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技術 酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法

出願人 東海カーボン株式会社
発明者 桐野智明竹井徹佐藤好浩縄手裕典
出願日 2015年3月26日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2015-063980
公開日 2016年10月20日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-183244
状態 特許登録済
技術分野 顔料、カーボンブラック、木材ステイン インキ、鉛筆の芯、クレヨン
主要キーワード 脱塩精製処理 各平均粒径 沈降成分 オイル吸収 酸性廃液 酸性水酸基 ヒドロキシル基量 紫外線吸光光度計
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年10月20日)のものです。
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解決課題

過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を簡便に製造する方法を提供する。

解決手段

少なくとも一種の過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する方法であって、前記液相酸化により生成する酸性生成物中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリの存在下に、水中で過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ、加温しながら液相酸化処理することを特徴とする酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法である。

概要

背景

機能性色材定着用樹脂などを含む機能性液体であるインクジェットインク組成物を用いたインクジェットプリンターは、非接触型画像形成装置として、家庭用、業務用、産業用等の分野において広く使用されるようになっている。上記インクジェットインク組成物としては、特に家庭用やビジネス用途において、臭気を抑制し安全性を向上させることを目的として、分散媒として有機溶媒に代えて水溶媒を用いた水性インクジェットインク組成物が必要不可欠になっている。

水性インクジェットインク組成物としては、カーボンブラック顔料を用いた黒色水顔料インク組成物が知られているが、カーボンブラック疎水性で水に対する濡れ性が低いために水中に高濃度で安定して分散させることは極めて困難である。これは水分子等の水性媒体との親和性が高い親水性官能基、例えばカルボキシル基ヒドロキシル基等の酸性水酸基カーボンブラック表面における存在量が極めて少ないことに起因する。

そこで、カーボンブラック粒子酸化処理して表面に親水性官能基を付与することによりカーボンブラック粒子の水中への分散性能を改良することが古くから試みられており、例えば、出願人は、先に、酸化剤として過硫酸塩を用いて液相酸化湿式酸化)することにより酸化カーボンブラック粒子を製造する方法を提案している(特許文献1(特開平11−148027号公報))。

概要

過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を簡便に製造する方法を提供する。少なくとも一種の過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する方法であって、前記液相酸化により生成する酸性生成物中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリの存在下に、水中で過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ、加温しながら液相酸化処理することを特徴とする酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法である。なし

目的

本発明は、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を簡便に製造する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

少なくとも一種過硫酸塩カーボンブラック粒子とを接触させ液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する方法であって、前記液相酸化により生成する酸性生成物中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリの存在下に、水中で過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ、加温しながら液相酸化処理することを特徴とする酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法。

請求項2

前記液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリおよびカーボンブラック粒子を含む水スラリーと、前記少なくとも一種の過硫酸塩とを混合し、加温する請求項1に記載の酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法。

請求項3

前記少なくとも一種の過硫酸塩およびカーボンブラック粒子を含む水スラリーと、前記液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリとを混合し、加温する請求項1に記載の酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法。

請求項4

前記少なくとも一種の過硫酸塩の水溶液と、カーボンブラック粒子と、前記液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリとを、加温しながら混合する請求項1に記載の酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法。

請求項5

前記加温を40〜90℃の温度下で行う請求項1〜請求項4のいずれかに記載の酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法。

請求項6

前記液相酸化処理後にさらに精製処理および分級処理を順次施す請求項1〜請求項5のいずれかに記載の酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法に関する。

背景技術

0002

機能性色材定着用樹脂などを含む機能性液体であるインクジェットインク組成物を用いたインクジェットプリンターは、非接触型画像形成装置として、家庭用、業務用、産業用等の分野において広く使用されるようになっている。上記インクジェットインク組成物としては、特に家庭用やビジネス用途において、臭気を抑制し安全性を向上させることを目的として、分散媒として有機溶媒に代えて水溶媒を用いた水性インクジェットインク組成物が必要不可欠になっている。

0003

水性インクジェットインク組成物としては、カーボンブラック顔料を用いた黒色水顔料インク組成物が知られているが、カーボンブラック疎水性で水に対する濡れ性が低いために水中に高濃度で安定して分散させることは極めて困難である。これは水分子等の水性媒体との親和性が高い親水性官能基、例えばカルボキシル基ヒドロキシル基等の酸性水酸基カーボンブラック表面における存在量が極めて少ないことに起因する。

0004

そこで、カーボンブラック粒子酸化処理して表面に親水性官能基を付与することによりカーボンブラック粒子の水中への分散性能を改良することが古くから試みられており、例えば、出願人は、先に、酸化剤として過硫酸塩を用いて液相酸化湿式酸化)することにより酸化カーボンブラック粒子を製造する方法を提案している(特許文献1(特開平11−148027号公報))。

先行技術

0005

特開平11−148027号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、上記過硫酸塩による液相酸化に伴い、大量の酸性副生物が系内で生成し、残留するために、濾過処理遠心分離による顔料分離工程が煩雑になることに加えて、酸性廃液廃棄処理別途必要になる。
また、上記過硫酸塩を用いて湿式酸化された酸化カーボンブラック粒子は、表面に形成された酸性基に対し、水性媒体中での分散性を向上させるために、さらに無機アルカリ有機アルカリを用いて酸性官能基中和処理する工程が必要になる。

0007

このような状況下、本発明は、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を簡便に製造する方法を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

0008

本発明者等は、上記技術課題を解決すべく、鋭意検討を重ねたところ、少なくとも一種の過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造するにあたり、上記液相酸化により生成する酸性生成物中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリの存在下に、過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ、加温しながら液相酸化処理することにより上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。

0009

すなわち、本発明は、
(1)少なくとも一種の過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する方法であって、
前記液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリの存在下に、
水中で過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ、加温しながら液相酸化処理する
ことを特徴とする酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法、
(2)前記液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリおよびカーボンブラック粒子を含む水スラリーと、前記少なくとも一種の過硫酸塩とを混合し、加温する上記(1)に記載の酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法、
(3)前記少なくとも一種の過硫酸塩およびカーボンブラック粒子を含む水スラリーと、前記液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリとを混合し、加温する上記(1)に記載の酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法、
(4)前記少なくとも一種の過硫酸塩の水溶液と、カーボンブラック粒子と、前記液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリとを、加温しながら混合する上記(1)に記載の酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法、
(5)前記加温を40〜90℃の温度下で行う上記(1)〜(4)のいずれかに記載の酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法、
(6)前記液相酸化処理後にさらに精製処理および分級処理を順次施す上記(1)〜(5)のいずれかに記載の酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法、
を提供するものである。

発明の効果

0010

本発明によれば、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリの存在下に液相酸化しているために、別途中和処理を施すことなく液相酸化処理と中和処理とを同時に行うことができ、生成する酸性副生物を迅速に中和して必要に応じ精製処理および分級処理等を施すことにより目的とする顔料の分離を簡便に行うことができるばかりか、酸性廃液の廃棄処理も不要としつつ、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造することができる。
このため、本発明によれば、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を簡便に製造する方法を提供することができる。

0011

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法は、少なくとも一種の過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する方法であって、前記液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリの存在下に、水中で過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを接触させ、加温しながら液相酸化処理することを特徴とするものである。

0012

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、酸化カーボンブラック粒子を構成するカーボンブラック粒子としては、特に制限はなく、オイルファーネス法で作製されるファーネスブラック粒子チャンネル法で製造されるチャンネルブラック粒子、チャンネル法の代替手法により製造されるガスブラックアセチレン法で製造されるアセチレンブラック粒子、サーマル法で製造されるサーマルブラック粒子等いずれも適用することができ、中でも、粒子径を精密に制御することができるファーネスブラック粒子や、カルボキシル基や水酸基などの酸性官能基を表面に有しているチャンネルブラック粒子やガスブラック粒子が、好適である。
ファーネスブラック粒子としては一般に入手可能なグレードであれば特に制限されず、カーボンブラック粒子の窒素吸着比表面積DBP吸収量で示されるストラクチャー指標などから、目的に応じて適宜選択すればよい。

0013

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、上記カーボンブラック粒子の窒素吸着比表面積(N2SA)は、300m2/g以下であることが好ましく、80m2/g〜300m2/gであることがより好ましく、100m2/g〜300m2/gであることがさらに好ましい。
本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、カーボンブラック粒子の窒素吸着比表面積(N2SA)が上記範囲内にあることにより、分散液の粘度を低く保つことができると共に、沈降成分の生成を抑制することができる。

0014

なお、本出願書類において、N2SAは、JIS K 6217−2に規定される「ゴム用カーボンブラック基本特性−第2部、比表面積の求め方−窒素吸着法、単点法」に従って測定した値を意味する。

0015

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、上記カーボンブラック粒子のDBP吸収量は、50cm3/100g以上であることが好ましく、100cm3/100g〜180cm3/100gであることがより好ましく、110cm3/100g〜150cm3/100gであることがさらに好ましい。
本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、カーボンブラック粒子のDBP吸収量が50cm3/100g以上であることにより、優れた黒色度印字濃度)を発揮することができる。

0016

なお、本出願書類において、DBP吸収量は、JIS K6217−4に規定される「ゴム用カーボンブラック−基本特性−第4部、オイル吸収量の求め方」に従って測定した値を意味する。

0017

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、上記カーボンブラック粒子の体積平均粒径は30nm〜250nmであることが好ましく、50nm〜150nmであることがより好ましく、70nm〜120nmであることがさらに好ましい。
上記カーボンブラック粒子の体積平均粒径が上記範囲内にあることにより、得られる酸化カーボンブラック粒子水分散体をインクジェットプリンター用インキ等の水性黒色インキに用いたときに、優れた吐出性および黒色度(印字濃度)を発揮し易くなる。

0018

なお、本出願書類において、カーボンブラック粒子の体積平均粒径とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定された、体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径平均粒径D50)を意味する。

0019

上記カーボンブラック粒子として、具体的には、トーカブラック#4500、トーカブラック#8500、トーカブラック#7550SB、トーカブラック#7550F(以上東海カーボン(株)製)、#650、#750、MA600、#44B、#44、#45B、MA7、MA11、#47、#45、#33、#45L、#47、#50、#52、MA77、MA8(以上三菱化学(株)製)、FW200、FW2V、FWI、FW18PS、NIPex150、NIPex160IQ、NIPex170IQ、NIpex180IQ、FW1、Special Black6、S160、S170(以上オリオンエンジニアドカボンズ社製)、Black Pearls 1000M、Black Pearls 800、Black Pearls 880、Monarch 1300、Monarch 700、Monarch 880、CRX 1444、Regal 330R、Regal 660R、Regal 660、Regal 415R、Regal 415、Black Pearls 4630、Monarch 4630(以上Cabot社製)、Raven 7000、Raven 3500、Raven 5250、Raven 5750、Raven 5000ULTRAII、HV3396、Raven 1255、Raven 1250、Raven 1190、Raven 1000、Raven 1020、Raven 1035、Raven 1100ULTRA、Raven 1170、Raven 1200(以上BirlaColumbian社製)、DB1305(以上KOSCO社製)、SUNBLACK700、705、710、715、720、725、300、305、320、325、X25、X45(以上旭カーボン(株)製)、N220、N110、N234、N121(以上Sid Richardson社製)、ニテロン#300(以上新日化カーボン(株)製)、ショウブラックN134、N110、N220、N234、N219(以上キャボットジャパン社製)等があげられる。
本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、上記カーボンブラック粒子を、単独でまたは複数種を混合して使用することができる。

0020

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、少なくとも一種の過硫酸塩とカーボンブラック粒子とを水中で接触させて液相酸化を行う。

0021

液相酸化処理に用いる過硫酸塩としては、特に制限されないが、過硫酸一価塩が好ましく、過硫酸塩として、具体的には、過硫酸のリチウム塩、過硫酸のナトリウム塩、過硫酸のカリウム塩等のアルカリ金属塩あるいはアンモニア塩等から選ばれる一種以上を挙げることができる。

0022

また、本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、過硫酸塩の使用量は、反応液酸化剤水溶液)中に混合するカーボンブラック粒子100gあたり、550g以下であることが好ましく、50g〜550gであることがより好ましく、60g〜550gであることがさらに好ましい。

0023

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、反応液中に混合する過硫酸塩の濃度は、205g/l以下であることが好ましく、15g/l〜205g/lであることがより好ましく、20g/l〜205g/lであることがさらに好ましい。

0024

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、過硫酸塩を用いて液相酸化処理することにより、カーボンブラック粒子の表面に酸性基を形成し、酸化カーボンブラック粒子を形成することができる。
過硫酸塩によるカーボンブラック粒子の液相酸化の程度は、反応液中に混合するカーボンブラック粒子100gあたりの過硫酸塩の混合量、反応液中における過硫酸塩の濃度、液相酸化時の処理温度、液相酸化時の処理時間、攪拌速度等を適宜調整することにより制御することができる。

0025

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、無機アルカリとしては、特に制限されないが、例えば水酸化リチウム水酸化トリム水酸化カリウム、水酸化ルビジウムアンモニア等から選ばれる一種以上を挙げることができ、工業的に入手し易く環境負荷の小さい水酸化ナトリウムまたは水酸カリウムが好適である。無機アルカリは、溶解度以下の適当な濃度に水で希釈して用いてもよい。
本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、アルカリとして無機アルカリを使用するが、これは、有機アルカリが酸化剤による酸化により分解してしまうため、使用が困難なためである。

0026

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、無機アルカリは、液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量を使用する。
本出願書類において、上記液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量とは、使用した過硫酸塩1モルから硫酸1モルが生成すると仮定した場合に、使用した全過硫酸塩から生成する硫酸を中和するために必要な無機アルカリのモル量を意味する。
このため、本出願書類において、液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量とは、全過硫酸塩から生成する硫酸を中和するために必要な無機アルカリ量のモル量またはそれを超える無機アルカリ量のモル量を意味する。

0027

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、無機アルカリの使用量は、液相酸化処理時に反応液のpHが中性領域から弱アルカリ性領域になる量であることが好ましく、具体的には、液相酸化処理後の水分散体のpHが、pH7.0〜9.0となるである量が好ましく、pH7.25〜8.75となる量であることがより好ましく、pH7.5〜8.5となる量であることがさらに好ましい。
本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、液相酸化処理時のpHを上記範囲に制御することにより、別途中和処理を施すことなく液相酸化処理と中和処理とを同時に行うことができ、生成する酸性副生物を迅速に中和して、必要に応じ精製処理や分級処理等を行うことにより目的とする顔料の分離を簡便に行うことができるばかりか、酸性廃液の廃棄処理も不要としつつ、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を容易に製造することができる。

0028

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、液相酸化時に反応液のpHをモニタリングして、反応液のpHが常に中性領域から弱アルカリ性領域になるように徐々に無機アルカリを加えてもよいが、簡便に液相処理を行う上では、使用する無機アルカリの全量を一度に反応系内に加えることが好ましい。

0029

また、本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において使用する水溶媒としては、イオン交換樹脂を用いてイオン交換させたイオン交換水や、逆浸透膜を用いて濾過した逆浸透水や、求められる純度に応じて更に高度に異物除去を行なった超純水等を好適に使用することができる。

0030

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、カーボンブラック粒子、過硫酸塩および無機アルカリを水中で接触させ、液相酸化を行う形態は、特に制限されない。

0031

液相酸化を行う形態としては、例えば、(a)液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリおよびカーボンブラック粒子を含む水スラリーと、少なくとも一種の過硫酸塩とを混合し、加温する方法を挙げることができる。

0032

また、液相酸化を行う形態としては、(b)少なくとも一種の過硫酸塩およびカーボンブラック粒子を含む水スラリーと、液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリとを混合し、加温する方法を挙げることができる。

0033

さらに、液相酸化を行う形態としては、(c)少なくとも一種の過硫酸塩の水溶液と、カーボンブラック粒子と、液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリとを、加温しながら混合する方法を挙げることができる。

0034

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、カーボンブラック粒子、過硫酸塩および無機アルカリを水中で攪拌しながら接触させることが好ましい。
この場合、攪拌速度は、50pm(回転/分間)以上であることが好ましく、50rpm〜350rpmであることがより好ましく、50rpm〜200rpmであることがさらに好ましい。

0035

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、液相酸化処理時に、インライン型分散機を用いてカーボンブラック粒子、過硫酸塩および無機アルカリを水中に分散させてもよい。
インライン型分散機としては、ローターステーター型分散機ビーズミルボールミルメディアレス分散機等が挙げられる。
本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、カーボンブラック粒子への過剰な応力付与を避けるために、ローター・ステーター型分散機を用いることが好ましく、ローター・ステーター型分散機としては、例えば、シルバーソンニッポン(株)製ローター・ステーター型分散機200L、275LS等を挙げることができる。

0036

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、液相酸化処理時の処理温度は、40〜90℃が好ましく、50〜90℃がより好ましく、60〜90℃がさらに好ましい。
上記処理温度が40℃未満である場合は過硫酸塩によるカーボンブラック表面への酸性官能基の付与が進行し難くなり、90℃を超えると生成ラジカルが短時間で消失してしまい、適度な表面処理を行い難くなる。
本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、液相酸化処理により反応熱を生じる場合もあるが、この場合も、上記処理温度を上記温度範囲内に制御することが好ましい。

0037

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、液相酸化処理時の処理時間は、1時間〜10時間が好ましく、3時間〜10時間がより好ましい。

0038

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、液相酸化処理後にさらに精製処理または分級処理を行うことが好ましい。

0039

精製処理は、例えば限外濾過膜(UF)、逆浸透膜(RO)、電気透析膜などの分離膜を用いて所定の濃度になるまで行うことが好ましく、処理速度(所要処理時間)の観点からは、限外濾過膜を用いて精製処理することがより好ましい。
限外濾過膜の分画分子量としては、カーボンブラック粒子が通過せず、水およびイオンが通過する分画分子量であれば制限無く使用することができる。
精製処理による塩類の除去の程度(精製の程度)は、例えば、酸化カーボンブラック粒子の含有濃度が4質量%である場合には、水性分散体電導度が200μS/cm以下の電気伝導率になるまで行うことが好ましい。

0040

液相酸化処理時に生じる酸性副生塩等の残塩は、酸化処理カーボンブラック粒子の分散性を阻害する可能性があるが、上記精製処理により残塩を除去することにより、酸化カーボンブラック粒子の分散安定性を向上させることができる。精製処理による残塩の除去は、水性分散体中における表面処理カーボンブラック粒子の再凝集を抑制する上でも有効である。

0041

また、本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、液相酸化処理後にさらに分級処理を行うことにより、液相酸化処理時に生成した反応液中の未分散塊や粗大粒子を除去することができる。

0042

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、分級処理は、遠心分離や濾過などの方法により行うことが好ましい。
遠心分離により分級処理を行なう場合、横型デカンター、ローター式高速遠心分離機縦型遠心分離機分離板分離機等を使用して分級処理する方法が挙げられる。
濾過により分級処理を行なう場合、デプスフィルタープリーツフィルターメンブレンフィルター等を使用したり、更にそれらの多段使用等により効果的に分級処理する方法が挙げられる。
また、遠心分離を行なった後に濾過処理することでより精度の高い分級処理を行なうことができる。

0043

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、液相酸化処理後にさらに分級処理を行い、液相酸化処理時に生成した反応液中の未分散塊や粗大粒子を除去することにより、得られる酸化カーボンブラック粒子水分散体をインクジェットインク組成物に用いたときに、プリンターノズル閉塞を容易に抑制することができる。

0044

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、得られる酸化カーボンブラック粒子は、カーボンブラック粒子の表面に酸性官能基が直接結合してなるものであり、酸性官能基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ラクトン基等を挙げることができる。

0045

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、得られる酸化カーボンブラック粒子表面のヒドロキシル基量は、カーボンブラックの単位重量当たり50〜300μmol/gであることが好ましく、50〜250μmol/gであることがより好ましく、50〜200μmol/gであることがさらに好ましい。

0046

なお、本出願書類において、酸化カーボンブラック粒子表面のヒドロキシル基量は、以下の方法で算出された値を意味する。すなわち、乾燥させて得た表面改質カーボンブラック1.0gを3.0Nの塩酸100mlに加え、3時間振盪した後、限外濾過膜を用いてカーボンブラック濃度4重量%の濃度で200μS/cm以下の電気伝導率になるまで行い、これを3回繰り返して再度乾燥させる。2,2’-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジルを四塩化炭素中に溶解して、5×10−4mol/L溶液を作製する。該溶液に上記洗浄済み酸化カーボンブラック粒子を0.1〜0.6g添加し、60℃の恒温槽中にて6時間攪拌した後、濾別し、濾液紫外線吸光光度計で測定して吸光度からヒドロキシル基量を求め、得られたヒドロキシル基量をカーボンブラック粒子の質量で除すことにより、カーボンブラックの単位重量当たりのヒドロキシル基量を算出する。

0047

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、カーボンブラック粒子表面カルボキシル基量は、カーボンブラックの単位重量当たり150〜1200μmol/gであることが好ましく、300〜1200μmol/gであることがより好ましく、400〜1200μmol/gであることがさらに好ましい。

0048

なお、本出願書類において、カーボンブラック粒子のカルボキシル基量は、以下の方法で算出された値を意味する。
すなわち、乾燥させて得た酸化カーボンブラック10.0gを濃度3.0Nの塩酸1Lに加え、3時間振盪した後、限外濾過膜を用いて酸化カーボンブラック濃度4重量%の濃度で200μS/cm以下の電気伝導率になるまで処理し、これを3回繰り返して再度乾燥させる。0.976Nの炭酸水素ナトリウム水溶液に上記洗浄済み酸化カーボンブラック粒子を約2〜5g添加して6時間程振とうした後、濾別し、濾液に0.05N塩酸水溶液を加えた後、pHが7.0になるまで0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定試験を行なってカルボキシル基量を求め、得られたカルボキシル基量をカーボンブラック粒子の質量で除す事により、カーボンブラックの単位重量当たりのカルボキシル基量を算出する。

0049

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、酸化カーボンブラック粒子のヒドロキシル基量およびカルボキシル基量が上記範囲内にあることにより、水媒体中で良好な分散性を容易に発揮することができる。

0050

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、カーボンブラック粒子表面の酸性官能基全量は、カーボンブラックの単位重量当たり、200〜1500μmol/gであることが好ましく、350〜1450μmol/gであることがより好ましく、450〜1400μmol/gであることがさらに好ましい。
本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、酸化カーボンブラック粒子の酸性官能基全量は、カーボンブラック粒子の表面に形成される各酸性官能基量の和から求めることができる。

0051

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法において、固形分として、上記酸化カーボンブラック粒子を、1〜25質量%含有することが好ましく、5〜20質量%含有することがより好ましく、10〜20質量%含有することがさらに好ましい。
上記濃度調整は、限外濾過膜(UF)、逆浸透膜(RO)、電気透析膜などの分離膜を用い所定の濃度になるまで濃縮処理することにより調整することができる。処理速度(所要処理時間)の観点からは、限外濾過膜を用いて濃度調整することがより好ましい。

0052

本発明に係る酸化カーボンブラック粒子水分散体の製造方法においては、上記酸化カーボンブラック粒子の固形分濃度が上記範囲内にあることにより、水性インクジェットインク組成物等の所望の水性インク組成物を容易に調製することができる。
上記固形分濃度が1質量%未満である場合には、所望濃度の酸化カーボンブラック粒子を含有する水性インク組成物を調製し難くなる。
上記固形分濃度が25質量%を超える場合には、酸化カーボンブラック粒子が凝集体を形成し易くなることから、水性インク組成物の分散性(分散安定性)を長期に亘って維持し難くなる。

0053

上記濃度調整後、再度分級処理を行ってもよく、この場合、上述した濾過による分級処理が好ましく、具体的には、デプスフィルター、プリーツフィルター、メンブレンフィルター等を使用したり、更にそれらの多段使用等により分級処理する方法を挙げることができる。

0054

本発明によれば、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリの存在下に液相酸化しているために、別途中和処理を施すことなく液相酸化処理と中和処理とを同時に行うことができ、生成する酸性副生物を迅速に中和して精製処理や分級処理により目的とする顔料の分離を簡便に行うことができるばかりか、酸性廃液の廃棄処理も不要としつつ、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造することができる。
このため、本発明によれば、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を簡便に製造する方法を提供することができる。

0055

本発明に係る製造方法で得られた酸化カーボンブラック粒子水分散体は、さらに他の成分を加えることにより、水性インク組成物を調製することができる。
水性インク組成物としては、例えば水性インクジェットインク組成物を挙げることができる。

0056

この場合、インクジェットインク組成物等の水性インク組成物中のカーボンブラック粒子の含有割合は、特に限定されないが、1〜10質量%であることが好ましく、2〜9質量%であることがより好ましく、3〜8質量%であることがさらに好ましい。

0057

また、水性インクジェットインク組成物等の水性インク組成物中の水の含有割合は、20〜70質量%であることが好ましく、25〜65質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることがさらに好ましい。

0058

本発明に係る製造方法で得られた酸化カーボンブラック粒子水分散体を用いて水性インクジェットインク組成物を調製する場合、他の成分として、例えば、水性有機溶媒浸透剤防腐剤キレート剤粘度調整剤界面活性剤樹脂等を必要に応じて添加する。

0060

水性インクジェットインク組成物中の水性有機溶媒の含有割合は、1〜50質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。

0061

水性インクジェットインク組成物が水性有機溶媒を含むことにより、インクジェットプリンターのノズル部分におけるインキの乾燥や固化を抑制し、インク組成物噴射を安定化させ、保存時のノズルの乾燥を容易に抑制することができる。

0062

一方、インク塗膜の乾燥を促進したい場合には、水性有機溶媒としてメタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類を使用することが好ましい。

0063

浸透剤としては、表面張力を低下させるような界面活性剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムオレイン酸ナトリウムジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
また、インク組成物が浸透剤を含有することにより、特に被印刷物が紙のような浸透性のある材料である場合に、被印刷物へのインク組成物の浸透を速め、見掛け乾燥性を促進することができる。

0064

水性インクジェットインク組成物中の浸透剤の含有割合は、1.0質量%を超え5.0質量%以下であることが好ましく、1.5〜5.0質量%であることがより好ましく、2.0〜5.0質量%であることがさらに好ましい。
浸透剤の含有割合が、1.0質量%未満である場合には所望の効果を発揮し難く、5.0質量%を超える場合には、印刷物の滲み、紙抜け(プリントスルー)等を生じ易くなる。

0065

防黴剤としては、ジヒドロ酢酸ナトリウム安息香酸ナトリウムソジウムピリジンチオン−1−オキサイドジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1、2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
インク組成物が防燻剤を含むことにより、インク組成物中へのの発生を抑制することができる。
水性インクジェットインク組成物中の防黴剤の含有割合は、0.05〜1.0質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましく、0.05〜0.2質量%であることがさらに好ましい。

0066

キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム塩、エチレンジアミン四酢酸のテトラアンモニウム塩等から選ばれる一種以上が挙げられる。
インク組成物がキレート剤を含むことにより、インクジェットプリンターのノズル部での金属の析出やインク組成物中での不溶解性物の析出などを抑制することができる。
水性インクジェットインク組成物中のキレート剤の含有割合は、0.005〜0.5質量%であることが好ましく、0.005〜0.25質量%であることがより好ましく、0.005〜0.1質量%であることがさらに好ましい。

0067

また、水性インクジェットインク組成物等の水性インク組成物は、インキの循環、移動、あるいはインキの製造時の泡の発生を抑制するために消泡剤を含有することもでき、また、その他の添加剤として、尿素ジメチル尿素チオ尿素等を含有することもできる。

0068

本発明によれば、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を簡便に製造する方法を提供することができる。

0069

次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。

0070

(実施例1)
(1)液相酸化処理
ステンレス鋼反応槽にイオン交換水55kgを入れ、そこに25質量%の水酸化ナトリウム水溶液を14.3kg加えて100rpmで10分間攪拌した後、さらにカーボンブラック粒子(東海カーボン(株)製カラー用カーボンブラック「トーカブラック♯7550F(窒素吸着比表面積135m2/g)」)2.4kgを加え、顔料が水に濡れ、均一になるまで撹拌を継続した。このとき、反応槽中の混合液のpHは13.6であった。
反応槽内の温度を60℃まで2時間かけて昇温しながら過硫酸ナトリウム((株)ADEKA製)8.5kgを加え、60℃で三時間保持して加温した後、1時間かけて室温まで冷却した。このとき、反応槽中の反応液のpHは10.6であった。

0071

(2)精製処理
(1)で得られた反応液を取り出し、旭化成ケミカルズ(株)製限外濾過膜「AHP−3013D」を用いて純水を加えながら酸性残塩の除去を行ない、カーボンブラック濃度4質量%の状態で200μS/cm以下まで脱塩精製処理を行なうことにより、酸化カーボンブラック粒子含有液を調製した。
得られた酸化カーボンブラック粒子において、酸性官能基の含有量は、ヒドロキシル基量が70μmol/g、カルボキシル基量が550μmol/gであった。

0072

(3)分級処理
(2)で精製した酸化カーボンブラック粒子含有液の酸化カーボンブラックの濃度を3.0質量%に調整した後、日立工機(株)製高速冷却遠心分離機を用いて、回転数9,000rpmにて0.5L/分間の定速で送液しながら分級処理を行った。
次いで、得られた遠心分離処理液を、旭化成ケミカルズ(株)製限外濾過膜「AHP−3013D」を用いて酸化カーボンブラック濃度が20質量%になるまで濃縮した。
その後、ポール(PALL)社製デプスフィルター「プロファイル(Profile)II」を用いて濾過処理することにより、目的とする濃度 20質量%の酸化カーボンブラック粒子水分散体1を得た。
得られた酸化カーボンブラック粒子水分散体1のpHは8.3であり、得られた酸化カーボンブラック粒子の酸性官能基の含有量は、ヒドロキシル基量が70μmol/g、カルボキシル基量が550μmol/gであるものであった。

0073

(実施例2)
実施例1(1)において、イオン交換水の添加量を55kgから55.8kgに変更し、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液14.3kgに代えて48質量%の水酸化カリウム水溶液10.5kgを加えた以外は実施例1と同様にして、酸化カーボンブラック粒子水分散体2を得た。
このとき、過硫酸ナトリウムを添加する前の反応槽中の混合液のpHは13.5であり、過硫酸塩ナトリウムを添加した後の反応槽中の反応液のpHは9.9であった。
得られた酸化カーボンブラック粒子水分散体2のpHは8.2であり、得られた酸化カーボンブラック粒子の酸性官能基の含有量は、ヒドロキシル基量が70μmol/g、カルボキシル基量が550μmol/gであった。

0074

(実施例3)
実施例1(1)において、イオン交換水の添加量を55kgから55.4kgに変更し、過硫酸ナトリウム8.5kgに代えて過硫酸アンモニウム((株)ADEKA製)8.1kgを加えた以外は実施例1と同様にして、酸化カーボンブラック粒子水分散体3を得た。
このとき、過硫酸アンモニウムを添加する前の反応槽中の混合液のpHは13.4であり、過硫酸塩アンモニウムを添加した後の反応槽中の反応液のpHは10.3であった。
得られた酸化カーボンブラック粒子水分散体3のpHは8.2であり、得られた酸化カーボンブラック粒子の酸性官能基の含有量は、ヒドロキシル基量が70μmol/g、カルボキシル基量が550μmol/gであった。

0075

(実施例4)
実施例1(1)において、イオン交換水の添加量を55kgから55.2kgに変更し、過硫酸ナトリウム8.5kgに代えて、過硫酸ナトリウム((株)ADEKA製)4.25kgと過硫酸アンモニウム((株)ADEKA製)4.05kgとの均一混合物8.3kgを加えた以外は実施例1と同様にして、酸化カーボンブラック粒子水分散体4を得た。
このとき、過硫酸アンモニウムを添加する前の反応槽中の混合液のpHは13.4であり、過硫酸塩アンモニウムを添加した後の反応槽中の反応液のpHは10.3であった。
得られた酸化カーボンブラック粒子水分散体4のpHは8.2であり、得られた酸化カーボンブラック粒子の酸性官能基の含有量は、ヒドロキシル基量が70μmol/g、カルボキシル基量が550μmol/gであった。

0076

(比較例1)
実施例1(1)において、イオン交換水の添加量を55kgから59.2kgに変更し、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液14.3kgに代えて48質量%の水酸化カリウム水溶液を6.3kg加えた以外は実施例1と同様にして、比較酸化カーボンブラック粒子水分散体1を得た。
得られた比較酸化カーボンブラック粒子水分散体1のpHは3.5であり、得られた酸化カーボンブラック粒子の酸性官能基の含有量は、ヒドロキシル基量が70μmol/g、カルボキシル基量が550μmol/gであった。

0077

(比較例2)
実施例3において、イオン交換水の添加量を55.4kgから59.2kgに変更し、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液14.3kgに代えて48質量%の水酸化カリウム水溶液を6.3kg加えた以外は実施例1と同様にして、比較酸化カーボンブラック粒子水分散体2を得た。
得られた比較酸化カーボンブラック粒子水分散体2のpHは3.5であり、得られた酸化カーボンブラック粒子の酸性官能基の含有量は、ヒドロキシル基量が70μmol/g、カルボキシル基量が550μmol/gであった。

0078

(比較例3)
(1)酸化処理
ステンレス鋼製反応槽にイオン交換水55kgを入れ、そこに過硫酸ナトリウム((株)ADEKA製)8.5kgを加えて100rpmで完全に溶解するまで攪拌した後、さらにカーボンブラック粒子(東海カーボン(株)製カラー用カーボンブラック「トーカブラック♯7550F(窒素吸着比表面積135m2/g)」)を2.4kg加え、顔料が水に濡れ、均一になるまで撹拌を継続した。反応槽内の温度を60℃まで2時間かけて昇温し、60℃で3時間保持して加温した後、1時間かけて室温まで冷却した。

0079

(2)脱塩処理
(1)で得られた反応液を取り出し、旭化成ケミカルズ(株)製限外濾過膜「AHP−3013D」を用いて純水を加えながら酸性残塩の除去を行ない、カーボンブラック濃度4質量%の状態で200μS/cm以下まで脱塩処理を行なうことにより、酸化カーボンブラック粒子含有液を調製した。

0080

(3)中和処理
(2)で得られた酸化カーボンブラック粒子含有液を40kgまで濃縮した後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液をpHが11.0になるように添加し、さらにイオン交換水を加えて全量を60kgとした後、再度ステンレス鋼製反応槽内で60℃で3時間加温処理して中和処理した後、室温まで冷却した。
得られた酸化カーボンブラック粒子において、酸性官能基の含有量は、ヒドロキシル基量が70μmol/g、カルボキシル基量が540μmol/gであった。

0081

(3)分級処理
(2)で精製した酸化カーボンブラック粒子含有液の酸化カーボンブラックの濃度を3.0質量%に調整した後、日立工機(株)製高速冷却遠心分離機を用いて、回転数9,000rpmにて0.5L/分間の定速で送液しながら分級処理を行った。

0082

(4)精製処理
(3)で得られた分散液を、旭化成ケミカルズ(株)製言外ろ過膜「AHP−3013D」を用いて純粋を加えながら塩基性残塩の除去を行い、カーボンブラック濃度4質量%の状態で200μS/cm以下まで精製処理を行うことにより、中和された酸化カーボンブラック粒子含有液を調製した。
次いで、得られた遠心分離処理液を、旭化成ケミカルズ(株)製限外濾過膜「AHP−3013D」を用いて酸化カーボンブラック濃度が20質量%になるまで濃縮した。
その後、ポール(PALL)社製デプスフィルター「プロファイル(Profile)II」を用いて濾過処理することにより、目的とする濃度20質量%の比較酸化カーボンブラック粒子水分散体3を得た。
得られた比較酸化カーボンブラック粒子水分散体3のpHは7.9であり、得られた酸化カーボンブラック粒子の酸性官能基の含有量は、ヒドロキシル基量が70μmol/g、カルボキシル基量が540μmol/gであった。

0083

実施例1〜実施例4で得られた酸化カーボンブラック粒子水分散体1〜酸化カーボンブラック粒子水分散体4と、比較例1〜比較例3で得られた比較カーボンブラック分散液1〜比較酸化カーボンブラック粒子水分散体3の常温における、各平均粒径、粘度、pH、粗大粒子数、ならびに70℃で4週間保管した後における、平均粒計、粘度、pHを以下の方法で測定した。結果を表1に示す。

0084

(平均粒径)
平均粒径は、日機装(株)の「UPA150EX」を用いた動的光散乱法により測定した。

0085

(粘度)
25℃における粘度を、東機産業(株)製E型粘度計「TVE−22」にて測定した。

0086

(粘度)
25℃におけるpHを、東亜ディーケーケー(株)製pHメーター「HM−30R」にて測定した。

0087

(粗大粒子数)
粗大粒子数は、パーティクルサイジング・システムズ社製の「アキュサイザーAPS」を用いて粒径0.5μm以上の粗大粒子の数を測定し、カーボンブラック濃度20質量%換算値として算出した。

0088

0089

実施例1〜実施例4で得られた酸化カーボンブラック粒子水分散体1〜酸化カーボンブラック粒子水分散体4は、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量以上の量の無機アルカリの存在下に液相酸化しているために、別途中和処理を施すことなく液相酸化処理と中和処理とを同時に行うことができ、生成する酸性副生物を迅速に中和して精製処理や分級処理により目的とする顔料の分離を簡便に行うことができるばかりか、酸性廃液の廃棄処理も不要とし得ることが分かる。

0090

また、表1より、実施例1〜実施例4で得られた酸化カーボンブラック粒子水分散体1〜酸化カーボンブラック粒子水分散体4は、粗大粒子数が抑制されており、70℃で4週間保持しても、平均粒径、粘度、pHがほとんど変化しないことから、優れた分散性、保存安定性を示すものであることが分かる。

0091

一方、比較例1〜比較例2で得られた比較酸化カーボンブラック粒子水分散体1〜比較酸化カーボンブラック粒子水分散体2は、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、液相酸化により生成する酸性生成物を中和するために必要な理論量未満の量の無機アルカリの存在下に液相酸化しているために、表1に記載しているように、得られた水分散体のpHが低く、粗大粒子を多量に含み、70℃で4週間保持後の平均粒径および粘度が大きく変動し、分散性および安定性(保存安定性)の低いものであることが分かる。

実施例

0092

また、比較例3で得られた比較酸化カーボンブラック粒子水分散体3は、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、液相酸化とは別途中和処理を行っているために、製造工程が煩雑で、生成する酸性副生物の精製処理や分級処理が煩雑であるばかりか、酸性廃液の廃棄処理も必要とするものであることが分かる。また、表1より、得られた水分散体は、粗大粒子を多量に含み、分散性に劣るものであることが分かる。

0093

本発明によれば、過硫酸塩を用いてカーボンブラック粒子を液相酸化することにより酸化カーボンブラック粒子水分散体を製造する場合において、優れた分散性、保存安定性を示す酸化カーボンブラック粒子水分散体を簡便に製造する方法を提供することができる。

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