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技術 肌評価装置および方法並びにプログラム

出願人 富士フイルム株式会社
発明者 吉田那緒子山口義隆磴秀康池田恵梨子谷武晴
出願日 2015年3月31日 (5年2ヶ月経過) 出願番号 2015-070855
公開日 2016年11月10日 (3年7ヶ月経過) 公開番号 2016-189877
状態 特許登録済
技術分野 生体の呼吸・聴力・形態・血液特性等の測定 診断用測定記録装置
主要キーワード 鏡面反射画像 感性評価 フラクタル解析 異方向性 商品設計 毛髪領域 閾値条件 光学特性情報
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年11月10日)のものです。
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図面 (5)

課題

肌の物理特性光学特性との両方を考慮して肌のつやを評価することによって、実際の見た目により近い肌のつやの評価を定量的に行うことができる肌評価装置および方法並びにプログラムを提供する。

解決手段

肌の表面凹凸形状の情報を取得する形状情報取得部22と、肌の光学特性の情報を取得する光学特性情報取得部23と、表面凹凸形状の情報と光学特性の情報とに基づいて、肌のつやを評価する評価部24とを備える。

概要

背景

美しい肌の条件として、「透明感がある」、「ハリがある」、「うるおいがある」または「つやがある」などが挙げられる。これらの中でも、肌のつやについては、肌のつやが存在することで、視覚的にうるおいを感じたり、視覚的にハリを感じたり、若さを感じたりするので、重要な因子であると考えられる。

したがって、肌状態の評価や肌の使用される化粧品薬剤などの商品設計において、肌のつやを定量的に評価できることが重要である。

肌のつやを定量的に評価する一般的な手法としては、無偏光画像および偏光画像クロスニコル)の2枚の画像を取得し、これらの画像の差分画像から鏡面反射画像を生成し、鏡面反射画像の輝度値輝度分布によりツヤを評価する方法がある。

また、特許文献1においては、肌の画像から鏡面反射成分を抽出し、鏡面反射画像の明るさの平均値から物理的な光沢度を取得し、鏡面反射成分を多重解像度解析することによって肌の肌理を表す周波成分の2乗平均値により見かけの荒さを産出し、その見かけの荒さと光沢度によりつやを評価する方法が提案されている。

また、特許文献2においては、無偏光画像および偏光画像(クロスニコル)の2枚の画像を取得し、これらの画像の輝度レベル補正した後、これらの画像のBチャンネル画像の差分画像を生成し、その差分画像の平均と正規分布剥離度を計算し、その剥離度に基づいて、肌のつやおよび滑らかさを評価する方法が提案されている。

また、特許文献3においては、毛髪のつやを評価する方法が提案されている。具体的には、毛髪を撮像し、毛髪領域フラクタル解析することによって得られた結果に基づいて髪のつや評価を行うことが提案されている。

また、特許文献4においては、肌の光学特性値感性評価スコアとの対応関係をあらかじめ求め、評価対象の肌の光学計測値と上記対応関係に基づいて肌の見え方を評価する方法が提案されている。

概要

肌の物理特性光学特性との両方を考慮して肌のつやを評価することによって、実際の見た目により近い肌のつやの評価を定量的に行うことができる肌評価装置および方法並びにプログラムを提供する。肌の表面凹凸形状の情報を取得する形状情報取得部22と、肌の光学特性の情報を取得する光学特性情報取得部23と、表面凹凸形状の情報と光学特性の情報とに基づいて、肌のつやを評価する評価部24とを備える。

目的

本発明は、上記の問題に鑑み、肌の物理特性と光学特性との両方を考慮して肌のつやを評価することによって、実際の見た目により近い肌のつやの評価を定量的に行うことができる肌評価装置および方法並びにプログラムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

肌の表面凹凸形状の情報を取得する形状情報取得部と、前記肌の光学特性の情報を取得する光学特性情報取得部と、前記表面凹凸形状の情報と前記光学特性の情報とに基づいて、前記肌のつやを評価する評価部とを備えたことを特徴とする肌評価装置

請求項2

前記形状情報取得部が、前記肌を撮影した画像を取得し、該取得した画像に基づいて、前記表面凹凸形状の情報を取得する請求項1記載の肌評価装置。

請求項3

前記形状情報取得部が、前記肌から採取した角層の剥がれを撮影した画像を取得し、該取得した画像に基づいて、前記表面凹凸形状の情報を取得する請求項1記載の肌評価装置。

請求項4

前記形状情報取得部が、データサーバ装置に予め記憶された前記肌の表面凹凸形状の情報を読み出して取得する請求項1記載の肌評価装置。

請求項5

前記形状情報取得部が、前記肌の角層の状態を示す情報を前記表面凹凸形状の情報として取得する請求項1から4いずれか1項記載の肌評価装置。

請求項6

前記形状情報取得部が、前記肌の皮溝の幅、傾斜角および密度の少なくとも1つの情報を前記表面凹凸形状の情報として取得する請求項1から5いずれか1項記載の肌評価装置。

請求項7

前記光学特性情報取得部が、前記肌の内部の散乱係数を前記光学特性の情報として取得する請求項1から6いずれか1項記載の肌評価装置。

請求項8

前記光学特性情報取得部が、前記肌にスリット光照射して撮影されたスリット光画像を取得し、該スリット光画像に基づいて、前記肌の内部の散乱係数を取得する請求項7記載の肌評価装置。

請求項9

前記形状情報取得部が、前記肌の角層の状態を示す情報、前記肌の皮溝の幅、傾斜角および密度の情報を前記表面凹凸形状の情報として取得し、前記光学特性情報取得部が、前記肌の内部の散乱係数を前記光学特性の情報として取得し、前記評価部が、前記肌の角層の状態を示す情報、前記肌の皮溝の幅、傾斜角および密度の情報並びに前記肌の内部の散乱係数に基づいて、前記肌のつやを評価する請求項1から4いずれか1項記載の肌評価装置。

請求項10

前記評価部が、前記角層のはがれ部分の面積率が20%以下であり、前記肌の皮溝の幅が50±30μmであり、前記皮溝の傾斜角が80度以上90度以下であり、前記皮溝の密度が30%以上である場合に、前記肌のつやが良好であると評価する請求項9記載の肌評価装置。

請求項11

肌の表面凹凸形状の情報を取得し、前記肌の光学特性の情報を取得し、前記表面凹凸形状の情報と前記光学特性の情報とに基づいて、前記肌のつやを評価することを特徴とする肌評価方法

請求項12

肌の表面凹凸形状の情報を取得する形状情報取得部と、前記肌の光学特性の情報を取得する光学特性情報取得部と、前記表面凹凸形状の情報と前記光学特性とに基づいて、前記肌のつやを評価する評価部としてコンピュータを機能させることを特徴とする肌評価プログラム

技術分野

0001

本発明は、肌のつやを評価する肌評価装置および方法並びにプログラムに関するものである。

背景技術

0002

美しい肌の条件として、「透明感がある」、「ハリがある」、「うるおいがある」または「つやがある」などが挙げられる。これらの中でも、肌のつやについては、肌のつやが存在することで、視覚的にうるおいを感じたり、視覚的にハリを感じたり、若さを感じたりするので、重要な因子であると考えられる。

0003

したがって、肌状態の評価や肌の使用される化粧品薬剤などの商品設計において、肌のつやを定量的に評価できることが重要である。

0004

肌のつやを定量的に評価する一般的な手法としては、無偏光画像および偏光画像クロスニコル)の2枚の画像を取得し、これらの画像の差分画像から鏡面反射画像を生成し、鏡面反射画像の輝度値輝度分布によりツヤを評価する方法がある。

0005

また、特許文献1においては、肌の画像から鏡面反射成分を抽出し、鏡面反射画像の明るさの平均値から物理的な光沢度を取得し、鏡面反射成分を多重解像度解析することによって肌の肌理を表す周波成分の2乗平均値により見かけの荒さを産出し、その見かけの荒さと光沢度によりつやを評価する方法が提案されている。

0006

また、特許文献2においては、無偏光画像および偏光画像(クロスニコル)の2枚の画像を取得し、これらの画像の輝度レベル補正した後、これらの画像のBチャンネル画像の差分画像を生成し、その差分画像の平均と正規分布剥離度を計算し、その剥離度に基づいて、肌のつやおよび滑らかさを評価する方法が提案されている。

0007

また、特許文献3においては、毛髪のつやを評価する方法が提案されている。具体的には、毛髪を撮像し、毛髪領域フラクタル解析することによって得られた結果に基づいて髪のつや評価を行うことが提案されている。

0008

また、特許文献4においては、肌の光学特性値感性評価スコアとの対応関係をあらかじめ求め、評価対象の肌の光学計測値と上記対応関係に基づいて肌の見え方を評価する方法が提案されている。

先行技術

0009

特許4133248号公報
特許5340907号公報
特許5085344号公報
特開2003−190120号公報

発明が解決しようとする課題

0010

ここで、肌のつやは、肌表面反射による鏡面反射および拡散反射だけでなく、肌内部での光の散乱によっても変化する。したがって、肌のつやを評価する場合には、肌の物理特性と肌の光学特性との両方を考慮することがより望ましいと考えられる。上述した特許文献1から特許文献4には、肌の物理特性と肌の光学特性との両方を考慮した方法については、何も提案されていない。

0011

本発明は、上記の問題に鑑み、肌の物理特性と光学特性との両方を考慮して肌のつやを評価することによって、実際の見た目により近い肌のつやの評価を定量的に行うことができる肌評価装置および方法並びにプログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明の肌評価装置は、肌の表面凹凸形状の情報を取得する形状情報取得部と、肌の光学特性の情報を取得する光学特性情報取得部と、表面凹凸形状の情報と光学特性の情報とに基づいて、肌のつやを評価する評価部とを備えたことを特徴とする。

0013

また、上記本発明の肌評価装置において、形状情報取得部は、肌を撮影した画像を取得し、その取得した画像に基づいて、表面凹凸形状の情報を取得することができる。

0014

また、上記本発明の肌評価装置において、形状情報取得部は、肌から採取した角層の剥がれを撮影した画像を取得し、その取得した画像に基づいて、表面凹凸形状の情報を取得することができる。

0015

また、上記本発明の肌評価装置において、形状情報取得部は、データサーバ装置に予め記憶された肌の表面凹凸形状の情報を読み出して取得することができる。

0016

また、上記本発明の肌評価装置において、形状情報取得部は、肌の角層の状態を示す情報を表面凹凸形状の情報として取得することができる。

0017

また、上記本発明の肌評価装置において、形状情報取得部は、肌の皮溝の幅、傾斜角および密度の少なくとも1つの情報を表面凹凸形状の情報として取得することができる。

0018

また、上記本発明の肌評価装置において、光学特性情報取得部は、肌の内部の散乱係数を光学特性の情報として取得することができる。

0019

また、上記本発明の肌評価装置において、光学特性情報取得部は、肌にスリット光照射して撮影されたスリット光画像を取得し、そのスリット光画像に基づいて、肌の内部の散乱係数を取得することができる。

0020

また、上記本発明の肌評価装置において、形状情報取得部は、肌の角層の状態を示す情報、肌の皮溝の幅、傾斜角および密度の情報を表面凹凸形状の情報として取得し、光学特性情報取得部は、肌の内部の散乱係数を光学特性の情報として取得し、評価部は、肌の角層の状態を示す情報、肌の皮溝の幅、傾斜角および密度の情報並びに肌の内部の散乱係数に基づいて、肌のつやを評価することができる。

0021

また、上記本発明の肌評価装置において、評価部は、角層のはがれ部分の面積率が20%以下であり、肌の皮溝の幅が50±30μmであり、皮溝の傾斜角が80度以上90度以下であり、皮溝の密度が30%以上である場合に、肌のつやが良好であると評価することができる。

0022

本発明の肌評価方法は、肌の表面凹凸形状の情報を取得し、肌の光学特性の情報を取得し、表面凹凸形状の情報と光学特性の情報とに基づいて、肌のつやを評価することを特徴とする。

0023

本発明の肌評価プログラムは、肌の表面凹凸形状の情報を取得する形状情報取得部と、肌の光学特性の情報を取得する光学特性情報取得部と、表面凹凸形状の情報と光学特性とに基づいて、肌のつやを評価する評価部としてコンピュータを機能させることを特徴とする。

発明の効果

0024

本発明の肌評価装置および方法並びにプログラムによれば、肌の表面凹凸形状の情報を取得し、肌の光学特性の情報を取得し、表面凹凸形状の情報と光学特性の情報とに基づいて、肌のつやを評価する。したがって、肌の物理特性と光学特性との両方を考慮して肌のつやを評価するようにしたので、実際の見た目により近い肌のつやの評価を定量的に行うことができる。

図面の簡単な説明

0025

本発明の肌評価装置の一実施形態を用いた肌評価システム概略構成を示すブロック図
皮溝および皮丘の模式図
皮溝の傾斜角を説明するための模式図
本発明の肌評価装置の一実施形態を用いた肌評価システムの作用を説明するためのフローチャート

実施例

0026

以下、本発明の肌評価装置および方法並びにプログラムの一実施形態を用いた肌評価システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の肌評価システム1の概略構成を示すブロック図である。なお、図1に示す肌評価装置20の構成は、本発明の肌評価プログラムの一実施形態をコンピュータにインストールし、その肌評価プログラムをコンピュータによって実行することにより実現されるものである。コンピュータにインストールされる肌評価プログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体に記憶されたものでもよいし、インターネット等のネットワークを介して配布されたものでもよい。

0027

本実施形態の肌評価システム1は、図1に示すように、撮影装置10と、肌評価装置20と、表示装置30と、入力装置40と、データサーバ装置50とを備えている。

0028

撮影装置10は、肌の表面の画像を撮影するマイクロスコープを備えたものである。撮影装置10は、30倍〜200倍の倍率で肌の表面の画像を撮影可能に構成されている。本実施形態においては、後述する肌評価装置20の形状情報取得部22によって、肌の角層はがれなどのミクロオーダー凹凸表面形状の情報と、肌の皮溝などのマクロオーダーの凹凸表面形状の情報とが取得される。したがって、撮影装置10は、ミクロオーダーの凹凸表面形状の情報を取得するための画像を撮影する際には、たとえば30倍〜200倍の倍率で撮影を行い、マクロオーダーの凹凸表面形状の情報を取得するための画像を撮影する際には、たとえば30倍〜50倍の倍率で撮影を行うものである。すなわち、ミクロオーダーの凹凸表面形状の情報を取得するための画像を撮影する際の倍率は、マクロオーダーの凹凸表面形状の情報を取得するための画像を撮影する際の倍率以上であることが望ましい。

0029

肌評価装置20は、肌画像取得部21と、形状情報取得部22と、光学特性情報取得部23と、評価部24と、表示制御部25とを備えている。

0030

肌画像取得部21は、撮影装置10によって撮影された肌の表面の画像を取得するものである。具体的には、上述したようにミクロオーダーの凹凸表面形状の情報を取得するための画像として、たとえば30倍〜200倍の倍率で肌の表面を撮影した画像を取得し、
マクロオーダーの凹凸表面形状の情報を取得するための画像として、たとえば30倍〜50倍の倍率で肌の表面を撮影した画像を取得するものである。

0031

また、肌画像取得部21は、光学特性情報取得部23によって肌の光学特性の情報を取得するための画像を取得するものであり、具体的には、肌にスリット光を照射して撮影されたスリット光画像を取得するものである。スリット光画像は、たとえば撮影装置10にスリット光を照射する光源部を設け、撮影装置10によって撮影するようにしてもよいし、撮影装置10とは別個に設けられた装置によって撮影するようにしてもよい。

0032

形状情報取得部22は、肌画像取得部21によって取得された肌の表面の画像に基づいて、肌の表面のミクロオーダーの凹凸表面形状の情報とマクロオーダーの凹凸表面形状の情報とを取得するものである。

0033

形状情報取得部22は、ミクロオーダーの凹凸表面形状の情報として、肌の角層の状態を示す情報を取得するものであり、本実施形態では、角層の剥がれの情報を取得するものである。乾燥した肌は、潤いのある肌と比較すると角層の剥がれが多く、白っぽくなり、つやがない。したがって、肌の角層の剥がれの状態を、肌のつやを評価するための指標の一つとして用いる。

0034

具体的には、形状情報取得部22は、30倍〜200倍の倍率で肌の表面を撮影した画像に対してグレー変換処理を施して輝度画像とする。そして、輝度画像において、輝度値が予め設定された閾値以上の白い部分を角層の剥がれ部分として抽出し、その白い部分の面積または画像全体に対する面積率を、肌の角層の状態を示す情報として取得する。

0035

なお、本実施形態においては、上述したように輝度画像における白い部分の面積または面積率を取得するようにしたが、これに限らず、たとえば、輝度画像におけるエッジを検出し、そのエッジの数を取得するようにしてもよい。また、輝度画像における白い部分やエッジを高精度に抽出するために、輝度画像に対してコントラスト強調処理周波数強調処理などを施すようにしてもよい。

0036

なお、角層の剥がれ部分の面積率は、テープストリッピングによって求めるようにしてよい。この場合は、テープを肌に押し当ててから剥がし、剥がしたテープを染色して剥離した角質視認しやすくする。そして、それを光学顕微鏡などで200倍の倍率にて観察し、画像データとして保存する。次いで、その取得した画像データから角層の重層領域を抽出し、抽出された重層領域の面積率を算出することができる。重層領域の抽出は、染色画像の濃度または輝度分布より、角層単層部より濃度が濃い箇所を抽出することにより行う。または、輝度が低くなっている箇所を重層領域として抽出することができる。

0037

また、形状情報取得部22は、マクロオーダーの凹凸表面形状の情報として、肌の皮溝の状態を示す情報を取得する。具体的には、本実施形態の形状情報取得部22は、肌の皮溝の幅、皮溝の傾斜角および皮溝の密度の情報を取得する。肌の表面には細い溝からなる皮溝と皮溝によって囲まれる皮丘とが存在し、皮溝および皮丘の状態が、いわゆる肌の肌理として現れる。図2は、肌の皮溝Sと皮丘Cとを模式的に表したものである。また、図3は、肌の深さ方向の断面図を示した図であり、皮溝Sの傾斜角とは、図3に示す傾斜角θである。

0038

そして、乾燥した肌は、潤いのある肌と比較すると皮溝の幅が太い。また、乾燥した肌は、潤いのある肌と比較すると皮溝の傾斜角がなだらかである。また、乾燥した肌は、潤いのある肌と比較すると皮溝の密度が低く、疎である。

0039

したがって、本実施形態においては、肌の皮溝の幅、皮溝の傾斜角および皮溝の密度の情報を、肌のつやを評価するための指標として用いる。なお、本実施形態においては、肌の皮溝の幅、皮溝の傾斜角および皮溝の密度の3つの情報を用いることによって、肌のつやの評価の精度を上げるようにしているが、これらの3つの情報のうちの少なくとも1つの情報を用いるようにしてもよい。また、皮溝の傾斜角は、皮溝の幅と皮溝の深さから導出されるものであるので、これらの情報を用いるようにしてもよい。

0040

具体的には、形状情報取得部22は、30倍〜50倍の倍率で肌の表面を撮影した画像に対してグレー変換処理を施して輝度画像とし、その輝度画像から皮溝の部分を抽出する。皮溝の部分の抽出方法としては、たとえば皮溝の部分は周囲よりも暗い画像となるので、予め設定された閾値以下の部分を皮溝の部分として抽出すればよい。また、直線マッチング法を用いて皮溝の部分を抽出してもよいし、FFT(Fast Fourier Transform)周波数フィルタを用いて皮溝の部分を抽出するようにしてもよいし、DOG(Difference of Gaussian)フィルタのように異方向性フィルタを適用し、皮溝の部分を抽出するようにしてもよい。なお、皮溝の部分を抽出する際にも、輝度画像における皮溝の部分を高精度に抽出するために、輝度画像に対してコントラスト強調処理や周波数強調処理などを施すようにしてもよい。

0041

そして、形状情報取得部22は、輝度画像全体の面積に対する皮溝の部分の面積の割合を算出することによって皮溝の密度の情報を取得する。また、形状情報取得部22は、抽出した皮溝の部分の延伸方向に直交する方向に垂線を設定し、皮溝の部分の輪郭と垂線との交点間の長さを皮溝の幅の情報として取得する。具体的には、抽出した複数の皮溝の部分の中から任意の箇所をランダムにN箇所切り出し、その切り出した皮溝の部分に対して垂線を設定することにより皮溝の幅を算出する。なお、輝度画像の中心から放射線状に直線を設定し、その直線と垂直に交差する皮溝を特定し、皮溝の部分の輪郭と上記直線との交点間の長さを皮溝の幅として算出してもよい。また、1つの皮溝の部分の複数箇所に垂線を設定し、算出された皮溝の幅の平均値を算出してもよい。また、皮溝の1方向に対して設定する垂線の本数を予め設定しておき、位置はランダムに設定することによって皮溝の幅を算出してもよい。

0042

また、形状情報取得部22は、上述したようにして求めた皮溝の幅をその皮溝の部分の最小輝度値によって除算することによって皮溝の傾斜角の情報を取得する。皮溝の部分の最小輝度値とは、皮溝の幅の情報を取得する際に設定した垂線上の輝度値のうちの最小の輝度値である。この皮溝の部分の最小輝度値は、皮溝の部分の最も暗い箇所の輝度値であり、すなわち皮溝の深さを表していることになる。したがって、皮溝の幅を最小輝度値によって除算することは、皮溝の幅を皮溝の深さで除算することに相当し、すなわち、図3に示す傾斜角θの情報を取得することになる。

0043

なお、皮溝の部分の最小輝度値に基づいて、皮溝の深さを推定し、皮溝の幅を深さで除算することによって傾斜角の情報を取得するようにしてもよい。最小輝度値に基づく深さの推定については、最小輝度値と深さとを対応づけたテーブルなどを用いるようにすればよい。

0044

図1戻り、光学特性情報取得部23は、肌の光学特性の情報を取得するものである。具体的には、本実施形態の光学特性情報取得部23は、肌の内部の散乱係数を肌の光学特性の情報として取得するものである。乾燥した肌は、潤いのある肌と比較すると、散乱係数が大きくなる。したがって、本実施形態においては、肌の内部の散乱係数を、肌のつやを評価するための指標として用いる。

0045

光学特性情報取得部23は、肌画像取得部21によって取得されたスリット光画像を取得し、そのスリット光画像に基づいて、肌の内部の散乱係数を算出する。具体的には、光学特性情報取得部23は、スリット光画像をR(Red)成分、G(Green)成分およびB(Blue)成分ごとにグレー変換処理を施して輝度画像とする。そして、そのRGB成分毎の輝度画像を1次元に変換して輝度プロファイルを算出する。次いで、その輝度プロファイルを双極子近似式フィッティングして散乱係数を算出する。なお、スリット光画像に基づく散乱係数の算出については、既に公知な方法であるため、詳細な説明は省略する。

0046

評価部24は、形状情報取得部22よって取得された肌の表面凹凸形状の情報と、光学特性情報取得部23によって取得された肌の光学特性の情報とに基づいて、肌のつやを評価するものである。具体的には、本実施形態の評価部24は、肌の角層の剥がれの状態を示す情報と、肌の皮溝の幅、皮溝の傾斜角および皮溝の密度の情報と、肌の内部の散乱係数との5つのパラメータに基づいて、肌のつやを評価する。

0047

肌のつやの評価方法としては、具体的には、角層のはがれ部分(白い部分)の面積率が予め設定された面積の閾値以下であり、肌の皮溝の幅が予め設定された皮溝幅の閾値範囲内であり、肌の皮溝の傾斜角が予め設定された傾斜角の閾値範囲内であり、皮溝の密度が予め設定された密度の閾値以上であり、散乱係数が予め設定された散乱係数の閾値範囲内である場合に、肌のつやが良好であると評価する。

0048

より具体的な数値としては、角層の剥がれ部分(白い部分)の面積率が20%以下であり、肌の皮溝の幅が50±30μmにあり、肌の皮溝の傾斜角が80度以上90度以下であり、皮溝の密度が30%以上であり、散乱係数が10mm−1〜25mm−1(光の波長は577nm)ある場合に、肌のつやが良好であると評価する。なお、上記の閾値条件は、予め実験によって確認された値である。

0049

具体的には、マイクロスコープを用いて肌を撮影して角層の剥がれ部分の面積率を求める場合、200倍の倍率で肌表面を撮影し、撮影画像に対してグレー変換処理を施し、所定の閾値にて2値化し、剥離した角層部の面積を算出し、撮像画像解像度で除算することによって角層の剥がれ部分の面積率を算出した。

0050

また、肌の皮溝の幅については、50倍の倍率で肌表面を撮影し、撮影画像に対してグレー変換処理を施して輝度画像とし、その輝度画像から皮溝の部分を抽出した。そして、抽出した複数の皮溝の部分の中から任意の箇所をランダムにN箇所切り出し、その切り出した皮溝の部分に対して垂線を設定することにより皮溝の幅を算出した。

0051

また、評価部24は、上述した5つのパラメータのうちの少なくとも1つのパラメータの数値が閾値条件を満たしていない場合には、閾値条件を満たしていないパラメータの数に応じて、段階的に肌のつやを評価する。たとえば、上述した5つのパラメータのうちの1つのパラメータが閾値条件を満たしていない場合には、つやの評価値を4とし、上述した5つのパラメータのうちの2つのパラメータが閾値条件を満たしていない場合には、つやの評価値を3とし、上述した5つのパラメータのうちの3つのパラメータが閾値条件を満たしていない場合には、つやの評価値を2とし、上述した5つのパラメータのうちの4つのパラメータが閾値条件を満たしていない場合には、つやの評価値を1とし、それぞれの評価値を評価結果とする。

0052

表示制御部25は、評価部24における評価結果を表示装置30に表示させるものである。また、表示制御部25は、肌画像取得部21によって取得された肌の表面の画像を表示装置30に表示させるものである。

0053

表示装置30は、液晶ディスプレイなどのモニタを備えたものである。表示装置30はタブレット端末のモニタであってもよい。すなわち、タブレット端末に対して肌評価プログラムをインストールして肌のつやの評価を行って、その評価結果を表示させるようにしてもよい。

0054

入力装置40は、キーボードマウスを備えたものであり、ユーザによる種々の設定入力受け付けるものである。また、上述したタブレット端末のタッチパネルによって表示装置30と入力装置40の両方を兼ねるようにしてもよい。

0055

なお、本実施形態においては、肌の表面凹凸形状の情報を肌の表面の画像から取得するようにしたが、ユーザが入力装置40を用いて肌の表面凹凸形状の情報を設定入力してもよい。また、肌の光学特性の情報についても、ユーザが入力装置40を用いて設定入力してもよい。

0056

次に、本実施形態の肌評価システム1の作用について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。

0057

まず、撮影装置10によって、ミクロオーダーの凹凸表面形状の情報を取得するための肌の表面の画像と、マクロオーダーの凹凸表面形状の情報を取得するための肌の表面の画像とが撮影され、肌画像取得部21によって取得される(S10,S12)。また、必要に応じて、上述したスリット光画像の撮影が行われ、肌画像取得部21によって取得される(S14)。

0058

肌の表面の画像は形状情報取得部22に入力され、形状情報取得部22は、入力された肌の表面の画像に基づいて、肌の表面凹凸形状の情報を取得する(S16)。具体的には、本実施形態の形状情報取得部22は、肌の角層の剥がれの状態の情報と皮溝の幅、傾斜角および密度の情報とを取得する。

0059

また、スリット光画像は光学特性情報取得部23に入力され、光学特性情報取得部23は、入力されたスリット光画像に基づいて、肌の光学特性の情報を取得する(S18)。具体的には、本実施形態の光学特性情報取得部23は、肌の内部の散乱係数を取得する。

0060

そして、形状情報取得部22によって取得された、肌の角層の剥がれの状態の情報と皮溝の幅、傾斜角および密度の情報とが評価部24に入力され、光学特性情報取得部23によって取得された肌の内部の散乱係数が評価部24に入力される。評価部24は、肌の角層の剥がれの状態の情報と、皮溝の幅、傾斜角および密度の情報と、肌の内部の散乱係数とに基づいて、肌のつやを評価する(S20)。

0061

評価部24における肌のつやの評価結果は表示制御部25に入力され、表示制御部25は、入力された評価結果を表示装置30に表示させる。具体的には、たとえば、表示装置30には、肌のつやが良好であることを示すメッセージまたはマークもしくは肌のつやの評価値が表示される。

0062

上記実施形態の肌評価システム1によれば、肌の表面凹凸形状の情報を取得し、肌の光学特性の情報を取得し、表面凹凸形状の情報と光学特性の情報とに基づいて、肌のつやを評価する。したがって、肌の物理特性と光学特性との両方を考慮して肌のつやを評価するようにしたので、実際の見た目により近い肌のつやの評価を定量的に行うことができる。

0063

なお、上記実施形態においては、形状情報取得部22が、マイクロスコープによって撮影された肌の表面の画像に基づいて、表面凹凸形状の情報を取得するようにしたが、これに限らず、たとえば肌を切削し、SEM(Scanning Electron Microscope)を用いて肌の断面画像を取得し、その断面画像に基づいて、角層の剥がれ状態の情報を取得するようにしてもよい。なお、角層の剥がれ状態の情報は、上記実施形態と同様に、断面画像を解析することによって取得してもよいし、ユーザが断面画像を観察し、角層の剥がれ状態の情報を入力装置40を用いて設定入力してもよい。

0064

また、角層の剥がれ状態を示す情報を、図1に示すデータサーバ装置50に保存し、形状情報取得部22が、入力された所定の情報に基づいて、データサーバ装置50から角層の剥がれ状態を示す情報を読み出して取得してもよい。具体的には、たとえば、角層の剥がれ状態の情報と肌の水分量とを対応付けたテーブルを予めデータサーバ装置50に保存し、形状情報取得部22が、入力された肌の水分量の情報に基づいて、上記テーブルを参照して角層の剥がれ状態の情報を取得してもよい。肌の水分量の情報は、ユーザが入力装置40を用いて設定入力してもよいし、肌の水分量を計測する装置から出力された情報を取得してもよい。肌の水分量を計測する装置としては、既に公知な装置を用いることができる。

0065

または、角層の剥がれ状態の情報と肌の乾燥度とを対応付けたテーブルをデータサーバ装置50に保存しておき、形状情報取得部22が、入力された肌の乾燥度の情報に基づいて、上記テーブルを参照して角層の剥がれ状態の情報を取得してもよい。肌の乾燥度の情報は、ユーザが入力装置40を用いて設定入力してもよいし、肌の乾燥度を計測する装置から出力された情報を取得するようにしてもよい。また、マイクロスコープによって撮影された画像に基づいて、肌の乾燥度を取得するようにしてもよい。具体的には、上記実施形態と同様に、マイクロスコープによって撮影された画像から輝度画像を生成し、その輝度画像の白い部分の面積または面積率を肌の乾燥度の情報として取得してもよい。

0066

また、上記実施形態においては、形状情報取得部22が、マイクロスコープによって撮影された肌の表面の画像に基づいて、肌の皮溝の情報を取得するようにしたが、これに限らず、共焦点顕微鏡などを用いて肌の皮溝の3次元計測を行うことによって皮溝の情報を取得するようにしてもよい。上記実施形態では、肌の皮溝の傾斜角の情報を、皮溝の幅と最小輝度値の情報に基づいて取得するようにしたが、上述したように3次元計測を行うことによって、より正確な皮溝の深さ情報を得ることができ、より正確な傾斜角の情報を取得することができる。また、肌を直接計測するのではなく、シリコンを肌に押し付けて肌のレプリカを採取し、そのレプリカを3次元計測することによって皮溝の情報を取得するようにしてもよい。

0067

また、肌の内部の散乱係数の情報を、図1に示すデータサーバ装置50に保存し、光学特性情報取得部23が、入力された所定の情報に基づいて、データサーバ装置50から散乱係数の情報を読み出して取得してもよい。具体的には、たとえば、散乱係数の情報と肌の内部のメラニンの状態を示す情報とを対応付けたテーブルを予めデータサーバ装置50に保存し、光学特性情報取得部23が、入力されたメラニンの状態を示す情報に基づいて、上記テーブルを参照して散乱係数の情報を取得してもよい。メラニンの状態を示す情報としては、メラニンの量および密度などがある。メラニンの状態を示す情報は、ユーザが入力装置40を用いて設定入力してもよいし、肌内部のメラニンを計測する装置から出力された情報を取得してもよい。肌内部のメラニンを計測する装置としては、既に公知な装置を用いることができる。

0068

または、散乱係数の情報と評価対象の人の年齢情報とを対応付けたテーブルを予めデータサーバ装置50に保存し、光学特性情報取得部23が、入力された年齢情報に基づいて、上記テーブルを参照して散乱係数の情報を取得してもよい。なお、散乱係数の情報と年齢情報とを対応付けたテーブルについては、予め種々の年齢の肌のサンプルの散乱係数を計測することによって作成すればよい。

0069

1 肌評価システム
10撮影装置
20肌評価装置
21肌画像取得部
22形状情報取得部
23光学特性情報取得部
24 評価部
25表示制御部
30表示装置
40入力装置
50 データサーバ装置

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