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技術 鋼の溶製方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 窪田知宜大山智史亀田澄広田中秀栄
出願日 2015年3月25日 (5年9ヶ月経過) 出願番号 2015-061903
公開日 2016年10月13日 (4年2ヶ月経過) 公開番号 2016-180161
状態 特許登録済
技術分野 炭素鋼又は鋳鋼の製造
主要キーワード 平均成分 再利用率 代替材 Pスラグ 石灰分 溶銑予備 分配比 CaO濃度
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年10月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

フリーCaOを高濃度で含有する転炉スラグを、スラグボリュームを増加することなく、従来技術よりも増して再利用することができる鋼の溶製方法を提案する。

解決手段

転炉溶銑脱炭吹錬して溶鋼を製造する際、好ましくは出鋼温度を1660℃以下として溶製するチャージに対して、脱炭吹錬で発生したP2O5濃度が3mass%以下の転炉スラグを造滓材として上記転炉に溶銑1tあたり10kg超え投入することを特徴とする鋼の溶製方法。

概要

背景

製鉄所内で発生する高炉スラグ製鋼スラグダスト等の産業廃棄物については、従来、路盤材や埋め立て等に使用されてきた。しかし、近年、環境保護の観点等から、積極的に再利用することが行われており、例えば、製鋼工程で発生する転炉スラグ脱炭スラグ、脱Pスラグ)には未滓化のCaOが多く含まれることに着目し、焼結原料に添加されるCaO分の代替品として使用したり、転炉スラグとして再利用したりする技術等が提案されている。

後者の例としては、例えば、特許文献1には、路盤材に適さないフリーCaO濃度が5mass%以上の高フリーCaO濃度の転炉スラグの再利用方法として、溶銑予備脱燐銑脱炭吹錬で発生した転炉スラグのうち、フリーCaO濃度が5mass%以上のものを、吹錬後のスラグ塩基度(CaO/SiO2)が3.0以上5.0以下となり、Al2O3含有量が4.0mass%以下となるよう、転炉投入して、溶銑予備脱燐処理を実施していない溶銑脱燐剤の一部として使用する技術が提案されている。

概要

フリーCaOを高濃度で含有する転炉スラグを、スラグボリュームを増加することなく、従来技術よりも増して再利用することができる鋼の溶製方法を提案する。転炉で溶銑を脱炭吹錬して溶鋼を製造する際、好ましくは出鋼温度を1660℃以下として溶製するチャージに対して、脱炭吹錬で発生したP2O5濃度が3mass%以下の転炉スラグを造滓材として上記転炉に溶銑1tあたり10kg超え投入することを特徴とする鋼の溶製方法。

目的

本発明は、従来技術が抱える上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フリーCaOを高濃度で含有する転炉スラグを、従来技術よりも増して再利用することができる鋼の溶製方法を提案することにある

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

転炉溶銑脱炭吹錬して溶鋼を製造する際、脱炭吹錬で発生したP2O5濃度が3mass%以下の転炉スラグ造滓材として上記転炉に投入することを特徴とする鋼の溶製方法

請求項2

上記転炉スラグの投入を、出鋼温度を1660℃以下として溶製するチャージに対して行うことを特徴とする請求項1に記載の鋼の溶製方法。

請求項3

上記転炉スラグを、溶銑1tあたり10kg以上投入することを特徴とする請求項1または2に記載の鋼の溶製方法。

請求項4

上記転炉スラグの投入を、脱炭吹錬後の溶鋼中C濃度を0.1mass%以下として溶製するチャージに対して行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼の溶製方法。

技術分野

0001

本発明は、鋼の溶製方法に関し、具体的には、転炉溶銑脱炭吹錬して鋼を溶製する際、転炉スラグを有効に再利用する鋼の溶製方法に関するものである。

背景技術

0002

製鉄所内で発生する高炉スラグ製鋼スラグダスト等の産業廃棄物については、従来、路盤材や埋め立て等に使用されてきた。しかし、近年、環境保護の観点等から、積極的に再利用することが行われており、例えば、製鋼工程で発生する転炉スラグ(脱炭スラグ、脱Pスラグ)には未滓化のCaOが多く含まれることに着目し、焼結原料に添加されるCaO分の代替品として使用したり、転炉スラグとして再利用したりする技術等が提案されている。

0003

後者の例としては、例えば、特許文献1には、路盤材に適さないフリーCaO濃度が5mass%以上の高フリーCaO濃度の転炉スラグの再利用方法として、溶銑予備脱燐銑の脱炭吹錬で発生した転炉スラグのうち、フリーCaO濃度が5mass%以上のものを、吹錬後のスラグ塩基度(CaO/SiO2)が3.0以上5.0以下となり、Al2O3含有量が4.0mass%以下となるよう、転炉に投入して、溶銑予備脱燐処理を実施していない溶銑の脱燐剤の一部として使用する技術が提案されている。

先行技術

0004

特開2010−242165号公報

発明が解決しようとする課題

0005

上記特許文献1の技術により、高フリーCaO濃度の転炉スラグの再利用が可能となった。しかし、その使用可能量は、溶銑1tあたり最大で10kgでしかない。
また、転炉スラグ中に含まれる未滓化のCaOは、一般に5〜10mass%程度であるため、転炉スラグを、石灰分代替材として用いると、スラグ全体のボリュームが増加し過ぎて、鉄歩留りの低下を招いたり、スラグフォーミングが起こって転炉操業に支障を来したりするという問題がある。

0006

本発明は、従来技術が抱える上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、フリーCaOを高濃度で含有する転炉スラグを、従来技術よりも増して再利用することができる鋼の溶製方法を提案することにある。

課題を解決するための手段

0007

発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討を重ねた。その結果、転炉に投入して再利用する転炉スラグのP2O5濃度を3mass%以下に制限するとともに、投入する対象を1660℃以下の低温鋼材の限定することで、転炉への投入量を大幅に増大することができることを見出し、本発明を開発するに至った。

0008

上記知見に基く本発明は、転炉で溶銑を脱炭吹錬して溶鋼を製造する際、脱炭吹錬で発生したP2O5濃度が3mass%以下の転炉スラグを造滓材として上記転炉に投入することを特徴とする鋼の溶製方法を提案する。

0009

本発明の上記鋼の溶製方法は、上記転炉スラグの投入を、出鋼温度を1660℃以下として溶製するチャージに対して行うことを特徴とする。

0010

また、本発明の上記鋼の溶製方法は、上記転炉スラグを、溶銑1tあたり10kg以上投入することを特徴とする。

0011

また、本発明の上記鋼の溶製方法は、上記転炉スラグの投入を、脱炭吹錬後の溶鋼中C濃度を0.1mass%以下として溶製するチャージに対して行うことを特徴とする。

発明の効果

0012

本発明によれば、再利用する転炉スラグのP2O5濃度を制限するとともに、投入する対象チャージを低温出鋼材に限定することで、スラグボリュームを大きく増加させることなく、溶銑1tあたり10kgを超える転炉スラグを再利用することができるので、石灰の使用量を削減したり、スラグ中への鉄ロスを抑制して鉄歩留りを向上したりすることが可能となる。

図面の簡単な説明

0013

実施例の発明例と比較例の鉄歩留りと鉄ロスを示すグラフである。

0014

転炉スラグを転炉での鋼の溶製における造滓材として再利用する目的は、転炉スラグ中には、未滓化のCaO、すなわち、フリーCaOが多量に含まれているため、これを脱燐剤や脱硫剤として添加している石灰の代替材として使用することにより、転炉スラグの再利用率向上と、副原料コストの低減を図るためである。しかし、転炉スラグ中に含まれるCaO濃度は5〜10mass%程度(塊石灰の1/20程度)であるため、多量に投入する必要があり、スラグボリュームが増大してスラグ中への鉄ロスが増加し、鉄歩留りの低下を招く。また、スラグボリュームが増大すると、フォーミングを起こして生産性阻害する。そのため、従来技術においては、転炉スラグの使用量は、溶銑1tあたり10kg以下に制限されていた。

0015

そこで、本発明は、転炉で溶銑を脱炭吹錬して溶鋼を製造する際、造滓材として転炉に投入する転炉スラグを、P2O5濃度が3mass%以下のものに限定するとともに、転炉スラグを投入する対象を低温で出鋼するチャージ、好ましくは1660℃以下の温度で出鋼するチャージに制限することで、投入する転炉スラグ量を溶銑1tあたり10kg超えとすることを可能とした技術である。

0016

ここで、転炉に投入する転炉スラグのP2O5濃度を3mass%以下に限定する理由について説明する。
転炉で鋼を溶製する場合、低温出鋼材では、吹錬終了後のスラグ中のP2O5濃度は、通常、4mass%以上となる。したがって、再利用する転炉スラグのP2O5濃度を4mass%未満に制限した場合には、上記P2O5濃度の差分が脱燐に寄与するので、転炉スラグ中に含まれる未滓化CaO分以上の脱P能を発揮し、その分、造滓材として投入する石灰の量を削減することができるだけでなく、転炉スラグの添加量を削減し、スラグボリュームの増加を抑制することができるので、それらによる鉄ロスをも低減することができる。

0017

さらに、本発明で再利用する転炉スラグ中に含まれるトータルFe(T.Fe)は16〜19mass%程度であることが好ましい。というのは、転炉での脱炭吹錬終了時のスラグ中のT.Fe濃度とほぼ同等であるので、投入した転炉スラグとの鉄分収支はゼロとなり、削減した塊石灰がスラグとなって系外に持ち出される鉄分を削減することができるので、鉄歩留りのさらなる向上を図ることができるからである。

0018

しかし、P2O5濃度が4mass%未満であっても、3mass%超えでは、上記効果が小さく、溶銑1tあたりの転炉スラグ投入量を特許文献1の技術を上回る10kg超えを安定して実現することができない。そこで、本発明では、再利用する転炉スラグ中のP2O5濃度を3mass%以下に制限する。好ましくは2.6mass%以下である。

0019

ここで、本発明における転炉スラグの投入量は、溶銑1tあたり10kg超えとすることが好ましい。10kg以下では、特許文献1に開示の従来技術と違いはないからである。より好ましくは15kg以上、さらに好ましくは20kg以上である。なお、転炉スラグの投入量の上限については、転炉に無煙炭コークス、Fe−Si等の追加熱源を投入する必要を生じない範囲内であればよく、特に制限はない。

0020

また、本発明を適用する対象を、出鋼温度が低いチャージに限定する理由は、低温で生成する転炉スラグほど、脱炭吹錬終了後の転炉スラグのP分配比(スラグ中P濃度/溶鋼中のP濃度)が高く、したがって、転炉スラグ中のP2O5濃度が高くなるからである。具体的には、出鋼温度を1660℃以下とするチャージに限定するのが好ましい。出鋼温度が1660℃を超えると、転炉スラグ中のP2O5濃度が4mass%未満となり、本発明の効果を享受できなくなるおそれがあるからである。なお、本発明は、出鋼温度が1640℃以下のチャージに対して適用するのが好ましい。

0021

なお、上記のように1660℃以下の温度で出鋼する鋼種としては、極低炭素鋼用鋼のように、脱炭吹錬後の溶鋼中C濃度(出鋼C)を0.1mass%以下として溶製するものがある。したがって、脱炭吹錬後の溶鋼中C濃度を0.1mass%以下として溶製するチャージに対して本発明を適用し、転炉スラグを投入することが好ましい。

0022

また、転炉スラグを投入するタイミングは、通常の造滓材と同じタイミングでよく、例えば、脱炭吹錬開始時から徐々に添加するのが好ましい。

0023

Pの含有量が0.10mass%以上の溶銑を上底吹き転炉で脱炭吹錬してC:0.1mass%以下、P:0.020mass%以下の鋼を、出鋼温度を1660℃以下として溶製する際、造滓材として転炉スラグを溶銑1tあたり10kg超え投入する本発明の鋼の溶製方法(発明例)と、転炉スラグを溶銑1tあたり10kg以下投入する従来技術の鋼の溶製方法(比較例)とを比較する実験を各々50チャージずつ実施した。
なお、上記実験に用いた転炉スラグは、本発明例では、T.Fe濃度が17〜19mass%、P2O5濃度が2.5〜2.6mass%のものを、また、比較例では、T.Fe濃度が17〜19mass%、P2O5濃度が3.2〜3.5mass%のものを用いた。また、転炉スラグの投入量は、本発明例では、溶銑1tあたりの投入量は、15kg以上を目標とし、追加の熱源を投入しないで済む最大量とし、また、比較例では、スラグボリュームが増加し、鉄ロスが増大するのを防止するため、10kg/t以下の量に制限した。

0024

表1に、上記実験における脱炭吹錬条件(溶銑中のP濃度、CaO投入量、転炉スラグ投入量)、出鋼温度、出鋼成分(C,P濃度)、脱炭吹錬後の転炉スラグの塩基度、スラグボリュームおよび鉄ロスを示した。この結果から、使用した溶銑中のP濃度および脱炭吹錬後の溶鋼中のP濃度は、従来技術を適用した比較例および本発明を適用した発明例とで差はないが、溶銑1tあたりの転炉スラグの投入量は、比較例では2.7kgでしかないのに対して、本発明例では22.2kgと、目標を大幅に上回る量の転炉スラグを投入できている。また、CaOの投入量は、比較例が21.2kg/tであるのに対し、本発明例では14.2kg/tと約2/3に削減できており、鉄ロスも、比較例が8.64kg/tであるのに対して、本発明例では4.72kg/tと約1/2まで低減されている。しかも、スラグボリュームは、比較例と本発明例とで差はない。その結果、図1に示したように、本発明の鉄歩留りは97.89%と、比較例の97.07%に対して約0.8%も向上している。なお、表2には、本発明例と比較例の脱炭吹錬後の転炉スラグの平均成分組成を示したが、両スラグの組成に違いはない。
以上の結果から、本発明によれば、スラグボリュームを増加させることなく、溶銑1tあたり10kgを超える転炉スラグを再利用することが可能となるだけでなく、石灰の使用量を削減し、かつ、鉄歩留りを向上することができることが確認された。

0025

実施例

0026

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