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技術 蒸気発生型コージェネレーションシステム

出願人 大阪瓦斯株式会社
発明者 板屋貴大望月祥平
出願日 2015年3月20日 (5年0ヶ月経過) 出願番号 2015-058174
公開日 2016年10月6日 (3年5ヶ月経過) 公開番号 2016-176427
状態 特許登録済
技術分野 排気消音装置 ガスタービン、高圧・高速燃焼室 点火時期の電気的制御 吸い込み系統 熱ガス機関 過給機
主要キーワード 投入エネルギ量 季節判定 外部蒸気 エンジンジャケット 被加熱対象物 燃料供給量調整弁 電力発生量 蒸気圧力計
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (4)

課題

ノッキング発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露を抑制しながらも、需要熱電比に供給熱電比を良好に追従する。

解決手段

制御装置70は、現在の季節夏季であると判定した場合、現在の季節が夏季以外であると判定した場合に対して、内燃機関点火時期進角化する点火時期進角化制御と、新気温度調整手段25による新気の温度を上昇する新気温度上昇制御との少なくとも何れか一方を実行すると共に、現在の季節が夏季以外であると判定した場合、現在の季節が夏季であると判定した場合に対して、内燃機関の点火時期を遅角化する遅角化制御と、新気温度度調整手段25による新気の温度を高める新気温度上昇制御との少なくとも何れか一方を実行する。

概要

背景

従来、100℃以上の温度で、常圧(0.1MPa)以上の圧力の過熱蒸気は、蒸気潜熱加熱より短時間での被加熱対象物の加熱が可能であることから、例えば、食品加工の分野において、食品焼成や乾燥等に用いられる。
このような過熱蒸気を生成する装置としては、燃料燃焼用空気との混合気燃焼室において圧縮して燃焼させて回転動力を発生させて当該回転動力により発電機を駆動する内燃機関としてのエンジンと、当該内燃機関から排出される排ガスの熱を熱源として蒸気を発生させる排ガスボイラとを備えたものが知られている(特許文献1を参照)。
当該構成により、特許文献1に開示の技術にあっては、エンジンを働かせることで、発電機を回転駆動することにより電力を発生させると共に、エンジンからの排ガスを排ガスボイラに導いて当該排ガスの保有する熱により高温の蒸気を発生させる、所謂、蒸気発生型のコージェネレーションシステムとして有効に機能する。
ここで、夏季以外(冬季)においては、混合気の湿度比熱)が低く、燃焼室での燃焼温度ピークが高くなり、ノッキング発生頻度が高くなり、NOxの発生量が多くなる。このため、通常、従来のコージェネレーションシステムでは、冬季において、ノッキングの発生頻度を規定上限頻度以下に抑え、NOxの発生量を規定上限量以下に抑えられるように、点火時期等の設定条件を設定し、当該設定条件が年間を通じて維持されていた。
一方、エンジンで、特に、過給機を備えた構成にあっては、吸気路に設けられるコンプレッサが新気を圧縮する関係で、当該コンプレッサの下流側にて新気が昇温することとなるが、当該新気の温度が高すぎる場合、燃焼室での燃焼温度のピークが高くなるため、ノッキングの発生頻度が高くなると共に、NOxの発生量が多くなる。このため、通常、燃焼室へ吸気される新気を冷却する冷却用熱交換器が設けられており、新気は、当該冷却用熱交換器にて適切な温度にまで冷却された後、燃焼室へ導かれる。ただし、当該冷却用熱交換器の冷却度が高すぎる場合、当該冷却用熱交換器の下流側での吸気路内結露が発生し、吸気路を形成する配管腐食する虞がある。当該結露は、新気の湿度が高いほうが発生し易いため、通常、夏季に結露がしないように、冷却用熱交換器による冷却度(冷却用熱交換器を通過した後の新気の温度)が設定され、当該設定が年間を通じて維持されていた。

概要

ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露を抑制しながらも、需要熱電比に供給熱電比を良好に追従する。制御装置70は、現在の季節が夏季であると判定した場合、現在の季節が夏季以外であると判定した場合に対して、内燃機関の点火時期を進角化する点火時期進角化制御と、新気温度調整手段25による新気の温度を上昇する新気温度上昇制御との少なくとも何れか一方を実行すると共に、現在の季節が夏季以外であると判定した場合、現在の季節が夏季であると判定した場合に対して、内燃機関の点火時期を遅角化する遅角化制御と、新気温度度調整手段25による新気の温度を高める新気温度上昇制御との少なくとも何れか一方を実行する。

目的

本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露を抑制しながらも、需要熱電比に供給熱電比を良好に追従でき得る蒸気発生型コージェネレーションシステムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

燃料燃焼用空気との混合気燃焼室において圧縮して燃焼させて回転動力を発生させて当該回転動力により発電機を駆動する内燃機関と、前記内燃機関から排出される排ガスの熱を熱源として蒸気を発生させる排ガスボイラとを備えた蒸気発生コージェネレーションシステムであって、前記燃焼室に連通する吸気路通流する新気の温度を調整する新気温度調整手段と、現在の季節に関連する季節関連情報を取得する季節関連情報取得手段と、前記季節関連情報取得手段が取得した季節関連情報に基づいて、現在の季節が夏季か夏季以外かを判定する制御装置とを備え、前記制御装置は、現在の季節が夏季であると判定した場合、現在の季節が夏季以外であると判定した場合に対して、前記内燃機関の点火時期進角化する点火時期進角化制御と、前記新気温度調整手段による新気の温度を上昇する新気温度上昇制御との少なくとも何れか一方を実行すると共に、現在の季節が夏季以外であると判定した場合、現在の季節が夏季であると判定した場合に対して、前記内燃機関の点火時期を遅角化する遅角化制御と、前記新気温度調整手段による新気の温度を低下する新気温度低下制御との少なくとも何れか一方を実行する蒸気発生型コージェネレーションシステム。

請求項2

前記季節関連情報取得手段は、前記内燃機関に吸気される燃焼用空気の湿度を前記季節関連情報として測定する湿度計であり、前記制御装置は、前記湿度計にて測定された測定湿度が季節判定閾値以上である場合に夏季と判定し、前記測定湿度が季節判定閾値未満である場合に夏季以外と判定する請求項1に記載の蒸気発生型コージェネレーションシステム。

請求項3

前記内燃機関は、燃料と燃焼用空気との混合気を燃焼室において圧縮して燃焼させるエンジン本体と、前記エンジン本体の排気路に設けられるタービンに前記燃焼室から排出される排ガスを供給し、前記タービンに連結される状態で吸気路に設けられるコンプレッサによって前記燃焼室に吸気される新気を圧縮する過給機と、前記新気温度調整手段として、前記吸気路で前記コンプレッサの下流側を通流する新気を冷却用媒体熱交換する形態で冷却する冷却用熱交換器と、を備えている請求項1又は2に記載の蒸気発生型コージェネレーションシステム。

請求項4

前記発電機にて発生した電力を少なくとも駆動電力の一部として駆動可能に構成されると共に、前記内燃機関の冷却水循環回路循環する冷却水が保有する熱を熱源として蒸気を発生させる蒸気発生装置を備え、前記制御装置は、現在の季節が夏季であると判定した場合、前記蒸気発生装置への電力の供給を停止すると共に、現在の季節が夏季以外であると判定した場合、前記発電機にて発電した電力の少なくとも一部を駆動電力の少なくとも一部として前記蒸気発生装置を働かせる制御を実行する請求項1〜3の何れか一項に記載の蒸気発生型コージェネレーションシステム。

請求項5

前記蒸気発生装置は、前記内燃機関の冷却水循環回路を循環する冷却水が保有する熱を熱源として蒸気を発生させる蒸気発生器と、当該蒸気発生器にて発生した蒸気を目標蒸気圧力まで圧縮する蒸気圧縮機とから成り、前記制御装置は、現在の季節が夏季であると判定した場合、前記発電機にて発電した電力の少なくとも一部を駆動電力の少なくとも一部として前記蒸気圧縮機を働かせる請求項4に記載の蒸気発生型コージェネレーションシステム。

技術分野

0001

本発明は、燃料燃焼用空気との混合気燃焼室において圧縮して燃焼させて回転動力を発生させて当該回転動力により発電機を駆動する内燃機関と、前記内燃機関から排出される排ガスの熱を熱源として蒸気を発生させる排ガスボイラとを備えた蒸気発生コージェネレーションシステムに関する。

背景技術

0002

従来、100℃以上の温度で、常圧(0.1MPa)以上の圧力の過熱蒸気は、蒸気の潜熱加熱より短時間での被加熱対象物の加熱が可能であることから、例えば、食品加工の分野において、食品焼成や乾燥等に用いられる。
このような過熱蒸気を生成する装置としては、燃料と燃焼用空気との混合気を燃焼室において圧縮して燃焼させて回転動力を発生させて当該回転動力により発電機を駆動する内燃機関としてのエンジンと、当該内燃機関から排出される排ガスの熱を熱源として蒸気を発生させる排ガスボイラとを備えたものが知られている(特許文献1を参照)。
当該構成により、特許文献1に開示の技術にあっては、エンジンを働かせることで、発電機を回転駆動することにより電力を発生させると共に、エンジンからの排ガスを排ガスボイラに導いて当該排ガスの保有する熱により高温の蒸気を発生させる、所謂、蒸気発生型のコージェネレーションシステムとして有効に機能する。
ここで、夏季以外(冬季)においては、混合気の湿度比熱)が低く、燃焼室での燃焼温度ピークが高くなり、ノッキング発生頻度が高くなり、NOxの発生量が多くなる。このため、通常、従来のコージェネレーションシステムでは、冬季において、ノッキングの発生頻度を規定上限頻度以下に抑え、NOxの発生量を規定上限量以下に抑えられるように、点火時期等の設定条件を設定し、当該設定条件が年間を通じて維持されていた。
一方、エンジンで、特に、過給機を備えた構成にあっては、吸気路に設けられるコンプレッサが新気を圧縮する関係で、当該コンプレッサの下流側にて新気が昇温することとなるが、当該新気の温度が高すぎる場合、燃焼室での燃焼温度のピークが高くなるため、ノッキングの発生頻度が高くなると共に、NOxの発生量が多くなる。このため、通常、燃焼室へ吸気される新気を冷却する冷却用熱交換器が設けられており、新気は、当該冷却用熱交換器にて適切な温度にまで冷却された後、燃焼室へ導かれる。ただし、当該冷却用熱交換器の冷却度が高すぎる場合、当該冷却用熱交換器の下流側での吸気路内結露が発生し、吸気路を形成する配管腐食する虞がある。当該結露は、新気の湿度が高いほうが発生し易いため、通常、夏季に結露がしないように、冷却用熱交換器による冷却度(冷却用熱交換器を通過した後の新気の温度)が設定され、当該設定が年間を通じて維持されていた。

先行技術

0003

特開2014−199009号公報

発明が解決しようとする課題

0004

上述したように、従来の蒸気発生型コージェネレーションシステムでは、冬季において、ノッキングの発生頻度を規定上限頻度未満に抑え、且つNOxの発生量を規定上限量未満に抑えるように、点火時期が固定値に設定されると共に、夏季において、吸気路内に結露が発生しないように、冷却用熱交換器による冷却度(冷却用熱交換器を通過した後の新気の温度)が固定値に設定されていた。
つまり、従来は、ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露等の制約条件から、エンジンの設定条件を年間を通じて固定値に設定していたが、このように、固定値にしてしまうと、例えば、夏季の高い電力需要や、夏季以外の比較的高い熱需要(蒸気の需要)に十分に追従する形態で、電力や熱(蒸気)を発生させることができず、改善の余地があった。

0005

本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露を抑制しながらも、需要熱電比に供給熱電比を良好に追従でき得る蒸気発生型コージェネレーションシステムを提供する点にある。

課題を解決するための手段

0006

上記目的を達成するための本発明の蒸気発生型コージェネレーションシステムは、
燃料と燃焼用空気との混合気を燃焼室において圧縮して燃焼させて回転動力を発生させて当該回転動力により発電機を駆動する内燃機関と、
前記内燃機関から排出される排ガスの熱を熱源として蒸気を発生させる排ガスボイラとを備えた蒸気発生型コージェネレーションシステムであって、その特徴構成は、
前記燃焼室に連通する吸気路を通流する新気の温度を調整する新気温度調整手段と、
現在の季節に関連する季節関連情報を取得する季節関連情報取得手段と、
前記季節関連情報取得手段が取得した季節関連情報に基づいて、現在の季節が夏季か夏季以外かを判定する制御装置とを備え、
前記制御装置は、現在の季節が夏季であると判定した場合、現在の季節が夏季以外であると判定した場合に対して、前記内燃機関の点火時期を進角化する点火時期進角化制御と、前記新気温度調整手段による新気の温度を上昇する新気温度上昇制御との少なくとも何れか一方を実行すると共に、
現在の季節が夏季以外であると判定した場合、現在の季節が夏季であると判定した場合に対して、前記内燃機関の点火時期を遅角化する遅角化制御と、前記新気温度調整手段による新気の温度を低下する新気温度低下制御との少なくとも何れか一方を実行する点にある。

0007

発明者らは、季節に応じて、内燃機関としてのエンジンにおけるノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露発生量が変動することに関連させた状態で、エンジンの設定条件を変動することで、ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露発生量を抑制しながらも、エンジンの供給熱電比を良好に変動させることができることを見出した。
即ち、夏季(例えば、6月〜9月で、高湿潤期間)においては、エンジンに吸気される新気の湿度(比熱)が高くなることから、燃焼室内の燃焼熱湿分の昇温に使われる形態で、燃焼温度のピークが低下するため、NOxの発生量が低減すると共に、ノッキングの発生頻度が低減する。また、新気の湿度は高いため、吸気路にて新気温度調整手段の下流側にて結露が発生する虞が高くなる。

0008

そこで、制御装置は、現在の季節が夏季であると判定した場合、現在の季節が夏季以外(例えば、10月〜5月で、低湿潤期間:特に、冬季)である場合に対して、点火時期を進角化する進角化制御と、新気温度調整手段による新気の温度を上昇する新気温度上昇制御との少なくとも何れか一方を実行する。
これにより、例えば、進角化制御を実行する場合、燃焼室内の燃焼温度のピークは高くなるが、上述したように、夏季ではノッキングの発生頻度及びNOxの発生量に裕度が生まれるため、ノッキングの発生頻度を規定上限頻度未満に抑え、且つNOxの発生量を規定上限量未満に抑えることができると共に、点火時期の進角化に伴う発電効率の向上により、夏季に比較的高くなる電力需要を好適に賄うことができる。
一方、新気温度上昇制御を実行する場合、新気温度度調整手段の下流側での新気は昇温するが、当該制御は、結露は発生し難い方向への制御であるから、吸気路内での結露の発生を良好に防止できると共に、新気の温度の昇温に伴う発電効率の向上により、夏季に比較的高くなる電力需要を好適に賄うことができる。

0009

一方、夏季以外においては、エンジンに吸気される新気の湿度(比熱)が低くなることから、燃焼室内の燃焼熱のうち湿分の昇温に使われる熱が低下する形態で、燃焼温度のピークが上昇するため、NOxの発生量が上昇すると共に、ノッキングの発生頻度が上昇する。また、新気の湿度は低いため、吸気路にて新気温度調整手段の下流側にて結露が発生し難くなる。
そこで、制御装置は、現在の季節が夏季以外であると判定した場合、現在の季節が夏季である場合に対して、点火時期を遅角化する遅角化制御と、新気温度調整手段による新気の温度を低下する新気温度低下制御との少なくとも何れか一方を実行する。
これにより、例えば、遅角化制御を実行する場合、燃焼室内の燃焼温度のピークは低くなるので、ノッキングの発生頻度及びNOxの発生量は、低減する側の制御となるから、ノッキングの発生頻度を規定上限頻度未満に抑え、且つNOxの発生量を規定上限量未満に抑えることができながらも、点火時期の遅角化に伴う燃焼の緩慢化による排熱回収効率(蒸気発生率)の向上により、夏季以外に比較的高くなる熱需要を好適に賄うことができる。
一方、新気温度低下制御を実行する場合、新気温度調整手段の下流側での新気は降温するが、夏季以外では新気の湿度は低いことから、吸気路内に結露を生じさせない状態とすると共に、新気の温度の降温による燃焼の緩慢化により、排ガス温度が上昇して排熱回収効率を向上できるから、夏季以外に比較的高くなる熱需要を好適に賄うことができる。

0010

本発明の蒸気発生型コージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記季節関連情報取得手段は、前記内燃機関に吸気される燃焼用空気の湿度を前記季節関連情報として測定する湿度計であり、
前記制御装置は、前記湿度計にて測定された測定湿度が季節判定閾値以上である場合に夏季と判定し、前記測定湿度が季節判定閾値未満である場合に夏季以外と判定する点にある。

0011

上記実施形態によれば、季節関連情報取得手段を、季節関連情報として、エンジンのノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内の結露の発生量に直接関連のある燃焼用空気の湿度を測定する湿度計として構成すると共に、制御装置が、湿度計にて測定された測定湿度が季節判定閾値以上である場合に夏季と判定し、測定湿度が季節判定閾値未満である場合に夏季以外と判定するように構成するから、燃焼室に導かれる新気(混合気M)の湿度(比熱)に基づいて、直接的に運転状態の制御を実行でき、ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内の結露の発生量を、より精度良く低減しながらも、供給熱電比を良好に調整し得る蒸気発生型コージェネレーションシステムを提供できる。

0012

本発明の蒸気発生型コージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記内燃機関は、
燃料と燃焼用空気との混合気を燃焼室において圧縮して燃焼させるエンジン本体と、
前記エンジン本体の排気路に設けられるタービンに前記燃焼室から排出される排ガスを供給し、前記タービンに連結される状態で吸気路に設けられるコンプレッサによって前記燃焼室に吸気される新気を圧縮する過給機と、
前記新気温度調整手段として、前記吸気路で前記コンプレッサの下流側を通流する新気を冷却用媒体熱交換する形態で冷却する冷却用熱交換器とを備えている点にある。

0013

上記特徴構成によれば、コンプレッサにて昇圧され昇温した後の空気を冷却する冷却用熱交換器を新気温度調整手段として備え、制御装置は、当該冷却用熱交換器を通過する新気の温度を調整する制御を実行するから、コンプレッサにて昇圧及び昇温されていない空気を冷却する場合に比べて、結露の発生する虞の高い新気において、良好に結露の発生を防止できる。

0014

本発明の蒸気発生型コージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記発電機にて発生した電力を少なくとも駆動電力の一部として駆動可能に構成されると共に、前記内燃機関の冷却水循環回路循環する冷却水が保有する熱を熱源として蒸気を発生させる蒸気発生装置を備え、
前記制御装置は、現在の季節が夏季であると判定した場合、前記蒸気発生装置への電力の供給を停止すると共に、現在の季節が夏季以外であると判定した場合、前記発電機にて発電した電力の少なくとも一部を駆動電力の少なくとも一部として前記蒸気発生装置を働かせる制御を実行する点にある。

0015

上記特徴構成によれば、現在の季節が夏季であると判定した場合にあっては、発電機にて発電した電力を蒸気発生装置で消費されることを禁止して正味電力発生量(蒸気発生型コージェネレーションシステムからシステム外へ供給される電力量)及び正味の発電効率を増加させるから、夏季において比較的多くなる電力需要に追従する形態で、電力発生量を増加させることができる。
一方、現在の季節が夏季以外であると判定した場合にあっては、発電機にて発電した電力を蒸気発生装置で消費して正味の電力発生量を減少させると共に、蒸気発生装置にて発生される蒸気を排ガスボイラにて発生される蒸気に加える形態で熱発生量を増加させるから、夏季以外において比較的多くなる熱需要に追従する形態で、熱発生量を増加させることができる。
更に、上述の制御は、内燃機関としてのエンジンの実質的な運転条件を変更するものではないから、ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内の結露の発生量の増加を招くことなく、良好に供給熱電比を変動することができる。

0016

本発明の蒸気発生型コージェネレーションシステムの更なる特徴構成は、
前記蒸気発生装置は、前記内燃機関の冷却水循環回路を循環する冷却水が保有する熱を熱源として蒸気を発生させる蒸気発生器と、当該蒸気発生器にて発生した蒸気を目標蒸気圧力まで圧縮する蒸気圧縮機とから成り、
前記制御装置は、現在の季節が夏季であると判定した場合、前記発電機にて発電した電力の少なくとも一部を駆動電力の少なくとも一部として前記蒸気圧縮機を働かせる点にある。

0017

上記特徴構成によれば、制御装置は、蒸気優先運転において、発電機にて発電した電力の少なくとも一部を駆動電力の少なくとも一部として、比較的消費電力の大きい蒸気圧縮機を駆動するように構成されているから、例えば、夏季以外で熱需要としての蒸気の需要が電力需要を上回っており、余剰の電力が発生している場合において、余剰の電力を蒸気圧縮機で適切に消費して蒸気を発生する形態で、供給熱電比を大きくとることができる。
また、蒸気発生装置として蒸気圧縮機を備えることで、当該蒸気発生装置にて供給する蒸気の圧力を、所望の目標蒸気圧力に調整して供給することができる。

図面の簡単な説明

0018

蒸気発生型コージェネレーションシステムの概略構成
従来技術に係るコージェネレーションシステムの設定条件等の概念を示すグラフ図と、本実施形態に係る蒸気発生型コージェネレーションシステムの設定条件等の概念を示すグラフ図
夏季以外における蒸気優先運転と夏季における電力優先運転とにおける電力出力蒸気出力とを示すグラフ図

実施例

0019

本発明の実施形態に係る蒸気発生型コージェネレーションシステム100は、ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露を抑制しながらも、需要熱電比に供給熱電比を良好に追従でき得るものに関する。
以下、本発明の実施形態に係る蒸気発生型コージェネレーションシステム100に関し、図1図3に基づいて説明を加える。

0020

図1に示す蒸気発生型コージェネレーションシステム100は、ターボ過給式エンジンと、ターボ過給式エンジンから排出される排ガスの熱を熱源として蒸気を発生させる排ガスボイラ60と、ターボ過給式エンジンの回転動力により駆動される同期発電機28にて発生した電力を少なくとも駆動電力の一部として駆動可能に構成されると共にターボ過給式エンジンの冷却水循環路Cを循環する冷却水が保有する熱を熱源として蒸気を発生させる蒸気発生装置50と、それらを制御する制御装置70(エンジンの制御装置としてのECUを含む概念)とを、備えて構成されている。
尚、エンジン本体26の回転軸に接続される同期発電機28は、発電電力周波数を、商用電力系統72から供給される電力の周波数と同じ周波数に調整可能に構成されている。また、当該同期発電機28には、電圧を調整する自動電圧調整器が備えられており、当該自動電圧調整器により、発電電力の電圧が商用電力系統72から供給される電力の電圧と同じ電圧に調整される。同期発電機28と商用電力系統72との間には、分電盤71が設けられて、当該分電盤71からは、システム内の電力負荷(図示せず)に電力が供給されるように構成されている。

0021

〔ターボ過給式エンジンに係る構成〕
ターボ過給式エンジンは、天然ガス等の燃料F(燃料の一例)と燃焼用空気Aとの混合気Mを燃焼室26aにおいて圧縮して燃焼させることにより回転軸40を回転させる形態で回転動力を発生させて当該回転動力により発電機28を駆動するエンジン本体26と、エンジン本体26の排気路27に設けられるタービン32に燃焼室26aから排出される排ガスEを供給し、タービン32に連結される状態で吸気路20に設けられるコンプレッサ31によって燃焼室26aに吸気される新気としての混合気Mを圧縮する過給機30とを備えている。

0022

この種のターボ過給式エンジンは、詳細な図示は省略するが、吸気路20から燃焼室26aに新気として吸気された混合気Mを、ピストンの上昇により圧縮した状態で点火プラグ(図示せず)にて火花点火して燃焼・膨張させることで、ピストンを押し下げて回転軸40から回転動力を出力すると共に、燃焼により発生した排ガスEは、燃焼室26aから排気路27へ押し出され、外部に排出される。

0023

吸気路20には、燃焼用空気Aを浄化するエアクリーナ21、燃焼用空気Aに燃料Fを適切な比率で混合するベンチュリー式のミキサ14、及びミキサ14にて混合された混合気Mを圧縮するコンプレッサ31、混合気Mを冷却するインタークーラ25(新気温度調整手段、冷却用熱交換器の一例)、開度調整により燃焼室26aへの混合気Mの吸気量を調整可能なスロットル弁24が、その上流側から記載順に導入されている。
即ち、吸気路20において、ミキサ14で燃料Fと燃焼用空気Aとを混合して生成された混合気Mは、コンプレッサ31により圧縮された後に、スロットル弁24を介して所定の流量に調整され、インタークーラ25にて冷却されて、エンジン本体26の燃焼室26aに導入される。

0024

ちなみに、インタークーラ25には、それを出た後でエンジン本体26の燃焼室26aに導入される前の混合気Mの温度を測定する温度センサ(図示せず)が設けられおり、制御装置70は、当該温度センサの測定温度に基づいて、インタークーラ25による混合気Mの冷却度合を調整可能に構成されている。

0025

ミキサ14に燃料Fを導く燃料供給路11には、ミキサ14の上流側の吸気路20における燃焼用空気Aの圧力と燃料供給路11の燃料Fの圧力の差を一定に保つ差圧レギュレータV1、ミキサ14を介して燃焼室26aへ供給される燃料Fの供給量を調整する燃料供給量調整弁V2が設けられている。

0026

エンジン本体26には、そのシリンダヘッドエンジンジャケット26bが設けられており、当該エンジンジャケット26bと当該エンジン本体26の外部に設けられる排熱回収熱交換器51aとの間でエンジン冷却水を循環する冷却水循環路Cと、当該冷却水循環路Cにエンジン冷却水を循環させる冷却水循環ポンプPとが設けられている。
尚、詳細については後述するが、本発明の実施形態に係る蒸気発生型コージェネレーションシステム100にあっては、排熱回収熱交換器51aは後述する蒸気発生装置50において、エンジン冷却水と給水とを熱交換する形態で、給水を蒸発させる目的で設けられている。
当該目的から、排熱回収熱交換器51aへ流入するエンジン冷却水Cの温度は、100℃以上となっていることが好ましい。この観点から、冷却水循環ポンプPは、エンジン冷却水を昇圧する昇圧ポンプとしての機能も果たすように構成されている。本実施形態では、排熱回収熱交換器51aの入口でのエンジン冷却水の温度は、例えば、113℃程度となり、排熱回収熱交換器61の出口でのエンジン冷却水の温度は、例えば、109℃程度となるように、冷却水循環ポンプPの回転数が制御される。尚、エンジン冷却水として、沸点の高いクーラントを用いる場合には、冷却水循環ポンプPにて昇圧しない構成を採用することもできる。

0027

過給機30は、エンジン本体26の排気路27に設けられるタービン32に燃焼室26aから排出される排ガスEを供給し、タービン32に連結される状態で吸気路20に設けられるコンプレッサ31により燃焼室26aに吸気される混合気Mを圧縮するターボ式の過給機30として構成されている。即ち、当該過給機30は、排気路27を通過する排ガスEの運動エネルギによりタービン32を回転させ、当該タービン32の回転力により吸気路20に配置されたコンプレッサ31を回転駆動する形態で、吸気路20を通流する新気としての混合気Mを圧縮した状態で燃焼室26aに供給する、所謂過給を行う。

0028

回転軸40には、回転軸40の回転速度をエンジン本体26の回転速度として計測する回転速度センサ(図示せず)が設けられており、制御装置70は、当該回転速度センサにて計測されたエンジン本体26の回転速度に基づいて、燃料供給量調整弁V2の開度を制御して燃焼室26aへの燃料Fの供給量を調整することによって、エンジン本体26の回転速度を所望の目標回転速度に維持する回転速度維持制御を実行可能に構成されている。

0029

また、排気路27には、排ガスEの酸素濃度を検出する酸素センサS1が設けられており、制御装置70は、酸素センサS1で検出された排ガスEの酸素濃度に基づいて、スロットル弁24の開度を制御することにより、ミキサ14に供給された燃料Fに対する燃焼用空気Aの混合割合を調整して、ミキサ14で生成される混合気Mの空燃比を所望の空燃比に維持する空燃比制御を実行可能に構成されている。

0030

更に、制御装置70は、燃焼室26aに設けられている点火プラグ(図示せず)により、燃焼室26a内の混合気Mへの点火時期を所望の時期に制御する点火時期制御を実行可能に構成されている。

0031

〔排ガスボイラ〕
排気路27でタービン32の下流側には、排ガスボイラ60が設けられている。
説明を追加すると、排ガスボイラ60には、タービン32を通過した後の排ガスEを通流させる排ガス通流室27aが設けられており、当該排ガス通流室27aには、複数の蒸気生成管62aが配設された蒸気生成部62と、当該蒸気生成部62の下流側に配置されると共に複数の給水加熱管61aが配置された給水予熱部61とが設けられており、給水予熱部61の給水加熱管61aは蒸気生成部62の蒸気生成管62aに連通接続されている。
これにより、給水予熱部61の給水加熱管61aへ流入した給水は、給水予熱部61にて排ガスEの排熱にて予熱された後、蒸気生成部62の蒸気生成管62aへ流入し、排ガスEの排熱にてさらに加熱されて蒸発した後、第1蒸気St1として排出される。
ここで、蒸気生成部62から排出された第1蒸気St1を通流する流路には、当該流路を通流する第1蒸気St1の圧力を測定する第1蒸気圧力計S2と、流路を通流する第1蒸気St1の流量を制御する流量制御弁V3とが設けられている。制御装置70は、第1蒸気St1の圧力を、所望の圧力(例えば、0.7MPa程度の圧力)とするように、流量制御弁V3の開度を調整する。尚、第1蒸気St1の供給量については、排ガスEの温度(排ガスEの保有する排熱量)に従って決定される。

0032

〔蒸気発生装置〕
蒸気発生装置50は、エンジン本体26の排熱により給水Wを加熱する蒸気発生器51と、蒸気発生器51にて発生した蒸気を目標蒸気圧力(例えば、0.7MPa程度の圧力)まで圧縮して昇圧する蒸気圧縮機52とから構成されている。
説明を追加すると、蒸気発生器51は、エンジン本体26の冷却水循環路Cの排熱回収熱交換器51aが設けられており、当該排熱回収熱交換器51aにてエンジン冷却水と給水Wとを熱交換する形態で、エンジン冷却水がエンジンジャケット26bにて回収したエンジン排熱にて給水Wを加熱して、蒸気を発生させる。
蒸気圧縮機52は、蒸気発生器51で発生させた蒸気を圧縮して昇圧するコンプレッサ52aと、当該コンプレッサ52aを回転駆動させる電動式モータ52bとを備えて構成されている。蒸気発生器51にて発生した蒸気は、モータ駆動式のコンプレッサ52aにて圧縮され目標蒸気圧力まで昇圧されて、第2蒸気St2として排出される。詳細な説明は後述するが、当該コンプレッサ52aの駆動源としてのモータ52bには、商用電力系統72からの商用電力を駆動電力とする以外に、ターボ過給式エンジンの発電機28にて発電した発電電力の少なくとも一部を駆動電力として駆動可能に構成されている。即ち、当該実施形態にあっては、分電盤71から蒸気圧縮機52のモータ52bへ駆動電力が供給される。
ここで、蒸気圧縮機52から排出された第2蒸気St2を通流する流路には、当該流路を通流する第2蒸気St2の圧力を測定する第2蒸気圧力計S3と、流路を通流する第2蒸気St2の流量を制御する流量制御弁V4とが設けられている。制御装置70は、第2蒸気St2の圧力を、所望の圧力(例えば、0.7MPa程度の圧力)とするように、モータ駆動式のコンプレッサ52aの回転数を調整すると共に、流量制御弁V4の開度を調整する。尚、第2蒸気St2の供給量については、蒸気発生器51の排熱回収熱交換器51aによる排熱回収量に従って決定される。
そして、排ガスボイラ60から供給される第1蒸気St1と、蒸気発生装置50から供給される第2蒸気St2との双方が、供給蒸気St1、St2として、外部へ供給される。

0033

更に、本発明の実施形態に係る蒸気発生型コージェネレーションシステム100は、現在の季節に関連する季節関連情報に基づいた制御を実行することで、ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露を抑制しながらも、需要熱電比に供給熱電比を良好に追従でき得るコージェネレーションシステムを実現するべく、現在の季節に関連する季節関連情報を取得する季節関連情報取得手段として、ターボ過給式エンジンに吸気される燃焼用空気Aの絶対湿度を測定する湿度計S4を備えている。
そして、制御装置70は、現在の季節を、夏季(例えば、6月〜9月で、高湿潤期間)と、夏季以外(例えば、10月〜5月で、低湿潤期間)との何れであるかを判定する季節判定閾値を記憶しており、湿度計S4にて測定される測定湿度が季節判定閾値以上である場合に夏季と判定し、湿度計S4にて測定される測定湿度が季節判定閾値未満である場合に夏季以外と判定する制御を実行する。
そして、制御装置70は、当該判定に基づいて、図2のグラフ図に示す制御を実行する。尚、発明の特徴を明確にすべく、図2に基づく説明では、従来技術と対比する形態で、本発明の実施形態に係る制御を説明する。
尚、図2に示すグラフ図は、紙面左側に示すグラフ図が、従来技術に係る蒸気発生型コージェネレーションシステムの設定条件等を示すグラフ図であり、紙面右側に示すグラフ図が、本発明の実施形態に係る蒸気発生型コージェネレーションシステム100の設定条件等を示すグラフ図である。

0034

通常、夏季以外(例えば、冬季)においては、燃焼用空気A、ひいてはエンジン本体26の燃焼室26aに吸気される混合気Mの湿度(比熱)が低く、燃焼室26aでの燃焼温度のピークが高くなり、ノッキングの発生頻度が高くなり、NOxの発生量が多くなる。このため、通常、従来の蒸気発生型コージェネレーションシステムでは、夏季以外(特に、冬季)において、ノッキングの発生頻度を規定上限頻度以下に抑え、NOxの発生量を規定上限量以下に抑えられるように、点火時期を設定し、図2(a)の左グラフ図に示すように、夏季以外と夏季の何れの季節においても、当該設定条件を維持していた。
更に、ターボ過給式エンジンを備えたコージェネレーションシステムにあっては、コンプレッサ31の下流側では、新気を冷却するインタークーラ25が設けられているが、当該インタークーラ25での冷却度が高すぎる場合、インタークーラ25の下流側での吸気路20内に結露が発生する虞があり、当該結露は、新気(混合気)の温度が高いほうが発生し易いため、通常、夏季に結露が発生しないように、インタークーラ25での冷却度(インタークーラ25を通過した後の新気の温度)が設定され、図2(b)の左グラフ図に示すように、当該設定が夏季のみならず、夏季以外の季節においても、当該設定条件を維持していた。
ただし、上述のように、点火時期や新気冷却度(新気の温度)等の設定条件を、年間を通じて一定に維持すると、空燃比等の他の設定条件を変動させない状況下においては、図2(c)(d)の左グラフ図に示すように、発電効率と排熱回収効率は、夏季以外と夏季とで大きく変化することはない。
ここで、一般的に、夏季においては需要熱電比が低くなり、夏季以外(特に、冬季)においては需要熱電比が高くなる傾向にあるが、上述のような設定を行っている従来の蒸気発生型のコージェネレーションシステムでは、供給熱電比を季節により変動する需要熱電比に追従させ難いという問題がある。

0035

そこで、本発明の実施形態に係る蒸気発生型コージェネレーションシステム100にあっては、制御装置70が、湿度計S4の測定湿度が季節判定閾値以上で、現在の季節が夏季であると判定した場合、現在の季節が夏季以外であると判定した場合に対して、点火時期を進角化する点火時期進角化制御(図2(a)の右グラフ図で、ST1→ST2)を実行すると共に、インタークーラ25による新気(混合気M)の冷却度を低下する冷却度低下制御(新気温度低下制御の一例:図2(b)の右側のグラフ図で、CD1→CD2)とを実行する。
当該点火時期進角化制御により、エンジン本体26の燃焼室26aの燃焼温度のピークは上昇する傾向にあり、ノッキングの発生頻度は、増加側へ変化(図2(e)でNE1からNE2への変化:変化量ΔNE2)する傾向にあり、NOxの発生量も、増加側へ変化(図2(f)の右グラフ図でEM1からEM2への変化:変化量ΔEM2)する傾向となる。しかしながら、上述したように、夏季では、夏季以外に比べ、新気(混合気M)の湿度(比熱)が高くなるため、燃焼室26aにおける燃焼温度のピークは上昇し難いことから、ノッキングの発生頻度の変化量ΔNE2を十分に小さくできると共に、NOxの発生量の変化量ΔEM2を十分に小さくでき、ノッキングの発生頻度を良好に規定上限頻度以下とし、NOxの発生量を良好に規定上限量以下にできる。換言すると、ΔNE2及びΔEM2をそれぞれ小さくすることが可能で、夏季におけるノッキングの発生頻度及びNOxの発生量を、夏季以外と同水準とすることができる。
また、冷却度低下制御により、インタークーラ25の下流側での新気(混合気M)は昇温するが、当該制御は、結露は発生し難い方向への制御であり、夏季での吸気路20での結露が発生しない程度の冷却度に設定されるから、吸気路20内での結露の発生を良好に防止できる。
更に、点火時期進角化制御及び冷却度低下制御により、エンジン本体26の燃焼室26aでの燃焼を急峻にして、軸出力を高くすることができるから発電効率を向上(図2(c)の右グラフ図でGE1からGE2へ上昇)することができ、排ガスEへの排熱やエンジン冷却水に回収される排熱を低減して、排熱回収効率を低下(図2(d)の右グラフ図でEF1からEF2へ低下)させることができる。これにより、夏季での供給熱電比率を、夏季以外の供給熱電比率に比べて、低下させることができる。

0036

更に、制御装置70は、湿度計S4の測定湿度が季節判定閾値未満で、現在の季節が夏季以外であると判定した場合、現在の季節が夏季であると判定した場合に対して、点火時期を遅角化する点火時期遅角化制御を実行すると共に、インタークーラ25による新気(混合気M)の冷却度を上昇する冷却度上昇制御(新気温度低下制御の一例)とを実行する。
当該点火時期遅角化制御により、エンジン本体26の燃焼室26aの燃焼温度のピークは低下する傾向にあり、ノッキングの発生頻度は、低下側へ変化(図2(e)の右グラフ図でNE2からNE1への変化)する傾向にあり、NOxの発生量も、低下側へ変化(図2(f)の右グラフ図でEM2からEM1への変化)する傾向となるから、ノッキングの発生頻度十分に小さくできると共に、NOxの発生量を十分に小さくでき、ノッキングの発生頻度を良好に規定上限頻度以下とし、NOxの発生量を良好に規定上限量以下にできる。
また、冷却度上昇制御により、インタークーラ25の下流側での新気(混合気M)は降温して、吸気路20での結露は発生し易い状況となるが、夏季以外では夏季に比べ、新気(混合気M)の湿度は低いことから、吸気路20内での結露の発生を良好に防止できる。
更に、点火時期遅角化制御及び冷却度上昇制御により、エンジン本体26の燃焼室26aでの燃焼を緩慢にして、軸出力を低くすることができるから発電効率を低下(図2(c)の右グラフ図でGE2からGE1へ低下)することができ、排ガスEへの排熱やエンジン冷却水に回収される排熱量を増加して、排熱回収効率を向上(図2(d)の右グラフ図でEF2からEF1へ上昇)させることができる。これにより、夏季以外での供給熱電比を、夏季の供給熱電比に比べて、向上できる。

0037

結果、ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露を抑制しながらも、需要熱電比に供給熱電比を良好に追従でき得る。

0038

更に、本発明の実施形態に係る蒸気発生型コージェネレーションシステム100では、供給熱電比の変動幅を更に大きく設定するべく、以下に示すように制御される。
尚、図3に示すように、当該実施形態に係る蒸気発生型コージェネレーションシステム100が備えられている工場等の設備においては、電気駆動式発電機52bを含む電力負荷(図示せず)への供給電力として、商用電力系統72から買電可能に構成されていると共に、蒸気を供給する設備として天然ガス等を燃料とする蒸気ボイラ(図示せず)をシステム100とは別置きで備え、熱負荷(図示せず)への供給蒸気として当該蒸気ボイラから蒸気を供給可能に構成されている。
このような設備においては、年間の電力供給及び熱供給ランニングコストを低減させるため、負荷平準化を図ることが好ましく、本発明の蒸気発生型コージェネレーションシステム100は、負荷の平準化を図るためのシステムとして好適に利用される。
ここで、図3において、左上のグラフ図は、蒸気優先運転(供給熱電比を高くする運転)時の電力需要量電力供給量との関係を示すグラフ図であり、左下のグラフ図は、蒸気優先運転時の蒸気需要量蒸気供給量との関係を示すグラフ図であり、右上のグラフ図は、電力優先運転(供給熱電比を低下する運転)時の電力需要量と電力供給量との関係を示すグラフ図であり、右下のグラフ図は、電力優先運転時の蒸気需要量と蒸気供給量との関係を示すグラフ図である。
尚、図3では、説明を簡便にすべく、昼間(図3でt1で示す期間)における需要と供給の関係を中心に示している。
図3の左上のグラフ図のP1w及び右上のグラフ図のP1sは、買電電力量にて賄う電力需要を示しており、これらの値は、買電電力量を平準化する目的で、図示するように、蒸気優先運転と電力優先運転とで同一の値としている。また、図3の左上のグラフ図のP2w及び右上のグラフ図のP2sは、昼間(図3でt1で示す期間)における電力需要量の合計量を示している。
図3の左下のグラフ図のS1w及び右下のグラフ図のS1sは、システム100とは別置きの蒸気ボイラから供給される外部蒸気により賄う熱需要(蒸気需要)を示しており、これらの値は、別置きの蒸気ボイラにて供給する外部蒸気量を平準化する目的で、図示するように、蒸気優先運転と電力優先運転とで同一の値としている。また、図3の左下のグラフ図のS2w及び図3の右下のグラフ図のS2sは、昼間(図3でt1で示す期間)における熱需要量(蒸気需要量)の合計量を示している。

0039

制御装置70は、排ガスボイラ60及び蒸気発生装置50で発生する蒸気の回収効率としての排熱回収効率(エンジン本体26の排ガス及びエンジン冷却水への熱出力/エンジン本体26への投入エネルギ量)を高くする蒸気優先運転において、ターボ過給式エンジンの発電機28にて発電した電力の少なくとも一部を蒸気発生装置50のモータ52bの駆動電力の少なくとも一部として蒸気発生装置50を働かせる制御を実行する。
即ち、当該蒸気優先運転では、図3の左上のグラフ図に示すように、コージェネ発電電力量のうちΔP1で示す発電電力が、蒸気発生装置50のモータ52bの駆動電力として消費されることで、蒸気優先運転における買電電力量と正味のコージェネ発電電力量(蒸気発生型コージェネレーションシステム100の外部へ供給される発電電力量)との合計量が、電力需要量P2wに一致するように制御される。
また、図3の左下のグラフ図に示すように、蒸気発生装置50へターボ過給式エンジンの発電機28から供給される供給電力により蒸気発生装置50にて発生する蒸気量が増加する形態で、コージェネ蒸気量のうちΔS1で示す蒸気量が増加し、蒸気優先運転における外部蒸気量とコージェネ蒸気量との合計量が、熱需要量(蒸気需要量)S2wと一致するように制御される。
これにより、当該蒸気優先運転では、蒸気発生型コージェネレーションシステム100における供給熱電比が高い側へ調整されることとなる。

0040

一方、制御装置70は、発電効率(エンジン本体26の回転軸40の軸出力/エンジン本体26への投入エネルギ量)を高くする電力優先運転において、蒸気発生装置50のモータ52bへの電力の供給を停止する制御を実行する。
当該制御により、図3の左上のグラフ図及び図3の右上のグラフ図に示されるように、電力優先運転におけるコージェネ発電電力量は、蒸気優先運転における正味のコージェネ発電電力量よりも、ΔP1で示す分増加する。
また、当該制御により、図3の左下のグラフ図及び図3の右下のグラフ図に示されるように、電力優先運転におけるコージェネ蒸気量は、蒸気優先運転におけるコージェネ蒸気量よりも、ΔS1で示す分低下することとなる。

0041

更に、電力優先運転では、上述した点火時期進角化制御及び新気温度上昇制御を実行することにより、コージェネ発電電力量が、ΔP2増加することになる。これにより、電力優先運転でのコージェネ発電電力量は、蒸気優先運転での正味のコージェネ発電電力量に比べ、ΔP(ΔP1+ΔP2)だけ増加することになる。
また、電力優先運転では、上述した点火時期進角化制御及び新気温度上昇制御を実行することにより、コージェネ蒸気量が、ΔS2だけ減少することになる。これにより、電力優先運転でのコージェネ蒸気量は、蒸気優先運転でのコージェネ蒸気量に比べ、ΔS(ΔS1+ΔS2)だけ減少することになる。

0042

〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、供給熱電比を変動させる設定条件に関し、エンジンの点火時期、及び吸気温度を調整する例を示した。
しかしながら、変更する設定条件として、エンジンの空燃比を加えても構わない。
説明を追加すると、制御装置は、供給熱電比を高める場合、即ち、排熱回収効率を高める場合には、例えば、燃料噴射弁からの燃料噴射量を増加させる形態で、空燃比を低い側へ設定変更し、供給熱電比を低める場合、即ち、発電効率を高める場合には、例えば、燃料噴射弁からの燃料噴射量を減少させる形態で、空燃比を高い側へ設定変更するように構成しても構わない。
これにより、供給熱電比の変動幅をより大きくすることができ、需要熱電比への追従をより良好に行うことができる。

0043

(2)上記実施形態では、季節関連情報取得手段として、エンジン本体26の近傍に存在する燃焼用空気Aの湿度を測定する湿度計S4を備える例を示したが、例えば、エンジンの近傍に存在する燃焼用空気Aの温度を測定する温度計を備えても構わない。
その他、季節関連情報取得手段は、クライアントサーバ型コンピュータとしても構成することができる。この場合、サーバ側にて逐次更新される季節関連情報としての外気温度外気湿度を、クライアント側にて受信し、当該クライアント側にて受信した季節関連情報に基づいて、制御手段が、夏季か夏季以外かを判定するように構成しても構わない。

0044

(3)上記実施形態においては、蒸気発生装置50の蒸気発生器51の他の例としては、ヒートポンプ装置蒸発器凝縮器とを介する状態で、エンジン冷却水と給水Wとを熱交換して、給水Wを過熱して蒸気を生成する構成を採用しても構わない。
当該構成により、蒸気発生器51に導かれるエンジン冷却水の温度が比較的低温であっても、良好に給水Wを過熱することができる。

0045

(4)上記実施形態では、内燃機関の一例として、ターボ過給式エンジンを備える構成例を示したが、内燃機関は、過給機30に係る構成を備えないエンジンであっても、本発明の機能を良好に達成する。
尚、内燃機関として、過給機30に係る構成(インタークーラ25を含む)を設けないエンジンを採用する場合、新気温度調整手段の一例として、吸気路20に新気(混合気M)の温度を調整する温度調整装置を備えることが好ましい。
当該温度調整装置は、例えば、温度調整自在な湯水と新気(混合気M)とを混合する形態で、新気(混合気M)の温度を調整する構成とすることができる。

0046

(5)上記実施形態においては、制御装置70が、湿度計S4の測定湿度が季節判定閾値以上で、現在の季節が夏季であると判定した場合、現在の季節が夏季以外であると判定した場合に対して、点火時期を進角化する点火時期進角化制御を実行すると共に、インタークーラ25による新気(混合気M)の冷却度を低下する冷却度低下制御とを実行する例を示したが、別に、点火時期進角化制御と冷却度低下制御の何れか一方を実行するように構成しても構わない。
また、制御装置70は、湿度計S4の測定湿度が季節判定閾値未満で、現在の季節が夏季以外であると判定した場合、現在の季節が夏季であると判定した場合に対して、点火時期を遅角化する点火時期遅角化制御を実行すると共に、インタークーラ25による新気(混合気M)の冷却度を上昇する冷却度上昇制御とを実行する例を示したが、別に、点火時期遅角化制御と冷却度上昇制御の何れか一方を実行するように構成しても構わない。

0047

(6)上記実施形態では、制御装置70は、現在の季節を、夏季(例えば、6月〜9月で、高湿潤期間)と、夏季以外(例えば、10月〜5月で、低湿潤期間)との何れであるかを判定する季節判定閾値を一つ記憶すると共に、湿度計S4にて測定される測定湿度が季節判定閾値以上である場合に夏季と判定し、湿度計S4にて測定される測定湿度が季節判定閾値未満である場合に夏季以外と判定する制御を実行する構成例を示した。
しかしながら、制御装置70は、季節判定閾値を複数記憶する構成を採用しても構わない。
例えば、制御装置70は、季節判定閾値として、第1季節判定閾値と、当該第1季節判定閾値よりも高い閾値である第2季節判定閾値を記憶しており、湿度計S4にて測定される測定湿度が第1季節判定閾値未満である場合に冬季と判定し、湿度計S4にて測定される測定湿度が第1季節判定閾値以上第2季節判定閾値未満の場合に中間季(季又は季)と判定し、湿度計S4にて測定される測定湿度が第2季節判定閾値以上である場合に夏季と判定する制御を実行するように構成しても構わない。
この場合、制御装置70は、中間季(春季又は秋季)においては、蒸気発生装置50の蒸気圧縮機52の負荷率(又は稼働率)を、冬季の負荷率(又は稼働率)と夏季の負荷率(又は稼働率)との間の値となるように制御する。結果、中間季(春季又は秋季)の熱電比は、冬季の熱電比と夏季の熱電比との間の値となる。

0048

(7)上記実施形態では、エンジン本体26の回転軸に接続される発電機28として、同期発電機が備えられる例を示したが、別に同期発電機以外の誘導発電機等を備える構成を採用しても構わない。
この場合、誘導発電機と分電盤71との間には、誘導発電機にて発電された電力を、商用電力系統72から供給される電力と同じ電圧で同じ周波数に調整する系統連係用のインバータ29を設ける構成が採用されることとなる。

0049

(8)上記実施形態では、給水予熱部61の給水加熱管61aへ流入した給水は、給水予熱部61にて排ガスEの排熱にて予熱される構成を例示したが、別に、エンジン冷却水にて予熱する構成を採用しても構わない。

0050

(9)上記実施形態において、空燃比制御は、酸素センサS1で検出された排ガスEの酸素濃度に基づいて、スロットル弁24の開度を制御することにより、ミキサ14に供給された燃料Fに対する燃焼用空気Aの混合割合を調整して、ミキサ14で生成される混合気Mの空燃比を所望の空燃比に維持する構成例を示した。
当該空燃比制御としては、吸気路20におけるスロットル弁24とエンジン本体26との間に圧力センサ(図示せず)を設け、当該圧力センサにて検出された圧力を目標混合気圧に調整する形態で、燃料供給量調整弁V2の開度を制御することにより、空燃比を所望の値に調整する構成を採用しても構わない。
説明を追加すると、制御装置70には、特定のエンジン回転数において混合気圧が発電出力(空燃比に対応)に略正比例するマップを記憶している。そこで、制御装置70は、上述の圧力センサにて測定される圧力が、設定された空燃比からマップにより一意に決定される混合気圧となるように、燃料供給量調整弁V2を制御することにより、スロットル弁24出口の混合気圧を適正な値に制御する形態で、空燃比制御を実行する。

0051

尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。

0052

本発明の蒸気発生型コージェネレーションシステムは、ノッキングの発生頻度、NOxの発生量、及び吸気路内での結露を抑制しながらも、需要熱電比に供給熱電比を良好に追従でき得る蒸気発生型コージェネレーションシステムとして、有効に利用可能である。

0053

20 :吸気路
25 :インタークーラ
26a :燃焼室
27 :排気路
28 :発電機
30 :過給機
31 :コンプレッサ
32 :タービン
50 :蒸気発生装置
51 :蒸気発生器
51a :排熱回収熱交換器
52 :蒸気圧縮機
60 :排ガスボイラ
70 :制御装置
100 :蒸気発生型コージェネレーションシステム
A :燃焼用空気
C :冷却水循環路
E :排ガス
F :燃料
M :混合気
S4 :湿度計

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