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技術 電動車両

出願人 三菱自動車工業株式会社
発明者 西村輝彦
出願日 2015年3月25日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2015-063041
公開日 2016年10月20日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2016-184995
状態 特許登録済
技術分野 車両の電気的な推進・制動
主要キーワード 高電圧リレー 走行許可状態 漏電センサ 修理時間 高電圧配線 再起動前 リンプホーム走行 READY状態
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

漏電検出後の駆動システム再起動時に漏電を再度診断し、診断結果に基づいて再起動が制御される電動車両を提供する。

解決手段

電動車両は、車両駆動用モータ電力を供給するバッテリと、前記車両駆動用モータと前記バッテリとを接続する高電圧回路と、前記バッテリおよび前記高電圧回路における漏電を検出する漏電検出器と、この漏電を検出した漏電検出情報を記憶する記憶手段と、前記漏電検出器によって漏電を検出した後の前記車両駆動用モータの起動である再起動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記漏電検出器に指令することによって、再度、前記バッテリおよび前記高電圧回路における漏電の有無を診断する診断部と、前記漏電検出情報を記憶しているにもかかわらず、前記診断によって漏電が検出されない場合には前記再起動を許可する再起動許可部と、を有する。

概要

背景

従来、モータ駆動源とする駆動システムを搭載した電気自動車などの電動車両が知られている。電動車両では、バッテリからの高電圧を、高電圧回路を介してモータに供給することで車両が駆動される。逆に、充電時においては、電動車両の減速時の回生電力が高電圧回路を介してモータからバッテリに供給されたり、外部電源に接続されることでバッテリに電力が供給される。このバッテリ(バッテリパック)には、漏電検出器漏電センサ)を内部に有するものがあり、バッテリや高電圧回路の絶縁性低下漏電)を検出することで、漏電による感電火災の防止を図っている。そして、高電圧回路の漏電検出時には、電動車両においてフェールセーフ処理が実行される。例えば、特許文献1では、漏電の検出を報知すると共に、一定時間経過後に、駆動システムの電力が切断(Ready−OFF)および駆動システムの再起動禁止される。

概要

漏電検出後の駆動システムの再起動時に漏電を再度診断し、診断結果に基づいて再起動が制御される電動車両を提供する。電動車両は、車両駆動用モータに電力を供給するバッテリと、前記車両駆動用モータと前記バッテリとを接続する高電圧回路と、前記バッテリおよび前記高電圧回路における漏電を検出する漏電検出器と、この漏電を検出した漏電検出情報を記憶する記憶手段と、前記漏電検出器によって漏電を検出した後の前記車両駆動用モータの起動である再起動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記漏電検出器に指令することによって、再度、前記バッテリおよび前記高電圧回路における漏電の有無を診断する診断部と、前記漏電検出情報を記憶しているにもかかわらず、前記診断によって漏電が検出されない場合には前記再起動を許可する再起動許可部と、を有する。

目的

本発明の少なくとも一実施形態は、漏電検出後の駆動システムの再起動時に漏電を再度診断し、診断結果に基づいて再起動が制御される電動車両を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

車両駆動用モータ電力を供給するバッテリと、前記車両駆動用モータと前記バッテリとを接続する高電圧回路と、前記バッテリおよび前記高電圧回路における漏電を検出する漏電検出器と、前記漏電を検出した漏電検出情報を記憶する記憶手段と、前記漏電検出器によって漏電を検出した後の前記車両駆動用モータの起動である再起動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記漏電検出器に指令することによって、再度、前記バッテリおよび前記高電圧回路における漏電の有無を診断する診断部と、前記漏電検出情報を記憶しているにもかかわらず、前記診断によって漏電が検出されない場合には前記再起動を許可する再起動許可部と、を有することを特徴とする電動車両

請求項2

前記バッテリと前記高電圧回路との接続状態を制御するメインコンタクタと、をさらに備え、前記診断部は、前記メインコンタクタを制御することによって前記バッテリと前記高電圧回路とのそれぞれにおける漏電の有無を診断することを特徴とする請求項1に記載の電動車両。

請求項3

前記診断部は、前記バッテリの診断をする時には前記メインコンタクタを開き、前記高圧回路の診断をする時には前記メインコンタクタを閉じるよう制御することを特徴とする請求項2に記載の電動車両。

請求項4

前記診断部は、前記バッテリの診断の後に前記高電圧回路の診断を行い、あるいは、前記高電圧回路の診断の後に前記バッテリの診断を行い、先にされた診断において漏電が検出された場合には診断を終了することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電動車両。

請求項5

前記高電圧回路の診断では、前記バッテリの正極側に設けられる、少なくとも1つの前記メインコンタクタを閉じることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の電動車両。

請求項6

前記漏電検出後の再起動が許可された場合には、リンプホーム走行モードによる再起動が行われることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動車両。

請求項7

前記リンプホーム走行モードの実行を報知する報知部、さらに備えることを特徴とする請求項6に記載の電動車両。

技術分野

0001

本開示は電動車両に関し、特に、漏電検出後における電動車両の起動制御に関する。

背景技術

0002

従来、モータ駆動源とする駆動システムを搭載した電気自動車などの電動車両が知られている。電動車両では、バッテリからの高電圧を、高電圧回路を介してモータに供給することで車両が駆動される。逆に、充電時においては、電動車両の減速時の回生電力が高電圧回路を介してモータからバッテリに供給されたり、外部電源に接続されることでバッテリに電力が供給される。このバッテリ(バッテリパック)には、漏電検出器漏電センサ)を内部に有するものがあり、バッテリや高電圧回路の絶縁性低下漏電)を検出することで、漏電による感電火災の防止を図っている。そして、高電圧回路の漏電検出時には、電動車両においてフェールセーフ処理が実行される。例えば、特許文献1では、漏電の検出を報知すると共に、一定時間経過後に、駆動システムの電力が切断(Ready−OFF)および駆動システムの再起動禁止される。

先行技術

0003

特開2013−169917号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、走行中や充電中における漏電検出に応じて駆動システムの再起動が禁止されると、走行不可となるため、ユーザビリティの点で課題が残る。また、電動車両における漏電は、駆動システムの損傷などに起因して検出される場合もあれば、一時的な原因により検出される場合もあり、後者の場合にまで再起動を禁止する必要性は必ずしも高くない。

0005

上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、漏電検出後の駆動システムの再起動時に漏電を再度診断し、診断結果に基づいて再起動が制御される電動車両を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る電動車両は、
車両駆動用モータに電力を供給するバッテリと、
前記車両駆動用モータと前記バッテリとを接続する高電圧回路と、
前記バッテリおよび前記高電圧回路における漏電を検出する漏電検出器と、
漏電を検出した漏電検出情報を記憶する記憶手段と、
前記漏電検出器によって漏電を検出した後の前記車両駆動用モータの起動を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記漏電検出器に指令することによって、再度、前記バッテリおよび前記高電圧回路における漏電の有無を診断する診断部と、
前記漏電検出情報を記憶しているにもかかわらず、前記診断によって漏電が検出されない場合には前記再起動を許可する再起動許可部と、を有する。

0007

上記(1)の構成によれば、漏電検出器による漏電検出後に、この漏電検出情報を記憶した状態で電動車両を起動(再起動)する時には漏電検出器による漏電の有無が再度診断される。その診断の結果、過去の漏電検出情報を記憶しているにもかかわらず、漏電が検出されない場合には電動車両の再起動が許可されることにより、電動車両は走行可能状態となる。このように、漏電検出後に一律に走行禁止状態にするのではなく、再起動時の診断結果に基づいて再起動が許可されるので、漏電による危険を防止しながらユーザの利便性を向上することができる。また、診断部による診断は、漏電検出器によって漏電を検出した場合に行われる。このため、再起動時ではない通常時における電動車両の起動時間は、診断部による診断は行われないため、診断による影響を受けない。このため、通常時におけるユーザの利便性を損なうことはなく、電動車両の迅速な起動を維持することができる。

0008

(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記バッテリと前記高電圧回路との接続状態を制御するメインコンタクタと、をさらに備え、
前記診断部は、前記メインコンタクタを制御することによって前記バッテリと前記高電圧回路とのそれぞれにおける漏電の有無を診断する。
上記(2)の構成によれば、漏電の所在バッテリ側なのか高電圧回路側なのかの切り分けをすることができ、修理時における修理時間の短縮などユーザの利便性を向上することができる。

0009

(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記診断部は、前記バッテリの診断をする時には前記メインコンタクタを開き、前記高圧回路の診断をする時には前記メインコンタクタを閉じるよう制御する。
上記(3)の構成によれば、メインコンタクタの開閉状態を制御することにより、バッテリと高電圧回路を個別に診断することができる。

0010

(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の構成において、
前記診断部は、前記バッテリの診断の後に前記高電圧回路の診断を行い、あるいは、前記高電圧回路の診断の後に前記バッテリの診断を行い、先にされた診断において漏電が検出された場合には診断を終了する。
上記(4)の構成によれば、高電圧回路とバッテリが順番に診断される場合に、先に行われた診断において漏電が検出された場合には、後の診断を行うことなく診断を終了するので、診断時間の短縮を図ることができる。

0011

(5)幾つかの実施形態では、上記(2)〜(4)の構成において、
前記高電圧回路の診断では、前記バッテリの正極側に設けられる、少なくとも1つの前記メインコンタクタを閉じる。
上記(5)の構成によれば、仮に、バッテリの通常起動時において最初に正極側のメインコンタクタを閉じる際には、その最初の操作によって漏電の所在がバッテリ側なのか高電圧回路側なのかの切り分けを早急に行うことができ、修理時における修理時間の更なる短縮を図ることができる。すなわち、バッテリの通常起動時において最初に閉操作を行うコンタクタを高電圧回路の診断時に用いることで、上述した効果が得られる。

0012

(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の構成において、
前記漏電検出後の再起動が許可された場合には、リンプホーム走行モードによる再起動が行われる。
上記(6)の構成によれば、リンプホーム走行モードによって低速走行を許可することで、電動車両の損傷抑制や、乗員の安全な帰宅を図りながら、漏電の点検のために検査場に行くなど、電動車両を走行させることができる。

0013

(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、
前記リンプホーム走行モードの実行を報知する報知部、さらに備える。
上記(7)の構成によれば、リンプホーム走行モードであることを運転手などが認識することができ、電動車両の詳細な検査を運転手などに促すことができる。

発明の効果

0014

本発明の少なくとも一実施形態によれば、漏電検出後の駆動システムの再起動時に漏電を再度診断し、診断結果に基づいて再起動が制御される電動車両が提供される。

図面の簡単な説明

0015

本発明の一実施形態に係る電動車両のシステム構成を示す図である。
本発明の他の一実施形態に係る電動車両のシステム構成を示す図である。
本発明の一実施形態に係る制御フローを示す図である。

実施例

0016

以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。

0017

図1は、本発明の一実施形態に係る電動車両1のシステム構成を示す図である。図1に示されるように、電動車両1は、車両駆動用モータ21に電力を供給するバッテリ31と、車両駆動用モータ21とバッテリ31とを接続する高電圧回路4と、バッテリ31および高電圧回路4における漏電を検出する漏電検出器5と、制御部6と、記憶手段9とを備えている。また、この制御部6は、診断部61と、再起動許可部62と、を有している。

0018

電動車両1は例えば電気自動車であり、操舵輪1aと駆動輪1bを備えると共に、モータシステム2や電池システム3などの電気制御系システムコンポーネントが搭載されている。モータシステム2は、車両駆動用モータ21と、モータ制御機能及び電力変換機能インバータ23)を一体化したモータコントロールユニット(MCU22)などにより構成される。一方、電池システム3は、上述のバッテリ31と、バッテリマネジメントユニット(BMU32)などにより構成される。上記のMCU22やBMU32は車載ネットワーク16(例えば、CAN−BUSなど)に接続されており、後述する制御部6など車載ネットワーク16に接続されたユニット間での通信が可能になっている。そして、高電圧回路4を介してバッテリ31の電力が車両駆動用モータ21へ供給されることで、電動車両1を走行させる。すなわち、バッテリ31からの電力供給により生じる車両駆動用モータ21の回転駆動力は、車両駆動用モータ21に連結された減速ギヤ12、及び、減速ギヤ12に連結された駆動軸13を介して伝達され、駆動輪1bを回転させる。これによって、電動車両1は走行される。

0019

高電圧回路4は、バッテリ31と高電圧機器(車両駆動用モータ21、MCU22や車載充電器71)とを接続する高電圧配線であり、高電圧配線には高電圧リレー(メインコンタクタ41)が介装されている。このメインコンタクタ41は、後述する制御部6の制御により、投入開放がなされる。図1に示される実施形態では、バッテリ31の正極と負極にそれぞれ1つのメインコンタクタ41が設けられている。他の実施形態では、正極と負極にそれぞれ1以上のメインコンタクタ41が設けられても良い。

0020

漏電検出器5(漏電センサ)は、バッテリ31および高電圧回路4における漏電を検出するために設けられている。漏電は、バッテリ31や高電圧回路4における絶縁性の低下により生じるため、漏電検出器5によってこの絶縁性の低下が監視される。幾つかの実施形態では、漏電検出器5から電圧印加することにより漏電を検出してもよい。より詳細には、バッテリ31と高電圧回路4と車両駆動用モータ21とは、その外部との電気的な接続が遮断されている。これが仮想的な絶縁抵抗17(図2参照)によって行われていると仮定すると、バッテリ31と高電圧回路4と車両駆動用モータ21とからなる回路の内部には、絶縁抵抗17が接続されていると考えることができ、漏電時は、この絶縁抵抗17の抵抗値が低下することに等しいと考えることができる。そこで、漏電検出器5の内部に設けられる内部抵抗を挟んで漏電検出器5の有する電源から高電圧機器に向けて所定の電圧を印加すると、この内部抵抗による電圧降下後の電圧が漏電時と漏電時でない通常時とにおいて変化する。具体的には、通常時(漏電がない場合)には、下流に絶縁抵抗17が存在するため、この内部抵抗による電圧降下後の電圧の測定値は、漏電検出器5による印加電圧とほぼ等しくなる。逆に、漏電時には、絶縁抵抗17の抵抗値が下がっているので、上記の電圧の測定値は印加電圧から大きく下がる。そこで、所定の電圧低下を検出した場合に、漏電として検出することができる。他の幾つかの実施形態では、これに限定されず、周知な漏電検出方法を用いてもよい。

0021

図1の例示では、バッテリ31は、複数の電池モジュール33などを容器の内部に収容したバッテリパックであり、漏電検出器5はバッテリ31の内部に設けられている。また、漏電検出器5は、バッテリ31の外部に設けられたBMU32に接続されており、BMU32は、車載ネットワーク16を介して制御部6に接続されている。そして、漏電検出器5による漏電チェックの結果情報はBMU32に入力されており、漏電が検出されると、BMU32は車載ネットワーク16を介して下記に説明する制御部6に伝える。上記の漏電検出器からBMU32に入力される漏電チェックの結果情報には、漏電の有無の判定後の情報を含んでも良い。例えば、漏電検出器5によって漏電判定がなされ、漏電が検出された場合には漏電を検知したことを伝える信号(漏電検知信号)をBMU32に送っても良い。あるいは、上記の漏電チェックの結果情報には、漏電の有無を判定するのに用いられる情報が含まれても良い。例えば、漏電検出器5は漏電の監視情報をBMU32に入力し、BMU32がその情報に基づいて漏電を判定してもよい。

0022

本実施形態では、上述した漏電が検出された漏電検出情報を記憶する記憶手段9が設けられている。この記憶手段9により過去の漏電検出情報が記憶され、且つ、後述する診断部61による診断によってその後は漏電が検出されない場合には再起動が許可される。
制御部6は、漏電検出器5によって漏電を検出した後のメインコンタクタ41を閉状態にして再起動を制御する。図1に示される実施形態では、制御部6は、車両全体統合制御する車両統合制御ユニットEV−ECU:電子制御ユニット)となっている。他の幾つかの実施形態では、別の電子制御ユニットであっても良い。

0023

なお、図1に示されるように、電動車両1は、充電システム7や表示システムを備えていても良い。充電システム7は、DC/DCコンバータが一体化して組み込まれた車載充電器71や、この車載充電器71に電気的に接続されている充電用コネクタ72などにより構成されている。そして、充電をする場合には、商用電源に接続されている充電ガン(図示省略)が充電用コネクタ72に接続されて、車載充電器71に充電がされる。一方、表示システムは、コンビネーションメータ表示機能部)8などにより構成されている。コンビネーションメータ8は、車速充電残量や走行可能状態(READY状態)表示や充電可能状態表示や車両駆動用モータ21の状態やバッテリ31の状態やMCU22の状態などを表示する。また、後述するように、漏電が検出されたことを示す情報を表示したり、漏電の検出によって遷移される運転モードを表示してもよい。

0024

そして、イグニッションシリンダ(図示省略)にキー(図示省略)が挿入されたり、充電用コネクタ72に充電ガンが接続されたりすると、EV−ECU(制御部6)や、BMU32や、MCU22や、コンビネーションメータ8や、車載充電器71や、その他のECUに対して、制御電源(図示省略)から制御電圧(12V)が印加され、車載ネットワーク16を介して、各ECU相互間でCAN通信により情報伝送が行われる。また、EV−ECU(制御部6)には、イグニッションスイッチがON(投入)状態になったり、キーが回転されたり、充電用コネクタ72に充電ガンが接続されたりする状態を示す状態信号が直接(CAN−BUSを通じてではなく直接)入力されている。このため、EV−ECU51は、キーの挿入・回転状態や、充電ガンの接続状態などを判定することができる。

0025

上記に説明したような構成を有する電動車両1においては、イグニッションスイッチ(図示省略)がON(投入)状態になると起動時処理が行われる。具体的には、EV−ECU(制御部6)は、BMU32及びMCU22などとCAN通信をして、電池システム3やモータシステム2に異常がないか否かの検査をする。そして、異常がないと判断されると、走行可能状態にし、逆に、異常があると判断される場合には走行禁止状態とされる。

0026

この起動時処理においては、起動時処理前に検出された漏電の有無も検査される。このため、例えばEV−ECU(制御部6)の内部メモリ特定情報を参照するなどによって、起動前(再起動前)に漏電が検出されたことが確認されると、起動時処理における検査において異常があったと判断されるので、このままでは走行禁止状態とされてしまうことになる。ところが、起動時処理前に検出された漏電は、一時的な原因により検出された場合もあり、再起動時における起動時処理では漏電が解消している場合がある。例えば、結露水や、冷却水を取り込んでいるシステムでの何らかの原因による冷却水の水漏れなどによって漏電する場合には、再起動時には水が蒸発することで漏電が解消している場合が有り得る。そこで、本発明では、このような一時的な原因による漏電検出の場合には、ユーザビリティの観点から走行禁止状態とはせずに、走行許可状態としようとしている。これを実現するために、制御部6は、診断部61と再起動許可部62とを備える。

0027

診断部61は、漏電検出後の再起動時(電動車両1の起動時)において、漏電検出器5に指令することによって、再度、バッテリ31および高電圧回路4における漏電の有無を診断する。すなわち、漏電検出器5による漏電検出後に、イグニッションスイッチがOFFなどされることにより車両は停止され、且つ、このような漏電が検出されたという情報を記憶しているにもかかわらず、再度イグニッションスイッチがONされたとき(漏電検出後の再起動時)に、漏電検出器5による漏電の有無が再度検査される。具体的には、図1に示される実施形態では、制御部6(診断部61)は漏電検出器5による漏電チェックの指令を送ると、この指令は、車載ネットワーク16およびBMU32を介して漏電検出器5に送られるようになっており、漏電検出器5は、この漏電チェックの指令を受けると漏電チェックを行うようになっている。

0028

そして、漏電検出器5による漏電チェックの結果は、指令を発した制御部6に送られる。幾つかの実施形態では、制御部6には、漏電の有無の情報が送られても良い。例えば、BMU32が、漏電検出器5からの入力情報に基づいて漏電の有無を判断し、その判断結果(漏電の有無)を制御部6に伝えても良い。この場合には、制御部6は、漏電の有無の情報が直接得られるので、この漏電の有無の情報に対応した制御を行うことができる。他の幾つかの実施形態では、漏電が有った場合のみ制御部6に漏電有りの情報が送られても良い。この場合には、漏電がない場合には漏電無しとの明示的な情報を制御部6は受けないため、所定時間経過しても何も情報が送られてこない場合には漏電は検出されなかったと制御部6は判断しても良い。なお、この漏電チェックは、例えば、上述のように漏電検出器5から電圧を印加することで行っても良い。そして、診断部61による診断結果は、再起動許可部62に入力される。

0029

再起動許可部62は、上述した漏電検出情報を記憶しているにもかかわらず、診断部61による診断によって漏電が検出されない場合には再起動を許可する。すなわち、再起動許可部62には、診断部61による診断結果が入力されるよう構成されている。また、電動車両1の再起動前には漏電が検出されていたが、再起動時における診断によって漏電が検出されなかった場合に再起動が許可される。つまり、この場合には、再起動時前に検出された漏電は、一時的な原因に起因して漏電が検出されたと判断することができる。そして、電動車両1の再起動前に漏電が検出されていたとしても、その後の再起動時において漏電が検出されない場合には、電動車両1は、走行禁止とされることなく、走行許可状態とされる。

0030

上記の構成によれば、漏電検出器5による漏電検出後に電動車両1を起動(再起動)する時には漏電検出器5による漏電の有無が再度診断される。その診断の結果、漏電が検出されない場合には電動車両1の再起動が許可されることにより、電動車両1は走行可能状態となる。このように、漏電検出後に一律に走行禁止状態にするのではなく、再起動時の診断結果に基づいて再起動が許可されるので、漏電による危険を防止しながら運転手などのユーザの利便性を向上することができる。また、診断部61による診断は、漏電検出器5によって漏電を検出した場合に行われる。このため、通常時における電動車両1の起動時間は診断による影響を受けず、ユーザの利便性を損なうことなく、電動車両1の迅速な起動を維持することができる。

0031

他の幾つかの実施形態では、図1〜2に示されるように、電動車両1は、バッテリ31と高電圧回路4との接続状態を制御するメインコンタクタ41と、をさらに備え、診断部61は、メインコンタクタ41を制御することによってバッテリ31と高電圧回路4とのそれぞれにおける漏電の有無を診断する。図2は、他の幾つかの実施形態における電動車両1のシステム構成を示す図である。図2の例示では、バッテリ31は、直列に並べられた複数の電池モジュール33を有するバッテリパックである。電池モジュール33の正極側には2つのメインコンタクタ41が並列に接続され、負極側に1つのメインコンタクタ41が接続されている。また、バッテリ31の正極側と負極側には、インバータ23を含む高電圧回路4が接続されており、インバータ23を介して三相交流の車両駆動用モータ21が接続されている。

0032

また、バッテリ31(バッテリパック)の負極側には漏電検出器5が接続され、漏電が監視されている。そして、漏電検出器5の検出結果はBMU32に入力されており、漏電が検出された場合には、BMU32から車載ネットワーク16により相互に接続された制御部6に漏電検出が伝えられる。

0033

このような構成において、制御部6は、漏電検出後の再起動時の診断において、バッテリ31と高電圧回路4とのそれぞれに対して別々に診断する。図2の例示では、漏電検出器5はバッテリ31に接続されている。このため、バッテリ31の診断では、制御部6はメインコンタクタ41が全て開放されるよう制御している。すなわち、バッテリ31と高電圧回路4との接続は解除されている。このような状態で漏電検出器5による漏電のチェックが行われると、バッテリ31における漏電がチェックされることになる。一方、高電圧回路4側の診断では、制御部6はメインコンタクタ41を閉じ、バッテリ31と高電圧回路4とを接続した上で、漏電検出器5による漏電のチェックを行う。

0034

なお、図2の例示では、バッテリ31とインバータ23の間の高電圧回路4に仮想的な絶縁抵抗17が示されているが、この場所で絶縁抵抗17の絶縁性が低下(漏電)している場合には、バッテリ31の漏電チェックでは漏電は検出されず、高電圧回路4の漏電チェックによって漏電が検出されることになる。

0035

上記の構成によれば、漏電の所在がバッテリ31側なのか高電圧回路4側なのかの切り分けをすることができ、修理時における修理時間の短縮などユーザの利便性を向上することができる。また、メインコンタクタ41の開閉状態を制御することにより、バッテリ31と高電圧回路4を個別に診断することができる。

0036

他の幾つかの実施形態では、図3に示されるように、バッテリ31の診断の後に高電圧回路4の診断を行い、バッテリ31の診断において漏電が検出された場合には診断を終了する。図3は、図2のシステム構成おける制御フローを説明する図である。図2に示される実施形態では、漏電検出器5はバッテリ31に接続されており、このような場合には、漏電検出後の再起動時にはバッテリ31の漏電チェックを先に行い、その後に高電圧回路4の漏電チェック診断を行っている。

0037

図3について説明すると、ステップS31〜ステップS34は、電動車両1の再起動前を示している。すなわち、ステップS31において、走行または充電中における漏電の監視が実行されている。そして、漏電が検出されると、ステップS32において、漏電検出が制御部6に伝えられることで、例えばコンビネーションメータ8に表示することや、フェールセーフ処理を実行するなどの漏電時の処理が行われる。その後、ステップS33において、一旦、イグニッションOFFなどによる電動車両1の停止や充電停止が行われている場合には、ステップS34において再度の電動車両1の起動が待たれる。なお、電動車両1の停止は、ドライバーによって行われても良いし、電動車両1によって自動的に行われても良い。このときの漏電は、漏電検出情報として記憶手段9に記憶される。そして、ステップS34においてイグニッションONがなされると、電動車両1の起動(再起動)における起動時処理が開始される。

0038

ステップS35〜S313は車両の再起動時の処理(再起動時処理)を示している。すなわち、起動時の処理が開始されると、ステップS35において、今回の起動の前における漏電の検出の有無、すなわち記憶手段9に漏電検出情報が記憶されているか否かが確認される。そして、今回の起動の前には漏電が検出されていないと判断される場合には、ステップS313において、その他の異常が検出されないことを条件に電動車両1の起動が許可され、走行可能状態とされる。逆に、ステップS35において、今回の起動の前漏電が検出されていたと判断される場合には、ステップS36以降に示されるような診断の処理が行われる。具体的には、ステップS36において、全てのメインコンタクタ41を開放状態とする。起動時において全てのメインコンタクタ41が開放状態であることが明らかな場合には、省略しても良い。そして、ステップS37において、この状態のまま、漏電検出器5による漏電チェックが行われることで、バッテリ31内の漏電チェックが実行される。続くステップS39において、この漏電チェック(1回目の漏電チェック)によって漏電検出の有無が判定され、漏電が検出されている場合には、ステップS312において走行禁止とされる。つまり、その後の診断を継続することなく、フローを終了する。

0039

逆に、ステップS38において、バッテリ31における漏電の検出がないと判断される場合には、高電圧回路4の漏電チェックが実行される。すなわち、ステップS39においてバッテリ31の正極側に接続されたメインコンタクタ41が閉じられる。そして、ステップS210において、この状態のまま、漏電検出器5による漏電チェックが行われることで、高電圧回路4側の漏電チェックが実行される。続くステップS311において、この漏電チェック(2回目の漏電チェック)によって漏電検出の有無が判定され、漏電が検出されている場合には、ステップS312において走行禁止とされ、フローを終了する。逆に、ステップS311において漏電が検出されていない場合には、ステップS313において、その他の異常が検出されないことを条件に電動車両1の再起動が許可され、走行可能状態とされる。

0040

なお、高電圧回路4の診断では、バッテリ31の正極側に設けられる、少なくとも1つのメインコンタクタ41を閉じても良い。この構成によれば、仮に、バッテリの通常起動時において最初に正極側のメインコンタクタを閉じる際には、その最初の操作によって漏電の所在がバッテリ側なのか高電圧回路側なのかの切り分けを早急に行うことができ、修理時における修理時間の更なる短縮を図ることができる。

0041

なお、図1〜2に示される実施形態では、漏電検出器5はバッテリ31とBMU32に接続されている。他の幾つかの実施形態では、漏電検出器5は高電圧回路4に接続されても良いし、漏電検出器5はBMU32を介することなく、制御部6に接続されても良い。この場合には、メインコンタクタ41を開放した状態で高電圧回路4の漏電チェックを先に行った後、メインコンタクタ41を閉じてバッテリ31側の漏電チェックを実行しても良く、高電圧回路4側のチェックにおいて漏電を検出した場合には、バッテリ31の漏電チェックを行うことなく診断を終了しても良い。

0042

上記の構成によれば、高電圧回路4とバッテリ31が順番に診断される場合に、先に行われた診断において漏電が検出された場合には、後の診断を行うことなく診断を終了するので、診断時間の短縮を図ることができる。

0043

また、他の幾つかの実施形態では、漏電検出後の再起動が許可された場合には、リンプホーム走行モードによる再起動が行われる。リンプホーム走行モードとは、速度などを規制した走行モードであり、低速ではあるものの走行を許可することで自宅や検査・修理場までへの走行できることを図ったモードである。すなわち、漏電検出後の再起動時の診断において漏電は検出されなかったものの、漏電の原因は不明であるので安全上の観点から詳細な検査を行うことが好ましい場合に適用される。
上記の構成によれば、電動車両1の負荷の軽減を図った上で、漏電の点検のために検査場に行くなど、電動車両1を走行させることができる。

0044

また、他の幾つかの実施形態では、電動車両1は、リンプホーム走行モードの実行を報知する報知部を、さらに備える。この報知部は、上述の表示システムのコンビネーションメータ(表示機能部)31であっても良いし、音声や警報などの音によって報知しても良い。そして、制御部6によって漏電検出後の再起動が許可された場合には、制御部6は報知部に指令を送ることで、リンプホーム走行モードによる走行許可状態であることをコンビネーションメータ8などに表示させる。
上記の構成によれば、リンプホーム走行モードであることを運転手などが認識することができ、電動車両の詳細な検査を運転手などに促すことができる。

0045

本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
また、本発明は、電気自動車のみならず、車両駆動用モータとエンジンを備えたハイブリッド自動車にも適用することができる。また本発明は、車載ネットワーク16として、CAN−BUSのような有線を用いたシステムのみならず、無線通信を用いたシステムにも適用することができる。

0046

1電動車両
1a操舵輪
1b駆動輪
12減速ギヤ
13駆動軸
16車載ネットワーク
17仮想的な絶縁抵抗17
18EV−ECU
2モータシステム2
21車両駆動用モータ
22 MCU
23インバータ
3電池システム3
31バッテリ
32 BMU
33電池モジュール
4高電圧回路
41メインコンタクタ
5漏電検出器
6 制御部
61診断部
62報知部
62再起動許可部
7充電システム7
71車載充電器
72充電用コネクタ
8コンビネーションメータ
9 記憶手段

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