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技術 水中探知システム

出願人 三菱重工業株式会社
発明者 石井佑樹吉住和洋吉田豊石田浩司
出願日 2015年3月31日 (4年11ヶ月経過) 出願番号 2015-071896
公開日 2016年11月10日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2016-191629
状態 特許登録済
技術分野 音波、超音波を用いた位置、速度等の測定
主要キーワード 雑音センサ 適応プロセッサ 受波センサ 適応処理後 水中音響機器 雑音波形 ソーナーシステム 探知対象
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図面 (14)

課題

他の航走体から放射される雑音を適切に除去することで、対象物探知を精度よく実施可能な水中探知ステムを提供する。

解決手段

水中探知システムは、水上又は水中を航走する第1の航走体に搭載されたソーナーシステム受波信号から第2の航走体から発せられる雑音成分を除去して得られる探知対象信号に基づいて水中探知を行う。第2の航走体から放射される雑音を外部参照信号として検出し、該外部参照信号を第1及び第2の航走体間の距離に基づく遅延パラメータを用いて遅延処理する適応処理を受波信号に対して実施する。

概要

背景

船舶などの航走体には、水中或いは水面に存在する他の航走体や障害物など対象物の位置を探知するための水中音響機器、すなわちソーナーシステムを搭載するものがある。この種のソーナーシステムは、水中に設置された受波素子によって他の船舶等からの反射音放射音などの音波信号受波することによって、対象物の有無及びその位置に関する情報を取得する。ここで受波素子が受信する音波には、目標物からの反射音や放射音などの探知に必要な信号(探知対象信号)に加えて、各種雑音が含まれる。このような雑音はSN比を低下させ、探知性能を低下させる要因となるため、除去する必要がある。

このような雑音除去技術の一つとして、適応フィルタ適応処理することが知られている。図13は適応フィルタ70を用いた雑音除去の原理を説明するための模式図である。適応フィルタ70は遅延回路72と適応プロセッサ74とを有しており、受波センサによって受信される探知対象信号sに雑音信号nが混入した主信号(s+n)と、雑音信号nの発生源雑音源)からの参照信号(雑音信号nとは別に測定される雑音信号)vが入力される。主信号(s+n)は遅延回路72によって遅延処理されることによって信号dに変換されると共に、参照信号vは適応プロセッサ74によって信号gに変換され、その差分
ε=g−n (1)
が適応プロセッサ74にフィードバックされる。適応プロセッサ74では、誤差εが自乗平均の意味で最小になるようにフィルタ係数が制御され、探知対象信号sに相当する出力εが得られる。この種の雑音除去技術は、例えば特許文献1に開示がなされている。

概要

他の航走体から放射される雑音を適切に除去することで、対象物の探知を精度よく実施可能な水中探知ステムを提供する。水中探知システムは、水上又は水中を航走する第1の航走体に搭載されたソーナーシステムの受波信号から第2の航走体から発せられる雑音成分を除去して得られる探知対象信号に基づいて水中探知を行う。第2の航走体から放射される雑音を外部参照信号として検出し、該外部参照信号を第1及び第2の航走体間の距離に基づく遅延パラメータを用いて遅延処理する適応処理を受波信号に対して実施する。

目的

本願発明の少なくとも1実施形態は上述の問題点に鑑みなされたものであり、他の航走体から放射される雑音を適切に除去することで、対象物の探知を精度よく実施可能な水中探知システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

水上又は水中を航走する第1の航走体に搭載されたソーナーシステム受波信号から第2の航走体から発せられる雑音成分を除去して得られる探知対象信号に基づいて水中探知を行う水中探知システムであって、前記第2の航走体に設けられ、前記第2の航走体から放射される雑音を外部参照信号として検出する外部参照信号検出部と、前記第1の航走体及び前記第2の航走体の位置情報に基づいて、前記第1の航走体及び前記第2の航走体間の距離を算出する第1の距離算出部と、前記外部参照信号を前記第1の距離算出部で算出された距離に基づいて設定される遅延パラメータを用いて遅延処理する適応処理を前記受波信号に対して実施することにより、前記探知対象信号を出力する適応フィルタと、を備えることを特徴とする水中探知システム。

請求項2

前記第1の航走体の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、前記第2の航走体の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、前記第1の航走体及び第2の航走体間に設けられた通信ネットワークと、を更に備え、前記第1の距離算出部は、前記第1の位置情報取得部及び第2の位置情報取得部で取得された位置情報の少なくとも一方を前記通信ネットワークを介して取得することを特徴とする請求項1に記載の水中探知システム。

請求項3

前記第2の航走体における前記位置情報の基準地点から前記第2の航走体が有する少なくとも1の雑音源までの距離を算出する第2の距離算出部を更に備え、前記第1の距離算出部は、前記第2の距離算出部で算出された距離に基づいて、前記第1の航走体及び前記第2の航走体間の距離を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の水中探知システム。

請求項4

前記第2の航走体が有する雑音源は、前記第2の航走体の船底後方に設けられたプロペラ、前記第2の航走体の内部に搭載された機器類、及び、第2の航走体の船首近傍で発生する膜波又は破波の少なくとも1を含むことを特徴とする請求項3に記載の水中探知システム。

請求項5

前記第1の航走体に設けられ、前記第1の航走体から放射される雑音を内部参照信号として検出する内部参照信号検出部と、前記第1の航走体における雑音源及び前記ソーナーシステム間の距離を算出する第2の距離算出部と、を更に備え、前記適応フィルタは、前記内部参照信号を前記第2の距離算出部で算出された距離に基づいて設定される遅延パラメータを用いて遅延処理する適応処理を前記受波信号に対して実施することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の水中探知システム。

請求項6

前記第1の距離算出部及び前記適応フィルタを有する第3の航走体が前記第1の航走体及び前記第2の航走体と通信ネットワークを介して通信可能に構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の水中探知システム。

請求項7

前記第2の航走体は複数あり、前記外部信号検出部及び前記第2の位置情報取得部は、前記複数の第2の航走体毎に設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の水中探知システム。

請求項8

前記適応フィルタはLMSアルゴリズムを含んでおり、前記LMSアルゴリズムは、前記外部参照信号が過渡的に変動する場合には、前記外部参照信号が過渡的に変動しない場合に比べてフィルタ係数の数を増加するように設定されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の水中探知システム。

技術分野

0001

本開示は、水上又は水中を航走する第1の航走体に搭載されたソーナーシステム受波信号から第2の航走体から発せられる雑音成分を除去して得られる探知対象信号に基づいて水中探知を行う水中探知システムに関する。

背景技術

0002

船舶などの航走体には、水中或いは水面に存在する他の航走体や障害物など対象物の位置を探知するための水中音響機器、すなわちソーナーシステムを搭載するものがある。この種のソーナーシステムは、水中に設置された受波素子によって他の船舶等からの反射音放射音などの音波信号受波することによって、対象物の有無及びその位置に関する情報を取得する。ここで受波素子が受信する音波には、目標物からの反射音や放射音などの探知に必要な信号(探知対象信号)に加えて、各種雑音が含まれる。このような雑音はSN比を低下させ、探知性能を低下させる要因となるため、除去する必要がある。

0003

このような雑音除去技術の一つとして、適応フィルタ適応処理することが知られている。図13は適応フィルタ70を用いた雑音除去の原理を説明するための模式図である。適応フィルタ70は遅延回路72と適応プロセッサ74とを有しており、受波センサによって受信される探知対象信号sに雑音信号nが混入した主信号(s+n)と、雑音信号nの発生源雑音源)からの参照信号(雑音信号nとは別に測定される雑音信号)vが入力される。主信号(s+n)は遅延回路72によって遅延処理されることによって信号dに変換されると共に、参照信号vは適応プロセッサ74によって信号gに変換され、その差分
ε=g−n (1)
が適応プロセッサ74にフィードバックされる。適応プロセッサ74では、誤差εが自乗平均の意味で最小になるようにフィルタ係数が制御され、探知対象信号sに相当する出力εが得られる。この種の雑音除去技術は、例えば特許文献1に開示がなされている。

先行技術

0004

特許第3815735号

発明が解決しようとする課題

0005

特許文献1のような適応処理では、雑音源からの雑音を参照信号として検知すると共に、これを受波信号から除去する。しかしながら、例えばソーナーシステムを搭載する航走体に対して、探知対象とは異なる他の航走体等が存在している場合(例えばソーナーシステムを搭載した航走体が船団中にいる際に、船団外にいる探知対象からの信号を検知しようとする場合)、ソーナーシステムでは、当該他の航走体等から放射される雑音を探知対象信号から分離して参照信号として検知することが難しく、適応処理によって効果的な雑音除去が困難になるおそれがある。

0006

このような問題に対して、例えば、探知対象信号をゼロにした状態で雑音源である他の航走体のみからの音波(バックグランドノイズ)を参照信号として予め取得することも考えられる。しかしながら、この場合は参照信号の取得タイミングと探知対象信号の取得タイミングとの間にタイムラグがあり、リアルタイムな測定を行うことができない。例えば雑音源からの雑音レベル周波数が時間的に変動する場合には、探知精度が低下してしまう。

0007

本願発明の少なくとも1実施形態は上述の問題点に鑑みなされたものであり、他の航走体から放射される雑音を適切に除去することで、対象物の探知を精度よく実施可能な水中探知システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

(1)本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システムは上記課題を解決するために、水上又は水中を航走する第1の航走体に搭載されたソーナーシステムの受波信号から第2の航走体から発せられる雑音成分を除去して得られる探知対象信号に基づいて水中探知を行う水中探知システムであって、前記第2の航走体に設けられ、前記第2の航走体から放射される雑音を外部参照信号として検出する外部参照信号検出部と、前記第1の航走体及び前記第2の航走体の位置情報に基づいて、前記第1の航走体及び前記第2の航走体間の距離を算出する第1の距離算出部と、前記外部参照信号を前記第1の距離算出部で算出された距離に基づいて設定される遅延パラメータを用いて遅延処理する適応処理を前記受波信号に対して実施することにより、前記探知対象信号を出力する適応フィルタと、を備える。

0009

上記(1)の構成によれば、第2の航走体から放射される雑音は、第1の航走体から離れた第2の航走体が有する外部参照信号検出部で外部参照信号として検出される。このように第2の航走体で雑音検出することで、雑音除去に必要な参照信号を精度よく、且つ、リアルタイムに得ることができる。そして、このように取得された外部参照信号に基づいてソーナーシステムで取得した受波信号から雑音除去することで、探知精度を向上できる。

0010

(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記第1の航走体の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、前記第2の航走体の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、前記第1の航走体及び第2の航走体間に設けられた通信ネットワークと、を更に備え、前記第1の距離算出部は、前記第1の位置情報取得部及び第2の位置情報取得部で取得された位置情報の少なくとも一方を前記通信ネットワークを介して取得する。

0011

上記(2)の構成によれば、第1の航走体及び第2の航走体が距離的に離れている場合であっても通信ネットワークを介して位置情報をやりとりすることで、当該位置情報に基づいて第1の距離算出部で算出された航走体間の距離に基づいて雑音伝搬のタイムラグを考慮した適応処理を実現できる。

0012

(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記第2の航走体における前記位置情報の基準地点から前記第2の航走体が有する少なくとも1の雑音源までの距離を算出する第2の距離算出部を更に備え、前記第1の距離算出部は、前記第2の距離算出部で算出された距離に基づいて、前記第1の航走体及び前記第2の航走体間の距離を算出する。

0013

上記(3)の構成によれば、第2の距離算出部によって、第2の航走体における位置情報の基準地点から第2の航走体が有する少なくとも1の雑音源までの距離を算出し、その結果を第1の距離算出部による第1の航走体及び第2の航走体間の距離の算出に用いる。これにより、第1の航走体及び第2の航走体間の距離をより精度よく求めることができるので、探知精度をより向上することができる。

0014

(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記第2の航走体が有する雑音源は、前記第2の航走体の船底後方に設けられたプロペラ、前記第2の航走体の内部に搭載された機器類、及び、第2の航走体の船首近傍で発生する膜波又は破波の少なくとも1を含む。

0015

上記(4)の構成によれば、第2の航走体が備える雑音源であるプロペラ、機器類及び膜波又は破波の第2の航走体における位置に基づいて第1の航走体及び第2の航走体間の距離をより精度よく求めることができるので、探知精度をより向上することができる。

0016

(5)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)のいずれか1構成において、前記第1の航走体に設けられ、前記第1の航走体から放射される雑音を内部参照信号として検出する内部参照信号検出部と、前記第1の航走体における雑音源及び前記ソーナーシステム間の距離を算出する第2の距離算出部と、を更に備え、前記適応フィルタは、前記内部参照信号を前記第2の距離算出部で算出された距離に基づいて設定される遅延パラメータを用いて遅延処理する適応処理を前記受波信号に対して実施する。

0017

上記(5)の構成によれば、第1の航走体から発せられる雑音を内部参照信号として検知し、ソーナーシステムで取得された信号から除去することにより、第2の航走体から発せられる雑音に加え、第1の航走体から発せられる雑音を除去できる。その結果、雑音成分がより精度よく除去された探知対象信号が得られる。

0018

(6)幾つかの実施形態では、上記(1)から(5)のいずれか1構成において、前記第1の距離算出部及び前記適応フィルタを有する第3の航走体が前記第1の航走体及び前記第2の航走体と通信ネットワークを介して通信可能に構成される。

0019

上記(6)の構成によれば、第1の距離算出部及び適応フィルタを第3の航走体に設けることで、ソーナーシステム本体を搭載した第1の航走体における演算処理負担を軽減することができるとともに、システム全体の更なる拡張性を得ることができる。

0020

(7)幾つかの実施形態では、上記(1)から(6)のいずれか1構成において、前記第2の航走体は複数あり、前記外部信号検出部及び前記第2の位置情報取得部は、前記複数の第2の航走体毎に設けられている。

0021

上記(7)の構成によれば、第2の航走体が複数存在する場合であっても、それぞれに設けられた外部参照信号検出部で検出された外部参照信号に基づいて適応処理されることで、第2の航走体からそれぞれ発せられる雑音成分を効果的に除去し、精度のよい水中探知が実施できる。

0022

(8)幾つかの実施形態では、上記(1)から(7)のいずれか1構成において、前記適応フィルタはLMSアルゴリズムを含んでおり、前記LMSアルゴリズムは、前記外部参照信号が過渡的に変動する場合には、前記外部参照信号が過渡的に変動しない場合に比べてフィルタ係数の数を増加するように設定されている。

0023

上記(8)の構成によれば、外部参照信号が過渡的に変動する場合にフィルタ係数の数を増加させることで、演算処理に要する負荷が増大することにより応答性は低下するものの、雑音除去の精度が向上し、信頼性の高い水中探知が可能となる。逆に、外部参照信号が過渡的に変動しない場合にフィルタ係数の数を減少させることで、演算処理に要する負荷を軽減して応答性を向上しつつ、信頼性を確保した水中探知が可能となる。
尚、反射が多い環境の場合、フィルタ係数の数を増加することも有効な手段である。

0024

尚、LMSアルゴリズムに代えて、RLSアルゴリズム等の他の手法を含む適応フィルタに関しても、本発明の技術的思想を同様に適応してもよい。

発明の効果

0025

本発明の少なくとも1実施形態によれば、他の航走体から放射される雑音を適切に除去することで、対象物の探知を精度よく実施可能な水中探知システムを提供できる。

図面の簡単な説明

0026

本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システムが適用される第1の航走体及び第2の航走体からなる船団の一例を示す模式図である。
本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システムの構成を示すブロック構成図である。
第2の航走体の1構成例を示す模式図である。
図2の適応フィルタの1構成例を示す制御回路図である。
図4の適応プロセッサの具体的構成例を示す図である。
本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システムの構成を示すブロック構成図である。
図6の水中探知システムが適用される第2の航走体の1構成例を示す模式図である。
本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システムの構成を示すブロック構成図である。
第1の航走体の1構成例を示す模式図である。
本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システムが適用される第1の航走体、第2の航走体及び第3の航走体からなる船団の一例を示す模式図である。
本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システムの構成を機能ブロックとして示す構成図である。
本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システムにおける適応フィルタの内部構成を示す回路図である。
適応フィルタを用いた雑音除去の原理を説明するための模式図である。

実施例

0027

(第1実施形態)
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。

0028

例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。

0029

また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。

0030

一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。

0031

図1は本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システム100が適用される第1の航走体10及び第2の航走体20からなる船団の一例を示す模式図であり、図2は本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システム100の構成を機能ブロックとして示す構成図であり、図3は第2の航走体20の1構成例を示す模式図であり、図4図2の適応フィルタ115の1構成例を示す制御回路図であり、図5図4の適応プロセッサ50の具体的構成例を示す図である。

0032

尚、以下の説明では航走体として水上を航行する船舶を例に説明するが、これに代えて水中を航走する潜水艇などの航走体についても同様の技術的思想を適用可能であることは言うまでもない。

0033

図1に示されるように本実施形態では、水上に第1の航走体10及び第2の航走体20が互いに所定距離Rを隔てて位置する場合を例にする。第1の航走体10及び第2の航走体20は、それぞれ水上を航行する船舶である。第1の航走体10及び第2の航走体20は、内部にエンジンモータなどの動力源(不図示)によって推進用のプロペラ(図3の符号22aを参照)を回転駆動することによって航行可能に構成されている。

0034

尚、第1の航走体10及び第2の航走体20は、水中を航行する潜水艇であってもよい。また第1の航走体10及び第2の航走体20はそれぞれ航行中であってもよいし、停泊中であってもよい。

0035

第1の航走体10には音響探知装置たるソーナーシステム12が搭載されている。ソーナーシステム12は、探知対象30から発せられる音波信号を受波することにより、探知対象30の有無及びその位置を特定するパッシブ方式のソーナーシステムであるが、能動的にソーナービーム照射することにより検知対象からの反射波を受波することで探知を行うアクティブ方式であってもよい。

0036

第1の航走体10に搭載されたソーナーシステム12は、第1の航走体10及び第2の航走体20から離れた位置に存在する探知対象30を探知する。このとき、ソーナーシステム12は探知対象30から放射される音波信号を受波することにより探知を行うが、一般的に、受波信号には探知対象30からの探知対象信号sに加えて、第2の航走体20からの余分な雑音nが含まれる。探知対象信号sに対する雑音成分nの比率は、いわゆるS/N比と称されており、精度のよい探知を行うためには、受波信号(s+n)から雑音信号nを除去して、S/N比を改善することが有効である。特に、ソーナーシステム12が搭載された第1の航走体10に対して、第2の航走体20より探知対象30が離れている場合には、S/N比が悪化しやすい傾向がある。

0037

図2に示されるように、水中探知システム100は、通信ネットワーク40を介することにより、第1の航走体10及び第2の航走体20に跨って構築されている。水中探知システム100のうち第1の航走体側110は、探知対象30からの受波信号p(=s+n)を受波する受波部111と、第2の航走体20から送信される各種情報を受信する受信部112と、第1の航走体10の位置情報P1を取得する第1の位置情報取得部113と、第1の航走体10及び第2の航走体間20の距離Rを算出する第1の距離算出部114と、適応処理を実施する適応フィルタ115と、該適応フィルタ115からの処理信号に基づいて探知対象30を探知する探知部116と、を備える。

0038

一方、水中探知システムのうち第2の航走体側120は、第2の航走体20からの雑音を外部参照信号vとして検出する外部参照信号検出部121と、第2の航走体20の位置情報P2を取得する第2の位置情報取得部122と、第2の航走体20から通信ネットワーク40を介して第1の航走体10に各種情報を送信する送信部123と、を備える。

0039

尚、通信ネットワーク40は無線が好ましいが、有線であってもよい。

0040

探知対象30からの受波信号p(=s+n)は、第1の航走体10の受波部111によって受信される。一方、第2の航走体側120では、外部参照信号検出部121によって第2の航走体20から放射される雑音を外部参照信号vとして検出する。ここで図3に示されるように、第2の航走体20は雑音源として、推進力を得るために船底後方近傍に設けられたプロペラ22a、該プロペラ22aである動力源(エンジン、タービン、モータなど)を含む主発や主機、或いは各種補機等を含む船内に搭載された機器類22b、第2の航走体20の船首近傍で発生する膜波又は破波22cが示されている。この例では特に、雑音源の各々には、それぞれ対応する雑音センサ24が設けられている。これらの雑音センサは各雑音源の特性に応じて、雑音を精度よく検出可能な態様で設置されている。具体的には、雑音センサ24aはプロペラ22aに対向する位置に設けられており、雑音センサ24bは機器類22bが設置されたベース25上に設けられており、雑音センサ24cは第2の航走体20の水面上に露出する船体のうち雑音源である膜波又は破波22cに近い位置に設けられている。

0041

尚、雑音センサ24は、例えば圧力センサ振動センサ歪センサなどの雑音を検知可能なセンサであればよく、雑音源の種類によって適宜選択するとよい。

0042

第2の位置情報取得部122は、第2の航走体20の位置情報P2を取得する。ここで位置情報P2としては、例えばGPS衛星から取得されるGPS信号のように、第2の航走体20の緯度及び軽度に関する情報である。

0043

第2の航走体20で取得された外部参照信号v及び位置情報P2は、送信部123によって通信ネットワーク40を介して第1の航走体20に送信され、第1の航走体20の受信部112で受信される。すなわち、第1の航走体10の受信部112及び第2の航走体20の送信部123は、通信ネットワーク40に対するインターフェイスとして機能するものである。これにより、第2の航走体20で取得された外部参照信号v及び位置情報P2が第1の航走体20で適応処理に利用されることとなる。

0044

第1の位置情報取得部113は、第1の航走体10の位置情報P1を取得する。ここで位置情報P1としては、上述の位置情報P2と同様に、例えばGPS衛星から取得されるGPS信号のように、第1の航走体10の緯度及び軽度に関する情報である。

0045

第1の距離算出部114は、第1の位置情報取得部113で取得された位置情報P1、及び、受信部112で受信した(第2の位置情報取得部122で取得された)位置情報P2に基づいて、第1の航走体10及び第2の航走体20間の距離Rを算出する。すなわち、位置情報P1及びP2によって特定される第1の航走体10及び第2の航走体20の座標から相対的位置関係を幾何学的に求めることで、距離Rを算出する。

0046

適応フィルタ115は、第1の距離算出部114で算出された距離R、及び、受信部112で受信された(外部参照信号検出部121で検出された)外部参照信号vを取得し、受波信号を適応処理することにより探知対象信号dを出力する。

0047

ここで図4に示されるように、適応フィルタ115には、距離R及び外部参照信号vが入力され、適応プロセッサ50によって雑音信号nが出力される。雑音信号nは、減算器52によってソーナーシステム12の受波信号p(=s+n)から減算されることにより、探知対象信号d(=s)が出力される。このように求められた探知対象信号dは、適応プロセッサ50にフィードバックされる。

0048

ここで適応プロセッサ50における適応処理について説明する。図5に示されるように、適応プロセッサ50に入力された外部参照信号vは、遅延回路54によって遅延パラメータτに応じた遅延処理が実施されることにより、信号v´として出力される。ここで遅延パラメータτは、第2の航走体20から放射された雑音が第1の航走体10に到達するまでの伝搬速度、及び、第1の航走体10及び第2の航走体20間の距離Rに基づいて設定される。すなわち、外部参照信号検知部122で所定の雑音が検知されるタイミングと、ソーナーシステム12に当該雑音が検知されるタイミングとの間に生じるタイムラグに基づいて、遅延パラメータτが設定される。このように距離Rに基づいた遅延パラメータτを採用する遅延回路54を用いることで当該タイムラグを解消でき、第2の航走体20からの雑音を適切に除去できる。

0049

尚、第2の航走体20から放射された雑音が第1の航走体10に到達する際の伝搬速度は、予め一定値(水中の伝搬速度)として設定されていてもよいが、状況に応じて可変に設定してもよい。例えば遅延パラメータτは、「τ<距離R/音速」と設定してもよい。音速は水中で約1500m/sであるので、実際には離散的にデータを取得するので、τの時間に相当するサンプル数スキップし求めてもよい。

0050

続いて遅延回路54の出力信号v´は、L(Lは任意の自然数)個のZ変換回路56に入力され、それぞれの出力信号はLMSアルゴリズム58によって設定される係数w0、w1、・・・、wLを用いて、次式により雑音信号nが求められる
n=v´w0+v´w1+v´w2+v´w3+・・・ (2)
ここで係数w0、w1、・・・、wLは、LMSアルゴリズム58によって次式に基づいて、逐次算出される。
wi(t+1)=wi(t)+2μdv (3)
尚、(3)式のμはステップサイズパラメータである。

0051

ここで定数Lは、雑音源の特性とともに周りの環境に基づいて設定する方が好ましい。つまり、反射の影響が大きいような海域(例えば浅瀬)であれば、(海底で)反射した後の雑音波形も取り込むようにLを長く取る必要があり、また、反射の影響が小さい場所(例えば深海)・構造の場合、Lは短くとれるようになる。特に、雑音信号が過渡的な信号か定常的な信号か、評価する周波数やサンプリング周波数に基づいて設定するとよいが、Lが大きくなると適応プロセッサ50の処理負担が増えてしまうことも考慮すべきである。例えば上述の第2の航走体20の雑音源22a及び22cからの雑音信号は、第2の航走体20の航走状態によって時々刻々と変化するためLを大きく設定してもよい。また第2の航走体20の航走状態を監視することにより、加減速時のように雑音源からの雑音信号が過渡的に変化する状態を検知した場合に、一時的にLが大きくなるように制御してもよい。これにより比較的雑音信号が安定している定常時にはLを小さく抑えることができるので、処理負担を軽減できる。

0052

このように求められた雑音信号nは、ソーナーシステム12の受波信号p(=s+n)と差分を取ることにより、探知対象信号d(=s)が得られる。このように求められた探知対象信号dは、ソーナーシステム12に出力されることによって解析される。また探知対象信号dはLMSアルゴリズム58にフィードバックされることによって、係数w0、w1、・・・、wLを更新すると共に、時刻を1サンプル進め、上記処理を繰り返す。

0053

以上説明したように本実施形態によれば、第2の航走体20から発せられる雑音は、第1の航走体10から離れた第2の航走体20に設けられた外部参照信号検知部121で外部参照信号vとして検知される。これにより、探知対象信号に含まれる雑音成分のみが外部参照信号として精度よく取得される。このように取得された外部参照信号は、第2の航走体20から第1の航走体10に伝達され、ソーナーシステム12で取得された信号から除去される。このようにして第2の航走体20から発せられる雑音成分が精度よく除去された探知対象信号を得ることができる。

0054

(第2実施形態)
続いて図6及び図7を参照して第2実施形態に係る水中探知システム100について説明する。図6は本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システム100の構成を示すブロック構成図であり、図7図6の水中探知システム100が適用される第2の航走体20の1構成例を示す模式図である。

0055

本実施形態では図6に示されるように、水中探知システム100のうち第1の航走体側110に、第2の距離算出部117が設けられている。第2の距離算出部117は、第2の航走体20の位置情報P2の基準取得位置(例えば図7に示されるように、第2の航走体20が有するレーダーマスト26に配置されたGPSセンサ27の位置)と、第2の航走体20が有する各雑音源22a、22b、22cとの間の距離r1、r2、r3をそれぞれ算出する。このような距離r1,r2,r3は第2の航走体20の仕様上一定に規定されるため、予めメモリ等の記憶手段に記憶しておき、第2の距離算出部117によって読みだし可能に構成しておくとよい。

0056

第2の距離算出部117で算出された距離r1,r2,r3は、第1の距離算出部114に送られる。第1の距離算出部114では、位置情報P1及びP2に加え、距離r1,r2,r3を考慮することにより、距離Rを算出する。このように本実施形態では、第2の航走体20における各雑音源22の詳細な位置を考慮して距離Rを算出するため、より精度のよい適応処理が可能となる。

0057

(第3実施形態)
続いて図8を参照して第3実施形態に係る水中探知システム100について説明する。図8は本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システム100の構成を示すブロック構成図であり、図9は第1の航走体10の1構成例を示す模式図である。

0058

他の実施形態では、第2の航走体20から放射される雑音について適応処理することにより雑音除去する場合を例示しているが、本実施形態ではこれに加えて、第1の航走体20自身から放射される雑音についても適応処理を行う。この場合、図8に示すように、第1の航走体側110には、第1の航走体10が有する雑音源から放射される雑音を内部参照信号として検知する内部参照信号検知部118と、第1の航走体10が有する各雑音源及びソーナーシステム12間の距離を算出する第3の距離算出部119と、を更に備える。また適応処理を実施する適応フィルタ115としては、第2の航走体側120から取得する外部参照信号に基づいて適応処理を実施する適応フィルタ115aと、内部参照信号に基づいて適応処理を実施する適応フィルタ115bとを備えている。

0059

内部参照信号検出部119は、第1の航走体10から放射される雑音を内部参照信号Vとして検出する。ここで図9に示されるように、第1の航走体10は雑音源として、上述の第2の航走体20と同様に、推進力を得るために船底後方近傍に設けられたプロペラ14a、該プロペラ14aである動力源(エンジン、タービン、モータなど)を含む主発や主機、或いは各種補機等を含む船内に搭載された機器類14b、第1の航走体10の船首近傍で発生する膜波又は破波14cを有する。この例では特に、雑音源の各々には、それぞれ対応する雑音センサ15が設けられている。これらの雑音センサは各雑音源の特性に応じて、雑音を精度よく検出可能な態様で設置されている。具体的には、雑音センサ15aはプロペラ14aに対向する位置に設けられており、雑音センサ15bは機器類14bが設置されたベース16上に設けられており、雑音センサ15cは第1の航走体10の水面上に露出する船体のうち雑音源である膜波又は破波14cに近い位置に設けられている。

0060

第3の距離算出部119は、探知信号を受波するソーナーシステム12と、各雑音センサまでの距離ra、rb、rcを算出する。このような距離ra、rb、rcは第2の航走体20の仕様上一定に規定されるため、予めメモリ等の記憶手段に記憶しておき、第3の距離算出部119によって読みだし可能に構成しておくとよい。

0061

適応フィルタ115aでは、他の実施形態と同様に、第2の航走体20から取得した外部参照信号に基づいた適応処理が行われる。一方、適応フィルタ115bでは、内部参照信号Vについて、上述の外部参照信号に倣った適応処理が実施される。すなわち、適応フィルタ115bでは第3の距離算出部119で算出された距離ra、rb、rcに基づいて内部参照信号Vに対する遅延パラメータτを求め、当該遅延パラメータτに基づいた適応処理を実施する。これにより、第2の航走体20から放射される雑音のみならず、第1の航走体10自身から放射される雑音を的確に除去処理できるので、より精度の高い水中探知を実現できる。

0062

(第4実施形態)
続いて図10及び図11を参照して第4実施形態に係る水中探知システム100について説明する。図10は本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システム100が適用される第1の航走体10、第2の航走体20及び第3の航走体60からなる船団の一例を示す模式図であり、図11は本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システム100の構成を機能ブロックとして示す構成図である。

0063

まず図10に示されるように本実施形態では、上述の第1の航走体10及び第2の航走体20に加えて、第3の航走体60が存在している。第3の航走体60もまた、第1の航走体10及び第2の航走体20と同様に水上を航行する船舶であるが、これに代えて水中を航走する潜水艇等であってもよい。

0064

図11に示されるように、本実施形態に係る水中探知システム100は、通信ネットワーク40を介して、第1の航走体10、第2の航走体20及び第3の航走体60に跨って構築されている。水中探知システム100のうち第1の航走体側110は、探知対象30からの受波信号p(=s+n)を受波する受波部111と、第2の航走体20から送信される各種情報を受信する受信部112と、第1の航走体10の位置情報P1を取得する第1の位置情報取得部113と、探知対象30を探知する探知部116と、を備える。すなわち上述の実施形態に比べて、第1の航走体側110には、第1の航走体10及び第2の航走体間20の距離Rを算出する第1の距離算出部114と、適応処理を実施する適応フィルタ115と、が備えられておらず構成が簡略化されている。その一方で、第1の航走体側110には、第1の位置情報取得部113で取得された位置情報P1を通信ネットワーク40を介して送信可能に構成された送信部141が設けられている。

0065

一方、水中探知システム100のうち第2の航走体側120は、第2の航走体20からの雑音を外部参照信号vとして検出する外部参照信号検出部121と、第2の航走体20の位置情報P2を取得する第2の位置情報取得部122と、第2の航走体20から通信ネットワーク40を介して第1の航走体10に各種情報を送信する送信部123と、を備える。

0066

水中探知システム100のうち第3の航走体側130は、第1の航走体10及び第2の航走体20から送信される各種情報を受信する受信部131と、該受信部131で受信された位置情報P1及びP2に基づいて第1の航行体10及び第2の航行体20間の距離Rを算出する第1の距離算出部132と、適応処理を実施する適応フィルタ133と、該適応処理後の出力信号dを送信する送信部134と、を備える。すなわち、第1実施形態で第1の航行体側110に設けられていた第1の距離算出部114及び適応フィルタ115が、本実施形態では第3の航行体60に設けられている。このように演算処理負担が大きい距離Rの算出や適応処理を第3の航行体側130で実施することにより、演算処理を第3の航行体60に集約でき、第1の航行体10における演算処理負担を効果的に軽減される。

0067

尚、水中探知システム100が第3実施形態のように第3の距離算出部119を有する場合には、当該第3の距離算出部119を第3の航走体側130に設けてもよい。この場合もまた、システム全体における演算処理負担を第3の航行体60に集約することによって、ソーナーシステム12が搭載された第1の航行体10における処理負担を効果的に軽減できる。

0068

(第5実施形態)
上記第1乃至第4実施形態では、それぞれ単一の第2の航走体20が存在する場合について説明したが、実際には複数の第2の航走体20が存在していてもよい。本実施形態では、第2の航走体20がk(kは2以上の自然数)隻がある場合について説明する。

0069

図12は本発明の少なくとも1実施形態に係る水中探知システムにおける適応フィルタ115の内部構成を示す回路図である。

0070

本実施形態では、k隻の第2の航走体20にそれぞれ外部参照信号検出部121が設けられており、各外部参照信号検出部121で検出された外部参照信号をv1、v2、・・・、vkで示している。各外部参照信号v1、v2、・・・、vkは、適応フィルタ115に入力されると、適応プロセッサ501、502、・・・50kにて適応処理されることにより、対応する雑音信号n1、n2、・・・、nkが求められる。適応プロセッサ501、502、・・・50kは、それぞれ上記実施形態における適応プロセッサ50と類似の構成を有しており、外部参照信号v1、v2、・・・、vkを、それぞれ遅延回路541、542、・・・54kで遅延処理して信号v1´、v2´、・・・、vk´とする。信号v1´、v2´、・・・、vk´は、それぞれLMSアルゴリズム581、582、・・・、58kによって係数wkiを乗算することにより、上記(2)式に基づいて、雑音信号n1、n2、・・・、nkが求められる。雑音信号n1、n2、・・・、nkはk隻の第2の航走体20に対応する雑音信号にそれぞれ相当しており、これらを加算することで全雑音信号nが得られる。このようにして得られた全雑音信号nは、ソーナーシステム12の受波信号pとの差分をとることによって、探知対象信号dが得られる。

0071

尚、遅延回路541、542、・・・54kにおける遅延パラメータτは、第1の航走体10からk隻の第2の航走体20の各々までの距離R1、L2、・・・、Lkに応じて個別に設定される。これにより、第2の航走体20が複数隻が存在する場合であっても、第2の航走体20の各々で検出される外部参照信号を遅延パラメータ処理することにより、雑音検知タイミングのタイムラグを考慮した、リアルタイムで精度のよい雑音除去が可能になる。

0072

以上説明したように、本発明の少なくとも1実施形態によれば、他の航走体から放射される雑音を的確に除去することにより、探知対象からの信号に基づいて対象物を的確に探知可能な水中探知システム及び水中探知方法を提供できる。

0073

本発明の少なくとも1実施形態は、水上又は水中を航走する第1の航走体に搭載されたソーナーシステムの受波信号から第2の航走体から発せられる雑音成分を除去して得られる探知対象信号に基づいて水中探知を行う水中探知システム及び水中探知方法に利用可能である。

0074

10 第1の航走体
12ソーナーシステム
20 第2の航走体
22雑音源
24雑音センサ
25ベース
30探知対象
40通信ネットワーク
50適応プロセッサ
52減算器
54遅延回路
56 Z変換回路
58LMSアルゴリズム
60 第3の航走体
100水中探知システム
110 第1の航走体側(水中探知システム)
111受波部
112 受信部
113 第1の位置情報取得部
114 第1の距離算出部
115適応フィルタ
116探知部
120 第2の航走体側(水中探知システム)
121外部参照信号検出部
122 第2の位置情報取得部
123 送信部
124 第2の距離算出部
130 第3の航走体側(水中探知システム)
131 受信部
132 第1の距離算出部
133 適応フィルタ
134 送信部

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