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技術 切削装置

出願人 株式会社ディスコ
発明者 関口雄也
出願日 2015年3月26日 (5年8ヶ月経過) 出願番号 2015-064105
公開日 2016年10月20日 (4年1ヶ月経過) 公開番号 2016-182651
状態 特許登録済
技術分野 ダイシング 仕上研磨、刃砥ぎ、特定研削機構による研削 研削盤の構成部分、駆動、検出、制御
主要キーワード エア駆動式 エッジトリミング ダミーワーク 切削加工前 切削痕 撮像画 長さ測定 背圧センサ
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (6)

課題

切削ブレードを消耗させることなく、確実に画像処理を行うことで、切削ブレードの直径を算出できる切削装置を提供すること。

解決手段

ダミーワークを保持するサブチャックテーブル(33)と、切削ブレード(40)でダミーワークを切削加工する切削手段(11)と、切削手段とサブチャックテーブルを接近および離間する方向で送る切込み送り手段(22)とを備えた切削装置が、背圧センサ(71)を用いて切削ブレードの摩耗量を測定し、ダミーワークに切削ブレードを切り込ませて形成した切削痕撮像し、切削痕の撮像画を画像処理することで切削ブレードの直径を算出する構成にした。

概要

背景

通常、切削装置では、切削ブレードによる切り込み深さを調整するためにセットアップが行われる。セットアップとしては、光学センサを用いて切削ブレードの先端位置を非接触で検知してセットアップする方法が知られている。この方法では、光学センサの投光部と受光部とが隙間を空けて対向され、この隙間に切削ブレードが降ろされて投光部からの光が切削ブレードの先端で遮光される。そして、受光部の受光量の変化から切削ブレードの先端位置が検知されて、切削加工によって摩耗した切削ブレードの直径の変化量に基づいて、ウエーハに対する切削ブレードの切込み量修正補正)される。

しかしながら、光学センサを用いた方法では、切削装置が切削加工で使用する切削水が光学センサの投光部や受光部に付着しないようにしなければならない。さらに、切削ブレードから飛散した水滴が投光部と受光部との隙間を通過して、投光部からの光が水滴によって散乱されると、切削ブレードの先端位置が誤検出される。このように、光学センサを用いた方法では、切削加工中の投光部及び受光部に対する水滴の付着を防止するために光学センサが複雑な構造になり、さらに切削ブレードを乾かすのに時間がかかるという問題があった。

上記の光学センサを用いる方法に代えて、画像処理によって切削ブレードの直径を算出して切削ブレードの先端位置をセットアップする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の方法では、ダミーワーク被加工物)を切削ブレードで真上から切り込んで切削痕を形成し、切削痕の撮像画を画像処理することで切削ブレードの直径が幾何学的に算出される。また、切削ブレードによるダミーワークの切り込みの精度を向上させるために、背圧センサを用いてテーブルの高さを検出する方法も知られている(特許文献2参照)。

概要

切削ブレードを消耗させることなく、確実に画像処理を行うことで、切削ブレードの直径を算出できる切削装置を提供すること。ダミーワークを保持するサブチャックテーブル(33)と、切削ブレード(40)でダミーワークを切削加工する切削手段(11)と、切削手段とサブチャックテーブルを接近および離間する方向で送る切込み送り手段(22)とを備えた切削装置が、背圧センサ(71)を用いて切削ブレードの摩耗量を測定し、ダミーワークに切削ブレードを切り込ませて形成した切削痕を撮像し、切削痕の撮像画を画像処理することで切削ブレードの直径を算出する構成にした。

目的

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、切削ブレードの消耗を抑えつつ、切削ブレードの直径を高精度に算出してセットアップすることができる切削装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

板状の被加工物を保持する保持面を有する保持テーブルと、切削ブレードを回転可能に装着して該切削ブレードを被加工物に切込ませ切削加工する切削手段と、該保持テーブルが保持する被加工物の上面に対して垂直方向で該切削手段を接近および離間する切込み送り手段と、を備える切削装置であって、該切削ブレードの先端を検知する先端検知手段と、被加工物に該切削ブレードを切込ませて形成される切削痕撮像する撮像手段と、該切削痕を該撮像手段が撮像した撮像画から該切削ブレードの直径を算出する算出手段とを含み、該先端検知手段は、回転する該切削ブレードの側面に交差する方向で該切削ブレードの一方の側面に所定の圧力のエアを噴射する噴射口と、該切込み送り手段で該切削手段を切込み送りさせ該切削ブレードが該噴射口を遮蔽した事によりエア供給源から該噴射口までの経路内の圧力変化を検知する背圧センサと、該背圧センサが検知する圧力変化で該切削ブレードの先端と判断する先端判断部と、を備え、該算出手段は、該先端検知手段で先端を検知した該切削ブレードを所定の深さで被加工物に切込ませて形成した切削痕を該撮像手段で撮像させ該切削痕の延在方向の長さを測定するスケールと、該スケールが測定した測定結果から該切削ブレードの直径を算出する算出部と、を備える切削装置。

技術分野

0001

本発明は、切削加工前切削ブレードセットアップ可能な切削装置に関する。

背景技術

0002

通常、切削装置では、切削ブレードによる切り込み深さを調整するためにセットアップが行われる。セットアップとしては、光学センサを用いて切削ブレードの先端位置を非接触で検知してセットアップする方法が知られている。この方法では、光学センサの投光部と受光部とが隙間を空けて対向され、この隙間に切削ブレードが降ろされて投光部からの光が切削ブレードの先端で遮光される。そして、受光部の受光量の変化から切削ブレードの先端位置が検知されて、切削加工によって摩耗した切削ブレードの直径の変化量に基づいて、ウエーハに対する切削ブレードの切込み量修正補正)される。

0003

しかしながら、光学センサを用いた方法では、切削装置が切削加工で使用する切削水が光学センサの投光部や受光部に付着しないようにしなければならない。さらに、切削ブレードから飛散した水滴が投光部と受光部との隙間を通過して、投光部からの光が水滴によって散乱されると、切削ブレードの先端位置が誤検出される。このように、光学センサを用いた方法では、切削加工中の投光部及び受光部に対する水滴の付着を防止するために光学センサが複雑な構造になり、さらに切削ブレードを乾かすのに時間がかかるという問題があった。

0004

上記の光学センサを用いる方法に代えて、画像処理によって切削ブレードの直径を算出して切削ブレードの先端位置をセットアップする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の方法では、ダミーワーク被加工物)を切削ブレードで真上から切り込んで切削痕を形成し、切削痕の撮像画を画像処理することで切削ブレードの直径が幾何学的に算出される。また、切削ブレードによるダミーワークの切り込みの精度を向上させるために、背圧センサを用いてテーブルの高さを検出する方法も知られている(特許文献2参照)。

先行技術

0005

特開2002−59365号公報
特開2013−41972号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、特許文献1、2の記載の方法では、背圧センサでテーブルの高さが測定されても、切削ブレードの消耗によって縮径した切削ブレードの先端位置を検出することができない。このため、ダミーワークに対して切削ブレードで適切な切り込み深さで切り込むことができなかった。すなわち、切削ブレードでダミーワークを真上から切り込む際に、空振りを無くすために切削ブレードの消耗量予測してダミーワークに深めに切り込まれるが、切り込み過ぎによって切削ブレードが無駄に消耗されてしまうという問題があった。

0007

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、切削ブレードの消耗を抑えつつ、切削ブレードの直径を高精度に算出してセットアップすることができる切削装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の切削装置は、板状の被加工物を保持する保持面を有する保持テーブルと、切削ブレードを回転可能に装着して切削ブレードを被加工物に切込ませ切削加工する切削手段と、保持テーブルが保持する被加工物の上面に対して垂直方向で切削手段を接近および離間する切込み送り手段と、を備える切削装置であって、切削ブレードの先端を検知する先端検知手段と、被加工物に切削ブレードを切込ませて形成される切削痕を撮像する撮像手段と、切削痕を撮像手段が撮像した撮像画から切削ブレードの直径を算出する算出手段とを含み、先端検知手段は、回転する切削ブレードの側面に交差する方向で切削ブレードの一方の側面に所定の圧力のエアを噴射する噴射口と、切込み送り手段で切削手段を切込み送りさせ切削ブレードが噴射口を遮蔽した事によりエア供給源から噴射口までの経路内の圧力変化を検知する背圧センサと、背圧センサが検知する圧力変化で切削ブレードの先端と判断する先端判断部と、を備え、算出手段は、先端検知手段で先端を検知した切削ブレードを所定の深さで被加工物に切込ませて形成した切削痕を撮像手段で撮像させ切削痕の延在方向の長さを測定するスケールと、スケールが測定した測定結果から切削ブレードの直径を算出する算出部と、を備える。

0009

この構成によれば、切削ブレードの切り込み送りによって噴射口からのエアが切削ブレードによって遮蔽されると、背圧センサによる圧力変化の検知によって切削ブレードの先端が判断される。よって、切削ブレードの先端、すなわち切削加工による切削ブレードの消耗量が比較的粗い精度で測定される。切削ブレードの先端位置の変化量を考慮して被加工物が切り込まれるため、被加工物に対する切込み不足による空振りや切り込み過ぎによる切削ブレードの無駄な消耗を防ぎ、被加工物に適切な深さの切削痕を形成することができる。よって、撮像画の切削痕の延在方向の長さから切削ブレードの直径を高精度に算出してセットアップすることができる。また、背圧センサによって切削ブレードの先端が検出されるため、切削加工時の切削水や切削ブレードから飛散する水滴の影響を受けることない。よって、簡易かつ短時間で切削ブレードの先端を検知することができる。

発明の効果

0010

本発明によれば、背圧センサによって切削ブレードの先端位置を粗い精度で測定した後に被加工物を切り込み、切削痕の撮像画の画像処理によって切削ブレードの直径が算出される。よって、切削ブレードの消耗を抑えつつ、切削ブレードの直径を高精度に算出してセットアップすることができる。

図面の簡単な説明

0011

本実施の形態に係る切削装置の斜視図である。
本実施の形態に係る先端検知手段および算出手段の模式図である。
本実施の形態に係る切削ブレードの先端検知処理の一例を示す図である。
本実施の形態に係る切削ブレードの直径算出処理の一例を示す図である。
本実施の形態に係る撮像画の画像処理の一例を示す図である。

実施例

0012

以下、添付図面を参照して、本実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る切削装置の斜視図である。なお、本実施の形態に係る切削装置は、図1に示す構成に限らない。本発明は、切削ブレードのセットアップ機能を有する切削装置であれば、どのような切削装置にも適用可能である。

0013

図1に示すように、切削装置1は、チャックテーブル10に保持されたウエーハW1と切削手段11とを相対的に移動させることによって、ウエーハW1を切削するように構成されている。ウエーハW1は、ダイシングテープTを介してリングフレームFに支持された状態で切削装置1に搬入される。なお、ウエーハW1は、シリコンガリウム砒素等の半導体ウエーハでもよいし、セラミックガラスサファイア系の光デバイスウエーハでもよい。また、円形ウエーハに限らず、CSP(Chip Size Package)基板、QFN(Quad Flat Non-leaded package)等の矩形状のパッケージ基板でもよい。

0014

切削装置1の基台12上には、チャックテーブル10をX方向に切削送りする切削送り手段13が設けられている。切削送り手段13は、基台12上に配置されたX方向に平行な一対のガイドレール14と、一対のガイドレール14にスライド可能に設置されたモータ駆動のX軸テーブル15とを有している。X軸テーブル15の背面側には、図示しないナット部が形成され、このナット部にボールネジ16が螺合されている。そして、ボールネジ16の一端部に連結された駆動モータ17が回転駆動されることで、チャックテーブル10が一対のガイドレール14に沿ってX方向に切削送りされる。

0015

X軸テーブル15の上部には、ウエーハW1を保持するチャックテーブル10がZ軸回りに回転可能に設けられている。チャックテーブル10には、ポーラスセラミック材により保持面(不図示)が形成されており、この保持面に生じる負圧によってウエーハW1が吸引保持される。チャックテーブル10の周囲には、エア駆動式の4つのクランプ部18が設けられ、各クランプ部18によってウエーハW1のリングフレームFが四方から狭持固定される。基台12の上面には、チャックテーブル10の移動経路を跨ぐように立設した門型立壁部20が設けられている。

0016

立壁部20には、切削手段11をY方向にインデックス送りするインデックス送り手段21と、切削手段11をZ方向に切込み送りする切込み送り手段22とが設けられている。インデックス送り手段21は、立壁部20の前面に配置されたY方向に平行な一対のガイドレール23と、一対のガイドレール23にスライド可能に設置されたY軸テーブル24とを有している。切込み送り手段22は、Y軸テーブル24上に配置されたZ方向に平行な一対のガイドレール25と、一対のガイドレール25にスライド可能に設置されたZ軸テーブル26とを有している。Z軸テーブル26の下部には、ウエーハW1を切削する切削手段11が設けられている。

0017

Y軸テーブル24およびZ軸テーブル26の背面側には、それぞれナット部が形成され、これらナット部に、ボールネジ27、28が螺合されている。Y軸テーブル24用のボールネジ27、Z軸テーブル26用のボールネジ28の一端部には、それぞれ駆動モータ29、30が連結されている。駆動モータ29、30により、それぞれのボールネジ27、28が回転駆動されることで、切削手段11がガイドレール23に沿ってX方向に直交するY方向にインデックス送りされ、切削手段11がガイドレール25に沿ってウエーハW1に接近および離反するZ方向に切込み送りされる。

0018

切削手段11は、ハウジング31から突出したスピンドル32(図2参照)の先端に切削ブレード40(図2参照)を回転可能に装着して構成される。切削ブレード40は、例えば、ダイヤモンド砥粒レジンボンドで固めて円板状に成形されている。また、切削手段11のハウジング31には、ウエーハW1の上面を撮像する撮像手段50が設けられており、撮像手段50の撮像画に基づいてウエーハW1に対して切削ブレード40がアライメントされる。切削手段11では、切削水が噴射されながら、切削ブレード40によってウエーハW1が分割予定ラインに沿って切削されることで、個々のデバイスに分割される。

0019

また、切削装置1では、ウエーハW1の切削加工前に切削ブレード40(図2参照)の直径算出によって、切削ブレード40の切り込み送り方向の原点位置を設定するセットアップが実施される。チャックテーブル10の周囲にはサブチャックテーブル33が配置されており、サブチャックテーブル33の保持面34(図4参照)には直径算出時に切り込まれる被加工物としてダミーワーク(被加工物)W2が保持されている。ダミーワークW2は、切削ブレード40の直径算出用のサンプルとして使用されるものであり、表面及び裏面が平行で平坦な板状に形成されている。なお、ダミーワークW2は、ウエーハW1と同じ材質で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。

0020

この場合、切削ブレード40によってダミーワークW2が真上から切り込まれ、上記のアライメント用の撮像手段50によってダミーワークW2上の切削痕が撮像される。この切削痕の撮像画が画像処理されて、算出手段60(図2参照)にて切削ブレード40の直径が算出される。この画像処理による直径算出時には、切削ブレード40の消耗を予測してダミーワークW2が切削ブレード40に切り込まれるが、予測よりも切削ブレード40の消耗が少ないときには切削ブレード40でダミーワークW2が深く切り込まれてしまう。このため、ダミーワークW2に対する切り込み時に切削ブレード40が無駄に消耗されるという問題がある。

0021

そこで、本実施の形態に係る切削装置1は、画像処理による切削ブレード40の直径算出処理の前に、切削ブレード40の先端位置の検知処理を実施するようにしている。これにより、切削ブレード40の先端位置の検知処理で切削ブレード40の消耗量を粗めに測定することで、ダミーワークW2に対する切削ブレード40の切り込み深さを適切に調整することができる。切削ブレード40の先端位置の検知、切削ブレード40の直径算出の2段階の処理により、ダミーワークW2に対する切削ブレード40の切り込み過ぎを無くして、切削ブレード40の消耗を抑えた直径算出を可能にしている。

0022

通常、切削ブレード40の先端位置の検知処理には光学式センサが用いられるが、センサ面に切削水が付着したり、切削ブレード40から飛散した水滴にセンサが反応したりするため、1回の検出処理では十分な信頼性が得られない。このため、光学式センサを用いる場合には、切削ブレード40の先端位置の検知処理を複数回に亘って実施しなければならない。ここで、本件発明者が光学式センサの代わりに背圧センサ71(図2参照)を用いた背圧式の先端検知を実施したところ、切削水や切削ブレード40から飛散する水滴の影響を受けることなく、切削ブレード40の先端位置を検出できることを発見した。

0023

一般に背圧センサ71はテーブルの高さ測定等に用いられるものであり、テーブルの上方に配置して使用されるものである。切削ブレード40の先端位置の検知には用いられることのなかった背圧センサ71を光学式センサの代わりに用いることで、切削ブレード40の先端位置の検知処理の回数を減らすようにしている。このように、本実施の形態では、切削ブレード40の先端を検知する背圧式の先端検知手段70(図2参照)を備えると共に、切削ブレード40の先端検知後に算出部62(図2参照)で切削ブレード40の直径を算出してセットアップを実施している。

0024

以下、図2を参照して、本実施の形態に係る先端検知手段および算出手段について詳細に説明する。図2は、本実施の形態に係る先端検知手段および算出手段の模式図である。なお、図2においては、説明の便宜上、サブチャックテーブル上のダミーワークを省略して記載している。

0025

図2に示すように、先端検知手段70は、ノズル72の噴射口73からエアを噴射させた状態で切削ブレード40の先端に噴射口73が遮蔽されることにより、切削ブレード40の先端を検知するように構成されている。ノズル72は、切削ブレード40の先端検知時に、切削ブレード40の側面に交差する方向で切削ブレード40の一方の側面に所定の圧力のエアを噴射するように、噴射口73を側方に向けた状態でサブチャックテーブル33上に配置されている。なお、切削ブレード40の側面に交差する方向とは、切削ブレード40の側面に直交する方向だけでなく、切削ブレード40の側面に斜めに交差する方向でもよい。

0026

また、先端検知手段70には、エア供給源74からノズル72までの経路75内の圧力変化を検知する背圧センサ71と、背圧センサ71が検知する圧力変化で切削ブレード40の先端と判断する先端判断部76とが設けられている。背圧センサ71は、切込み送り手段22で切り込み送りされた切削ブレード40で噴射口73が遮蔽されたときの経路75内の圧力変化を検知して、先端判断部76に検知結果を出力する。先端判断部76は、経路75内の圧力変化が所定以上になったときの切削ブレード40の切り込み深さから先端位置を判断する。この切削ブレード40の先端位置に応じて、切削ブレード40の直径算出時の切り込み量が補正される。

0027

先端検知手段70で先端が検知された切削ブレード40によってダミーワークW2(図4参照)に所定深さの直線状の切削痕80(図4参照)が形成される。ダミーワークW2の切削痕80は切削手段11に設けられた撮像手段50によって撮像され、撮像手段50から算出手段60に撮像画が出力される。算出手段60は、切削痕80の撮像画の延在方向の長さをスケール61で測定し、スケール61による測定結果から算出部62で切削ブレード40の直径を算出するように構成されている。なお、スケール61による切削痕80の長さ測定及び算出部62による切削ブレード40の直径算出の詳細については後述する。

0028

なお、先端判断部76、算出手段60は、各種処理を実行するプロセッサメモリ等により構成されている。メモリは、用途に応じてROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の一つ又は複数の記憶媒体で構成される。メモリには、切削ブレード40の先端検知処理用プログラム、切削ブレード40の直径算出用のプログラム、セットアップ用のプログラムが記憶されている。また、切削ブレード40は、ノズル72の噴射口73からのエアの噴射によって撓まない程度の剛性を有することが好ましい。

0029

図3から図5を参照して、切削ブレードの先端検知処理及び切削ブレードの直径算出処理について詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る切削ブレードの先端検知処理の一例を示す図である。図4は、本実施の形態に係る切削ブレードの直径算出処理の一例を示す図である。図5は、本実施の形態に係る撮像画の画像処理の一例を示す図である。なお、図3においては、切削ブレードが既に切削加工によって消耗しているものとし、消耗前の切削ブレードの先端を仮想線で示している。

0030

先ず、切削ブレードの先端検知処理について説明する。図3Aに示すように、サブチャックテーブル33上にノズル72が設けられており、ノズル72の噴射口73から側方に向けて所定の圧力のエアが噴射されている。また、ノズル72によるエアの噴射領域Aの真上には、切削加工時に先端が消耗した切削ブレード40が位置付けられている。そして、切削ブレード40が回転した状態で、この初期位置P1からエアの噴射領域Aに向けてZ軸方向に切り込み送りされる。エアの噴射領域Aとは、切削ブレード40によってノズル72の噴射口73からのエアが噴射される領域であり、噴射口73の近辺だけに限らず、背圧センサ71で圧力変化が検知可能な範囲を含んでいる。

0031

図3Bに示すように、切削ブレード40が噴射領域Aに向かって下降すると、ノズル72の噴射口73に切削ブレード40が近づけられる。このとき、切削ブレード40の先端が既に切削加工によって消耗されているため、切削ブレード40の未消耗時に噴射口73を遮蔽可能な下降位置P2まで切り込み送りされても、切削ブレード40によって噴射口73が遮蔽されない。この下降位置P2から切削ブレード40が、さらに下方の下降位置P3まで切り込み送りされることで切削ブレード40によって噴射口73が遮蔽されて、切削ブレード40の先端位置が検知される。

0032

この場合、切削ブレード40が初期位置P1、下降位置P2にある場合には、切削ブレード40の先端がノズル72の噴射口73より上方に位置するので、噴射口73からエアが切削ブレード40に遮られない。このため、背圧センサ71で検知される経路75内の圧力変化が小さく、先端判断部76によって切削ブレード40の先端が無いと判断される。切削ブレード40が下降位置P3まで下降した場合には、切削ブレード40の先端によって噴射口73からエアが遮られるため、背圧センサ71で検知される経路75内の圧力変化が大きく先端判断部76によって切削ブレード40の先端があると判断される。

0033

そして、切削ブレード40の先端が検知された下降位置P3と切削ブレード40の未消耗時に切削ブレード40の先端が検知される下降位置P2との差分から、切削ブレード40の消耗量Δaが粗めに測定される。切削ブレード40の消耗量Δaは、切削ブレード40の切り込み送りの補正量として使用される。これにより、切削ブレード40の消耗量Δaを考慮して、切削ブレード40の切り込み送りを精度よく制御することができる。また、切削加工時の切削水や切削ブレード40からの水滴の飛散の影響を受けることもなく、先端検知手段70の構成を簡略化することが可能になっている。

0034

続いて、切削ブレードの直径算出処理について説明する。図4Aに示すように、サブチャックテーブル33の保持面34にダミーワークW2が保持され、切削ブレード40が回転した状態で切り込み送りされて、切削ブレード40によってダミーワークW2の上面に対して垂直な方向から切り込まれる。これにより、ダミーワークW2の上面35に直線状の切削痕80が所定の深さで形成される。このとき、切削ブレード40の消耗量Δaに基づいて切削ブレード40の切り込み深さが制御されるため、切り込み時の空振りが生じることがなく、切り込み過ぎによる切削ブレード40の無駄な消耗を抑えることができる。

0035

図4Bに示すように、ダミーワークW2に切削痕80が形成されると、ダミーワークW2の真上に撮像手段50が移動され、撮像手段50によってダミーワークW2の切削痕80が撮像される。切削痕80の撮像画は算出手段60のスケール61に出力され、スケール61によって撮像画から切削痕80の延在方向の長さが測定される。この場合、撮像画にエッジ検出処理が施され、スケール61において切削痕80を構成するX軸方向の画素数から切削痕80の延在方向の長さL(図5参照)が測定される。スケール61の測定結果は算出部62に出力され、算出部62によってスケール61の測定結果から切削ブレード40の直径が算出される。

0036

図5に示すように、算出部62(図4参照)では、例えば、次式(1)を用いて切削痕80の延在方向の長さLと切削ブレード40の軸心からダミーワークW2の上面35までの距離Hとによって、切削ブレード40の直径(2r)が算出される。このときの距離Hは、先端検知手段70(図2参照)で検知された切削ブレード40の消耗量Δaによって補正された値であり、ダミーワークW2の上面から適切な高さ距離に設定されている。
(1)
2r=2(H2+(L/2)2)1/2
そして、切削ブレード40の直径が算出されると、切削ブレード40が高精度にセットアップされる。

0037

以上のように、本実施の形態に係る切削装置1によれば、切削ブレード40の切り込み送りによって噴射口73からのエアが切削ブレード40に遮蔽されると、背圧センサ71による圧力変化の検知によって切削ブレード40の先端が判断される。よって、切削加工による切削ブレード40の消耗量が比較的粗い精度で測定される。切削ブレード40の先端位置の変化量を考慮してダミーワークW2が切り込まれるため、ダミーワークW2に対する空振りや切り込み過ぎをダミーワークW2に適切な深さの切削痕80を形成することができる。よって、撮像画の切削痕80の延在方向の長さから切削ブレード40の直径を高精度に算出してセットアップすることができる。また、背圧センサ71によって切削ブレード40の先端が検出されるため、切削加工時の切削水や切削ブレード40から飛散する水滴の影響を受けることない。

0038

なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。

0039

例えば、上記した実施の形態においては、サブチャックテーブル33に保持されたダミーワークW2を用いて切削ブレード40の直径算出を実施する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、チャックテーブル10に保持されたウエーハを用いて切削ブレード40の直径算出を実施する構成にしてもよい。

0040

また、上記した実施の形態においては、ウエーハW1を分割する切削装置1の切削ブレード40の直径算出を実施する構成にしたが、この構成に限定されない。エッジトリミング用の切削装置の切削ブレード40の直径算出を実施してもよい。エッジトリミング用の切削ブレード40は比較的厚く形成されているため、ノズル72の噴射口73のエアによって切削ブレード40が撓むことがない。

0041

また、上記した実施の形態においては、先端判断部76は、エア供給源74からノズル72までの経路75内の圧力変化が所定以上になったときの切削ブレード40の先端位置を判断する構成にしたが、この構成に限定されない。先端判断部76は、ノズル72の噴射口73が切削ブレード40で遮蔽されていない状態での圧力と、ノズル72の噴射口73が切削ブレード40で遮蔽されている状態での圧力との比較によって、切削ブレード40の先端を検知してもよい。

0042

また、上記した実施の形態においては、アライメント用の撮像手段50でダミーワークW2の切削痕80を撮像する構成にしたが、この構成に限定されない。アライメント用の撮像手段とは別体の撮像手段50を用いてダミーワークW2の切削痕80を撮像してもよい。

0043

また、上記した実施の形態においては、切込み送り手段22によってウエーハW1に対して切削ブレード40を接近および離間する方向で切込み送りする構成にしたが、この構成に限定されない。切込み送り手段22によって切削ブレード40に対してウエーハW1を接近および離間する方向で切込み送りする構成でもよい。

0044

また、上記した実施の形態においては、切削ブレード40の側面に対して直交する方向でノズル72の噴射口73からエアを噴射する構成にしたが、この構成に限定されない。ノズル72の噴射口73は、切削ブレード40の側面に対して斜め方向からエアを噴射する構成にしてもよい。

0045

また、上記した実施の形態においては、エア供給源74から噴射口73までの経路75の中間位置の圧力変化を検知する構成にしたが、この構成に限定されない。背圧センサ71は、エア供給源74から噴射口73までの経路75内の圧力変化を検知可能であればよく、例えば、噴射口73付近の圧力変化を検知してもよい。

0046

また、上記した実施の形態においては、スケール61によって切削痕80の延在方向の画素数から長さを測定する構成にしたが、この構成に限定されない。スケール61は、切削痕80の延在方向の長さを測定可能であれば、どのように構成されてもよい。

0047

また、上記した実施の形態においては、算出部62によって切削痕80の長さから上記式(1)により切削ブレード40の直径を算出する構成にしたが、この構成に限定されない。算出手段60は、切削痕80の長さから切削ブレード40の直径を算出可能であればよく、切削痕80の長さと切削ブレード40の直径とを関連付けたテーブルを用いて、切削ブレード40の直径を算出してもよい。

0048

以上説明したように、本発明は、切削装置の切込みの基準位置をセットアップできるという効果を有し、特に、ウエーハの外周面エッチトリミングする切削装置に有用である。

0049

1切削装置
11切削手段
22切込み送り手段
33サブチャックテーブル(保持テーブル)
34 保持面
40切削ブレード
50撮像手段
60 算出手段
61スケール
62 算出部
70先端検知手段
71背圧センサ
73噴射口
74エア供給源
75経路
76 先端判断部
80切削痕
W2ダミーワーク(被加工物)

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