図面 (/)

技術 深絞り成形品

出願人 ポリプラスチックス株式会社
発明者 小野寺章晃
出願日 2015年3月31日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2015-072502
公開日 2016年11月10日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-190449
状態 特許登録済
技術分野 一体成形容器 積層体(2)
主要キーワード 機械工 平板素材 付き具合 ダイス穴 深絞り成形品 トラウザー 過半量 タイベック
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年11月10日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (0)

図面はありません

課題

耐突き刺し性に優れる深絞り成形品を提供すること。

解決手段

本発明は、多層フィルムから成形される深絞り成形品であって、前記多層フィルムは、外層と、中間層と、内層とを少なくとも有し、前記外層は、融点が130℃以下であり、密度が0.920g/cm3以上0.950g/cm3以下であり、かつ、炭素数が6以上8以下であるα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含み、前記中間層は、環状オレフィン樹脂と、直鎖状低密度ポリエチレンと、を所定量ずつ含み、前記内層は、融点が120℃以下であり、かつ、前記外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンよりも融点が低い直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含み、前記外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点と、前記内層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点との差は10℃以上である、深絞り成形品を提供する。

概要

背景

深絞り成形とは、ブランクと呼ばれる平板素材を、雌金型ダイス)に固定し、ダイスに設けられた穴に雄金型パンチ)を押し込んで成形する技術である。ブランクとしては、プラスチックフィルム金属板等が使用される。

環状オレフィン系樹脂は、透明性や寸法安定性等に優れるため、ブランクの材料としても使用されている。ブランクの材料には、耐突き刺し性(耐ピンホール性とも呼ばれる。)等の機械的強度を備えていることが通常要求される。例えば、特許文献1には、環状オレフィン系樹脂とともに直鎖状低密度ポリエチレンをブランクに配合すると、耐突き刺し性が高まる点が記載されている。

概要

耐突き刺し性に優れる深絞り成形品を提供すること。本発明は、多層フィルムから成形される深絞り成形品であって、前記多層フィルムは、外層と、中間層と、内層とを少なくとも有し、前記外層は、融点が130℃以下であり、密度が0.920g/cm3以上0.950g/cm3以下であり、かつ、炭素数が6以上8以下であるα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含み、前記中間層は、環状オレフィン樹脂と、直鎖状低密度ポリエチレンと、を所定量ずつ含み、前記内層は、融点が120℃以下であり、かつ、前記外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンよりも融点が低い直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含み、前記外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点と、前記内層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点との差は10℃以上である、深絞り成形品を提供する。なし

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、耐突き刺し性に優れる深絞り成形品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

多層フィルムから成形される深絞り成形品であって、前記多層フィルムは、外層と、中間層と、内層とを少なくとも有し、前記外層は、融点が130℃以下であり、密度が0.920g/cm3以上0.950g/cm3以下であり、かつ、炭素数が6以上8以下であるα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含み、前記中間層は、前記中間層全体に対して20質量%以上70質量%以下の環状オレフィン樹脂と、前記中間層全体に対して30質量%以上80質量%以下の直鎖状低密度ポリエチレンと、を含み、前記内層は、融点が120℃以下であり、かつ、前記外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンよりも融点が低い直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含み、前記外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点と、前記内層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点との差は10℃以上である、深絞り成形品。

請求項2

前記中間層に含まれる前記直鎖状低密度ポリエチレンは、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項1に記載の深絞り成形品。

請求項3

前記内層に含まれる前記直鎖状低密度ポリエチレンは、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項1又は2に記載の深絞り成形品。

請求項4

前記外層に含まれる前記直鎖状低密度ポリエチレンの融点は120℃以上である、請求項1から3のいずれかに記載の深絞り成形品。

請求項5

前記内層に含まれる前記直鎖状低密度ポリエチレンの融点は95℃以上である、請求項1から4のいずれかに記載の深絞り成形品。

請求項6

前記外層は、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンを共重合した前記直鎖状低密度ポリエチレンを、前記外層全体に対して50質量%超100質量%以下含み、前記内層は、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを、前記内層全体に対して50質量%超100質量%以下含む、請求項1から5のいずれかに記載の深絞り成形品。

技術分野

0001

本発明は、深絞り成形品に関する。

背景技術

0002

深絞り成形とは、ブランクと呼ばれる平板素材を、雌金型ダイス)に固定し、ダイスに設けられた穴に雄金型パンチ)を押し込んで成形する技術である。ブランクとしては、プラスチックフィルム金属板等が使用される。

0003

環状オレフィン系樹脂は、透明性や寸法安定性等に優れるため、ブランクの材料としても使用されている。ブランクの材料には、耐突き刺し性(耐ピンホール性とも呼ばれる。)等の機械的強度を備えていることが通常要求される。例えば、特許文献1には、環状オレフィン系樹脂とともに直鎖状低密度ポリエチレンをブランクに配合すると、耐突き刺し性が高まる点が記載されている。

先行技術

0004

特開2013−63633号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、環状オレフィン系樹脂を含むブランクを使用した深絞り成形品について、さらに耐突き刺し性を改善することが求められていた。

0006

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、耐突き刺し性に優れる深絞り成形品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは、外層と、中間層と、内層とを少なくとも有する多層フィルムにおいて、外層及び内層に、それぞれ異なる融点を有する、炭素数が6以上8以下であるα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として配合し、中間層に所定量の環状オレフィン樹脂及び所定量の直鎖状低密度ポリエチレンを配合することで上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は下記のものを提供する。

0008

(1)多層フィルムから成形される深絞り成形品であって、
前記多層フィルムは、外層と、中間層と、内層とを少なくとも有し、
前記外層は、融点が130℃以下であり、密度が0.920g/cm3以上0.950g/cm3以下であり、かつ、炭素数が6以上8以下であるα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含み、
前記中間層は、前記中間層全体に対して20質量%以上70質量%以下の環状オレフィン樹脂と、前記中間層全体に対して30質量%以上80質量%以下の直鎖状低密度ポリエチレンと、を含み、
前記内層は、融点が120℃以下であり、かつ、前記外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンよりも融点が低い直鎖状低密度ポリエチレンを主成分として含み、
前記外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点と、前記内層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点との差は10℃以上である、深絞り成形品。

0009

(2) 前記中間層に含まれる前記直鎖状低密度ポリエチレンは、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンである、(1)に記載の深絞り成形品。

0010

(3) 前記内層に含まれる前記直鎖状低密度ポリエチレンは、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンである、(1)又は(2)に記載の深絞り成形品。

0011

(4) 前記外層に含まれる前記直鎖状低密度ポリエチレンの融点は120℃以上である、(1)から(3)のいずれかに記載の深絞り成形品。

0012

(5) 前記内層に含まれる前記直鎖状低密度ポリエチレンの融点は95℃以上である、(1)から(4)のいずれかに記載の深絞り成形品。

0013

(6) 前記外層は、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンを共重合した前記直鎖状低密度ポリエチレンを、前記外層全体に対して50質量%超100質量%以下含み、
前記内層は、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを、前記内層全体に対して50質量%超100質量%以下含む、(1)から(5)のいずれかに記載の深絞り成形品。

発明の効果

0014

本発明によれば、耐突き刺し性に優れる深絞り成形品が提供される。

0015

以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜、変更を加えて実施することができる。

0016

<深絞り成形品>
本発明の深絞り成形品は、所定の構成を有する外層、中間層、及び内層を少なくとも有する多層フィルムから成形される。外層及び内層は、中間層を挟み両外側に配置される。以下、該多層フィルムの構成について説明する。

0017

[外層及び内層]
外層は、融点が130℃以下であり、密度が0.920g/cm3以上0.950g/cm3以下であり、かつ、炭素数が6以上8以下であるα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(以下、密度が0.920g/cm3以上0.950g/cm3以下であり、かつ、炭素数が6以上8以下であるα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンを、「C6〜8LLDPE」ともいう。)を主成分として含む層である。内層は、融点が120℃以下であり、かつ、外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンよりも融点が低い直鎖状低密度ポリエチレン(以下、外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンよりも融点が低い直鎖状低密度ポリエチレンを、「低融点LLDPE」ともいう。)を主成分として含む層である。

0018

なお、本発明において、「外層は、C6〜8LLDPEを主成分として含む」とは、外層を構成する樹脂過半量がC6〜8 LLDPEであることを示し、外層全体に対して、好ましくは50質量%超、さらに好ましくは70質量%以上のC6〜8 LLDPEを含むことを指す。外層におけるC6〜8 LLDPEの含有量の上限値は、特に限定されないが、好ましくは100質量%以下、さらに好ましくは98質量%以下である。同様に、「内層は、低融点LLDPEを主成分として含む」とは、内層を構成する樹脂の過半量が低融点LLDPEであることを示し、内層全体に対して、好ましくは50質量%超、さらに好ましくは70質量%以上の低融点LLDPEを含むことを指す。内層における低融点LLDPEの含有量の上限値は、特に限定されないが、好ましくは100質量%以下、さらに好ましくは98質量%以下である。

0019

外層におけるC6〜8LLDPEの融点は130℃以下である。内層における低融点LLDPEの融点は、120℃以下である。さらに、C6〜8 LLDPEの融点と、低融点LLDPEの融点の融点との差は、10℃以上である。本発明者の検討の結果、多層フィルムにおいて、外層におけるC6〜8 LLDPEの融点を、内層における低融点LLDPEの融点よりも10℃以上高く設定することで、得られた多層フィルムから成形される深絞り成形品の耐突き刺し性を高められるだけではなく、多層フィルムに十分な透明性を付与しつつ、高密度ポリエチレンからなる不織布や紙等で成形品ヒートシールしたときに、成形品のヒートシールバーへの貼り付きを防止できる点が見出された。外層及び内層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点が同じであるか、融点の差が10℃未満である場合(低融点LLDPEの融点の方がC6〜8 LLDPEの融点よりも高い場合を含む。)は、深絞り成形品の耐突き刺し性を損なうだけではなく、上記不織布や紙等でヒートシールする際に、成形品がヒートシールバーへ貼り付いてしまい、ヒートシール性をも損なう可能性がある。

0020

外層におけるC6〜8LLDPEの融点が130℃超であると、多層フィルムに十分な透明性を付与できず、視認性に劣る多層フィルムとなるだけでなく、得られる多層フィルムから深絞り成形品を成形する際に、厚み分布にばらつきが生じやすくなる。内層における低融点LLDPEの融点が120℃超であると、C6〜8 LLDPEの融点と、低融点LLDPEの融点の融点との差を10℃以上に調整できず、本発明の効果を奏することができない。

0021

C6〜8LLDPEの融点と、低融点LLDPEの融点の融点との差は、好ましくは10℃以上である。C6〜8 LLDPEの融点と、低融点LLDPEの融点の融点との差の上限値は、特に限定されないが、好ましくは25℃以下である。

0022

外層におけるC6〜8LLDPEの融点の下限値は特に限定されないが、得られた多層フィルムから成形された深絞り成形品を、高密度ポリエチレンからなる不織布や紙等でヒートシールする際に、ヒートシールバーへの貼り付きを防止できる観点から、120℃以上であることが好ましい。

0023

内層における低融点LLDPEの融点の下限値は特に限定されないが、深絞り成形品の耐熱性の低下や、多層フィルムのカールを防止するという観点から、95℃以上であることが好ましい。

0024

内層における低融点LLDPEとしては、上記の融点に関する条件を満たしていれば特に限定されないが、本発明の効果を奏しやすいという観点から、C6〜8 LLDPE(ただし、外層におけるC6〜8 LLDPEとは異なるもの)であることが好ましい。また、低融点LLDPEの代わりに、上記の融点に関する条件を満たすプラストマー可塑性を有する高分子化合物)も使用し得る。LLDPEのプラストマーは、一般的にはVLLDPE(Very Low Density LLDPE)、超低密度LLDPE等と呼ばれ、LLDPEの一種である。具体的には、ダウケミカル社製の「アフィニティー」等が挙げられる。

0025

なお、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の融点とは、示差走査熱量計DSC)を用い、JIS K7121に規定する方法に従って昇温速度10℃/分で測定したときの融解ピーク温度を意味する。

0026

外層及び内層における直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、上記の条件を満たしていれば、フィルムに通常使用されるものを使用できる。例えば、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の溶融粘度は、ISO11443に準拠した、温度190℃、せん断速度1216s−1で測定した値が、50Pa・s以上1000Pa・s以下であってもよい。低融点LLDPEの密度は、0.91g/cm3以上0.925g/cm3未満であってもよい。

0027

外層及び内層における直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。複数の種類の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を組み合わせて使用する場合、外層に含まれるC6〜8LLDPEの融点のうち最も低い温度と、内層に含まれる低融点LLDPEの融点のうち最も高い温度との差が10℃以上であればよい。複数の種類の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の割合は、得ようとするフィルムの加工性等に応じて適宜調整できる。

0028

使用される直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の製造方法は特に限定されず、従来公知の一般的な触媒を用いて、従来公知の一般的な製造方法で製造したものを使用することができる。従来公知の触媒としては、メタロセン系触媒チーグラ系触媒チーグラーナッタ触媒等)、バナジウム系触媒等を挙げることができる。従来公知の製造方法としては、気相重合法溶液重合法スラリー重合法高圧イオン重合法等の製造方法を挙げることができる。耐突き刺し性に優れる深絞り成形品が得られやすいという観点から、メタロセン系触媒を使用して得られた直鎖状低密度ポリエチレン樹脂が好ましい。

0029

外層及び/又は内層には、本発明の目的を阻害しない範囲で、C6〜8LLDPEや低融点LLDPE以外に、フィルムの成分として通常使用される成分を適宜配合してもよい。このような成分としては、C6〜8 LLDPE及び低融点LLDPE以外の樹脂(ポリエステル系樹脂等)、スリップ剤酸化防止剤二次酸化防止剤着色剤中和剤分散剤光安定剤紫外線吸収剤滑剤帯電防止剤防曇剤核剤顔料、着色剤、難燃剤アンチブロッキング剤や、その他の各種有機無機化合物等が挙げられる。これらの成分の配合量は、得ようとする効果等に応じて適宜調整される。

0030

[中間層]
中間層は、該中間層全体に対して20質量%以上70質量%以下の環状オレフィン樹脂と、該中間層全体に対して30質量%以上80質量%以下の直鎖状低密度ポリエチレンと、を含む層である。

0031

(環状オレフィン系樹脂)
本発明における中間層は、単独では、環状オレフィン樹脂が有する特性上、環状オレフィン樹脂の量に応じた耐突き刺し性を有する。本発明者の検討の結果、意外にも、該中間層を上記の外層及び内層で挟むことで、これらの層を備える多層フィルムから成形される深絞り成形品は、耐突き刺し性、さらには、透明性、厚さの均一性、及び易引裂き性等にも優れることが見出された。

0032

中間層における環状オレフィン樹脂の含有量の下限値は、中間層全体に対して、20質量%以上、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。中間層における環状オレフィン樹脂の含有量をかかる範囲とすることで、多層フィルムから成形される深絞り成形品に十分な耐突き刺し性だけではなく、透明性、厚さの均一性、及び易引裂き性をも付与できる。

0033

中間層における環状オレフィン樹脂の含有量の上限値は、中間層全体に対して、70質量%以下、好ましくは65質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。中間層における環状オレフィン樹脂の含有量をかかる範囲とすることで、中間層に十分な量の直鎖状低密度ポリエチレンを配合することができ、環状オレフィン樹脂からなる中間層を使用した場合と比べて、外層又は内層との界面接着性が良好となり、デラミネーションを防止することができる。

0034

本発明における環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン由来する構造単位を主鎖に含む重合体又は共重合体であれば、特に限定されない。例えば、環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、環状オレフィンとα−オレフィンとの付加共重合体又はその水素添加物等を挙げることができる。環状オレフィン系樹脂は、1種単独で使用することも、2種以上を併用することもできる。

0035

また、環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィンに由来する構造単位を主鎖に含む上記重合体又は上記共重合体において、さらに極性基を有する不飽和化合物グラフト及び/又は共重合したものも挙げられる。

0036

極性基としては、例えば、カルボキシル基酸無水物基エポキシ基アミド基エステル基ヒドロキシル基等を挙げることができ、極性基を有する不飽和化合物としては、(メタアクリル酸マレイン酸無水マレイン酸無水イタコン酸グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。

0037

また、本発明において環状オレフィン系樹脂として用いられる上記共重合体としては、市販の樹脂を用いることも可能である。市販されている環状オレフィン系樹脂としては、例えば、TOPAS登録商標)(TOPAS Advanced Polymers社製)、アペル(登録商標)(三井化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等を挙げることができる。

0038

環状オレフィンとα−オレフィンとの付加共重合体として、特に好ましい例としては、〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構造単位と、〔2〕下記一般式(I)で示される環状オレフィンに由来する構造単位と、を含む共重合体を挙げることができる。



(式中、R1〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、
R9とR10、R11とR12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
R9又はR10と、R11又はR12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは、0又は正の整数を示し、
nが2以上の場合には、R5〜R8は、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)

0039

〔〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン〕
炭素数2〜20のα−オレフィンは、特に限定されるものではない。例えば、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。また、これらのα−オレフィンは、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中では、エチレンの単独使用が最も好ましい。

0040

〔〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン〕
一般式(I)で示される環状オレフィンについて説明する。一般式(I)におけるR1〜R12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものである。一般式(I)で示される環状オレフィンの具体例としては、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。

0041

これらの環状オレフィンは、1種単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン慣用名:ノルボルネン)を単独使用することが好ましい。

0042

〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィンと〔2〕一般式(I)で表される環状オレフィンとの重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行うことができる。

0043

また、用いられる重合触媒についても特に限定されるものではなく、チーグラ系触媒(チーグラーナッタ触媒等)、メタセシス系触媒、メタロセン系触媒等の従来周知の触媒を用いて周知の方法により環状オレフィン系樹脂を得ることができる。

0044

環状オレフィン系樹脂のガラス転移点は特に限定されないが、多層フィルムの成形性を良好にしやすいという観点から、50℃以上120℃以下であることが好ましい。なお、環状オレフィン系樹脂のガラス転移点の調整は、主鎖の環状オレフィン骨格の含有量を調整することで行うことができる。また、ガラス転移点は、DSC法(JIS K7121記載の方法)によって昇温速度10℃/分の条件で測定した値を採用する。

0045

(中間層における直鎖状低密度ポリエチレン)
中間層には、上記環状オレフィン系樹脂とともに、直鎖状低密度ポリエチレンが配合される。

0046

中間層における直鎖状低密度ポリエチレンの含有量の下限値は、中間層全体に対して、30質量%以上、好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。中間層における直鎖状低密度ポリエチレンの含有量をかかる範囲とすることで、環状オレフィン系樹脂によって奏される耐突き刺し性等をさらに高めることができ、さらには、多層フィルムに厚さの均一性や易引裂き性を付与できる。

0047

中間層における直鎖状低密度ポリエチレンの含有量の上限値は、中間層全体に対して、80質量%以下、好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下である。中間層における直鎖状低密度ポリエチレンの含有量をかかる範囲とすることで、中間層に十分な量の環状オレフィン系樹脂を配合することができ、環状オレフィン樹脂によって奏される耐突き刺し性、透明性、及び易引裂き性等を発現できる。

0048

直鎖状低密度ポリエチレンとしては、フィルムに通常使用されるものを使用できる。例えば、直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.91g/cm3以上0.925g/cm3未満であってもよい。直鎖状低密度ポリエチレンの融点は100℃以上125℃以下であってもよい。直鎖状低密度ポリエチレンの溶融粘度は、ISO11443に準拠した、温度190℃、せん断速度1216s−1で測定した値が、50Pa・s以上1000Pa・s以下であってもよい。

0049

本発明の効果を奏しやすいという観点から、中間層における直鎖状低密度ポリエチレンは、炭素数が6以上8以下のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレンであることが好ましく、外層におけるC6〜8LLDPEと同様のものであることが特に好ましい。

0050

中間層における直鎖状低密度ポリエチレンは、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。複数の種類の中間層における直鎖状低密度ポリエチレンを組み合わせて使用する場合、その割合は、得ようとするフィルムの加工性等に応じて適宜調整できる。

0051

使用される直鎖状低密度ポリエチレンの製造方法は特に限定されず、従来公知の一般的な触媒を用いて、従来公知の一般的な製造方法で製造したものを使用することができる。従来公知の触媒としては、チーグラ系触媒(チーグラーナッタ触媒等)、メタロセン系触媒、バナジウム系触媒等を挙げることができる。従来公知の製造方法としては、気相重合法、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法等の製造方法を挙げることができる。

0052

中間層には、本発明の目的を阻害しない範囲で、フィルムの成分として通常使用される成分を適宜配合してもよい。このような成分としては、環状オレフィン系樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン以外の樹脂(ポリエステル系樹脂等)、スリップ剤、酸化防止剤、二次酸化防止剤、着色剤、中和剤、分散剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、核剤、顔料、着色剤、難燃剤、アンチブロッキング剤や、その他の各種有機無機化合物等が挙げられる。これらの成分の配合量は、得ようとする効果等に応じて適宜調整される。

0053

<多層フィルムの製造方法>
多層フィルムの製造方法は特に限定されず、例えば、従来公知のインフレーション法や、押出成形法(Tダイ多層共押出法等)により製造することができる。インフレーション法によって多層フィルムを製造する場合、ブロー比は、1.5から3.0であることが好ましい。

0054

本発明のフィルムにおける外層、中間層、内層の厚さの構成比は、特に限定されない。中間層は、多層フィルムのカールを防ぎやすいという観点から、外層の厚さ又は内層の厚さに対して1〜3倍であることが好ましい。外層及び内層の厚さは、外層の厚さ:内層の厚さ=2:1〜1:2であることが好ましい。外層及び内層は、多層フィルムのカールを防ぎやすいという観点から、同一の厚さであることが好ましい。

0055

本発明のフィルムは、中間層、内層及び外層の3層に加えて、第2中間層、第3中間層等のさらなる層を有していてもよい。つまり、中間層は複数の層からなるものであってもよい。かかる場合、複数の中間層のいずれかが、上述の中間層の条件を満たしていればよい。本発明の効果を奏しやすいという観点から、複数の中間層の全てが、上述の中間層の条件を満たしていることが好ましい。

0056

本発明のフィルムの全層厚さ(つまり、外層の厚さ、中間層の厚さ、及び内層の厚さの合計値)は、特に限定されない。本発明のフィルムの全層厚さは、例えば、30μm以上500μm以下に調整できる。

0057

<本発明の深絞り成形品>
本発明の深絞り成形品は、上記の多層フィルムを成形することで得られる。深絞り成形品の成形方法は、公知の方法を採用でき、上記の多層フィルムをブランクとし、ダイス及びパンチを用いて、所望の形状を有する深絞り成形品が得られる。なお、深絞り成形品とは、成形品の口辺の直径よりも、成形品の高さ(ダイス穴からパンチを差し込む方向の高さ)の方が長い成形品を指す。このような形状の成形品は、通常、耐突き刺し強度に劣る可能性があるが、本発明によれば、耐突き刺し強度だけではなく、透明性、厚さの均一性、及び易引裂き性等にも優れる深絞り成形品が得られる。

0058

多層フィルムの内層に含まれる樹脂には、低融点LLDPEが含まれるので、本発明の深絞り成形品はヒートシール性にも優れ、ヒートシールバーへの貼り付きを抑制できる。したがって、本発明の深絞り成形品は、コーティング等を行わなくとも融着性に優れる。

0059

本発明の深絞り成形品に、相手材(紙、高密度ポリエチレン等からなる不織布)を貼り合わせ、ブリスターパックを調整してもよい。

0060

以下、本発明の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら限定されるものではない。

0061

表1及び2の組成に基づき、三層インフレーション成形機トミー機械工業株式会社製)を用いて、中間層、該中間層を挟む外層及び内層を有する3層のインフレーションフィルム(全層厚さ:99μm)を調製した。インフレーションフィルムの成形条件は下記のとおりである。
[成形条件]
ダイス(ダイ口径:106mm、リップクリアランス:2.5mm)及びスクリュー(φ=40mm、L/D=26)を使用して多層フィルムを作成した。なお、フィルムの外層及び内層のシリンダー温度は190℃に設定し、フィルムの中間層のシリンダー温度は210℃に設定した。また、ダイスの温度は190℃、ブロー比は2.0、引き取り速度は10m/minにそれぞれ設定した。

0062

なお、表中の略称は、それぞれ下記の内容を指す。また、表中の数値は、各層における成分の割合を示し、単位は「質量%」である。また、表中の「融点」とは、各樹脂の融点を示し、「外内層融点差」とは、外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点と、内層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点との差を示す。
ELITE5538G(表中の「5538G」):炭素数が8のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン触媒を使用して製造されたものである。)、密度0.941g/cm3、ダウ・ケミカル社製
DOLEX 2042G(表中の「2042G」):炭素数が8のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(チーグラーナッタ触媒を使用して製造されたものである。)、密度0.930g/cm3、ダウ・ケミカル社製
ELITE 5960G(表中の「5960G」):炭素数が8のα−オレフィンを共重合した直鎖状ポリエチレン(メタロセン触媒を使用して製造されたものである。)、密度0.962g/cm3、ダウ・ケミカル社製
ELITE 5400G(表中の「5400G」):炭素数が8のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン触媒を使用して製造されたものである。)、密度0.916g/cm3、ダウ・ケミカル社製
ELITE AT6202(表中の「AT6202」):炭素数が8のα−オレフィンを共重合した直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン触媒を使用して製造されたものである。)、密度0.907g/cm3、ダウ・ケミカル社製
8007F−600:環状オレフィン樹脂、TOPASAdvanced Polymers社製
9506F−500:環状オレフィン樹脂、TOPAS Advanced Polymers社製

0063

得られた多層フィルム及び該多層フィルムから成形した深絞り成形品について、下記の評価を行った。その結果を表1及び2に示す。

0064

(カール)
多層フィルムを10cm四方切り取り平板上に載せ、浮き上がった高さを測定し、多層フィルムのカールを下記の基準に基づき評価した。
◎:0mm以上10mm未満
○:10mm以上20mm未満
△:20mm以上30mm未満
×:多層フィルムが筒状に丸まる

0065

ヘイズ
多層フィルムのヘイズを、ISO14782に準拠し、東洋精機製作所社製ヘイズガードIIで特定した。ヘイズの値が低いほど、多層フィルムの透明性が高いことを示す。

0066

(厚さ均一性)
多層フィルムから、横165mm、奥行き42mm、深さ38mmのシリンジ包装用の深絞り成形品を成形した。なお、深絞り成形の際には、多層フィルムの内層がシリンジに接触する向きに多層フィルムをセットした。深絞り成形品について、計9ヶ所(側面の中央部4ヶ所、底部中央1ヶ所、コーナー部分4ヶ所)の厚さを測定し、下記の基準に基づき深絞り成形品の厚さ均一性を評価した。
◎:厚さの最小値最大値の差が20μm未満
○:厚さの最小値と最大値の差が20μm以上30μm未満
△:厚さの最小値と最大値の差が30μm以上40μm未満
×:厚さの最小値と最大値の差が40μm以上

0067

(直線易引裂き性)
多層フィルムの直線易引裂き性を、JIS K7128−1トラウザー引裂法に準拠し、幅50mm、長さ150mmの試験片を用い、引張速度200mm/minにて、オリエンテック社製テンシロンRTM−100でMD方向及びTD方向の引裂き評価を行い、下記の基準に基づき評価した。
◎:破断面波打ちが無くスムーズに切れ
○:破断面に若干波打ちがあるが、スムーズに切れる
△:破断面が波打ち、切れるが力を要する
×:全く切れない

0068

(突き刺し強度)
多層フィルムの突き刺し強度を、JIS Z1707に準拠し、直径1mm、先端形状半径0.5mmの針を使用して、突き刺し速度50mm/minの条件で、オリエンテック社製テンシロンRTM−100で測定した。

0069

(ヒートシール性)
(厚さ均一性)の項と同様に成形した深絞り成形品に、高密度ポリエチレン不織布(タイベック1059B、デュポン社製)をヒートシールした際の、成形品のヒートシールバーへの貼り付き具合を、下記の基準に基づき評価した。
○:不織布とヒートシールしたときにヒートシールバーに全く貼り付かない
△:不織布とヒートシールしたときにヒートシールバーに若干貼り付く
×:不織布とヒートシールしたときにヒートシールバーに貼り付く

0070

0071

0072

表1に示されるとおり、本発明における多層フィルムは、耐突き刺し性に優れていた。さらには、本発明における多層フィルムは、カールが抑制されており、ヘイズの値が低いことから透明性にも優れ、均一な厚さを有し、直線易引裂き性や、ヒートシール性をも有していた。したがって、本発明における多層フィルムは、深絞り成形品の成形において好適であることがわかる。

0073

外内層融点差が23℃である実施例1と、外内層融点差が7℃である比較例4との比較から理解されるとおり、外内層融点差が小さいと、透明性及びヒートシール性にも劣る多層フィルムとなった。同様の傾向は、外内層融点差が16℃である実施例2と、外内層融点差が0℃である比較例1との比較からも理解される。

0074

環状オレフィン樹脂の含有量が中間層全体に対して60質量%である実施例1と、10質量%である比較例5及び環状オレフィン樹脂を中間層に含まない比較例3との比較から理解されるとおり、中間層中の環状オレフィン樹脂の含有量が少ないと、十分な耐突き刺し性が得られず、さらには厚さ均一性や直線易引裂き性に劣る多層フィルムとなった。

実施例

0075

実施例2と、比較例2との比較から理解されるとおり、外内層融点差が本発明の条件を満たしていても、外層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの融点が130℃超(134℃)であると、ヘイズが高いため透明性に劣り、さらにはカールが生じ、厚さ均一性に劣る多層フィルムとなった。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ