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技術 線条樹脂成形体の製造方法

出願人 キョーラク株式会社
発明者 湯浅亮平埜村卓志上田直樹
出願日 2016年3月31日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-071357
公開日 2016年11月17日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-193601
状態 特許登録済
技術分野 プラスチック等の押出成形 プラスチック等のその他の成形、複合成形(変更なし) プラスチック等の成形材料の処理、取扱一般
主要キーワード 整形精度 円環状流路 規格幅 円形金型 固着方式 樹脂線状体 BS材料 各金型部材
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

線径が一定で真円に近い断面形状の線条樹脂成形体を製造し得る線条樹脂成形体の製造方法を提供する。

解決手段

熱溶融積層方式の3Dプリンタに用いられる線条樹脂成形体の製造方法である。溶融混練した樹脂材料押出機口金から連続的に押出し、押出された線条樹脂成形体を真空吸引しながらサイジング装置を通過させ、その後、冷却固化させて巻き取る。サイジング装置は、断面円形の空間を有し、この空間に臨む面に複数の真空吸引溝を有する。線条樹脂成形体は、3次元オブジェクト構築するモデリング装置において、原料素材として用いられる。

概要

背景

次元オブジェクト形成方法として、いわゆる3Dプリンタが注目されており、これまで実現することが難しかった複雑な形状の3次元オブジェクトも簡単に作製可能になってきている。3Dプリンタを用いれば、樹脂や金属等、任意の材料を積み重ねていくことにより、通常の方法では実現不可能な形状であっても加工することが可能である。

3Dプリンタには、いくつかの方式のものが知られており、その中で樹脂ストランド線状体)を押出して積層堆積させる方式(熱溶融積層方式)のものは、コスト面で有利であること等から、各方面で開発が進められている(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照)。

例えば、特許文献1の積層造形ステムでは、造形材料であるフィラメント押し出しヘッドに供給し、押し出しヘッドに搭載される液化機にてフィラメントを溶融し、ノズルを通して、溶融したフィラメントをベース上に押し出す。押し出しヘッド及びベースは、3Dモデルを形成するために相対的に移動し、多数の線状及び層状の材料を積層していき、3Dモデルを製造する。

特許文献2には、押出による積層堆積システム押出ヘッド改質BS材料送出することと、押出ヘッドの応答時間を向上させる条件下で、送出された改質ABS材料を押出ヘッドにおいて溶融することと、3Dオブジェクトを形成するために、溶融された熱可塑性プラスチック材料を一層毎に堆積させることとを含む3Dオブジェクトを構築する方法が開示されている。

この種の方法では、樹脂材料を溶融堆積するというのが基本的な考えであり、原料素材として樹脂のストランド線条体)が用いられる。特許文献3や特許文献4には、原料素材として用いる樹脂ストランドや、その供給方法等についての開示がある。

特許文献3には、3次元物体を作成するための組成物が開示されているが、造形物を作製する押出機では、押出ヘッドに可撓性フィラメントとして供給している。フィラメントは、押出ヘッドが携帯する液化機内で溶融される。液化機は凝固点よりもわずかに高い温度にフィラメントを加熱して、これを溶融状態にする。溶融材料は液化機のオリフィスを通じて台座上に押し出される。

特許文献4には、3次元堆積モデリング機械内でフィラメントを供給するフィラメントカセットおよびフィラメントカセット受器が開示されている。特許文献3では、フィラメントを簡便な様態でモデリング機械に係合および分離する方法を提供し、環境における湿気からフィラメントを保護する様態で実現され得るようにしている。

概要

線径が一定で真円に近い断面形状の線条樹脂成形体を製造し得る線条樹脂成形体の製造方法を提供する。熱溶融積層方式の3Dプリンタに用いられる線条樹脂成形体の製造方法である。溶融混練した樹脂材料を押出機の口金から連続的に押出し、押出された線条樹脂成形体を真空吸引しながらサイジング装置を通過させ、その後、冷却固化させて巻き取る。サイジング装置は、断面円形の空間を有し、この空間に臨む面に複数の真空吸引溝を有する。線条樹脂成形体は、3次元オブジェクトを構築するモデリング装置において、原料素材として用いられる。

目的

本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、線径が一定で真円に近い断面形状の線条樹脂成形体を製造し得る線条樹脂成形体の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

熱溶融積層方式の3Dプリンタに用いられる線条樹脂成形体の製造方法であって、溶融混練した樹脂材料押出機から口金を介して連続的に押出し、押出された線条樹脂成形体を真空吸引しながらサイジング装置を通過させ、その後、冷却固化させて巻き取ることを特徴とする線条樹脂成形体の製造方法。

請求項2

前記サイジング装置は、断面円形の空間を有し、この空間に臨む面に複数の真空吸引溝を有することを特徴とする請求項1記載の線条樹脂成形体の製造方法。

請求項3

前記線条樹脂成形体は、熱可塑性樹脂を含む第1層と、前記第1層を被覆し、熱可塑性樹脂を含み前記第1層とは異なる物性を有する第2層と、を備えることを特徴とする請求項1または2記載の線条樹脂成形体の製造方法。

請求項4

前記線条樹脂成形体は、無機充填剤を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の線条樹脂成形体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、線条樹脂成形体の製造方法に関するものであり、特に、いわゆる3Dプリンタのような3次元オブジェクト物体)を構築するモデリング装置等において、原料素材として用いられる線条樹脂成形体の製造方法に関するものである。

背景技術

0002

3次元オブジェクトの形成方法として、いわゆる3Dプリンタが注目されており、これまで実現することが難しかった複雑な形状の3次元オブジェクトも簡単に作製可能になってきている。3Dプリンタを用いれば、樹脂や金属等、任意の材料を積み重ねていくことにより、通常の方法では実現不可能な形状であっても加工することが可能である。

0003

3Dプリンタには、いくつかの方式のものが知られており、その中で樹脂ストランド線状体)を押出して積層堆積させる方式(熱溶融積層方式)のものは、コスト面で有利であること等から、各方面で開発が進められている(例えば、特許文献1や特許文献2等を参照)。

0004

例えば、特許文献1の積層造形ステムでは、造形材料であるフィラメント押し出しヘッドに供給し、押し出しヘッドに搭載される液化機にてフィラメントを溶融し、ノズルを通して、溶融したフィラメントをベース上に押し出す。押し出しヘッド及びベースは、3Dモデルを形成するために相対的に移動し、多数の線状及び層状の材料を積層していき、3Dモデルを製造する。

0005

特許文献2には、押出による積層堆積システム押出ヘッド改質BS材料送出することと、押出ヘッドの応答時間を向上させる条件下で、送出された改質ABS材料を押出ヘッドにおいて溶融することと、3Dオブジェクトを形成するために、溶融された熱可塑性プラスチック材料を一層毎に堆積させることとを含む3Dオブジェクトを構築する方法が開示されている。

0006

この種の方法では、樹脂材料を溶融堆積するというのが基本的な考えであり、原料素材として樹脂のストランド線条体)が用いられる。特許文献3や特許文献4には、原料素材として用いる樹脂ストランドや、その供給方法等についての開示がある。

0007

特許文献3には、3次元物体を作成するための組成物が開示されているが、造形物を作製する押出機では、押出ヘッドに可撓性フィラメントとして供給している。フィラメントは、押出ヘッドが携帯する液化機内で溶融される。液化機は凝固点よりもわずかに高い温度にフィラメントを加熱して、これを溶融状態にする。溶融材料は液化機のオリフィスを通じて台座上に押し出される。

0008

特許文献4には、3次元堆積モデリング機械内でフィラメントを供給するフィラメントカセットおよびフィラメントカセット受器が開示されている。特許文献3では、フィラメントを簡便な様態でモデリング機械に係合および分離する方法を提供し、環境における湿気からフィラメントを保護する様態で実現され得るようにしている。

先行技術

0009

特表2009−500194号公報
特表2010−521339号公報
特許5039549号公報
特許4107960号公報

発明が解決しようとする課題

0010

前述のような樹脂ストランドを押出ヘッドに供給し、これを溶融しながら供給することで3次元オブジェクトを積層堆積させる方式では、使用する樹脂ストランドの線径が一定であり、線形が真円に近いことが重要である。使用する樹脂ストランドの線径や線形が変化すると、押出ヘッドから供給される樹脂量が変化することになり、構築される3次元オブジェクトの成形精度の低下を招くことになるからである。

0011

一般に、樹脂ストランドは、溶融混練した樹脂材料を押出機の口金から連続的に押出し、これを冷却固化した後に巻き取ることにより製造されるが、押出し条件巻取り条件の変動等により、線径や線形に変動が生ずることがあり、これを回避することは難しい。また、これまで樹脂ストランドの線径や線形について、ほとんど注意が払われていないのが実情である。

0012

本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、線径が一定で真円に近い断面形状の線条樹脂成形体を製造し得る線条樹脂成形体の製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

前述の目的を達成するために、本発明の線条樹脂成形体の製造方法は、熱溶融積層方式の3Dプリンタに用いられる線条樹脂成形体の製造方法であって、溶融混練した樹脂材料を押出機から口金を介して連続的に押出し、押出された線条樹脂成形体を真空吸引しながらサイジング装置を通過させ、その後、冷却固化させて巻き取ることを特徴とする。

0014

チューブ中空の樹脂成形体)の成形においては、径精度を向上させるための技術として、真空サイジング法が知られているが、中実の線条樹脂成形体のサイジングにおいて、真空吸引が試みられたことはない。しかしながら、本発明者らが鋭意検討した結果、中実の線条樹脂成形体のサイジングにおいても、真空吸引を行うことで、線径が一定となり、線形も真円に近いものとなることが明らかとなった。これまで得られたことのない知見である。

発明の効果

0015

本発明の線条樹脂成形体の製造方法によれば、線径が一定で真円に近い断面形状の線条樹脂成形体を製造し得る線条樹脂成形体の製造方法を提供することが可能であり、例えばこれを3次元オブジェクトの原料素材として用いることで、精度の高いモデリングが可能となる。

図面の簡単な説明

0016

本発明の製造方法が適用される線条樹脂成形体の一例を示す概略斜視図である。
図1に示される線条樹脂成形体の断面図である。
層構成の線条樹脂成形体の一例を示す概略斜視図である。
図3に示される線条樹脂成形体の断面図である。
線条樹脂成形体を製造する装置の側面図である。
2層構成の線条樹脂成形体を製造する装置の平面図である。
2層構成の線条樹脂成形体を製造する際に使用される金型の構成例を示す分解斜視図である。
図3に示される装置のサイジング装置の分解斜視図である。
図3に示される装置のサイジング装置の平面図であり、上部材を部分的に破断して示す図である。

実施例

0017

以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。また、図面は、符号の向きに見るものとする。

0018

まず、簡単に、3Dプリンタの概要を説明する。その基本的な仕組みは、コンピュータで作成した3Dデータを設計図として、断面形状を積層していくことで立体物すなわち3D(三次元)オブジェクトを作成するものである。その方法としては、例えば、液状の樹脂に紫外線などを照射し少しずつ硬化させていくインクジェット方式粉末の樹脂に接着剤を吹きつけていく粉末固着方式、熱で融解した樹脂を少しずつ積み重ねていく熱溶融積層方式などの方法がある。本実施形態に係る線条樹脂成形体は、熱溶融積層方式に用いられるものであり、例えばリールに巻回された状態で3Dプリンタに供給される。

0019

熱溶融積層方式の3Dプリンタに使用される線条樹脂成形体としては、ABS樹脂等の単独の樹脂で構成されるものが一般的である。図1及び図2は、単独の樹脂で構成される、いわゆる単層の線条樹脂成形体10を示すものである。単層の線条樹脂成形体10は、単独の樹脂を線条に加工したものであり、極めてシンプルな構成である。本発明は、主にこの単層の線条樹脂成形体10の製造に適用される。

0020

勿論、これに限らず、例えば多層構成の線条樹脂成形体等についても、本発明の製造方法は適用可能である。3Dプリンタにおいて、造形中に折れ曲がったり、折れたり、開封後に吸湿して品質劣化したり、熱溶融積層方式ではその造形方式から流動性の高い材料での造形が困難であるという問題がある。この問題を解消するために、熱可塑性樹脂を含む第1層と、前記第1層を被覆し、前記第1層とは異なる材質を含む第2層とを備え、前記第2層が前記第1層を被覆した状態で押し出され造形される2層構成の線条樹脂成形体の採用が好ましく、本発明は、このような2層構成の線条樹脂成形体のような多層構成の線条樹脂成形体の製造に適用することも好適である。

0021

2層構成の線条樹脂成形体の構成を図3図4に基づいて説明すると、図3に示すように、線条樹脂成形体10は、熱溶融積層方式の3Dプリンタに用いられる造形材料であって、第1層21と、第1層21を被覆し、第1層21とは異なる材質を含む第2層22とを備える。

0022

第1層21は、円柱状に形成され、熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂には、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂(ABS樹脂)を好適に用いることができる。

0023

第2層22は、第1層21を被覆するように円筒状に形成され、線条樹脂成形体は第2層22が第1層21を被覆した状態で溶融軟化し、3Dプリンタの押し出しヘッドから被覆された状態を維持して溶融押し出され、第2層同士が融着して積層堆積することで3Dモデルを造形する。本発明の線条樹脂成形体の第1層及び第2層を構成する熱可塑性樹脂は押し出し可能な材質であれば良く、線条樹脂成形体に付与する機能に応じて適宜選択することができる。例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)の他、ポリスチレンポリ塩化ビニルポリメチルメタクリレートポリカーボネート変性ポリフェニレンエーテルなどの非晶性樹脂ポリエチレンポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂ポリエステルポリアミドポリビニルアルコールなどの結晶性樹脂オレフィン系、スチレン系、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー、及びそれらの混合物が好適に用いられる。さらに、カーボンブラック炭素繊維ガラス繊維タルクマイカナノクレイマグネシウムなどの無機系の添加剤酸化防止剤滑剤着色剤などを適宜混合することができる。

0024

第2層22は、第1層21が軟質であるときに、相対的に硬質の材料で構成され、第1層21が屈曲しないよう第1層21を保護する機能を有する。例えば、第1層21がスチレン系のエラストマーである場合、第2層22を硬いアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)で構成し、硬質の第2層22により軟質の第1層21の屈曲を抑制する。これにより、線条樹脂成形体10は、エラストマー単体で構成される線条樹脂成形体に比べ、全体として適度な硬さが得られて取扱い易くなるため、3Dプリンタにおいて良好な機械適性を得ることができる。

0025

また、第2層22は、第1層21が硬質であるとき、相対的に軟質の材料で構成され、第1層21が折損しないよう第1層21を保護する機能を有する。例えば、第1層21がアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)に無機系の添加剤(炭素繊維、ガラス繊維、タルク、マイカ、ナノクレイ、マグネシウムなど)を混合した材料で構成される場合、第2層22を無機系の添加剤を含有していないアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)で構成し、この軟質の第2層22によって、硬くて脆い第1層21の折損又は破断を抑制する。

0026

また、第2層22は、水蒸気バリア樹脂を含む材料で構成することができ、この場合、第2層22によって、第1層21が吸湿しないよう第1層21を保護する。ここで、水蒸気バリア樹脂には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂や炭素繊維、タルク、マイカ、ナノクレイ、マグネシウムなどの無機系の添加剤を混合したアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABC樹脂)を用いることができる。このように水蒸気バリア樹脂を含む材料で第2層22を構成することにより、線条樹脂成形体10が3Dプリンタに使用されている状態において、線条樹脂成形体10の第1層21にアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABC樹脂)などの吸湿性の高い熱可塑性樹脂を用いた場合であっても、空気中の水蒸気を吸湿することを抑制でき、吸湿による線条樹脂成形体10の劣化を抑制することができる。この観点から、水蒸気バリア樹脂を含む材料は水蒸気透過度(g/m2・24h)が30以下、好ましくは10以下、さらに好ましくは3.0以下である(25℃、90%RH、厚さ25μm換算)。

0027

また、第2層22は、粘度が低く、流動性の高い高MFR(JIS K 7210、210℃条件)の熱可塑性樹脂を用いることができる。この場合、造形物の表面外観が向上し、表面が凹凸の少ない滑らかな造形物を作ることができる。さらに、その場合であっても線条樹脂成形体(フィラメント)の芯層として第1層21を当該第2層22の熱可塑性樹脂よりも相対的に低いMFRの熱可塑性樹脂とすることで3Dプリンタにおける機械適性を維持してフィラメントが伸びたり、切れたりすることなく造形をすることが可能となる。具体的には、第2層22に用いられる熱可塑性樹脂としてはMFRが5.0〜70g /10min、好ましくは10〜60g/10minである。一方、第1層21に用いられる熱可塑性樹脂としてはMFRが0.1〜5g/10min、好ましくは0.3〜2.0g/10minである。

0028

また、第2層22は、欠点カーボンブラックなどの導電性の添加剤を混合させることにより、線条樹脂成形体の外層において導電性を有する3次元オブジェクトを造形することが可能となる。この場合、第1層21を構成する熱可塑性樹脂は第2層構成する熱可塑性樹脂と比べて相対的に高電気抵抗率となる。

0029

このように、線条樹脂成形体の外層において高粘度性や十分な導電性などの機能性を付与する場合において、外層比率を5〜25%とすることで、造形時に外層を構成する第2層の熱可塑性樹脂が垂れ下がりを生じて予定通りの形状に造形できなくなることが防止され、また、導電性を付与するために第2層に添加されるカーボンブラックなどの使用量を必要最小限に抑えることができる。

0030

ここで、外層比率は、線条樹脂成形体の任意の位置での垂直断面における最大径と最小径平均直径に対して、外層となる第2層の厚みの4点平均値の比率により求めることができる。外層の4点平均の厚みは、線条樹脂成形体の最大径における線分の両端に位置する第2層と重なる線分のそれぞれの長さ2点と、最大径における線分と直行する線分の両端に位置する第2層と重なる線分のそれぞれの長さ2点の合計4点の平均値にて算出する。外層比率は、外層となる第2層の4点平均厚みの値を線条樹脂成形体の平均直径で除した値を百分率で表した値とする。

0031

3次元オブジェクトを造形する場合、2層構成からなる線条樹脂成形体の外層比率が5%未満であると造形後に外層となる第2層が切れてしまい、第1層が露出するおそれがある。この場合、第2層によって得られる機能を得るとことができないものとなる。一方で、外層比率が35%以上であると内層側となる第1層の機能が発現されなくなるとともに、多層にすることによる機能が得ることができなくなる。尚、第2層の厚みを薄くすることでカーボンブラックなどの導電性添加剤の配合量を抑えることができる。

0032

なお、第1層21及び第2層22は、酸化防止剤や滑剤などの各種の添加剤を含む材料で構成することができる。

0033

第1層21及び第2層22の外径寸法は、求められる仕様に応じて適宜設定可能であるが、外径寸法を例示すると、第1層21の外径d(図4参照)が1.35mm±0.2mmであり、第2層22の外径D(図4参照)が1.75mm±0.1mmである。

0034

ここまで説明してきた本発明の2層構造の線条樹脂成形体の構成例を列挙すると、下記の通りである。
(1)第2層が硬質であって、第1層が軟質であるときに、屈曲しないよう第2層で第1層を被覆した樹脂前条体
(2)第2層が軟質であって、第1層が硬質であるときに、折損しないよう第2層で第1層を被覆した線条樹脂成形体
(3)第2層が水蒸気バリア樹脂を含み、第1層が吸湿しないよう第2層で第1層を被覆した線条樹脂成形体
(4)第1層を構成する熱可塑性樹脂が第2層を構成する熱可塑性樹脂と比べて相対的に高粘度で、造形時に垂れ下がりが生じないよう外層比率5〜25%として第2層で第1層を被覆した線条樹脂成形体
(5)第1層を構成する熱可塑性樹脂が第2層を構成する熱可塑性樹脂と比べて相対的に高電気抵抗率で、線条樹脂成形体の外層において十分な導電性を得るため外層比率5〜25%として第2層で第1層を被覆した線条樹脂成形体
(6)上記(1)から(5)のいずれかの構成において、第1層及び第2層の少なくとも一方を構成する熱可塑性樹脂がアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)である線条樹脂成形体
(7)上記(1)から(6)のいずれかの構成において、第1層が0.5〜1.8mmの外径を有し、第2層が1.1〜2.2mmの外径を有するとともに、2層構成の線条樹脂成形体の外層比率が5〜35%である線条樹脂成形体

0035

次に、2層構成の線条樹脂成形体の具体的構成例について説明する。前述の通り、2層構造とした本発明の線条樹脂成形体では、用途や要求される性能等に応じて各層の材料を選択することで、機械適性や品質に優れた線条樹脂成形体を実現することができる。

0036

例えば、線条樹脂成形体において、熱可塑性樹脂を単独で用いると、機械的強度剛性)が不足することがあるが、無機充填材を配合することで強度を補うことができる。

0037

無機充填材としては、繊維状のものや粉体状のものを使用することができ、その材質も任意である。例示するならば、炭素繊維(カーボンファイバ)、ガラス繊維(ガラスファイバガラスウール等)、タルク、ナノクレイ、炭酸カルシウム炭酸マグネシウム等を挙げることができ、軽量で添加による強度向上の効果が高いことから、カーボンファイバが好適である。

0038

無機充填材の添加量は、要求される機械的特性等に応じて設定すればよいが、好ましくは、10質量%〜40質量%であり、より好ましくは20質量%〜30質量%である。無機充填材の配合量が10質量%未満であると、無機充填材を配合することによる効果(剛性の向上等)が不十分になるおそれがある。逆に無機充填材の配合量が40質量%を越えて多くなりすぎると、相対的に熱可塑性樹脂の割合が少なくなりすぎて、造形が難しくなるおそれがある。

0039

ただし、熱可塑性樹脂に無機充填材を配合すると、線条樹脂成形体を造形物にした時に、層間の融着が不十分になる傾向にあり、造形物としての機械適性(剛性)が低下してしまう。そこで、無機充填材を配合した第1層の周囲を、無機充填材を配合していない熱可塑性樹脂のみからなる第2層で被覆する。これにより、機械的強度(剛性)が高く、しかも層間の融着も良好な線条樹脂成形体が実現できる。

0040

特に、第1層をカーボンファイバを配合したアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)で形成し、第2層をカーボンファイバを配合していないアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)で形成した線条樹脂成形体は、好ましい形態と言える。機械的強度(剛性)が高く、層間の融着も良好である。また、カーボンファイバを配合することで、3Dプリンタにおける溶融押し出しの際にノズルが削られるという現象が発生するが、カーボンファイバを配合していないアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)で被覆することで、ノズルの削れも抑えられる。

0041

なお、ここで「無機充填材を配合していない(無機充填材を含まない)熱可塑性樹脂」との表現は、実質的に無機充填材を含まない熱可塑性樹脂を意味するものであり、若干量の無機充填材を含む熱可塑性樹脂を排除することを意図するものではない。例えば、第2層の熱可塑性樹脂は3質量%未満の無機充填材を含有していてもよい。ただし、第2層の熱可塑性樹脂における無機充填材の含有量は1質量%未満であることが好ましい。

0042

また、先の(3)の構成の線条樹脂成形体の一例として、第1層をアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)で形成し、第2層をポリプロピレン(あるいは変性ポリプロピレン)やポリエチレン(あるいは変性ポリエチレン)等のポリオレフィン(あるいは変性ポリオレフィン)で形成した線条樹脂成形体を挙げることができる。アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)は吸湿性を有しており、長期保存後等において、劣化してしまう傾向にある。ポリプロピレンは水蒸気に対してバリア性を有しており、ポリプロピレン製の第2層で被覆することで第1層(ABS樹脂)の劣化を抑制することができる。なお、第1層のアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)との接着性を考慮すると、第2層は変性ポリプロピレンや変性ポリエチレンとすることが好ましい。ここで、変性ポリプロピレンや変性ポリエチレンとしては、市販のものをいずれも使用することができ、例えば三菱化学社製、商品名モディック F534Aや、三井化学社製、商品名アドマーSF600等を例示することができる。

0043

その他、第1層を着色剤を含む熱可塑性樹脂により形成し、第2層を透明な熱可塑性樹脂により形成した線条樹脂成形体や、第1層を低MFRの熱可塑性樹脂により形成し、第2層を高MFRの熱可塑性樹脂により形成した線条樹脂成形体等も、本発明の好適な線条樹脂成形体の具体例である。前者の場合、造形物の外観に高級感を付与することができる。後者の場合、造形物の表面を滑らかな形状にすることができる。

0044

熱溶融積層方式の3Dプリンタによる3次元オブジェクトの造形方法では、前述の線条樹脂成形体を造形材料として用い、これを溶融押し出しすることで立体物の形成が行われる。この時、通常は、第2層が第1層を被覆した状態で溶融押し出しし、第2層同士が融着して積層堆積することで3次元オブジェクトを造形する。第2層が熱融着に優れた樹脂により形成されていれば、良好な融着状態が実現でき、信頼性の高い3次元オブジェクトの形成が可能となる。

0045

あるいは、第2層の熱可塑性樹脂と第1層の熱可塑性樹脂が混合された状態で溶融押し出しし、積層堆積することで3次元オブジェクトを造形するようにしてもよい。例えば、第2層を水蒸気バリア性の樹脂(例えばポリプロピレン)で形成した線条樹脂成形体の場合、保存の際には第2層で被覆して劣化を防止することが有効であるが、造形の際には必ずしも第2層で被覆されていなくてもよい。このような場合には、例えば線条樹脂成形体の線径に比べて著しく小さな内径を有するノズルを用いれば、第2層が極端に引き伸ばされ、第1層と溶融混合された状態で押し出され、混合樹脂からなる3次元オブジェクトが造形される。

0046

次に、本発明を適用した線条樹脂成形体の製造方法(製造ライン)の実施形態について説明する。

0047

図5に示すように、本実施形態の線条樹脂成形体1の製造ライン30は、押出機31、金型32、サイジング装置33、水槽37、固定ローラ41、外径寸法測定装置42及び巻き取り装置43を含む。

0048

押出機31は、原料樹脂組成物を溶融混練し、これを連続的に金型32へと供給するもので、例えばスクリューが内蔵されるシリンダ原料投入用のホッパ31a、射出ノズル等を備えて構成されている。原料投入用のホッパから投入された原料樹脂組成物は、シリンダ内でスクリューにより溶融混練され、射出ノズルから金型32へ射出される。

0049

金型32は、押出機31からの溶融樹脂を水平方向に押し出すものであり、ここから押し出された溶融樹脂が冷却されて線条樹脂成形体10となる。原料樹脂組成物は、用途等に応じて原料樹脂や各種添加材等を配合したものであり、任意の材料が選択可能である。

0050

なお、例えば2層構成の線条樹脂成形体10を製造する場合には、材料の異なる2種類の樹脂を同心円状に押し出せばよい。より具体的には、金型32では、同心円状に配置される2つの出口から第1層21の材料及び第2層22の材料を押し出すことにより、多層化構造(2層化構造)の線条樹脂成形体10の連続体を形成する。

0051

図6は、2層構成の線条樹脂成形体10を製造する場合に使用される装置の一例を示すものである。2層構成の線条樹脂成形体10を成形する場合には、2台の押出機31A,31Bを直交するように配置する。そして、例えば押出機31Aのホッパ31aから第1層を形成するための原料樹脂組成物を投入し、金型32へと溶融押し出しするとともに、押出機31Bのホッパ31bから第2層を形成するための原料樹脂組成物を投入し、金型32へと溶融押し出しする。それぞれの押出機31A,31Bから押し出された原料樹脂組成物は、金型32で合流し、芯となる第1層の周囲が第2層で被覆される。

0052

2層構成の線条樹脂成形体10を製造する場合に使用される金型32としては、例えば図7に示すような多層金型を使用すればよい。本例の多層金型は、3つの金型部材32A,32B,32Cを組み合わせたものであり、各金型部材32A,32B,32Cは、それぞれ中央流路N1,N2,N3を有している。原料樹脂組成物は、これら中央流路N1,N2,N3で線条とされる。

0053

また、金型部材32Bは、前記中央流路N2を囲んで内部に円形金型部CBを有するとともに、この円形金型部CBの周囲に4つの貫通流路R1,R2,R3,R4を有する。貫通流路R1,R2,R3,R4は、それぞれ金型部材32Bを厚さ方向で貫通する形で形成されている。円形金型部CBは、その中央に中央流路N2が形成されるとともに、円形面が金型部材32Bの金型面から後退する形で形成されている。

0054

金型部材32Cは、前記中央流路N3を囲んで円環状流路CRを有するとともに、円環状流路CRの外側に半円形状の中間通路HRを有する。この半円形状の中間通路HRは、180°対称位置で円環条流路CRと接続されている。さらに、金型部材32Cは、この中間通路HRの1箇所に接続される材料供給通路Xを有する。円環状流路CRは、前記金型部材32Bの貫通流路R1,R2,R3,R4と対向する。

0055

前記3つの金型部材32A,32B,32Cを組み合わせた金型32では、第1層21を形成するための原料樹脂組成物は、押出機31Aから押し出され、金型部材32Cの中央流路N3へと供給され、金型部材32Bの中央流路N2、金型部材32Aの中央流路N1を経て、金型32から引き出される。一方、第2層22を形成するための原料樹脂組成物は、押出機31Bから押し出され、金型部材32Cの材料供給通路Xへと供給される。ここから供給された原料樹脂組成物は、半円形状の中間通路HRを通って円環状流路CRへ流れ込み、円環状流路CRに対向して設けられた金型部材32Bの各貫通流路R1,R2,R3,R4へと供給される。貫通流路R1,R2,R3,R4へと供給された原料樹脂材料は、金型部材32Aの金型面とこれから後退する形で形成される円形金型部CBとの間の空間へと流れ込み、円形金型部CBに設けられた中央流路N2から引き出される第1層21の周面を被覆する。前記空間へ円環状に連なる貫通流路R1,R2,R3,R4から原料樹脂材料を供給することで、ウエルドラインの発生が最小限に抑えられる。

0056

水槽37は、押出機31から押し出された線条樹脂成形体10の搬送方向に沿って長い箱状に形成される。線条樹脂成形体10は、水槽37の一端の壁から水槽37内に導入され、水槽37の他端の壁から導出される。水槽37には、線条樹脂成形体10を浸漬させ、線条樹脂成形体10を冷却する水37aが貯留される。

0057

サイジング装置33は、水槽37の一端の壁の内側に配置されており、押出機31から水槽37内に送られた線条樹脂成形体10の断面を真円にし、かつ、線条樹脂成形体10の外径寸法を所定の寸法に均一化させる機能を有する。

0058

本実施形態の場合、このサイジング装置33において真空吸引することが大きな特徴点である。すなわち、断面円形の空間を有するサイジング装置33を通過させることで、線条樹脂成形体10の線形や線径がある程度整えられるが、それだけでは不十分であるため、本実施形態では、真空吸引によりこれを促進することとする。

0059

図8及び図9に示すように、サイジング装置33は、上下一対の下部材33D及び上部材33Uを備え、下部材33D及び下部材33Dのそれぞれの合わせ面には、線条樹脂成形体10の連続体の搬送方向に沿って形成され、線条樹脂成形体10を通す半円筒面状の第1の溝33aと、この第1の溝33aに対して直交するように交差する複数(この例では、互いに平行に並ぶ7本)の真空吸引用の第2の溝33bとが設けられる。真空吸引用の第2の溝33bの数は任意であり、サイジング装置33を通過後の線条樹脂成形体10の整形精度が十分良好なものとなるように適宜設定すればよい。また、真空吸引用の第2の溝33bは、水平方向ばかりでなく、垂直方向、斜め方向等、任意の方向に設けることも可能であり、やはり整形精度が十分良好なものとなるように適宜設定すればよい。

0060

サイジング装置33において、真空吸引を行うことで、線条樹脂成形体10に対して真空吸引力が働く。その結果、線条樹脂成形体10の外周面が下部材33D及び上部材33Uに設けられた溝33aの断面円形の空間に臨む壁面に引き付けられ、溝33aにより形成される空間の形状、直径に整形される。これにより、サイジング装置33を通過した線条樹脂成形体10は、断面が概ね真円形状となり、その径は設定値(空間の直径)と概ね一致して一定となる。

0061

固定ローラ41は、サイジング装置33を経て水槽37内において線条樹脂成形体10の姿勢を安定させ、かつ、巻き取り装置43側に向けて線条樹脂成形体10を搬送する。

0062

外径寸法測定装置42は、水槽37で冷却された線条樹脂成形体10の外径寸法を測定する。巻き取り装置43は、外径寸法測定装置42を経た線条樹脂成形体10を挟んで下流側に搬送する上下一対の巻き取りローラ43aと、巻き取りローラ43aの下流側に配置され、線条樹脂成形体10を巻き取る巻き取り軸43cを有するボビン巻き取り機43bとを備える。

0063

次に、この製造ライン30を用いて線条樹脂成形体10を製造する方法について説明する。線条樹脂成形体10を製造する方法は、押出工程、サイジング工程、冷却工程、寸法測定工程及び巻き取り工程を含む。

0064

図5に示すように、押出工程では、押出機31においてホッパ31aから投入された樹脂ペレットを溶融し、溶融した樹脂を金型32から押し出す。この際、第1層21を押し出すとともに第1層21を被覆するように第2層22を押し出して多層化構造の線条樹脂成形体10を押し出す。この例では、金型32から、外径(符号D1で示す)が2.2mmの線条樹脂成形体10が押し出される。

0065

サイジング工程では、図8及び図9に示すように、サイジング装置33において、線条樹脂成形体10が、上下の第1の溝33aで形成される搬送通路35に沿って走行し、同時に、複数の上下の第2の溝33bで形成される吸引通路36によって真空吸引されることにより、搬送通路35の内径に合わせた均一な外径に形成される。この例では、外径D1が2.2mmの線条樹脂成形体10が、サイジング装置33を通過することにより、その外径(符号D2で示す)が搬送方向において1.80mmに均一化される。

0066

冷却工程では、外径(符号D2で示す)が1.80mmの線条樹脂成形体10が、水槽37を通過することにより冷却され、線条樹脂成形体10の外径(符号Dで示す)が1.75mmに縮径される。

0067

寸法測定工程では、線条樹脂成形体10の外径を測定し、測定値が適正な大きさであるか否かを判定する。この例では、線条樹脂成形体10の外径が1.75mmを中心とした所定の規格幅の範囲内であるか否かを判定する。線条樹脂成形体10の外径が規格幅の範囲外である場合、外径が規格幅の範囲内になるように、各製造条件を見直す。

0068

巻き取り工程では、線条樹脂成形体10の外径が規格の範囲内である場合、巻き取り装置43の巻き取りローラ43aでボビン巻き取り機43bに送り、巻き取り軸43cに線条樹脂成形体10の連続体を巻き取っていく。所定長さの線条樹脂成形体10が巻き取り軸43cに巻き取られたら、新しい巻き取り軸43cに線条樹脂成形体10を巻き取るようにする。

0069

以上の製造ラインにより製造される線条樹脂成形体10は、サイジング装置33において真空吸引しているので、線径が一定で真円に近い断面形状を有しており、これを例えば3次元オブジェクトの原料素材として用いることで、精度の高いモデリングの実現が可能である。

0070

なお、本発明の製造方法は、無機充填材を含有する線条樹脂成形体の製造に適用した場合にその効果が大きい。無機充填材を含有する線条樹脂成形体10は、無機充填材を含有しない線条樹脂成形体10に比べて、押出工程において押出機から押し出された直後の線径のバラツキが大きくなる傾向にある。このような無機充填材を含有し押し出し後の線径のバラツキが大きな線条樹脂成形体10であっても、サイジング工程においてサイジング装置33を通過させることで、真円に近い一定の断面形状とすることができる。すなわち、線条樹脂成形体10が無機充填材を含有する場合に、サイジング装置33での真空吸引による線径の安定化について、より高い効果を得ることができる。 ここで、無機充填材としては、上述の2層構成の線条樹脂成形体の具体的構成例において列挙した無機充填剤が例示される。

0071

以下、本発明を適用した線条樹脂成形体の製造方法の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。

0072

実施例1
押出機にて溶融混練した溶融樹脂をダイコアへ供給して射出した後、ダイコアに設けられた口金から引出した。この口金である程度線径や線形を整えて線条樹脂成形体に賦形したのち、冷却固化する水槽の入口部にサイジングを設けて、このサイジング部において線条樹脂成形体の最終的な断面形状(線径および線形)を整えた。また、その際にサイジング部において真空吸引により形状を賦形した後、水槽にて冷却固化して、巻取機にて巻取りを行なった。さらに、巻取機から送り出された線条樹脂成形体はボビンに巻き取った。

0073

比較例1
冷却固化する水槽の入口部にサイジングを設けずに実施した以外は実施例1と同じである。

0074

評価
実施例1および比較例1で作成した線条樹脂成形体に対し、線径、線形の測定を行い、評価した。
(線径)
実施例1および比較例1において成形した樹脂線状体を用いて、デジマチックキャリパー(ミツトヨ株式会社製NTD25−20CX)にて線径を測定した。室温23℃で1日静置した後に線条樹脂成形体を10cmの等間隔に10点の測定位置において最長径最短径を測定した平均値を算出した。
(線形)
樹脂線状体の線形は、実施例1及び比較例1において成形した樹脂線状体を用いて、デジタルマイクスコープ(株式会社キーエンス製VHX−900)を使用した断面形状の観察により、前記測定位置10点の断面のもっとも長い部分と短い部分の径を測定して、次式から真円度を算出した。
真円度(%)=(最短径/最長径)×100

0075

実施例1についての測定結果を表1に示す。比較例1につての測定結果を表2に示す。

0076

0077

0078

(効果の確認)
表1及び表2に示す測定結果から明らかなように、実施例1は線径および線形において、良好な性能を示すことが確認された。例えば線形(真円度)については、98%以上(98〜100%)が好ましが、実施例1はこの条件を十分にクリアしている。一方、比較例1は線径、線形が何れもバラツキが大きく、樹脂線状体として良好な性能が得られていない事が確認された。

0079

上記評価結果から明らかなように、サイジング部において真空吸引することで線径が一定で線形が真円に近い断面形状を有した線条樹脂成形体を製造する事が可能であり、これを例えば3次元オブジェクトの原料素材として用いることで、精度の高いモデリングの実現が可能である。

0080

以上、本発明を適用した実施形態についてを説明してきたが、本発明が前述の実施形態に限られるものでないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。

0081

10線条樹脂成形体
21 第1層
22 第2層
30製造ライン
31押出機
32金型
33サイジング装置
37水槽
42外径寸法測定装置
43巻き取り装置
d 第1層の外径
D 第2層の外径

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