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技術 軸受装置及び排気ガスターボチャージャー

出願人 アイ・エイチ・アイチャージングシステムズインターナショナルゲーエムベーハー
発明者 ルーデッケ,ベルンハルト
出願日 2016年5月25日 (3年9ヶ月経過) 出願番号 2016-104544
公開日 2016年11月10日 (3年4ヶ月経過) 公開番号 2016-191465
状態 拒絶査定
技術分野 過給機 すべり軸受
主要キーワード 貫流開口 後付け部品 軸受摩擦損 軸受摩擦 電気化学的加工 表面どうし 装着形態 横方向軸
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年11月10日)のものです。
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課題

解決手段

軸受装置が第1軸受体を備えており、該第1軸受体9は第1回転体8を受け入れる第1受入開口部10を有しており、該第1軸受体9の第1内周面14と前記第1回転体8の第1外周面13との間に第1間隙12が画成されており、前記第1軸受体9には潤滑油供給流路11が形成され潤滑油供給流路は、第1受入開口部に開口した該潤滑油供給流路11の連通口20を介して該潤滑油供給流路から前記第1受入開口部へ流入可能なように、第1受入開口部に連通しており、該潤滑油供給流路を介して潤滑油が前記第1間隙に供給され、潤滑油供給流路11は、前記潤滑油の流れに周方向速度成分を付与することにより、その周方向速度成分付与後の前記潤滑油の流れ速度(v)の方向付けをするように形成した。

概要

背景

軸受装置は回転する部材を支持する装置であり、その回転する部材は多くの場合、軸である。軸受装置は基本的に、滑り軸受転がり軸受とに分類される。転がり軸受では、内輪が軸や回転体などの回転する部材に固定連結され、内輪と外輪との間に配設されたボールローラなどの転動体を介して支持された外輪が、その軸などを収容しているハウジングに固定連結される。

これに対して滑り軸受は、原理的に、はるかに簡明な構造を有するものである。軸それ自体が軸受体に嵌合しており、その軸受体は多くの場合、中空円筒体として形成されており、その中空円筒体の直径及び長さは、その軸により回転可能とされている回転体に応じて定められ、即ち、その回転体が発生する力の大きさに応じて定められる。また、軸は、軸受体に対して軸心の移動が可能な状態で軸受体に嵌合している。軸心の移動が可能であるのは、軸と軸受体の内周面との間に、間隙画成されているからである。軸受の作動中に軸受体の内周面と軸の外周面とが固体接触して擦れ合うことがないように、この間隙の少なくとも一部分に潤滑油注入されている。軸受体は、この軸受体を受け入れ受入開口部が形成されたハウジングに取付けられることもあり、また、この軸受体それ自体が、ハウジングの一部分として、即ち軸受部として形成されることもある。

以上の単純な構成の滑り軸受に工夫を加えた軸受として、浮動ブッシュ軸受がある。浮動ブッシュ軸受では、軸受体それ自体が、ハウジングに対して軸心の移動が可能な状態でハウジングに支持されており、また回転することも可能とされている。従って、浮動ブッシュ軸受では、軸のみならず軸受体もハウジングに回転可能に装着されている。軸の外周面と軸受体の内周面との間の間隙に潤滑油が流入できるように、例えば軸受体に、この軸受体を貫通する流通孔を形成するなどの手段が採られている。浮動ブッシュ軸受は「半浮動式」軸受と「全浮動式」軸受とに分類される。「半浮動式」軸受では、第1軸受体の中に第1回転体を嵌合し、この第2軸受体(第1回転体)の中に、第2回転体(これは通常は軸である)を回転可能に嵌合している。ただし「半浮動式」軸受では、第1回転体は軸心の移動が可能ではあるものの、回転することは阻止されている。この点が「全浮動式」軸受と異なる点であり、「全浮動式」軸受では、第1軸受体に嵌合している第1回転体も回転が可能とされている。

浮動ブッシュ軸受は特に、軸が高速で回転する機械に用いられており、それは、浮動ブッシュ軸受には潤滑油の過酷な流動緩和できるという利点があるからである。例えば、回転速度が高速になり潤滑油温度が上昇すると、それによって潤滑油の流動に渦流が加わることがあり、これはオイルホワールと呼ばれている。オイルホワールが発生する状況下では軸受の挙動が不安定になるが、これは、油膜が正常な厚さに形成されずに潰れてしまうからである。オイルホワールだけであれば、さほどの問題ではないが、オイルホワールが共振状態に入ると大きな問題となり、これはオイルホイップと呼ばれている。共振状態に入るのは、ホイルホワール周波数と軸受の固有振動周波数とが一致したときである。これらの現象、即ち、オイルホワール現象やオイルホイップ現象が発生すると、固体表面どうしが接触して擦れ合うという、あってはならない事象が発生し、それによって軸受装置が修復不可能な損傷を被るおそれがある。軸受装置の作動中には、オイルホイップ現象に先立ってオイルホワール現象が発生するため、以下の説明ではオイルホワール現象につ
いてのみ詳述する。

オイルホワール現象が発生するおそれを低減するための構成の具体例としては、特許文献1に記載されている実施形態がある。この実施形態では、軸受体の内周面に複数本の溝を形成し、それら溝が、軸の回転方向と反対方向の潤滑油の流れを作り出すことによって、オイルホワール現象を抑制するように、即ち、潤滑油の流動に渦流が加わるのを抑制するようにしている。しかしながら、特許文献1に開示されている発明では、オイルホワール現象を抑制できるのは、軸の外周面と軸受体の内周面との間の間隙に存在する潤滑油に限られる。更に、最近では、エンジンダウンサイジングに伴って排気ガスターボチャージャーの小型化が要求されており、そのため軸受体も小型化せねばならず、そのような小型の軸受体の内周面に複数本の溝を形成するには、特殊な工具を必要とするため、軸受体の製造に手間がかかりコストも嵩むことになる。

概要

オイルホワール現象を低減した排気ガスターボチャージャー用軸受けの提供。軸受装置が第1軸受体を備えており、該第1軸受体9は第1回転体8を受け入れる第1受入開口部10を有しており、該第1軸受体9の第1内周面14と前記第1回転体8の第1外周面13との間に第1間隙12が画成されており、前記第1軸受体9には潤滑油供給流路11が形成され潤滑油供給流路は、第1受入開口部に開口した該潤滑油供給流路11の連通口20を介して該潤滑油供給流路から前記第1受入開口部へ流入可能なように、第1受入開口部に連通しており、該潤滑油供給流路を介して潤滑油が前記第1間隙に供給され、潤滑油供給流路11は、前記潤滑油の流れに周方向速度成分を付与することにより、その周方向速度成分付与後の前記潤滑油の流れ速度(v)の方向付けをするように形成した。

目的

本発明の目的は、簡明な手段によりオイルホワール現象を低減した軸受装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

第1軸受体を備えており、該第1軸受体(9)は第1回転軸心(25)を有する第1回転体(8)を受け入れる第1受入開口部(10)を有しており、該第1軸受体(9)の第1内周面(14)と前記第1回転体(8)の第1外周面(13)との間に第1間隙(12)が画成されており、前記第1軸受体(9)には流路軸(21)を有する潤滑油供給流路(11)が形成されており、該潤滑油供給流路(11)は、前記第1受入開口部(10)に開口した該潤滑油供給流路(11)の連通口(20)を介して該潤滑油供給流路(11)から前記第1受入開口部(10)へ流入可能なように、前記第1受入開口部(10)に連通しており、該潤滑油供給流路(11)を介して潤滑油が前記第1間隙(12)に供給される軸受装置において、前記潤滑油供給流路(11)は、前記潤滑油の流れに周方向速度成分を付与することにより、その周方向速度成分付与後の前記潤滑油の流れ速度(v)の方向付けをするように形成されている、ことを特徴とする軸受装置。

請求項2

前記潤滑油供給流路(11)は、前記周方向速度成分を付与することにより、その周方向速度成分付与後の前記潤滑油の流れ速度(v)の方向を前記第1回転体(8)の回転方向と同一方向にするように形成されていることを特徴とする請求項1記載の軸受装置。

請求項3

前記潤滑油供給流路(11)は、前記周方向速度成分を付与することにより、その周方向速度成分付与後の前記潤滑油の流れ速度(v)の方向を前記第1回転体(8)の回転方向と反対方向にするように形成されていることを特徴とする請求項1記載の軸受装置。

請求項4

前記流路軸(21)は、少なくとも前記連通口(20)の近傍領域における該流路軸の延在方向が、仮想直交座標系によって前記第1受入開口部(10)の長手方向軸(23)に対する相対方向が規定された前記第1受入開口部(10)の横方向軸(22)と該流路軸(21)の仮想の延長線とが角度(α)を成すような延在方向とされており、当該角度の大きさは、基準角度である90°から少なくとも10°以上偏位した大きさとされていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項記載の軸受装置。

請求項5

前記流路軸(21)は、少なくとも前記連通口(20)の近傍流域における該流路軸の延在部分が、仮想の平行移動によって、前記第1軸受体(9)の第1内周面(14)に対する接線となるように形成されていることを特徴とする請求項4記載の軸受装置。

請求項6

前記第1回転体(8)は、第2回転体(5)を受け入れる第2受入開口部(18)を有しており、前記第1回転体(8)の第2内周面(17)と前記第2回転体(5)の第2外周面(16)との間に第2間隙(15)が画成されており、該第2間隙(15)は、前記第1回転体(8)の貫流開口部(19)を介して該第2間隙(15)に潤滑油が供給されるように形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項記載の軸受装置。

請求項7

少なくとも1つの前記貫流開口部(19)は、該貫流開口部(19)を介して前記第2受入開口部(18)に流入する潤滑油に更なる周方向速度成分を付与するように形成されていることを特徴とする請求項6記載の軸受装置。

請求項8

前記貫流開口部(19)の流路軸(24)を前記第1回転軸心(25)の方へ延長した仮想の延長線が該第1回転軸心(25)との間で交点(P)を持たないように、前記貫流開口部(19)が形成されていることを特徴とする請求項7記載の軸受装置。

請求項9

前記第1回転体(8)に対応する第2軸受体を備えており、該第2軸受体は前記第1軸受体(9)に固定されていることを特徴とする請求項6〜請求項8の何れか1項記載の軸受装置。

請求項10

軸と該軸を回転可能に支持する軸受装置とを備えた排気ガスターボチャージャーにおいて、前記軸受装置(1)は請求項1〜請求項9の何れか1項に記載されたように構成されていることを特徴とする排気ガスターボチャージャー。

技術分野

0001

本発明は、請求項1の前提部分に記載した種類の軸受装置に関し、また、請求項10に記載した種類の排気ガスターボチャージャーに関する。

背景技術

0002

軸受装置は回転する部材を支持する装置であり、その回転する部材は多くの場合、軸である。軸受装置は基本的に、滑り軸受転がり軸受とに分類される。転がり軸受では、内輪が軸や回転体などの回転する部材に固定連結され、内輪と外輪との間に配設されたボールローラなどの転動体を介して支持された外輪が、その軸などを収容しているハウジングに固定連結される。

0003

これに対して滑り軸受は、原理的に、はるかに簡明な構造を有するものである。軸それ自体が軸受体に嵌合しており、その軸受体は多くの場合、中空円筒体として形成されており、その中空円筒体の直径及び長さは、その軸により回転可能とされている回転体に応じて定められ、即ち、その回転体が発生する力の大きさに応じて定められる。また、軸は、軸受体に対して軸心の移動が可能な状態で軸受体に嵌合している。軸心の移動が可能であるのは、軸と軸受体の内周面との間に、間隙画成されているからである。軸受の作動中に軸受体の内周面と軸の外周面とが固体接触して擦れ合うことがないように、この間隙の少なくとも一部分に潤滑油注入されている。軸受体は、この軸受体を受け入れ受入開口部が形成されたハウジングに取付けられることもあり、また、この軸受体それ自体が、ハウジングの一部分として、即ち軸受部として形成されることもある。

0004

以上の単純な構成の滑り軸受に工夫を加えた軸受として、浮動ブッシュ軸受がある。浮動ブッシュ軸受では、軸受体それ自体が、ハウジングに対して軸心の移動が可能な状態でハウジングに支持されており、また回転することも可能とされている。従って、浮動ブッシュ軸受では、軸のみならず軸受体もハウジングに回転可能に装着されている。軸の外周面と軸受体の内周面との間の間隙に潤滑油が流入できるように、例えば軸受体に、この軸受体を貫通する流通孔を形成するなどの手段が採られている。浮動ブッシュ軸受は「半浮動式」軸受と「全浮動式」軸受とに分類される。「半浮動式」軸受では、第1軸受体の中に第1回転体を嵌合し、この第2軸受体(第1回転体)の中に、第2回転体(これは通常は軸である)を回転可能に嵌合している。ただし「半浮動式」軸受では、第1回転体は軸心の移動が可能ではあるものの、回転することは阻止されている。この点が「全浮動式」軸受と異なる点であり、「全浮動式」軸受では、第1軸受体に嵌合している第1回転体も回転が可能とされている。

0005

浮動ブッシュ軸受は特に、軸が高速で回転する機械に用いられており、それは、浮動ブッシュ軸受には潤滑油の過酷な流動緩和できるという利点があるからである。例えば、回転速度が高速になり潤滑油温度が上昇すると、それによって潤滑油の流動に渦流が加わることがあり、これはオイルホワールと呼ばれている。オイルホワールが発生する状況下では軸受の挙動が不安定になるが、これは、油膜が正常な厚さに形成されずに潰れてしまうからである。オイルホワールだけであれば、さほどの問題ではないが、オイルホワールが共振状態に入ると大きな問題となり、これはオイルホイップと呼ばれている。共振状態に入るのは、ホイルホワール周波数と軸受の固有振動周波数とが一致したときである。これらの現象、即ち、オイルホワール現象やオイルホイップ現象が発生すると、固体表面どうしが接触して擦れ合うという、あってはならない事象が発生し、それによって軸受装置が修復不可能な損傷を被るおそれがある。軸受装置の作動中には、オイルホイップ現象に先立ってオイルホワール現象が発生するため、以下の説明ではオイルホワール現象につ
いてのみ詳述する。

0006

オイルホワール現象が発生するおそれを低減するための構成の具体例としては、特許文献1に記載されている実施形態がある。この実施形態では、軸受体の内周面に複数本の溝を形成し、それら溝が、軸の回転方向と反対方向の潤滑油の流れを作り出すことによって、オイルホワール現象を抑制するように、即ち、潤滑油の流動に渦流が加わるのを抑制するようにしている。しかしながら、特許文献1に開示されている発明では、オイルホワール現象を抑制できるのは、軸の外周面と軸受体の内周面との間の間隙に存在する潤滑油に限られる。更に、最近では、エンジンダウンサイジングに伴って排気ガスターボチャージャーの小型化が要求されており、そのため軸受体も小型化せねばならず、そのような小型の軸受体の内周面に複数本の溝を形成するには、特殊な工具を必要とするため、軸受体の製造に手間がかかりコストも嵩むことになる。

先行技術

0007

独国特許出願公開第10 2008 000 853 A1号明細書

発明が解決しようとする課題

0008

従って本発明の目的は、簡明な手段によりオイルホワール現象を低減した軸受装置を提供することにある。本発明のもうひとつの目的は、効率を格段に改善した排気ガスターボチャージャーを提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

上記目的は請求項1に記載した特徴を備えた軸受装置により達成され、また請求項9に記載した特徴を備えた排気ガスターボチャージャーにより達成される。従属請求項は本発明の好適且つ重要な実施形態の特徴を記載したものである。

0010

かかる軸受装置は第1軸受体を備え、また、該第1回転体を受け入れる第1受入開口部を備えており、該第1受入開口部に該第1軸受体が回転可能に嵌合している。前記第1軸受体の第1内周面と前記第1回転体の第1外周面との間に第1間隙が画成されており、前記第1軸受体には流路軸を有する潤滑油供給流路が形成されている。該潤滑油供給流路は、前記第1受入開口部に開口した該潤滑油供給流路の連通口を介して該潤滑油供給流路から前記第1受入開口部へ流入可能なように、前記第1受入開口部に連通しており、該潤滑油供給流路を介して潤滑油が前記第1間隙に供給される。

0011

本発明によれば、前記潤滑油供給流路は、前記潤滑油の流れに周方向速度成分を付与することにより、その周方向速度成分付与後の前記潤滑油の流れ速度方向付けをするように形成されている。そのため、潤滑油が前記第1受入開口部へ流入する時点で既にその潤滑油の流れには前記潤滑油供給流路によって周方向速度成分が付与されており、よって、潤滑油が前記第1受入開口部へ流入する時点で既にその潤滑油の流れは方向付けられている。従来一般的に、潤滑油供給流路は、その流路軸が第1受入開口部の長手方向軸に略々直交するように形成されていた。そのため、潤滑油が第1受入開口部へ流入するときの流れ速度は、その潤滑油供給流路の流路壁から作用する管路抵抗によって生じる速度低下が無視できるものとするならば、その流れ速度の方向が、その潤滑油供給流路の流路軸に沿った方向となっていた。そのため、軸受装置の作動中に、潤滑油は前記第1回転体に略々垂直に突き当たり、そして第1受入開口部の中で第1回転体の回転方向とその反対方向との両方向に分かれて流れていた。従って、少なくとも軸受装置の作動開始の時点では、潤滑油の互いに反対方向に流れる部分どうしが、第1受入開口部の何れかの位置で互いに衝突し、それによってオイルホワール現象が発生するおそれが増大していた。

0012

本発明に係る軸受装置によれば、潤滑油は前記第1受入開口部に流入する時点で既に、その流れ方向が一方向だけとなるように方向付けされている。そのため、互いに反対方向に流れる潤滑油の2つの部分が衝突するという事態が回避される。また、前記潤滑油供給流路の延在方向を適宜に定めることによって、潤滑油の流れ方向を、軸受装置の用途に適合した好適な方向に方向付けることができ、この潤滑油の流れ方向は、軸受摩擦、動作安定性などの軸受特性、それに軸受騒音に影響を及ぼすものである。即ち、前記潤滑油供給流路の延在方向は、前記第1軸受体の回転速度と前記第1回転体の回転速度との間の速度差に影響を及ぼすのである。

0013

本発明に係る軸受装置の1つの実施形態によれば、前記潤滑油供給流路は、前記周方向速度成分を付与することにより、その周方向速度成分付与後の前記潤滑油の流れ速度の方向を前記第1回転体の回転方向と同一方向にするように形成されている。この実施形態の利点は、周方向速度成分付与後の前記潤滑油の流れ速度の方向が、前記第1回転体の回転方向と同一方向に方向付けられることにある。即ち、前記潤滑油の流れ速度の方向と前記第1回転体の回転方向とが同一方向であることによって速度差が小さくなり、そのため軸受摩擦損失が軽減されるのである。

0014

本発明に係る軸受装置の他の実施形態によれば、前記潤滑油供給流路は、前記周方向速度成分を付与することにより、その周方向速度成分付与後の前記潤滑油の流れ速度の方向を前記第1回転体の回転方向と反対方向にするように形成されている。この実施形態の利点は、上述した流れ速度の方向が、前記第1回転体の回転方向と反対方向に方向付けられることにある。特に、回転速度が高速で作動温度高温であるときに、前記第1回転体によってオイルホワール現象が引き起こされても、そのオイルホワール現象は前記潤滑油の2つの部分が互いに反対方向に流れていることによって抑制される。この実施形態の軸受装置は、特に高速で回転する軸に対して用いるのに適したものであり、なぜならば、潤滑油の流れ速度の方向と前記第1回転体の回転方向とが反対方向であることによって速度差が大きくなり、そのため前記第1回転体の回転速度が強力に抑制されるからである。

0015

本発明の更に他の実施形態によれば、前記流路軸は、少なくとも前記連通口の近傍領域における該流路軸の延在方向が、仮想直交座標系によって前記第1受入開口部の長手方向軸に対する相対方向が規定された前記第1受入開口部の横方向軸と該流路軸の仮想の延長線とが角度を成すような延在方向とされている。また、当該角度の大きさは、90°から少なくとも10°以上偏位した大きさとされている。換言するならば、前記周方向速度成分を発生させるためには、前記潤滑油供給流路は、少なくとも前記連通口の近傍領域において前記第1受入開口部の横断面を成す平面の横方向軸に対して傾斜していることを要する。ただし、前記流路軸は、前記潤滑油供給流路の全長に亘って当該角度を維持している必要はなく、所望の周方向速度成分を作り出すには、前記連通口の近傍領域において上述したように形成されているだけで十分である。

0016

前記周方向速度成分を作り出すための特に効果的な実施形態によれば、前記流路軸は、少なくとも前記連通口の近傍流域における該流路軸の延在部分が、仮想の平行移動によって、前記第1軸受体の内周面である第1内周面に対する接線となるように形成されている。

0017

更に他の実施形態によれば、前記回転体は軸を受け入れる第2受入開口部を有しており、前記回転体の第2内周面と前記軸の第2外周面との間に第2間隙が画成されており、該第2間隙は、前記回転体の貫流開口部を介して該第2間隙に潤滑油が供給されるように形成されている。この実施形態によれば、浮動滑り軸受ないし浮動ブッシュ軸受の形態の、特に動作信頼性の高い滑り軸受が構成される。また、例えば不安定性などの動作信頼性欠
如状態や軸受騒音を引き起こす原因となるオイルホワール現象が、回転する前記軸受体の周縁部において抑制される。そのため、極めて滑らかに回転する低騒音の軸受装置が得られる。

0018

動作信頼性を更に高めてより滑らかに回転できるようにした他の実施形態では、少なくとも1つの前記貫流開口部が、該貫流開口部を通って前記第2受入開口部に流入する潤滑油に更なる周方向速度成分を付与するように形成されている。潤滑油に周方向速度成分を付与することによって得られる作用及び利点については、上で説明した通りであり、既に説明したものはここで再説しない。ただし、既に説明した利点に加えて、更なる利点も得られ、それは、この更なる周方向速度成分を付与することによって、前記第2受入開口部におけるオイルホワール現象をも、たとえ完全に抑止できないまでも顕著に緩和できるということである。

0019

上述した更なる周方向成分を付与するためには、前記貫流開口部の流路軸を前記第1回転体の前記回転軸心の方へ延長した仮想の延長線が該回転軸心との間で交点を持たないように、前記貫流開口部を形成することが、特に有利であると判明している。換言するならば、これは、前記貫流開口部の流路軸の延在方向を、該流路軸の仮想の延長線が前記回転軸心との間で交点を形成することのない延在方向にするということであり、これは従来例の構成と相違する点である。前記貫流開口部の流路軸の延在方向をこのように定めることによって、前記貫流開口部を介して前記第2受入開口部に流入する潤滑油に更なる周方向速度成分を付与することができる。この更なる周方向速度成分の方向も、軸受装置の用途に応じて、前記軸の回転方向と同一方向とすることもでき、また、前記軸の回転方向と反対方向とすることもできる。

0020

特に有利な実施形態として、前記第1回転体に対応する第2軸受体を備えており、該第2軸受体は前記第1軸受体に固定されているようにしたものがある。これは、換言するならば、前記第1回転体を、固定することで回転運動できないようにし、もって、第2回転体のための固定軸受体として機能するようにしたものである。この実施形態は特に、周方向速度成分を付与することに加えて更に第2軸受体を固定することにより、第2軸受体の安定化という利点が得られるようにしたものであり、それによって軸受騒音が、たとえ完全に消音されないまでも顕著に低減されるものとなっている。

0021

本発明に係る排気ガスターボチャージャーは、軸と該軸を回転可能に支持する軸受装置とを備えた排気ガスターボチャージャーにおいて、請求項1〜請求項9の何れか1項に記載した特徴を有する軸受装置を備えたものである。これによって排出物質の低減に資する排気ガスターボチャージャーが提供され、なぜならば、軸受の摩擦損失が低減されることで排気ガスターボチャージャーの摩擦損失も低減されるからである。そのため、従来のものと比べて動作効率が顕著に改善した排気ガスターボチャージャーが得られ、ひいては、エンジンと排気ガスターボチャージャーとを含めた全体としての効率が改善される。更には、全体としての効率が向上することによって、同じエンジン出力を得るための燃料消費量が減少し、そのため排気の排出量も減少する。また、更なる利点として、軸受装置の回転が非常に滑らかになるため、排気ガスターボチャージャーからの騒音も軽減されるということがある。

0022

その他の利点並びに好適な実施の形態は、その他の請求項の記載、図面に即した説明、並びに添付図面から理解される通りである。また、図面については以下の通りである。

図面の簡単な説明

0023

従来例の軸受装置の断面図である。
本発明の第1の実施の形態に係る軸受装置の断面図である。
本発明の第2の実施の形態に係る軸受装置の断面図である。
本発明の第3の実施の形態に係る軸受装置の断面図である。
本発明の第4の実施の形態に係る軸受装置の断面図である。
図1に示した軸受装置における第1回転体の断面図である。
図2に示した軸受装置における第1回転体の第1構成例の断面図である。
図2に示した軸受装置における第1回転体の第2構成例の断面図である。

実施例

0024

排気ガスターボチャージャー3の軸受部2に用いられる従来例に係る軸受装置1の構成を図1に示した。排気ガスターボチャージャー3は回転アセンブリ4を備えており、この回転アセンブリ4は、燃焼用の空気を吸入して圧縮する不図示のコンプレッサ羽根車と、排気ガスターボチャージャーが装着されたエンジンの排気を膨張させる不図示のタービン羽根車と、それらコンプレッサ羽根車及びタービン羽根車を一体回転するように連結している軸5とを備えており、この軸5は回転軸心6を有する。また、軸5は排気ガスターボチャージャー3の軸受部2において回転可能に支持されている。以下の説明ではこの軸5を第2回転体5と称する。

0025

エンジンの運転中には、タービン羽根車が回転駆動されており、また、第2回転体5がコンプレッサ羽根車とタービン羽根車とを一体回転するように連結しているため、コンプレッサ羽根車及び第2回転体5も回転駆動されている。

0026

軸受装置1はラジアル軸受7として構成されており、軸受装置1の第1軸受体9に第1回転体8が装着されており、この第1回転体8は、第1軸受体9の受入開口部10に移動可能に嵌合している。第1軸受体9は軸受部2に形成されている。更に、軸受部2は潤滑油供給流路11を備えており、この潤滑油供給流路11を介して潤滑油が受入開口部10に供給される。

0027

第1回転体8がその中に回転可能に嵌合している第1軸受体9とこの第1回転体8との間に、変動可能な第1間隙12が画成されている。第1回転体8の第1外周面13と受入開口部10の第1内周面14との間の摩擦を、潤滑油で低減するようにしてあり、この潤滑油は、潤滑油供給流路11を介して、また、潤滑油供給流路11と第1受入開口部10とを流入可能なように連通させている連通口20を介して、第1受入開口部10に流入するようにしてある。

0028

第1回転体8は、この図に示した従来例の構成ではスリーブ形状に形成されており、第2受入開口部18を備えている。この第1回転体8の中に、更に第2回転体5が回転可能に嵌合しており、そのため、排気ガスターボチャージャー3の作動中は、第2回転体5が回転すると共に、第1回転体8も回転運動を行っている。第2回転体5と第1回転体8との間に、変動可能な第2間隙15が画成されている。排気ガスターボチャージャー3の作動中の、第2回転体5の第2外周面16と第1回転体8の第2内周面17との間の摩擦を低減するために、潤滑油が、第1回転体8に形成されている複数の貫流開口部19を介して第1間隙12から第2間隙15へ流入するようにしてある。

0029

この図に示した従来例の軸受装置1は、浮動ブッシュ軸受として構成されており、浮動ブッシュ軸受は排気ガスターボチャージャーに装備するのに適した軸受である。

0030

本発明に係る軸受装置1は図2に示すように構成されている。潤滑油供給流路11は、潤滑油の流れに周方向速度成分を付与することにより、その周方向成分付与後の潤滑油の流れ速度vの方向付けをするように形成されている。また、付与する周方向速度成分は、周方向成分付与後の流れ速度vの方向を、矢印26で示した第1回転体8の回転方向と同
一方向とするものである。

0031

潤滑油供給流路11の流路軸21は、連通口20の近傍領域におけるこの流路軸21の延在方向が、仮想の直交座標系によって第1受入開口部10の長手方向軸23に対する相対方向が規定された第1受入開口部10の横方向軸22とこの流路軸21の仮想の延長線とが角度αを成すような延在方向とされている。その角度αの大きさは、基準角度である90°から、約−10°〜−45°の角度だけ偏位した大きさとするのがよい。尚、ここでいう角度αとは、横方向軸22と流路軸21の延長線との間に形成される2つの角度のうち、第1受入開口部10の長手方向軸23に近い側の角度である。

0032

流路軸21は、連通口20の近傍領域におけるこの流路軸21の延在部分が、仮想の平行移動によって、第1軸受体9の第1内周面14に対する接線となるように形成されている。他の実施の形態として、図には示さないが、連通口20の近傍領域における流路軸21の延在方向が潤滑油供給流路11の全長に亘って維持されているように、潤滑油供給流路11を形成するのもよい。

0033

また更に他の図示しない実施の形態として、第1回転体8の周方向に等間隔で設ける4個の貫流開口部19を、潤滑油の流れに更なる周方向速度成分を付与するような貫流開口部として形成するのもよい。尚、第1回転体8に設けるそのような貫流開口部19の個数は、3個としてもよく、6個としてもよく、或いはまた、任意の個数のそのような貫流開口部19を設けるようにしてもよい。

0034

貫流開口部19を介して第2受入開口部18に流入する潤滑油の流れに更なる周方向速度成分を付与するために、そのような実施の形態では、貫流開口部19の流路軸24を回転軸心25の方へ延長した仮想の延長線が回転軸心25との間で交点Pを持たないように、それら貫流開口部19を形成する。換言するならば、これは、流路軸24と回転軸心25とが共通の交点Pを持たないようにするということである。これに対して、流路軸24と回転軸心25とが交点Pを形成するような構成では、図6に示したように、貫流開口部19の流路軸24はその仮想の延長線において回転軸心25と交わることになる。かかる構成では、オイルスワール効果に関する一切の利点は得られない。

0035

それゆえ、潤滑油の流れに更なる周方向速度成分を付与するためには、第1回転体8を、図7及び図8に示した構成例のように形成するとよい。貫流開口部19の流路軸24の傾斜方向は、第1回転体8の装着形態に合わせて定められる。

0036

本発明の第2の実施の形態に係る軸受装置は図3に示すように構成されている。この実施の形態において、潤滑油供給流路11は、周方向成分付与後の潤滑油の流れの速度vを生じさせるための周方向速度成分の方向を、第1回転体8の回転方向26と反対方向にするように形成されている。

0037

本発明の第3の実施の形態に係る軸受装置1を図4に示す。軸受部2により形成された第1軸受体9に第1回転体8が回転可能に嵌合している。この実施の形態において、第1回転体8は、タービン羽根車とコンプレッサ羽根車とをそれらが一体回転するように連結する連結部材として形成されている。尚、この第1軸受体9をスリーブ形状の部材として形成し、そのスリーブ形状の部材を、第1間隙12を画成することなく第1受入開口部10に嵌合して固定するようにしてもよい。

0038

本発明の更に他の実施の形態に係る軸受装置1は図5に示すように構成されている。第1回転体8は、第1軸受体9の中にあって固定手段27を介して第1軸受体9に固定されている。従って第1回転体8は回転運動を阻止されている。また、第1外周面13と第1
内周面14との間には、この実施の形態において不変の第1間隙12が画成されている。

0039

潤滑油供給流路11を形成するための加工方法としては、従来から一般的に用いられている加工方法である切削加工を用いるとよく、より具体的には、例えばドリルによる穿孔加工などを用いるとよい。また、本発明に係る軸受装置1を製作するための簡明な方法としては、従来のものと同様の形態の潤滑油供給流路を形成した軸受部2に更なる潤滑油供給流路を形成するようにし、その更なる潤滑油供給流路が、前記従来形態の潤滑油供給流路に対して斜め方向に延在して交わり、そして、連通口20の近傍領域において第1軸受体9の第1内周面14に対する接線をなすように、その更なる潤滑油供給流路を形成する。続いて、それら従来形態の潤滑油供給流路と更なる潤滑油供給流路とが交わる箇所より上流側に位置する更なる潤滑油供給流路の部分を閉塞し、また、その交わる箇所より下流側に位置する従来形態の潤滑油供給流路の部分を閉塞すれば、それによって、本発明に係る軸受装置1の潤滑油供給流路11を形成することができる。

0040

本発明に係る軸受装置1の別の製作方法として、例えば後付け部品を用いて製作するという方法もある。この方法では、潤滑油供給流路11の一部分を軸受部2とは別体の部品で形成する。その一部分とは、潤滑油供給流路11の全体のうちの連通口20の近傍領域の部分であり、少なくともこの部分では、潤滑油供給流路11の流路軸21が、仮想の平行移動によって、第1軸受体9の第1内周面14に対する接線をなす方向に延在している。この別体の部品を軸受部2に後付けすることによって、軸受部2を完成させるようにする。この別体の後付け部品と軸受体9との間のシールは、例えば圧入によって達成することができる。

0041

更に、軸受部2及び/または軸受体9に潤滑油供給流路11を形成するため方法としては、例えば放電加工などの電気化学的加工法を用いることも可能である。

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