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技術 CD86アンタゴニストの多標的結合タンパク質

出願人 アプティーボリサーチアンドデベロップメントエルエルシー
発明者 ピーターアームストロングトンプソンピーターロバートバームフィリップタンジョンダブリュー.ブランケンシップサティーシュクマールナタラヤン
出願日 2016年8月4日 (4年9ヶ月経過) 出願番号 2016-153405
公開日 2016年11月4日 (4年6ヶ月経過) 公開番号 2016-188249
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 ペプチド又は蛋白質 突然変異または遺伝子工学
主要キーワード 最終固定 平衡モデル 後部末端 中央ヒンジ 折衷案 中間極 ヒンジ様 整数範囲
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

CD86アンタゴニストの多標的結合タンパク質の提供。

解決手段

本開示により、CD86アンタゴニスト結合ドメインと、IL−10アゴニストHLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである別の結合ドメインとで構成された多重特異性融合タンパク質を提供する。また、この多重特異性融合タンパク質には、他方のドメインを引き離す介在ドメインが含まれ得る。また、本開示により、該多重特異性融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、該融合タンパク質の組成物、ならびに該多重特異性融合タンパク質および組成物の使用方法を提供する。

概要

背景

(関連技術の説明)
ヒト免疫機構は、一般的には、異物および病原体による損傷から身体を保護する。免疫機構が身体を保護する様式の一例は、Tリンパ球またはT細胞と称される特殊細胞の産生によってもたらされるものである。T細胞と抗原提示細胞APC)との細胞間相互作用により、T細胞共刺激性(costimulatory)シグナルが生成され、これにより、抗原に対するT細胞応答がもたらされる。十分なT細胞の活性化には、抗原提示細胞上に存在する抗原−MHC複合体に対するT細胞受容体(TCR)の結合と、抗原提示細胞上、特に樹状細胞上に存在するCD86および/またはCD80リガンドに対するT細胞表面上の受容体CD28の結合の両方が必要とされる。

CD80(B7−1としても知られる)は、最初は、ヒトB細胞関連活性化抗原として報告され、その後、関連T細胞分子CD28および細胞傷害性Tリンパ球関連抗原−4(CTLA4)の受容体であることがわかった。後の研究において、CD86として知られる(B7−0またはB7−2としても知られる)CTLA4の別の対抗受容体(counterreceptor)が同定された。CD86はCD80と、その細胞外領域において約25%の配列同一性共有している。CD80とCD86は、一般的に、CD4(+)T細胞の増殖を開始させて維持する能力において機能的に同等であると考えられており(非特許文献1)、両分子のこの活性をブロックする可溶性CTLA4Ig融合タンパク質を用いた臨床データにより臨床的有益性が示されている(非特許文献2)が、CD86の特異的阻害が有益であり得るという証拠がいくつかある。例えば、CD86またはCD80の関与はB細胞に対して異なる効果を有する。具体的には、CD80は、正常B細胞とB細胞リンパ腫の両方の増殖およびIgG分泌に対して負のシグナルをもたらすが、CD86は、B細胞の活性を高めることが示されている(非特許文献3)。また、T細胞に対するCD80の関与は免疫抑制性であり(非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6)、PD−L1(CD274)シグナル伝達により、活性化されたAPCまたはT細胞に対して、さらなる免疫抑制を媒介し得る(非特許文献7;非特許文献8)という証拠もいくつかある。したがって、CD80阻害の非存在下でのCD86の阻害は、自己免疫疾患および炎症性疾患ならびにB細胞リンパ腫の処置において有益であり得る。

CTLA4は、主に活性化T細胞において発現される免疫グロブリンスーパーファミリー1型膜貫通糖タンパク質であり、発現は一部、CD4+CD25+調節T細胞(Treg)サブセットにも見られる。CD86およびCD80は、CTLA4に対する唯一内在性リガンドと考えられている。CTLA4は、CD86およびCD80に、CD28と比べて大きな親和性およびアビディティで結合し(非特許文献9;非特許文献10)、T細胞の活性化の負の調節因子として重要な役割を果たしていることが示されている。具体的には、CD80/CD86に対するCTLA4の結合によりT細胞応答の下方調節がもたらされ、また、T細胞恒常性および末梢耐容性の保持がもたらされる。これは、CD28依存性共刺激の拮抗作用と、CTLA4細胞質テールによる指令的な負のシグナル伝達の両方によるものと考えられる。CTLA4の構造および機能の概説については、Teftら(2006)Annu.Rev.Immunol.24:65−97を参照のこと。

上記のように、生産免疫応答には、TCRの関与と、CD80および/またはCD86に対するCD28の結合の両方が必要とされる。CD28結合の非存在下でのTCR結合は、T細胞を、アポトーシスを受けるか、またはアネルギーとなるかのいずれかに導く。また、CD28シグナル伝達により、T細胞によるサイトカイン産生が増大することが示されている。具体的には、CD28の刺激により、IL−2、TNFα、リンホトキシン、IFNγおよびGMCSFの産生が、活性化T細胞において5〜50倍増大することが示されている。さらに、CD28によるリンホカインおよび/またはサイトカイン遺伝子発現の誘導は、免疫抑制薬シクロスポリンの存在下であっても起こることが示されている(Thompsonら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1333−1337)。また、CD28は、抗アポトーシス性BCL−XLの上方調節を誘導することにより、T細胞の生存増進させることが示されている(Alegreら(2001)Nature Rev.Immunol.1:220−228)。

CTLA4の可溶性形態が、CTLA4の可変様細胞ドメインを免疫グロブリンの定常ドメインに融合させてCTLA4−Ig融合タンパク質を得ることにより構築された。可溶性CTLA−4−Igは、CD86とCD80の両方に結合することにより、CD28依存性共刺激を抑制すること(Linsleyら(1991)J.Exp.Med.,174:561−69)、およびヒトにおいてT細胞の共刺激を抑止し、有益な免疫抑制効果を有すること(Bruce & Boyce(2007)Ann.Pharmacother.41:1153−1162)が示されている。CTLA4−Ig融合タンパク質であるアバタセプト(abatacept)は、現在、関節リウマチの処置で、抗TNFα療法に対する応答が不十分である場合に使用されている。しかしながら、すべての患者がCTLA4−Igに応答するわけではなく、おそらく、一部において、CD28とCD86/CD80との相互作用のブロックが、Tregの弱い誘導因子であり、また、疾患環境において活性化エフェクターT細胞応答をブロックするのに不十分であるため、継続的な応答には頻繁な薬物投与が必要とされる。

概要

CD86アンタゴニストの多標的結合タンパク質の提供。本開示により、CD86アンタゴニスト結合ドメインと、IL−10アゴニストHLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである別の結合ドメインとで構成された多重特異性融合タンパク質を提供する。また、この多重特異性融合タンパク質には、他方のドメインを引き離す介在ドメインが含まれ得る。また、本開示により、該多重特異性融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、該融合タンパク質の組成物、ならびに該多重特異性融合タンパク質および組成物の使用方法を提供する。

目的

例えば、CD86に優先的に結合する第1結合ドメインと、第2結合ドメイン(異種結合ドメイン)とを含む多重特異性xceptor融合タンパク質を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

技術分野

0001

(関連出願への相互参照
本出願は、2008年10月2日に出願された米国仮特許出願番号61/102,288号、2008年10月2日に出願された米国仮特許出願番号61/102,297号、2008年10月2日に出願された米国仮特許出願番号61/102,307号、2008年10月2日に出願された米国仮特許出願番号61/102,315号、2008年10月2日に出願された米国仮特許出願番号61/102,319号、2008年10月2日に出願された米国仮特許出願番号61/102,327号、2008年10月2日に出願された米国仮特許出願番号61/102,331号、2008年10月2日に出願された米国仮特許出願番号61/102,334号、2008年10月2日に出願された米国仮特許出願番号61/102,336号の米国特許法119条(e)項の下での利益を主張し、これら(9件)の仮出願は、その全容が参照によって本明細書に援用される。

0002

配列表に関する記載)
本出願書類に関連する配列表を、紙面コピーに代えてテキスト形式で提供し、引用により本明細書に組み込んでいる。配列表を含むテキストファイル名は、910180_421PC_SEQUENCE_LISTING.txtである。テキストファイルは705KBであり、2009年10月2日に作成したものであり、本明細書の出願と同時にEFS−Webにより電子的に提出されている。

0003

背景
(技術分野)
本開示は、一般的に、多重特異性結合分子およびその治療的適用の分野に関し、より詳しくは、CD86アンタゴニスト結合ドメインと、IL−10アゴニストHLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストなどの異種標的に特異的な別の結合ドメインとで構成された融合タンパク質、ならびにその組成物および治療的使用に関する。

背景技術

0004

(関連技術の説明)
ヒト免疫機構は、一般的には、異物および病原体による損傷から身体を保護する。免疫機構が身体を保護する様式の一例は、Tリンパ球またはT細胞と称される特殊細胞の産生によってもたらされるものである。T細胞と抗原提示細胞APC)との細胞間相互作用により、T細胞共刺激性(costimulatory)シグナルが生成され、これにより、抗原に対するT細胞応答がもたらされる。十分なT細胞の活性化には、抗原提示細胞上に存在する抗原−MHC複合体に対するT細胞受容体(TCR)の結合と、抗原提示細胞上、特に樹状細胞上に存在するCD86および/またはCD80リガンドに対するT細胞表面上の受容体CD28の結合の両方が必要とされる。

0005

CD80(B7−1としても知られる)は、最初は、ヒトB細胞関連活性化抗原として報告され、その後、関連T細胞分子CD28および細胞傷害性Tリンパ球関連抗原−4(CTLA4)の受容体であることがわかった。後の研究において、CD86として知られる(B7−0またはB7−2としても知られる)CTLA4の別の対抗受容体(counterreceptor)が同定された。CD86はCD80と、その細胞外領域において約25%の配列同一性共有している。CD80とCD86は、一般的に、CD4(+)T細胞の増殖を開始させて維持する能力において機能的に同等であると考えられており(非特許文献1)、両分子のこの活性をブロックする可溶性CTLA4Ig融合タンパク質を用いた臨床データにより臨床的有益性が示されている(非特許文献2)が、CD86の特異的阻害が有益であり得るという証拠がいくつかある。例えば、CD86またはCD80の関与はB細胞に対して異なる効果を有する。具体的には、CD80は、正常B細胞とB細胞リンパ腫の両方の増殖およびIgG分泌に対して負のシグナルをもたらすが、CD86は、B細胞の活性を高めることが示されている(非特許文献3)。また、T細胞に対するCD80の関与は免疫抑制性であり(非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6)、PD−L1(CD274)シグナル伝達により、活性化されたAPCまたはT細胞に対して、さらなる免疫抑制を媒介し得る(非特許文献7;非特許文献8)という証拠もいくつかある。したがって、CD80阻害の非存在下でのCD86の阻害は、自己免疫疾患および炎症性疾患ならびにB細胞リンパ腫の処置において有益であり得る。

0006

CTLA4は、主に活性化T細胞において発現される免疫グロブリンスーパーファミリー1型膜貫通糖タンパク質であり、発現は一部、CD4+CD25+調節T細胞(Treg)サブセットにも見られる。CD86およびCD80は、CTLA4に対する唯一内在性リガンドと考えられている。CTLA4は、CD86およびCD80に、CD28と比べて大きな親和性およびアビディティで結合し(非特許文献9;非特許文献10)、T細胞の活性化の負の調節因子として重要な役割を果たしていることが示されている。具体的には、CD80/CD86に対するCTLA4の結合によりT細胞応答の下方調節がもたらされ、また、T細胞恒常性および末梢耐容性の保持がもたらされる。これは、CD28依存性共刺激の拮抗作用と、CTLA4細胞質テールによる指令的な負のシグナル伝達の両方によるものと考えられる。CTLA4の構造および機能の概説については、Teftら(2006)Annu.Rev.Immunol.24:65−97を参照のこと。

0007

上記のように、生産免疫応答には、TCRの関与と、CD80および/またはCD86に対するCD28の結合の両方が必要とされる。CD28結合の非存在下でのTCR結合は、T細胞を、アポトーシスを受けるか、またはアネルギーとなるかのいずれかに導く。また、CD28シグナル伝達により、T細胞によるサイトカイン産生が増大することが示されている。具体的には、CD28の刺激により、IL−2、TNFα、リンホトキシン、IFNγおよびGMCSFの産生が、活性化T細胞において5〜50倍増大することが示されている。さらに、CD28によるリンホカインおよび/またはサイトカイン遺伝子発現の誘導は、免疫抑制薬シクロスポリンの存在下であっても起こることが示されている(Thompsonら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1333−1337)。また、CD28は、抗アポトーシス性BCL−XLの上方調節を誘導することにより、T細胞の生存増進させることが示されている(Alegreら(2001)Nature Rev.Immunol.1:220−228)。

0008

CTLA4の可溶性形態が、CTLA4の可変様細胞ドメインを免疫グロブリンの定常ドメインに融合させてCTLA4−Ig融合タンパク質を得ることにより構築された。可溶性CTLA−4−Igは、CD86とCD80の両方に結合することにより、CD28依存性共刺激を抑制すること(Linsleyら(1991)J.Exp.Med.,174:561−69)、およびヒトにおいてT細胞の共刺激を抑止し、有益な免疫抑制効果を有すること(Bruce & Boyce(2007)Ann.Pharmacother.41:1153−1162)が示されている。CTLA4−Ig融合タンパク質であるアバタセプト(abatacept)は、現在、関節リウマチの処置で、抗TNFα療法に対する応答が不十分である場合に使用されている。しかしながら、すべての患者がCTLA4−Igに応答するわけではなく、おそらく、一部において、CD28とCD86/CD80との相互作用のブロックが、Tregの弱い誘導因子であり、また、疾患環境において活性化エフェクターT細胞応答をブロックするのに不十分であるため、継続的な応答には頻繁な薬物投与が必要とされる。

先行技術

0009

Vasilevkoら、DNA Cell Biol.(2002)21:137−49
Genoveseら、NEJM(2005)353:114−1123
Suvasら、J.Biol.Chem.(2002)277:7766−7775
Langら、J.Immunol.(2002)168:3786−3792
Taylorら、J.Immunol.(2004)172:34−39
Paustら、PNAS(2004)101:10398−10403
Butteら、Immunity(2007)27:111−122
Keir、Ann.Rev.Immunol.(2008)26:677−704
Linsleyら、J.Exp.Med.(1991)174:561−69
Linsleyら、Immunity(1994)1:793−801

課題を解決するための手段

0010

詳細説明
本開示により、活性を改変するための抗原提示細胞(APC)の標的化が可能になる。例えば、CD86に優先的に結合する第1結合ドメインと、第2結合ドメイン(異種結合ドメイン)とを含む多重特異性xceptor融合タンパク質を提供することにより、T細胞の活性が調整され得る。一部の特定の実施形態では、多重特異性xceptor融合タンパク質は、第1および第2結合ドメイン、第1および第2リンカー、ならびに介在ドメインを含み、該介在ドメインの一端は、リンカーによって、CD86結合ドメインである第1結合ドメインに融合されており、他端は、リンカーによって、IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである第2結合ドメインに融合されている。

0011

一部の特定の実施形態では、CD86結合ドメインは、CTLA4エクトドメイン、CD28エクトドメイン、またはCD86に特異的な免疫グロブリン可変領域結合ドメイン(scFvなど)(例えば、モノクローナル抗体3D1またはFUN1由来)である。一部の実施形態では、完全体より小さいエクトドメインが使用される。例えば、CD86に結合してCD28に対するCD86の結合を抑制するCTLA4エクトドメイン内のドメインが使用され得る。さらなる実施形態において、IL10アゴニストはIL10またはその機能性領域である。さらなる実施形態において、HLA−Gアゴニストは、HLA−G5、HLA−G1、HLA−Gムテインもしくはその機能性領域;HLA−G5、HLA−G1もしくはHLA−Gムテインのエクトドメイン;またはILT2、ILT4もしくはKIR2DL4に特異的な免疫グロブリン可変領域結合ドメイン(scFvなど)である。なおさらなる実施形態において、異種結合ドメインは、HGFもしくはそのサブドメインなどのHGFアゴニストである。別の実施形態では、異種結合ドメインは、IL35Rに特異的な免疫グロブリン可変領域結合ドメイン(scFvなど)もしくはIL35またはその機能性領域などのIL35アゴニストである。さらなる実施形態において、LIGHTアンタゴニストは、LIGHTに特異的な免疫グロブリン可変領域結合ドメイン(scFvなど)、またはHVEMエクトドメインまたはその機能性領域である。さらなる実施形態において、PD−1アゴニストは、PD−1に特異的な免疫グロブリン可変領域結合ドメイン(scFvなど)、またはPD−1リガンド(例えば、PD−L1またはPD−L2)またはその機能性領域である。さらなる実施形態において、BTLAアゴニストは、BTLAに特異的な免疫グロブリン様可変領域結合ドメイン(scFvなど)、またはHVEMエクトドメインまたはその機能性領域である。一部の特定の実施形態では、GITRLアンタゴニストは、GITRLに特異的な免疫グロブリン様可変領域結合ドメイン(scFvなど)、またはGITRエクトドメイン、可溶性GITRまたはその機能性領域である。一部の特定の実施形態では、CD40アンタゴニストは、CD40に特異的な免疫グロブリン様可変領域結合ドメイン(scFvなど)である。

0012

かかる多重特異性融合タンパク質(本明細書においてXceptor分子と称する)の例示的な構造としては、N−BD−ID−ED−C、N−ED−ID−BD−C、N−BD1−ID−BD2−C、およびN−ED−ID−ED−Cが挙げられ、式中、N−および−Cは、それぞれ、アミノ末端およびカルボキシ末端を示す;BDは、免疫グロブリン様または免疫グロブリン可変領域結合ドメインである;IDは介在ドメインである;EDは、細胞外またはエクトドメイン、例えば、受容体リガンド結合ドメイン、リガンド、C型レクチンドメインセマホリンまたはセマホリン様ドメインなどである。一部の構築物では、IDは、第1結合ドメインと第2結合ドメインとの間に配置された免疫グロブリンの定常領域または部分領域を含むものであり得る。なおさらなる構築物では、BDとEDは各々、IDに、同じリンカーまたは異なるリンカー(例えば、1〜50個のアミノ酸を含むリンカー)によって、例えば、免疫グロブリンヒンジ領域(例えば、上側領域とコア領域で構成)もしくはその機能性改変体、またはレクチンドメイン間領域もしくはその機能性改変体、または表面抗原分類(cluster of differentiation(CD))分子ストーク(stalk)領域もしくはその機能性改変体によって連結されている。
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
項目1)
介在ドメインによって異種結合ドメインに連結されたCD86結合ドメインを含む多重特異性融合タンパク質であって、該異種結合ドメインは、IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである、多重特異性融合タンパク質。
(項目2)
該CD86結合ドメインが、CTLA4エクトドメインまたはCTLA4エクトドメインのサブドメインである、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目3)
該CD86結合ドメインが、CD86に特異的なFab、scFv、ドメイン抗体、または重鎖のみの抗体である、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目4)
該CD86結合ドメインが、FUN1抗CD86抗体またはそのヒト化改変体の軽鎖および重鎖の可変ドメインを含む、項目3に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目5)
該FUN1結合ドメインが、配列番号187または237のアミノ酸1〜258を含む、項目4に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目6)
該CD86結合ドメインが、配列番号1〜6のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目7)
該異種結合ドメインが、配列番号7、14、15、18〜22、25、26、29、32、33、39および40のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目8)
該異種結合ドメインが、配列番号7に示すアミノ酸配列または87位に点変異を含むその改変体を含むIL−10アゴニストを含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目9)
該異種結合ドメインが、配列番号14または15に示すアミノ酸配列を含むHLA−Gアゴニストを含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目10)
該異種結合ドメインが、配列番号18〜22のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含むHGFアゴニストを含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目11)
該異種結合ドメインが、配列番号25または26に示すアミノ酸配列を含むIL−35アゴニストを含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目12)
該異種結合ドメインが、配列番号32または33に示すアミノ酸配列を含むPD−1アゴニストを含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目13)
異種結合ドメインが、配列番号29に示すアミノ酸配列を含むBTLAアゴニストを含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目14)
該異種結合ドメインが、配列番号29に示すアミノ酸配列を含むLIGHTアンタゴニストを含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目15)
該異種結合ドメインが、配列番号39または40に示すアミノ酸配列を含むGITRLアンタゴニストを含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目16)
該介在ドメインが、該CD86結合ドメインと該異種結合ドメインとの間に配置される免疫グロブリンの定常領域または部分領域を含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目17)
該免疫グロブリンの定常領域または部分領域がIgG1 CH2CH3である、項目16に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目18)
該介在ドメインが、第1リンカーと第2リンカーとの間に配置される免疫グロブリンの定常領域を含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目19)
該第1リンカーおよび第2リンカーが、独立して、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398に示すリンカーから選択される、項目18に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目20)
該介在ドメインが、ヒト免疫グロブリンFc領域アルブミントランスフェリン、または血清タンパク質に結合する骨格ドメインを含む、項目18に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目21)
該介在ドメインが、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下:
−L1−X−L2−
(式中:
L1およびL2は各々、独立して、2〜約150個のアミノ酸を含むリンカーであり;
Xは、免疫グロブリンの定常領域もしくは部分領域、アルブミン、トランスフェリン、または別の血清タンパク質結合タンパク質である)
の構造を含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目22)
該免疫グロブリンの定常領域または部分領域がIgG1 CH2CH3である、項目21に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目23)
L1が、1つ以上のシステインが他のアミノ酸で置き換わるように任意選択で変異させられたヒト免疫グロブリンヒンジ領域である、項目21に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目24)
Xが、FcγRIIII相互作用を解消するがFcRn相互作用は保持するように任意選択で変異させられたヒトIgG1Fcドメインまたはその少なくとも1つのCHドメインである、項目21または23に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目25)
該介在ドメインが二量体化ドメインである、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目26)
下記の構造:
N−BD1−X−L2−BD2−C
(式中:
BD1は、CTLA4のエクトドメインと少なくとも約90%同一であるCD86結合ドメインであり;
−X−は、−L1−CH2CH3−(式中、L1は、第1システインを置換することにより任意選択で変異させられた第1IgG1ヒンジであり、−CH2CH3−は、FcγRI−III相互作用を解消するがFcRn相互作用は保持するように任意選択で変異させられたIgG1 FcドメインのCH2CH3領域である)であり;
L2は、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398から選択されるリンカーであり;
BD2は、該異種結合ドメインである)
を有する、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目27)
配列番号9、13、17、24、28、31、35、38、42、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、237、239、252、254、256、258、260、262、266、276、302、330、334、336、338、340、350、352、および354のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含む、項目1に記載の多重特異性融合タンパク質。
(項目28)
前述の項目のいずれかに記載の1種類以上の多重特異性融合タンパク質と、薬学的に許容され得る担体希釈剤または賦形剤とを含む組成物。
(項目29)
該多重特異性融合タンパク質が該組成物中で二量体または多量体として存在している、項目28に記載の組成物。
(項目30)
項目1〜27のいずれか1項に記載の多重特異性融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド
(項目31)
配列番号8、12、16、23、27、30、34、37、41、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、236、238、251、253、255、257、259、261、265、275、301、329、333、335、337、339、349、351および353のいずれか1つに示すポリヌクレオチドを含む、項目30に記載のポリヌクレオチド。
(項目32)
発現制御配列作動可能に連結された項目30または31に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター
(項目33)
項目32に記載の発現ベクターを含む宿主細胞
(項目34)
治療有効量の前述の項目のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質またはその組成物を投与することを含む、CD86、IL−10、HLA−G、HGF、IL−35、PD−1、BTLA、LIGHT、GITRLまたはCD40と関連している障害を有する被験体処置方法
(項目35)
該障害が、関節リウマチ、若年性関節リウマチ全身性エリテマトーデスまたは固形臓器移植である、項目34に記載の方法。

図面の簡単な説明

0013

図1は、種々のタンパク質、例えば、アバタセプト、CTLA4−Ig(N2)(配列番号11)、およびIL10に融合させたCTLA4エクトドメインを含む多重特異性xceptor融合タンパク質(配列番号9)によるCD80に対する結合を示す。
図2は、CTLA4−Ig(N2)(配列番号11)、およびIL10に融合させたCTLA4エクトドメインを含む多重特異性xceptor融合タンパク質(配列番号9)が、可溶性IL10Ra(sIL10Ra)に結合し得ることを示す。
図3はおよび図4は、IL10に融合させたCTLA4エクトドメインを含む多重特異性xceptor融合タンパク質(配列番号9)がPBMCにおいてSTATリン酸化を誘導し得ることを示す。
図3はおよび図4は、IL10に融合させたCTLA4エクトドメインを含む多重特異性xceptor融合タンパク質(配列番号9)がPBMCにおいてSTAT3リン酸化を誘導し得ることを示す。
図5は、3D1およびヒト化FUN1モノクローナル抗体由来抗CD86結合ドメインを含むxceptorがWIL2−S細胞上のCD86に結合することを示す。
図6は、CD86結合ドメインおよびIL10を含むxceptorが、細胞表面CD86とsIL10Raに同時に結合し得ることを示す。
図7は、ヒト化抗CD86 FUN1SMIPの種々の異なる変形型がCD86に結合し得ることを示す。
図8は、IL10をxceptorのカルボキシ末端(BD2)に連接する種々のリンカーを有するCTLA4::IL10 xceptor分子がIL10R1−Igに結合し得ることを示す。白抜きの三角形−配列番号9;白抜きの菱形−配列番号171;黒塗りの円−配列番号302;黒塗りの三角形−配列番号173。
図9は、IL10をxceptorのカルボキシ末端(BD2)を連接する短リンカーを有するCTLA4::IL10 xceptor分子がIL10R1−Igに結合し得ることを示す。白抜きの三角形−配列番号171;白抜きの菱形−配列番号175;黒塗りの円−配列番号177;黒塗りの三角形−配列番号179。
図10は、いくつかのxceptorタンパク質がCD80に結合することを示す。
図11は、いくつかのxceptorタンパク質がCD86に結合することを示す。
図12は、いくつかのxceptorタンパク質がsIL10Raに結合することを示す。
図13は、いくつかのxceptorタンパク質がCD80とsIL10Raに同時に結合し得ることを示す。
図14は、いくつかのxceptorタンパク質がマウスCD80と交差反応性であることを示す。
図15は、いくつかのxceptorタンパク質がマウスCD86と交差反応性であることを示す。
図16および図17は、MLRアッセイにおいて、いくつかのxceptorタンパク質がヒトT細胞応答をブロックすることを示す。
図16および図17は、MLRアッセイにおいて、いくつかのxceptorタンパク質がヒトT細胞応答をブロックすることを示す。
図18図20は、MLRアッセイにおいて、いくつかのxceptorタンパク質がマウスT細胞応答をブロックすることを示す。
図18図20は、MLRアッセイにおいて、いくつかのxceptorタンパク質がマウスT細胞応答をブロックすることを示す。
図18図20は、MLRアッセイにおいて、いくつかのxceptorタンパク質がマウスT細胞応答をブロックすることを示す。
図21および図22は、MLRアッセイにおいて、改変体IL10(I87変異を有するIL10もしくはモノIL10のいずれか)または改変体CTLA4を含むいくつかのxceptorタンパク質がヒトT細胞応答をブロックすることを示す。
図21および図22は、MLRアッセイにおいて、改変体IL10(I87変異を有するIL10もしくはモノIL10のいずれか)または改変体CTLA4を含むいくつかのxceptorタンパク質がヒトT細胞応答をブロックすることを示す。
図23は、MC/9細胞増殖アッセイにおいて、改変体IL10(I87変異を有するIL10またはモノIL10のいずれか)を含むいくつかのxceptorタンパク質が、マウスIL10よりも免疫賦活性が低いことを示す。
図24は、MC/9細胞増殖アッセイにおいて、改変体IL10(I87変異を有するIL10またはモノIL10のいずれか)を含むいくつかのxceptorタンパク質が、ヒトIL10よりも免疫賦活性が低いことを示す。

0014

本開示をより詳細に示す前に、本明細書で用いる一部の用語の定義を示すことが、その理解を助けることになり得よう。さらなる定義は、本開示の至る箇所に示している。

0015

本記載において、任意の濃度範囲パーセント範囲比率範囲または整数範囲は、特に記載のない限り、記載の範囲内の任意の整数値ならびに、適切な場合は、その分数整数の10分の1および100分の1など)を含むと理解されたい。また、任意の物理的特徴に関する本明細書に記載の任意の数値範囲ポリマーサブユニット、サイズまたは厚さなど)は、特に記載のない限り、記載の範囲内の任意の整数を含むと理解されたい。本明細書で用いる場合、「約」または「本質的に〜からなる」は、特に記載のない限り、表示した範囲、値または構造の±20%を意味する。用語「a」および「an」は、本明細書で用いる場合、列挙成分の「1つ以上」を指すことを理解されたい。代替的記載(例えば、「または/もしくは」)の使用は、該代替的記載のいずれか1つ、両方、またはその任意の組合せを意味すると理解されたい。本明細書で用いる場合、用語「include」および「comprise」(含む)は同義的に用いている。また、本明細書に記載の構造および置換基の種々の組合せにより得られる個々の化合物または化合物群は、各化合物または化合物群が、あたかも具体的に個々に示されているのと同程度に本出願書類に開示されていると理解されたい。したがって、具体的な構造または具体的な置換基の選択は本開示の範囲に含まれる。

0016

本開示による「結合ドメイン」または「結合領域」は、例えば、生物学的分子(例えば、CD86)または1種類より多くの同じ分子もしくは異なる分子の複合体もしくは集合体もしくは凝集体(安定であれ一過性であれ)(例えば、CD86/CD28複合体)を特異的に認識して結合する能力を有する任意のタンパク質、ポリペプチドオリゴペプチドまたはペプチドであり得る。かかる生物学的分子としては、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチド、ペプチド、アミノ酸、もしくはその誘導体、脂質、脂肪酸、もしくはその誘導体;糖質、糖類、もしくはその誘導体;ヌクレオチドヌクレオシドペプチド核酸核酸分子、もしくはその誘導体;糖タンパク質、グリコペプチド糖脂質リポタンパク質プロテオリピド、もしくはその誘導体;例えば生物学的試料中に存在し得る他の生物学的分子;またはその任意の組合せが挙げられる。結合領域としては、目的の生物学的分子または他の標的に対する、天然に存在する、合成、半合成または組換え産生された任意の結合パートナーが挙げられる。特定の標的と特異的に結合する本開示の結合ドメインを同定するためのさまざまなアッセイが知られており、FACSウエスタンブロットELISAまたはBiacore分析が挙げられる。

0017

本開示の結合ドメインおよびその融合タンパク質は、例えば、約105M−1、106M−1、107M−1、108M−1、109M−1、1010M−1、1011M−1、1012M−1、または1013M−1以上の親和性またはKa(すなわち、特定の結合相互作用平衡会合定数、単位は1/M)で標的分子に結合する場合、上記本開示の結合ドメインおよびその融合タンパク質は、標的に所望の度合まで結合(例えば、「特異的または選択的に結合」)し得、一方で試験試料中に存在する他の成分には有意に結合しないであろう。「高親和性」結合ドメインは、少なくとも107M−1、少なくとも108M−1、少なくとも109M−1、少なくとも1010M−1、少なくとも1011M−1、少なくとも1012M−1、少なくとも1013M−1以上のKaを有する結合ドメインをいう。あるいはまた、親和性は、特定の結合相互作用の平衡解離定数(Kd)で定義され得る(単位はM(例えば、10−5M〜10−13M))。本開示による結合ドメインポリペプチドおよび融合タンパク質の親和性は、慣用的な手法を用いて容易に測定され得る(例えば、Scatchardら(1949)Ann.N.Y.Acad.Sci.51:660;および米国特許第5,283,173号;同第5,468,614号、またはその対応物参照)。

0018

本開示の結合ドメインは、本明細書に記載のようにして、または当該技術分野において知られたさまざまな方法によって作製され得る(例えば、米国特許第6,291,161号;同第6,291,158号参照)。供給源としては、(抗体、sFv、scFvもしくはFabとして、例えばファージライブラリーフォーマット化され得る)種々の種、例えば、ヒト、ラクダ科ラクダヒトコブラクダ、もしくはラマ由来;Hamers−Castermanら(1993)Nature,363:446およびNguyenら(1998)J.Mol.Biol.,275:413)、サメ(Rouxら(1998)Proc.Nat’l.Acad.Sci.(USA)95:11804)、魚類(Nguyenら(2002)Immunogenetics,54:39)、齧歯類鳥類ヒツジに由来する抗体遺伝子配列、ランダムペプチドライブラリーをコードする配列、または代替非抗体骨格ループ領域内の操作された多様なアミノ酸をコードする配列、例えば、フィブリノゲンドメイン(例えば、Weiselら(1985)Science 230:1388参照)、Kunitzドメイン(例えば、米国特許第6,423,498号参照)、リポカリンドメイン(例えば、WO2006/095164参照)、V様ドメイン(例えば、米国特許出願公開第2007/0065431号参照)、C型レクチンドメイン(ZelenskyおよびGready(2005)FEBSJ.272:6179)、mAb2もしくはFcabTM(例えば、PCT特許出願公開番号WO2007/098934;WO2006/072620参照)などが挙げられる。また、例えば、免疫原としての合成単鎖CD86を、簡便な系(例えば、マウス、HuMAbマウス(登録商標)、TCマウスTM、KM−マウス(登録商標)、ラマ、ニワトリラットハムスターウサギなど)において使用する、ハイブリドーマ開発のための従来のストラテジーも、本開示の結合ドメインの開発に使用され得る。

0019

業者によって抗体手法を示すものと理解されている用語は、本明細書において特に明示的に定義していない限り、各々、当該技術分野において得られている意味を示す。例えば、用語「VL」および「VH」は、それぞれ、抗体の軽鎖および重鎖に由来する可変結合領域をいう。可変結合領域は、「相補性決定領域」(CDR)および「フレームワーク領域」(FR)として知られる別個のよく定義された部分領域で構成されている。用語「CL」および「CH」は、「免疫グロブリンの定常領域」、すなわち、それぞれ、抗体の軽鎖または重鎖に由来する定常領域をいい、後者の領域は、その領域が由来する抗体アイソタイプIgAIgDIgE、IgG、IgM)に応じて、さらにCH1、CH2、CH3およびCH4定常領域ドメインに分けることができると理解されている。定常領域ドメインの一部は、Fc領域(「結晶化可能断片」領域)を構成しており、該領域は、免疫グロブリンのエフェクター機能、例えば、ADCC抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性)、CDC(補体依存性細胞傷害性)および補体結合Fc受容体に対する結合、Fc領域欠損ポリペプチドと比べてより大きなインビボ半減期プロテインA結合、ならびに場合によってはさらに胎盤移行を担うドメインを含む(Caponら(1989)Nature,337:525参照)。さらに、Fc領域を含むポリペプチドでは、該ポリペプチドの二量体化または多量体化が可能になる。「ヒンジ領域」は本明細書では「リンカー」とも称し、これは、抗体の一本の鎖の可変結合領域と定常領域との間に介在し、これらを連結しているアミノ酸配列であり、抗体または抗体様分子に対してヒンジの形態で柔軟性を提供するものとして当該技術分野において知られている。

0020

免疫グロブリンのドメイン構造は、抗原結合ドメインおよびエフェクター機能を付与するドメインが、免疫グロブリンのクラスおよびサブクラス間交換されることがあり得るため、操作に適している。免疫グロブリンの構造および機能は、例えば、Harlowら編,Antibodies:A Laboratory Manual,第14章(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,1988)に概説されている。組換え抗体手法のあらゆる態様に関するさらなる序論ならびに詳細な情報は、教科書Recombinant Antibodies(John Wiley & Sons,NY,1999)に見出すことができる。詳細な抗体操実験プロトコル包括的な収集は、R.KontermannおよびS.Duebel編,The Antibody Engineering Lab Manual(Springer Verlag,Heidelberg/New York,2000)に見出すことができる。また、さらなる関連プロトコルは、John Wiley & Sons,Inc.,Boston,MAによって出版されたCurrent Protocols in Immunology(2009年8月)において入手可能である。

0021

「誘導体」は、本明細書で用いる場合、親化合物構造的に類似しており、該親化合物から(実際に、または理論的に)誘導可能な化学的または生物学的に修飾された型の化合物をいう。一般的に、「誘導体」は「類似体」と、「誘導体」の作製には親化合物が出発材料とされ得るが、「類似体」の作製には、必ずしも親化合物が出発材料として使用されなくてもよいという点で異なる。類似体は、親化合物と異なる化学的または物理的特性を有するものであってもよい。例えば、誘導体は、親化合物と比べて、より親水性であってもよく、改変された反応性(例えば、標的に対するその親和性を改変させるアミノ酸変化を有するCDR)を有するものであってもよい。

0022

用語「生物学的試料」は、血液試料生検被検物組織外植片器官培養物生体液(例えば、血清、尿、CSF)、または任意の他の組織もしくは細胞、または被験体もしくは生物学的供給源由来の他の調製物包含する。被験体または生物学的供給源は、例えば、ヒトもしくは非ヒト動物一次細胞培養物または適合培養細胞株、例えば、染色体に組み込まれた、もしくはエピソーム組換え核酸配列を含むものであり得る遺伝子操作された細胞株体細胞ハイブリッド細胞株、不死化もしくは不死化可能な細胞株、分化もしくは分化可能な細胞株、形質転換細胞株などであり得る。本開示のさらなる実施形態では、被験体または生物学的供給源は、疾患、障害もしくは病状、例えば、悪性の疾患、障害もしくは病状またはB細胞障害を有することが疑われるか、または有するリスクがある被験体または生物学的供給源であり得る。一部の特定の実施形態では、被験体または生物学的供給源は、過剰増殖性炎症性、または自己免疫性の疾患を有することが疑われるか、または有するリスクがある被験体または生物学的供給源であり得、本開示の一部の特定の他の実施形態では、被験体または生物学的供給源は、かかる疾患、障害または病状のリスクまたは存在がないことがわかっている被験体または生物学的供給源であり得る。

0023

(CD86結合ドメイン)
本明細書に示すように、CD86は、免疫グロブリンスーパーファミリーの一構成員であるI型膜タンパク質を含む。CD86は、抗原提示細胞によって発現され、2種類のT細胞タンパク質CD28およびCTLA4のリガンドである。CD28とCD28との結合は、T細胞の活性化に対する共刺激性シグナルであるが、CD28とCTLA4との結合は、T細胞の活性化を下方調節し、免疫応答を低減させる。選択的スプライシングにより、異なるアイソフォーム(GenbankアクセッションNP_787058.3およびNP_008820.2)をコードする2種類の転写物改変体がもたらされる。

0024

本開示のCD86結合ドメインは、CD28に対するCD86の結合をブロックし、それにより、T細胞の活性化を下方調節し得るものである。想定されるCD86結合ドメインとしては、CTLA4細胞外ドメインもしくはそのサブドメイン、CD28細胞外ドメインもしくはサブドメイン、またはCD86特異的抗体由来結合ドメイン(FUN1モノクローナル抗体由来のもの(例えば、J Pathol.1993 Mar;169(3):309−15参照);もしくは3D1抗CD86モノクローナル抗体由来のものなど)が挙げられる。

0025

一部の実施形態では、CD86結合ドメインは、ヒトCTLA4(GenbankアクセッションNP_005205)の細胞外ドメイン(「エクトドメイン」)、例えば、配列番号1(シグナルペプチド:アミノ酸1〜37)の成熟ポリペプチド配列である。シグナルペプチドなしのCTLA4エクトドメインのアミノ酸配列は配列番号410に示す。本出願人らは、一部の研究ではCTLA4エクトドメインの成熟ポリペプチドが配列番号1の38位のメチオニンから始まることが示され、他の研究では該成熟ポリペプチドが37位のアラニンから始まることが示されたことに言及する。さらなる実施形態において、CD86結合ドメインは、CD86に対して野生型よりも高いアビディティを有するように変異させたCTLA4のエクトドメイン、または例えば米国特許出願公開US2003/0035816に開示されているような非変異型CTLA4のエクトドメインである。一部の特定の実施形態では、該変異型CTLA4エクトドメインは、配列番号410の29位のアミノ酸にアラニンもしくはチロシン、および/または104位にグルタミン酸アスパラギンアスパラギン酸グルタミンイソロイシンロイシンもしくはトレオニンを含む。A29Y L104E CTLA 4エクトドメイン改変体のアミノ酸配列を、配列番号411に示す。一部の特定の実施形態では、CD86結合ドメインは、CTLA−4可変様ドメイン(配列番号3に示す配列など)、またはCTLA−4可変様ドメインのCDR(配列番号4(CDR1)、配列番号5(CDR2)もしくは配列番号6(CDR3)など)である。かかるCDRは、例えば、米国特許7,405,288に記載されている。代替的実施形態では、CD86結合ドメインは、CD28(GenbankアクセッションNP_006130.1)の細胞外ドメイン(「エクトドメイン」)(配列番号2に示す配列など)である。配列番号2のアミノ酸1〜18はシグナルペプチドである。シグナルペプチドなしのCD28のエクトドメインのアミノ酸配列を配列番号412に示す。

0026

またさらなる実施形態では、CD86結合ドメインは、CD86に特異的な単鎖免疫グロブリン様ドメイン(scFvなど)を含む。一部の特定の実施形態では、CD86結合ドメインは、モノクローナル抗体FUN1または3D1由来の軽可変結合ドメインおよび重可変結合ドメインを含む。FUN1および3D1抗CD86モノクローナル抗体由来の重鎖、軽鎖、scFvリンカーおよびCDRの配列を、それぞれ、配列番号305〜313および318〜326に示す。これらは、本開示のxceptor分子に使用され得る。

0027

一態様において、本開示のCD86結合ドメインまたはその融合タンパク質は、CD86に特異的であり、解離定数(Kd)が約10−3M〜約10−8M未満の親和性を有する。一部の特定の好ましい実施形態において、CD86結合ドメインまたはその融合タンパク質はCD86に、約0.3μMの親和性で結合する。

0028

実例としての一例において、本開示のCD86結合ドメインは、Fabファージ断片のライブラリーを用いて(例えば、Hoetら(2005)Nature Biotechnol.23:344参照)、合成または組換えCD86(GenBankアクセッション番号NP_787058.3もしくはNP_008820.2に示されるアミノ酸配列もしくはその断片を使用)に対する結合に関してスクリーニングすることにより同定され得る。一部の特定の実施形態では、CD86結合ドメインの作製に使用されるCD86分子は、さらに、本明細書に記載の介在ドメインまたは二量体化ドメイン(免疫グロブリンFcドメインまたはその断片など)を含むものであり得る。

0029

一部の実施形態では、本開示のCD86結合ドメインは、本明細書に記載のVHおよびVLドメイン(例えば、FUN1、3D1、またはそのヒト化誘導体)を含む。他の例示的なVHおよびVLドメインとしては、米国特許6,827,934に記載されたものが挙げられる。一部の特定の実施形態では、VHおよびVLドメインはヒトである。さらなる実施形態において、配列番号305および306、配列番号318および319の1つ以上の軽鎖可変領域(VL)または1つ以上の重鎖可変領域(VH)またはその両方、あるいは米国特許6,827,934(引用により本明細書に組み込まれる)に開示されたもののアミノ酸配列と、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%または少なくとも100%同一である配列を有する本開示のCD86結合ドメインを提供し、ここで、各CDRは、0、1、2または3つのアミノ酸変化を有し得る(すなわち、ほとんどの変化はフレームワーク領域(1つもしくは複数)内に存在する)。

0030

用語「同一の」または「同一性割合」は、2つ以上のポリペプチドまたは核酸分子配列との関連において、比較ウィンドウまたは指定領域にわたって一致が最大となるように比較およびアラインメントし、当該技術分野において知られた方法(配列比較アルゴリズム手作業によるアラインメント、または目視検査など)を用いて測定した場合、同じである2つ以上の配列または部分配列、または特定の領域にわたって同じであるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドが特定の割合(例えば、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の同一性)である2つ以上の配列または部分配列を意味する。例えば、配列同一性および配列類似性の割合を調べるのに適した好ましいアルゴリズムは、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムである(これらは、それぞれ、Altschulら(1977)Nucleic AcidsRes.25:3389およびAltschulら(1990)J.Mol.Biol.215:403に記載されている)。

0031

VLおよびVHドメインが所望され得る本明細書に記載のこれらまたは他の任意の実施形態において、VLおよびVHドメインはいずれの向きに配置されてもよく、約30個までのアミノ酸のリンカー(本明細書において開示)、または該2つのサブ結合ドメインの相互作用と適合性であるスペーサー機能をもたらすことができる任意のアミノ酸配列によって引き離されていてもよい。一部の特定の実施形態では、VHドメインとVLドメインを連接するリンカーは、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398の1つ以上のいずれかに示すアミノ酸配列を含む(リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、リンカー131(配列番号164)、リンカー115(配列番号148)、または配列番号244に示すリンカーなど)。多重特異性結合ドメインは、少なくとも2つの特異的サブ結合ドメイン(ラクダ科抗体の構成に類似)、または少なくとも4つの特異的サブ結合ドメイン(VH鎖およびVL鎖ペアのより慣用的な哺乳動物抗体の構成に類似)を有するものである。

0032

CDRは、当該技術分野において種々に定義されており、Kabat、Chothia、AbM、およびコンタクト(contact)定義が挙げられる。Kabat定義は、配列可変性に基づいており、CDR領域推定に最も一般的に使用されている定義である(Johnsonら(2000)Nucleic AcidsRes.28:214)。Chothia定義は、構造的ループ領域の位置に基づいている(Chothiaら(1986)J.Mol.Biol.196:901;Chothiaら(1989)Nature 342:877)。AbM定義は、Kabat定義とChothia定義の折衷案であり、Oxford Molecular Groupによって作製された抗体構造モデリングプログラム一体型総合ソフトウェアである(Martinら(1989)Proc.Nat’l.Acad.Sci.(USA)86:9268;Reesら,ABMTM,抗体の可変領域のモデリング用のコンピュータープログラム,Oxford,UK;Oxford Molecular,Ltd.)。コンタクト定義として知られるさらなる定義が最近導入されており(MacCallumら(1996)J.Mol.Biol.5:732参照)、これは、入手可能な複合的結晶構造の分析に基づいている。

0033

慣例により、重鎖のCDRドメインはH1、H2およびH3と称され、これらは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かう順に連続的に番号付けされている。CDR−H1は、約10〜12残基長であり、ChothiaおよびAbMの定義によれば、Cysの4残基後ろから、またはKabat定義によれば5残基後ろから始まる。H1の後には、Trp、Trp−Val、Trp−Ile、またはTrp−Alaが存在し得る。H1の長さは、AbM定義によれば、ほぼ10〜12残基であるが、Chothia定義では最後の4残基を含めない。CDR−H2は、KabatおよびAbMの定義によれば、H1の末端の15残基後ろから始まり、CDR−H2の前には、一般的に配列Leu−Glu−Trp−Ile−Glyが存在し(だが、いくつかのバリエーションが知られている)、後には、一般的に配列Lys/Arg−Leu/Ile/Val/Phe/Thr/Ala−Thr/Ser/Ile/Alaが存在する。Kabat定義によれば、H2の長さは約16〜19残基であるが、AbM定義では、長さは9〜12残基であると推定されている。CDR−H3は、通常H2の末端の33残基後ろから始まり、その前には一般的にアミノ酸配列Cys−Ala−Argが存在し、後にはアミノ酸Glyが存在し、3〜約25残基の範囲の長さを有する。

0034

慣例により、軽鎖のCDR領域はL1、L2およびL3と称され、これらは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かう順に連続的に番号付けされている。CDR−L1(ほぼ10〜17残基長)は、一般的に、ほぼ第24残基から始まり、一般的にCysに続く。CDR−L1の後の残基は常にTrpであり、これは、以下の配列:Trp−Tyr−Gln、Trp−Leu−Gln、Trp−Phe−Gln、またはTrp−Tyr−Leuのうちの1つを始める。CDR−L2(約7残基長)は、L1の末端の約16残基後ろから始まり、一般的に残基Ile−Tyr、Val−Tyr、Ile−Lys、またはIle−Pheに続く。CDR−L3は、通常、L2の末端の33残基後ろから始まり、一般的にCysに続き、この後には、一般的に配列Phe−Gly−XXX−Glyが存在し、約7〜11残基の長さを有する。

0035

したがって、本開示の結合ドメインは、抗CD86抗体の可変領域の単一のCDRを含むものであってもよく、同じであっても異なっていてもよい複数のCDRを含むものであってもよい。一部の特定の実施形態では、本開示の結合ドメインは、CD86に特異的であり、かつフレームワーク領域と、CDR1、CDR2およびCDR3領域とを含み、(a)VHドメインが重鎖CDR3のアミノ酸配列を含むか;または(b)VLドメインが軽鎖CDR3のアミノ酸配列を含むか;または(c)該結合ドメインが(a)のVHアミノ酸配列と(b)のVLアミノ酸配列を含むか;または該結合ドメインが(a)のVHアミノ酸配列と(b)のVLアミノ酸配列を含み、VHおよびVLが同じ参照配列内に見られる、VHおよびVLドメインを含む。さらなる実施形態において、本開示の結合ドメインは、CD86に特異的であり、かつフレームワーク領域と、CDR1、CDR2およびCDR3領域とを含み、(a)VHドメインが重鎖CDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含むか;または(b)VLドメインが軽鎖CDR1、CDR2、およびCDR3のアミノ酸配列を含むか;または(c)該結合ドメインが(a)のVHアミノ酸配列と(b)のVLアミノ酸配列を含むか;または該結合ドメインが、(a)のVHアミノ酸配列と(b)のVLアミノ酸配列を含み、VHおよびVLアミノ酸配列が同じ参照配列に由来するものである、VHおよびVLドメインを含む。

0036

特異的CDRを含む本明細書に記載の任意の実施形態において、結合ドメインは、(i)VHドメインのアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を有するVHドメイン;または(ii)VLドメインのアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列を有するVLドメイン;または(iii)(i)のVHドメインと(ii)のVLドメインの両方;または(i)のVHドメインと(ii)のVLドメインの両方(ここで、VHおよびVLは同じ参照配列に由来するものである)を含むものであり得、ここで、各CDRは3つまでのアミノ酸変化を有する(すなわち、該変化の多くはフレームワーク領域(1つもしくは複数)内に存在する)。

0037

本開示のxceptor融合タンパク質のCD86結合ドメインは、免疫グロブリン骨格などの免疫グロブリン様ドメインであってもよい。本開示で想定される免疫グロブリン骨格としては、scFv、ドメイン抗体、または重鎖のみの抗体が挙げられる。scFvにおいて、本開示では、重鎖と軽鎖の可変領域が、本明細書に記載の、または結合分子内の連接ドメインもしくは領域と適合性であることが当該技術分野において知られている任意のリンカーペプチドによって連接されていることを想定する。例示的なリンカーは、Gly4Serリンカーモチーフ((Gly4Ser)n(式中、n=1〜5)など)を基礎としたリンカーである。本開示の融合タンパク質の結合ドメインが、非ヒト免疫グロブリンを基礎としたもの、または非ヒトCDRを含むものである場合、該結合ドメインを、当該技術分野において知られた方法に従って「ヒト化」してもよい。

0038

あるいはまた、本開示の融合タンパク質のCD86結合ドメインは、免疫グロブリン骨格以外の骨格であってもよい。本開示で想定される他の骨格は、機能性コンホメーションにおいてCD86特異的CDR(1つまたは複数)を提示するものである。想定される他の骨格としては、限定されないが、Aドメイン分子フィブロネクチンIIIドメイン、アンチカリン(anticalin)、操作されたアンキリン反復結合分子、アドネクチン、KunitzドメインまたはプロテインAZドメインアフィボディが挙げられる。

0039

(IL10)
上記のように、一部の特定の実施形態では、本開示により、IL10アゴニストである(すなわち、IL10シグナル伝達を増大させ得る)結合領域またはドメインを含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、IL10アゴニスト結合ドメインは、IL10もしくはIL10Fcまたはその機能性サブドメインである。他の実施形態において、IL10アゴニスト結合ドメインは、IL10R1またはIL10R2に特異的に結合する単鎖結合タンパク質(scFvなど)である。一部の実施形態では、IL10アゴニスト結合ドメインは、配列番号7の87位に点変異、例えば「I」から「A」または「S」(本明細書において、それぞれ、I87AまたはI87Sと称する)を含むIL10である。I87改変体IL10分子は、野生型IL10と比べて免疫賦活性が低いことがわかっている(Dingら,J.Exp.Med.191:213,2000)。また、IL10は、通常、各単量体分子のアミノ末端ドメインが他方の単量体のカルボキシ末端ドメインに結合しているホモ二量体を形成している。一実施形態において、IL10アゴニスト結合ドメインは、分子の2つのサブドメイン(アミノおよびカルボキシ末端ドメイン)を引き離す短いリンカー(gggsgg 配列番号379)を有するIL10分子であり、そのため、これらのサブドメインが分子内二量体を形成し得ることも調べた。これを、本明細書においてモノIL10分子と称する。

0040

IL10(Genbankアクセッション番号NP_000563.1;配列番号7)は、共通してα−ヘリックス構造を有するサイトカインスーパーファミリーの一構成員である。配列番号7のアミノ酸1〜18は、前駆IL10タンパク質のシグナルペプチドである。成熟IL10タンパク質のアミノ酸配列を配列番号418に示す。実験による証拠は存在しないが、このファミリーの構成員はすべて6つのα−ヘリックスを有することが示唆されている(Fickenscher,H.ら,(2002)TrendsImmunol.23:89)。IL10は4つのシステインを有し、そのうち1つだけがファミリー構成員間で保存されている。IL10は、その二量体化に寄与するV形状のフォールディングを示すため、この構造に、ジスルフィド結合は不可欠ではないと思われる。ファミリー構成員のIL10とのアミノ酸同一性は、20%(IL−19)〜28%(IL−20)の範囲である(Dumouterら,(2002)Eur.Cytokine Netw.13:5)。

0041

IL10は、最初は、Th1細胞によるIFN−αおよびGM−CSFサイトカイン産生を阻害するマウスのTh2サイトカインとして記載された(Mooreら,2001,Annu.Rev.Immunol.19:683;Fiorentinoら,(1989)J.Exp.Med.170:2081)。ヒトIL10は、18アミノ酸のシグナル配列と160アミノ酸の成熟セグメントを有する178アミノ酸長のものである。その分子量は、ほぼ18kDaである(単量体)。ヒトIL10は、潜在的N連結グリコシル化部位を含まず、グリコシル化されない(Dumouterら,(2002)Eur.Cytokine Netw.13:5;Vieiraら,(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:1172)。これは、2つの鎖間ジスルフィド結合を形成している4つのシステイン残基を含む。1つの単量体のヘリックスA→Dは、第2の単量体のヘリックスEおよびFと非共有的に相互作用し、非共有性のV形状のホモ二量体を形成する。IL10分子において複数の機能性領域がマッピングされた。N末端では、プレヘリックスA残基♯1〜9が肥満細胞増殖に関与しており、一方、C末端では、ヘリックスF残基♯152〜160が白血球の分泌および化学走性を媒介する。

0042

IL10を発現することがわかっている細胞としては、CD8+ T細胞、ミクログリア、CD14+(CD16+は違う単球、Th2 CD4+細胞(マウス)、ケラチノサイト肝星細胞、Th1およびTh2 CD4+ T細胞(ヒト)、黒色腫細胞活性化マクロファージNK細胞、樹状細胞、B細胞(CD5+およびCD19+)ならびに好酸球が挙げられる。T細胞に対して、最初に観察されたIFN−γ産生のIL10阻害は、現在、アクセサリー細胞によって媒介される間接効果であることが示唆されている。しかしながら、T細胞に対するさらなる効果としては、IL10誘導性CD8+ T細胞化学走性、IL−8に対するCD4+ T細胞化学走性の阻害、活性化後のIL−2産生の抑制、Bcl−2上方調節によるT細胞アポトーシスの阻害、およびCD28共刺激に伴う低抗原曝露後のT細胞増殖遮断が挙げられる(Akdisら,(2001)Immunology 103:131)。

0043

B細胞に対しては、IL10は、関連するが相違するいくつかの機能を有する。TNF−βおよびCD40Lとともに、IL10は、ナイーブ(IgD+)B細胞においてIgA産生を誘導する。TGF−β/CD40Lはクラススイッチングを促進させ、一方、IL10は、分化と増殖を開始させると考えられる。TGF−βが存在しない場合、IL10はCD40Lと、IgG1およびIgG3(ヒト)の誘導において協働し、したがって、IgGサブタイプの直接的なスイッチング因子となり得る。興味深いことに、IL10は、IL−4誘導性IgE分泌に対して相違する効果を有する。IL10が、IL−4誘導性クラススイッチングの時点で存在している場合、効果を逆転させる;IgEコミットメント(commitment)後に存在させると、IgE分泌を増大させる。最後に、IL10の存在下では、CD27/CD70相互作用により記憶B細胞からの形質細胞の形成が促進される(Agematsuら,(1998)Blood 91:173)。

0044

また、肥満細胞およびNK細胞は、IL10によって影響を受ける。肥満細胞では、IL10は、ヒスタミンの放出を誘導するが、GM−CSFおよびTNF−αの放出はブロックする。ラットにおいて、IL10が肥満細胞によって放出されることがわかっているため、この効果はオートクラインであり得る。その多面的性質の証拠として、IL10は、NK細胞に対して反対の効果を有する。TNF−αおよびGM−CSF産生をブロックするのではなく、IL10は、NK細胞に対して、実は、この機能を増進させる。また、IL−2誘導性NK細胞増殖を増強し、IL−18によって刺激を受けたNK細胞におけるIFN−γ分泌を助長する。IL−12および/またはIL−18の両者と協調して、IL10は、NK細胞細胞傷害性を増強する(Caiら,1999,Eur.J.Immunol.29:2658)。

0045

IL10は、好中球に対して顕著な抗炎症性の影響を有する。これは、ケモカインMIP−1α、MIP−1βおよびIL−8の分泌を阻害し、炎症促進性メディエータIL−1βおよびTNF−αの産生をブロックする。また、好中球がスーパーオキシドを生成させる能力を低下させ、その結果、PMN媒介性抗体依存性細胞性細胞傷害性を妨害する。また、IL−8およびfMLP誘発化学走性を、おそらくCXCR1を介してブロックする(Viciosoら,(1998)Eur.Cytokine Netw.9:247)。

0046

樹状細胞(DC)に対しては、IL10は、一般的に免疫抑制効果を示す。これは、DCを犠牲にしてCD14+マクロファージの分化を促進させるようである。IL10は、DCがT細胞(特に、Th1型細胞)を刺激する能力を低下させるようである。これは、MHC−II発現と比べて、下方調節され得るか、未変化であり得るか、または上方調節され得る(Sharmaら,(1999)J.Immunol.163:5020)。CD80およびCD86に関して、IL10は、その発現を上方調節するか、または下方調節するかのいずれかである。B7−2/CD86は、T細胞の活性化に重要な役割を果たしている。この分子について、IL10は、上方調節と下方調節の両方に関与している。しかしながら、おそらく、最も有意な調整はCD40の場合で起こる(IL10は、その発現を低減させるようである)。局所的レベルでは、IL10は、炎症促進性サイトカインに応答したランゲルハンス細胞の移動を阻害することにより、免疫刺激をブロックすることがあり得る。あるいはまた、IL10は、通常CCR1、CCR2およびCCR5の下方調節とCCR7の上方調節を伴う炎症誘発DC成熟工程をブロックする。このブロックにより、CCR1、CCR2およびCCR5は保持され、DCは局所的結節に移動されなくなる。その結果、非可動性となったDCは、T細胞を刺激するのではなく、炎症促進性(proinflammatory)ケモカインに、応答することなく結合(そして排除)する(D−Amicoら,(2000)Nat.Immunol.1:387)。

0047

単球に対しては、IL10は、いくつかの立証された効果を有する。例えば、IL10は、細胞表面MHC−IIの発現を明白に低減させるようである。また、これは、刺激後のIL−12産生を阻害する。これはM−CSFともに、単球をマクロファージ移行へと促進するが、マクロファージの表現型は不明である(すなわち、CD16+/細胞傷害性対CD16−)。また、IL10は、単球GM−CSFの分泌およびIL−8産生を低減させるが、IL−1raの放出は促進させる(Gesserら,(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:14620)。結合組織の一成分であるヒアルネクチンは、現在、IL10に応答した単球によって分泌されることがわかっている。ヒアルロネクチンが細胞外空間を介して細胞移動を遮断することがわかっており、IL10が、細胞移動(特に、腫瘍細胞転移)において、なんらかの重要性を有している可能性がある(Gesserら,(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:14620)。

0048

マウスまたはマカクいずれかのFc領域とのIL10の融合タンパク質(IL10Fcと称する)は、マクロファージの機能を阻害し膵島異種移植片の生存を長期化すること(Fengら(1999)Transplantation 68:1775;Asieduら(2007)Cytokine 40:183)、ならびにマウスモデルにおいて敗血症性ショックを低減させること(Zhengら(1995)J.Immunol.154:5590)が示されている。

0049

ヒトIL10R1は、90〜110kDaの1回貫通I型膜貫通糖タンパク質であり、限定的な数の細胞型上に発現される(Liuら,1994,J.Immunol.152:1821)。膵臓骨格筋、脳、心臓および腎臓では、弱い発現が見られる。胎盤、および肝臓では、中間レベルが示された。単球、B細胞、大型顆粒リンパ球およびT細胞では、高レベルで発現される(Liuら,1994,J.Immunol.152:1821)。発現されるタンパク質は、21アミノ酸のシグナルペプチド、215アミノ酸の細胞外領域、25アミノ酸の膜貫通セグメント、および317アミノ酸の細胞質ドメインを含む578アミノ酸のタンパク質である。細胞外領域内には2つのFNIIIモチーフが存在し、細胞質ドメインには、STAT3ドッキング部位とJAK1関連領域が存在する(Kotenkoら,2000 Oncogene 19:2557;Kotenkoら,1997,EMBO J.16:5894)。IL10R1はヒトIL10に、200pMのKdで結合する。

0050

一部の実施形態では、本開示の結合ドメインは、本明細書に記載のIL10R1またはIL10R2に特異的なVLおよびVHドメインを含む。一部の特定の実施形態では、VLおよびVHドメインはヒトである。VLおよびVHドメインはいずれの向きに配置されてもよく、約30個までのアミノ酸のリンカー(本明細書において開示)、または該2つのサブ結合ドメインの相互作用と適合性であるスペーサー機能をもたらすことができる任意の他のアミノ酸配列によって引き離されていてもよい。一部の特定の実施形態では、VLドメインとVHドメインを連接するリンカーは、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398に示すアミノ酸配列を含む(配列番号244に示すリンカー、リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、またはリンカー131(配列番号164)など)。多重特異性結合ドメインは、少なくとも2つの特異的サブ結合ドメイン(ラクダ科抗体の構成に類似)、または少なくとも4つの特異的サブ結合ドメイン(VL鎖およびVH鎖のペアのより慣用的な哺乳動物抗体の構成に類似)を有するものであり得る。さらなる実施形態において、本開示のIL10R1またはIL10R2に特異的な結合ドメインは、1つ以上の相補性決定領域(「CDR」)を含むもの、または複数コピーの1つ以上のかかるCDRを含むものであり得、該CDRは、抗IL10R1またはIL10R2 scFvまたはFab断片の可変領域から、あるいはその重鎖または軽鎖可変領域から取得、誘導または設計したものである。したがって、本開示の結合ドメインは、抗IL10R1またはIL10R2の可変領域の単一のCDRを含むものであってもよく、同じであっても異なっていてもよい複数のCDRを含むものであってもよい。一部の特定の実施形態では、本開示の結合ドメインは、IL10R1またはIL10R2に特異的であり、かつフレームワーク領域と、CDR1、CDR2およびCDR3領域とを含むVLおよびVHドメインを含む。

0051

(HLA−G)
上記のように、一部の特定の実施形態では、本開示により、HLA−Gアゴニストである(すなわち、HLA−Gシグナル伝達を増大させ得る)結合領域またはドメインを含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、HLA−Gアゴニスト結合ドメインは、成熟タンパク質の147位のシステインが代替的アミノ酸(例えば、セリン)に変異させられた、HLA−G1(配列番号14)、HLA−G5(配列番号15)またはHLA−Gムテインである。それぞれHLA−G1およびHLA−G5のアミノ酸1〜24および1〜23は、シグナルペプチドを示す。他の実施形態において、HLA−Gアゴニストドメインは、フレキシブルリンカーによってN末端に結合されたβ−2ミクログロブリンを有するか、または有しないかのいずれかである、HLA−G1またはHLA−G5のエクトドメインである。かかるリンカーの例としては、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398に示すもの、および後述するものが挙げられる。可溶性HLA−G1の調製は、米国特許出願公開US2004/0044182に記載されている。

0052

また他の実施形態において、HLA−Gアゴニスト結合ドメインは、ILT2、ILT4またはKIR2DL4に特異的に結合する免疫グロブリン可変結合ドメインまたはその誘導体(例えば、抗体、Fab、scFvなど)である。ILT2、ILT4またはKIR2DL4に特異的な抗体としては、例えば、米国特許出願公開US2003/0232051に記載されたものが挙げられる。

0053

ヒト白血球抗原G(HLA−G)は、重鎖と軽鎖からなるヘテロ二量体(β−2ミクログロブリン)であり、重鎖が膜内アンカーされている非古典的主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子である。HLA−Gは、免疫調節性分子としての機能を果たし、胎児の組織を母親の免疫機構から保護する。HLA−Gの構成的発現は、胎児の組織、成人胸腺髄質角膜、膵島および赤血球系および内皮細胞前駆細胞に限定されるが、その発現は、がん、移植、多発性硬化症、炎症性疾患およびウイルス感染症において誘導されることがあり得る。HLA−G一次転写物により、膜結合型タンパク質アイソフォームHLA−G1、−G2、−G3および−G4、ならびに可溶性タンパク質アイソフォームHLA−G5、HLA−G6およびHLA−G7をコードする7種類の選択的mRNAが生成され、HLA−G5は、細胞表面結合型HLA−G1タンパク質の可溶性形態である。

0054

HLA−Gは有意な免疫賦活機能を有しないようであるが、これは、阻害性受容体、すなわち、ILT2、ILT4、KIR2DL4およびCD8に結合し、それによりB細胞、T細胞、NK細胞および抗原提示細胞と相互作用することが示されている。HLA−Gの二量体形態は、ILT2に対して、ILT4、KIR2DL4またはCD8に対する親和性よりも数桁大きい親和性を有する。HLA−G1は、子宮および末梢血NK細胞の細胞溶解機能、細胞傷害性Tリンパ球の抗原特異的細胞溶解機能、CD4+ T細胞のアロ増殖性(alloproliferative)応答、T細胞および末梢血NK細胞の増殖、ならびに樹状細胞の成熟および機能を阻害することが示されている(例えば、Wiendlら(2003)Blood,126:176−185参照)。HLA−Gは、多発性硬化症と関連しているCNS炎症応答の低減に(Wiendlら(2005)Blood,128:2689−2704)、および移植での移植片に対する耐容性の増進における治療用薬剤として(Carosellaら(2008)Blood 111:4862−4870)有用であり得ることが示唆されている。

0055

一部の実施形態では、本開示の結合ドメインは、本明細書に記載のILT2、ILT4またはKIR2DL4に特異的なVLおよびVHドメインを含む。一部の特定の実施形態では、VLおよびVHドメインはヒトである。VLおよびVHドメインはいずれの向きに配置されてもよく、約30個までのアミノ酸のリンカー(本明細書において開示)、または該2つのサブ結合ドメインの相互作用と適合性であるスペーサー機能をもたらすことができる任意の他のアミノ酸配列によって引き離されていてもよい。一部の特定の実施形態では、VLドメインとVHドメインを連接するリンカーは、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398の1つ以上のいずれかに示すアミノ酸配列を含む(リンカー115(配列番号148)、配列番号244に示すリンカー、リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、またはリンカー131(配列番号164)など)。多重特異性結合ドメインは、少なくとも2つの特異的サブ結合ドメイン(ラクダ科抗体の構成に類似)、または少なくとも4つの特異的サブ結合ドメイン(VL鎖およびVH鎖のペアのより慣用的な哺乳動物抗体の構成に類似)を有するものであり得る。

0056

さらなる実施形態において、本開示のILT2、ILT4またはKIR2DL4に特異的な結合ドメインは、1つ以上の相補性決定領域(「CDR」)を含むもの、または複数コピーの1つ以上のかかるCDRを含むものであり得、該CDRは、抗ILT2、抗ILT4または抗KIR2DL4 scFvまたはFab断片の可変領域から、あるいはその重鎖または軽鎖可変領域から取得、誘導または設計したものである。したがって、本開示の結合ドメインは、抗ILT2、抗ILT4または抗KIR2DL4の可変領域の単一のCDRを含むものであってもよく、同じであっても異なっていてもよい複数のCDRを含むものであってもよい。

0057

(HGF)
上記のように、一部の特定の実施形態では、本開示により、HGFアゴニストである(すなわち、HGFシグナル伝達を増大させ得る)結合領域またはドメインを含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、HGFアゴニスト結合ドメインはHGFまたはその機能性サブドメインである。

0058

肝細胞成長因子(HGF)は、癌原性(proto−oncogenic)c−Met受容体に結合した後、チロシンキナーゼシグナル伝達カスケードを活性化させることにより細胞増殖、細胞運動性および形態形成を調節する。HGFは、いくつかの細胞型に影響を及ぼし、種々の生体活動、例えば、サイトカイン産生、細胞移動、増殖および生存を調節している。HGFは、単一の不活性なポリペプチドとして分泌され、セリンプロテアーゼによって切断されて69kDaのα鎖と34kDaのβ鎖になる。α鎖とβ鎖との間のジスルフィド結合によって活性なヘテロ二量体分子がもたらされる。HGF遺伝子の選択的スプライシングによって5種類の異なるアイソフォームが生じる(アイソフォーム1〜5;それぞれ、Genbankアクセッション番号NP_000592.3、NP_001010931.1、NP_001010932.1、NP_001010933.1およびNP_001010934.1;配列番号18〜22;これらの各配列のアミノ酸1〜31はシグナルペプチドである)。

0059

HGFは、疾患進行の抑制および減弱における重要な因子と考えられている(Itoら(2008)Int.Arch.Allergy Immunol.146 Suppl 1:82−87)。例えば、HGFは、マウスにおいて、コラーゲン誘発関節炎の抑制に有効であること(Okunishiら(2007)Jnl.Immunol.179:5504−5513)、およびアレルギー性気道炎症のマウスモデルにおいて保護的役割を果たしていることが示されている(Okunishiら(2005)Jnl.Immunol.175:4745−4753;Itoら Am.J.Respir.Cell.Mol.Biol.(2005)32:268−280)。

0060

一部の実施形態では、本開示の結合ドメインは、本明細書に記載のHGFに特異的なVLおよびVHドメインを含む。一部の特定の実施形態では、VLおよびVHドメインはヒトである。VLおよびVHドメインはいずれの向きに配置されてもよく、約30個までのアミノ酸のリンカー(本明細書において開示)、または該2つのサブ結合ドメインの相互作用と適合性であるスペーサー機能をもたらすことができる任意の他のアミノ酸配列によって引き離されていてもよい。一部の特定の実施形態では、VLドメインとVHドメインを連接するリンカーは、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398の1つ以上のいずれかに示すアミノ酸配列を含む(配列番号244に示すリンカー、リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、またはリンカー131(配列番号164)など)。多重特異性結合ドメインは、少なくとも2つの特異的サブ結合ドメイン(ラクダ科抗体の構成に類似)、または少なくとも4つの特異的サブ結合ドメイン(VL鎖およびVH鎖のペアのより慣用的な哺乳動物抗体の構成に類似)を有するものであり得る。さらなる実施形態において、本開示のHGFに特異的な結合ドメインは、1つ以上の相補性決定領域(「CDR」)を含むもの、または複数コピーの1つ以上のかかるCDRを含むものであり得、該CDRは、抗HGF scFvまたはFab断片の可変領域から、あるいはその重鎖または軽鎖可変領域から取得、誘導または設計したものである。したがって、本開示の結合ドメインは、抗HGFの可変領域の単一のCDRを含むものであってもよく、同じであっても異なっていてもよい複数のCDRを含むものであってもよい。一部の特定の実施形態では、本開示の結合ドメインは、HGFに特異的であり、かつフレームワーク領域と、CDR1、CDR2およびCDR3領域とを含むVLおよびVHドメインを含む。

0061

(IL35)
上記のように、一部の特定の実施形態では、本開示により、IL35アゴニストである(すなわち、IL35シグナル伝達を増大させ得る)結合領域またはドメインを含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、IL35アゴニスト結合ドメインは、IL35(例えば、配列番号25および26)またはその機能性サブドメインである。一部の特定の実施形態では、IL35アゴニスト結合ドメインは、配列番号25および26またはその機能性サブドメインの配列を含む単鎖ポリペプチドである。かかる単鎖ポリペプチドは、1つ以上のリンカー(例えば、本明細書に記載のリンカー)を含むものであってもよい。他の実施形態において、IL35アゴニスト結合ドメインは、IL35アゴニスト活性を有するIL35Rに特異的な単鎖免疫グロブリン可変ドメイン(scFvなど)である。

0062

IL−35は、IL−12サイトカインサブファミリーの新たに記載されたサイトカインである。このヘテロ二量体分子は、IL−12 p35およびIL−27 Ebi3サブユニットで構成されている。これは、最近、関節炎のマウスモデルにおいて、Treg機能の強力な誘導因子であり、TH17応答を改変する能力を有することが示された(Niedbalaら(2007)Eur.J.Immunol.37:3021;Collisonら(2007)Nature 450:566)。したがって、IL−35のアゴニスト作用をCD86阻害と組み合わせると、CD28阻害単独の治療有益性が増大することが推定される。

0063

調節性T細胞(TREG)は、自己耐容性の維持と自己免疫の抑制、慢性炎症性疾患喘息および炎症性腸疾患など)の制限、ならびに恒常リンパ球増殖の調節に重要なCD4+ T細胞の不可欠な亜集団である。IL35は、抗炎症性サイトカインであり、調節T細胞の増殖およびTh17細胞発生の抑制を刺激することにより、免疫応答を抑制することが示されている(Collisonら(2007)Nature 450:566−9)。IL35は、エプスタイン—バーウイルス誘導遺伝子3(EBI3;配列番号25;シグナルペプチド:アミノ酸1〜20)と、IL12のp35サブユニット(配列番号26;シグナルペプチド:アミノ酸1〜56)(Devergneら(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:12041−12046;米国特許5,830,451;米国特許出願公開US2007/0299026)で形成されたヘテロ二量体である。これは、マウスコラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、EnbrelTMと同等の治療効果を有することが示されており(Niedbalaら(2007)Eur.J.Immunol.37:3021−3029)、したがって、臨床関節リウマチに対する治療用薬剤として提案されている。

0064

一部の実施形態では、本開示の結合ドメインは、本明細書に記載のIL35Rに特異的なVLおよびVHドメインを含む。一部の特定の実施形態では、VLおよびVHドメインはヒトである。VLおよびVHドメインはいずれの向きに配置されてもよく、約30個までのアミノ酸のリンカー(本明細書において開示)、または該2つのサブ結合ドメインの相互作用と適合性であるスペーサー機能をもたらすことができる任意の他のアミノ酸配列によって引き離されていてもよい。一部の特定の実施形態では、VLドメインとVHドメインを連接するリンカーは、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398の1つ以上のいずれかに示すアミノ酸配列を含む(配列番号244に示すリンカー、リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、またはリンカー131(配列番号164)など)。多重特異性結合ドメインは、少なくとも2つの特異的サブ結合ドメイン(ラクダ科抗体の構成に類似)、または少なくとも4つの特異的サブ結合ドメイン(VL鎖およびVH鎖のペアのより慣用的な哺乳動物抗体の構成に類似)を有するものであり得る。さらなる実施形態において、本開示のIL35Rに特異的な結合ドメインは、1つ以上の相補性決定領域(「CDR」)を含むもの、または複数コピーの1つ以上のかかるCDRを含むものであり得、該CDRは、抗IL35R scFvまたはFab断片の可変領域から、あるいはその重鎖または軽鎖可変領域から取得、誘導または設計したものである。したがって、本開示の結合ドメインは、抗IL35Rの可変領域の単一のCDRを含むものであってもよく、同じであっても異なっていてもよい複数のCDRを含むものであってもよい。一部の特定の実施形態では、本開示の結合ドメインは、IL−35Rに特異的であり、かつフレームワーク領域と、CDR1、CDR2およびCDR3領域とを含むVLおよびVHドメインを含む。

0065

(LIGHT)
上記のように、一部の特定の実施形態では、本開示により、LIGHTアンタゴニストである(すなわち、LIGHTシグナル伝達を阻害し得る)結合領域またはドメインを含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、LIGHTアンタゴニスト結合ドメインは、HVEMエクトドメイン(sHVEMとも称する;配列番号29;シグナルペプチド:アミノ酸1〜38)またはその機能性サブドメインである。他の実施形態において、LIGHTアンタゴニスト結合ドメインは、LIGHTに特異的な単鎖免疫グロブリン様可変ドメイン(scFvなど)である。一部の特定の実施形態では、LIGHTアンタゴニストドメインは、PCT特許出願公開WO 08/027338に記載されたVHおよびVLドメインを含む単鎖免疫グロブリン様可変ドメインである。

0066

LIGHTは、TNFスーパーファミリーの一構成員であり、活性化Tリンパ球、単球、顆粒球および未成熟樹状細胞上に発現される。LIGHTには、2種類の別個のアイソフォームが報告されている(Genbankアクセッション番号NP_003798.2およびNP_742011.1)。LIGHTは、ヘルペスウイルスエントリーメディエータ(HVEM)とリンホトキシンβ受容体LTβR)を介したシグナル伝達によってT細胞免疫応答を調節することが示されている。HVEMおよびLTβRは、どちらもLIGHTに高い親和性で結合し、HVEMの発現は、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞および内皮細胞において検出され、LTβRは、単球および間質細胞において発現されるが、T細胞およびB細胞では発現されない。LIGHTは、CD28非依存性T細胞の活性化に対する共刺激性分子であり、IFN−γおよびGM−CSF産生を優先的に誘導することが示されている。LTβR−Ig融合タンパク質または抗LIGHT抗体のインビボ投与によるLIGHTのブロックにより、マウスモデルにおいて、T細胞媒介性免疫応答の低減がもたらされ、対宿主性移植片病が改善される(Tamadaら(2000)Nat.Med.6:283−9)。LIGHTの構成的発現により、組織破壊および自己免疫様疾患症候群がもたらされる(Granger & Rickert(2003)Cytokine Growth Factor Rev.14:289−96)。

0067

一部の実施形態では、本開示の結合ドメインは、本明細書に記載のLIGHTに特異的なVLおよびVHドメインを含む。一部の特定の実施形態では、VLおよびVHドメインはヒトである。VLおよびVHドメインはいずれの向きに配置されてもよく、約30個までのアミノ酸のリンカー(本明細書において開示)、または該2つのサブ結合ドメインの相互作用と適合性であるスペーサー機能をもたらすことができる任意の他のアミノ酸配列によって引き離されていてもよい。一部の特定の実施形態では、VLドメインとVHドメインを連接するリンカーは、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398の1つ以上のいずれかに示すアミノ酸配列を含む(配列番号244に示すリンカー、リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、またはリンカー131(配列番号164)など)。多重特異性結合ドメインは、少なくとも2つの特異的サブ結合ドメイン(ラクダ科抗体の構成に類似)、または少なくとも4つの特異的サブ結合ドメイン(VL鎖およびVH鎖のペアのより慣用的な哺乳動物抗体の構成に類似)を有するものであり得る。

0068

さらなる実施形態において、本開示のLIGHTに特異的な結合ドメインは、1つ以上の相補性決定領域(「CDR」)を含むもの、または複数コピーの1つ以上のかかるCDRを含むものであり得、該CDRは、抗LIGHT scFvまたはFab断片の可変領域から、あるいはその重鎖または軽鎖可変領域から取得、誘導または設計したものである。したがって、本開示の結合ドメインは、抗LIGHTの可変領域の単一のCDRを含むものであってもよく、同じであっても異なっていてもよい複数のCDRを含むものであってもよい。一部の特定の実施形態では、本開示の結合ドメインは、LIGHTに特異的であり、かつフレームワーク領域と、CDR1、CDR2およびCDR3領域とを含むVLおよびVHドメインを含む。

0069

(PD−1)
上記のように、一部の特定の実施形態では、本開示により、PD−1アゴニストである(すなわち、PD−1シグナル伝達を増大させ得る)結合領域またはドメインを含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、PD−1アゴニスト結合ドメインは、PD1−L1(例えば、配列番号32;シグナルペプチド:アミノ酸1〜18)、PD1−L2(例えば、配列番号33;シグナルペプチド:アミノ酸1〜19)またはその機能性サブドメインである。他の実施形態において、PD−1アゴニスト結合ドメインは、PD−1に特異的な単鎖免疫グロブリン様可変ドメイン(scFvなど)である。PD−1に特異的な抗体としては、例えば、米国特許出願公開US2006/0210567に記載されたものが挙げられる。

0070

PD−1(GenbankアクセッションNP_005009.1)は、CD28/CTLA4ファミリーの一構成員であり、活性化T細胞、B細胞および骨髄系細胞上に発現される。PD−1は、免疫受容体チロシンベース阻害性モチーフを含む。PD−1は、プログラム死−1リガンド1(PD1−L1;CD274としても知られる)およびプログラム死−1リガンド2(PD1−L2)に結合することにより機能を発揮する。ヒトPD−L1およびPD−L2は、未成熟および成熟両方の樹状細胞、IFNγ処理単球および濾胞性樹状細胞上に発現される。PD−1欠損マウスはさまざまな自己免疫病態を示し、これは、PD−1が免疫応答の負の調節因子であることを示す(Nishimura &
Honjo(2001)TrendsImmunol.2:265;Nishimuraら(1999)Immunity 11:141)。PD−1をPD1−L1およびPD1−L2に結合させると、T細胞の活性化の下方調節がもたらされることが示されている(Freemanら(2000)J.Exp.Med.192:1027;Latchmanら(2001)Nat.Immunol.2:261;Carterら(2002)Eur.J.Immunol.32:634)。

0071

一部の実施形態では、本開示の結合ドメインは、本明細書に記載のPD−1に特異的なVLおよびVHドメインを含む。一部の特定の実施形態では、VLおよびVHドメインはヒトである。VLおよびVHドメインはいずれの向きに配置されてもよく、約30個までのアミノ酸のリンカー(本明細書において開示)、または該2つのサブ結合ドメインの相互作用と適合性であるスペーサー機能をもたらすことができる任意の他のアミノ酸配列によって引き離されていてもよい。一部の特定の実施形態では、VLドメインとVHドメインを連接するリンカーは、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398に示すアミノ酸配列を含む(配列番号244に示すリンカー、リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、またはリンカー131(配列番号164)など)。多重特異性結合ドメインは、少なくとも2つの特異的サブ結合ドメイン(ラクダ科抗体の構成に類似)、または少なくとも4つの特異的サブ結合ドメイン(VL鎖およびVH鎖のペアのより慣用的な哺乳動物抗体の構成に類似)を有するものであり得る。

0072

さらなる実施形態において、本開示のPD−1に特異的な結合ドメインは、1つ以上の相補性決定領域(「CDR」)を含むもの、または複数コピーの1つ以上のかかるCDRを含むものであり得、該CDRは、抗PD−1 scFvまたはFab断片の可変領域から、あるいはその重鎖または軽鎖可変領域から取得、誘導または設計したものである。したがって、本開示の結合ドメインは、抗PD−1の可変領域の単一のCDRを含むものであってもよく、同じであっても異なっていてもよい複数のCDRを含むものであってもよい。

0073

(BTLA)
上記のように、一部の特定の実施形態では、本開示により、BTLAアゴニストである(すなわち、BTLAシグナル伝達を増大させ得る)結合領域またはドメインを含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、BTLAアゴニスト結合ドメインは、HVEMエクトドメイン(sHVEMとも称する;配列番号29;シグナルペプチド:アミノ酸1〜38)またはその機能性サブドメイン(例えば、配列番号29のアミノ酸54〜78)である。他の実施形態において、BTLAアゴニスト結合ドメインは、BTLAに特異的な単鎖免疫グロブリン様可変ドメイン(scFvなど)である。BTLAに特異的なアゴニスト抗体は、例えば、Kriegら(2005)J.Immunol.175:6420−6472に記載されている。

0074

BTLA(Genbankアクセッション番号NP_001078826.1およびNP_861445.3;それぞれ、アイソフォーム2および1)は、免疫グロブリンファミリーの一構成員である細胞表面タンパク質であり、B細胞、T細胞および抗原提示細胞上に発現される。BTLAのリガンドはヘルペスウイルスエントリーメディエータ(HVEM)であり、これは、腫瘍壊死因子受容体ファミリーの一構成員であり、また、LIGHTのリガンドとしての機能も果たす(Sedyら(2005)Nat.Immunol.6:90−98)。BTLAに対する結合部位はHVEMのCRD1内に同定されている(配列番号29のアミノ酸54〜78;PCT特許出願公開WO2006/063067)。この部位は、LIGHTによって占有されるものとは相違するが、HVEMのgD結合部位と重複している。HVEMがLIGHTに結合すると、強力な免疫応答が誘導されるが、HVEMがBTLAに結合すると、T細胞応答の負の調節がもたらされる(Murphyら(2006)Nat.Rev.Immunol.6:671−681)。BTLAがHVEMに結合すると、BTLAのチロシンリン酸化が活性化され、それにより、タンパク質チロシンホスファターゼSHP−1およびSHP−2との会合が誘導されることが示されている(Gavrieliら(2003)Biochem.Biophys.Res.Commun.312:1236)が、一部のデータにより、SHPリクルートがBTLAの負の調節活性の一因となっているのかどうかは疑問視されている(Chemnitzら(2006)J.Immunol.176:6603−6614)。

0075

可溶性HVEMは、CD4+ T細胞の抗CD3誘発増殖を阻害することが示されており、この効果は抗BTLA抗体によって逆転される(Gonzalezら(2005)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:1116−1121)。同様に、アゴニスト抗BTLAモノクローナル抗体も、抗CD3媒介性CD4+ T細胞増殖およびサイトカイン産生を阻害することが示された(Kriegら(2005)J.Immunol.175:6420−6472)。インタクトなBTLA遺伝子のないマウスは、実験的自己免疫脳脊髄炎に対する感受性の増大(Watanabeら(2003)Nat.Immunol.4:670−679)および気道炎症の長期化(Deppongら(2006)J.Immunol.176:3909−3913)を示す。

0076

一部の実施形態では、本開示の結合ドメインは、本明細書に記載のBTLAに特異的なVLおよびVHドメインを含む。一部の特定の実施形態では、VLおよびVHドメインはヒトである。VLおよびVHドメインはいずれの向きに配置されてもよく、約30個までのアミノ酸のリンカー(本明細書において開示)、または該2つのサブ結合ドメインの相互作用と適合性であるスペーサー機能をもたらすことができる任意の他のアミノ酸配列によって引き離されていてもよい。一部の特定の実施形態では、VLドメインとVHドメインを連接するリンカーは、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398に示すアミノ酸配列を含む(配列番号244に示すリンカー、リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、またはリンカー131(配列番号164)など)。多重特異性結合ドメインは、少なくとも2つの特異的サブ結合ドメイン(ラクダ科抗体の構成に類似)、または少なくとも4つの特異的サブ結合ドメイン(VL鎖およびVH鎖のペアのより慣用的な哺乳動物抗体の構成に類似)を有するものであり得る。

0077

さらなる実施形態において、本開示のBTLAに特異的な結合ドメインは、1つ以上の相補性決定領域(「CDR」)を含むもの、または複数コピーの1つ以上のかかるCDRを含むものであり得、該CDRは、抗BTLA scFvまたはFab断片の可変領域から、あるいはその重鎖または軽鎖可変領域から取得、誘導または設計したものである。したがって、本開示の結合ドメインは、抗BTLAの可変領域の単一のCDRを含むものであってもよく、同じであっても異なっていてもよい複数のCDRを含むものであってもよい。

0078

(GITRL)
上記のように、一部の特定の実施形態では、本開示により、GITRLアンタゴニストである(すなわち、GITRLシグナル伝達を阻害し得る)結合領域またはドメインを含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、GITRLアンタゴニスト結合ドメインは、GITRエクトドメイン(sGITRとも称する;配列番号39および40;シグナルペプチド:これらの各配列のアミノ酸1〜25)またはその機能性サブドメインである。他の実施形態において、GITRLアンタゴニスト結合ドメインは、GITRLに特異的な単鎖免疫グロブリン様可変ドメイン(scFvなど)である。GITRLに対するアンタゴニスト抗体は、例えば、米国特許出願公開2005/0014224号に記載されている。

0079

グルココルチコイド誘発腫瘍壊死因子受容体(GITR;AITRとしても知られる)は、I型膜貫通タンパク質であり、TNF受容体スーパーファミリーの一構成員である(Nocentiniら(2007)Eur.J Immunol.37:1165−69)。GITRは、T細胞増殖およびTCR媒介性アポトーシスの調節において重要な役割を果たしている。GITR発現はT細胞上で上方調節され、CD4+CD25+調節T細胞上では、高レベルのGITRが構成的に発現されており(Kwonら(2003)Exp.Mol.Med.35:8−16)、また、マクロファージ、B細胞およびNK細胞上でも発現が起こる(Liuら(2008)J.Biol.Chem.283:8202−8210)。GITRの同族リガンドであるGITRLは、樹状細胞およびB細胞などの抗原提示細胞上で構成的に発現されている。GITRがGITRLに結合すると、CD4+CD25−エフェクターT細胞が、CD4+CD25+調節T細胞の阻害効果に対して抵抗性になることが示されている。GITRLまたはアゴニスト抗体いずれかによるGITR活性化により、TCR誘発T細胞増殖およびサイトカイン産生が増大すること、ならびにT細胞が抗CD3誘発アポトーシスから救済されることが示されている(Nocentiniら(1997)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:6216−6221)。また、GITRがGITRLに結合すると、T調節細胞が阻害され得、および/またはエフェクターT細胞が、T調節細胞媒介性抑制に対してより抵抗性となり得る(Kanamaruら(2004)J.Immunol.172:7306−7314)。

0080

研究により、実験的自己免疫性脳脊髄炎誘導期間中に抗GITR mAbを投与すると、臨床疾患の重症度が有意に高まるとともに、CNS炎症および自己反応性T細胞応答が増大することが示されている(Kohmら(2004)J.Immunol.172:4686−4690)。また、GITRシグナル伝達の活性化により、マウスの喘息およびコラーゲン誘発関節炎がともに悪化する(Patelら(2005)Eur.J.,Immunol.35:3581−90)。

0081

一部の実施形態では、本開示の結合ドメインは、本明細書に記載のGITRLに特異的なVLおよびVHドメインを含む。一部の特定の実施形態では、VLおよびVHドメインはヒトである。VLおよびVHドメインはいずれの向きに配置されてもよく、約30個までのアミノ酸のリンカー(本明細書において開示)、または該2つのサブ結合ドメインの相互作用と適合性であるスペーサー機能をもたらすことができる任意の他のアミノ酸配列によって引き離されていてもよい。一部の特定の実施形態では、VLドメインとVHドメインを連接するリンカーは、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398に示すアミノ酸配列を含む(配列番号244に示すリンカー、リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、またはリンカー131(配列番号164)など)。多重特異性結合ドメインは、少なくとも2つの特異的サブ結合ドメイン(ラクダ科抗体の構成に類似)、または少なくとも4つの特異的サブ結合ドメイン(VL鎖およびVH鎖のペアのより慣用的な哺乳動物抗体の構成に類似)を有するものであり得る。

0082

さらなる実施形態において、本開示のGITRLに特異的な結合ドメインは、1つ以上の相補性決定領域(「CDR」)を含むもの、または複数コピーの1つ以上のかかるCDRを含むものであり得、該CDRは、抗GITRL scFvまたはFab断片の可変領域から、あるいはその重鎖または軽鎖可変領域から取得、誘導または設計したものである。したがって、本開示の結合ドメインは、抗GITRLの可変領域の単一のCDRを含むものであってもよく、同じであっても異なっていてもよい複数のCDRを含むものであってもよい。一部の特定の実施形態では、本開示の結合ドメインは、GITRLに特異的であり、かつフレームワーク領域と、CDR1、CDR2およびCDR3領域とを含むVLおよびVHドメインを含む。

0083

(CD40)
上記のように、一部の特定の実施形態では、本開示により、CD40アンタゴニストである(すなわち、CD40シグナル伝達を阻害し得る)結合領域またはドメインを含むポリペプチドを提供する。一部の実施形態では、CD40アンタゴニスト結合ドメインは、CD40に特異的な単鎖免疫グロブリン様可変ドメイン(scFvなど)である。CD40に対するアンタゴニスト抗体は、例えば、米国特許出願公開US2008/0057070、ならびに米国特許5,874,082号および同6,838,261号に記載されている。

0084

CD40は、正常および新生物性B細胞、樹状細胞、抗原提示細胞、内皮細胞、単球性細胞ならびに上皮細胞の表面上に見られる55kDの細胞表面抗原である。抗原提示細胞上でのCD40発現は、Tヘルパーおよび細胞傷害性Tリンパ球の作用において、重要な共刺激性の役割を果たしている。CD40リガンド(CD40L、CD154としても知られる)の発現は、正常な免疫応答中にT細胞上で上方調節される。T細胞発現CD40LがB細胞発現CD40に結合することにより、B細胞の増殖と分化、抗体産生同位体スイッチ(isotope switching)、およびB細胞記憶の発生がもたらされる。ヒト抗CD40アンタゴニスト抗体は、ヒト慢性リンパ性白血病細胞に対して抗白血病活性を有することが示されている(Luqmanら(2008)Blood 112:711−720)。

0085

一部の実施形態では、本開示の結合ドメインは、例えば、米国特許出願公開US2008/0057070に記載されているような、CD40に特異的なVLおよびVHドメインを含む。一部の特定の実施形態では、VLおよびVHドメインはヒトである。VLおよびVHドメインはいずれの向きに配置されてもよく、約30個までのアミノ酸のリンカー(本明細書において開示)、または該2つのサブ結合ドメインの相互作用と適合性であるスペーサー機能をもたらすことができる任意の他のアミノ酸配列によって引き離されていてもよい。一部の特定の実施形態では、VLドメインとVHドメインを連接するリンカーは、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398に示すアミノ酸配列を含む(配列番号244に示すリンカー、リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、またはリンカー131(配列番号164)など)。多重特異性結合ドメインは、少なくとも2つの特異的サブ結合ドメイン(ラクダ科抗体の構成に類似)、または少なくとも4つの特異的サブ結合ドメイン(VL鎖およびVH鎖のペアのより慣用的な哺乳動物抗体の構成に類似)を有するものであり得る。

0086

さらなる実施形態において、本開示のCD40に特異的な結合ドメインは、1つ以上の相補性決定領域(「CDR」)を含むもの、または複数コピーの1つ以上のかかるCDRを含むものであり得、該CDRは、抗CD40 scFvまたはFab断片の可変領域から、あるいはその重鎖または軽鎖可変領域から取得、誘導または設計したものである。したがって、本開示の結合ドメインは、抗CD40の可変領域の単一のCDRを含むものであってもよく、同じであっても異なっていてもよい複数のCDRを含むものであってもよい。一部の特定の実施形態では、本開示の結合ドメインは、例えば、米国特許出願公開US2008/0057070に記載されているような、CD40に特異的であり、かつフレームワーク領域と、CDR1、CDR2およびCDR3領域とを含むVLおよびVHドメインを含む。

0087

(多重特異性融合タンパク質)
本開示により、CD86に結合するドメイン(「CD86結合ドメイン」)と、CD86以外の分子に結合するドメイン(「異種結合ドメイン」)とを含む多重特異性融合タンパク質を提供する。一部の特定の実施形態では、異種結合ドメインは、IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである。

0088

一部の特定の実施形態では、異種結合ドメインは、IL10アゴニスト、例えば、IL10、IL10Fc、またはIL10R1もしくはIL10R2に特異的に結合する単鎖結合ドメインである。一部の特定の実施形態では、異種結合ドメインは、HLA−Gアゴニスト、例えば、HLA−G1、HLA−G5、HLA−Gムテイン、もしくはその機能性領域(エクトドメインなど)、またはILT2、ILT4もしくはKIR2DL4に特異的に結合する単鎖結合ドメインである。一部の特定の実施形態では、異種結合ドメインは、HGFアゴニスト、例えばHGFまたはそのサブドメインである。一部の特定の実施形態では、異種結合ドメインは、IL35アゴニスト、例えばIL35もしくはそのサブドメイン、単鎖IL35もしくはそのサブドメイン、またはIL35Rに特異的であり、IL35アゴニスト活性を有する単鎖免疫グロブリン様可変ドメインである。一部の特定の実施形態では、異種結合ドメインは、LIGHTアンタゴニスト、例えば、HVEMエクトドメインもしくはそのサブドメイン、またはLIGHTに特異的な単鎖免疫グロブリン様可変ドメインである。一部の特定の実施形態では、異種結合ドメインは、PD−1アゴニスト、例えば、PD1−L1、PD1−L2もしくはそのサブドメイン、またはPD−1に特異的な単鎖免疫グロブリン様可変ドメインである。一部の特定の実施形態では、異種結合ドメインは、BTLAアゴニスト、例えば、HVEMエクトドメインもしくはそのサブドメイン、またはBTLAに特異的な単鎖免疫グロブリン様可変ドメインである。一部の特定の実施形態では、異種結合ドメインは、GITRLアンタゴニスト、例えば、GITRエクトドメインもしくはそのサブドメイン、またはGITRLに特異的な単鎖免疫グロブリン様可変ドメインである。一部の特定の実施形態では、異種結合ドメインは、CD40アンタゴニスト、例えば、CD40に特異的な単鎖免疫グロブリン様可変ドメインである。

0089

一般的に、本発明の融合タンパク質は、リーダーペプチド(シグナルペプチド)を含まない成熟タンパク質を利用したものである。したがって、本明細書において提供する結合ドメインタンパク質(例えば、CTLA4、CD28、HLA−G1およびHLA−G5ならびに本明細書に記載の他のもの)についての一部の配列はリーダーペプチドを含むが、当業者には、シグナルペプチドを含む配列から成熟タンパク質配列をどのようにして判定するかが容易に理解される。一部の特定の実施形態では、リーダー配列を含むことが有用であり得る。

0090

CD86結合ドメインが、融合タンパク質のアミノ末端に存在し得、異種結合ドメインがカルボキシ末端に存在し得ることが想定される。一部の特定の実施形態では、xceptor分子は、配列番号9、13、17、24、28、31、35、42、171、173、175、177、179、181、187、189、191、193、219、221、223、237、262、302、330、336、338、340、または400に示すものである。また、異種結合ドメインがアミノ末端に存在し得、CD86結合ドメインがカルボキシ末端に存在し得ることも想定される。一部の特定の実施形態では、xceptor分子は、配列番号183、185、199、201、203、205、207、211、213、254、258、266、276、350、352、または354に示すものである。本明細書に示すように、本開示の結合ドメインは、介在ドメイン(例えば、該免疫グロブリンの定常領域またはその部分領域)の各末端に融合され得る。さらに、該2つ以上の結合ドメインを各々、本明細書に記載のリンカーによって介在ドメインに連接させてもよい。

0091

本明細書で用いる場合、「介在ドメイン」は、該融合タンパク質が、組成物中で、主として(例えば、融合タンパク質集団の50%以上)または実質的に(例えば、融合タンパク質集団の90%以上)単鎖ポリペプチドとして存在するように、単純に、1つ以上の結合ドメインに対する骨格としての機能を果たすアミノ酸配列をいう。例えば、一部の特定の介在ドメインは、構造的機能(例えば、空間形成(spacing)、柔軟性、剛性)または生物学的機能(例えば、血漿中(例えば、ヒト血液中)での半減期の増大)を有するものであり得る。血漿中での本開示の融合タンパク質の半減期を増大させ得る例示的な介在ドメインとしては、アルブミン、トランスフェリン、血清タンパク質に結合する骨格ドメインなど、またはその断片が挙げられる。

0092

一部の特定の実施形態では、本開示の多重特異性融合タンパク質に含まれる介在ドメインは、「二量体化ドメイン」であり、これは、非共有性もしくは共有性相互作用、例えば、水素結合静電的相互作用ファン・デル・ワールス力、ジスルフィド結合、疎水性相互作用など、またはその任意の組合せによる、少なくとも2つの単鎖ポリペプチドまたはタンパク質の会合を促進させ得るアミノ酸配列をいう。例示的な二量体化ドメインとしては、免疫グロブリン重鎖定常領域または部分領域が挙げられる。二量体化ドメインは、二量体またはそれより高次多量体複合体(例えば、三量体四量体五量体六量体七量体八量体など)の形成を促進させ得るものであることを理解されたい。

0093

定常部分領域」は、本明細書において、供給源抗体の1つ以上の定常領域ドメインの一部または全部に対応または由来するが、全定常領域ドメインではないペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質配列を示すものと定義する用語である。好ましい一実施形態において、定常部分領域は、IgGCH2CH3、好ましくはIgG1 CH2CH3である。一部の実施形態では、本開示の融合タンパク質の定常領域ドメインは、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害性(ADCC)ならびに補体活性化および補体依存性細胞傷害性(CDC)のエフェクター機能がないか、または最小限であるが、一部のFC受容体に結合する(FCRnなどに結合する)力を保持し、および比較的長いインビボ半減期を保持しているものであり得る。一部の特定の実施形態では、本開示の結合ドメインをヒトIgG1定常領域または部分領域に融合させ、該IgG1定常領域または部分領域は、変異させた以下のアミノ酸:234位のロイシン(L234)、235位のロイシン(L235)、237位のグリシン(G237)、318位のグルタミン酸(E318)、320位のリシン(K320)、322位のリシン(K322)またはその任意の組合せ(Kabatに従う番号付け)の1つ以上を有する。例えば、これらのアミノ酸の任意の1つ以上はアラニンに変更され得る。さらなる一実施形態において、IgG1Fcドメインは、アラニンに変異させられたL234、L235、G237、E318、K320およびK322(EUに従う番号付け)の各々(すなわち、それぞれ、L234A、L235A、G237A、E318A、K320A、およびK322A)、さらにその上任意選択でN297A変異(すなわち、本質的にCH2ドメインのグリコシル化の消失)も有する。

0094

Fc受容体(CD16、CD32、CD64、CD89、FcεR1、FcRn)または補体成分C1q(例えば、米国特許第5,624,821号;Presta(2002)Curr. Pharma. Biotechnol. 3:237参照)とのFc相互作用が改変され得る変異をFcドメインの内部または外部に作出するための方法は、当該技術分野において知られている。本開示の具体的な実施形態としては、FcRnおよびプロテインAに対する結合が保存されており、Fcドメインが他のFc受容体またはC1qと、もはや相互作用しないか、または相互作用が最小限である、ヒトIgG由来の定常領域または部分領域を有する免疫グロブリンまたは融合タンパク質を含む組成物が挙げられる。例えば、本開示の結合ドメインは、297位のアスパラギン(Kabat番号付けでN297)を別のアミノ酸に変異させてこの部位のグリコシル化を低減または解消させ、したがって、FcγRおよびC1qに対する効率的なFc結合が消去されるようにしたヒトIgG1定常領域または部分領域に融合させたものであり得る。別の例示的な変異はP331Sであり、これにより、C1q結合が減弱されるがFc結合は影響されない。

0095

さらなる実施形態において、免疫グロブリンFc領域は、免疫グロブリン参照配列と比べて改変されたグリコシル化パターンを有するものであり得る。例えば、グリコシル化部位を形成している具体的なアミノ酸残基の1つ以上(CH2ドメインのN297など(EU番号付け))を改変するために、任意のさまざまな遺伝的手法が使用され得る(Coら(1993)Mol. Immunol. 30:1361;Jacquemonら(2006)J. Thromb. Haemost. 4:1047;Schusterら(2005)Cancer Res. 65:7934;Warnockら(2005)Biotechnol. Bioeng. 92:831参照)。あるいはまた、本開示の融合タンパク質を産生する宿主細胞を、改変されたグリコシル化パターンをもたらすように操作してもよい。当該技術分野において知られた方法の一例は、例えば、ADCCを増大させるバイセクト型フコシル化改変体の形態のグリコシル化の改変をもたらすものである。該改変体は、オリゴ糖修飾酵素を含む宿主細胞における発現により得られる。あるいはまた、BioWa/Kyowa HakkoのPotelligent手法により、本開示によるグリコシル化された分子のフコース含量が低減されることが想定される。既知の方法の一例において、GDPフコースの産生によって免疫グロブリンFc領域のグリコシル化パターンを修飾する組換え免疫グロブリン産生のためのCHO宿主細胞が得られる。

0096

あるいはまた、化学的手法を用いて、本開示の融合タンパク質のグリコシル化パターンを改変する。例えば、さまざまなグリコシダーゼおよび/またはマンノシダーゼインヒビターにより、ADCC活性の増大、Fc受容体結合の増大、およびグリコシル化パターンの改変の所望の効果の1つ以上がもたらされる。一部の特定の実施形態では、本開示の多重特異性融合タンパク質(IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストに連結されたCD86アンタゴニストドメインを含む)を発現する細胞を、前記宿主細胞によって産生される免疫糖タンパク質分子のADCCを増大させる濃度の糖鎖修飾剤を含む培養培地中で培養し、ここで、前記糖鎖修飾剤は800μM未満の濃度である。好ましい一実施形態では、このような多重特異性融合タンパク質を発現する細胞を、100〜800μM(100μM、200μM、300μM、400μM、500μM、600μM、700μM、または800μMなど)の濃度のカスタノスペルミンまたはキフネンシン、より好ましくはカスタノスペルミンを含む培養培地中で培養する。カスタノスペルミンなどの糖鎖修飾剤でグリコシル化を改変するための方法は、米国特許出願公開第2009/0041756号またはPCT公開番号WO2008/052030に示されている。

0097

別の実施形態では、免疫グロブリンFc領域は、エフェクター細胞Fc受容体に対する結合に影響を及ぼすアミノ酸修飾を有するものであり得る。このような修飾は、当該技術分野において知られた任意の手法(Prestaら(2001)Biochem. Soc. Trans. 30:487に開示されたアプローチなど)を用いて行なわれ得る。別のアプローチでは、細胞死エフェクター機能を向上させるためにFcドメインに対応する定常部分領域を操作するのに、Xencor XmAbTM手法が利用可能である(Lazarら(2006)Proc. Nat’l. Acad. Sci.(USA)103:4005参照)。このアプローチを使用することで、例えば、FCγRに対する特異性および結合性が改善され、それにより、細胞死エフェクター機能が向上した定常部分領域を作製することができる。

0098

なおさらなる実施形態において、定常領域または部分領域は、任意選択で、かかる介在ドメインがない対応する融合タンパク質と比べて、血漿半減期または胎盤移送が増大し得るものである。一部の特定の実施形態では、本開示の融合タンパク質の延長された血漿半減期は、ヒトにおいて、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも20時間、少なくとも24時間、少なくとも30時間、少なくとも36時間、少なくとも40時間、少なくとも48時間、少なくとも数日間、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも数週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも数ヶ月、またはそれ以上である。

0099

定常部分領域は、以下のドメイン:CH2ドメイン、CH3ドメイン(IgA、IgD、IgG、IgE、またはIgM)、およびCH4ドメイン(IgEまたはIgM)のいずれかの一部または全部を含むものであり得る。したがって、本明細書において定義する定常部分領域は、免疫グロブリンの定常領域の一部分に対応するポリペプチドをいう場合があり得る。該定常部分領域は、同じか、または異なる免疫グロブリン、抗体アイソタイプまたは対立遺伝子改変体に由来するCH2ドメインおよびCH3ドメインを含むものであり得る。一部の実施形態では、CH3ドメインは切断型であり、米国特許出願第12/041,590号(これは、PCT/US2007/071052のCIPである)に配列番号366〜371として記載されたカルボキシ末端配列を含む。一部の特定の実施形態では、本開示のポリペプチドの定常部分領域は、任意選択でアミノ末端リンカー、カルボキシ末端リンカー、または両端にリンカーを有するものであり得るCH2ドメインおよびCH3ドメインを有する。

0100

「リンカー」は、他のペプチドまたはポリペプチドを連接または連結するペプチドであり、例えば、リンカーは約2〜約150アミノ酸である。本開示の融合タンパク質において、リンカーは、介在ドメイン(例えば、免疫グロブリン由来定常部分領域)を結合ドメインに連接するものであり得、またはリンカーは、結合ドメインの2つの可変領域、あるいはヘテロ二量体分子から形成された単鎖ポリペプチド内の2つの領域(EBI3(配列番号25)と、IL35のIL12(配列番号26)のp35サブユニットなど)を連接するものであり得る。例えば、リンカーは、抗体ヒンジ領域配列、結合ドメインを受容体に連結させる配列、または結合ドメインを細胞表面膜貫通領域もしくは膜アンカーに連結させる配列から取得、誘導または設計されたアミノ酸配列であり得る。一部の実施形態では、リンカーは、生理学的条件下または他の標準的なペプチド条件(例えば、ペプチド精製条件、ペプチド貯蔵条件)下で、少なくとも1つのジスルフィド結合に参与し得る少なくとも1つのシステインを有するものであり得る。一部の特定の実施形態では、免疫グロブリンヒンジペプチドに対応または類似したリンカーは、該ヒンジのアミノ末端側に配置されたヒンジシステインに対応するシステインを保持している。さらなる実施形態において、リンカーは、IgG1またはIgG2Aヒンジ由来のものであり、ヒンジシステインに対応する1つのシステインまたは2つのシステインを有する。一部の特定の実施形態では、1つ以上のジスルフィド結合は、介在ドメイン間の鎖間ジスルフィド結合として形成されている。他の実施形態において、本開示の融合タンパク質は、結合ドメインに直接融合された介在ドメインを有する(すなわち、リンカーまたはヒンジがない)ものであり得る。一部の実施形態では、介在ドメインは、IgG1 CH2CH3Fc部分などの二量体化ドメインである。

0101

本開示の多重特異性融合タンパク質の介在ドメインまたは二量体化ドメインは、1つ以上の末端結合ドメインに、ペプチドリンカーによって接続されていてもよい。空間形成機能がもたらされることに加え、リンカーにより、融合タンパク質の1つ以上の結合ドメインが適正な向きになるのに適した柔軟性または剛性がもたらされ得る(該融合タンパク質内および該融合タンパク質とその標的(1つもしくは複数)との間)。さらに、リンカーは、完全長の融合タンパク質の発現、ならびにインビトロおよびインビボ(該精製タンパク質を必要とする被験体(ヒトなど)に投与後)の両方での該タンパク質の安定性補助するものであり得、好ましくは、該被験体において非免疫原性であるか、または免疫原性が乏しいものである。一部の特定の実施形態では、本開示の多重特異性融合タンパク質の介在ドメインまたは二量体化ドメインのリンカーは、ヒト免疫グロブリンヒンジの一部または全部を含むものであり得る。

0102

また、結合ドメインはVHドメインとVLドメインを含むものであり得、これらの可変領域ドメインがリンカーによって結合されていてもよい。例示的な可変領域結合ドメインリンカーとしては、(GlynSer)ファミリー、例えば、(Gly3Ser)n(Gly4Ser)1、(Gly3Ser)1(Gly4Ser)n、(Gly3Ser)n(Gly4Ser)n、または(Gly4Ser)nなどに属するものが挙げられ、式中、nは1〜5の整数である(例えば、それぞれ、配列番号64、71、88、131、132、149、163および164に対応するリンカー22、29、46、89、90、116、130および131を参照のこと)。好ましい実施形態では、このような(Gly4Ser)系リンカーは、介在ドメイン(例えば、IgGCH2CH3)に、可変ドメインを連結させるために使用されるが、結合ドメイン(例えば、scFv)を連結させるためには使用されない。

0103

介在ドメイン(例えば、免疫グロブリン由来定常部分領域)を結合ドメインに連接させるために使用され得る例示的なリンカーまたは結合ドメインの2つの可変領域を連接させ得るリンカーを、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398に挙げる。

0104

本開示において想定されるリンカーとしては、例えば、免疫グロブリンスーパーファミリー構成員の任意のドメイン間領域(例えば、抗体ヒンジ領域)またはII型膜タンパク質ファミリーであるC型レクチンストーク領域に由来するペプチドが挙げられる。このようなリンカーは、長さが、約2〜約150アミノ酸、または約2〜約40アミノ酸、または約8〜約20アミノ酸、好ましくは約10〜約60アミノ酸、より好ましくは約10〜約30アミノ酸、最も好ましくは約15〜約25アミノ酸の範囲である。例えば、リンカー1は2アミノ酸長であり、リンカー116は36アミノ酸長である(リンカー1〜133を、それぞれ配列番号43〜166に示す;さらなる例示的なリンカーを配列番号244、307、320、355〜379、および383〜398に示す)。

0105

一般的な長さの考慮事項以外に、本開示の融合タンパク質における使用に適したリンカーとしては、IgGヒンジ、IgAヒンジ、IgDヒンジ、IgEヒンジ、またはその改変体から選択される抗体ヒンジ領域が挙げられる。一部の特定の実施形態では、リンカーは、ヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG3、ヒトIgG4、またはその断片もしくは改変体から選択される抗体ヒンジ領域(上側およびコア領域)であり得る。本明細書で用いる場合、「免疫グロブリンヒンジ領域」であるリンカーは、CH1のカルボキシル末端と、CH2のアミノ末端(IgG、IgAおよびIgDの場合)またはCH3のアミノ末端(IgEおよびIgMの場合)との間にみられるアミノ酸をいう。「野生型免疫グロブリンヒンジ領域」は、本明細書で用いる場合、抗体の重鎖にみられる、CH1とCH2領域間(IgG、IgAおよびIgDの場合)に介在し、これらを接続しているか、またはCH2とCH3領域間(IgEおよびIgMの場合)に介在し、これらを接続している天然に存在するアミノ酸配列をいう。好ましい実施形態では、野生型免疫グロブリンヒンジ領域配列はヒトである。

0106

結晶学的研究によれば、IgGヒンジドメインは、機能的および構造的に、3つの領域:上側ヒンジ領域、コアまたは中央ヒンジ領域、および下側ヒンジ領域に細分され得る(Shinら(1992)Immunological Reviews 130:87)。例示的な上側ヒンジ領域としては、IgG1に見られるEPKSCDKTHT(配列番号383)、IgG2に見られるERCCVE(配列番号384)、IgG3に見られるELKTPGDTTHT(配列番号385)またはEPKSCDTPPP(配列番号386)、およびIgG4に見られるESKYGPP(配列番号387)が挙げられる。例示的な中央ヒンジ領域としては、IgG1およびIgG2に見られるCPPCP(配列番号398)、IgG3に見られるCPRCP(配列番号388)、ならびにIgG4に見られるCPSCP(配列番号389)が挙げられる。IgG1、IgG2、およびIgG4抗体は、各々、単一の上側ヒンジと中央ヒンジを有するようであるが、IgG3は、タンデムに4つ−1つのELKTPLGDTTHTCPRCP(配列番号390)と3つのEPKSCDTPPPCPRCP(配列番号391)を有する。

0107

IgAおよびIgD抗体にはIgG様コア領域がないようであり、IgDは、2つの上側ヒンジ領域をタンデムに有するようである(配列番号392および393参照)。IgA1およびIgA2抗体に見られる例示的な野生型上側ヒンジ領域を、それぞれ配列番号394および395に示す。

0108

IgEおよびIgM抗体は、対照的に、典型的なヒンジ領域の代わりに、ヒンジ様特性を有するCH2領域を有する。IgEおよびIgMの例示的な野生型CH2上側ヒンジ様配列を、それぞれ、配列番号396

0109

に示す。

0110

「改変された野生型免疫グロブリンヒンジ領域」または「改変された免疫グロブリンヒンジ領域」は、(a)30%までのアミノ酸変化(例えば、25%、20%、15%、10%もしくは5%までのアミノ酸置換もしくは欠失)を有する野生型免疫グロブリンヒンジ領域、(b)少なくとも10アミノ酸長(例えば、少なくとも12、13、14もしくは15アミノ酸長)であり、30%までのアミノ酸変化(例えば、25%、20%、15%、10%もしくは5%までのアミノ酸置換もしくは欠失)を有する野生型免疫グロブリンヒンジ領域の一部分、または(c)コアヒンジ領域(該部分は、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15または少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15アミノ酸長であり得る)を含む野生型免疫グロブリンヒンジ領域の一部分をいう。一部の特定の実施形態では、野生型免疫グロブリンヒンジ領域内の1つ以上のシステイン残基が、1つ以上の他のアミノ酸残基(例えば、1つ以上のセリン残基)で置換されていてもよい。あるいはまたさらに、改変された免疫グロブリンヒンジ領域は、野生型免疫グロブリンヒンジ領域のプロリン残基が別のアミノ酸残基(例えば、セリン残基)で置換されたものであってもよい。

0111

接続領域として使用され得る代替的なヒンジ配列およびリンカー配列は、IgV様ドメイン同士またはIgC様ドメイン同士を接続している細胞表面受容体の一部分から作出され得るものである。IgV様ドメイン間の領域(ここで、細胞表面受容体が複数のIgV様ドメインをタンデムに含む)、およびIgC様ドメイン間の領域(ここで、細胞表面受容体が複数のタンデムIgC様領域を含む)もまた、接続領域またはリンカーペプチドとして使用され得る。一部の特定の実施形態では、ヒンジ配列およびリンカー配列は5〜60アミノ酸長であり、主として柔軟性であり得るが、より剛性な特性をもたらすものであってもよく、主にα−ヘリックス構造を含み、β−シート構造は最小限であるものであってもよい。好ましくは、配列は、血漿中および血清中で安定であり、タンパク質分解性切断に対して抵抗性である。一部の実施形態では、配列は、分子のC末端を安定化させるための1つのジスルフィド結合または複数のジスルフィド結合の形成能を付与する、天然に存在するか、または付加されたモチーフ(CPPC(配列番号422)など)を含むものであり得る。他の実施形態において、配列は1つ以上のグリコシル化部位を含むものであり得る。ヒンジ配列およびリンカー配列の例としては、CD2、CD4、CD22、CD33、CD48、CD58、CD66、CD80、CD86、CD96、CD150、CD166、およびCD244のIgV様ドメインとIgC様ドメインとの間、またはIgC様ドメイン同士もしくはIgV様ドメイン同士のドメイン間領域が挙げられる。また、代替的なヒンジは、非免疫グロブリンスーパーファミリー構成員由来のII型受容体(CD69、CD72、およびCD161など)のジスルフィド含有領域から作出され得るものである。

0112

一部の特定の実施形態では、本発明のリンカーはスコーピオンリンカーを含むものである。スコーピオンリンカーとしては、免疫グロブリンスーパーファミリー構成員のドメイン間領域に由来するペプチド、例えば、免疫グロブリンヒンジ領域(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、およびIgEなどのヒンジ領域)に由来するヒンジ様ペプチドが挙げられる。一部の特定の実施形態では、ヒンジ様スコーピオンリンカーは、生理学的条件下で鎖間ジスルフィド結合を形成し得る少なくとも1つのシステインを保持している。IgG1に由来するスコーピオンリンカーは、1つのシステインまたは2つのシステインを有するものであり得、野生型IgG1のN末端ヒンジシステインに対応するシステインを保持しているものであり得る。また、非ヒンジ様ペプチドもスコーピオンリンカーとして想定されるが、かかるペプチドにより、2つの結合ドメイン(中央よりに存在する定常部分領域ドメインよりもタンパク質の各末端(NおよびC)側に存在する)を形成し得る単鎖タンパク質が得られるよう十分な空間形成および柔軟性がもたらされるものとする。例示的な非ヒンジ様スコーピオンリンカーとしては、II型膜タンパク質のC型レクチンストーク領域のストーク領域(例えば、CD69、CD72、CD94、NKG2AおよびNKG2Dのストーク領域)由来のペプチドが挙げられる。一部の実施形態では、スコーピオンリンカーは、配列番号355〜359および365からなる群より選択される配列を含む。

0113

一部の実施形態では、リンカーは、鎖間ジスルフィド結合の形成のためのシステイン残基を1つ有するものである。他の実施形態では、リンカーは、鎖間ジスルフィド結合の形成のためのシステイン残基を2つ有するものである。さらなる実施形態において、リンカーは、免疫グロブリンドメイン間領域(例えば、抗体ヒンジ領域)またはII型C型レクチンストーク領域(II型膜タンパク質由来;例えば、PCT出願公開WO2007/146968に示された例示的なレクチンストーク領域配列、例えば、該公開からの配列番号111、113、115、117、119、121、123、125、127、129、131、133、135、149、151、153、155、157、159、161、163、165、167、169、231、233、235、237、239、241、243、245、247、249、251、253、255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、281、287、289、297、305、307、309〜311、313〜331、346、373〜377、380、または381などを参照のこと、これらの配列は引用により本明細書に組み込まれる)に由来するものである。

0114

一態様において、本明細書に記載のCD86結合ドメインを含む例示的な多重特異性融合タンパク質はまた、CD86以外の標的に特異的な少なくとも1つのさらなる結合領域またはドメイン(「異種結合ドメイン」)も含む。例えば、本開示の多重特異性融合タンパク質は、介在ドメインによって、IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである結合ドメインに連結されたCD86結合ドメインを有する。一部の特定の実施形態では、多重特異性融合タンパク質は、第1および第2結合ドメイン、第1および第2リンカー、ならびに介在ドメインを含み、該介在ドメインの一端は、第1リンカーによって、CD86結合ドメイン(例えば、CTLA4エクトドメイン、CD28エクトドメイン、抗CD86)である第1結合ドメインに融合されており、他端には、第2リンカーによって、IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである異なる結合ドメインが融合されている。

0115

一部の特定の実施形態では、本開示の多重特異性融合タンパク質の第1リンカーおよび第2リンカーは各々、独立して、例えば、配列番号43〜166に示すリンカー1〜133ならびに配列番号244、307、320、355〜379および383〜398に示すリンカーから選択される。例えば、第1または第2リンカーは、リンカー47、58、126〜131(それぞれ、配列番号89、100、および159〜164)、または配列番号244もしくは355〜379に示すリンカーのいずれか1つまたはその任意の組合せであり得る。さらなる例では、一方のリンカーがリンカー47(配列番号89)またはリンカー132(配列番号165)であり、他方のリンカーが配列番号355に示すリンカーまたはリンカー127(配列番号160)であるか、あるいは、一方のリンカーがリンカー58(配列番号100)またはリンカー133(配列番号166)であり、他方のリンカーがリンカー126(配列番号159)であるか、あるいは一方のリンカーがリンカー58(配列番号100)またはリンカー133(配列番号166)であり、他方のリンカーがリンカー127(配列番号160)であるか、あるいは一方のリンカーがリンカー58(配列番号100)またはリンカー133(配列番号166)であり、他方のリンカーがリンカー128(配列番号161)であるか、あるいは一方のリンカーがリンカー58(配列番号100)またはリンカー133(配列番号166)であり、他方のリンカーがリンカー129(配列番号162)である。さらなる例では、CD86に特異的なものなどのVHおよびVLドメインを含む本開示の結合ドメインは、VHドメインとVLドメインとの間にさらなる(第3)リンカー、例えば、配列番号244、配列番号89に示すリンカー、リンカー46(配列番号88)、リンカー130(配列番号163)、またはリンカー131(配列番号164)などを有するものであり得る。任意のこのような実施形態において、該リンカーには1〜5個のさらなるアミノ酸が、内部側に隣接(flank)していてもよく(例えば、リンカー131は、(G4S)コア配列に対して内部側にアラニンを有する)、いずれかの末端(例えば、リンカー130は、(G4S)コア配列のアミノ末端にセリンを有する)、または両方の末端(例えば、リンカー120は、(G4S)コア配列の一端に2つのアミノ酸(アスパラギン−チロシン)および他端に3つのアミノ酸(グリシン−アスパラギン−セリン)を有する)に隣接していてもよく、これは、単純に、かかる組換え分子の作製の結果であり得(例えば、核酸分子同士を連接するための特定の制限酵素部位の使用により、1〜数個のアミノ酸の挿入がもたらされることがあり得る)、本開示の目的上、任意の特定のリンカーコア配列の一部とみなされ得る。

0116

さらなる実施形態において、本開示の多重特異性融合タンパク質の介在ドメインは、免疫グロブリンの定常領域または部分領域で構成されており、該介在ドメインは、CD86結合ドメインと、IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである結合ドメインとの間に配置されている。一部の特定の実施形態では、本開示の多重特異性融合タンパク質の介在ドメインは、CD86結合ドメインをアミノ末端に、およびIL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである結合ドメインをカルボキシ末端に有する。他の実施形態では、本開示の多重特異性融合タンパク質の介在ドメインは、IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである結合ドメインをアミノ末端に、およびCD86結合ドメインをカルボキシ末端に有する。

0117

さらなる実施形態において、免疫グロブリンの定常領域の部分領域としては、免疫グロブリンG1(IgG1)のCH2およびCH3ドメインが挙げられる。関連実施形態において、IgG1のCH2およびCH3ドメインは、以下のアミノ酸:234位のロイシン(L234)、235位のロイシン(L235)、237位のグリシン(G237)、318位のグルタミン酸(E318)、320位のリシン(K320)、322位のリシン(K322)またはその任意の組合せ(Kabatに従う番号付け)の1つ以上が変異されている(すなわち、その位置に異なるアミノ酸を有する)。例えば、これらのアミノ酸のいずれか1つがアラニンに変更され得る。さらなる一実施形態において、Kabat番号付けに従い、CH2ドメインは、アラニンに変異させられた各L234、L235、およびG237(すなわち、それぞれ、L234A、L235A、およびG237A)を有し、IgG1 CH3ドメインは、アラニンに変異させられた各E318、K320、およびK322(すなわち、それぞれ、E318A、K320A、およびK322A)を有する。

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