導電性が長く持続する。よって、情報端末センサー布、シート材等に好適に利用することができる。

0093

以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。
本実施例における各種物性の評価方法は以下の通りである。

0094

<屈曲性(柔軟性)>
導電性布帛を10回屈曲させ、屈曲の前後における抵抗値を測定して断裂の有無を確認した。具体的には、まず導電性布帛上の任意の2カ所間の抵抗を測定し、次いで当該2カ所間の任意の場所において、金属箔転写面を内側にして屈曲試験機(安田精機製作所製)を用いて180度の折り返し屈曲を10回(屈曲速度1回/秒)おこなった。その後同一の2カ所間の抵抗を再度測定し、以下の基準で評価した。
〇;10回屈曲後でも抵抗値が変化しなかった。
×;10回屈曲後に抵抗値が変化(増大)した。
なお、抵抗値の測定は日置電機株式会社製3256−50デジタルハイテスタ—を用いて行った。

0095

耐水性
導電性布帛を塩水(NaCl;0.5重量%)に浸漬し、二列のパターン銅箔間に1.58Vの電圧印加した。電圧を印加し続けて5分後の二列のパターン間の抵抗を、日置電機株式会社製3256−50デジタルハイテスタ—にて測定した。

0096

[実施例1]
(1)支持体付きパターン状金属(銅)箔の作製
銅を蒸着したポリイミドフィルム(東レKPフィルム製:銅厚み1μm)を支持体のベース層として、下記めっき液1(pH10.5)を用いて電解ニッケル−スズめっき処理をおこない、ベース層の銅蒸着側に剥離層を形成した。めっき処理温度40℃、電流密度を0.085A/dm2、0.055A/dm2、0.030A/dm2の順に下げていき、それぞれの電流密度における処理時間を74秒間、74秒間、74秒間とした。陽極には不溶性電極を用いて、エアレーションは実施していない。得られた剥離層の厚みは0.1μmであった。

0097

(めっき液1)
硫酸ニッケル(II)・六水和物;30g/L
硫酸スズ(II);6g/L
グルコン酸ナトリウム;75g/L
グリシン;15g/L

0098

次に、前記剥離層の上に、めっきレジストを用いてインクジェット方式によりパターン印刷を行い、所望の導電パターンとは逆パターンのめっきレジスト層を形成した。ここで用いためっきレジストは、樹脂としてアクリルモノマー(商品名「2−ヒドロキシエチルアクリレート」、共栄社化学株式会社製)を90重量%、及び重合開始剤として光重合開始剤(商品名「1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン」;BASF社製)を10重量%含有させたものを用いた。これによって、剥離層上に目的の導電パターンとは逆パターンのめっきレジスト層が形成された支持体を得た。

0099

続いて、この支持体に硫酸銅めっき液を用いて電流密度2A/dm2で5分間電解めっきを行い、所望の導電パターンを有するパターン状銅箔層を形成した。上記硫酸銅めっき液には、硫酸銅120g/l、硫酸150g/l、塩素イオン50mg/lを用いた。上記工程によって、線幅5mm、線長150mm、金属(銅)膜厚が5μmの銅箔が5mm間隔で平行に二列並んでいるパターン状銅箔が支持体上に形成された。

0100

次に、前記パターン状銅箔の表面に、ホットメルト性接着材料である一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂溶液DIC社製、商品名「NH320」)を、ディスペンサー(岩下エンジニアリング会社製、商品名「AD3300C」)を用いて選択的に塗布し、23℃で5分間固化させてパターン状接着層を形成した。このようにして本発明の支持体付きパターン状金属(銅)箔が得られた。

0101

(2)導電性布帛の作製
布帛としてポリエステル平織物を、ポリウレタン樹脂水性コート剤に浸漬処理した後、80℃で10分間乾燥させて、布帛を構成している糸の間隙を含む布帛上に下地コーティング層を形成した。ここで、用いたポリエステル平織物としては、ポリエチレンテレフタレート繊維からなり、タテ糸密度が114本/インチヨコ糸密度が84本/インチの平織物を使用した。また、ポリウレタン樹脂水性コート剤としては、大日本化学工業社製の商品名「ハイドランWLS−202」を50重量%及び水50重量%からなり、粘度が3mPa・s(B型回転粘度計、25℃、50rpm)であるものを使用した。前記ポリウレタン樹脂は耐水性を有するポリエーテル系ポリウレタンであり、これによって耐水性の下地コーティング層(平均厚み:3μm)を有する布帛を得た。

0102

次に、前述の支持体付きパターン状銅箔と布帛とを、該パターン状銅箔上に形成されたパターン状接着層面と前記布帛の下地コーティング層とが接触するように重ね、加熱圧着(加熱圧着温度;120℃、圧力;1kgf/cm2、時間;1分)を行って貼り合せた。次いで前記支持体をパターン状銅箔から引き剥がし、布帛上にパターン状銅箔を転写した。

0103

下地コーティング層と接着層の形成に用いられた樹脂材料のそれぞれの剥離強度を以下の方法で評価した。なお、本実施例における剥離強度は、JIS−C5016「導体の引き剥がし強さ」(90°ピール剥離試験)に準じて、引張り速度50mm/分にて剥離試験を行い、測定範囲内の最大値を求めることによって評価したものである。

0104

まず、評価用のPETフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名「ダイアホイル」、厚み100μm)の上に、下地コーティング層用樹脂材料(ポリウレタン樹脂水性コート剤)および接着層用樹脂材料(一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂)をそれぞれ別途塗布し、厚み20μmの樹脂被膜を形成した。次いで、別のPETフィルムをそれぞれに重ねて、接着温度120℃、圧力1kgf/cm2で貼り合わせた。その後、片面のPETフィルムを固定してもう一方のPETフィルムを90°の角度で引き剥がし、そのときの引き剥がし強さの最大値を剥離強度とした。

0105

下地コーティング層用樹脂材料はほとんど接着性を示さず、剥離強度は0.001N/mmであった。一方、接着層用樹脂材料は強い接着性を示し、剥離強度は0.7N/mmであった。

0106

続いて、前述の布帛のパターン状銅箔が転写された面に、アプリケーター(テスター産業株式会社製、商品名「ベーカー式アプリケーター」)を用いてポリウレタン樹脂を塗布し、カバーコートを施した。ここで用いたポリウレタン樹脂は、大日本化学工業社製の商品名「ハイドランWLS−202」を97重量%、増粘剤としてセンカ株式会社製の商品名「センカアクトゲルNS100」を3重量%含んだものである。

0107

なお、このカバーコート用ポリウレタン樹脂の表面抵抗値は1013Ω/□以上(測定装置:三菱化学アナリテック社製、「ハイレスタUP」)であり、絶縁性を有することを確認した。

0108

これによって、耐水性および絶縁性を有する樹脂膜厚が10μmのポリウレタン樹脂からなるカバーコートを有する本発明の導電性布帛が得られた。得られた導電性布帛は屈曲させても銅箔が断裂することはなく、柔軟性を有していた(屈曲性の評価「○」)。また耐水性評価において、電圧印加5分後の抵抗値は42MΩ(装置の測定上限値)であり、十分に耐水性があることが示された。

0109

[実施例2]
布帛として、経編物材質;ポリエチレンテレフタレート繊維、厚み;300μm)を用い、この布帛を構成している糸の間隙を含む布帛上に下地コーティング剤を充填固化させた。なお、編物は平織物に比べて組織が粗いため、下地コーティング層の形成においてはアプリケーターを用いて糸の間隙に充分に樹脂を充填し、平滑平面を形成した。

0110

下地コーティング剤としては、大日本化学工業社製のポリウレタン樹脂(商品名;「ハイドランWLS−202」)を97重量%及び増粘剤(センカ株式会社製、商品名;「センカアクトゲルNS100」)を3重量%含み、粘度が10Pa・s(B型回転粘度計、25℃、50rpm)であるものを使用した。なお、この下地コーティング層用樹脂材料はほとんど接着性を示さず、実施例1と同様の方法で測定した剥離強度は0.001N/mmであった。

0111

その他は実施例1と同様に行った。これによって耐水性の下地コーティング層(平均厚み:15μm)を有する布帛を得た。得られた導電性布帛は屈曲させても銅箔が断裂することはなく、柔軟性を有していた(屈曲性の評価「○」)。また耐水性評価において、電圧印加5分後の抵抗値は42MΩ(装置の測定上限値)であり、十分に耐水性があることが示された。

0112

[比較例1]
布帛は実施例1と同様のものを用いた。下地コーティング層用樹脂材料としてホットメルト性接着材料である一液湿気硬化型ポリウレタン樹脂溶液(DIC社製、商品名「NH320」)を、アプリケーターを用いて布帛上に塗布し固化させ、硬化後の厚みが20μmの下地コーティング層を有する布帛を得た。このホットメルト性接着材料は実施例1の接着層に用いた樹脂と同じであり、その剥離強度は0.7N/mmであった。

0113

次に、実施例1と同様の支持体付きパターン状銅箔を用い、そのパターン状銅箔上に形成されたパターン状接着層面を布帛の下地コーティング層と接触するように支持体付きパターン状銅箔と布帛とを重ね、実施例1と同様の方法で加熱圧着して両者を貼り合せた。次いで支持体を剥離層面でパターン状銅箔から引き剥がして布帛上にパターン銅箔層の転写を試みたが、支持体が布帛側に強固に接着しており、無理に引き剥がすと支持体上のめっきレジスト層や剥離層が破壊されて布帛側に転写してしまい、目的であるパターン状銅箔のみが転写された導電性布帛は得られなかった。

実施例

0114

[比較例2]
下地コーティング層を形成しないほかは実施例2と同様におこなった。これによって得られた導電性布帛は屈曲させると容易に銅箔が断裂し、導電性布帛としての性質を維持できなかった(屈曲性の評価「×」)。また耐水性評価において、電圧印加5分後の抵抗値は685Ωであり、耐水性が不十分なものであった。

0115

本発明の導電性布帛は、柔軟性(屈曲性)及び追従性に優れ、曲げに対する耐久性が高くパターン状金属箔が断裂しにくいので、高い導電性が長く持続する。
よって、ウェアラブルデバイス用のベース素材等に好適に利用することができる。

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