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技術 防音床構造及び床の防音方法並びに防音材

出願人 大和ハウス工業株式会社七王工業株式会社
発明者 清水貴史松田貫吉谷公江金泥秀紀細川晃平
出願日 2016年3月15日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2016-051452
公開日 2016年11月10日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2016-191298
状態 特許登録済
技術分野 床の仕上げ
主要キーワード 板状防 偏心部位 短尺部分 質量層 ゴムボール 木質繊維ボード 質量調整 質量体側
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年11月10日)のものです。
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図面 (6)

課題

簡便な構造で重量床衝撃音を低減できる防音床構造を提供する。

解決手段

弾性体を含み、かつ比重が1.5以上である軟質層とこの軟質層の少なくとも一方の面に積層して接合された硬質層とを含む板状防音材1を、床下地材2の表面と対向させて離間させた状態で、連結具3で前記床下地材に拘止する床防音構造を施工する。前記床下地材と前記板状防音材との間に前記連結具を介在させて、前記床下地材のいずれかの面の一部の領域と前記板状防音材の表面の一部の領域とを結合する。前記弾性体はアスファルトであってもよい。前記板状防音材の固有振動数が5〜50Hz程度である。前記硬質層は金属で形成されていてもよい。

概要

背景

従来から、上階からの衝撃音(特に重量床衝撃音)は、床下地材などの躯体固有振動数に依存するため、その対策が困難とされている。対策としては、床下地上グラスウールなどの絶縁材料施工し、さらにその上にコンクリートなどの重量物を施工する湿式浮床構造が知られている。しかし、湿式浮床構造でも、重量床衝撃音に対する防音性は十分ではない。一方、床衝撃音に対して、自身の振動により振動を吸収して減衰するダイナミックダンパー動吸振器)を床下地材に取り付ける方法も提案されている。

特開2001−49781号公報(特許文献1)には、対向する床梁に複数の床根太が差し渡されて取り付けられ、この床根太の上に床材が取り付けられた床構造において、前記床根太の側面に取付具が取り付けられ、この取付具にダンパーを介して吊り下げられている床構造が開示されている。この文献には、床根太が振動すると、取付具やダンパーを通って錘が振動するとともに、この錘の振動がダンパーや取付具を通って床根太を振動させることにより、振動が減衰されると記載されている。前記ダンパーとしては、ゴム板及び金属板で形成された密封容器に、シリコーンオイル潤滑油植物油などの粘稠液体充填したダンパーが記載されている。

しかし、このダンパーは、構造が複雑であり、生産性が低い上に、床構造における施工性も低い。

特開2010−159553号公報(特許文献2)には、野縁受けに水平方向に張り出した状態で装着された重量床衝撃音低減用ダイナミックダンパーを備えた天井構造が開示されている。前記ダイナミックダンパーとしては、略直方体状に形成された質量体と、この質量体よりも一回り小さな略直方体状に形成された弾性体とを備えたダイナミックダンパーが記載されており、前記弾性体における質量体側とは反対側の側面に野縁受けに装着するための装着板が取り付けられている。

しかし、この文献には、弾性体及び質量体の詳細は記載されていない。

一方、弾性を有する防音材として、アスファルトに対し無機粉体を60重量%以上混合したアスファルト系防音材が知られており、一般的に自動車や住宅で制振遮音材として使用されている。この防音材では、粘弾性富むアスファルトと無機粉体の界面での振動エネルギー熱エネルギーに変換され制振されるとともに、高配合の無機粉体が質量効果発現する。しかし、無機粉体が高配合で添加されているため、非常に脆く、ダイナミックダンパーとしては利用されていない。

概要

簡便な構造で重量床衝撃音を低減できる防音床構造を提供する。弾性体を含み、かつ比重が1.5以上である軟質層とこの軟質層の少なくとも一方の面に積層して接合された硬質層とを含む板状防音材1を、床下地材2の表面と対向させて離間させた状態で、連結具3で前記床下地材に拘止する床防音構造を施工する。前記床下地材と前記板状防音材との間に前記連結具を介在させて、前記床下地材のいずれかの面の一部の領域と前記板状防音材の表面の一部の領域とを結合する。前記弾性体はアスファルトであってもよい。前記板状防音材の固有振動数が5〜50Hz程度である。前記硬質層は金属で形成されていてもよい。

目的

本発明の目的は、簡便な構造で重量床衝撃音を低減できる防音床構造及び床の防音方法並びにこれらの構造や方法に用いる防音材を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

床下地材と、この床下地材の表面と対向させて離間した状態で連結具により拘止された板状防音材と、前記床下地材と前記板状防音材との間に介在し、かつ前記床下地材のいずれかの面の一部の領域と前記板状防音材の表面の一部の領域とを結合した前記連結具とを含む防音床構造であって、前記板状防音材が、弾性体を含み、かつ比重が1.5以上である軟質層とこの軟質層の少なくとも一方の面に積層して接合された硬質層とを含む防音床構造。

請求項2

板状防音材が、軟質層とこの軟質層の両面に積層して接合された硬質層との積層体である請求項1記載の防音床構造。

請求項3

板状防音材において、連結具と結合する領域の面積割合が、表面全体に対して50%以下である請求項1又は2記載の防音床構造。

請求項4

弾性体がアスファルトである請求項1〜3のいずれかに記載の防音床構造。

請求項5

板状防音材の固有振動数が5〜50Hzである請求項1〜4のいずれかに記載の防音床構造。

請求項6

硬質層が金属で形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の防音床構造。

請求項7

軟質層の平均厚みが1〜15mmであり、かつ硬質層の平均厚みに対して1〜20倍である請求項1〜6のいずれかに記載の防音床構造。

請求項8

床下地材の表面と板状防音材との間の隙間が10〜50mmである請求項1〜7のいずれかに記載の防音床構造。

請求項9

軟質層と硬質層とが接着層を介して接合されている請求項1〜8のいずれかに記載の防音床構造。

請求項10

弾性体を含み、かつ比重が1.5以上である軟質層とこの軟質層の少なくとも一方の面に積層して接合された硬質層とを含む板状防音材を、床下地材の表面と対向させて離間した状態で、連結具で前記床下地材に拘止する床の防音方法であって、前記床下地材と前記板状防音材との間に前記連結具を介在させて、前記床下地材のいずれかの面の一部の領域と前記板状防音材の表面の一部の領域とを結合する防音方法。

請求項11

防音材のサイズ及び/又は厚みを調整することにより防音する振動周波域を制御する請求項10記載の防音方法。

請求項12

連結具の結合位置を調整することにより防音する振動の周波域を制御する請求項10又は11記載の防音方法。

請求項13

防音材の一部の領域に質量を負荷するための質量調整層を積層することにより防音する振動の周波域を制御する請求項10〜12のいずれかに記載の防音方法。

請求項14

重量床衝撃音を低減する請求項10〜13のいずれかに記載の防音方法。

請求項15

床下地材の表面と対向させて離間した状態で連結具により床下地材に拘止するための板状防音材であって、弾性体を含み、かつ比重が1.5以上である軟質層とこの軟質層の少なくとも一方の面に積層して接合された硬質層とを含む板状防音材。

技術分野

0001

本発明は、複数階建て建築物多層階建築物)における上階からの重量床衝撃音などを低減できる防音床構造及び床の防音方法並びにこれらの構造や方法に用いる防音材に関する。

背景技術

0002

従来から、上階からの衝撃音(特に重量床衝撃音)は、床下地材などの躯体固有振動数に依存するため、その対策が困難とされている。対策としては、床下地上グラスウールなどの絶縁材料施工し、さらにその上にコンクリートなどの重量物を施工する湿式浮床構造が知られている。しかし、湿式浮床構造でも、重量床衝撃音に対する防音性は十分ではない。一方、床衝撃音に対して、自身の振動により振動を吸収して減衰するダイナミックダンパー動吸振器)を床下地材に取り付ける方法も提案されている。

0003

特開2001−49781号公報(特許文献1)には、対向する床梁に複数の床根太が差し渡されて取り付けられ、この床根太の上に床材が取り付けられた床構造において、前記床根太の側面に取付具が取り付けられ、この取付具にダンパーを介して吊り下げられている床構造が開示されている。この文献には、床根太が振動すると、取付具やダンパーを通って錘が振動するとともに、この錘の振動がダンパーや取付具を通って床根太を振動させることにより、振動が減衰されると記載されている。前記ダンパーとしては、ゴム板及び金属板で形成された密封容器に、シリコーンオイル潤滑油植物油などの粘稠液体充填したダンパーが記載されている。

0004

しかし、このダンパーは、構造が複雑であり、生産性が低い上に、床構造における施工性も低い。

0005

特開2010−159553号公報(特許文献2)には、野縁受けに水平方向に張り出した状態で装着された重量床衝撃音低減用ダイナミックダンパーを備えた天井構造が開示されている。前記ダイナミックダンパーとしては、略直方体状に形成された質量体と、この質量体よりも一回り小さな略直方体状に形成された弾性体とを備えたダイナミックダンパーが記載されており、前記弾性体における質量体側とは反対側の側面に野縁受けに装着するための装着板が取り付けられている。

0006

しかし、この文献には、弾性体及び質量体の詳細は記載されていない。

0007

一方、弾性を有する防音材として、アスファルトに対し無機粉体を60重量%以上混合したアスファルト系防音材が知られており、一般的に自動車や住宅で制振遮音材として使用されている。この防音材では、粘弾性富むアスファルトと無機粉体の界面での振動エネルギー熱エネルギーに変換され制振されるとともに、高配合の無機粉体が質量効果発現する。しかし、無機粉体が高配合で添加されているため、非常に脆く、ダイナミックダンパーとしては利用されていない。

先行技術

0008

特開2001−49781号公報(特許請求の範囲、段落[0015][0016]、図12)
特開2010−159553号公報(特許請求の範囲、段落[0030]、図1〜2、4及び6)

発明が解決しようとする課題

0009

従って、本発明の目的は、簡便な構造で重量床衝撃音を低減できる防音床構造及び床の防音方法並びにこれらの構造や方法に用いる防音材を提供することにある。

0010

本発明の他の目的は、施工性に優れ、複数階建ての建築物における上階からの重量床衝撃音を低減できる防音床構造及び床の防音方法並びにこれらの構造や方法に用いる防音材を提供することにある。

課題を解決するための手段

0011

本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、弾性体を含む高比重軟質層とこの軟質層の少なくとも一方の面に積層して接合された硬質層とを含む板状防音材を、床下地材の表面と対向させて離間した状態で連結具により前記床下地材に部分的に拘止することにより、簡便な構造で重量床衝撃音を低減できることを見出し、本発明を完成した。

0012

本発明の防音床構造は、床下地材と、この床下地材の表面と対向させて離間した状態で連結具により拘止(又は止着又は固定)された板状防音材と、前記床下地材と前記板状防音材との間に介在し、かつ前記床下地材のいずれかの面の一部の領域と前記板状防音材の表面の一部の領域とを結合した前記連結具とを含む防音床構造であって、前記板状防音材が、弾性体を含み、かつ比重が1.5以上である軟質層とこの軟質層の少なくとも一方の面に積層して接合(一体化又は固定)された硬質層とを含む。前記板状防音材は、軟質層とこの軟質層の両面に積層して接合された硬質層との積層体であってもよい。前記板状防音材において、連結具と結合する領域の面積割合は、表面全体に対して50%以下であってもよい。前記弾性体はアスファルトであってもよい。前記板状防音材の固有振動数は5〜50Hz程度である。前記硬質層は金属で形成されていてもよい。前記軟質層の平均厚みは1〜15mm程度である。前記軟質層の平均厚みは、前記硬質層の平均厚みに対して1〜20倍程度である。前記床下地材の表面と板状防音材との間の隙間は10〜50mm程度である。前記軟質層と硬質層とは接着層を介して接合されていてもよい。

0013

本発明には、弾性体を含み、かつ比重が1.5以上である軟質層とこの軟質層の少なくとも一方の面に積層して接合された硬質層とを含む板状防音材を、床下地材の表面と対向させて離間した状態で、連結具で前記床下地材に拘止する床の防音方法であって、前記床下地材と前記板状防音材との間に前記連結具を介在させて、前記床下地材のいずれかの面の一部の領域と前記板状防音材の表面の一部の領域とを結合する防音方法も含まれる。本発明の防音方法は、前記防音材のサイズ及び/又は厚みを調整したり、連結具の結合位置を調整することにより、防音する振動の周波域を制御してもよい。また、前記防音材の一部の領域に質量を負荷するための質量調整層を積層することにより防音する振動の周波域を制御してもよい。本発明の防音方法は、重量床衝撃音の低減に適している。

0014

本発明には、床下地材の表面と対向させて離間した状態で連結具により床下地材に拘止するための板状防音材であって、弾性体を含み、かつ比重が1.5以上である軟質層とこの軟質層の少なくとも一方の面に積層して接合された硬質層とを含む板状防音材も含まれる。

発明の効果

0015

本発明では、弾性体を含む高比重の軟質層とこの軟質層の少なくとも一方の面に積層して接合された硬質層とを含む板状防音材が、床下地材の表面と対向させて離間した状態で、連結具で前記床下地材に部分的に拘止されているため、簡便な構造で重量床衝撃音を低減(減衰)できる。そのため、施工性に優れ、複数階建ての建築物における上階からの重量床衝撃音の低減に有効である。

図面の簡単な説明

0016

図1は、防音床構造の一例を示す概略断面図である。
図2は、図1の防音床構造を構成する防音材の概略断面図である。
図3は、本発明の防音材の他の例を示す概略断面図である。
図4は、防音床構造の他の例を示す概略断面図である。
図5は、防音床構造のさらに他の例を示す概略断面図である。

0017

[防音床構造]
以下、本発明の防音床構造について、必要に応じて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の防音床構造の一例を示す概略断面図である。この防音床構造では、板状防音材1と床下地材2とが、前記板状防音材の板面と前記床下地材の表面(下側)とを対向させて離間した状態で、連結具3により部分的に固定されている。詳しくは、板状防音材1の面形状は長方形状であり、この図は板状防音材1の長手方向における厚み方向(重力方向)の断面図であるが、床下地材2の表面と板状防音材1の板面とが略平行に離間した状態で、柱状の連結具3により板状防音材1の略中央部を床下地材2と連結することにより拘止(拘束されて固定)されている。

0018

(1)板状防音材
図2は、図1の防音床構造を構成する防音材の概略断面図である。この板状防音材1は、弾性体を含み、かつ比重が1.5以上である軟質層1aとこの軟質層1aの両面に積層して接合された第1及び第2の硬質層1b1,1b2とで形成された三層の積層構造を有している。そのため、板状防音材1は、所定の可撓性を有しており、図1に示すように、前記連結具3で部分的に固定されることにより、連結具での固定箇所(連結部)を支点として、非連結部が伝播された床衝撃音(床下地材の振動)により運動(振動)可能な特性を有している。すなわち、本発明では、床下地材から連結具を介して板状防音材に伝播された床衝撃音を、板状防音材固有の制振効果により低減できるだけでなく、板状防音材自身が振動して減衰(吸収)することにより床衝撃音を低減できる。

0019

図3は、本発明の防音材の他の例を示す概略断面図である。この例では、板状防音材11は、弾性体を含み、かつ比重が1.5以上である軟質層11aとこの軟質層11aの一方の面(上側の面)に積層して接合された硬質層11bとで形成された二層の積層構造を有している。

0020

板状防音材の形状は、板状であれば特に限定されず、例えば、長方形正方形などの多角形状、円形状、楕円形状、多葉又は星形状などが挙げられる。これらのうち、連結具での固定により可撓性を付与し易く、目的の固有振動数を調整し易い点から、長方形状、四葉形状十字形状)が好ましい。例えば、長方形状であれば、連結具との連結位置偏心させることにより、異なる固有振動数を容易に付与でき、四葉形状(十字形状)の場合も、各葉部の長さを変えることにより、異なる固有振動数を容易に付与できる。

0021

板状防音材の面形状のサイズ(長方形などの異方形状の場合、長径短径との平均径)は、100mm以上程度であり、例えば100〜2000mm、好ましくは200〜1000mm、さらに好ましくは300〜800mm(特に400〜600mm)程度である。サイズが小さすぎると、防音性が低下する虞がある。

0022

特に、長方形状の場合、長径と短径とのアスペクト比(長径/短径)は1.5以上であってもよく、例えば1.5〜10、好ましくは2〜8、さらに好ましくは3〜6程度である。アスペクト比が小さすぎると、長方形状に調整する効果が低減する虞がある。

0023

板状防音材において、連結具と結合する領域(連結領域又は連結部)の面積割合は、表面全体に対して50%以下であってもよく、例えば1〜50%、好ましくは2〜40%、さらに好ましくは3〜30%程度である。連結領域の大きさが大きすぎると、板状防音材の可撓性が低下し、床衝撃音の低減効果が小さくなったり、目的の周波域の振動を減衰するのが困難となる虞があり、逆に小さすぎると、床下地材に板状防音材を強固に固定(拘止)するのが困難となる虞がある。

0024

連結具との結合部(連結部)の形態は、連結方法に応じて適宜選択でき、例えば、ビスボルトナットとの組み合わせなどを用いて固定する場合、連結孔部を有していてもよい。連結孔部は1以上であればよく、例えば1〜10、好ましくは2〜8、さらに好ましくは3〜6程度である。

0025

連結部の位置(連結位置)は、略中央部に限定されず、後述するように、板状防音材のサイズ(詳しくは、非連結部のサイズ)は板状防音材の固有振動数と相関するため、目的とする固有振動数に応じて、中央部からずれた位置に偏心させてもよい。

0026

図4は、連結位置を偏心させた本発明の防音床構造の他の例を示す概略断面図である。この例では、床下地材22の下側に連結具23を介して拘止された板状防音材21を備えた防音床構造において、連結具23は略中央部から右側にずれた位置で板状防音材21と床下地材22とを連結しているため、板状防音材21は、連結具23より左側の長尺部分では低い固有振動数を有し、右側の短尺部分では高い固有振動数を有する。

0027

連結部の数も、1箇所に限定されず、例えば1〜10箇所、好ましくは1〜5箇所、さらに好ましくは1〜4箇所程度である。例えば、面形状が長方形状である板状防音材に複数の連結部を形成する場合、長さ方向の中央部において、幅方向に延びる軸線に沿って等間隔で連結部を形成してもよい。

0028

さらに、端部に連結部を形成してもよく、面形状が長方形状である板状防音材の場合、例えば、長さ方向の一方の端部において、幅方向の中央部に連結部を形成するとともに、長さ方向の中央部や途中部において、幅方向の中央部に連結部を形成してもよい。また、板状防音材の可撓性が損なわれなければ、面形状が長方形状である板状防音材の対向する端部(両端部)に連結部を形成してもよい。このような板状防音材の両端部に連結部を形成する態様としては、例えば、長さ方向の一方の端部において、幅方向の中央部に連結部を形成するとともに、長さ方向の他方の端部において、幅方向の中央部に連結部を形成する態様や、長さ方向の一方の端部において、幅方向に延びる軸線に沿って等間隔で連結部を形成するとともに、長さ方向の他方の端部において、幅方向に延びる軸線に沿って等間隔で連結部を形成する態様などが挙げられる。

0029

板状防音材の配設位置は、床下地材の下側(階下天井部など)に限定されず、例えば、乾式二重床などの床下地材の上側に空間を有する場合、床下地材の上側に配設してもよい。

0030

図5は、板状防音材を床下地材の上側に配設した防音床構造のさらに他の例を示す概略断面図である。詳しくは、この構造は、乾式二重床であり、床下地材の32の上に支持脚35を介して床仕上げ材34が敷設されており、床下地材32と床仕上げ材34との間に空間が形成されている。この乾式二重床では、前記空隙(床下地材の上側)に板状防音材31を配設しており、詳しくは、板状防音材31と床下地材32とが、前記板状防音材の板面と前記床下地材の表面(上側)とを対向させて離間した状態で、連結具33により部分的に固定されている。

0031

さらに、いずれの側に配設しても、床下地材と板状防音材とは、床衝撃音が伝播された防音材が振動可能な隙間(空間又はスペース)で離間して配設されているのが好ましい。床下地材の表面と板状防音材との間の隙間は10mm以上であってもよく、例えば10〜50mm、好ましくは12〜45mm、さらに好ましくは15〜40mm(特に20〜35mm)程度である。隙間が小さすぎると、振幅のためのスペースの確保が困難となる虞がある。なお、床下地材の表面に対する板状防音材の配向方向は、前記隙間を確保できれば、特に限定されないが、取付の安定性や隙間を確保し易い点から、通常、板状防音材の板面と床下地材の表面とを略平行にして配設される。

0032

板状防音材の厚み(平均厚み)は、例えば1〜20mm、好ましくは3〜18mm、さらに好ましくは5〜15mm(特に8〜12mm)程度である。厚みが薄すぎると、防音性が低下する虞があり、厚すぎると、取り扱い性や施工性が低下する虞がある。

0033

(1a)軟質層
軟質層の比重は1.5以上(例えば1.5〜4)であり、例えば2〜4、好ましくは2.2〜3.6、さらに好ましくは2.3〜3.5(特に2.5〜3.4)程度である。比重が小さすぎると、板状防音材の重量床衝撃音に対する防音性が低下する虞がある。

0034

軟質層は、適度な弾性を有しており、ヤング率が1GPa未満であってもよく、例えば0.01〜0.9GPa、好ましくは0.02〜0.5GPa、さらに好ましくは0.03〜0.3GPa(特に0.05〜0.2GPa)程度である。ヤング率が大きすぎると、硬くなり過ぎて、防音性が低下する虞がある。

0035

本明細書及び特許請求の範囲では、ヤング率は、JIS K7171「プラスチック曲げ特性の求め方」に準じて、曲げ弾性率を求め、この値をヤング率とする。

0036

軟質層は、前記ヤング率を有する弾性体を含んでいればよいが、比重を大きくして防音性を向上できる点から、弾性体としてのバインダー成分に加えて、フィラーを含むのが好ましい。

0037

バインダー成分としては、例えば、アスファルトなどの瀝青質物質合成樹脂ゴムエラストマーなどが挙げられる。これらのバインダー成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。バインダー成分が制振効果を発現するためには、通常、単位面積当たりの質量が4kg/m2以上であるのが好ましく、このような高比重かつ高密度を有し、重量床衝撃音の低減効果が大きい点から、バインダー成分は、アスファルトを含有するのが好ましい。アスファルトとしては、特に限定されず、一般的なアスファルト、例えば、天然アスファルトストレートアスファルトブローンアスファルトなどの石油アスファルトなどが使用できる。これらのアスファルトは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。

0038

さらに、バインダー成分は、軟質層に可撓性を付与するために、アスファルトに加えて、軟質樹脂又はエラストマー成分を含んでいてもよい。軟質樹脂又はエラストマー成分としては、例えば、ポリオレフィンビニル系重合体ポリ塩化ビニルエチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体など)、ポリアミドポリエステル合成ゴムポリブタジエンポリイソプレンスチレンブタジエン共重合体など)、天然ゴムロジン系樹脂天然ロジン変性ロジンなど)などが挙げられる。これらの軟質樹脂又はエラストマー成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの軟質樹脂又はエラストマー成分のうち、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などのスチレン−ジエン系共重合体が好ましい。

0039

軟質層において、軟質樹脂又はエラストマー成分の割合は、アスファルト100重量部に対して、例えば0〜100重量部、好ましくは1〜80重量部、さらに好ましくは3〜50重量部程度である。

0041

これらのフィラー(特に無機フィラー)は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの無機フィラーのうち、鉄粒子、各種酸化鉄粒子製鋼スラグ粒子、(重)炭酸カルシウム粒子などが好ましい。

0042

フィラー(特に無機フィラー)の形状は、粒子状又は粉末状、不定形状、繊維状などが挙げられるが、粒子状又は粉末状が好ましい。無機フィラーの平均粒径は、例えば0.5mm以下(例えば、0.01〜0.5mm)、好ましくは0.2mm以下(例えば、0.05〜0.2mm)程度である。このように微粉末化されたフィラーを使用すると、制振材を製造する際の成形加工性を改善し、アスファルト基材中に多量のフィラーを均一に分散配合することができるため、制振材の面密度及び感熱安定性を向上できる。

0043

フィラー(特に無機フィラー)の割合は、バインダー成分(特にアスファルト)100重量部に対して、例えば100〜2000重量部、好ましくは200〜1800重量部、さらに好ましくは300〜1500重量部程度である。フィラーの量が少なすぎると制振遮音効果が低下し、逆に多すぎると全体が脆くなり成形が困難となり、作業性が低下する。フィラーの量は軟質層の面密度が4kg/m2以上(特に8kg/m2以上)となるように調整するのが好ましい。

0044

軟質層がアスファルトを含む場合、取り扱い性などの点から、軟質層は、アスファルトを含む粘弾層とこの粘弾層の少なくとも一方の面(特に両面)に積層された繊維層とで形成された積層体であってもよい。

0045

繊維層は、繊維集合体を含んでいればよいが、通常、繊維集合体で形成された布帛である。布帛としては、例えば、織布、編布ネット、紙、不織布などが挙げられる。これらのうち、生産性や制振層との密着性などの点から不織布が好ましい。

0047

これらの繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの繊維のうち、綿やレーヨンなどのセルロース系繊維ポリエチレン繊維ポリプロピレン繊維などのポリオレフィン繊維ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル繊維、ポリアミド6繊維などのポリアミド繊維などが汎用され、強度などの点から、ポリプロピレン系繊維、ポリエステル系繊維(特にポリエステル系繊維)が好ましい。

0048

繊維の平均繊度は0.1デニール以上程度であり、例えば0.1〜5デニール、好ましくは0.2〜4デニール、さらに好ましくは0.5〜3デニール程度であってもよい。繊度が小さすぎると、強度が低下する虞がある。

0049

繊維の平均繊維長は、例えば10〜150mm、好ましくは20〜80mm、さらに好ましくは30〜60mm程度であってもよく、スパンボンドメルトブローフラッシュ紡糸法などの直接紡糸法では、無限長であってもよい。強度などの点から、不織布としては、長繊維不織布が好ましい。

0050

不織布の目付は10g/m2以上(例えば10〜500g/m2程度)であってもよく、例えば10〜100g/m2、好ましくは20〜80g/m2、さらに好ましくは25〜60g/m2(特に30〜50g/m2)程度である。目付が小さすぎると、繊維層を設けても、アスファルトを含む粘弾層の取り扱い性の向上効果が小さくなる虞がある。

0051

不織布は、慣用の方法、例えば、前記繊維を含むウェブの形成工程と、ウェブの接着工程とを経て調製でき、具体的には、スパンボンド、メルトブロー、フラッシュ紡糸ケミカルボンドサーマルボンド熱エンボス加工スパンレースニードルパンチステッチボンド法などにより調製できる。これらのうち、強度などの点から、スパンボンド法が好ましい。特に、不織布は、ポリエステルスパンボンド不織布であってもよい。

0052

繊維層(両面に積層する場合、各層)の厚み(平均厚み)は0.05mm以上であってもよく、例えば0.1〜1mm、好ましくは0.15〜0.7mm、さらに好ましくは0.2〜0.5mm程度である。繊維層の厚みが薄すぎると、粘弾層の取り扱い性が低下する虞がある。

0053

軟質層は、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、安定剤(銅化合物などの熱安定剤紫外線吸収剤光安定剤酸化防止剤など)、充填剤微粒子など)、増粘剤発泡剤難燃剤可塑剤帯電防止剤着色剤界面活性剤分散剤潤滑剤、結晶化速度遅延剤滑剤抗菌剤防虫剤防蟻剤防ダニ剤など)、防腐剤防カビ剤など)、つや消し剤蓄熱剤香料蛍光増白剤湿潤剤などが例示できる。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。添加剤の割合は、軟質層全体に対して50質量%以下、好ましくは0.01〜30質量%、さらに好ましくは0.1〜10質量%程度である。

0054

軟質層の製造方法は、特に限定されず、例えば、アスファルトを含む粘弾層は、アスファルトとフィラー(特に無機フィラー)とを加熱混合し、板状に成形する方法などが挙げられる。軟質樹脂又はエラストマー成分を配合する場合は、アスファルトと軟質樹脂又はエラストマー成分を予め混合した混合物にフィラー(特に無機フィラー)を添加してもよい。繊維層を積層する場合は、溶融状態の粘弾層の上に繊維層を積層してもよい。

0055

軟質層の厚み(平均厚み)は、例えば1〜15mm、好ましくは2〜12mm、さらに好ましくは3〜10mm(特に3.5〜9mm)程度である。さらに、軟質層の厚み(平均厚み)は、硬質層(軟質層の両面に硬質層が積層する場合、各層の厚み)の厚み(平均厚み)に対して1〜20倍、好ましくは2〜15倍、さらに好ましくは3〜10倍(特に5〜8倍)程度である。軟質層の厚みが薄すぎると、防音性が低下する虞があり、厚すぎると、取り扱い性や施工性が低下する虞がある。

0056

(1b)硬質層
硬質層は、前記軟質層よりも硬質であればよく、ヤング率は1GPa以上であってもよく、例えば1〜210GPa、好ましくは10〜200GPa、さらに好ましくは50〜190GPa(特に100〜180GPa)程度である。ヤング率が小さすぎると、強度が低下して軟質層を強固に支持できなくなるため、防音性が低下する虞がある。

0057

硬質層は、前記ヤング率を有する硬質材料で形成されていればよく、通常、金属、石膏ガラスセラミック炭素材などの無機材料、プラスチック、木質材料などの有機材料で形成されている。これらのうち、強度や取り扱い性に優れる点から、金属、プラスチック、木質材料が汎用される。

0058

金属としては、材質は特に限定されないが、例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、銅、クロムなどが挙げられる。金属は、前記金属単体であってもよく、前記金属の合金(例えば、ステンレス、鋼など)であってもよい。さらに、金属の表面は、防錆処理のために、亜鉛メッキなどのメッキ処理が施されていてもよい。これらのうち、鉄を含む金属が汎用され、メッキ処理された鉄が好ましい。

0059

プラスチックとしては、慣用の硬質プラスチック、例えば、(メタアクリル系樹脂ポリプロピレン系樹脂硬質塩化ビニル系樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタールなどが挙げられる。これらのプラスチックのうち、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂などが汎用される。

0060

木質材料としては、例えば、無垢材合板(積層木質ボード)、木質繊維ボードMDFパーティクルボード配向性ストランドボードインシュレーションボードなど)などが挙げられる。

0061

これらのうち、強度及び質量が大きく、軟質層の支持力及び防音性を向上できる点から、鉄などの金属が好ましい。

0062

硬質層の厚み(平均厚み)は0.1〜5mm(特に0.2〜3mm)程度の範囲から選択できるが、硬質層が金属で形成されている場合、好ましくは0.2〜1.2mm、さらに好ましくは0.3〜1mm程度であり、硬質層がプラスチックで形成されている場合、好ましくは0.5〜2mm、さらに好ましくは0.7〜1.5mm程度である。硬質層の厚みが薄すぎると、防音性が低下し、かつ軟質層を支持する強度が不足する虞があり、厚すぎると、取り扱い性や施工性が低下する虞がある。

0063

硬質層は、軟質層の両面に積層されている態様に限定されず、軟質層の少なくとも一方の面に積層されていてもよい。硬質層を軟質層の一方の面に積層する場合、硬質層はいずれの側に積層してもよいが、軟質層に対して高い張力を作用でき、防音性を向上できる点から、硬質層を上側に配設するのが好ましい。これらのうち、防音性を向上でき、かつ連結具での固定が容易な点から、軟質層の両面に硬質層を形成するのが特に好ましい。

0064

硬質層と軟質層とは、板状防音材に床衝撃音が伝播したとき、硬質層と軟質層とが一体となって振動できる程度に接合されている。両層の接合は、両層を一体化できれば、特に限定されず、慣用の方法、例えば、接着剤又は粘着剤を用いて接合する方法、、ビス、ボルト、クリップなどの係合手段(固定具)を用いて接合する方法などが挙げられる。これらの方法のうち、簡便な方法で接合できる点から、接着剤を用いて硬質層と軟質層との間に接着層を介在するのが好ましい。

0065

接着剤としては、慣用の接着剤、例えば、エポキシ系接着剤ウレタン系接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤などを利用できる。これらのうち、接着性などの点から、エポキシ系接着剤(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂硬化剤とを含む二液硬化型エポキシ樹脂など)が好ましい。なお、接着剤は、軟質層の弾性体を溶解する溶媒を含まない接着剤が好ましい。

0066

接着層の厚み(平均厚み)は、例えば1〜2000μm、好ましくは15〜1000μm、さらに好ましくは50〜500μm(特に100〜300μm)程度である。接着層の厚みが薄すぎると、接着力が低下し、振動中に軟質層と硬質層とが剥離する虞がある。

0067

(1c)質量調整層
板状防音材は、表面の一部の領域(前記軟質層及び/又は前記硬質層の一部の領域)に、質量を負荷するための質量調整層(質量層)をさらに積層してもよい。質量調整層を積層して板状防音材における一部の領域の質量を増加させることにより、板状防音材の固有振動数を調整できる。

0068

質量調整層の積層位置(箇所又は領域)は、連結部の連結位置に応じて適宜選択でき、連結部が板状防音材の途中部(例えば、略中央部)に形成されている場合には、少なくとも一方の端部(特に両端部)に質量調整層を積層してもよく、連結部が両端部に形成されている場合には、途中部(例えば、略中央部)に形成してもよい。

0069

質量調整層の質量割合(複数の質量調整層を積層する場合は総質量)は、目的とする固有振動数に応じて適宜選択でき、板状防音材100質量部に対して、例えば1〜100質量部、好ましくは3〜50質量部、さらに好ましくは5〜30質量部程度の範囲から選択できる。

0070

質量調整層を積層する領域の面積割合(複数の質量調整層を積層する場合は総面積)は、目的とする固有振動数や質量に応じて適宜選択でき、板状防音材の表面全体(積層する側の板面全体)に対して、例えば1〜50%、好ましくは5〜30%、さらに好ましくは10〜20%程度である。

0071

質量調整層の材質としては、板状防音材の一部の領域に所定の質量を付与できれば、特に限定されないが、例えば、前記軟質層又は硬質層(特に軟質層)で例示された材質などが挙げられる。質量調整層は、簡便性の点から、軟質層を切断加工した層であってもよい。

0072

質量調整層と軟質層又は硬質層との接合方法は、好ましい態様を含め、軟質層と硬質層との接合方法と同一である。

0073

(2)床下地材
床下地材としては、建築物の種類に応じて、各種の床下地材を利用できる。床下地材としては、例えば、鉄筋コンクリートの建築物におけるコンクリートスラブや軽量発泡気泡)コンクリート(オートクレーブ養生された軽量気泡コンクリートであるALCコンクリートなど)、デッキコンクリート、プレキャストコンクリートなどであってもよく、一般的な木造住宅で使用される木造床などが挙げられる。さらに、床下地材は、コンクリートスラブや木造床の上に、さらに畳床プラスチック板、合板、木質系ボード、紙、織布又は不織布シート無機質ボード石膏ボード珪酸カルシウム板など)、金属板などが積層されていてもよい。耐火性能を考慮した場合、石膏ボードを用いるのが好ましい。

0074

(3)連結具
連結具は、床下地材と板状防音材との間に介在し、かつ前記床下地材のいずれかの面の一部の領域と前記板状防音材の表面の一部の領域とを結合(連結)することにより、床下地材と板状防音材とを拘止(又は止着又は固定)できれば、特に限定されず、床下地材、板状防音材の材質などに応じて、慣用の連結具を利用できる。

0075

連結具の材質は、板状防音材を床下地材に強固に固定でき、かつ床衝撃音(床下地材の振動)を板状防音材に伝播できればよく、例えば、前記硬質層の項で例示された硬質材料を利用できるが、合板などの木質材料や金属が汎用され、強度及び剛性が大きい点から、鉄を含む金属が好ましい。

0076

連結具を用いた連結方法としては、例えば、板状防音材に連結孔部を形成し、連結孔部を利用して慣用の連結具(ボルト・ナット機構などを備えた連結構造を有する連結具や、ビスなど)で固定する方法であってもよく、板状防音材や床下地材の表面が金属で形成されている場合、金属で形成された連結具(金属柱など)と溶接により固定する方法などであってもよい。

0077

連結具による連結位置は、前述のように、板状防音材の可撓性を維持できれば、特に限定されず、板状防音材の中央部、中央部からずれた部位(偏心部位)、両端部などであってもよい。

0078

[防音方法]
本発明の防音方法では、前記板状防音材の板面と床下地材の表面とを対向させて離間した状態で、前記床下地材と前記板状防音材との間に前記連結具を介在させ、前記床下地材のいずれかの面の一部の領域と前記板状防音材の表面の一部の領域とを結合することにより、床下地材から連結具を介して板状防音材に伝播された床衝撃音を板状防音材の振動エネルギーに変換して床を防音する。

0079

本発明の防音方法では、板状防音材の固有振動数を調整することにより、幅広い周波域の床衝撃音を低減できる。特に、前記板状防音材は、高比重の軟質層を含むため、重量床衝撃音を制振するのに適した固有振動数を有していてもよい。詳しくは、板状防音材の固有振動数は、例えば1〜100Hz、好ましくは5〜50Hz、さらに好ましくは10〜45Hz(特に20〜40Hz)程度であってもよい。

0080

板状防音材の固有振動数は、例えば、板状防音材のサイズや厚み、連結具の結合位置を調整する方法により制御してもよい。例えば、板状防音材のサイズや厚みを調整する方法では、軟質層の厚みを大きくすることにより、固有振動数を大きく調整してもよく、長方形状の板状防音材の長さ方向を大きくすることにより、固有振動数を低く調整してもよい。また、板状防音材の一部の領域に質量調整層を積層することにより、固有振動数を低く調整してもよい。連結具の結合位置を調整する方法では、例えば、長方形状の板状防音材の連結位置を中央部から長さ方向に偏心させることにより長方形状の長さを変えてもよい。また、板状防振材の両端部で連結してもよい。

0081

本発明では、これらの方法を組み合わせることにより、板状防音材を目的の固有振動数に調整できる。具体的には、特定の狭い周波域の振動を制御する場合は、単一の固有振動数を有する板状防音材であってもよく、この板状防音材は、例えば、所定のサイズ及び厚みに調整した長方形状の板状防音材の略中央部(又は長さ方向の中央部において、幅方向に延びる軸線に沿って所定の間隔をおいた複数の箇所)を連結具で固定する方法により作製できる。一方、比較的幅広い周波域の振動を制御する場合は、複数の固有振動数を有する板状防音材であってもよく、この板状防音材は、例えば、所定のサイズ及び厚みに調整した長方形状の板状防音材を、前述のように偏心させて連結具で固定する方法や、所定のサイズ及び厚みに調整し、かつ各葉部の長さを変えた多葉状の板状防音材の略中央部を連結具で固定する方法により作製できる。

0082

以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例の評価は、以下に示す方法により測定した。

0083

[固有振動数及び減衰比
多軸同時振動試験装置IMV(株)製「品番TE−300」)を用いて測定した。200mm角振動台上に、予め4箇所の孔を開けた試験体をビスで固定した。

0084

加振条件は、加速度0.5G、周波数範囲は5〜200Hz掃引サイン波掃引速度は1oct/minとした。FFTアナライザ(B&K社製「品番:3560B PULSE」)を用い、振動ピックアップ(振動台側:B&K社製「BK−4507B」、試験体側:NEC三栄(株)製「9G20S」)で振動加速度計測した。その結果から固有振動数と半値幅法で減衰比を算出した。

0085

[乾式二重床での床衝撃音試験
一階が衝撃音の計測システムスペクトリス(株)製「タイプ2825」とマイクロホン)を備えた受音室であり、かつ2階が音源リオン(株)製「バングマシン」)を設置した音源室である2階建ての音響実験室で床衝撃音を測定した。前記受音室の容積は、約66m3(寸法:縦3936mm×横5188mm×高さ3362mm)であり、前記音源室の床施工箇所は、2枚の木製仕切ることにより、縦2700mm×横3600mmの寸法に調整した。また、前記音源室の床は、床スラブの厚み150mmの床スラブの上に、乾式二重床[(株)製作所製「バリレスフロアー」、ベースパネル:厚み20mmのパーティクルボード(12mmの間隔をあけて複数枚のベースパネルを並べることにより床下地材を施工)、スラブからベースパネル上部までの距離:100mm]を施工し、さらに乾式二重床の上に、厚み12mmのカラーフロアを施工した。さらに、前記乾式二重床の中央部分に配設された4枚のベースパネルに対して、それぞれ、ベースパネル裏面の中央部に、構造用合板で形成された連結具を介して、予め4枚の試験体(防音材)を拘止した。詳しくは、試験体の縦方向の両端部とベースパネルとの間に構造用合板(縦30mm×横250mm×厚み28mm)を介在させ、さらに試験体の上から、同サイズの構造用合板を積層した状態(構造用合板で試験体を挟み込んだ状態)でビスを用いて固定し、試験体とベースパネルとを28mm離間した状態で拘止した。衝撃音の評価は、63Hz帯域における床衝撃音について、スラブ素面からの低減量を評価した。

0086

[ALC下地での床衝撃音試験]
音源(リオン(株)製「ゴムボール」)を備えた音源室(容積:約266.2m3)と、衝撃音の計測システム((株)小野測器製「DS−3000」)を備えた受音室(容積:約162.9m3)との境界における開口部(寸法600mm×1820mm)に、予め軽量気泡コンクリート(ALC)パネル(寸法600mm×1820mm、住友金属鉱山シポレックス(株)製「KR101」)を施工した。ALCパネルに埋め込まれているボルトを用い、ALCパネルと試験体との空隙が30mmとなるように、試験体(防音材)をナットでALCパネルの受音室側に拘止した。音源箇所はパネル中央部とし、63Hz帯域における床衝撃音レベルを測定した。

0087

実施例1
アスファルト系制振材(七王工業(株)製「アスファルトシート」、比重2.8、縦910mm×横210mm×厚み8mm)の一方の面(上側)に、エポキシ系接着剤(コニシ(株)製「ボンドクイックメンダー」)を硬化後の厚みが0.3mmとなるようにバーコーターで塗布した。さらに、亜鉛メッキ処理した鉄板(縦910mm×横210mm×厚み0.8mm)を硬化前の接着剤の上に積層した後、接着剤を硬化させて板状防音材を製造した。得られた長方形状防音材に、長さ方向の中央部において、幅方向に延びる軸線に沿って、42mmの間隔で4箇所の孔を形成した。

0088

実施例2
鉄板を両面に積層する以外は実施例1と同様にして板状防音材を製造して孔を形成した。

0089

実施例3
厚み1.2mmの鉄板を使用する以外は実施例1と同様にして板状防音材を製造して孔を形成した。

0090

実施例4
厚み1.2mmの鉄板を両面に積層する以外は実施例1と同様にして板状防音材を製造して孔を形成した。

0091

実施例5
厚み4mmのアスファルト系制振材を使用する以外は実施例4と同様にして板状防音材を製造して孔を形成した。

0092

実施例6
一方の面に厚み1.2mmの鉄板を積層し、かつ他方の面に厚み0.8mmの鉄板を積層する以外は実施例1と同様にして板状防音材を製造して孔を形成した。

0093

実施例1〜6で得られた板状防音材の固有振動数と減衰比を測定した結果を表1に示す。なお、表中、「手前側」とは、板状防音材を長方形状の短辺側から観察したとき、中央の連結部から観察者側の板状防音材の領域を示し、「奥側」とは、中央の連結部から観察者の反対側の板状防音材の領域を示す。

0094

0095

実施例7
アスファルト系制振材(七王工業(株)製「アスファルトシート」、比重2.8、縦455mm×横50mm×厚み6mm)の両面に、エポキシ系接着剤(コニシ(株)製「ボンドクイックメンダー」)を硬化後の厚みが0.3mmとなるようにバーコーターで塗布した。さらに、亜鉛メッキ処理した鉄板(縦455mm×横50mm×厚み0.38mm)を硬化前の接着剤の上に積層した後、接着剤を硬化させて板状防音材を製造した。得られた長方形状防音材に、長さ方向の中央部において、幅方向に延びる軸線に沿って、10mmの間隔で4箇所の孔を形成した。

0096

実施例8
実施例7と同様にして得られた長方形状防音材に、長さ方向の中央部から50mm奥側にずれた位置(50mmオフセット)に、4箇所の孔を形成した。

0097

実施例9
厚み4mmのアスファルト系制振材を使用する以外は実施例7と同様にして板状防音材を製造して孔を形成した。

0098

実施例10
厚み8mmのアスファルト系制振材を使用する以外は実施例7と同様にして板状防音材を製造して孔を形成した。

0099

実施例7〜10で得られた板状防音材の固有振動数と減衰比を測定した結果を表2に示す。

0100

0101

表1及び2から、本発明の板状防音材の固有振動数は、各パラメーターを調整することで床下地材の固有振動数に対応することができ、建築物に施工した場合、重量床衝撃音対策が可能となる。

0102

実施例11
アスファルト系制振材(七王工業(株)製「アスファルトシート」、比重2.8、縦800mm×横150mm×厚み8mm)の両面に、エポキシ系接着剤(コニシ(株)製ボンドクイックメンダー)を硬化後の厚みが0.3mmとなるようにバーコーターで塗布した。さらに、亜鉛メッキ処理した2枚の鉄板(縦800mm×横150mm×厚み0.8mm)をそれぞれ硬化前の接着剤の上に積層した後、接着剤を硬化させて板状防音材を製造した。得られた長方形状防音材に、長さ方向の中央部において、幅方向に延びる軸線に沿って、約37mm間隔で3箇所の孔を形成した。

0103

実施例12
実施例11の長方形状防音材の各縦端部(縦方向の両端部)に、質量調整層として、200gのアスファルト系制振材(七王工業(株)製「アスファルトシート」、比重2.8、縦60mm×横150mm×厚み8mm)をエポキシ系接着剤(コニシ(株)製ボンドクイックメンダー)を用いて固定した。

0104

実施例13
実施例11の長方形状防音材の各縦端部に、質量調整層として、200gのアスファルト系制振材(七王工業(株)製「アスファルトシート」、比重2.8、縦60mm×横150mm×厚み8mm)2枚(合計400g)をエポキシ系接着剤(コニシ(株)製ボンドクイックメンダー)を用いて固定した。

0105

実施例11〜13で得られた板状防音材の固有振動数と減衰比を測定した結果を表3に示す。

0106

0107

表3から、本発明の板状防音材の一部の領域に質量調整層を積層することにより、固有振動数を調整できることがわかる。

0108

実施例1で得られた板状防音材について、孔を形成せずに、乾式二重床での床衝撃音試験を評価した結果と、実施例1で得られた板状防音材について、幅方向の中央部において、長さ方向に延びる軸線に沿って850mm間隔で2箇所(それぞれの端部から30mmの箇所)の孔を長さ方向に形成し、ALC下地での床衝撃音試験を評価した結果とを、板状防音材を使用しないブランクの結果とともに、表4に示す。

0109

実施例

0110

表4の結果から、乾式二重床では、ベースパネルから放射される振動による空気ばねの低減効果が認められた。また、ALC下地でも、軽量発泡コンクリートから放射される重量床衝撃音レベルの低減効果が認められた。

0111

本発明の防音床構造は、マンションビル一般住宅などの建築物の床構造に利用でき、特に、マンション、ビル、一般住宅などの複数階建ての建築物(多層階建築物)における2階以上のフロアにおける床構造として有用である。

0112

1,11,21,31…板状防音材
1a,11a…軟質層
1b1,1b2,11b…硬質層
2,22,32…床下地材
3,23,33…連結具

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