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技術 検出装置、移動体機器制御システム及び検出用プログラム

出願人 株式会社リコー
発明者 押切幸治
出願日 2015年3月31日 (6年3ヶ月経過) 出願番号 2015-072723
公開日 2016年11月10日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2016-191674
状態 特許登録済
技術分野 光学的手段による材料の調査、分析
主要キーワード 回転連結機構 時間変動成分 後段フィルタ 低周波変動成分 合計輝度値 初期輝度値 右テール 乾湿状態
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図面 (20)

課題

光源光学部材等の温度変化経時劣化などに起因した検出対象物の誤検出を抑制する。

解決手段

光源装置202からの光源光によって照明される照明領域を撮像手段206により撮像して得られる撮像画像データを用い、該撮像手段の受光量に基づいて該照明領域内の雨滴等の検出対象物を検出する検出処理を実行する検出処理実行手段102Aを備えた検出装置102において、前記撮像手段によって所定期間内に撮像された複数の撮像画像データに基づいて、該撮像手段の受光量の変動成分のうち所定周波数以下の低周波変動成分を検出する低周波変動成分検出手段102Dを有し、前記検出処理実行手段は、前記低周波変動成分検出手段により検出した低周波変動成分を用いて、前記検出処理を実行する。

概要

背景

従来、光源装置からの光源光によって照明される照明領域を撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用い、撮像手段の受光量に基づいて照明領域内の検出対象物を検出する検出装置が知られている。

例えば、特許文献1には、光源装置からの光源光によって照明された自動車フロントガラスからの反射光画像センサ(撮像手段)で受光して撮像し、フロントガラス上に付着している雨滴を検出する雨滴検出装置が開示されている。この特許文献1には、付着物が付着していない箇所では光源光がフロントガラスで全反射して撮像手段に入射し、付着物が付着している箇所では光源光がフロントガラスを透過して撮像手段に入射しない雨滴検出装置の一例が開示されている。この例では、フロントガラス上に雨滴が付着することにより撮像手段の受光量が減少して撮像画像輝度画素値)が低下するので、撮像画像の輝度低下を検出することによりフロントガラス上の雨滴が検出される。

特許文献1に開示の雨滴検出装置は、雨滴の検出精度を低下させる光源光以外の外乱光の影響を抑制するため、光源点灯時(照明期間中)に撮像した点灯時画像と、光源消灯時(非照明期間中)に撮像した消灯時画像との輝度差分値に基づいて雨滴を検出する。消灯時画像は外乱光のみを映し出すものであるため、点灯時画像から消灯時画像を差し引いて得られる輝度差分値は、点灯時画像から外乱光成分を除外した輝度値すなわち光源光の受光量となる。特許文献1には、このような輝度差分値に基づいて雨滴検出を行うことにより、外乱光の影響を抑制した雨滴検出処理が可能となる旨が記載されている。

概要

光源や光学部材等の温度変化経時劣化などに起因した検出対象物の誤検出を抑制する。光源装置202からの光源光によって照明される照明領域を撮像手段206により撮像して得られる撮像画像データを用い、該撮像手段の受光量に基づいて該照明領域内の雨滴等の検出対象物を検出する検出処理を実行する検出処理実行手段102Aを備えた検出装置102において、前記撮像手段によって所定期間内に撮像された複数の撮像画像データに基づいて、該撮像手段の受光量の変動成分のうち所定周波数以下の低周波変動成分を検出する低周波変動成分検出手段102Dを有し、前記検出処理実行手段は、前記低周波変動成分検出手段により検出した低周波変動成分を用いて、前記検出処理を実行する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

光源装置からの光源光によって照明される照明領域を撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用い、該撮像手段の受光量に基づいて該照明領域内の検出対象物を検出する検出処理を実行する検出処理実行手段を備えた検出装置において、前記撮像手段によって所定期間内に撮像された複数の撮像画像データに基づいて、該撮像手段の受光量の変動成分のうち所定周波数以下の低周波変動成分を検出する低周波変動成分検出手段を有し、前記検出処理実行手段は、前記低周波変動成分検出手段により検出した低周波変動成分を用いて、前記検出処理を実行することを特徴とする検出装置。

請求項2

請求項1に記載の検出装置において、前記検出処理実行手段は、前記低周波変動成分検出手段により検出した低周波変動成分に基づいて前記検出処理で用いる前記撮像手段の受光量を補正し、補正後の受光量に基づいて検出対象物を検出することを特徴とする検出装置。

請求項3

請求項1又は2に記載の検出装置において、前記低周波変動成分検出手段は、前記複数の撮像画像データからそれぞれ得られる前記撮像手段の各受光量のデータ群経時変動成分から前記所定周波数以下の低周波成分を抽出する低周波フィルタ処理を実行して、前記低周波変動成分を検出することを特徴とする検出装置。

請求項4

請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検出装置において、前記所定周波数は、前記光源装置の光源から前記撮像手段の受光素子までの光源光の光路上に存在する光学部材光学特性経時変化によって該撮像手段の受光量が変動する変動成分の周波数以上であることを特徴とする検出装置。

請求項5

請求項1乃至4のいずれか1項に記載の検出装置において、前記所定周波数は、前記光源装置の光源の温度変化による発光量変化によって該撮像手段の受光量が変動する変動成分の周波数以上であることを特徴とする検出装置。

請求項6

請求項1乃至5のいずれか1項に記載の検出装置において、前記低周波変動成分検出手段が前記低周波変動成分を検出するのに用いる前記複数の撮像画像データは、前記照明領域内に検出対象物が存在しないときに撮像したものであることを特徴とする検出装置。

請求項7

請求項6に記載の検出装置において、前記低周波変動成分検出手段は、前記照明領域内に検出対象物が存在するとき、前記複数の撮像画像データとして、前記照明領域内の検出対象物を除去する除去手段を動作させることにより該検出対象物を除去した後の照明領域を前記撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用いることを特徴とする検出装置。

請求項8

請求項1乃至7のいずれか1項に記載の検出装置において、前記検出処理は、前記撮像手段の受光量に基づいて前記照明領域内の検出対象物の量を検出することを特徴とする検出装置。

請求項9

光源装置からの光源光によって照明される照明領域を撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用い、該撮像手段の受光量に基づいて該照明領域内の検出対象物を検出する検出装置と、前記検出装置の検出結果に基づいて、移動体に搭載された所定の機器を制御する移動体機器制御手段を備えた移動体機器制御システムにおいて、前記検出装置として、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の検出装置を用いることを特徴とする移動体機器制御システム。

請求項10

光源装置からの光源光によって照明される照明領域を撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用い、該撮像手段の受光量に基づいて該照明領域内の検出対象物を検出する検出処理を実行する検出処理実行手段と、前記撮像手段によって所定期間内に撮像された複数の撮像画像データに基づいて、該撮像手段の受光量の変動成分のうち所定周波数以下の低周波変動成分を検出する低周波変動成分検出手段とを備えた検出装置のコンピュータを、前記検出処理実行手段及び前記低周波変動成分検出手段として機能させるための検出用プログラムであって、前記検出処理実行手段は、前記低周波変動成分検出手段により検出した低周波変動成分を用いて、前記検出処理を実行することを特徴とする検出用プログラム。

技術分野

0001

本発明は、検出装置移動体機器制御システム及び検出用プログラムに関するものである。

背景技術

0002

従来、光源装置からの光源光によって照明される照明領域を撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用い、撮像手段の受光量に基づいて照明領域内の検出対象物を検出する検出装置が知られている。

0003

例えば、特許文献1には、光源装置からの光源光によって照明された自動車フロントガラスからの反射光画像センサ(撮像手段)で受光して撮像し、フロントガラス上に付着している雨滴を検出する雨滴検出装置が開示されている。この特許文献1には、付着物が付着していない箇所では光源光がフロントガラスで全反射して撮像手段に入射し、付着物が付着している箇所では光源光がフロントガラスを透過して撮像手段に入射しない雨滴検出装置の一例が開示されている。この例では、フロントガラス上に雨滴が付着することにより撮像手段の受光量が減少して撮像画像輝度画素値)が低下するので、撮像画像の輝度低下を検出することによりフロントガラス上の雨滴が検出される。

0004

特許文献1に開示の雨滴検出装置は、雨滴の検出精度を低下させる光源光以外の外乱光の影響を抑制するため、光源点灯時(照明期間中)に撮像した点灯時画像と、光源消灯時(非照明期間中)に撮像した消灯時画像との輝度差分値に基づいて雨滴を検出する。消灯時画像は外乱光のみを映し出すものであるため、点灯時画像から消灯時画像を差し引いて得られる輝度差分値は、点灯時画像から外乱光成分を除外した輝度値すなわち光源光の受光量となる。特許文献1には、このような輝度差分値に基づいて雨滴検出を行うことにより、外乱光の影響を抑制した雨滴検出処理が可能となる旨が記載されている。

発明が解決しようとする課題

0005

ところが、撮像手段の受光量に基づいて雨滴等の検出対象物を検出する検出装置において、検出精度を低下させる要因は、光源光以外の外乱光の影響だけではない。例えば、光源装置の光源として、発光量の温度依存性が大きいLEDなどの光源を用いる場合には、温度変化に応じて、撮像手段に受光される光源光の光量が変化する。そのため、検出対象物の有無に関わらず撮像手段の受光量が変化してしまい、検出対象物の誤検出を引き起こすおそれがある。また、例えば、光源装置の光源から撮像手段までの光源光の光路上に存在する光学部材光学特性が温度変化や経時劣化などに起因して変化する場合も、撮像手段に受光される光源光の光量が変化するので、同様に、検出対象物の誤検出を引き起こすおそれがある。

課題を解決するための手段

0006

上述した課題を解決するために、本発明は、光源装置からの光源光によって照明される照明領域を撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用い、該撮像手段の受光量に基づいて該照明領域内の検出対象物を検出する検出処理を実行する検出処理実行手段を備えた検出装置において、前記撮像手段によって所定期間内に撮像された複数の撮像画像データに基づいて、該撮像手段の受光量の変動成分のうち所定周波数以下の低周波変動成分を検出する低周波変動成分検出手段を有し、前記検出処理実行手段は、前記低周波変動成分検出手段により検出した低周波変動成分を用いて、前記検出処理を実行することを特徴とする。

発明の効果

0007

本発明によれば、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因した検出対象物の誤検出を抑制できるという優れた効果が奏される。

図面の簡単な説明

0008

実施形態における車載機器制御システム概略構成を示す模式図である。
同車載機器制御システムにおける撮像部と画像解析ユニットとの概略構成を示す説明図である。
撮像ユニット光学系を説明するための説明図である。
同撮像ユニットの概略構成を模式的に示した斜視図である。
(a)は、水平面に対するフロントガラスの傾斜角度が22°である車両に取り付けた状態の撮像ユニットを示す側面図である。(b)は、同図(a)の状態において雨滴が付着していない場合の撮像ユニットの光学系を示す説明図である。(c)は、同図(a)の状態において雨滴が付着している場合の撮像ユニットの光学系を示す説明図である。
同撮像ユニットの反射偏向プリズムを示す斜視図である。
雨滴検出用の撮像画像データに適用可能なカットフィルタフィルタ特性を示すグラフである。
雨滴検出用の撮像画像データに適用可能なバンドパスフィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
同撮像部の光学フィルタに設けられる前段フィルタの正面図である。
同撮像部の撮像画像データの画像例を示す説明図である。
同撮像部の光学フィルタと画像センサとを光透過方向に対して直交する方向から見たときの模式拡大図である。
同光学フィルタの偏光フィルタ層分光フィルタ層領域分割パターンを示す説明図である。
実施形態における光学フィルタの層構成を模式的に示す断面図である。
同光学フィルタの車両検出フィルタ部を透過して画像センサ上の各フォトダイオードで受光される受光量に対応した情報(各撮像画素の情報)の内容を示す説明図である。
(a)は、図14に示す符号A−Aで切断した光学フィルタの車両検出用フィルタ部及び画像センサを模式的に表した断面図である。(b)は、図14に示す符号B−Bで切断した光学フィルタの車両検出用フィルタ部及び画像センサを模式的に表した断面図である。
同光学フィルタの雨滴検出用フィルタ部を透過して画像センサ上の各フォトダイオードで受光される受光量に対応した情報(各撮像画素の情報)の内容を示す説明図である。
(a)は、図16に示す符号A−Aで切断した光学フィルタの雨滴検出用フィルタ部及び画像センサを模式的に表した断面図である。(b)は、図16に示す符号B−Bで切断した光学フィルタの雨滴検出用フィルタ部及び画像センサを模式的に表した断面図である。
実施形態における車両検出処理の流れを示すフローチャートである。
実施形態における雨滴検出処理の説明図である。
実施形態における撮像フレームと雨滴検出との関係を示す説明図である。
光源部からの光照射期間内で自動露光制御により露光期間が変更される例を示す説明図である。
光源部からの光照射期間外で自動露光制御により露光期間が変更される例を示す説明図である。
実施形態における雨滴検出処理の流れを示すブロック図である。
実施形態における雨滴検出処理の流れを示すフローチャートである。
変形例における雨滴検出に関わる各種光線についての説明図である。

実施例

0009

以下、本発明に係る検出装置を、移動体である自動車等の車両に搭載される対象機器を制御する移動体機器制御システムとしての車載機器制御システムに用いられる付着物検出装置に適用した一実施形態について説明する。
なお、本発明に係る検出装置は、検出対象物の検出結果を利用して各種処理や制御を実行するシステムにおいて広く利用することができ、自動車以外の車両、船舶航空機などの他の移動体に搭載される種々の移動体搭載機器の制御システム、あるいは、移動体に搭載される機器ではないFA(factory automation)等の処理装置の制御システムなどにも利用することができる。

0010

図1は、本実施形態における車載機器制御システムの概略構成を示す模式図である。
本車載機器制御システムは、自動車などの自車両100に搭載された撮像部により、自車両周囲(特に進行方向前方領域)を撮像領域として撮像した撮像画像データを利用して、ヘッドランプ配光制御ワイパー駆動制御、その他の車載機器の制御を行うものである。

0011

本実施形態の車載機器制御システムに設けられる撮像部は、撮像ユニット101に設けられており、走行する自車両100の進行方向前方領域を撮像領域として撮像するものであり、例えば、自車両100のフロントガラス105のルームミラー付近に設置される。撮像ユニット101の撮像部で撮像された撮像画像データは、画像解析ユニット102に入力される。画像解析ユニット102は、CPUやRAM等により構成され、撮像部から送信されてくる撮像画像データを解析し、撮像画像データに自車両100の前方に存在する他車両の位置(方角や距離)を算出したり、フロントガラス105に付着する雨滴や異物などの付着物(検出対象物)を検出したり、撮像領域内に存在する路面上の白線区画線)等を検出したりする。他車両の検出では、他車両のテールランプ識別することで自車両100と同じ進行方向へ進行する先行車両を検出し、他車両のヘッドランプを識別することで自車両100とは反対方向へ進行する対向車両を検出する。

0012

画像解析ユニット102の算出結果は、ヘッドランプ制御ユニット103に送られる。ヘッドランプ制御ユニット103は、例えば、画像解析ユニット102が算出した他車両の位置データから、自車両100の車載機器であるヘッドランプ104を制御する制御信号を生成する。具体的には、例えば、先行車両や対向車両の運転者の目に自車両100のヘッドランプの強い光が入射するのを避けて他車両の運転者の幻惑防止を行いつつ、自車両100の運転者の視界確保を実現できるように、ヘッドランプ104のハイビームおよびロービーム切り替えを制御したり、ヘッドランプ104の部分的な遮光制御を行ったりする。

0013

画像解析ユニット102の算出結果は、ワイパー制御ユニット106にも送られる。ワイパー制御ユニット106は、除去手段としてのワイパー107を制御して、自車両100のフロントガラス105に付着した雨滴や異物などの付着物(検出対象物)を除去する。ワイパー制御ユニット106は、画像解析ユニット102が検出した付着物検出結果を受けて、ワイパー107を制御する制御信号を生成する。ワイパー制御ユニット106により生成された制御信号がワイパー107に送られると、自車両100の運転者の視界を確保するべく、ワイパー107を稼動させる。

0014

また、画像解析ユニット102の算出結果は、車両走行制御ユニット108にも送られる。車両走行制御ユニット108は、画像解析ユニット102が検出した白線検出結果に基づいて、白線によって区画されている車線領域から自車両100が外れている場合等に、自車両100の運転者へ警告を報知したり、自車両のハンドルブレーキを制御するなどの走行支援制御を行ったりする。また、車両走行制御ユニット108は、画像解析ユニット102が検出した他車両の位置データに基づいて、先行車両との距離が近接した場合等に、自車両100の運転者へ警告を報知したり、自車両のハンドルやブレーキを制御するなどの走行支援制御を行ったりする。

0015

図2は、撮像ユニット101に設けられる撮像部200と付着物検出装置を構成する画像解析ユニット102との概略構成を示す説明図である。
撮像部200は、主に、撮像レンズ204と、光学フィルタ205と、受光素子が2次元配置された撮像手段としての画像センサ206を含んだセンサ基板207と、センサ基板207から出力されるアナログ電気信号(画像センサ206上の各受光素子が受光した受光量)をデジタル電気信号に変換した撮像画像データを生成して出力する信号処理部208とから構成されている。また、本実施形態においては、センサ基板207上に光源装置としての光源部202が実装されている。この光源部202は、フロントガラス105の内壁面(一方の面)側に配置され、外壁面(他方の面)に付着した付着物(以下、付着物が主に雨滴である場合を例に挙げて説明する。)を検出するためのものである。

0016

本実施形態では、撮像レンズ204の光軸が水平方向に一致するように撮像ユニット101を配置するが、これに限定されることはなく、水平方向(図2中のX方向)を基準とした特定方向に向けるような例であってもよい。撮像レンズ204は、例えば、複数のレンズで構成され、焦点がフロントガラス105の位置よりも遠方に設定されるものを用いる。撮像レンズ204の焦点位置は、例えば、無限遠又は無限遠とフロントガラス105との間に設定することができる。

0017

画像センサ206は、センサ面を保護するカバーガラスを透過した光を受光する2次元配置された複数の受光素子で構成され、受光素子(撮像画素)ごとに入射光光電変換する機能を有する。後述の図等では画像センサ206の各画素を簡略化して描いているが、実際には画像センサ206は2次元配置された数十万個程度の画素で構成されている。画像センサ206としては、例えば、全撮像画素を同時露光グローバルシャッター)して各撮像画素の信号を読み出すCCD(Charge Coupled Device)や、ライン露光ローリングシャッター)で露光された各撮像画素の信号を読み出すCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などを用いたイメージセンサであり、その受光素子にはフォトダイオードを用いることができる。

0018

信号処理部208は、画像センサ206で光電変換され、センサ基板207から出力されるアナログ電気信号(画像センサ206の各受光素子への入射光量)をデジタル電気信号に変換した撮像画像データを生成して出力する機能を有する。信号処理部208は、画像解析ユニット102と電気的に接続されている。信号処理部208は、センサ基板207を経由して画像センサ206から電気信号アナログ信号)が入力されると、入力された電気信号から、画像センサ206上における各撮像画素の明るさ(輝度)を示すデジタル信号(撮像画像データ)を生成する。そして、この撮像画像データを、画像の水平・垂直同期信号とともに、後段の画像解析ユニット102へ出力する。

0019

また、画像解析ユニット102は、撮像ユニット101の撮像動作を制御する機能や、撮像ユニット101から送信される撮像画像データを解析する機能を有する。画像解析ユニット102は、露光量制御手段としての露光量制御部102Cによって、撮像ユニット101から送信された撮像画像データから、画像センサ206の撮像対象自車両前方領域に存在する他車両等の物体)ごとの最適な露光量を算出し、画像センサ206の撮像対象ごとに最適な露光量(本実施形態では露光時間)を設定する機能を有する。また、画像解析ユニット102は、信号処理部208からの画像信号の取得と連動しながら、光源制御手段としての光源制御部102Bによって、光源部202の発光タイミングなどを制御する機能を有する。また、画像解析ユニット102は、撮像ユニット101から送信されてくる撮像画像データから、路面状態道路標識などに関する情報を検出する機能を有する。また、画像解析ユニット102は、撮像ユニット101から送信されてくる撮像画像データから、自車両の前方に存在する他車両の位置や方角、距離等を算出する機能を有する。

0020

また、画像解析ユニット102は、検出処理部102Aによって、フロントガラス105の状態(雨滴の付着、凍結曇りなど)を検出する機能を有する。検出処理部102Aは、雨滴の付着を検出する場合、撮像ユニット101から送信された撮像画像データを用い、その撮像画像データの輝度値(画素値)に応じてフロントガラス105上の雨滴量を算出する。このとき、本実施形態では、詳しくは後述するが、撮像ユニット101から所定期間内に送られてくる複数の撮像画像データに基づいて、その撮像画像データの輝度値変動成分のうち所定周波数以下の低周波変動成分を検出する低周波変動成分検出手段としての低周波変動成分検出部102Dを備えている。なお、本明細書において、輝度値変動成分とは輝度値の時間変動成分であり、低周波変動成分とは時間周期が長い変動成分である。

0021

図3は、本実施形態における撮像ユニット101の光学系を説明するための説明図である。
本実施形態の光源部202は、フロントガラス105上に付着した付着物(雨滴、凍結、曇り等)を検出するための光源光(照明光)を照射するものである。本実施形態の光源部202は、その光源としてのLEDを複数備え、各LEDから照射される光源光をコリメータレンズ等の光学系を通じて外部へ出射する構成となっている。このように光源を複数具備することにより、光源が1つである場合と比較して、フロントガラス105上の付着物を検出するための検出領域が広がり、フロントガラス105の付着物の検出精度が向上する。

0022

本実施形態では、LEDを画像センサ206と同じセンサ基板207上に実装しているので、これらを別々の基板上に実装する場合よりも基板枚数を減らすことができ、低コストを実現できる。また、LEDの配置方法は、図3中のY方向に沿って1列又は複数列に配置することで、後述するとおり、車両前方領域の画像が映し出される画像領域の下側に映し出されるフロントガラス画像を撮像するための照明を均一化することが可能となる。本実施形態では、光源部202を、画像センサ206と同じセンサ基板207上に実装しているが、画像センサ206とは別基板上に実装してもよい。

0023

光源部202は、光源部202が照射する光の光軸方向と撮像レンズ204の光軸方向とが予め所定の角度を有するように、センサ基板207上に配置されている。また、光源部202は、光源部202が照射する光によって照明されるフロントガラス105上において、その照明範囲が撮像レンズ204の画角範囲内(視野角の範囲内)となるように、配置されている。光源部202の発光波長としては、対向車の運転者や歩行者眩惑しないように、可視光を避けることが好ましく、例えば、可視光よりも波長が長く、画像センサ206の受光感度が及ぶ波長範囲(例えば800〜1000nm程度の赤外光波長範囲)を用いる。光源部202の発光タイミングなどの駆動制御は、信号処理部208からの画像信号の取得と連動しながら、画像解析ユニット102の光源制御部102Bによって行われる。

0024

本実施形態の撮像ユニット101には、図3に示すように、光源部202からの光を反射させてフロントガラス105へ導く反射面231を備えた反射偏向プリズム230が設けられている。反射偏向プリズム230は、光源部202からの光を適切にフロントガラス105の内部に導くために、その一面がフロントガラス105の内壁面に密着するように配置されている。具体的には、反射偏向プリズム230に入射する光源部202からの光の入射角所定範囲内で変化しても、光源部202から照射されて反射偏向プリズム230の反射面231で正反射した光のうち、フロントガラス105の外壁面上における雨滴(検出対象物)が付着していない非付着箇所で正反射した正反射光が、画像センサ206に受光される関係が維持されるように、反射偏向プリズム230がフロントガラス105の内壁面に取り付けられる。

0025

反射偏向プリズム230をフロントガラス105の内壁面に取り付ける際、これらの間に、透光性材料からなるジェルシール材などの充填材を介在させて密着性を高めるのが好ましい。これにより、反射偏向プリズム230とフロントガラス105との間に空気層気泡などが介在しないようにでき、これらの間で曇りが生じにくいようにしている。また、充填材の屈折率は、反射偏向プリズム230とフロントガラス105の中間屈折率であることが好ましい。これにより、充填材と反射偏向プリズム230との間、及び、充填材とフロントガラス105との間でのフレネル反射ロスを軽減できるからである。ここでいうフレネル反射とは、屈折率の異なる材料間で発生する反射のことである。

0026

反射偏向プリズム230は、図3に示すように、光源部202からの入射光を反射面231で一回だけ正反射して、これをフロントガラス105の内壁面に向けて折り返す。折り返した光は、フロントガラス105の外壁面に対して入射角θ(θ≧約42°)となるように構成されている。この適切な入射角θは、空気とフロントガラス105の外壁面との間の屈折率差に起因して、フロントガラス105の内部においてその外壁面で全反射を起こす臨界角である。したがって、本実施形態では、フロントガラス105の外壁面に雨滴等の付着物が付着していない場合には、反射偏向プリズム230の反射面で折り返された光は、フロントガラス105の外壁面を透過することなく、すべて反射される。

0027

一方、フロントガラス105の外壁面上に空気(屈折率1)とは異なる雨滴(屈折率1.38)などの付着物が付着すると、この全反射条件崩れ、雨滴が付着している箇所では光がフロントガラス105の外壁面を透過する。したがって、フロントガラス105の外壁面に雨滴が付着していない非付着箇所については、その反射光が画像センサ206に受光されて高輝度画像部分となる一方、雨滴が付着している付着箇所については、その反射光の光量が減り、画像センサ206に受光される光量が少なくなるので、低輝度な画像部分となる。したがって、撮像画像上においては、雨滴付着箇所と非雨滴付着箇所とのコントラストが得られる。

0028

図4は、本実施形態の撮像ユニット101の概略構成を模式的に示した斜視図である。
本実施形態の撮像ユニット101は、反射偏向プリズム230を固定支持し、フロントガラス105の内壁面に固定配置される第一支持部材としての第一モジュール101Aと、画像センサ206及びLED211が実装されたセンサ基板207、導光体215、撮像レンズ204を固定支持する第二支持部材としての第二モジュール101Bとから構成されている。

0029

これらのモジュール101A,101Bは、回転連結機構240によって回動可能に連結されている。この回転連結機構240は、フロントガラス105の傾斜方向及び鉛直方向のいずれにも直交する方向(図3中紙面前後方向)に延びる回転軸241を有し、この回転軸241を中心にして、第一モジュール101Aと第二モジュール101Bとを相対回転させることができる。このように回動可能な構成としているのは、傾斜角度が異なるフロントガラス105に対して第一モジュール101Aが固定配置される場合でも、第二モジュール101Bの撮像部200の撮像方向を目標とする特定方向(本実施形態では水平方向)に向けることができるようにするためである。

0030

図5(a)は、水平面に対するフロントガラス105の傾斜角度θgが22°である車両に取り付けた状態の撮像ユニット101を示す側面図である。図5(b)は、図5(a)の状態において雨滴が付着していない場合の撮像ユニット101の光学系を示す説明図である。図5(c)は、図5(a)の状態において雨滴が付着している場合の撮像ユニット101の光学系を示す説明図である。

0031

光源部202からの光L1は、反射偏向プリズム230の反射面231で正反射され、その反射光L2はフロントガラス105の内壁面を透過する。フロントガラス105の外壁面に雨滴が付着していない場合は、その反射光L2は外壁面では全反射し、この反射光L3はフロントガラス105の内壁面を透過して撮像レンズ204に向けて光は進む。一方、フロントガラス105の外壁面に雨滴203が付着している場合、反射偏向プリズム230の反射面231で正反射した反射光L2は、その外壁面を透過する。このような系において、フロントガラス105の角度θgが変わると、第二モジュール101Bの姿勢を維持したまま(撮像方向を水平方向に固定したまま)、フロントガラス105の内壁面に固定される第二モジュール101Bの姿勢が変化し、反射偏向プリズム230がフロントガラス105と一体になって図中Y軸回りに回転することになる。

0032

ここで、本実施形態における反射偏向プリズム230の反射面231とフロントガラス105の外壁面との配置関係は、回転連結機構240の回転調整範囲内において、常に、フロントガラス105の外壁面での全反射光L3が、フロントガラス状態変化検出用の画像センサ206の受光領域(以下「付着物検出用受光領域」という。)に受光される関係となっている。したがって、フロントガラス105の角度θgが変わっても、フロントガラス105の外壁面での全反射光L3が画像センサ206の付着物検出用受光領域に受光され、適切な雨滴検出を実現できる。

0033

特に、本実施形態における配置関係は、回転連結機構240の回転調整範囲内において実質的にコーナーキューブ原理成立するような関係となっている。そのため、フロントガラス105の角度θgが変わっても、フロントガラス105の外壁面での全反射光L3の光軸方向と水平面とのなす角度θは実質的に一定である。よって、画像センサ206の付着物検出用受光領域内におけるフロントガラス105の外壁面での全反射光L3の光軸が通過する箇所の変動を小さく抑えることができ、より適切な雨滴検出を実現できる。

0034

反射偏向プリズム230の反射面231とフロントガラス105の外壁面との配置関係が互いに垂直な関係であればコーナーキューブの原理が成立するが、回転連結機構240の回転調整範囲内において実質的にコーナーキューブの原理が成立するのであれば、反射偏向プリズム230の反射面231とフロントガラス105の外壁面との配置関係は互いに垂直な関係である場合に限られない。反射偏向プリズム230の反射面231とフロントガラス105の外壁面との配置関係が互いに垂直な関係でなくても、反射偏向プリズム230の他の面(被入射面や出射面)の角度を調整することにより、フロントガラス105の傾斜角度θgが変わっても、撮像レンズへ向かう全反射光L3の光軸の角度θを略一定に保持することが可能である。

0035

図6は、本実施形態の反射偏向プリズム230を示す斜視図である。
反射偏向プリズム230は、光源部202からの光が入射する被入射面233と、被入射面233から入射した光L1を反射させる反射面231と、フロントガラス105の内壁面と密着する密着面232と、フロントガラス105の外壁面で反射した反射光L3を撮像部200に向けて出射する出射面234とを備えている。本実施形態では、被入射面233と出射面234とは互いに平行な面となるように構成されているが、両者を非平行な面としてもよい。

0036

反射偏向プリズム230の材料は、少なくとも光源部202からの光を透過させる材料であればよく、ガラスプラスチックなどを用いることができる。本実施形態の光源部202からの光は赤外光であるため、反射偏向プリズム230の材料としては、可視光を吸収するような黒色系の材料を用いてもよい。可視光を吸収する材料を用いることにより、反射偏向プリズム230にLEDからの光(赤外光)以外の光(車外からの可視光など)が入射するのを抑制できる。

0037

また、反射偏向プリズム230は、回転連結機構240の回転調整範囲内において、その反射面231で光源部202からの光を全反射させる全反射条件が満たされるように形成される。また、回転連結機構240の回転調整範囲内において反射面231で全反射させる条件を満たすことが難しい場合には、反射偏向プリズム230の反射面231に、アルミニウムなどの膜を蒸着させるなどして、反射ミラーを形成してもよい。

0038

また、本実施形態では、反射面231が平面であるが、反射面を凹面としたものでもよい。このような凹面状の反射面を用いることで、反射面に入射してくる拡散光束平行化することができる。このことにより、フロントガラス105上での照度低下を抑制することが可能となる。

0039

ここで、フロントガラス105の外壁面で反射した光源部202からの赤外波長光を撮像部200で撮像する際、撮像部200の画像センサ206では、光源部202からの赤外波長光のほか、例えば太陽光などの赤外波長光を含む大光量の外乱光も受光される。よって、光源部202からの赤外波長光をこのような大光量の外乱光と区別するためには、光源部202の発光量を外乱光よりも十分に大きくする必要があるが、このような大発光量の光源部202を用いることは困難である場合が多い。

0040

そこで、本実施形態においては、例えば、図7に示すように光源部202の発光波長よりも短い波長の光をカットするようなカットフィルタか、もしくは、図8に示すように透過率ピークが光源部202の発光波長とほぼ一致したバンドパスフィルタを介して、光源部202からの光を画像センサ206で受光するように構成する。これにより、光源部202の発光波長以外の光を除去して受光できるので、画像センサ206で受光される光源部202からの光量は、外乱光に対して相対的に大きくなる。その結果、大発光量の光源部202でなくても、光源部202からの光を外乱光と区別することが可能となる。

0041

ただし、本実施形態においては、撮像画像データから、フロントガラス105上の雨滴203を検出するだけでなく、先行車両や対向車両の検出や白線の検出も行う。そのため、撮像画像全体について光源部202が照射する赤外波長光以外の波長帯を除去してしまうと、先行車両や対向車両の検出や白線の検出に必要な波長帯の光を画像センサ206で受光できず、これらの検出に支障をきたす。そこで、本実施形態では、撮像画像データの画像領域を、フロントガラス105上の雨滴203を検出するための雨滴検出用画像領域と、先行車両や対向車両の検出や白線の検出を行うための車両検出用画像領域とに区分し、雨滴検出用画像領域に対応する部分についてのみ光源部202が照射する赤外波長光以外の波長帯を除去するフィルタを、光学フィルタ205に配置している。

0042

図9は、光学フィルタ205に設けられる前段フィルタ210の正面図である。
図10は、撮像画像データの画像例を示す説明図である。
本実施形態の光学フィルタ205は、前段フィルタ210と後段フィルタ220とを光透過方向に重ね合わせた構造となっている。前段フィルタ210は、図9に示すように、車両検出用画像領域213である撮像画像上部2/3に対応する箇所に配置される赤外光カットフィルタ領域211と、雨滴検出用画像領域214である撮像画像下部1/3に対応する箇所に配置される赤外光透過フィルタ領域212とに、領域分割されている。赤外光透過フィルタ領域212には、図7に示したカットフィルタや図8に示したバンドパスフィルタを用いる。

0043

対向車両のヘッドランプ及び先行車両のテールランプ並びに白線の画像は、主に撮像画像中央部から上部に存在することが多く、撮像画像下部には自車両前方の直近路面の画像が存在するのが通常である。よって、対向車両のヘッドランプ及び先行車両のテールランプ並びに白線の識別に必要な情報は撮像画像上部に集中しており、その識別において撮像画像下部の情報はあまり重要でない。よって、単一の撮像画像データから、対向車両や先行車両あるいは白線の検出と雨滴の検出とを両立して行う場合には、図10に示すように、撮像画像下部を雨滴検出用画像領域214とし、残りの撮像画像上部を車両検出用画像領域213とし、これに対応して前段フィルタ210を領域分割するのが好適である。

0044

なお、本実施形態では、撮像画像中における車両検出用画像領域213の下部に雨滴検出用画像領域214を設けた例であるが、車両検出用画像領域213の上部に雨滴検出用画像領域214を設けたり、車両検出用画像領域213の上部と下部の両方に雨滴検出用画像領域214を設けたりしてもよい。

0045

撮像部200の撮像方向を下方へ傾けていくと、撮像領域内の下部に自車両のボンネット入り込んでくる場合がある。この場合、自車両のボンネットで反射した太陽光や先行車両のテールランプなどが外乱光となり、これが撮像画像データに含まれることで対向車両のヘッドランプ及び先行車両のテールランプ並びに白線の誤識別の原因となる。このような場合でも、本実施形態では、撮像画像下部に対応する箇所に図7に示したカットフィルタや図8に示したバンドパスフィルタが配置されているので、ボンネットで反射した太陽光や先行車両のテールランプなどの外乱光が除去される。よって、対向車両のヘッドランプ及び先行車両のテールランプ並びに白線の識別精度が向上する。

0046

なお、本実施形態では、撮像レンズ204の特性により、撮像領域内の光景と画像センサ206上の像とでは天地が逆になる。よって、撮像画像下部を雨滴検出用画像領域214とする場合には、光学フィルタ205の前段フィルタ210の上部を図7に示したカットフィルタや図8に示したバンドパスフィルタで構成することになる。

0047

ここで、先行車両を検出する際には、撮像画像上のテールランプを識別することで先行車両の検出を行うが、テールランプは対向車両のヘッドランプと比較して光量が少なく、また街灯などの外乱光も多く存在するため、単なる輝度データのみからテールランプを高精度に検出するのは困難である。そのため、テールランプの識別には分光情報を利用し、赤色光の受光量に基づいてテールランプを識別することが必要となる。そこで、本実施形態では、後述するように、光学フィルタ205の後段フィルタ220に、テールランプの色に合わせた赤色フィルタあるいはシアンフィルタ(テールランプの色の波長帯のみを透過させるフィルタ)を配置し、赤色光の受光量を検知できるようにしている。

0048

ただし、本実施形態の画像センサ206を構成する各受光素子は、赤外波長帯の光に対しても感度を有するので、赤外波長帯を含んだ光を画像センサ206で受光すると、得られる撮像画像は全体的に赤みを帯びたものとなってしまう。その結果、テールランプに対応する赤色の画像部分を識別することが困難となる場合がある。そこで、本実施形態では、光学フィルタ205の前段フィルタ210において、車両検出用画像領域213に対応する箇所を赤外光カットフィルタ領域211としている。これにより、テールランプの識別に用いる撮像画像データ部分から赤外波長帯が除外されるので、テールランプの識別精度が向上する。

0049

図11は、光学フィルタ205と画像センサ206とを光透過方向に対して直交する方向から見たときの模式拡大図である。
画像センサ206は、上述したようにCCDやCMOSなどを用いたイメージセンサであり、その受光素子にはフォトダイオード206Aを用いている。フォトダイオード206Aは、画素ごとに2次元的にアレイ配置されており、フォトダイオード206Aの集光効率を上げるために、各フォトダイオード206Aの入射側にはマイクロレンズ206Bが設けられている。この画像センサ206がワイヤボンディングなどの手法によりPWB(printed wiring board)に接合されてセンサ基板207が形成されている。

0050

画像センサ206のマイクロレンズ206B側の面には、光学フィルタ205が近接配置されている。光学フィルタ205の後段フィルタ220は、図11に示すように、透明なフィルタ基板221上に偏光フィルタ層222と分光フィルタ層223を順次形成して積層構造としたものである。偏光フィルタ層222と分光フィルタ層223は、いずれも、画像センサ206上における1つのフォトダイオード206Aに対応するように領域分割されている。

0051

光学フィルタ205と画像センサ206との間に空隙がある構成としてもよいが、光学フィルタ205を画像センサ206に密着させる構成とした方が、光学フィルタ205の偏光フィルタ層222と分光フィルタ層223の各領域の境界と画像センサ206上のフォトダイオード206A間の境界とを一致させやすくなる。光学フィルタ205と画像センサ206は、例えば、UV接着剤で接合してもよいし、撮像に用いる有効画素範囲外でスペーサにより支持した状態で有効画素外の四辺領域をUV接着熱圧着してもよい。

0052

図12は、本実施形態に係る光学フィルタ205の偏光フィルタ層222と分光フィルタ層223の領域分割パターンを示す説明図である。
偏光フィルタ層222と分光フィルタ層223は、それぞれ、第1領域及び第2領域という2種類の領域が、画像センサ206上の1つのフォトダイオード206Aに対応して配置されたものである。これにより、画像センサ206上の各フォトダイオード206Aによって受光される受光量は、受光する光が透過した偏光フィルタ層222と分光フィルタ層223の領域の種類に応じて、偏光情報や分光情報等として取得することができる。

0053

なお、本実施形態では、画像センサ206はモノクロ画像用撮像素子前提にして説明するが、画像センサ206をカラー用撮像素子で構成してもよい。カラー用撮像素子で構成する場合、カラー用撮像素子の各撮像画素に付属するカラーフィルタの特性に応じて、偏光フィルタ層222と分光フィルタ層223の各領域の光透過特性を調整してやればよい。

0054

ここで、本実施形態における光学フィルタ205の一例について説明する。
図13は、本実施形態における光学フィルタ205の層構成を模式的に示す断面図である。
本実施形態における光学フィルタ205の後段フィルタ220は、車両検出用画像領域213に対応する車両検出用フィルタ部220Aと、雨滴検出用画像領域214に対応する雨滴検出用フィルタ部220Bとで、その層構成が異なっている。具体的には、車両検出用フィルタ部220Aは分光フィルタ層223を備えているのに対し、雨滴検出用フィルタ部220Bは分光フィルタ層223を備えていない。また、車両検出用フィルタ部220Aと雨滴検出用フィルタ部220Bとでは、その偏光フィルタ層222,225の構成が異なっている。

0055

図14は、本実施形態における光学フィルタ205の車両検出用フィルタ部220Aを透過して画像センサ206上の各フォトダイオード206Aで受光される受光量に対応した情報(各撮像画素の情報)の内容を示す説明図である。
図15(a)は、図14に示す符号A−Aで切断した光学フィルタ205の車両検出用フィルタ部220A及び画像センサ206を模式的に表した断面図である。
図15(b)は、図14に示す符号B−Bで切断した光学フィルタ205の車両検出用フィルタ部220A及び画像センサ206を模式的に表した断面図である。

0056

本実施形態における光学フィルタ205の車両検出用フィルタ部220Aは、図15(a)及び(b)に示すように、透明なフィルタ基板221の上に偏光フィルタ層222を形成した後、その上に分光フィルタ層223を形成して積層構造としたものである。そして、偏光フィルタ層222は、ワイヤーグリッド構造を有するものであり、その積層方向上面(図15中下側面)は凹凸面となる。このような凹凸面上にそのまま分光フィルタ層223を形成しようとすると、分光フィルタ層223がその凹凸面に沿って形成され、分光フィルタ層223の層厚ムラが生じて本来の分光性能が得られない場合がある。そこで、本実施形態の光学フィルタ205は、偏光フィルタ層222の積層方向上面側を充填材で充填して平坦化した後、その上に分光フィルタ層223を形成している。

0057

充填材としては、この充填材によって凹凸面が平坦化される偏光フィルタ層222の機能を妨げない材料であればよいので、本実施形態では偏光機能を有しない材料のものを用いる。また、充填材による平坦化処理は、例えば、スピンオングラス法によって充填材を塗布する方法が好適に採用できるが、これに限られるものではない。

0058

本実施形態において、偏光フィルタ層222の第1領域は、画像センサ206の撮像画素の縦列(鉛直方向)に平行に振動する鉛直偏光成分のみを選択して透過させる鉛直偏光領域であり、偏光フィルタ層222の第2領域は、画像センサ206の撮像画素の横列(水平方向)に平行に振動する水平偏光成分のみを選択して透過させる水平偏光領域である。
また、分光フィルタ層223の第1領域は、偏光フィルタ層222を透過可能な使用波長帯域に含まれる赤色波長帯特定波長帯)の光のみを選択して透過させる赤色分光領域であり、分光フィルタ層223の第2領域は、波長選択を行わずに光を透過させる非分光領域である。そして、本実施形態においては、図14に一点鎖線で囲ったように、隣接する縦2つ横2つの合計4つの撮像画素(符号a、b、e、fの4撮像画素)によって撮像画像データの1画像画素が構成される。

0059

図14に示す撮像画素aでは、光学フィルタ205の偏光フィルタ層222における鉛直偏光領域(第1領域)と分光フィルタ層223の赤色分光領域(第1領域)を透過した光が受光される。したがって、撮像画素aは、鉛直偏光成分(図14中符号Pで示す。)の赤色波長帯(図14中符号Rで示す。)の光P/Rを受光することになる。
また、図14に示す撮像画素bでは、光学フィルタ205の偏光フィルタ層222における鉛直偏光領域(第1領域)と分光フィルタ層223の非分光領域(第2領域)を透過した光が受光される。したがって、撮像画素bは、鉛直偏光成分Pにおける非分光図14中符号Cで示す。)の光P/Cを受光することになる。
また、図14に示す撮像画素eでは、光学フィルタ205の偏光フィルタ層222における水平偏光領域(第2領域)と分光フィルタ層223の非分光領域(第2領域)を透過した光が受光される。したがって、撮像画素eは、水平偏光成分(図14中符号Sで示す。)における非分光Cの光S/Cを受光することになる。
図14に示す撮像画素fでは、光学フィルタ205の偏光フィルタ層222における鉛直偏光領域(第1領域)と分光フィルタ層223の赤色分光領域(第1領域)を透過した光が受光される。したがって、撮像画素fは、撮像画素aと同様、鉛直偏光成分Pにおける赤色波長帯Rの光P/Rを受光することになる。

0060

以上の構成により、本実施形態によれば、撮像画素aおよび撮像画素fの出力信号から赤色光の鉛直偏光成分画像についての一画像画素が得られ、撮像画素bの出力信号から非分光の鉛直偏光成分画像についての一画像画素が得られ、撮像画素eの出力信号から非分光の水平偏光成分画像についての一画像画素が得られる。よって、本実施形態によれば、一度の撮像動作により、赤色光の鉛直偏光成分画像、非分光の鉛直偏光成分画像、非分光の水平偏光成分画像という3種類の撮像画像データを得ることができる。

0061

なお、これらの撮像画像データでは、その画像画素の数が撮像画素数よりも少なくなるが、より高解像度の画像を得る際には一般に知られる画像補間技術を用いてもよい。例えば、より高い解像度である赤色光の鉛直偏光成分画像を得ようとする場合、撮像画素aと撮像画素fに対応する画像画素についてはこれらの撮像画素a,fで受光した赤色光の鉛直偏光成分Pの情報をそのまま使用し、撮像画素bに対応する画像画素については、例えばその周囲を取り囲む撮像画素a,c,f,jの平均値を当該画像画素の赤色光の鉛直偏光成分の情報として使用する。
また、より高い解像度である非分光の水平偏光成分画像を得ようとする場合、撮像画素eに対応する画像画素についてはこの撮像画素eで受光した非分光の水平偏光成分Sの情報をそのまま使用し、撮像画素a,b,fに対応する画像画素については、その周囲で非分光の水平偏光成分を受光する撮像画素eや撮像画素gなどの平均値を使用したり、撮像画素eと同じ値を使用したりしてもよい。

0062

このようにして得られる赤色光の鉛直偏光成分画像は、例えば、テールランプの識別に使用することができる。赤色光の鉛直偏光成分画像は、水平偏光成分Sがカットされているので、路面に反射した赤色光や自車両100の室内におけるダッシュボードなどからの赤色光(映りこみ光)等のように水平偏光成分Sの強い赤色光による外乱要因が抑制された赤色画像を得ることができる。よって、赤色光の鉛直偏光成分画像をテールランプの識別に使用することで、テールランプの認識率が向上する。

0063

また、非分光の鉛直偏光成分画像は、例えば、白線や対向車両のヘッドランプの識別に使用することができる。非分光の水平偏光成分画像は、水平偏光成分Sがカットされているので、路面に反射したヘッドランプや街灯等の白色光や自車両100の室内におけるダッシュボードなどからの白色光(映りこみ光)等のように水平偏光成分Sの強い白色光による外乱要因が抑制された非分光画像を得ることができる。よって、非分光の鉛直偏光成分画像を白線や対向車両のヘッドランプの識別に使用することで、その認識率が向上する。特に、雨路において、路面を覆った水面からの反射光は水平偏光成分Sが多いことが一般に知られている。よって、非分光の鉛直偏光成分画像を白線の識別に使用することで、雨路における水面下の白線を適切に識別することが可能となり、認識率が向上する。

0064

また、非分光の鉛直偏光成分画像と非分光の水平偏光成分画像との間で各画素値を比較した指標値を画素値とした比較画像を用いれば、後述するように、撮像領域内の金属物体、路面の乾湿状態、撮像領域内の立体物、雨路における白線の高精度な識別が可能となる。ここで用いる比較画像としては、例えば、非分光の鉛直偏光成分画像と非分光の水平偏光成分画像との間の画素値の差分値を画素値とした差分画像、これらの画像間の画素値の比率を画素値とした比率画像、あるいは、これらの画像間の画素値の合計に対するこれらの画像間の画素値の差分値の比率(差分偏光度)を画素値とした差分偏光度画像などを使用することができる。

0065

図16は、本実施形態における光学フィルタ205の雨滴検出用フィルタ部220Bを透過して画像センサ206上の各フォトダイオード206Aで受光される受光量に対応した情報(各撮像画素の情報)の内容を示す説明図である。
図17(a)は、図16に示す符号A−Aで切断した光学フィルタ205の雨滴検出用フィルタ部220B及び画像センサ206を模式的に表した断面図である。
図17(b)は、図16に示す符号B−Bで切断した光学フィルタ205の雨滴検出用フィルタ部220B及び画像センサ206を模式的に表した断面図である。

0066

本実施形態における光学フィルタ205の雨滴検出用フィルタ部220Bは、図17(a)及び(b)に示すように、前記車両検出用フィルタ部220Aと共通のフィルタ基板221の上にワイヤーグリッド構造の偏光フィルタ層225が形成されている。この偏光フィルタ層225は、前記車両検出用フィルタ部220Aの偏光フィルタ層222とともに、積層方向上面側が充填材によって充填されて平坦化されている。ただし、雨滴検出用フィルタ部220Bは、前記車両検出用フィルタ部220Aとは異なり、分光フィルタ層223は積層されていない。

0067

本実施形態においては、自車両100の室内側の風景がフロントガラス105の内壁面に映り込むことがある。この映り込みは、フロントガラス105の内壁面で正反射した光によるものである。この映り込みは、正反射光であるのでその光強度が比較的大きい外乱光である。よって、この映り込みが雨滴と一緒に雨滴検出用画像領域214に映し出されると、雨滴の検出精度が低下する。また、光源部202からの光がフロントガラス105の内壁面で正反射した正反射光も、雨滴と一緒に雨滴検出用画像領域214に映し出されると、外乱光となって雨滴の検出精度を低下させる。

0068

このような雨滴の検出精度を低下させる外乱光は、フロントガラス105の内壁面で正反射した正反射光であるので、その偏光成分のほとんどは光源入射面に対して偏光方向が垂直な偏光成分、すなわち、画像センサ206の撮像画素の横列(水平方向)に平行に振動する水平偏光成分Sである。そこで、本実施形態の光学フィルタ205の雨滴検出用フィルタ部220Bにおける偏光フィルタ層225は、フロントガラス105に向かう光源部202からの光の光軸と撮像レンズ204の光軸とを含む仮想面(光源入射面)に対して偏光方向が平行である偏光成分、すなわち、画像センサ206の撮像画素の縦列(鉛直方向)に平行に振動する鉛直偏光成分Pのみを透過するように透過軸が設定されている。

0069

これにより、雨滴検出用フィルタ部220Bの偏光フィルタ層225を透過する光は、鉛直偏光成分Pのみとなり、フロントガラス105の内壁面の映り込みや、フロントガラス105の内壁面で正反射した光源部202からの正反射光などの外乱光の大部分を占める水平偏光成分Sをカットすることができる。その結果、雨滴検出用画像領域214は、外乱光による影響の少ない鉛直偏光成分Pによる鉛直偏光画像となり、その雨滴検出用画像領域214の撮像画像データに基づく雨滴の検出精度が向上する。

0070

本実施形態では、前段フィルタ210を構成する赤外光カットフィルタ領域211と赤外光透過フィルタ領域212とが、それぞれ層構成の異なる多層膜によって形成されている。このような前段フィルタ210の製造方法としては、赤外光カットフィルタ領域211の部分をマスクで隠しながら赤外光透過フィルタ領域212の部分を真空蒸着などにより成膜した後、今度は赤外光透過フィルタ領域212の部分をマスクで隠しながら赤外光カットフィルタ領域211の部分を真空蒸着などにより成膜するという方法が挙げられる。

0071

また、本実施形態において、車両検出用フィルタ部220Aの偏光フィルタ層222と、雨滴検出用フィルタ部220Bの偏光フィルタ層225とは、いずれも、2次元方向に領域分割されたワイヤーグリッド構造であるが、前者の偏光フィルタ層222は透過軸が互いに直交する2種類の領域(鉛直偏光領域及び水平偏光領域)が撮像画素単位で領域分割されたものであり、後者の偏光フィルタ層225は鉛直偏光成分Pのみを透過させる透過軸をもつ1種類の領域が撮像画素単位で領域分割されたものである。このような異なる構成をもつ偏光フィルタ層222,225を同一のフィルタ基板221上に形成する場合、例えば、ワイヤーグリッド構造の金属ワイヤーパターニングを行うテンプレート(型に相当するもの)の溝方向の調整により、各領域の金属ワイヤーの長手方向の調整は容易である。

0072

なお、本実施形態では、赤外光カットフィルタ領域211を光学フィルタ205に設けず、例えば、撮像レンズ204に赤外光カットフィルタ領域211を設けてもよい。この場合、光学フィルタ205の作製が容易となる。
また、赤外光カットフィルタ領域211に代えて、後段フィルタ220の雨滴検出用フィルタ部220Bに鉛直偏光成分Pのみを透過させる分光フィルタ層を形成してもよい。この場合、前段フィルタ210には赤外光カットフィルタ領域211を形成する必要はない。
また、偏光フィルタ層は、必ずしも設ける必要はない。
また、本実施形態の光学フィルタ205は、図14に示したように領域分割された偏光フィルタ層222及び分光フィルタ層223を有する後段フィルタ220が、前段フィルタ210よりも画像センサ206側に設けられているが、前段フィルタ210を後段フィルタ220よりも画像センサ206側に設けてもよい。

0073

〔ヘッドランプの配光制御〕
以下、本実施形態におけるヘッドランプの配光制御について説明する。
本実施形態におけるヘッドランプの配光制御は、撮像部200で撮像された撮像画像データを解析して車両のテールランプとヘッドランプを識別し、識別したテールランプから先行車両を検出するとともに、識別したヘッドランプから対向車両を検出する。そして、先行車両や対向車両の運転者の目に自車両100のヘッドランプの強い光が入射するのを避けて他車両の運転者の幻惑防止を行いつつ、自車両100の運転者の視界確保を実現できるように、ヘッドランプ104のハイビームおよびロービームの切り替えを制御したり、ヘッドランプ104の部分的な遮光制御を行ったりする。

0074

本実施形態のヘッドランプ配光制御では、撮像ユニット101から取得することができる情報のうち、撮像領域内の各地点光源体)から発せられる光の強さ(明るさ情報)、ヘッドランプやテールランプなどの光源体(他車両)と自車両との距離(距離情報)、各光源体から発せられる光の赤色成分白色成分(非分光)との比較による分光情報、白色成分の水平偏光成分と鉛直偏光成分との比較による偏光情報、水平偏光成分がカットされた白色成分の鉛直偏光成分情報、水平偏光成分がカットされた赤色成分の鉛直偏光成分情報を用いる。

0075

明るさ情報について説明すると、夜間に、先行車両や対向車両が自車両から同じ距離に存在する場合、撮像部200によってそれらの先行車両及び対向車両を撮像すると、撮像画像データ上では識別対象物の1つである対向車両のヘッドランプが最も明るく映し出され、識別対象物の1つである先行車両のテールランプはそれよりも暗く映し出される。また、リフレクタが撮像画像データに映し出されている場合、リフレクタは自ら発光する光源ではなく、自車両のヘッドランプを反射することによって明るく映し出されるものに過ぎないので、先行車両のテールランプよりもさらに暗くなる。一方、対向車両のヘッドランプ、先行車両のテールランプ及びリフレクタからの光は、距離が遠くなるにつれて、それを受光する画像センサ206上ではだんだん暗く観測される。よって、撮像画像データから得られる明るさ(輝度情報)を用いることで 2種類の識別対象物(ヘッドランプとテールランプ)及びリフレクタの一次的な識別が可能である。

0076

また、距離情報について説明すると、ヘッドランプやテールランプは、そのほとんどが左右一対ペアランプの構成であるため、この構成の特徴を利用してヘッドランプやテールランプ(すなわち他車両)と自車両との距離を求めることが可能である。ペアとなる左右一対のランプは、撮像部200が撮像した撮像画像データ上では、互いに近接して同じ高さ方向位置に映し出され、当該ランプを映し出すランプ画像領域の広さはほぼ同じで、かつ、当該ランプ画像領域の形状もほぼ同じである。よって、これらの特徴を条件とすれば、その条件を満たすランプ画像領域同士をペアランプであると識別できる。なお、遠距離になるとペアランプを構成する左右のランプを区別して認識できなくなり、単一ランプとして認識される。

0077

このような方法でペアランプを識別できた場合、そのペアランプ構成であるヘッドランプやテールランプの光源までの距離を算出することが可能である。すなわち、車両の左右ヘッドランプ間の距離及び左右テールランプ間の距離は、一定値w0(例えば1.5m程度)で近似することができる。一方、撮像部200における撮像レンズ204の焦点距離fは既知であるため、撮像部200の画像センサ206上における左右ランプにそれぞれ対応した2つのランプ画像領域間の距離w1を撮像画像データから算出することにより、そのペアランプ構成であるヘッドランプやテールランプの光源と自車両までの距離xは、単純な比例計算(x=f×w0/w1)により求めることができる。また、このようにして算出される距離xが適正範囲であれば、その算出に用いた2つのランプ画像領域は他車両のヘッドランプとテールランプであると識別することができる。よって、この距離情報を用いることで、識別対象物であるヘッドランプとテールランプの識別精度が向上する。

0078

また、分光情報について説明すると、本実施形態では、上述したとおり、撮像部200で撮像した撮像画像データから、赤色光(鉛直偏光成分)P/Rを受光する画像センサ206上の撮像画素a,c,f,h等に対応した画素データのみを抽出することで、撮像領域内の赤色成分だけを映し出した赤色画像を生成することができる。よって、赤色画像において所定輝度以上の輝度を有する画像領域が存在する場合、その画像領域はテールランプを映し出したテールランプ画像領域であると識別することが可能である。

0079

また、撮像部200で撮像した撮像画像データから、白色光(非分光)の鉛直偏光成分P/Cを受光する画像センサ206上の撮像画素b,d等に対応した画素データのみを抽出することで、撮像領域内のモノクロ輝度画像(鉛直偏光成分)を生成することができる。よって、赤色画像上の画像領域と、この画像領域に対応したモノクロ輝度画像上の画像領域との間の輝度比率(赤色輝度比率)を算出することもできる。この赤色輝度比率を用いれば、撮像領域内に存在する物体(光源体)からの光に含まれる相対的な赤色成分の比率を把握することができる。テールランプの赤色輝度比率は、ヘッドランプや他のほとんどの光源よりも十分に高い値をとるので、この赤色輝度比率を用いればテールランプの識別精度が向上する。

0080

また、偏光情報について説明すると、本実施形態では、上述したとおり、撮像部200で撮像した撮像画像データから、白色光(非分光)の鉛直偏光成分P/Cを受光する画像センサ206上の撮像画素b,d等に対応した画素データと、白色光(非分光)の水平偏光成分S/Cとを受光する画像センサ206上の撮像画素e,g等に対応した画素データとを抽出し、画像画素ごとに、これらの画像データ間の画素値(輝度)を比較した比較画像を得ることができる。具体的には、例えば、白色光(非分光)の鉛直偏光成分Pと白色光(非分光)の水平偏光成分Sとの差分値(S−P)を画素値とした差分画像を、比較画像として得ることができる。このような比較画像によれば、ヘッドランプから撮像部200へ直接入射する直接光の画像領域(ヘッドランプ画像領域)と、ヘッドランプから雨路の水面で反射してから撮像部200へ入射する間接光の画像領域とのコントラストを大きくとることができ、ヘッドランプの識別精度が向上する。

0081

特に、比較画像としては、白色光(非分光)の鉛直偏光成分Pと白色光(非分光)の水平偏光成分Sとの比率(S/P)を画素値とした比率画像や、差分偏光度((S−P)/(S+P))を画素値とした差分偏光度画像などが好適に使用できる。一般に、水面などの水平な鏡面で反射した光は、水平偏光成分が常に強くなることが知られており、とくに水平偏光成分Sと鉛直偏光成分Pとの比率(S/P)や差分偏光度((S−P)/(S+P))をとった場合、その比率や差分偏光度は特定角度ブリュースター角度)において最大となることが知られている。雨路では、散乱面であるアスファルト面に水が張られて鏡面に近い状態となるため、路面からのヘッドランプ反射光は水平偏光成分Sの方が強くなる。よって、路面からのヘッドランプ反射光の画像領域は、比率画像や差分偏光度画像においては、その画素値(輝度)が大きいものとなる。一方、ヘッドランプからの直接光は基本的には無偏光なので、比率画像や差分偏光度画像においては、その画素値(輝度)が小さいものとなる。この違いにより、ヘッドランプからの直接光と同じ程度の光量をもつ雨路面からのヘッドランプ反射光を適切に除外でき、ヘッドランプからの直接光をこのようなヘッドランプ反射光と区別して識別することができる。

0082

次に、本実施形態における先行車両及び対向車両の検出処理の流れについて説明する。
図18は、本実施形態における車両検出処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態の車両検出処理では、撮像部200が撮像した画像データに対して画像処理を施し、識別対象物であると思われる画像領域を抽出する。そして、その画像領域に映し出されている光源体の種類が2種類の識別対象物のいずれであるかを識別することで、先行車両、対向車両の検出を行う。

0083

まず、ステップS1では、撮像部200の画像センサ206によって撮像された自車両前方の画像データをメモリに取り込む。この画像データは、上述したように、画像センサ206の各撮像画素における輝度を示す信号を含む。次に、ステップS2では、自車両の挙動に関する情報を車両挙動センサから取り込む。

0084

ステップS3では、メモリに取り込まれた画像データから識別対象物(先行車両のテールランプ及び対向車両のベッドランプ)であると思われる輝度の高い画像領域(高輝度画像領域)を抽出する。この高輝度画像領域は、画像データにおいて、所定の閾値輝度よりも高い輝度を有する明るい領域となり、複数存在する場合が多いが、それらのすべてを抽出する。よって、この段階では、雨路面からの照り返し光を映し出す画像領域も、高輝度画像領域として抽出される。

0085

高輝度画像領域抽出処理では、まず、ステップS31において、画像センサ206上の各撮像画素の輝度値を所定の閾値輝度と比較することにより2値化処理を行う。具体的には、所定の閾値輝度以上の輝度を有する画素に「1」、そうでない画素に「0」を割り振ることで、2値化画像を作成する。次に、ステップS32において、この2値化画像において、「1」が割り振られた画素が近接している場合には、それらを1つの高輝度画像領域として認識するラベリング処理を実施する。これによって、輝度値の高い近接した複数の画素の集合が、1つの高輝度画像領域として抽出される。

0086

上述した高輝度画像領域抽出処理の後に実行されるステップS4では、抽出された各高輝度画像領域に対応する撮像領域内の物体と自車両との距離を算出する。この距離算出処理では、車両のランプは左右1対のペアランプであることを利用して距離を検出するペアランプ距離算出処理と、遠距離になるとペアランプを構成する左右のランプを区別して認識できなくなって当該ペアランプが単一ランプとして認識される場合の単一ランプ距離算出処理とを実行する。

0087

まず、ペアランプ距離算出処理のために、ステップS41では、ランプのペアを作成する処理であるペアランプ作成処理を行う。ペアとなる左右一対のランプは、撮像部200が撮像した画像データにおいて、近接しつつほぼ同じ高さとなる位置にあり、高輝度画像領域の面積がほぼ同じで、かつ高輝度画像領域の形が同じであるとの条件を満たす。したがって、このような条件を満たす高輝度画像領域同士をペアランプとする。ペアをとることのできない高輝度画像領域は単一ランプとみなされる。ペアランプが作成された場合には、ステップS42のペアランプ距離算出処理によって、そのペアランプまでの距離を算出する。車両の左右ヘッドランプ間の距離及び左右テールランプ間の距離は、一定値w0(例えば1.5m程度)で近似することができる。一方、撮像部200における焦点距離fは既知であるため、撮像部200の画像センサ206上の左右ランプ距離w1を算出することにより、ペアランプまでの実際の距離xは、単純な比例計算(x=f・w0/w1)により求めることができる。なお、先行車両や対向車両までの距離検出は、レーザレーダミリ波レーダなどの専用の距離センサを用いてもよい。

0088

ステップS5では、鉛直偏光成分Pの赤色画像と鉛直偏光成分Pの白色画像との比率(赤色輝度比率)を分光情報として用い、この分光情報から、ペアランプとされた2つの高輝度画像領域が、ヘッドランプからの光によるものなのか、テールランプからの光によるものなのかを識別するランプ種類識別処理を行う。このランプ種類識別処理では、まずステップS51において、ペアランプとされた高輝度画像領域について、画像センサ206上の撮像画素a,fに対応した画素データと画像センサ206上の撮像画素bに対応した画素データとの比率を画素値とした赤色比画像を作成する。そして、ステップS52において、その赤色比画像の画素値を所定の閾値と比較し、所定の閾値以上である高輝度画像領域についてはテールランプからの光によるテールランプ画像領域であるとし、所定の閾値未満である高輝度画像領域についてはヘッドランプからの光によるヘッドランプ画像領域であるとするランプ種別処理を行う。

0089

続いて、ステップS6では、テールランプ画像領域及びヘッドランプ画像領域として識別された各画像領域について、差分偏光度((S−P)/(S+P))を偏光情報として用いて、テールランプ又はヘッドランプからの直接光か雨路面等の鏡面部で反射して受光された照り返し光かを識別する照り返し識別処理を行う。この照り返し識別処理では、まずステップS61において、テールランプ画像領域について差分偏光度((S−P)/(S+P))を算出し、その差分偏光度を画素値とした差分偏光度画像を作成する。また、同様に、ヘッドランプ画像領域についても差分偏光度((S−P)/(S+P))を算出し、その差分偏光度を画素値とした差分偏光度画像を作成する。そして、ステップS62において、それぞれの差分偏光度画像の画素値を所定の閾値と比較し、所定の閾値以上であるテールランプ画像領域及びヘッドランプ画像領域については、照り返し光によるものであると判断し、それらの画像領域は先行車両のテールランプを映し出したものではない又は対向車両のヘッドランプを映し出したものではないとして、除外する処理を行う。この除外処理を行った後に残るテールランプ画像領域及びヘッドランプ画像領域は、先行車両のテールランプを映し出したものである、あるいは、対向車両のヘッドランプを映し出したものであると識別される。

0090

なお、レインセンサなどを車両に搭載しておき、当該レインセンサにより雨天時であることを確認した場合にのみ、上述した照り返し識別処理S6を実行するようにしてもよい。また、運転者(ドライバー)がワイパーを稼働している場合にのみ、上述した照り返し識別処理S6を実行するようにしてもよい。要するに、雨路面からの照り返しが想定される雨天時のみに上述した照り返し識別処理S6を実行するようにしてもよい。

0091

以上のような車両検出処理により検出した先行車両及び対向車両の検出結果は、本実施形態では自車両の車載機器であるヘッドランプの配光制御に用いられる。具体的には、車両検出処理によりテールランプが検出されてその先行車両のバックミラーに自車両のヘッドランプ照明光が入射する距離範囲内に近づいた場合に、その先行車両に自車両のヘッドランプ照明光が当たらないように、自車両のヘッドランプの一部を遮光したり、自車両のヘッドランプの光照射方向を上下方向又は左右方向へずらしたりする制御を行う。また、車両検出処理によりベッドランプが検出されて、その対向車両の運転者に自車両のヘッドランプ照明光が当たる距離範囲内に近づいた場合に、その対向車両に自車両のヘッドランプ照明光が当たらないように、自車両のヘッドランプの一部を遮光したり、自車両のヘッドランプの光照射方向を上下方向又は左右方向へずらしたりする制御を行う。

0092

白線検出処理
以下、本実施形態における白線検出処理について説明する。
本実施形態では、自車両が走行可能領域から逸脱するのを防止する目的で、識別対象物としての白線(区画線)を検出する処理を行う。ここでいう白線とは、実線破線点線二重線等の道路を区画するあらゆる白線を含む。なお、黄色線等の白色以外の色の区画線などについても同様に検出可能である。

0093

本実施形態における白線検出処理では、撮像ユニット101から取得することができる情報のうち、白色成分(非分光)の鉛直偏光成分Pの偏光情報を用いる。なお、この白色成分の鉛直偏光成分にシアン光の鉛直偏光成分を含めても良い。一般に、白線やアスファルト面は、可視光領域においてフラット分光輝度特性を有することが知られている。一方、シアン光は可視光領域内の広帯域を含んでいるため、アスファルトや白線を撮像するには好適である。よって、前記構成例2における光学フィルタ205を用い、白色成分の鉛直偏光成分にシアン光の鉛直偏光成分を含めることで、使用する撮像画素数が増えるため、結果的に解像度が上がり、遠方の白線も検出することが可能となる。

0094

本実施形態の白線検出処理において、多くの道路では、黒色に近い色の路面上に白線が形成されており、白色成分(非分光)の鉛直偏光成分Pの画像において白線部分の輝度は路面上の他部分より十分に大きい。そのため、路面部分のうち輝度が所定値以上である部分を白線として判定することにより、白線を検出することができる。特に、本実施形態では、使用する白色成分(非分光)の鉛直偏光成分Pの画像は、水平偏光成分Sがカットされているので、雨路からの照り返し光などを抑制した画像を取得することが可能となる。よって、夜間における雨路などからヘッドランプの照り返し光等の外乱光を白線と誤認識することなく、白線検出を行うことが可能である。

0095

また、本実施形態における白線検出処理において、撮像ユニット101から取得することができる情報のうち、白色成分(非分光)の水平偏光成分Sと鉛直偏光成分Pとの比較による偏光情報、例えば、白色成分(非分光)の水平偏光成分Sと鉛直偏光成分Pの差分偏光度((S−P)/(S+P))を用いてもよい。白線からの反射光は、通常、拡散反射成分が支配的であるため、その反射光の鉛直偏光成分Pと水平偏光成分Sとはほぼ同等となり、差分偏光度はゼロに近い値を示す。一方、白線が形成されていないアスファルト面部分は、乾燥状態のときには散乱反射成分が支配的となる特性を示し、その差分偏光度は正の値を示す。また、白線が形成されていないアスファルト面部分は、湿潤状態のときには、鏡面反射成分が支配的となり、その差分偏光度は更に大きな値を示す。したがって、得られた路面部分の偏光差分値が所定閾値よりも小さい部分を白線と判定することができる。

0096

〔フロントガラス上の雨滴検出処理〕
以下、本実施形態における雨滴検出処理について説明する。
本実施形態では、ワイパー107の駆動制御やウォッシャー液吐出制御を行う目的で、付着物としての雨滴を検出する処理を行う。なお、ここでは、フロントガラス上に付着した付着物が雨滴である場合を例に挙げて説明するが、隣接車両からの跳ねてきた路面上の水しぶきなどの付着物についても同様である。

0097

本実施形態における雨滴検出処理では、撮像ユニット101から取得することができる情報のうち、前段フィルタ210の赤外光透過フィルタ領域212及び後段フィルタ220の雨滴検出用フィルタ部220Bにおける偏光フィルタ層225を透過した光を受光する雨滴検出用画像領域214の鉛直偏光成分Pの偏光情報を用いる。そのため、光源部202からフロントガラス105へ入射させる光は鉛直偏光成分Pを多く含むようにする必要がある。そのためには、例えば光源部202の光源として発光ダイオード(LED)を用いる場合、その光源部202とフロントガラス105との間に、鉛直偏光成分Pのみを透過させる偏光子を配置するのがよい。また、光源部202の光源として半導体レーザ(LD)を用いる場合、LDは特定偏光成分の光のみを発光させることができるので、鉛直偏光成分Pのみの光がフロントガラス105に入射するようにLDの軸を合わせてもよい。

0098

本実施形態では、上述したとおり、光源部202から照射されて反射偏向プリズム230からフロントガラス105の内壁面に入射した照明光(赤外光)は、フロントガラス105の外壁面上に雨滴が付着していない非付着箇所では、フロントガラス105の外壁面で正反射する。この正反射光は、画像センサ206に受光されて雨滴検出用画像領域214に映し出される。一方、フロントガラス105の外壁面上に雨滴が付着している付着箇所では、照明光がフロントガラス105の外壁面を透過し、その透過光が画像センサ206に受光されることはない。したがって、撮像画像データの雨滴検出用画像領域214は、フロントガラス105の外壁面に雨滴が付着していない非付着箇所は高輝度な画像部分(高い画素値)となる一方、雨滴が付着している付着箇所は低輝度な画像部分(低い画素値)となる。このような違いから、雨滴の有無だけでなく、雨滴の量も把握することが可能である。

0099

図19は、本実施形態における雨滴検出処理の説明図である。
本実施形態の雨滴検出処理では、撮像ユニット101から取得した撮像画像データの雨滴検出用画像領域214の情報を用い、雨滴量が一定量を超えたと判断したらワイパー107を駆動させる。詳しくは、雨滴検出用画像領域214を例えば図19に示すように画像横方向に8区分(x=1〜8)に分割し、各雨滴検出区分x内の合計輝度値y(x,t)に基づく雨滴変動成分r(x,t)を算出する。なお、「t」は、雨滴検出処理の実行タイミングである。そして、いずれかの雨滴検出区分xの雨滴変動成分r(x,t)が予め決められた閾値rthを下回ったら、雨滴量が一定量を超えたと判断してワイパー107を駆動させる。逆に、いずれかの雨滴検出区分xの雨滴変動成分r(x,t)が予め決められた閾値rth以上になったら、ワイパー107の駆動を停止させる。なお、ワイパー107の駆動を開始させる条件や停止させる条件は、これに限らず適宜設定できる。例えば、閾値は固定値である必要はなく、撮像部200が搭載される自車両周辺状況変化等に応じて適宜変更するようにしてもよい。また、開始条件停止条件の閾値は同じ値でも異なる値でもよい。

0100

図20は、本実施形態における撮像フレームと雨滴検出との関係を示す説明図である。
従来は、撮像領域内に存在する路面上の白線(区画線)や他車両等の識別対象物を検出するための撮像フレーム(センシングフレーム)と、雨滴を検出するための撮像フレーム(雨滴検出用フレーム)とが、異なる撮像フレームであった。この場合、雨滴検出用フレームの前後のセンシング用フレームの間で時間が空くことになるため、前のセンシング用フレームの撮像時点から後のセンシング用フレームの撮像時点までの間に、識別対象物を識別するための画像を取得できない時間が存在し、識別対象物の認識精度が低下するなどの不具合を引き起こす。

0101

これに対し、本実施形態においては、図20に示すように、識別対象物を検出するための画像(車両検出用画像領域)と雨滴203を検出するための雨滴検出用画像領域とを有する画像を、単一の撮像フレームframe2,4,6,8,10,12で得ることができる。この場合、雨滴を検出するための専用の撮像フレーム(雨滴検出用フレーム)が不要であるため、上述した不具合が生じることはない。

0102

ここで、本実施形態では、好適な車両検出用画像領域(例えばコントラストの高い画像領域)を得るために、撮像領域の状況(明るさ等)に応じて露光量を変更する自動露光制御(AEC)を実施している。具体的には、画像解析ユニット102の露光量制御部102Cにより、前撮像フレームにおける撮像画像中央部(車両検出用画像領域213内の画素)の輝度値に合わせて、次の撮像フレームの露光時間(露光量)を変更する自動露光制御(AEC)を行う。

0103

このような自動露光制御が実施されると、フロントガラス上の雨滴付着状況が全く同じ状況であっても、その露光時間の変更によって雨滴検出用画像領域の輝度やコントラストが変わるおそれがある。例えば、図21に示すように、光源部202からの光照射期間内で自動露光制御により露光期間が変更されると、その露光期間の長短によって画像センサ206による光源光の受光時間(フロントガラス上の非雨滴付着箇所からの光源光の反射光を受光する時間)が変わる。この場合、フロントガラスに付着する雨滴量が同じであっても、画像センサ206に受光される光源光の受光量が変わる。そのため、輝度やコントラスト等が異なる雨滴検出用画像領域214が得られる結果、雨滴量の適切な検出ができなくなり、ワイパー107の誤動作などの問題が生じ得る。

0104

そこで、本実施形態では、図22に示すように、光源部202からの光照射期間外で自動露光制御により露光期間が変更されるように設定している。この場合、その露光期間が変更されても画像センサ206による光源光の受光時間は光照射期間で一定であるため、雨滴量の適切な検出が可能であり、ワイパー107の誤動作などの問題を抑制できる。

0105

次に、雨滴検出処理で用いる各雨滴検出区分x内の合計輝度値y(x,t)から雨滴変動成分r(x,t)を算出する雨滴量演算処理について説明する。
本実施形態では、上述したとおり、フロントガラス上に雨滴が付着することにより光源部202からの光源光の画像センサ206による受光量が減少し、雨滴検出用画像領域の輝度値が低下することを利用して、フロントガラス上の雨滴を検出する。すなわち、各雨滴検出区分x内の合計輝度値y(x,t)は、雨滴付着による変動成分のほかに変動成分が存在しない場合には、その合計輝度値y(x,t)と基準輝度値y(x,0)との差分を雨滴変動成分r(x,t)とすることができ、雨滴変動成分r(x,t)から雨滴量を把握することができる。

0106

なお、基準輝度値y(x,0)は、雨滴が付着してない状況下、外乱光が存在しない状況下、所定の温度環境下において、雨滴検出区分xごとに取得した合計輝度値である。本実施形態において、光源部202から照射される光源光の光量は、光源の個体差等によってバラツキがあるので、基準輝度値y(x,0)は、実際に測定したものを、予め画像解析ユニット102の記憶手段に記憶しておくのが好ましい。

0107

各雨滴検出区分x内の合計輝度値y(x,t)内に雨滴変動成分のほかにも変動成分が存在する場合、その合計輝度値y(x,t)と基準輝度値y(x,0)との差分をそのまま雨滴変動成分r(x,t)とすると、雨滴の誤検出を招き、ワイパー107の誤動作などの問題を引き起こすおそれがある。

0108

雨滴の誤検出を引き起こす変動成分としては、画像センサ206の雨滴検出用画像領域に対応するセンサ部分に入射する光源光以外の外乱光による変動成分d(x,t)が挙げられる。

0109

また、レンズ、ミラープリズム等の光学部材の光学特性や光源の発光量などが温度変化によって変動して雨滴検出用画像領域の輝度値を変動させる温度変動成分や、これらの光学部材の光学特性や光源の発光量などが経時劣化によって変動して雨滴検出用画像領域の輝度値を変動させる経時劣化変動成分なども、雨滴の誤検出を引き起こす変動成分となり得る。特に、本実施形態では、光源として、発光量の温度依存性が高いLEDを用いているので、温度変化によって光源の発光量が雨滴の誤検出を引き起こすほど変動するおそれがある。また、本実施形態では、光源部202内に設けられるコリメータレンズ等の光学部材の光学特性が温度変化によって雨滴の誤検出を引き起こすほど変動するおそれもある。そのため、本実施形態においては、雨滴の誤検出を引き起こす変動成分として、光源部202から照射される光源光の光量が温度変化によって変動することに起因した光源光の温度変動成分e(x,t)が含まれるものとする。

0110

なお、この光源光の温度変動成分e(x,t)は、雨滴変動成分にも影響を与えるものであるから、光源光の温度変動成分e(x,t)が含まれる場合の雨滴変動成分はr(x,t)×e(x,t)で表される。

0111

上より、本実施形態において、雨滴検出処理で用いる各雨滴検出区分x内の合計輝度値y(x,t)に含まれる変動成分は、雨滴変動成分r(x,t)×e(x,t)と、外乱光変動成分d(x,t)と、光源光の温度変動成分e(x,t)であると考えることができる。

0112

ここで、外乱光変動成分d(x,t)については、例えば、次のようにして得ることができる。すなわち、本実施形態では、図20に示したように、一撮像フレームごとに、光源部202の点灯と消灯とを交互に繰り返して撮像している。具体的には、奇数の撮像フレームframe1,3,5,7,9,11では、光源部202が消灯した状態で撮像された撮像画像データ(消灯時画像データ)を撮像し、偶数の撮像フレームframe2,4,6,8,10,12では、光源部202が点灯した状態で撮像された撮像画像データ(点灯時画像データ)を撮像する。

0113

このとき、消灯時の撮像フレームframe1,3,5,7,9,11により得られる雨滴検出用画像領域の消灯時画像データは、光源部202からの光源光以外の外乱光d(x,t)のみが撮像した画像データである。よって、本実施形態では、点灯時の撮像フレームframe2,4,6,8,10,12から得られる雨滴検出用画像領域の各雨滴検出区分x内の合計輝度値y(x,t)に含まれる外乱光変動成分d(x,t)として、それぞれ、その直前の消灯時撮像フレームframe1,3,5,7,9,11における各雨滴検出区分x内の輝度値総和d(x,t)を用いることとする。

0114

一方、光源光の温度変動成分e(x,t)については、例えば、光源部202から照射される光源光の光量と温度との関係を示すデータを予め実験等により取得しておき、光源部202に温度センサを設けて検知した温度検知結果と当該データとから光源部202から照射される光源光の温度変動成分e(x,t)を把握することが可能である。しかしながら、この方法においては、光源部202から照射される光源光の光量と温度との関係について高い信頼性のあるデータを予め実験等により取得しておく必要があるが、そのような高い信頼性のあるデータを得ることは困難である。また、温度センサを設ける必要があることから、省スペース化高コスト化を招く。

0115

また、光源部202から照射される光源光の光量を検知する光量センサを設け、その光量センサの検知結果に基づいて、光源部202から照射される光源光の光量が一定になるように光源に供給する駆動電流フィードバック制御する光源光制御を実施すれば、温度変化によって光源部202内の光学部材の光学特性変化や光源の発光量変化が発生しても、光源部202から照射される光源光の光量が一定になる。この場合、光源光の温度変動成分e(x,t)を考慮する必要がない。しかしながら、このような光源光制御は、光量センサを設ける必要があることから省スペース化や高コスト化を招くうえ、光源光の光量を高精度に制御することを可能にする光源や制御系が必要となり、高コスト化が避けられない。

0116

そこで、本実施形態においては、このような光源光制御を実施せずに、次のようにして光源光の温度変動成分e(x,t)を把握する。
光源光の温度変動成分e(x,t)を生じさせる温度変化による光学部材の光学特性変化や光源の発光量変化は、雨滴変動成分r(x,t)を生じさせる雨滴量の変化や、外乱光変動成分d(x,t)を生じさせる外乱光の光量変化と比べて、ゆっくりと変化するものである。すなわち、温度変動成分e(x,t)は、雨滴変動成分r(x,t)や外乱光変動成分d(x,t)と比べて低い周波数で変化する低周波変動成分である。そのため、本実施形態では、点灯時の撮像フレームframe2,4,6,8,10,12から得られる合計輝度値y(x,t)から、所定周波数以下の低周波変動成分を抽出し、これを温度変動成分e(x,t)とする。

0117

なお、このようにして抽出される低周波変動成分には、温度変化による光学部材の光学特性変化や光源の発光量変化に起因した変動成分のほかにも、低い周波数で各雨滴検出区分x内の合計輝度値y(x,t)に変動を生じさせる未知の変動成分(光学部材や光源の経時劣化による変動成分など)も含まれ得る。よって、本実施形態によれば、このような未知の変動成分に起因した雨滴量の誤検知も抑制することが可能である。

0118

図23は、本実施形態における雨滴検出処理の流れを示すブロック図である。
図24は、本実施形態における雨滴検出処理の流れを示すフローチャートである。
画像解析ユニット102の光源制御部102Bは、信号処理部208からの画像信号の取得と連動しながら、光源部202の発光タイミングを制御し、まず、消灯時撮像フレームframe1と点灯時撮像フレームframe2とを撮像する(S11)。なお、本実施形態では、光源部202の光源に供給する駆動電流値は一定であるため、温度変化によって光源部202内の光学部材の光学特性変化や光源の発光量変化が発生すると、光源部202から照射される光源光の光量が変動し、点灯時の撮像フレームframe2から得られる合計輝度値y(x,t)において温度変動成分e(x,t)が生じる。

0119

次に、画像解析ユニット102は、消灯時の撮像フレームframe1における雨滴検出用画像領域の各雨滴検出区分x内の輝度値総和d(x,t)を算出する(S12)。そして、算出した輝度値総和d(x,t)が所定の外乱判定閾値を超えているかどうかを判定する(S13)。なお、ここでは、強い外乱光が入ってきているかどうかを、画素値の総和を用いて判断するが、強い外乱光が入ってきているかどうかを判断できる情報であれば、これに限られない。

0120

このとき、外乱判定閾値を超えている場合には(S13のYes)、適切な雨滴検出処理を実施できないと判断して、雨滴検出処理を終了し、次の雨滴検出処理へ移行する。一方、外乱判定閾値を超えていない場合には(S13のNo)、画像解析ユニット102は、点灯時の撮像フレームframe2における雨滴検出用画像領域の各雨滴検出区分x内の合計輝度値y(x,t)を算出する(S14)。そして、低周波変動成分検出部102Dにおいて、算出した各雨滴検出区分x内の合計輝度値y(x,t)から低周波変動成分を抽出し、これを温度変動成分e(x,t)として検出する(S15)。

0121

具体的には、雨滴検出用画像領域の雨滴検出区分xごとに、直近の所定期間内に撮像された撮像フレームについて算出した当該雨滴検出区分xの合計輝度値y(x,t),y(x,t−1),y(x,t−2),・・・からなるデータ群ynに対し、所定周波数以下の低周波成分を抽出するローパスフィルタLPFを用いた低周波フィルタ処理を実行して、低周波変動成分である温度変動成分e(x,t)を抽出する。この低周波フィルタ処理では、データ群ynを記憶手段に保持せずに、前回の低周波フィルタ処理で算出した温度変動成分e(x,t−1)を記録手段に保持しておき、この温度変動成分e(x,t−1)と今回の合計輝度値y(x,t)とを用いて今回の温度変動成分e(x,t)を抽出することができる。

0122

ただし、このようにして抽出される温度変動成分e(x,t)は、前記所定期間に撮像された最初の撮像フレームの合計輝度値である初期輝度値y(x,1)における初期の温度変動成分e(x,1)に対する相対的な温度変動成分である。そのため、初期の温度変動成分e(x,1)を把握し、今回抽出した相対的な温度変動成分e(x,t)を今回の時点における絶対的な温度変動成分に換算しなければ、今回の合計輝度値y(x,t)に含まれる温度変動成分を除外する補正を行うことができない。

0123

そこで、上述したように抽出した各雨滴検出区分xの相対的な温度変動成分e(x,t)を、初期の温度変動成分e(x,1)を用いて絶対的な温度変動成分e’(x,t)に換算し、これを各雨滴検出区分xの合計輝度値y(x,t)に含まれる温度変動成分を除外する補正を行うための補正値ytrendとして算出する(S16)。本実施形態における初期時点は、例えば、画像解析ユニット102を起動した後に、雨滴が付着しておらずかつ外乱光変動成分dが閾値以下である最初の合計輝度値である初期輝度値y(x,1)を取得した時点とする。なお、この閾値は、上述した外乱判定閾値よりも低い値とし、外乱光変動成分dを含まないものとして取り扱うことができるように設定される。

0124

もし画像解析ユニット102を起動した時に既に雨滴が付着している状況である場合、そのままでは初期輝度値y(x,1)を取得できないので、ワイパー107を駆動させて雨滴を除外した後のタイミングで初期輝度値y(x,1)を取得するようにする。

0125

ここで、画像解析ユニット102を起動した後、雨滴が付着しておらずかつ外乱光変動成分dが閾値以下である最初の初期輝度値y(x,1)は、通常、記憶手段に保持されている基準輝度値y(x,0)と一致しない。この初期輝度値y(x,1)と基準輝度値y(x,0)との違いは、初期輝度値y(x,1)が雨滴変動成分r(x,1)を含まず、かつ、外乱光変動成分d(x,1)も含まないものなので、初期時点における温度変動成分e(x,1)に相当するものと考えることができる。よって、初期輝度値y(x,1)と基準輝度値y(x,0)との違いから、初期の温度変動成分e(x,1)を特定することができる。

0126

このようにして初期の温度変動成分e(x,1)が得られることで、その後の雨滴検出処理において抽出される相対的な温度変動成分e(x,t)と初期の温度変動成分e(x,1)との比率は、その後の雨滴検出処理における合計輝度値y(x,t)中の絶対的な温度変動成分e’(x,t)=ytrendと初期輝度値y(x,1)との比率に相当する。したがって、各雨滴検出処理の時点における絶対的な温度変動成分e’(x,t)=ytrendは、その雨滴検出処理で抽出される相対的な温度変動成分e(x,t)と、初期輝度値y(x,1)と、初期の温度変動成分e(x,1)とから、算出することができる。

0127

以上のようにして、雨滴変動成分r(x,t)を除く変動成分を除外するための補正値が得られたことになる。すなわち、処理ステップS12によって外乱光変動成分による補正値d(x,t)が得られ、処理ステップS16によって温度変動成分による補正値ytrendが得られた。よって、画像解析ユニット102は、検出処理部102Aにおいて、処理ステップS14で算出した点灯時の撮像フレームframe2における雨滴検出用画像領域の各雨滴検出区分x内の合計輝度値y(x,t)を、これらの補正値d(x,t),ytrendによって外乱光変動成分と温度変動成分とを除外する補正を行い、雨滴変動成分r(x,t)を算出する雨滴量演算を行う(S17)。この雨滴量演算により得られる雨滴量のデータは、画像解析ユニット102からワイパー制御ユニット106へ出力される(S18)。ワイパー制御ユニット106は、例えば、この雨滴量の算出結果が所定の条件(例えば、連続して作成された20個の時差分画像について、いずれも雨滴量のカウント値が10以上であるという条件)を満たしたときに、ワイパー107の駆動制御やウォッシャー液の吐出制御を行う。

0128

なお、温度変動成分e(x,t)を抽出するためのサンプルとなるデータ群ynについては、比較的少ないデータ数でも温度変動成分e(x,t)を抽出できるように、初期輝度値y(x,1)と同様、雨滴が付着しておらずかつ外乱光変動成分dが閾値以下である条件を満たす撮像フレームについて算出した当該雨滴検出区分xの合計輝度値だけを用いてもよい。このとき、雨が降っている状況では、そのままではデータ群ynを蓄積することができないが、ワイパー107の動作に同期して、ワイパー107で雨滴を除外した後のタイミングで合計輝度値y(x,t)を取得するようにすれば、雨が降っている状況でもデータ群ynを蓄積することが可能である。なお、もし、データ群ynとして十分なデータ数が得られる場合には、このような条件に限定する必要はない。

0129

また、本実施形態の雨滴検出処理では、外乱光成分d(x,t)を除外するための補正も行っているが、必ずしも外乱光成分d(x,t)を除外するための補正を行う必要はない。特に、本実施形態において、雨滴検出用画像領域に対しては、光学フィルタ205の赤外光透過フィルタ領域212や偏光フィルタ層225などによって外乱光が十分に抑制されているので、外乱光成分d(x,t)を除外するための補正を行わなくてもよい。

0130

〔変形例〕
次に、本実施形態の一変形例について説明する。
上述した実施形態においては、反射偏向プリズム230を用い、雨滴の付着箇所では照明光がフロントガラス外壁面を透過し、雨滴の非付着箇所では照明光がフロントガラス外壁面で反射して画像センサ206に受光される構成であった。これに対し、本変形例は、雨滴の非付着箇所では照明光がフロントガラス外壁面を透過し、雨滴の付着箇所ではフロントガラス外壁面を透過した照明光が雨滴で反射して画像センサ206に受光される構成である。具体的には、図25に示すような構成である。

0131

なお、図25の例では、光源部202から出射した照明光が直接フロントガラス105の内壁面に入射する構成となっているが、ミラー等の光路変更部材を介する構成としてもよい。この場合、上述した実施形態と同様に、センサ基板207上に光源装置としての光源部202を実装することが可能となる。

0132

図25中の光線Aは、光源部202から出射してフロントガラス105を通過する光線である。フロントガラス105の外壁面に雨滴203が付着していない場合、光源部202からフロントガラス105に向けて照射された光は、光線Aのように、フロントガラス105を透過してそのまま自車両100の外部に漏れ出る。

0133

図25中の光線Bは、光源部202からの出射光がフロントガラス105の内壁面で正反射して撮像部200へ入射する光線である。光源部202からフロントガラス105へ向かう光の一部はフロントガラス105の内壁面で正反射する。この正反射光(光線B)の偏光成分は、一般に、その入射面に対して直交する方向(図25紙面に対して垂直な方向)に振動するS偏光成分(水平偏光成分S)が支配的であることが知られている。光源部202から照射されてフロントガラス105の内壁面で正反射した正反射光(光線B)は、フロントガラス105の外壁面に付着する雨滴203の有無によって変動しないので、雨滴検出に不要な光であるばかりか、雨滴検出の検出精度を低下させる外乱光となる。本変形例では、光線B(水平偏光成分S)が雨滴検出用フィルタ部220Bの偏光フィルタ層225によってカットされるので、この光線Bによって雨滴検出精度が低下することを抑制できる。

0134

図25中の光線Cは、光源部202からの出射光がフロントガラス105の内壁面を透過し、その後、フロントガラス105の外壁面に付着する雨滴で反射して撮像部200へ入射する光線である。光源部202からフロントガラス105へ向かう光の一部はフロントガラス105の内壁面を透過するが、その透過光は水平偏光成分Sよりも鉛直偏光成分Pの方が多い。そして、フロントガラス105の外壁面上に雨滴203が付着している場合、フロントガラス105の内壁面を透過した光は、前記光線Aのように外部へ漏れ出ずに、雨滴内部で多重反射して撮像部200側に向けて再度フロントガラス105内を透過し、撮像部200に入射する。このとき、撮像部200の光学フィルタ205における前段フィルタ210の赤外光透過フィルタ領域212は、光源部202の発光波長(赤外光)を透過させるように構成されているので、光線Cは赤外光透過フィルタ領域212を通過する。また、続く後段フィルタ220の雨滴検出用フィルタ部220Bの偏光フィルタ層225は、鉛直偏光成分Pを透過するようにワイヤーグリッド構造の金属ワイヤーの長手方向が形成されているため、光線Cは偏光フィルタ層225も透過する。よって、光線Cは、画像センサ206に到達し、その受光量によって雨滴の検出が行われる。

0135

図25中の光線Dは、フロントガラス105の外部からフロントガラス105を透過して撮像部200の雨滴検出用フィルタ部220Bに向かって入射してくる光線である。この光線Dも雨滴検出時の外乱光となり得るが、本変形例では、その光線Dの大部分が、光学フィルタ205における前段フィルタ210の赤外光透過フィルタ領域212によってカットされる。よって、この光線Dによって雨滴検出精度が低下することも抑制できる。

0136

図25中の光線Eは、フロントガラス105の外部からフロントガラス105を透過して撮像部200の車両検出用フィルタ部220Aに向かって入射してくる光線である。この光線Eは、光学フィルタ205における前段フィルタ210の赤外光カットフィルタ領域211によって赤外光帯域がカットされ、可視域の光のみが撮像される。この撮像画像は、対向車両のヘッドランプ及び先行車両のテールランプ並びに白線の検出などに利用される。

0137

以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
光源部202等の光源装置からの光源光によって照明される照明領域を画像センサ206等の撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用い、該撮像手段の受光量に基づいて該照明領域内の雨滴等の検出対象物を検出する検出処理を実行する検出処理部102A等の検出処理実行手段を備えた画像解析ユニット102等の検出装置において、前記撮像手段によって所定期間内に撮像された複数の撮像画像データに基づいて、該撮像手段の受光量の変動成分のうち所定周波数以下の低周波変動成分を検出する低周波変動成分検出部102D等の低周波変動成分検出手段を有し、前記検出処理実行手段は、前記低周波変動成分検出手段により検出した低周波変動成分を用いて、前記検出処理を実行することを特徴とする。
検出対象物の検出処理に用いられる撮像手段による光源光の受光量変化(時間変動成分)のうち、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因して発生する撮像手段による光源光の受光量変化は、検出対象物の有無に起因した受光量変化や、外乱光に起因した受光量変化よりも低い周波数(長い時間周期)で変化するものである。そのため、本態様においては、低周波変動成分検出手段により検出される撮像手段による光源光の受光量の中の低周波変動成分を、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因して発生する撮像手段による光源光の受光量変化として得ることができる。そして、本態様では、このようにして検出した低周波変動成分を用いて検出処理を実行するため、当該撮像手段の受光量変化(変動成分)から、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因した低周波変動成分の影響を低減することが可能となる。よって、本態様によれば、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因した検出対象物の誤検出を抑制できる。

0138

(態様B)
前記態様Aにおいて、前記検出処理実行手段は、前記低周波変動成分検出手段により検出した低周波変動成分に基づいて前記検出処理で用いる前記撮像手段の受光量を補正し、補正後の受光量に基づいて検出対象物を検出することを特徴とする。
これによれば、撮像手段の受光量変化(変動成分)から、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因した低周波変動成分の影響を低減することができる。

0139

(態様C)
前記態様A又はBにおいて、前記低周波変動成分検出手段は、前記複数の撮像画像データからそれぞれ得られる前記撮像手段の各受光量のデータ群ynの経時変動成分から前記所定周波数以下の低周波成分を抽出する低周波フィルタ処理を実行して、前記低周波変動成分を検出することを特徴とする。
これによれば、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因して発生する撮像手段の受光量の変化を容易に検出することができる。

0140

(態様D)
前記態様A〜Cのいずれかの態様において、前記所定周波数は、前記光源装置の光源から前記撮像手段の受光素子までの光源光の光路上に存在する光学部材の光学特性の経時変化(温度変化や経時劣化など)によって該撮像手段の受光量が変動する変動成分の周波数以上であることを特徴とする。
これによれば、光学部材の温度変化あるいは経時劣化などに起因して発生する撮像手段の受光量の変化を検出することができる。

0141

(態様E)
前記態様A〜Dのいずれかの態様において、前記所定周波数は、前記光源装置の光源の温度変化による発光量変化によって該撮像手段の受光量が変動する変動成分の周波数以上であることを特徴とする。
これによれば、光源の温度変化に起因して発生する撮像手段の受光量の変化を検出することができる。

0142

(態様F)
前記態様A〜Eのいずれかの態様において、前記低周波変動成分検出手段が前記低周波変動成分を検出するのに用いる前記複数の撮像画像データは、前記照明領域内に検出対象物が存在しないときに撮像したものであることを特徴とする。
これによれば、低周波変動成分検出手段が低周波変動成分を検出するのに用いる撮像画像データのデータ数が少なくても、低周波変動成分の検出が可能となる。

0143

(態様G)
前記態様Fにおいて、前記低周波変動成分検出手段は、前記照明領域内に検出対象物が存在するとき、前記複数の撮像画像データとして、前記照明領域内の検出対象物を除去するワイパー107等の除去手段を動作させることにより該検出対象物を除去した後の照明領域を前記撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用いることを特徴とする。
これによれば、照明領域内に検出対象物が付着する状況下であっても、検出対象物が存在しないときの撮像画像データを得ることができる。

0144

(態様H)
前記態様A〜Gのいずれかの態様において、前記検出処理は、前記撮像手段の受光量に基づいて前記照明領域内の検出対象物の量を検出することを特徴とする。
撮像手段の受光量に基づいて照明領域内の検出対象物の量を検出する場合、検出対象物の有無だけを検出する場合よりも、撮像手段の受光量の誤差について高い精度が要求される。そのため、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因して発生する撮像手段の受光量の変化が誤検出を引き起こしやすい。本態様によれば、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因した検出対象物の量の誤検出を抑制できる。

0145

(態様I)
光源部202等の光源装置からの光源光によって照明される照明領域を画像センサ206等の撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用い、該撮像手段の受光量に基づいて該照明領域内の雨滴等の検出対象物を検出する画像解析ユニット102等の検出装置と、前記検出装置の検出結果に基づいて、自車両100等の移動体に搭載されたワイパー107等の所定の機器を制御するワイパー制御ユニット106等の移動体機器制御手段を備えた車載機器制御システム等の移動体機器制御システムにおいて、前記検出装置として、前記態様A〜Fのいずれかの態様に係る検出装置を用いることを特徴とする。
これによれば、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因した検出対象物の誤検出を抑制できるので、その検出結果に基づく移動体搭載機器の制御を高精度に行うことが可能となる。

0146

(態様J)
光源部202等の光源装置からの光源光によって照明される照明領域を画像センサ206等の撮像手段により撮像して得られる撮像画像データを用い、該撮像手段の受光量に基づいて該照明領域内の雨滴等の検出対象物を検出する検出処理を実行する検出処理部102A等の検出処理実行手段と、前記撮像手段によって所定期間内に撮像された複数の撮像画像データに基づいて、該撮像手段の受光量の変動成分のうち所定周波数以下の低周波変動成分を検出する低周波変動成分検出部102D等の低周波変動成分検出手段とを備えた画像解析ユニット102等の検出装置のコンピュータを、前記検出処理実行手段及び前記低周波変動成分検出手段として機能させるための検出用プログラムであって、前記検出処理実行手段は、前記低周波変動成分検出手段により検出した低周波変動成分を用いて、前記検出処理を実行することを特徴とする。
これによれば、光源や光学部材等の温度変化や経時劣化などに起因した検出対象物の誤検出を抑制できる。
なお、このプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録された状態で配布したり、入手したりすることができる。また、このプログラムを乗せ、所定の送信装置により送信された信号を、公衆電話回線専用線、その他の通信網等の伝送媒体を介して配信したり、受信したりすることでも、配布、入手が可能である。この配信の際、伝送媒体中には、コンピュータプログラムの少なくとも一部が伝送されていればよい。すなわち、コンピュータプログラムを構成するすべてのデータが、一時に伝送媒体上に存在している必要はない。このプログラムを乗せた信号とは、コンピュータプログラムを含む所定の搬送波具現化されたコンピュータデータ信号である。また、所定の送信装置からコンピュータプログラムを送信する送信方法には、プログラムを構成するデータを連続的に送信する場合も、断続的に送信する場合も含まれる。

0147

100 自車両
101撮像ユニット
102画像解析ユニット
102A検出処理部
102B光源制御部
102C露光量制御部
102D低周波変動成分検出部
105フロントガラス
106ワイパー制御ユニット
107ワイパー
200撮像部
202光源部
203雨滴
204撮像レンズ
205光学フィルタ
206画像センサ
207センサ基板
208信号処理部
230反射偏向プリズム

先行技術

0148

特開2014−32174号公報

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