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技術 電子制御装置

出願人 日立オートモティブシステムズ株式会社
発明者 山崎圭巳古家大輔嶋村彰浩
出願日 2015年3月30日 (5年7ヶ月経過) 出願番号 2015-068883
公開日 2016年11月4日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2016-189118
状態 特許登録済
技術分野 車両用電気・流体回路 デバッグ/監視 制御系の試験・監視
主要キーワード 機能安全 設計レベル キーオフ操作 CRC演算器 ダイナミックRAM CRC演算処理 デューティ出力 スタティックRAM
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

処理負荷を抑制してモジュール間の実行順序正否を評価する。

解決手段

制御装置1(ECU)は、複数のモジュールの実行順序が予め決められている制御プログラムを実行する自動車用電子制御装置であって、入力データに対して、所定規則演算を施し、その演算結果を出力するCRC演算器15と、制御プログラムの最初のモジュールを実行する場合、モジュールの識別データ及び初期値をCRC演算器15に代入し、制御プログラムの2番目以降の各モジュールを実行する場合、モジュールの識別データ及び直前に実行したモジュールに係るCRC演算器15の出力データをCRC演算器15に順次代入し、CRC演算器15から最終的に出力された出力データと基準データとの比較に基づいて、モジュールの実行順序を評価するプロセッサ11と、を備える。

概要

背景

自動車電子制御装置における機能安全ソフトウェア設計コンセプトとして、プログラムを構成する複数のモジュールの機能安全の適用に関し、例えば、自動車用機能安全規格(ISO 26262)では、ハザードを評価する指標としてASIL(Automotive Safety Integrity Level)が提案されている。ASILでは、過酷度(Severity)、ハザードの発生頻度(probability of Exposure)、回避可能性(Controllability)等でクラス分けし、それに見合った設計レベルによる開発が要求されている。

一方で、現行ソフトウェアには、機能安全の適用が不要なクラスに分類されるモジュール(QM:Quality Management)も存在する。そのため、ソフトウェアのシステムにおいて、設計レベルの違いにより安全関連部分(ASIL)と非安全関連部分(QM)とが混在する場合、自動車用機能安全規格のFFI(Freedom from Interference)に基づいて、互いに非干渉であることの保証が求められ、実質的に独立していなければならないことが要求される。

ここで、FFIに基づく独立性実現手法の1つとして、例えば、安全関連部分(ASIL)のモジュール(セーフティモジュール(SM:Safety Module)ともいう。)においては、複数のモジュールの実行により所定の機能安全を発揮する場合、モジュール間の実行順序監視することが望ましい。

そこで、従来、モジュールの実行順序にエラーが発生した場合、そのエラーの発生の有無を検出する診断方法が提案されている。

概要

処理負荷を抑制してモジュール間の実行順序の正否を評価する。制御装置1(ECU)は、複数のモジュールの実行順序が予め決められている制御プログラムを実行する自動車用の電子制御装置であって、入力データに対して、所定規則演算を施し、その演算結果を出力するCRC演算器15と、制御プログラムの最初のモジュールを実行する場合、モジュールの識別データ及び初期値をCRC演算器15に代入し、制御プログラムの2番目以降の各モジュールを実行する場合、モジュールの識別データ及び直前に実行したモジュールに係るCRC演算器15の出力データをCRC演算器15に順次代入し、CRC演算器15から最終的に出力された出力データと基準データとの比較に基づいて、モジュールの実行順序を評価するプロセッサ11と、を備える。

目的

本発明は、上記問題点に鑑み、処理負荷を抑制しつつモジュール間の実行順序の正否を評価する技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

複数のモジュール実行順序が予め決められている制御プログラムを実行する自動車用電子制御装置であって、入力データに対して、所定規則演算を施し、その演算結果を出力する演算器と、前記制御プログラムの最初のモジュールを実行する場合、前記モジュールの識別データ及び初期値を前記演算器に代入し、前記制御プログラムの2番目以降の各モジュールを実行する場合、前記モジュールの識別データ及び直前に実行したモジュールに係る前記演算器の出力データを前記演算器に順次代入し、前記演算器から最終的に出力された出力データと基準データとの比較に基づいて、前記モジュールの前記実行順序を評価する評価部と、を備えることを特徴とする電子制御装置。

請求項2

前記制御プログラムの最初の前記モジュールの識別データ及び初期値に対して、前記所定規則の演算を施し、その演算結果を求め、前記制御プログラムの2番目以降の各モジュールについては、前記モジュールの識別データ及び直前に実行したモジュールに係る演算結果に対して前記所定規則の演算を順次施し、最終的に求められた演算結果を前記基準データとする基準データ設定部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。

請求項3

前記演算器は、CRC演算器であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子制御装置。

技術分野

0001

本発明は、自動車に搭載する電子制御装置に関する。

背景技術

0002

自動車の電子制御装置における機能安全ソフトウェア設計コンセプトとして、プログラムを構成する複数のモジュールの機能安全の適用に関し、例えば、自動車用機能安全規格(ISO 26262)では、ハザードを評価する指標としてASIL(Automotive Safety Integrity Level)が提案されている。ASILでは、過酷度(Severity)、ハザードの発生頻度(probability of Exposure)、回避可能性(Controllability)等でクラス分けし、それに見合った設計レベルによる開発が要求されている。

0003

一方で、現行ソフトウェアには、機能安全の適用が不要なクラスに分類されるモジュール(QM:Quality Management)も存在する。そのため、ソフトウェアのシステムにおいて、設計レベルの違いにより安全関連部分(ASIL)と非安全関連部分(QM)とが混在する場合、自動車用機能安全規格のFFI(Freedom from Interference)に基づいて、互いに非干渉であることの保証が求められ、実質的に独立していなければならないことが要求される。

0004

ここで、FFIに基づく独立性実現手法の1つとして、例えば、安全関連部分(ASIL)のモジュール(セーフティモジュール(SM:Safety Module)ともいう。)においては、複数のモジュールの実行により所定の機能安全を発揮する場合、モジュール間の実行順序監視することが望ましい。

0005

そこで、従来、モジュールの実行順序にエラーが発生した場合、そのエラーの発生の有無を検出する診断方法が提案されている。

先行技術

0006

特開2001−175497号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかし、従来例では、実行順序の正否に関し、モジュールを実行する毎に正しい順序で行われているか否かを判定しなければならず、プロセッサ処理負荷が増大するおそれがある。

0008

そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、処理負荷を抑制しつつモジュール間の実行順序の正否を評価する技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

本発明は、複数のモジュールの実行順序が予め決められている制御プログラムを実行する自動車用の電子制御装置であって、入力データに対して、所定規則演算を施し、その演算結果を出力する演算器と、制御プログラムの最初のモジュールを実行する場合、モジュールの識別データ及び初期値を演算器に代入し、制御プログラムの2番目以降の各モジュールを実行する場合、モジュールの識別データ及び直前に実行したモジュールに係る演算器の出力データを演算器に順次代入し、演算器から最終的に出力された出力データと基準データとの比較に基づいて、モジュールの実行順序を評価する評価部と、を備える。

発明の効果

0010

本発明によれば、処理負荷を抑制しつつモジュール間の実行順序の正否を評価できる。

図面の簡単な説明

0011

本実施形態におけるECU(Electronic Control Unit)の構成例を示す図である。
本実施形態における制御プログラムの一例を示す説明図である。
本実施形態の動作処理概要を示す説明図である。
本実施形態における演算処理方法の動作の一例を示すフローチャートである。
図4に示すフローチャートの流れを模式的に示した説明図である。
本実施形態における演算処理方法の動作の一例を示すフローチャートである。
図6に示すフローチャートの流れを模式的に示した説明図である。

実施例

0012

以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
[ECUの構成例]
図1は、本実施形態におけるECUの構成例を示すブロック図である。図1に示すECU1は、自動車に搭載された各種の電子機器20、例えば、電子制御式スロットル弁燃料噴射弁変速機電動ブレーキシステム、ABS(Antilock Brake System)、可変バルブタイミング機構等(図示省略)を制御するものである。本実施形態では、説明の便宜上、各種の電子機器20を1つのブロック図で表している。

0013

図1に示す通り、ECU1は、プロセッサ11と、通信回路12と、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、CRC(Cyclic Redundancy Check)演算器15と、バス16と、を備える。プロセッサ11、通信回路12、ROM13、RAM14及びCRC演算器15は、バス16を介して、互いに接続されている。また、ECU1は、通信回路12を介して自動車のエンジンを制御する各種の電子機器20と接続されている。なお、CRC演算器15は、演算器の一例である。

0014

プロセッサ11は、例えば、システムの中心的な処理を担うCPU(Central Processing Unit)であって、ECU1の統括的な制御を行うものである。また、プロセッサ11は、評価部や基準データ設定部の一例としても機能する。通信回路12は、各種の電子機器20に接続するための通信インターフェースを提供する。なお、通信回路12は、例えば、CAN(Controller Area Network)の通信プロトコルを実現するバスコントローラCANコントローラ)を含んでいる。

0015

ROM13は、例えば、フラッシュROM等、電源(図示省略)からの電源供給遮断してもデータが保持される不揮発性半導体メモリである。RAM14は、例えば、演算処理等に用いられるデータの一時的な作業領域となるメモリであって、電源供給が遮断されると、記憶内容が消える揮発性メモリである。なお、RAM14は、例えば、ダイナミックRAMスタティックRAMであってもよい。

0016

CRC演算器15は、入力データに対して、所定規則の演算を施し、その演算結果を出力する演算器の一例であって、例えば、巡回冗長検査用の電子回路からなる。但し、本実施形態では、CRC演算器15をモジュールの実行順序を評価する手段として用いる。詳細については、フローチャート等を用いて説明する。バス16は、例えば、CAN通信データ転送等に利用することができる。

0017

また、ECU1は、プロセッサ11、ROM13、RAM14、CRC演算器15等のハードウェアと、ROM13に記憶されている制御プログラムやCRC演算プログラム等のソフトウェアとが協働することにより、各種機能を実現する。この制御プログラムには、本実施形態の複数のモジュールが含まれる。したがって、プロセッサ11は、制御プログラムを実行しているときに、本実施形態のCRC演算処理を実現する。

0018

図2は、本実施形態における制御プログラムの一例を示す説明図である。図2に示す制御プログラムP1は、例えば電子制御式のスロットル弁(図示省略)の制御に用いる。この制御プログラムP1は、スロットル弁の制御を実現するため、複数のモジュールM(1〜n)から構成される。なお、説明を分かりやすくするため、n=4に簡略化した場合について例示する。具体的には、制御プログラムP1は、プロセッサ11により実行され、アクセルポジションセンサAPS:Accel Position Sensor)処理用のモジュールM1、スロットルポジションセンサTPS:Throttle Position Sensor)処理用のモジュールM2、目標開度の演算処理用のモジュールM3、デューティ出力処理用のモジュールM4を含む。

0019

APS処理用のモジュールM1は、アクセル開度アクセルペダル踏み込み量)を検出する処理を実行する。TPS処理用のモジュールM2は、スロットル弁の実開度を検出する処理を実行する。目標開度の演算処理用のモジュールM3は、例えば、アクセル開度及びその変化量に基づいて、目標開度を演算する。デューティ出力処理用のモジュールM4は、スロットル弁の実開度と目標開度とを比較し、実開度と目標開度が一致するように、スロットル弁の開度を調節するモータ駆動デューティを求め、フィードバック制御により、スロットル弁の開度を調節する。

0020

ここで、本実施形態では、安全関連部分(ASIL)に分類される複数のモジュールで構成される種々の制御プログラムにおいて、各モジュールに識別データを付与する。本実施形態では、一例として識別データをモジュールの実行順序に従ってシーケンスに付与する。例えば、識別データは、モジュールのプログラムに書き込まれている。ここで、制御プログラムP1の各モジュールの識別データID(n)として、一例として、ID(1)=1、ID(2)=2、ID(3)=3、ID(4)=4とする。そして、本実施形態では、モジュールM1にID(1)、モジュールM2にID(2)、モジュールM3にID(3)、モジュールM4にID(4)を付与する。
[本実施形態の動作処理]

0021

図3は、本実施形態の動作処理の概要を示す説明図である。以下の説明では、制御プログラムについては、スロットル弁の開度を調節する制御プログラムP1について適用するが、これに限定されるものではない。

0022

イグニッションスイッチ(IGNSW)がオンされると、ECU1のプロセッサ11は、各種の電子機器20を始動させるために必要な初期化処理を開始する。初期化処理が完了すると、プロセッサ11は、プログラムの流れを監視するフローチェック対象の制御プログラムP1について、実行順序の確認処理として、実際の駆動制御は行わずにソフトウェアに基づくCRC演算処理のみを実行し、各モジュールの実行順序を再確認する。但し、ソフトウェアの負荷を鑑み、プロセッサ11は、ソフトウェアに基づくCRC演算処理を初期化処理後に1回のみ実行し、その後は、ハードウェアに基づくCRC演算処理をCRC演算器15にて実行する。これにより、ソフトウェアの負荷が軽減される。

0023

具体的には、プロセッサ11は、基準データ設定部の一例として、CRC演算器15の演算処理を代替するCRC演算プログラムP2を用いる。これにより、プロセッサ11は、制御プログラムP1における最初のモジュールの識別データ及びCRC演算処理の初期値(以下「CRC初期値」という。)に対して、巡回冗長検査における所定規則の演算を施し、その演算結果を求める。

0024

続いて、プロセッサ11は、制御プログラムP1の2番目以降の各モジュールについて、今回のモジュールの識別データ及び直前に実行したモジュールに係る演算結果に対してその所定規則の演算を順次施す。より詳細には、プロセッサ11は、n=2から、モジュールの総数(n)まで、n番目のモジュールの識別データ及び直前に実行したn−1番目のモジュールに係る演算結果に対してその所定規則の演算を順次施す。そして、プロセッサ11は、最終的に求められた演算結果を、実行順序を評価する基準データとする。つまり、プロセッサ11は、このCRC演算処理により、基準データを取得する。なお、基準データについては、予めROM13に記憶しておくようにしてもよい。

0025

そして、通常制御移行すると、プロセッサ11は、制御プログラムP1の各モジュールを実行する毎に、CRC演算処理をCRC演算器15にて実行する。これにより、CRC演算処理が高速化される。そして、プロセッサ11は、キーオフによりイグニッションスイッチ(IGNSW)がオフされ、シャットダウンをする終了処理に移行する前まで、フローチェックにより各モジュールの実行順序を監視する。そして、プロセッサ11は、CRC演算器15が出力するCRC値に基づいて、CRCエラーが発生した場合には、例えば予め規定している異常発生時のフェールセーフ制御を実行する。なお、CRC値は出力データの一例である。以下、本実施形態の動作処理の詳細について説明する。

0026

図4は、本実施形態における演算処理方法の動作の一例を示すフローチャートである。プロセッサ11は、このフローチャートを初期化処理が完了すると実行する。具体的には、プロセッサ11は、ソフトウェアに基づくCRC演算処理を実行し、最終的に得られた演算結果のCRC値を基準データとして求める。なお、説明を分かりやすくするため、図2に示す制御プログラムP1を例示して以下説明を続ける。

0027

テップS101:プロセッサ11は、プログラムのループ処理用の変数nに0(ゼロ)を代入する。
ステップS102:プロセッサ11は、nを、1ずつインクリメントする処理を実行する。

0028

ステップS103:プロセッサ11は、n番目のモジュールについて、CRC演算プログラムP2を実行する。具体的には、プロセッサ11は、例えばn=1の場合、1番目のモジュールの識別データ(ID(1))と、CRC初期値を入力データとして、CRC演算プログラムP2を実行する。なお、CRC演算プログラムP2のアルゴリズムは、誤り検出方式の一例であって、検査用のデータを値とみなして、所定の定数で割った余り余剰)を用いて誤りの検知を行う演算方法である。また、CRC初期値は、例えば、任意のデータ列の値であってよい。

0029

ここで、CRC演算については、例えば、CRC演算に用いる生成多項式に応じて様々な種類が公知であるが、本実施形態のように2つの入力パラメータに基づいて、毎回、CRC値が求めることができれば、特に限定されない。CRC演算プログラムP2は、CRC演算を実行することにより、演算結果のCRC値として、例えば、n番目のモジュールについてCRC(n)を求める。

0030

ステップS104:プロセッサ11は、nの値が制御プログラムP1のモジュールの総数に達したか否かを判定する。総数に達した場合(ステップS104:Yes)、ステップS105の処理に移行し、総数に達していない場合(ステップS104:No)、ステップS102の処理に戻り、nの値をインクリメント(n=n+1)する。
ステップS105:プロセッサ11は、CRC(n)を、制御プログラムP1のモジュールの実行順序を評価する基準データとして求める。そして、プロセッサ11は、その基準データをRAM14に記憶する。

0031

図5は、図4に示すフローチャートの流れを模式的に示した説明図である。図5(a)に示す通り、プロセッサ11は、APS処理用のモジュールM1に対応する識別データ(ID(1))と、CRC演算のCRC初期値とを入力データとして、CRC演算プログラムP2を実行する。このCRC演算プログラムP2は、1回目の演算処理の演算結果として、CRC(1)を求める。

0032

次に、図5(b)に示す通り、プロセッサ11は、TPS処理用のモジュールM2に対応する識別データ(ID(2))と、直前のCRC(n−1)であるCRC(1)とを入力データとして、CRC演算プログラムP2を実行する。CRC演算プログラムP2は、2回目の演算処理の演算結果として、CRC(2)を求める。

0033

ここで、CRC(1)には、APS処理に対応する識別データ(ID(1))を用いてCRC演算された結果が含まれている。さらに、CRC(2)には、TPS処理に対応する識別データ(ID(2))を用いてCRC演算された結果が含まれている。もし、CRC演算の順序が逆の場合、CRC(1)及びCRC(2)は、異なった値となる。

0034

つまり、CRC(1)には、APS処理に対応する識別データ(ID(1))を用いた演算結果が反映され、CRC(2)には、APS処理に対応する識別データ(ID(1))を用いた演算結果のみならず、さらに、次の実行順序であるTPS処理に対応する識別データ(ID(2))を用いた演算結果が反映されている。

0035

次に、プロセッサ11は、図5(c)に示す通り、プロセッサ11は、目標開度の演算処理に対応する識別データ(ID(3))と、CRC(2)とを入力データとして、CRC演算プログラムP2を実行する。このCRC演算プログラムP2は、3回目の演算処理の演算結果として、CRC(3)を求める。CRC(3)は、CRC(2)と比較して、さらに、次の実行順序である目標開度の演算処理に対応する識別データ(ID(3))を用いた演算結果が反映されている。

0036

次に、プロセッサ11は、図5(d)に示す通り、デューティ出力処理に対応する識別データ(ID(4))と、CRC(3)のデータとを入力データとして、CRC演算プログラムP2を実行する。このCRC演算プログラムP2は、4回目の演算処理の演算結果として、CRC(4)を求める。CRC(4)は、CRC(3)と比較して、さらに、次の実行順序であるデューティ出力処理に対応する識別データ(ID(4))を用いた演算結果が反映されている。

0037

続いて、プロセッサ11は、このCRC演算プログラムP2を終了すると、CRC(4)をRAM14に記憶する。CRC(4)は、APS処理、TPS処理、目標開度の演算処理、デューティ出力処理というように予め設定した実行順序を評価する基準データとして利用することができる。つまり、本実施形態では、図4に示すフローチャートにて実行したCRC演算の最終結果のCRC(n)を基準データとして利用する。

0038

次に、通常制御時における演算処理方法の動作について説明する。
図6は、本実施形態における演算処理方法の動作の一例を示すフローチャートである。プロセッサ11は、図4に示すフローチャートの処理が終了した後、キーオフ操作によりイグニッションスイッチ(IGNSW)がオフされるまで、チェックフロー対象の制御プログラムP1を実行する毎に図6に示すフローチャートを実行する。

0039

このフローチャートの概要について説明すると、プロセッサ11は、制御プログラムP1の最初のモジュールを実行する場合、そのモジュールの識別データ及びCRC初期値をCRC演算器15に代入し、CRC値を求める。そして、プロセッサ11は、制御プログラムP1の2番目以降の各モジュールを実行する場合、モジュールの識別データ及び直前に実行したモジュールに係るCRC演算器15から出力されたCRC値をそのCRC演算器15に順次代入する。さらに、プロセッサ11は、最後に実行したモジュールに係るCRC演算器15から出力されたCRC値と基準データとの比較に基づいて、モジュールの実行順序を評価する。

0040

ステップS201:プロセッサ11は、プログラムのループカウンタ用の変数nに0(ゼロ)を代入する。
ステップS202:プロセッサ11は、nを、1ずつインクリメントする処理を実行する。

0041

ステップS203:プロセッサ11は、事象が発生したモジュールの識別データに基づいて、n番目のモジュールの処理を実行する。一例として、プロセッサ11は、1番目(n=1)としてAPS処理を実行する。

0042

ステップS204:プロセッサ11は、実行順序のチェックポイントとして、CRC演算器15を用いてn番目のCRC演算を実行する。事象が発生したモジュールの識別データと、n—1番目のCRC演算で出力されたCRC値とを入力データとして、CRC演算を実行する。但し、n=1番目の場合には、n—1番目のCRC値が存在しないので、CRC初期値を入力する。CRC演算器15は、演算結果として、CRC(n)を出力する。

0043

ステップS205:プロセッサ11は、nの値が制御プログラムP1のモジュールの総数に達したか否かを判定する。総数に達した場合(ステップS205:Yes)、ステップS206の処理に移行し、総数に達していない場合(ステップS205:No)、ステップS202の処理に戻る。

0044

ステップS206:プロセッサ11は、CRC演算結果がエラーか否かを判定する。具体的には、プロセッサ11は、基準データと、ステップS204の処理で求めた、最後のモジュールの実行後におけるCRC(n)とを比較する。基準データと一致しており、エラーでないと判定した場合(ステップS206:No)、図6に示すフローチャートの処理を終了する。一方、基準データと一致せず、エラーであると判定した場合(ステップS206:Yes)、ステップS207の処理に移行する。例えば、目標開度の演算処理M3、デューティ出力処理M4の順序が逆転すると、CRC(n)と基準データとは不一致になり、異常時の処理へ移行することになる。

0045

ステップS207:プロセッサ11は、異常時の処理を実行する。プロセッサ11は、例えば、予め規定している異常発生時のフェールセーフ制御を実行する。そして、プロセッサ11は、図6に示すフローチャートの処理を終了する。

0046

図7は、図6に示すフローチャートの流れを模式的に示した説明図である。図7(a)に示す通り、プロセッサ11は、APS処理(モジュールM1)を実行すると、APS処理に対応する識別データ(ID(1))と、CRC初期値とを入力データとして、CRC演算器15に代入する。すると、CRC演算器15は、CRC演算を実行し、1回目の演算結果としてCRC(1)を出力する。

0047

次に、プロセッサ11は、図7(b)に示す通り、TPS処理(モジュールM2)を実行すると、TPS処理に対応する識別データ(ID(2))と、CRC(1)とを入力データとして、CRC演算器15に代入する。すると、CRC演算器15は、CRC演算を実行し、2回目の演算結果としてCRC(2)を出力する。

0048

次に、プロセッサ11は、図7(c)に示す通り、目標開度の演算処理(モジュールM3)を実行すると、目標開度の演算処理に対応する識別データ(ID(3))と、CRC(2)のデータとを入力データとして、CRC演算器15に代入する。すると、CRC演算器15は、3回目の演算結果として、CRC(3)を出力する。

0049

次に、プロセッサ11は、図7(d)に示す通り、デューティ出力処理(モジュールM4)を実行すると、デューティ出力処理に対応する識別データ(ID(4))と、CRC(3)とを入力データとして、CRC演算器15に代入する。すると、CRC演算器15は、4回目の演算結果として、CRC(4)を出力する。

0050

以上の処理が完了すると、プロセッサ11は、図6のステップS206で上述した通り、CRC(4)と、RAM14に記憶されている基準データとを比較する。

0051

上より、本実施形態によれば、実行順序の正否に関し、CRC演算処理の最終結果のCRC値と基準データとを比較すればよいので、モジュールを実行する毎に正しい順序で行われているか否かを判定する必要がない。これにより、プロセッサ11の処理負荷を抑制でき、また、チェックするモジュール数が増加しても、使用するRAM14の使用率を抑制できる。

0052

また、本実施形態によれば、初期化処理が完了すると、各モジュールの実行順序の再確認として、CRC演算プログラムP2により実行し基準データを求め、運転中については、CRC演算器15を用いて、最後のモジュールの実行後におけるCRC値を求め、実行順序を評価した。ここで、本実施形態では、CRC演算プログラムP2の処理速度と比較して、高速に演算処理が可能なCRC演算器15を用いることが好ましく、これにより、CRC演算処理が高速化される。そして、本実施形態では、CRC演算処理をCRC演算器15で実行することでプロセッサ11の処理負荷をさらに抑制できる。なお、本実施形態では、初期化処理が完了した際、基準データをCRC演算器15により求めてもよい。

0053

[上記実施形態の補足事項]
上記実施形態では、説明を分かりやすくするため、モジュール数を4に限定して説明したが、上記実施形態では、モジュール数を2以上の任意の数に適用できる。つまり、上述した通り、制御プログラムの数やモジュール数の数が多くなるほど、プロセッサ11の処理負荷を抑制でき、使用するRAM14の使用率を抑制できる。また、上記実施形態では、図6に示すフローチャートにおいて、所定時間経過しても、モジュールの総数分のモジュールが実行されない場合には、モジュールの実行漏れにより総数に達しないと判定し、ステップS207の異常時の処理に移行するようにしてもよい。

0054

以上、本件に開示する実施形態について明細書及び図面等を用いて説明したが、本件開示の技術は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。

0055

1…ECU
11…プロセッサ
12…通信回路
13…ROM
14…RAM
15…CRC演算器
16…バス

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