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技術 絶縁抵抗低下検出装置

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 内藤隆之松村光頼
出願日 2015年4月1日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2015-074969
公開日 2016年11月17日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-195510
状態 特許登録済
技術分野 短絡、断線、漏洩,誤接続の試験 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 高圧システム 許容下限値 絶縁低下 絶縁抵抗低下 絶縁抵抗検出 電力経路 補機装置 高電圧回路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

比較的シンプルな構成により、車両に搭載された電気系統絶縁抵抗の低下を精度よく検出する。

解決手段

絶縁抵抗低下検出装置600は、交流電源610と、検出部640と、しきい値設定部650と、判定部660とを備え、車両100に搭載された電気系統105の絶縁抵抗の低下を検出する。交流電源610は、電気系統に電気的に接続される信号線交流信号を与える。検出部は、信号線における交流信号の波高値を検出する。しきい値設定部は、電気系統に接続される電気機器に応じて、絶縁低下判定用のしきい値を変更する。判定部は、検出部によって検出された波高値が、しきい値設定部で設定されたしきい値を下回ったことに基づいて、絶縁抵抗の低下を検出する。

概要

背景

近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池コンデンサなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力を用いて、モータによって発生する駆動力により走行する車両が注目されている。このような車両には、たとえば電気自動車ハイブリッド自動車燃料電池車などが含まれる。

このような車両には、蓄電装置、走行用のモータ、およびそれを駆動するためのインバータなど、比較的高電圧電気機器が搭載されており、一般的には、これらの高圧システムと車両の接地電位とは電気的に絶縁された構成となっている。

特開2014−155329号公報(特許文献1)は、このような電動車両において、車両に搭載された電気系統絶縁低下を判定する構成を開示する。特開2014−155329号公報(特許文献1)においては、電気系統に交流信号印加し、その交流信号の波高値を検出することによって、絶縁低下が生じているか否かが判定される。

概要

比較的シンプルな構成により、車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を精度よく検出する。絶縁抵抗低下検出装置600は、交流電源610と、検出部640と、しきい値設定部650と、判定部660とを備え、車両100に搭載された電気系統105の絶縁抵抗の低下を検出する。交流電源610は、電気系統に電気的に接続される信号線に交流信号を与える。検出部は、信号線における交流信号の波高値を検出する。しきい値設定部は、電気系統に接続される電気機器に応じて、絶縁低下判定用のしきい値を変更する。判定部は、検出部によって検出された波高値が、しきい値設定部で設定されたしきい値を下回ったことに基づいて、絶縁抵抗の低下を検出する。

目的

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、比較的シンプルな構成を用いて、車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を精度よく検出することである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

車両に搭載された電気系統絶縁抵抗の低下を検出するための絶縁抵抗低下検出装置であって、前記電気系統に電気的に接続される信号線交流信号を与える信号発生部と、前記信号線における前記交流信号の波高値を検出するための検出部と、前記電気系統に接続される電気機器に応じて絶縁低下判定用のしきい値を設定する設定部と、前記検出部によって検出された波高値が、前記設定部で設定されたしきい値を下回ったことに基づいて、前記絶縁抵抗の低下を検出する、絶縁抵抗低下検出装置。

技術分野

0001

本発明は、絶縁抵抗低下検出装置に関し、より特定的には、車両に搭載された電気系統絶縁抵抗の低下を検出するための装置に関する。

背景技術

0002

近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池コンデンサなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力を用いて、モータによって発生する駆動力により走行する車両が注目されている。このような車両には、たとえば電気自動車ハイブリッド自動車燃料電池車などが含まれる。

0003

このような車両には、蓄電装置、走行用のモータ、およびそれを駆動するためのインバータなど、比較的高電圧電気機器が搭載されており、一般的には、これらの高圧システムと車両の接地電位とは電気的に絶縁された構成となっている。

0004

特開2014−155329号公報(特許文献1)は、このような電動車両において、車両に搭載された電気系統の絶縁低下を判定する構成を開示する。特開2014−155329号公報(特許文献1)においては、電気系統に交流信号印加し、その交流信号の波高値を検出することによって、絶縁低下が生じているか否かが判定される。

先行技術

0005

特開2014−155329号公報
特開2007−147391号公報
特開2002−323526号公報

発明が解決しようとする課題

0006

上記のような構成の車両においては、電気系統にどのような電気機器が接続されるかによって、コモンモードにおける高電圧回路の浮遊容量が変化し、それによって検出対象の電気系統のインピーダンスが変化する。浮遊容量が増加すると、絶縁抵抗が見かけ上低下してしまうため、実際には電気系統の絶縁状態が正常であっても、絶縁状態が低下していると誤判定してしまう可能性がある。

0007

特開2014−155329号公報(特許文献1)では、電気系統に印加する交流信号の周波数切換え、それぞれの周波数を用いた場合の波高値からコモンモードにおける浮遊容量を推定し、その推定結果に基づいて、絶縁低下を判定するためのしきい値を変更することによって、上記のようなインピーダンス変化による誤検出を防止している。

0008

しかしながら、特開2014−155329号公報(特許文献1)で提案される手法では、交流信号の周波数を切換えるための機構が必要であったり、推定機能を実現するために処理が複雑化する可能性があるため、コスト面および小型化の観点からは、さらなる改善の余地がある。

0009

本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、比較的シンプルな構成を用いて、車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を精度よく検出することである。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る絶縁抵抗検出装置は、車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下を検出するための絶縁抵抗低下検出装置である。絶縁抵抗低下検出装置は、信号発生部と、検出部と、設定部と、判定部とを備える。信号発生部は、電気系統に電気的に接続される信号線に交流信号を与える。検出部は、信号線における交流信号の波高値を検出する。設定部は、電気系統に接続される電気機器に応じて、絶縁低下判定用のしきい値を変更する。判定部は、検出部によって検出された波高値が、設定部で設定されたしきい値を下回ったことに基づいて、絶縁抵抗の低下を検出する。

0011

このような構成とすることによって、電気系統に接続される電気機器に起因する浮遊容量の変化を考慮して、絶縁低下判定用のしきい値が設定できるため、比較的シンプルな構成を用いて絶縁抵抗の低下を精度よく検出することが可能となる。

発明の効果

0012

本発明によれば、車両に搭載された電気系統の絶縁抵抗の低下の検出精度を向上させることができる。

図面の簡単な説明

0013

本実施の形態に従う絶縁抵抗低下検出装置を備える車両の全体ブロック図である。
図1における絶縁検出部の詳細を示すブロック図の一例である。
検出部で検出される波高値と絶縁抵抗との関係を説明するための図である。
電気系統に含まれる電気機器のコモン容量と絶縁判定しきい値の一例を示す図である。
本実施の形態において、絶縁検出部で実行される絶縁抵抗検出制御を説明するためのフローチャートである。

実施例

0014

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。

0015

[車両の基本構成
図1は、本実施の形態に従う絶縁抵抗低下検出装置(以下、「絶縁検出部」とも称する。)600を備える車両100の全体ブロック図である。

0016

図1を参照して、車両100は、蓄電装置110と、システムメインリレーSMR115と、駆動装置であるPCU(Power Control Unit)120と、モータジェネレータ130と、駆動輪140と、補機装置150と、制御装置であるECU(Electronic Control Unit)300と、絶縁低下検出装置である絶縁検出部600とを備える。

0017

蓄電装置110は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置110は、たとえば、リチウムイオン電池ニッケル水素電池あるいは鉛蓄電池などの二次電池や、電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。

0018

蓄電装置110は、電力線PL1,NL1を介してPCU120に接続される。そして、蓄電装置110は、車両100の駆動力を発生させるための電力をPCU120に供給する。また、蓄電装置110は、モータジェネレータ130で発電された電力を蓄電する。蓄電装置110の出力はたとえば200V程度である。

0019

蓄電装置110には、いずれも図示しないが、蓄電装置110の電圧および入出力電流を検出するための電圧センサ電流センサが設けられる。検出された電圧VBおよび電流IBはECU300へ出力される。ECU300は、これらの検出値に基づいて、蓄電装置110の充電状態SOC(State of Charge)を演算する。

0020

SMR115は、蓄電装置110の正極端子と電力線PL1とに接続されるリレーと、蓄電装置110の負極端子と電力線NL1とに接続されるリレーとを含む。SMR115は、ECU300からの制御信号SE1に基づいて、蓄電装置110とPCU120との間での電力の供給と遮断とを切換える。

0021

PCU120には、いずれも図示しないが、コンバータ、インバータなどが含まれる。コンバータは、ECU300からの制御信号PWCにより制御されて蓄電装置110からの電圧を変換する。インバータは、ECU300からの制御信号PWIにより制御されて、コンバータで変換された電力を用いてモータジェネレータ130を駆動する。

0022

モータジェネレータ130は交流回転電機であり、たとえば、永久磁石埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。

0023

モータジェネレータ130の出力トルクは、減速機動力分割機構などを介して駆動輪140に伝達されて、車両100を走行させる。モータジェネレータ130は、車両100の回生制動動作時には、駆動輪140の回転力によって発電することができる。そして、その発電電力は、PCU120によって蓄電装置110の充電電力に変換される。

0024

なお、図1においては、モータジェネレータおよびインバータのペアが1つ設けられる構成が示されるが、モータジェネレータおよびインバータの数はこれに限定されない。2つより多くのモータジェネレータおよびインバータのペアが設けられる構成としてもよい。

0025

また、本実施の形態においては、車両100として電気自動車を例として説明するが、車両100はこれに限定されない。すなわち、車両100は車両駆動力発生用の電動機を搭載する車両を示すものであり、電気自動車のほかに、燃料電池自動車や、エンジンおよび電動機により車両駆動力を発生するハイブリッド自動車などを含む。

0026

補機装置150は、空調装置や、車両100における低電圧系機器を総称したものである。補機装置150としては、上記の空調装置の他、たとえば、蓄電装置110からの電圧を降圧するためのDC/DCコンバータや、補機バッテリ、および、オーディオなどの補機負荷が含まれる。

0027

車両100は、外部電源500から供給される電力によって蓄電装置110を充電する外部充電のための構成として、さらに、充電装置200と、充電リレーCHR210と、インレット220とを備える。

0028

インレット220は、車両100の外表面に設けられる。インレット220には、充電ケーブル400のコネクタ410が接続される。そして、外部電源500からの電力が、充電ケーブル400を介して車両100に伝達される。

0029

充電ケーブル400は、コネクタ410に加えて、外部電源500のコンセント510に接続するためのプラグ420と、コネクタ410およびプラグ420とを電気的に結ぶ電線部430とを含む。また、電線部430には、外部電源500からの電力の供給および遮断を切換えるための充電回路遮断装置(ChargingCircuit Interrupt Device:CCID)440が任意的に含まれてもよい。

0030

充電装置200は、電力線ACL1,ACL2を介して、インレット220に接続される。また、充電装置200は、電力線PL2,NL2によって、充電リレーCHR210を介して蓄電装置110に接続される。充電装置200は、ECU300からの制御信号PWDにより制御され、インレット220から供給される交流電力を蓄電装置110の充電電力に変換する。

0031

CHR210は、蓄電装置110の正極端子と電力線PL2とに接続されるリレーと、蓄電装置110の負極端子と電力線NL2とに接続されるリレーとを含む。CHR210に含まれる各リレーは、ECU300からの制御信号SE2によって制御され、充電装置200から蓄電装置110への電力の供給と遮断とを切換える。

0032

絶縁検出部600は、蓄電装置110の負極と接地ノードGND(車両のシャーシ)に接続され、図1に示された車両システムにおける電力経路の絶縁抵抗の低下、すなわち漏電の有無を検出する。絶縁検出部600は、漏電の有無を示す信号LDPをECU300へ出力する。なお、絶縁検出部600の詳細については図2で後述する。

0033

ECU300は、いずれも図1には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、車両100および各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア電子回路)で処理することも可能である。

0034

ECU300は、絶縁検出部600からの漏電の有無を示す信号LDPを受ける。ECU300は、絶縁検出部600からの信号LDPにより、走行中あるいは補機装置150を駆動しているときに車両システムの絶縁抵抗の低下が検出された場合には、PCU120および補機装置150の駆動を停止するとともにSMR1を開放する。また、外部充電中に絶縁抵抗の低下が検出された場合には、充電装置200の駆動を停止するとともにCHR210を開放する。

0035

図1においては、ECU300として1つの制御装置を設ける構成としているが、たとえば、制御対象機器ごとまたは各機能ごとに個別の制御装置を設ける構成としてもよい。また、絶縁検出部600の機能は、ECU300に含まれる構成であってもよい。

0036

なお、図1の車両システムにおいて、蓄電装置110、ECU300、および絶縁検出部600を除いた装置を、包括的に「電気系統105」と称することとする。

0037

[絶縁検出部の構成]
図2は、図1に示した絶縁検出部600の詳細な構成の一例を説明するための図である。図2を参照して、絶縁検出部600は、信号発生部である交流電源610と、検出抵抗620と、カップリングコンデンサ630と、検出部640と、しきい値設定部650と、判定部660とを含む。検出部640は、バンドパスフィルタ(BPF)642と、ピークホールド回路644とを含む。

0038

交流電源610および検出抵抗620は、ノードN1と接地ノードGNDとの間に直列に接続される。交流電源610は、所定周波数で変化する交流信号SIGを出力する。

0039

カップリングコンデンサ630は、蓄電装置110の負極端子とノードN1との間に接続される。カップリングコンデンサ630は、車両100の電気系統105と接地ノードGNDとを絶縁する。

0040

バンドパスフィルタ642は、ノードN1上の交流信号SIGを受け、その受けた交流信号SIGから所定周波数の成分だけを抽出してピークホールド回路644へ出力する。ピークホールド回路644は、バンドパスフィルタ642から受けた信号のピークホールドし、そのホールドした信号VAを判定部660へ出力する。すなわち、信号VAは、バンドパスフィルタ642から受けた交流信号の波高値を表す信号である。

0041

しきい値設定部650は、電気系統105に接続されている電気機器に関する情報INFをECU300から受ける。しきい値設定部650は、ECU300からの情報INFに基づいて、絶縁低下を判定するためのしきい値Vthを決定し、判定部660に決定したしきい値Vthを出力する。

0042

判定部660は、ピークホールド回路644からの信号VAと、しきい値設定部650で設定された判定用のしきい値Vthとを受ける。判定部660は、信号VAをしきい値Vthと比較することによって、車両システムの絶縁抵抗Riの低下を検出し、絶縁抵抗Riの低下(漏電)を示す信号LDPをECU300へ出力する。

0043

次に、絶縁抵抗Riの低下を検出する動作について説明する。
交流電源610から出力された交流信号SIGは、検出抵抗620、カップリングコンデンサ630、および絶縁抵抗Riを含んで構成される直列回路に印加される。これにより、検出抵抗620およびカップリングコンデンサ630の接続点に相当するノードN1には、絶縁抵抗Riおよび検出抵抗620(抵抗値Rd)の分圧比:Ri/(Rd+Ri)と交流電源610からの交流信号SIGの振幅(V0)との積を波高値とする交流電圧が発生する。

0044

ノードN1に発生した交流電圧は、バンドパスフィルタ642によって交流信号SIGの周波数以外の成分が減衰される。ピークホールド回路644は、バンドパスフィルタ642を通過した交流電圧のピーク電圧VAを判定部660へ出力する。

0045

絶縁抵抗Riの抵抗値は、正常時にはRi>>Rdである。Riが高くなるにつれて、ピーク電圧VAは交流電源の電圧V0にほぼ等しくなる。一方、絶縁抵抗Riが低下すると、分圧比:Ri/(Rd+Ri)が低下し、それによってピーク電圧VAが低下する。

0046

したがって、絶縁抵抗Riの許容下限値と検出抵抗620の抵抗値Rdとの分圧比に従ったしきい値電圧Vthとピーク電圧VAとを比較することによって、絶縁抵抗Riの低下を検出することができる。

0047

絶縁正常時には、ピーク電圧VAはしきい値電圧Vthを超えて、最大電圧V0に達する。一方、絶縁異常時には、ピーク電圧VAはしきい値電圧Vthよりも小さくなる。

0048

上記のような絶縁検出部600の構成とすることによって、電気系統105の絶縁抵抗の低下の有無を判定することができる。

0049

[絶縁抵抗検出制御の説明]
一方で、電気系統105に接続される各電気機器は、接地ノードGNDに対して少なからず浮遊容量(以下。「コモン容量」とも称する。)を有している。このため、接続される電気機器によっては、電気系統105および接地ノードGND間のコモン容量が増加し、その影響によって電気系統105と接地ノードGNDとの間のインピーダンスが低下する場合がある。そうすると、コモン容量の増加によって、実際には絶縁低下(漏電)が生じてないにも関わらず、電気系統105の絶縁抵抗が低下していると誤検出してしまう可能性がある。

0050

そこで、本実施の形態においては、電気系統105に接続されている電気機器に応じて、絶縁低下を判定するためのしきい値Vthを可変に設定することによって、電気系統105に接続される電気機器のコモン容量の影響を低減し、絶縁抵抗低下の誤検出を抑制する絶縁抵抗検出制御を行なう。

0051

図3は、本実施の形態にいて、検出部640で検出される波高値(ピーク電圧VA)と絶縁抵抗との関係を説明するための図である。図3において、横軸には絶縁抵抗が示され、縦軸には波高値が示される。

0052

図3を参照して、漏電に関する設計仕様において、絶縁異常(絶縁低下)として必ず検知すべき絶縁抵抗の上限値をZ1で表し、正常と判断できる絶縁抵抗の最小値をZ2(>Z1)で表す。すなわち、検出された絶縁抵抗がZ1以下であると、電気系統の絶縁は異常状態であると判定され、検出された絶縁抵抗がZ2以上であると、電気系統の絶縁は正常であると判定される。なお、絶縁抵抗がZ1より大きくZ2より小さい領域(Z1<絶縁抵抗<Z2)は、電気系統のインピーダンスによって、正常/異常の判定が異なり得る領域である。

0053

曲線L1は、電気系統のコモン容量が0nFの場合、すなわち、電気系統のインピーダンスが最も高い場合の関係を示す曲線であり、たとえばすべての電気機器が切り離されているような状態における曲線である。

0054

この曲線L1において、常に異常と検知する絶縁抵抗Z1の場合の波高値(電圧)をVth1とすると、コモン容量が0nFの場合には、検出された波高値がこのしきい値Vth1より大きいと、少なくとも絶縁抵抗は異常な状態ではないと判断することができる。

0055

電気系統に電気機器が接続されてコモン容量が増加すると、それに応じて曲線L2,L3,L4のように、同じ絶縁抵抗の場合に検出される波高値が低下する。言い換えれば、コモン容量が大きくなるにつれて、波高値のしきい値Vth1と曲線との交点が、グラフ右方向(すなわち、絶縁抵抗が高くなる方向)へとシフトする。

0056

ここで、曲線としきい値Vth1との交点が絶縁抵抗Z2の位置となるまでコモン容量が増加した状態(曲線L2,コモン容量=C1)となるまでは、検出された波高値がしきい値電圧Vth1以上であれば、絶縁抵抗は異常な状態ではないと判断することができる。

0057

しかしながら、コモン容量がさらに大きくなると、曲線L3,L4のように、本来正常と判断できる絶縁抵抗Z2の場合に検出される波高値が、しきい値Vth1よりも低くなる。そのため、この状態において、検出された波高値としきい値Vth1との比較に基づいて絶縁状態を判断した場合には、実際には絶縁抵抗が正常(>Z2)であるにも関わらず、異常と判断してしまう可能性がある。

0058

そこで、本実施の形態においては、電気系統に接続される電気機器のコモン容量に応じて、判定用のしきい値Vthを変更する。たとえば、図3に示されるように、コモン容量がC1より大きくC2以下の場合には、判定用のしきい値をVth2(<Vth1)と設定し、コモン容量がC2より大きくC3以下の場合には、判定用のしきい値をVth3(<Vth2)と設定する。このように変更されたしきい値Vthを用いて判定することによって、コモン容量が増加した場合であっても、絶縁低下を誤検出する可能性を低減することができる。

0059

より具体的には、図4で示されるような、予め実験等によって測定した各電気機器に対応するコモン容量と、それに対応した判定用しきい値との関係を示すマップを、しきい値設定部650(図2)に格納しておき、しきい値設定部650が、ECU300から通知される各電気機器の接続状態に応じて、当該マップを参照することによって判定用しきい値Vthを設定する。

0060

その後、図2を用いて上述したように、判定部660が、しきい値設定部650で設定されたしきい値Vthと、検出部640で検出された波高値VAとを比較することによって、絶縁低下の有無を判定する。

0061

図5は、本実施の形態において、絶縁検出部600で実行される絶縁抵抗検出制御を説明するためのフローチャートである。図5に示すフローチャートは、絶縁検出部600に予め格納されたプログラムメインルーチンから呼び出されて、所定周期で実行されることによって処理が実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。

0062

図5を参照して、しきい値設定部650は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECU300からの情報INFに基づいて、現在電気系統105にどの電気機器(高圧ユニット)が接続されているかを確認する。

0063

しきい値設定部650は、S110にて、図4で説明したようなマップを用いて、接続されている電気機器のコモン容量に応じた判定用のしきい値Vthを取得する。

0064

判定部660は、S120にて、現在絶縁判定用に使用しているしきい値と、S110で取得したしきい値Vthとを比較して、現在使用中のしきい値が適切であるか否かを判定する。具体的には、判定部660は、現在使用中のしきい値が、取得したしきい値Vthよりも小さいか否かを判定する。

0065

現在使用中のしきい値が適切な場合(S120にてYES)は、判定部660は、S130をスキップしてS140に処理を進めて、現在使用中のしきい値とピークホールド回路644から受けたピーク電圧VAとを比較して、絶縁低下検出を行なう。

0066

一方、現在使用中のしきい値が適切でない場合(S120にてNO)は、処理がS130に進められて、判定部660は、S110で取得したしきい値Vthを判定用のしきい値に変更する。なお、このしきい値変更の実行中は、誤判定を防止するために、絶縁低下検出を一時的に中断することが好ましい。

0067

判定用のしきい値の変更が完了すると、処理がS140に進められて、判定部660は、変更したしきい値とピーク電圧VAとを用いて絶縁低下検出を再開する。

0068

以上のような処理に従って制御を行なうことによって、電気系統に接続された電気機器のコモン容量を考慮して、絶縁抵抗の低下を判定することができる。これにより、電気機器のコモン容量に起因する誤判定が防止でき、それによって絶縁抵抗の低下の検出精度を向上させることができる。さらに、上記のような制御においては、追加的な機構や、複雑な処理が不要であるため、比較的シンプルな構成で検出精度の向上が実現できる。

0069

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

0070

100 車両、105電気系統、110蓄電装置、115SMR、120 PCU、130モータジェネレータ、140駆動輪、150補機装置、200充電装置、210 CHR、220インレット、300 ECU、400充電ケーブル、410コネクタ、420プラグ、430電線部、440 CCID、500外部電源、510コンセント、600絶縁検出部、610交流電源、620検出抵抗、630カップリングコンデンサ、640 検出部、642バンドパスフィルタ、644ピークホールド回路、650 しきい値設定部、660 判定部、ACL1,ACL2,NL1,NL2,PL1,PL2電力線、GND接地ノード、N1ノード。

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