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技術 高エネルギー源とホットワイヤを用いた付加製造のための方法とシステム

出願人 リンカーングローバル,インコーポレイテッド
発明者 バドリナラヤナンポールイー.デニースティーヴンアール.ピータースディオニュソスダマトマイケルホワイトヘッド
出願日 2016年3月14日 (4年10ヶ月経過) 出願番号 2016-049229
公開日 2016年10月13日 (4年3ヶ月経過) 公開番号 2016-179500
状態 特許登録済
技術分野 電子ビームによる溶接、切断 プラスチック等のその他の成形、複合成形(変更なし)
主要キーワード アーススイッチ 運動コントローラ エンターテインメント機器 予熱システム 露出先端 構築部品 溶融電流 支持構成要素
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

高エネルギー源ホットワイヤを用いた付加製造のための方法とシステムを提供する。

解決手段

高強度エネルギー源を利用して溶融池を形成するための高強度エネルギー源と、融点またはその付近まで加熱され、溶融池内溶滴として堆積される少なくとも1本の抵抗加熱されるワイヤを利用する加工物の製造方法とシステム。

概要

背景

付加製造の利用は近年、各種の方法を用いて成長している。しかしながら、既知の方法には様々な欠点がある。例えば、ある工程では金属粉末が使用されるが、これは一般に低速であり、かなりの量の粉末が無駄になる可能性がある。それ以外のアーク溶接を利用する方法もまた低速で、高精密な成形品を製造できない。したがって、高精密で高速動作が可能な付加製造工程とシステムが必要である。

従来の、伝統的な、提案されている方式のその他の限界と欠点は、このような方式を、図面に関して本願の残りの部分に記載されている本発明の実施形態と比較することにより、当業者にとって明らかとなるであろう。

概要

高エネルギー源ホットワイヤを用いた付加製造のための方法とシステムを提供する。 高強度エネルギー源を利用して溶融池を形成するための高強度エネルギー源と、融点またはその付近まで加熱され、溶融池内溶滴として堆積される少なくとも1本の抵抗加熱されるワイヤを利用する加工物の製造方法とシステム。なし

目的

本発明の実施形態は、高速かつ高精度の付加製造方法およびシステムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
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請求項1

加工物の表面に高エネルギー放電照射して、前記加工物の表面上に溶融池を形成する高エネルギー装置と、加熱信号溶着材料に供給する電源であって、前記加熱信号が複数の電流パルスを含み、前記電流パルスの各々が前記溶着材料の先端に溶融滴を形成し、これが前記溶融池の中に堆積されるような電源と、を含む付加製造システムにおいて、前記電流パルスの各々は、前記溶着材料の前記先端が前記溶融池と接触した後にピーク電流レベルに到達し、前記加熱信号は、前記複数の電流パルス間で電流を持たず、前記溶着材料の前記先端は、前記電流パルスの連続するピーク電流レベル間で前記溶融池と接触せず、前記電源は前記加熱電流を制御して、前記電流パルス中に前記ワイヤと前記加工物との間にアークが生成されないようにし、前記溶着材料は複数の個別ワイヤを含み、これらは前記加工物に同時に向けられることを特徴とする付加製造システム。

請求項2

請求項1に記載のシステムにおいて、前記複数の個別ワイヤは外被により取り囲まれることを特徴とするシステム。

請求項3

請求項1に記載のシステムにおいて、前記複数の個別ワイヤは前記溶着材料の中央に空隙を形成することを特徴とするシステム。

請求項4

請求項3に記載のシステムにおいて、前記空隙の直径が前記溶着材料の有効径の5〜40%の範囲内にあることを特徴とするシステム。

請求項5

請求項1に記載のシステムにおいて、前記複数の個別ワイヤは、第一の直径の第一の数のワイヤと、前記第一の直径とは異なる第二の直径の第二の数のワイヤを有することを特徴とするシステム。

請求項6

請求項1に記載のシステムにおいて、前記複数の個別ワイヤは、第一の組成の第一の数のワイヤと、前記第一の組成とは異なる第二の組成の第二の数のワイヤを有することを特徴とするシステム。

請求項7

請求項1に記載のシステムにおいて、前記複数の個別ワイヤは、第一の融点の第一の数のワイヤと、前記第一の融点とは異なる第二の融点の第二の数のワイヤを有することを特徴とするシステム。

請求項8

請求項3に記載のシステムにおいて、前記溶着材料の前記溶着材料堆積物の形状を変化させる溶着材料供給アセンブリをさらに含むことを特徴とするシステム。

請求項9

請求項2に記載のシステムにおいて、前記外被が前記複数の個別ワイヤより低い融点を有することを特徴とするシステム。

請求項10

加工物の表面に高エネルギー放電を照射して、前記加工物の表面上に溶融池を形成する高エネルギー装置と、加熱信号を溶着材料に供給する電源であって、前記加熱信号が複数の電流パルスを含み、前記電流パルスの各々が前記溶着材料の先端に溶融滴を形成し、これが前記溶融池の中に堆積されるような電源と、を含む付加製造システムにおいて、前記電流パルスの各々は、前記溶着材料の前記先端が前記溶融池と接触した後にピーク電流レベルに到達し、前記加熱信号は、前記複数の電流パルス間で電流を持たず、前記溶着材料の前記先端は、前記電流パルスの連続するピーク電流レベル間で前記溶融池と接触せず、前記電源は前記加熱電流を制御して、前記電流パルス中に前記ワイヤと前記加工物との間にアークが生成されないようにし、前記溶着材料は複数の編組個別ワイヤを含み、これらは前記加工物に同時に向けられることを特徴とする付加製造システム。

請求項11

請求項10に記載のシステムにおいて、前記複数の個別ワイヤが外被により取り囲まれることを特徴とするシステム。

請求項12

請求項10に記載のシステムにおいて、前記複数の個別ワイヤは、前記溶着材料の中央に空隙を形成することを特徴とするシステム。

請求項13

請求項12に記載のシステムにおいて、前記空隙の直径が前記溶着材料の有効径の5〜40%の範囲内にあることを特徴とするシステム。

請求項14

請求項10に記載のシステムにおいて、前記複数の個別ワイヤは、第一の直径の第一の数のワイヤと、前記第一の直径とは異なる第二の直径の第二の数のワイヤを有することを特徴とするシステム。

請求項15

請求項10に記載のシステムにおいて、前記複数の個別ワイヤは、第一の組成の第一の数のワイヤと、前記第一の組成とは異なる第二の組成の第二の数のワイヤを有することを特徴とするシステム。

請求項16

請求項10に記載のシステムにおいて、前記複数の個別ワイヤは、第一の融点の第一の数のワイヤと、前記第一の融点とは異なる第二の融点の第二の数のワイヤを有することを特徴とするシステム。

請求項17

請求項10に記載のシステムにおいて、前記溶着材料の前記溶着材料堆積物の形状を変化させる溶着物供給アセンブリをさらに含むことを特徴とするシステム。

請求項18

請求項11に記載のシステムにおいて、前記外被は、前記複数の個別ワイヤより低い融点を有することを特徴とするシステム。

請求項19

加工物の表面に高エネルギー放電を照射して、前記加工物の表面上に溶融池を形成する高エネルギー装置と、加熱信号を複数の溶着材料に供給する電源であって、前記加熱信号が複数の電流パルスを含み、前記電流パルスの各々が前記溶着材料の先端に少なくとも1つの溶融滴を形成し、これが前記溶融池の中に堆積されるような電源と、を含む付加製造システムにおいて、前記電流パルスの各々は、前記溶着材料の前記先端が前記溶融池と接触した後にピーク電流レベルに到達し、前記加熱信号は、前記複数の前記電流パルス間で電流を持たず、前記溶着材料の前記先端は、前記電流パルスの連続するピーク電流レベル間で前記溶融池と接触せず、前記電源は前記加熱電流を制御して、前記電流パルス中に前記溶着材料と前記加工物との間にアークが生成されないようにし、前記溶着材料の移動方向に関する前記溶着材料の向きを堆積中に回転させることができることを特徴とする付加製造システム。

技術分野

0001

優先権
本願は、2014年1月24日に出願された米国特許出願第14/163,367号明細書の一部継続出願で、その優先権を主張するものであり、同出願の全文を参照によって本願に援用する。

0002

特定の実施形態は付加製造応用に関する。より詳しくは、特定の実施形態は、付加製造応用のためのコンビネーションフィラワイヤ送給およびエネルギー源ステムを使用するシステムと方法に関する。

背景技術

0003

付加製造の利用は近年、各種の方法を用いて成長している。しかしながら、既知の方法には様々な欠点がある。例えば、ある工程では金属粉末が使用されるが、これは一般に低速であり、かなりの量の粉末が無駄になる可能性がある。それ以外のアーク溶接を利用する方法もまた低速で、高精密な成形品を製造できない。したがって、高精密で高速動作が可能な付加製造工程とシステムが必要である。

0004

従来の、伝統的な、提案されている方式のその他の限界と欠点は、このような方式を、図面に関して本願の残りの部分に記載されている本発明の実施形態と比較することにより、当業者にとって明らかとなるであろう。

先行技術

0005

米国特許出願第13/212,025号明細書

0006

本発明の実施形態は、高エネルギー装置加工物の表面に高エネルギー放電照射して加工物の表面に溶融池を形成する付加製造のためのシステムと方法を含む。ワイヤ送給装置ワイヤを溶融池に送給し、電源加熱信号をワイヤに供給するのであるが、この加熱信号は複数の電流パルスを含み、電流パルスの各々はワイヤの先端に溶滴を形成し、それが溶融池内堆積させられる。電流パルスの各々は、ワイヤ送給装置がワイヤの先端を前記溶融池と接触させた後にピーク電流レベルに到達し、加熱信号は複数の電流パルス間で電流を持たない。ワイヤフィーダはワイヤの動きを、ワイヤの先端が電流パルスの連続するピーク電流レベル間では溶融池と接触しないように制御し、電源は加熱電流を、電流パルス中にワイヤと加工物との間でアークが発生しないように制御する。

図面の簡単な説明

0007

本発明の上記および/またはその他の態様は、以下のような添付の図面に関して本発明の例示的な実施形態を詳細に説明することにより、より明らかとなるであろう。

0008

図1は本発明の付加製造システムのある例示的実施形態の概略ブロック図を示す。
図2A−Dは、本発明のある実施形態による溶滴堆積工程を示す。
図3は、本発明のある例示的実施形態による溶滴堆積工程の別の図を示す。
図4A−Bは、本発明の実施形態に使用可能な代表的な電流波形を示す。
図5は、本発明の電圧と電流波形の代表的な実施形態を示す。
図6A及び6Bは、溶滴堆積を助けるためのレーザの利用を示す。
図7は、本発明のある態様によるワイヤ加熱システムのある例示的実施形態を示す。
図8Aは、図7のシステムに使用可能な電流波形のある例示的実施形態を示す。
図8Bは、本発明のある実施形態のための電流、電圧、ワイヤ送給速度およびレーザ出力波形のある例示的実施形態を示す。
図9は、本発明のワイヤ加熱システムの他の例示的実施形態を示す。
図10は、複数のワイヤを使用する本発明の別の例示的実施形態を示す。
図11は、本発明のシステムの他の例示的実施形態を示す。
図12は、本発明のある実施形態による電源供給システムを示す。
図13は、一度に複数の溶着材料を使用するシステムのある実施形態を示す。
図14は、図13のシステムの他の実施形態を示す。
図15は、図13に示されているシステムの別の例示的実施形態を示す。
図16は、非接着製造基板のある例示的実施形態を示す。
図17A−Cは、非接着製造基板の別の例示的実施形態を示す。
図18Aは、冷却システムを有する非接着基板のある実施形態を示す。
図18Bは、本発明の実施形態の実施形態に使用可能な製造トラス構造のある例示的実施形態を示す。
図19A−Cは、本明細書中に記載のシステムに使用可能な編組型付製造用溶着材料の例示的実施形態を示す。用溶着材料の例示的実施形態を示す。
図20Aは、本発明の実施形態による、変形後のある例示的編組型溶着材料を示す。図20Bは、本発明の実施形態による、変形後のある例示的編組型溶着材料を示す。図20Cは、本明細書中に記載のデュアルワイヤ堆積コンタクトチップのある実施形態を示す。図20Dは、本発明のデュアルワイヤコンタクトチップの別の例示的実施形態を示す。
図21A及び21Bは、堆積工程中に供給するために溶着材料を変形させるのに使用可能な本発明のある例示的コンタクトチップアセンブリを示す。
図22は、本発明の他の例示的溶着材料を示す。
図23は、本明細書中に記載の付加製造用溶着材料の別の例示的実施形態を示す。
図24A−Dは、本発明の実施形態に使用可能な付加製造用溶着材料のまた別の例示的実施形態を示す。

実施例

0009

ここで、添付の図面を参照することにより、本発明の例示的実施形態を以下に説明する。説明されている例示的実施形態は、本発明の理解を助けるためのものであり、本発明の範囲を如何様にも限定しないものとする。全体を通じて、同様の参照番号は同様の要素を示す。

0010

「付加製造」という用語は、本明細書では広い意味で使用されており、物体または構成要素の構築、構成、または創出を含むあらゆる用途を指す可能性がある。

0011

図1は、付加製造を実行するためのコンビネーションフィラワイヤフィーダおよびエネルギー源システム100のある例示的実施形態の機能的概略ブロック図を示している。システム100は、レーザビーム110を加工物115に合焦させて、加工物115を加熱することのできるレーザサブシステムを含む。レーザサブシステムは、高強度エネルギー源である。レーザサブシステムは、いかなる種類の高エネルギーレーザ源であってもよく、これには二酸化炭素、Nd:YAG、Yb−ディスク、YB−ファイバ、ファイバ伝送またはダイレクトダイオードレーザシステムが含まれ、これらに限定されない。システムの他の実施形態は、高強度エネルギー源として機能する電子ビームプラズマアーク溶接サブシステム、ガスタングステンアーク溶接サブシステム、ガス金属アーク溶接サブシステム、フラックス入りワイヤアーク溶接サブシステム、およびサブマージアーク溶接サブシステムのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。以下の明細では、レーザシステムビームおよび電源について繰り返し言及されているが、いかなる高強度エネルギー源でも使用できるため、この言及は例にすぎないと理解するべきである。例えば、高強度エネルギー源は、少なくとも500W/cm2を供給できる。レーザサブシステムは、相互に動作的に接続されたレーザ装置120とレーザ電源130を含む。レーザ電源130は、レーザ装置120を動作させるための電源を供給する。

0012

システム100はまた、ホットフィラワイヤフィーダも含み、これは少なくとも1つの抵抗フィラワイヤ140を供給して、レーザビーム110の近傍にある加工物115と接触させることができる。もちろん、当然のことながら、本明細書において、加工物115に言及する場合は溶融池も加工物115の一部であると考えられ、それゆえ、加工物115との接触への言及は溶融池との接触を含む。ワイヤフィーダサブシステムは、フィラワイヤフィーダ150、コンタクトチューブ160、および電源170を含む。動作中、フィラワイヤ140はコンタクトチューブ160と加工物115との間に動作的に接続されている電源170からの電流によって抵抗加熱される。本発明のある実施形態によれば、電源170はパルス直流(DC)電源であるが、交流(AC)またはその他の種類の電源もまた利用可能である。ワイヤ140は、フィラワイヤフィーダ150からコンタクトチューブ160を通じて加工物115に向かって送給され、チューブ160より先まで延びる。ワイヤ140の延長部分は、延長部分が加工物上の溶融池と接触する前に融点に近付くか、到達するように抵抗加熱される。レーザビーム110は、加工物115のベースメタルの一部を溶融させて溶融池を形成する役割を果たし、またワイヤ140を加工物115上に溶融させるためにも使用できる。電源170は、フィラワイヤ140を抵抗溶融させるために必要なエネルギーを供給する。後で詳しく説明するように、いくつかの実施形態において、電源170は必要なエネルギーのすべてを供給するが、他の実施形態では、レーザまたはその他の高エネルギー熱源がエネルギーの一部を供給することもできる。本発明の他の特定の実施形態によれば、フィーダサブシステムは、1本または複数のワイヤを同時に供給できてもよい。これについては後でより詳しく説明する。

0013

システム100は、運動制御サブシステムをさらに含み、これはレーザビーム110(エネルギー源)と抵抗フィラワイヤ140を加工物115に沿って同じ方向125(少なくとも相対的な意味で)に移動させて、レーザビーム110と抵抗フィラワイヤ140が相互に関して固定された関係のままであるようにすることができる。各種の実施形態によれば、加工物115とレーザ/ワイヤの組合せとの間の相対運動は、加工物115を実際に移動させることによって、またはレーザ装置120とワイヤフィーダサブシステムを移動させることによって実現されてもよい。図1において、運動制御サブシステムは、ロボット190に動作的に接続された運動コントローラ180を含む。運動コントローラ180は、ロボット190の運動を制御する。ロボット190は加工物115に動作的に接続され(例えば、機械的に固定され)、加工物115を方向125に動かして、レーザビーム110とワイヤ140が加工物115に沿って有効に移動するようにする。本発明の代替的実施形態によれば、レーザ装置120とコンタクトチューブ160が単独のヘッド統合されてもよい。ヘッドは、ヘッドに動作的に接続された運動制御サブシステムを介して加工物115に沿って移動されてもよい。

0014

一般に、高強度エネルギー源/ワイヤを加工物に関して移動できるいくつかの方法がある。例えば、加工物が丸い場合、高強度エネルギー源/ワイヤは静止していてもよく、加工物を高強度エネルギー源/ワイヤの下で回転させてもよい。あるいは、ロボットアームまたはリニアトラクタを丸い加工物に平行に移動させてもよく、加工物を回転させながら、高強度エネルギー源/ワイヤを連続的に移動させるか、1回転で1ステップずつ移動させて、例えば丸い加工物の表面に肉盛りしてもよい。加工物が平坦であるか、または少なくとも丸くない場合、加工物を図1に示されるように高強度エネルギー源/ワイヤの下で移動させてもよい。しかしながら、ロボットアームまたはリニアトラクタも、あるいはビーム取付キャリッジであっても、高エネルギー源/ワイヤを加工物に関して移動させるために使用してよい。

0015

システム100は感知および電流制御サブシステム195をさらに含み、これは加工物115とコンタクトチューブ160に動作的に接続され(すなわち、電源170の出力に有効に接続され)、加工物115とワイヤ140を通る電流(I)間の電位差(すなわち、電圧V)を測定できる。感知および電流制御サブシステム195はさらに、測定された電圧と電流から抵抗値(R=V/I)および/または電力値(P=V*I)を計算できる。一般に、ワイヤ140が加工物115と接触しているとき、ワイヤ140と加工物115との間の電位差はゼロボルトであるか、ゼロボルトに極めて近い。その結果、感知および電流制御サブシステム195は、より詳しくは本明細書において後で説明するように、抵抗フィラワイヤ140が加工物115と接触していることを感知でき、電源170に動作的に接続されていて、感知に応答して抵抗フィラワイヤ140を通じた電流の流れを制御することもさらにできる。本発明の他の実施形態によれば、感知および電流コントローラ195は電源170の一体部分であってもよい。

0016

本発明のある実施形態によれば、運動コントローラ180はさらに、レーザ電源130および/または感知および電流コントローラ195に動作的に接続されていてもよい。このようにして、運動コントローラ180とレーザ電源130は相互に通信して、それによってレーザ電源130は加工物115が移動していることがわかり、運動コントローラ180はレーザ装置120が作動中であるか否かがわかる。同様に、このようにして、運動コントローラ180と感知および電流コントローラ195は相互に通信していてもよく、それによって感知および電流コントローラ195は加工物115が移動していることがわかり、運動コントローラ180はフィラワイヤフィーダサブシステムが作動中であるか否かがわかる。このような通信は、システム100の各種のサブシステム間で動作を調整するために使用されてもよい。

0017

一般に知られているように、付加製造は、材料を加工物の上に堆積させ、所望の製造品を創出する工程である。いくつかの用途において、成形品は非常に複雑でありうる。しかしながら、付加製造に使用される既知の方法とシステムは、低速で、その性能が限定的であるという傾向がある。本発明の実施形態は、高速かつ高精度の付加製造方法およびシステムを提供することにより、これらの領域に対処する。

0018

図1に示されているシステム100は、ワイヤ140を繰り返し溶滴状に溶融して加工物の上に堆積させることによって所望の形状を作るような例示的システムである。この工程は図2A〜2Dに例示的に示されている。これらの図面に示されているように。図2Aに示されているように、加工物の表面にレーザビーム110(またはその他の熱源)が照射され、その間、ワイヤ140は加工物と接触していない。ビーム110は、加工物の表面上に溶融池Aを形成する。ほとんどの用途において、溶融池Aは小さい面積を有し、溶け込み程度は、他の動作、例えば溶接または接合等に必要なほどではない。むしろ、溶融池Aは、加工物の表面を、ワイヤ140からの溶滴を受け、それと十分に結合できるような状態にする。それゆえ、ビーム110のビーム密度は、加工物上に小さい溶融池だけが形成されて、加工物への入熱量が多すぎる、または大きすぎる溶融池が形成されることがないような密度である。溶融池が形成されると、ワイヤが溶融池Aへと進められる間に溶滴Dがワイヤ140の先端に形成されて、溶融池Aと接触する(図2B参照)。接触後、溶滴Dは溶融池Aと工作物上に堆積する(図2C参照)。この工程が繰り返されて、所望の加工物が形成される。図2Dには任意選択のステップが示されており、ここではビーム110が堆積した溶滴Dに、それがワイヤ140から分離された後に向けられる。このような実施形態において、ビーム110は加工物の表面を平滑にし、および/または溶滴Dを加工物と十分に一体化できるようにするために使用できる。さらに、ビームは、加工物をさらに成形するために使用できる。

0019

図3は、ワイヤ140からの溶滴Dの例示的な堆積工程を示している。図3の左端の画像は、加工物と接触するワイヤ140を描いたものである。この接触が電源170によって検出され、するとこれが、ワイヤ140に加熱電流を供給して、ワイヤをワイヤ140の融点まで、またはその付近まで加熱する。加工物とワイヤ140との間の接触を検出するために使用される検出回路は、溶接電源の中で使用される既知の検出回路と同様に構成され、同様に動作でき、したがって、回路の動作と構造の詳細な説明はここでは不要である。電源170からの加熱電流は非常に急速に立ち上げられて、ワイヤ140の端から溶滴Dを溶融するために必要なエネルギーを供給する。しかしながら、電流は、ワイヤ140と加工物との間にアークが発生しないように慎重に制御される。アークの発生は、加工物を破壊することが判明する可能性があり、それゆえ望ましくない。それゆえ、電流はアークの形成を防止するような方法で制御されることになる(さらに後述する)。

0020

図3に戻ると、ワイヤ140が加工物と接触し、電源170が溶融電流を供給する(1)。いくつかの例示的実施形態において、開放電圧OCVを接触前にワイヤ140に印加することができる。接触後、電流を急速に立ち上げ、ワイヤ140の端を溶融させて堆積させるべき溶滴Dを形成する(2)。電流により、ワイヤ140は溶滴Dのすぐ上でくびれ、溶滴Dをワイヤ140から分離できるようになる(3)。しかしながら、電流は、ワイヤ140がくびれつつある時に電流が切断されるか、または大幅に低減させられ、ワイヤ140が溶滴Dから分離した時にワイヤ140と加工物との間にアークか発生しないように制御される(4)。いくつかの例示的実施形態において、ワイヤ140は、溶滴Dとワイヤ140との間の接続を切る間、またはその直前に加工物から後退させることができる。溶滴Dは溶融池と接触しているため、溶融池の表面張力が溶滴をワイヤ140から切り離すのを助ける。溶滴がワイヤ140から分離されたら、ワイヤ140が繰り出されて工程が繰り返され、また別の溶滴が堆積する。ワイヤ140は、同じ位置で繰り出すことができ、および/または次の溶滴を何れの所望の位置に堆積させることもできる。

0021

前述のように、レーザビーム110はまた、溶滴Dが加工物上に堆積し、堆積後に加工物を平滑化し、またはそれ以外に成形するためにも利用できる。さらに、ビーム110は堆積工程中にさらに利用できる。すなわち、いくつかの例示的実施形態において、ビーム110を使ってワイヤ140をさらに加熱し、溶滴の形成および/または溶滴Dのワイヤ140からの分離を助けることができる。これについてはさらに後述する。

0022

次に、図4Aおよび4Bを参照すると、各々が本発明の例示的実施形態に利用可能な例示的電流波形を示している。図4Aにおいて、わかるように、波形400は複数のパルス401を持ち、各パルスはワイヤ140からの溶滴Dの移動を表す。電流パルス401は、ワイヤ140が接触した時から始まる。電流は次に、立ち上がり部分402を使ってピーク電流レベル403まで増大され、これはワイヤ140と溶滴Dとの間の分離の直前に発生する。この実施形態において、立ち上がり部分402で電流は継続的に増大して、溶滴が形成され、分離前にワイヤでくびれが生じる。溶滴Dの分離前に、電流は立ち下がり部分404で急速に低減され、分離時にアークが発生しないようにされる。図4Aの波形400の中で、電流は切断されて、ゼロまで下がる。しかしながら、本発明の他の例示的実施形態においては、電流をより低い分離レベルまで下げ、分離が起こるまで完全に切断することを不要とすることができる。このような実施形態において、より低い分離電流ベルがワイヤ140を加熱し続けるため、溶滴Dの切り離しを助ける。

0023

図4Bは、他の例示的実施形態による電流波形410を示す。しかしながら、この実施形態では、パルス411には立ち上がり部分402があり、これは図のように、複数の異なるランプレート部分を利用する。図の実施形態において、立ち上がり部分402は、溶滴Dの分離前に3つの異なるランプレート402A、402B、および402Cを利用している。第一のランプレート402Aは非常に急峻で急速な電流増加であり、ワイヤ140を素早く加熱し、できるだけ早く溶融工程を開始させる。電流が第一のレベル405に到達した後、電流ランプレートは第一のランプレートより低い第二のランプレート402Bに変更される。いくつかの例示的実施形態において、第一の電流レベルはパルスのピーク電流レベル413の35〜60%の範囲内にある。ランプレート402Bは、初期ランプレート402Aより低く、電流制御を助け、アーク、またはマイクロアークの形成を防止する。図の実施形態において、第二のランプレートは溶滴Dがワイヤ140の先端において形成され始めるまで維持される。図の実施形態において、溶滴Dが形成され始めると、電流ランプレートは、第二のランプレート402Bより低い第三のランプレート402Cへと再び変更される。ここでも、ランプレートの低下は、電流をさらに制御して、アークが意図せず生成されるのを防止できるようにする。電流が急速に増大しすぎると、分離が検出された時に電流を急速に低下させて、アークの生成を防止することが困難となりうる(システムのインダクタンス等、各種の問題による)。いくつかの例示的実施形態において、第二および第三のランプレート間の移行点407は、パルス411のピーク電流レベル413の50〜80%の範囲内にある。図4Aのパルスと同様に、電流は、溶滴の分離が検出されると大幅に減少させられ、これについては後でより詳しく説明する。また、本発明の他の実施形態では異なるランプレートプロファイルを利用することができ、これも本発明の範囲と主旨から逸脱しない点にも留意するべきである。例えば、パルスには2つの異なるランプレート部分があってもよく、または3つ以上あってもよい。さらに、パルスは常に変化する立ち上がりを利用することができる。例えば、電流は、ピーク電流レベルまで逆放物線を描いてもよく、または異なる構成の組合せを利用でき、この場合、ワイヤ接触から第一の電流レベル405までは一定のランプレートを使用し、その後、その地点からは逆放物曲線を使用できる。

0024

本明細書で説明されているように、パルス401/411のピーク電流レベルはアーク発生レベルより低いが、各パルス中に溶滴Dを溶融させるのに十分であるものとする。本発明の例示的実施形態は、ピーク電流レベルのための異なる制御方法を利用できる。いくつかの例示的実施形態において、ピーク電流レベルはピーク電流閾値とすることができ、これは付加製造作業前に入力される各種のユーザ入力パラメータにより決定される。このようなパラメータとしては、ワイヤ材料の種類、ワイヤ径、ワイヤの種類(コア入り中実か)、および1インチ当たりの溶滴数(DPI(droplets−per−inch))が含まれる。もちろん、その他のパラメータも利用できる。この入力情報を受けたところで、電源170および/またはコントローラ195は、ルックアップテーブル等の各種の制御方法を利用して、その作業のためのピーク電流値を決定できる。あるいは、電源170は、電源170からの出力電流、電圧、および/または電力モニタして、分離が起こったことを判断し、それに応じて電流を制御することができる。例えば、dv/dt、di/dt、および/またはdp−dtをモニタでき(予測回路またはその他を使用)、分離が起こったと判断されると、電流が切断されるか、または低減される。これについては、後でより詳しく説明する。

0025

以下は、本発明の例示的実施形態の使用と動作に関する説明である。付加製造工程の開始時に、電源170は、電源170を介したワイヤ140と加工物115との間に感知電圧を印加できる。感知電圧は電源170により、感知および電流コントローラ195の命令の下で印加されてもよい。いくつかの実施形態において、印加された感知電圧はワイヤ140を大きく加熱するほどのエネルギーを供給しない。感知電圧が印加されると、ワイヤ140の先端が加工物115に向かって繰り出される。すると、レーザ120はビーム110を放出して、加工物115の表面を加熱し、ワイヤ140を受ける溶融池を形成する。繰り出しは、ワイヤフィーダ150により行われ、加工物との接触は、ワイヤ140の先端が最初に加工物115と接触した時に検出される。例えば、コントローラ195は、電源170に対し、非常に低レベルの電流(例えば3〜5アンペア)をワイヤ140の中に供給するように命令してもよい。感知は、感知および電流コントローラ195がワイヤ140(例えば、コンタクトチューブ160を介する)と加工物115との間の約ゼロボルト(例えば0.4V)の電位差を測定することによって行われてもよい。フィラワイヤ140の先端が加工物115と短絡されると(すなわち、加工物と接触すると)、フィラワイヤ140と加工物115との間に大きな電圧レベル(ゼロボルトより高い)は存在しないかもしれない。

0026

接触後、感知に応答して、電源170を所定の時間間隔(例えば数ミリ秒)にわたり切断できる。すると、所定の時間間隔の終了時に電源170を再びオンにして、加熱電流の流れがワイヤ140へと印加されるようにする。また、接触が感知された後、ビーム110をオフにして、溶融池または加工物115がさらに加熱されすぎないようにすることができる。いくつかの実施形態において、レーザビーム110をオンのままにして、溶滴Dの加熱と分離を助けることができる。これについては後でより詳しく説明する。

0027

本発明のいくつかの例示的実施形態において、工程は、感知に応答してワイヤの繰り出しを止めるステップと、所定の時間間隔の終了時にワイヤ140の繰り出しを再開するステップ(すなわち、再繰り出しするステップ)と、加熱電流の流れを印加する前、または加熱電流が印加され、溶滴Dが形成された後に、フィラワイヤ140の先端が加工物115と依然として接触していることを確認するステップと、を含むことができる。感知および電流コントローラ195は、ワイヤフィーダ150に送給を停止するように命令し、システム100に待機する(例えば数ミリ秒)ように命令してもよい。このような実施形態において、感知および電流コントローラ195は、ワイヤフィーダ150に動作的に接続されて、ワイヤフィーダ150に開始と停止を命令する。感知および電流コントローラ195は、電源170に対し、上述のようにワイヤ140を加熱するための加熱電流パルスを印加するように命令してもよく、この工程を繰り返して複数の溶滴を加工物の上に堆積させることができる。

0028

動作中、高強度エネルギー源(例えばレーザ装置120)とワイヤ140を加工物115に沿って移動させて、所望の液滴を提供することができる。運動コントローラ180はロボット190に対し、加工物115をレーザビーム110とワイヤ140に関して移動させるように命令する。レーザ電源130は、レーザ装置120を動作させてレーザビーム110を形成するための電力を供給する。別の実施形態において、レーザ装置120は、加工物の衝撃面上のレーザビーム110の形状を変化させるように調整できる光学部品を含む。実施形態は、ビームの形状を利用して、堆積工程の形状を制御することができ、すなわち、長方形長円形、または楕円形のビームを使用することによって、比較的狭い堆積を行うことができ、それゆえ、より薄い壁の構造ができる。さらに、ビームの形状を利用して、溶滴が溶着材料から分離された後の堆積物を成形することができる。

0029

前述のように、パルス電流は、ワイヤ140と溶滴Dとがまもなく切り離されると判断された時に切断されるか、または大幅に減少される。これは、様々な方法で実現できる。例えば、このような感知は、感知および電流コントローラ195内の予測回路が、ワイヤ140と加工物115間の電位差(dv/dt)、それらを通る電流(di/dt)、それらの間の抵抗(dr/dt)、またはそれらを通る電力(dp/dt)のうちの1つの変化率を測定することによって実現されてもよい。変化率が所定の数値を超えると、感知および電流コントローラ195は接触喪失が起こりそうであることを正式に予測する。このような予測回路はアーク溶接の業界でよく知られており、それらの構造と機能の詳しい説明はここでは不要である。

0030

ワイヤ140の先端が加熱によって十分に溶融すると、先端がワイヤ140から加工物115へとくびれ切れ始める。例えば、その時点で、ワイヤの先端の断面積が、そのくびれ切れる際に急速に減少するため、電位差または電圧が増大する。したがって、このような変化率を測定することにより、システム100は先端がまもなくくびれ切れ、加工物115との接触が失われることを予想できる。

0031

前述のように、溶滴の分離が感知されると、電流は電源170によって切断されるか、大幅に減少させられることができる。例えば、いくつかの例示的実施形態において、電流はパルスのピーク電流値の95〜85%の範囲となるように低減される。例示的実施形態において、この電流減少は、ワイヤと溶融池との間の分離前に起こる。

0032

例えば、図5は、本願の付加製造工程に関連して、1対の電圧および電流波形、それぞれ510および520を示している。電圧波形510は、コンタクトチューブ160と加工物115との間の感知および電流コントローラ195によって測定される。電流波形520は、感知および電流コントローラ195によって、ワイヤ140と加工物115の中で測定される。

0033

ワイヤ140の先端が加工物115との接触を喪失しそうになるたびに、電圧波形510の変化率(すなわち、dv/dt)が所定の閾値を越え、くびれ切れがまもなく発生することを示す(波形510の点511における傾斜を参照)。あるいは、ワイヤ140と加工物115を通る電流の変化率(di/dt)、それらの間の抵抗の変化率(dr/dt)、またはそれらを通る電力の変化率(dp/dt)をその代わりに使ってくびれ切れがまもなく発生することを示してもよい。このような変化率による予測方法は当業界でよく知られている。その時点で、感知および電流コントローラ195は電源170に、ワイヤ140を通る電流の流れを切断するように(または少なくとも大幅に低下させるように)命令する。

0034

感知および電流コントローラ195が、ある時間間隔530の後にフィラワイヤ140の先端が加工物115と再び十分に接触したことを感知すると(例えば、電圧レベルが点512で再び約ゼロボルトまで下がる)、感知および電流コントローラ195は電源170に対し、抵抗フィラワイヤ140を通る電流の流れを所定の出力電流レベル550へと立ち上がらせるように命令する。時間間隔530は所定の時間間隔とすることができる。本発明のある実施形態において、立ち上がりは定点値540から始まる。エネルギー源120とワイヤ140が加工物115に関して移動している間に、またワイヤ140がワイヤフィーダ150により加工物115に向かって繰り出される際にこの工程が繰り返されて、複数の溶滴が所望の位置に堆積する。このようにして、ワイヤ140の先端と加工物115との間のアークの形成が防止される。加熱電流の立ち上がりは、電圧変化率を、くびれ切れの状態またはアーク状態が存在しない時に、予期せずそれらの状態として解釈するのを防止するのに役立つ。大きな電流変化は、加熱回路内のインダクタンスによって、誤った電圧読取が行われる原因となるかもしれない。電流が徐々に立ち上がると、インダクタンスの影響が低減する。

0035

前述のように、電源170は加熱電流をフィラワイヤ140に供給する。電流はコンタクトチップ160からワイヤ140に、次に加工物へと通過する。この抵抗加熱電流により、チップ160と加工物との間のワイヤ140が使用されているフィラワイヤ140の融点の、またはその付近の温度に到達する。もちろん、フィラワイヤ140の融点に到達するために必要な熱は、ワイヤ140のサイズと性質によって異なる。したがって、製造中にワイヤの所望の温度に到達するための熱は、ワイヤ140によって異なる。後でさらに説明するように、フィラワイヤの所望の動作温度は、システムへのデータ入力として、所望のワイヤ温度が製造中に保持されるようにすることができる。何れにせよ、ワイヤの温度は、ワイヤ140が溶滴を溶融池に堆積させることができるような温度にするべきである。

0036

本発明の例示的実施形態において、電源170は電流を供給し、それによってワイヤ140の先端の少なくとも一部がその融点の約90%の、またはそれより高い温度になる。例えば、融点が約2,000°Fのフィラワイヤ140を使用する時、ワイヤの、それが接触する時の温度は約1,800°Fとすることができる。もちろん、当然のことながら、それぞれの融点と所望の動作温度は、少なくともフィラワイヤ140の合金組成、直径、および送給速度によって異なる。別の例示的実施形態において、ワイヤの一部はワイヤの温度に保持され、これはその融点の95%またはそれより高い。もちろん、いくつかの実施形態において、ワイヤの先端は加熱電流によってその融点の少なくとも99%まで加熱される。それゆえ、加熱された溶滴がレーザにより形成された溶融池と接触すると、溶融池からの熱がワイヤ140をさらに加熱して、ワイヤ140の端に溶融滴を十分に形成し、ワイヤ140が引き戻された時に溶滴が溶融池に付着し、そこに留まるようにする。フィラワイヤ140をその融点に近い温度またはその融点に保持することによって、ワイヤ140は熱源/レーザ120により形成される溶融池へと容易に溶け込むか、取り込まれる。すなわち、ワイヤ140は、ワイヤ140が溶融池と接触した時に溶融池を著しく急冷することにならない温度である。ワイヤ140は高温であるため、ワイヤは溶融池と接触すると素早く溶融する。他の例示的実施形態において、ワイヤはその融点の75%まで、またはそれより高い温度まで加熱できる。しかしながら、75%に近い温度まで加熱した時、溶滴を移動に十分な溶融状態とするためにさらに加熱することが必要となる可能性があり、これについては後でさらに説明する。

0037

前述のように、いくつかの例示的実施形態において、ワイヤ140の完全な溶融は、ワイヤ140を溶融池に進入させることによってのみ容易にすることができる。しかしながら、他の例示的実施形態では、ワイヤ140は加熱電流と、溶融池と、ワイヤ140の一部に衝突するレーザビーム110との組合せによって完全に溶融できる。すなわち、ワイヤ140の加熱/溶融にはレーザビーム110が援用されて、ビーム110がワイヤ140の加熱に貢献する。しかしながら、多くのフィラワイヤ140が反射可能な材料で作られるため、反射レーザタイプが使用される場合、ワイヤ140をある温度まで加熱して、その表面反射を減少させ、ビーム110がワイヤ140の加熱/溶融に貢献できるようにするべきである。この構成の例示的実施形態において、ワイヤ140とビーム110は、ワイヤ140が溶融池に入る点で交差する。これは、図6Aおよび6Bに示されている。

0038

図6Aに示されているように、いくつかの例示的実施形態において、ビーム110は、溶滴Dを加工物115に堆積させるのを助けるために使用できる。すなわち、ビーム110は、ワイヤ140の先端をさらに加熱し、溶融滴を生成するために使用できる。このような実施形態において、電源からの加熱電流をアーク発生レベルより十分に低いレベルに保持することができ、それゆえ、アークは生成されず、適正な溶滴移動を実現できることが確実になる。このような実施形態では、ビームを、それが溶滴Dのみに衝突するように方向付けることができ、または他の実施形態では、ビーム110を、それが少なくとも溶滴の一部および溶融池の少なくとも一部に衝突することによって溶融池をさらに加熱し続け、溶滴Dを受けるように、十分に大きくし、そのような形状にし、またはそのような方法でラスタ式に照射する。例示的実施形態において、工程中のこの段階のビーム110のエネルギー密度は一般に、加工物115上に溶融池を形成するために使用される時のビームのエネルギー密度より低い。

0039

図6Bは、本発明の他の例示的実施形態を示しており、その中ではビーム110がワイヤ140の、溶滴のすぐ上に衝突し、それがワイヤから分離するのを助ける。このような実施形態において、ワイヤ140が溶滴の上でくびれたことが感知または判断されると、ビーム110はワイヤの、溶滴Dとワイヤ140との間の接続部へと向けられて、ビーム110がこれら2つの分離を助ける。このような実施形態は、アークの生成の防止を助け、それは、分離を制御するために加熱電流を使用する必要がないからである。いくつかの例示的実施形態において、ビーム110は、溶融池を最初に生成するために使用されたものと同じレーザ120から発せられてもよい。しかしながら、他の実施形態において、図6Bのビームはまた、第二の別のレーザから発せられてもよく、これもまたコントローラ195により制御される。それゆえ、このような実施形態において、コントローラおよび/または電源が溶滴の形成または溶滴Dがまもなく分離されることを検出すると、電源170の出力電流を低下させることができ、その間にレーザビームがワイヤ140へと向けられて、所望の通りに分離させる。

0040

ここで図7を参照すると、加熱システム700とコンタクトチップアセンブリ707のある例示的実施形態が示されている。一般に、本発明の実施形態は、コンタクトチップ160と、ホットワイヤまたはある溶接システムに関してよく知られている抵抗加熱システムを利用することができ、これも本発明の主旨または範囲から逸脱しないことに留意する。しかしながら、他の例示的実施形態では、図7に示されているシステム700を使用できる。このシステム700において、コンタクトチップアセンブリは2つの導電部分701および703からなり、これらは何れの誘電材料でも作製できる絶縁部分705によって相互から電気的に絶縁されている。もちろん、他の実施形態において、チップ部分701および703が相互に電気的に絶縁されるかぎり、絶縁部分はなくてもよい。システム700はまた、切換え回路710も含み、これは電源170への/からの電流経路をコンタクトチップ部分701と加工物115との間で切り換える。いくつかの実施形態において、製造工程中、ワイヤ140が加工物115と接触していない間にワイヤ140をある閾値温度に保持することが望ましいかもしれない。ワイヤ140が加工物115と接触していないと(例えば、位置変更中)、ワイヤ140には電流が流れず、そのため抵抗加熱が停止する。もちろん、残留熱が依然として存在するが、素早く低下しうる。この実施形態により、ワイヤ140は、それが加工物115と接触していなくても引き続き加熱される。図のように、電源からの1本のリードがコンタクトチップアセンブリ707の上側部分703に連結される。動作中、ワイヤ140が加工物と接触している時、スイッチ710は、電流経路が上側部分703からワイヤ140と加工物を通り、電源170に戻るように位置付けられる(スイッチ710の中の破線)。しかしながら、溶滴Dがワイヤ140から分離して加工物115と接触が切り離されると、スイッチ710は、電流がコンタクトチップ部分703からコンタクトチップ部分701に至り、電源170へと戻るように切り替えられる。これによって、少なくとも一部の加熱電流がワイヤを通り、引き続きワイヤをあるバックグラウンド加熱レベルに抵抗加熱できる。このような構成により、ワイヤをその所望の堆積レベルまでより素早く加熱できる。これは特に、ワイヤが冷える可能性のある、毎回の溶滴堆積間の期間が長い場合に当てはまる。それゆえ、例示的実施形態において、スイッチ710が、加工部品を通るように電流を向ける第一の位置(第一の電流経路)にあるとき、電源170は電流パルス(複数の場合もある)を(概して本明細書中で説明するように)供給し、その後、スイッチが、コンタクトチップの両方の部分701/703を通り、毎回の溶滴移動間でワイヤを加熱された状態に保つように電流を向ける第二の位置(第二の電流経路)にあるとき、電源170はバックグラウンドまたは加熱電流(これは、例えば一定の電流とすることができる)を供給する。いくつかの実施形態において、スイッチは、各溶滴移動パルス間で切り換えることができ、他の実施形態では、スイッチは、複数の溶滴移動パルスの後で切り換えることができる。例示的実施形態において、バックグラウンド/加熱電流レベルは、ワイヤを所望の、溶融しない温度に保持するレベルになるように選択される。温度が高すぎると、ワイヤを溶融池の中へと押し進めるのが難しくなる可能性がある。いつかの例示的実施形態において、バッググラウンド/加熱電流は溶滴移動パルス中に到達するピーク電流レベルの10〜70%の範囲内にある。

0041

図7において、スイッチ710は、電源170の外に示されていることに留意する。しかしながら、この図は明瞭にするためにすぎず、スイッチは電源170の中にあってもよい。あるいは、スイッチはまた、コンタクトチップアセンブリ707の中にあってもよい。絶縁部分705は、いかなる種類の絶縁型材料で作製することも、または単純に構成要素701および703間の絶縁ギャップとすることもできる。スイッチは、所望の構成に応じて、コントローラ195によって制御することも(図のとおり)、または電源170によって直接制御することもできる。

0042

他の例示的実施形態において、ワイヤ予熱装置をアセンブリ707の上流に位置付けることができ、これはワイヤ140を、それがチップ707に入る前に予熱する。例えば、予熱装置は誘導加熱装置とすることができ、これは、ワイヤ140を加熱するためにワイヤ140を流れる電流を必要としない。もちろん、抵抗加熱システムもまた使用できる。この予熱装置は上述のように、ワイヤをある温度に保持するために使用できる。さらに、予熱はまた、ワイヤ140から、それが堆積される前に不要な水分のすべてを除去するためにも使用できる(これはTiを使用する時に特に重要である)。このような予熱システムは一般に知られており、詳しい説明は不要である。予熱装置はワイヤ140を、ワイヤがチップアセンブリ707に入る前に所定の温度に加熱するように設定でき、それゆえ、電源170からの電流を使って堆積工程を完了させるのに十分な電流を供給できる。留意するべき点として、予熱装置はワイヤ140をワイヤ140に損傷を与えるレベルまで加熱して、ワイヤ140を適正にチップ707の中で押し進めることができるようにするべきである。すなわち、ワイヤ140が熱すぎると、これは過剰に柔軟になる可能性があり、それによって押し進められている時にワイヤ140の応答性を低下させうる。

0043

図8Aは、図7のシステム700に使用可能な例示的な製造電流波形800を示している。図8Aにおいて、2つの成分、すなわちパルス部分801とバックグラウンド部分803を含む基本の電流波形800が示されている。パルス部分は、本明細書で説明されているように溶滴を堆積させるために使用される電流パルスからなる。これらのパルス中に、電流はチップ部分703から加工物115を通るように向けられる。しかしながら、バックグラウンド部分では、電流はチップ部分703から部分701に向けられて、ワイヤ140を、それが加工物115と接触していない時に加熱する。もちろん、留意するべき点として、図7に示されているような、コンタクトチップ部分701/703が正および負の電源端子に接続されるのは例であり、接続は所望のシステムセットアップと性能に基づいて逆転させることができる。前述のように、パルス801間のバックグラウンド電流レベル803は、毎回の溶滴堆積間にワイヤを持続温度に保持するために使用される。本発明のいくつかの例示的実施形態において、バックグラウンド電流はワイヤ140を、ワイヤ140の融点の40〜90%の範囲内の温度に保持する。他の例示的実施形態において、電流803はワイヤ140を、ワイヤ140の融点の50〜80%の範囲内の温度に保持する。

0044

さらに、各パルス801間で常にバックグラウンド電流に切り換えることが望ましくない、または不要であるかもしれないことに留意する。これは特に、高速溶滴堆積時に当てはまる。すなわち、高速溶滴堆積中に、ワイヤ140は溶滴間で高温レベルに保持される。それゆえ、いくつかの例示的実施形態において、バッグラウンド加熱電流の切り換え(前述のとおり)は、ある期間が経過してから、または液滴パルス間の期間が時間の閾値を超えた時にのみ行われる。例えば、いくつかの実施形態において、パルス間の時間が1sを超えることになる場合、システム700は前述のように、切り換えおよびバックグラウンド加熱電流を使用する。すなわち、採用される製造方法が所定の閾値周波数より高いパルス周波数を有する場合、上記の切り換えが使用される。本発明の例示的実施形態において、この閾値はパルス間で0.5〜2.5sの範囲にある。他の実施形態において、システム700はタイマ(コントローラ195および/または電源170の内部にある)を利用でき、これはパルス間の時間をモニタし、時間が閾値の量を超えた場合、上述の切り換えおよびバックグラウンド加熱電流が利用される。例えば、システム700が、パルス間のレイテンシが閾値の時間限度(例えば1s)を超えたと判断すると、バッググラウンド加熱電流が利用されて、ワイヤが所定の温度に保持される。このような実施形態は、設定された閾値時間が経過した、すなわち、実時間でシステム700が、時間限度が経過したと判断する実施形態において利用されても、またはシステム700が、次のパルスは時間限度が経過する前には発生しないと予測した時に使用されてもよい。例えば、システム700(例えば、コントローラ195)が、(例えば、加工物115および/またはワイヤ140の移動によって)次のパルスは時間限度が経過する前には発生しないとは判断した場合、システム700は直ちに上述の切り換えおよびバックグラウンド加熱電流を開始できる。本発明の例示的実施形態において、この持続時間閾値は0.5〜2.5秒の範囲内にある。

0045

図8Bは、本発明の例示的実施形態に使用して、本明細書において説明されているように溶滴を堆積させることのできる例示的波形を示している。例示的波形は、本発明の実施形態による1つの溶滴の移動に関するものである。図の波形は、レーザ出力810、ワイヤ送給速度820、付加ワイヤ加熱電流830、および電圧840に関するものである。理解するべき点として、図の波形は例示のためのものであり、本発明の他の実施形態は、図示され、または本明細書中で説明されているものとは異なる特性を有するその他の波形を使用することもできる。図のように、溶滴移動サイクルは811で始まり、ここで、レーザ出力が加工物に向けられ、ピークレーザ出力レベル813まで上昇させられる(812)。持続時間Tpの後、レーザは点814で加工物上に溶融池を形成する。この時点でワイヤフィーダは付加ワイヤを溶融池に向かって駆動し始める。溶融池が814で形成された後に、ワイヤ送給速度はピークワイヤ送給速度822まで上昇する(821)。本発明の例示的実施形態において、ワイヤ送給速度は、ワイヤの先端が溶融池と接触する(821’)のと略同時にそのピークレベル822に到達する。しかしながら、他の例示的実施形態において、ワイヤ送給速度はワイヤが接触する前にそのピークレベル822に到達できる。図のように、ワイヤ送給工程の開始と同時に、開放電圧がワイヤに印加され(841)、それは、ワイヤが溶融池と接触する前のある時点でピーク電圧レベル842に到達する。また、ワイヤが溶融池と接触すると、加熱電流830が(点831で)流れ始め、電圧840が低下し始める(843)。電圧は、それより高いとアークが生成されたと判断されるアーク検出電圧848より低いレベル844まで下がる。

0046

ワイヤが溶融池と接触した後に、レーザ出力810、ワイヤ送給速度820および電流830はある期間Taにわたり、それぞれのピークレベルに保持され、その間に、ワイヤの溶滴が溶融池内に堆積する。加熱電源によって制御される所定の期間とすることができる堆積期間Taが(815で)経過すると(例えば、タイマ回路を使用)、レーザ出力は、ワイヤ供給速度立下り(823)と共に立ち下がる(816)。加熱電流830は、期間Taの経過後のある期間にわたり(上の点834)そのピークレベル833に保持され、その間にレーザ出力とワイヤ送給速度は低下する。これは、溶滴をワイヤから分離するのに役立つ。溶滴付加期間Taの後、ワイヤ引き戻し期間Trが始まる。電流830がその立下り835(点834で始まる)を開始すると、ワイヤ送給速度は(点827で)ゼロまで下がり、ワイヤフィーダはピーク後退速度825でワイヤを引き戻す(824)ように制御される。また、引き戻し期間中、電流830はバーンバック電流レベル836まで下がり、これはワイヤのバーンバックを、それが溶融池から引き出される際に提供するために使用される。ワイヤ引き戻し期間Tr中、電流830は、溶融池からワイヤが分離されることによって(これが電流を低下させ、電圧を上昇させる)電圧が点845においてアーク検出電圧レベル848に到達するか、これを通過するまでバーンバック電流レベル836に保持される。電圧レベル848に到達すると、アーク抑制ルーチン847が始まり、アークの生成が防止される。この期間中、電圧はピークレベル846に上昇する。

0047

アーク検出電圧レベル848は、電源および/またはシステムコントローラが、後退するワイヤと加工物との間にアークが確実に発生しないようにするために使用する所定のレベルである。アーク検出電圧レベル848は電源および/またはシステムコントローラによって各種の使用者入力に基づいて設定され、これにはワイヤの種類、ワイヤ径、加工物の材料の種類、1インチあたりの溶滴数の入力、1分あたりの溶滴数の入力が含まれるが、これらに限定されない。

0048

(845で)アーク検出電圧レベル848に到達すると、電流830は電源によって切断され(837)、ワイヤの引き戻しが停止し(826)、点817で溶滴移動サイクルが終了し、その時、電流830とワイヤ送給速度820はそれぞれ0となる。図の実施形態において、レーザ出力810もまた、点817におけるサイクル終了時に切断されるように示されている。他の例示的実施形態において、レーザ出力810は、(点845で)アーク電圧閾値848に到達した時に切断される。その後、このサイクルは複数回の溶滴堆積のために繰り返される。

0049

いくつかの例示的実施形態において、(図示しない)レーザ出力パルスを毎回の溶滴移動サイクル間に開始して(図8Bに示す)、毎回の溶滴移動間に加工物を滑らかにする、またはそれ以外に加工物にエネルギーを追加するのを助けることができる。例えば、レーザ出力パルスを各溶滴移動サイクル間に開始することができ、または他の実施形態において、レーザ出力パルスを必要に応じてn回の溶滴移動サイクルの後に開始することができる。

0050

図9は、本発明の他の例示的システム900を示している。システム900はバックグラウンド電源170’とパルス電源170を含む。このシステムは上述のものとよく似た方法で動作するが、例外は、バックグラウンド加熱電流が別の電源170’によって供給されることである。それゆえ、いくつかの実施形態において、バックグラウンド電源170’は製造中に一定の加熱電流を供給でき、上述の切り換えを提供する必要がない。パルス電源170は、本明細書中の他の箇所で説明したように動作するが、例外は、電源170’によって追加の加熱/電流が供給されるため、ピーク出力電流を下げることができることである。このような実施形態において、パルス電源170を用いた場合の制御または精密度レベルを向上させることができる。すなわち、パルス電源170は、電源170への電流需要がより少なくなるため、そのピークパルスレベルにより高速に到達できる。もちろん、電流の低下についても同じことが当てはまる。電源170/170’の各々はコントローラ195によって制御されても、または一般に知られているマスタスレーブ関係に構成されてもよい。さらに、これらの電源は明瞭にするために別々に示されているが、これらを単独のユニットの中に格納することもでき、これも本発明の主旨または範囲から逸脱しない。

0051

また、図9には他のコンタクトチップアセンブリ900も示されており、これは導電部分901および905と絶縁部分903を有する。この実施形態において、導電部分905は、加熱電流がワイヤ140の露出先端にできるだけ近い箇所に伝送されるように構成される。このような構成は、ワイヤの加熱が先端にできるだけ近い箇所で保持され、バックグラウンド加熱の効果が最適化されるのを確実にするのに役立つ。別の実施形態において、コンタクトチップ910からのワイヤ140の先端の突出部Xは最小距離に保たれる。突出部Xが長すぎる状態に保持されると、バックグラウンド加熱電流からの加熱効果は不利な影響を与える可能性がある。それゆえ、いくつかの例示的実施形態において、突出部Xは0.1〜0.5インチの範囲内に保持される。他の例示的実施形態において、突出部は0.2〜0.4インチの範囲内に保持される。さらに、他の例示的実施形態において、バックグラウンド加熱からさらに利益を得るために、溶滴パルス間でワイヤ140がコンタクトチップ910の中に完全に、または略完全に引き戻され、突出部Xが0〜0.15インチの範囲内となるようにする。このような実施形態は、ワイヤ140の先端を所望のバックグラウンド加熱温度に保持し、ワイヤ140の、先端に近くないその他の部分を過熱しないようにすることができる。他の例示的実施形態において、突出距離は、特により大径の溶着材料を使用する場合、より長くすることができる。例えば、いくつかの例示的実施形態において、突出距離は0.75〜2インチの範囲内とすることができる。もちろん、いくつかの他の実施形態においては、より長い突出部を利用できる。

0052

ここで図10を参照すると、他の例示的システム1000が描かれており、その中で、コンタクトチップアセンブリ1010は複数のワイヤ140/140’を加工物115に供給できる。ある付加製造作業では、製造の異なる部分ごとに異なるワイヤを利用することが望ましいかもしれない。システム1000は、その製造にとって何が望ましいかに応じて、異なるワイヤ間で切り換えることができる。図示しないが、各ワイヤ140/140’は、それぞれのワイヤ送給装置に連結されて、製造中に必要に応じてそれぞれのワイヤ140/140’を繰り出し、または引き戻すことができる。それゆえ、製造中、コントローラ195はコンタクトチップアセンブリ1010を、適切なワイヤが製造に使用されるように位置付けることができる。例えば、第一の特性を有する第一の溶着材料140で基礎を構築し、次に、その基礎に、異なる特性を有するワイヤ140’で作られた層を追加して、所望の製造結果を実現することが望ましいかもしれない。例えば、ワイヤ140/140’は、所望の製造パラメータに基づいて、異なるサイズ、形状、および/または組成を有することができる。コンタクトチップアセンブリは2本のワイヤ140/140’のみで示されているが、本発明の実施形態は、1つのコンタクトチップアセンブリ、または様々な種類の溶着材料を提供するための別々のコンタクトチップを利用することができる点にも留意するべきである。本発明の実施形態は、この点において限定されない。

0053

さらに、図10のコンタクトチップアセンブリ1010は、ワイヤ140/140’が相互に絶縁されていないように示されている。このような実施形態において、適当なワイヤが堆積のために加工物115に向かって繰り出され、そのため、電源170からの電流がそのワイヤの中へと向けられ、堆積させられる。ワイヤが変更されるとき、他方のワイヤが、もう一方が引き戻されている間に繰り出されて、今度は電流経路が他方のワイヤを通る。他の例示的実施形態において、コンタクトチップアセンブリ1010は、ワイヤ140/140’が相互から電気気に絶縁されるように構成できる。このような実施形態において、図7に関して述べたような切り換えを利用できる。いくかの例示的実施形態において、レーザビーム(図10では示さず)が、ワイヤ140および140’間で、これら2本のワイヤ間をスキャニングすることによって溶融池中のエネルギー分布に影響を与えるか、それ以外に変更することができる。

0054

コンタクトチップアセンブリ1010の、加工物115に関する位置決めと移動は、様々な手段によっても行うことができる。具体的には、何れの既知のロボットまたは運動制御システムも使用でき、これも本発明の主旨または範囲から逸脱しない。すなわち、適当なワイヤ140/140’は、ロボットシステムを含めた何れの既知の手段または方法を使って位置決めでき、コントローラ195によって制御できる。例えば、コンタクトチップアセンブリ1010は、3本またはそれ以上の異なるワイヤを含むことができ、適当なツーリングを利用できるように回転され、位置決めされる既知の計算機数値制御CNC機械加工ヘッドと同様に構成し、利用できる。このようなシステムと制御ロジックを本発明の実施形態で使用することによって、所望のワイヤの所望の位置決めを提供できる。

0055

本発明の実施形態で使用されるワイヤ(すなわち溶着材料)は、特定の製造作業のために必要なサイズと性質を有することになる。一般に、ワイヤは円形の断面を有するが、他の実施形態ではこのように限定されない。他の例示的実施形態は、製造方法と製造工程に基づいて、非円形の断面を有するワイヤを利用できる。例えば、ワイヤは多角形、楕円形、または長円形を有し、所望の製造基準を実現することができる。円形の断面のワイヤは、0.010〜0.045インチの範囲の直径を有することができる。もちろん、希望に応じて、より大きい範囲(例えば、最大5mm)を使用できるが、直径が大きくなるにつれて溶滴制御が難しくなる。本明細書中で説明されているレーザと加熱制御方式の使用により、本発明の実施形態は非常に精密な製造を提供できる。これは、より小径のワイヤ、例えば0.010〜0.020インチの範囲のものを利用する実施形態に特に当てはまる。このような小径を使用することにより、大きいDPI(droplets per inch)比を実現でき、それゆえ、高精度の詳細な製造を提供する。ワイヤの性質は、製造される構成部品に望まれる特性を提供するように選択されることになる。さらに、利用されるワイヤは、中実または金属コア型の何れであってもよい。コア入りワイヤは、複合材料構造物を作るために使用できる。例えば、アルミニウム外被酸化アルミニウムコアを有するコア入りワイヤを使用できる。

0056

さらに、本明細書中で説明されている工程ではアークが使用されないため、本発明のほとんどの用途において、いかなる種類のシールドガスも不要である。しかしながら、ある用途では、酸化防止のため、またはその他の目的のためにシールドガスを使用することが望ましいかもしれない。

0057

図11は、本発明のまた別の例示的実施形態を示している。図11は、図1に示されるものと同様の実施形態を示している。しかしながら、特定の構成要素と接続は、明瞭にするために描かれていない。図11は、システム1100を示しており、その中ではワイヤ140の温度をモニタするために、熱センサ1110が利用されている。熱センサ1110はワイヤ140の温度を検出できるいかなる既知の種類のものとすることもできる。センサ1110は、ワイヤの温度を検出するように、ワイヤ140と接触しても、またはチップ160に連結されてもよい。本発明の他の例示的実施形態において、センサ1110は、ワイヤ140と接触せずに、小さい物体、例えばフィラワイヤの直径の温度を検出できるレーザまたは赤外線ビームを使用するタイプである。このような実施形態において、センサ1110は、ワイヤ140の温度をワイヤ140の突出部、すなわちチップ160の先端と溶融池との間のある地点で検出できるように位置付けられる。センサ1110はまた、ワイヤ140のためのセンサ1110が溶融池の温度を検出しないように位置付けられるべきである。

0058

センサ1110は、検出および制御ユニット195(図1に関して説明)に連結され、それによって温度フィードバック情報を電源170および/またはレーザ電源130に供給し、システム1100の制御を最適化できるようにすることが可能となる。例えば、電源170の電力または電流出力は、少なくともセンサ1110からのフィードバックに基づいて調整可能である。すなわち、本発明のある実施形態において、使用者が(ある製造作業および/またはワイヤ140のための)所望の温度設定を入力できるか、または感知および制御ユニット195は、他の使用者入力データ(電極の種類その他)に基づいて所望の温度を設定でき、その後、感知および制御ユニット195が少なくとも電源170を制御してその所望の温度を保持するようにすることができる。

0059

このような実施形態において、レーザビーム110がワイヤ140に、ワイヤが溶融池に入る前に衝突することによって起こりうるワイヤ140の加熱を説明することが可能である。本発明の実施形態において、ワイヤ140の温度は、ワイヤ140内の電流を制御することによって、電源170を介してのみ制御できる。しかしながら、前述のように、他の実施形態において、ワイヤ140の加熱の少なくとも一部は、ワイヤ140の少なくとも一部に衝突するレーザビーム110から得られる。そのため、電源170からの電流または電力だけではワイヤ140の温度を表せないかもしれない。それゆえ、センサ1110の利用は、電源170および/またはレーザ電源130の制御を通じてワイヤ140の温度の制御を助けることができる。

0060

他の実施形態において(これも図11に示す)、温度センサ1120は、溶融池の温度を感知するように向けられる。この実施形態において、溶融池の温度はまた、感知および制御ユニット195にも連結される。しかしながら、他の例示的実施形態において、センサ1120はレーザ電源130に直接連結できる。センサ1120からのフィードバックは、レーザ電源130/レーザ120からの出力を制御するために使用される。すなわち、レーザビーム110のエネルギー密度を調整して、確実に所望の溶融池温度を実現できる。

0061

本発明のさらにまた別の例示的実施形態において、センサ1120を溶融池に向けるのではなく、これを加工物115の、溶融池に隣接する領域に向けることができる。具体的には、加工物115の、堆積位置の付近への入熱が確実に最小限となるようにすることが望ましいかもしれない。センサ1120は、この温度敏感領域をモニタするように位置付けて、堆積位置の付近で閾値温度を超えないようにすることができる。例えば、センサ1120は、加工物の温度をモニタして、ビーム110のエネルギー密度を検出された温度に基づいて下げることができる。このような構成により、堆積位置付近の入熱が確実に所望の閾値を超えなくなるであろう。このような実施形態は、加工物への入熱が重要な精密製造作業において利用できる。

0062

本発明の他の例示的実施形態において、感知および制御ユニット195は、ワイヤ送給機構(図示せず−ただし、図1の150参照)に連結される送給力検出ユニット(図示せず)に連結できる。送給力検出ユニットは既知であり、ワイヤ140に、それが加工物115へと送給されている時に加えられる送給力を検出する。例えば、このような検出ユニットは、ワイヤフィーダ150の中のワイヤ送給モータにより加えられるトルク、およびそれゆえ、ワイヤ140の先端と加工物115との間の接触に関するパラメータをモニタできる。これは、電流および/または電圧のモニタに連結されて、溶融池との接触後にワイヤの送給を停止して、溶滴Dの分離を可能にするために使用できる。もちろん、前述のように、コントローラ195は、ワイヤ140と溶融池との間の接触を検出するためだけに電圧および/または電流感知を使用でき、この情報だけで、接触時に所望によりワイヤの送給を停止できる。

0063

別の例示的実施形態において、センサ1120は、加工物上の溶融池の大きさを検出するために使用できる。このような実施形態において、センサ1120は、加熱センサまたは視覚センサの何れかで、溶融池の縁をモニタし、溶融池の大きさおよび/または位置をモニタするために使用できる。コントローラ195はすると、検出された溶融池に関する情報を使って、上述のようにシステムの動作を制御する。

0064

以下に、本発明の各種の実施形態に使用可能な加熱パルス電流の制御に関してさらに説明する。前述のように、ワイヤ140の先端が溶融池/加工物115と接触すると、これら2つの間の電圧は0ボルトまたはその付近となりうる。しかしながら、本発明の他の例示的実施形態において、アークを形成せずに0ボルトより高い電圧レベルにできるようなレベルの電流を提供することが可能である。より高い電流の数値を利用することにより、ワイヤ140を電極の融点付近により近い高い温度に、より速く到達させることが可能である。これによって、製造工程をより高速に進めることができる。本発明の例示的実施形態において、電源170は電圧をモニタし、電圧が0ボルトより高い何何れかの点の電圧値に到達または接近すると、電源170はワイヤ140への電流の流れを止めて、アークが形成されないようにする。電圧閾値レベルは一般に、少なくとも一部に、使用されているワイヤ140の種類によって異なる。例えば、本発明のいくつかの例示的実施形態において、閾値電圧レベルは6ボルトまたはそれ未満である。他の例示的実施形態において、閾値レベルは9ボルトまたはそれ未満である。別の例示的実施形態において、閾値レベルは14ボルトまたはそれ未満であり、別の例示的実施形態において、閾値レベルは16ボルトまたはそれ未満である。例えば、軟鋼ワイヤを使用する場合、電圧の閾値レベルはより低いタイプのものであり、ステンレス鋼製造用であるワイヤは、アークが形成される前により高い電圧を扱うことができる。それゆえ、このようなシステムは、電圧をモニタし、電圧を電圧設定点と比較することによって加熱電流を制御でき、それによって電圧が電圧設定点を超えると、またはそれを超えることが予測されると、電流が切断されるか、または減少される。

0065

別の例示的実施形態において、上述のように、電圧レベルを閾値未満に保持するのではなく、電圧は動作範囲に保持される。このような実施形態において、電圧を最低値より高く保持し、すなわちワイヤをその融点に、またはその付近に保持するのに十分に高い電流を確保し、かつ、アークが発生しないように、ある電圧レベル未満に保持することが望ましい。例えば、電圧は1〜16ボルトの範囲内に保持できる。別の例示的実施形態において、電圧は6〜9ボルトの範囲内に保持される。他の例では、電圧は12〜16ボルトの間に保持できる。もちろん、所望の動作範囲は、製造作業に使用されるワイヤ140によって影響を受ける可能性があり、それによって、ある作業のために使用される範囲(または閾値)は、少なくとも一部に、使用されるワイヤまたは使用されるワイヤの特性に基づいて選択される。このような範囲の利用において、範囲の下限はワイヤを溶融池の中に十分に堆積させることができるような電圧に設定され、範囲の上限はアークの生成が回避されるような電圧に設定される。

0066

前述のように、電圧が所望の閾値電圧を超えると、加熱電流が電源170によって切断されて、アークが生成されない。それゆえ、このような実施形態において、電流は所定の、または選択された立ち上がり速度(複数の場合もある)に基づいて、電圧閾値に到達するまで駆動でき、その後、電圧はアーク生成を防止するために切断され、または低減される。

0067

上述の多くの実施形態の中で、電源170は上述のように電圧をモニタし、保持すために利用される回路を含む。このようなタイプの回路の構成は、当業者の間で知られている。しかしながら、従来、このような回路は電圧をアーク溶接のために特定の閾値より高い電圧を保持するために利用されている。

0068

前述のように、加熱電流はまた、電源170によってモニタし、および/または調整できる。これは、代替案として、電圧、電力、または電圧/アンペア数特性のあるレベルをモニタすることに加えて他に行うことができる。すなわち、電流は、ワイヤ140が溶融池内に適正に堆積されるように適切な温度に、しかもアーク形成電流レベルより低い温度に保持されることを確実にする所望のレベルに駆動するか、または保持できる。例えば、このような実施形態において、電圧および/または電流は、確実に何れか一方または両方が指定の範囲内または所望の閾値より低くなるようにモニタされている。すると、電源170は、アークは生成されず、所望の動作パラメータは保持されることが確実となるように、供給される電流を調整する。

0069

本発明のさらにまた別の例示的実施形態において、加熱電力(V×I)もまた、電源170によってモニタし、調整できる。具体的には、このような実施形態において、加熱電力のための電圧と電流がモニタされて、所望のレベルまたは所望の範囲に保持される。それゆえ、電源はワイヤへの電圧または電流を調整するだけでなく、電流と電圧の両方を調整できる。このような実施形態において、ワイヤへの加熱電力は、上限閾値レベルまたは最適な動作範囲に設定でき、それによって電力が閾値レベルより下か、所望の範囲内に保持されることになる(電圧に関する前述の説明と同様)。再び、閾値または範囲の設定は、ワイヤと実行されている製造の特性に基づき、また、少なくとも一部に、選択されたフィラワイヤに基づくことができる。例えば、直径0.045’’の軟鋼電極にとって最適な電力設定は、1,950〜2,050ワットの範囲内であると判断されるかもしれない。電源は、電圧と電流を、電力がこの動作範囲へと駆動されるように調整する。同様に、出力閾値が2,000ワットに設定された場合、電源は電圧と電流を調整して、電力レベルがこの閾値を超えないが、これに近くなるようにする。

0070

本発明の別の例示的実施形態において、電源170は、加熱電圧(dv/dt)、電流(di/dt)、および/または電力(dp/dt)の変化率をモニタする回路を含む。このような回路はしばしば、予測回路と呼ばれ、その一般的な構成は知られている。このような実施形態において、電圧、電流および/または電力の変化率がモニタされて、変化速度が特定の閾値を超えると、ワイヤ140への加熱電流が切断される。

0071

本発明の他の例示的実施桁において、抵抗(dr/dt)の変化もまたモニタされる。このような実施形態において、ワイヤ内のコンタクトチップと溶融池との間の抵抗がモニタされる。前述のように、ワイヤは加熱されるとくびれ始め、これはアークを形成する傾向を生じさせる可能性があり、その間に、ワイヤ内の抵抗が次数関数的に増大する。この増大が検出されると、本明細書に記載されているように電源の出力が切断され、アークは生成されない。実施形態は、電圧、電流またはその両方を調整して、確実にワイヤ内の抵抗が所望のレベルに保持されるようにする。

0072

図12は、加熱電流をワイヤ140に供給するために使用可能な例示的システム1200を示している。(レーザシステムは明瞭にするために示していない点に留意するべきである。)システム1200は、電源1210(これは、図1において170として示したものと同様のタイプとすることができる)を有するように示されている。電源1210は、既知の溶接/加熱電源構成、例えばインバータ型電源とすることができる。このような電源の設計、動作および構成は既知であるため、これらについては本明細書で詳しく説明しない。電源1210は、使用者入力1220を含み、これによって使用者はデータを入力でき、これにはワイヤの種類、ワイヤ径、所望の電力レベル、所望ワイヤ温度、電圧および/または電流レベルが含まれるが、これらに限定されない。もちろん、必要に応じてその他の入力バラメータも使用できる。ユーザインタフェース1220は、CPU/コントローラ1230に連結され、これは使用者からの入力データを受け取り、この情報を使ってパワーモジュール1250に必要な動作上の設定点または範囲を決める。パワーモジュール1250は、既知の何れの種類または構成とすることもでき、これにはインバータまたは変圧器モジュールを含む。これらの構成要素のうちのいくつか、例えば使用者入力1220はコントローラ195上にもありうることに留意する。

0073

CPU/コントローラ1230は、ルックアップテーブルを含む様々な方法で所望の動作パラメータを決定できる。このような実施形態において、CPU/コントローラ1230は入力データ、例えばワイヤ径およびワイヤの種類を利用して、出力のための所望の電流レベル(ワイヤ140を適切に加熱するため)および閾値電圧または電力レベル(または電圧または電力の容認可能な動作範囲)を決定する。これは、ワイヤ140を適切な温度まで加熱するのに必要な電流が少なくとも入力パラメータに基づくからである。すなわち、アルミニウムワイヤ140は、軟鋼電極より低い融点を有するかもしれず、それゆえ、ワイヤ140を溶融させるために必要な電流/電力が少なくて済む。これに加えて、より小径のワイヤ140は、より大径のワイヤより必要な電流/電力が小さい。また、製造速度(およびしたがって堆積速度)の増大に伴い、ワイヤを溶融させるのに必要な電流/電力レベルが高くなるかもしれない。

0074

同様に、入力データはCPU/コントローラ1230によって、アークの生成が回避されるように、動作の電圧/電力閾値および/または範囲(例えば、電力、電流、および/または電圧)を決定するために使用される。例えば、直径が0.045インチの軟鋼電極の電圧範囲設定は6〜9ボルトとすることができ、パワーモジュール1250は電圧を6〜9ボルトに保持するように駆動される。このような実施形態において、電流、電圧、および/または電力は、確実に電流/電力が電極を適切に加熱するのに十分に高くなる最低6ボルトに保持し、電圧を9ボルトまたはそれ未満に保持して、確実にアークが生成されず、ワイヤ140の融点を超過しないように駆動される。もちろん、その他の設定点パラメータ、例えば電圧、電流、電力または抵抗率変化もまた、CPU/コントローラ1230によって所望に応じて設定できる。

0075

図のように、電源1210の正の端子1221はシステムのコンタクトチップ160に連結され、電源の負の端子は加工物Wに連結される。それゆえ、加熱電流は正の端子1221を通じてワイヤ140に供給され、負の端子1222を通じて戻る。このような構成は一般に知られている。

0076

フィードバック感知リード1223もまた電源1210に連結される。このフィードバック感知リードは、電圧をモニタして、検出された電圧を電圧検出回路1240に供給することができる。電圧検出回路1240は、検出された電圧および/または検出された電圧変化率をCPU/コントローラ1230に通信し、これがモジュール1250を相応に制御する。例えば、検出された電圧が所望の動作範囲より低い場合、CPU/コントローラ1230はモジュール1250に、検出された電圧が所望の動作範囲内になるまでその出力(電流、電圧、および/または電力)を増大させるように指示する。同様に、検出された電圧が所望の閾値であるか、またはそれより高い場合、CPU/コントローラ1230はモジュール1250に、チップ160への電流の流れを切断し、アークを生成しないように指示する。電圧が下がって所望の閾値より低くなると、CPU/コントローラ1230はモジュール1250に、電流もしくは電圧を、またはその両方を供給して製造工程を継続するように指示する。もちろん、CPU/コントローラ1230はまた、モジュール1250に、所望の電力レベルを保持するか、または供給するように指示することもできる。もちろん、同様の電流検出回路を利用できるが、明瞭にするために図示されていない。このような検出回路は一般に知られている。

0077

検出回路1240とCPU/コントローラ1230は、図1に示されているコントローラ195と同様の構成と動作を有することができる。本発明の例示的実施形態において、サンプリング検出レートは少なくとも10KHzである。他の例示的実施形態において、検出/サンプリングレートは100〜200KHzの範囲内にある。

0078

図1および11の各々において、レーザ電源130、電源170および感知および制御ユニット195は、明瞭にするために別々に示されている。しかしながら、本発明の実施形態において、これらの構成要素は単独のシステム内に統合させることができる。本発明の態様では、先に個別に説明された構成要素が別々の物理的ユニットまたは自立型構造として保持される必要はない。

0079

上述のいくつかの例示的実施形態において、システムは、クラディングおよび上述のような溶滴堆積を組み合わせるような方法で使用できる。すなわち、加工物の構成中に、例えば支持基盤の作製中等、高精密の構成を有することが常に必要とはかぎらない。この構成段階中に、ホットワイヤクラディング工程を使用できる。このような工程(およびシステム)は、特許文献1に記載されており、その全文を引用によって本願に援用する。より具体的には、同出願は、それがクラディングまたはその他の種類の肉盛溶接作業の中でホットワイヤシステムを使用した材料の堆積に使用されるシステム、使用方法、制御方法その他を説明しているかぎりにおいて、本願に十分に援用される。その後、その加工物の構成に、より精度の高い堆積方法が望まれるようになったら、コントローラ195は上述の溶滴堆積方法に切り換える。コントローラ195は、本明細書中で説明されているシステムを制御して、溶滴堆積とクラディング堆積工程を必要に応じて利用して、所望の構成を実現できる。

0080

上述の実施形態は、高速溶滴堆積を行うことができる。例えば、本発明の実施形態は、10〜200Hzの範囲内の溶滴堆積を実現できる。もちろん、動作のパラメータによって、別の範囲も実現できる。いくつかの実施形態において、溶滴堆積周波数は、動作のパラメータのいくつかによって、200Hzより高くすることができる。例えば、大径ワイヤは一般に、200Hz未満の堆積周波数を使用し、その一方で、例えば0.010〜0.020インチの範囲の小径のワイヤは、より速い周波数を実現できる。溶滴堆積周波数に影響を与えるその他の要素には、レーザ出力、加工物の大きさと形状、ワイヤのサイズ、ワイヤの種類、移動速度その他が含まれる。

0081

図13は、本発明の他の例示的実施形態を示しており、その中では複数の溶着材料を同時に堆積させることができる。図の実施形態では、4つの溶着材料が堆積される。しかしながら、何れの数でも利用できるため、実施形態はこの点において限定されない。このような実施形態において、加工物の構築は、複数の溶着材料を1回のパスで堆積させることができるため加速できる。以下でさらに説明するように、このような構成に対するその他の利点も得られる。

0082

例示的システム1300に示されているように、コンタクトチップアセンブリ1305には、複数のコンタクトチップ1303、1303’、1303’’、1303’’’が格納され、その各々が(それぞれ)溶着材料140、140’、140’’、140’’’を形成中の加工物に供給する。図の実施形態において、コンタクトチップの各々は相互から電気的に絶縁され、それによって各コンタクトチップは堆積に使用される別々の電流波形を受け取ることができる。例えば、例示的システム1300の中に示されているように、電源は各コンタクトチップに電気的に連結されて、各溶着材料のための電流波形を別々に供給し、制御する。留意点として、システムコントローラ195はこの図には示されていない。しかしながら、システム1300は、本明細書中で前述したようなコントローラ195を含むことができ、これは電源の各々の動作ならびに作業を制御する。図の実施形態において、電源システム1310は個別の電源モジュールP.S.#1からP.S.#4(1311、1312、1313および1314)を有するように示されており、その各々は溶着材料を堆積させるための異なる電流を出力できる。電流の各々は、異なるパラメータその他を有する、本明細書中で説明されている例示的波形と同様とすることができる。さらに、電源1311〜1314の各々は、図1〜12に関して本明細書中で説明されている電源と同様に構成し、動作させることができる。いくつかの例示的実施形態において、電源1311〜1314の各々は、例えば単独の筐体内にある、単独の電源システム1310の中の別々の電源モジュールとすることができる。他の例示的実施形態において、電源1311〜1314の各々は、別々の異なる電源とすることができ、これらを相互に連結して、それらの動作を同期させ、それ以外に制御することができる。

0083

動作中、システム1300は、1回のパスで複数の層を堆積させることによって、基板S上に加工物を形成できる。図13の実施形態の中で、各溶着材料140〜140’’’は別々の層L#1、L#2、L#3、L#4を形成しており、各々の追従する溶着材料が先行する層の上に層を形成する。これは、図のように、チップ1303〜1303’’’を移動方向に相互に一列に並べることによって実現される。堆積中、先行する溶着材料140が基板Sの上に堆積して第一の層L#1を形成し、追従する溶着材料140’が前の層L#1の上に堆積して第二の層L#2を形成し、以下同様である。層を異なる高さで形成できるようにするために、コンタクトチップアセンブリ1305は、コンタクトチップを基板Sの表面に関して異なる高さに位置付けることができる。図13に示されているように、コンタクトチップは、層の積み重ねを可能にするために、互い違いまたは階段状に形成される。他の例示的実施形態において、コンタクトチップをその表面に関して同じ高さとすることができるが、その場合、溶着材料の突出距離を適切に調節して、所望の積層を実現できる。

0084

本発明の例示的実施形態において、(移動方向への)溶着材料間の間隔は、後続の層を前に堆積された層の上に適切に構成できるような間隔とする。例示的実施形態において、間隔は、溶着材料が同じ溶融池内に堆積しないような間隔である。すなわち、追従する溶着材料は先行する溶融池と接触しない。しかしながら、それぞれの溶融池は加工物上で相互に隣接する。すなわち、例示的実施形態において、溶融池は相互に隣接しているか、近く、その一方で、その溶融部分は相互に接触しない。もちろん、溶融池を異なる高さレベルにとすることができ(例えば図13参照)、溶融池間の堆積物の温度は非常に高いが、溶融部分は相互に接触しない。

0085

図13には示されていないが、システム1300もまた、上記の例示的実施形態の中で説明されているようなレーザまたは入熱システムを使用できる。具体的には、システム1300はレーザを使って溶融池を形成し、および/または溶着材料の溶融を助けることができる。いくつかの例示的実施形態において、個別のビームを各々の別の溶着材料堆積工程に向けて、それぞれの堆積工程の各々について個別に制御できる。個別のビームは、別のレーザ発生装置から生成することができ、または単独のレーザ発生装置から発生させることもできるが、光学部品とレーザスプリッタ等を介して別々のビームに分割される。個別の溶着材料140〜140’’’の各々の堆積は、前述のように制御できる。あるいは、他の例示的実施形態において、単独のレーザ/熱源を使用でき、これは、堆積工程中に溶着材料間にラスタ式に照射されて、各溶着材料堆積工程のための所望の入熱を提供する。例えば、レーザビームは、各溶着材料140〜140’’’の堆積物にラスタ式に照射でき、各溶着材料の位置における相互作用時間が、各堆積動作のための所望の入熱量を実現するように制御される。

0086

本発明の例示的実施形態の中で、溶着材料140〜140’’’の種類、サイズ、および組成は、加工物の所望の特性に基づいて選択される。いくつかの実施形態において、溶着材料140〜140’’’の各々は同じであり、同じ直径と組成を有する。しかしながら、他の例示的実施形態では、溶着材料は異なる特性を有していてもよい。例えば、溶着材料140〜140’’’は異なる直径を有していてもよく、これによって層L#1〜L#4は、異なる径の溶着材料を使用することにより、異なる幅で形成できる。さらに、溶着材料は異なる組成を有して、場所によって異なる物理的/組成的特性を有する加工物の形成を可能にできる。このような実施形態において、製造中の加工物の組成は、「その場で」変更できる。すなわち、第一の材料を使って加工物の特定の部分を形成し(いくつかのコンタクトチップを使用)、その後、停止せずにシステムは所望の通りに異なる、または追加の材料を堆積させることができる。

0087

例えば、本発明の例示的実施形態は、ステンレス鋼と軟鋼の混合物を使って構造物または加工物を製造するために使用できる。さらに、このような構造物は、ニッケル材料を追加して構築できる。もちろん、これらは例にすぎず、本発明の実施形態により、複数の材料の混合物で所望の構造物を構築できる。他の例示的実施形態において、非磁性材料/金属の帯または層を、加工物の測定を含む様々な理由で加工物に追加できる。材料をオーステナイトステンレス鋼に変換するために、異なる材料も使用できる。

0088

溶着材料の特性/種類を変えることに加えて、本発明の実施形態は、溶着材料140〜140’’’を異なるワイヤ送給速度で供給できる。すなわち、いくつかの実施形態において、溶着材料のすべてのワイヤ送給速度が同じである。しかしながら、他の実施形態においては、ワイヤ送給速度を変化させることが望ましいかもしれない。これは、コントローラ195と溶着材料のそれぞれのワイヤ送給システム(明瞭にするために図示せず)を介して行うことができる。それぞれのワイヤ送給速度を変化させることによって、形成中の加工物の物性に影響を与えることができる。例えば、層L#1〜L#4のうちの少なくとも1つを残りの層より薄くすることが望ましいかもしない。このような実施形態において、より薄い層のそれぞれの溶着材料のワイヤ送給速度を低速にして、より薄い層とすることができる。

0089

さらに、例示的実施形態において、溶着材料140〜140’’’に異なる電流波形を供給できる。図のシステム1300において、溶着材料にそれぞれの堆積電流を供給する別々の電源モジュール1311〜1314がある。いくつかの実施形態では電流の各々を同じにすることができ、他の実施形態では電流波形を違えて、異なる周波数、ピーク電流レベル、その他を持たせることができる。これは、異なるワイヤ送給速度および/または異なる溶着材料を使って適正な堆積を確実に行う場合に当てはまる。

0090

溶着材料140〜140’’’の何れかの堆積の局面を変えることにより、システム1300は層L#1〜L#4の形成を大幅に柔軟にできる。すなわち、例示的実施形態において、溶着材料の種類、組成、直径、ワイヤ送給速度、および堆積電流波形の何れか1つまたは組合せを、他の溶着材料と変えることにより、層または堆積工程の所望の特性を実現できる。それゆえ、本発明の実施形態により、加工物を迅速に構成または構築し、しかも溶着材料の何れかの層の構成または堆積において大きな柔軟性と精度を持たせることができる。すなわち、異なる層が、異なる組成/溶着材料特性の使用に基づいて、異なる厚さ、幅、形状、その他を有することができる。

0091

図14は、図13に示されるシステム1300の別の図を示している。図のように、また前述のように、コンタクトチップ1303と1303’は、コンタクトチップアセンブリ1305に取り付けられ、これがコンタクトチップを所望の通りに向き付け、保持し、移動させる。さらに、前述のように、コンタクトチップは互い違いに、または階段状に保持されて、図のように、上へ上へと層を形成できる。このような実施形態において、それぞれの溶着材料140、140’の各々の突出部Xは略同じ距離に保持される。しかしながら、他の実施形態において、これは同じでなくてもよい。すなわち、それぞれの溶着材料140、140’の各々に関する突出距離Xを変化させて、所望の堆積性能を実現することができる。実際に、いくつかの実施形態において、コンタクトチップ1303、1303’は、それぞれの先端面が基板Sの表面に関して相互に共平面である。このような構成では、追従する溶着材料(例えば140’)の突出距離Xは、層L#1、L#2が図のように構成される場合、先行する各溶着材料(例えば140)より小さくなるであろう。

0092

さらに、図のように、いくつかの実施形態において、コンタクトチップ1303、1303’はコンタクトチップアセンブリ1305の中で移動可能である。このような実施形態において、ローラアクチュエータ、その他のアクチュエータ機構1320を使って、コンタクトチップ1303、1303’をコンタクトチップアセンブリ1305から出入りするように移動させることにより、構成中の加工物の所望の突出および/または形状を提供できる。アクチュエータ1320はまた、コントローラ195(図14には図示せず)によって、コンタクトチップを堆積工程中に「その場で」移動できるように制御できる。例えば、堆積中、コンタクトチップの相対的高さおよび/または溶着材料の突出距離Xを調整して、製造中の加工物の所望の形状を実現できる。この移動は、上述の様々な方法で生じさせることができる。例えば、サーボモータ制御ローラ、リニアアクチュエータ等を使って、コンタクトチップを所望により移動させることができる。このような制御は、システム1300の製造能力の柔軟性を向上させる。

0093

図13および14はコンタクトチップアセンブリ1305を、溶着材料が移動/堆積方向に一列であるように描かれているが、コンタクトチップアセンブリ1305はまた、横方向の構成で位置付けることもでき、するとコンタクトチップは移動方向に垂直な直線状であることに留意する。すなわち、コンタクトチップは横並びにして、幅の広い材料を堆積できる。このような実施形態において、溶着材料は図13および14に示されるように上へ上へとではなく、相互に隣接して堆積される。もちろん、他の例示的実施形態において、コンタクトチップアセンブリ1305は、コンタクトチップが移動方向に関して斜めに向けられるように向きとすることができる。本発明の実施形態は、この点において限定されない。

0094

図15は、他の例示的実施形態を示しており、その中ではコンタクトチップアセンブリ1305は堆積工程の移動方向に関して回転可能でもある。この上から下に向かう図に示されるように、第一の位置Aにおいて、溶着材料は図13および14に示されように一列に堆積される。コンタクトチップアセンブリ1305は移動を続けながら新たな位置Bへと回転され、それによって層の堆積が図のように形状を変える。コンタクトチップアセンブリ1305は、例えばステップモータモータ、または他のあらゆる既知のシステム(例えば、ロボット溶接において移動と回転を制御し/容易にするために使用されるシステム)を使用すること等、何れの既知の装置と方法でも制御し、回転させることができる。コントローラ195を使って、コンタクトチップアセンブリ1305の基板Sに関する回転/移動を制御できる。アセンブリ1305を回転可能にすることにより、加工物の形状を必要に応じて作ることができる。例えば、加工物の壁厚を必要に応じて増減できる。さらに、アセンブリ1305の回転中に、溶着材料の何れかのワイヤ送給速度、電流波形、突出部および/またはコンタクトチップ位置のうちの何れか1つまたは組合せを調整できる。例えば、図15に示されるように、位置Aの前に、溶着材料の1つのみが図のように堆積されて、層L#1を形成する。これは、アセンブリ内の先頭の溶着材料とすることができる。アセンブリ1305が回転されると、第二の溶着材料140’が第二の層L#2のために堆積され始め、堆積物L#2が第一の層L#1に連結され、その上に追加される。これは、望ましくない高さを追加することなく、形成中の加工物の幅だけを増大させるように行うことができる。同様に、アセンブリ1305が所望の位置Bまで回転されると、後続の溶着材料140’’および140’’’が同様に、逐次的に堆積され始める。同様に、この運動は、加工物上のレッジまたはオーバハングを形成するために使用でき、オーバハングのための追加の支持は不要である。このような実施形態において、アセンブリ1305の回転と溶着材料の何れか1つまたは全部の堆積の調整(前述のとおり)によって、オーバハングを比較的容易に形成できる。例えば、送給速度および/または突出部/コンタクトチップ深さの位置決めを調整することにより、レッジを比較的簡単に作ることができる。

0095

したがって、システム1300は、本明細書で説明する付加製造工程およびシステムの製造柔軟性を大幅に増大させる。

0096

図16、17A〜Cおよび18Aは、本明細書中に記載されている方法とシステムに使用可能な基板1600の例示的実施形態を示している。基板1600は、導電性であり、堆積電流/波形のための電流経路を提供するが、非結合面1610も有し、それによって製造工程完了後に基板1600から加工物を比較時取り外しやすい。

0097

一般に、付加製造において、構成中の加工物は、導電性であって溶着材料加熱電流のための適正な電流経路を提供する基板または表面上に設置される。しかしながら、基板は導電性である(すなわち、金属)であるため、加工物は基板と結合する。すなわち、加工物の初期製造中に、最初に形成される層は堆積工程を通じて基板に付着する。そのため、加工物を基板から取り外し、おそらく基板材料の一部を最終的な加工物から取り外すために、追加の加工ステップが必要となる。これによって、追加の加工が加わるだけでなく、加工物への損傷の危険性が生じる。当業者であればわかるように、加工物と基板との間の結合は一般に、加工物と基板との間の融合がある場合に発生し、それによって基板上の混入領域において加工物からの材料が基板の材料と混合し、これは接合技術と同じである。本発明の実施形態は、この問題に対処する。

0098

図16は、導電性材料で作製される例示的基板1600を示しており、これによって電流がそこを通過するが、加工物110はそこに結合しないようになる。例えば、いくつかの例示的実施形態において、基板は銅または黒鉛から作製でき、これらは導電性であるが、アルミニウムまたは鋼鉄の加工物と結合しない。他の例示的実施形態において、基板1600は多数の異なる材料のマトリクスとして作製できる。例えば、基板1600は、非導電性セラミックまたはクレイ材料マトリクス材料から作製でき、これはセラミックまたはクレイマトリクス内で分散された導電性(例えば金属)材料を有して、導電経路を作る。図16に示されるように、非導電性マトリクス1603は、その中全体に導電性粒子1605が分散されて、電流経路が表面1610からアース点1625まで作られ、そこに電源からのリード線を接続できる。いくつかの例示的実施形態において、基板1600は主に、その中に銅粒子1605が分散されたセラミックとすることができ、基板の加工物表面から、アースまたは電流ケーブルが固定される基板の他の箇所まで電流を伝送できる銅濃度を提供するのに十分な量の銅を有する。導電性材料1605は、銅とすることができ、粉末、粒状、糸状、またはリボン状の何れかとすることができる。しかしながら、導電性材料は、導電経路が基板1600からアース点125まで形成されるように分散させるべきである。アース点125は、基板1600上のどこに位置付けることもできる。いくつかの例示的実施形態において、導電性材料を基板構造1600全体にわたって均等に分散させる必要はないが、加工物表面1610全体に、加工物が基板表面1610上に位置付けられるか、またはそこで開始される場所から電流経路を提供するのに十分に分散させるべきであることに留意する。マトリクス材料1603は、加工物と結合しない何れの材料または材料の組合せとすることもできる。材料は、非電導性で高い融点を有し、基板上への加工物の形成中にマトリクス1603の表面が溶融しないものとすることができる。前述のように、マトリクス材料はクレイ、セラミックのうちの何れの1つでも、またはそれらの組合せでもよい。その他の材料としては、炭素含有率の高い鋳鉄または、基板上で付加工程が実行された時に脆化するその他のあらゆる合金を含むことができる。前述のように、付加工程における混入は(あったとしても)比較的低レベルであるため、基板から構築物への合金の伝播は最小限となる。しかしながら、伝播は、構築物の第一の層が脆化し、その一方で、同時に導電性が保たれるようなものとすることができる。構築物が完成すると、使用者は脆い界面を容易に曲げて、壊し、構築物を基板から分離できる。前述のように、セラミック材料を基板に都用できる。このようなセラミックは高い融点を有するべきであり、例えばAl2O3、またはその他同様のセラミックである。他の例において、軟鋼の構築物のための基板として、アルミニウム材料または合金を使用できる。

0099

別の例示的実施形態において、基板は、基板が構築加工物のための所望の導電性と物理的支持を提供するような濃度の金属粉末から作製できる。このような実施形態において、粉末は、完成後に構築部品から容易に払い落とすことができる。さらに別の例示的実施形態において、基板は、基礎材料中に導電性材料を持っていてもいなくてもよい、セラミック等の非導電性材料の基礎の上に設置される導電層(例えば、銅、カーボン、鉄、その他)からなっていてもよい。基礎材料上の薄い層を使用することによって、基板内への食い込みを最小限にすることができ、それゆえ、基板との結合が確実に生じない。

0100

図16に示されるように、いくつかの例示的実施形態において、基板1600は接触領域1620を有することができ、その中に導電性材料が存在し、その外側には導電性材料が存在しないか、より少ない程度で存在して、基板1600が接触領域1620の外側では導電性が低いか、非導電性である。このような実施形態において、加工物110は表面1610上で開始されるか、その上に設置されて、接触領域1620と接触して十分な電気的接触が確実に得られるが、これは接触領域1620の外側には導電性がほとんど、またはまったくないからである。このような実施形態において、接触領域1620の面積は表面1610の面積より小さい。さらに、接触領域1620は何れの所望の形状にも形成できる。それゆえ、例示的実施形態において、付加製造工程を開始するために、工程は表面1610の接触領域1620から始めて、加工物のための電流経路が確実に得られるようにする。加工物110を構成する際、加工物の一部は、加工物が一体部品で、それゆえ連続する電流経路を有するかぎり、表面1610上の、接触領域1620の外に形成することもできる。それゆえ、製造工程用の電流経路が常に提供され、加工物110を加工物110と結合しない導電性表面1610上に形成でき、それによって加工物の取り外しと加工が容易になる。

0101

図17Aは、他の例示的実施形態を示しており、その中で基板1600は導電性材料の格子1630を有し、それが基板100の表面1610上にグリッド構造を形成する。銅等の導電性材料から作製される格子1630は、セラミック、クレイまたはその他の非導電性材料とすることのできる基板1600の材料の中に埋め込まれる。格子1630は、グリッド構造が表面1610上に形成されて、形成される予定の加工物110の大きさまたは向きに関係なく、加工物が格子1630の少なくとも一部と接触して必要な導電経路が提供されるように形成できる。格子1630は、基板1600上に作られる予定の加工物の大きさにとって望ましい間隔を提供するようなメッシュサイズを有することになる。いくつかの実施形態において、格子1630は基板1600を貫通する深さを有することができ、他の実施形態においては、格子1630の深さは基板1600全体にわたるわけではない。さらに、格子構造1630は、構造全体が導電性であり、加工物がどこで格子構造1630と接触するかを問わず、アース点1625まで電気経路ができるように形成される。さらに、例示的実施形態において、格子構造1630は、図16に関して説明したものと同様に、基板1600上の接触領域においてのみ存在できる。すなわち、表面1610で露出する格子構造は、表面1610の個別部分(すなわち接触領域)の中にのみあり、格子はアース点1625に連結される。このような実施形態において、加工物の一部が接触領域の中にあって格子1630の一部と接触するかぎり、電流経路が存在して、加工物の製造が可能である。しかしながら、再び、表面1610のほとんどが非導電性で非結合性であるため、加工物の取り外しと加工は既知の基板と比較して容易である。

0102

図17Bは、本明細書において説明されている装置に使用可能な基板1600の他の例示的実施形態を示している。この実施形態において、基板1600は、基板1600の面積全体にわたって分散される複数の個別のアース点1651/1652/1653等を含む。点は、格子パターン等のあるパターンで分散させて、それらのそれぞれの位置がその基板を用いるあらゆるシステムのコントローラからわかるようにすることができる。アース点は導電性材料から作製され、ワイヤ、ピン、その他とすることができ、基板1600を貫通して、それらの各々を基板1600の他の表面上で露出させることができる。図17Bに示されている実施形態において、アース点は基板1600を貫通して、その反対の端が基板1600の底面上で露出する。他の実施形態において、反対の端は希望により、側面から出すことができる。アース点1651、1652、1653等は、切り換え回路1660に電気的に接続され、これもまたシステムと、後述のように回路1660内でのアーススイッチの動作を制御するコントローラにも電気的に連結される。アース点の位置がわかっているため、付加工程を、付加工程のための最初のアース経路として機能するアース点のうちの1つ(例えば、点1651)で開始できる。工程が始まると、溶融池は、それが次のアース点1652に到達するまで表面1610に沿って移動できる。切り換え回路1660により、コントローラは構築工程のアース点を連続する付加工程に最も近いアース点に切り換えることができる。すなわち、工程のコンタクトチップが移動されると、アース点は作業に最も近いアース経路を提供するように切り換えられることができる。さらに、他の例示的実施形態において、切り換え回路1660は、複数のアース点を通じて、複数のアース経路を開き、工程に使用可能な電流の量を増大させることができる。さらに、例示的実施形態において、切り換え回路1660は、アース電流経路を異なる位置へと駆動して、堆積工程を制御するために使用できる。例えば、構築工程が基板1600の縁に接近すると、スイッチ1660は基板1600の中心により近いアース点に切り換わり、堆積工程と溶融池の制御を助けることができる。これはまた、堆積工程中に何れかのアークが形成される場合に、アークの方向の制御を助けるためにも使用できる。

0103

図17Cは、本発明の別の例示的実施形態を示しており、その中で基板1600は、アース点1651、1652、1653等のすべてを電気的に連結する導体1670をさらに含み、導体1670は電源に連結されて、堆積電流のためのアース経路が完成する。このような実施形態において、上述の切り換え回路1660を使用する必要がない。図の実施形態において、導体1670は、基板1600の表面に取り付けられた導電性プレートまたは層であり、そこにすべてのアース点が連結される。もちろん、導体1670は底面上になくてもよく、基板1600の他の表面上にあってもよい。使用中、構築構造が複数のアース点1651等と接触すると、導体1670に追加のアース経路が提供されて、これもまた、工程中により多くの電流を使用することを可能にする。上記の実施形態の何れにおいても、堆積工程に使用されるコントローラ/電源は、何れのアース点に関する容認可能な電流レベルも超えないように堆積電流レベルを制御できる。すなわち、構築工程の開始時に、アース点1651が1つだけ使用されている場合、電流は、電流レベルが1つのアース点1651にとって容認可能なレベルを超えないように制御される。そうすることは、アース点への損傷の原因となる。しかしながら、構築が他のアース点まで進むと、コントローラは電流レベルを上昇させることができ、これは他のアース点と接触するから、すなわち、導体1670までのアース経路の数が増えるからである。したがって、このような実施形態において、コントローラにはアース点の各々の位置がわかるため、するとコントローラは、複数のアース点が利用される時に電流を増大させることができる。このような実施形態において、堆積電流は、それぞれのアース点の各々の接触ごとに段階的に増大させることができ、または適当な数のアース点と接触した時に1回で増大させることもできる。例えば、200アンペアの堆積電流の場合、コントローラは、このような電流レベルには最低4つのアース点が必要であると(保存された情報を使って)判断できる。コントローラ/電源は、第一の、より低い電流レベル(例えば50アンペア)を、少なくとも4つのアース点が接触するまで利用でき、この時点で堆積電流が最適レベルまで増大される。他の実施形態において、電流は、必要最小限のアース点が接触するまで、新しいアース点が接触するたびに段階的に増大させることができる。例えば、電流は、所望の堆積電流レベルに到達するまで、連続するアース点ごとに50アンペアずつ増大させることができる。電流増大ステップは、システムのコントローラ内で事前設定事前プログラムすることができる。

0104

本発明の例示的実施形態において、アース点は、平均径が使用されるワイヤ径のそれより大きい平均径を有するワイヤまたはピンである。例示的実施形態において、アース点は、使用される最大ワイヤ径より少なくとも20%大きい平均径を有するピンである。いくつかの例示的実施形態において、直径は、最大径のワイヤの直径より20〜80%大きい。さらに、図17Cに示されるように、ピンは、加工物との接触をさらに大きくするために、図のように、より大きいヘッド領域を有することができる。すなわち、ピンは、基板の接触面において、より大きいヘッド領域(例えば、その他のように)を有することができ、例えば図17Cを参照されたい。ピン1651その他が図17Cに示される形状を有するかぎり、より大きなヘッド領域は、上述のピンの平均径を決定する上で考慮されない。

0105

別の例示的実施形態において、アース点1651等(例えば、ピン、ワイヤ、ロッド、その他)は、基板1600の中で取り外し可能かつ交換可能である。例えば、図17Cに示されているように、ピンは単純に基板内の穴の中に嵌り、上述のアース点として機能する。混入を通じてピンは加工物に、その構築時に固定され、完成後に加工物は固定されたピンと共に取り外される。すると、ピン/ロッド、その他は機械加工工程を介して取り外すことができ、次の工程のために基板1600内で新しいピンを交換できる。取り外し可能ピン1651等は、基板上に構築中の加工物および接触プレート1670と接触して、適正なアース電流経路を形成できるように十分な長さであるべきである。

0106

図18Aは、本発明の他の例示的実施形態を示しており、その中で基板1600は少なくとも1つの冷却チャネル1640を含み、加工物の製造中、または少なくとも加工物の初期製造中に冷媒がその中を通過できる。冷媒は、気体または液体とすることができ、基板を、表面1610の何れの部分も溶融しないように、またはそれ以外に加工物に付着しないように、ある温度に保持するために使用される。冷却マニホルドチャネル1640の使用を通じて基板1600を冷却することによって、基板1610を低温に保持でき、表面1610上の導電性材料(例えば、格子構造、導電性粒子、その他)のすべてを低温に保持して、表面1610上に形成される加工物の何れの層も溶融しないか、またはそれ以外に基板1610上の導電性構成要素に結合しないようにすることができる。その他の実施形態は他の冷却方法/工程を使用でき、これも本発明の範囲または主旨から逸脱しない。例えば、受動ヒートパイプを使用できる。

0107

それゆえ、例示的実施形態において、必要な導電性を提供するが、製造後の加工物の取り外しと加工がより容易になるように非結合性表面を提供する基板が提供される。

0108

図18Bは、本明細書中で説明されている例示的な付加製造工程に使用可能なまた別の構造を示している。本明細書中で説明されている付加製造工程は、複雑で繊細な加工物を製造するために使用できる。このような構成要素の容易な製造は、製造工程を水平ではない従来の基板または作業台表面から開始することによって支援される。例えば、加工物を吊り下げ方式で製造することが有利であるもしれない。すなわち、加工物の初期層/堆積物が吊り下げられ、これが、従来の下から上に向かう平坦な表面基板と反対に、基板の底から延びるような加工物のほうが製造しやすいかもしれない。図18Bに示される実施形態は、このような状況で使用可能な例示的なトラス構造1800を示している。トラス構造1800は、複数の支持構成要素1810および1820を有することができ、これらは相互に電気的に接続されて電流を流す。トラス構造1800は、加工物がその加工物について望ましい、構造物1800の何れの点からも開始できる。例えば、加工物を上下反対に、または上から下の工程で製造するほうが容易であれば、その部品は、本明細書中で説明されている工程によって、部材1810および1820の一方のある地点から開始し、下に向かって構築することができる。もちろん、使用されるトラス構造とトーチ/コンタクトチップは、チップをトラス構造1800内に適正に位置付けることができるように設計するべきである。その後、この部品は、構造1810/1820から、必要に応じて基板1600の表面に向かって下方へと構築できる。図のように、トラス構造1800は、それ自体のアース接点1825を有することができ、または単純に全体を導電性とすることができる。さらに、いくつかの例示的実施形態において、トラス構造は接触用突起1830を有していてもよく、そこに部品または加工物の開始部分が固定されて、構築作業が始まる。これらの突起1830はコンタクトノードとして機能し、そこから加工物の開始部分が開始される。これらの突起は製造工程を開始しやすくすることができ、最終的な部品をトラス構造から分離しやすくすることができ、製造された部品に損傷を与えない。突起1830は、構造1800の部品1810/1820と一体に作製できる。他の実施形態では、突起1830は構造と異なる材料で作製でき、および/またはそこから容易に分離できる。例えば、突起1830は、ヘッドまたは突起部分を有するピンまたはその他の固定具型構成要素とすることができ、そこに、製造工程を行うための部品を固定し、そこから開始できる。完成後、ピンをトラス構造から取り外すことができ、それによって製造された部品を取り外しやすくなる。トラス構造1800は、ある製造工程にとって望ましい何れの形状または構成をとることもできる。

0109

例示的実施形態において、トラス構造1800は金属構造とすることができ、それによって電流を、前述の実施形態の何れとすることもできる基板1600に伝達できる。他の例示的実施形態において、トラス構造は、図16および17に関して先に概して説明したように、非結合性であるが、導電性の材料で作製できる。何れの場合も、構造1800は、それが基板1600またはアース点1825の何れかに電流経路を提供して、加熱電流が適正に流れることができるように構成するべきである。

0110

図19A、19Bおよび19Cは本明細書中で説明されている本発明の実施形態に使用可能な付加製造用溶着材料1900の例示的実施形態を示している。一般に理解されている点として、大径の中実溶着材料には、この溶着材料を溶融させるのにより多くの電流/エネルギーが必要となる。しかしながら、より小径の溶着材料であれば、溶融に必要な電流/エネルギーがより少なくてよく、それによって、集合的に、1本のより大径の中実のワイヤと同じ断面積を有する複数の小径の溶着材料を溶融させるのに必要な電流/エネルギーの量も少なくてよい。それゆえ、本発明のいくつかの実施形態において使用される溶着材料は、複数のワイヤ1903が編み組まれたものから作られる編組溶着材料である。いくつかの実施形態において、ワイヤ1903は同じであり、同じ直径と組成を有する。しかしながら、他の例示的実施形態では、ワイヤ1903は相互に異なっていてもよい。例えば、いつくかの実施形態において、2つの異なるワイヤの種類を使って編組溶着材料1900を作ることができる。このような実施形態において、ワイヤは、直径および/または組成に基づいて異なっていてもよい。例えば、中央のワイヤは第一の直径と組成を有することができ、周辺のワイヤ1903はどちらも第一の直径と組成とは異なる第二の直径と組成を有する。これによって、特定の製造工程に合わせてカスタム化された特性を有する溶着材料1900の使用が可能となる。留意するべき点として、本明細書中で説明された、中実またはコア入り溶着材料を堆積させるための方法とシステムは、図19Aに示されるような編組溶着材料を堆積させるために使用できる。

0111

さらに、図19Aに示される実施形態において、中央のワイヤ1903’は、編組でないワイヤであり、ワイヤ1903の外周は中央のワイヤ1903’の周囲に編み組まれる。編組は、溶着材料1900の長さに沿って概して螺旋状のパターンで作ることができる。

0112

いくつかの例示的実施形態において、溶着材料1900の編組は、ある種類の溶着材料の相対的なワイヤ送給速度を上げるために使用できる。例えば、図19Aに示されるように、中央の溶着材料1903は第一の種類/素材のものとすることができ、周囲のワイヤ1903は、異なる種類/素材のものとすることができる。周囲の(外側の)ワイヤの長さは中央のワイヤより長いため、ある長さの溶着材料1900について、それぞれのワイヤの種類の各々の有効堆積速度は異なる。異なるワイヤの種類の有効な相対的堆積速度は、また、あるバンドル内のワイヤの種類の相対的な数によっても影響を受ける可能性がある。それゆえ、本発明の実施形態は堆積の性質の柔軟性を高めることができる。

0113

図19Bおよび19Cは、本発明の実施形態に使用可能な溶着材料の他の例示的実施形態を示している。しかしながら、図19Aの溶着材料1900とは異なり、図19Bおよび19Cの溶着材料1900は溶着材料のコアに空隙1910を有し、コア1910は複数の編組ワイヤ1903によって取り囲まれる。この中空の溶着材料構成によって、堆積中に溶着材料1900を圧縮して「成形」し、堆積工程をカスタム化できるようにすることが可能となる。これについては、後でより詳しく説明する。

0114

溶着材料1900の外側を形成するワイヤ1903の編組は、既知のワイヤ編組方法と同様に、概して螺旋状パターンで行われるが、空隙1910が溶着材料1900のコアに保持される。図19Aと同様に、ワイヤ1903はいくつかの実施形態において、同じ直径と組成を有することができ、他の実施形態において、ワイヤ1903は異なる特性を有することができる。この例が図19Cに示されており、その中では、編組が、第一の直径と組成を有する第一の種類のワイヤ1903と、第二の直径と組成を有する第二の種類のワイヤ1905を含む。もちろん、いくつかの実施形態において、ワイヤ1903/1905の直径は異なっていても、組成を同じにすることができる。図19Cに示されているように、異なるワイヤ1903/1905が溶着材料1900の断面の周囲を交互に覆う。別の例示的実施形態において、ワイヤ1903/1905は、異なる融点を有することができ、これらよって必要に応じて堆積形状と層形成をカスタム化できる。

0115

空隙1910は、溶着材料1900’が堆積工程中に比較的安定したままであるような寸法にするべきである。空隙が大きすぎると、溶着材料は不安定となり、堆積工程中、その完全性を保たない。例示的実施形態において、空隙1910の直径は溶着材料1900’の有効径の5〜40%の範囲内にある。「空隙1910の直径」とは、図19Cにおいて破線の円で示されるように、空隙1910の中にフィットする最大の円形の断面の直径である。溶着材料1900’の「有効径」は、溶着材料1900’を構成するワイヤ1903/1905の全部の合計の断面積と同じ断面積を有する円の直径である。

0116

前述のように、中央の空隙1910を有する溶着材料1900は、堆積工程中に、溶着材料の堆積特性を変化させることが可能であるような形状とすることができる。これは図20Aおよび20Bの中に概して示されており、その中で、溶着材料1900は溶着材料の移動方向に関して、体積の所望の幅を実現できるような方向に圧縮されている。本明細書中で説明されているように、本発明の工程とシステムは、付加製造を通じて複雑な形状を作るために使用できる。それゆえ、厚さその他が変化する加工物と形状を作ることができる。図19Bおよび19Cに示される溶着材料1900によれば、空隙によって、これらの複雑な形状と異なる厚さを容易に作ることができる。図20Aにおいて、溶着材料は移動方向に垂直な方向に圧縮されて、溶着材料1900は移動方向に関して狭くなっている。こうすることによって、結果として得られる堆積物は、溶着材料の当初の直径より狭くなる。同様に、図20Bは、同じ溶着材料1900が移動方向に沿った方向に圧縮されていることを示しており、これによって溶着材料1900は移動方向に関して幅広となる。それゆえ、このような圧縮により、必要に応じてより広く堆積を行うことができる。前述のように、空隙1910は、溶着材料1900の変形によってその非圧縮状態と比較してその相対的な幅を変えることができるような大きさ/直径であるべきである。

0117

いくつかの例示的実施形態において、空隙1910には、堆積に必要な所望の性質のフラックスまたは粉末を充填できる。これは、ワイヤにしにくい、またはワイヤの溶融を通じて移動可能な所望の材料を構築物へと供給するのを助けることができる。例えば、耐摩耗パウダをフラックスとして追加できる。

0118

図20Cは、本発明の実施形態に使用可能なコンタクトチップアセンブリ2000と溶着材料供給システムおよび方法の他の例示的実施形態を示している。この実施形態においては、少なくとも2つの溶着材料2010および2020がコンタクトチップアセンブリ2000とコンタクトチップ2040へと向けられ、コンタクトチップ2040は穴2030を有し、両方の溶着材料がそこを通過できる。上述の実施形態と異なり、溶着材料2010および2020は編み組まれていない。これらは、同じ溶着材料供給源スプール、リール、その他)から供給することも、または別々の供給源から供給することもできる。さらに、これらは同じ寸法と組成を有する同じ溶着材料とすることも、またはある製造作業にとって望ましいように違えることもできる。別の例示的実施形態において、溶着材料2010および2020は、異なる速度で送給でき、いくつかの実施形態において、送給速度は堆積工程中、「その場で」変更可能である。このような実施形態は、堆積工程中に構築物に合わせて合金をカスタム化できるようにする。例えば、工程の第一の部分において、溶着材料2010および2020を同じ速度で送給するが、構築工程の別の段階では、溶着材料2010の速度を必要に応じて増減させることにより、所望の堆積性質を持たせる。

0119

さらに、2つの溶着材料が示されているが、他の実施形態では必要に応じて3つまたはそれ以上を使用することができる。図の実施形態において、溶着材料2010および2020は、穴2030(これは、楕円形または、溶着材料を収容できる他の何れの形状とすることもできる)に供給され、その後、既知の溶着材料供給システムを使って加工物へと向けられる。堆積中、コンタクトチップ2040は、溶着材料が所望の堆積物の輪郭を提供するような向きとされる。さらに、コンタクトチップ2040は(上述の実施形態と同様に)回転可能であり、溶着材料を設計通りの向きにして、堆積工程の形状または輪郭を所望の通りに変更できる。例えば、図のように、左側の向きは一列の向きを示しており、これは加工物上に狭い堆積物を提供するが、溶着材料が移動方向に一列であるため、高さはより高い。すると、必要に応じて、コンタクトチップ2040を右側に示される位置に回転させることができる。回転は、コントローラ195とモータ、その他によって実行でき、堆積方向の変更中に使用可能であり、トーチの向きを変える必要がない。右側の位置は、移動方向に堆積物の幅を増大させることが望ましい時に使用できる。また、いくつかの実施形態において、両方の溶着材料2010および2020を同時に送給しなくてもよいかもしれないことに留意する。このような実施形態において、溶着材料2010および2020は、別々のワイヤフィーダ(図示せず)によって送給され、コントローラ195が溶着材料のうちのどれが送給されているか、またはこれらが同時に送給されるか否かを制御できる。このような実施形態において、送給されていない溶着材料は穴2030から抜き取る必要がなく、それゆえ、送給されている溶着材料の位置を保持するために使用できる。このような実施形態において、溶着材料の送給は、コントローラ195によって制御でき、これは、工程中のある瞬間に、必要に応じて溶着材料の何れか一方または両方を送給する。

0120

さらに、図20Cに示されている実施形態において、溶着材料2010および2020の各々は、これらが1つの穴2030を通じて方向付けられるため、同じ電流を共有している。このような実施形態において、電流は単独の電源から供給でき、電流は各溶着材料により共有される。しかしながら、図20Dは、異なる例示的実施形態を示している。図20Dに示される実施形態において、コンタクトチップアセンブリ2000は、電気的に絶縁された2つのコンタクトチップ部分2015および2025を含む。チップ部分2015および2025は、それぞれ溶着材料2010および2020を供給する。しかしながら、アセンブリ2000は切り換え装置または機構2050を含み、これはチップ部分2015および2025を相互に電気的に連結して、これらが電流を共有するようにでき、またはチップ部分を相互に電気的に絶縁できる。ある例示的実施形態において、チップ部分2015および2025の各々は、別々の電源(PS#1およびPS#2)に連結される。スイッチ2050が開位置にあるとき、それぞれの電源は各々、それぞれの溶着材料に別の異なる加熱電流を供給できる。このような実施形態において、溶着材料は異なる速度で堆積させることも、またはサイズと組成を違えることもできる。これは、複数の溶着材料を使って上述と同様の実施形態として制御し、使用できる。しかしながら、この実施形態において、必要に応じて、コントローラ195はスイッチを閉じることができ、この時、コンタクトチップ部分2015および2025は電気的に連結され、電源P.S.#1またはP.S.#2の一方からの単独の電流信号を共有できる。このような実施形態においては、電力使用量を減少させ、および/または信号同期の必要性をなくすために、ある作業のために単独の電源を動作させるだけでよくすることができる。このような実施形態において、スイッチ2050を閉じることができ、それによって今度はチップ部分2015および2025の各々を相互に連結でき、溶着材料2010および2020が単独の供給源からの同じ信号を共有する。スイッチ2050が開くと、チップ部分は(誘電材料またその他適当な手段を通じて)相互に電気的に絶縁され、両方の溶着材料を堆積させる予定の場合、これらは別々の電源から別々の信号を受け取る。あるいは、堆積作業中のある時点で、単独の溶着材料を堆積させればよいかもしれない。それゆえ、1つの電源だけが動作するが、スイッチ2050は安全のために開いて他方の溶着材料を絶縁する。切り換え機構2050は、チップ部分2015および2025を絶縁および接続できる何れのスイッチ構造とすることもでき、また、チップアセンブリ2000に統合しても、または希望によりアセンブリ2000から離してもよい。

0121

ここで、図21Aおよび21Bを参照すると、図19Bの溶着材料1900を使用する代表的なコンタクトアチップセンブリ1950の概略図が示されている。図21Aおよび21Bは、コンタクトチップアセンブリ1950の出口部分を見た図を示しており、図21Aは、圧縮されていない状態の溶着材料を示し、図21Bは圧縮された状態の溶着材料1900を示す。留意するべき点として、コンタクトチップアセンブリ1950に関する以下の説明は例示のためであり、当業者であれば、付加製造工程中に所望の堆積を実現するように所望により溶着材料1900を成形するために、他の構成と設計も使用できることがわかるであろう。

0122

図のように、コンタクトチップアセンブリ1950は溶着材料用開口部1951を有し、その中を溶着材料が通過する。開口部1951は正方形として示されているが、本発明の実施形態はこの点において限定されず、溶着材料1900がその圧縮された状態と圧縮されていない状態のどちらでも通過できるかぎり、他の形状も使用できる。図の実施形態において、アセンブリ1950は2対のコンタクトプランジャ1953および1955を有する。プランジャは図のように開口部1951に関して移動可能であり、それによってこれらは開口部の中へと延び、それゆえ、圧縮力を溶着材料1900に加えることができる。コンタクトプランジャ1953および1955は、1対のプランジャ1953が他の組のプランジャ1955の移動方向に対して垂直な方向に移動可能であるような向きとされる。それゆえ、図21Bに示されているように、プランジャ1953/1955は、所望の形状を実現するために望ましい方向に溶着材料1900を圧縮できる。プランジャの各組は、既知のアクチュエータ装置1956、例えばリニアアクチュエータその他を通じて移動させることができ、コントローラ195(これらの図には示さず)により制御できる。さらに、プランジャ1953/1955の各々は、溶着材料1900に加熱電流波形を供給するように構成され、それによって加熱電流がプランジャを介して溶着材料1900に供給される。1つのアクチュエータ1956とバイアス1957が図に示されているが、例示的実施形態はプランジャの各々について同様の構成要素を有するであろうことに留意する。

0123

図21Aに示されるように、圧縮されていない状態では、プランジャ1953/1955の各々は、溶着材料1900と接触して加熱電流を供給する。プランジャ1953/1955は、開口部1951に関して、溶着材料1900が確実にその自然な状態に保持されるような位置に保持される。すると、堆積中、(例えばコントローラによって)所望の堆積構成を実現するために溶着材料の幅を変更するべきである、すなわち必要に応じて溶着材料をより広く、またはより狭くするべきであると判断される。この情報に基づき、コントローラ195は、プランジャ1955を(アクチュエータ1956を介して)作動させ、図21Bに示されているように内側に移動して溶着材料1900を圧縮する。これに加えて、溶着材料1900の形状の変化に対応できるように、プランジャ1953を引き戻し、溶着材料の形状を変更できるようにする。しかしながら、例示的実施形態において、引き戻されたプランジャ1953はまだ溶着材料1900と接触しており、溶着材料1900を適正な位置に保持し、加熱電流を供給する。

0124

堆積工程中、溶着材料1900の形状は、プランジャを移動させることによって「その場で」変更し、所望の形状を実現できる。例えば、コントローラ195は、堆積中にプランジャ1953/1955を制御して、必要に応じて後退および伸展させ、溶着材料1900の形状を広い堆積から狭い堆積へと、またその逆へと、堆積工程を止めずに変更できる。

0125

前述のように、プランジャ1953/1955の移動/作動は、既知の何れのアクチュエータによっても実現でき、移動装置が所望の運動を起こさせる。いくつかの例示的実施形態において、プランジャの各対の(ここでは図示されない)各プランジャは、相互に機械的に連結して、その相対的な運動が相互に一貫した状態に保持されるようにすることができる。このような実施形態においては、各プランジャのために別々のアクチュエータを有するのではなく、単独のアクチュエータをそれぞれの対の各々について使用でき、機械的連結によってプランジャの各々が適切に移動する。

0126

さらに、前述のように、コントローラ195は構成するべき所望の形状に基づいてプランジャの作動を制御できる。別の例示的実施形態において、アセンブリ1950は堆積作業中に所望により回転させて、所望の形状を実現できる。すなわち、アセンブリ1950は回転モータおよび/またはロボットアーム(またはその他同様の運動装置)に連結でき、コントローラ195(またはその他のシステムコントローラ)は、アセンブリを必要に応じて回転させ、プランジャのうちの何れかを作動させて所望の溶着材料、およびそれゆえ堆積物、形状を実現できる。

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