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技術 取付クリップとそれを用いた被取付物取付構造

出願人 トヨタ自動車株式会社
発明者 山本一人
出願日 2015年3月26日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2015-063982
公開日 2016年10月20日 (3年8ヶ月経過) 公開番号 2016-183718
状態 特許登録済
技術分野 板の接続 挿入ピン・リベット
主要キーワード 回動変形 ロックピン挿入孔 厚み方向外側 工具差 弾性スペーサ ブッシュ部分 非連続状 押し面
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年10月20日)のものです。
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図面 (20)

課題

抜去耐力を向上させた取付クリップとそれを用いた被取付物取付構造の提供。

解決手段

取付クリップ10は、被取付物94をボデーパネル90に取り付けるのに用いられ、頭部22および脚30を有するブッシュ20と、ロックピン50とを有する。ロックピン50は、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fがかかった時にボデーパネル50から取付クリップ10にかかる抜去荷重の反力の一部を受ける荷重受け部52、52A、52B、52Cを有する。ブッシュ20は、ロックピン50が受けた抜去荷重の反力の一部を受ける受圧面26を有する。この取付クリップ10によれば、抜去荷重をブッシュ20とロックピン50の両方で受けることができ、ロックピン50が受け持つ荷重分、取付クリップ10の抜去耐力を向上でき、取付クリップ10が受けることができる抜去荷重を増大できる。

概要

背景

特許文献1は、従来の取付クリップを開示している。従来の取付クリップは、ブッシュロックピンとからなり、ブッシュの脚をボデーパネルクリップ取付孔に差し込んだ後ブッシュの脚の対向部に形成した係止爪間にロックピンを挿入して係止爪の取付クリップ中心軸線側への変位を阻止している。これにより、たとえば、カーテンエアバッグ被取付物)の展開時などのように被取付物から取付クリップに過大な抜去荷重が作用した時の、取付クリップのボデーパネルからの抜け外れを抑制している。

概要

抜去耐力を向上させた取付クリップとそれを用いた被取付物取付構造の提供。取付クリップ10は、被取付物94をボデーパネル90に取り付けるのに用いられ、頭部22および脚30を有するブッシュ20と、ロックピン50とを有する。ロックピン50は、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fがかかった時にボデーパネル50から取付クリップ10にかかる抜去荷重の反力の一部を受ける荷重受け部52、52A、52B、52Cを有する。ブッシュ20は、ロックピン50が受けた抜去荷重の反力の一部を受ける受圧面26を有する。この取付クリップ10によれば、抜去荷重をブッシュ20とロックピン50の両方で受けることができ、ロックピン50が受け持つ荷重分、取付クリップ10の抜去耐力を向上でき、取付クリップ10が受けることができる抜去荷重を増大できる。

目的

本発明の目的は、ブッシュとロックピンとを有する取付クリップにおいて、取付クリップの抜去耐力を向上させた取付クリップと、それを用いた被取付物取付構造を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

被取付物ボデーパネルに取り付けるのに用いられ、頭部および脚からなるブッシュと、ブッシュ内に押し込み可能なロックピンとを有し、ブッシュは脚のクリップ中心軸線を挟んで対向する対向部に設けられた対をなす係止爪を有している取付クリップであって、ロックピンは、被取付物から取付クリップに抜去荷重が作用した時にボデーパネルから取付クリップに作用する前記抜去荷重の反力の一部を受ける荷重受け部を有し、ブッシュは、ロックピンが受けた前記抜去荷重の反力の一部を受ける受圧面を有する、取付クリップ。

請求項2

ブッシュは、受圧面のクリップ中心軸線側の端部で脚内側に延びている部分を除き、前記受圧面を頭部の内側に有する、請求項1記載の取付クリップ。

請求項3

ロックピンは、ロックピンがブッシュ内に挿入された状態でブッシュの脚の側面よりも対をなす係止爪を結ぶ方向と直交する方向に突出するサイド爪を有し、前記荷重受け部が該サイド爪からなる、請求項1または請求項2記載の取付クリップ。

請求項4

ロックピンがブッシュの対をなす係止爪間に挿入された状態で、前記サイド爪は、対をなす係止爪を結ぶ方向と直交する方向に位置し、かつ、係止爪の頭部側端部よりも脚先端側に位置する、請求項3記載の取付クリップ。

請求項5

脚の対向部は一端で頭部に接続し頭部から離れる方向に延びて終わっており、各係止爪は脚の各対向部の外面に一体に形成されており、各係止爪の頭部側の端部は頭部から隔たっており、取付クリップは、被取付物から抜去荷重が作用しボデーパネルに対して取付クリップ前後方向に斜めとなった状態で対をなす係止爪にてボデーパネルに係止する請求項3記載の取付クリップ。

請求項6

被取付物から取付クリップに抜去荷重が作用して取付クリップがボデーパネルに対して斜めになり、対をなす係止爪が頭部からの距離が互いに異なる第1の係止部および第2の係止部でボデーパネルに係止した状態で、第1の係止部はサイド爪よりも頭部側にあり、第2の係止部はサイド爪よりも脚先端側にある、請求項5記載の取付クリップ。

請求項7

サイド爪は、頭部に対向する係止面と、該係止面から頭部側に立ち上がり係止面の根元部を補強する補強リブを有する、請求項3記載の取付クリップ。

請求項8

ブッシュの脚の対向部の内面に、取付クリップ中心軸線側へのサイド爪の変形を抑制する支持面が形成されている、請求項3記載の取付クリップ。

請求項9

ロックピンは、外側にサイド爪が形成された一対のアームと、該一対のアームを該一対のアームの対向方向に回動変形可能に連結する連結部と、該連結部の両側に設けられた工具差込み穴と、を有する請求項3記載の取付クリップ。

請求項10

ブッシュの脚の対向部の内面にガイド面が形成されており、該ガイド面は、ロックピンがブッシュ内の最奥押し込み位置に押し込まれるまでの途中でロックピンに摺動接触して一対のサイド爪をボデーパネルに係合可能な位置まで拡げる傾斜面からなる請求項3記載の取付クリップ。

請求項11

ロックピンは、ロックピンがブッシュに挿入された状態で、対をなす係止爪を結ぶ方向に対応するロックピン部位に形成され、脚の先端方向かつクリップ中心軸線から離れる方向に傾斜する荷重受け面を有し、該荷重受け面が前記荷重受け部となり、ブッシュは、ロックピンの荷重受け面に対向するブッシュ部位に形成された押し面を有しており、該押し面は、取付クリップが被取付物から抜去荷重を受けた時にロックピンを前記荷重受け面にてブッシュの脚の先端方向に押す請求項1または請求項2記載の取付クリップ。

請求項12

脚の対向部は一端で頭部に接続し頭部から離れる方向に延びて終わっており、各係止爪は脚の各対向部の外面に一体に形成されており、各係止爪の頭部側の端部は頭部から隔たっており、押し面が脚の対向部の内面に設けられている、請求項11記載の取付クリップ。

請求項13

対をなす係止爪が結合部で脚の対向部に結合され該結合部を除いて脚から切り離され結合部から頭部に向かって延びて終わっており、押し面が対をなす係止爪の内面に設けられている、請求項11記載の取付クリップ。

請求項14

請求項1−請求項13の何れか1項に記載の取付クリップを用いて、被取付物を長方形クリップ取付孔部位にてボデーパネルに取り付ける被取付物取付構造であって、取付クリップは、対をなす係止爪を結ぶ方向と直交する方向を長方形のクリップ取付孔の長軸方向に向けてボデーパネルに組み付けられており、被取付物から取付クリップに抜去荷重が作用しない通常使用時には、取付クリップはボデーパネルに直交しており、かつボデーパネルのクリップ取付孔の縁部は平坦であり、ボデーパネルのクリップ取付孔の縁部と被取付物のタブは、ブッシュの頭部と対をなす係止爪との間に位置しており、被取付物から取付クリップに抜去荷重が作用した時には、取付クリップはクリップ取付孔の長軸まわりに傾き、かつボデーパネルのクリップ取付孔の周縁部は抜去荷重が作用する側に突出するように塑性変形される、請求項1−請求項13の何れか1項に記載の被取付物取付構造。

技術分野

0001

本発明は、取付クリップおよびそれを用いた被取付物取付構造(被取付物取付構造は被取付物取付装置と云ってもよい、以下、同じ)に関する。被取付物は、たとえばカーテンエアバッグである。

背景技術

0002

特許文献1は、従来の取付クリップを開示している。従来の取付クリップは、ブッシュロックピンとからなり、ブッシュの脚をボデーパネルクリップ取付孔に差し込んだ後ブッシュの脚の対向部に形成した係止爪間にロックピンを挿入して係止爪の取付クリップ中心軸線側への変位を阻止している。これにより、たとえば、カーテンエアバッグ(被取付物)の展開時などのように被取付物から取付クリップに過大な抜去荷重が作用した時の、取付クリップのボデーパネルからの抜け外れを抑制している。

先行技術

0003

特開2014−029409号公報

発明が解決しようとする課題

0004

しかし、従来の取付クリップには、つぎの課題がある。
ロックピンは、被取付物から取付クリップに抜去荷重が作用した時に、係止爪がボデーパネルに押されて取付クリップ中心軸線側に変形するのを抑制するための部品であり、ボデーパネルから取付クリップに作用する抜去荷重を分担する構造になっていない。したがって、被取付物から取付クリップに抜去荷重が作用した場合、その抜去荷重反力は全て係止爪で受けられ、係止爪からブッシュの脚に伝わりブッシュの脚を通してブッシュの頭部で受けられる。脚にかかる負荷が脚の耐力を越えると脚が頭部への付け根部で破断し被取付物がボデーパネルから外れてしまう。脚の破断を抑制するために脚の断面積を増大すると、脚のクリップ取付孔への挿通が困難になるので、取付クリップの抜去耐力を向上させるのに脚の断面積を増大させることには、取付クリップのボデーパネルへの着脱性の上で限界がある。

0005

本発明の目的は、ブッシュとロックピンとを有する取付クリップにおいて、取付クリップの抜去耐力を向上させた取付クリップと、それを用いた被取付物取付構造を提供することにある。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成する本発明の取付クリップとそれを用いた被取付物取付構造は、つぎの態様(構造)をとることができる。なお、括弧付きの符号は図面に現れる部材番号に対応する。

0007

本発明の第1の態様の取付クリップ(10)は、被取付物(94)をボデーパネル(90)に取り付けるのに用いられ、頭部(22)および脚(30)を有するブッシュ(20)と、ブッシュ(20)内に押し込み可能なロックピン(50)とを有する。ブッシュ(20)は、脚(30)の取付クリップ中心軸線(12)を挟んで対向する対向部(32)に設けられた対をなす係止爪(40)を有している。
ロックピン(50)は、被取付物(94)から取付クリップ(10)に抜去荷重(F)が作用した時にボデーパネル(90)から取付クリップ(10)に作用する上記抜去荷重(
F)の反力の一部を受ける荷重受け部(52、52A、52B、52C)を有する。
ブッシュ(20)は、ロックピン(50)が受けた抜去荷重(F)の反力の一部を受ける受圧面(26)を有する。
第1の態様は、後述する本発明の第1、第2、第3実施例に適用可能である。

0008

本発明の第2の態様では、第1の態様において、ブッシュ(20)は、受圧面(26)のクリップ中心軸線(12)側の端部で脚(30)の内側に延びている部分を除き、前記受圧面(26)を頭部(22)の内側に有する。
第2の態様は、後述する本発明の第1、第2、第3実施例に適用可能である。

0009

本発明の第3の態様では、第1または第2の態様において、ロックピン(50)は、ロックピン(50)がブッシュ内に挿入された状態でブッシュ(20)の脚(30)の側面よりも対をなす係止爪(40)を結ぶ方向(Cfr)と直交する方向(Crl)に突出するサイド爪(52A)を有する。上記荷重受け部(52)はサイド爪(52A)からなる。
第3の態様は、本発明の第1実施例に適用される。

0010

本発明の第4の態様では、第3の態様において、ロックピン(50)がブッシュ(20)の対をなす係止爪間に挿入された状態で、サイド爪(52A)は、対をなす係止爪(40)を結ぶ方向(Cfr)と直交する方向(Crl)に位置し、かつ、係止爪(40)の頭部側端部よりも脚先端側に位置する。

0011

本発明の第5の態様では、第3の態様において、脚の対向部(32)は一端で頭部(22)に接続し頭部(22)から離れる方向に延びて終わっている。各係止爪(40)は脚の各対向部(32)の外面に一体に形成されている。各係止爪(40)の端部は頭部(22)から隔たっている。
取付クリップ(10)は、被取付物(94)から抜去荷重(F)が作用した時に、ボデーパネル(90)に対して対をなす係止爪(40)を結ぶ方向(Cfr)に斜めとなった状態で対をなす係止爪(40)にてボデーパネル(90)に係止する。

0012

本発明の第6の態様では、第5の態様において、被取付物(94)から取付クリップ(10)に抜去荷重(F)が作用して取付クリップ(10)がボデーパネル(90)に対して斜めになり、対をなす係止爪(40)が頭部(22)からの距離が互いに異なる第1の係止部(42A)および第2の係止部(44A)でボデーパネル(90)に係止した状態で、第1の係止部(42A)はサイド爪(52A)よりも頭部側にあり、第2の係止部(44A)はサイド爪(52A)よりも脚先端側にある。

0013

本発明の第7の態様では、第3の態様において、サイド爪(52A)は、頭部(22)に対向する係止面(54)と、該係止面(54)から頭部側に立ち上がり係止面(54)の根元部を補強する補強リブ(56)を有する。

0014

本発明の第8の態様では、第3の態様において、ブッシュ(20)の脚(30)の対向部(32)の内面に、取付クリップ中心軸線(12)側へのサイド爪(52A)の変形を規制する支持面(36)が形成されている。

0015

本発明の第9の態様では、第3の態様において、ロックピン(50)は、外側にサイド爪(52A)が形成された一対のアーム(58)と、一対のアーム(58)を一対のアーム(58)の対向方向に回動変形可能に連結する連結部(60)と、連結部(60)の両側に設けられた工具差込み穴(62)と、を有する。

0016

本発明の第10の態様では、第3の態様において、ブッシュ(20)の脚(30)にお
ける対向部(32)の内面にガイド面(28)が形成されている。ガイド面(28)は、ロックピン(50)がブッシュ内の最奥押し込み位置に押し込まれるまでの途中でロックピン(50)に摺動接触してサイド爪(52A)をボデーパネル(90)に係合可能な位置まで拡げる傾斜面からなる。

0017

本発明の第11の態様では、第1または第2の態様において、ロックピン(50)は、ロックピン(50)がブッシュ内に挿入された状態で対をなす係止爪(40)を結ぶ方向(Cfr)に対応するロックピン部位に形成され脚(30)の先端方向かつ取付クリップ中心軸線(12)から離れる方向に傾斜する荷重受け面(52B、52C)を有し、該荷重受け面(52B、52C)が荷重受け部(52)となる。
ブッシュ(20)は、ロックピンの荷重受け面(52B、52C)に対向するブッシュ部位に形成された押し面(48)を有しており、該押し面(48)は、取付クリップ(10)が被取付物(94)から抜去荷重(F)を受けた時にロックピン(50)を荷重受け面(52B、52C)にてブッシュ(20)の脚(30)の先端方向に押す。
第11の態様は、後述する本発明の第2、第3実施例に適用可能である。

0018

本発明の第12の態様では、第11の態様において、脚の対向部(32)は一端で頭部(22)に接続し頭部(22)から離れる方向に延びて終わっている。各係止爪(40)は脚の各対向部(32)の外面に一体に形成されている。各係止爪(40)の頭部側の端部は頭部(22)から隔たっている。
押し面(48)が脚の対向部(32)の内面に設けられている。
第12の態様は、後述する本発明の第2実施例に適用可能である。

0019

本発明の第13の態様では、第11の態様において、対をなす係止爪(40)が結合部(40a)で脚の対向部(32)に結合され該結合部(40a)を除いて脚(30)から切り離され結合部(40a)から頭部(22)に向かって延びて終わっている。押し面(48)が対をなす係止爪(40)の内面に設けられている。

0020

本発明の第14の態様の被取付物取付構造(1)は、第1−第13の態様の何れか1つの取付クリップ(10)を用いて、被取付物(94)を長方形のクリップ取付孔(92)部位にてボデーパネル(90)に取り付ける被取付物取付構造である。
取付クリップ(10)は、対をなす係止爪(40)を結ぶ方向(Cfr)と直交する方向(Crl)を長方形のクリップ取付孔(92)の長軸方向に向けてボデーパネル(90)に組み付けられている。
被取付物(94)から取付クリップ(10)に抜去荷重(F)が作用しない通常使用時には、取付クリップ(10)はボデーパネル(90)に直交しており、かつボデーパネル(90)のクリップ取付孔(92)の縁部は平坦であり、ボデーパネル(90)のクリップ取付孔(92)の縁部と被取付物(94)のタブ(94a)は、ブッシュ(20)の頭部(22)と対をなす係止爪(40)との間に位置している。
被取付物(94)から取付クリップ(10)に抜去荷重(F)が作用した時には、取付クリップ(10)はクリップ取付孔(92)の長軸まわりに傾き、かつボデーパネル(90)のクリップ取付孔(92)の周縁部の少なくとも一部は抜去荷重が作用する側に突出するように塑性変形される。

発明の効果

0021

第1の態様によれば、つぎの効果が得られる。
本発明ではロックピンに荷重受け部を設けてロックピンが抜去荷重の一部を受けるようにしたので、被取付物から取付クリップに抜去荷重が作用した時にその抜去荷重をブッシュとロックピンの両方で受けることができる。その結果、従来よりも、ロックピンが受け持つ荷重分、取付クリップの抜去耐力を向上でき、取付クリップが受けることができる抜去
荷重を増大できる。

0022

第2の態様によれば、ブッシュが頭部の内側に受圧面を有するので、ロックピンが受けた荷重をブッシュの脚を介することなく、あるいはほとんど介することなく、頭部で受けることができる。そのため、ブッシュの脚の負担を軽減でき、ブッシュが脚で破断することを抑制できる。

0023

第3の態様によれば、ロックピンにサイド爪を設けてそれを荷重受け部としたので、ボデーパネルからの抜去荷重反力の一部を、直接、ロックピンで受け、ロックピンで受けた荷重を、ブッシュの脚と係止爪を介することなく、頭部の受圧面で受けることができる。その結果、荷重伝達におけるブッシュの脚と係止爪の負担を低減できる。また、ブッシュの脚と係止爪を介さない分、荷重受け部から受圧面までの荷重伝達ルートを単純化できる。

0024

第4の態様によれば、被取付物から取付クリップに抜去荷重が作用した時に、取付クリップが斜めになってボデーパネルに係止するので、脚に発生する引張力および曲げモーメントを、取付クリップがボデーパネルに直交したままボデーパネルに係止する場合に比べて、低減することができる。その結果、ブッシュが脚で破断することが抑制され、取付クリップの抜去耐力を向上できる。

0025

第5の態様によれば、サイド爪が、対をなす係止爪を結ぶ方向と直交する方向に位置するので、サイド爪がかかるボデーパネル部分が拡開変形に対して抵抗することにより、サイド爪も十分に荷重を受けることができる。また、サイド爪が、対をなす係止爪の頭部側端部より脚先端側に位置するので、被取付物からの抜去荷重が取付クリップに作用して取付クリップがボデーパネルに対して斜めになった時にサイド爪にも負荷がかかり、被取付物から取付クリップに作用する抜去荷重をサイド爪と係止爪とでバランスよく分担して受けることができる。

0026

第6の態様によれば、第1の係止部がサイド爪よりも頭部側にあり、第2の係止部がサイド爪よりも脚先端側にあるので、サイド爪と第1、第2の係止部がボデーパネルからの抜去荷重反力をバランスよく分担して受けることができる。
また、第2の係止部がある側の係止爪がクリップ取付孔のエッジにより削られる時にエネルギが吸収されるので、衝撃荷重による、第2の係止部がある側の係止爪の破断、または第2の係止部がある側の係止爪が形成されている脚の根元部の破断、を抑制できる。

0027

第7の態様によれば、サイド爪の係止面の根元部が補強リブで直接補強されるので、係止面にボデーパネルから抜去荷重反力が作用した時に、サイド爪が係止面の根元部のコーナ部で引張曲げ応力により破断することが抑制される。
また、ボデーパネルが薄板である場合、比較的低い荷重でボデーパネルのクリップ取付孔縁部のうち係止爪が掛かる部分が変形して取付クリップがボデーパネルに対して容易に傾く。しかし、サイド爪に補強リブを設けたため、係止爪がかかる部分と直交する方向で、クリップ取付孔の縁部が補強リブにより拡開される時にクリップ取付孔の縁部が拡開されることに抵抗するため、対をなす係止爪を結ぶ方向における、取付クリップのボデーパネルに対する傾きとボデーパネルの変形が、抑制される。
さらに、取付クリップがボデーパネルに対して傾いていく時、補強リブの外面がクリップ取付孔の内縁部に摩擦をもって滑るので、その時にエネルギが吸収される。その結果、サイド爪の係止面がボデーパネルに衝突する時の速度と衝撃が低減する。

0028

第8の態様によれば、脚の内面にサイド爪を内側から支持する支持面を設けたので、サイド爪に負荷が作用した時にサイド爪がクリップ本体の脚の先端側かつ取付クリップ中心
軸線に近づく側に変形して逃げることが抑制される。その結果、サイド爪は負担すべき抜去荷重を十分に支えることができる。

0029

第9の態様によれば、ロックピンに工具差し込み穴を設けたので、ラジオペンチ状の工具の先端部を取付クリップの工具差し込み穴に差し込み、工具の2つの把手部を間隔が縮小するように握りサイド爪を脚の対向部間に納め、ついで把手部を引くことにより、ロックピンをロックピン挿入孔の所定の位置まで抜き方向に移動させることができる。ロックピンをロックピン挿入孔の所定の位置まで移動させた状態で、ブッシュを手または工具で引くと、対をなすブッシュの係止爪がボデーパネルのクリップ取付孔縁部の内面で押されてクリップ中心線側に変位し、係止爪がクリップ取付孔を通過して容易に取付クリップをボデーパネルから取り外すことができる。これによって、サービス性が向上する。

0030

第10の態様によれば、脚の対向部にガイド面を形成したので、ロックピンをブッシュ内の最終押し込み位置まで押し込む時に、サイド爪をボデーパネルに係合可能な位置まで確実に拡げることができる。

0031

第11の態様によれば、荷重受け部が、ロックピンに形成された、脚の先端方向かつ取付クリップ中心軸線から離れる方向に傾斜する荷重受け面からなるので、被取付物から取付クリップに抜去荷重が作用した時に、ボデーパネルから係止爪に作用する抜去荷重反力による係止爪の変形を利用して荷重受け面を押すことにより、抜去荷重の一部をロックピンの荷重受け面で受けることができる。ロックピンの荷重受け面からブッシュの受圧面までの荷重伝達ルートは、ロックピンを通り、ブッシュの脚を通らないので、ブッシュの脚、とくに脚の根元部での負担が増大することはなく、ブッシュが脚の根元部で破断することが抑制される。

0032

第12の態様によれば、脚に一体に形成され頭部側から脚先端側に延びる係止爪をもつ取付クリップで第11の態様の効果が得られる。

0033

第13の態様によれば、脚への結合部を除いて脚から切り離され脚先端側から頭部側に延びる係止爪をもつ取付クリップで第11の態様の効果が得られる。

0034

第14の態様によれば、抜去耐力を増加させた第1−第13の態様の取付クリップで被取付物をボデーパネルに取り付けたので、被取付物から取付クリップに荷重が作用した時の取付クリップのボデーパネルからの抜け外れを抑制できる。したがって、被取付物取付構造の強度上の信頼性を向上できる。

図面の簡単な説明

0035

本発明の第1実施例に係る取付クリップ、および、該取付クリップを用いた本発明の被取付物取付構造、の正面図である。
図1の取付クリップおよび被取付物取付構造の側面図である。
図1の取付クリップの平面図である。
図1の取付クリップの底面図である。
図1の取付クリップの、5−5線に沿って見た断面図である。
図1の取付クリップの、6−6線に沿って見た断面図である。
図1の取付クリップの、脚をクリップ中心軸線と直交する面で切断して見た(図8の取付クリップの、7−7線に沿って見た)断面図である。
図7の取付クリップの、8−8線に沿って見た断面図である。
図1の取付クリップの、ブッシュ単体の斜視図である。
図1の取付クリップの、外面にサイド爪が形成されたロックピンの一対のアームをアームの先端が互いに接近する方向に連結部まわりに回動させた状態における、ロックピン単体の斜視図である。
図1の取付クリップの、ロックピンの一対のアームをアームの先端が互いに離れる方向に連結部まわりに回動させた状態における、ロックピン単体の斜視図である。
図3の取付クリップの、12−12線に沿って見た断面図である。
図12の取付クリップの、ロックピンの一対のアームをアームの先端が互いに接近する方向に回動させた時の断面図である。
図1の取付クリップの、取付クリップをボデーパネルに組み付けた時における斜視図である。
図1の取付クリップの、取付クリップをボデーパネルから引き抜いた時、または取付クリップをボデーパネルに組み付ける前における斜視図である。
図1の取付クリップの、ロックピンをブッシュに最奥位置まで押し込んだ時におけるブッシュを半割りにした斜視図である。
図1の取付クリップの、ロックピンをブッシュに仮保持位置まで挿入した、または引き抜いた時におけるブッシュを半割りにした斜視図である。
本発明の第2実施例に係る取付クリップと、該取付クリップを用いた本発明の被取付物取付構造の側面視方向に見た断面図である。
図18の取付クリップの、ロックピンを引抜き方向所定位置まで移動させた状態での、側面視方向に見た断面図である。
本発明の第3実施例に係る取付クリップと、該取付クリップを用いた本発明の被取付物取付構造の、側面視方向に見た断面図である。

実施例

0036

本発明の実施例に係る取付クリップ10、および、取付クリップ10を用いて被取付物94を車両のボデーパネル90に取り付けた被取付物取付構造1(符号「1」は、図1図2図18図20に現れる)を、図1図20を参照して説明する。

0037

図1図17は本発明の第1実施例に係り図18および図19は本発明の第2実施例に係わり、図20は本発明の第3実施例に係わる。以下、本発明の第1−第3実施例を、単に第1−第3実施例という。第1−第3実施例にわたって共通する構造部分には、第1−第3実施例にわたって同じ符号を付してある。

0038

図中、Cfrは取付クリップ10の対をなす係止爪を結ぶ方向(対をなす係止爪を結ぶ方向に、すなわち対をなす係止爪にわたって延びる方向に取付クリップ10を見た時の、取付クリップ10の前後方向、以下、取付クリップ前後方向とも云う)を示す。また、Crlは取付クリップ10の対をなす係止爪を結ぶ方向に直交する方向(対をなす係止爪を結ぶ方向に、すなわち対をなす係止爪にわたって延びる方向に取付クリップ10を見た時の、取付クリップ10の前後方向と直交する取付クリップ10の左右方向、以下、取付クリップ左右方向とも云う)を示す。取付クリップ10は取付クリップ前後方向Cfrを車両の左右方向(車両の幅方向)に向け、取付クリップ左右方向Crlを車両の前後方向(車両の長手方向)に向けて、ボデーパネル90にクリップ取付孔92の部位にて取り付けられる。クリップ取付孔92の形状は、たとえば長方形である。図2図18および図20において、Fは、被取付物(たとえば、カーテンエアバッグ)94が膨張、展開する時に被取付物94が取付クリップ10を引っ張る方向を示し、二点鎖線および点線で示したボデーパネル90は、被取付物94が取付クリップ10を引っ張って取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾いた時の、取付クリップ10に対するボデーパネル90の相対位置を示す。実際はボデーパネル90が静止した状態で取付クリップ10が傾くが、図は取付クリップ10が静止した状態でボデーパネル90が傾いた状態で示している。

0039

〔第1実施例〕
まず、第1実施例に係る取付クリップ10と、それを用いた被取付物取付構造1を、その
作用、効果と共に、図1図17を参照して説明する。
図1図2に示すように、取付クリップ10は、被取付物94をボデーパネル90に取り付けるのに用いられる。被取付物94は、たとえば、カーテンエアバッグ(CSAともいう、CSAはCurtain Shield Airbag の略)である。被取付物94は、長方形のクリップ取付孔92の長手方向に延びる。CSAは、車両の側面衝突時またはロールオーバ時に膨張、展開されて乗員の頭部を保護する。被取付物94の膨張、展開時には、被取付物94のタブ94aから取付クリップ10に抜去荷重Fが作用する。また、ボデーパネル90は車両のパネルであり、フロントピラーインナーパネルであってもよいし、ルーフサイドレールのインナーパネルであってもよい。

0040

取付クリップ10は、合成樹脂材料またはその複合材からなる。合成樹脂は、たとえばポリアミド66である。ただし、必要強度を有すれば、ポリアミド66に限定されず、たとえばポリアセタールや、ポリアミド66の複合材であるガラス入りポリアミド66などであってもよい。

0041

図1図2図5および図14に示すように、取付クリップ10は、ブッシュ20と、ブッシュ20とは別体のロックピン50とからなる。ブッシュ20は、頭部22と、頭部22から離れる方向に延びる脚30を有する。頭部22および脚30の取付クリップ10の軸方向と直交する断面の外形は長方形であり、頭部22の長方形は脚30の長方形より大きい。取付クリップ10は、頭部22および脚30の長方形の長軸方向を、クリップ取付孔92の長軸方向と同じ方向に向けてクリップ取付孔92部位に取り付けられる。頭部22は座部22aと座部から脚と反対側に立ち上がる立ち上がり部22bを有する。頭部22には、頭部22を取付クリップの軸方向に貫通するロックピン挿入孔24が設けられる。ロックピン50はロックピン挿入孔24に挿入される。ブッシュ20は、脚30の、取付クリップ中心軸線12を挟んで取付クリップ前後方向Cfrに対向する対向部32に設けられた、対をなす係止爪40を有する。

0042

係止爪40は、取付クリップ10をボデーパネル90に取り付けた時や、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重が作用した時に、ボデーパネル90のクリップ取付孔92の長辺92aの縁に係止できるように、脚30の外面よりも外側(取付クリップ中心軸線12から離れる方向)に突出する部分を含む部分を云う。

0043

第1実施例(図1図17)および第2実施例(図18図19)では、一対の脚の対向部32が頭部22から離れる方向に延びて自由端で終わっており、係止爪40は、対向部32の外面に脚30と一体に設けられる。対向部32の内面がロックピン50に接触可能である。第3実施例(図20)では、係止爪40は、頭部22から離れた部位にある結合部40aで脚30に結合され、頭部22に向かう方向に延びて終わっており、結合部40aを除いて脚30からスリット34により切り離されている。係止爪40の内面がロックピン50に接触可能である。

0044

取付クリップ10をボデーパネル90のクリップ取付孔92に取り付ける時には、取付クリップ10の脚30を被取付物94のタブ94aの孔に通し、脚30をクリップ取付孔92に挿通する。この状態では、ロックピン50はロックピン挿入孔24の最終押し込み位置までは押し込まれておらず、対をなす係止爪40は取付クリップ中心軸線12側に後退可能である。したがって、係止爪40がクリップ取付孔92を通過する時には係止爪40はクリップ取付孔92の内縁で押されて取付クリップ中心軸線12側に弾性的に後退し、クリップ取付孔92を通過できる。係止爪40が脚30の一対の対向部32と共に取付クリップ中心軸線12側に弾性的に後退する場合は、一対の対向部32の後退時の干渉を避けて後退量を大きくするために、図4に示すように、一対の対向部32の内面に一対の対向部32の対向方向に凹凸する凹凸部38を形成し、一方の対向部32の凸部38aと
他方の対向部32の凹部38bとを対向させるようにしてもよい。

0045

係止爪40がクリップ取付孔92を通過すると、係止爪40が元位置に弾性的に復帰する。この状態でロックピン50をロックピン挿入孔24の最終押し込み位置まで押し込む。この時、ロックピン50の先端部が対をなす係止爪40の間の位置に来て、係止爪40は取付クリップ中心軸線12側に弾性的に変位不能となり、取付クリップ10はボデーパネル90から抜け外れ不能となる。

0046

被取付物94がボデーパネル90に取り付けられた時には、被取付物94のタブ94aとボデーパネル90のクリップ取付孔92の周縁部は、係止爪40の頭部側先端と頭部22との間に位置する。タブ94aは、頭部22とボデーパネル90との間に位置する図示略の弾性スペーサによってボデーパネル90に押し付けられている。弾性スペーサはブッシュ20とは別体に形成されてもよいし、あるいはブッシュ20と一体に形成されてもよい。

0047

被取付物94の膨張、展開時など、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用した時には、被取付物94は、座部22aの取付クリップ前後方向Cfrの一端部に、取付クリップ10をボデーパネル90と直交する方向でかつボデーパネル90から離す方向に引張の抜去荷重Fをかける。抜去荷重Fはクリップ中心軸線12からオフセットしているので、脚30の根元部にモーメントが生じる。

0048

ロックピン50は、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用した時に該抜去荷重Fの一部Fa(Fa<F、FaはFと同じ向きでF上にあるベクトル、図示略)を受ける、すなわち、ボデーパネル90から取付クリップ10に作用する抜去荷重反力F(抜去荷重Fと同じ大きさで向きが逆、図示略)の一部Faを受ける、荷重受け部52を有する。荷重受け部52は、第1実施例ではロックピン50に設けたサイド爪52Aである。荷重受け部52は、第2実施例ではロックピン50に設けた荷重受け面52Bであり、第3実施例ではロックピン50に設けた荷重受け面52Cである。

0049

一方、ブッシュ20は、ロックピン50が受けた抜去荷重Fの一部Faを受ける受圧面26を有する。受圧面26は、ロックピンの反挿入方向にいくにしたがって取付クリップ中心軸線12から離れており、ロックピンの反挿入方向に拡がっている。受圧面26は、湾曲した面でもよいし(図5)、取付クリップ中心軸線12に直交する平面であってもよい(図6)。
受圧面26は、クリップ中心軸線12に近い側の端部で脚30の内側に延びる部分を除き、ブッシュ20の頭部22の内側に形成される。受圧面26の、クリップ中心軸線12に近い側の端部は、頭部22の内側より脚先端側に位置していてもよい、すなわち、座部22aの下面(座部22aの脚先端側端面)の取付クリップ軸方向位置よりも脚先端側に位置していてもよい。

0050

図5図6に示すように、ロックピン50は、ロックピン50が最奥押し込み位置までブッシュ内に押し込まれた状態で、ブッシュ20の受圧面26に取付クリップ軸方向に対向するように取付クリップ中心軸線12から離れる方向に膨出する膨出部64と、膨出部64に形成され受圧面26に接触して受圧面26をクリップ軸方向に押圧することが可能な押圧面66と、を有する。ロックピン50が受けた抜去荷重分(抜去荷重Fの一部Fa)は、押圧面66から受圧面26への荷重の伝達により、ブッシュ20に伝達される。

0051

受圧面26の、全面またはほとんど全面が、ブッシュ20の頭部22の内側に形成される場合、ブッシュ20の頭部22は、ロックピン50を通して伝達される抜去荷重Fの一部Faと、脚30の根元部(脚30の頭部22への接続部)を通して伝達される抜去荷重
Fの残部Fb(Fb=F−Fa、FbはFと同じ向きでF上にあるベクトル、図示略)とを受ける。ロックピン50が受けた抜去荷重分Faは、ブッシュ20の脚30を介することなく、ロックピン50自体を通して、ブッシュ20の頭部22に伝達される。

0052

ロックピン50に荷重受け部52を設けたことにより、つぎの作用、効果が得られる。従来は、ロックピンが被取付物から取付クリップに作用する抜去荷重を受けもつことはない。しかし、本発明ではロックピン50に荷重受け部52を設けてロックピン50が抜去荷重Fの一部Faを受けるようにしたので、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用した時にその抜去荷重Fをブッシュ20とロックピン50の両方で受けることができる。その結果、従来よりも、ロックピン50が受け持つ荷重Fa分、ブッシュ20の脚30が受け持つ荷重がFからFbに低減する。逆に、脚30が荷重Fを受けもつ場合には、ロックピン50が受け持つ荷重Fa分、取付クリップ10の抜去耐力を(F+Fa)に向上でき、取付クリップ10が受けることができる抜去荷重Fを増大できる。

0053

また、受圧面26の、全面またはほとんど全面が、ブッシュ20の頭部22の内側に形成されるので、ロックピン50が受けた荷重Faが、ブッシュ20の脚30を介することなくまたはほとんど介することなく、ロックピン自体を通して、頭部22の内側の膨出部64に伝達され、そこからブッシュ20の受圧面26に伝達される。その結果、ブッシュ20の脚30の負担を従来のFからFbに軽減でき、ブッシュ20が、脚根元部で破断することを抑制できる。

0054

以上の本発明の第1実施例の構造とその作用、効果は、後述する本発明の第2、第3実施例にも共通に適用可能である。
本発明の第1実施例に係る取付クリップ10は、さらにつぎの構造とその作用、効果を有する。

0055

図1図2に示すように、ロックピン50は、ロックピン50がブッシュ20内の最奥押し込み位置まで挿入された状態で、脚30の取付クリップ左右方向Crlの側面よりも取付クリップ10の左右方向Crlに突出するサイド爪52Aを有する。サイド爪52Aは第1実施例における荷重受け部52を構成する。

0056

ロックピン50にサイド爪52Aを設けた場合、ボデーパネル90から取付クリップ10に作用する抜去荷重反力Fの一部Faを、直接、ロックピン50で受け、ロックピン50で受けた荷重Faを、ブッシュ20の脚30や係止爪40を介することなく、ロックピン自体を通してブッシュ20の頭部22に伝達でき、頭部22の受圧面26で受けることができる。その結果、荷重伝達における脚30や係止爪40の負担を確実に低減できる。また、ブッシュ20の脚30や係止爪40を介さない分、荷重受け部52から受圧面26までの荷重伝達ルートを単純化できる。後述する第2、第3実施例は荷重伝達ルートに係止爪40を含むので、第1実施例は第2、第3実施例に比べても、係止爪40の負担を低減でき、荷重伝達ルートを単純化できる。

0057

ロックピン50がブッシュ20に挿入され仮保持位置(図13)から最奥押し込み位置(図12)まで押し込まれる途中で、サイド爪52Aが拡げられ、最奥押し込み位置でサイド爪52Aを脚30の取付クリップ左右方向Crlの側面よりも取付クリップ10の左右方向Crlに突出させるために、ブッシュ20の脚30の対向部(取付クリップ前後方向の対向部)32の内面に該内面から内側に突出するガイド面28が形成されている。

0058

ガイド面28は、ロックピン50がブッシュ20内の仮保持位置(図13)から最奥押し込み位置(図12)に押し込まれるまでの途中でロックピン50に摺動接触を開始する位置に設けられる。ガイド面28は、ロックピン50のブッシュ20への挿入方向にかつ
取付クリップ中心軸線12から離れる方向に傾斜する傾斜面からなり、ロックピン50がブッシュ20内に挿入される時に、一対のサイド爪52Aを拡げる。ロックピン50は連結部60まわりに回動可能に連結された一対のアーム58を有し、サイド爪52Aはアーム58の外面にアーム58と一体に形成されている。ブッシュ20に形成されたガイド面28は、ロックピン50がブッシュ20内の最奥押し込み位置に押し込まれる時にアーム58の内面に摺動接触してアーム58を連結部60まわりに回動させ、サイド爪52Aをアーム58と共に取付クリップ左右方向Crlに拡げる。

0059

ロックピン50が仮保持位置(図13)にある時には、一対のサイド爪52A間の距離が狭められた状態にあって、連結部60がその状態に長期間なじんでいると、ロックピン50が押し込まれた時に一対のサイド爪52Aが連結部60の弾性だけで拡がるとはかぎらない。しかし、本発明の第1実施例ではブッシュ20にガイド面28を設けたので、ロックピン50をブッシュ内の最奥押し込み位置まで押し込んだ時に、サイド爪52Aをボデーパネル90に係合可能な位置まで強制的に、したがって確実に、拡げることができる。

0060

図2に示すように、被取付物94の膨張、展開時など、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが働いた時には、取付クリップ10に引張力Fとモーメントがかかるので、取付クリップ10はボデーパネル90に対して傾いてボデーパネル90に係止する。図2は、取付クリップ10が静止状態でボデーパネル90が傾いた状態を示しているが、実際はボデーパネル90が静止状態で取付クリップ10が傾く。

0061

取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾いた状態では、取付クリップ10は、図2に示すように、対をなす係止爪40のうち一方の係止爪40の第1の係止部42Aと他方の係止爪40の第2の係止部44Aでボデーパネル90に係止する。第1の係止部42Aおよび第2の係止部44Aの、頭部22からの距離は互いに異なる。第1の係止部42Aおよび第2の係止部44Aの頭部22からの距離は、取付クリップ10のボデーパネル90に対する傾きによって変化する。

0062

取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾くことにより、取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾かない場合よりも、脚30の根元部(脚の頭部への接続部)30aにかかる曲げモーメントと引張力が大幅に低減され、取付クリップ10の抜去耐力が向上する。詳しくは、取付クリップ10の傾きにかかわらず引張力Fはボデーパネル90に対して直交する方向に働くので、取付クリップ10がボデーパネル90に対して角度A(角度「A」は取付クリップ10の中心軸線12とボデーパネル90のクリップ取付孔92中心での法線とのなす角度、図示略)だけ傾いた時には脚30から引張力Fの作用線までの距離がcos A分低減し、かつ、脚30の軸方向にかかる引張力もcos A分低減する。その結果、脚30の根元部(頭部への接続部)30aにかかる曲げモーメントと引張力が、それぞれ、取付クリップ10がボデーパネル90に直交したままボデーパネル90に係止する場合に比べて、大幅に低減する。その結果、ブッシュ20が脚30の根元部30aで破断することが抑制され、取付クリップ10の抜去耐力が大幅に向上する。
取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾いて係止すること、および、それにより取付クリップ10の抜去耐力が向上することは、後述する第2実施例にも適用可能である。

0063

各係止爪40は、頭部22から脚先端側に隔たっている。各係止爪40は、係止爪40の頭部側端部に位置する頭部側係止部42と、頭部側係止部42から脚先端側に隔たった脚先端側係止部44との、2段係止部を有する。頭部側係止部42は、脚30の外面から脚先端側かつ取付クリップ中心軸線12から離れる方向に傾斜する傾斜面からなる。脚先端側係止部44は、脚30の外面から取付クリップ中心軸線12とほぼ直交する方向に、
取付クリップ中心軸線12から離れる方向に延びる。頭部側係止部42は取付クリップ左右方向Crlに断続していてもよい。

0064

頭部側係止部42の取付クリップ軸方向における強度、剛性は脚先端側係止部44の取付クリップ軸方向における強度、剛性よりも小さく設定されている。頭部側係止部42の取付クリップ軸方向における強度、剛性は、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが働いて取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾いていく時に、ボデーパネル90のクリップ取付孔92のエッジで適宜に削られ、係止部40と脚30に過大な衝撃荷重を与えないようにしてある。一方、脚先端側係止部44はボデーパネル90のクリップ取付孔92のエッジがかかった時にはそれ以上に削られることを防止できるように、すなわち、削れの最終ストッパとして働くことができるように、取付クリップ軸方向における脚先端側係止部44の厚みから決まる十分な強度と剛性が付与されている。

0065

頭部側係止部42およびと脚先端側係止部44と、前述の第1の係止部42Aおよび第2の係止部44Aとの関係はつぎのとおりである。図2に示すように、取付クリップ10がボデーパネル90(図2破線にて示したボデーパネル)に対して任意の傾きをもって斜めになり、取付クリップ10が第1の係止部42Aと第2の係止部44Aとでボデーパネル90に係止した時、第1の係止部42Aは頭部側係止部42かそれより脚先端側にあり、第2の係止部44Aは脚先端側係止部44かそれより頭部側にある。

0066

各係止爪40を2段係止部42、44とすることにより、つぎの効果を得る。すなわち、小さな傾きでは、頭部側係止部42およびその内側の脚30の対向部32の外面部(厚み方向外側部)が削られて、脚30にかかる曲げモーメントと引張力を低減させる。大きな傾きでは、ボデーパネル90が脚先端側係止部44に掛かった時に、脚先端側係止部44とその内側の脚対向部32の外面部(厚み方向外側部)がそれ以上に削られることを抑制する。これによって、脚先端側係止部44が全部削られて取付クリップ10がボデーパネル90から外れることを防止できる。すなわち、係止爪40を削られやすくすることと削られにくくすることの、相反する2つの特性を2段係止部42、44とすることによって両方とも満足させることができる。

0067

各係止爪40は、取付クリップ軸方向に、脚先端側係止部44から頭部側まで、連続状または非連続状に延びる複数のリブ46を有していてもよい。非連続状の場合は、リブ46は状となる。係止爪40がリブ46を有する場合、リブ46の頭部側の端部が係止爪40の頭部側係止部42となる。図1図9および図14は、係止爪40が取付クリップの左右方向Crlに互いに並列な連続状リブ46からなり、リブ46とリブ46との間が脚30の外面からなる場合を示している。頭部側係止部42は、取付クリップ10の左右方向Crlに、リブ46とリブ46との間で切れており、取付クリップ10の左右方向Crlに非連続である。また、脚先端側係止部44は、取付クリップ10の左右方向Crlに、リブ46とリブ46との間で連続しており、取付クリップ10の左右方向Crlに連続である。リブ46の部位では、脚先端側係止部44はリブ46と一体である。

0068

係止爪40がリブ46を有する場合は、リブ46の幅を適宜に選定することにより、取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾いていく時における、頭部側係止部42を含むリブ46とリブ46の内側の脚対向部32の外面部の、ボデーパネル90のクリップ取付孔92の縁部のエッジによる削れやすさを調整できる。また、リブ46およびリブ内側の脚対向部32の外面部は削られる時にエネルギを吸収するので、ボデーパネル90のクリップ取付孔縁部が脚先端側係止部44に係止する時の衝突速度緩和される。これによって、脚先端側係止部44とその内側の脚対向部32の外面部が、ボデーパネル90のクリップ取付孔92の縁部のエッジにより削り取られることを抑制または防止する。
この係止爪40に2段係止部42、44を設けること、および取付クリップ左右方向Crl
に非連続の複数のリブ46を設けることの構造、作用、効果は、後述する第2実施例にも適用可能である。

0069

ロックピン50の荷重受け部52がサイド爪52Aからなる場合、取付クリップ10はさらにつぎの構造をとる。
図1図2に示すように、ロックピン50がロックピン挿入孔24に最奥押し込み位置まで押し込まれた状態では、ロックピン50のサイド爪52Aは、対をなす係止爪40を結ぶ方向(取付クリップ前後方向Cfr)と直交する方向(取付クリップ左右方向Crl)に位置する。

0070

また、ロックピン50のサイド爪52A(の後述する係止面54)は、各係止爪40の頭部側端部よりも取付クリップ10の軸方向に脚先端側に位置する。したがって、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重がかかっておらず対をなす係止爪40の頭部側端部42が両方ともボデーパネル90に掛かっている通常状態では、ロックピン50のサイド爪52Aは、ボデーパネル90から脚先端側に離れた位置にあり、ボデーパネル90に掛かっていない。

0071

これらの構造による作用、効果はつぎのとおりである。
サイド爪52Aが、取付クリップ前後方向Cfr(対をなす係止爪40を結ぶ方向)と直交する方向に位置する場合、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが働いて取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾く。この時に、サイド爪52Aが掛かるボデーパネル部分、すなわち長方形のクリップ取付孔92の短辺の縁部が、サイド爪52Aによって抜去方向に曲げられつつ拡開する変形に対して抵抗する。これによって、サイド爪52Aも抜去荷重Fの一部Faを確実に受けることができる。また、取付クリップ10の傾きがクリップ取付孔92の長辺の縁部のみによって規制される場合に比べて、取付クリップ10のボデーパネル9に対する傾きが低減される。

0072

また、サイド爪52Aが、対をなす係止爪40の頭部側端部より脚先端側に位置する場合、被取付物94からの抜去荷重が取付クリップ10にかかって取付クリップ10がボデーパネル90に対して斜めになる。この時に、サイド爪52Aに適度の負荷がかかるようになり、被取付物94から取付クリップ10にかかる抜去荷重Fをサイド爪52Aと係止爪40とでバランスよく分担して受けることができる。もしもサイド爪52Aが、対をなす係止爪40の頭部側端部と同じ軸方向位置にあると、サイド爪52Aが負担する荷重が大きくなり過ぎるおそれがある。

0073

取付クリップ10がボデーパネル90に対して任意の角度で傾いた時の、第1の係止部42A、第2の係止部44Aと、サイド爪52A(の後述する係止面54)との位置関係は、つぎのとおりである。すなわち、取付クリップ10が、図2に示すように、対をなす係止爪40の頭部22からの距離が互いに異なる第1の係止部42Aおよび第2の係止部44Aでボデーパネル90に係止した時、第1の係止部42Aはサイド爪52Aよりも頭部側にあり、第2の係止部44Aはサイド爪52Aよりも脚先端側にある。

0074

ボデーパネル90から取付クリップ10にかかる抜去荷重反力Fのうちサイド爪52Aが分担する荷重Fa以外の荷重Fbは、第1の係止部42Aとサイド爪52Aと第2の係止部44Aとにかかる。この場合、第1の係止部42Aとサイド爪52Aと第2の係止部44Aは、それぞれ、弾性変形および塑性変形が可能であるので、取付クリップ10にかかる抜去荷重の反力は、第1の係止部42Aとサイド爪52Aと第2の係止部44Aとにバランスよく分担されて受けられる。

0075

また、第2の係止部44Aがある側の(すなわち、取付クリップ中心軸線12よりも被
取付物90の抜去荷重Fが働く側にある)係止爪40が、ボデーパネル90のクリップ取付孔92のエッジにより削られる時にエネルギが吸収されるので、衝撃荷重による、第2の係止部44Aがある側の係止爪40の破断、および第2の係止部44Aがある側の係止爪40が形成されている脚30の根元部の破断が抑制される。係止爪40の外面部にリブ46を形成した場合は、エネルギ吸収が効果的となる。

0076

図1図2に示すように、ロックピン50のサイド爪52Aは係止面54を有する。サイド爪52Aは係止面54からアーム58の外面に沿って立ち上がる補強リブ(「盛り上がり部」とも云う)56を有していてもよい。補強リブ56は、図10図11に示すように、ロックピン50の取付クリップ左右方向Crlの各外面に1つ以上設けられている。図示例では、各アーム58の外面に、互いに間隔をおいて補強リブ56が2つ設けられている。

0077

係止面54(の延長面)は、取付クリップ中心軸線12と直交するか、または、ほぼ直交する方向に延びる。係止面54は、ロックピン50がブッシュ20に挿入された状態において、取付クリップ軸方向にブッシュ20の頭部22に対向する。被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重が作用していない通常使用時には、係止面54は、ブッシュ20の頭部22から取付クリップ軸方向に隔たった位置にある。被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重がかかって取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾いた時には、係止面54はボデーパネル90に掛かる。ロックピン50の係止面54より頭部22と反対側は、クリップ軸方向に、ボデーパネル90のクリップ取付孔92から係止面54に抜去荷重の反力が掛かっても耐えることができる十分な厚さを有する。

0078

補強リブ56の取付クリップ左右方向Crlの外面は、係止面54の取付クリップ左右方向Crlの外側端から係止面54の根元側に隔たった位置から頭部22に向かって立ち上がる立ち上がり面56aと、立ち上がり面56aの頭部22側の端部から頭部側かつ取付クリップ中心軸線12側に傾斜して延びる傾斜面56bからなる。立ち上がり面56aと係止面54との接続部は湾曲面とされてもよい。

0079

補強リブ56は、係止面54と、ロックピン50のアーム58の取付クリップ左右方向外面と、係止面54の根元部54a(図12図14に現れる)に設けられた、係止面54とロックピン50のアーム58の取付クリップ左右方向外面とを接続するコーナ部(係止面54の根元部54aの一部)の湾曲面と、に一体的に形成されている。被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fがかかってボデーパネル90からの抜去荷重反力Fがサイド爪52Aに作用した時には、補強リブ56とその内側のアーム外面部分は、図2に示すように、ボデーパネル90のクリップ取付孔92のエッジにより削られてもよい。ただし、削られなくてもよい。補強リブ56とその内側のアーム外面部分が削られる場合で、ボデーパネル90のクリップ取付孔92の縁部が係止面54に掛かった時には、係止面54は、図2に示すように、ボデーパネル90によって押しつぶされてもよいし、あるいは、押しつぶされるとともに、ボデーパネル90のクリップ取付孔92のエッジにより一部が削られてもよい。

0080

補強リブ56は係止面54の根元部54aを直接補強するので、ボデーパネル90からの抜去荷重反力Fの一部Faがサイド爪52Aに作用した時に係止面54の根元部54aに曲げ応力による割れが発生するのを抑制または防止する。補強リブ56は、取付クリップ10を取付クリップ左右方向Crlにクリップ取付孔92の中央に位置決めするガイドリブとしても働く。

0081

被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用して取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾いていく時、補強リブ56がボデーパネル90のクリップ取付孔9
2の縁部にかかると、クリップ取付孔92の縁部は、補強リブ56によって押されて抜去荷重Fがかかる方向に突出するように変形する。補強リブ56がかかるボデーパネル90のクリップ取付孔92の縁部は長方形クリップ取付孔92の短辺92bの縁部である。

0082

また、補強リブ56を設けた場合、係止面54の根元部54aのコーナ部、すなわち係止面54とアーム58の外面との間のコーナ部が補強リブ56によって、直接、補強される。これによって、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用し、取付クリップ10がボデーパネル90に対して傾いていって、ボデーパネル90が係止面54に掛かった時に、係止面54の根元部54aのコーナ部から割れが発生してサイド爪52Aが破断することが抑制される。

0083

図7図8に示すように、ブッシュ20の脚30の内面に、サイド爪52Aが取付クリップ中心軸線12側へ変形することを抑制する、サイド爪52A(より正確には、外面にサイド爪52Aが形成されたアーム58)を内側から支持する支持面36が形成されている。脚30は取付クリップ前後方向Cfrに対向する対向部32の内面に、内側に向かって突出する突出部を有している。そして、この突出部の、取付クリップ10の左右方向Crlの外面で、サイド爪52Aの内面(より正確には、外面にサイド爪52Aが形成されたアーム58の内面)に対向して接触する部分に、支持面36が形成されている。

0084

被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用して取付クリップ10がボデーパネル90に傾き、ボデーパネル90からの抜去荷重反力Fがサイド爪52Aの係止面54に作用した時、一対のサイド爪52Aは、ロックピン50の連結部60まわりに、クリップ中心軸線12側かつ下方に回動しようとする。しかし、支持面36によって内側から支持されているので、サイド爪52Aは回動できない。これによって、サイド爪52Aはクリップ取付孔92の縁部からの抜去荷重反力Fを確実に受けることができる。

0085

ロックピン50の一対のアーム58は、一対のアーム58を連結する連結部60まわりに回動変形可能である。サービス時に取付クリップ10をボデーパネル90から外す場合には、ロックピン50を最奥押し込み位置(図12図16)から少なくとも仮保持位置(図13図17)までブッシュ20に対して抜き方向に移動させ、サイド爪52Aが脚30の取付クリップ左右方向Crlの両端面かそれより内側に回動変形させる必要がある。サイド爪52Aの回動変形を容易にするために、ロックピン50は、連結部60の両側に設けられた一対の工具差し込み穴62を有する。

0086

サービス時には、図示略のラジオペンチ状の工具の先端部をロックピン50の工具差し込み穴62に差し込み、工具の2つの把手部を把手部の間隔が縮小するように握ってサイド爪52Aを内側に弾性変形させる。ついで、把手部を引き上げることにより、ロックピン50をロックピン挿入孔24の所定の位置(図13)まで抜き方向に移動させることができる。ロックピン50を移動させた状態では、係止爪40がクリップ中心軸線12側に弾性変位可能である。この状態で、取付クリップ10のブッシュ20を手または工具で引くと、対をなすブッシュの係止爪40がボデーパネル90におけるクリップ取付孔92の縁部の内面で押されて取付クリップ中心軸線12側に変位し、係止爪40がクリップ取付孔92を通過して取付クリップ10を容易にボデーパネル90から取り外すことができる。これによって、サービス性が向上する。

0087

被取付物取付構造1は、上記の取付クリップ10を用いて被取付物94を長方形のクリップ取付孔92部位にて車両のボデーパネル90に取り付けた被取付物取付構造からなる。被取付物94は車両の長手方向に延び、被取付物94の長手方向と長方形のクリップ取付孔92の長軸方向とは同方向に向けられている。取付クリップ10は、取付クリップ前後方向Cfrと直交する方向(取付クリップ左右方向Crl)を長方形のクリップ取付孔92
の長軸方向に向けてボデーパネル90に組み付けられている。長方形のクリップ取付孔92は長辺92aと短辺92bを有する。

0088

被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重が作用しない通常使用時には、取付クリップ10はボデーパネル90の面に直交しており、かつボデーパネル90のクリップ取付孔92の縁部は平坦である。ボデーパネル90のクリップ取付孔92の縁部と被取付物94のタブ94aは、ブッシュ20の頭部22と、対をなす係止爪40の頭部側係止部42との間に位置している。被取付物94のタブ94aは、図示略の弾性スペーサによりボデーパネル90に押し付けられている。

0089

被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用した時には、取付クリップ10はクリップ取付孔92の長軸まわりに傾き、かつボデーパネル90のクリップ取付孔92の周縁部の少なくとも一部は抜去荷重がかかる方向に突出するように塑性変形される。対をなす係止爪40は、ボデーパネル90のクリップ取付孔92の長辺92aの縁部に係止し、サイド爪52Aはボデーパネル90のクリップ取付孔92の短辺92bの縁部に係止する。この状態では、被取付物94のタブ94aは、図示略の弾性スペーサを圧縮して頭部22の座部22aの脚側の面に密着するかほぼ密着する。

0090

被取付物取付構造1によれば、抜去耐力を増加させた取付クリップ10を用いて被取付物94をボデーパネル90に取り付けたので、前述の取付クリップ10の作用、効果と同じ作用、効果が得られる。その結果、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用した時における、耐抜去荷重Fを増大できる。また、被取付物取付構造1の強度上の信頼性を向上できる。

0091

〔第2実施例〕
第1実施例において第2実施例にも共通に適用可能とした構造とその作用、効果は第2実施例に適用される。
その他に、第2実施例に係る取付クリップ10とそれを用いた被取付物取付構造1は、以下の構造とその作用、効果を有する。

0092

図18図19に示すように、第2実施例では、ロックピン50は、荷重受け部52としての荷重受け面52Bを有する。荷重受け面52Bは、取付クリップ前後方向Cfrに対応するロックピン50の外面部分に形成され、ロックピン50がブッシュ20に挿入された状態で脚30の先端方向かつ取付クリップ中心軸線12から離れる方向に傾斜する傾斜面からなる。たとえば、荷重受け面52Bは、取付クリップ前後方向Cfrに対応するロックピン外面部分に形成された、上側傾斜面と取付クリップ軸方向に延びる凹部底面と下側傾斜面とを有する台形状の凹部の下側傾斜面からなる。

0093

一方、ブッシュ20は、ロックピン50の荷重受け面52Bに対向するブッシュ部分に形成された押し面48を有している。ブッシュ20は、脚30の対向部32の内面に形成された、上側傾斜面と取付クリップ軸方向に延びる凸部頂面と下側傾斜面とを有する台形状の凸部の下側傾斜面からなる凸部を有し、押し面48は凸部の下側傾斜面からなる。
押し面48は、取付クリップ10が被取付物94から抜去荷重Fを受けた時にロックピン50を荷重受け面52Bにてブッシュ20の脚30の先端方向に押す。

0094

第2実施例は、上記の構造に加えて、さらにつぎの構造を有する。対をなす係止爪40は、脚30の外面に一体に形成され、脚30の頭部22から隔たった部位から脚30の先端側に向かって延びている。

0095

第2実施例は、つぎの作用、効果を有する。
荷重受け部52が、ロックピン50に形成された、脚30の先端方向かつ取付クリップ中心軸線12から離れる方向に傾斜する荷重受け面52Bからなる。そのため、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用した時に、ボデーパネル90から係止爪40に作用する抜去荷重反力Fによる係止爪40と脚30の取付クリップ中心軸線12側かつ下方への変形を利用して荷重受け面52Bを押すことにより、抜去荷重Fの一部Faをロックピン50の荷重受け面52Bで受けることができる。ロックピン50の荷重受け面52Bで受けられた荷重Faは、ロックピン50を通ってブッシュ20の受圧面26で受けられる。ロックピン50の荷重受け面52Bからブッシュ20の受圧面26までの荷重伝達ルートは、ロックピン自体を通り、ブッシュ20の脚30を通らないので、ブッシュ20の脚30、とくに脚30の根元部での負担が増大することはなく、ブッシュ20が脚30の根元部で破断することが抑制される。

0096

第2実施例は、上記の作用、効果に加えて、さらにつぎの作用、効果を有する。
すなわち、上記作用、効果が、サイド爪52Aを設けることなく、脚30に一体に形成され頭部22側から脚30の先端側に延びる係止爪40をもつ取付クリップ10と、その取付クリップ10を用いた被取付物取付構造1で得られる。

0097

〔第3実施例〕
第1実施例において第3実施例にも共通に適用可能とした構造とその作用、効果は第3実施例に適用される。
その他に、第3実施例に係る取付クリップ10とそれを用いた被取付物取付構造1は、以下の構造とその作用、効果を有する。

0098

図20に示すように、第3実施例では、ロックピン50は、荷重受け部52としての荷重受け面52Cを有する。荷重受け面52Cは、取付クリップ前後方向Cfrに対応するロックピン外面部分に形成され、ロックピン50がブッシュ20に挿入された状態でブッシュ20の脚30の先端方向かつ取付クリップ中心軸線12から離れる方向に傾斜する傾斜面からなる。

0099

一方、ブッシュ20は、ロックピン50の荷重受け面52Cに対向するブッシュ部分に形成された押し面48を有している。押し面48は、取付クリップ10が被取付物94から抜去荷重Fを受けてボデーパネル90からの抜去荷重反力Fが係止爪40に作用した時にロックピン50を荷重受け面52Cにてブッシュ20の脚30の先端方向に押す。

0100

第3実施例は、上記の構造に加えて、さらにつぎの構造を有する。各係止爪40は、結合部40aで脚30の対向部32に結合され、結合部40aから頭部22に向かって延びており、結合部40aを除いてスリット34で脚30の対向部32から切り離されている。第3実施例では、結合部40aを除いてスリット34によって脚30から切り離され外面に係止爪40が一体に形成されている脚部分は、係止爪40に含まれ、係止爪40の一部を構成する。押し面48は、係止爪40の内面に設けられている。押し面48は、係止爪40をロックピン50の荷重受け面52Cの上方で内側に突出させ、その突出部の下面に形成されている。

0101

第3実施例は、つぎの作用、効果を有する。
荷重受け部52が、ロックピン50に形成された、脚30の先端方向かつ取付クリップ中心軸線12から離れる方向に傾斜する荷重受け面52Cからなるので、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用した時に、ボデーパネル90から係止爪40にかかる抜去荷重反力Fによる係止爪40の変形を利用して荷重受け面52Cを押すことにより、抜去荷重Fの一部Faをロックピン50の荷重受け面52Cで受けることができる。ロックピン50の荷重受け面52Cで受けられた荷重Faは、ロックピン50を通ってブッ
シュ20の受圧面26で受けられる。ロックピン50の荷重受け面52Cからブッシュ20の受圧面26までの荷重伝達ルートは、ロックピン自体を通り、ブッシュ20の脚30を通らないので、ブッシュ20の脚30、とくに脚30の根元部での負担が増大することはなく、ブッシュ20が脚30の根元部で破断することが抑制される。

0102

また、被取付物94から取付クリップ10に抜去荷重Fが作用した時に、取付クリップ中心軸線12よりも抜去荷重Fが作用する側と反対側(図20の左半分部分)にある係止爪40の、ロックピン50の荷重受け面52Cとボデーパネル90のクリップ係止孔92の縁部との間にある部分に働く抜去荷重反力Fが、取付クリップ10のボデーパネル90に対する傾きの増加に伴って、クリップ係止孔92の縁部のエッジによる削り落としからクリップ係止孔92の縁部の内面と荷重受け面52Cとの間の圧縮に変化し、係止爪40が破断しにくくなる。これによって、対をなす係止爪40の両方共に破断することが抑制され、取付クリップ10のボデーパネル90からの抜け落ちが抑制または防止される。

0103

1被取付物取付構造
10取付クリップ
12 取付クリップ中心軸線
20ブッシュ
22 頭部
26 受圧面
30 脚
32 脚の対向部
40係止爪
40a 係止爪の脚部への結合部
42A 第1の係止部
44A 第2の係止部
48押し面
50ロックピン
52抜去荷重受け部
52Aサイド爪
52B 荷重受け面
52C 荷重受け面
54 係止面
56補強リブ
58アーム
60 連結部
62工具差し込み穴
90ボデーパネル
92クリップ取付孔
94 被取付物(たとえば、カーテンエアバッグ)
94a 被取付物(たとえば、カーテンエアバッグ)のタブ
Cfr 対をなす係止爪を結ぶ方向(取付クリップを対をなす係止爪を結ぶ方向に見た時の取付クリップ前後方向)
Crl 対をなす係止爪を結ぶ方向に直交する方向(取付クリップを対をなす係止爪を結ぶ方向に見た時の取付クリップ左右方向)
F 被取付物から取付クリップに作用する抜去荷重、ボデーパネルから取付クリップに作用する抜去荷重反力(ただし、抜去荷重と向きが逆)

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