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課題

ポリマー生成率が低く、かつ、触媒活性の高い、新規エチレン等のα−オレフィンの低重合触媒を得ることを目的とする。

解決手段

クロム化合物、所定の二座ホスフィン化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物であり、クロム化合物及び二座ホスフィン化合物から得られる錯化合物を主触媒として用い、有機アルミニウム化合物を助触媒として用いる。そして、主触媒である錯化合物は、クロム化合物のクロム中心金属とし、この中心金属1原子配位子として前記二座ホスフィン化合物が少なくとも1分子配位して形成される。

概要

背景

従来から、エチレン等のα−オレフィンを低重合させてオリゴマーを製造する触媒は知られている。例えば、配位原子窒素原子である単座配位子を用いた触媒(特許文献1〜3)や、配位原子が窒素原子やリン原子である二座配位子であり、両配位子は、窒素原子やヒドロカルビル基架橋された触媒(特許文献4)、配位原子がリン原子である二座配位子であり、両配位子は、アルキル置換基を有するメチレン基エチレン基で架橋された触媒(特許文献5,6)が知られている。

概要

ポリマー生成率が低く、かつ、触媒活性の高い、新規のエチレン等のα−オレフィンの低重合化触媒を得ることを目的とする。クロム化合物、所定の二座ホスフィン化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物であり、クロム化合物及び二座ホスフィン化合物から得られる錯化合物を主触媒として用い、有機アルミニウム化合物を助触媒として用いる。そして、主触媒である錯化合物は、クロム化合物のクロム中心金属とし、この中心金属1原子に配位子として前記二座ホスフィン化合物が少なくとも1分子配位して形成される。なし

目的

この発明は、ポリマー生成率が低く、かつ、触媒活性の高い、新規のエチレン等のα−オレフィンの低重合化触媒を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

クロム化合物、下記一般式(1)〜(2)のいずれかの構造の二座ホスフィン化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物。(式(1)〜(2)において、結合線破線は、単結合二重結合及び共鳴構造を形成する結合のいずれかを示す。R1〜R2は、それぞれ独立に、鎖状または環状のアルキル基アリール基を表し、かつ、置換基を有してもよい基である。R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子ハロゲン原子又は炭素数が1〜12のアルキル基、シクロアルキル基アルコキシ基シリル基シロキシ基である。A1〜A2は、無置換エチレン基である。Z1〜Z3は、P−C−Z1−C−Pで形成される環状体、P−C−Z2−C−Pで形成される環状体、P−C−Z3−C−Pで形成される環状体が4員環、5員環又は6員環を形成するための構成成分であり、置換基を有してもよい基である。)

請求項2

前記R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数が1〜4のアルキル基である請求項1に記載の触媒組成物。

請求項3

前記R3〜R8は、それぞれ独立に、炭素数が1〜4のアルキル基であり、前記のP−C−Z1−C−Pで形成される環状体、P−C−Z2−C−Pで形成される環状体、P−C−Z3−C−Pで形成される環状体の少なくとも1つの環状体が平面構造を有し、かつ、置換基を有してもよい環状体である請求項1に記載の触媒組成物。

請求項4

請求項1〜3のいずれか1項に記載の触媒組成物を用いるエチレンオリゴマー化方法

技術分野

0001

本発明は、触媒組成物に関する。詳しくは、α−オレフィン、特にエチレンを低重合させ、選択的に三量体四量体等のオリゴマーを高収率で得ることのできる触媒組成物に関する。

背景技術

0002

従来から、エチレン等のα−オレフィンを低重合させてオリゴマーを製造する触媒は知られている。例えば、配位原子窒素原子である単座配位子を用いた触媒(特許文献1〜3)や、配位原子が窒素原子やリン原子である二座配位子であり、両配位子は、窒素原子やヒドロカルビル基架橋された触媒(特許文献4)、配位原子がリン原子である二座配位子であり、両配位子は、アルキル置換基を有するメチレン基エチレン基で架橋された触媒(特許文献5,6)が知られている。

先行技術

0003

特開2005−105286号公報
特表2008−533030号公報
特開2000−313714号公報
特表2006−511625号公報
特表2010−526647号公報
特表2006−536538号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、エチレンの低重合反応のための触媒は、前記の各文献に記載の触媒以外に、種々の触媒があると考えられるが、触媒によっては、α−オレフィンのポリマー化優勢になって、オリゴマーの生成率が低下したり、また、α−オレフィンのポリマー生成率は低いものの、触媒活性そのものが低い場合がある。

0005

そこで、この発明は、ポリマー生成率が低く、かつ、触媒活性の高い、新規のエチレン等のα−オレフィンの低重合化触媒を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは、下記の[1]〜[4]を要旨とする触媒組成物を見出すことにより前記の課題を解決した。
すなわち、本発明は下記に関する。[1]クロム化合物、下記一般式(1)〜(2)のいずれかの構造の二座ホスフィン化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む触媒組成物。

0007

0008

0009

(式(1)〜(2)において、
結合線破線は、単結合二重結合及び共鳴構造を形成する結合のいずれかを示す。
R1〜R2は、それぞれ独立に、鎖状または環状のアルキル基アリール基を表し、かつ、置換基を有してもよい基である。
R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子ハロゲン原子又は炭素数が1〜12のアルキル基、シクロアルキル基アルコキシ基シリル基シロキシ基である。
A1〜A2は、無置換のエチレン基である。
Z1〜Z3は、P−C−Z1−C−Pで形成される環状体、P−C−Z2−C−Pで形成される環状体、P−C−Z3−C−Pで形成される環状体が4員環、5員環又は6員環を形成するための構成成分であり、置換基を有してもよい基である。)

0010

[2]前記R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数が1〜4のアルキル基である[1]に記載の触媒組成物。
[3]前記R3〜R8は、それぞれ独立に、炭素数が1〜4のアルキル基であり、前記のP−C−Z1−C−Pで形成される環状体、P−C−Z2−C−Pで形成される環状体、P−C−Z3−C−Pで形成される環状体の少なくとも1つの環状体が平面構造を有し、かつ、置換基を有してもよい環状体である[1]に記載の触媒組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか1項に記載の触媒組成物を用いるエチレンのオリゴマー化方法

発明の効果

0011

本発明方法によれば、α−オレフィン、特にエチレンを低重合させて、選択的に三量体や四量体のオリゴマーを高収率で得ることができ、かつ、高分子量重合体の生成を抑制することができ、多大な工業的利益を提供する。

0012

以下に本発明の触媒組成物の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されない。

0013

この発明にかかる触媒組成物は、クロム化合物、所定の構造を有する二座ホスフィン化合物、及び有機アルミニウム化合物を含む組成物である。
このクロム化合物及び二座ホスフィン化合物から得られる錯化合物は、主触媒をとして用いられ、有機アルミニウム化合物は助触媒として用いられる。この主触媒である錯化合物は、前記クロム化合物のクロム中心金属とし、この中心金属1原子に配位子として前記二座ホスフィン化合物が配位して形成される錯化合物である。

0014

[助触媒]
前記の通り、助触媒として有機アルミニウム化合物が用いられる。この有機アルミニウム化合物としては、特に、有機アルミニウム化合物を部分加水分解することにより得られる縮合生成物である縮合有機アルミニウム化合物が、α−オレフィンのオリゴマー化における主触媒の中心金属を効率よく活性化するので、より好ましい。このような縮合有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム等を部分加水分解したメチルアルミノキサン等があげられる。

0015

[主触媒]
[主触媒−クロム化合物]
主触媒を構成する錯化合物の中心金属として、クロムが用いられる。このクロムは、主に三価クロムであり、配位数が6つの錯体を形成する。このようなクロム化合物としては、クロム(IV)−tert−ブトキシド、クロム(III)アセチルアセトナート、クロム(III)トリフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、クロム(III)(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、クロム(III)アセテート、クロム(III)−2−エチルヘキサノエート、クロム(III)ベンゾエート、クロム(III)ナフテネート、クロム(III)ヘプタノエート、Cr(CH3 COCHCOOCH3)3、Cr(PhCOCHCOPh)3(但し、ここでPhはフェニル基を示す。)、クロム(II)アセテート、塩化第一クロム、塩化第二クロム、臭化第一クロム、臭化第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨウ化第二クロム、フッ化第一クロム、フッ化第二クロム等があげられる。

0016

[主触媒−二座ホスフィン化合物]
基本骨格
主触媒を構成する錯化合物の配位子である二座ホスフィン化合物は、下記の化学式(L)に示すような、ホスフィン基を2つ有し、2つのホスフィン基を連結する架橋部であるA、各ホスフィン基に連結される末端部であるZ01〜Z04の構造を有する化合物である。
(Z01)(Z02)−P−A−P−(Z03)(Z04) (L)
以下に、この化合物について詳述する。
本発明における前記の化学式(L)の例としては、下記の化学式(1)〜(2)があげられる。

0017

0018

0019

化学式(1)〜(2)において、結合線の破線は、単結合、二重結合及び共鳴構造を形成する結合のいずれかを示す。
また、化学式(L)において架橋部を構成するAは、化学式(1)〜(2)においては、A1〜A2に相当する。さらに、化学式(L)において末端部を構成するZ01〜Z04は、化学式(1)〜(2)において、Z01とZ02、Z03とZ04が環状体を形成しない場合は、R1やR2に相当し、また、PとZ01とZ02、PとZ03とZ04が環状体を形成する場合は、P−C−Z1−C−Pで形成される環状体(以下、「Z1環状体」と称する。)、P−C−Z2−C−Pで形成される環状体(以下、「Z2環状体」と称する。)、P−C−Z3−C−Pで形成される環状体(以下、「Z3環状体」と称する。)に相当する。

0020

(A1〜A2、R1〜R2、R3〜R8、Z1〜Z3)
架橋部を構成するA1〜A2は、無置換のエチレン基からなる。この架橋部がエチレン基であるので、得られる触媒組成物がα−オレフィン、特にエチレンを重合する際、三量体や四量体程度で、重合場が不安定になり、重合反応が三量体や四量体でストップしやすい傾向がある。また、無置換なので、この架橋部は回転自在となる。これにより、理由は不明であるが、三量体や四量体の収率が向上する傾向が見られる。

0021

また、末端部を構成するR1〜R2は、それぞれ独立に、鎖状または環状のアルキル基、アリール基を表し、かつ、置換基を有してもよい基である。鎖状のアルキル基の例としては、メチル基エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、2−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。環状のアルキル基の例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基シクロヘプチル基等が挙げられる。アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
さらに、Z1〜Z3は、Z1環状体、Z2環状体、Z3環状体が4員環、5員環又は6員環を形成するための構成成分であり、置換基を有してもよい。

0022

なお、前記の置換基としては、反応系に悪影響を及ぼす虞のないものであれば特に制限されないが、具体的には、フッ素原子等のハロゲン原子、シアノ基ニトロ基ホルミル基、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリーロキシ基アミノ基、アミド基パーフルオロアルキル基トリアルキルシリル基エステル基等が好ましい。

0023

さらにまた、前記R3〜R8は、架橋部と連結したリン原子に隣接する炭素原子の置換基を示し、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子等のハロゲン原子又は炭素数が1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基を示す。

0024

(二座ホスフィン化合物の例)
前記の二座ホスフィン化合物において、末端部が環状体を形成する場合の前記R3〜R8の例としては、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、炭素数が1〜4のアルキル基、又は炭素数が1〜3のアルコキシ基をあげることができる。

0025

また、前記のZ1環状体、Z2環状体、Z3環状体のうちの少なくとも1つの環状体が平面構造を有する場合の例としては、前記R3〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、アルキル基として、炭素数1〜4のアルキル基をあげることができる。

0026

このような末端部を構成する環状体(Z1環状体、Z2環状体、Z3環状体)の例としては、前記した式(Z−1)〜(Z−6)に示されるような環状体を例としてあげることができる。

0027

0028

Z−1、Z−2およびZ−4は、化学式(1)〜(2)のZ1環状体、Z2環状体、Z3環状体がそれぞれ5員環、4員環又は6員環であり、かつ、単結合で結合した環状体である。また、Z−3、Z−5およびZ−6は、Z1環状体、Z2環状体、Z3環状体が5員環または6員環であり、かつ、平面構造を有するものである。

0029

特に、Z−1〜Z−6のリン原子に隣接する炭素原子の置換基R11〜R22に関しては、以下のものが好ましい。Z−1構造およびZ−3構造の場合には、置換基R11、R12、R15およびR16としては、水素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基が好ましい。Z−2構造、Z−5構造およびZ−6構造の場合には、置換基R13、R14、R19、R20、R21およびR22としては、水素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜2のアルコキシ基が好ましい。Z−4構造の場合には、置換基R17およびR18としては、水素原子、フッ素原子等のハロゲン原子、炭素数1〜2のアルキル基、炭素数1のアルコキシ基が好ましい。

0030

また、これらの置換基以外の炭素原子にも、必要に応じて、前記した置換基を配することができる。
このような末端部を有する二座ホスフィン化合物の具体例としては、下記の(L−1)〜(L−216)をあげることができる。

0031

0032

0033

0034

0035

0036

0037

0038

0039

0040

0041

0042

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0044

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0046

0047

0048

0049

上記の二座ホスフィン化合物の入手方法としては、市販品を入手してもよく、既知の方法により合成してもよい。

0050

合成する場合には、例えば、L−88に代表されるような両末端に4員環の環状体を持つ二座ホスフィンに関しては、Journal of Organometallic Chemistry,2001,624,p162の文献に合成法が記載されているが、下記の化学反応式<I>に示すように合成することができる。具体的には、まず、原料となる1,3−プロパンジオール誘導体四塩化炭素中、塩化チオニルと反応させることで環状亜硫酸エステルを合成し、溶媒を留去する。次に、新たに四塩化炭素−アセトニトリル水混合溶媒を加え直した後、三塩化ルテニウム存在下、過ヨウ素酸ナトリウム酸化することで環状硫酸エステルを合成する。環状硫酸エステルは、ジエチルエーテルで抽出して水洗し、ジエチルエーテルを留去することで得ることができる。

0051

続いて、1,2−ビスホスフィノエタンテトラヒドロフラン溶液を−78℃下で2等量のノルマルブチルリチウムと反応させ、更に2等量の上記の環状硫酸エステルと反応させた後、セカンダリーブチルリチウムと反応させることで目的とする両末端に4員環の環状体を持つ二座ホスフィンを合成することができる。
下記の化学反応式<I>において、末端構造の元となる1,3−プロパンジオール誘導体の種類を変えることで様々なタイプの末端に4員環の環状体を持つ二座ホスフィンを合成することができる。

0052

0053

また、L−114に代表されるような両末端に5員環の環状体を持つ二座ホスフィンに関しては、Organometallics,1990,9,p2653の文献に合成法が記載されているが、下記の化学反応式<II>に示すように合成することができる。具体的には、まず、原料となる1,4−ブタンジオール誘導体をテトラヒドロフラン中で、トリエチルアミン存在下、2等量のメタンスルホン酸クロリドと反応させることでビス(メタンスルホン酸エステル)誘導体を得る。次に、その溶液を、フェニルホスフィンに2等量のノルマルブチルリチウムを反応させることで得られるフェニルジリチオホスフィンのスラリーを含むテトラヒドロフラン溶液に−78℃下で滴下し、環状単座ホスフィンを合成する。続いて上記の環状単座ホスフィンのテトラヒドロフラン溶液に室温下で金属リチウムを加えることでモノリチオホスフィンを合成する。

0054

一方、別の容器にて、トリエチルアミン存在下、エチレングリコールと2等量のp−トルエンスルホン酸クロリドを反応させることでエチレングリコールのビス(p−トシラート)を合成し、上記のモノリチオホスフィンのテトラヒドロフラン溶液の中に滴下する。本反応によって目的とする両末端に5員環の環状体を持つ二座ホスフィンを合成することができる。

0055

下記の化学反応式<II>において、末端構造の元となる1,4−ブタンジオール誘導体の種類を変えることで様々なタイプの末端に5員環の環状体を持つ二座ホスフィンを合成することができる。

0056

0057

また、L−157やL−186に代表されるような両末端に6員環の環状体を持つ二座ホスフィンに関しては、Inorganic Chemistry,1996,35,p2546の文献および特表2004−523544の日本国公表特許に合成法が記載されており、同様に末端構造の元となる原料を種々変えることで様々なタイプの末端に6員環の環状体を持つ二座ホスフィンを合成することができる。

0058

配合割合
前記のクロム化合物1当量に対する二座ホスフィン化合物の配合割合は、0.1当量以上がよく、0.5当量以上が好ましい。0.1当量より少ないと、オリゴマー化反応の活性がほとんど発現しなかったり、ポリマー生成のみ進行するおそれがある。一方、配合割合の上限は、5当量以下がよく、2当量以下が好ましい。2当量より多いと、触媒活性が低下するおそれがある。

0059

また、前記のクロム化合物及び二座ホスフィン化合物からなる錯化合物(主触媒)のクロムのモル数に対する有機アルミニウム化合物(助触媒)の配合割合は、クロム1モルに対し、アルミニウムのモル数として、10モル以上がよく、50モル以上が好ましい。50モルより少ないと、触媒活性が低下するおそれがある。一方、配合割合の上限は、1000モル以下がよく、500モル以下が好ましい。500モルより多いと、助触媒の使用量が多くなりすぎるため効率的でなく、また、助触媒のコストが非常に高くなる問題点を生じる場合がある。

0060

[α−オレフィンのオリゴマー化方法]
前記の触媒組成物を用い、エチレン等のα−オレフィンを一般的なポリマー化の際の温度・圧力等の条件下で重合反応を行うことにより、α−オレフィンの三量体や四量体等のオリゴマーを高収率で得ることができる。

0061

本発明の方法では、溶媒を使用しうる。溶媒としては特に限定されないが、飽和炭化水素が好適に使用され、好ましくは、例えば、ブタンペンタン3−メチルペンタンn−ヘキサン、n−へプタン2−メチルヘキサンオクタンシクロヘキサンメチルシクロヘキサン、2,2,4−トリメチルペンタンデカリン等の炭素数が1〜20の鎖状飽和炭化水素、又は炭素数が1〜20の脂環式飽和炭化水素である。また、ベンゼントルエンキシレンエチルベンゼンメシチレンテトラリン等の芳香族炭化水素をα−オレフィン低重合体の溶媒として用いてもよい。さらには、α−オレフィンを低重合反応させ生成した1−ヘキセンデセン等を反応溶媒として用いることもできる。これらは、単独で使用する他、混合溶媒として使用することもできる。
これらの溶媒の中でも助触媒のメチルアルミノキサン等をよく溶かし、高い触媒活性が得られる傾向があるという点から、炭素数が6〜10の芳香族炭化水素を用いるのが好ましく、具体的には、トルエンまたはキシレンが好ましく、最も好ましくはキシレンである。

0062

前記のα−オレフィンとしてエチレンを用いる場合、原料中にエチレン以外の不純物成分を含んでいても構わない。具体的な成分としては、メタン、エタン、窒素アセチレン二酸化炭素一酸化炭素酸素硫黄分、水分等が挙げられる。メタン、エタン、窒素については、特に限定されないが、原料のエチレンに対して0.1mol%以下、その他不純物は原料のエチレンに対して1molppm以下であることが好ましい。

0063

触媒の使用量は特に限定されないが、通常、溶媒1リットルあたり、遷移金属含有化合物遷移金属原子換算で1.0×10−9モル〜0.5モル、好ましくは5.0×10−9モル〜0.2モル、更に好ましくは1.0×10−8モル〜0.05モルとなる量である。

0064

反応温度としては、特に限定されないが、通常、0〜250℃であり、好ましくは40〜200℃、更に好ましくは70〜170℃である。

0065

反応時の原料α−オレフィンの圧力としては、特に限定されないが、通常、ゲージ圧で0〜25MPaであり、好ましくは、0.5〜15MPa、さらに好ましくは、1.0〜10MPaの範囲である。

0066

反応器内での滞留時間は、特に限定されないが、通常1分〜10時間、好ましくは3分〜3時間、更に好ましくは5分〜40分の範囲である。

0067

反応形式は、特に限定されないが、回分式、半回分式または連続式のいずれであってもよい。実機は精製工程等も含めた総合的な判断から連続式が好ましいが、本発明の効果を得るための反応形式は回分式でもよい。

0068

以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施例に限定されるものではない。

0069

原材料
[二座ホスフィン]
・L−114…STREM社製
・L−119…Aldrich社
・L’−1…STREM社製
・L’−2…Aldrich社製

0070

なお、比較例で用いた二座ホスフィン((L’−1)、(L’−2))は、下記の化学式で示される化合物である。

0071

0072

[クロム化合物等]
・Cr(acac)3トルエン溶液和光純薬工業(株)製のクロム(III)アセチルアセトナートを、同じく和光純薬工業(株)製のトルエン(有機合成用、超脱水品)に溶解させてCr(acac)3トルエン溶液を調製。
n−ウンデカン…和光純薬工業(株)製:ガスクロマトグラフィー分析内部標準物質として使用。
・メチルアルミノキサン…Aldrich社製の10wt%のメチルアルミノキサンのトルエン溶液(=アルミニウム原子として1500mmol/lの濃度のメチルアルミノキサンのトルエン溶液)を使用。

0073

<実施例1〜2、比較例1〜2>
ガラスシュレンク管に0.018mmolの表1に記載の二座ホスフィンを入れ、窒素置換後、8.4mmol/lの濃度のCr(acac)3を含有するトルエン溶液を1.8ml(Crとして0.015mmol)ほど加え、磁性攪拌子攪拌して二座ホスフィンを室温で溶解させた。続いて、トルエンを10.2ml、n−ウンデカン(ガスクロマトグラフィー分析の内部標準物質)を1.0ml加え、更に、アルミニウム原子として1500mmol/lの濃度のメチルアルミノキサンのトルエン溶液を2.0ml(Alとして3.0mmol)加えて触媒液を調製した。
前記の触媒液を、窒素ガス雰囲気下で、乾燥した内容量50mlの磁性誘導攪拌式のステンレス鋼オートクレーブに全量導入し、密閉後、オートクレーブの内液を攪拌しながら40℃に加温した後に、エチレンを系内圧力(ゲージ圧)が3.0MPaになるように液中フィードし、そのまま40℃に温度をコントロールしながら15分間ほど反応させた。なお、反応中は系内のエチレン圧力が3.0MPaを保持するようにエチレンを供給し続けた。

0074

反応終了後反応容器氷水で冷やして10℃に冷却し、エチレンガスパージした後、オートクレーブを開放反応液を全量ガラス容器回収した。回収した反応液にエタノールを1ml加えて攪拌し、更に2mol/lの塩酸を5ml加えて攪拌した後、静置して上層トルエン相を別のガラス容器に回収した。続いて前記トルエン相を15mlの水を用いて洗浄し、当該トルエン相の一部を用いてガスクロマトグラフィーにて分析することで反応生成物(三量体又は四量体のオリゴマー)を定量した。そして、オリゴマーの生成速度クロム含量1gあたり、かつ、1時間当たりのオリゴマー生成量(g))を算出した。なお、オートクレーブを開放した時にポリマーが生成していた場合には、別途回収し、減圧下で乾燥させた後、重量を測定して生成率を計算した。結果を表1に示す。

0075

0076

生成するC6(ヘキセン)のうち1−ヘキセンの選択率は、各実施例及び各比較例において、97〜98%の範囲内であった。また、生成するC8(オクセン)のうち1−オクセンの選択率も、各実施例及び各比較例において、97〜98%の範囲内であった。

実施例

0077

[考察]
実施例で使用した二座ホスフィン化合物(L−114)、(L−119)は、生成速度が速く、C6+C8の生成率が高いことが確認された。
これに対し、架橋部が回転自在でない(L’−1)や(L’−2)は、生成速度が速くなく、C6+C8の生成率も高くないことが確認された。

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