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技術 触媒処理装置およびその製造方法

出願人 日立造船株式会社
発明者 森匠磨庄野恵美日数谷進
出願日 2015年3月31日 (4年8ヶ月経過) 出願番号 2015-073119
公開日 2016年11月10日 (3年1ヶ月経過) 公開番号 2016-190226
状態 特許登録済
技術分野 触媒 有機低分子化合物及びその製造 触媒を使用する低分子有機合成反応
主要キーワード 押さえ冶具 時間的効率 触媒反応量 平板状ガラス どぶ漬け 波板形状 切断寸法 触媒処理装置
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重要な関連分野

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図面 (2)

課題

触媒成分の使用量を少なくすることにより安価であり、かつ、ケーシング等の設備別途設ける必要もなく、さらに、充填使用時に適度に空隙が生じることで極端圧力損失の発生を抑制することもできるような担持触媒具備する触媒処理装置およびその製造方法を提供する。

解決手段

本発明の触媒処理装置は、波板状かつ小片状の形態を有する担持触媒を具備し、該担持触媒は、波板状かつ小片状の形態を有するガラスペーパーと、該ガラスペーパーに担持された、触媒作用を有する触媒活性成分と、該触媒活性成分を該ガラスペーパーに担持させるために必要とされ、かつ、該ガラスペーパーを波板状の形態とするために必要とされる無機バインダーとを有する。

概要

背景

排ガスなどの環境的にも生物的にも有害なガス無害に処理しようとする場合や、一酸化炭素二酸化炭素水素炭化水素などの有用物に転換しようとする場合に、それぞれの用途に応じた多種の触媒を用いた触媒反応を利用することが知られており、また、そのような反応に用いる触媒の形態も種々のものが知られている。

例えば、特許文献1には、炭素酸化物メタン化反応に用いられる触媒が記載されている。

特許文献1に記載された方法により製造された触媒を用いれば、処理対象が一酸化炭素と二酸化炭素との混合ガスである場合、同時に提供される水素で、有毒な一酸化炭素をまずすべてメタンに転換し、残る水素で二酸化炭素をメタンに転換する、という理想的な機構を実現することができる。

特許文献1には、粉体あるいは粒状の形態にある触媒およびその製造方法が記載されている。アルミナシリカ触媒粒子の核とするような製法に関しても記述されているが、特許文献1の方法では、基本的に成形体(粉体、粒状)の内部まで触媒成分が含まれることとなるために触媒成分の使用量が多くなり、結果として触媒製造コストが高くなることにつながる。また、メタン化反応はその反応速度が遅くなく触媒表面で起こるため、内部の触媒成分は反応に大きく寄与することはない。したがって、特許文献1に記載された触媒では、その触媒中に存在する触媒成分の全体が有効に活用されているわけではない。

粉体形態の触媒を用いる場合に生じるこのような問題は、触媒を触媒担持ハニカム構造体の形態とすることにより解消することができる。触媒担持ハニカム構造体では、ハニカム構造を有する担体表面上にのみ触媒活性成分担持させることができるので、触媒表面積接触面積あるいは反応面積)あたりの触媒成分使用量を低減させることができるからである。

しかしながら、従来から知られる触媒担持ハニカム構造体の形態を有する触媒では、担体となるハニカム構造体を一体として作製した後に、触媒活性成分を担持させる処理を行っていたため、触媒活性成分を均一に担持させるために大がかりな設備を要することとなっていた。また、このような触媒担持ハニカム構造体は強固に一体化されており分離することができないようになっているので、使用に応じて内部に閉塞等が生じてもこれを回復させるための操作は、ハニカム構造体ごとに行う必要があり容易ではなかった。

本願発明者らは、このような従来の触媒担持ハニカム構造体が有する課題を解消することができる担持触媒を本発明に先立って提案している。この担持触媒では、波板状ガラスペーパー担体と平板状のガラスペーパー担体とを交互に積層するだけで互いに接着させないようにした。このような形態とすることで、波板状および平板状のそれぞれのガラスペーパーについて触媒成分を担持させる操作を行うことができるので、大がかりな設備を必要とせず、また、使用に応じて内部に閉塞等が生じた場合においても、波板状および平板状のそれぞれのガラスペーパーについて別個に回復させるような操作をすればよいので、従来型触媒ハニカム構造体が有していた課題を解消することができる。

しかしながら、特許文献2に記載された担持触媒では、ケーシング内に充填されることでハニカム構造体を成し、またその構造を保持することが可能となるため、その使用においてケーシングは必須である。

上記に例示したような粉体、粒状、あるいはハニカム構造体以外の形態の担持触媒も公知であり、例えば、円柱状、リング状のペレットなどがある。しかし、ハニカム構造体以外の形状の場合には、その使用条件によっては、充填使用時に適度な空隙が生じないことに起因して相当の圧力損失を生じることになる。

概要

触媒成分の使用量を少なくすることにより安価であり、かつ、ケーシング等の設備を別途設ける必要もなく、さらに、充填使用時に適度に空隙が生じることで極端な圧力損失の発生を抑制することもできるような担持触媒を具備する触媒処理装置およびその製造方法を提供する。本発明の触媒処理装置は、波板状かつ小片状の形態を有する担持触媒を具備し、該担持触媒は、波板状かつ小片状の形態を有するガラスペーパーと、該ガラスペーパーに担持された、触媒作用を有する触媒活性成分と、該触媒活性成分を該ガラスペーパーに担持させるために必要とされ、かつ、該ガラスペーパーを波板状の形態とするために必要とされる無機バインダーとを有する。

目的

本発明は、上記事情によりなされたものであり、上記に挙げた全てを満足する、担持触媒を具備する触媒処理装置およびその製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

波板状かつ小片状の形態を有する担持触媒具備する触媒処理装置であって、該担持触媒は、波板状かつ小片状の形態を有するガラスペーパーと、該ガラスペーパーに担持された、触媒作用を有する触媒活性成分と、該触媒活性成分を該ガラスペーパーに担持させるために必要とされ、かつ、該ガラスペーパーを波板状の形態とするために必要とされる無機バインダーとを有する、触媒処理装置。

請求項2

前記担持触媒が、ランダムに触媒処理装置内に充填された、請求項1に記載の触媒処理装置。

請求項3

前記担持触媒は、メタン化反応触媒改質反応触媒アンモニア分解触媒排ガス浄化用の触媒よりなる群の中から選ばれた触媒である、請求項1または2に記載の触媒処理装置。

請求項4

前記無機バインダーは、無機系の金属酸化物を含むゾルあるいはそれら金属の有機および無機塩よりなる群の中から選ばれた少なくとも1種である、請求項1から3のいずれか1つに記載の触媒処理装置。

請求項5

前記無機系の金属酸化物は、シリカアルミナチタニアジルコニアイットリアランニアまたはセリアから選ばれる、請求項4に記載の触媒処理装置。

請求項6

前記金属の有機および無機塩は、前記金属の酢酸塩シュウ酸塩炭酸アンモニウム塩、または硝酸塩から選ばれる、請求項3に記載の触媒処理装置。

請求項7

前記波板状かつ小片状の形態を有する担持触媒は、幅2.0mm以上、高さ1.0mm以上を満たす寸法範囲を1回以上繰り返す波板状の断面形状を有する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の触媒処理装置。

請求項8

前記波板状かつ小片状の形態を有する担持触媒は、幅および高さで決められる波形状を1つ分以上有し、奥行き3.0mm以上かつ200mm以下を満たす寸法である、請求項6に記載の触媒処理装置。

請求項9

請求項1〜7のいずれか1つに記載の触媒処理装置の製造方法であって、平板状のガラスペーパーに、無機バインダーと触媒活性成分を含有するスラリーを塗布する工程と、前記スラリーが塗布された平板状のガラスペーパーを、予備加熱された波形状を有する金型上に置き、該金型の波形状に対応した形状を有する押さえ治具により該平板状のガラスペーパーを該金型の方に押圧した状態とし、該金型の表面温度を100〜500℃として加熱処理することにより、ガラスペーパー表面に存在する水分を除去して乾燥させ、該ガラスペーパーを波板状に形付けして、波板状の担持触媒を形成する工程と、波板状の担持触媒を該金型から剥離する工程と、該剥離された波板状の担持触媒を焼成して、該担持触媒に含まれる有機バインダー熱分解除去するとともに触媒活性成分を酸化物の形態に変化させる工程と、波板状の担持触媒を、小片状に切断して、波板状かつ小片状の担持触媒を形成する工程と含む、触媒処理装置の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、触媒処理、例えば、一酸化炭素二酸化炭素を主成分とする混合ガス水素との反応によるメタン製造、または水蒸気改質アンモニア分解による水素製造、あるいは排ガス浄化処理などに用いられる装置、およびその製造方法に関する。

背景技術

0002

排ガスなどの環境的にも生物的にも有害なガス無害に処理しようとする場合や、一酸化炭素や二酸化炭素を水素や炭化水素などの有用物に転換しようとする場合に、それぞれの用途に応じた多種の触媒を用いた触媒反応を利用することが知られており、また、そのような反応に用いる触媒の形態も種々のものが知られている。

0003

例えば、特許文献1には、炭素酸化物メタン化反応に用いられる触媒が記載されている。

0004

特許文献1に記載された方法により製造された触媒を用いれば、処理対象が一酸化炭素と二酸化炭素との混合ガスである場合、同時に提供される水素で、有毒な一酸化炭素をまずすべてメタンに転換し、残る水素で二酸化炭素をメタンに転換する、という理想的な機構を実現することができる。

0005

特許文献1には、粉体あるいは粒状の形態にある触媒およびその製造方法が記載されている。アルミナシリカ触媒粒子の核とするような製法に関しても記述されているが、特許文献1の方法では、基本的に成形体(粉体、粒状)の内部まで触媒成分が含まれることとなるために触媒成分の使用量が多くなり、結果として触媒製造コストが高くなることにつながる。また、メタン化反応はその反応速度が遅くなく触媒表面で起こるため、内部の触媒成分は反応に大きく寄与することはない。したがって、特許文献1に記載された触媒では、その触媒中に存在する触媒成分の全体が有効に活用されているわけではない。

0006

粉体形態の触媒を用いる場合に生じるこのような問題は、触媒を触媒担持ハニカム構造体の形態とすることにより解消することができる。触媒担持ハニカム構造体では、ハニカム構造を有する担体表面上にのみ触媒活性成分担持させることができるので、触媒表面積接触面積あるいは反応面積)あたりの触媒成分使用量を低減させることができるからである。

0007

しかしながら、従来から知られる触媒担持ハニカム構造体の形態を有する触媒では、担体となるハニカム構造体を一体として作製した後に、触媒活性成分を担持させる処理を行っていたため、触媒活性成分を均一に担持させるために大がかりな設備を要することとなっていた。また、このような触媒担持ハニカム構造体は強固に一体化されており分離することができないようになっているので、使用に応じて内部に閉塞等が生じてもこれを回復させるための操作は、ハニカム構造体ごとに行う必要があり容易ではなかった。

0008

本願発明者らは、このような従来の触媒担持ハニカム構造体が有する課題を解消することができる担持触媒を本発明に先立って提案している。この担持触媒では、波板状ガラスペーパー担体と平板状のガラスペーパー担体とを交互に積層するだけで互いに接着させないようにした。このような形態とすることで、波板状および平板状のそれぞれのガラスペーパーについて触媒成分を担持させる操作を行うことができるので、大がかりな設備を必要とせず、また、使用に応じて内部に閉塞等が生じた場合においても、波板状および平板状のそれぞれのガラスペーパーについて別個に回復させるような操作をすればよいので、従来型触媒ハニカム構造体が有していた課題を解消することができる。

0009

しかしながら、特許文献2に記載された担持触媒では、ケーシング内に充填されることでハニカム構造体を成し、またその構造を保持することが可能となるため、その使用においてケーシングは必須である。

0010

上記に例示したような粉体、粒状、あるいはハニカム構造体以外の形態の担持触媒も公知であり、例えば、円柱状、リング状のペレットなどがある。しかし、ハニカム構造体以外の形状の場合には、その使用条件によっては、充填使用時に適度な空隙が生じないことに起因して相当の圧力損失を生じることになる。

先行技術

0011

特許第5353952号明細書
特開2014−117649号公報

発明が解決しようとする課題

0012

従来から種々の形態の担持触媒が知られているが、上記のように、それぞれに利点を有するものの同時にそれぞれに課題を有している。すなわち、従来技術において、触媒成分の使用量を少なくすることにより安価であり、かつ、ケーシング等の設備を別途設ける必要もなく、さらに、充填使用時に適度に空隙が生じることで極端な圧力損失の発生を抑制することもできるような担持触媒は、未だ見いだされていない。

0013

本発明は、上記事情によりなされたものであり、上記に挙げた全てを満足する、担持触媒を具備する触媒処理装置およびその製造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0014

上記課題を解決するため、本出願人が鋭意検討した結果、下記発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、波板状かつ小片状の形態を有する担持触媒を具備する触媒処理装置であって、該担持触媒は、波板状かつ小片状の形態を有するガラスペーパーと、該ガラスペーパーに担持された、触媒作用を有する触媒活性成分と、該触媒活性成分を該ガラスペーパーに担持させるために必要とされ、かつ、該ガラスペーパーを波板状の形態とするために必要とされる無機バインダーとを有する、触媒処理装置である。

0015

前記担持触媒は、ランダム不規則)に触媒処理装置内に充填されることとなる。

0016

好ましくは、前記担持触媒は、メタン化反応触媒、改質反応触媒アンモニア分解触媒排ガス浄化用の触媒よりなる群の中から選ばれた触媒である。

0017

好ましくは、前記無機バインダーは、無機系の金属酸化物を含むゾルあるいはそれら金属の有機および無機塩よりなる群の中から選ばれた少なくとも1種である。

0018

好ましくは、前記無機系の金属酸化物は、シリカ、アルミナ、チタニアジルコニアイットリアランニアまたはセリアから選ばれる。

0019

好ましくは、前記金属の有機および無機塩は、前記金属の酢酸塩シュウ酸塩炭酸アンモニウム塩または硝酸塩から選ばれる。

0020

好ましくは、前記波板状かつ小片状の形態を有する担持触媒は、幅2.0mm以上、高さ1.0mm以上を満たす寸法範囲を1回以上繰り返す波板状の断面形状を有する。

0021

好ましくは、前記波板状かつ小片状の形態を有する担持触媒は、幅および高さで決められる波形状を1つ分以上有し、奥行き3.0mm以上200mm以下を満たす寸法である。

0022

また、本発明は、上記の触媒処理装置の製造方法であって、平板状のガラスペーパーに、無機バインダーと触媒活性成分を含有するスラリーを塗布する工程と、前記スラリーが塗布された平板状のガラスペーパーを、予備加熱された波形状を有する金型上に置き、該金型の波形状に対応した形状を有する押さえ治具により該平板状のガラスペーパーを該金型の方に押圧した状態とし、該金型の表面温度を100〜500℃として加熱処理することにより、ガラスペーパー表面に存在する水分を除去して乾燥させ、該ガラスペーパーを波板状に形付けして、波板状の担持触媒を形成する工程と、波板状の担持触媒を該金型から剥離する工程と、該剥離された波板状の担持触媒を焼成して、該担持触媒に含まれる有機バインダー熱分解除去するとともに触媒活性成分を酸化物の形態に変化させる工程と、波板状の担持触媒を、小片状に切断して、波板状かつ小片状の担持触媒を形成する工程と含む、触媒処理装置の製造方法である。

発明の効果

0023

本発明の触媒処理装置が具備する担持触媒は、触媒活性成分が担体となるガラスペーパーの表面上にのみ担持されているので、触媒の内部まで触媒活性成分が及んでいるような粉体状触媒と比べてその触媒活性成分の使用量を少なくすることができ、これにより安価である。また、本発明の触媒処理装置が具備する担持触媒は、波板状かつ小片状の形態を有しており、触媒処理装置中に充填するだけでよいので、ケーシング等の設備を別途設ける必要がなく、個々の担持触媒が波板状の形態を有することにより、充填使用時に適度な空隙が生じることとなるので極端な圧力損失の発生を抑制することができる。

図面の簡単な説明

0024

本発明に関する担持触媒の形態を概略的に示す斜視図である。

実施例

0025

以下、本発明による担持触媒を具備する触媒処理装置およびその製造方法について詳細に説明する。

0026

本発明による触媒処理装置は、担持触媒を具備したものであり、この担持触媒は、従来の担持触媒には見いだされない形態である、波板状かつ小片状の形態を有している。

0027

担持触媒の形態についてさらに具体的に説明する。

0028

図1は、本発明に関する担持触媒の形態を概略的に示す斜視図である。図1に示すように、本担持触媒は、凹溝が1回以上繰り返す波板状を有すると共に、凹溝1つ当たりの幅寸法(図中、Aで示す)およびこの幅寸法の繰り返しの回数(n)、高さ寸法(図中、Bで示す)、奥行き(図中、Cで示す)のいずれも小さい値を有しており、その意味で、小片状を有している。

0029

このような担持触媒において、幅寸法(A)は、2.0mm以上であり、好ましくは3.0mm以上、より好ましくは4.0mm以上である。また、幅寸法(A)は、好ましくは100mm以下、より好ましくは50.0mm以下であり更に好ましくは25.0mm以下、更に好ましくは10.0mm以下である。高さ寸法(B)は、1.0mm以上であり、好ましくは2.0mm以上、より好ましくは3.0mm以上である。また、高さ寸法(B)は、好ましくは50.0mm以下、より好ましくは25.0mm以下、更に好ましくは10.0mm以下である。また、幅方向繰り返し回数(n)は、1〜100回、好ましくは1〜10回、更に好ましくは1〜5回、更に好ましくは2〜4回である。

0030

また、奥行き寸法(C)は、3.0mm以上であり、好ましくは4.0mm以上、より好ましくは5.0mm以上である。また、奥行き寸法(C)は、好ましくは200mm以下、より好ましくは100mm以下であり、更に好ましくは50.0mm以下、更に好ましくは20.0mm以下、更に好ましくは15.0mm以下、更に好ましくは10.0mm以下である。

0031

幅方向の繰り返し回数(n)を有する担持触媒において、幅寸法(A)、高さ寸法(B)、奥行き寸法(C)は、上記範囲内でランダムに形成されていても良い。

0032

本担持触媒は、波板状かつ小片状の形態を有するガラスペーパーを有している。

0033

ガラスペーパーは、安価な素材であるので、一般的に、触媒の担体として用いることができれば好適である。しかし、市販のガラスペーパーには、有機バインダーが含まれており、この有機バインダーに起因して、市販のガラスペーパーは、加工し難い素材であることが知られていた。より具体的には、ガラスペーパーに対する押圧力が小さいと有機バインダーによる反発力が作用して、元の状態に戻ろうとする。しかし、ガラスペーパーに対する押圧力が大き過ぎた場合、ガラスペーパーが切れてしまう。したがって、ガラスペーパーに押圧力を加えて成形しようとした場合、それに適した押圧力は非常に狭い範囲の限局的なものとなることが多かった。

0034

このように加工成形し難いガラスペーパーについて、無機バインダーを用いることにより、これを加工成形に適したものにすることが本発明者らによって提案された(例えば、特開2014−117649号公報)。

0035

本発明に関わる担持触媒においても、担体を初期段階で波板状に加工する必要があるので、本発明者らがすでに提案したような無機バインダーを含有するようにして、ガラスペーパーを担体として用いる。

0036

無機バインダーは、触媒活性成分を担体上に固着させるという目的のために、触媒活性成分と共に担体上に加えられるものであるが、上記のように無機バインダーは、担体であるガラスペーパーが成形加工可能であるように機械的強度を増大させるような機能も有している。

0037

このような無機バインダーとしては、上記のように触媒活性成分の担持および波板状成形の工程において適切な結着力および形状強度を付与できることに加えて、使用する触媒活性成分の性能を著しく阻害しないこと、を案した上で自由に選定することができる。

0038

このような無機バインダーによる機械的強度の増大は、波板状に成形することができるという効果に加えて、小片状に切断するに際しても破損が生じることがないという効果にもつながった。すなわち、本発明にいう、波板状かつ小片状の形態は、無機バインダーを含有するガラスペーパーを用いることによって得られる効果である。

0039

本発明の担持触媒はまた、上記形態のガラスペーパーに担持された、触媒作用を有する触媒活性成分を有している。

0040

本発明の担持触媒は、含有される触媒活性成分に応じて様々な触媒反応を行うために用いることができ、本発明の担持触媒は、例えば、メタン化反応、改質反応、アンモニア分解、排ガス浄化のために用いられる。これらの種々の触媒反応を実現するための触媒活性成分は、触媒作用を有する遷移金属(例えば、第4族、第8〜10族の金属)、あるいは触媒または助触媒作用を有するランタノイドアルカリ金属(第2族)、アルカリ土類金属(第3族)、卑金属(第13〜15族)、およびこれら金属の酸化物等である。

0041

担持されるべき触媒活性成分は、用いられる触媒反応に応じて選ばれてよく、例えば、メタン化反応や改質反応のためには各反応に対する触媒金属である、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、白金(Pt)などから1種以上が選ばれてよく、アンモニア分解反応のためには、アンモニア分解触媒金属である、ルテニウム(Ru)やコバルト(Co)、ニッケル(Ni)などから1種以上が選ばれてよく、脱硝反応のためには、脱硝触媒金属である、チタン(Ti)、バナジウム(V)、タングステン(W)から1種以上が選ばれてよい。

0042

本発明の担持触媒は、さらに、上記のように、触媒活性成分をガラスペーパーに担持させるために必要とされ、かつ、ガラスペーパーを波板状かつ小片状の形態とするために必要とされる無機バインダーを含有している。

0043

このような無機バインダーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、イットリア、ランタニアまたはセリアから選ばれる1種以上の無機系の金属酸化物である。

0044

以上に説明したように、本発明の触媒処理装置に用いられる担持触媒では、安価ではあるが機械的強度に優れているとは言えない市販のガラスペーパーを担体として用いるが、これに無機バインダーを含有させることにより、機械的強度に優れたものとし、これにより、自由に波板状に成形したり、小片状に切断したりできるようにした。また、本発明に関わる担持触媒では、ガラスペーパーの表面上だけに触媒活性成分が存在する、という構成になっている。つまり、本発明に関わる担持触媒を触媒処理装置内に充填した際に、接触面積あたりの使用触媒活性成分量を、その内部まで触媒活性成分で構成された従来の触媒と比較して、大幅に減少させることが可能となる。また、担持触媒を触媒処理装置に充填する際に、ケーシングを必要としないため触媒製造コストを安価にすることが可能となる。

0045

また、本発明に関わる担持触媒は、波板状かつ小片状の形態を有することから、これらをランダム(不規則)に、触媒処理装置である反応器(例えば、円柱状の反応槽)内に充填した際におのずと適度な空隙が生じるため、その使用時において極端な圧力損失が生じることを回避することができる。

0046

以上は、本発明に関わる担持触媒が図1に概略を示したような、小片状に切断する際に波板状の底部に一致する個所において切断したような形態を有するものについて説明したが、本願に関わる担持触媒は、波板状かつ小片状の形態を有することをその本質とするものであるため、波板の底部に一致しないような個所で切断して小片状にしたような形態のものも本願に関わる担持触媒に包含される。

0047

さらには、本発明に関わる担持触媒は、多数の波板状かつ小片状の担持触媒を触媒処理装置に充填することにより使用されるものであり、その多数の担持触媒は、全て同一寸法を有するものであってもよいが、寸法が一定でないようなものを用いるようにしてもよい。

0048

また、図1に示す形態の担持触媒では、同一寸法の波板状の形状が連続する形態を有しているが、隣り合う波板状の形状は、必ずしも同一である必要はなく、異なる寸法を有していてもよい。

0049

次に、本発明に関わる担持触媒の製造方法について説明する。

0050

本発明に関わる担持触媒は、以下の工程を実施することによって製造される。
(1)平板状のガラスペーパーに、無機バインダーと触媒活性成分とを含有するスラリーを塗布する工程;
(2)前記スラリーが塗布された平板状のガラスペーパーを、予備加熱された波板形状を有する金型上に置き、該金型の波板形状に対応した形状を有する押さえ治具により該平板状のガラスペーパーを該金型の方に押圧した状態とし、この状態で加熱処理することにより、スラリーが塗布されたガラスペーパー表面に存在する水分を除去して乾燥させ、該ガラスペーパーを波板状に形付けして、波板状の担持触媒を形成する工程;
(3)波板上の担持触媒を金型から剥離する工程;
(4)波板状の担持触媒を焼成して、該担持触媒に含まれる有機バインダーを熱分解除去するとともに触媒活性成分を酸化物の形態に変化させる工程;
(5)波板状の担持触媒を、小片状に切断して、波板状かつ小片状の担持触媒を形成する工程。

0051

上記の本発明に関わる担持触媒の製造方法において、上記の各工程は、必ずしもここで示された順序に行う必要はなく、適宜変更してもよい。例えば、工程(4)の焼成と、工程(5)の切断の実施順序は、逆にしてもよい。

0052

(平板状のガラスペーパーに、無機バインダーと触媒活性成分とを含有するスラリーを塗布する工程)
本工程に用いられるスラリーは、触媒活性成分を水と混合することにより水溶液もしくは懸濁液とし、これに無機バインダーとして無機系の金属酸化物を含むゾルなどを適量加えて均一になるまで混合することにより調製される。

0053

ここで、本工程にいう触媒活性成分は、当該触媒活性成分の前駆体をも含めたものを意味する。触媒活性成分の前駆体は、触媒活性成分を担体上に担持させるための加熱等の処理を経て、または、別途の還元処理等の処理をさらに施すことにより触媒活性を有するに至る成分であって、そのような処理前の状態の化合物である。

0054

触媒活性成分は、作製されるべき触媒の用途に応じて選択される。例えば、メタン化反応に用いられる触媒を作製しようとした場合には、ニッケル、ジルコニウムサマリウムから選択される1種以上が用いられる。スラリー調製時の触媒活性成分は、担体上に担持させることが可能であれば様々な形態であってよく、例えば、活性成分となる金属の無機または有機の塩、酸化物、錯体が挙げられるが、水に加えた場合に水溶液にすることが可能である点で、無機塩の形態が好ましい。

0055

無機バインダーは、より詳細には、無機系の金属酸化物を含むゾルあるいはそれら金属の有機塩および無機塩よりなる群の中から選ばれた少なくとも1種である。さらに詳細には、無機系の金属酸化物は、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、イットリア、ランタニアまたはセリアから選ばれる。また、金属の有機塩および無機塩は、金属の酢酸塩、シュウ酸塩、炭酸アンモニウム塩、硝酸塩から選ばれた少なくとも1種である。

0056

スラリー中の触媒活性成分の濃度は、全工程終了後に得られる担持触媒の単位表面積当たりの触媒活性成分量が所望量になるように適宜決めればよい。

0057

また、スラリー中の無機系金属酸化物のゾルあるいはそれら金属の塩の濃度は、厳密である必要はなく適量であってよいが、これらの濃度が低すぎた結果、ガラスペーパーに塗布される無機系金属酸化物のゾルあるいはそれら金属の塩の量が少なすぎると、触媒活性成分をガラスペーパー上に良好に担持させることができず、また、ガラスペーパーの機械的強度を十分に向上させることができないことになり、他方で、無機系金属酸化物のゾルあるいはそれら金属の塩の濃度が高すぎても、触媒活性成分の担持および機械的強度の向上の点で明確な利点にならない上に粘稠性が大きくなり扱いにくくなる場合がある。したがって、これらを考慮すると、例えば、10〜30重量%の範囲である。

0058

次いで、このようにして調製されたスラリーを、平板状のガラスペーパー上に均一に塗布する。

0059

塗布方法としては、ガラスペーパー上に均一に塗布することができれば、当業者に公知のいかなる方法を用いてもよいが、例えば、いわゆるどぶ漬け方法、刷毛塗り方法、スプレー塗り方法、滴下塗布方法などが挙げられる。

0060

(形付け工程)
次いで、上記のようにしてスラリーが均一に塗布された平板状のガラスペーパーを、予備加熱された金型上に置く。この工程では、この金型が有する波板の形状に基づいて形付けがなされる。

0061

予備加熱は、形付けおよびスラリー中の水分を蒸発させるための加熱工程をよどみなく実施することを目的としてなされるものであり、具体的には、150〜500℃(金型の表面温度と同等)とされる。

0062

金型上にガラスペーパーを載置した後、この金型の波板形状に対応した形状を有する押さえ治具によりガラスペーパーを金型の方に押圧した状態とする。そしてこの状態を維持したままで加熱処理する。この加熱処理により、ガラスペーパー表面に存在する水分が除去され、これにより乾燥させられるが、無機バインダーの作用により波板状に保持されてガラスペーパーは、波板形状に形付けがなされる。

0063

波板状に形付けするための金型は、同じ形状の凹溝が繰り返す形状を有するものであってよいが、隣り合う凹溝の形状が細部までは一致しないような形状を有するものであってもよい。

0064

この形付けの工程における加熱処理は、ガラスペーパー表面に存在する水分を除去することができる温度範囲でなされ、例えば、100〜500℃でなされるが、金型の表面温度は、150〜500℃とすることが好ましい。金型の表面温度が150℃に満たない場合には、水分除去が首尾よく進まず、結果として波板形状が不良になる場合があり、他方で、500℃を超えると、金型にひずみが生じる可能性がある。さらに、製造時の時間的効率をも勘案すると、200〜500℃の範囲であることがより好ましい。

0065

加熱処理時間は、金型の表面温度に応じて変動し得るが、例えば5〜600秒とされる。

0066

本工程において用いられる金型としては、例えば、並列状に凹溝を有する金属パネルが用いられる。この並列状の凹溝に基づいて、平板状のガラスペーパーを波板形状に形付けるため、凹溝は、2.0mm以上の幅寸法および1.0mm以上の高さ寸法を有している。

0067

また、溝底部は、本工程実施時にガラスペーパーが破けるのを避けるために0.5〜2mmの曲率半径を有している。

0068

押さえ治具は、金具の反対側からガラスペーパーに直接的に接触するため、この部分が撥水加工されたものが用いられる。撥水加工は例えばテフロン登録商標)加工である。

0069

本工程により、担体となるガラスペーパーの表面上に無機バインダーと触媒活性成分とが担持された担持触媒の形態になるので、以降の記載においては、簡単のため、本工程により得られたものを、「波板状の担持触媒」と称することとする。

0070

(波板状の担持触媒を金型から剥離する工程)
次いで、金型上の波板状の担持触媒を金型から剥離する。この波板状の担持触媒は、無機バインダーを含有しておりその機械的強度が向上しているため、破損が生じることなく容易に剥離することができる。

0071

(波板状の担持触媒を焼成して、担持触媒に含まれる有機バインダーを熱分解除去する工程)
本工程において、波板状の担持触媒を焼成することにより担持触媒に含まれる有機バインダーを熱分解除去する。本工程により加熱処理を行っても無機バインダーが存在することにより波板状の形態はそのままに維持される。また、本工程の処理により、触媒活性成分は望ましい状態に変化する。ここで、望ましい状態とは、例えば、硝酸ニッケル酸化ニッケルに変化させるなど、基本的に塩の形態から触媒の前駆体となる酸化物の形態に変化させることを意味する。

0072

本工程による波板状の担持触媒の焼成を行う際の温度は、該触媒の用途およびその成分により差異があるものの概ね200〜550℃、焼成時間は、温度同様に差異があるものの概ね2〜10時間であり、空気流通下の条件で行う。製造時の時間的効率を勘案すると200℃以上であることがより好ましい。また、550℃を超えると担持する触媒活性が低下する可能性があり好ましくない。

0073

(波板状の担持触媒を、小片状に切断して、波板状かつ小片状の担持触媒を形成する工程)
本工程において、波板状の担持触媒を小片状に切断する。この工程によって波板状かつ小片状の担持触媒が形成される。

0074

本工程によって、波板状の担持触媒をいかなる寸法に切断してもよく、例えば、(波形状の直交する方向)×(奥行き寸法(C)):20×20(mm)に切断する。

0075

また、本工程を実施するに際しては、波板状の担持触媒の切断個所が波板状の底部に一致するように切断してよく、この場合は、図1に示すような形態の波板状かつ小片状の担持触媒が得られる。しかし、本工程における切断は、その切断個所が波板状の底部に一致しないように切断してもよい。

0076

さらには、本工程は、担持触媒が、一定の寸法を有するように一定の切断寸法で切断するようにしてもよいが、担持触媒ごとに有する寸法が異なるように一定でない切断寸法で切断するようにしてもよい。

0077

また、上記の形付けの工程において、波板状に形付けするための金型は、隣り合う凹溝の形状が細部までは一致しないような形状を有するものであってもよいとしたが、そのような金型により形付けがなされた波板状の担持触媒を切断すると、隣り合う波形状が互いに異なるような担持触媒が得られることになる。

0078

上記により、波板状かつ小片状の担持触媒が得られるが、目的とする触媒反応に応じて触媒活性成分に対してさらなる処理を行ってよく、例えば、還元処理がなされる。この還元処理は、上記(1)〜(5)のいずれの工程を行った後に行われてもよいが、好適には、(5)の工程を行った後に行われる。

0079

このような還元により、ガラスペーパー上に担持された酸化物の形態の触媒活性成分は、金属形態に還元されることとなる。

0080

以上の工程を経ることにより、波板状かつ小片状の担持触媒が得られる。

0081

本発明に関わる波板状かつ小片状の担持触媒では、基材となる担体を安価な材料であるガラスペーパーから選択すること、ケーシングが不要であることも含めて、所定の触媒反応量(接触面積≒触媒表面積)を得るための触媒製造コストを安価にすることが可能である。

0082

得られた波板状かつ小片状の担持触媒は、触媒処理装置内の触媒スペースに充填される。その充填される態様は、従来から知られている粉末状あるいは粒状の触媒を充填することにより構成される触媒処理装置と同様であるので、詳しい説明は省略する。

0083

本発明の触媒処理装置は、複数個の波板状かつ小片状の担持触媒がランダムに充填され、その担持触媒が波板状の形態を有しているために、その使用のために充填された際にも、その波板状の形態によりおのずと適度な立体的な空隙を生じるため、その使用時に極端な圧力損失が生じることを回避することができる。

0084

次に、上記の本発明の担持触媒につき、図1に示される各寸法を具体的に決めた場合に、どのような比表面積単位体積当たりの表面積(m2/m3))および空隙率が得られるのかを概算したので説明する。

0085

(例1)
例1では、幅寸法(A):10mm、高さ寸法(B):10mmの凹溝が2つ連続し(n=2)、奥行き寸法(C):10mmとした(2A×B×C:20×10×10mm)。

0086

この場合の比表面積は、およそ440m2/m3であると概算され、また、この担持触媒の厚さが1mmであるとすると、空隙率は、およそ78%であると概算される。

0087

これらの概算値は、上記の各寸法を有する1つの担持触媒について求められたものであり、これを触媒処理装置にランダムに充填した場合、比表面積は上記の440m2/m3よりも若干大きく、また、空隙率は上記の78%より若干高くなることが考えられ、また、各寸法(A、B、C)および凹溝の連続数(n)、また触媒処理装置の充填容器の形状および寸法によって変動するが、基準的な値として、以降の計算をするには上記の比表面積440m2/m3および空隙率78%は妥当であると考えてよい。

0088

担持触媒が上記の寸法を有し、それにより上記の比表面積440m2/m3および空隙率78%を有するとして、この担持触媒により接触面積500m2を確保しようとした場合、反応面積あたり触媒成分を500g/m2担持すると、必要な触媒成分の量は、500m2×500g/m2×0.001(kg/g)=250kgとなる。

0089

一方で、直径(φ):3mm×高さ(H):3mmの円柱ペレットの担持触媒を用いて接触面積500m2を確保しようとした場合、このペレット触媒比重が3400kg/m3であるとすると、これをランダムに反応器内に充填した際の充填率は約60%、充填後の比表面積は1200m2/m3と概算され、これにより、ペレット触媒として500m2÷1200m2/m3=0.417m3必要であり、必要な触媒成分は0.417m3×3400kg/m3=1417kgとなる。

0090

これらを必要な触媒成分量で比較すると、本発明のような形態の担持触媒とすることにより、劇的(ペレットの約18%)に低減させることが可能であることがわかる。

0091

また、充填時の空隙率で比較すると、本発明のような形態の担持触媒の場合には78%以下であり、上記のペレット形態の触媒の場合は(1−充填率/100)×100から算出し40%であるため、本発明のような形態の担持触媒にすることで空隙率は増加する可能性が高く、その効果として充填層における圧力損失を抑制できる可能性が高い。

0092

(例2)
図1に示される、幅寸法(A)、高さ寸法(B)、奥行き寸法(C)の各寸法および凹溝連続数(n)および触媒厚(t)のそれぞれについて、(A,B,C,n,t)=(5,5,5,2,1)とした場合、(nA×B×C:10×5×5mm)の担持触媒の比表面積と空隙率は各々およそ890m2/m3、55%と概算される。

0093

ただし、これをランダムに触媒処理装置に充填した場合に、例1と同様に、比表面積および空隙率に若干の変動はあり得る。

0094

必要触媒活性成分量に関する円柱ペレット(φ:3mm×H:3mm)との比較は例1と同様である。

0095

充填時の空隙率で比較すると、本発明に沿う例2では55%以下であり、円柱ペレットの場合は40%であるため、本発明のようにすることで空隙率が増加し、その効果として、充填層における圧力損失を抑制することができる。

0096

以下に、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。

0097

(実施例1)
下記工程(1)〜(10)を順次行うことにより、本発明に合致するメタン化用担持触媒を製造した。
(1)ジルコニアのヒドロゾル「Zr30AH」(日産化学工業株式会社製、ZrO2:30重量%、pH=4.0)15.0gに、硝酸サマリウム六水和物結晶を1.969g加え、均一なクリームスラッジになるまで撹拌した。
(2) 別に硝酸ニッケル六水和物19.806gを20mLの純水に溶解させ、硝酸ニッケル水溶液を用意した。
(3) この水溶液を上記(1)のスラッジに加え、均一な溶液になるまで撹拌した。
(4) この均一溶液に、シリカゾルスノーテックスOS」(日産化学工業株式会社製、SiO2:20重量%、pH=2.0〜4.0)13.179gを加え、再度均一な溶液になるまで撹拌し、メタン化触媒前駆体スラリーとした。
(5) 市販のガラスペーパーとして、繊維量100g/m2、アクリル系樹脂有機バインダーが10重量%含有されている平板状ガラスペーパー(200×300mm)に、6623g/m2の塗布量で上記スラリーを塗布した。
(6)ホットプレート上に、幅7.0mm、高さ7.0mm、および溝底部の曲率半径1.6mmの並列状の凹溝を有するステンレス鋼製の波板状パネルよりなる波形付与用の金型(300×300mm)を設置し、その表面を300℃まで加熱した。この金型上に(5)記載のスラリーを塗布した平板状ガラスペーパーを置き、押さえ冶具により金型の凹溝に沿って10秒間にわたって押さえつけて形付けし、かつガラスペーパー表面のスラリー中の水分を除去することにより乾燥させ、これにより、触媒活性成分が担体であるガラスペーパーの表面上に担持され、かつ、波板状の形態を有する担持触媒を得た。次いで、金型から波板状の担持触媒を剥離した。この剥離の際にも、波板状の担持触媒はその形状はそのまま保持される。
(7) 剥離した波板状の担持触媒を、空気流通下500℃で8時間焼成して、有機バインダー成分を除去した。
(8)焼成後の波板状担持触媒を、凹溝連続2つ分に相当する幅14.0mm、奥行き5.0mmの寸法で切断して、メタン化反応用の波板状かつ小片状の担持触媒を得た。得られた担持触媒の厚さを測定すると1.0mmであった。
(9) 得られた波板状かつ小片状の担持触媒を内径30mmの円筒反応管内充填長さ2,500mmで充填し、触媒充填層容積あたりの空間速度が7,200h−1となる空気を常温流通させ、充填層の入口と出口との差圧を測定した。
(10) 波板状かつ小片状の担持触媒を充填した反応器内に水素ガスを導入し、300℃で2時間の還元処理を施し、担持触媒のガラスペーパー上に担持されている触媒活性成分を還元しメタン化反応に対して活性な金属形態とした。

0098

(実施例2)
実施例1における工程(6)の金型の表面を250℃に加熱して用いた点以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置を得た。

0099

(実施例3)
実施例1における工程(6)の金型の表面を200℃に加熱して用いた点以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置を得た。

0100

(実施例4)
実施例1における工程(6)の金型の表面を150℃に加熱して用いた点以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置を得た。

0101

(実施例5)
実施例1における工程(6)の金型の表面を100℃に加熱して用いた点以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置を得た。

0102

(比較例1)
実施例1における工程(6)の金型の表面を常温として用いた点以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置を得た。

0103

これらの実施例1〜5および比較例1について、それぞれ、波板状の凹溝を有する金型による形付けの工程後からの剥離に要する時間を測定し、また波形形状の良否を判定したので、下記の表1にまとめる。

0104

ここで、表1において、剥離に要した時間は、押さえ治具を用いた押圧による形付けを行った後に押さえ治具を離間させた時点から、金型を斜めに持ち上げ、波板状の担持触媒が重力により自然とずれ落ちるまでのおおよその時間を意味する。また、波板形状の良否は、剥離後の触媒形状が成形に使用した金型の凹凸に合致した状態を維持できているか否かにより判定した。

0105

0106

上記表1に示すように、実施例1〜5では、いずれも波板形状は良好であった。また、金型の表面温度が低くなるほど、剥離に要する時間が長くなり、実施例5のように金型の表面温度が100℃まで下がると、剥離に要する時間は、大幅に長くなり、これでは乾燥の効率が悪い。また、実施例5の表面温度の条件では、製造された波板状の担持触媒の波形形状も不良であった。ただし、これらの結果は、製造工程の効率および製造された触媒の形状の良否の観点からの考察であって、実施例5の場合も十分な触媒性能を有するものであった。金型の表面温度がさらに低い比較例1では、金型から剥離することがなく、波形形状も形成されなかった。

0107

次に、下記実施例6〜11および比較例2〜3により、金型の凹溝の寸法形状を変更することにより製造される担持触媒の寸法を変更した。

0108

(実施例6)
実施例1における工程(6)の金型として、幅寸法(A):4.0mm、高さ寸法(B):3.0mmのものを用い、工程(8)において、凹溝連続2つ分に相当する幅8.0mm、奥行き5.0mmの寸法で切断した以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置とした。

0109

(実施例7)
実施例1における工程(6)の金型として、幅寸法(A):3.0mm、高さ寸法(B):2.0mmのものを用い、工程(8)において、凹溝連続2つ分に相当する幅6.0mm、奥行き5.0mmの寸法で切断した以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置とした。

0110

(実施例8)
実施例1における工程(6)の金型として、幅寸法(A):15.0mm、高さ寸法(B):15.0mmのものを用い、工程(8)において、凹溝連続2つ分に相当する幅30.0mm、奥行き5.0mmの寸法で切断した以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置とした。

0111

(実施例9)
実施例1における工程(6)の金型として、幅寸法(A):3.0mm、高さ寸法(B):2.0mmのものを用い、工程(8)において、凹溝連続2つ分に相当する幅6.0mm、奥行き3.0mmの寸法で切断した以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置とした。

0112

(実施例10)
実施例1における工程(6)の金型として、幅寸法(A):2.0mm、高さ寸法(B):2.0mmのものを用い、工程(8)において、凹溝連続2つ分に相当する幅4.0mm、奥行き5.0mmの寸法で切断した以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置とした。

0113

(実施例11)
実施例1における工程(6)の金型として、幅寸法(A):2.0mm、高さ寸法(B):1.0mmのものを用い、工程(8)において、凹溝連続2つ分に相当する幅4.0mm、奥行き5.0mmの寸法で切断した以外は実施例1の場合と同様にして、本発明による波板状かつ小片状の担持触媒を製造し、これを充填した触媒処理装置とした。

0114

(比較例2)
実施例1において製造された担持触媒に代えて直径3.0mm、高さ3.0mmの円柱形状のペレット触媒を触媒処理装置に充填した。

0115

(比較例3)
触媒処理装置に何も充填しなかった。

0116

これらの実施例1および6〜11および比較例2〜3について、触媒処理装置の充填層(比較例3においては充填なし)における空隙率および差圧を測定したので、その結果を下記表2に示す。

0117

ここで、空隙率は、反応器内における触媒設置空間容積をX、充填した担持触媒の小片総体積をYとした場合、各々を測定した上で、(X−Y)/Xを計算することにより測定した。差圧は、実施例1にも示したように、充填層の入口と出口との差圧である。

0118

0119

上記表2に示される結果より、本発明のように担持触媒を波板状かつ小片状の形態とすることにより、これを反応器に充填した際にその充填層の空隙率を高くすることができ、かつ、充填層の圧力損失(差圧)を軽減することができることが分かった。

0120

上記表の実施例1、6〜11により得られた結果に示されるように、波型の形状が微細になるほど、それに伴って空隙率が低くなり、圧力損失も大きくなる傾向がある。実施例11では、その空隙率が円柱形態のペレット触媒を充填した場合である比較例3よりも低くなっているが、圧力損失は同程度に維持することができており、波板状かつ小片状の形態にした効果が得られている。

0121

また、実施例9にあるように、波板状かつ小片状の形態の担持触媒の奥行き寸法を小さくした場合にも、充填層の圧力損失は大きくなる傾向がある。

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