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技術 硬貨処理装置

出願人 センサテック株式会社
発明者 甲斐勲
出願日 2015年3月26日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-063722
公開日 2016年10月20日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2016-184253
状態 特許登録済
技術分野 コインの取り扱い 紙幣の取り扱い コインの検査
主要キーワード 衝撃傷 検出センサ回路 高周波渦電流 取出し開口 計測周波数 MTBF 発振コンデンサ 位置曲線
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年10月20日)のものです。
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図面 (15)

課題

コイントレイを、釣銭を取り出し易い形状としても、非磁性金属で作られた硬貨でその硬貨との間の距離が比較的大きくても、空気中の塵や埃りによる影響を受けることなく、信頼性の高い硬貨検出が可能である装置を提供する。

解決手段

硬貨残留検出センサ部12をコイントレイ10の底面部14下方に配設し、LC発振回路発振コイル32からトレイ底面部に向けて高周波電磁波を常時照射する。マイクロコンピュータにより、LC発振回路の発振周波数を逐次計測し、計測された発振周波数を、メモリに記憶された基準周波数と比較し、コイントレイ内に硬貨C1、C2が残存するときに上昇する発振周波数が、基準周波数に対してプログラム設定された値以上に高くなったかどうかを判別し、発振周波数が基準周波数に対して設定値以上に高くなったときに硬貨の残存信号を出力する。

概要

背景

自動販売機POSレジスタなどにおいて、代金精算に伴って硬貨投出口からコイントレイ投出された釣銭硬貨利用者が取り忘れたりレジ係員が取り残したりするとトラブル等の原因になるので、それを避けるために、コイントレイ内に硬貨が残存しているかどうかを自動的に検出して報知する処理装置が使用されている。例えば、筐体の内部に収納された硬貨を払出口から払い出すようにした硬貨処理装置釣銭払出機)であって、底面およびこの底面の四方に斜面を有し払出口に払い出された硬貨を受けて底面上に集めることができるトレイを備え、コアコイル巻装した磁気センサを底面の裏面側に配設し、コイルをLC発振回路に接続して、そのLC発振回路と整流回路と制御部とにより硬貨検知回路を構成し、この硬貨検知回路に駆動電圧印加されて、硬貨がトレイの底面上にあるときに、コイルの電磁誘導作用によりインダクタンスおよびインピーダンスが変化するので、LC発振回路からの出力を整流回路により整流してパルス波形を形成し、このパルス波形を制御部で検知することにより、トレイの底面に残留する硬貨の有無が検知されるようにした装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

また、硬貨収納部を内部に有する装置本体の端部に、硬貨の払い出しを行う硬貨払出口を形成し、装置本体の端部で硬貨払出口の下方部位に、硬貨払出口より払い出された硬貨を受ける底面が略水平な硬貨払出受部を形成し、受光素子発光素子とからなる光センサを備え、この光センサの受光素子および発光素子を、硬貨払出受部に形成した受光側スリットおよび発光側スリットにそれぞれ対向させて配置して、この光センサにより硬貨払出受部の底面上の硬貨の有無を検知するようにした硬貨入出金装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、両替機や自動販売機の硬貨出金口硬貨通路を接続し、その硬貨通路に静電容量式非接触センサである検知センサを配設し、その検知センサに、発振回路バッファ回路電流検知抵抗素子差動増幅器検波回路、A/D変換器、CPU、D/A変換器などを備えて構成されたセンサ制御部を接続し、このセンサ制御部により、硬貨の存在によって発生する静電容量の変化を検知する検知センサの動作を制御するとともに、検知センサの出力信号に応じた検出信号を出力し、センサ出力判定部により、検出信号に基づいて硬貨通路や硬貨出金口に残留する硬貨の存在を判定する硬貨残留検知装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。

概要

コイントレイを、釣銭を取り出し易い形状としても、非磁性金属で作られた硬貨でその硬貨との間の距離が比較的大きくても、空気中の塵や埃りによる影響を受けることなく、信頼性の高い硬貨検出が可能である装置を提供する。硬貨残留検出センサ部12をコイントレイ10の底面部14下方に配設し、LC発振回路の発振コイル32からトレイ底面部に向けて高周波電磁波を常時照射する。マイクロコンピュータにより、LC発振回路の発振周波数を逐次計測し、計測された発振周波数を、メモリに記憶された基準周波数と比較し、コイントレイ内に硬貨C1、C2が残存するときに上昇する発振周波数が、基準周波数に対してプログラム設定された値以上に高くなったかどうかを判別し、発振周波数が基準周波数に対して設定値以上に高くなったときに硬貨の残存信号を出力する。

目的

この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、コイントレイを、その底面が硬貨の大きさに比べて十分に広く釣銭を取り出し易い形状としても、硬貨の検出が可能であり、アルミニウム、銅、銅合金等の非磁性金属で作られた硬貨であって、その硬貨との間の距離が比較的大きくても、信頼性の高い硬貨検出が可能であり、空気中の塵や埃りによる影響を全く受けることなく、硬貨の残留の有無を検出することができ、しかも、コイントレイ内の途中傾斜面に停止し残留した硬貨の検出も可能であって、硬貨残留検出センサ部の清掃メンテナンス作業が不要となるような硬貨処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

金銭取扱機の硬貨投出口から排出されコイントレイ内に投入された硬貨の残存の有無を検出して人為的な硬貨の取り忘れや取り残しを防止するようにした硬貨処理装置において、LC発振回路発振コイルの周囲を、検出面となる側面を残して磁気シールドし、その発振コイルを、検出面となる側面が前記コイントレイの底面部に対向するように配設して構成され、前記発振コイルから前記コイントレイの底面部に向けて高周波電磁波を常時照射する硬貨残留検出センサ部と、前記LC発振回路の基準周波数を記憶するメモリを有し、前記LC発振回路の発振周波数を逐次計測して、その計測された発振周波数を、前記メモリに記憶された基準周波数と比較し、前記コイントレイ内に硬貨が残存しているときに、その硬貨内で発生する渦電流によって生じる電磁波が前記発振コイルに反射結合されることによって上昇するLC発振回路の発振周波数が、基準周波数に対してプログラム設定された値以上に高くなったかどうかを判別して、LC発振回路の発振周波数が基準周波数に対して設定値以上に高くなったときに硬貨の残存信号を出力するマイクロコンピュータと、を備えたことを特徴とする硬貨処理装置。

請求項2

前記メモリに記憶される基準周波数は、前記コイントレイ内に硬貨が残存していないときに計測される前記LC発振回路の発振周波数である請求項1に記載の硬貨処理装置。

請求項3

前記マイクロコンピュータは、前記コイントレイ内に硬貨が残存していることによって上昇する前記LC発振回路の発振周波数が、前記メモリに記憶された基準周波数に対してその0.02%の周波数値以上に高くなったことを判別して硬貨の残存信号を出力する請求項2に記載の硬貨処理装置。

請求項4

前記メモリに記憶される基準周波数は、前記コイントレイ内に硬貨が残存していないことが確認され前記マイクロコンピュータに電源が投入されて電圧印加され電源リセット掛けられ初期設定が完了して作動開始初期に1回計測される前記LC発振回路の発振周波数である請求項2または請求項3に記載の硬貨処理装置。

請求項5

前記メモリに記憶される基準周波数は、前記マイクロコンピュータに電源リセットが掛けられた後の作動開始初期において所定の時間間隔で2回以上計測される前記LC発振回路の発振周波数を平均値化した周波数である請求項2または請求項3に記載の硬貨処理装置。

請求項6

前記メモリに記憶される基準周波数は、プログラムルーチンを通過するごとに計測される前記LC発振回路の発振周波数が、その時点においてメモリに記憶されている基準周波数に対して所定範囲内のばらつきがあるときに、新しく計測された発振周波数とメモリに記憶されている基準周波数との平均値が演算され、その平均値の周波数により入れ替えられ、メモリに記憶される基準周波数が繰り返し更新される請求項2または請求項3に記載の硬貨処理装置。

請求項7

前記メモリに記憶される基準周波数は、予め設定入力された固定値の発振周波数である請求項1に記載の硬貨処理装置。

請求項8

前記LC発振回路の発振動作が停止したときに、それを検知して前記コイントレイ内における硬貨の残存の有無を検出することができないことを報知するための信号を出力する報知手段を備えた請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の硬貨処理装置。

技術分野

0001

この発明は、自動販売機自動券売機ATMPOSレジスタセルフ式ガソリンスタンド内の釣銭返却機、両替機等の金銭取扱機において、硬貨投出口からコイントレイ投出された釣銭等の硬貨の取り忘れや取り残しを防止するために、コイントレイ内に硬貨が残存しているかどうかを検出する硬貨処理装置に関する。

背景技術

0002

自動販売機やPOSレジスタなどにおいて、代金精算に伴って硬貨投出口からコイントレイへ投出された釣銭硬貨利用者が取り忘れたりレジ係員が取り残したりするとトラブル等の原因になるので、それを避けるために、コイントレイ内に硬貨が残存しているかどうかを自動的に検出して報知する処理装置が使用されている。例えば、筐体の内部に収納された硬貨を払出口から払い出すようにした硬貨処理装置(釣銭払出機)であって、底面およびこの底面の四方に斜面を有し払出口に払い出された硬貨を受けて底面上に集めることができるトレイを備え、コアコイル巻装した磁気センサを底面の裏面側に配設し、コイルをLC発振回路に接続して、そのLC発振回路と整流回路と制御部とにより硬貨検知回路を構成し、この硬貨検知回路に駆動電圧印加されて、硬貨がトレイの底面上にあるときに、コイルの電磁誘導作用によりインダクタンスおよびインピーダンスが変化するので、LC発振回路からの出力を整流回路により整流してパルス波形を形成し、このパルス波形を制御部で検知することにより、トレイの底面に残留する硬貨の有無が検知されるようにした装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。

0003

また、硬貨収納部を内部に有する装置本体の端部に、硬貨の払い出しを行う硬貨払出口を形成し、装置本体の端部で硬貨払出口の下方部位に、硬貨払出口より払い出された硬貨を受ける底面が略水平な硬貨払出受部を形成し、受光素子発光素子とからなる光センサを備え、この光センサの受光素子および発光素子を、硬貨払出受部に形成した受光側スリットおよび発光側スリットにそれぞれ対向させて配置して、この光センサにより硬貨払出受部の底面上の硬貨の有無を検知するようにした硬貨入出金装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。さらに、両替機や自動販売機の硬貨出金口硬貨通路を接続し、その硬貨通路に静電容量式非接触センサである検知センサを配設し、その検知センサに、発振回路バッファ回路電流検知抵抗素子差動増幅器検波回路、A/D変換器、CPU、D/A変換器などを備えて構成されたセンサ制御部を接続し、このセンサ制御部により、硬貨の存在によって発生する静電容量の変化を検知する検知センサの動作を制御するとともに、検知センサの出力信号に応じた検出信号を出力し、センサ出力判定部により、検出信号に基づいて硬貨通路や硬貨出金口に残留する硬貨の存在を判定する硬貨残留検知装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。

先行技術

0004

特許第5434422号公報(第3−4頁、図2図5
特開2012−242978号公報(第3−4頁、図4
特開2009−193090号公報(第5−8頁、図4図7

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1に記載されたように硬貨の検出に磁気センサを用いた従来の硬貨処理装置には、以下のような種々の問題点がある。
すなわち、硬貨処理装置においては、筐体の内部に収納されている複数種類の硬貨が、支払い金額から購入金額を減算した差額分に相等するように組み合わされ、装置に内蔵されたソレノイドが作動して払出口から釣銭が勢い良くコイントレイへ払い出されることにより精算処理が行われる。したがって、通常はプラスチックで形成されているコイントレイの内面は、金属製の硬貨による衝撃傷摩耗によって使用開始から短時間で荒らされる。このため、コイントレイ内へ投入された硬貨がトレイの底面中央部における磁気センサの直上位置ピンポイント的に滑落する、といったことはほとんど無い。

0006

しかも、コイントレイからは繰り返し人の手で硬貨の取り出しが行われるので、トレイの内面には手垢や脂が付着している。また、プラスチック成型品であるコイントレイは、空調機器による空気の強制対流自然対流によっても大きな静電気を帯びるので、空気中の塵や埃りがコイントレイに集められて付着する。これらの手垢や脂、塵埃などの付着も、硬貨がトレイの斜面を滑り難くくしている。このように、表面が荒らされ表面に手垢や脂或いは塵埃が付着したコイントレイの内面を硬貨、特には外形が20mmで厚みが1.5mmであり約1g程度の重さしかないアルミニウムで出来た1円硬貨重力に従って滑り落ち、硬貨と略同一程度の外径しかない水平な底面にピンポイント的に確実に移動することは非常に稀であって普通にはあり得ない。このことが、硬貨の検出に磁気センサを用いた硬貨処理装置を実用化することが難しい要因の1つともなっている。

0007

また、磁気センサは、元々一般的には鉄やニッケルなどの磁性金属体を検出するように作られている。この磁気センサによる金属体の検出は、高周波発振回路を用いて、そのコイルへの金属体の接近に伴って金属体で発生する高周波渦電流損失により発振回路の発振ゲインが減少する、といった原理を利用している。そして、常時、高周波発振回路の発振ゲインを整流回路(検波回路)で整流した後に平滑化し、平滑化された直流電圧が、コイルに金属体が接近することによって減少することを、コンパレータ回路等を用いて、予め設定された比較電圧と比較し、直流電圧が一定値以上減少したときに金属体の接近信号としてスイッチングし出力するような構成となっている。ところが、日本国内は元より世界的に硬貨の材質としてはアルミニウムや銅あるいは銅合金などの非磁性金属が用いられている。このアルミニウムや銅あるいは銅合金で出来た金属体は、高周波渦電流が発生するが、その電気抵抗が非常に小さいため渦電流損失が非常に小さくなるので、高周波発振回路の発振ゲインの減少を検出することが難しい。このため、磁気センサによって検出されるアルミニウムや銅あるいは銅合金といった非磁性金属で作られた硬貨の検出距離は、同一の大きさ・形状の鉄やニッケル等の磁性金属で作られた硬貨の検出距離の1/2.5〜1/3程度しかなく、磁気センサを硬貨の検出に使用するには信頼性に劣り実用的ではないという問題点があり、硬貨の検出に磁気センサを用いた硬貨処理装置を実用化することができない要因の1つとなっている。

0008

次に、硬貨処理装置の使用環境や状況としては、上記したようにコイントレイはプラスチック成型品で構成されているため、空調機器による空気の強制対流や自然対流だけでもトレイが大きな静電気を帯びるので、空気中の塵や埃りがトレイ付近に集められる。特に、硬貨処理装置が使用される場所が人混みの中であるときは影響が大きく、また、冬場の乾燥した時期には空中に浮遊する塵や埃の量が非常に大量となる。このため、特許文献2に記載されたように光センサを用いて硬貨の検出を行う方式の硬貨処理装置においては、トレイ付近に集められた塵埃が光センサの受光素子や発光素子に付着すると、短期間のうちに光センサが光を通さなくなる。この結果、コイントレイ内に硬貨が無いときにも恰も硬貨が有るような状況の誤動作信号を出力し、光センサがほとんど機能しないという問題点がある。また、コイントレイに集められた塵や埃は、トレイから釣銭が人の手を介して繰り返し取り出されることに伴い、トレイの受光側スリットや発光側スリットの近傍に付着したや手垢あるいは梅雨時の湿気等によって埃や塵が徐々に堆積して固形化される、といったことが生じる。このような場合には、それらの清掃・除去に伴うメンテナンス作業が必要となるが、その作業は非常に面倒であり、また、誤動作の原因調査修理対応を行うフィールドエンジニア人件費用も高額になる、といった問題点がある。

0009

また、特許文献3に記載されたように静電容量方式を利用した硬貨処理装置においても、コイントレイに塵や埃の浮遊物が多量に付着すると、硬貨を介した電極間結合容量検出電極と硬貨間の距離に反比例するので、硬貨検出の検出容量信号が大幅に減衰し、硬貨有無の検出が非常に困難になる、といった問題点がある。

0010

この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、コイントレイを、その底面が硬貨の大きさに比べて十分に広く釣銭を取り出し易い形状としても、硬貨の検出が可能であり、アルミニウム、銅、銅合金等の非磁性金属で作られた硬貨であって、その硬貨との間の距離が比較的大きくても、信頼性の高い硬貨検出が可能であり、空気中の塵や埃りによる影響を全く受けることなく、硬貨の残留の有無を検出することができ、しかも、コイントレイ内の途中傾斜面に停止し残留した硬貨の検出も可能であって、硬貨残留検出センサ部の清掃・メンテナンス作業が不要となるような硬貨処理装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0011

この発明では、上記目的を達成するために、
イ)硬貨の検出のために、塵や埃による影響を受け易い光センサや静電容量式センサを利用しないこととし、
ロ)電気抵抗が小さく高周波渦電流損失の少ないアルミニウム、銅、銅合金等の非磁性金属で作られた硬貨の検出に不向きな磁気センサを用いないこととし、
ハ)硬貨の材質が非磁性金属であっても、そのような硬貨に高周波電磁波を照射して、硬貨内で高周波渦電流を発生させ、その硬貨で発生する渦電流による高周波の電磁波を発振コイルに向けて送信させ、発振コイルがその高周波電磁波を受信することによって発振回路の自己インダクタンスが小さくなり発振回路の発振周波数が高くなる、といった原理を利用して硬貨の検出を行うようにし、
また、
ニ)硬貨検出用の発振コイルと検出される硬貨との間の距離が大きく、しかもコイントレイ内の広い面上にある硬貨を検出することができるように、例えば、硬貨が発振コイルの前面に存在していないときの発振回路の発振周波数を予め計測してメモリ保管し記憶させて、それを基準周波数とし、発振回路の発振周波数が高くなるときの増加量を基準周波数に対し比較することによって硬貨の検出を行うようにした。

0012

すなわち、請求項1に係る発明は、金銭取扱機の硬貨投出口から排出されコイントレイ内に投入された硬貨の残存の有無を検出して人為的な硬貨の取り忘れや取り残しを防止するようにした硬貨処理装置において、LC発振回路の発振コイルの周囲を、検出面となる側面を残して磁気シールドし、その発振コイルを、検出面となる側面が前記コイントレイの底面部に対向するように配設して構成され、前記発振コイルから前記コイントレイの底面部に向けて高周波の電磁波を常時照射する硬貨残留検出センサ部と、前記LC発振回路の基準周波数を記憶するメモリを有し、前記LC発振回路の発振周波数を逐次計測して、その計測された発振周波数を、前記メモリに記憶された基準周波数と比較し、前記コイントレイ内に硬貨が残存しているときに、その硬貨内で発生する渦電流によって生じる電磁波が前記発振コイルに反射結合されることによって上昇するLC発振回路の発振周波数が、基準周波数に対してプログラム設定された値以上に高くなったかどうかを判別して、LC発振回路の発振周波数が基準周波数に対して設定値以上に高くなったときに硬貨の残存信号を出力するマイクロコンピュータと、を備えたことを特徴とする。

0013

請求項2に係る発明は、請求項1に記載の硬貨処理装置において、コイントレイ内に硬貨が残存していないときに計測されるLC発振回路の発振周波数をメモリに記憶して、それを基準周波数とすることを特徴とする。

0014

請求項3に係る発明は、請求項2に記載の硬貨処理装置において、マイクロコンピュータにより、コイントレイ内に硬貨が残存していることによって上昇するLC発振回路の発振周波数が、メモリに記憶された基準周波数に対してその0.02%の周波数値以上に高くなったことが判別されて硬貨の残存信号が出力されるようにしたことを特徴とする。

0015

請求項4に係る発明は、請求項2または請求項3に記載の硬貨処理装置において、コイントレイ内に硬貨が残存していないことが人為的に確認されマイクロコンピュータに電源が投入されて電圧が印加され電子ハード回路で自動的に電源リセット掛けられプログラムスタートパラメータ等の初期設定が完了して作動開始初期に1回計測されるLC発振回路の発振周波数をメモリに記憶して、それを基準周波数とすることを特徴とする。

0016

請求項5に係る発明は、請求項2または請求項3に記載の硬貨処理装置において、マイクロコンピュータの電源がリセットされた後の作動開始初期において所定の時間間隔で2回以上計測されるLC発振回路の発振周波数を平均値化した周波数をメモリに記憶して、それを基準周波数とすることを特徴とする。

0017

請求項6に係る発明は、請求項2または請求項3に記載の硬貨処理装置において、プログラムがメインルーチンを通過するごとに計測されるLC発振回路の発振周波数が、その時点においてメモリに記憶されている基準周波数に対して所定範囲内のばらつきがあるときに、新しく計測された発振周波数とメモリに記憶されている基準周波数との平均値を演算し、その平均値の周波数を基準周波数として、それまでメモリに記憶されていた基準周波数と入れ替え、メモリに記憶される基準周波数が繰り返し更新されるようにしたことを特徴とする。

0018

請求項7に係る発明は、請求項1に記載の硬貨処理装置において、予め設定入力された固定値の発振周波数をメモリに記憶して、それを基準周波数とすることを特徴とする。

0019

請求項8に係る発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の硬貨処理装置において、LC発振回路の発振動作が停止したときに、それを検知してコイントレイ内における硬貨の残存の有無を検出することができないことを報知するための信号を出力する報知手段を備えたことを特徴とする。

発明の効果

0020

請求項1に係る発明の硬貨処理装置においては、硬貨残留検出センサ部の発振コイルからコイントレイの底面部に向けて高周波の電磁波が照射され、コイントレイ内に硬貨が残存していると、発振コイルから照射された高周波の電磁波を硬貨が受けて、硬貨内で渦電流が発生し、その硬貨内で発生した渦電流によって生じる電磁波と発振コイル自体による電磁波とが高周波的に結合される。このとき、発振コイルによって発生する電磁波と硬貨内の渦電流によって発生する電磁波とは、電気的に位相が180°ずれているため、硬貨から送信されて発振コイルが受信する高周波電磁波の量に応じて、LC発振回路の自己インダクタンスは見掛け上小さくなる。このLC発振回路の自己インダクタンスの減少量に従って、LC発振回路の発振周波数が上昇する。そして、マイクロコンピュータにおいて、LC発振回路の発振周波数が逐次計測され、その計測された発振周波数が、メモリに記憶された基準周波数と比較され、LC発振回路の発振周波数が、基準周波数に対してプログラム設定された値以上に高くなったかどうかが判別され、LC発振回路の発振周波数が基準周波数に対して設定値以上に高くなったときに硬貨の残存信号が出力される。このようにして、金銭取扱機の硬貨投出口から排出されコイントレイ内に投入された硬貨の残存の有無が検出される。

0021

したがって、この硬貨処理装置を使用すると、コイントレイを、その底面が硬貨の大きさに比べて十分に広く釣銭を取り出し易い形状としても、また、アルミニウム、銅、銅合金等の非磁性金属で作られた硬貨であって、その硬貨との間の距離が比較的大きくても、コイントレイ内に残存した硬貨を高い信頼性で検出することができ、光センサや静電容量式センサを用いないので、空気中の塵や埃りによる影響を全く受けることなく硬貨の残留の有無を検出することができ、コイントレイ内の途中傾斜面に停止し残留した硬貨の検出も可能である。そして、この硬貨処理装置では、硬貨残留検出センサ部の清掃・メンテナンス作業が不要となる。

0022

請求項2に係る発明の硬貨処理装置では、コイントレイ内に硬貨が残存していないときに計測されるLC発振回路の発振周波数が基準周波数とされ、逐次計測されるLC発振回路の発振周波数と基準周波数とが比較されることにより、コイントレイ内の硬貨の残存の有無が確実に検出される。

0023

請求項3に係る発明の硬貨処理装置では、逐次計測されるLC発振回路の発振周波数が、コイントレイ内に硬貨が残存していないときにLC発振回路の発振周波数が計測されてメモリに記憶された基準周波数に対してその0.02%の周波数値以上に高くなったときに硬貨の残存信号が出力されるので、一般的に使用されているコイントレイの大きさや内面側面積に対して、我が国で最も小さい貨幣である1円硬貨(直径20mm×厚み1.5mmのアルミニウム製硬貨)を十分に信頼性高く検出することが可能である。

0024

請求項4に係る発明の硬貨処理装置では、逐次計測されるLC発振回路の発振周波数と、コイントレイ内に硬貨が残存していないことが確認されてマイクロコンピュータの作動開始初期にLC発振回路の発振周波数が計測されてメモリに記憶された基準周波数とが比較されることにより、コイントレイ内の硬貨の残存の有無が確実に検出される。

0025

請求項5に係る発明の硬貨処理装置では、逐次計測されるLC発振回路の発振周波数と比較される基準周波数が、コイントレイ内に硬貨が残存していない状態において所定の時間間隔で2回以上計測されるLC発振回路の発振周波数を平均値化した周波数とされるので、電気ノイズ等による発振周波数への影響によって誤検出を生じる、といったことを避けることができる。

0026

請求項6に係る発明の硬貨処理装置では、逐次計測されるLC発振回路の発振周波数と比較される基準周波数が繰り返し更新されるので、電源ドリフト周囲温度などの影響を受けることにより、コイントレイ内に硬貨が残存していない状態における発振周波数が徐々に変化して、メモリに記憶された基準周波数からずれ、誤って硬貨検出信号を出力する、といったことを避けることができる。

0027

請求項7に係る発明の硬貨処理装置では、予め設定入力された固定値の発振周波数が基準周波数とされるので、硬貨残存の有無の検出のために必要なROMやRAMの容量を少なくして装置コストを安価にすることができ、コイントレイ内に硬貨が残存していないときのLC発振回路の発振周波数の測定やその平均値化等の演算処理を省くことができる。

0028

請求項8に係る発明の硬貨処理装置では、LC発振回路の発振動作が停止したときにコイントレイ内における硬貨の検出機能が働いていないことが報知されて注意喚起されるので、機器の信頼性が高まる。

図面の簡単な説明

0029

この発明の実施形態の1例を示し、硬貨処理装置のコイントレイに硬貨残留検出センサ部が設けられた硬貨払出ユニット外観斜視図である。
図1に示した硬貨払出ユニットの構成を示す縦断面図である。
図1および図2に示した硬貨払出ユニットをコイントレイと硬貨残留検出センサ部とに分離して示す斜視図である。
LC発振回路の発振コイルに用いられるコイルボビンの1例を示す斜視図である。
LC発振回路の発振コイルを磁気シールドするフェライトポットコアの1例を示し、(a)が表側から見た斜視図であり、(b)が裏側から見た斜視図である。
LC発振回路の発振コイルを磁気シールドするフェライト製ポットコアの漏れ磁束対策を行うための電磁シールド板の1例を示し、(a)が平面図であり、(b)が側面図である。
この発明の実施形態に係る硬貨処理装置の回路構成の1例を示すブロック図である。
この発明の実施形態に係る硬貨処理装置における、コイントレイ内の硬貨の残存を検出するためのプログラムの1例を示すフローチャートである。
図1および図2に示した硬貨払出ユニットにおいて、1円硬貨が硬貨残留検出センサ部の検出面に対して30°傾いた姿勢で発振コイルに接近する場合に、LC発振回路の発振周波数が基準周波数に対して0.02%および0.04%だけ高くなるときの位置の変化曲線を示すグラフである。
図1および図2に示した硬貨払出ユニットにおいて、コイントレイ内における1円硬貨の位置・姿勢の変化を説明するための模式図である。
この発明の実施形態に係る硬貨処理装置における、コイントレイ内の硬貨の残存を検出するためのプログラムの別の例を示すフローチャートである。
この発明の実施形態に係る硬貨処理装置における、コイントレイ内の硬貨の残存を検出するためのプログラムのさらに別の例を示すフローチャートである。
この発明の実施形態に係る硬貨処理装置における、コイントレイ内の硬貨の残存を検出するためのプログラムのさらに別の例を示すフローチャートである。
この発明の実施形態に係る硬貨処理装置における、LC発振回路が停止したときにその報知信号を出力するためのプログラムの1例を示すフローチャートである。

実施例

0030

以下、この発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
この硬貨処理装置、例えば釣銭払出装置は、図1に外観斜視図を、図2に縦断面図を、図3に分離斜視図をそれぞれ示すように、コイントレイ10と硬貨(釣銭)残留検出センサ部12とからなる硬貨払出ユニットを備えて構成されている。

0031

コイントレイ10は、比較的広い面積を有する水平な底面部14、前方側張り出して湾曲した斜面部16、および、硬貨払出口20が形設された垂直な背面部18によって構成されている。このコイントレイ10は、自動販売機等の金銭取扱機本体(図示せず)に背面部18を複数個取付ねじ22で螺着することにより取り付けられる。

0032

硬貨残留検出センサ部12は、コイントレイ10の底面部14に連接して、その下部に取付ねじ24で一体的に取着されている。この硬貨残留検出センサ部12は、円筒状をなし下方開口面がカバー28によって閉塞されたケーシング26の内部に、LC発振回路30の発振コイル32(図7参照)を収納して構成されている。発振コイル32は、図4に斜視図を示すような形状のコイルボビン34にコイル線を巻いて構成されており、コイルボビン34にコイル線引出口36が形設されている。この発振コイル32は、図5の(a)に表側から見た斜視図を、(b)に裏側から見た斜視図を示すような形状のポットコア38に収納されている。ポットコア38は、フェライトで形成されている。したがって、発振コイル32は、その一側面を残して磁気シールドされており、これによって選択度Qの低下や外部から誘導される電磁波の影響が防止されるようにしている。そして、このように一側面を残して外周面および背面(下面)が磁気シールドされた発振コイル32は、磁気シールドされていない一側面が検出面となるように、コイントレイ10の底面部14に対向して配設される。また、硬貨残留検出センサ部12のケーシング26の内部には、取付ビス44で固定されたプリント基板42が配設され、その下部に回路パーツ46が配置されて、下部側面に接続コネクタ48が設けられている。

0033

ここで、実際の硬貨処理装置の製造においては、大きな形状のコイントレイの一部に硬貨残留検出センサ部が設けられるので、コイントレイと硬貨残留検出センサ部とを一体的に製造すると生産性が非常に悪くなり、また、長期間の使用におけるMTBF等の問題の発生は、半導体を多く使用する硬貨残留検出センサ部12ではその半導体に起因することが多い。これらのことを考慮し、生産性を向上させて製造コストを安価にし、また、メンテナンスビリティを容易にして長期間の使用に耐え得るようにするために、図1ないし図3に示すように、コイントレイ10と硬貨残留検出センサ部12とを分離し、コイントレイ10の底面部14下方に硬貨残留検出センサ部12を取り付け、硬貨残留検出センサ部12の発振コイル32がコイントレイ10の底面部14に対向するようにすると、より利便性が向上することととなる。

0034

また、POSレジスタ等を金属製のの上に設置して使用する場合が多いが、その場合には、硬貨残留の検出動作が金属で出来た机の影響を受ける場合がある。このような影響を無くすため、図6の(a)に平面図を、(b)に側面図を示すように、ポットコア38の裏面形状に合わせて銅製の薄板により形成された電磁シールド板40を、その片面側に塗布された粘着剤を介してポットコア38の裏面側(検出面の反対側)に貼り付けることにより、フェライトから漏れた高周波を導電体シールドするようにしてもよい。

0035

硬貨残留検出センサ部12の発振コイル32は、図7にブロック図を示すように、LC発振回路30の発振コイルを成すものである。LC発振回路30は、波形整形用シュミットトリガ回路U1を介してマイクロコンピュータ50に接続されている。マイクロコンピュータ50は、所定のプログラムや後述するLC発振回路30の基準周波数を記憶するメモリ52を備えている。そして、マイクロコンピュータ50においては、LC発振回路30の発振周波数が逐次計測されて、その計測された発振周波数が、メモリ52に記憶された基準周波数と比較され、後述するような所定の演算処理が行われて、出力部から信号出力パワートランジスタQPを介して適宜信号が出力される。図7中の符号OS1は精密な発振子であり、CSおよびRSは、リセット時間設定用積分コンデンサおよび充電抵抗、DSは積分コンデンサの急速放電用ダイオードであり、また、VCCは直流電源電圧を示す。これらの機能・動作については後述する。

0036

次に、この硬貨処理装置において、自動販売機、POSレジスタ等の金銭取扱機の硬貨投出口から排出されコイントレイ10内に投入された硬貨(釣銭)の残存の有無を検出する処理動作検出原理について具体的に説明する。
自動販売機やPOSレジスタなどにおいて、利用者から支払われた金額が購入金額の合計より多いと、その差額が自動的に計算されて、複数種類の硬貨が差額分に相等するように組み合わされ、ソレノイドが作動し、複数枚の硬貨が釣り銭として硬貨払出口20を通りコイントレイ10へ払い出され返却される。図2に示すように、コイントレイ10内に投入された硬貨C1、C2は、斜面部16内面を滑り落ち、通常は底面部14上に落下して水平姿勢の状態で溜まる。

0037

硬貨C1、C2が溜まるコイントレイ10の底面部14下方には、硬貨残留検出センサ部12の発振コイル32が配置されている。この発振コイル32は、図7に示すようにLC発振回路30の発振コイルを成すものであり、LC発振回路30の発振周波数F(Hz)は、発振コイル32のインダクタンスをL(H)、LC発振回路30の発振コンデンサ(図示せず)の容量をC(F)とすると、数1に示す一般計算式で表される。

0038

0039

上記数式で示されるように、発振コイル32は、常に発振コイルのインダクタンスLと発振コンデンサの容量Cの定数で決まる発振周波数Fで発振している。そして、常時発振している発振コイル32からは、硬貨C1、C2が貯留されるコイントレイ10の底面部14に向けて高周波の電磁波φGが照射されている。この高周波の電磁波φGが照射されているコイントレイ10の底面部14上に硬貨Cが存在すると、発振コイル32から照射された高周波の電磁波φGにより、硬貨Cにおいて、照射された電磁波φGの周波数と同一の高周波の渦電流が発生する。硬貨Cは、電気抵抗の少ないアルミニウムや銅あるいは銅合金で出来ているため、硬貨Cで発生した渦電流は、渦電流損失が少ない。この発生した渦電流が硬貨C内を流れることによって再び高周波の電磁波φCIが硬貨Cで発生し、その高周波の電磁波φCIが発振コイル32に向けて反射される。

0040

発振コイル32と硬貨Cは、硬貨Cの大きさや発振コイル32への硬貨Cの接近距離によって影響を受ける結合係数を持っており、高周波の電磁波にて結合されている。そして、発振コイル32から照射される電磁波φGと硬貨Cの渦電流によって発生する電磁波φCIとは、それぞれの位相が電気的に180°ずれている。このため、両者間の相互インダクタンスマイナスとなり、LC発振回路30における自己インダクタンスは、硬貨Cが発振コイル32に接近することにより、硬貨Cが発振コイル32に接近していないときに比べて減少し、LC発振回路30の発振周波数は高くなる。すなわち、硬貨Cの数が多ければ多いほど、また、発振コイル32と硬貨Cとの距離が近ければ近いほど、発振コイル32の自己インダクタンスがより減少し、それに従ってLC発振回路30の発振周波数は高くなる。この発振周波数の変化の程度は、LC発振回路30の発振周波数が高ければ高いほど、硬貨Cの接近による周波数の変化の差が大きくなるが、上記した電気的な原理で周波数が変化するので、発振周波数の変化の比は、発振周波数の大きさに関係なくおよそ一定となる。

0041

LC発振回路30において、硬貨Cの残留量や発振コイル32と硬貨Cとの間の距離によって決まる自己インダクタンスによる周波数での発振を継続する。そして、そのときの発振周波数がどれだけ高くなったかを知るために、その発振周波数を、基準となる発振周波数と比較する必要がある。この基準周波数として、コイントレイ10内に硬貨が無いときの発振周波数を用いるようにする。すなわち、予めコイントレイ10内に硬貨が残存していないときの発振周波数を計測しておき、その計測値をメモリ52に入力し、メモリ52に比較用の基準周波数として保管し記憶しておく。このメモリ52に記憶された基準周波数の値と常時発振している周波数とを比較することにより、逐次計測される発振周波数が高くなったときにその増加量を検出し、その増加量が基準周波数に対して設定値以上に大きくなった場合に硬貨の検出信号とする。

0042

図8に示す冗長的機能部を除いたフローチャートに基づいて、この硬貨処理装置における硬貨検出のための処理動作について説明する。
この硬貨処理装置を使用するときには、コイントレイ10内に硬貨が残存していないことを必ず確認してから商用電源を投入する。これにより、図7に示した検出センサ回路に所定のDC電源電圧VCCが印加される。

0043

検出センサ回路に電源電圧が印加されると、LC発振回路30は発振を開始する。マイクロコンピュータ50は、それが機能する前に先ず、電源電圧VCCがリセット用の充電抵抗RSを介して積分コンデンサCSに印加され充電が開始される。この積分コンデンサCSの電圧が一定の電圧値になるまでは、マイクロコンピュータ50にはハードリセットが掛けられ、プログラムのスタートを待機する。積分コンデンサCSの電圧が所定の電圧値になると、マイクロコンピュータ50はリセットが解除され、プログラムがその機能を開始する。

0044

LC発振回路30の発振コイル32の発振によって高周波の電磁波φGが発生し、その電磁波φGがコイントレイ10の底面部14に向けて照射される。このとき、コイントレイ10内に硬貨が存在しないことを確認した上で電源を投入しているため、その発振周波数F(Hz)は、発振コイル32のインダクタンスL(H)と発振コンデンサの容量C(F)の定数によって決まり、発振コイル32は、数1に示す数式で表された発振周波数Fで発振する。

0045

0046

発振コイル32は正弦波で発振しているので、電圧波形の単位時間当たりの立上りおよび立下り電圧、すなわちdV/dTの値が小さく、このため、LC発振回路30からの電圧信号を直接に、CMOSで構成されたマイクロコンピュータ50への周波数計測用信号として入力するのは適当でない。そこで、発振コイル32の発振波形の信号は、シュミット・トリガ回路U1を介して立上り・立下りの急激な矩形波の信号に加工されてマイクロコンピュータ50に入力される。一方、マイクロコンピュータ50は、電源リセットが終了すると、システム命令通りに機能させるためパラメータ等の初期設定が行われ、硬貨が存在しないことを示す信号Lを出力した後、コイントレイ10内に硬貨が無い状態における発振周波数F1を計測して、その発振周波数F1を基準周波数FCとしてメモリ52に保管して記憶する。

0047

発振周波数の計測の仕方について、具体的に説明する。
例えば、LC発振回路30が一定の周波数で発振している場合、1秒間待ってその間の発振周波数の計測を行ったのでは、計測に時間が掛かり過ぎてプログラム上実用的ではない。そこで、発振周波数を短時間で高精度に計測するために、この検出センサ回路においては、指定されたサイクル数に要する時間を、精度が高くLC発振回路30の発振周波数より一桁以上高い周波数の発振子OS1で作られたクロック数を用いて精密に計数した後、それを周波数に換算するようにしている。例えば200,000Hzの発振周波数を計測する場合に、およそ0.1秒の時間を要する20,000サイクルをプログラムで指定して計測することとする。まず、20,000,000Hzの発振子OS1を用いて分周を行うことにより、5,000,000Hzのクロックを作る。この5,000,000Hzのクロックで計数すると、上記した20,000サイクルは500,000パルスのクロックに相当することとなり、発振周波数の1サイクルは25パルスのクロック数となる。ここで、発振周波数が0.02%の40Hzだけ上昇して200,040Hzに変化した場合において、上記したようにプログラムで指定された20,000サイクルの発振周波数を計測すると、クロックパルス数は499,920となり、およそ0.1秒間に4Hz上昇する発振周波数の変化を、その25倍の100パルスの減少分の変化として取り出すことができる。このようにクロック数で計数された時間をマイクロコンピュータ50で演算し、発振周波数に変換してメモリ52に保管し、硬貨の残存検出が行われる。したがって、短時間での計測にも拘らず、小数点以下の発振周波数の変化も計測することができるようにしている。

0048

コイントレイ10内に硬貨が存在しない状態における発振周波数F1を、上記したようにして計測し、その発振周波数F1を基準周波数FCとしてメモリ52に保管して記憶した後、コイントレイ10に払い出された硬貨が残留しているかどうかを検出するために、LC発振回路30の発振周波数FDを上記と同様にして計測し、発振周波数FDの変化をプログラムフローに従って常時監視する。この周波数変化監視中に発振周波数FDが高くなると、プログラムで指定された一定サイクル数の計測時間が短くなる。この短くなった時間を周波数の増加量に換算した後、メモリ52に保管された基準周波数FCと比較し、演算された周波数が、基準周波数FCに対してプログラムで指定された周波数値D以上に大きくなった(FD≧FC+D)ときに硬貨残留信号Hを出力する。この周波数計測において、外部からの電磁ノイズによる誤動作を避けるために複数回(n回)、計測周波数FDと基準周波数FCとを比較して確認し、発振周波数が高くなった状態が持続されたときに硬貨残留信号Hを出力するようにすることも可能である。

0049

ここで、発振コイル32に金属体が接近することによってLC発振回路30の発振周波数を変化させる直接的な要因は、金属体で発生する渦電流の大きさと接近距離である。そして、接近距離が一定であれば、発振周波数の変化は渦電流の大きさによる影響を受ける。この渦電流の大きさは、接近する金属体の面積による影響を受け、渦電流は、金属体の面積が小さければ小さなほど少なくなり、発振周波数の変化が小さくなる。したがって、一番小さな硬貨についても十分に機能するような検出センサが求められるが、国内に流通する最も小さな硬貨は1円硬貨である。

0050

一般的に市場で使用されているコイントレイ10は、その底面部14がおよそ30mmφの円形状を成している。このようにトレイ底面部14が30mmφの円形状である場合には、硬貨もトレイ底面部14上に集中しやすいので、検出用の発振コイル32の外径も30mmφにすることが最適である。この外径30mmφの発振コイル32を磁気シールドするためのフェライト製ポットコア38は焼結合金で形成されているので、その割れを防止するためには一定の肉厚を必要とし、外径30mmφの発振コイル32を収納するポットコア38の外径は、一般的にはおよそ36mmφとなる。

0051

図9は、コイントレイ10の底面部14が30mmφの円形状であり、発振コイル32の外径が30mmφで、ポットコア38の外径が36mmφである場合において、釣銭不足といったトラブルの原因となる硬貨のうちで一番多い1円硬貨Cがトレイ底面に対して30°傾いた姿勢であるときに、LC発振回路30の発振周波数の変化率が0.02%および0.04%となる1円硬貨Cの位置曲線を示す。ここでいう変化率とは、周波数の増加量を基準周波数で除したもので、変化率=〔(計測された発振周波数−基準周波数)÷基準周波数〕×100である。図9において、×は、発振周波数が0.04%上昇するときの、トレイ底面に対して30°傾いた姿勢の1円硬貨Cの底面エッジ位置ポイントP(●部位)をそれぞれ示し、○は、発振周波数が0.02%上昇するときの、トレイ底面に対して30°傾いた姿勢の1円硬貨Cの底面エッジの位置ポイントP(●部位)をそれぞれ示す。この図9は、トレイ底面に対して30°傾いた姿勢の1円硬貨Cの底面エッジの位置ポイントPが、×で示した位置を繋いだ曲線より下方にあるときに、発振周波数が0.04%以上に上昇することを示し、トレイ底面に対して30°傾いた姿勢の1円硬貨Cの底面エッジの位置ポイントPが、○で示した位置を繋いだ曲線より下方にあるときに、発振周波数が0.02%以上に上昇することを示している。したがって、1円硬貨Cがコイントレイ10内で、図10の(a)に示す位置・姿勢にあるときに、発振周波数が0.02%だけ上昇したとすると、図10の(b)、(c)および(d)にそれぞれ示す各位置・姿勢にある1円硬貨Cについては、発振周波数が0.02%より大きな値に上昇することとなる。

0052

市場で主に用いられている一般的なコイントレイ10は、図1図2に示すように、深さがおよそ45mmで、底面部14がおよそ30mmφの円形状、上方の取出し開口部がおよそ100mm×100mmであって、硬貨を取り出し易いような曲面に形成されたプラスチック成型品であり、その厚みはおよそ2.5mmである。図2に示したように、釣銭として払い出された硬貨C1がコイントレイ10の底面部14上に水平姿勢で残留する場合には、硬貨の検出も容易であり、釣銭の取残しといったトラブルも少ない。一方、主にコイントレイ10の底面部14に近い斜面部16に残留する硬貨C2や、図9に示したように斜面部16上に残留する硬貨Cについては、取残しの機会が多くまた釣銭不足のトラブルも多い。この底面部14に近い斜面部16や斜面部16上に残留する釣銭をスムーズに取り出し易くするために、コイントレイ10の内側面が曲面とされている。このため、底面部14に近い斜面部16や斜面部16上の硬貨Cは、トレイ底面に対しておよそ30°の勾配をもって残留している。したがって、図9および上記した説明からも分かるように、コイントレイ10内に残留する硬貨Cを常に検出することができるようにするためには、プログラムで設定される発振周波数の変化(増加量)を、安全率をみて基準周波数に対して0.02%の周波数値以上とすることが好ましい。そこで、この硬貨処理装置では、検出センサ回路の機能を満足させるために、基準周波数に対してその0.02%以上に発振周波数が上昇したときに硬貨残留信号を出力するように設定される。

0053

この場合において、マイクロコンピュータ50に内蔵されているCRクロック回路を用いてクロックパルス数を計数し、それを周波数に変換する、といった方法では、上記したような0.02%といった発振周波数の微小な変化を高精度に演算計測することは困難である。このため、この検出センサ回路では、上記で詳しく説明したように、精度の高い安定した周波数を持つ精密な発振子OS1を用い、周波数分周した高精度のクロックで計数して発振周波数の計測を行うようにする。

0054

また、硬貨処理装置においては、その設置場所や使用上の条件などによって硬貨検出時の信頼性に大きな影響を与える場合も多い。例えば冬場の乾燥した時期にPOSレジスタのレジ係員化繊毛織物衣服を着用して活発な作業を行う場合に、人体は数万ボルトの静電気を帯び、また、釣銭用の硬貨は、プラスチックで出来た硬貨処理装置の内部を、摩擦や衝撃を受けながら移動することにより大きな電圧の静電気を帯びて、検出用の発振コイル32の近辺放電する。また、コイントレイ10の近傍に位置している釣銭払出し用のソレノイドが作動するときに、ソレノイドからは非常に大きな電磁波パルスノイズが発生し、そのノイズが発振コイル32に入力される。そして、偶々マイクロコンピュータ50が基準周波数を計測しているタイミングで、静電気が、硬貨残留検出センサ部12の直上に位置するコイントレイ10に放電してノズルを発生したり、ソレノイドから電磁波ノイズが発生したりすると、非常に稀なことではあるが、計測されメモリ52に保管された基準周波数が真正値とは異なって高い値となる。この結果、その基準周波数に基づいて硬貨の検出を行ったときに、コイントレイ10内に硬貨が残留しているのにも拘らずそれを検出することができない、といった誤動作を生じる原因となる。

0055

これらの問題を避けるためには、コイントレイ10内に硬貨が存在していないときの発振周波数を複数回計測し、複数の計測周波数の平均値を算出し、その平均値をメモリ52に保管し、メモリ52の記憶された周波数の平均値を基準周波数として用いるようにするとよい。例えば、図11に冗長的な機能部を除いたフローチャートを示すように、コイントレイ10内に硬貨が残存していない状態で1回目の発振周波数F1の計測を行い、その計測時点からの経過時間Tがプログラム設定された時間値Sに達した時(T≧S)に、2回目の発振周波数F2の計測を行って、その2つの周波数値F1、F2の平均値〔(F1+F2)÷2〕を算出し、その平均値FCを基準周波数FCとしてメモリ52に保管して記憶する。そして、この基準周波数FCを用い、図8にフローチャートを示した上記説明と同様のプログラムにより、コイントレイ10内に硬貨が残留していないかどうかの検出を行うようにする。

0056

また、一般的にコイントレイを持った硬貨処理装置は様々な環境で使用されるが、その環境条件が発振周波数の計測に対して影響を与える。例えば、夏場湿度が高い場所に硬貨処理装置が設置されている場合、空調機器が完全に機能して除湿が行われるまでは、湿気が検出用のLC発振回路30の発振コイル32にも侵入する。発振コイル32に侵入した湿気は、その比誘電率εsが大きいので、発振コイル32の巻き線間分布容量を非常に大きくする。発振コイル32の巻き線間の分布容量が大きくなると、LC発振回路30の容量分が増えるため、発振周波数が低くなる。一方、周囲環境の除湿が完了すると、発振コイル32の巻き線間の分布容量はそれまでより小さくなり、発振コイル32の巻き線間容量が減少するため、発振周波数が上昇する。湿度以外にも、周囲環境としての温度が同様に発振周波数に影響を及ぼす。その物理的な要因としては、温度の上下による巻き線用線材膨張収縮に伴う巻き線間の圧力によって巻き線間分布容量が変化し、また、LC発振回路30に用いられている発振トランジスタのパラメータの変化に伴っても発振周波数が影響を受ける。特に0.02%程度の発振周波数の変化により硬貨の有無を検出する高感度の検出センサにおいては、それらによる影響を無視することはできない。

0057

上記したような環境条件による影響を無くすためには、電源投入後にコイントレイ10内に硬貨が存在しないことを確認した後に、複数回計測された発振周波数を平均値化し、その平均値を基準周波数としてメモリ52に保管し、その基準周波数とプログラムのルーチンに従って常時硬貨の有無を監視するために計測される発振周波数とを比較して、硬貨有無の判別を行うようにする。この硬貨有無の判別のために計測された発振周波数が、硬貨の残留を示すほどの周波数上昇が無く、メモリ52に保管された基準周波数との差が僅かである場合には、その計測された発振周波数とメモリ52に保管されていた基準周波数とで演算を行って平均値を算出し、算出された平均値を、メモリ52に保管されていた基準周波数と入れ替え、新しい基準周波数としてメモリ52に保管し記憶するようにする。このようにすることにより、プログラムが一巡する毎に基準周波数が修正され、硬貨残留の誤検出が防止される。

0058

例えば、図12に冗長的な機能部を除外したフローチャートを示すように、コイントレイ10内に硬貨が残存していない状態で発振コイル32が発振しているときに、1回目の発振周波数F1の計測を行い、その計測時点からプログラム設定された時間Sが経過した時(T≧S)に、2回目の発振周波数F2の計測を行う。そして、2回目の発振周波数F2が1回目の発振周波数F1に対して所定の範囲(±A)内であることを確認した上で、2つの周波数値F1、F2の平均値〔(F1+F2)÷2〕を算出し、その平均値FCを基準周波数FCとしてメモリ52に保管して記憶する。その後、発振コイル32が発振している状態でプログラム設定された時間Sが経過した時(T≧S)に、発振周波数FNを計測し、計測された発振周波数FNが基準周波数FCに対して、プログラムで硬貨残留信号用に設定された所定の周波数値D以上に大きく上昇し(FN≧FC+D)、所定の時間間隔Sでn回、発振周波数FNを計測して計測周波数FNと基準周波数FCとを比較し、計測された発振周波数FNが基準周波数FCに対して所定の周波数値D以上に高くなった状態が持続されたときに硬貨残留信号Hを出力する。

0059

一方、基準周波数FCに対する計測周波数FNの変化が小さくて、基準周波数補正用としてプログラムで設定された所定の範囲GM内で周波数が減少し(FN≧FC−GM)、プログラム設定された所定の範囲GP(GP<D)内で周波数が上昇する(FN≦FC+GP)ときは、それまでメモリ52に記憶されていた基準周波数FCと計測周波数FNとの平均値〔(FC+FN)÷2〕を算出し、その平均値を新たな基準周波数FCとしてメモリ52に保管するようにして基準周波数を入れ替えるようにする。そして、計測された発振周波数FNが基準周波数FCに対して所定範囲GMを超えて減少し(FN<FC−GM)、また、所定範囲GPを超えてかつ所定の周波数値Dより小さく上昇する(FC+D>FN>FC+GP)ときは、発振周波数FNの変化は無視される。

0060

上記した平均値を演算するフローチャートでは、2回の計測周波数値の単純平均を算出する例を示しているが、ROMやRAMの容量に余裕があれば、誤検出を避けるために多数回の計測値や色々な方式を用いて平均値化を行うことも可能である。また、図12に示したフローチャートにおいて、所定値以上の周波数の上昇を判別して硬貨の残留を検出するときに、誤動作を避けるためn回の硬貨残留を確認した後に硬貨残留信号Hを出力するようにしているが、ROMやRAMの容量によってはn=1、すなわち1回の硬貨残留を確認するようにして検出信号を出力することでも何ら問題は無く、その場合に当該部分のプログラムをスキップするも可能である。なお、上記した説明において、計測された発振周波数FNの変化が無視される周波数帯は、コイントレイ10に硬貨が打ち出される開始時や釣銭の取出終了間際においてしばしば起こる現象でもある。

0061

次に、装置の製造時に固定値の基準周波数をプログラムで設定して、装置コストを安価にする場合について説明する。
すなわち、硬貨処理装置の生産において、硬貨検出センサに費やす費用比重が高いために、それが安価となるように設計しなければならない場合がある。この場合、硬貨検出センサのコストに大きなウエートを占めるパーツはマイクロコンピュータである。このマイクロコンピュータを安価に製作するためには、マイクロコンピュータを構成するROMやRAMが少なく安価なワンチップマイクロコンピュータを使用する必要が生じてくる。硬貨処理装置に用いられる硬貨検出センサを生産する場合、硬貨がコイントレイに接近していない状態における発振周波数は、LC発振回路に用いるパーツの定数ばらつきを管理するだけでも、或る程度の範囲以内のばらつきに抑えることができる。そのほか、検出センサを生産する場合に、LC発振回路の容量部バリコンを用いて詳細な周波数調整をすることも可能である。発振周波数を詳細に調整することが可能である場合には、その周波数を固定値の基準周波数としてメモリに書き込み保管すると、プログラム上、基準周波数の計測やその計測された発振周波数の、RAMへの書き込み、あるいは、基準周波数を設定するために複数の計測周波数を平均値化する演算等が不要となり、ROMやRAMも容量の少なく安価なワンチップマイクロコンピュータを使用して硬貨検出センサを安価に製作することができる。
図13に、固定値の基準周波数をプログラムで設定して、その設定された固定値の基準周波数FCを用いて、計測された発振周波数FDと基準周波数FCとを比較して硬貨残留の検出を行う場合のフローチャートを示す。

0062

また、この硬貨処理装置を備えたPOSレジスタ等の使用開始時において、釣銭が払い出されるコイントレイにキャシュボックスの鍵や通勤用自動車等の鍵を置いたままで、誤って装置を稼働させる、といったこともある。鍵や鍵を束ねるばね製リング状の金属体は、磁性金属で作られあるいは磁性金属等で鍍金されている場合が多い。ニッケル等の電気抵抗の大きな磁性金属で作られあるいはそれらで鍍金された鍵等がコイントレイに置かれた状態で、発振コイルからコイントレイに向けて高周波の電磁波が照射されると、それらの磁性金属は電気抵抗が高く高周波損失が大きいため、渦電流がそれら磁性金属体内で消費されて発振コイルの選択度Qが低下し、LC発振回路の発振ゲインを維持することができなくなり、発振停止という大きな問題が発生する。

0063

一方、長期間の硬貨処理装置の使用において、発振回路に用いたトランジスタやその他の回路パーツの信頼性上の不良の発生といったことも、稀ではあるが避けることはできない。基本的に、検出用の発振コイルに硬貨が接近することに伴ってLC発振回路の発振周波数が上昇することを利用して硬貨残留の検出信号を出力するような構成となっているので、LC発振回路の発振停止によって硬貨検出センサが全く機能していないにもかかわらずアラームを発生することができない、といったことも起こる。このような問題点を解決するため、プログラムのフローによって発振の停止を監視し、発振が停止するとアラームを発するようなプログラムとするとよい。図14に、冗長的機能部を除き発振の停止を監視するフローチャートの1例を示す。

0064

人手不足による問題の解消や人件費の削減を図る目的で商品の自動販売機化や乗車券入場券等の自動券売機化などが進んでいるが、それに伴ってしばしば起こる釣銭等の硬貨の取り忘れや取り残しといったトラブルを無くすために、この発明に係る硬貨処理装置は、自動販売機、自動券売機、ATM、POSレジスタ、釣銭返却機、両替機等の各種の金銭取扱機に設置されて使用されるものであり、この発明は、広く産業機械などの分野において利用されるものである。

0065

10コイントレイ
12硬貨残留検出センサ部
14 コイントレイの底面部
16 コイントレイの斜面部
20硬貨払出口
26ケーシング
30LC発振回路
32発振コイル
34コイルボビン
38ポットコア
40電磁シールド板
42プリント基板
46回路パーツ
50マイクロコンピュータ
52メモリ
C、C1、C2 硬貨
U1波形整形用シュミット・トリガ回路
QP信号出力用パワートランジスタ
OS1発振子
VCC直流電源電圧
φG 発振コイルから照射される高周波の電磁波
φCI硬貨で生じた渦電流によって発生する高周波の電磁波

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