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技術 分光測定装置、画像形成装置、及び分光測定方法

出願人 セイコーエプソン株式会社
発明者 金井政史鍬田直樹
出願日 2015年3月23日 (5年1ヶ月経過) 出願番号 2015-059382
公開日 2016年10月6日 (3年6ヶ月経過) 公開番号 2016-176910
状態 特許登録済
技術分野 インクジェット(インク供給、その他) 各種分光測定と色の測定
主要キーワード 較正用データ 外光センサー 駆動信号値 分光デバイス 初期光源 較正位置 外光光量 受光制御回路
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

外光光量による測定精度の低下を抑制し、かつ迅速な分光測定が実施可能な分光測定装置画像形成装置、及び分光測定方法を提供する。

解決手段

分光測定装置を内蔵するプリンターは、媒体Aに対して照明光出射する光源、及び媒体からの入射光分光する波長可変干渉フィルターを含む分光器17と、媒体Aに入射する外光の光量を検出する外光センサー18と、照明光及び外光の光量比が第一値となるように光源から出射される照明光の光量を制御する光量制御手段として機能するCPU154と、を備えた。

概要

背景

従来、カラープリンター等の画像形成装置において、ユーザーが所望するカラー画像を高精度に形成するために、画像形成装置で形成されたカラー画像(カラーパッチ等)を測色し、測色結果を画像形成処理フィードバックする装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の装置では、測定対象に対して光源からの光を照射し、測定対象で反射された光を測色器入射させて測色処理を行う。この際、媒体に画像を形成するプリンターヘッドに測色器を搭載させ、プリンターヘッドを走査させることで、簡素な構成で、媒体上のカラー画像を測色することができる。

概要

外光光量による測定精度の低下を抑制し、かつ迅速な分光測定が実施可能な分光測定装置、画像形成装置、及び分光測定方法を提供する。分光測定装置を内蔵するプリンターは、媒体Aに対して照明光出射する光源、及び媒体からの入射光分光する波長可変干渉フィルターを含む分光器17と、媒体Aに入射する外光の光量を検出する外光センサー18と、照明光及び外光の光量比が第一値となるように光源から出射される照明光の光量を制御する光量制御手段として機能するCPU154と、を備えた。

目的

本発明は、外光光量による測定精度の低下を抑制し、かつ迅速な分光測定を実施可能な分光測定装置、画像形成装置、及び分光測定方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

測定対象に対して照明光出射する光源、及び前記測定対象からの入射光分光する分光素子を含む分光器と、外光の光量を検出する外光検出部と、前記照明光と前記外光との光量比が第一値となるように前記照明光の光量を制御する光量制御部と、を備えたことを特徴とする分光測定装置

請求項2

請求項1に記載の分光測定装置において、前記光量制御部は、較正基準物を前記測定対象として前記分光器を用いた分光測定を実施した際の前記外光と前記照明光との光量比を前記第一値とすることを特徴とする分光測定装置。

請求項3

請求項1又は請求項2に記載の分光測定装置において、較正基準物を前記測定対象として前記分光器を用いた分光測定を実施した際の第一測定値と、測定物を前記測定対象として前記分光器を用いた分光測定を実施した際の第二測定値と、前記較正基準物の分光測定時における前記照明光及び前記外光のうちの一方の光量に基づく第一光量値と、前記測定物の分光測定時における前記照明光及び前記外光のうちの前記一方の光量に基づく第二光量値と、に基づいて前記測定物の反射率を算出する反射率算出部を備えたことを特徴とする分光測定装置。

請求項4

請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の分光測定装置において、前記分光素子は、波長可変型ファブリーペローエタロン素子であることを特徴とする分光測定装置。

請求項5

請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の分光測定装置と、画像形成対象に画像を形成する画像形成部と、を備えたことを特徴とする画像形成装置

請求項6

測定対象に対して照明光を出射する光源、及び前記測定対象からの入射光を分光する分光素子を含む分光器と、前記測定対象に入射する外光の光量を検出する外光検出部と、を有する分光測定装置における分光測定方法であって、前記照明光と前記外光との光量比が第一値となるように前記照明光の光量を制御する光量制御工程を実施することを特徴とする分光測定方法。

請求項7

請求項6に記載の分光測定方法において、較正基準物を前記測定対象として前記分光器を用いた分光測定を実施し、第一測定値を取得する第一測定工程と、測定物を前記測定対象として前記分光器を用いた分光測定を実施し、第二測定値を取得する第二測定工程と、前記第二測定値を、前記第一測定工程における前記外光及び前記照明光のうちの一方の光量に基づく第一光量値と、前記第二測定工程における前記外光及び前記照明光のうちの前記一方の光量に基づく第二光量値と、前記第一測定値と、に基づいて補正する補正工程と、を含み、前記第一測定工程及び前記第二測定工程の各々は、前記光量制御工程を含むことを特徴とする分光測定方法。

技術分野

0001

本発明は、分光測定装置画像形成装置、及び分光測定方法等に関する。

背景技術

0002

従来、カラープリンター等の画像形成装置において、ユーザーが所望するカラー画像を高精度に形成するために、画像形成装置で形成されたカラー画像(カラーパッチ等)を測色し、測色結果を画像形成処理フィードバックする装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の装置では、測定対象に対して光源からの光を照射し、測定対象で反射された光を測色器入射させて測色処理を行う。この際、媒体に画像を形成するプリンターヘッドに測色器を搭載させ、プリンターヘッドを走査させることで、簡素な構成で、媒体上のカラー画像を測色することができる。

先行技術

0003

特開2010−210456号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、測定対象に対する測色を実施する場合、光源からの照明光以外に外光測定物に入射する場合がある。このような場合、外光成分混入により測定誤差が発生するとの課題がある。
一方、測定物を測定する前に、例えば白色基準板等の基準物に対する分光測定を実施することで、基準物に入射される外光及び照明光の総光量を取得する較正処理を実施し、測定物に対して分光測定を実施した際の測定値と、前記総光量とを用いて、測定物の測色処理を実施することも考えられる。しかしながら、外光の光量は、例えば室内照明オンオフ時間経過、画像形成装置の正面に人が立つ等によって変動する。したがって、例えば複数の測定物に対する分光測定を実施する場合では、各分光測定において測定物に入射する光の総光量がそれぞれ異なる値になる可能性がある。各分光測定を実施する毎に、前記較正処理を実施することも考えらえるが、この場合、測定に係る時間が長くなるとの課題もある。

0005

本発明は、外光光量による測定精度の低下を抑制し、かつ迅速な分光測定を実施可能な分光測定装置、画像形成装置、及び分光測定方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の一適用例に係る分光測定装置は、測測定対象に対して照明光を出射する光源、及び前記測定対象からの入射光分光する分光素子を含む分光器と、外光の光量を検出する外光検出部と、前記照明光と前記外光との光量比が第一値となるように前記照明光の光量を制御する光量制御部と、を備えたことを特徴とする。

0007

本適用例では、光量制御部は、外光と照明光との光量比が第一値となるように、光源から出射される照明光の光量を制御する。つまり、外光の光量が増大すれば、それに応じて、光源からの照明光の光量も増大される。
このような分光測定装置では、測定対象に対して照射される外光と照明光との光量比が常に一定となるので、当該光量比に基づいて、分光測定時の測定結果補正すれば、外光光量の変動による影響を抑制した精度の高い分光測定を実施できる。また、外光光量の変動毎に較正基準物に対する測定を実施する必要がなく、迅速な分光測定を実施することができる。

0008

本適用例の分光測定装置は、前記光量制御部は、較正基準物を前記測定対象として前記分光器を用いた分光測定を実施した際の前記外光と前記照明光との光量比を前記第一値とすることが好ましい。
本適用例では、較正基準物に対する分光測定を実施した際の外光の光量(第一外光量)及び照明光の光量(第一照明光量)との比を第一値とする。そして、以降の任意の測定物に対する分光測定を実施する際に、光量比が第一値となるように光源を調整する。これにより、例えば分光測定装置の設置場所等の周囲環境が大きく変動した場合でも、その環境に応じて、外光と照明光との光量比が一定となるように、光源を制御できる。
例えば自然光太陽光)が外光として入射される場合と、屋内等で暗い蛍光灯の光が外光として入射される場合とでは外光の光量が大きく異なる。このような場合に、予め設定された第一値となるように光源からの照明光の光量を調整すると、例えば光源からの照明光の光量を最小値に設定しても光量比が第一値にならない場合や、光照明光の光量を最大値に設定しても光量比が第一値にならない場合が生じる可能性がある。これに対して、本適用例では、周囲環境に応じた最適な第一値に基づいて光源からの照明光の光量が調整されるので、上述のような問題が発生せず、適正な分光測定を実施することができる。

0009

本適用例の分光測定装置において、較正基準物を前記測定対象として前記分光器を用いた分光測定を実施した際の第一測定値と、測定物を前記測定対象として前記分光器を用いた分光測定を実施した際の第二測定値と、前記較正基準物の分光測定時における前記照明光及び前記外光のうちの一方の光量に基づく第一光量値と、前記測定物の分光測定時における前記照明光及び前記外光のうちの前記一方の光量に基づく第二光量値と、に基づいて前記測定物の反射率を算出する反射率算出部を備えていることが好ましい。
なお、第一光量値、第二光量値としては、例えば、外光検出部から出力される外光光量に応じた出力信号値、出力信号値に応じて算出された外光の光量値、光源から出射された照明光の光量値、光源を駆動させるための駆動信号値等が挙げられる。
本適用例では、反射率算出部は、任意の測定物に対する分光測定により得られる第二測定結果を、較正基準物に対する分光測定により得られる第一測定結果及び第一光量値と、任意の測定物に対する分光測定を実施した際の第二光量値とに基づいて補正する。
一般に反射率は第二測定値を第一測定値で除した値となるが、較正時と測定時において、測定対象に入射される光の総光量が変化すると測定誤差が生じる。これに対して、本適用例では、上述のように、外光と照明光との光量比が一定となるように光源が制御されるため、較正時と測定時とで前記分光波長の光の総光量が変動した場合でも、較正時の第一光量値と測定時の第二光量値が判れば、光量の変動率を算出できる。したがって、光量の変動率に応じて容易に第二測定値を補正することができ、外光の光量が変動した場合でも、精度の高い分光測定を実施することができる。

0010

本適用例の分光測定装置において、前記分光素子は、波長可変型ファブリーペローエタロン素子であることが好ましい。
本適用例では、分光素子として波長可変型のファブリーペローエタロン素子を用いる。このようなエタロン素子は、例えばAOTF(Acousto-Optic Tunable Filter)やLCTF(Liquid crystal tunable filter)等の他の分光素子を用いる場合に比べて、安価で、かつ、小型化であるため、分光測定装置のコストダウン及び小型化を図れる。また、分光波長を変更可能であるため、例えば所定の測定対象波長域における複数の波長の光に対する分光測定を簡素な構成で容易に実施することができる。

0011

本発明の一適用例に係る画像形成装置は、上記のような分光測定装置と、画像形成対象に画像を形成する画像形成部と、を備えたことを特徴とする。
本適用例では、画像形成部により、カラーパッチ等の基準色画像を画像形成対象に形成した上で、分光測定装置により、形成された基準色画像に対する高精度な分光測定を行うことができる。よって、形成された基準色画像の色が、画像形成部に指令した色と同じ色であるか否かを高精度に判定することができ、異なる場合には、分光測定結果に応じて画像形成部にフィードバックすることができる。

0012

本発明の一適用例に係る分光測定方法は、測定対象に対して照明光を出射する光源、及び前記測定対象からの入射光を分光する分光素子を含む分光器と、前記測定対象に入射する外光の光量を検出する外光検出部と、を有する分光測定装置における分光測定方法であって、前記照明光と前記外光との光量比が第一値となるように前記照明光の光量を制御する光量制御工程を実施することを特徴とする。
本適用例では、分光測定装置を用いた分光測定方法において、照明光と外光との光量比が第一値となるように(一定となるように)光源から出射される照明光の光量を制御する光量制御工程を実施する。したがって、上述した適用例と同様に、分光測定時の測定結果を照明光又は外光の光量により容易に補正することができ、外光光量の変動による影響を抑制した精度の高い分光測定を実施できる。また、外光光量の変動毎に較正基準物に対する測定を実施する必要がなく、迅速な分光測定を実施することができる。

0013

本適用例の分光測定方法では、較正基準物を前記測定対象として前記分光器を用いた分光測定を実施し、第一測定値を取得する第一測定工程と、測定物を前記測定対象として前記分光器を用いた分光測定を実施し、第二測定値を取得する第二測定工程と、前記第二測定値を、前記第一測定工程における前記外光及び前記照明光のうちの一方の光量に基づく第一光量値と、前記第二測定工程における前記外光及び前記照明光のうちの前記一方の光量に基づく第二光量値と、前記第一測定値と、に基づいて補正する補正工程と、を含み、前記第一測定工程及び前記第二測定工程の各々は、前記光量制御工程を含むことが好ましい。

0014

本適用例では、第一測定工程、第二測定工程、及び補正工程を実施して、上記適用例と同様に、第二測定値を、第一測定値と、第一光量値と、第二光量値と、に基づいて補正する。
したがって、本適用例においても、較正時と測定時とで前記分光波長の光の総光量が変動した場合であっても、較正時と測定時におけるそれぞれの外光の光量(又は照明光の光量)が判れば、光量の変動率を算出でき、光量の変動率に応じて容易に第二測定値を精度よく補正することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明に係る第一実施形態のプリンター外観の構成を示す斜視図。
第一実施形態のプリンターの概略構成を示すブロック図。
第一実施形態の分光器の構成を示す概略図。
第一実施形態の波長可変干渉フィルター(分光素子)を備えた分光デバイスの概略を示す断面図。
第一実施形態におけるプリンターのCPUの機能構成を示したブロック図。
第一実施形態のプリンターの分光測定方法を示すフローチャート
本発明の変形例における外光センサーの位置を示す図。

実施例

0016

以下、本発明に係る一実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明の画像形成装置の一例として、分光測定装置を備えたプリンター10(インクジェットプリンター)について、以下説明する。

0017

[プリンターの概略構成]
図1は、第一実施形態のプリンター10の外観の構成例を示す図である。図2は、本実施形態のプリンター10の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、プリンター10は、供給ユニット11、搬送ユニット12と、キャリッジ13と、キャリッジ移動ユニット14と、制御ユニット15(図2参照)と、を備えている。このプリンター10は、例えばパーソナルコンピューター等の外部機器20から入力された印刷データに基づいて、各ユニット11,12,14及びキャリッジ13を制御し、媒体A(本発明の測定対象及び画像形成対象)上に画像を印刷する。また、本実施形態のプリンター10は、予め設定された較正用印刷データに基づいて媒体A上の所定位置に測色用のカラーパッチを形成し、かつ当該カラーパッチに対する分光測定を行う。これにより、プリンター10は、カラーパッチに対する実測値と、較正用印刷データとを比較して、印刷されたカラー色ずれがあるか否か判定し、色ずれがある場合は、実測値に基づいて色補正を行う。
以下、プリンター10の各構成について具体的に説明する。

0018

供給ユニット11は、画像形成対象となる媒体A(本実施形態では、紙面を例示)を、画像形成位置に供給するユニットである。この供給ユニット11は、例えば媒体Aが巻装されたロール体111(図1参照)、ロール駆動モーター(図示略)、及びロール駆動輪列(図示略)等を備える。そして、制御ユニット15からの指令に基づいて、ロール駆動モーターが回転駆動され、ロール駆動モーターの回転力がロール駆動輪列を介してロール体111に伝達される。これにより、ロール体111が回転し、ロール体111に巻装された紙面がY方向(副走査方向)における下流側(+Y方向)に供給される。
なお、本実施形態では、ロール体111に巻装された紙面を供給する例を示すがこれに限定されない。例えば、トレイ等に積載された紙面等の媒体Aをローラー等によって例えば1枚ずつ供給する等、如何なる供給方法によって媒体Aが供給されてもよい。

0019

搬送ユニット12は、供給ユニット11から供給された媒体Aを、Y方向に沿って搬送する。この搬送ユニット12は、搬送ローラー121と、搬送ローラー121と媒体Aを挟んで配置され、搬送ローラー121に従動する従動ローラー(図示略)と、プラテン122と、を含んで構成されている。
搬送ローラー121は、図示略の搬送モーターからの駆動力が伝達され、制御ユニット15の制御により搬送モーターが駆動されると、その回転力により回転駆動されて、従動ローラーとの間に媒体Aを挟み込んだ状態でY方向に沿って搬送する。また、搬送ローラー121のY方向の下流側(+Y側)には、キャリッジ13に対向するプラテン122が設けられている。

0020

キャリッジ13は、媒体Aに対して画像を印刷する印刷部16と、媒体A上の所定の測定位置(測定範囲)の分光測定を行う分光器17と、外光の光量を測定する外光センサー18と、備えている。
このキャリッジ13は、キャリッジ移動ユニット14によって、Y方向と交差する主走査方向(X方向)に沿って移動可能に設けられている。
また、キャリッジ13は、フレキシブル回路131により制御ユニット15に接続され、制御ユニット15からの指令に基づいて、印刷部16による印刷処理(媒体Aに対する画像形成処理)及び、分光器17による光量測定処理を実施する。
なお、キャリッジ13の詳細な構成については後述する。

0021

キャリッジ移動ユニット14は、本発明における移動手段を構成し、制御ユニット15からの指令に基づいて、キャリッジ13をX方向に沿って往復移動させる。
このキャリッジ移動ユニット14は、例えば、キャリッジガイド軸141と、キャリッジモーター142と、タイミングベルト143と、を含んで構成されている。
キャリッジガイド軸141は、X方向に沿って配置され、両端部がプリンター10の例えば筐体に固定されている。キャリッジモーター142は、タイミングベルト143を駆動させる。タイミングベルト143は、キャリッジガイド軸141と略平行に支持され、キャリッジ13の一部が固定されている。そして、制御ユニット15の指令に基づいてキャリッジモーター142が駆動されると、タイミングベルト143が正逆走行され、タイミングベルト143に固定されたキャリッジ13がキャリッジガイド軸141にガイドされて往復移動する。

0022

次に、キャリッジ13に設けられる印刷部16、分光器17、及び外光センサー18の構成について説明する。
[印刷部(画像形成部)の構成]
印刷部16は、本発明の画像形成部であり、媒体Aと対向する部分に、インクを個別に媒体A上に吐出して、媒体A上に画像を形成する。
この印刷部16は、複数色のインクに対応したインクカートリッジ161が着脱自在に装着されており、各インクカートリッジ161からインクタンク(図示略)にチューブ(図示略)を介してインクが供給される。また、印刷部16の下面(媒体Aに対向する位置)には、インク滴を吐出するノズル(図示略)が、各色に対応して設けられている。これらのノズルには、例えばピエゾ素子が配置されており、ピエゾ素子を駆動させることで、インクタンクから供給されたインク滴が吐出されて媒体Aに着弾し、ドットが形成される。

0023

[分光器の構成]
図3は、分光器17の概略構成を示す断面図である。
分光器17は、図3に示すように、光源部171と、分光デバイス172、受光部173と、導光部174と、を備えている。
この分光器17は、光源部171から媒体A上に照明光を照射し、媒体Aで反射された光を、導光部174により分光デバイス172に入射させる。そして、分光デバイス172は、この反射光から所定波長の光を出射(透過)させて、受光部173により受光させる。また、分光デバイス172は、制御ユニット15の制御に基づいて、透過波長を選択可能であり、可視光における各波長の光の光量を測定することで、媒体A上の測定位置Rの分光測定が可能となる。

0024

[光源部の構成]
光源部171は、光源171Aと、集光部171Bとを備える。この光源部171は、光源171Aから出射された照明光を測定位置Rに、媒体Aの表面に対する法線方向から照射する。
光源171Aとしては、可視光域における各波長の光を出射可能な光源が好ましい。このような光源171Aとして、例えばハロゲンランプキセノンランプ、白色LED等を例示できる。また、この光源171Aは、制御ユニット15の制御により駆動電圧が変更されることで、照射する照明光の光量変更が可能に構成されている。
集光部171Bは、例えば集光レンズ等により構成され、光源171Aからの光を測定位置Rに集光させる。なお、図3においては、集光部171Bでは、1つのレンズ(集光レンズ)のみを表示するが、複数のレンズを組み合わせて構成されていてもよい。

0025

[分光デバイスの構成]
図4は、分光デバイス172の概略構成を示す断面図である。
分光デバイス172は、筐体6と、筐体6の内部に収納された波長可変干渉フィルター5(分光素子)とを備えている。

0026

(波長可変干渉フィルターの構成)
波長可変干渉フィルター5は、波長可変型のファブリーペローエタロン素子であり、本発明における分光素子を構成する。本実施形態では、波長可変干渉フィルター5が筐体6に収納された状態で分光器17に配置される例を示すが、例えば波長可変干渉フィルター5が直接分光器17に配置される構成などとしてもよい。
この波長可変干渉フィルター5は、図4に示すように、透光性固定基板51及び可動基板52を備え、これらの固定基板51及び可動基板52が、接合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。固定基板51には、エッチングにより形成された第一溝部511、及び第一溝部511より溝深さが浅い第二溝部512が設けられ、第一溝部511には固定電極561が、第二溝部512には固定反射膜54がそれぞれ設けられている。固定反射膜54は、例えばAg等の金属膜、Ag合金等の合金膜高屈折層及び低屈折層を積層した誘電体多層膜、又は、金属膜(合金膜)と誘電体多層膜を積層した積層体により構成されている。

0027

可動基板52は、可動部521と、可動部521の外に設けられ、可動部521を保持する保持部522とを備えている。可動部521の固定基板51に対向する面には、固定電極561に対向する可動電極562と、固定反射膜54に対向する可動反射膜55とが設けられている。可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。
そして、上記のような波長可変干渉フィルター5では、固定電極561及び可動電極562により静電アクチュエーター56が構成され、この静電アクチュエーター56に電圧印加することで、固定反射膜54及び可動反射膜55間のギャップGの間隔寸法を変更することが可能となる。また、可動基板52の外周部(固定基板51に対向しない領域)には、固定電極561や可動電極562と個別に接続された複数の電極パッド57が設けられている。

0028

[筐体の構成]
筐体6は、図4に示すように、ベース61と、ガラス基板62と、を備えている。これらのベース61及びガラス基板62は、例えば低融点ガラス接合等により接合されることで、内部に収容空間が形成されており、この収容空間内に波長可変干渉フィルター5が収納される。

0029

ベース61は、例えば薄板状のセラミックを積層することで構成され、波長可変干渉フィルター5を収納可能な凹部611を有する。波長可変干渉フィルター5は、ベース61の凹部611の例えば側面に固定材64により固定されている。ベース61の凹部611の底面には、光通過孔612が設けられ、この光通過孔612を覆うカバーガラス63が接合されている。
また、ベース61には、波長可変干渉フィルター5の電極パッド57に接続される内側端子部613が設けられており、この内側端子部613は、導通孔614を介して、ベース61の外側に設けられた外側端子部615に接続されている。この外側端子部615は、制御ユニット15に電気的に接続されている。

0030

[受光部及び導光光学系の構成]
図3戻り、受光部173は、波長可変干渉フィルター5の光軸上に配置され、当該波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光する。そして、受光部173は、制御ユニット15の制御に基づいて、受光量に応じた検出信号電流値)を出力する。なお、受光部173により出力された検出信号は、I−V変換器(図示略)、増幅器(図示略)、及びAD変換器(図示略)を介して制御ユニット15に入力される。
導光部174は、反射鏡174Aと、バンドパスフィルター174Bとを備えている。
この導光部174は、測定位置Rで、媒体Aの表面に対して45°で反射された光を反射鏡174Aにより、波長可変干渉フィルター5の光軸上に反射させる。バンドパスフィルター174Bは、可視光域(例えば380nm〜720nm)の光を透過させ、紫外光及び赤外光の光をカットする。これにより、波長可変干渉フィルター5には、可視光域の光が入射されることになり、受光部173において、可視光域における波長可変干渉フィルター5により選択された波長の光が受光される。

0031

[外光センサーの構成]
外光センサー18は、本発明の外光検出部であり、印刷部16及び分光器17と共にキャリッジ13に設けられ、外光の光量を測定する。
この外光センサー18は、図3に示すように、例えば、分光器17の分光器筐体175におけるプラテン122側の端部に設けられている。また、外光センサー18の光軸L1は、媒体Aの表面と略平行(XY方向に対し略平行)で、かつ測定位置Rとは逆側の方向からの外光が入射するように配置されている。これにより、光源部171からの照明光の入射を抑制でき、かつ、媒体Aの測定位置R近傍に入射する外光を測定できる。なお、外光センサー18の光軸が僅かに上方に(例えば図3における左上方向)に傾いて配置されていてもよい。この場合、媒体Aにて反射された外光の入射をより抑制できる。

0032

[制御ユニットの構成]
制御ユニット15は、図2に示すように、I/F151と、ユニット制御回路152と、メモリ153と、CPU(Central Processing Unit)154と、を含んで構成されている。
I/F151は、外部機器20から入力される印刷データをCPU154に入力する。
ユニット制御回路152は、供給ユニット11、搬送ユニット12、印刷部16、光源171A、波長可変干渉フィルター5、受光部173、外光センサー18、及びキャリッジ移動ユニット14をそれぞれ制御する制御回路を備えており、CPU154からの指令信号に基づいて、各ユニットの動作を制御する。なお、各ユニットの制御回路が、制御ユニット15とは別体に設けられ、制御ユニット15に接続されていてもよい。

0033

メモリ153は、プリンター10の動作を制御する各種プログラムや各種データが記憶されている。
各種データとしては、例えば、波長可変干渉フィルター5を制御する際の、静電アクチュエーター56への印加電圧に対する、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長を示したV−λデータ、印刷データとして含まれる色データに対する各インクの吐出量を記憶した印刷プロファイルデータ等が挙げられる。
また、メモリ153には、光源171Aに印加する光源電流に対して、光源171Aから出射される照明光の光量(照明光量)を記録した光源制御用データが記憶されている。
さらに、光源171Aの各波長に対する発光特性や、受光部173の各波長に対する受光特性受光感度特性)等が記憶されていてもよい。

0034

図5は、プリンター10の制御ユニット15のCPU154の機能構成を示したブロック図である。
CPU154は、メモリ153に記憶された各種プログラムを読み出し実行することで、図5に示すように、走査制御手段154A、印刷制御手段154B、光量制御手段154C、測定制御手段154D、測色手段154E、及びキャリブレーション手段154F等として機能する。

0035

走査制御手段154Aは、供給ユニット11、搬送ユニット12、及びキャリッジ移動ユニット14を駆動させる旨の指令信号をユニット制御回路152に出力する。これにより、ユニット制御回路152は、供給ユニット11のロール駆動モーターを駆動させて、媒体Aを搬送ユニット12に供給させる。また、ユニット制御回路152は、搬送ユニット12の搬送モーターを駆動させて、媒体Aの所定領域をプラテン122のキャリッジ13に対向する位置まで、Y方向に沿って搬送させる。また、ユニット制御回路152は、キャリッジ移動ユニット14のキャリッジモーター142を駆動させて、キャリッジ13をX方向に沿って移動させる。

0036

印刷制御手段154Bは、例えば外部機器20から入力された印刷データに基づいて、印刷部16を制御する旨の指令信号をユニット制御回路152に出力する。印刷制御手段154Bからユニット制御回路152に指令信号が出力されると、ユニット制御回路152は、印刷部16に印刷制御信号を出力し、ノズルに設けられたピエゾ素子を駆動させて媒体Aに対してインクを吐出させる。なお、印刷を実施する際は、キャリッジ13がX方向に沿って移動されて、その移動中に印刷部16からインクを吐出させてドットを形成するドット形成動作と、媒体AをY方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、複数のドットから構成される画像を媒体Aに印刷する。

0037

光量制御手段154Cは、本発明の光量制御部を構成し、外光センサー18からの検出信号(外光量)に応じて、光源171Aに印加する駆動電流(又は駆動電圧)を制御し、光源部171から出射される照明光の光量を調整する。光量制御手段154Cにおける詳細な処理内容は後述する。
測定制御手段154Dは、分光測定処理を実施する。具体的には、測定制御手段154Dは、波長可変干渉フィルター5を透過させる光の波長に対する静電アクチュエーター56への駆動電圧を、メモリ153のV−λデータから読み出し、ユニット制御回路152に指令信号を出力する。これにより、ユニット制御回路152は、波長可変干渉フィルター5に指令された駆動電圧を印加し、波長可変干渉フィルター5から所望の透過波長の光が透過される。
また、測定制御手段154Dは、受光部173からの受光信号(受光量)を取得し、静電アクチュエーター56に印加した電圧(若しくは当該電圧に対応する波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長)と関連付けてメモリ153に記憶する。

0038

測色手段154Eは、本発明の反射率算出部を構成し、分光測定により得られた複数波長の光に対する受光量を補正し、補正された受光量に基づいて測定位置Rの各波長に対する反射率を算出する。また、測色手段154Eは、算出された反射率に基づいて、測定位置Rに対する色度を測定する。
なお、測色手段154Eによる、反射率の算出処理についての詳細な説明は後述する。
キャリブレーション手段154Fは、測色手段154Eによる測色結果に基づいて、印刷プロファイルデータを補正(更新)する。

0039

[分光測定方法]
次に、本実施形態のプリンター10における分光測定方法について、図面に基づいて説明する。
図6は、プリンター10における分光測定方法を示すフローチャートである。
ここでは、プリンター10による分光測定処理として、例えば印刷部16により印刷された複数のカラーパッチに対する分光測定処理を実施する例を説明する。すなわち、各カラーパッチが本発明における測定物となる。
本例の分光測定処理は、例えばユーザー操作や外部機器20からの入力により、分光測定処理を実施する旨の指令を受け付ける(ステップS1)。ステップS1にて指令が受け付けられると、走査制御手段154Aは、搬送ユニット12及びキャリッジ移動ユニット14を制御して、カラーパッチが配置されたライン上にキャリッジ13が位置するように媒体AをY方向に沿って搬送させ、さらに、キャリッジ13を較正位置(例えば−X側端部)に移動させる(ステップS2)。
較正位置は、後述の較正用データ取得処理を実施するための位置であって、媒体A(白色紙面)においてカラーパッチが設けられていない白色領域となる。すなわち、本実施形態では、この白色領域が本発明における較正基準物に相当する。なお、較正基準物としてはこれに限定されず、例えば、各波長に対する反射率が既知となる較正基準物を別途設置してもよい。また、例えばプラテン122の一部に反射率が既知となる白色基準体を設け、当該白色基準体を本発明の較正基準物としてもよい。

0040

この後、制御ユニット15は、分光測定結果を補正するための較正用データを取得する較正用データ取得処理を実施する。
この較正用データ取得処理では、まず、測定制御手段154Dは、外光センサー18からの検出信号を取得する(ステップS3)。また、測定制御手段154Dは、取得した検出信号の信号値を第一外光量D(0)としてメモリ153に記憶する。なお、本実施形態では、検出信号の信号値を第一外光量D(0)としたが、これに限定されない。例えば、外光センサー18から出力される検出信号と外光光量とは比例関係となるので、信号値に基づいて外光の光量を測定し、当該外光の光量を第一外光量D(0)として記憶してもよい。

0041

次に、光量制御手段154Cは、予め設定された初期光源電流を光源171Aに印加して、光源171Aから初期光源電流I(0)に応じた照明光を出射させる(ステップS4)。つまり、光量制御手段154Cは、光源171Aから初期光源電流I(0)に応じた第一照明光量P(0)の照明光を出射させる。

0042

この後、測定制御手段154Dは、較正位置に対する分光測定処理を実施し、例えば400nmから700nmの可視光域における20nm間隔となる16バンド測定波長の光の光量を測定する(ステップS5:第一測定工程)。
すなわち、測定制御手段154Dは、メモリ153に記憶されたV−λデータに基づいて、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に駆動電圧を印加する。これにより、測定位置Rから分光器17に反射した反射光のうち、波長可変干渉フィルター5の反射膜54、55のギャップ寸法に応じた測定波長の光が透過され、受光部173にて受光され、その受光量に応じた受光信号が制御ユニット15に入力される。
また、測定制御手段154Dは、V−λデータを参照して、静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧を順次変更して、受光部173にて受光される光の波長を順次切り替える。これにより、例えば16バンドの測定波長に対する受光信号を取得することができる。本実施形態では、各測定波長に対する受光信号を第一測定値Eλ(0)として、メモリ153に記憶する。

0043

次に、走査制御手段154Aは、搬送ユニット12及びキャリッジ移動ユニット14を制御して、カラーパッチ上に測定位置Rが位置するように、キャリッジ13を移動させる。(ステップS6)。
そして、測定制御手段154Dは、外光センサー18にて外光を検出し、外光センサー18から入力された検出信号を取得する(ステップS7)。また、取得した検出信号の信号値を第二外光量D(t)としてメモリ153に記憶する。なお、上記のように、例えば外光センサー18から出力される検出信号に基づいて外光の光量を測定する場合では、当該外光の光量を第二外光量D(t)としてもよい。

0044

この後、光量制御手段154Cは、メモリ153に記録された第一外光量D(0)、第二外光量D(t)、及び初期光源電流に対する第一照明光量P(0)に基づいて、カラーパッチの測定時において光源部171から測定位置Rに照射させる照明光の光量を調整する(ステップS8:光量制御工程)
このステップS8では、光量制御手段154Cは、較正用データ取得処理における第一外光量D(0)と第一照明光量P(0)との比を第一値として、分光測定時における第二外光量D(t)と第二照明光量P(t)との比が上記第一値となるように、光源171Aを制御する。具体的には、光量制御手段154Cは、以下の式(1)に示すように、カラーパッチの分光測定時において光源171Aから出射させる照明光の光量(第二照明光量P(t))を算出する。そして、光量制御手段154Cは、光源制御用データに基づいて、算出した第二照明光量P(t)に対応した光源電流I(t)を取得し、当該光源電流I(t)を光源171Aに印加する。
したがって、外光の光量が増減すれば、それに応じて照明光の光量も増減することになり、常に外光と照明光との光量比が一定値(第一値)に維持される。

0045

[数1]
P(t)=P(0)×D(t)/D(0) ・・・(1)

0046

この後、測定制御手段154Dは、カラーパッチに対する分光測定処理を実施する(ステップS9:第二測定工程)。このステップS9は、ステップS5と同様であり、測定制御手段154Dは、例えば400nmから700nmの可視光域における20nm間隔となる16バンドの測定波長の光の光量を測定する。
すなわち、測定制御手段154Dは、メモリ153に記憶されたV−λデータに基づいて、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に駆動電圧を印加し、受光部173から出力された受光信号を取得する。また、測定制御手段154Dは、V−λデータを参照して、静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧を順次変更して、受光部173にて受光される光の波長を順次切り替える。本実施形態では、ステップS9で得られた各測定波長に対する受光信号を第二測定値Eλ(t)として、メモリ153に記憶する。
この後、測定制御手段154Dは、光源171Aを消灯させる(ステップS10)。

0047

次に、測色手段154Eは、カラーパッチに対する測色処理を実施する(ステップS11:補正工程)。
具体的には、測色手段154Eは、下記式(2)に示すように、ステップS9にて取得した各測定波長に対する第二測定値Eλ(t)と、ステップS5にて取得した第一測定値Eλ(0)と、第一外光量D(0)と、第二外光量D(t)と、を用いて反射率Rλ(t)を算出する。

0048

[数2]
Rλ(t)=D(0)Eλ(t)/D(t)Eλ(0)
=P(0)Eλ(t)/P(t)Eλ(0)
=I(0)Eλ(t)/I(t)Eλ(0)・・・(2)

0049

なお、本実施形態では、本発明の第一光量値X(0)及び第二光量値X(t)として、それぞれ第一外光量D(0)及び第二外光量D(t)を用いたが、これに限定されない。すなわち、本実施形態では、外光及び照明光の光量比が一定となるように光源171Aからの照明光の光量が調整されているので、上記式(2)に示すように、本発明の第一光量値X(0)及び第二光量値X(t)として、それぞれ第一照明光量P(0)及び第二照明光量P(t)を用いてもよく、光源171Aの初期光源電流I(0)及び光源電流I(t)を用いてもよい。その他、外光センサー18からの検出信号に基づいて算出された外光の光量を用いてもよい。

0050

また、測色手段154Eは、各測定波長の反射率Rλ(t)から、さらに測色値(例えばXYZ値、L*a*b*値等)を算出し、メモリ153に記憶する。
さらに、測色手段154Eは、算出した分光反射率や測色値を外部機器20やプリンター10に設けられたディスプレイ等に出力して表示させたり、印刷部16を制御して測色結果を印刷させたりしてもよい。

0051

この後、測定制御手段154Dは、未測定対象があるか否かを判定する(ステップS12)。
ステップS12においてYesと判定された場合、ステップS6に戻り、走査制御手段154Aは、搬送ユニット12やキャリッジ移動ユニット14を制御して、分光器17における測定位置Rを次のカラーパッチに移動させる。
また、ステップS12において、Noと判定された場合は処理を終了させる。この場合、キャリブレーション手段154Fにより、各カラーパッチの測色結果に基づいて、メモリ153に記憶された印刷プロファイルデータを更新する。

0052

[本実施形態の作用効果
本実施形態のプリンター10は、光源171A、及び波長可変干渉フィルター5を有する分光器17と、外光センサー18とを有する。また、制御ユニット15のCPU154は、光量制御手段154Cとして機能し、当該光量制御手段154Cは、外光センサー18により検出される外光の光量と、光源171Aから出射される照明光の光量との比が第一値(一定値)となるように、光源171Aを制御して照明光を出射させる。
このように、外光と照明光との光量比が常に一定になるように制御することで、カラーパッチに対する分光測定を実施した際の第二測定値Eλ(t)を当該光量比に基づいて補正すれば、外光光量の変動による測定誤差を抑制した高精度な分光測定処理及び測色処理を実施できる。また、カラーパッチの測定の度に較正データ取得処理を実施する必要がないので、迅速な分光測定処理を実現することができる。

0053

本実施形態では、光量制御手段154Cは、較正データ取得処理における外光と、較正データ取得処理における照明光との光量比を第一値として、カラーパッチの分光測定時において、光量比が当該第一値となるように照明光の光量を調整する。すなわち、式(1)に基づいて、第二照明光量P(t)を算出し、当該第二照明光量P(t)に対応する光源電流I(t)を光源171Aに印加する。
これにより、上述のように、外光と照明光との光量比を一定に維持することができるとともに、例えばプリンター10の設置場所等の周囲環境が変動した場合でも、その環境に応じた光源制御を行うことができる。

0054

本実施形態では、測色手段154Eは、第一測定値Eλ(0)、第二測定値Eλ(t)、第一外光量D(0)、第二外光量D(t)を用いて、式(2)により各測定波長に対する反射率を算出する。
本実施形態では、上記のように、外光の光量変動が生じた場合でも、外光及び照明光の光量比が一定となるように光源171Aを制御する。したがって、測定位置Rに照射される光の総光量の変動率D(t)/D(0)(=P(t)/P(0)=I(t)/I(0))に基づいて、式(2)に示すように、各測定波長に対する反射率を容易に補正することができる。

0055

本実施形態では、分光素子として波長可変型のファブリーペローエタロン素子である波長可変干渉フィルター5を用いている。このような波長可変干渉フィルター5は、例えばAOTFやLCTF、グレーティング等の他の分光素子を用いる場合に比べて、安価で、かつ、小型化であるため、分光器17のコストダウン及び小型化を図れる。したがって、プリンター10のキャリッジ13に印刷部16と一体化して搭載させることができ、プリンター10の構成も簡素化できる。

0056

本実施形態では、媒体Aに対して画像を形成する印刷部16を備えたプリンター10に、分光器17を搭載し、媒体Aに対する分光測定を実施する。そして、キャリブレーション手段154Fは、分光測定結果から算出された各測定波長の反射率や色度に基づいて、印刷プロファイルデータを更新する。
このようなプリンター10では、上述のように、カラーパッチに対して高精度な分光測定を実施でき、精度の高い測色処理を行うことができる。したがって、当該測色処理の測色結果に基づいて印刷プロファイルデータを更新することで、印刷部16によりユーザーが所望する色度を高精度に再現した画像を形成することができる。

0057

本実施形態では、分光器17の分光器筐体175のプラテン122側に外光センサー18が設けられている。このため、媒体A近傍に入射する(媒体Aと分光器17との間に入射する)外光を外光センサー18により検出することができる。
また、外光センサー18は、光軸L1が媒体Aの表面と略平行(XY方向に対し略平行)で、かつ測定位置Rとは逆側の方向から入射する外光が入射するように配置されている。したがって、光源部171からの照明光が外光センサー18に入射される不都合を抑制でき、外光成分のみを適切に検出することができる。

0058

[その他の実施形態]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。

0059

(変形例1)
上記実施形態において、式(1)に基づいて第二照明光量P(t)を算出し、当該第二照明光量P(t)に対応した光源電流I(t)を光源制御用データから読み出して光源171Aに印加したが、これに限定されない。
例えば、光源電流を外光センサー18からの検出信号に比例して増減させる構成としてもよい。つまり、較正用データ取得処理において、第一外光量D(0)を検出し、かつ、初期光源電流I(0)にて光源171Aを駆動させる。その後、カラーパッチの測定時において、第二外光量D(t)が検出されると、光源171Aに印加する光源電流I(t)をI(t)=I(0)×D(t)/D(0)として照明光を出射させる。
この場合でも、光源電流に比例して照明光の光量が増減するため、実質、上記実施形態と同様の処理が行われることになる。

0060

(変形例2)
上記実施形態において、外光センサー18の配置位置として、分光器筐体175の側面におけるプラテン122側端部で、光軸がXY平面と略平行、かつ光源部171からの照明光の入射がない位置としたが、これに限定されない。
図7は、外光センサー18の配置位置の他の例を示す分光器の概略断面図である。
図7(A)に示すように、外光センサー18としては、分光器17におけるプラテン122と対向する面に設けられていてもよい。なお、光源部171からの照明光の入射を抑制するために、図7(B)に示すように、光軸L1を測定位置Rから離れる方向に傾けてもよい。また、別途照明光の入射を抑制するための遮光部を外光センサー18の測定位置R側に配置してもよい。
このように、外光センサー18を分光器17におけるプラテン122と対向する面に設けることで、分光器17と媒体Aとの間に入り込んだ外光(測定位置Rに入射する外光)の光量をより精度よく検出できる。

0061

(変形例3)
上記実施形態において、制御ユニット15において、ユニット制御回路152が設けられる構成を例示したが、上記のように、各制御ユニットが制御ユニット15とは別体で、各ユニットにそれぞれ設けられていてもよい。例えば、分光器17に波長可変干渉フィルター5を制御するフィルター制御回路、受光部173を制御する受光制御回路が設けられる構成としてもよい。また、分光器17に、マイコンやV−λデータを記憶した記憶メモリが内蔵され、当該マイコンが光量制御手段154C、測定制御手段154Dとして機能してもよい。

0062

(変形例4)
上記実施形態において、印刷部16として、インクタンクから供給されたインクを、ピエゾ素子を駆動させて吐出させるインクジェット型の印刷部16を例示したが、これに限定されない。例えば、印刷部16としては、ヒーターによりインク内に気泡を発生させてインクを吐出する構成や、超音波振動子によりインクを吐出させる構成としてもよい。
また、インクジェット方式のものに限定されず、例えば熱転写方式を用いたサーマルプリンターや、レーザープリンタードットインパクトプリンター等、如何なる印刷方式のプリンターに対しても適用できる。

0063

(変形例5)
上記実施形態において、波長可変干渉フィルター5として、入射光から反射膜54,55間のギャップGに応じた波長の光を透過させる光透過型の波長可変干渉フィルター5を例示したが、これに限定されない。例えば、反射膜54、55間のギャップGに応じた波長の光を反射させる光反射型の波長可変干渉フィルターを用いてもよい。また、その他の形式の波長可変干渉フィルターを用いてもよい。
また、分光素子として、波長可変干渉フィルター5を例示したがこれに限定されない。分光素子としては、例えば、グレーティング、AOTF、LCTF等を用いてもよい。

0064

(変形例6)
上記各実施形態において、筐体6に波長可変干渉フィルター5が収納された分光デバイス172を例示したが、波長可変干渉フィルター5が直接分光器17に設けられる構成などとしてもよい。

0065

(変形例7)
さらに、波長可変干渉フィルター5を備えた分光デバイス172が、導光部174から受光部173の間に設けられる構成(後分光)を例示したがこれに限定されない。
例えば、光源部171内に波長可変干渉フィルター5、若しくは、波長可変干渉フィルター5を備えた分光デバイス172を配置し、波長可変干渉フィルター5により分光された光を媒体Aに照射する構成(前分光)としてもよい。

0066

(変形例8)
分光器17として、媒体Aに対する法線方向から光源部171の光を照射し、媒体Aにより45°で反射された光を導光部174により波長可変干渉フィルター5に入射させる構成例を示したが、これに限定されない。
例えば、媒体Aの表面に対して45°の角度で光を入射させ、媒体Aの法線方向に反射された光を、波長可変干渉フィルター5を介して受光部173で受光させる構成としてもよい。
また、媒体Aを45°で反射する光を、波長可変干渉フィルター5を介して受光部173で受光したが、例えば30°等、45°以外で反射された光を受光してもよい。すなわち、媒体Aにて正反射された光が受光部173に受光されないように、受光部173及び波長可変干渉フィルター5の光軸の角度を設定すればよい。

0067

(変形例9)
上記各実施形態において、分光測定装置を備えたプリンター10を例示したが、これに限定されない。例えば、画像形成部を備えず、媒体Aに対する測色処理のみを実施する分光測定装置であってもよい。また、例えば工場等において製造された印刷物品質検査を行う品質検査装置に、本発明の分光測定装置を組み込んでもよく、その他、如何なる装置に本発明の分光測定装置を組み込んでもよい。

0068

その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。

0069

5…波長可変干渉フィルター(分光素子)、10…プリンター(画像形成装置)、13…キャリッジ、15…制御ユニット、16…印刷部、17…分光器、18…外光センサー(外光検出部)、153…メモリ、154…CPU、154A…走査制御手段、154B…印刷制御手段、154C…光量制御手段(光量制御部)、154D…測定制御手段、154E…測色手段(反射率算出部)、171…光源部、171A…光源、172…分光デバイス、173…受光部、A…媒体(測定対象及び画像形成対象)、R…測定位置。

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