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技術 光処理装置および光処理方法

出願人 ウシオ電機株式会社
発明者 丸山俊堀部大輝遠藤真一
出願日 2015年3月24日 (4年4ヶ月経過) 出願番号 2015-060856
公開日 2016年10月13日 (2年10ヶ月経過) 公開番号 2016-181596
状態 特許登録済
技術分野 半導体の露光(電子、イオン線露光を除く) 半導体の洗浄、乾燥
主要キーワード 専用配管 特性X線スペクトル 除去処理装置 被処理物体 給排気管 給排路 排出機 光処理装置
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図面 (10)

課題

光処理が行われる物体における処理むらを抑制する。

解決手段

光を発する光源部と、前記光源部から発せられた光に被処理物体の表面が処理気体雰囲気中で曝される処理部と、前記表面に沿って前記処理気体を流す気体給排部と、前記処理気体が流れる方向を逆転させる逆転部と、を備える。

概要

背景

従来、例えば、半導体液晶パネル等の製造工程におけるレジストの光アッシング処理ナノインプリント装置におけるテンプレートパターン面に付着したレジストの除去処理液晶用ガラス基板シリコンウエハなどのドライ洗浄処理、プリント基板製造工程におけるスミアの除去(デスミア)処理などに用いられる光処理装置および光処理方法として、紫外線を用いた光処理装置および光処理方法が知られている。特に、エキシマランプなどから放射される真空紫外線により生成されるオゾンや酸素ラジカル等の活性種を利用した装置や方法は、より効率良く短時間で所定の処理を行うことができることから、好適に利用されている。
例えば特許文献1では、ビアホールデスミア処理として、基板に紫外線を照射する方法が提案されており、酸素を含む雰囲気下で、ビアホールを形成した基板に紫外線を照射することが提案されている。

概要

光処理が行われる物体における処理むらを抑制する。光を発する光源部と、前記光源部から発せられた光に被処理物体の表面が処理気体の雰囲気中で曝される処理部と、前記表面に沿って前記処理気体を流す気体給排部と、前記処理気体が流れる方向を逆転させる逆転部と、を備える。

目的

本発明は、光処理が行われる物体における処理むらを抑制することを課題とする

効果

実績

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請求項1

光を発する光源部と、前記光源部から発せられた光に被処理物体の表面が処理気体雰囲気中で曝される処理部と、前記表面に沿って前記処理気体を流す気体給排部と、前記処理気体が流れる方向を逆転させる逆転部と、を備えたことを特徴とする光処理装置

請求項2

前記気体給排部は、前記被処理物体を前記処理気体の流れ方向に挟んだ両側のうちの一方に開口し該処理気体の供給および排出の双方に用いられる第1の給排路と、前記両側のうちの前記一方に対する他方に開口し該処理気体の供給および排出の双方に用いられる第2の給排路と、前記第1の給排路および前記第2の給排路のそれぞれに接続されて前記処理気体を供給する供給機と、前記第1の給排路および前記第2の給排路のそれぞれに接続されて前記処理気体を排出する排出機と、前記第1の給排路に前記供給機と前記排出機とを選択的に接続する第1接続器と、前記第2の給排路に前記供給機と前記排出機とを選択的に接続する第2接続器と、を備え、前記逆転部は、前記第1接続器および前記第2接続器による前記供給機および前記排出機の接続を切り換えることで前記処理気体の流れを逆転させるものであることを特徴とする請求項1記載の光処理装置。

請求項3

前記逆転部は、前記気体給排部による前記処理気体の流れが前記被処理物体の前記表面を通過する所要時間以上の時間間隔を空けて該処理気体の流れを逆転させるものであることを特徴とする請求項1または2記載の光処理装置。

請求項4

被処理物体の表面に沿って流れる処理気体の雰囲気中で該被処理物体の該表面を光に曝す第1の露光工程と、前記処理気体の流れを逆転させる逆転工程と、前記第1の露光工程で光に曝された前記表面を、前記逆転工程によって逆転した方向に流れる前記処理気体の雰囲気中で続けて光に曝す第2の露光工程と、を経ることを特徴とする光処理方法

請求項5

前記逆転工程が、1つの被処理物体の1表面に対する光処理の間に複数回実行されることを特徴とする請求項4記載の光処理方法。

請求項6

前記逆転工程が、前記処理気体の流れが前記被処理物体の前記表面を通過する所要時間以上の時間間隔を空けて実行されることを特徴とする請求項5記載の光処理方法。

技術分野

0001

本発明は、光処理装置および光処理方法に関する。更に詳しくは、本発明は、例えば、半導体液晶パネル等の製造工程におけるレジストの光アッシング処理ナノインプリント装置におけるテンプレートパターン面に付着したレジストの除去処理液晶用ガラス基板シリコンウエハなどのドライ洗浄処理、プリント基板製造工程におけるスミアの除去(デスミア)処理などに好適な光処理装置および光処理方法に関する。

背景技術

0002

従来、例えば、半導体や液晶パネル等の製造工程におけるレジストの光アッシング処理、ナノインプリント装置におけるテンプレートのパターン面に付着したレジストの除去処理、液晶用のガラス基板やシリコンウエハなどのドライ洗浄処理、プリント基板製造工程におけるスミアの除去(デスミア)処理などに用いられる光処理装置および光処理方法として、紫外線を用いた光処理装置および光処理方法が知られている。特に、エキシマランプなどから放射される真空紫外線により生成されるオゾンや酸素ラジカル等の活性種を利用した装置や方法は、より効率良く短時間で所定の処理を行うことができることから、好適に利用されている。
例えば特許文献1では、ビアホールデスミア処理として、基板に紫外線を照射する方法が提案されており、酸素を含む雰囲気下で、ビアホールを形成した基板に紫外線を照射することが提案されている。

先行技術

0003

国際公開WO2014/104154号

発明が解決しようとする課題

0004

本発明者らは、鋭意検討の結果、デスミア処理のための紫外線処理について、(1)酸素やオゾン等のガス処理ガス)、または酸素やオゾン等を含むガス(処理ガス)を介して、基板に対して紫外線を照射すること、(2)処理用ガスは、処理室内に封じるよりも、基板上を流れるように移動させることにより、処理効率が高まることを見出している。
しかしながら、本発明者らは実験の結果、処理用ガスが基板上を流れるに従って、スミアが除去される速度(デスミアの処理速度)が徐々に低下し、流れの上流と下流では処理速度が異なること、言い換えればスミアの除去処理について基板内むらが生じることを見出した。
本発明は、光処理が行われる物体における処理むらを抑制することを課題とする。

課題を解決するための手段

0005

上記課題を解決するために、本発明に係る光処理装置の一態様は、光を発する光源部と、前記光源部から発せられた光に被処理物体の表面が処理気体の雰囲気中で曝される処理部と、前記表面に沿って前記処理気体を流す気体給排部と、前記処理気体が流れる方向を逆転させる逆転部と、を備える。
このような光処理装置によれば、処理気体の流れが逆転することで、流れの上流と下流とでの処理速度の相違も逆転し、その結果、被処理物体(例えば、基板)内での処理速度の相違は総合的に縮小して処理むらも抑制される。
ここで「処理気体」とは、被処理物体を処理する気体であって、光源部からの光に曝されることで処理能力を得る気体である。光と処理気体との好ましい組み合わせとしては、例えば真空紫外光と酸素との組み合わせがある。酸素が真空紫外光に曝されると酸素ラジカル(活性種)やオゾンが発生して被処理物体の表面や付着物酸化する。

0006

本発明に係る光処理装置において、前記気体給排部が、前記被処理物体を前記処理気体の流れ方向に挟んだ両側のうちの一方に開口し該処理気体の供給および排出の双方に用いられる第1の給排路と、前記両側のうちの前記一方に対する他方に開口し該処理気体の供給および排出の双方に用いられる第2の給排路と、前記第1の給排路および前記第2の給排路のそれぞれに接続されて前記処理気体を供給する供給機と、前記第1の給排路および前記第2の給排路のそれぞれに接続されて前記処理気体を排出する排出機と、前記第1の給排路に前記供給機と前記排出機とを選択的に接続する第1接続器と、前記第2の給排路に前記供給機と前記排出機とを選択的に接続する第2接続器と、を備えてもよい。また、前記逆転部が、前記第1接続器および前記第2接続器による前記供給機および前記排出機の接続を切り換えることで前記処理気体の流れを逆転させてもよい。
この構造の光処理装置によれば、処理気体の流れを逆転させるための構造が簡素で製造が容易である。

0007

また、本発明に係る光処理装置において、前記逆転部は、前記気体給排部による前記処理気体の流れが前記被処理物体の前記表面を通過する所要時間以上の時間間隔を空けて該処理気体の流れを逆転させるものであってもよい。
このような光処理装置によれば、流れの逆転は十分な時間経過後に行われるので、基板上に処理の排ガスが滞る事態が回避される。
上記課題を解決するために、本発明に係る光処理方法の一態様は、被処理物体の表面に沿って流れる処理気体の雰囲気中で該被処理物体の該表面を光に曝す第1の露光工程と、前記処理気体の流れを逆転させる逆転工程と、前記第1の露光工程で光に曝された前記表面を、前記逆転工程によって逆転した方向に流れる前記処理気体の雰囲気中で続けて光に曝す第2の露光工程と、を経る。
このような光処理方法によれば、逆転工程によって処理気体の流れが逆転することで、流れの上流と下流とでの処理速度の相違も逆転し、その結果、基板内での処理速度の相違は総合的に縮小して処理むらも抑制される。

0008

また、本発明に係る光処理方法において、前記逆転工程が、1つの被処理物体の1表面に対する光処理の間に複数回実行されてもよい。このような複数回の逆転工程により、処理気体の撹拌作用がはたらくことが考えられ、流れの上流と下流との処理むらが一層軽減される。
また、本発明に係る光処理方法において、前記逆転工程が、前記処理気体の流れが前記被処理物体の前記表面を通過する所要時間以上の時間間隔を空けて実行されてもよい。
このような光処理方法によれば、流れの逆転は十分な時間経過後に行われるので、基板上に処理の排ガスが滞る事態が回避される。

発明の効果

0009

本発明の光処理装置および光処理方法によれば、光処理が行われる物体における処理むらが抑制される。

図面の簡単な説明

0010

本実施形態の光処理装置を示す概略構成図である。
基板の概略的構造を示す断面構造図である。
デスミア処理における作用の第1段階を示す図である。
デスミア処理における作用の第2段階を示す図である。
デスミア処理における作用の第3段階を示す図である。
デスミア処理における作用の最終段階を示す図である。
デスミア処理の具体的な評価例を示す図である。
図7に示すデスミア処理例におけるC/Cu値の時間経過を表すグラフである。
処理用ガスの流れをデスミア処理の途中で逆転した場合のC/Cu値の時間経過を表すグラフである。

実施例

0011

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の光処理装置を示す概略構成図である。本実施形態では光処理装置の一例として例えばデスミア処理装置への応用例が示されている。
(光処理装置の構成)
光処理装置100は、基板Wを内部に保持して処理する処理部20と、例えば真空紫外線を発する複数の紫外線光源11を内部に収納し、処理部20の基板Wにその紫外線光源11からの光を照射する光照射部10と、処理部20に対する処理用ガスの給気排気を行う給排部40とを備える。

0012

光照射部10が、本発明にいう光源部の一例に相当し、処理部20が、本発明にいう処理部の一例に相当し、給排部40が、本発明にいう気体給排部の一例に相当する。
光照射部10は箱型形状のケーシング14を備え、このケーシング14の下方側に位置する面には、例えば真空紫外線を透過する例えば石英ガラス等の窓部材12が気密に設けられている。光照射部10の内部には供給口15から例えば窒素ガス等の不活性ガスが供給されて不活性ガス雰囲気に保たれている。光照射部10内の紫外線光源11の上方には反射鏡13が設けられていて、紫外線光源11から発せられた光を窓部材12側に反射する。反射鏡13の全幅にほぼ対応した有効照射領域Rの全体に対してほぼ均等に紫外線光源11の光が照射される。

0013

紫外線光源11は、例えば真空紫外光(波長200nm以下の紫外線)を出射するものであって、種々の公知のランプを利用できる。例えば、紫外線光源11は、キセノンガス封入したキセノンエキシマランプ(波長172nm)、低圧水銀ランプ(波長185nm)などである。デスミア処理に用いるものとしては、例えばキセノンエキシマランプが好適である。
処理部20には、紫外線照射処理(デスミア処理)を行う基板Wを表面に吸着して保持するステージ21が光照射部10の窓部材12に対向して設けられている。ステージ21の外周部分には外周溝21aが設けられていて、この外周溝21aと光照射部10の窓部材12との間にOリング22が挟まれることで光照射部10と処理部20とが気密に組み付けられている。ステージ21には図示が省略された熱抵抗ヒータが組み込まれており、デスミア処理の際にはステージ21上の基板Wごと加熱される。

0014

給排部40は、ステージ21上の基板Wを図1の左右方向に挟んだ両側それぞれに開口した給排気管41を有し、各給排気管41が処理用ガスの給気と排気との双方に用いられる。図1では基板Wを挟んで一対の給排気管41が図示されているが、給排部40には基板Wの両側それぞれに給排気管41が複数ずつ設けられていて、これら複数の給排気管41は図1紙面に垂直な方向に並んでいる。
基板Wを挟んだ左右両方の給排気管41には、三方弁44を介して、処理用ガスを供給する供給装置42と排ガスなどを排気する排気装置43が接続されている。三方弁44は電磁弁であり、供給装置42からの配管(ガス供給ライン)と排気装置43への配管(排気ライン)とを選択的かつ切り換え自在に給排気管41に接続するものである。この三方弁44による接続の切り換えは制御部45によって制御される。図1に示すような、供給と排出とで兼用される給排気管41が用いられ、三方弁44などによって供給と排出が切り換えられる構造は簡素で製造が容易である。

0015

基板Wを挟んだ左右の給排気管41が、本発明にいう第1の給排路および第2の給排路の一例に相当し、供給装置42が本発明にいう供給機の一例に相当し、排気装置43が本発明にいう排出機の一例に相当し、三方弁44が、本発明にいう第1接続器および第2接続器の一例に相当し、制御部45が、本発明にいう逆転部の一例に相当する。
制御部45は、基板Wを挟んだ左右の給排気管41のうち、一方に供給装置42が接続され他方に排気装置43が接続されるように三方弁44による接続を制御する。この結果、左右の給排気管41のうち一方から処理用ガスが供給されて他方から排出されるので、処理用ガスは窓部材12と基板Wとの間を図1右から左へ、あるいは左から右へと流れていくこととなる。

0016

処理用ガスが流されている間、光照射部10は基板Wに紫外線を照射する。また、基板Wに紫外線が照射されている間、制御部45は、設定された時間が経過する毎に、2つの三方弁44における接続を切り換え、処理用ガスの流れを定期的に逆転させる。
ここで、処理用ガスとしては、例えば、酸素ガス、酸素とオゾンや水蒸気混合ガス、これらのガスに不活性ガスなどを混合したガスなどが考えられるが、本実施形態では酸素ガスが用いられるものとする。

0017

基板構造
光処理装置100による処理対象である基板Wとしては各種の構造の基板Wが用いられるが、ここでは単純化された構造例について説明する。
図2は、基板Wの概略的構造を示す断面構造図である。
基板Wは、例えば、半導体集積回路素子等の半導体素子を搭載するための多層配線基板を製造する途中の中間的な配線基板材料である。
多層配線基板においては、一の配線層と他の配線層とを電気的に接続するため、1つのもしくは複数の絶縁層を厚み方向に貫通して伸びるビアホールが形成される。多層配線基板の製造工程においては、絶縁層31と配線層32とが積層されてなる配線基板材料に、例えばレーザ加工を施すことによって絶縁層31の一部を除去することにより、ビアホール33が形成される。

0018

しかし、形成されたビアホール33の底部や側部の表面には、絶縁層31を構成する材料に起因するスミア(残渣)Sが付着する。このスミアSが付着したままの状態でビアホール33内にメッキ処理を施すと、配線層間の接続不良を引き起こすことがある。このため、ビアホール33が形成された配線基板材料(基板W)に対して、ビアホール33に付着したスミアSを除去するデスミア処理が行われる。
基板Wが図1に示すステージ21上に載置される際には、ビアホール33の開口が光照射部10に向くように、即ちスミアSが紫外線光源11からの紫外線に曝されるように載置される。

0019

(デスミア処理の手順)
次に、図1戻り、光処理装置100で実行されるデスミア処理の手順について説明する。
先ず、処理部20の外から処理対象の基板Wが処理部20の中へと搬送されて来て、ステージ21上に載せられる。基板Wは真空吸着などでステージ21に保持される。また、制御部45によって三方弁44の接続が制御されて、一方の給排気管41にガス供給ラインが接続され、他方の給排気管41に排気ラインが接続される。その後、供給装置42により一方の給排気管41から処理用ガスが処理部20に供給される。

0020

処理用ガスの供給と同時に、紫外線光源11が点灯し、照射部10から紫外線が処理部20に向けて照射され、基板Wに対し処理用ガスを介して紫外線が照射される。
紫外線が照射された処理用ガスは、例えばオゾンや酸素ラジカルなどの活性種を生成し、後で詳しく説明するように、ビアホール内のスミアと反応してこれを除去する。処理用ガスとスミアとが反応して生じた例えば二酸化炭素等のガスは、新しく供給される処理用ガスの流れに乗って下流に運ばれ、他方の給排気管41から引き込まれて排気装置43により排出される。
制御部45は、基板Wの1面処理中に三方弁44の接続を切り換えて処理用ガスの流れを逆転させる。流れの逆転後も引き続き基板Wに対し処理用ガスを介して紫外線が照射され、処理用ガスとスミアとの反応が継続される。
処理が終わった基板Wは、ステージ21上から取り除かれて処理部20の外に搬出される。

0021

(デスミア処理の作用)
ここで、デスミア処理における詳細な作用について説明する。
図3図6は、デスミア処理における作用の各段階を示す図である。
図3に示す第1段階では、供給された処理用ガスに、図の上方から下方を向いた矢印で示されるように紫外線が照射されることにより、処理用ガスに含まれる酸素から活性種34であるオゾンや酸素ラジカル(ここでは酸素ラジカルのみを図示)が生成される。この活性種34は、基板Wのビアホール33内に進入する。
図4に示す第2段階では、活性種34がビアホール33内のスミアSと反応してスミアSの一部が分解されるとともに、紫外線がスミアSに照射されることでもスミアSの一部が分解される。このようなスミアSの分解によって、例えば二酸化炭素ガスや水蒸気などの反応生成ガス35が生成される。

0022

そして、図5に示す第3段階で反応生成ガス35は、給気側(例えば図の右側)から流れてくる、活性種34を含んだ新しい処理用ガスにより、ビアホール33から排気側(例えば図の左側)へと押し流される。反応生成ガス35の排出に伴って、活性種34を含んだ新しい処理用ガスがビアホール33内に進入する。
紫外線の照射、活性種34の進入、および反応生成ガス35の排出が繰り返された結果、図6に示す最終段階では、ビアホール33内からスミアが完全に除去される。ビアホール33外に押し流された反応生成ガス35は、基板W上の処理用ガスの流れに乗って、図1に示す給排気管41から排出される。
図3図6に示す光処理の工程が、本発明にいう処理工程の一例に相当する。

0023

このように、デスミア処理では、紫外線の照射によって例えば酸素ラジカルやオゾンなどの活性種が生成されてビアホール33内に進入するとともに紫外線そのものがビアホール33内に照射されることが処理効率向上の為に重要である。このため、図1に示す窓部材12と基板Wとの間の距離は、例えば1.0mm以下とされることが好ましく、特に0.5mm以下とされることが好ましく、更に好ましくは0.3mm程度である。これにより、酸素ラジカルやオゾンを安定して生成することができると共に基板Wの表面に到達する真空紫外線を十分な大きさの強度(光量)とすることができる。

0024

処理量の評価)
デスミア処理によってスミアの除去が完了した程度(処理量)を評価する評価基準として周知のものは存在しないが、何らかの評価基準がないと客観的な評価を行うことができない。そこで、本発明者らは、EDX分析(Energy dispersive X−ray spectrometry;エネルギー分散X線分析)を用いた評価基準を用いることとした。具体的には、ビアホールの底に電子線を当てた際に発生する特性X線スペクトルのうち、炭素(C)と銅(Cu)の信号の比(C/Cu値)に着目して評価している。炭素の特性X線スペクトルはビアホール内のスミアに起因し、銅の特性X線スペクトルはビアホールの底の導電層に起因するので、C/Cu値が大きければ、ビアホール内にスミアが多く残っている(デスミア処理が進んでいない)ことになり、C/Cu値が小さければ、ビアホール内にスミアが残っていない(デスミア処理が進んでいる)ことになるからである。このようなC/Cu値による評価は、SEM走査型電子顕微鏡)によるビアホールの外観観察結果とよく一致しており、評価基準として適切であることが分かった。また、実験などに基づいた鋭意検討の結果、デスミア処理が完了したことの判断基準としては、C/Cu値が0.05以下(C/Cu≦0.05)になるという基準を採用している。一方、デスミア開始前のC/Cu値は、今回の評価例(後述)において用いたビアホールでは0.3程度であった。

0025

このような評価基準を用いたデスミア処理の具体的な評価例を以下に示す。
図7は、デスミア処理の具体的な評価例を示す図である。
図7に示す評価例では、基板の表面に沿って一定方向に処理用ガスを流した場合における基板上の各箇所での単位時間当たりのスミアの処理量が示されている。
図7横軸は、処理用ガスの流れに沿う方向での基板上の位置を示しており、最上流の基板の端が「0mm」で、最下流の基板の端が「510mm」である。また、縦軸は、1秒当たりのC/Cu値の変化量(減少量)を示しており、この変化量は、1秒毎に処理されるスミアの量を表している。

0026

図7のグラフには、流れの上流に位置した「45mm」の箇所と、流れの中流に位置した「255mm」の箇所と、流れの下流に位置した「465mm」の箇所とにおけるC/Cu値の変化量が示されている。グラフからは、上流側でC/Cu値の変化量が大きいこと、即ち、上流側では下流側よりも単位時間当たりのスミアの処理量が多く、デスミア処理が早く進行することが分かる。これは処理用ガスに含まれる活性種が、下流側に向かうに従って徐々に減少するためと考えられる。

0027

次に、このグラフに示された上流、中流、下流の各箇所におけるデスミア処理の時間経過について説明する。
図8は、図7に示すデスミア処理例におけるC/Cu値の時間経過を表すグラフである。
グラフの横軸はデスミア処理の経過時間を表し、縦軸はC/Cu値を表している。また、グラフに示された太い実線L1は、上述した上流の箇所におけるデスミア処理の経過を示しており、点線L2は、上述した中流の箇所における経過を示しており、細い実線L3は、上述した下流の箇所における経過を示している。

0028

グラフに示された各線L1,L2,L3の傾きは、図7に示されたC/Cu値の変化量(減少量)に等しく、上述したようにデスミア処理の開始時点では各箇所のC/Cu値はいずれも0.3となっている。また、C/Cu値が0.05を示した基準ラインL0に各線L1,L2,L3が達した時点が、各箇所におけるデスミア処理の完了時点である。
上流箇所ではデスミア処理の進行が速いので太い実線L1は傾きが大きく、C/Cu値が0.3から0.05まで減少するのに112秒で済むのに対し、中流箇所では156秒を要し、下流箇所では185秒を要することが分かった。

0029

つまり、定常方向に流れる処理用ガスの雰囲気では、上記例の基板全面についてデスミア処理を完了させるためには、下流箇所における処理時間である185秒が必要であることを意味している。しかしながら、上流箇所では、スミア除去の完了後に185−112=73秒の過剰な処理が行われることになり、基板内で処理むらを生じている。このような過剰な処理は、活性種が、スミアだけでなく、除去を望まない絶縁層と反応することとなり、絶縁層表面荒れたり、ビアホールの径が拡大したりするなど、好ましくない結果を生むので、処理むらを抑制して過剰処理を短縮することが望ましい。

0030

(逆転の作用)
図1に示す光処理装置100では、給排部40に設けられた三方弁44の接続が制御部45によって切り換えられることにより、窓部材12と基板Wとの間に流れる処理用ガスの向きが逆転する。このような逆転は、1つの基板Wの1面を処理する間に実行され、以下説明するように、過剰処理の時間短縮と、デスミア処理の時間短縮を実現することができる。
図9は、処理用ガスの流れをデスミア処理の途中で逆転した場合のC/Cu値の時間経過を表すグラフである。
このグラフでも、横軸はデスミア処理の経過時間を表し、縦軸はC/Cu値を表している。また、グラフに示された太い実線L4は、上述した上流の箇所におけるデスミア処理の経過を示しており、点線L5は、上述した中流の箇所における経過を示しており、細い実線L6は、上述した下流の箇所における経過を示している。

0031

処理用ガスの流れは、デスミア処理の開始後70秒の時点で逆転され、流れに沿う方向における活性種の濃度分布も逆転されている。この結果、処理開始時における上流箇所は、流れの逆転後は下流箇所となって処理速度が低下するので、太い実線L4は70秒の時点で傾きが減少している。逆に、処理開始時における下流箇所は、流れの逆転後は上流箇所となって処理速度が上昇するので、細い実線L6は70秒の時点で傾きが増加している。このように、処理用ガスの流れの逆転によって上流箇所および下流箇所での処理速度が変化するので、上流、中流、下流の各箇所でデスミア完了に要する時間はそれぞれ140秒、156秒、140秒となった。

0032

デスミア処理の開始から70秒までの工程が、本発明にいう第1の露光工程の一例に相当し、70秒の時点での逆転が、本発明にいう逆転工程の一例に相当し、デスミア処理の開始から70秒以降の工程が、本発明にいう第2の露光工程の一例に相当する。
図9に示す例では、デスミア完了の時間差は、図8に示す73秒に対し、156−140=16秒まで短縮され、基板内での処理むらが大幅に抑制されている。更に、基板全面についてデスミア処理が完了するのに必要な時間についても、中流箇所におけるデスミア処理の完了に必要な156秒となり、図8に示す場合に較べて19秒(11%)短縮されている。

0033

このように、1つの基板の1面に対するデスミア処理の途中で処理用ガスの流れを逆転させると、基板の一方の側だけ活性種の濃度が高くて他方の側は濃度が薄いという状態が続くことを防ぐことができ、デスミア処理の処理むらが抑制されて過剰処理の時間短縮が実現できることが分かった。また、処理用ガスの流れを処理中に逆転させると、活性種の濃度が常に低い箇所がなくなるので、基板全面におけるデスミア処理の完了に要する時間も短縮されることが分かった。
なお、図9に示す例では、処理中に1度だけ流れが逆転する例が示されているが、流れが逆転する際に撹拌作用が強くはたらく条件では、処理中に流れが複数回逆転することで活性種の濃度の平均化が促進されて処理むらが一層抑制される。このため、図1に示す制御部45は、上述したように定期的に処理用ガスの流れを逆転させる。

0034

(逆転周期の検討)
ここで、処理用ガスの流れを逆転させる周期について検討する。
逆転の周期が短すぎると、活性種の濃度が低下して排ガスが増加した処理用ガスが基板上から排出される前に流れが逆転してしまい、排ガス等が基板上に滞ってしまうこととなる。従って、少なくとも処理用ガスが基板上を一方向に通過するのに要する時間より長い時間周期で逆転させることが望ましい。つまり、流れに沿った方向での基板の長さをL(m)とし、処理用ガスの流速をV(m/s)とすると、逆転の周期T(s)は、T>L/Vで表すことができる。例えば、L=600mm、V=300mm/sの場合、処理用ガスを逆転させる周期Tは2秒より長い方が好ましいということになる。
なお、上記説明では、本発明の光処理装置の一例としてデスミア処理装置への応用例が示されているが、本発明の光処理装置は、例えば光アッシング処理装置やレジストの除去処理装置やドライ洗浄処理装置などに応用されてもよい。

0035

また、上記説明では、処理用ガスの流れを一定時間毎に切り換える制御部が例示されているが、本発明にいう逆転部は、例えば図9に示す例のように、処理時間の半分程度で1度だけ流れを切り換えるものであってもよい。
また、上記説明では、供給と排出とで兼用される給排気管が例示されているが、本発明にいう気体給排部は、供給と排出それぞれの専用配管を基板の両脇に備えたものであってもよい。
また、上記説明では、本発明にいう気体給排部として、給気装置や排気装置で給気および排気を行う例が示されているが、本発明にいう気体給排部は、例えばボンベの圧力などを用いた自然給排によって処理用ガスを流すものであってもよい。

0036

100…光処理装置、W…基板、10…光照射部、20…処理部、40…給排部、41…給排気管、42…供給装置、43…排気装置、44…三方弁、45…制御部

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