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技術 CD47によって媒介される食作用を操作するための方法

出願人 ザボードオブトラスティーズオブザレランドスタンフォードジュニアユニバーシティー
発明者 ジャイスワルシッダールタウェイスマンアービングエル.ジェイミーソンカトリオーナヘレンエム.マジェティラビンドラ
出願日 2016年6月9日 (4年5ヶ月経過) 出願番号 2016-114970
公開日 2016年10月20日 (4年0ヶ月経過) 公開番号 2016-183182
状態 特許登録済
技術分野 動物,微生物物質含有医薬 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 学習用データセット 極限法 多変数解析 記載範囲 液体領域 カイ二乗統計量 最適閾値 地固め
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図面 (20)

課題

循環血中の造血細胞骨髄細胞などの造血細胞、および固形腫瘍細胞を含む細胞食作用を操作するための方法を提供する。

解決手段

マクロファージのような食作用細胞上のSIRPαと相互作用し、食作用を低減させるCD47模倣分子宿主動物に提供することにより、循環血中の食作用から保護する方法。いくつかの態様において、循環血中の細胞は、特に、食作用からの保護が望ましい移植環境における、造血幹細胞または造血前駆細胞である。他の態様において、循環血中の細胞は、食作用の増大が望ましい白血病細胞、特に、急性骨髄性白血病(AML)である。

概要

背景

背景
細網内皮系(RES)は、免疫系の一部分である。RESは、細網結合組織中に位置する食作用細胞、主として単球およびマクロファージからなる。RESは、1)循環血中の単球;2)肝臓脾臓リンパ節胸腺気道および消化管粘膜下組織骨髄、ならびに結合組織中の在住マクロファージ;ならびに3)リンパ節中樹状細胞皮膚中ランゲルハンス細胞、および中枢神経系中のミクログリア細胞を含むマクロファージ様細胞からなる。これらの細胞はリンパ節および脾臓中で蓄積する。RESは、病原体血液循環中の粒子状物質、および老化または損傷した造血細胞クリアランスする機能を果たす。

先天性免疫応答において外来の細胞または粒子を排除するために、アポトーシス細胞およびネクローシス細胞などの死細胞の膜の外に提示され得るホスファチジルセリン(PS)にホスファチジルセリン受容体(PSR)が反応すると、マクロファージの媒介による食作用が誘導される。そして次に、PSとPSRの相互作用が、マクロファージによるアポトーシス細胞のクリアランスにおいて非常に重要な役割を果たす。マクロファージによって食作用が実行されると、IL-10、TGF-β、およびプロスタグランジンE2(PGE2)などの因子の増加によって炎症応答下方調節される。先天性免疫および適応免疫の両方における炎症応答と抗炎症応答との厳密なバランスは、細胞の恒常性を維持し、外来性侵入から宿主を保護する際に決定的に重要な役割を果たす。

炎症と腫瘍進行との因果関係は、広く認められている概念である。現在、免疫系の生理的機能の内の1つは、形質転換細胞を認識し破壊することであるという癌免疫監視の概念がデータで裏付けられている。しかしながら、いくつかの腫瘍細胞は、免疫系による認識および破壊を回避することができる。腫瘍細胞が一旦エスケープすると、免疫系は、例えば腫瘍血管新生を促進することによってそれらの増殖に関与し得る。

適応免疫細胞および先天性免疫細胞の両方が腫瘍細胞の監視および排除に関与するが、単球/マクロファージは、迅速にコロニーを形成し、樹状細胞(DC)およびNK細胞誘引活性化するサイトカイン分泌し、その結果として、形質転換細胞に対する適応免疫応答を開始させることができるため、腫瘍における防御最前線であり得る。

免疫機構をエスケープする腫瘍は、免疫監視段階の間に起こる改変の結果であり得る。例として、一部の腫瘍細胞は、IFN-γ受容体シグナル伝達経路の構成要素の欠如または異常な機能など、抗原プロセシング経路および抗原提示経路に欠陥を持つようになり、それによって適応免疫応答からの回避が容易になる。他の腫瘍は、炎症誘発性危険シグナルの誘導を抑制して、例えば、DC成熟障害をもたらす。最後に、多くの腫瘍細胞それら自体だけでなくマクロファージまたは調節性T細胞によっても産生され得る抗炎症性サイトカインIL-10およびTGF-βの過剰産生など免疫系の防御機能阻害もまた、腫瘍エスケープを促進し得る。

腫瘍は、蓄積した変異を介して無限増殖能力を獲得した腫瘍形成性癌細胞によって開始される異常器官と考えることができる。腫瘍を異常器官とするこの観点から考えると、腫瘍が発生する方法をより良く理解するために正常幹細胞生物学の原理を適用することができる。多くの観察結果から、正常幹細胞と腫瘍形成性細胞類似性が適切であることが示唆されている。正常幹細胞および腫瘍形成性細胞の両方とも、大きな増殖能力および新しい(正常または異常)組織を生じる能力を有する。腫瘍および正常組織の両方とも、表現型特徴が異なり増殖能力が異なる細胞の異種性組合せから構成される。

幹細胞は、自己複製によって自身を永続化させ、分化によって特定の組織の成熟細胞を生成する能力を有する細胞と定義される。大半の組織では、幹細胞はまれである。結果として、幹細胞の特性を研究するには、幹細胞をプロスペクティブに同定し、慎重に精製しなければならない。おそらく、幹細胞の最も重要かつ有用な特性は、自己複製という特性である。この特性を通じて、幹細胞と癌細胞との著しい類似点見出すことができる:腫瘍はしばしば正常幹細胞の形質転換から生じ得、類似したシグナル伝達経路が幹細胞および癌細胞の自己複製を調節し得、癌は、腫瘍形成推進する自己複製能力が無限である珍しい細胞を含み得る。

癌細胞に特異的であるか、または癌細胞において特異的に上方調節される細胞表面マーカーの研究は、癌細胞の増殖を低減させるため、または癌細胞を枯渇させるための標的を提供する際に極めて重要である。骨髄性白血病マーカー、特に、急性骨髄性白血病(AML)のマーカーが本明細書において提供される。本発明者らの研究により、食作用によるクリアランスをAML幹細胞が逃れるのを助ける際のこのマーカーの役割が明らかになった。AML幹細胞(AML SC)の食作用を増大させるため、ならびに造血幹細胞および前駆幹細胞の移植を改善するためにこのマーカーを使用するための方法が提供される。

興味深いことに、ある種のマーカーは白血病幹細胞および造血幹細胞(HSC)に共通していることが示されている。正常な発達の間、HSCは血流を介して、胎児の生活および成人の生活における異所的微小環境遊走する。血流中に一度入ると、HSCは、微小環境に落ち着く前に脾臓および肝臓の血管床を通過しなければならない。これらの血管床では、マクロファージは、血流から損傷細胞および外来粒子を除去する機能を果たす。さらに、炎症状態の間に、マクロファージの食作用はより活発になる。したがって、新しく到着する幹細胞は、付加的な保護を生じ得る場合を除いては、途中で貪食される可能性に直面する。内因性HSCが食作用によるクリアランスを逃れるメカニズム検査することにより、造血幹細胞および前駆幹細胞の移植成功を改善するための方法への洞察が提供され得る。本発明は、これらおよび他のニーズを満たす。

概要

循環血中の造血細胞、骨髄細胞などの造血細胞、および固形腫瘍細胞を含む細胞の食作用を操作するための方法を提供する。マクロファージのような食作用細胞上のSIRPαと相互作用し、食作用を低減させるCD47模倣分子宿主動物に提供することにより、循環血中の食作用から保護する方法。いくつかの態様において、循環血中の細胞は、特に、食作用からの保護が望ましい移植環境における、造血幹細胞または造血前駆細胞である。他の態様において、循環血中の細胞は、食作用の増大が望ましい白血病細胞、特に、急性骨髄性白血病(AML)である。なし

目的

現在、免疫系の生理的機能の内の1つは、形質転換細胞を認識し破壊することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

CD47を介したシグナル伝達を調整する作用物質を導入することによって、ヒト対象において造血細胞食作用を操作する方法。

請求項2

造血細胞が、循環血中の造血細胞である、請求項1記載の方法。

請求項3

造血細胞の集団とCD47模倣体とを含む組成物を対象に投与する段階を含む方法であって、該CD47模倣体がSIRPα受容体に結合し、かつ食作用を下方調節する、請求項1記載の方法。

請求項4

CD47模倣体が可溶性CD47である、請求項3記載の方法。

請求項5

CD47模倣体が、IgG1 Fcに融合された可溶性CD47を含む、請求項3記載の方法。

請求項6

前記細胞造血幹細胞である、請求項3記載の方法。

請求項7

前記細胞が造血前駆細胞である、請求項3記載の方法。

請求項8

AML患者血液細胞を、食作用を上方調節するCD47阻害物質と接触させる段階を含む、請求項1記載の方法。

請求項9

CD47阻害物質が、CD47に特異的に結合しかつSIRPα受容体とCD47との相互作用阻害する抗体である、請求項8記載の方法。

請求項10

AMLSCをターゲティングするかまたは枯渇させるために、CD47に特異的に結合する抗体に、反応物血液細胞を接触させる段階を含む、AML癌幹細胞をターゲティングするかまたは枯渇させる方法。

請求項11

前記抗体が細胞障害性物質に結合されている、請求項10記載の方法。

請求項12

細胞障害性物質が、放射性同位体化学療法剤、および毒素からなる群より選択される、請求項11記載の方法。

請求項13

前記枯渇が、エクスビボの前記血液細胞において実施される、請求項12記載の方法。

請求項14

ヒト対象において固形腫瘍癌細胞の食作用を増大させる方法であって、該癌細胞の食作用を上方調節するCD47阻害物質を含む組成物を該対象に投与する段階を含む、方法。

請求項15

ヒト対象において固形腫瘍の癌細胞をターゲティングする方法であって、該癌細胞をターゲティングするために、CD47に特異的に結合する抗体を含む組成物を該対象に投与する段階を含む、方法。

請求項16

CD47阻害物質が、CD47に特異的に結合しかつSIRPα受容体とCD47との相互作用を阻害する抗体である、請求項15記載の方法。

請求項17

前記抗体が細胞障害性物質に結合されている、請求項15記載の方法。

請求項18

前記抗体が二重特異性抗体である、請求項15記載の方法。

背景技術

0001

背景
細網内皮系(RES)は、免疫系の一部分である。RESは、細網結合組織中に位置する食作用細胞、主として単球およびマクロファージからなる。RESは、1)循環血中の単球;2)肝臓脾臓リンパ節胸腺気道および消化管粘膜下組織骨髄、ならびに結合組織中の在住マクロファージ;ならびに3)リンパ節中樹状細胞皮膚中ランゲルハンス細胞、および中枢神経系中のミクログリア細胞を含むマクロファージ様細胞からなる。これらの細胞はリンパ節および脾臓中で蓄積する。RESは、病原体血液循環中の粒子状物質、および老化または損傷した造血細胞クリアランスする機能を果たす。

0002

先天性免疫応答において外来の細胞または粒子を排除するために、アポトーシス細胞およびネクローシス細胞などの死細胞の膜の外に提示され得るホスファチジルセリン(PS)にホスファチジルセリン受容体(PSR)が反応すると、マクロファージの媒介による食作用が誘導される。そして次に、PSとPSRの相互作用が、マクロファージによるアポトーシス細胞のクリアランスにおいて非常に重要な役割を果たす。マクロファージによって食作用が実行されると、IL-10、TGF-β、およびプロスタグランジンE2(PGE2)などの因子の増加によって炎症応答下方調節される。先天性免疫および適応免疫の両方における炎症応答と抗炎症応答との厳密なバランスは、細胞の恒常性を維持し、外来性侵入から宿主を保護する際に決定的に重要な役割を果たす。

0003

炎症と腫瘍進行との因果関係は、広く認められている概念である。現在、免疫系の生理的機能の内の1つは、形質転換細胞を認識し破壊することであるという癌免疫監視の概念がデータで裏付けられている。しかしながら、いくつかの腫瘍細胞は、免疫系による認識および破壊を回避することができる。腫瘍細胞が一旦エスケープすると、免疫系は、例えば腫瘍血管新生を促進することによってそれらの増殖に関与し得る。

0004

適応免疫細胞および先天性免疫細胞の両方が腫瘍細胞の監視および排除に関与するが、単球/マクロファージは、迅速にコロニーを形成し、樹状細胞(DC)およびNK細胞誘引活性化するサイトカイン分泌し、その結果として、形質転換細胞に対する適応免疫応答を開始させることができるため、腫瘍における防御最前線であり得る。

0005

免疫機構をエスケープする腫瘍は、免疫監視段階の間に起こる改変の結果であり得る。例として、一部の腫瘍細胞は、IFN-γ受容体シグナル伝達経路の構成要素の欠如または異常な機能など、抗原プロセシング経路および抗原提示経路に欠陥を持つようになり、それによって適応免疫応答からの回避が容易になる。他の腫瘍は、炎症誘発性危険シグナルの誘導を抑制して、例えば、DC成熟障害をもたらす。最後に、多くの腫瘍細胞それら自体だけでなくマクロファージまたは調節性T細胞によっても産生され得る抗炎症性サイトカインIL-10およびTGF-βの過剰産生など免疫系の防御機能阻害もまた、腫瘍エスケープを促進し得る。

0006

腫瘍は、蓄積した変異を介して無限増殖能力を獲得した腫瘍形成性癌細胞によって開始される異常器官と考えることができる。腫瘍を異常器官とするこの観点から考えると、腫瘍が発生する方法をより良く理解するために正常幹細胞生物学の原理を適用することができる。多くの観察結果から、正常幹細胞と腫瘍形成性細胞類似性が適切であることが示唆されている。正常幹細胞および腫瘍形成性細胞の両方とも、大きな増殖能力および新しい(正常または異常)組織を生じる能力を有する。腫瘍および正常組織の両方とも、表現型特徴が異なり増殖能力が異なる細胞の異種性組合せから構成される。

0007

幹細胞は、自己複製によって自身を永続化させ、分化によって特定の組織の成熟細胞を生成する能力を有する細胞と定義される。大半の組織では、幹細胞はまれである。結果として、幹細胞の特性を研究するには、幹細胞をプロスペクティブに同定し、慎重に精製しなければならない。おそらく、幹細胞の最も重要かつ有用な特性は、自己複製という特性である。この特性を通じて、幹細胞と癌細胞との著しい類似点見出すことができる:腫瘍はしばしば正常幹細胞の形質転換から生じ得、類似したシグナル伝達経路が幹細胞および癌細胞の自己複製を調節し得、癌は、腫瘍形成推進する自己複製能力が無限である珍しい細胞を含み得る。

0008

癌細胞に特異的であるか、または癌細胞において特異的に上方調節される細胞表面マーカーの研究は、癌細胞の増殖を低減させるため、または癌細胞を枯渇させるための標的を提供する際に極めて重要である。骨髄性白血病マーカー、特に、急性骨髄性白血病(AML)のマーカーが本明細書において提供される。本発明者らの研究により、食作用によるクリアランスをAML幹細胞が逃れるのを助ける際のこのマーカーの役割が明らかになった。AML幹細胞(AML SC)の食作用を増大させるため、ならびに造血幹細胞および前駆幹細胞の移植を改善するためにこのマーカーを使用するための方法が提供される。

0009

興味深いことに、ある種のマーカーは白血病幹細胞および造血幹細胞(HSC)に共通していることが示されている。正常な発達の間、HSCは血流を介して、胎児の生活および成人の生活における異所的微小環境遊走する。血流中に一度入ると、HSCは、微小環境に落ち着く前に脾臓および肝臓の血管床を通過しなければならない。これらの血管床では、マクロファージは、血流から損傷細胞および外来粒子を除去する機能を果たす。さらに、炎症状態の間に、マクロファージの食作用はより活発になる。したがって、新しく到着する幹細胞は、付加的な保護を生じ得る場合を除いては、途中で貪食される可能性に直面する。内因性HSCが食作用によるクリアランスを逃れるメカニズム検査することにより、造血幹細胞および前駆幹細胞の移植成功を改善するための方法への洞察が提供され得る。本発明は、これらおよび他のニーズを満たす。

0010

循環血中の造血細胞、例えば骨髄細胞を含む造血細胞の食作用を操作する方法が提供される。本発明のいくつかの態様において、循環血中の細胞は、特に、食作用からの保護が望ましい移植環境における、造血幹細胞または造血前駆細胞である。他の態様において、循環血中の細胞は、食作用の増大が望ましい白血病細胞、特に、急性骨髄性白血病(AML)である。本発明の一定の態様において、循環血中の造血細胞のマクロファージ食作用を操作する方法が提供される。本発明のさらに別の態様において、固形腫瘍の食作用を操作する方法が提供される。

0011

本発明のいくつかの態様において、造血幹細胞または造血前駆細胞は、マクロファージのような食作用細胞上のSIRPαと相互作用し、食作用を低減させるCD47模倣分子宿主動物に提供することにより、循環血中の食作用から保護される。CD47模倣体は、可溶性CD47、保護しようとする細胞の表面にコーティングされたCD47、およびSIRPαのCD47結合部位に結合するCD47模倣体などでよい。本発明のいくつかの態様において、CD47は、融合タンパク質、例えば、Fc断片、例えば、IgG1 Fc、IgG2 Fc、IgAFcなどに融合された可溶性CD47として提供される。

0012

他の態様において、腫瘍細胞、例えば、固形腫瘍細胞、白血病細胞などは、細胞表面上のCD47をブロックすることによって食作用の標的とされる。白血病細胞、特にAML細胞は、CD47発現の上方調節によってマクロファージ監視を回避することが示されている。CD47タンパク質遮断する作用物質、例えば、CD47に結合し、CD47とSIRPαとの相互作用を妨げる抗体の投与患者に施されると、食作用を介したAML細胞のクリアランスが増大する。他の局面において、CD47を遮蔽する作用物質は、1種または複数種のその他のAMLSCマーカー、例えばCD96などを対象とするモノクローナル抗体と組み合わせられ、これらの組成物は、単一の作用物質を使用する場合と比べて、AMLSCの食作用および排除を強化するにあたって相乗的であり得る。他の態様において、固形腫瘍の細胞は、細胞表面上に存在するCD47をブロックすることによって食作用の標的とされる。

0013

別の態様において、AML癌幹細胞ターゲティングするかまたは枯渇させるための方法が提供され、この方法は、AMLSCをターゲティングするかまたは枯渇させるために、CD47に特異的に結合する反応物に、細胞集団、例えば白血病患者の血液を接触させる段階を含む。一定の局面において、反応物は、細胞障害性物質、例えば、放射性同位体化学療法剤毒素などに結合された抗体である。いくつかの態様において、枯渇、例えば、急性骨髄性白血病患者のための自家移植で使用するための自己由来幹細胞産物(動員された末梢血または骨髄)の浄化は、細胞のエクスビボ集団において実施される。別の態様において、CD47に対する抗体を対象に投与することによって、ヒト対象において固形腫瘍の癌細胞をターゲティングするための方法が提供される。

図面の簡単な説明

0014

骨髄異形成症候群(MDS、青)、慢性骨髄性白血病移行期(CMLAP、緑)、および正常骨髄(赤)に由来するヒトHSCおよび前駆細胞におけるCD47発現のFACS解析
ET対PV。ヒト正常骨髄(赤)と比べた、本態性血小板血症(ET、青)および真性赤血球増加症(PV、緑)などのヒト骨髄増殖性障害のHSC、前駆細胞、および系統陽性細胞によるCD47発現のFACS解析。
図3A:正常骨髄(左)、骨髄化生を伴う多血症骨髄線維症(PPMM)、およびCML急性転化の前駆細胞プロファイル。図3B:ヒト正常骨髄(赤)、UMPD(緑)、PV(青=ML)、非定型CML(オレンジ)のHSC、前駆細胞、および系統陽性細胞のCD47発現のFACS解析。
疾患進行と共に正常骨髄(赤)と比べて増大した、CMML前駆細胞(青)によるCD47発現。
図5A〜5B:(A)正常骨髄(左)およびAML(右)の前駆細胞プロファイル。(B)ヒト正常骨髄(赤)およびAML(青)のHSC、前駆細胞、および系統陽性細胞(芽球)のCD47発現のFACS解析。
CD47は、AML LSCにおいての方が、それらの正常な対応物においてよりも高発現される。A:正常骨髄のHSC(Lin-CD34+CD38-CD90+)およびMPP(Lin-CD34+CD38-CD90-CD45RA-)、ならびにヒトAML試料に由来するLSC(Lin-CD34+CD38-CD90-)およびバルク白血病細胞における相対的なCD47発現をフローサイトメトリーによって測定した。様々な日の解析を説明するために、平均蛍光強度細胞サイズおよび系統陽性細胞に対して正規化した。正常骨髄(赤、n=3)またはAML(青、n=13)の同じ試料は、異なる集団中の同じ記号で表示する。両側性スチューデントt検定を用いたところ、HSCとLSC(p=0.003)、HSCとバルク白血病(p=0.001)、MPPとLSC(p=0.004)、およびMPPとバルク白血病(p=0.002)の平均発現の差は統計学的に有意であった。対応のある両側性のスチューデントのt検定を用いたところ、バルクAMLと比べたAML LSCの平均発現の差は、統計学的に有意ではなかった(p=0.50)。B:インビトロおよび/またはインビボで操作した初代ヒトAML試料の臨床的特徴および分子的特徴
抗CD47抗体は、初代ヒトAML LSCのインビトロでのマクロファージ食作用を刺激する。2つの初代ヒトAML試料からFACSによってAML LSCを精製し、蛍光色素CFSEで標識し、アイソタイプ対照抗体(A)または抗CD47抗体(B)の存在下でマウス骨髄由来マクロファージと共にインキュベートした。免疫蛍光顕微鏡検査法により、蛍光標識したLSCがマクロファージ内部に存在するかどうかこれらの細胞を評価した。(C)マクロファージ100個当たりの摂取された細胞の数を算出することによって、各条件における食作用指数を決定した。
図8A〜C:ヒトCD47に対するモノクローナル抗体は、ヒトマクロファージおよびマウスマクロファージによるヒトAML LSCの食作用を優先的に可能にする。A、B。CFSEで標識したAML LSCを、IgG1アイソタイプ対照抗体、抗CD45 IgG1抗体、または抗CD47(B6H12.2)IgG1抗体の存在下で、ヒト末梢血由来マクロファージ(A)またはマウス骨髄由来マクロファージ(B)と共にインキュベートした。免疫蛍光顕微鏡検査法により、蛍光標識したLSCがマクロファージ内部に存在するかどうかこれらの細胞を評価した(矢印で示した)。C。CFSEで標識したAML LSCまたは正常骨髄CD34+細胞を、指定した抗体の存在下でヒトマクロファージ(左)またはマウスマクロファージ(右)と共にインキュベートし、次いで、免疫蛍光顕微鏡検査法によって食作用について評価した。マクロファージ100個当たりの摂取された細胞の数を算出することによって、各条件における食作用指数を決定した。AML LSCでは、アイソタイプ抗体または抗CD45抗体処置の場合と抗CD47遮断抗体(B6H12.2およびBRIC126)処置の場合の差は、ヒトマクロファージおよびマウスマクロファージを用いたすべての対比較において統計学的に有意であった(p<0.001)。ヒトマクロファージに関しては、AML LSCと正常CD34+細胞の差はB6H12.2(p<0.001)およびBRIC126(p=0.002)の場合に統計学的に有意であった。
抗CD47抗体は、初代ヒトAML LSCのインビトロでのマクロファージ食作用を刺激する。4つの初代ヒトAML試料からFACSによってAML LSCを精製し、蛍光色素CFSEで標識し、アイソタイプ対照抗体、アイソタイプを一致させた抗CD45抗体、または抗CD47抗体の存在下でヒト末梢血マクロファージと共にインキュベートした。(A)免疫蛍光顕微鏡検査法により、蛍光標識したLSCがマクロファージ内部に存在するかどうかこれらの細胞を評価した。マクロファージ100個当たりの摂取された細胞の数を算出することによって、各条件における食作用指数を決定した。(B)マクロファージを回収し、蛍光標識した抗ヒトマクロファージ抗体で染色し、フローサイトメトリーによって解析した。hMac+CFSE+という二重陽性事象によって、CFSEで標識したLSCを貪食したマクロファージが確認される。各試料を異なる色で表す。
図10A〜B:ヒトCD47に対するモノクローナル抗体はインビボでAML LSC生着を阻害する。新生仔NOGマウスに移植する前に、3つの初代ヒトAML試料をIgG1アイソタイプ対照抗体、抗CD45 IgG1抗体、または抗CD47 IgG1抗体(B6H12.2)と共にインキュベートした。これらの細胞の一部分を、抗マウスIgG二次抗体で染色することによってコーティングに関して解析し、フローサイトメトリーによって解析した(A)。13週後、これらのマウスを屠殺し、ヒトCD45+CD33+骨髄性白血病細胞の百分率を求めるためにフローサイトメトリーによって骨髄を解析した(B)。抗CD47でコーティングした細胞とアイソタイプでコーティングした細胞(p<0.001)および抗CD45でコーティングした細胞(p=0.003)の両方との平均生着の差は統計学的に有意であった。
CD47は、マウスの急性骨髄性白血病において上方調節されている。対照の非白血病動物と比べた、白血病性hMRP8bcrabl×hMRP8bcl2細胞の典型的な幹細胞(stem)および前駆細胞のプロットを示す。対照骨髄(a)および白血病性脾臓(b)由来のLin-c-Kit+Sca-1+にゲートをかけた細胞、ならびに対照骨髄(c)および白血病性脾臓(d)由来のLin-c-Kit+Sca-1-にゲートをかけた細胞は、白血病マウスの正常な造血混乱(perturberance)を示す。出現率は、骨髄または脾臓の単核画分全体に対する百分率として示す。(e)定量的RT-PCRにより、白血病性BM細胞においてCD47が上方調節されていることが示される。白血病性BM細胞または対照hRMP8bcrabl×hMRP8bcl2 BM細胞のいずれかを移植し、次いで2〜6週間後に屠殺した3セットのマウスから得たデータを示す。結果はβ-アクチンおよび18SrRNAの発現に対して正規化した。完全なBcl-2+ BM細胞を移植された対照と比べた変化率を決定した。誤差棒は、1 s.dに相当する。(f)ヒストグラムは、白血病マウス(灰色)および対照マウス(黒)のゲートをかけた集団におけるCD47の発現を示す。
ヒト骨髄性白血病におけるGMP増殖およびCD47上方調節。a)正常骨髄(BM)、ならびにaCML、BC CML、およびAMLにおける、骨髄共通前駆細胞(CMP)、巨核球赤血球前駆細胞(MEP)、および顆粒球マクロファージ前駆細胞(GMP)を含む骨髄系前駆細胞(CD34+CD38+Lin-)の代表的なFACSプロット。
ヒト骨髄性白血病におけるGMP増殖およびCD47上方調節。b)正常(赤;n=6)および急性骨髄性白血病(AML、青;n=6)の造血幹細胞(HSC;CD34+CD38-CD90+Lin-)および前駆細胞(CD34+CD38+Lin-)によるCD47発現の比較FACSヒストグラム。
ヒト骨髄性白血病におけるGMP増殖およびCD47上方調節。c)正常(赤)および慢性骨髄性白血病の造血幹細胞(HSC;CD34+CD38-CD90+Lin)および拘束された前駆細胞(CD34+CD38+Lin-)によるCD47発現の比較FACSヒストグラム。上側のパネル:正常(n=7)および慢性期CML(n=4)のHSC、前駆細胞、および系統陽性細胞。中央のパネル:正常(n=7)および移行期CML(n=7)のHSC、前駆細胞、および系統陽性細胞。下側のパネル:正常(n=7)および急性転化CML(n=4)のHSC、前駆細胞、および系統陽性細胞。
マウスCD47の過剰発現により、MOLM-13細胞の腫瘍形成能が増大する。a)MOLM-13細胞に、対照ウイルスまたはマウスCD47cDNA(2型)を発現するウイルスのいずれかを形質導入した。TetまたはTet-CD47と呼ぶ得られた細胞株を、非形質導入MOLM-13細胞を有するRAG/共通γ鎖欠損マウス競合的に移植した(5×105個のTet細胞(n=6)またはTet-47細胞(n=8)と5×105個のMOLM-13)。瀕死の際、GFPおよびヒトCD45キメラ化に関してマウスを解析した。
マウスCD47の過剰発現により、MOLM-13細胞の腫瘍形成能が増大する。b)ヒトCD45キメラ化および腫瘍病変サイズの測定に基づいて、造血組織におけるMOLM-13キメラ化を判定した。
マウスCD47の過剰発現により、MOLM-13細胞の腫瘍形成能が増大する。c)MOLM-13細胞およびTet MOLM-13細胞またはTet-CD47 MOLM-13細胞を競合的に移植したマウスの生存をプロットした。対照マウスは、注射部位の多量の腫瘍量が原因で死亡したが、造血組織中に生着はなかった。
マウスCD47の過剰発現により、MOLM-13細胞の腫瘍形成能が増大する。d)Tet-CD47 MOLM-13を移植した肝臓のヘマトキシリンおよびエオシン切片(200倍)。門脈周囲(矢印)および類洞(矢印の先)での腫瘍浸潤が明らかである。
マウスCD47の過剰発現により、MOLM-13細胞の腫瘍形成能が増大する。e)1×106個のTet MOLM-13細胞(n=5)またはTet-CD47 MOLM-13細胞(n=4)を、RAG2-/-Gc-/-マウスの右大腿に注射し、50〜75日後に組織を解析し、骨髄中のMOLM-13細胞のキメラ化を判定した。
マウスCD47の過剰発現により、MOLM-13細胞の腫瘍形成能が増大する。f)大腿内にTet MOLM-13細胞またはTet-CD47 MOLM-13細胞を移植されたマウスの生存曲線
マウスCD47の過剰発現により、MOLM-13細胞の腫瘍形成能が増大する。g) Tet-CD47 MOLM-13を移植したマウスおよび対照を移植したマウスにおける肝臓腫瘍形成および肝腫大の例。GFP蛍光から、腫瘍結節形成ならびにびまん性の浸潤が示される。
CD47の過剰発現によって、オプソニンを作用させていない肝臓MOLM-13細胞の食作用が妨げられる。a)Tet MOLM-13細胞またはTet-CD47 MOLM-13細胞を骨髄由来マクロファージ(BMDM)と共に2時間、4時間、または6時間インキュベートし、食作用指数を測定した。誤差棒は、1 s.dに相当する。(各時点でn=6)。
CD47の過剰発現によって、オプソニンを作用させていない肝臓MOLM-13細胞の食作用が妨げられる。b)Tet細胞またはTet-CD47細胞のいずれかと共にインキュベートしたBMDMのFACS解析。
CD47の過剰発現によって、オプソニンを作用させていない肝臓MOLM-13細胞の食作用が妨げられる。c)Tet MOLM-13細胞またはTet-CD47 MOLM-13細胞と共にインキュベートしたBMDMの2時間目および24時間目の顕微鏡写真(400倍)。
CD47の過剰発現によって、オプソニンを作用させていない肝臓MOLM-13細胞の食作用が妨げられる。d)Tet MOLM-13細胞またはTet-CD47 MOLM-13細胞をRAG2-/- Gc-/-マウスに移植し、2時間後に骨髄、脾臓、および肝臓のマクロファージを解析した。マクロファージのGFP+画分にゲートをかけている。結果は、3つの実験の代表である。
MOLM-13細胞におけるCD47の高発現は、腫瘍形成能力および食作用の回避に相関している。a)前述したようにして、Tet-CD47 MOLM-13細胞を高発現クローンと低発現クローンに分けた。ヒストグラムは、MOLM-13高発現(high)細胞(黒)、MOLM-13低発現(low)細胞(灰色)、およびマウス骨髄細胞(網掛け)におけるCD47発現を示す。MFI/FSC2(×109)から得られた値を表示している。
MOLM-13細胞におけるCD47の高発現は、腫瘍形成能力および食作用の回避に相関している。b)CD47hi MOLM-13細胞を移植したマウスにドキシサイクリンを2週間与えた。ヒストグラムは、未治療マウス(網掛け)および治療マウス(網掛け)におけるCD47発現レベルを示し、MFI/FSC2(×109)の値を表示している。
MOLM-13細胞におけるCD47の高発現は、腫瘍形成能力および食作用の回避に相関している。c)1×106個のCD47hi MOLM-13細胞を移植するか、CD47lo MOLM-13細胞を移植するか、またはCD47hi MOLM-13細胞を移植し、移植後2週目にドキシサイクリンを投与したRAG2-/- Gc-/-マウスの生存率
MOLM-13細胞におけるCD47の高発現は、腫瘍形成能力および食作用の回避に相関している。d)剖検時、または1×106個のCD47hi MOLM-13細胞の移植、CD47lo MOLM-13細胞の移植、もしくは移植後2週目のドキシサイクリン投与を伴うCD47hi MOLM-13細胞の移植後75日目のマウスの肝臓および脾臓のサイズ。
MOLM-13細胞におけるCD47の高発現は、腫瘍形成能力および食作用の回避に相関している。e)剖検時、または1×106個のCD47hi MOLM-13細胞の移植、CD47lo MOLM-13細胞の移植、もしくは移植後2週目のドキシサイクリン投与を伴うCD47loi MOLM-13細胞の移植後75日目のマウスにおけるヒト細胞の骨髄および脾臓でのキメラ化。
MOLM-13細胞におけるCD47の高発現は、腫瘍形成能力および食作用の回避に相関している。f)元の細胞株(網掛け)と比べた、骨髄(白抜き(open))中に生着したCD47lo MOLM-13細胞におけるマウスCD47発現。MFI/FSC2(×109)の値を表示している。
MOLM-13細胞におけるCD47の高発現は、腫瘍形成能力および食作用の回避に相関している。g)2.5×105個のCD47hi MOLM-13細胞またはCD47lo MOLM-13細胞を5×104個のBMDMと共に2時間インキュベートした。食作用指数を表示している。
MOLM-13細胞におけるCD47の高発現は、腫瘍形成能力および食作用の回避に相関している。h)2.5×105個のCD47hi MOLM-13 RFP細胞およびCD47lo MOLM-13GFP細胞を5×104個のBMDMと共に2時間インキュベートした。CD47hi MOLM-13 RFP細胞(赤)およびCD47loMOLM-13 GFP細胞(緑)の3つの個別試料の食作用指数を示す。
MOLM-13細胞におけるCD47の高発現は、腫瘍形成能力および食作用の回避に相関している。i) 2.5×105個のCD47hi MOLM-13 RFP細胞およびCD47lo MOLM-13 GFP細胞を5×104個のBMDMと共に24時間インキュベートした。顕微鏡写真は、明視野画像(左上)、RFP画像(右上)、GFP画像(左下)、および合成画像(右下)を示す。
a)非白血病性Fas lpr/lpr hMRP8bcl-2(青)および白血病性Fas lpr/lpr hMRP8bcl-2(緑)の骨髄造血幹細胞(c-kit+Sca+Lin-)、骨髄系前駆細胞(c-kit+Sca-Lin-)または芽球(c-kit lo Sca-Lin-)におけるCD47発現のFACS解析。b)以前に説明されているようにして24、p210 bcr/ablを含むレトロウイルスをマウス骨髄に形質導入した。瀕死になった場合、マウスを屠殺し、脾臓を解析した。2匹の白血病マウスの脾臓(網掛け無しのヒストグラム)および野生型マウス由来の骨髄(網掛けしたヒストグラム)中のc-Kit+Mac-1+細胞におけるCD47発現を示す。c)ヒストグラムは、hMRP8bcrabl×hMRP8bcl2白血病マウス(赤)、hMRP8bcl2非白血病マウス(青)、および野生型マウス(緑)のゲートをかけた集団におけるCD47発現を示す。FITCを結合させた抗マウスCD47(Pharmingen)を用いて、CD47を染色した。
a)ヒト白血病細胞株および臍帯血HSCにおけるヒトCD47の発現(黒のヒストグラム)を示す。アイソタイプ対照の染色を灰色で示す。
b)バックグラウンドを超えるCD47 MFIは、FSC2で割ることによって細胞サイズに対して正規化した。各細胞型について得られる値を棒の上に示す。
c)HL-60細胞はマウス骨髄に生着する。5×105個の細胞をRAG2-/- Gc-/-動物の静脈内に注射し、4週間後にマウスを解析した。
d)細胞をCFSEで染色し、BMDMと同時培養した。2時間後に食作用事象を計数した。放射線照射する場合、2グレイの線量をJurkat細胞に与え、食作用アッセイ法に先立って16時間インキュベートした。
(a)IAP+/+マウス、IAP+/-マウス、およびIAP-/-マウスの骨髄に由来する幹細胞および前駆細胞の解析。幹細胞(左)は、系統-c-Kit+Sca-1+細胞にゲートがかけられている。骨髄系前駆細胞(右)は、系統-c-Kit+Sca-1+細胞にゲートがかけられている。骨髄全体における出現率を、ゲートをかけられた各集団の近くに示している。
(b)個々に選別したLT-HSCの7日目のコロニー形成量。G-顆粒球;M-マクロファージ;GM-顆粒球およびマクロファージ;GEMM-顆粒球、マクロファージ、赤血球、および巨核球;Meg-巨核球。
(c)9.5グレイの放射線線量を与えられ、図に示した細胞を移植されたレシピエントマウスの生存曲線。放射線照射の対照マウスは12〜15日以内にすべて死亡した。各群についてn=5。
(d)移植後4週目の時点のCD45.1/CD45.2キメラ化のプロットの例。CD45.1マウスに50個のLT-HSC(CD45.2)および2×105個のCD45.1ヘルパー骨髄を移植した。細胞は、B220-CD3-Mac-1+側方散乱mid/hi細胞にゲートがかけられている。IAP-/-細胞は生着できない。
(e)50個または500個のIAP+/+細胞またはIAP-/-細胞を移植したマウスのキメラ化解析の要約。
(f)IAP+/+またはIAP-/-のc-Kit濃縮細胞を野生型BMDMと共にインキュベートした。結果は、3つの個別試料から算出した平均食作用指数を示す。誤差棒は、1s.dに相当する。
(g)2時間後に撮影した食作用アッセイ法の顕微鏡写真。-Kit濃縮細胞の遺伝子型を示す。
(a)Cy/Gを用いてマウスを動員し、2日目に骨髄を解析した。c-Kit+細胞におけるCD47発現レベルを示す。
(b)骨髄系前駆細胞のゲートおよび幹細胞のゲートを、動員後2日目の骨髄に関して示す。左のヒストグラムは、定常状態(網掛けヒストグラム)、動員後2日目(黒の線)、および動員後5日目(灰色の線)の骨髄LT-HSCおよびGMPにおけるCD47発現レベルを示す。
(c)Cy/G動員から0〜5日目のGMPにおけるCD47の相対的MFI。定常状態のGMPが100に等しくなるように結果を正規化した。
(d)骨髄系前駆細胞のゲートおよび幹細胞のゲートを、LPS処置後2日目の骨髄に関して示す。ヒストグラムは、LPS後2日目(黒の線)、LPS後5日目(濃い灰色の網掛けヒストグラム)、定常状態(明るい灰色の網掛けヒストグラム)、およびIAP-/-(黒の網掛けヒストグラム)のLT-HSCおよびGMPにおけるCD47発現レベルを示す。
(e)2日目〜5日目の、動員されたIAP+/+マウスおよびIAP-/-マウスの造血器官中のKLS細胞の評価。1日当たり遺伝子型当たり2匹のマウスを解析した。
(a)IAP+/+ LT-HSC、IAP+/- LT-HSC、およびIAP-/- LT-HSCのCD47発現レベル。各群のMFI数値を示す。(b)IAP+/+マウス(上)またはIAP+/-マウス(下)の移植片ドナーキメラ化解析。移植後2週目、8週目、および40週目にマウスから採血した。致死線量以下の放射線照射した類遺伝子性レシピエントドナー細胞2×106個を移植した。
差次的なCD47発現に基づいた、同じ患者に由来する正常前駆細胞および白血病前駆細胞の同定および分離。A:標本SU008のLin-CD34+CD38-LSC濃縮画分におけるCD47発現をフローサイトメトリーによって測定した。CD47高発現細胞およびCD47低発現細胞を同定し、FACSを用いて精製した。左のパネルでは、系統陰性細胞にゲートがかけられているのに対し、右のパネルでは、Lin-CD34+CD38-細胞にゲートがかけられている。
差次的なCD47発現に基づいた、同じ患者に由来する正常前駆細胞および白血病前駆細胞の同定および分離。B:Lin-CD34+CD38-CD47lo細胞およびLin-CD34+CD38-CD47hi細胞を、骨髄系コロニーすべての増殖を支援できる完全メチルセルロース播種した。14日後に、形態学的評価によって骨髄系コロニー形成を判定した。代表的なCFU-G/M(左)およびBFU-E(右)を提示する。
差次的なCD47発現に基づいた、同じ患者に由来する正常前駆細胞および白血病前駆細胞の同定および分離。C:Lin-CD34+CD38-CD47lo細胞を新生仔NOGマウス2匹に移植した。12週後、これらのマウスを屠殺し、ヒトCD45+CD33+骨髄性細胞およびヒトCD45+CD19+リンパ系細胞の存在について、フローサイトメトリーによって骨髄を解析した。
差次的なCD47発現に基づいた、同じ患者に由来する正常前駆細胞および白血病前駆細胞の同定および分離。D:Lin-CD34+CD38-CD47lo細胞を移植したマウスの骨髄から精製した正常骨髄HSC、バルクSU008白血病細胞、Lin-CD34+CD38-CD47hi細胞、Lin-CD34+CD38-CD47lo細胞、またはヒトCD45+細胞を、FLT3-ITD変異の存在に関してPCRによって評価した。野生型FLT3の産生物およびFLT3-ITDの産生物を表示している。
ヒトAMLにおけるCD47発現の増大は、不良な臨床転帰に関連する。細胞遺伝学的に正常なAML患者132名(A、B)およびFLT3-ITD変異の無い患者74名のサブセット(C、D)の無再発生存(A、C)および全生存(B、D)。独立した学習用データセットからマイクロアレイ解析によって決定した最適閾値に基づいて、患者をCD47低発現群とCD47高発現群に層別化した(28%が高発現、72%が低発現)。有意性測定値は、2分類としてCD47発現モデルを処理する場合、p値の対数尤度推定値に基づいている。
図23A〜E:ヒトCD47に対するモノクローナル抗体はインビボでAMLを排除する。新生仔NOGマウスにAML LSCを移植し、8〜12週後、末梢血(A、B)および骨髄(C〜E)を、抗CD47抗体(B6H12.2)または対照IgG抗体治療する前のベースライン生着に関して解析した(0日目)。毎日100μgを腹腔内注射してマウスを14日間治療し、終了時にマウスを屠殺し、ヒトCD45+CD33+白血病の百分率に関して末梢血および骨髄を解析した。A:フローサイトメトリーによって測定した、抗CD47抗体で治療した代表的マウスおよび対照IgGで治療した代表的マウスから得た末梢血における治療前および治療後のヒト白血病性キメラ化
図23A〜E:ヒトCD47に対するモノクローナル抗体はインビボでAMLを排除する。新生仔NOGマウスにAML LSCを移植し、8〜12週後、末梢血(A、B)および骨髄(C〜E)を、抗CD47抗体(B6H12.2)または対照IgG抗体で治療する前のベースライン生着に関して解析した(0日目)。毎日100μgを腹腔内注射してマウスを14日間治療し、終了時にマウスを屠殺し、ヒトCD45+CD33+白血病の百分率に関して末梢血および骨髄を解析した。B:治療過程の間の複数の日に評価した末梢血のヒト白血病性キメラ化の概要から、対照IgG治療と比べて、抗CD47抗体で治療したマウスにおいての方が白血病が消失していることが実証された(p=0.007)。
図23A〜E:ヒトCD47に対するモノクローナル抗体はインビボでAMLを排除する。新生仔NOGマウスにAML LSCを移植し、8〜12週後、末梢血(A、B)および骨髄(C〜E)を、抗CD47抗体(B6H12.2)または対照IgG抗体で治療する前のベースライン生着に関して解析した(0日目)。毎日100μgを腹腔内注射してマウスを14日間治療し、終了時にマウスを屠殺し、ヒトCD45+CD33+白血病の百分率に関して末梢血および骨髄を解析した。C:フローサイトメトリーによって測定した、抗CD47抗体で治療した代表的マウスおよび対照IgGで治療した代表的マウスから得た骨髄における治療前および治療後のヒト白血病性キメラ化。
図23A〜E:ヒトCD47に対するモノクローナル抗体はインビボでAMLを排除する。新生仔NOGマウスにAML LSCを移植し、8〜12週後、末梢血(A、B)および骨髄(C〜E)を、抗CD47抗体(B6H12.2)または対照IgG抗体で治療する前のベースライン生着に関して解析した(0日目)。毎日100μgを腹腔内注射してマウスを14日間治療し、終了時にマウスを屠殺し、ヒトCD45+CD33+白血病の百分率に関して末梢血および骨髄を解析した。D:0日目と比べた14日目の骨髄におけるヒト白血病性キメラ化の概要から、対照IgG治療と比べて、抗CD47抗体で治療したマウスにおいての方が白血病量が劇的に減少していることが実証された(p<0.001)。
図23A〜E:ヒトCD47に対するモノクローナル抗体はインビボでAMLを排除する。新生仔NOGマウスにAML LSCを移植し、8〜12週後、末梢血(A、B)および骨髄(C〜E)を、抗CD47抗体(B6H12.2)または対照IgG抗体で治療する前のベースライン生着に関して解析した(0日目)。毎日100μgを腹腔内注射してマウスを14日間治療し、終了時にマウスを屠殺し、ヒトCD45+CD33+白血病の百分率に関して末梢血および骨髄を解析した。E:対照IgG(パネル1、2)または抗CD47抗体(パネル4、5)のいずれかによる治療後の、SU004を移植したマウスから得た代表的なマウス骨髄腔のヘマトキシリン・エオシン染色切片。IgGで治療した骨髄は、単形性白血病芽球が詰まっていたのに対し、抗CD47抗体で治療した骨髄は低細胞性であったことから、ヒト白血病の消失が実証された。白血病が残存していた、抗CD47抗体で治療した数匹のマウスでは、貪食された核濃縮細胞を含むマクロファージが検出され、ヒト白血病の消失がとらえられた(パネル3、6の矢印)。
CD47発現の増大から、DLBCLおよび卵巣癌全生存率の低下が予測される。(A)びまん性大型B細胞リンパ腫罹患した患者230名のコホート(p=0.01)。(B)進行期(III/IV)の卵巣癌に罹患した患者133名のコホート(p=0.04)。
抗CD47抗体は、インビトロにおいて固形腫瘍幹細胞の食作用を可能にする。図に示した細胞をIgG1アイソタイプ抗体、抗HLA抗体、または抗CD47抗体の存在下でヒトマクロファージと共にインキュベートし、免疫蛍光顕微鏡検査法によって食作用指数を決定した。統計:膀胱癌細胞では、IgG1アイソタイプを抗HLA(p=0.93)および抗CD47(p=0.01)と比較した;正常膀胱尿路上皮では、IgG1アイソタイプを抗HLA(p=0.50)および抗CD47(p=0.13)と比較した;卵巣癌細胞では、IgG1アイソタイプを抗HLA(p=0.11)および抗CD47(p<0.001)と比較した。各データポイントはそれぞれ、別個腫瘍試料または正常組織試料を表す。

0015

態様の詳細な説明
循環血中の造血細胞を含む造血細胞を操作する方法が提供される。本発明のいくつかの態様において、造血幹細胞または造血前駆細胞は、マクロファージのような食作用細胞上のSIRPαと相互作用し、食作用を低減させるCD47模倣分子を宿主動物に提供することにより、循環血中の食作用から保護される。他の態様において、白血病細胞は、細胞表面のCD47をブロックすることによって食作用の標的とされる。他の態様において、固形腫瘍の細胞は、細胞表面のCD47をブロックすることによって食作用の標的とされる。別の態様において、AML癌幹細胞をターゲティングするかまたは枯渇させるための方法が提供され、この方法は、AMLSCをターゲティングするかまたは枯渇させるために、CD47に特異的に結合する抗体に反応物血液細胞を接触させる段階を含む。別の態様において、CD47に対する抗体を対象に投与することによって、ヒト対象において固形腫瘍の癌細胞をターゲティングするための方法が提供される。

0016

本発明をさらに説明する前に、本発明は説明される特定の態様に限定されず、したがって、当然、変化し得ることを理解すべきである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書において使用される専門用語は、特定の態様を説明することだけを目的とし、限定することを意図しないことも理解すべきである。

0017

ある範囲の値が提供される場合、文脈において特に規定がない限り、その範囲の上限値と下限値の間にある、その下限値の単位の10分の1までの各介在値、およびその記載範囲中の他の任意の記載値または介在値が本発明に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限値および下限値は、それらのより小さな範囲に独立に含まれてよく、また、本発明に包含されるが、記載範囲中の特に除外される任意の限界値に従うことを条件とする。記載範囲がこれらの限界値の一方または両方を含む場合、これらの含まれる限界値のいずれかまたは両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。

0018

本明細書において説明する方法は、列挙した事象を論理的に可能である任意の順序で、ならびに事象を列挙した順序で行ってよい。

0019

他に規定されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において説明されるものと同様または等価な任意の方法および材料もまた、本発明の実践または試験において使用することができるが、好ましい方法および材料を以下に説明する。

0020

本明細書において言及される刊行物はすべて、これらの刊行物が関連して引用される方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み入れられる。

0021

本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈において特に規定がない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。特許請求の範囲は任意の自由選択要素を除外するように立案してもよいことに、さらに留意されたい。したがって、本明細書は、「単に(solely)」および「だけ(only)」などの排他的用語を請求項の構成要素の詳説とともに使用するため、または「消極的」限定を使用するための先行基準となることが意図される。

0022

本明細書において考察される刊行物は、本出願の出願日より前にそれらの開示があったことを示すためだけに提供される。本明細書における何事も、以前の発明によるそのような刊行物に本発明が先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行物の日付は、実際の出版日と異なる場合があり、別個に確認する必要がある場合がある。

0023

定義
CD47ポリペプチド。ヒトCD47の3種の転写変異体(変異体1、NM 001777;変異体2、NM 198793;および変異体3、NM 001025079)は、CD47ポリペプチドの3種のアイソフォームをコードする。3種のアイソフォームの内で最も長いCD47アイソフォーム1(NP 001768)は323アミノ酸長である。CD47アイソフォーム2(NP 942088)は、305アミノ酸長である。CD47アイソフォーム3は、312アミノ酸長である。これら3種のアイソフォームは、最初の303個のアミノ酸の配列が同一である。アミノ酸1〜8はシグナル配列を含み、アミノ酸9〜142は可溶性断片であるCD47免疫グロブリン様ドメインを含み、アミノ酸143〜300は膜貫通ドメインである。

0024

「CD47模倣体」には、SIRPα受容体に結合し活性化することによって、CD47と同様に機能する分子が含まれる。CD47模倣体として有用な分子には、天然に存在するCD47の誘導体、変異体、および生物学的に活性な断片が含まれる。「変異体」ポリペプチドとは、天然配列ポリペプチドとの配列同一性が100%未満である、以下に定義する生物学的に活性なポリペプチドを意味する。このような変異体には、天然配列のN末端もしくはC末端または天然配列の内部に1つまたは複数のアミノ酸残基が付加されたポリペプチド;約1〜40個のアミノ酸残基が欠失し、任意で1つまたは複数のアミノ酸残基に置換されているポリペプチド;および、アミノ酸残基が共有結合的に修飾され、その結果、得られる産物が天然に存在しないアミノ酸を有する、上記のポリペプチドの誘導体が含まれる。通常、生物学的に活性な変異体は、天然配列ポリペプチドとのアミノ酸配列同一性が少なくとも約90%、好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約99%であるアミノ酸配列を有する。変異体ポリペプチドは、天然にまたは非天然にグリコシル化されていてよい。すなわち、ポリペプチドは、天然に存在する対応するタンパク質において見出されるグリコシル化パターンとは異なるグリコシル化パターンを有する。変異体ポリペプチドは、天然CD47タンパク質においては見出されない翻訳後修飾を有してよい。

0025

可溶性CD47の断片、特に生物学的に活性な断片、および/または機能的ドメインに対応する断片が、関心対象である。関心対象の断片は、典型的には、少なくとも約10アミノ酸長〜少なくとも約15アミノ酸長であり、通常、少なくとも約50アミノ酸長であるが、CD47と同一であるアミノ酸ストレッチを断片が有すると考えられる約142アミノ酸長を通常は超えない。例えば、「少なくとも20アミノ酸長」の断片は、例えば、CD47のcDNAにコードされるポリペプチドに由来する20個またはそれ以上の連続したアミノ酸を含むと意図される。この文脈において、「約」は、具体的に挙げた値またはアミノ酸数個(5個、4個、3個、2個、もしくは1個)分大きいもしくは小さい値を含む。本明細書において説明するタンパク質変異体は、本発明の範囲内のポリヌクレオチドにコードされる。遺伝コードを用いて、対応する変異体を構築するのに適切なコドンを選択することができる。これらのポリヌクレオチドを用いてポリペプチドを作製することができ、公知の方法により、これらのポリペプチドを用いて抗体を作製することができる。

0026

「融合」ポリペプチドとは、異種ポリペプチドに融合または結合されたポリペプチドまたはその一部分(例えば、1つもしくは複数のドメイン)を含むポリペプチドである。例えば、融合可溶性CD47タンパク質は、天然配列の可溶性CD47ポリペプチドと共通の少なくとも1種の生物学的特性を有すると考えられる。融合ポリペプチドの例には、前述したように、CD47ポリペプチドの一部分と免疫グロブリン配列を組み合わせたイムノアドヘシン、および「タグポリペプチド」に融合された可溶性CD47ポリペプチドまたはその一部分を含むエピトープタグ付きポリペプチドが含まれる。タグポリペプチドは、抗体がそれに対して産生され得るエピトープを提供するのに十分な残基を有するが、CD47ポリペプチドの生物活性を妨げない程度に短い。適切なタグポリペプチドは、一般に、少なくとも6個のアミノ酸残基、通常は、約6個〜60個の間のアミノ酸残基を有する。

0027

天然配列ポリペプチドの「機能的誘導体」は、天然配列ポリペプチドと共通の定性的生物学的特性を有する化合物である。「機能的誘導体」には、対応する天然配列ポリペプチドと共通の生物活性を有することを条件として、天然配列の断片、天然配列ポリペプチドおよびその断片の誘導体が含まれるが、それらに限定されるわけではない。「誘導体」という用語は、ポリペプチドのアミノ酸配列変異体およびそれらの共有結合修飾体の両方を包含する。可溶性CD47の誘導体および融合物は、CD47模倣分子として使用される。

0028

CD47ポリペプチドの最初の142個のアミノ酸は、CD47の細胞外領域を含む(SEQID NO: 1)。3種のアイソフォームの細胞外領域のアミノ酸配列は同一であり、したがって、アイソフォームのいずれかを用いて可溶性CD47を作製することができる。「可溶性CD47」は、膜貫通ドメインを欠いたCD47タンパク質である。可溶性CD47は、細胞表面に局在する代わりに、それを発現する細胞の外へ分泌される。可溶性CD47は、機能性を追加するために、例えば、インビボでの安定性を高めるために、別のポリペプチドに融合されてもよい。一般に、このような融合相手は、融合物として存在する場合に、可溶性CD47タンパク質のインビボ血漿半減期延長することができる安定な血漿タンパク質であり、特に、そのような安定な血漿タンパク質は免疫グロブリン定常ドメインである。たいていの場合は、安定な血漿タンパク質は多量体型で、例えば、免疫グロブリンまたはリポタンパク質として通常存在し、同じまたは異なるポリペプチド鎖が通常はジスルフィド結合かつ/または非共有結合で結合されて、組み立てられた多鎖ポリペプチドを形成している。ヒトIgG1に融合された可溶性CD47が説明されている(Motegi S. et al.EMBO J. 22(11): 2634-2644)。

0029

安定な血漿タンパク質は、典型的には約30〜2,000個の残基を有するタンパク質であり、天然環境において長い、すなわち約20時間より長い循環血中半減期を示す。適切な安定な血漿タンパク質の例は、免疫グロブリン、アルブミン、リポタンパク質、アポリポタンパク質、およびトランスフェリンである。典型的には、CD47の細胞外領域は、血漿タンパク質または可溶性CD47に長い半減期を与えることができるその断片のN末端において血漿タンパク質に融合されている。可溶性CD47の血漿半減期が約100%より長くなれば、十分である。

0030

通常、免疫グロブリンの定常領域のN末端に可溶性CD47のC末端が可変領域の代わりに融合されるが、N末端融合物もまた使用されてよい。典型的には、このような融合は、免疫グロブリン重鎖の定常領域の少なくとも機能的に活性なヒンジ、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを保持し、重鎖には、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4、IgA、IgMIgE、およびIgD、通常、IgGクラスのタンパク質の1種または組合せが含まれ得る。また、定常ドメインFc部分のC末端に、または重鎖のCH1もしくは軽鎖の対応する領域のN末端に直接融合される。通常、これは、適切なDNA配列を構築し、それを組換え細胞培養で発現させることによって遂行される。あるいは、公知の方法に従ってポリペプチドを合成してもよい。

0031

融合を行う正確な部位は決定的に重要ではない;CD47の生物活性、分泌、または結合特徴を最適化するために特定の部位を選択することができる。最適な部位は、日常的な実験法によって決定される。

0032

いくつかの態様において、ハイブリッド免疫グロブリンは単量体またはヘテロ多量体もしくはホモ多量体、および特に、二量体または四量体として組み立てられる。一般に、組み立てられたこれらの免疫グロブリンは公知の単位構造を有する。基本的な4鎖構造単位が、IgG、IgD、およびIgEが存在する形態である。より高分子量の免疫グロブリンでは、4鎖単位が繰り返されている;一般にIgMは、ジスルフィド結合によって結合された基本的な4鎖単位の五量体として存在する。IgA免疫グロブリン、および時折IgG免疫グロブリンもまた、多量体型で血清中に存在し得る。多量体の場合、各4鎖単位は同じまたは異なってよい。

0033

適切なCD47模倣体および/またはCD47融合タンパク質は、化合物スクリーニングにより、作用物質がCD47の生物活性を模倣する能力を検出することによって同定することができる。CD47の1つの生物活性は、マクロファージ上のSIRPα受容体の活性化である。候補作用物質の有効性に関する最初のスクリーニングとしてインビトロアッセイ法を行ってよく、通常、インビボアッセイ法は生物学的アッセイ法を裏付けるために実施される。望ましい作用物質は、SIRPα受容体活性化を一時的に妨害する際に有効である。望ましい作用物質は、例えば、生物学的分解が原因で、本質的に一時的である。

0034

CD47生物活性に関するインビトロアッセイ法には、例えば、ヒトマクロファージによるブタ細胞の食作用の阻害、SIRPα受容体への結合、SIRPαチロシンリン酸化などが含まれる。CD47生物活性に関する例示的なアッセイ法では、候補作用物質の存在下でヒトマクロファージ組成物と接触させる。これらの細胞を候補作用物質と約30分間インキュベートし、溶解させる。細胞溶解物を抗ヒトSIRPα抗体と混合して、SIRPαを免疫沈降させる。沈降したタンパク質をSDS PAGEによって分離し、次いでニトロセルロースに移し、ホスホチロシンに特異的な抗体でプローブする。CD47模倣体として有用な候補作用物質は、候補作用物質の不在下で観察されるリン酸化レベルと比べて少なくとも10%、または最大で20%、または50%、または70%、または80%、または最大で約90%、SIRPαチロシンリン酸化を増加させる。CD47生物活性に関する別の例示的なアッセイ法では、ヒトマクロファージによる造血細胞の食作用を測定する。CD47模倣体として有用な候補作用物質は、候補作用物質の不在下で観察される食作用レベルと比べて少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または最大で約90%、食作用を下方調節する。

0035

可溶性CD47または可溶性CD47-Fcをコードするポリヌクレオチドは、適切な発現ベクターに導入することができる。発現ベクターは適切な細胞中に導入される。一般に、発現ベクターは、プロモーター配列の近くに位置し、ポリヌクレオチド配列の挿入を与える好都合制限部位を有する。転写開始領域、CD47遺伝子またはその断片、および転写終結領域を含む転写カセットを調製することができる。転写カセットは様々なベクター、例えば、プラスミド;レトロウイルス、例えば、レンチウイルス;およびアデノウイルスなどに導入することができ、これらのベクターは、普通は少なくとも約1日の間、もっと普通には少なくとも数日間〜数週間くらいの期間、細胞中で一過性または安定に維持され得る。

0036

様々な操作をインビトロで実施してよく、または適切な宿主、例えば、大腸菌(E. coli)中で実施してもよい。各操作の後、得られた構築物クローニングし、ベクターを単離し、DNAスクリーニングまたは配列決定して、その構築物の正確さを徹底することができる。配列は、制限分析または配列決定などによってスクリーニングすることができる。

0037

可溶性CD47は、硫安沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン交換クロマトグラフィーまたは陽イオン交換クロマトグラフィーホスホセルロースクロマトグラフィー疎水性相互作用クロマトグラフィーアフィニティークロマトグラフィープロテインGアフィニティークロマトグラフィー、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって、組換え細胞培養物から回収および精製することができる。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)を精製のために使用する。

0038

可溶性CD47はまた、直接単離されたか培養されたかを問わず、精製された細胞の産生物;化学合成手順による生成物;ならびに、例えば、細菌細胞酵母高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む原核性宿主または真核性宿主から組換え技術によって産生させた産生物、から回収することができる。

0039

様々な濃度に対する差次的な応答を得るために、様々な濃度を用いて複数のアッセイ法を並行して実行してよい。当技術分野において公知であるように、典型的には、作用物質の有効濃度を決定するために、1:10または他の対数スケール希釈から得られる濃度範囲を使用する。必要であれば、2回目一連の希釈によってこれらの濃度をさらに精密にしてよい。典型的には、これらの濃度の内の1つが陰性対照としての機能を果たす。すなわち、濃度ゼロもしくは作用物質の検出レベル未満、または結合に検出可能な変化を与えない作用物質濃度以下の濃度である。

0040

スクリーニングするための関心対象の化合物には、多数の化学クラスの生物学的に活性な作用物質、主として有機分子が含まれるが、場合によっては、無機分子有機金属分子、免疫グロブリン、キメラCD47タンパク質、CD47関連タンパク質、遺伝子配列などが含まれる。また、タンパク質との構造的相互作用、特に水素結合のために必要な官能基を含む有機低分子も関心対象であり、これらは典型的には、少なくとも1つのアミン基カルボニル基ヒドロキシル基、またはカルボキシル基、しばしば少なくとも2つの化学官能基を含む。候補作用物質は、1つまたは複数の上記の官能基で置換された、環式炭素構造体もしくは複素環系構造体、および/または芳香族構造体もしくは多環芳香族構造体をしばしば含む。また、候補作用物質は、ペプチド、ポリヌクレオチド、糖類、脂肪酸ステロイドプリンピリミジン、誘導体、構造的類似体、またはそれらの組合せを含む生体分子の中にも存在する。

0041

化合物は、合成化合物または天然化合物のライブラリーを含む多種多様供給源から得られる。例えば、多数の手段が、ランダム化されたオリゴヌクレオチドおよびオリゴペプチドの発現を含む、生体分子を含む多種多様な有機化合物ランダム合成および指向性(directed)合成のために利用可能である。あるいは、細菌抽出物真菌抽出物植物抽出物、および動物抽出物の形態の天然化合物ライブラリーも利用可能であるか、または容易に作製される。さらに、天然または合成によって作製されたライブラリーおよび化合物は、従来の化学的手段、物理的手段、および生化学的手段によって容易に改変され、コンビナトリアルライブラリーを作製するために使用され得る。公知の薬理学的作用物質を指向性の化学的改変またはランダムな化学的改変、例えば、アシル化アルキル化エステル化アミド化(amidification)などに供して、構造的類似体を作製することができる。

0042

「食作用を操作する」とは、介入処置が無い場合に観察される食作用レベルと比べて少なくとも約10%、または最大で20%、または50%、または70%、または80%、または最大で約90%の食作用の上方調節または下方調節を意味する。したがって、循環血中の造血細胞の食作用を低減させる状況において、特に、移植状況において、食作用の操作とは、介入処置が無い場合に観察される食作用レベルと比べて少なくとも約10%、または最大で20%、または50%、または70%、または80%、または最大で約90%の食作用の下方調節を意味する。

0043

CD47阻害物質。CD47阻害物質としての関心対象の作用物質には、CD47とSIRPα受容体の結合を妨げる特異的結合メンバーが含まれる。本明細書において使用される「特異的結合メンバー」または「結合メンバー」という用語は、特異的結合ペア、すなわち2つの分子、通常2つの異なる分子のメンバーを意味し、その際、これらの分子の内の1つ(すなわち、第1の特異的結合メンバー)は、他方の分子(すなわち、第2の特異的結合メンバー)に化学的手段または物理的手段によって特異的に結合する。本発明の方法において有用なCD47阻害物質には、元の特異的結合メンバーの類似体、誘導体、および断片が含まれる。

0044

好ましい態様において、特異的結合メンバーは抗体である。「抗体」または「抗体部分」という用語は、エピトープにフィットし認識する特異的形状を有する、ポリペプチド鎖を含む任意の分子構造体を含むと意図され、1つまたは複数の非共有結合性相互作用により分子構造体とエピトープの複合体が安定化される。本発明で使用される抗体は、ポリクローナル抗体でもよいが、モノクローナル抗体の方が、細胞培養または組換えによって複製することができ、改変して抗原性を減らすことができるため、好ましい。

0045

ポリクローナル抗体は、産生動物に抗原性組成物を注射することにより、標準プロトコールによって産生させることができる。例えば、HarlowおよびLane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988を参照されたい。完全なタンパク質、または大きめタンパク質部分を使用する場合、そのタンパク質および適切なアジュバント(例えば、フロイントのアジュバント、フロイントの完全アジュバント水中油型エマルジョンなど)で産生動物を免疫化することによって抗体を産生させることができる。小型のペプチドを使用する場合、そのペプチドを大型分子と結合させて免疫賦活性結合体を作製することが有利である。このような用途のために市販されている一般に使用される結合体タンパク質には、ウシ血清アルブミン(BSA)およびキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)が含まれる。特定のエピトープに対する抗体を産生させるために、完全配列に由来するペプチドを利用することができる。あるいは、タンパク質標的の比較的短いペプチド部分に対する抗体を生成するためには、卵白アルブミン、BSA、またはKLHなどのキャリアータンパク質にそのポリペプチドを連結させた場合に、優れた免疫応答が誘発され得る。あるいは、モノクローナル抗体の場合、刺激された免疫細胞、例えば、接種された動物の脾臓に由来する免疫細胞を単離することによってハイブリドーマを形成させることができる。次いで、細胞培養状態で無限に複製し、それによって、不死性の免疫グロブリン分泌細胞株を生じることができる骨髄腫細胞または形質転換細胞などの不死化細胞にこれらの細胞を融合させる。さらに、抗体または抗原結合断片は、遺伝子操作によって作製することもできる。ヒトに投与された場合に引き起こす免疫応答が少ないヒト化抗体キメラ抗体、または異種ヒト抗体が、本発明で使用するのに好ましい。

0046

完全な免疫グロブリン(またはそれらの組換え対応物)のほかに、エピトープ結合部位を含む免疫グロブリン断片(例えば、Fab'、F(ab')2、または他の断片)が、本発明における抗体部分として有用である。このような抗体断片は、リシンペプシンパパイン、または他のプロテアーゼによる切断によって、完全な免疫グロブリンから作製することができる。断片または最小限の免疫グロブリンは、組換え免疫グロブリン技術を利用して設計することができる。例えば、本発明で使用するための「Fv」免疫グロブリンは、ペプチドリンカー(例えば、ポリグリシン、またはαヘリックスβシートモチーフも形成しない別の配列)によって軽鎖可変領域重鎖可変領域に連結することによって作製することもできる。

0047

CD47阻害物質の有効性は、CD47活性を分析することによって評価する。前述のアッセイ法またはその改良型が使用される。例示的なアッセイ法では、候補作用物質の存在下または不在下で、AML SCを骨髄由来マクロファージとインキュベートする。細胞表面CD47の阻害物質は、候補作用物質の不在下での食作用と比べて少なくとも約10%、または最大で20%、または50%、または70%、または80%、または最大で約90%、食作用を上方調節すると考えられる。同様に、SIRPαのチロシンリン酸化レベルに関するインビトロアッセイ法では、候補作用物質の不在下で観察されるリン酸化と比べて少なくとも約10%、または最大20%、または50%、または70%、または80%、または最大約90%のリン酸化減少が示される。

0048

本発明の1つの態様において、作用物質または作用物質を含む薬学的組成物は、食作用細胞表面に存在するSIRPα受容体へのCD47の結合を検出可能な程度に阻害するのに有効な量で提供される。有効量は、当技術分野において日常的な実験に基づいた試験によって決定される。有効量は、移植される細胞の数、移植部位、および移植患者に特異的な因子によって変動し得る。

0049

「食作用細胞(phagocytic cell)」および「食細胞(phagocyte)」という用語は本明細書において同義的に使用され、食作用する能力がある細胞を意味する。食細胞には3つの主要なカテゴリーがある:マクロファージ、単核細胞(組織球および単球);多形核白血球(好中球)ならびに樹状細胞。

0050

生物試料」という用語は、生物から得られる様々な試料タイプを包含し、診断的アッセイ法またはモニタリングアッセイ法において使用することができる。この用語は、血液および生物に由来する他の液体試料固形組織試料、例えば、生検標本もしくは組織培養物またはそれに由来する細胞およびその子孫を包含する。この用語は、調達後に任意の方法で、例えば、試薬による処理、可溶化、または特定の成分の濃縮によって操作された試料を包含する。この用語は臨床試料を包含し、また、細胞培養中の細胞、細胞上清、細胞溶解物、血清血漿生物学的流体、および組織試料も含む。

0051

造血幹細胞(HSC)とは、本明細書において使用される場合、自己複製し、すべての造血系統を生じる能力を有する細胞集団を意味する。このような細胞集団は当技術分野において詳細に説明されている。造血前駆細胞には、骨髄系に拘束された前駆細胞(CMP)、リンパ系に拘束された前駆細胞(CLP)、巨核球前駆細胞、および多分化能前駆細胞が含まれる。一番最初に公知になった成体マウス骨髄中のリンパ系に拘束された細胞は、リンパ球共通前駆細胞(CLP)であり、一番最初に公知になった骨髄系に拘束された細胞は骨髄共通前駆細胞(CMP)である。重要なことには、これらの細胞集団は、インビトロの発生アッセイ法およびインビボの発生アッセイ法において、極めて高いレベルの系統忠実性(fidelity)を有している。これらの細胞の部分集合包括的な説明は、Akashi et al. (2000) Nature 404(6774):193、米国特許第6,465,247号;および出願公開USSN 09/956,279 (骨髄共通前駆細胞);Kondo et al. (1997) Cell 91(5):661-7、および国際出願WO99/10478(リンパ球共通前駆細胞)において見出すことができ、Kondo et al. (2003) Annu Rev Immunol. 21:759-806にその総説がある(各文献は、参照により本明細書に具体的に組み入れられる)。組成物は、液体窒素温度凍結させて長期間保存してもよく、解凍して使用することができる。このような組成物の場合、細胞は通常、10%DMSO、50%FCS、40%RPMI1640培地中に保存される。

0052

本発明の方法で使用するための関心対象の集団は、実質的に純粋な構成物、例えば、少なくとも約50%のHSC、少なくとも約75%のHSC、少なくとも約85%のHSC、少なくとも約95%もしくはそれ以上のHSCを含むか;または、1種もしくは複数種の幹細胞集団および前駆細胞集団の組合せ、例えば、アフェレーシスによって得られた白血球などでよい。精製された細胞集団が望ましい場合、標的集団は、公知の技術に従って精製してよい。例えば、特に血液試料または骨髄試料を含む、白血球を含む集団は、造血幹細胞および造血前駆細胞に存在するマーカーに特異的な反応物で染色され、これらのマーカーは、主な幹細胞群および前駆細胞群を区別するのに十分である。これらの反応物、例えば抗体は、検出可能に標識されてもよく、または染色手順において間接的に標識されてもよい。

0053

関心対象の幹細胞/前駆細胞を選択するのに十分であるマーカーの任意の組合せが使用され得る。関心対象のマーカーの組合せはCD34およびCD38を含んでよく、造血幹細胞(CD34+、CD38-)を前駆細胞(CD34+、CD38+である)と区別する。HSCは、系統マーカーに対して陰性であり、CD90発現に関して陽性である。

0054

骨髄系統には、CMP、GMP、およびMEPと呼ばれる3種の細胞集団がある。これらの細胞はCD34+ CD38+であり、これらは、CD7、CD10、およびIL-7Rなどの早期リンパ系マーカーを含む複数の成熟系統マーカーに関して陰性であり、これらはさらに、マーカーCD45RA(少なくとも一部のクラスのサイトカイン受容体シグナル伝達抑制的に調節することができるCD45のアイソフォーム)およびIL-3Rによって区別される。これらの特徴は、CD45RA- IL-3Rαlo(CMP)、CD45RA+IL-3Rαlo(GMP)、およびCD45RA- IL-3Rα-(MEP)である。CD45RA- IL-3Rαlo細胞は、GMPおよびMEPを生じ、少なくとも3分の1が単細胞レベルでGMコロニーとMegEコロニーの両方を生じる。3種の骨髄系前駆細胞はすべて、マーカーThy-1(CD90)、IL-7Rα(CD127);および系統マーカーのパネルに対して陰性に染色する;この系統マーカーには、ヒトの場合、CD2;CD3;CD4;CD7;CD8;CD10;CD11b;CD14;CD19;CD20;CD56;およびグリコホリンA(GPA)が含まれてよく、マウスの場合、CD2;CD3;CD4;CD8;CD19;IgM;Ter110;Gr-1が含まれてよい。マウスMEPサブセットを別として、前駆細胞はすべてCD34陽性である。マウスにおいて、前駆細胞サブセットはすべて、Sca-1(Ly-6EおよびLy-6A)陰性、ならびに高c-kitとしてさらに特徴付けることができる。ヒトにおいて、これら3種のサブセットはすべてCD38+である。

0055

リンパ球共通前駆細胞、すなわちCLPは、細胞表面で低レベルのc-kit(CD117)を発現する。ヒト、マウス、ラットなどにおいてc-kitに特異的に結合する抗体は当技術分野において公知である。あるいは、c-kitリガンドスチール因子(steel factor)(Slf)を用いて、c-kitを発現する細胞を同定することもできる。CLP細胞は、高レベルのIL-7受容体α鎖(CDw127)を発現する。ヒトCDw127またはマウスCDw127に結合する抗体は、当技術分野において公知である。あるいは、リガンドを受容体IL-7に結合させることによって、細胞を同定する。ヒトCLPは、低レベルのCD34を発現する。ヒトCD34に特異的な抗体は市販されており、当技術分野において周知である。例えば、Chen et al. (1997) Immunol Rev 157:41-51を参照されたい。また、ヒトCLP細胞は、CD38陽性およびCD10陽性と特徴付けられる。また、CLPサブセットは、B220、CD4、CD8、CD3、Gr-1、およびMac-1を例とする系統特異的マーカーを発現しないという表現型を有する。CLP細胞は、造血幹細胞に特徴的なマーカーであるThy-1を発現しないものと特徴付けられる。さらに、CLPの表現型は、Mel-14-、CD43lo、HSAlo、CD45+、および共通サイトイン受容体γ鎖陽性と特徴付けることができる。

0056

巨核球前駆(MKP)細胞は、CD34発現およびテトラスパニンCD9抗原に関して陽性である。CD9抗原は、4つの疎水性ドメインおよび1つのN-グリコシル化部位を有するアミノ酸227個の分子である。この抗原は広範囲で発現されるが、造血系統のある種の前駆細胞上には存在しない。MKP細胞は、フィブリノーゲンおよび他のいくつかの細胞外基質分子に対する血小板受容体である、糖タンパク質IIb/IIIaインテグリンとも呼ばれるCD41を発現し、これに対する抗体は、例えばBD Biosciences, Pharmingen, San Diego, CA.からカタログ番号340929、555466で市販されている。MKP細胞は、受容体型チロシンキナーゼc-Kitを認識するCD117の発現に関して陽性である。抗体は、例えば、BD Biosciences, Pharmingen, San Diego, CAからカタログ番号340529で市販されている。MKP細胞はまた、系統陰性であり、Thy-1(CD90)発現に関して陰性である。

0057

本明細書において使用される「固形腫瘍」という語句は、通常は嚢胞液体領域も含まない組織の異常な腫瘤を意味する。固形腫瘍は、良性または悪性であり得る。様々なタイプの固形腫瘍が、それらを形成する細胞のタイプに基づいて名付けられる。固形腫瘍の例は、肉腫癌腫、リンパ腫などである。

0058

抗CD47抗体。CD47に結合するある種の抗体は、CD47とSIRPα受容体の相互作用を妨げる。抗体には、遊離抗体およびそれに由来する抗原結合断片、ならびに結合体、例えば、ペグ化抗体、薬物結合体、放射性同位体結合体、または毒素結合体などが含まれる。

0059

特異的エピトープまたはエピトープの組合せに対するモノクローナル抗体により、マーカーを発現する細胞集団のターゲティングおよび/または枯渇が可能になる。モノクローナル抗体を用いて様々な技術を利用して、マーカーを発現する細胞集団をスクリーニングすることができ、これらの技術には、抗体でコーティングした磁性ビーズを用いた磁気分離固体マトリックス(すなわちプレート)に結合させた抗体を用いた「パンニング」、およびフローサイトメトリーが含まれる(例えば、米国特許第5,985,660号およびMorrison et al. Cell, 96:737-49 (1999)を参照されたい)。これらの技術により、生検標本の免疫組織化学において;ならびに、癌細胞によって血液および他の生物学的流体中に放出されるマーカーの存在を検出する際に、細胞の特定の集団をスクリーニングすることが可能になる。

0060

このような抗体のヒト化型もまた、本発明の範囲内である。ヒト化抗体は、抗原性が低いため、ヒトにインビボ適用するのに特に有用である。

0061

二重特異性抗体」という語句は、複数のタンパク質を認識する合成抗体または組換え抗体を意味する。例には、二重特異性抗体2B1、520C9xH22、mDX-H210、およびMDX447が含まれる。エピトープの組合せに対する二重特異性抗体により、そのエピトープの組合せを発現する細胞集団のターゲティングおよび/または枯渇が可能になる。例示的な二重特異性抗体には、CD47とCD96、CD97、CD99、PTHR2、HAVCR2などの癌細胞マーカーとの組合せを標的とするものが含まれる。二重特異性抗体の作製は、文献、例えば、参照により本明細書に組み入れられるUSPN5989830、USPN5798229に説明されている。

0062

「治療」、「治療すること」、および「治療する」などの用語は、所望の薬理学的効果および/または生理的効果を得ることを一般に意味するために本明細書において使用される。この効果は、疾患もしくはその症状を完全もしくは部分的に予防するという点で予防的であってよく、かつ/または、疾患および/もしくは疾患に起因しうる有害作用に対する部分的もしくは完全な安定化もしくは治癒という点で治療的であってよい。本明細書において使用される「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患の任意の治療を包含し、(a)疾患もしくは症状に罹患しやすい可能性があるが、それを有するとまだ診断されていない対象において疾患もしくは症状が起こるのを予防すること;(b)疾患症状を抑制すること、すなわち、その発達を阻止すること;または(c)疾患症状を緩和すること、すなわち、疾患もしくは症状の退行を引き起こすこと、を含む。

0063

「レシピエント」、「個体」、「対象」、「宿主」、および「患者」という用語は、本明細書において同義的に使用され、診断、治療、または治療法が望まれる任意の哺乳動物対象、特にヒトを意味する。

0064

宿主細胞」は、本明細書において使用される場合、組換えベクターまたは他の移入ポリヌクレオチドのレシピエントとして使用され得るか、または使用された、単細胞実体として培養される微生物または真核細胞もしくは真核細胞株を意味し、トランスフェクトされた元の細胞の子孫を含む。天然、偶発的、または意図的な変異が原因で、単一の細胞の子孫の形態またはゲノム相補物もしくは全DNA相補物が元の親と必ずしも完全に同一ではない場合があることが理解されよう。

0065

「癌」、「新生物」、「腫瘍」、および「癌腫」という用語は、本明細書において同義的に使用され、比較的自律的な増殖を示し、その結果、細胞増殖制御の著しい低下を特徴する異常増殖表現型を示す細胞を意味する。一般に、本出願における検出または治療のための関心対象の細胞には、前癌性(例えば良性)細胞、悪性細胞、前転移性細胞、転移性細胞、および非転移性細胞が含まれる。癌性細胞の検出は、特に関心対象である。「正常細胞」の文脈で使用される「正常」という用語は、形質転換されていない表現型の細胞、または検査される組織型非形質転換細胞の形態を示す細胞を意味することを意図している。「癌性表現型」とは、一般に、癌のタイプによって変化し得る、癌性細胞に特徴的である様々な生物学的現象のいずれかを意味する。一般に、癌性表現型は、例えば、細胞の成長もしくは増殖の異常(例えば、制御不能な成長もしくは増殖)、細胞周期の調節の異常、細胞運動性の異常、細胞間相互作用の異常、または転移などに基づいて確認される。

0066

「治療的標的」とは、(例えば、発現および生物活性などの調整によって)その活性を調整すると、癌性表現型が調整され得る遺伝子または遺伝子産物を意味する。全体を通して使用されるように、「調整」とは、指定された現象の増加または減少を意味することを意図している(例えば、生物活性の調整とは、生物活性の増加または生物活性の減少を意味する)。

0067

移植方法
循環血中の造血細胞の食作用を操作する方法が提供される。本発明のいくつかの態様において、循環血中の細胞は、特に、食作用からの保護が望ましい移植環境における、造血幹細胞または造血前駆細胞である。他の態様において、循環血中の細胞は、食作用の増大が望ましい白血病細胞、特に、急性骨髄性白血病(AML)である。

0068

本発明のいくつかの態様において、造血幹細胞または造血前駆細胞は、マクロファージ上のSIRPαと相互作用し、マクロファージ食作用を低減させるCD47模倣分子を宿主動物に提供することにより、循環血中の食作用から保護される。CD47模倣体は、可溶性CD47、保護しようとする細胞の表面にコーティングされたCD47、およびSIRPαのCD47結合部位に結合するCD47模倣体などでよい。本発明のいくつかの態様において、CD47は、融合タンパク質、例えば、Fc断片、例えば、IgG1 Fc、IgG2 Fc、IgAFcなどに融合された可溶性CD47として提供される。

0069

膜貫通領域欠くタンパク質を生成するための方法は、当技術分野において周知である。例えば、膜貫通領域をコードするポリヌクレオチド配列の直前停止コドンを導入することによって、可溶性CD47を生成させることができる。あるいは、膜貫通領域をコードするポリヌクレオチド配列を、IgG1 Fcのような融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列で置換してもよい。様々な供給源に由来するFc断片の配列は、Entrez、Emblなどを含む公的にアクセス可能データベースを通して入手可能である。例えば、ヒトIgG1 Fc断片をコードするmRNAは、アクセッション番号X70421で提供される。

0070

本発明は、造血幹細胞または造血前駆細胞を哺乳動物レシピエントに移植するための方法を提供する。移植の必要は、遺伝的条件または環境条件、例えば、化学療法、放射線への曝露などが原因で生じる場合がある。移植用の細胞は、細胞の混合物、例えば、ドナーに由来するバフィコートリンパ球でよく、または部分的もしくは実質的に純粋でよい。これらの細胞は、自己由来細胞(特に、細胞減少療法もしくは他の治療法の前に除去される場合)または同種異系細胞でよく、造血幹細胞または造血前駆細胞の単離および後続の移植のために使用され得る。

0071

これらの細胞は、投与する前に可溶性CD47模倣体と組み合わせてよい。例えば、これらの細胞は、約4度、約10度、約25度、約37度の温度で、細胞をコーティングするのに十分な期間、約10μg/ml、約100μg/ml、約1mg/ml、約10mg/mlなどの濃度の模倣体と組み合わせてよく、いくつかの態様において、細胞は上で維持される。他の態様において、細胞は、レシピエントに導入する直前にCD47模倣体と接触させられ、その際の模倣体の濃度は前述のとおりである。

0072

造血幹細胞または造血前駆細胞およびCD47模倣体を含む組成物は、生理学的に許容される媒体に溶かして、通常は血管内に投与されるが、骨、またはそれらの細胞が再生および分化に適した部位を見つけ得る他の簡便な部位に導入されてもよい。通常、少なくとも1×105個、好ましくは1×106個またはそれ以上の細胞が投与される。組成物は、注射またはカテーテルなどによって導入され得る。

0073

骨髄増殖性障害、白血病、および骨髄異形成症候群
急性白血病は、造血細胞の悪性転換の結果として現れるクローンの芽細胞による正常骨髄の置換を特徴とする、急速に進行する白血病である。急性白血病には、急性リンパ芽球性白血病(ALL)および急性骨髄性白血病(AML)が含まれる。ALLはCNSにしばしば影響を与えるのに対し、急性単芽球性白血病歯肉に影響を与え、AMLは任意の部位に局在した集団に影響を与える(顆粒球肉腫または緑色腫)。

0074

通常、主症状は非特異的であり(例えば、疲労、発熱倦怠感体重減少)、正常な造血の失敗を反映する。貧血および血小板減少症が非常によく起こる(75〜90%)。WBC計数値は減少するか、正常であるか、または増加し得る。WBC計数値が著しく減少していなければ、芽細胞は通常、血液塗抹標本中に存在する。ALLの芽球は、組織化学的研究、細胞遺伝学免疫表現型検査、および分子生物学的研究によってAMLの芽球と区別することができる。通常の染色剤ターミナルトランスフェラーゼミエロペルオキシダーゼ、Sudan black B、ならびに特異的エステラーゼおよび非特異的エステラーゼを用いたスメア検査に加えられる。

0075

ALLは小児で最も好発する悪性腫瘍であり、発病ピークは3〜5歳である。また、ALLは若者でも発症し、第2の低めのピークは成人期にある。典型的な治療では、プレドニゾンビンクリスチンアントラサイクリン、またはアスパラギナーゼを含み得る集中的な多剤治療プログラムの早期導入を重要視する。他の薬物および組合せは、シタラビンおよびエトポシド、ならびにシクロホスファミドである。通常、再発は骨髄中で起こるが、単独または骨髄と併発して、CNSまたは精巣でも起こり得る。2回目の寛解が多くの子供において導入され得るが、その後の寛解は短時間である傾向がある。

0076

AMLの発病率年齢と共に上昇する;これは、成人においてさらに好発する急性白血病である。AMLは、化学療法または放射線照射に関係する場合がある(二次性AML)。寛解導入の比率はALLより低く、報告によれば、長期の無病生存は患者の20〜40%でしか起こらない。AMLは応答する薬物の数が少ないため、治療はALLの場合とは大きく異なる。基本的な導入治療プログラムは、ダウノルビシンまたはイダルビシンと共にシタラビンを含む。一部の治療プログラムは、6-チオグアニン、エトポシド、ビンクリスチン、およびプレドニゾンを含む。

0077

真性赤血球増加症(PV)は、Hb濃度およびRBC量の増加(赤血球増加)を特徴とする特発性慢性骨髄増殖性障害である。PVは1年に100,000名に約2.3名の比率で発症し、男性の方が頻度が高い(約1.4:1)。診断時の平均年齢は60歳であり(15〜90歳の範囲;小児期はまれである)、発症時に40歳未満である患者は5%である。骨髄は正常に見える場合があるが、通常は細胞過多である;過形成はすべての骨髄要素に関与し、骨髄脂肪を置換する。RBC、好中球、および血小板の産生および代謝回転の増大が認められる。増加した巨核球は、塊中に存在し得る。静脈切開が実施されていない場合でさえ、90%を超える患者で骨髄鉄が存在しない。

0078

X染色体に結合されたG6PD座位においてヘテロ接合性であるPV罹患女性の研究により、RBC、好中球、および血小板が同じG6PDイソ酵素を有することが示されたことから、多能性幹細胞レベルでこの障害のクローン起源があることが裏付けられる。

0079

最終的に、患者の約25%は低いRBC生存率を示し、適切に赤血球生成を増大させることができず;貧血および骨髄線維症が発症する。髄外造血は、脾臓、肝臓、および血液細胞を形成する潜在能力がある他の部位で起こる。

0080

治療をしなければ、症候性患者の50%は診断から18ヶ月以内に死亡する。治療を施した場合、生存期間中央値は7年〜15年である。血栓症は、死亡の最も一般的な原因であり、骨髄化生、出血、および白血病発症といった合併症が後に続く。

0081

急性白血病への転換発生率は、静脈切開のみで治療した患者よりも、放射性リン酸(32P)またはアルキル化剤で治療した患者の方が高い。急性白血病に転換するPVは、新規の白血病よりも導入化学療法に対する耐性が強い。

0082

PVは、骨髄抑制療法が治療に適応され得る赤血球増加の唯一の形態であるため、正確な診断が不可欠である。治療法は、年齢、性別医学的状態、臨床症状、および血液学的所見によって個別化しなければならない。

0083

骨髄異形成症候群(MDS)は、高齢患者で一般に認められる症候群グループ(前白血病、不応性貧血、Ph-陰性慢性骨髄性白血病、慢性骨髄単球性白血病、骨髄化生)である。発癌物質への曝露は、関係がある場合がある。MDSは、赤血球型骨髄球型、および巨核球型を含む造血細胞のクローン増殖を特徴とする。骨髄は正常または細胞過多であり、無効な造血が様々な血球減少を引き起こす。貧血が最も頻繁である。細胞産生の障害はまた、骨髄および血液における形態学的細胞異常にも関連付けられている。髄外造血が起こって、肝腫大および脾腫大を招く場合がある。骨髄線維症は、診断時に時折存在するか、またはMDSの過程で発症し得る。MDSクローンは不安定であり、AMLに進行する傾向がある。

0084

貧血は、最も一般的な臨床的特徴であり、通常は大赤血球症および赤血球大小不同症に関連している。ある程度の血小板減少が通常であり;血液スメア検査の際、血小板のサイズは様々であり、一部は低顆粒に見える。WBC計数値は正常であるか、増加するか、または減少し得る。好中球細胞質の顆粒の状態は異常であり、赤血球大小不同が認められ、顆粒の数は不定である。好酸球もまた、異常な顆粒の状態を有し得る。単球増加症は、慢性骨髄単球性白血病サブグループに特徴的であり、未成熟骨髄性細胞は、分化の程度が低いサブグループにおいて発生し得る。予後は、分類および任意の関連疾患に著しく依存する。AML化学療法に対するMDSの応答は、年齢および核型を考慮に入れると、AMLの応答と同様である。

0085

癌治療
本発明は、CD47遮断物質、例えば抗CD47抗体の導入を通して、食作用による癌細胞のクリアランスを増大させることによって癌細胞の増殖を低減させるための方法を提供する。一定の態様において、癌細胞はAML幹細胞でよい。他の態様において、癌細胞は、固形腫瘍、例えば、神経膠芽腫黒色腫などの細胞でよい。CD47の活性をブロックすることによって、ある種の腫瘍細胞、例えばAML細胞で見出される食作用の下方調節が妨げられる。

0086

CD47のほかに、本発明者らは、AML SCに特異的ないくつかのマーカーを発見した。これらには、CD96、CD97、CD99、PTHR2、HAVCR2などが含まれる。これらのマーカーは、2008年1月15日に出願された、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願第61/011,324号で開示されている。

0087

「癌細胞の増殖を低減させること」には、癌細胞の増殖を低減させること、および非癌細胞が癌細胞になる発生率を低下させることが含まれるが、それらに限定されるわけではない。癌細胞増殖の低減が実現されたかどうかは、限定されるわけではないが、[3H]-チミジン取込み、ある期間に渡る細胞数の計数、AML関連マーカーの検出および/または測定などを含む、任意の公知のアッセイ法を用いて容易に判定することができる。

0088

ある物質、または特定の量のその物質が、癌を治療する上で有効であるかどうかは、限定されるわけではないが、生検、造影X線撮影による研究、CATスキャン、および個体の血液中の癌関連腫瘍マーカーの検出を含む、様々な公知の癌診断アッセイ法のいずれかを用いて評価することができる。物質は、全身的または局所的、通常は全身的に投与することができる。

0089

代替の態様として、作用物質、例えば、癌細胞増殖を低減させる化学療法薬は、CD47特異的抗体に結合させることによって癌細胞にターゲティングすることができる。したがって、いくつかの態様において、本発明は、薬物-抗体複合体を対象に投与する段階を含む、癌細胞に薬物を送達する方法を提供し、ここで抗体は癌関連ポリペプチドに特異的であり、薬物は癌細胞増殖を低減させる薬物であり、様々なこれらの薬物が当技術分野において公知である。ターゲティングは、癌関連ポリペプチドに特異的な抗体に薬物を結合する(例えば、薬物-抗体複合体を形成するように、直接またはリンカー分子を介して、共有結合的または非共有結合的に連結する)ことによって達成することができる。薬物を抗体に結合する方法は当技術分野において周知であり、本明細書において詳述する必要はない。

0090

一定の態様において、二重特異性抗体が使用され得る。例えば、一方の抗原結合ドメインがCD47を対象とし、他方の抗原結合ドメインがCD96、CD97、CD99、PTHR2、HAVCR2などの癌細胞マーカーを対象とする二重特異性抗体が使用され得る。

0091

AMLSCの枯渇は、AML治療において有用である。枯渇はいくつかの方法によって実現することができる。枯渇は、最大約30%、または最大約40%、または最大約50%、または最大約75%もしくはそれ以上の標的集団減少と定義される。通常、有効な枯渇は、標的集団のレベルに対する特定の疾患状態感受性に基づいて決定される。したがって、ある種の状態の治療では、約20%の枯渇でさえ有益となり得る。

0092

ターゲティングされたAMLSCを特異的に枯渇させるCD47特異的作用物質は、インビトロまたはインビボで患者血液に接触させるために使用され、接触段階の後、ターゲティングされた集団中の生存能力があるAMLSCの数に減少が認められる。このような目的のための抗体の有効量は、例えば前述したような所望のレベルまで、ターゲティングされた集団を減少させるのに十分である。このような目的のための抗体は、ヒトにおいて低い抗原性を有してもよく、またはヒト化抗体でよい。

0093

本発明の1つの態様において、標的集団を枯渇させるための抗体は、インビボで患者血液に添加される。別の態様において、抗体はエクスビボで患者血液に添加される。関心対象の抗体でコーティングされたビーズを血液に添加してよく、次いで、当技術分野において一般的な手順を用いて、これらのビーズに結合された標的細胞を血液から除去することができる。1つの態様において、これらのビーズは磁性であり、磁石を用いて除去される。あるいは、抗体がビオチン標識される場合、アビジンまたはストレプトアビジンなどを吸着させた固相上に抗体を間接的に固定化することも可能である。固相、通常はアガロースビーズまたはセファロースビーズは、短時間の遠心分離によって血液から分離される。抗体をタグ化し、そのような抗体およびそれらの抗体に結合された任意の細胞を除去するための多数の方法が、当技術分野においてごく普通である。一度、所望の程度の枯渇が実現されたら、血液は患者に戻される。エクスビボで標的細胞を枯渇させると、静脈内投与付随する注入反応のような副作用が減少する。さらなる利点は、この手順は、ヒトにおいて抗原性が低い抗体またはヒト化抗体に限定される必要がないため、利用可能な抗体のレパートリーがかなり拡大することである。

0094

実施例1
CD47は骨髄性白血病のマーカーである
材料および方法
免疫組織化学。2重選別した(double sorted)骨髄系前駆細胞集団(CMP、GMP)、IL-3Rα高CD45 RA+細胞、およびCD14+c-kit+lin-細胞のサイトスピンをShandonサイトスピン装置を用いて実施した。H20で1/5希釈したギムザで10分間、サイトスピンを染色し、続いて、メイ・グリュンワルドで20分間染色した。Zeiss顕微鏡を用いてサイトスピンを解析した。

0095

ヒトの骨髄試料および末梢血試料血清学によってA型肝炎B型肝炎C型肝炎、およびHIVが陰性と判断された20〜25歳の支払いを受けたドナーからインフォームドコンセントを得て正常骨髄試料を得た(全細胞)。CMML骨髄試料は、以前に治療を受けていない患者からインフォームドコンセントを得、Stanford University Medical Centerにおいて得た。

0096

ヒト骨髄HSCおよび骨髄系前駆細胞のフローサイトメトリー解析および細胞選別。標準的方法によるFicoll密度遠心分離に従って単核画分を抽出し、新鮮なまま、または液体窒素中90%FCSおよび10%DMSO中に以前に凍結した試料の急速解凍の後で解析した。場合によっては、免疫磁気ビーズ(CD34+前駆細胞単離キット(Progenitor Isolation Kit), Miltenyi Biotec, Bergisch-Gladbach, Germany)の助けを借りて、単核画分からCD34+細胞を濃縮した。FACS解析および選別に先立って、PE結合抗IL-3Rαである9F5(Becton Dickinson- ParMingen)およびFITC結合抗CD45RAであるMEM56(Caltag)に加えて、系統マーカーに特異的なフィコエリトリン(PE)-Cy5-結合抗体(CD2 RPA-2.10; CD11b、ICRF44; CD20、2H7; CD56、B159; GPA、GA-R2(Becton Dickinson-PharMingen, San Diego)、CD3、S4.1;CD4、S3.5; CD7、CD7-6B7; CD8、3B5; CD10、5-1B4、CD14、TUK4; CD19、SJ25-C1(Caltag, South San Francisco, CA)を含む)、およびAPC結合抗CD34であるHPCA-2(Becton Dickinson-PharMingen)、ビオチン標識抗CD38であるHIT2(Caltag)で骨髄系前駆細胞を染色し、続いて、ストレプトアビジン-テキサスレッドで染色して、CD38-BIOで染色された細胞を可視化し、ヨウ化プロピジウム中に再懸濁して死細胞を排除した。バックグラウンド蛍光を評価するために、未染色試料およびアイソタイプ対照を含めた。

0097

染色後、599nm色素レーザーおよび488nmアルゴンレーザーを装備した改良型FACSVantage(Becton Dickinson Immunocytometry Systems, Mountain View, CA)を用いて、細胞を解析し選別した。二重選別された前駆細胞(HSC)は、CD34+CD38+かつ系統陰性であることが確認された。骨髄共通前駆細胞(CMP)は、CD34+CD38+IL-3Rα+CD45RA-lin-染色に基づいて同定され、顆粒球/マクロファージ前駆細胞(GMP)を含むそれらの子孫は、CD34+CD38+IL-3Rα+CD45RA+であった。一方、巨核球/赤血球前駆細胞(MEP)は、CD34+CD38+IL-3Rα-CD45RA-lin-染色に基づいて同定された(Manz, PNAS 11872)。

0098

正常な前駆細胞ならびに骨髄増殖性前駆細胞およびAML前駆細胞によるCD47発現
末梢血試料および骨髄試料は、骨髄増殖性障害患者および急性骨髄性白血病患者からインフォームドコンセントを得、StanfordのIRB規則およびHIPAA規則に従って、Stanford University Medical Centerにおいて得た。CD7、CD11b、およびCD14を除く以外は前記通りの系統カクテルで、末梢血単核細胞または骨髄単核細胞(細胞1〜5×106個)を染色した。続いて、CD14 PE(1/25)、CD47FITC(1/25)、CD38 Bio(Bio)およびc-kitAPC(1/25)またはCD34 APCもしくはFITC(1/50)で試料を45分間染色した後、洗浄し、ストレプトアビジン-テキサスレッド(1/25)で45分間染色し、最後にヨウ化プロピジウム中に再懸濁した。

0099

考察
本発明者らは本明細書において、CD47過剰発現が、AMLへのヒト骨髄増殖性障害の進行の特徴であることを示す(図1〜5Bを参照されたい)。CD47は、CD47発現のレベルに応じて、インテグリン機能だけでなく、マクロファージが細胞を貪食する能力も制御する。したがって、CD47発現が異常になると、宿主の先天性免疫および適応免疫の両方をLSCが回避することが可能になり得る。

0100

ヒトCD47発現の解析は、骨髄または末梢血に由来する、ヒトの正常、前白血病性骨髄増殖性障害(MPD)、またはAMLのHSC、前駆細胞、および系統陽性細胞においてFACSによって実施した。MPD試料(n=63)には、真性赤血球増加症(PV;n=15)、多血症後骨髄化生/骨髄線維症(PPMM/MF;n=5)、本態性血小板血症(ET;n=8)、非定型慢性骨髄性白血病(aCML;n=2)、CML(n=7)、慢性好酸球性白血病(CEL;n=1)、慢性骨髄単球性白血病(CMML;n=13)、および急性骨髄性白血病(AML; n=12)が含まれた。本発明者らが白血病トランスジェニックマウスモデルを用いて観察したところ、AMLへのヒト骨髄増殖性障害の進行(n=12)は、正常骨髄(14.7%+/-S.D. 2.3)と比べて増大したGMPプール(70.6%+/-S.D. 2.15)を伴っていた。さらに、FACS解析により、正常HSCと比べてAMLではCD47発現が最初に1.7倍に増大し、次いで、骨髄系統へのAML前駆細胞の拘束と共に、正常時の2.2倍に増大することが明らかになった。CD47は、正常骨髄(MFI 1.9+/-S.D. 0.07)と比べると、AML未分化前駆細胞およびそれらの子孫によって過剰発現されたが、MPDの大多数は過剰に発現しなかった(MFI 2.3+/-S.D. 0.43)。したがって、CD47発現の増大は、AMLへの進行に関する有用な診断マーカーであり、さらに、新規な治療標的に相当する。

0101

実施例2
ヒト白血病およびマウス白血病はCD47を上方調節して、マクロファージによる死滅化を回避する
CD47は生着(engraftment)を容易にし、食作用を阻害し、AML LSCにおいて、より高発現される。本発明者らは、ヒトAML LSCおよび正常HSCにおけるCD47発現をフローサイトメトリーによって測定した。正常な動員されたヒト末梢血の試料3つに由来するHSC(Lin-CD34+CD38-CD90+)およびヒトAMLの試料7つに由来するAML LSC(Lin-CD34+CD38-CD90-)を、CD47の表面発現に関して解析した(図6)。CD47は、正常HSCの表面では低レベルで発現された;しかしながら、AML LSCならびにバルク白血病芽球においては、CD47は平均で約5倍に高発現された。

0102

抗ヒトCD47モノクローナル抗体は食作用を刺激し、AML LSCの生着を阻害する。AML LSCにおけるCD47過剰発現が、エフェクター細胞上のSIRPαとの相互作用を介してこれらの細胞の食作用を妨げるモデルを試験するために、本発明者らは、CD47-SIRPα相互作用を混乱させることが公知であるCD47に対するモノクローナル抗体を使用した。B6H12と呼ばれるマウス抗ヒトCD47モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマをATCCから取得し、精製抗体を得るために用いた。最初に、本発明者らは、インビトロの食作用アッセイ法を実施した。ヒトAMLの試料2つから、初代ヒトAML LSCをFACSによって精製し、次いで、蛍光色素CFSEを添加した。これらの細胞をマウス骨髄由来マクロファージと共にインキュベートし、免疫蛍光顕微鏡検査法(図7)およびフローサイトメトリー(図9)を用いてモニターして、貪食された細胞を確認した。どちらの場合も、アイソタイプ対照抗体の存在下では食作用は観察されなかった;しかしながら、抗CD47抗体を添加した場合は、顕著な食作用が検出された(図9)。したがって、モノクローナル抗体によるヒトCD47の遮断により、マウスマクロファージによるこれらの細胞の食作用を刺激することができる。

0103

次に、本発明者らは、抗CD47抗体がインビボでAML LSC生着を阻害する能力を調査した。NOG新生仔マウスに移植する前に、2つの初代ヒトAML試料を処置しないか、または抗CD47抗体でコーティングした。13週後、これらのマウスを屠殺し、フローサイトメトリーによってヒト白血病の骨髄生着について解析した(図10)。対照マウスは、白血病の生着を示したのに対し、抗CD47でコーティングした細胞を移植したマウスは、生着をほとんどまたは全く示さなかった。これらのデータから、モノクローナル抗体によるヒトCD47の遮断により、AML LSC生着を阻害できることが示唆される。

0104

CD96は、ヒト急性骨髄性白血病幹細胞に特異的な細胞表面分子である。最初はTactileと呼ばれたCD96は、T細胞活性化の際に著しく上方調節されるT細胞表面分子として最初に同定された。CD96は、休止中のT細胞およびNK細胞では低レベルで発現され、両方の細胞型において刺激されると強く上方調節される。これは、他の造血細胞では発現されず、その発現パターンの調査により、それ以外では一部の腸上皮に存在するだけであることが示された。CD96の細胞質内ドメインは、推定上のITIMモチーフを含むが、これがシグナル伝達において機能するかは公知ではない。CD96は、CD155を発現する標的細胞へのNK細胞の接着を促進して、活性化NK細胞の細胞障害性を刺激する。

0105

遺伝子発現解析によって確認された分子の優先的細胞表面発現。CD47およびCD96以外に、CD123、CD44、CD99、およびCD33を含む米国特許出願第61/011,324に記載されているいくつかの分子が、AML LSC上で発現されることが公知である。

0106

腫瘍進行は、とりわけ、増殖シグナル非依存アポトーシスの阻害、および免疫系からの回避を含むいくつかの特徴を特徴とする。本発明者らは本明細書において、マクロファージ阻害性シグナル調節タンパク質α(SIRPα)受容体のリガンドであるCD47の発現が、ヒトおよびマウスの骨髄性白血病において増大しており、それによって、細胞が食作用を回避し腫瘍形成能力を増大させることが可能になることを示す。インテグリン関連タンパク質(IAP)としても公知のCD47は、哺乳動物組織で広く発現される、免疫グロブリン様膜貫通型ペンタスパニン(pentaspanin)である。本発明者らは、マウスおよびヒトの骨髄性白血病の幹細胞および前駆細胞、ならびに白血病芽球においてCD47が上方調節されているという証拠を提供する。骨髄性白血病の発症および維持におけるCD47の生物学的役割と一致して、本発明者らは、CD47が異所で過剰発現すると、T細胞、B細胞、およびNK細胞を欠損したマウスにおいて骨髄性白血病細胞株が増殖できるようになるが、さもなければ、これらのレシピエントに移植された場合、迅速にクリアランスされることを実証する。また、高発現クローンの方が低発現クローンよりも腫瘍形成能力が大きいことから、CD47の白血病誘発能力が用量依存的であることも示される。本発明者らはまた、CD47が、マクロファージによる白血病細胞の食作用を阻害することによって白血病誘発を促進する際に機能することも示す。

0107

CD47は、白血病性Faslpr/lpr×hMRP8bcl2トランスジェニック骨髄、および白血病性hMRP8bcr/abl×hMRP8bcl2マウスにおいて顕著に上方調節されている。定量的RT-PCRによれば、CD47の転写物は、健常なhMRP8bcl2+骨髄と比べて、白血病性hMRP8bcr/abl×hMRP8bcl2骨髄では3〜4倍、c-Kit濃縮白血病性骨髄では6〜7倍に増加している(図11e)。白血病性脾臓では、白血病マウスと同じ遺伝子型であるが疾患を発症しなかった対照マウスと比べて、顆粒球マクロファージ前駆細胞(GMP)集団ならびにc-Kit+Sca-1+Lin-の幹細胞サブセットおよび前駆細胞サブセットが増大していた(図11a〜d)。CD47タンパク質の発現レベルは、対照マウスと比べて白血病マウスでは、Flk2-CD34-c-Kit+Sca-1+Lin-長期造血幹細胞(LT-HSC)の段階で上昇し始めることが判明した(図11f)。上昇したこの発現レベルは、GMPおよびMac-1+芽球においては維持されたが、巨核球/赤血球に拘束された前駆細胞(MEP)では維持されなかった(図11f)。正常細胞と比べた白血病細胞におけるCD47増加は、3倍〜20倍の間であった。hMRP8bcr/abl×hMRP8bcl2一次(primary)移植マウス(n=3)および二次(secondary)移植マウス(n=3)、Fas lpr/lpr×hMRP8bcl2一次マウス(n=14)および二次(n=19)マウス、ならびにhMRP8bcl2×hMRP8bcl2一次マウス(n=3)および二次マウス(n=12)に由来する、本発明者らが検査した白血病を発症したマウスすべてで、CD47発現が増大していた。本発明者らはまた、レトロウイルスによってp210bcr/ablを形質導入されたマウス骨髄細胞を与えられ白血病を発症したマウスにおいてCD47発現が増大していることも発見した。

0108

ヒト造血前駆細胞集団のFACSによる解析を、正常臍帯血および動員された末梢血(n=16)ならびに骨髄増殖性障害(MPD)(真性赤血球増加症(PV;n=16)、骨髄線維症(MF;n=5)、本態性血小板血症(ET;n=7)、慢性骨髄単球性白血病(CMML;n=11)、および非定型慢性骨髄性白血病(aCML;n=1)、ならびに急性転化期の慢性骨髄性白血病(CML;n=19)、慢性期CML(n=7)、および急性骨髄性白血病(AML;n=13)を含む)に由来する血液および骨髄において実施した。この解析により、顆粒球-マクロファージ前駆細胞(GMP)が、非定型CML、増殖期CMML、ならびに急性転化期のCMLおよびAMLを含む急性白血病を含む、骨髄系に傾いた(skewed)分化能力を有するMPDにおいて増大していることが実証された(図12a)。AML HSCおよびAML前駆細胞は、正常対照と比べて高レベルのCD47発現を一様に示した(図12b);BC-CMLおよびAMLに由来する試料すべてにおいて、CD47のレベルは上昇していた。さらに、慢性期CMLから急性転化への進行は、CD47発現の顕著な増大と関連していた(図12c)。本発明者らは、この研究で説明した方法を用いて、CML-BCにおけるヒトCD47タンパク質発現が、CD90+CD34+CD38-Lin-細胞では正常細胞と比べて2.2倍に(p=6.3×10-5)、CD90-CD34+CD38-Lin-細胞では正常細胞と比べて2.3倍に(p=4.3×10-5)、およびCD34+CD38+Lin-細胞では2.4倍に(p=7.6×10-6)増加した(図12b〜12c);しかしながら、本発明者らは、より新しい最適化染色プロトコールを用いて、CD47が、AMLおよびBC-CMLでは正常なヒトHSCおよび前駆細胞と比べて約10倍に増加していることを観察した。

0109

次いで、ヒト白血病細胞においてマウスCD47を強制的に発現させると、マウスにおいて腫瘍を形成する上で競合的な利点が与えられるかどうかを検討した。AML 5a患者に由来するMOLM-13細胞にTet-MCS-IRES-GFP(Tet)またはTet-CD47-MCS-IRES-GFP(Tet-CD47)を形質導入し(図13a)、GFP発現に基づいて安定な組込み体を増殖させた。次いで、T、B、およびNKを欠損した、組換え活性化遺伝子2、共通γ鎖欠損(RAG2-/-、Gc-/-)マウスに、非形質導入MOLM-13細胞と競合する設定でこれらの細胞を静脈内移植した。Tet-CD47を形質導入された細胞だけが、これらのマウスにおいて腫瘍を形成することができ、効率的に骨髄、脾臓、および末梢血に生着した(図13a〜b)。これらの腫瘍はまた、肝臓中の多量の腫瘍量も特徴とした(図13b、13g)。肝臓は任意の器官の内で最も多数のマクロファージを有すると考えられており、クッパー細胞組織マクロファージ集団全体の80%を含み得ると推定されているため、特に顕著である。これらの細胞はまた、類洞内壁の30%を占め、それによって、肝臓中への侵入部位にそれらを戦略的に配置する。したがって、その場所における顕著な生着は、マクロファージの細胞障害応答を無能にしなければならないはずである。腫瘍結節を発達させるほかに、Tet-CD47 MOLM-13細胞は、ヒトAMLで典型的に認められる肝臓が関与したパターンを示し、白血病細胞は、類洞および静脈周囲のパターンで肝臓に浸潤した(図13d)。全体的に見て、Tet-CD47 MOLM-13移植マウスは、造血組織中に白血病細胞が実質的に生着しなかったTet MOLM-13移植マウスよりも速く死亡した(図13c)。Tet-MOLM-13マウスは依然としてかなり高い死亡率を示したが、これは、脳中への拡大を伴う、注射部位(後眼窩洞)における限局的な増殖が原因である可能性が高い。

0110

CD47は、造血細胞の遊走のために重要であることが示されており、直接的な相互作用によって、またはインテグリンに対するその作用を介して、細胞外基質タンパク質への結合を調整することが公知であるため、マウスにおいてTet MOLM-13細胞の増殖が無くなることに関する1つの可能性は、それらが微小環境に遊走できないことであった。この可能性を検証するために、Tet MOLM-13細胞またはTet-CD47 MOLM-13細胞を免疫不全マウスの大腿腔中に直接注射した。Tet-CD47 MOLM-13細胞はレシピエントマウスのすべての骨および他の造血組織に生着することができたが、Tet MOLM-13細胞は、たとえあるとしても最小限の生着を注射部位のみで示した(図13e)。Tet-CD47 MOLM-13細胞をこのようにして移植されたマウスは、移植後約50〜60日目に死亡した(n=4)のに対し、Tet MOLM-13細胞を与えられたマウス(n=5)は、疾患の徴候を示さずに少なくとも75日間、引き続き生存し、この時点で解析のために安楽死させた。これらの結果から、MOLM-13生着における遊走またはホーミング以外またはそれに加えたCD47の機能が示唆される。

0111

CD47が全く無いと、マクロファージ上のSIRPαとの相互作用が無くなることによって、移植されたマウスの赤血球および白血球の食作用が起こることが示されている。したがって、本発明者らは、オプソニンを作用させていない肝臓MOLM-13細胞の食作用がCD47の過剰発現によって妨げられ得るかどうかを試験した。本発明者らは、骨髄由来マクロファージ(BMDM)と共にTet MOLM-13細胞またはTet-CD47 MOLM-13細胞を2〜24時間インキュベートし、摂取されたGFP+細胞の数を顕微鏡下で計数することによって、またはGFP+マクロファージの出現率をフローサイトメーターによって評価することによって、食作用を評価した。CD47が発現すると、試験したすべての時点においてマクロファージによるこれらの細胞のクリアランスは劇的に減少し、一方、Tet-MOLM-13は、経時的に増加する様式で、迅速に貪食された(図14a〜c)。本発明者らはまた、マウスにMOLM-13細胞を注射し、マクロファージ食作用の証拠を得るために2時間後に造血器官を解析した。骨髄、脾臓、および肝臓中のマクロファージすべてにおいて、Tet MOLM-13細胞を注射した場合の方がCD47発現細胞の場合と比べてGFP+の割合が大きかった。このことから、CD47過剰発現は、白血病細胞上に既に存在する食作用促進(pro-phagocytic)シグナルを相殺して、さもなければマクロファージによってクリアランスされるであろう場合にそれらの細胞が生存するのを可能にできることが示される。

0112

最近の報告では、種を越えたCD47反応性が無いために、移植細胞の異種拒絶がもたらされ得ることが示されている。さらに、最近の研究により、ヒトCD47はC57Bl/6マウス由来のSIRPαとは相互作用できないが、C57Bl/6マウスよりもヒト細胞生着に対する許容性が高い非肥満糖尿病(NOD)マウス由来の受容体とは反応できることが実証された。さらに、本発明者らはまた、MOLM-13よりヒトCD47発現レベルが高いヒト前骨髄球細胞株であるHL-60細胞が、マウスに生着し、白血病を引き起こすことができることを観察した。ヒトTリンパ球細胞株であるJurkat細胞は、ヒトCD47が非常に多く、インビトロでMOLM-13よりもはるかに遅い速度でマウスマクロファージによって貪食される。したがって、本発明者らのデータから、細胞がインビボでマウスに生着する能力またはインビトロでマウスマクロファージによる食作用を回避する能力が、ヒトCD47の発現レベルと相関していることが示される。

0113

CD47発現が高い場合と低い場合の腫瘍形成作用のモデルを作るために、本発明者らは、マウスCD47を発現するMOLM-13細胞のクローンを高発現体(expresser)および低発現体に分類した。細胞の大きさに関して補正した場合、CD47lo MOLM-13細胞上のCD47密度はマウス骨髄細胞にほぼ等しかったのに対し、CD47hi MOLM-13細胞は約9倍の高発現を示し、これは、初代白血病細胞上のCD47発現において正常な対応物と比べて認められる変化に相応した増加であった(図15a)。高発現細胞または低発現細胞をレシピエントに移植した場合、高発現細胞を移植されたマウスのみが、75日齢までに疾患のため死亡した(図15c)。さらに、臓器肥大は、高発現細胞を移植されたマウスの方が顕著であった(図15d)。CD47lo MOLM-13細胞を与えられたマウスは依然として注目すべき肝腫を有した。しかしながら、これらの腫瘤は常に、適切に被包され肝実質から物理的に分離されている1〜2個の大きな節であり、実質の全体にわたって散在している何百もの小さな腫瘤からなる、CD47hi MOLM-13細胞由来腫瘍塊とは極めて対照的であった。したがって、これらの大きな腫瘍塊は、増殖するために主要な器官本体から離れたマクロファージの無い微小環境を見出した細胞からなる。予想されるように、レシピエントマウスの骨髄および脾臓中のMOLM-13細胞の浸潤の程度は、同様にCD47hi MOLM-13細胞を移植されたマウスよりもはるかに高かった(図15e)。本発明者らはまた、CD47lo MOLM-13細胞を与えられたが骨髄生着が顕著であった2匹のマウスにおけるCD47発現レベルを検査した。いずれの場合も、75日目以降に残存している細胞は、元の株よりもCD47レベルがはるかに高かった(図15f)ことから、白血病細胞における高レベルのCD47発現に対してインビボで強い選択圧が存在することが示唆された。まとめると、これらのデータから、CD47発現レベルが腫瘍形成能力の重要な因子であること、および白血病細胞の異種集団において、CD47を高発現するクローンに対する強い選択が存在することが示唆される。

0114

次いで、本発明者らは、CD47発現レベルが高くなるとマクロファージ食作用からの保護が強まるかどうかを検討した。本発明者らは、CD47hi MOLM-13赤色蛍光タンパク質(RFP)発現細胞およびCD47lo MOLM-13赤色蛍光タンパク質(RFP)発現細胞を用いたインビトロ食作用アッセイ法を実施した。マクロファージとのインキュベーション後、CD47hi細胞と比べてはるかに多数のCD47lo 細胞が貪食されていた(図15g)。食作用指数を対照MOLM-13細胞、バルク(未選別の)CD47 MOLM-13細胞、CD47lo MOLM-13細胞、およびCD47hi MOLM-13細胞と比較した場合、CD47発現レベルと食作用を回避する能力との直接的相関を認めることができる(図14a、図15f)。さらに、CD47lo RFP MOLM-13細胞およびCD47hi GFP MOLM-13細胞を同じウェル中でマクロファージと同時インキュベートした場合、低発現細胞の方が貪食される可能性がはるかに高かった(図15h、図15i)。したがって、CD47発現レベルが様々である細胞の混合集団において、低発現細胞の方が時間とともに食作用クリアランスによってクリアランスされる可能性が高い。

0115

また、本発明者らは別の方法を用いてCD47発現を測定した。CD47はTet-OFF系を用いてMOLM-13細胞において発現されるため、本発明者らは、MOLM-13細胞におけるCD47発現を制御するためにTet誘導性プロモーターエレメントを利用した。CD47hi MOLM-13 細胞の移植後2週目を開始時点として、マウスのコホートにドキシサイクリンを与え、移植後75日目まで追跡した。この時間経過の間、ドキシサイクリンを与えられたマウスは一匹も疾患のために死亡せず、造血器官におけるMOLM-13細胞の大規模な浸潤もなかった(図15b〜d)。この実験で使用したドキシサイクリンの用量では、MOLM-13細胞におけるmuCD47発現は、正常なマウス骨髄でのレベルを下回るレベルまで低下したが、特に完全に無くなるわけではなかった(図15b)。したがって、造血器官における着実なMOLM-13生存のためには、高レベルのCD47発現が維持されることが必要である。

0116

T細胞、B細胞、およびNK細胞による腫瘍クリアランスの多くの例が文献で説明されており、発生期腫瘍増殖を調節するには健常な免疫系が不可欠であることが示されている。しかしながら、今日まで、マクロファージの媒介による食作用が腫瘍発生を検査し得ることを示す例はほとんど示されていない。まとめると、本発明者らの研究によって、CD47の異所発現により、さもなければ免疫原性である腫瘍細胞が、T細胞、B細胞、およびNK細胞を欠損した宿主において急速に増殖することが可能になり得ることが明らかになる。さらに、CD47は、これまでに試験したすべての形態の慢性骨髄性白血病および急性骨髄性白血病を含むマウスおよびヒトの骨髄性白血病において一貫して上方調節されているため、これは、宿主免疫系を回避するためにヒト骨髄性白血病によって使用されるメカニズムを反映している可能性が高い。例えば、腫瘍細胞は活性化マクロファージによって標的として認識されることができ、食作用によってクリアランスされる可能性が高いと思われる。CD47を上方調節することによって、癌は、この形態の先天性免疫腫瘍監視を回避することができる。

0117

これらの癌はマクロファージ浸潤が多い部位をしばしば占有するため、この形態の免疫回避は特に重要である。CD47は、卵巣腫瘍細胞マーカーとして最初にクローン化されたことから、同様に他の組織癌の食作用を防止する際に役割を果たし得ることが示唆される。さらに、固形腫瘍は、肝臓、、骨髄、およびリンパ節などマクロファージに富む組織にしばしば転移することから、これらの組織においてマクロファージの媒介による死滅化を回避できるに違いないことが示唆される。したがって、CD47-SIRPα相互作用を妨害するための方法を発見することが、癌の新規な治療法を開発する際に広く役に立つと判明する可能性がある。貪食された腫瘍細胞に由来する抗原がマクロファージによって提示された結果、適応免疫応答を活性化して、さらに腫瘍を破壊し得るため、CD47-SIRPα相互作用を防止することは二重に効果的である。

0118

方法
マウス。以前に説明されているようにして、hMRP8bcrablトランスジェニックマウス、hMRP8bcl2トランスジェニックマウス、およびFaslpr/lprトランスジェニックマウスを作製し、交雑させて二重トランスジニックを得た。ヘテロ接合体マウスを互いに交雑させることによって、hMRP8bcl2ホモ接合体を得た。本発明者らのコロニーに由来するC57Bl/6 Kaマウスを野生型細胞の供給源として使用した。移植実験のために、セシウム照射器(Phillips)からのγ線によって4Gyの放射線量を与えたC57Bl/6 RAG2-/-共通γ鎖(Gc)-/-マウスに細胞を移植した。初代マウス白血病(leukemias)を、9.5Gyの放射線量を与えたCD45.2 C57Bl6/Kaマウスに移植した。瀕死の場合、マウスを安楽死させた。

0119

マウス組織。2%ウシ胎児血清染色媒体(SM)を添加したPBS長骨を洗い流した。すりガラスガラススライドを用いて脾臓および肝臓をSM中で分離させ、次いで、ナイロンメッシュを通過させた。さらに解析する前に、すべての試料をACK溶解緩衝液で処理して赤血球を溶解させた。

0120

定量的RT-PCRによる解析。白血病性hMRP8bcr/abl×hMRP8bcl2マウスまたはhMRP8bcl2対照マウスから骨髄を得た。c-KitマイクロビーズおよびautoMACSカラム(Miltenyi)を用いて、細胞のc-Kitを濃縮した。Trizol試薬(Invitrogen)を用いてRNAを抽出し、SuperScriptII逆転写ポリメラーゼ(Invitrogen)を用いて逆転写を行った。PCR反応1回につき、細胞約1000個に相当するcDNAを使用した。ABIPrism 7000 PCR (Applied Biosystems)機器においてSYBRグリーンキットを用いて、50℃で2分間、続いて95℃で10分間、次いで、95℃で15分間とそれに続く60℃で1分間を40サイクル行って、定量的PCRを実施した。β-アクチンおよび18S RNAをcDNA量に関する対照として使用し、CD47発現の結果を正規化した。18S RNAのフォワードプライマーおよびリバースプライマーの配列は、それぞれ

であり、β-アクチンの場合は

であり、CD47の場合は

であった。

0121

ヒトの骨髄試料および末梢血試料。血清学によってA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、およびHIVが陰性と判断された20〜25歳の支払いを受けたドナーからインフォームドコンセントを得て正常骨髄試料を得た(全細胞)。血液および骨髄細胞は、慢性骨髄単球性白血病(CMML)患者、慢性骨髄性白血病(CML)患者、および急性骨髄性白血病(AML)患者によって供与され、以前に治療を受けていない患者からインフォームドコンセントを得たうえで取得した。

0122

細胞株。MOLM-13細胞は、DSMZから得た。HL-60細胞およびJurkat細胞はATCCから得た。10%ウシ胎児血清(FBS)(Hyclone)を加えたイスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)中で細胞を維持した。MOLM-13細胞をCD47高発現細胞およびCD47低発現細胞に分別するために、抗マウスCD47 Alexa-680抗体(mIAP301)でTet-CD47 MOLM-13細胞を染色した。マウスCD47発現細胞の上位5%および下位5%をBDFACSAriaによって選別し、IMDM+10%FCS中で2週間、再度増殖させた。これらの細胞を同じプロトコールに従ってさらに3回選択して選別して、この研究で使用する高発現細胞および低発現細胞を得た。赤色蛍光タンパク質(RFP)構築物を得るために、Lentilox 3.7(pLL3.7)空ベクター中にmCherry RFP DNAをクローニングした。次いで、この構築物から得たレンチウイルスを用いて細胞株を感染させた。

0123

細胞染色およびフローサイトメトリー。次のモノクローナル抗体を用いて、マウス幹細胞およびマウス前駆細胞の染色を実施した:Cy5-PE(eBioscience)に結合されたMac-1、Gr-1、CD3、CD4、CD8、B220、およびTer119を系統カクテル中で用い、c-Kit PE-Cy7 (eBioscience)、Sca-1 Alexa680(e13-161-7、本発明者らの実験室で作製)、CD34FITC(eBioscience)、CD16/32(FcGRII/III)APC(Pharmingen)、およびCD135(Flk-2) PE(eBioscience)を以前に説明されているようにして使用して、マウスの幹細胞サブセットおよび前駆細胞サブセットを染色した。マウスCD47抗体(クローンmIAP301)は、本発明者らの実験室で作製したビオチン標識抗体を用いて評価した。次いで、ストレプトアビジンを結合させたQuantum Dot 605 (Chemicon)で細胞を染色した。FACSAria (Beckton Dickinson)を用いて試料を解析した。

0124

ヒト試料の場合、標準的方法によるFicoll密度遠心分離に従って単核画分を抽出し、新鮮なまま、または液体窒素中90%FCSおよび10%DMSO中に以前に凍結した試料の急速解凍の後で解析した。場合によっては、免疫磁気ビーズ(CD34+前駆細胞単離キット(Progenitor Isolation Kit), Miltenyi Biotec, Bergisch-Gladbach, Germany)の助けを借りて、単核画分からCD34+細胞を濃縮した。FACS解析および選別に先立って、PE結合抗IL-3Rαである9F5(Becton Dickinson- ParMingen)およびFITC結合抗CD45RAであるMEM56(Caltag)に加えて、系統マーカーに特異的なフィコエリトリン(PE)-Cy5-結合抗体(CD2 RPA-2.10; CD11b、ICRF44; CD20、2H7; CD56、B159; GPA、GA-R2(Becton Dickinson-PharMingen, San Diego)、CD3、S4.1;CD4、S3.5; CD7、CD7-6B7; CD8、3B5; CD10、5-1B4、CD14、TUK4; CD19、SJ25-C1(Caltag, South San Francisco, CA)を含む)およびAPC結合抗CD34であるHPCA-2(Becton Dickinson-PharMingen)、ビオチン標識抗CD38であるHIT2(Caltag)で骨髄系前駆細胞を染色し、続いて、ストレプトアビジン-テキサスレッドで染色して、CD38-BIOで染色された細胞を可視化した。

0125

染色後、599nm色素レーザーおよび488nmアルゴンレーザーを装備した改良型FACSVantage(Becton Dickinson Immunocytometry Systems, Mountain View, CA)またはFACSAriaを用いて、細胞を解析した。造血幹細胞(HSC)は、CD34+CD38+CD90+であり系統陰性であることが確認された。抗ヒトCD47FITC(クローンB6H12、Pharmingen)を用いて、すべてのヒト試料におけるCD47発現を評価した。CML-BC、CML-CP、またはAMLの全試料におけるCD47の平均(average mean)蛍光強度を、所与の細胞集団の正常細胞の平均蛍光強度で割ることによって、CD47発現の変化率を決定した。骨髄共通前駆細胞(CMP)は、CD34+CD38+IL-3Rα+CD45RA-lin-染色に基づいて同定され、顆粒球/マクロファージ前駆細胞(GMP)を含むそれらの子孫は、CD34+CD38+IL-3Rα+CD45RA+Lin-であった。一方、巨核球/赤血球前駆細胞(MEP)は、CD34+CD38+IL-3Rα-CD45RA-Lin-染色に基づいて同定された。

0126

マウスCD47またはヒトCD47の密度を決定するために、飽和量の抗CD47抗体で細胞を染色し、FACSAriaを用いて解析した。前方散乱は細胞直径に正比例し、密度は表面積単位当たりの発現レベルに等しいため、本発明者らはFloJoソフトウェアを用いてCD47経路の幾何平均蛍光強度を算出し、前方散乱を2乗した値(FSC2)の幾何平均で割って膜におけるCD47発現の密度の近似値を得た。

0127

MOLM-13細胞の生着は抗ヒトCD45 PE-Cy7(Pharmingen)、抗マウスCD45.2APC(クローンAL1-4A2)、および抗マウスCD47 Alexa-680(mIAP301)を用いることによって評価した。解析前に全試料をヨウ化プロピジウム含有緩衝液に再懸濁して、死細胞を排除した。FACSデータはFloJoソフトウェア(Treestar)を用いて解析した。

0128

レンチウイルスの調製および形質導入。pRRL.sin-18.PPT.Tet07.IRES.GFP.preプラスミド、CMVプラスミド、VSVプラスミド、およびtetトランス活性化因子(tTA) プラスミドをLuigi Naldiniから得た。CD47(2型)の完全長マウスcDNAはEric Brown(UCSF)によって提供された。CD47 cDNA構築物をTet-MCS-IRES-GFPのBamHI/NheI部位に連結した。標準プロトコールを用いて、プラスミドDNAを293T細胞にトランスフェクトした。上清を回収し、Beckman LM-8遠心分離機(Beckman)を用いて濃縮した。TetまたはTet-CD47-MCS-IRES-GFPおよびtTAレンチウイルスを48時間、細胞に形質導入した。GFP+細胞を選別して精製し、数世代に渡って増殖させて導入遺伝子の安定性を確保した。

0129

注射。上述したようにレシピエントマウスの後眼窩洞中に、または尾静脈経由で細胞を静脈内注射した。大腿内注射の場合、麻酔したマウスの大腿腔に27ゲージの針を用いて体積20μlの細胞を注射した。必要があれば、イソフルオランガス室を用いてマウスを麻酔した。

0130

MOLM-13細胞生着。瀕死の場合は動物を安楽死させ、骨髄、脾臓、および肝臓を回収した。安楽死の1時間前に、動物の尾部から採血して末梢血を得た。前述したようにして、骨髄、脾臓、および末梢血におけるMOLM-13細胞の生着を判定した。式((長さ(mm)+幅(mm))/2)×πを用いて、視認できる各腫瘍結節の面積を算出することによって、肝臓中の腫瘍量を決定した。次いで、肝臓当たりの各結節の面積を合算した。

0131

ドキシサイクリン投与。最終濃度が1mg/mLになるように塩酸ドキシサイクリン(Sigma)を飲料水に添加した。4日毎に飲料水を交換し、光から保護した。さらに、週に1回、10μgのドキシサイクリンを腹腔内注射によってマウスにボーラス投与した。

0132

骨髄由来マクロファージ(BMDM)。C57Bl/6 Kaマウスから大腿骨およびけい骨採取し、骨髄に水を流して洗い(flushed)、PBSの無菌懸濁液中に入れた。10ng/mLの組換えマウスマクロファージコロニー刺激因子(MCSF、Peprotech)を添加した10%FBS含有IMDM中で骨髄懸濁液を7〜10日間増殖させた。

0133

インビトロの食作用アッセイ法。トリプシン/EDTA(Gibco)中で5分間インキュベーションし、そっとこすり落とすことによってBMDMを回収した。24ウェル組織培養プレート(Falcon)中にウェル当たり5×104細胞の濃度でマクロファージを播種した。24時間後、培地を無血清IMDMに交換した。さらに2時間経過した後、マクロファージを含むウェルに2.5×105個のTet MOLM-13細胞またはTet-CD47 MOLM-13細胞を添加し、指定した時間、37℃でインキュベートした。同時ンキュベーション後、ウェルをIMDMで3回入念に洗い、高感度緑色蛍光タンパク質(GFP)またはテキサスレッドフィルターセット(Nikon)を用いてEclipse T5100 (Nikon)によって検査した。マクロファージ内のGFP+細胞またはRFP+細胞の数を計数し、次の式を用いて食作用指数を計算した:食作用指数=摂取された細胞の数/(マクロファージの数/100)。ウェル当たり少なくとも200個のマクロファージを計数した。食作用をフローサイトメトリーによって解析するために、MOLM-13細胞とのインキュベーション後にトリプシン/EDTAおよび穏やかなこすり落としによってマクロファージを回収した。抗Mac-1 PE抗体で細胞を染色し、BDFACSAriaを用いて解析した。Eclipse T5100(Nikon)、超高圧水ランブ(Nikon)、endow緑色蛍光タンパク質(eGFP)帯域フィルター(Nikon)、テキサスレッド帯域フィルター(Nikon)、およびRTSlider (Spot Diagnostics)カメラを用いて、蛍光画像および明視野画像を別々に撮影した。画像をPhotoshopソフトウェア(Adobe)を用いて合成した。

0134

インビボアッセイ法のために、RAG2-/-Gc-/-マウスに標的細胞を注射した2時間後に、脚の長骨、脾臓、および肝臓に由来する骨髄を採取した。これらを2%FCS含有PBS中の単細胞懸濁液に調製した。抗ヒトCD45 Cy7-PEおよび抗マウスF4/80ビオチン(eBiosciences)で細胞を標識した。ストレプトアビジン-APC(eBiosciences)を用いて、二次染色を実施した。ヒトCD45-、F4/80+である細胞をマクロファージであるとみなし、この画分中のGFP+細胞を評価した。

0135

実施例3
造血幹細胞および造血前駆細胞はCD47を上方調節して、造血組織への動員およびホーミングを促進する
発明者らは本明細書において、CD47欠損(IAP-/-)マウスに由来する造血幹細胞(HSC)が野生型レシピエントに生着できないことを示す。予想されるように、これらの細胞は宿主マクロファージによって迅速にクリアランスされるのに対し、IAP+/+HSCはそうではない。シクロホスファミド/G-CSFまたはリポ多糖を用いて幹細胞および前駆細胞を強制的に分離して血液循環中に移行させた場合、CD47がこれらの細胞において急速に上方調節される。本発明者らは、造血および動員によってストレスが提供される間に幹細胞中のCD47のレベルが高くなることにより、細網内皮系の活性化マクロファージによる食作用からの保護が追加されたことを提唱する。この仮説の裏付けとして、本発明者らは、野生型レシピエントに移植されたIAP+/-細胞が時間と共に生着しなくなるのに対し、野生型ドナー細胞はそうならないことを示す。本発明者らは、食作用は造血前駆細胞を経時的にクリアランスする重要な生理学的メカニズムであり、食作用クリアランスを防止するにはCD47の過剰発現が必要とされると結論付ける。

0136

HSCは血流を介して、胎児の生活および成人の生活における異所的微小環境に遊走する能力を有する。さらに、細胞障害性物質と最初にインサイチューでHSCの数を増加させるサイトカインとの組合せを用いて、HSCを血液循環中に追い立てることができる。血流中に一度入ると、HSCは、脾臓および肝臓の血管床を通過しなければならない。これらの部位のマクロファージは、血流から損傷細胞および外来粒子を除去する機能を果たす。さらに、炎症状態の間に、マクロファージの食作用はより活発になる。したがって、食作用からの保護の追加が、これらの部位に新しく到着する幹細胞のために必要とされる場合がある。

0137

本発明者らは、骨髄の幹細胞および前駆細胞におけるCD47発現が、正常な造血の調節において役割を果たしているかどうかを判定した。CD47発現は、移植環境において赤血球、T細胞、および全骨髄細胞の食作用を防止するために不可欠であることが示されている。したがって、本発明者らは、CD47の欠如により、静脈内に送達された後のHSCの生着が妨げられるかどうかを検討した。これを試験するために、本発明者らはCD47ノックアウトマウス(IAP-/-)を使用した。これらのマウスは正常に発達し、肉眼的異常はまったく示さない。しかしながら、好中球が迅速に腸に遊走しないため、腹腔内に細菌を攻撃接種した後、これらは極めて急速に死亡する。さらに、これらのマウスに由来する細胞は、野生型レシピエントに移植され得ないが、IAP-/-レシピエントには生着すると考えられる。

0138

本発明者らは、IAP+/-マウスおよびIAP-/-マウスにおける幹細胞および前駆細胞の出現率を最初に検査した。幹細胞コンパートメント(compartment)および骨髄系前駆細胞コンパートメント中の細胞を検査した場合、これらのマウスと野生型マウスの間に差はなかった(図18a)。次いで、本発明者らは、これらのマウスに由来する幹細胞がインビトロアッセイ法においてコロニーを形成する能力に関して試験した。本発明者らは、これらのマウスから高純度に精製したFlk2-CD34-KLS 幹細胞を選別し、標準的なサイトカイン反応混液の存在下でメチルセルロース上にそれらを播種した。本発明者らは7日目にコロニー形成を検査し、野生型幹細胞とIAP-/-幹細胞との間で、形成されたコロニーの数およびタイプに大きな差はないことを発見した(図18b)。

0139

次いで、本発明者らは、IAP-/-マウスに由来する骨髄細胞がレシピエントマウスを致死的な放射線照射の作用から救出し得るかどうかを検討した。典型的には、2×105個の用量の骨髄細胞が、このアッセイ法において100%の野生型レシピエントマウスを救出すると考えられる。本発明者らは、IAP-/-骨髄がこれらのレシピエントを救出できないことを発見した(図18c)。しかしながら、これらの細胞を投与することにより、寿命が延びた;通常、マウスは放射線照射後12日目〜15日目の間に死亡したが、IAP-/-骨髄を与えられたマウスは約7日〜10日長く生存した(図18c)。本発明者らはこの場合に寿命が延長される理由をまだ知らないが、多分化能前駆細胞および巨核球赤血球前駆細胞が致死的放射線照射後の生存を延長できること、ならびに骨髄全体の移植後のこれらの細胞の貢献が、生存期間の延長に貢献した可能性があることを本発明者らは観察した。

0140

次に、本発明者らは野生型細胞およびIAP-/-細胞からFlk-2-CD34-KLS幹細胞を選別し、2×105個の競合細胞と共にそれらを野生型レシピエントに移植した。50個または500個いずれかの用量のIAP-/-HSCを与えられたマウスのどれも、ドナー細胞がまったく生着しなかったことから、これらの細胞が移植される能力のためにCD47が実際に必要とされることが示された(図18d〜e)。本発明者らは、赤血球およびT細胞に対して示されているように、これはCD47を欠く細胞の食作用に起因すると推測した。これを試験するために、本発明者らは、野生型マウスおよびIAP-/-マウスの骨髄からc-Kit+細胞を濃縮し、それらを骨髄由来マクロファージと同時インキュベートした。IAP-/-幹細胞およびIAP-/-前駆細胞はこのアッセイ法において急速に貪食されたのに対し、野生型細胞は最小限しか貪食されなかった(図18f〜g)。興味深いことに、IAP-/-マクロファージとインキュベートした場合、IAP-/-細胞の食作用は有意に少なかったことから、これらのマウスに由来するマクロファージの食作用能力が実際に異常であることが確認された。

0141

幹細胞および前駆細胞の動員は、それらがマクロファージと接触するいくつかの段階(骨髄類洞からの放出、骨髄類洞および肝臓類洞、ならびに脾臓辺縁帯への侵入)を含むため、本発明者らは、動員を経験するように誘導したマウスの骨髄においてCD47が上方調節されているかどうかを検討した。最も一般に使用されるプロトコールは、分裂細胞(主に骨髄系前駆細胞)を死滅させる薬物シクロホスファミド(Cy)の投与とそれに続く顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)による処置を含む。これは、初日にシクロホスファミドを投与し、次いで、それ以降毎日G-CSFを与えることを含む。慣例により、シクロホスファミド投与後の最初の日を0日と呼ぶ。骨髄中の幹細胞数は2日目にピークに達し;3日〜4日目に、それらは骨髄から末梢に出て行き、脾臓および肝臓中のそれらの数は5日目にピークに達し;骨髄赤血球(myeloerythroid)前駆細胞もまた動員される。動員応答の間に、幹細胞および骨髄系前駆細胞の出現率に特徴的な上昇が認められる。

0142

したがって、本発明者らはこの動員プロトコールを野生型マウスに施し、2日目〜5日目にマウスを屠殺した。本発明者らは、2日目の時点でc-Kit+骨髄細胞においてCD47の著しい増加が認められることを発見した(図19a)。本発明者らは、動員から2日目に幹細胞および前駆細胞においてCD47のレベルが約4倍に上昇していることを発見した(図19b)。GMPだけでなくLT-HSCもこのCD47発現増加を示したように、骨髄系前駆細胞の階層の全レベルで増加が認められた(図19b)。骨髄からの放出のほとんどが停止する5日目までに、CD47レベルは、ほぼ正常なレベルに戻っていた。図19cにおいて、動員から0日目〜5日目のGMPにおけるCD47発現の平均蛍光強度をを示す。CD47レベルは、0日目の骨髄破壊後、実際には普通以下であるが、2日目に急速にピークに上昇する。発現はその後急速に低下し、5日目までにレベルは定常状態と等しくなる。

0143

エンドトキシンもまた、骨髄動員に寄与すると考えられている。これは、不都合な病原体をクリアランスするために免疫細胞の正常な骨髄産出を増加させる必要がある感染に対する生理学的応答に相当し得る。リポ多糖(LPS)は、グラム陰性菌細胞壁構成要素である。これは血清中の脂質結合タンパク質(LBP)に結合し、次いで、LBPは、単球、マクロファージ、および樹状細胞上のCD1411およびtoll様受容体4(TLR-4)12との複合体を形成し得る。これによりマクロファージが活性化され、炎症誘発性応答がもたらされる。LPS投与もまた、マクロファージの食作用能力を増大させることが示されている。これは、LBP-LPS複合体がオプソニンとして作用することに起因し得る。

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