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技術 杭基礎構造の構築方法、杭基礎構造および基礎部材

出願人 大成建設株式会社
発明者 柴田景太
出願日 2015年3月27日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-065944
公開日 2016年10月27日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2016-186154
状態 特許登録済
技術分野 基礎
主要キーワード 矩形状部材 球冠状 漏れ防止部材 ブロック状部材 内側片 外側片 固定度 水平位
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (9)

課題

合理的な設計を可能とするとともに、施工時の手間を省略することを可能とした、杭基礎構造構築方法、杭基礎構造および基礎部材を提案する。

解決手段

基礎杭2と、基礎杭2の杭頭部に被せられた錐台状のキャップ部材3と、基礎杭2の上方に配設されたプレキャストコンクリート製の基礎部材4とを備えており、杭頭部の側面とキャップ部材3の内面との間には下方に向うに従って拡大する空隙が形成されており、基礎部材4にはキャップ部材3を覆う凹部41が形成されており、凹部41とキャップ部材3の上面および側面との間に結合材5を充填することでキャップ部材3と基礎部材4とを結合する。

概要

背景

半剛接合形式杭基礎構造は、高いせん断伝達能力を確保しつつ、杭頭部に加わる曲げモーメントを低減させることができるため、合理的な設計を行うことを可能としている。
このような半剛接合形式の杭基礎構造として、例えば特許文献1には、杭頭部にキャップを被せることで杭頭部の周囲に隙間を形成し、この状態で基礎スラブ基礎梁構築し、建物躯体が完成した後、キャップと杭頭部との隙間に結合材充填する杭基礎構造の構築方法が開示されている。
また、特許文献2には、錐台状の型枠を杭頭部に被せることで杭頭部の側面と型枠との間に下方に向うに従って拡大する空隙を形成した状態で、型枠を覆うようにコンクリート打設して基礎スラブや基礎梁を構築する杭基礎構造の構築方法が開示されている。

概要

合理的な杭設計を可能とするとともに、施工時の手間を省略することを可能とした、杭基礎構造の構築方法、杭基礎構造および基礎部材を提案する。基礎杭2と、基礎杭2の杭頭部に被せられた錐台状のキャップ部材3と、基礎杭2の上方に配設されたプレキャストコンクリート製の基礎部材4とを備えており、杭頭部の側面とキャップ部材3の内面との間には下方に向うに従って拡大する空隙が形成されており、基礎部材4にはキャップ部材3を覆う凹部41が形成されており、凹部41とキャップ部材3の上面および側面との間に結合材5を充填することでキャップ部材3と基礎部材4とを結合する。

目的

本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、合理的な杭設計を可能にするとともに、施工時の手間を省略することを可能とした、杭基礎構造の構築方法および杭基礎構造を提案することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基礎杭構築する構築工程と、前記基礎杭の杭頭部に錐台状のキャップ部材を被せる杭頭処理工程と、プレキャストコンクリート製基礎部材を配設する基礎配設工程と、前記キャップ部材と前記基礎部材とを結合する結合工程と、を備える杭基礎構造構築方法であって、前記基礎部材の底面に、前記キャップ部材の露出部分よりも大きな形状の凹部を形成しておくとともに、前記基礎部材の上面または側面に前記凹部に通じる注入孔を形成しておき、前記結合工程では、前記注入孔を介して前記キャップ部材の上面および側面と前記凹部との隙間に結合材充填することを特徴とする、杭基礎構造の構築方法。

請求項2

前記基礎配設工程の前に、前記基礎杭の周囲に、高さ調整部材を設置する工程を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の杭基礎構造の構築方法。

請求項3

前記杭頭処理工程では、前記杭頭部の側面と前記キャップ部材の内面との間に下方に向うに従って拡大する空隙を形成し、前記基礎配設工程では、前記凹部で前記キャップ部材を覆うように、前記基礎部材を配設するとともに、さらに、結合材の漏れを防止する漏れ防止部材を前記杭頭部の周囲に設置する工程を備えていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の杭基礎構造の構築方法。

請求項4

基礎杭と、前記基礎杭の杭頭部に被せられた錐台状のキャップ部材と、前記基礎杭の上方に配設されたプレキャストコンクリート製の基礎部材と、を備える杭基礎構造であって、前記杭頭部の側面と前記キャップ部材の内面との間には下方に向うに従って拡大する空隙が形成されており、前記基礎部材には、前記キャップ部材を覆う凹部が形成されており、前記凹部と前記キャップ部材の上面および側面との間に充填された結合材により前記キャップ部材と前記基礎部材とが結合されていることを特徴とする、杭基礎構造。

請求項5

杭頭部にキャップ部材が被せられた基礎杭に連結されるプレキャストコンクリート製の基礎部材であって、前記キャップ部材を挿入することが可能となるように底面に形成された凹部と、前記凹部から側面に至るように前記底面に形成された溝と、上面または側面から前記凹部に至る注入孔と、を備えていることを特徴とする、基礎部材。

技術分野

0001

本発明は、杭頭部にプレキャスト製基礎部材が配置された杭基礎構造構築方法、杭基礎構造および基礎部材に関する。

背景技術

0002

半剛接合形式の杭基礎構造は、高いせん断伝達能力を確保しつつ、杭頭部に加わる曲げモーメントを低減させることができるため、合理的な設計を行うことを可能としている。
このような半剛接合形式の杭基礎構造として、例えば特許文献1には、杭頭部にキャップを被せることで杭頭部の周囲に隙間を形成し、この状態で基礎スラブ基礎梁構築し、建物躯体が完成した後、キャップと杭頭部との隙間に結合材充填する杭基礎構造の構築方法が開示されている。
また、特許文献2には、錐台状の型枠を杭頭部に被せることで杭頭部の側面と型枠との間に下方に向うに従って拡大する空隙を形成した状態で、型枠を覆うようにコンクリート打設して基礎スラブや基礎梁を構築する杭基礎構造の構築方法が開示されている。

先行技術

0003

特開2005−105531号公報
特許第4723938号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1の杭基礎構造の構築方法は、基礎スラブや基礎梁への杭頭の埋め込み深さによって杭の固定度が変化する。そのため、基礎杭の杭頭高さに施工誤差が生じると、設計時に想定された杭性能を確保できないおそれがある。
また、特許文献2の杭基礎構造の構築方法は、基礎スラブや基礎梁を構築する際に現場にて行う、配筋作業、型枠の設置・撤去、コンクリートの打設・養生等が工期短縮化の妨げとなる。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、合理的な杭設計を可能にするとともに、施工時の手間を省略することを可能とした、杭基礎構造の構築方法および杭基礎構造を提案することを課題とする。

課題を解決するための手段

0005

本発明者らは、杭頭部にプレキャスト製の基礎部材を配置させた杭基礎構造として、基礎杭の杭頭部に、前記基礎杭に被せる錐台状のキャップ部材と、前記キャップ部材を覆うように下端部に凹部が形成されたプレキャストコンクリート製の基礎部材を配置し、杭頭部の側面とキャップ部材の内面との間に隙間を確保したまま、結合材によってキャップ部材と基礎部材の凹部とを結合させることで、現場での配筋およびコンクリート打設を不要とし、かつ杭頭部に生じる曲げモーメントを低減することができる杭基礎構造を発明するに至った。
前記課題を解決するために、本発明に係る杭基礎構造の構築方法は、基礎杭を構築する杭構築工程と、前記基礎杭の杭頭部に錐台状のキャップ部材を被せる杭頭処理工程と、プレキャストコンクリート製の基礎部材を配設する基礎配設工程と、前記キャップ部材と前記基礎部材とを結合する結合工程とを備える杭基礎構造の構築方法であって、前記基礎部材の底面に前記キャップ部材の露出部分よりも大きな形状の凹部を形成しておくとともに、前記基礎部材の上面または側面に前記凹部に通じる注入孔を形成しておき、前記杭頭処理工程では前記杭頭部の側面と前記キャップ部材の内面との間に下方に向うに従って拡大する空隙を形成し、前記基礎配設工程では前記凹部で前記キャップ部材を覆うように前記基礎部材を配設し、前記結合工程では前記注入孔を介して前記キャップ部材の上面および側面と前記凹部との隙間に結合材を充填することを特徴としている。
また、本発明の杭基礎構造は、基礎杭と、前記基礎杭の杭頭部に被せられた錐台状のキャップ部材と、前記基礎杭の上方に配設されたプレキャストコンクリート製の基礎部材とを備える杭基礎構造であって、前記杭頭部の側面と前記キャップ部材の内面との間には下方に向うに従って拡大する空隙が形成されており、前記基礎部材には前記キャップ部材を覆う凹部が形成されており、前記凹部と前記キャップ部材の上面および側面との間に充填された結合材により前記キャップ部材と前記基礎部材とが結合されていることを特徴としている。
さらに、本発明の基礎部材は、杭頭部にキャップ部材が被せられた基礎杭に連結されるプレキャストコンクリート製の基礎部材であって、前記キャップ部材を挿入することが可能となるように底面に形成された凹部と、前記凹部から側面に至るように前記底面に形成された溝と、上面または側面から前記凹部に至る注入孔とを備えていることを特徴としている。

0006

本発明の杭基礎構造の構築方法および杭基礎構造によれば、プレキャスト製の基礎部材を使用することで、現場での配筋工、型枠工およびコンクリート打設に要する手間を省略することが可能となる。
また、杭頭高さ等に施工誤差が生じた場合であっても、杭頭部に設けられたキャップ部材によって杭頭部の側面の空隙を確保するため、設計時に想定した半剛接合杭頭固定度を維持することができ、杭頭曲げモーメントの低減効果を確実に得ることができる。
さらに、キャップ部材の上面および側面と凹部との隙間により基礎杭の施工誤差を吸収することができるため、所定の位置および高さに基礎部材を配設することができる。特に、建物の柱や梁をプレキャスト部材で形成する場合においては、基礎部材の位置や高さが変わると、あらかじめ寸法を決めて作られた柱部材梁部材同士を繋ぎ合わせることが困難となるため、基礎部材の設置位置および高さの施工精度が極めて重要となる。

0007

前記杭基礎構造の構築方法が、前記基礎杭の周囲に高さ調整部材を設置する工程を前記基礎配設工程の前に備えていれば、基礎部材を設置する地盤面(均しコンクリート上面)に不陸や傾斜がある場合であっても、高精度に基礎部材を設置することができる。
また、前記杭基礎構造の構築方法が、結合材の漏れを防止する漏れ防止部材を前記杭頭部の周囲に設置する工程を備えていれば、結合材の漏れを防止することで結合材の注入量を最小限に抑えることができる。
また、前記基礎部材の底面に、前記凹部から側面に至るように溝が形成されている場合には、前記結合工程で、前記溝から前記結合材が排出されるまで前記結合材を注入することで、結合材の充填状況を確認することができる。

発明の効果

0008

本発明の杭基礎構造の構築方法および杭基礎構造によれば、合理的な杭設計を可能とするとともに、施工時の手間の省略および工期の短縮が可能となる。

図面の簡単な説明

0009

第一の実施形態に係る杭基礎構造を示す断面図である。
図1の杭基礎構造に使用する基礎部材を示す断面図である。
(a)は基礎部材の設置状況を示す断面図、(b)は(a)のA−A矢視図である。
(a)〜(c)は基礎部材の設置した際のキャップ部材の側面と凹部の内面との隙間を示す断面図である。
第二の実施形態に係る基礎構造の基礎部材を示す図であって、(a)は断面図、(b)は(a)のB−B矢視図である。
(a)は第三の実施形態に杭基礎構造を示す断面図、(b)は同杭基礎構造の構築方法における基礎配設工程を示す断面図である。
第三の実施形態に杭基礎構造の他の形態を示す断面図である。
(a)は他の形態に係る杭基礎構造を断面図、(b)はその他の形態に係る杭基礎構造の基礎部材を示す断面図である。

実施例

0010

<第一の実施形態>
第一の実施形態に係る杭基礎構造1は、図1に示すように、基礎杭2と、キャップ部材3と、プレキャストコンクリート製の基礎部材4とを備えている。主な特徴は、基礎杭2とキャップ部材3との間に隙間を形成させることで、半剛接合の杭頭固定度を実現している。また、基礎杭2の上部に、凹部41を備えた基礎部材4を配設し、基礎杭2と凹部41の間に結合材5を充填させることで、基礎杭2の施工誤差を吸収した上で、所定の位置に杭基礎構造1を設けるものである。
基礎杭2は、地盤Gに埋設された既製杭である。なお、基礎杭2は現場打ち杭であってもよい。
基礎杭2は、内部が中空になった円筒状部材21と、円筒状部材21の上端面に取り付けられた環状の端板22とからなる。
円筒状部材21の材質は、所望の強度を得ることが可能であれば、その材質は限定されるものではなく、例えば、鉄筋コンクリート外殻鋼管付きのコンクリート、鋼管等であってもよい。
端板22は、鋼製の部材からなる。端板22の円筒状部材21への固定方法は限定されるものではないが、円筒状部材21がコンクリート製である場合には、端板22の下面(円筒状部材21側の面)に突設させたアンカー(図示せず)を円筒状部材21に埋設する方法や、円筒状部材21内の鉄筋PC鋼棒の端部を端板22に埋設する方法を用いればよい。なお、円筒状部材21が鋼製部材である場合や外殻鋼管付きのコンクリート部材である場合には、円筒状部材21と端板22とを溶接してもよいし、治具ボルトを介して固定してもよい。
基礎杭2の杭頭部は、地盤面から突出しており、当該突出部分には、キャップ部材3が被せられている。

0011

キャップ部材3は、基礎杭2の杭頭部に被せられた鋼製部材であり、円錐台状の外観を有している。
キャップ部材3の内周面は、下方に向うに従って拡径しており(円錐台状を呈しており)、基礎杭2の杭頭部の側面とキャップ部材3の内面との間には下方に向うに従って拡大する空隙が形成されている。

0012

基礎部材4は、基礎杭2の上方に配設されたプレキャストコンクリート製部材である。本実施形態の基礎部材4は、平面視矩形状のブロック状部材である。
図2に示すように、基礎部材4には、キャップ部材3を覆う円錐台状の凹部41が形成されている。
基礎部材4には、上面から凹部41に至る注入孔42および排出孔43が形成されている。注入孔42の数は限定されるものではない。また、注入孔42および排出孔43は、基礎部材4の側面から凹部41に至るように形成されていてもよい。注入孔42は、凹部41に結合材5を注入するための流路である。排出孔43は、結合材注入時の空気抜き孔として機能するとともに、凹部41への結合材の充填状況を確認するための孔としても機能する。
凹部41は、キャップ部材3に対して十分に大きな形状を有しており、図1に示すように、基礎杭2の上方に配設すると、キャップ部材3の外面と凹部41の内面との間に隙間が形成される。凹部41の寸法は、キャップ部材3の外径寸法よりも半径方向に100mm程度大きな形状とする。これは、杭芯ズレに対する施工精度の管理値杭径Dの1/4かつ100mm以下であることから、この杭芯ズレに対応可能な寸法としたものである。また、本実施形態では、凹部41の高さ寸法として、基礎杭2の杭頭が正規の高さに位置している場合に、キャップ部材3の上面と凹部41の底面(頂面)との間に50mm程度の隙間ができる深さとする。これは、キャップ部材3のフーチングへの呑み込み深さの施工誤差の許容値プラスマイナス50mmから設定したものである。基礎部材4の凹部41とキャップ部材3との間の隙間の大きさは、これに限らず任意である。よって、杭の施工精度の管理値を厳しく設ける場合には、凹部41とキャップ部材3との隙間を小さくすることもできる。また、基礎部材4の重量を軽くする目的などで、凹部41の寸法を大きくして、凹部41とキャップ部材3との隙間を大きくすることも可能である。
基礎部材4は、凹部41の底面との隙間とキャップ部材3の上面および凹部41の内周面とキャップ部材3の外周面との隙間に充填された結合材5によりキャップ部材3と結合されている。
本実施形態の基礎部材4の側面には、プレキャストコンクリート製の基礎梁または現場打ちコンクリートにより形成する基礎梁(図示せず)と接続する梁鉄筋44,44,…が突設されている。本実施形態では、梁鉄筋が基礎部材4の側面断面内の上下に2段ずつ配筋されている場合について説明するが、梁鉄筋の配置や本数は限定されない。
また、本実施形態の基礎部材4の上面には、基礎部材4の立設される柱に埋め込まれる柱鉄筋45,45,…が突設されている。なお、柱鉄筋45の本数や配置等は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。

0013

以下、本実施形態の杭基礎構造の構築方法について説明する。
本実施形態の杭基礎構造の構築方法は、杭構築工程と、杭頭処理工程と、調整部材設置工程と、基礎配設工程と、結合工程とを備えている。
杭構築工程は基礎杭2を構築する工程である。
基礎杭2は、図示しない回転圧入装置を用いて地盤Gに圧入する。
基礎杭2の施工(埋設)が完了したら、基礎杭2の周囲の地盤Gを掘り下げて杭頭部を露出させる。なお、基礎杭2の施工(埋設)を杭頭部が露出した位置で止める場合には、周囲の地盤Gを掘り下げる必要はない。
その後、基礎杭2の周囲の地盤面(床付け面)の不陸を整正した上で、砕石(図示せず)の敷設・転圧を行う。なお、地盤面の条件によっては、砕石の敷設は省略してもよい。

0014

杭頭処理工程は、基礎杭2の杭頭部にキャップ部材3を被せる工程である。
キャップ部材3は、基礎杭2(端板22)の上面がキャップ部材3の頂部下面(内面)に密着するように覆い被せる。こうすることで、杭頭部の側面とキャップ部材3の内面との間には、下方に向うに従って拡大する空隙が形成される。
キャップ部材3を基礎杭2の杭頭部に被せたら、キャップ部材3の下端部の外周に砕石や土砂等の地盤材料61(図1参照)を盛り、キャップ部材3の下端縁と地盤面との間の隙間を閉塞するとともにキャップ部材3を仮固定する。なお、キャップ部材3は、砕石の敷設前に基礎杭2の杭頭部に被せてもよい。
キャップ部材3を仮固定したら、地盤面(床付け面)に均しコンクリート6を打設する。均しコンクリート6は、キャップ部材3の下端縁部(地盤材料61)を巻き込んだ状態で打設する。なお、均しコンクリート6の厚さは限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、均しコンクリート6を打設することなく、基礎杭2の周辺地盤中にセメント紛体またはセメント系固化剤撹拌することによって、基礎杭2の周辺のみに地盤改良体を設けてもよい。また、地盤改良体は、砕石を転圧し、所定の層厚さを確保することで実現してもよい。
本実施形態では、基礎部材4の設置範囲に均しコンクリート6を打設するが、均しコンクリー6の打設範囲は限定されない。例えば、基礎部材4の設置範囲よりも広範囲に打設してもよい。また、キャップ部材3の固定を目的として均しコンクリート6を打設する場合には、均しコンクリート6を打設する範囲を基礎杭2(キャップ部材3)の周囲のみに限定してもよい。

0015

調整部材設置工程は、図3(a)および(b)に示すように、基礎杭2の周囲に高さ調整部材7を設ける工程である。
高さ調整部材7は、基礎部材4の位置決めおよび高さ調整を行うための部材(いわゆるスペーサ)である。すなわち、均しコンクリート6、または地盤改良体上に直接、基礎部材4を設置すると、設置高さや傾斜に対して十分な精度を確保することができない場合であっても、高さ調整部材7により位置決めおよび高さ調整を容易に行うことができる。
高さ調整部材7は、基礎部材4を高品質に配置するためのスペーサであって、本実施形態では、無収縮モルタルにより形成されている。
高さ調整部材7は、均しコンクリート6の上面に無収縮モルタルを打設し、無収縮モルタルの上端面を平坦かつ所定の高さに成型して形成する。
なお、高さ調整部材7の構成は限定されるものではなく、例えば、基礎部材4の下面に進退可能に埋め込まれたボルト状の治具であってもよい。かかる治具を使用すれば、高さ調整部材7を回転させることで高さを調整することができる。このとき、均しコンクリート6の高さ調整部材7に対応する位置には、荷重分散用鉄板を配設しておくのが望ましい。
ほかに、高さ調整部材7としてプレキャスト製のコンクリート平板を用いることもできる。その場合には、高さ調整部材7の外縁と基礎部材4の少なくとも一方の側面を一致させて配置することで、高さだけでなく基礎部材4の水平位置も合わせることができる。
また、均しコンクリート6の上面に基礎部材4を直接設置した場合であっても、所定の精度を確保できる場合には、調整部材設置工程(高さ調整部材7)は省略してもよい。

0016

基礎配設工程は、プレキャストコンクリート製の基礎部材4を配設する工程である。
基礎部材4は、凹部41でキャップ部材3を覆うように(キャップ部材3を凹部41に挿入するように)配設する(図3参照)。
凹部41は、キャップ部材3の外形に対して十分に大きな形状を有しているため、基礎杭2の杭芯位置や杭頭高さに施工誤差等によりずれが生じている場合であっても、正規の位置に配置することができる。例えば、図4(a)に示すように、基礎杭2の杭芯位置がずれている場合は、キャップ部材3の外周面と凹部41の内周面との隙間によって、ずれを吸収する。また、図4(b)に示すように、基礎杭2の杭頭部の突出高さが高い場合は、凹部41の深さ(高さ)によって吸収する。さらに、基礎杭の杭頭部の突出高さが低い(小さい)場合は、キャップ部材3の上面と凹部41の底面との隙間を大きく確保する(図4(c)参照)。

0017

結合工程は、キャップ部材3と基礎部材4とを結合する工程である。
キャップ部材3と基礎部材4との結合は、注入孔42から結合材を注入し、キャップ部材3と凹部41との隙間に結合材5を充填することにより行う。結合材5の注入は、排出孔43から結合材が排出されること確認するまで行う。
なお、基礎部材4と均しコンクリート6との間に高さ調整部材7が介設されている場合には、基礎部材4と均しコンクリート6との隙間から結合材が流出するのを確認することで、結合材5の充填状況を確認してもよい。

0018

本実施形態の杭基礎構造1およびその構築方法によれば、プレキャスト製の基礎部材4を使用しているため、フーチング施工時の配筋工、型枠工およびコンクリート打設に要する手間を省略することが可能となる。そのため、施工期間の短縮化および現場作業の省力化を図ることができる。
また、工場等において製作される基礎部材4を使用することで、天候等に左右されることなく高品質な部材が形成される。
さらに、基礎部材4の凹部41により、基礎杭2の施工誤差を吸収することが可能なため、基礎杭2に施工誤差が生じた場合であっても、基礎梁の形状や、上部躯体の精度等に影響が及ぶことがない。
高さ調整部材7によって基礎部材4の位置決めおよび高さ調整を行っているので、高品質な杭基礎構造1の施工を簡易に行うことができる。加えて、基礎杭2の杭頭部にキャップ部材3が設けられているため、杭頭高さ等に施工誤差が生じた場合であっても、設計時の杭頭固定度を確保することができる。
また、基礎杭2の杭頭部とキャップ部材3との間に隙間を設け、基礎杭2と基礎部材4との接合を半剛(軸力を伝達し、回転を許容する)状態とするため、地震時に杭頭に生じる応力を低減し、基礎杭2の耐震性を高めることができる。
均しコンクリート6を打設することで、キャップ部材3を固定することが可能であるとともに、基礎部材4の高さ位置を均しコンクリートによって設定することができる。

0019

<第二の実施形態>
第二の実施形態に係る杭基礎構造1は、図5(a)に示すように、基礎杭2と、キャップ部材3と、基礎部材4とを備えている。主な特徴は、基礎部材4の下端面放射状に溝46を設けることで、基礎部材4とキャップ部材3との間に設ける結合材5の充填状況を容易に確認できる点である。
基礎杭2およびキャップ部材3の構成は、第一の実施形態で示した基礎杭2およびキャップ部材3と同様なため、詳細な説明は省略する。
基礎部材4は、基礎杭2の上方に配設されたプレキャストコンクリート製部材である。基礎部材4は、平面視正方形状ブロック部材である。基礎部材4には、キャップ部材3を覆う円錐台状の凹部41が形成されている。
基礎部材4には、その上面から凹部41に至る注入孔42が形成されている。注入孔42の数および配置は限定されるものではなく、例えば、基礎部材4の側面から凹部41に至るように形成されていてもよい。
基礎部材4は、凹部41とキャップ部材3との隙間に充填された結合材5によりキャップ部材3と結合されている。
凹部41の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
基礎部材4の底面には、図5(b)に示すように、凹部41から基礎部材4の側面に至る溝46が形成されている。本実施形態では、4本の溝46,46,…が、各側面に向けて放射状に形成されている。なお、溝46の数、配置および断面形状は限定されない。

0020

本実施形態の杭基礎構造の構築方法は、杭構築工程と、杭頭処理工程と、基礎配設工程と、結合工程とを備えている。
杭構築工程、杭頭処理工程および基礎配設工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
結合工程は、キャップ部材3と基礎部材4とを結合する工程である。
キャップ部材3と基礎部材4との結合は、注入孔42から結合材を注入し、キャップ部材3と凹部41との隙間に結合材5を充填することにより行う。結合材5の注入は、4つの溝46,46,…から結合材5の流出を確認するまで行う。

0021

以上、本実施形態の杭基礎構造1によれば、溝46から結合材5の流出を確認することで、結合材の充填状況を確認できるため、高品質施工を簡易に行うことができる。
この他の第二の実施形態の杭基礎構造の作用効果は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。

0022

<第三の実施形態>
第三の実施形態に係る杭基礎構造1は、図6(a)に示すように、基礎杭2と、キャップ部材3と、基礎部材4と、漏れ防止部材8とを備えている。主な特徴は、基礎部材4の下端面に漏れ防止部材8を設けることで、基礎部材4とキャップ部材3との間に充填する結合材5の注入範囲を限定し、注入量を必要最小限に抑えることができる点である。
基礎杭2、キャップ部材3および基礎部材4の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
漏れ防止部材8は、図6(b)に示すように、基礎部材4の下面であって、凹部41の周囲に設けられた環状部材、または矩形状部材である。本実施形態の漏れ防止部材8は、断面視で段差を有して形成されたバネ板からなり、外側片が基礎部材4の下面に固定されているとともに、内側片が基礎部材4の下面から隙間をあけた状態で設置されている。
漏れ防止部材8は、図6(a)に示すように、基礎部材4を基礎杭2の上方(均しコンクリート6上)に設置した状態で、内側片が均しコンクリート6(もしくは地盤面)に密着する。そのため、基礎部材4と均しコンクリート6との間に隙間が形成されている場合であっても、注入孔42を介して凹部41に注入された結合材5は、漏れ防止部材8よってき止められる。
なお、漏れ防止部材8の構成は限定されるものではない。例えば、漏れ防止部材8の材料は限定されるものではなく、例えばゴム部材であってもよい。また、漏れ防止部材8は、必ずしも基礎部材4に固定する必要はなく、図7に示すように、キャップ部材3の周囲において均しコンクリート6上に設けられていてもよい。

0023

本実施形態の杭基礎構造の構築方法は、杭構築工程と、杭頭処理工程と、調整部材設置工程と、基礎配設工程と、結合工程とを備えている。
なお、杭構築工程、杭頭処理工程および調整部材設置工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
基礎配設工程は、基礎部材4を配設する工程である。
基礎部材4は、凹部41でキャップ部材3を覆うように(キャップ部材3を凹部41に挿入するように)配設する(図6(a)参照)。
基礎部材4を所定の位置に配設すると、基礎部材4の下面に設けられた漏れ防止部材8が均しコンクリート6に密着する。
この他の基礎配設工程の詳細は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
結合工程は、キャップ部材3と基礎部材4とを結合する工程である。
キャップ部材3と基礎部材4との結合は、注入孔42から結合材を注入し、キャップ部材3と凹部41との隙間に結合材5を充填することにより行う。結合材5の注入は、排出孔43から結合材5が排出されること確認するまで行う。

0024

本実施形態の杭基礎構造1およびその構築方法によれば、凹部41の周囲に漏れ防止部材8が設けられているため、結合材5の注入範囲を限定することができる。そのため、結合材5の注入量を必要最小限に抑えることが可能となり、経済的である。
この他の第三の実施形態に係る杭基礎構造の構築方法および杭基礎構造1の作用効果は、第一の実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。

0025

以上、本発明に係る実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
例えば、本発明の杭基礎構造1が適用可能な構造物は限定されるものではない。
また、図8(a)に示すように、基礎杭2の上端に引き抜き抵抗部材23を立設する場合には、基礎部材4に貫通孔47を形成するとよい。貫通孔47は、段付き円筒状であり、引き抜き抵抗部材23の位置に対応して形成する。そして、基礎配設工程において、引き抜き抵抗部材23を貫通孔47に挿入するとともに、貫通孔47の中断に引き抜き抵抗部材23を固定する。かかる杭基礎構造1によれば、基礎杭2に引き抜き力が作用する場合であっても、本発明の杭基礎構造を構築することができる。
また、図8(b)に示すように、基礎部材4に基礎梁の一部48を一体に形成してもよい。かかる杭基礎構造によれば、基礎部材4と基礎梁との継手が、応力が集中しやすい基礎梁の端部の位置になることを防止することができる。
また、前記実施形態では、凹部41が円錐台状の場合について説明したが、凹部41の形状は、キャップ部材3を挿入することができれば限定されるものではなく、例えば、四角錐台状であってもよいし、球冠状であってもよい。
また、前記実施形態では、1本の基礎杭2に対して、1つの基礎部材4を設ける場合について説明したが、基礎部材4には、複数本の基礎杭2が接続されてもよい。
凹部41の内面(表面)には、結合材5との一体性を高めるために凹凸があってもよい。また、凹部41の内面は、強度を高めることを目的として、鋼製部材により覆われていてもよい。
また、キャップ部材3には、結合材5との一体性を高めることを目的として、リブ等が設けられていてもよい。

0026

1杭基礎構造
2基礎杭
3キャップ部材
4基礎部材
41 凹部
5結合材
6 均しコンクリート
7 高さ調整部材
8 漏れ防止部材

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