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技術 アルギン酸ナトリウムゲル状食品及びその製造方法

出願人 有限会社高木商店
発明者 高木良樹清田純平
出願日 2016年3月16日 (5年3ヶ月経過) 出願番号 2016-051906
公開日 2016年10月13日 (4年8ヶ月経過) 公開番号 2016-178923
状態 特許登録済
技術分野 ゼリ-、ジャム、シロップ 穀類誘導製品3(麺類)
主要キーワード 打ち出し機 本製造システム 試験結果表 プチプチ 繊維紐 冷風吹き出し口 天然海藻 原料ゲル
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図面 (12)

課題

冷凍しても、再可食時に食感が低下しないアルギン酸ナトリウムゲル状食品の提供。

解決手段

アルギン酸ナトリウムを主成分とするゲル状食品であって、離水が抑制されたゲル状態であることを特徴とするゲル状食品。アルギン酸ナトリウムを主成分とするゲルが、アルギン酸ナトリウム水溶液塩化カルシウム水溶液又は乳酸カルシウム水溶液に浸漬して得たアルギン酸ナトリウムとを反応させたアルギン酸カルシウムゲルを、クエン酸ナトリウム酢酸ナトリウム乳酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム塩化ナトリウム塩化カリウム炭酸ナトリウムの群から選択されたナトリウム塩水溶液に浸漬して得られたゲル状食品。ノンカロリーであるゲル状食品。

概要

背景

従来、アルギン酸ナトリウムを使用した食品として、人工いくらあるいは海藻麺などがよく知られている。
アルギン酸ナトリウムは、食品の増粘剤ゲル化剤、安定剤として古くから利用されている添加物である。天然海藻から得られた物質で、アルギン酸とNaイオンの結合した塩であり、日本では指定添加物分類されている。
アルギン酸ナトリウムは粘性を発揮し、様々な食品の増粘剤として利用されている。増粘性は、アイスクリームの安定剤、パン物性改良剤などに利用されている。
また、アルギン酸ナトリウム水溶液カルシウム塩水溶液を接触させると、イオン架橋反応が起こり、ゲル化する性質を利用して、人工いくらや人工フカヒレ、海藻麺などに利用されている。
アルギン酸ナトリウムとカルシウム塩を反応させて作られたゲルは熱に対して安定で、ゼラチンカラギーナン寒天などと違って、加熱しても溶解しないので、殺菌などの目的で熱を加える工程が必要な食品では、この耐熱性のゲルが貴重である。
アルギン酸とその塩類の安全性は国連機関JECFA:FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)で評価され、ADI(一日許容摂取量)は「特定しない」という結果になっており、天然海藻由来のアルギン酸ナトリウムは、BSEや遺伝子組換え残留農薬等の影響のない安全な物質であるとされている。

アルギン酸ナトリウムを使用したゲル食品であって、海藻麺と称して市販されている製品には、冷凍と乾燥に不向きであるので、冷凍や乾燥はしないようにと注意書きしている物がある。
アルギン酸ナトリウムとカルシウム塩を反応させた麺状食品は、冷凍すると水分が離水し、解凍しても吸水復元することが無く、噛みきれないような硬さと紐状になってしまい、食品としては不向きになる。寒冷地あるいは冷蔵流通過程でも冷風吹き出し口付近などでも凍結することがあって、食品としての弱点となっている。
冷解凍によって、失われる水分を離水といい、冷凍前のゲル状食品の重量に対する離水した水量の比率離水率とする。
従来のアルギン酸ナトリウムを使用したゲル食品は、図6に示すように、冷解凍処理後は離水して、水分を失い繊維紐状となってしまい、食べられない状態となってしまう。

アルギン酸ナトリウムの耐熱性を備えた増粘剤として性質を使用した開発も種々提案されている。
特許文献1(特開2014−187952号公報)には、おからや豆乳などの大豆成分と1.5重量%程度のアルギン酸ナトリウムを含む原材料麺状成形し、その後、カルシウムイオンマグネシウムイオンを含む水溶液によって麺状材料をゲル化させた麺状食品が開示されている。結着性の低いおからなどに耐熱性の増粘剤として添加され、麺状に加熱成形され、糖質分0%の食品となる。
特許文献2(特開2015−42163号公報)には、寒天とアルギン酸を溶解した混合溶液を冷却して寒天ゲルを作り、寒天ゲルを塩化カルシウム溶液に浸漬し、その後塩化ナトリウム溶液に浸漬して得た物を乾燥したものは、吸水復元性に優れている旨記載されている。実施例1では、90℃のお湯で吸水復元試験をしており、低耐熱性の寒天が高温下において吸水復元が可能となっている。

概要

冷凍しても、再可食時に食感が低下しないアルギン酸ナトリウム製ゲル状食品の提供。アルギン酸ナトリウムを主成分とするゲル状食品であって、離水が抑制されたゲル状態であることを特徴とするゲル状食品。アルギン酸ナトリウムを主成分とするゲルが、アルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液又は乳酸カルシウム水溶液に浸漬して得たアルギン酸ナトリウムとを反応させたアルギン酸カルシウムゲルを、クエン酸ナトリウム酢酸ナトリウム乳酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム塩化ナトリウム塩化カリウム炭酸ナトリウムの群から選択されたナトリウム塩水溶液に浸漬して得られたゲル状食品。ノンカロリーであるゲル状食品。

目的

本発明は、冷凍しても、再可食時に食感が低下しないアルギン酸ナトリウム製ゲル状食品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

アルギン酸ナトリウムを主成分とするゲル状食品であって、離水が抑制されたゲル状態であることを特徴とするゲル状食品。

請求項2

アルギン酸ナトリウムを主成分とするゲルが、アルギン酸ナトリウム水溶液塩化カルシウム水溶液又は乳酸カルシウム水溶液に浸漬して得たアルギン酸ナトリウムとを反応させたアルギン酸カルシウムゲルを、クエン酸ナトリウム酢酸ナトリウム乳酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム塩化ナトリウム塩化カリウム炭酸ナトリウムの群から選択されたナトリウム塩水溶液に浸漬して得られたゲル状態であることを特徴とする請求項1記載のゲル状食品。

請求項3

解凍後離水率が30wt%未満に抑制されたゲル状態であることを特徴とする請求項1又は2記載のゲル状食品。

請求項4

冷解凍後の離水率が25wt%以内に抑制されたゲル状態であることを特徴とする請求項1又は2記載のゲル状食品。

請求項5

ノンカロリーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゲル状食品。

請求項6

麺状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゲル状食品。

請求項7

ダイエット用あるいは医療用であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゲル状食品。

請求項8

冷凍状態流通する冷凍食品であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゲル状食品。

請求項9

次のA〜Dの工程からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載されたゲル状食品。A工程:アルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液又は乳酸カルシウム水溶液に浸漬して、表層ナトリウムの一部をカルシウム置換して表層部カルシウム置換したゲル化生成物を得る凝固工程、B工程:前記表層部をカルシウム置換したゲル化生成物を塩化カルシウム水溶液に浸漬し、ゲル化生成物の内部まで凝固させた内部凝固生成物を得る工程、C工程:前記内部凝固生成物をナトリウム塩水溶液に浸漬して、カルシウムの一部をナトリウムに置換する工程、D工程:水に浸漬して水洗する工程。

請求項10

A工程において使用する水溶液濃度が0.08〜4.0wt%のアルギン酸ナトリウム水溶液、0.1〜30wt%の塩化カルシウム水溶液、0.5〜4wt%の乳酸カルシウム水溶液であり、C工程において使用するナトリウム塩水溶液が0.3〜2.5wt%水溶液であること、を特徴する請求項9記載のゲル状食品の製造方法。

請求項11

次のA、E、Dの工程からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載されたゲル状食品。A工程:アルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液又は乳酸カルシウム水溶液に浸漬して、表層のナトリウムの一部をカルシウムに置換して表層部カルシウム置換したゲル化生成物を得る凝固工程、E工程:前記表層部をカルシウム置換したゲル化生成物を内部までゲル化しつつ、ナトリウム塩水溶液に浸漬して、表層側のカルシウムの一部をナトリウムに置換する工程、D工程:水に浸漬して水洗する工程。

請求項12

A工程において使用する水溶液濃度が0.08〜4.0wt%アルギン酸ナトリウム水溶液、0.1〜30wt%塩化カルシウム水溶液、0.5〜4wt%乳酸カルシウム水溶液であり、E工程において使用するナトリウム塩水溶液が0.3〜2.5wt%水溶液であること、を特徴する請求項11記載のゲル状食品の製造方法。

請求項13

ナトリウム塩水溶液が、クエン酸三ナトリウム水溶液であることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載のゲル状食品の製造方法。

請求項14

A工程において、アルギン酸ナトリウム水溶液を小孔から吐出して麺状とすることを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のゲル状食品の製造方法。

請求項15

冷解凍後の離水率が30wt%以下であることを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載のゲル状食品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、アルギン酸ナトリウムを使用した食品に関する。

背景技術

0002

従来、アルギン酸ナトリウムを使用した食品として、人工いくらあるいは海藻麺などがよく知られている。
アルギン酸ナトリウムは、食品の増粘剤ゲル化剤、安定剤として古くから利用されている添加物である。天然海藻から得られた物質で、アルギン酸とNaイオンの結合した塩であり、日本では指定添加物分類されている。
アルギン酸ナトリウムは粘性を発揮し、様々な食品の増粘剤として利用されている。増粘性は、アイスクリームの安定剤、パン物性改良剤などに利用されている。
また、アルギン酸ナトリウム水溶液カルシウム塩水溶液を接触させると、イオン架橋反応が起こり、ゲル化する性質を利用して、人工いくらや人工フカヒレ、海藻麺などに利用されている。
アルギン酸ナトリウムとカルシウム塩を反応させて作られたゲルは熱に対して安定で、ゼラチンカラギーナン寒天などと違って、加熱しても溶解しないので、殺菌などの目的で熱を加える工程が必要な食品では、この耐熱性のゲルが貴重である。
アルギン酸とその塩類の安全性は国連機関JECFA:FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)で評価され、ADI(一日許容摂取量)は「特定しない」という結果になっており、天然海藻由来のアルギン酸ナトリウムは、BSEや遺伝子組換え残留農薬等の影響のない安全な物質であるとされている。

0003

アルギン酸ナトリウムを使用したゲル食品であって、海藻麺と称して市販されている製品には、冷凍と乾燥に不向きであるので、冷凍や乾燥はしないようにと注意書きしている物がある。
アルギン酸ナトリウムとカルシウム塩を反応させた麺状食品は、冷凍すると水分が離水し、解凍しても吸水復元することが無く、噛みきれないような硬さと紐状になってしまい、食品としては不向きになる。寒冷地あるいは冷蔵流通過程でも冷風吹き出し口付近などでも凍結することがあって、食品としての弱点となっている。
冷解凍によって、失われる水分を離水といい、冷凍前のゲル状食品の重量に対する離水した水量の比率離水率とする。
従来のアルギン酸ナトリウムを使用したゲル食品は、図6に示すように、冷解凍処理後は離水して、水分を失い繊維紐状となってしまい、食べられない状態となってしまう。

0004

アルギン酸ナトリウムの耐熱性を備えた増粘剤として性質を使用した開発も種々提案されている。
特許文献1(特開2014−187952号公報)には、おからや豆乳などの大豆成分と1.5重量%程度のアルギン酸ナトリウムを含む原材料麺状成形し、その後、カルシウムイオンマグネシウムイオンを含む水溶液によって麺状材料をゲル化させた麺状食品が開示されている。結着性の低いおからなどに耐熱性の増粘剤として添加され、麺状に加熱成形され、糖質分0%の食品となる。
特許文献2(特開2015−42163号公報)には、寒天とアルギン酸を溶解した混合溶液を冷却して寒天ゲルを作り、寒天ゲルを塩化カルシウム溶液に浸漬し、その後塩化ナトリウム溶液に浸漬して得た物を乾燥したものは、吸水復元性に優れている旨記載されている。実施例1では、90℃のお湯で吸水復元試験をしており、低耐熱性の寒天が高温下において吸水復元が可能となっている。

先行技術

0005

特開2014−187952号公報
特開2015−42163号公報

発明が解決しようとする課題

0006

アルギン酸ナトリウムを使用したゲル状食品は、冷凍に適さないため、寒冷地や冷蔵流通障害となる外、他の食材と混合して冷凍食品に使用することもできず、単品として流通し、海藻サラダなどの混合材料としての使用にとどまっている。
上記特許文献にあるようにアルギン酸ナトリウムと大豆調整物や寒天と混合した場合の活用法が提案されているが、アルギン酸ナトリウム製ゲルそのものの冷凍対策は解決されていない。

0007

本発明は、冷凍しても、再可食時に食感が低下しないアルギン酸ナトリウム製ゲル状食品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0008

本発明の発明者らは、鋭意研究を行った結果、アルギン酸ナトリウムと塩化カルシウムとの反応により調整したゲルを生成した後、ナトリウム塩を有する溶液中で処理して得たアルギン酸ナトリウムを主成分とするゲル状食品が、冷凍状態で離水が生じないこと知見して完成したものである。
本発明の主な構成は次のとおりである。
1.アルギン酸ナトリウムを主成分とするゲル状食品であって、離水が抑制されたゲル状態であることを特徴とするゲル状食品。
2.アルギン酸ナトリウムを主成分とするゲルが、アルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液又は乳酸カルシウム水溶液に浸漬して得たアルギン酸ナトリウムとを反応させたアルギン酸カルシウムゲルを、クエン酸ナトリウム酢酸ナトリウム乳酸ナトリウム炭酸水素ナトリウム塩化ナトリウム塩化カリウム炭酸ナトリウムの群から選択されたナトリウム塩水溶液に浸漬して得られたゲル状態であることを特徴とする1.記載のゲル状食品。
3.冷解凍後の離水率が30wt%未満に抑制されたゲル状態であることを特徴とする1.又は2.記載のゲル状食品。
4.冷解凍後の離水率が25wt%以内に抑制されたゲル状態であることを特徴とする1.又は2.記載のゲル状食品。
5.ノンカロリーであることを特徴とする1.〜4.のいずれかに記載のゲル状食品。
6.麺状であることを特徴とする1.〜5.のいずれかに記載のゲル状食品。
7.ダイエット用あるいは医療用であることを特徴とする1.〜6.のいずれかに記載のゲル状食品。
8.冷凍状態で流通する冷凍食品であることを特徴とする1.〜7.のいずれかに記載のゲル状食品。
9.次のA〜Dの工程からなることを特徴とする1.〜8.のいずれかに記載されたゲル状食品。
A工程:アルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液又は乳酸カルシウム水溶液に浸漬して、表層ナトリウムの一部をカルシウム置換して表層部カルシウム置換したゲル化生成物を得る凝固工程、
B工程:前記表層部をカルシウム置換したゲル化生成物を塩化カルシウム水溶液に浸漬し、ゲル化生成物の内部まで凝固させた内部凝固生成物を得る工程、
C工程:前記内部凝固生成物をナトリウム塩水溶液に浸漬して、カルシウムの一部をナトリウムに置換する工程、
D工程:水に浸漬して水洗する工程。
10.A工程において使用する水溶液濃度が0.08〜4.0wt%のアルギン酸ナトリウム水溶液、0.1〜30wt%の塩化カルシウム水溶液、0.5〜4wt%の乳酸カルシウム水溶液であり、
C工程において使用するナトリウム塩水溶液が0.3〜2.5wt%水溶液であること、
を特徴する9.記載のゲル状食品の製造方法。
11.次のA、E、Dの工程からなることを特徴とする1.〜8.のいずれかに記載されたゲル状食品。
A工程:アルギン酸ナトリウム水溶液を塩化カルシウム水溶液又は乳酸カルシウム水溶液に浸漬して、表層のナトリウムの一部をカルシウムに置換して表層部カルシウム置換したゲル化生成物を得る凝固工程、
E工程:前記表層部をカルシウム置換したゲル化生成物を内部までゲル化しつつ、ナトリウム塩水溶液に浸漬して、表層側のカルシウムの一部をナトリウムに置換する工程、
D工程:水に浸漬して水洗する工程。
12.A工程において使用する水溶液濃度が0.08〜4.0wt%アルギン酸ナトリウム水溶液、0.1〜30wt%塩化カルシウム水溶液、0.5〜4wt%乳酸カルシウム水溶液であり、
E工程において使用するナトリウム塩水溶液が0.3〜2.5wt%水溶液であること、
を特徴する11.記載のゲル状食品の製造方法。
13.ナトリウム塩水溶液が、クエン酸三ナトリウム水溶液であることを特徴とする9.〜12.のいずれかに記載のゲル状食品の製造方法。
14.A工程において、アルギン酸ナトリウム水溶液を小孔から吐出して麺状とすることを特徴とする9.〜13.のいずれかに記載のゲル状食品の製造方法。
15.冷解凍後の離水率が30wt%以下であることを特徴とする9.〜14.のいずれかに記載のゲル状食品の製造方法。

発明の効果

0009

1.本発明は、冷凍しても、離水せず再可食時に食感が良いアルギン酸ナトリウムを主成分とするゲル状食品を実現した。アルギン酸塩のみからなるゲル状固形食品であり、タンパク澱粉などの添加物が無く、添加混合による物性の変質摂食制限がないゲル状食品である。
2.他の食材と混合して、冷凍食品の形態で保存、流通させることができるので、他の食材との相性が改良させる。麺状、粒状、シート状などの形状に成形することができる。
3.ノンカロリー食品であり、ダイエット食品医療用食品に適している。
4.したがって、活用形態、用途、流通等が拡大する。
5.本発明では、冷解凍後の離水量を抑制から全く離水しない状態まで製造することができる。(1)アルギン酸ナトリウム0.08〜4.0wt%、乳酸カルシウム0.5〜4.0wt%、クエン酸ナトリウム0.3〜2.5wt%の組み合わせ、(2)アルギン酸ナトリウム0.08〜4.0wt%、塩化カルシウム0.1〜30.0wt%、クエン酸ナトリウム0.3〜2.5wt%の組み合わせが適していることが確認できた。
6.アルギン酸ナトリウムと乳酸カルシウムあるいは塩化カルシウムは反応させてゲル化し、その後ナトリウム塩処理を施すことにより、離水量を抑制できるゲル状食品を製造することができる。また、最初に作用させたカルシウムによる内部側のゲル化反応をさせつつ、表面側からナトリウム塩処理を作用させると、ゲル状食品の製造時間を短縮できる。

図面の簡単な説明

0010

ゲル状食品の基本製造工程を示す図
実施例1に関する麺線形状ゲル状食品の製造方法を示す図
実施例2に関する麺線形状ゲル状食品の製造方法を示す図
実施例3に関する麺線形状ゲル状食品の製造方法を示す図
本発明のゲル状食品の冷解凍試験状態を示す図
本発明のゲル状食品の冷解凍試験状態を示す図
(a)〜(e)は本発明に係るアルギン酸ナトリウムを使用した麺状食品の製造方法の各工程を示す図
同上麺状食品の冷凍前の状態を示す写真
同上麺状食品を冷凍後、解凍した状態を示す麺状食品の写真
従来のアルギン酸ナトリウムを使用した麺状食品の冷凍前の状態を示す写真
従来のアルギン酸ナトリウムを使用した麺状食品の冷凍後、解凍した状態を示す写真

実施例

0011

<本発明の概略を説明>
本発明は、アルギン酸ナトリウム水溶液を原料とする、冷凍し解凍してもゲル状態を維持するゲル状食品を製造する方法を開発し、そのゲル状態を維持できるアルギン酸ナトリウムを主成分とするゲル状食品である。アルギン酸ナトリウムは、昆布ワカメ等の褐藻類の天然海藻から得ることができる天然多糖類であり、アルギン酸とNaイオンの結合した塩である。
アルギン酸ナトリウム水溶液を、塩化カルシウムあるいは乳酸カルシウムを溶かした凝固液中に浸漬して、ゲル化し、その後ナトリウム塩で調整して得られたゲル状食品は、冷凍し、その後解凍しても離水が生ずることなく、凍結前の柔らかさを備えたゲル状を維持している。
特に、離水率が30%以上では、解凍後の食感が不良であって、離水による障害を改善することができない。冷解凍後の離水量を25%以内に抑制すると、触感の低下を伴わずに、良い食感を確保したゲル状食品を知見した。使用する化合物の分量と処理時間を工夫することにより、離水が生じないゲル状食品も実現できた。離水率が20〜25wt%の間では、製造方法によっては、触感が低下する例も見られるが、特に、離水率を20wt%以下とした場合、触感を良好に保つことができる。
本発明は、小麦粉、大豆、寒天などの食材を添加せずに、アルギン酸ナトリウムを出発主成分とするゲル状食品であって、熱量4Kcal/100g、脂質0%、糖質0%であって、とても低カロリーである。食品表示法上、「5Kcal未満は0Kcalと表示可能である」とされているので、「熱量0%、脂質0%、糖質0%」トリプル0%と食品表示が可能である。
ナトリウム塩で後処理をしない従来のアルギン酸ナトリウム原料ゲル状食品は、冷凍すると離水して、解凍しても離水状態は維持され、口当たりが悪く、劣化した状態となる。海藻麺などと称して製品化されているものは、冷凍を避けるように注意書きされているものがある。したがって、従来品は、サラダ材料、刺身の付け合わせなどの利用に限定され、家庭料理に使用しても冷凍することができず、また、冷凍食品の食材としても混合することができない物であった。
本発明が提供するアルギン酸ナトリウムを主とするゲル状食品は、冷凍可能であるので、他の食材と混合して冷凍保存することができ、耐熱性もあるので、解凍し、加熱調理することができるので、多種多様の広い用途に利用できる。
また、本発明のアルギン酸ナトリウムを主とするゲル状食品は、ノンカロリーであるので、糖質は無〜低含量、脂質も無〜低含量であって、ダイエット用食材あるいは医療用食材として利用することができる。
ゲル状食品の形態としては、線状、麺状、粒状、厚さ1〜20mm以下のシート状などである。30mmの厚みも一週間ほど時間をかければ作ることができるが、凝固収縮に伴う割れの発生などあって、食品の製造としては現実的はない。

0012

基本構成
本発明は、アルギン酸ナトリウム0.08〜4.0wt%の水溶液を出発原料とし、0.1〜30wt%以上の塩化カルシウム水溶液あるいは0.5〜4wt%以上の乳酸カルシウム液に浸漬して、凝固させてゲル化させる。ゲル化後クエン酸ナトリウム等のナトリウム塩水溶液に浸漬して、調整し、水洗して冷凍可能なゲル状食品とする。ナトリウム塩は0.3wt%以上である。
ナトリウム塩は、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化カリウム、乳酸ナトリウムなどである。
本発明において使用する材料は、アルギン酸ナトリウム、凝固剤となる塩化カルシウム、乳酸カルシウム、後処理剤であるナトリウム塩が基本である。その他、着色剤調味料などを添加することもできるが、任意である。

0013

組成、特性、物性>
本発明のゲル状食品は、アルギン酸ナトリウムを出発原料とし、小麦粉や大豆由来成分、寒天などを含まない。アルギン酸ナトリウムの分子量は、10000〜600000程度である。
本発明のゲル状食品は、アルギン酸ナトリウム、塩化カルシウム又は乳酸カルシウム、クエン酸ナトリウムなどのナトリウム塩を使用して製造される。
本発明のゲル状食品は、基本的には脂質0%、糖質0%である低カロリー食品である。
また、本発明のゲル状食品は、冷凍処理し、その後解凍しても、離水が抑えられた再調理可能な食品である。従来のアルギン酸ナトリウムを原料とするゲル状食品は、冷凍−解凍処理によって、離水が生じ、可食性を損なうが、本発明は、可食性を維持できるので、冷凍食品として提供することが可能である。
したがって、他の食材と混合して冷凍食品として提供できる。また、寒冷地や流通時の低温障害でも利用が可能である。

0014

本発明で使用するアルギン酸ナトリウムは、昆布、ワカメに代表される褐藻類の細胞間物質の主成分であって、乾燥藻体の30%〜60%(褐藻の種類や採取時期などによっても大きく異なる)含有されている。藻体中では、海中に含まれる様々な金属イオンと塩を形成し水に不溶の状態で存在(この場合はカルシウムイオンで代表される二価以上の陽イオンによって架橋構造をとっている)
次の構造で現される化合物である。

・C−6位がCOOHになったいわゆるウロン酸から構成される直鎖状酸性多糖類
・β−D−マンヌロン酸(M)とα−L−グルロン酸(G)のウロン酸からなる1,4結合のブロック共重合体
・MからなるMブロックとGからなるGブロック、両残基が交互に入り混じってMMM、
GGG、GMGM、からなる3つの型のセグメントから成り立っている

0015

本発明のゲル状食品が冷解凍可能である理由は定かではないが、可溶性であるアルギン酸ナトリウムがカルシウムと接触すると、イオン架橋反応が起こって、ゲル化するとされている。このゲルに保持されている自由水分が凍結によって、押し出され、解凍時に復元しないものと想定される。これに対して、イオン架橋反応させた後に、ナトリウムに接触させることによって、架橋の一部を緩め(解け)、ナトリウムが入り込んだ状態となって、凍結時も水を取り込んだ状態を維持するか、あるいは、解凍時に吸水復元するものと想定される。この現象は、まだ、分子レベル挙動としては解明していないが、有力な想定である。
この冷解凍の現象は、凝固過程で、塩化カルシウム水溶液に塩化ナトリウムを添加して調製した凝固液を使用したゲルでは、離水が発生することが確認されており、このようなゲルであっても、後処理としてナトリウム塩処理を施すと、離水が抑制され、冷解凍後も可食性を維持することができることが確認されている。

0016

アルギン酸ナトリウムは、0.08〜4.0wt%の水溶液が適している。0.05wt%では塩化カルシウムや乳酸カルシウムを作用させても、凝固しない。5.0wt%では、高粘度すぎて流動性が無く、成形性が悪い。アルギン酸ナトリウムが低濃度程離水率の影響は小さく、高濃度程、離水率が小さくても食感低下に影響が及ばず、結果が得られる。
塩化カルシウムは、0.1〜30wt%の水溶液が適している。0.05wt%ではアルギン酸ナトリウムを凝固させることができず、ゲル化できない。上限は、溶液として製造現場で使用できる実用上の上限値である。
乳酸カルシウムは、0.5〜4.0wt%の水溶液が適している。0.3wt%ではアルギン酸ナトリウムを凝固させることができず、ゲル化できない。上限は、溶液として製造現場で使用できる実用上の上限値である。
ナトリウム塩は、0.3〜2.5wt%の水溶液が適している。クエン酸ナトリウムの試験結果では、3wt%では、ゲルを溶解してしまい、ゲル状食品の形状を保つことができない。0.2wt%では、離水率の抑制を実現できない。なお、冷凍前の食感と冷解凍後の食感は共通していることが確認されている。

0017

バリエーション
アルギン酸ナトリウムをゲル化した食品は、麺線形状、シート形状、粒状などの形状にすることができる。
アルギン酸ナトリウムの水溶液濃度、凝固剤の濃度、ゲル化時間、後処理の時間などをコントロールすることにより、ゲルの硬さなどの物性を調整することができる。冷解凍による離水率を25wt%以下にすると、可食性を維持できることが判明した。成分、処理時間などを調整することにより、離水率を25wt%〜0wt%に抑制する技術を確立した。
ゲル状食品の形状によっても、これらの濃度や処理時間も調整することができる。
ゲル化は表面側から進むので、細い線材や薄いシートは、短時間に反応する。一方、厚みのある物は、表面と内部の反応差があるので、数段階に分けて進めるなどの工夫が必要である。強固剤濃度を薄くすると、ゲル化時間を緩和することができ、表面側と内部とのゲル化度の差を小さくして、均一性を向上させることができる。
表面側から内部に向かってゲル化が進行するので、表面をゲル化した後、内部ゲル化進行と平行して、表面側から後処理を作用させて、製造時間を短縮することもできる。
アルギン酸ナトリウム水溶液は粘稠性があり、ゲル状食品の性状、成形性に合わせて選択する。
また、ゲルの性状に影響がない限りにおいて、着色剤、保存剤などの添加剤を用いることができる。

0018

製法工程の要点
本発明の基本的なゲル状食品の製造工程を図1に示す。
アルギン酸ナトリウムを水やお湯に溶かして、水溶液を準備する。
A工程で、この水溶液を、塩化カルシウム(あるいは乳酸カルシウム)水溶液1を用いて、表層のゲル化を図る。
B工程で、塩化カルシウム(あるいは乳酸カルシウム)水溶液2を用いて、内層までゲル化を行う。
C工程で、クエン酸ナトリウムなどのナトリウム塩水溶液を用いて、後処理を行う。
D工程で、水洗を行う。
その後、出荷のための包装を行う。

0019

アルギン酸ナトリウムを水に溶かしたアルギン酸ナトリウム水溶液を調製する。アルギン酸アトリウムは、冷水温水溶けて、粘りのあるコロイド溶液となる。粘度は、濃度あるいは、アルギン酸ナトリウムの分子量が大きなものは高い。そして分子量10000〜600000程度のアルギン酸ナトリウムを0.3〜15wt%使用する。麺線状のゲルでは、0.3〜3.0wt%が好ましい。
試験結果では、アルギン酸アトリウム濃度が低いほど離水率が高くても食感の低下が小さく、濃度が高いと低い離水率でも食感の低下に大きく影響することが観察された。アルギン酸ナトリウムの濃度によってゲルの構造に微妙な違いがあるものと推測される。

0020

アルギン酸水溶液を凝固液(塩化カルシウム水溶液、又は、乳酸カルシウム水溶液)に浸漬して、ゲル化させる。低濃度カルシウム塩を用いると、ゲル化速度をゆっくりにすることができる。0.5wt%以上の濃度を使用し、ゲル化時間は任意であり、表面側がゲル化し、内部が未反応であっても、ハンドリングできる程度にゲル化した状態まで一次ゲル化させ、次の二次ゲル化操作に分けることもできる。
このゲル化工程は、例えば、アルギン酸水溶液を凝固液に滴下小径ノズルから凝固液中に押し出し、薄く幅広スリット状の開口からカーテンの様に押し出すなどの手法により、目的とする粒状、麺線状、シート状などのゲルの形状に成形することができる。
一次ゲル化においては、アルギン酸ナトリウム水溶液が連続的に投入されると、カルシウムイオンが急激に消費されて、カルシウムイオン濃度の低下することとなる。一次ゲル化槽から短時間に引き上げて、二次ゲル化槽へ移すことは製品の品質を安定することになる。麺線形状やシート形状は、エンドレスコンベアベルトによって、連続移送をすることができる。一次槽から二次槽への移送は、ざるなどを用いたバッチ処理をすることができる。ゲル化そのものはカルシウムイオンと遮断されることによって、停止するので、長時間でなければ、2次槽への移送に間が合っても良い。なお、付着したカルシウムイオンは内部に浸透し、内側のゲル化は少しずつ進行する。
二次ゲル化槽では、内部までゲル化が進む。
カルシウムイオンは、消費分を添加しつつ、濃度管理を行う。
二次槽では、ゲル化速度を調整するために、カルシウムイオン濃度を低くするとゆっくりしゲル化が進み、ムラが少なくなる。また、塩化ナトリウムなどを添加調製することによっても、ゲル化速度を低下させることができる。仕上がりが硬すぎる場合は、カルシウムイオンを低濃度にする、あるいは、柔らかすぎる場合はカルシウムイオンを高濃度にするなど、製造工程でフィードバックをかけて、品質調整を行うことができる。
表層ゲル化と内層ゲル化をA工程とB工程に分けて説明しているが、これを分離せずに一体にゲル化を行うことも可能である。

0021

ゲル化が一旦終了した後、0.03wt%以上のナトリウム塩水溶液に浸漬して、後調製する。処理時間は、1分〜60分間程度である。この時間はより長くても良いが、生産現場の管理上、あまり長くするのは不適切である。
ナトリウム塩としては、クエン酸ナトリウムが適しており、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化カリウム、乳酸ナトリウム等を0.5wt%以上使用することができる。
例えば、クエン酸ナトリウムは、0.3〜2.5wt%(1.0〜2.5wt%が特に好ましい)を使用する。

0022

その後、水洗いをして、余分な薬剤などを除去する。時間は、5分から24時間程度である。水洗いは、ナトリウム塩処理槽加水して希釈化しつつ行うこともできる。
水洗い後、出荷のための包装を行う。

0023

確認データ一覧>

0024

[試験例1]
試験例1は、塩化カルシウムを使用したアルギン酸ナトリウム製の麺線状ゲル状食品である、製造例を図2に示す。
濃度を調製したアルギン酸ナトリウム水溶液11を、直径2mmの小孔を多数設けた押し出し器11aを用いて、凝固液12を入れた槽A中に押し出す。凝固液として、濃度調製した塩化カルシウム水溶液を用いた。槽A中でアルギン酸ナトリウムは、投入直後からゲル化が進行し表層が凝固して線状態となった表層ゲル化線材N1となり、移動しつつ内層へゲル化が進行し内層ゲル化線材N2となって槽Aの終端から取り出される。槽Aの浸漬時間は、アルギン酸ナトリウム濃度、塩化カルシウム濃度で調整される。
別途塩化カルシウム水溶液調製タンク13を設け、槽Aに補充して、ゲル化反応によって低下するCaイオン濃度を維持する。
内層ゲル化線材N2を後処理槽Cに投入して、調製ゲル化線材N3とする。後処理液14として、調製したクエン酸三ナトリウムを使用した。浸漬時間は、1〜60分の間に設定した。
後処理槽Cから水洗槽Dに移して流水で10分間洗浄して、余分な薬剤分を落として、麺線状ゲル状食品N4とする。
麺線状ゲル状食品N4は、小分けして出荷用に包装16した包装麺線状ゲル状食品N5とする。
この包装麺線状ゲル状食品N5を、冷凍庫に入れて冷凍した後、解凍した。

0025

従来例として、アルギン酸ナトリウム2wt%水溶液を直径2mmの小孔から、塩化カルシウム5wt%水溶液に押し出し、30分間浸漬したのち水洗して得た麺線状ゲル状食品を用い、冷凍、解凍した。

0026

試験例1において、アルギン酸ナトリウム濃度、塩化カルシウム濃度、クエン酸三ナトリウム濃度及びこれらの薬剤槽浸漬時間を様々に設定した試験結果を表1に示す。
表1には、試験条件及び冷解凍後の離水率、食感を載せている。
離水率は、離水した水量を冷凍前のゲルの重量で割った値である。
食感は、麺線としてのしなやかさがある物を良「○」とし、しなやかさに欠け千切れる状態を不良「×」とした。
なお、冷解凍後の食感試験は、冷凍前の状態において、麺線状態として取り扱うことができるものに対して行っている。プチプチと千切れ易く、麺として扱うことができないものは除かれている。

0027

0028

0029

表1、表2の結果から、次のことが分かる。
アルギン酸ナトリウム濃度0.05wt%では、塩化カルシウム濃度を高くしても、ゲル化しない。アルギン酸ナトリウム濃度が5.0wt%では、高粘度となって、流動性が低く、成形ハンドリングが困難である。ゲル化して取り扱うことができるアルギン酸ナトリウム濃度は、0.08〜4.0wt%が適している。
また、塩化カルシウム濃度が0.05wt%では、アルギン酸ナトリウムの濃度に限らずゲル化しない。塩化カルシウム濃度は、溶解度も踏まえて、0.1〜30wt%を使用することができる。
クエン酸三ナトリウム濃度3.0wt%では、ゲルが溶解してしまう。クエン酸三ナトリウム濃度0.2wt%では、ゲル化するが、離水率が80wt%以上であり、ゲルが溶解してしまう。クエン酸三ナトリウム濃度は、0.3〜2.5wt%が適している。クエン酸三ナトリウム水溶液の浸漬時間1〜60分とする。長く浸漬することもできるが、製造時間に適した範囲で、選択することができる。
クエン酸三ナトリウム水溶液による後処理をしない従来例では、冷解凍した後の離水率は86wt%であり、食感が不良であった。
冷解凍試験の結果から、従来例よりも離水率が少なくなるのは、アルギン酸ナトリウム濃度が0.08〜4.0wt%、塩化カルシウム濃度が0.1〜30wt%、クエン酸三ナトリウム濃度が0.3〜2.5wt%である。
さらに、食感が維持できる範囲は、27wt%以下の離水率であって、食感が不良となるのは20wt%以上である。試験結果は、離水率20〜27wt%の範囲では、食感の良否が混在する結果である。アルギン酸ナトリウム濃度が低い方が、離水率が若干高くても食感は良い傾向が見られる。
本試験例によって得られた離水しない麺線状ゲル状食品の例を図5に示す。冷凍前の図5(a)と解凍後の図5(b)に変化は認められない。
これに対し、従来例の製造法によって得られた麺線状ゲル状食品の冷解凍前後の状態は図6に示すとおり、離水した解凍後では、とても細くなり、脱水して紐状になっている。
離水率を基準にして、食感が良好に保たれる冷凍可能なアルギン酸ナトリウムを原料とするゲル状食品を製造することができる。具体的には、アルギン酸ナトリウムの濃度、塩化カルシウム濃度、クエン酸三ナトリウム濃度を組合せ、時間を調整することにより、冷凍可能なゲル状食品を設定する。

0030

[試験例2]
試験例2は、試験例1における塩化カルシウムを乳酸カルシウムに変えて、製造したアルギン酸ナトリウム製の麺線状ゲル状食品である。
試験結果表3に示す。

0031

0032

表3の結果から、次のことが分かる。
アルギン酸の濃度に関しては、試験例1と同様にゲル化して取り扱うことができるアルギン酸ナトリウム濃度は、0.08〜4.0wt%が適している。
また、乳酸カルシウム濃度が0.3wt%では、アルギン酸ナトリウムの濃度に限らずゲル化しない。塩化カルシウム濃度は、5wt%では溶けず溶解限界である。ゲル化に適した濃度は、0.5〜4.0wt%である。
クエン酸三ナトリウム濃度に関しても、試験例1と同様に0.3〜2.5wt%が適している。浸漬時間が1〜60分が適切である。
表2に示す従来例では、冷解凍した後の離水率は86wt%であり、食感が不良であった。
冷解凍試験の結果から、従来例よりも離水率が少なくなるのは、アルギン酸ナトリウム濃度が0.08〜4.0wt%、乳酸カルシウム濃度が0.5〜4.0wt%、クエン酸三ナトリウム濃度が0.3〜2.5wt%である。
さらに、食感が維持できる範囲は、27wt%以下の離水率であって、食感が不良となるのは31wt%以上である。乳酸カルシウムを用いた試験結果は、離水率30wt%当たりに食感の良否の区別が認められる。
離水率を基準にして、食感が良好に保たれる冷凍可能なアルギン酸ナトリウムを原料とするゲル状食品を製造することができる。具体的には、アルギン酸ナトリウムの濃度、乳酸カルシウム濃度、クエン酸三ナトリウム濃度を組合せ、時間を調整して冷凍可能なゲル状食品を設定する。

0033

[試験例3]
試験例3は、塩化カルシウムを使用したアルギン酸ナトリウム製の麺線状ゲル状食品である。製造例を図3に示す。
濃度を調製したアルギン酸ナトリウム水溶液21を、直径2mmの小孔を多数設けた押し出し器21aを用いて、凝固液22を入れた槽A中に押し出す。凝固液として、濃度調製した塩化カルシウム水溶液を用いた。槽A中でアルギン酸ナトリウムは、投入直後からゲル化が進行し表層が凝固して線状態となった表層ゲル化線材N1となるまで浸漬する。表層ゲル化は、内部はゲル化していないが、線材として取り扱うことができる状態になることである。
表層ゲル化線材N1を調整したクエン酸三ナトリウム水溶液を入れた槽Bに浸漬する。槽Bにおいて、内部に浸透していく塩化カルシウムによって内層までゲル化N2が進行し、表面側からクエン酸三ナトリウムが作用して、後処理が進んで調整ゲル化線材N3となる。
クエン酸三ナトリウム水溶液中に30分浸漬した。
槽Bを移動して、槽Cの位置で加水しながら、洗浄を行い余分な薬剤分を落として、麺線状ゲル状食品N4とする。
麺線状ゲル状食品N4は、小分けして出荷用に包装16した包装麺線状ゲル状食品N5とする。
この包装麺線状ゲル状食品N5を、冷凍庫に入れて、冷凍した後、解凍した。
試験結果を表4に示す。

0034

0035

表4の結果から、次のことが分かる。
試験例1と同様にアルギン酸ナトリウム濃度、塩化カルシウム濃度、クエン酸ナトリウム濃度の適性傾向が認められた。
表2に示すクエン酸三ナトリウム水溶液による後処理をしない従来例の離水率は86%を基準に評価しても、試験例1の結果と同様に、冷解凍試験の結果から、従来例よりも離水率が少なくなるのは、アルギン酸ナトリウム濃度が0.08〜4.0wt%、塩化カルシウム濃度が0.1〜30wt%、クエン酸三ナトリウム濃度が0.3〜2.5wt%である。
さらに、食感が維持できる範囲は、24wt%以下の離水率であって、食感が不良となるのは27wt%以上である。試験結果は、離水率25wt%付近に冷凍食品としての良否の区別が認められる。
この結果から、表層をゲル化させた後、内層側のゲル化進行と、表層側のクエン酸三ナトリウム処理を平行して進めても、冷解凍による離水率を抑制し、食感を維持できるゲル状食品を製造できることがわかる。
離水率を基準にして、食感が良好に保たれる冷凍可能なアルギン酸ナトリウムを原料とするゲル状食品を製造することができる。具体的には、アルギン酸ナトリウムの濃度、塩化カルシウム濃度、クエン酸三ナトリウム濃度を組合せ、時間を調整することにより、冷凍可能なゲル状食品を設定する。

0036

[試験例4]
試験例4は、試験例3における塩化カルシウムを乳酸カルシウムに替えて、製造したアルギン酸ナトリウム製の麺線状ゲル状食品である。
試験結果表5に示す。

0037

0038

表5の結果から、次のことが分かる。
試験例2と同様にアルギン酸ナトリウム濃度、乳酸カルシウム濃度、クエン酸3ナトリウム濃度の適性傾向が認められた。
表2に示すクエン酸三ナトリウム水溶液による後処理をしない従来例の離水率は86%を基準に評価しても、試験例2の結果と同様に、冷解凍試験の結果から、従来例よりも離水率が少なくなるのは、アルギン酸ナトリウム濃度が0.08〜4.0wt%、乳酸カルシウム濃度が0.5〜4.0wt%、クエン酸三ナトリウム濃度が0.3〜2.5wt%である。
食感が維持できる範囲は、23wt%以下の離水率であって、食感が不良となるのは25wt%以上である。試験結果は、離水率25wt%付近に冷凍食品としての良否の区別が認められる。
離水率を基準にして、食感が良好に保たれる冷凍可能なアルギン酸ナトリウムを原料とするゲル状食品を製造することができる。具体的には、アルギン酸ナトリウムの濃度、乳酸カルシウム濃度、クエン酸三ナトリウム濃度を組合せ、時間を調整することにより、冷凍可能なゲル状食品を設定する。

0039

試験例1〜4の結果から、アルギン酸ナトリウム濃度が0.08〜4.0wt%、塩化カルシウム濃度が0.1〜30wt%又は乳酸カルシウム濃度が0.5〜4.0wt%、クエン酸三ナトリウム濃度が0.3〜2.5wt%の範囲で、離水が抑制されたゲル状食品が得られることを示している。
離水率は、30wt%以下に抑えると食感が良好に保たれ、25wt%以下にすることが好ましく、特に20wt%以下が優れていることが分かる。

0040

[実施態様1]
実施態様として、アルギン酸ナトリウム製の麺線状ゲル状食品の製造システムの例を図4に示す。
本製造システムは、処理槽を連接した連続製造方法である。
装置構成は、吐出器ベルトコンベア、5種類の回転バケット付き槽から構成される。
回転バケット付き槽は、槽の後端側に回転軸を設けたバケットを備えており、前工程から受け入れた材を処理後、バケットを軸回転させて、次工程へ送るシステムである。
具体的な製造工程は、次のとおりである。
吐出ノズル10aを多数設けた打ち出し機31から、下流に向けて水流を設けた表層凝固液の槽32に吐出し、連続した表層ゲル化麺状線材N1とし、下端側に配置したベルトコンベア41で掬い上げて、内層凝固液の槽33に移す。その後、水洗槽34で水洗を行って、後処理液の槽35に移し、その後、2番目の水洗槽36で水洗し、麺線状ゲル状食品N4とし、包装工程37で包装麺線状ゲル状食品N5を完成する。

0041

[実施態様2]
以下、本発明の実施態様2に係るアルギン酸ナトリウムを使用した麺状食品の製造方法について説明する(図7参照)。

0042

<工程>
(第1工程 混合)
まず、原材料として1.8wt%アルギン酸ナトリウム水溶液1を作成する(図7(a)参照)。

0043

(第2工程打ち出し)
次に、上記アルギン酸ナトリウム水溶液1を3wt%塩化カルシウム水溶液2に吐出し、麺状に凝固(ゲル化)させる(図7(b)参照)。ここで麺状に凝固した麺状ゲル化物を麺状体3という。

0044

上記吐出は、上記塩化カルシウム水溶液2内において、上記アルギン酸ナトリウム水溶液1を複数の小孔(例えば直径1mm程度)から吐出することにより、細い麺状のゲル化物である麺状体3を生成する。

0045

(第3工程カルシウム浸漬)
次に、上記麺状体3を上記3wt%塩化カルシウム水溶液2に30分以上浸漬し、麺状体3の内部まで確実に凝固(ゲル化)させる(図7(c)参照)。この段階で麺状に凝固したものを麺状体4という。

0046

(第4工程ナトリウム浸漬)
次に、上記塩化カルシウム水溶液2から上記麺状体4を取り出し、当該麺状体4を、0.7wt%クエン酸三ナトリウム水溶液5に20分間浸漬する(図7(d)参照)。この段階の浸漬が終了した麺状体を麺状体6という。

0047

(第5工程水浸漬)
次に、上記麺状体6を上記クエン酸三ナトリウム水溶液から取り出し、上記麺状体6を水7に15分間浸漬し(図7(e)参照)、ナトリウムとカルシウムを抜いて反応を止める。

0048

以上の工程を経て、製造された麺を上記水7から取り出すことにより、麺状食品8を製造することができる(図7(e)参照)。

0049

上記図7(a)〜(e)に示す第1工程〜第5工程により得られたアルギン酸ナトリウムを使用した麺状食品8を図8に示す。この麺状体は各1本の面の内部に多くの水分を含んでいることがわかる。

0050

この麺状食品8を一旦冷凍した後、解凍した状態の麺状食品8’を図9に示す。解凍後の麺状食品8’は、各1本の麺の内部に水分を含有していることがわかる。この解凍後の麺状食品8’の各1本の麺の水分の含有量は冷凍前と略同様であり、食用に供することができる。

0051

(比較例)
従来の製法により製造されたアルギン酸を使用した麺状食品9を図10に示す。この麺状食品9は冷凍前は、本発明に係る麺状食品8と同様に、各1本の麺の内部に水分を含んでいることがわかる。

0052

この麺状食品9を冷凍した後、解凍した後の麺状食品9’を図11に示す。従来の麺状食品9を解凍すると、冷凍した時点で離水が生じているため、解凍後の麺には水分はほとんど存在せず、各1本の麺は極めて細い糸状の麺となり、もはや食用には供することができないものとなる。

0053

以上のように、本発明の製造法により得られたアルギン酸ナトリウムを使用した麺状食品8は、冷凍・凍結したときに従来生じていた離水が殆ど生じないので、解凍後も冷凍・凍結前の十分に水分を含んだ状態に戻すことができ、解凍後も麺状食品としての良好な食感を得ることができる。

0054

よって、アルギン酸ナトリウムを使用した麺状食品でありながら、冷凍食品として販売することができるという効果を奏するものである。

0055

本発明のアルギン酸ナトリウムを使用したゲル状食品であって、冷凍食品として販売が可能である。低エネルギー食材として利用でき、アルギン酸ナトリウムを使用したゲル状食品としての用途、商品バリエーション、販売形態等を飛躍的に拡大することができるものである。

0056

1アルギン酸ナトリウム
2塩化カルシウム水溶液
3 第2工程の麺状食品
4 第3工程の麺状食品
5クエン酸三ナトリウム水溶液
6 第4工程の麺状食品
7 水
8 麺状食品
9 麺状食品
11、21アルギン酸ナトリウム水溶液
11a、21a押し出し器
12、22表層凝固液
13 凝固液
14、23後処理液
15、24 水
16、26包装
10a吐出ノズル
31打ち出し機
32 表層凝固液槽
33内層凝固液槽
34水洗槽
35 後処理液槽
36 水洗槽
37包装工程
41ベルトコンベア

N1 表層ゲル化線材
N2 内層ゲル化線材
N3 調製ゲル化線材
N4麺線状ゲル状食品
N5包装麺線状ゲル状食品

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