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技術 構造体製造方法および構造体

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 神原信幸青島芳郎阿部俊夫
出願日 2015年3月31日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-073320
公開日 2016年11月17日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2016-193492
状態 特許登録済
技術分野 円筒・平面研削 積層体(2) 型の被覆による成形、強化プラスチック成形 プラスチック等の注型成形、圧縮成形
主要キーワード 樹脂材料部分 所定硬度 液密構造 非導電層 炭素繊維層 雷撃電流 ディスクグラインダ 繊維強化樹脂複合材料
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題

炭素繊維複合材料の表面の研磨により炭素繊維露出することを抑制する。

解決手段

炭素繊維に樹脂材料含浸し、樹脂材料を硬化させて炭素繊維複合材料10を成形する成形工程と、成形工程により成形された炭素繊維複合材料10の表面の研磨領域所定硬度研磨材により研磨する研磨工程と、研磨工程により研磨された研磨領域の一部に接着剤を介して他の部材を接着させる接着工程とを備え、成形工程は、最表面に所定硬度よりも硬度の低い研磨層10yを形成し、研磨層10yの内側に炭素繊維複合材料10を研磨材から保護する所定硬度よりも硬度の高い保護フィラー10eが内部に配置される表面保護層10xを形成する構造体製造方法を提供する。

概要

背景

航空機主翼インテグラルタンク等に用いられる機体材料には、軽量で強度が高く耐久性を備えた材料が求められている。機体材料として、例えば、アルミニウム合金等の軽量の金属材料が用いられる。また、近年これらの要求が強まるにつれて、機体材料として樹脂炭素繊維強化した炭素繊維複合材料が用いられるようになっている。

炭素繊維複合材料に他の部材を接着する場合、炭素繊維複合材料の表面の他の部材が接着される接着領域研磨材により研磨して凹凸を少なくし、炭素繊維複合材料と他の部材の接着性を高めることが望ましい。この場合、他の部材が接着される接着領域の凹凸を確実に少なくするためには、接着領域よりも広範囲の領域を研磨する必要がある。

しかしながら、接着領域よりも広範囲の領域を研磨すると、他の部材を炭素繊維複合材料の表面に接着させた後に、研磨材により研磨された研磨領域の一部が炭素繊維複合材料の表面として露出する。
研磨材によって炭素繊維複合材料の表面が過度に研磨されると、炭素繊維複合材料の表面から炭素繊維の一部が露出してしまう。

この場合、炭素繊維複合材料に着すると炭素繊維複合材料の表面から露出した炭素繊維が絶縁破壊により放電し、火花スパーク)を発生させる可能性がある(エッジグロー現象)。
そのため、炭素繊維複合材料の表面を研磨材により研磨する際には、炭素繊維複合材料の表面から炭素繊維が露出しないようにするのが望ましい。

特許文献1には、繊維強化樹脂複合材料の表面に形成される第1樹脂層下層の第2樹脂層の色を第1樹脂層と異なる色で形成することが開示されている。特許文献1によれば、樹脂研磨粉の色の変化を目視で認識することで、繊維が研磨されるのを抑えることができる。

概要

炭素繊維複合材料の表面の研磨により炭素繊維が露出することを抑制する。炭素繊維に樹脂材料含浸し、樹脂材料を硬化させて炭素繊維複合材料10を成形する成形工程と、成形工程により成形された炭素繊維複合材料10の表面の研磨領域を所定硬度の研磨材により研磨する研磨工程と、研磨工程により研磨された研磨領域の一部に接着剤を介して他の部材を接着させる接着工程とを備え、成形工程は、最表面に所定硬度よりも硬度の低い研磨層10yを形成し、研磨層10yの内側に炭素繊維複合材料10を研磨材から保護する所定硬度よりも硬度の高い保護フィラー10eが内部に配置される表面保護層10xを形成する構造体製造方法を提供する。

目的

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、表面に炭素繊維を露出させることなく炭素繊維複合材料の表面を研磨する研磨作業を、作業環境等によらずに容易に行うことを可能にした構造体製造方法および構造体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

樹脂材料炭素繊維により強化した炭素繊維複合材料を備える構造体を製造する構造体製造方法であって、前記炭素繊維に前記樹脂材料を含浸し、該樹脂材料を硬化させて前記炭素繊維複合材料を成形する成形工程と、前記成形工程により成形された前記炭素繊維複合材料の表面の研磨領域所定硬度研磨材により研磨する研磨工程と、前記研磨工程により研磨された前記研磨領域の一部に接着剤を介して他の部材を接着させる接着工程とを備え、前記成形工程は、最表面に前記所定硬度よりも硬度の低い研磨層を形成し、前記研磨層の内側に前記炭素繊維複合材料を前記研磨材から保護する前記所定硬度よりも硬度の高い表面保護層を形成する構造体製造方法。

請求項2

前記成形工程は、前記炭素繊維複合材料の内部に前記所定硬度よりも硬度の高い耐研磨部材を配置して前記表面保護層を形成する請求項1に記載の構造体製造方法。

請求項3

前記成形工程は、粒状の前記耐研磨部材が混入した前記樹脂材料を含浸し、該樹脂材料を硬化させて前記炭素繊維複合材料を成形する請求項2に記載の構造体製造方法。

請求項4

前記成形工程は、柱状の前記耐研磨部材を前記研磨領域に配置される前記炭素繊維の表面の複数箇所に配置し、前記樹脂材料を硬化させて前記炭素繊維複合材料を形成する請求項2に記載の構造体製造方法。

請求項5

樹脂材料を炭素繊維により強化した炭素繊維複合材料を備える構造体を製造する構造体製造方法であって、前記炭素繊維に前記樹脂材料を含浸し、該樹脂材料を硬化させて前記炭素繊維複合材料を成形する成形工程と、前記成形工程により成形された前記炭素繊維複合材料の表面の研磨領域を所定硬度の研磨材により研磨する研磨工程と、前記研磨工程により研磨された前記研磨領域の一部に接着剤を介して他の部材を接着させる接着工程とを備え、前記成形工程は、最表面に前記炭素繊維複合材料を前記研磨材から保護する非導電層を形成する構造体製造方法。

請求項6

前記非導電層は、樹脂材料をガラス繊維により強化したガラス繊維複合材料により成形される層である請求項5に記載の構造体製造方法。

請求項7

前記所定硬度は、前記成形工程により形成された前記炭素繊維複合材料に含まれる前記樹脂材料よりも高い硬度である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の構造体製造方法。

請求項8

樹脂材料を炭素繊維により強化した炭素繊維複合材料により形成されるとともに所定硬度の研磨材により研磨される構造体であって、最表面に形成されるとともに前記所定硬度より硬度の低い研磨層と、前記研磨層の内側に形成されるとともに前記炭素繊維複合材料を前記研磨材から保護する前記所定硬度よりも硬度の高い表面保護層と、硬化した前記樹脂材料の内部に前記炭素繊維が配置された炭素繊維層とを備える構造体。

技術分野

0001

本発明は、樹脂材料炭素繊維により強化した炭素繊維複合材料を備える構造体を製造する構造体製造方法および構造体に関するものである。

背景技術

0002

航空機主翼インテグラルタンク等に用いられる機体材料には、軽量で強度が高く耐久性を備えた材料が求められている。機体材料として、例えば、アルミニウム合金等の軽量の金属材料が用いられる。また、近年これらの要求が強まるにつれて、機体材料として樹脂を炭素繊維で強化した炭素繊維複合材料が用いられるようになっている。

0003

炭素繊維複合材料に他の部材を接着する場合、炭素繊維複合材料の表面の他の部材が接着される接着領域研磨材により研磨して凹凸を少なくし、炭素繊維複合材料と他の部材の接着性を高めることが望ましい。この場合、他の部材が接着される接着領域の凹凸を確実に少なくするためには、接着領域よりも広範囲の領域を研磨する必要がある。

0004

しかしながら、接着領域よりも広範囲の領域を研磨すると、他の部材を炭素繊維複合材料の表面に接着させた後に、研磨材により研磨された研磨領域の一部が炭素繊維複合材料の表面として露出する。
研磨材によって炭素繊維複合材料の表面が過度に研磨されると、炭素繊維複合材料の表面から炭素繊維の一部が露出してしまう。

0005

この場合、炭素繊維複合材料に着すると炭素繊維複合材料の表面から露出した炭素繊維が絶縁破壊により放電し、火花スパーク)を発生させる可能性がある(エッジグロー現象)。
そのため、炭素繊維複合材料の表面を研磨材により研磨する際には、炭素繊維複合材料の表面から炭素繊維が露出しないようにするのが望ましい。

0006

特許文献1には、繊維強化樹脂複合材料の表面に形成される第1樹脂層下層の第2樹脂層の色を第1樹脂層と異なる色で形成することが開示されている。特許文献1によれば、樹脂研磨粉の色の変化を目視で認識することで、繊維が研磨されるのを抑えることができる。

先行技術

0007

特開2008−55770号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1においては、目視による確認を確実に行わないと第2樹脂層を研磨して繊維を表面に露出させてしまう。
また、目視による確認を行ったとしても研磨作業をしている環境の照度等によって樹脂研磨粉の色の変化を認識することができず、第2樹脂層を研磨して繊維を表面に露出させてしまう可能性がある。

0009

本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、表面に炭素繊維を露出させることなく炭素繊維複合材料の表面を研磨する研磨作業を、作業環境等によらずに容易に行うことを可能にした構造体製造方法および構造体を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

上記した課題を解決するために、本発明は、以下の手段を採用する。
本発明の一態様にかかる構造体製造方法は、樹脂材料を炭素繊維により強化した炭素繊維複合材料を備える構造体を製造する構造体製造方法であって、前記炭素繊維に前記樹脂材料を含浸し、該樹脂材料を硬化させて前記炭素繊維複合材料を成形する成形工程と、前記成形工程により成形された前記炭素繊維複合材料の表面の研磨領域を所定硬度の研磨材により研磨する研磨工程と、前記研磨工程により研磨された前記研磨領域の一部に接着剤を介して他の部材を接着させる接着工程とを備え、前記成形工程は、最表面に前記所定硬度よりも硬度の低い研磨層を形成し、前記研磨層の内側に前記炭素繊維複合材料を前記研磨材から保護する前記所定硬度よりも硬度の高い表面保護層を形成する。

0011

本発明の一態様にかかる構造体製造方法によれば、炭素繊維複合材料を成形する成形工程において、最表面に所定硬度よりも硬度の低い研磨層が形成され、その内側に炭素繊維複合材料を研磨材から保護する所定硬度よりも硬度の高い表面保護層が形成される。そのため、炭素繊維複合材料の表面の研磨領域を研磨する研磨工程において、作業環境によらず、研磨材により研磨領域の樹脂材料が研磨されて炭素繊維が炭素繊維複合材料の表面から露出しないように研磨層と表面保護層とによって適切に保護される。
このように、本発明の一態様にかかる構造体製造方法によれば、表面に炭素繊維を露出させることなく炭素繊維複合材料の表面を研磨する研磨作業を、作業環境等によらずに容易に行うことができる。

0012

本発明の一態様にかかる構造体製造方法において、前記成形工程は、前記炭素繊維複合材料の内部に前記所定硬度よりも硬度の高い耐研磨部材を配置して前記表面保護層を形成する構成としてもよい。
このようにすることで、炭素繊維複合材料の内部に耐研磨部材を配置して、炭素繊維複合材料の表面近傍を表面保護層とすることができる。

0013

上記構成の構造体製造方法において、前記成形工程は、粒状の前記耐研磨部材が混入した前記樹脂材料を含浸し、該樹脂材料を硬化させて前記炭素繊維複合材料を成形するようにしてもよい。
このようにすることで、粒状の耐研磨部材により炭素繊維複合材料の内部に形成される表面保護層によって、炭素繊維が研磨工程において炭素繊維複合材料の表面から露出しないように保護することができる。

0014

上記構成の構造体製造方法において、前記成形工程は、柱状の前記耐研磨部材を前記研磨領域に配置される前記炭素繊維の表面の複数箇所に配置し、前記樹脂材料を硬化させて前記炭素繊維複合材料を形成する形態にしてもよい。
このようにすることで、炭素繊維の表面の複数箇所に配置される耐研磨部材により形成される表面保護層によって、炭素繊維が研磨工程において炭素繊維複合材料の表面から露出しないように保護することができる。

0015

本発明の一態様にかかる構造体製造方法は、樹脂材料を炭素繊維により強化した炭素繊維複合材料を備える構造体を製造する構造体製造方法であって、前記炭素繊維に前記樹脂材料を含浸し、該樹脂材料を硬化させて前記炭素繊維複合材料を成形する成形工程と、前記成形工程により成形された前記炭素繊維複合材料の表面の研磨領域を所定硬度の研磨材により研磨する研磨工程と、前記研磨工程により研磨された前記研磨領域の一部に接着剤を介して他の部材を接着させる接着工程とを備え、前記成形工程は、最表面に前記炭素繊維複合材料を前記研磨材から保護する非導電層を形成する。

0016

本発明の一態様にかかる構造体製造方法によれば、炭素繊維複合材料を成形する成形工程において、最表面に炭素繊維複合材料を研磨材から保護する非導電層が形成される。そのため、炭素繊維複合材料の表面の研磨領域を研磨する研磨工程において、非導電層が残存する限りは研磨領域の樹脂材料が研磨されないため、炭素繊維が炭素繊維複合材料の表面から露出しないように適切に保護される。

0017

本発明の一態様にかかる構造体製造方法において、前記非導電層は、樹脂材料をガラス繊維により強化したガラス繊維複合材料により成形される層であってもよい。
このようにすることで、ガラス繊維により強化したガラス繊維複合材料を非導電層とし、炭素繊維が研磨工程において炭素繊維複合材料の表面から露出しないように保護することができる。

0018

本発明の一態様にかかる構造体製造方法において、前記所定硬度は、前記成形工程により形成された前記炭素繊維複合材料に含まれる前記樹脂材料よりも高い硬度であってもよい。
このようにすることで、樹脂材料よりも硬度が高い研磨材によって炭素繊維複合材料の表面の樹脂材料部分が研磨されるようにしつつ、表面保護層によって炭素繊維が研磨工程において炭素繊維複合材料の表面から露出しないように保護することができる。

0019

本発明の一態様にかかる構造体は、樹脂材料を炭素繊維により強化した炭素繊維複合材料により形成されるとともに所定硬度の研磨材により研磨される構造体であって、最表面に形成されるとともに前記所定硬度より硬度の低い研磨層と、前記研磨層の内側に形成されるとともに前記炭素繊維複合材料を前記研磨材から保護する前記所定硬度よりも硬度の高い表面保護層と、硬化した前記樹脂材料の内部に前記炭素繊維が配置された炭素繊維層とを備える。
本発明の一態様にかかる構造体によれば、表面に炭素繊維を露出させることなく炭素繊維複合材料の表面を研磨する研磨作業を、作業環境等によらずに容易に行うことを可能とした構造体を提供することができる。

発明の効果

0020

本発明によれば、表面に炭素繊維を露出させることなく炭素繊維複合材料の表面を研磨する研磨作業を、作業環境等によらずに容易に行うことを可能にした構造体製造方法および構造体を提供することができる。

図面の簡単な説明

0021

炭素繊維複合材料を備える構造体を示す図であり(a)が平面図であり、(b)が(a)のA−A矢視断面図を示す。
炭素繊維複合材料を備える構造体の製造工程を示すフローチャートである。
炭素繊維複合材料を示す断面図であり、(a)が加圧および加熱を行う前の状態を示し、(b)が加圧および加熱を行った後の状態を示す。
炭素繊維複合材料の表面を示す図であり、(a)が研磨領域を示し、(b)が接着領域を示す。
第1実施形態の炭素繊維複合材料の樹脂層を示す断面図である。
第2実施形態の炭素繊維複合材料の樹脂層を示す断面図である。
第3実施形態の炭素繊維複合材料の樹脂層およびガラス繊維複合材料を示す断面図である。

実施例

0022

〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態にかかる構造体100の製造方法について、図面を参照して説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態の製造方法により製造される構造体100は、板状に形成される炭素繊維複合材料10と、炭素繊維複合材料10の表面の研磨領域10cに接着剤(図示略)を介して接着される支持部材20(他の部材)とを備える。
図1(b)に示すように、構造体100の炭素繊維複合材料10は、表面部分に配置される樹脂層10aと、樹脂材料の内部に炭素繊維が配置された炭素繊維層10bとを備える。
また、図1(a)および図1(b)に示すように、支持部材20は、断面がL形に形成される部材となっている。

0023

炭素繊維複合材料10は、樹脂材料を炭素繊維により強化した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)である。樹脂材料として、例えば、不飽和ポリエステルエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
炭素繊維複合材料10は、補強材として炭素繊維が用いられるため炭素繊維部分に導電性を有している。そのため、炭素繊維複合材料10の表面から炭素繊維が露出している場合、炭素繊維複合材料10に着雷した雷撃電流が炭素繊維を流れ、炭素繊維間または研磨の際に切断された炭素繊維の端部間での絶縁破壊により放電し、火花(スパーク)を発生させる可能性がある。
そこで、本実施形態の構造体100の製造方法においては、炭素繊維複合材料10の表面を研磨する研磨工程において、炭素繊維複合材料10の表面から炭素繊維を露出させないようにしている。

0024

構造体100は、例えば、航空機の主翼と一体化翼構造液体燃料漏れない液密構造とした燃料タンクであるインテグラルタンクとして用いられる。この場合、支持部材20が炭素繊維複合材料10を主翼の内部に支持する部材として用いられる。また、炭素繊維複合材料10の樹脂層10aがインテグラルタンクにおいて液体燃料と接する部分となる。

0025

次に、本実施形態の構造体100の製造方法について説明する。
図2のフローチャートに示すように、本実施形態の構造体100の製造方法は、炭素繊維複合材料10を成形する成形工程(S201)と、成形工程(S201)により成形された炭素繊維複合材料10の表面を研磨する研磨工程(S202)と、研磨工程(S202)により研磨された炭素繊維複合材料10の表面に支持部材20を接着させる接着工程(S203)とを備える。

0026

成形工程(S201)は、炭素繊維に樹脂材料を含浸させたシート状のプリプレグを複数積層させ、これらを加圧および加熱することで複数のプリプレグを硬化させて一体化する工程である。
図3(a)は、成形工程において、炭素繊維に樹脂材料を含浸させたシート状のプリプレグ11,12,13,14,15,16を積層させた状態を示す断面図である。

0027

図3(b)は、成形工程において、シート状のプリプレグ11,12,13,14,15,16を積層させた状態で加圧および加熱を行った後の炭素繊維複合材料10を示す断面図である。
図3(b)において、樹脂層10aは、熱硬化性の樹脂材料を加圧および加熱して硬化させる際に、プリプレグ11,12,13,14,15,16から染み出した樹脂材料が積層したものである。一方、炭素繊維層10bは、樹脂層10aとして染み出さずに炭素繊維の周囲に残存する樹脂材料が硬化して内部に炭素繊維が配置されたものである。
なお、樹脂層10aには、樹脂材料を加圧および加熱して硬化させる前にプリプレグ11の上面に積層され、加熱によってプリプレグ11と一体となった樹脂フィルム(図示略)が最表面に配置されている。

0028

研磨工程(S202)は、成形工程(S201)により成形された炭素繊維複合材料10の表面の研磨領域10cを所定硬度の研磨材により研磨する工程である。
図4(a)は、炭素繊維複合材料10の表面の研磨領域10cを示している。研磨材は、所定硬度の砥粒基材(例えば、紙、布、樹脂等)に接着させた各種のものを用いることができる。また、研磨材による研磨を行うために、ディスク状の研磨材を回転させるディスクグラインダ等の研磨機を用いることができる。
なお、研磨材の砥粒の硬度は、樹脂層10aの樹脂材料部分よりも硬度(モース硬度:3〜4)が高くなっている。そのため、樹脂層10aを研磨材で研磨することにより、樹脂層10aの樹脂材料部分が削られる。

0029

接着工程(S203)は、研磨工程(S202)により研磨された炭素繊維複合材料10の表面の研磨領域10cの一部である接着領域10dに接着剤を介して支持部材20を接着させる工程である。
図4(b)は、炭素繊維複合材料10の表面の研磨領域10cとその一部である接着領域10dを示している。図4(b)に示すように、研磨領域10cは、接着領域10dよりも大きくなっている。これは、支持部材20が接着される接着領域10dの凹凸を確実に少なくするためには、接着領域10dよりも広範囲の研磨領域10cを研磨する必要があるためである。

0030

このように、炭素繊維複合材料10の表面の研磨領域10cは、支持部材20が接着される接着領域10dよりも広い領域となっている。そのため、図4(b)に示すように、接着領域10dに支持部材20を接着させた構造体100においては、研磨領域10cの一部(支持部材20が接着される領域を除く他の部分)が表面に露出した状態となる。

0031

この表面に露出した研磨領域10cが研磨工程により過度に研磨されて表面に炭素繊維が露出してしまうと、炭素繊維が絶縁破壊により放電し、火花(スパーク)を発生させる可能性がある。
そこで、本実施形態においては、研磨工程(S202)において研磨領域10cが過度に研磨されて表面に炭素繊維が露出することがないように、炭素繊維複合材料10の樹脂層10aに研磨材よりも硬度の高い保護フィラー10eを配置するようにしている。

0032

図5は、第1実施形態の炭素繊維複合材料10の樹脂層10aおよび炭素繊維層10bを示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態の炭素繊維複合材料10の樹脂層10aは、粒状の保護フィラー10e(耐研磨部材)が内部に配置されている表面保護層10xと、保護フィラー10eが内部に配置されていない研磨層10yとによって形成されている。保護フィラー10eは、研磨材の砥粒よりも硬度が高い粒子である。保護フィラー10eの粒径は20μm以上かつ40μm以下とするのが好ましい。

0033

例えば、研磨材の砥粒としてガラス(モース硬度:5〜6)を用いる場合、保護フィラー10eとしてガラスよりも硬度が高い石英(モース硬度:7)、窒化アルミニウム(モース硬度:8)、炭化ケイ素(モース硬度:9.8)等を用いることができる。また、研磨材の砥粒として石英(モース硬度:7)を用いる場合、保護フィラー10eとして石英よりも硬度が高い窒化アルミニウム(モース硬度:8)、炭化ケイ素(モース硬度:9.8)等を用いることができる。さらに、研磨材の砥粒として窒化アルミニウム(モース硬度:8)を用いる場合、保護フィラー10eとして窒化アルミニウムよりも硬度が高い炭化ケイ素(モース硬度:9.8)等を用いることができる。

0034

図5に示すような保護フィラー10eが内部に配置された表面保護層10xを形成するために、成形工程(S201)において加圧および加熱される前に積層されるプリプレグ11として、炭素繊維に含浸させる樹脂材料に保護フィラー10eが混入したものを用いる。
このようにすることで、成形工程(S201)において加圧および加熱されてプリプレグ11から染み出した樹脂材料に保護フィラー10eが混入し、その後に樹脂材料が硬化する。そのため、成形工程(S201)により成形される炭素繊維複合材料10の樹脂層10aの内部に保護フィラー10eが配置された表面保護層10xが形成される。

0035

さらに、最表面に研磨層10yを形成するために、成形工程(S201)において加圧および加熱する前にプリプレグ11の上面に樹脂フィルム(図示略)を積層する。
以上のように、成形工程(S201)は、接着性を高めるために研磨する研磨層10yを最表面に形成し、研磨層10yの内側に炭素繊維複合材料10が研磨材から保護されるように研磨材の硬度よりも硬度の高い保護フィラー10eが内部に配置された表面保護層10xを形成する。

0036

図5に示す樹脂層10aを備える炭素繊維複合材料10は、研磨工程において保護フィラー10eより硬度の低い研磨材により研磨されても、表面保護層10xの内部に配置される保護フィラー10eによって樹脂層10aが過度に研磨されることが抑制される。
例えば、図5に示すように表面S1に凹凸のある樹脂層10aを研磨材で研磨した場合、表面S2(表面保護層10xの表面)まで研磨した時点で研磨材が保護フィラー10eと接触する。これにより、更に樹脂層10aが過度に削られることが抑制される。

0037

なお、以上の説明においては、炭素繊維複合材料10の表面側(支持部材20が接着される面側)に配置されるプリプレグ11として、樹脂材料に保護フィラー10eが混入したものを用いるものとしたが、他の態様であってもよい。プリプレグ11およびプリプレグ12として、樹脂材料に保護フィラー10eが混入したものを用いるようにしてもよい。更に、プリプレグ13,14,15,16として、樹脂材料に保護フィラー10eが混入したものを用いるようにしてもよい。

0038

以上説明した本実施形態の構造体100の製造方法が奏する作用および効果について説明する。
本実施形態の構造体製造方法によれば、炭素繊維複合材料10を成形する成形工程(S201)において、最表面に研磨材の硬度よりも硬度の低く内部に研磨層10yが形成され、その内側に炭素繊維複合材料10が研磨材から保護されるように研磨材の硬度よりも硬度の高い粒状の保護フィラー10e(耐研磨部材)が内部に配置される表面保護層10xが形成される。

0039

そのため、炭素繊維複合材料10の表面の研磨領域10cを研磨する研磨工程(S202)において、作業環境によらず、研磨材により研磨領域の樹脂材料が研磨されて炭素繊維が炭素繊維複合材料10の表面から露出しないように研磨層10yと表面保護層10xとによって適切に保護される。
このように、本実施形態の構造体製造方法によれば、表面に炭素繊維を露出させることなく炭素繊維複合材料10の表面を研磨する研磨作業を、作業環境等によらずに容易に行うことができる。

0040

本実施形態の構造体製造方法において、成形工程(S201)は、粒状の保護フィラー10eが混入した樹脂材料を含浸させたプリプレグ11を硬化させて炭素繊維複合材料10を成形する。
このようにすることで、粒状の保護フィラー10eにより炭素繊維複合材料10の内部に形成される表面保護層10xによって、炭素繊維が研磨工程(S202)において炭素繊維複合材料10の表面から露出しないように保護することができる。

0041

本実施形態の構造体製造方法において、研磨材の硬度は、成形工程(S201)により形成された炭素繊維複合材料10に含まれる樹脂材料よりも高い硬度である。
このようにすることで、樹脂材料よりも硬度が高い研磨材によって炭素繊維複合材料10の表面の樹脂材料部分が研磨されるようにしつつ、表面保護層10xによって炭素繊維が研磨工程(S202)において炭素繊維複合材料10の表面から露出しないように保護することができる。

0042

〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態にかかる構造体製造方法について、図面を参照して説明する。
本実施形態の構造体製造方法は、図2に示す成形工程(S201)が異なる点を除き第1実施形態の構造体製造方法と同様である。そのため、本実施形態の構造体製造方法は以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。

0043

第1実施形態の構造体製造方法は、成形工程(S201)において加圧および加熱される前に積層されるプリプレグ11として、炭素繊維に含浸させる樹脂材料に保護フィラー10eが混入したものを用いるものであった。
それに対して、本実施形態の構造体製造方法は、成形工程(S201)において加圧および加熱される前に積層されるプリプレグ11の表面の複数箇所に柱状の保護支柱を配置するものである。

0044

図6は、本実施形態の炭素繊維複合材料10’の樹脂層10a’および炭素繊維層10b’を示す断面図である。
本実施形態の炭素繊維複合材料10’の樹脂層10a’は、保護支柱10f(耐研磨部材)が内部に配置されている表面保護層10x’と、保護支柱10fが内部に配置されていない研磨層10y’とによって形成されている。

0045

図6に示すように、本実施形態の炭素繊維複合材料10’の表面保護層10x’の内部には、柱状の保護支柱10fが樹脂層10a’の厚さ方向(図6の上下方向)に延びるように配置されている。保護支柱10fは、研磨材の砥粒よりも硬度が高い柱状(例えば、円柱状)の部材である。保護支柱10fの直径は40μm以下とするのが好ましい。
保護支柱10fとして、第1実施形態の保護フィラー10eと同様にガラス、石英、窒化アルミニウム、炭化ケイ素等を用いることができる。

0046

保護支柱10fは、樹脂層10a’の厚さ方向に延びており、樹脂層10a’の厚さよりも短くなっている。すなわち、保護支柱10fは、炭素繊維複合材料10’の表面側の端部が樹脂層10a’の内部に配置されるようになっている。

0047

図6に示すような保護支柱10fが内部に配置された樹脂層10a’を形成するために、成形工程(S201)において加圧および加熱される前に積層させたプリプレグ11の表面の複数箇所に保護支柱10fを配置する。保護支柱10fを配置する位置には、少なくとも研磨領域10c部分が含まれるものとする。
また、最表面に研磨層10y’を形成するために、成形工程(S201)において加圧および加熱する前にプリプレグ11の上面に樹脂フィルム(図示略)を積層する。
このようにすることで、成形工程(S201)において加圧および加熱されてプリプレグ11から染み出した樹脂材料により形成される樹脂層10a’に複数の保護支柱10fが配置された状態で樹脂層10a’が硬化する。

0048

そのため、成形工程(S201)により成形される炭素繊維複合材料10の樹脂層10a’の内部に保護支柱10fが配置される。
以上のように、成形工程(S201)は、接着性を高めるために研磨する研磨層10y’を最表面に形成し、研磨層10y’の内側に炭素繊維複合材料10が研磨材から保護されるように研磨材の硬度よりも硬度の高い保護支柱10fが内部に配置された表面保護層10x’を形成する。

0049

図6に示す樹脂層10a’を備える炭素繊維複合材料10’は、研磨工程において保護支柱10fより硬度の低い研磨材により研磨されても、保護支柱10fによって樹脂層10a’が過度に研磨されることが抑制される。
例えば、図6に示すように表面S3に凹凸のある樹脂層10a’を研磨材で研磨した場合、表面S4まで研磨した時点で研磨材が保護支柱10fと接触する。これにより、更に樹脂層10a’が過度に削られることが抑制される。

0050

以上のように、本実施形態の構造体製造方法によれば、成形工程(S201)において、柱状の保護支柱10fを研磨領域10cに配置されるプリプレグ11の表面の複数箇所に配置し、プリプレグ11,12,13,14,15,16を硬化させて炭素繊維複合材料10’を形成する。
このようにすることで、炭素繊維複合材料10の内部の複数箇所に配置される保護支柱10fにより形成される表面保護層10x’によって、炭素繊維が研磨工程(S202)において炭素繊維複合材料10’の表面から露出しないように保護することができる。

0051

また、本実施形態の構造体製造方法において、保護支柱10fの長さは、樹脂層10a’の厚さよりも短い。
このようにすることで、柱状の保護支柱10fによって炭素繊維が研磨されることを防止しつつ、柱状の耐研磨部材を樹脂層10a’の厚さよりも短くして樹脂材料の一部が研磨されるようにすることができる。

0052

〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態にかかる構造体製造方法について、図面を参照して説明する。
本実施形態の構造体製造方法は、図2に示す成形工程(S201)が異なる点を除き第1実施形態の構造体製造方法と同様である。そのため、本実施形態の構造体製造方法は以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。

0053

第1実施形態の構造体製造方法は、成形工程(S201)において加圧および加熱される前に積層されるプリプレグ11として、炭素繊維に含浸させる樹脂材料に保護フィラー10eが混入したものを用いるものであった。
それに対して、本実施形態の構造体製造方法は、成形工程(S201)において加圧および加熱される前に積層されるプリプレグ11,12,13,14,15,16の外側にガラス繊維に樹脂材料を含浸させたプリプレグ(図示略)を更に配置し、炭素繊維複合材料10の外側の最表面に非導電性のガラス繊維複合材料30(非導電層)を形成するものである。

0054

図7は、本実施形態の炭素繊維複合材料10”の樹脂層10a”および炭素繊維層10b”を示す断面図である。
図7に示すように、本実施形態の炭素繊維複合材料10”の樹脂層10a”の外側には、ガラス繊維複合材料30により形成される表面保護層が形成されている。

0055

図7に示すように樹脂層10a”の外側にガラス繊維複合材料30を形成するために、成形工程(S201)において加圧および加熱される前に積層させたプリプレグ11,12,13,14,15,16の外側にガラス繊維に樹脂材料を含浸させたプリプレグ(図示略)を配置する。
このようにすることで、成形工程(S201)において加圧および加熱されてプリプレグ11,12,13,14,15,16から染み出した樹脂材料により形成される樹脂層10a”の外側に炭素繊維複合材料10”と一体となって硬化したガラス繊維複合材料30が形成される。

0056

そのため、成形工程(S201)により成形される炭素繊維複合材料10”の樹脂層10a”の外側にガラス繊維複合材料30が配置される。
以上のように、成形工程(S201)は、炭素繊維複合材料10”が研磨材から保護されるように非導電性のガラス繊維複合材料30が外側に配置された樹脂層10a”を形成する。

0057

図7に示すガラス繊維複合材料30は、研磨工程において研磨されても、ガラス繊維複合材料30が残存する限りは樹脂層10a”が研磨されないため、炭素繊維層10b”が露出することが抑制される。

0058

以上のように、本実施形態の構造体製造方法によれば、成形工程(S201)において、ガラス繊維複合材料30が樹脂層10a”の外側に配置される。
このようにすることで、ガラス繊維複合材料30によって、炭素繊維層10b”が研磨工程(S202)において炭素繊維複合材料10”の表面から露出しないように保護することができる。

0059

なお、第1実施形態から第3実施形態では、プリプレグを用いて繊維複合材料を成形することとしたが、積層した繊維織物に樹脂材料を含浸させて成形するVaRTM(Vacuum Assisted Resin Transfer Molding:真空樹脂含浸工法)などによって成形してもよい。

0060

10,10’,10”炭素繊維複合材料
10a,10a’,10a”樹脂層
10b,10b’,10b”炭素繊維層
10c研磨領域
10d接着領域
10e 保護フィラー(耐研磨部材)
10f保護支柱(耐研磨部材)
10x表面保護層
10y研磨層
11,12,13,14,15,16プリプレグ
20支持部材(他の部材)
30ガラス繊維複合材料
100 構造体

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