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技術 基準太陽電池の選別装置、基準太陽電池の選別方法、並びに、太陽電池モジュールの製造方法

出願人 株式会社カネカ
発明者 門田直樹
出願日 2015年3月30日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2015-070076
公開日 2016年11月10日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-192827
状態 特許登録済
技術分野 物品の選別 光起電力装置
主要キーワード 要素セル 評価誤差 基準照射 平均出力値 調整フィルター 相対分光感度 共通条件 立ち上がり点
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重要な関連分野

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図面 (5)

課題

従来に比べて評価誤差を低減できる基準太陽電池選別装置及び選別方法を提供することを目的とする。また、選別された基準太陽電池を用いて、より精度よく評価された太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。

解決手段

太陽電池に対して光を照射する光照射装置を有し、光照射装置は、基準照射条件と、第1要素照射条件と、第2要素照射条件と、第3要素照射条件下で光を照射可能であり、各太陽電池において、基準照射条件下での短絡電流に対する、第1要素照射条件下での短絡電流比と、第2要素照射条件下での短絡電流比と、第3要素照射条件下での短絡電流比との積を算出し、複数の太陽電池における短絡電流比の積の平均値と、各太陽電池の短絡電流比の積を比較し、平均値に最も近い短絡電流比の積を持つ太陽電池を基準太陽電池として選別する構成とする。

概要

背景

従来から、工業的に太陽電池モジュールを量産する場合、例えば複数の拠点で異なる製造ラインを用いて太陽電池モジュールを生産する場合がある。また、単独拠点に複数の製造ラインを設け、異なる製造ラインを用いて太陽電池モジュールを生産する場合もある。
これらのような異なる製造ラインを用いて生産された太陽電池モジュールについて、同一の品質を確保するためには、太陽電池モジュールの仕掛品であって実際に光電変換を行う太陽電池の品質を同一条件で評価する必要がある。すなわち、この太陽電池の品質を一律の基準で正確に判定する際には、どの製造ラインでも同一の条件で判定する必要がある。

太陽電池の品質を評価する方法には、例えば、太陽電池のIV測定によって光電変換特性を測定する方法がある。
具体的には、ソーラーシミュレーターによって25℃、エアマス1.5、1000W/m2という標準測定条件(以下、STC条件ともいう)を形成し、この条件下で製造した太陽電池をIV測定し、このIV特性から品質を評価する。そして、この標準測定条件の調整には、製造した太陽電池の相対分光感度のばらつきを代表する基準太陽電池選別し、この基準太陽電池を用いて放射照度を調整して行う。すなわち、各生産拠点において、共通の標準測定条件を形成するためには、極めて品質が近い基準太陽電池を選定する必要がある。

従来からこの基準太陽電池の選別方法としては、JIS C8904−2に準じた二光源方法がある。
この二光源方法は、安定した2つの光源を用いて選別対象たる各太陽電池に対して光を照射し、その各光源での短絡電流値の比をそれぞれの太陽電池で測定する。そして、各太陽電池の前記短絡電流値の比の平均値と、個々の太陽電池の前記短絡電流値の比を比較して、平均値に近い太陽電池を基準太陽電池として選別するものである。

概要

従来に比べて評価誤差を低減できる基準太陽電池の選別装置及び選別方法を提供することを目的とする。また、選別された基準太陽電池を用いて、より精度よく評価された太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。太陽電池に対して光を照射する光照射装置を有し、光照射装置は、基準照射条件と、第1要素照射条件と、第2要素照射条件と、第3要素照射条件下で光を照射可能であり、各太陽電池において、基準照射条件下での短絡電流に対する、第1要素照射条件下での短絡電流比と、第2要素照射条件下での短絡電流比と、第3要素照射条件下での短絡電流比との積を算出し、複数の太陽電池における短絡電流比の積の平均値と、各太陽電池の短絡電流比の積を比較し、平均値に最も近い短絡電流比の積を持つ太陽電池を基準太陽電池として選別する構成とする。

目的

本発明は、従来に比べて評価誤差を低減できる基準太陽電池の選別装置及び選別方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数の太陽電池の中から基準太陽電池選別する基準太陽電池の選別装置において、前記複数の太陽電池は、それぞれ相対分光感度最大値に対応する最大吸収波長が異なる少なくとも3つの要素セルを有するものであり、前記3つの要素セルは、第1要素セル、第2要素セル、第3要素セルから構成されており、太陽電池に対して光を照射する光照射装置を有し、前記光照射装置は、少なくとも下記(1)〜(4)のいずれかの条件で光を照射可能であり、各太陽電池に対して下記(1)〜(4)から選ばれた1つの条件で光を照射し、各太陽電池において、所定の放射照度の光を照射する基準照射条件での短絡電流に対する、下記第1要素照射条件での短絡電流比たる第1短絡電流比と、下記第2要素照射条件での短絡電流比たる第2短絡電流比と、下記第3要素照射条件での短絡電流比たる第3短絡電流比を算出し、算出した第1短絡電流比と第2短絡電流比と第3短絡電流比とを乗算した短絡電流比の積を算出し、前記複数の太陽電池における前記短絡電流比の積の平均値と、各太陽電池の前記短絡電流比の積を比較し、平均値に最も近い短絡電流比の積を持つ太陽電池を基準太陽電池として選別することを特徴とする基準太陽電池の選別装置。(1)前記基準照射条件よりも第1要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第1要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第2要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第2要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第3要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第3要素照射条件。(2)前記基準照射条件よりも第1要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第1要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第2要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第2要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第3要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第3要素照射条件。(3)前記3つの要素セルの最大吸収波長のうち、第1要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第1要素照射条件と、第2要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第2要素照射条件と、第3要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第3要素照射条件。(4)前記3つの要素セルの最大吸収波長のうち、第1要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第1要素照射条件と、第2要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第2要素照射条件と、第3要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第3要素照射条件。

請求項2

前記太陽電池は、光照射側から第1要素セル、第2要素セル、第3要素セルの順に積層されたものであり、前記光照射装置は、光源と、制限フィルターを有し、前記制限フィルターは、第2要素セルの最大吸収波長において優先的に放射エネルギーを絞るものであり、前記第2要素照射条件において、光源から前記制限フィルターを透過させて太陽電池に光を照射することを特徴とする請求項1に記載の基準太陽電池の選別装置。

請求項3

前記制限フィルターは、前記第2要素セルの最大吸収波長における透過率が20%以上80%以下であることを特徴とする請求項2に記載の基準太陽電池の選別装置。

請求項4

前記制限フィルターは、前記第2要素セルの最大吸収波長における透過率が前記第1要素セルの最大吸収波長における透過率よりも小さいことを特徴とする請求項2又は3に記載の基準太陽電池の選別装置。

請求項5

第1要素セル、第2要素セル、及び第3要素セルのそれぞれについて、各吸収波長に対する相対分光感度をグラフ化したときに、前記制限フィルターは、第1要素セルのグラフと第2要素セルのグラフの交点に対応する波長から第2要素セルのグラフと第3要素セルのグラフの交点に対応する波長までの範囲において優先的に放射エネルギーを絞ることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の基準太陽電池の選別装置。

請求項6

前記基準照射条件は、第1要素照射条件、第2要素照射条件、第3要素照射条件、及び標準測定条件のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の基準太陽電池の選別装置。

請求項7

複数の太陽電池の中から基準太陽電池を選別する基準太陽電池の選別方法において、前記複数の太陽電池は、それぞれ相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長が異なる少なくとも3つの要素セルを有するものであり、前記3つの要素セルは、第1要素セル、第2要素セル、第3要素セルから構成されており、太陽電池に対して光を照射する光照射装置を使用して、各太陽電池に対して下記(5)〜(8)から選ばれる1つの条件で光を照射し、各太陽電池において、所定の放射照度の光を照射する基準照射条件での短絡電流に対する、下記第1要素照射条件での短絡電流比たる第1短絡電流比と、下記第2要素照射条件での短絡電流比たる第2短絡電流比と、下記第3要素照射条件での短絡電流比たる第3短絡電流比を算出し、算出した第1短絡電流比と第2短絡電流比と第3短絡電流比とを乗算した短絡電流比の積を算出し、前記複数の太陽電池における前記短絡電流比の積の平均値と、各太陽電池の前記短絡電流比の積を比較し、平均値に最も近い短絡電流比の積を持つ太陽電池を基準太陽電池として選別することを特徴とする基準太陽電池の選別方法。(5)前記基準照射条件よりも第1要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第1要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第2要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第2要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第3要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第3要素照射条件。(6)前記基準照射条件よりも第1要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第1要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第2要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第2要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第3要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第3要素照射条件。(7)前記3つの要素セルの最大吸収波長のうち、第1要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第1要素照射条件と、第2要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第2要素照射条件と、第3要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第3要素照射条件。(8)前記3つの要素セルの最大吸収波長のうち、第1要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第1要素照射条件と、第2要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第2要素照射条件と、第3要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第3要素照射条件。

請求項8

請求項7に記載の基準太陽電池の選別方法によって選ばれた基準太陽電池と、所定の放射照度の光を発生する光発生装置を用いた太陽電池モジュールの製造方法であって、太陽電池を形成する太陽電池形成工程と、前記基準太陽電池を用いて前記光発生装置から照射する光の放射照度を調整する照度調整工程と、前記照度調整工程によって、放射照度を調整した光を前記太陽電池に照射して太陽電池の光電変換特性を評価する評価工程を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、ソーラーシミュレーター等の調整に用いる基準太陽電池選別装置に関する。また、本発明は、基準太陽電池の選別方法に関する。さらに選別された基準太陽電池によってソーラーシミュレーターを調整して太陽電池を評価する太陽電池モジュールの製造方法に関する。

背景技術

0002

従来から、工業的に太陽電池モジュールを量産する場合、例えば複数の拠点で異なる製造ラインを用いて太陽電池モジュールを生産する場合がある。また、単独拠点に複数の製造ラインを設け、異なる製造ラインを用いて太陽電池モジュールを生産する場合もある。
これらのような異なる製造ラインを用いて生産された太陽電池モジュールについて、同一の品質を確保するためには、太陽電池モジュールの仕掛品であって実際に光電変換を行う太陽電池の品質を同一条件で評価する必要がある。すなわち、この太陽電池の品質を一律の基準で正確に判定する際には、どの製造ラインでも同一の条件で判定する必要がある。

0003

太陽電池の品質を評価する方法には、例えば、太陽電池のIV測定によって光電変換特性を測定する方法がある。
具体的には、ソーラーシミュレーターによって25℃、エアマス1.5、1000W/m2という標準測定条件(以下、STC条件ともいう)を形成し、この条件下で製造した太陽電池をIV測定し、このIV特性から品質を評価する。そして、この標準測定条件の調整には、製造した太陽電池の相対分光感度のばらつきを代表する基準太陽電池を選別し、この基準太陽電池を用いて放射照度を調整して行う。すなわち、各生産拠点において、共通の標準測定条件を形成するためには、極めて品質が近い基準太陽電池を選定する必要がある。

0004

従来からこの基準太陽電池の選別方法としては、JIS C8904−2に準じた二光源方法がある。
この二光源方法は、安定した2つの光源を用いて選別対象たる各太陽電池に対して光を照射し、その各光源での短絡電流値の比をそれぞれの太陽電池で測定する。そして、各太陽電池の前記短絡電流値の比の平均値と、個々の太陽電池の前記短絡電流値の比を比較して、平均値に近い太陽電池を基準太陽電池として選別するものである。

先行技術

0005

特開2006−135196号公報

発明が解決しようとする課題

0006

ところで、近年、相対分光感度が異なる3つ以上の要素セル接合された多接合太陽電池が開発されている。この多接合太陽電池は、各要素セルで光電変換を行うことによって、広い波長域で光電変換を行うことが可能となり、高変換効率を確保できる。
その一方で、この多接合太陽電池の場合、3つ以上の要素セルのそれぞれで光電変換を行うため、相対分光感度のずれが生じやすく太陽電池間個体差が大きくなりやすい。そのため、適切な基準太陽電池を選別しないと、太陽電池の評価誤差が大きく出てしまうおそれがある。

0007

上記した二光源方法の場合、2つの光源における短絡電流比を取る。しかしながら、3接合太陽電池の場合、3つの要素セルによって短絡電流が決まるので、例えば、3つの要素セルのうち1つの要素セルの性能が平均からずれていた場合でも、基準太陽電池として選別されるおそれがある。そのため、被測定対象群たる一群の太陽電池のもつ相対分光感度のばらつきを真に代表する基準太陽電池を選別できない場合がある。
このような基準太陽電池を用いて、ソーラーシミュレーターを調整すると、ソーラーシミュレーターの調整が正確に行えず、共通の評価条件に合わせることができないおそれがある。評価条件がずれると、製品となる太陽電池の評価が生産拠点によって大きく異なってしまい、安定した品質の太陽電池モジュールを製造できないおそれがあった。

0008

そこで、本発明は、従来に比べて評価誤差を低減できる基準太陽電池の選別装置及び選別方法を提供することを目的とする。また、選別された基準太陽電池を用いて、より精度よく評価された太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

上記した課題に対して、本発明者は2光源方法を応用して、選別精度を向上させることを試みた。すなわち、各要素セルの相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長に合わせて、放射エネルギーを変化させた2つの光源を用意し、その短絡電流比から基準太陽電池を選別することを試みた。
具体的には、光の照射側からトップセルミドルセル、及びボトムセルがこの順に積層した3接合太陽電池に対して、各要素セルの相対分光感度を測定し、それぞれの相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長を特定する。そして、最も波長が離れた2つの要素セルに合わせて放射エネルギーを制限した2つの光を準備し、当該2つの光を用いて短絡電流を測定した。この測定結果により得られる短絡電流比によって基準太陽電池を選別した。

0010

しかしながら、選別した基準太陽電池は、単に2光源を用意する従来の二光源方法に比べて、選別精度が格段に上がったものの、予想したほどの十分な精度が得られなかった。
そこで、本発明者は、照射する光の種類を増やして測定点を増やし、それぞれの光における短絡電流比を算出して基準太陽電池を選別する。こうすることによって、より選別精度が増すと考察した。

0011

このような考察のもと導き出された請求項1に記載の発明は、複数の太陽電池の中から基準太陽電池を選別する基準太陽電池の選別装置において、前記複数の太陽電池は、それぞれ相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長が異なる少なくとも3つの要素セルを有するものであり、前記3つの要素セルは、第1要素セル、第2要素セル、第3要素セルから構成されており、太陽電池に対して光を照射する光照射装置を有し、前記光照射装置は、少なくとも下記(1)〜(4)のいずれかの条件で光を照射可能であり、各太陽電池に対して下記(1)〜(4)から選ばれた1つの条件で光を照射し、各太陽電池において、所定の放射照度の光を照射する基準照射条件での短絡電流に対する、下記第1要素照射条件での短絡電流比たる第1短絡電流比と、下記第2要素照射条件での短絡電流比たる第2短絡電流比と、下記第3要素照射条件での短絡電流比たる第3短絡電流比を算出し、算出した第1短絡電流比と第2短絡電流比と第3短絡電流比とを乗算した短絡電流比の積を算出し、前記複数の太陽電池における前記短絡電流比の積の平均値と、各太陽電池の前記短絡電流比の積を比較し、平均値に最も近い短絡電流比の積を持つ太陽電池を基準太陽電池として選別することを特徴とする基準太陽電池の選別装置である。
(1)前記基準照射条件よりも第1要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第1要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第2要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第2要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第3要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第3要素照射条件。
(2)前記基準照射条件よりも第1要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第1要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第2要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第2要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第3要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第3要素照射条件。
(3)前記3つの要素セルの最大吸収波長のうち、第1要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第1要素照射条件と、第2要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第2要素照射条件と、第3要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第3要素照射条件。
(4)前記3つの要素セルの最大吸収波長のうち、第1要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第1要素照射条件と、第2要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第2要素照射条件と、第3要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第3要素照射条件。

0012

本発明の構成によれば、従来の2光源方法とは異なり、複数の太陽電池のそれぞれにおいて、第1要素セル、第2要素セル、及び第3要素セルのそれぞれの相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長に合わせて放射エネルギーを増加又は減少させた光を用意して、各太陽電池において短絡電流比の積を算出する。そして、算出した太陽電池の短絡電流比の平均値を算出し、それと各太陽電池の短絡電流比を比較して最も近い太陽電池を基準太陽電池とする。
すなわち、各太陽電池に(1)〜(4)から選ばれた1つの共通条件で光を照射し、各太陽電池における第1要素セル、第2要素セル、及び第3要素セルのそれぞれの光電変換特性を踏まえた上で、相対的な値である短絡電流比の積を基準に基準太陽電池を選別するので、従来に比べて、より選別対象たる一群の太陽電池に則して選別でき、より平均的で一群の太陽電池を代表する相対分光感度を備えた基準太陽電池を選定することができる。
ここで、(1)〜(4)の条件についてさらに説明する。
(1)の条件は、基準照射条件における第1要素セル、第2要素セル、及び第3要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーがそれぞれα0、β0,γ0とすると、第1要素照射条件は、第1要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーがα1(<α0)となり、第2要素照射条件は、第2要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーがβ1(<β0)となり、第3要素照射条件は、第2要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーがγ1(<γ0)となる条件である。
(2)の条件は、基準照射条件における第1要素セル、第2要素セル、及び第3要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーがそれぞれα0、β0,γ0とすると、第1要素照射条件は、第1要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーがα2(>α0)となり、第2要素照射条件は、第2要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーがβ2(>β0)となり、第3要素照射条件は、第2要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーがγ2(>γ0)となる条件である。
(3)の条件は、第1要素セル、第2要素セル、及び第3要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーをそれぞれα、β,γとすると、第1要素照射条件は、α3<β3かつα3<γ3となる条件であり、第2要素照射条件は、β4<α4かつβ4<γ4となる条件であり、第3要素照射条件は、γ5<α5かつγ5<β5となる条件である。
(4)の条件は、第1要素セル、第2要素セル、及び第3要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーをそれぞれα、β,γとすると、第1要素照射条件は、α6>β6かつα6>γ6となる条件であり、第2要素照射条件は、β7>α7かつβ7>γ7となる条件であり、第3要素照射条件は、γ8>α8かつγ8>β8となる条件である。

0013

請求項2に記載の発明は、前記太陽電池は、光照射側から第1要素セル、第2要素セル、第3要素セルの順に積層されたものであり、前記光照射装置は、光源と、制限フィルターを有し、前記制限フィルターは、第2要素セルの最大吸収波長において優先的に放射エネルギーを絞るものであり、前記第2要素照射条件において、光源から前記制限フィルターを透過させて太陽電池に光を照射することを特徴とする請求項1に記載の基準太陽電池の選別装置である。
ネカ

0014

ここでいう「放射エネルギーを絞る」とは、制限フィルターからの透過光の最大吸収波長における放射エネルギーが制限フィルターへの入射光の最大吸収波長における放射エネルギーに比べて小さくなるように絞ることをいう。
また、「要素セルの最大吸収波長において優先的に放射エネルギーを絞る」とは、特定の要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーを他の要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーによりも小さい放射エネルギーとなるように放射エネルギーを絞ることをいう。

0015

本発明の構成によれば、制限フィルターを用いて放射エネルギーを絞るため、既存の光源を使用することができ、別途新たに光源を設ける場合に比べて、特定の波長域で照射エネルギーが異なる光を低コストで照射できる。

0016

請求項3に記載の発明は、前記制限フィルターは、前記第2要素セルの最大吸収波長における透過率が20%以上80%以下であることを特徴とする請求項2に記載の基準太陽電池の選別装置である。

0017

本発明の構成によれば、制限フィルターは、第2要素セルの最大吸収波長における透過率が20%以上80%以下である。すなわち、第2要素照射条件において、光源からの光は、制限フィルターによって、20%以上80%以下の放射エネルギーに絞られている。
この範囲であれば、放射エネルギーが制限されすぎないので、放射エネルギーの制限による太陽電池の光電変換性能に変化が生じにくい。また、放射エネルギーの変化量が小さすぎないので、他の要素セルと分離しやすい。

0018

請求項4に記載の発明は、前記制限フィルターは、前記第2要素セルの最大吸収波長における透過率が前記第1要素セルの最大吸収波長における透過率よりも小さいことを特徴とする請求項2又は3に記載の基準太陽電池の選別装置である。

0019

本発明の構成によれば、第1要素セルの最大吸収波長における透過率と第2要素セルの最大吸収波長における透過率が異なる値を取り、第2要素セルの最大吸収波長における透過率が第1要素セルの最大吸収波長における透過率よりも小さいので、第2要素セルの最大吸収波長において優先的に放射エネルギーを絞った光を発生させやすい。

0020

ここで、上記した発明において、各要素セルは、電気的に直列接続となっているため、短絡電流は、原則的に最も低い要素セルがもつ短絡電流が反映される。

0021

そこで、請求項5に記載の発明は、第1要素セル、第2要素セル、及び第3要素セルのそれぞれについて、各吸収波長に対する相対分光感度をグラフ化したときに、前記制限フィルターは、第1要素セルのグラフと第2要素セルのグラフの交点に対応する波長から第2要素セルのグラフと第3要素セルのグラフの交点に対応する波長までの範囲において優先的に放射エネルギーを絞ることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の基準太陽電池の選別装置である。

0022

本発明の構成によれば、第1要素セルのグラフと第2要素セルのグラフの交点に対応する波長から第2要素セルのグラフと第3要素セルのグラフの交点に対応する波長までの範囲において優先的に放射エネルギーを絞っている。すなわち、第2要素セルが主に光を感じやすい波長域において、放射エネルギーを絞っているので、第2要素セルが短絡電流に与える影響を大きくすることができる。

0023

請求項6に記載の発明は、前記基準照射条件は、第1要素照射条件、第2要素照射条件、第3要素照射条件、及び標準測定条件のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の基準太陽電池の選別装置である。

0024

本発明の構成によれば、基準照射条件は、第1要素照射条件、第2要素照射条件、第3要素照射条件、及び標準測定条件のいずれかである。
すなわち、上記した(1),(2)においては、基準照射条件が標準測定条件となり、上記した(3),(4)においては、基準照射条件が第1要素照射条件、第2要素照射条件、第3要素照射条件、及び標準測定条件のいずれかとなる。
例えば、(3)又は(4)において、基準照射条件が第1要素照射条件の場合には、第1要素照射条件での短絡電流に対する、第1要素照射条件での短絡電流比たる第1短絡電流比と、第2要素照射条件での短絡電流比たる第2短絡電流比と、第3要素照射条件での短絡電流比たる第3短絡電流比を算出し、算出した第1短絡電流比と第2短絡電流比と第3短絡電流比とを乗算した短絡電流比の積を算出し、複数の太陽電池における短絡電流比の積の平均値と、各太陽電池の短絡電流比の積を比較し、平均値に最も近い短絡電流比の積を持つ太陽電池を基準太陽電池として選別することとなる。

0025

上記した発明において、前記基準照射条件は、第1要素照射条件、第2要素照射条件、第3要素照射条件のいずれかであってもよい。

0026

この発明によれば、第1要素照射条件、第2要素照射条件、第3要素照射条件の3つの条件で測定することで、基準太陽電池を選択できるので、別途、標準測定条件等を求めなくてもよく、作業効率が向上する。

0027

上記した発明において、10枚以上30枚以下の太陽電池の中から基準太陽電池を選別することが好ましい。

0028

この発明の構成によれば、一定以上の精度を得つつ、測定数が多すぎない。

0029

上記した発明において、10枚〜30枚の太陽電池の中から基準太陽電池を選別する選別装置であって、前記複数の太陽電池における前記短絡電流比の積の平均値と、各太陽電池の前記短絡電流比の積を比較し、前記平均値から近い順に2枚〜4枚の太陽電池を基準太陽電池として選別することが好ましい。

0030

この発明の構成によれば、10枚〜30枚の太陽電池の中から2枚〜4枚の太陽電池を基準太陽電池として選別するので、複数拠点でソーラーシミュレーターの調整が可能である。

0031

請求項7に記載の発明は、複数の太陽電池の中から基準太陽電池を選別する基準太陽電池の選別方法において、前記複数の太陽電池は、それぞれ相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長が異なる少なくとも3つの要素セルを有するものであり、前記3つの要素セルは、第1要素セル、第2要素セル、第3要素セルから構成されており、太陽電池に対して光を照射する光照射装置を使用して、各太陽電池に対して下記(5)〜(8)から選ばれる1つの条件で光を照射し、各太陽電池において、所定の放射照度の光を照射する基準照射条件での短絡電流に対する、下記第1要素照射条件での短絡電流比たる第1短絡電流比と、下記第2要素照射条件での短絡電流比たる第2短絡電流比と、下記第3要素照射条件での短絡電流比たる第3短絡電流比を算出し、算出した第1短絡電流比と第2短絡電流比と第3短絡電流比とを乗算した短絡電流比の積を算出し、前記複数の太陽電池における前記短絡電流比の積の平均値と、各太陽電池の前記短絡電流比の積を比較し、平均値に最も近い短絡電流比の積を持つ太陽電池を基準太陽電池として選別することを特徴とする基準太陽電池の選別方法である。
(5)前記基準照射条件よりも第1要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第1要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第2要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第2要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第3要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが小さい光を照射する第3要素照射条件。
(6)前記基準照射条件よりも第1要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第1要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第2要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第2要素照射条件と、前記基準照射条件よりも第3要素セルの最大吸収波長において放射エネルギーが大きい光を照射する第3要素照射条件。
(7)前記3つの要素セルの最大吸収波長のうち、第1要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第1要素照射条件と、第2要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第2要素照射条件と、第3要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する第3要素照射条件。
(8)前記3つの要素セルの最大吸収波長のうち、第1要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第1要素照射条件と、第2要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第2要素照射条件と、第3要素セルの最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射する第3要素照射条件。

0032

本発明の選別方法によれば、各太陽電池に(5)〜(8)から選ばれた1つの共通条件で光を照射し、各太陽電池の第1要素セル、第2要素セル、及び第3要素セルのそれぞれの光電変換特性を踏まえた上で、相対的な値である短絡電流比の積を基準に基準太陽電池を選別するので、従来に比べて、より選別対象たる一群の太陽電池に則して選別でき、より平均的で一群の太陽電池を代表する相対分光感度を備えた基準太陽電池を選定することができる。

0033

請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の基準太陽電池の選別方法によって選ばれた基準太陽電池と、所定の放射照度の光を発生する光発生装置を用いた太陽電池モジュールの製造方法であって、太陽電池を形成する太陽電池形成工程と、前記基準太陽電池を用いて前記光発生装置から照射する光の放射照度を調整する照度調整工程と、前記照度調整工程によって、放射照度を調整した光を前記太陽電池に照射して太陽電池の光電変換特性を評価する評価工程を含むことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法である。

0034

本発明の製造方法によれば、照度調整工程において、精密に調整された基準太陽電池に基づいて光発生装置の放射照度を調整するので、その後の評価工程で太陽電池の光電変換特性を評価できる。そのため、個体差が小さく、一定の品質以上の保った太陽電池モジュールを製造できる。

発明の効果

0035

本発明の基準太陽電池の選別装置及び選別方法によれば、従来に比べて評価誤差を低減できる。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法によれば、より精度よく評価された太陽電池モジュールを製造できる。

図面の簡単な説明

0036

本発明の第1実施形態の選別装置の模式図である。
図1の選別装置に使用される制限フィルターの説明図であり、上図はフィルターの透過率を表すグラフであり、下図は太陽電池の各要素セルの相対分光感度を表すグラフである。
選別対象となる太陽電池を模式的に示した断面図であり、理解を容易にするため、ハッチングを省略している。
実施例1で選別対象の太陽電池の各要素セルの相対分光感度を表すグラフである。

0037

以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、物性は標準状態(25℃、1気圧)を基準とする。

0038

本発明の第1実施形態の基準太陽電池の選別装置1は、太陽電池モジュール101の仕掛品たる太陽電池100の中から、製品化される太陽電池100の一つの指標となる基準太陽電池100aを選別する選別装置である。
基準太陽電池100aは、多数の太陽電池100の中から特別に校正した太陽電池であり、ソーラーシミュレーター等の光発生装置の放射照度を調整するためのものである。

0039

選別装置1は、図1に示されるように、光源装置2と、調整フィルター3と、光透過部材5と、制限フィルター6と、ステージ7と、分光感度測定装置8と、電流電圧測定装置10を備えている。

0040

光源装置2は、光を太陽電池100に照射する光照射装置であり、照射光発光時間が0.001秒〜0.1秒程度のパルス光として照射可能となっている。
また、光源装置2は、複数のランプを組み合わせた光源であり、照射光を所望の放射照度に調整可能となっている。
本実施形態では、光源装置2は、キセノンランプハロゲンランプを組み合わせて構成されている。

0041

調整フィルター3は、光源装置2から照射される光を太陽光近似した疑似太陽光に近づけるフィルターである。すなわち、調整フィルター3は、所望の波長域において放射エネルギーを調整するフィルターである。
調整フィルター3は、光源装置2から照射光のスペクトルを太陽光のスペクトルに近似できれば特に限定されるものではなく、エアマスフィルターであってもよいし、特定波長域における放射エネルギーを遮蔽する1又は複数のカットフィルターを組み合わせてもよい。

0042

光透過部材5は、透明な板状部材であり、光源装置2側からの光を制限フィルター6側に透過する部材である。
光透過部材5は、透光性を有していれば特に限定されるものではなく、アクリル板ガラス板などが採用できる。

0043

制限フィルター6は、所定の波長域における放射エネルギー(制限フィルター6側からみたら光量)を優先的に制限するフィルターである。制限フィルター6は、具体的には特定の波長域を通過させ、特定の波長域を阻止するカラーフィルターである。

0044

ステージ7は、光の照射対象たる太陽電池100を固定する基台であり、受光面が入射側を向くように固定可能となっている。

0045

分光感度測定装置8は、波長依存性のない定エネルギー、定フォトン単色光を太陽電池に照射し、各太陽電池100の分光感度特性量子効率を測定する装置である。

0046

電流電圧測定装置10は、太陽電池100の電流電圧特性を測定する装置である。

0047

太陽電池モジュール101は、太陽電池100を内蔵するものであり、太陽電池100に対して配線部材フレーム等を取り付けたものである。

0048

太陽電池100は、図2に示されるように、相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長が異なる3つの要素セル125,126,127を備えた太陽電池である。すなわち、各要素セル125,126,127は、各吸収波長に対する相対分光感度をプロットしてグラフ化したときに、最大ピーク位置が異なっている。

0049

具体的には、第1要素セル125は、図2に示されるように、低波長側に最大ピークがあり、第3要素セル127は、第1要素セル125よりも長波長側に最大ピークがあり、第2要素セル126は、第1要素セル125と第3要素セル127の間に最大ピークがある。すなわち、第1要素セル125の相対分光感度のグラフは、第2要素セル126の相対分光感度のグラフよりも低波長側にずれており、第3要素セル127の相対分光感度のグラフは、第2要素セル126の相対分光感度のグラフよりも高波長側にずれている。
第1要素セル125の相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長λ1は、第2要素セル126の相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長λ2よりも100nm以上低波長側にある。第2要素セル126の相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長λ2は、第3要素セル127の相対分光感度λ3の最大値に対応する最大吸収波長よりも100nm以上低波長側にある。

0050

第1要素セル125の相対分光感度のグラフと第2要素セル126の相対分光感度のグラフは、互いに交差した交点Aを備えている。
交点Aは、隣接する2つの要素セル125,126の交点であり、第1要素セル125の最大吸収波長λ1よりも高波長側であって、第2要素セル126の最大吸収波長λ2よりも低波長側にある。
すなわち、交点Aは、第1要素セル125と第2要素セル126との間での支配因子切り替わる境界点であり、交点Aよりも低波長側では、第1要素セル125での光吸収が第2要素セル126での光吸収よりも支配的となり、交点Aよりも高波長側では、第2要素セル126での光吸収が第1要素セル125での光吸収よりも支配的となる。

0051

また、第2要素セル126の相対分光感度のグラフと第3要素セル127の相対分光感度のグラフは、互いに交差した交点Bを備えている。
交点Bは、隣接する2つの要素セル126,127の交点であり、第2要素セル126の最大吸収波長λ2よりも高波長側であって、第3要素セル127の最大吸収波長λ3よりも低波長側にある。
すなわち、交点Bは、第2要素セル126と第3要素セル127との間での支配因子が切り替わる境界点であり、交点Bよりも低波長側では、第2要素セル126での光吸収が第3要素セル127での光吸収よりも支配的となり、交点Bよりも高波長側では、第3要素セル127での光吸収が第2要素セル126での光吸収よりも支配的となる。

0052

さらに第1要素セル125の相対分光感度のグラフと第3要素セル127の相対分光感度のグラフは、互いに交差した交点Cを備えている。
交点Cは、交点Aと交点Bの間であって、第1要素セル125の最大吸収波長λ1と第3要素セル127の最大吸収波長λ3の間にある。
太陽電池100の詳細な積層構造については、説明の都合上、後述する。

0053

続いて、本実施形態の基準太陽電池の選別装置1を用いた基準太陽電池の選別方法について説明する。

0054

本実施形態の基準太陽電池の選別方法では、あらかじめ、基準太陽電池100aの選別の下準備として、図2に示されるように、複数種類の制限フィルター6の中から、所定の制限フィルター6を選別する(フィルター選別工程)。
具体的には、一の太陽電池100を用いて、各要素セル125,126,127の相対分光感度を測定し、各要素セル125,126,127の相対分光感度の最大値に対応する最大吸収波長をそれぞれ算出する。
そして、制限フィルター6を光透過部材5に設置していき、制限フィルター6の中から特定の要素セルの最大吸収波長付近の波長域の放射エネルギーが優先的に制限されるフィルターを選別する。言い換えると、制限フィルター6の中から特定の要素セルの最大吸収波長付近の波長域の透過率が小さいフィルターを選別する。

0055

本実施形態では、制限フィルター6として、第2要素セル126の最大吸収波長付近の放射エネルギーが他の要素セル125,127の最大吸収波長付近の放射エネルギーに比べて制限されるフィルターを選別する。すなわち、図2に示されるように、第1要素セル125、第2要素セル126、及び第3要素セル217のそれぞれの相対分光感度がピークを取る最大吸収波長がλ1,λ2,λ3である場合、制限対象である波長λ2における透過率が波長λ1,λ3における透過率よりも小さい値を取るフィルターを選別する。
本実施形態では、各要素セル125,126,127の短絡電流をより正確に求める観点から、図2に示されるように、第2要素セル126の波形において、第1要素セル125と第2要素セル126の交点Aから第2要素セル126と第3要素セル127の交点Cまでの波長域において、優先的に放射エネルギーが下がる制限フィルターを選別する。

0056

選別される制限フィルター6は、照射対象である太陽電池100の光電変換特性の変化を防止する観点から、波長λ2における透過率が20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、35%以上であることがさらに好ましい。
選別される制限フィルター6は、制限対象である要素セルを他の要素セルと区別する観点から、波長λ2における透過率が80%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましく、65%以下であることがさらに好ましく、60%以下であることが特に好ましい。
また、選別される制限フィルター6は、波長λ1における透過率が100%以下であり、90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましく、80%以下であることがさらに好ましい。
選別される制限フィルター6は、波長λ3における透過率が100%以下であり、90%以下であることが好ましい。
選別される制限フィルター6は、波長λ2における透過率と波長λ1,λ3における透過率の差が10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。

0057

続いて、フィルター選別工程で選別した制限フィルター6を用いて複数の太陽電池100の中から基準太陽電池100aを選別する(基準太陽電池選別工程)。

0058

基準太陽電池選別工程では、あらかじめ多数の太陽電池100からなる太陽電池群の平均値から開放電圧、短絡電流、曲線因子外観などが極端に異なるものを取り除き、多数の太陽電池からn枚の太陽電池100を無作為に抽出する(抽出工程)。
抜き取る太陽電池の枚数nは、選別する基準太陽電池の数により適宜設定されるが、10枚〜30枚であることが好ましい。

0059

その後、抜き取った一群の太陽電池100のそれぞれに対して光を照射して電流電圧特性を測定する。

0060

このとき、標準測定条件(エアマス1.5、1000W/m2、25℃)(基準照射条件)において、短絡電流Iscを各太陽電池100で求める。
また、光源装置2によって、標準測定条件(基準照射条件)よりも第1要素セル125の相対分光感度の最大ピークに対応する最大吸収波長付近の波長域について優先的に放射エネルギーを絞った第1要素照射条件で、短絡電流I1を各太陽電池100で求める。すなわち、第1要素照射条件では、3つの要素セル125,126,127の最大吸収波長のうち、第1要素セル125の最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する。本実施形態では、各要素セル125,126,127において、各吸収波長に対する相対分光感度をグラフ化したときに、第1要素セル125に対応するグラフの低波長側からの立ち上がり点Dに対応する波長から第2要素セル126のグラフとの交点Aに対応する波長までの波長域において、他の要素セル126,127に比べて優先的に放射エネルギーを絞った光を照射する。
さらに、制限フィルター6によって、標準測定条件よりも第2要素セル126の相対分光感度の最大ピークに対応する最大吸収波長付近の波長域について優先的に放射エネルギーを絞った第2要素照射条件で、短絡電流I2を各太陽電池100で求める。すなわち、第2要素照射条件では、3つの要素セル125,126,127の最大吸収波長のうち、第2要素セル126の最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する。本実施形態では、各要素セル125,126,127において、各吸収波長に対する相対分光感度をグラフ化したときに、第1要素セル125のグラフと第2要素セル126のグラフとの交点Aに対応する波長から第2要素セル126のグラフと第3要素セル127のグラフとの交点Bに対応する波長までの波長域において、他の要素セル125,126に比べて優先的に放射エネルギーを絞った光を照射する。
そして、光源装置2によって、標準測定条件よりも第3要素セル127の相対分光感度の最大ピークに対応する最大吸収波長付近の波長域について優先的に放射エネルギーを絞った第3要素照射条件で、短絡電流I3を各太陽電池100で求める。すなわち、第3要素照射条件では、3つの要素セル125,126,127の最大吸収波長のうち、第3要素セル127の最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する。本実施形態では、各要素セル125,126,127において、各吸収波長に対する相対分光感度をグラフ化したときに、第2要素セル126のグラフと第3要素セル127のグラフとの交点Bに対応する波長から第3要素セル125の長波長側からの立ち上がり点Eに対応する波長までの波長域において、他の要素セル126,127に比べて優先的に放射エネルギーを絞った光を照射する。

0061

続いて、第1要素照射条件での短絡電流I1、第2要素照射条件での短絡電流I2、第3要素照射条件での短絡電流I3のそれぞれを標準測定条件の短絡電流Iscで除算し、第1要素照射条件の短絡電流比たる第1短絡電流比(I1/Isc)、第2要素照射条件の短絡電流比たる第2短絡電流比(I2/Isc)、及び第3要素照射条件の短絡電流比たる第3短絡電流比(I3/Isc)をそれぞれ算出する。
算出した第1要素照射条件、第2要素照射条件、及び第3要素照射条件の短絡電流比を乗算して積A(以下、短絡電流比の積Aともいう)を算出する。

0062

そして、n枚の太陽電池100の短絡電流比の積Aの平均値Raを算出し、当該短絡電流比の積の平均値Raと各太陽電池100の短絡電流比の積Aを比較して、前記平均値から近い順に1枚〜4枚の太陽電池100を基準太陽電池100aとして選別する。
本実施形態では、平均値から最も近い短絡電流比の積を取る太陽電池100を基準太陽電池100aとして選別する。

0063

続いて、太陽電池モジュール101の製造方法について説明する。特に、本実施形態の特徴の一つである太陽電池の評価工程について重点的に説明し、残りの工程については従来と同様であるため、簡単に説明する。

0064

まず、太陽電池形成工程を実施する。
具体的には、透明絶縁基板102をCVD装置に導入し、透明電極層103を製膜する(透明電極層形成工程)。

0065

透明電極層形成工程が終了すると、各要素セル125,126,127をCVD装置によって製膜し、光電変換層105を形成する(光電変換層形成工程)。

0066

光電変換層形成工程が終了すると、光電変換層105が形成された基板に対して、スパッタ法真空蒸着法等によって裏面電極層106を形成する(裏面電極層形成工程)。
以上が太陽電池形成工程である。

0067

上記した選別装置1によって選別された基準太陽電池100aを用いて、ソーラーシミュレーター(光発生装置)の放射照度を調整する(照度調整工程)。
そして、照度調整工程によって放射照度が調整されたソーラーシミュレーターを使用して、上記した太陽電池形成工程で形成された太陽電池100を評価する(評価工程)。
この評価工程において、所定の条件を満たしたものに対して、必要に応じてタブ線等の配線部材を接続し、フレーム等を取り付けて太陽電池モジュール101が製造される。

0068

最後に選別対象として推奨される太陽電池100について説明する。

0069

太陽電池100は、図3に示されるように、透明絶縁基板102上に、透明電極層103、要素セル125,126,127を備えた光電変換層105、裏面電極層106が積層したものである。

0070

透明絶縁基板102は、透明性及び絶縁性を有した基板であって、各層を支持する支持基板である。
透明絶縁基板102としては、透明性及び絶縁性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス基板や、透明性樹脂基板などが使用できる。
なお、透明絶縁基板102は可撓性を有した可撓性基板であってもよい。

0071

透明電極層103は、透明性及び導電性を備えた導電層である。
透明電極層103としては、電気伝導性と透光性を備えていれば、特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)や酸化亜鉛(ZnO2)などの透明導電性金属酸化物グラフェンシートなどの有機導電性物質、銀、アルミニウム、銅など導電性金属薄膜が採用できる。
また透明電極層103は、これらの単層構造であっても多層構造であってもよい。

0072

光電変換層105は、図3に示されるように、透明電極層103側(光入射側)から、第1要素セル125と、第2要素セル126と、第3要素セル127とが積層されて構成されている。すなわち、太陽電池100は、3つの要素セル125,126,127が接合された3接合型の太陽電池である。

0073

第1要素セル125は、光電変換層105のトップセルとして機能するものであり、非晶質シリコン光電変換ユニットである。

0074

第1要素セル125は、p型非晶質半導体層130、i型非晶質半導体層131、及びn型非晶質半導体層132から構成されている。

0075

p型非晶質半導体層130は、p型半導体として機能する層であり、例えば、p型非晶質シリコンカーバイド層である。
i型非晶質半導体層131は、i型半導体(実質的に真性である真性半導体)として機能する層であり、例えば、i型非晶質シリコン層である。
n型非晶質半導体層132は、n型半導体として機能する層であり、例えば、n型非晶質シリコン層である。

0076

第2要素セル126は、光電変換層105のミドルセルとして機能するものであり、非晶質ゲルマニウム光電変換ユニットである。
第2要素セル126は、i型非晶質シリコンゲルマニウム半導体層136を含む光電変換ユニットである。
第2要素セル126は、p型非晶質半導体層135、i型非晶質シリコンゲルマニウム半導体層136、n型結晶質半導体層137から構成されている。

0077

p型非晶質半導体層135は、p型半導体として機能する層であり、例えば、p型非晶質シリコン層である。
i型非晶質シリコンゲルマニウム半導体層136は、i型半導体として機能する層であり、例えば、i型非晶質シリコンゲルマニウム層である。
n型結晶質半導体層137は、n型半導体として機能する層であり、例えば、n型結晶質シリコン層である。

0078

第3要素セル127は、光電変換層105のボトムセルとして機能するものであり、結晶質シリコン光電変換ユニットである。
第3要素セル127は、p型結晶質半導体層140、i型結晶質半導体層141、及びn型結晶質半導体層142から構成されている。
p型結晶質半導体層140は、p型半導体として機能する層であり、例えば、p型結晶シリコン層である。
i型結晶質半導体層141は、i型半導体として機能する層であり、例えば、i型結晶質シリコン層である。
n型結晶質半導体層142は、n型半導体として機能する層であり、例えば、n型結晶シリコン層である。

0079

裏面電極層106は、透明電極層103と対をなし、電極として機能する電極層である。
裏面電極層106は、導電性を有していれば特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、銀、金、銅、白金クロムなどの金属、金属合金金属複合体などが使用できる。
なお、裏面電極層106は、多層構造であってもよい。裏面電極層106は、例えば透明導電酸化物層と金属層との多層構造であってもよい。

0080

第1実施形態の基準太陽電池の選別装置1によれば、制限フィルター6を用いて、光を調整しているため、新たに光源を設ける場合に比べて、安価に製造できる。

0081

第1実施形態の基準太陽電池の選別方法によれば、各要素セル125,126,127の相対分光感度のピーク位置に基づいて照射光を調整しているため、従来の2光源方法に比べて、精度良く基準太陽電池100aを選別できる。

0082

上記した第1実施形態では、基準太陽電池100aを選別する際に、標準測定条件の短絡電流Iscを算出し、標準測定条件の短絡電流Iscに対する、第1要素照射条件、第2要素照射条件、及び第3要素照射条件の短絡電流比をそれぞれ求めたが、本発明はこれに限定されるものではなく、比をとる基準は、標準測定条件の短絡電流Iscでなくてもよく、太陽電池100の固体差連動する条件での短絡電流であればよい。
推奨される具体例について第2実施形態として説明する。

0083

以下、本発明の第2実施形態の基準太陽電池の選別方法について説明する。

0084

第2実施形態の基準太陽電池の選別方法では、第1実施形態の基準太陽電池の選別方法と同様、あらかじめ、基準太陽電池100aの選別の下準備として、複数種類の制限フィルター6の中から、所定の制限フィルター6を選別する(フィルター選別工程)。

0085

続いて、フィルター選別工程で選別した制限フィルター6を用いて複数の太陽電池100の中から基準太陽電池100aを選別する(基準太陽電池選別工程)。

0086

基準太陽電池選別工程では、まず第1実施形態と同様、太陽電池100群からn枚の太陽電池100を抜き取る。

0087

その後、抜き取った一群の太陽電池100のそれぞれに対して光を照射して電流電圧特性を測定する。

0088

このとき、光源装置2によって、標準測定条件よりも第1要素セル125の相対分光感度のピークに対応する最大吸収波長付近の波長域について優先的に放射エネルギーを絞った第1要素照射条件で、短絡電流I1を各太陽電池100で求める。すなわち、第1要素照射条件では、3つの要素セル125,126,127の最大吸収波長のうち、第1要素セル125の最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する。
また制限フィルター6によって、標準測定条件よりも第2要素セル126の相対分光感度のピークに対応する最大吸収波長付近の波長域について優先的に放射エネルギーを絞った第2要素照射条件で、短絡電流I2を各太陽電池100で求める。
すなわち、第2要素照射条件では、3つの要素セル125,126,127の最大吸収波長のうち、第2要素セル126の最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する。
そして、光源装置2によって、標準測定条件よりも第3要素セル127の相対分光感度のピークに対応する最大吸収波長付近の波長域について優先的に放射エネルギーを絞った第3要素照射条件で、短絡電流I3を各太陽電池100で求める。
すなわち、第3要素照射条件では、3つの要素セル125,126,127の最大吸収波長のうち、第3要素セル127の最大吸収波長において最も放射エネルギーが小さい光を照射する。

0089

続いて、第1要素照射条件での短絡電流I1、第2要素照射条件での短絡電流I2、第3要素照射条件での短絡電流I3のそれぞれを、短絡電流I1、短絡電流I2、及び短絡電流I3のうちいずれかの短絡電流で除算して短絡電流の比J1,J2,J3を算出し、これらの積B(J1×J2×J3)を算出する。
例えば、短絡電流I1で除算した場合には、第1短絡電流比J1はI1/I1、第2短絡電流比J2はI2/I1、第3短絡電流比J3はI3/I1となる。
例えば、短絡電流I2で除算した場合には、第1短絡電流比J1はI1/I2、第2短絡電流比J2はI2/I2、第3短絡電流比J3はI3/I2となる。
例えば、短絡電流I3で除算した場合には、第1短絡電流比J1はI1/I3、第2短絡電流比J2はI2/I3、第3短絡電流比J3はI3/I3となる。

0090

そして、n枚の太陽電池100の短絡電流比の積の平均値Rbを算出し、当該短絡電流比の積の平均値Rbと各太陽電池100の短絡電流比の積Bを比較して、前記平均値から近い順に1枚〜4枚の太陽電池100を基準太陽電池100aとして選別する。
本実施形態では、平均値から最も近い短絡電流比の積を取る太陽電池100を基準太陽電池100aとして選別する。

0091

第2実施形態の基準太陽電池の選別方法によれば、標準測定条件での短絡電流Iscを求めなくても、基準太陽電池100aを選別できる。

0092

上記した実施形態では、第1要素照射条件、第2要素照射条件、及び第3要素照射条件のいずれにおいても、各要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーを絞って小さくしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、各要素セルの最大吸収波長における放射エネルギーを大きくしてもよい。
例えば、標準測定条件よりも第1要素セル125の相対分光感度のピークに対応する最大吸収波長付近の波長域について優先的に放射エネルギーを大きくした第1要素照射条件で、短絡電流I1を各太陽電池100で求め、標準測定条件よりも第2要素セル126の相対分光感度のピークに対応する最大吸収波長付近の波長域について優先的に放射エネルギーを大きくした第2要素照射条件で、短絡電流I2を各太陽電池100で求め、標準測定条件よりも第3要素セル127の相対分光感度のピークに対応する最大吸収波長付近の波長域について優先的に放射エネルギーを大きくした第3要素照射条件で、短絡電流I3を各太陽電池100で求めてもよい。
すなわち、第1要素照射条件では、3つの要素セル125,126,127の最大吸収波長のうち、第1要素セル125の最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射し、第2要素照射条件では、3つの要素セル125,126,127の最大吸収波長のうち、第2要素セル126の最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射し、第3要素照射条件では、3つの要素セル125,126,127の最大吸収波長のうち、第3要素セル127の最大吸収波長において最も放射エネルギーが大きい光を照射してもよい。

0093

上記した実施形態では、第2要素照射条件にする際に制限フィルター6を用いて放射エネルギーを制限したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の要素照射条件にする際にも制限フィルター6を用いて放射エネルギーを制限してもよい。

0094

上記した実施形態では、第2要素照射条件にする際に制限フィルター6を用いて放射エネルギーを制限したが、本発明はこれに限定されるものではなく、光源装置2を調整して第2要素照射条件にしてもよい。

0095

上記した実施形態では、3つの要素セル125,126,127を備えた太陽電池100の場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、4つ以上の要素セルを備えた太陽電池であっても上記した選別方法は適用可能である。
4つ以上の要素セルを備えた太陽電池の場合には、上記した実施形態のように3つの要素セルに合わせた要素照射条件で選別を行ってもよいし、要素セルの数と同数の要素照射条件で選別を行ってもよい。

0096

上記した実施形態では、一群の太陽電池群から一枚の基準太陽電池を選別したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数枚の基準太陽電池を選別してもよい。

0097

上記した実施形態では、選別装置1とソーラーシミュレーター(光発生装置)は別体であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、選別装置1をソーラーシミュレーターとして使用してもよい。

0098

以下に、実施例をもって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0099

本発明の具体的な実施例及び比較例の基準太陽電池の選別手順と、これらの評価結果を説明する。

0100

(実施例1)
実施例1の選別方法では、まず第1要素セル125、第2要素セル126、及び第3要素セル127を備えた太陽電池100を50枚用意し、その中から15枚の太陽電池100を抽出した。
また別途工程において太陽電池100について各要素セル125,126,127の相対分光感度を測定しておき、各要素セル125,126,127の相対分光感度の最大値を取る最大吸収波長を算出した。要素セル125,126,127の最大吸収波長は、図4から読み取れるように、それぞれ460nm、650nm、800nmであった。

0101

続いて、抽出した15枚の太陽電池100のそれぞれに対して下記の4つの条件(a)〜(d)下で光を照射して電流電圧特性を測定し、各条件下での短絡電流を算出した。
(a)標準測定条件(エアマス1.5、1000W/m2、25℃、波長460nm、波長650nm、波長800nmにおける放射エネルギーがそれぞれXジュール、Yジュール、Zジュール)
(b)第1要素照射条件(波長460nmにおける放射エネルギーが0.8Xジュール)
(c)第2要素照射条件(波長650nmにおける放射エネルギーが0.8Yジュール)
(d)第3要素照射条件(波長800nmにおける放射エネルギーが0.8Zジュール)

0102

そして、第1要素照射条件での短絡電流I1、第2要素照射条件での短絡電流I2、第3要素照射条件での短絡電流I3のそれぞれを標準測定条件の短絡電流Iscで除算し、第1要素照射条件の短絡電流比(I1/Isc)、第2要素照射条件の短絡電流比(I2/Isc)、及び第3要素照射条件の短絡電流比(I3/Isc)をそれぞれ算出し、算出した第1要素照射条件、第2要素照射条件、及び第3要素照射条件の短絡電流比を乗算して積Aを算出した。
15枚の太陽電池100の短絡電流比の積Aの平均値Raを算出し、当該短絡電流比の積の平均値Raと各太陽電池100の短絡電流比の積Aを比較して最も近い値を取る太陽電池100を基準太陽電池100aとして選別した。

0103

(比較例1)
比較例1の基準太陽電池の選別方法は、実施例1の基準太陽電池の選別手順において、第2要素照射条件下での測定を行わなかったこと以外は同様とした。
すなわち、実施例1と同一の15枚の太陽電池100のそれぞれに対して標準測定条件、第1要素照射条件、及び第3要素照射条件下で光を照射して電流電圧特性を測定し、各条件下での短絡電流を算出した。
そして、第1要素照射条件での短絡電流I1、第3要素照射条件での短絡電流I3のそれぞれを標準測定条件の短絡電流Iscで除算し、第1要素照射条件の短絡電流比及び第3要素照射条件の短絡電流比をそれぞれ算出し、算出した第1要素照射条件及び第3要素照射条件の短絡電流比を乗算して積を算出した。

0104

実施例1と比較例1の選別結果を表1に示す。

0105

0106

実施例1では、表1の太字で示されるように、平均値Rは0.94であるから同じ値(0.94)をとるサンプルNo.1及びNo.2が基準太陽電池100aとなる。
一方、比較例1では、表1の太字で示されるように、平均値Rは0.98あるから同じ値(0.98)をとるサンプルNo.5が基準太陽電池100aとなる。

0107

〔光電変換特性評価〕
実施例1及び比較例1において選別した基準太陽電池を用いて、3台のソーラーシミュレーターの放射照度を調整し、上記選別に用いた15枚の太陽電池100をあらためて標準測定条件(エアマス1.5、1000W/m2、25℃)における太陽電池特性を評価しそれぞれの標準測定条件下での平均出力値からのずれを算出した。その結果を表2に示す。

0108

実施例

0109

表2に示されるように、実施例1で選別された基準太陽電池で調整すると、各ソーラーシミュレーター間での誤差が0.2%に収まったのに対して、比較例1で選別された基準太陽電池で調整すると、各ソーラーシミュレーター間での誤差が1%となった。このことから、実施例1では、比較例1に比べて精度良くソーラーシミュレーターを調整できることがわかった。

0110

1選別装置
2光源装置
6制限フィルター
100太陽電池
100a基準太陽電池
125 第1要素セル
126 第2要素セル
127 第3要素セル
I1,I2,I3,Isc短絡電流
J1 第1短絡電流比
J2 第2短絡電流比
J3 第3短絡電流比
A 短絡電流比の積
Ra 短絡電流比の積の平均値
B 短絡電流の積
Rb 短絡電流の積の平均値

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