図面 (/)

技術 異材継手

出願人 旭化成株式会社
発明者 大塚誠彦佐藤大吾
出願日 2016年4月5日 (3年8ヶ月経過) 出願番号 2016-076201
公開日 2016年10月6日 (3年2ヶ月経過) 公開番号 2016-175127
状態 特許登録済
技術分野 圧接、拡散接合 固着及びねじ継手 継手
主要キーワード 信頼性能 配管継ぎ手 材料表 多層クラッド 熱サイクル試験前 爆発圧着 純アルミニウム層 爆発圧着法
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年10月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

一方の最外端アルミニウム合金、他方の最外端にステンレス鋼又は鋼が配置された異種金属継手材において、極低温環境下でも漏れがなく高い接合特性を有する継手材、及び該継手材の製造方法の提供。

解決手段

一方の最外端がアルミニウム合金、他方の最外端がステンレス鋼又は鋼であり、該アルミニウム合金と該ステンレス鋼又は鋼の間の中間材として、純アルミニウムニッケルニッケル合金チタンチタン合金、銅、銅合金及び銀からなる群から選ばれる2種以上を含む、4層以上の多層クラッド材からなる異材継手であって、該各層間の各接合界面の全てが、波高1mm以下の波状の接合界面であることを特徴とする異材継手。

概要

背景

産業用設備・装置では、様々な種類の金属材料が使用されているため、多くの異種金属同士の接合部が存在している。これらの異種金属材料同士を接合する場合、溶接できない金属材料では、主にフランジを用いてボルト締めによる機械的な接合を施しているが、フランジ締結の場合には機器組立時に莫大な数量のボルトを使用する必要があり、多大な時間を要するほか、増し締めなどの定期保守にも時間を要する。また、漏れが生じやすい等の性能面で信頼性が低いといった問題がある。

一方、溶接が可能な異種金属の場合、溶接するだけなので、非常に簡便で製作コストが安くできるものの、特性が異なる金属を溶接するため、溶接士能力溶接条件の設定及び管理が難しく、溶接不良が発生しやすくなるといった問題や溶接部に形成される両金属の合金によって性能が低下するといった問題がある。
そのため、過酷な環境下で使用される場合や非常に高い接合特性を必要とする場合は、同種の金属同士が溶接できるように、予め異材同士冶金的に接合させた異種金属継手材を用いる方法が多くなってきている。

この異種金属材料からなる異種金属継手材を製作する方法としては、爆発圧着HIPロウ付けなどがある。継手材の両端は同種溶接となる材料となっているが、その間に両端の金属材料を接合し易くするため、あるいは性能を向上させるために別の材料を挿入している構成のものもある。

近年では液化天然ガスLNG)やシェールガス液化気化プラント設備空気分離装置などが世界各地増設されており、それらの設備、装置においては極低温環境になる多くの異種金属同士の接合部が存在している。これらのガス関連設備では極低温環境下においても、信頼性の高い継手材が求められるようになっている。これらのガス関連設備では、極低温環境下においても高い接合性能が求められており、継手材の接合界面の接合状態が悪い場合は、漏れが生じ接合界面の機械特性を低下させ、大きな事故に繋がる可能性がある。

また、これらのガスを輸送する運搬船においては、ガスを極低温に冷却して液化し、体積を小さくして運搬するため、液化されたガスを貯蔵する極低温用容器と、船体を接合する継手が必要となる。特に、モス型運搬船はアルミニウム製の球形タンク鋼製の船体を接合する継手が必要となり、この継手材の接合界面の接合状態が悪い場合は、剥離が生じ接合界面の機械特性を低下させ、1,000トン近い球形タンクが脱落するなど、大きな事故に繋がる可能性がある。

以下の特許文献1には、爆発圧着によって製作された2層又は3層からなるアルミニウムと鋼の異材継手が開示されており、アルミニウムと鋼の接合界面の波形(波の高さ、長さ)を大きくすることで、該異材継手を溶接施工する際の、溶接熱に対する界面での接合強さを向上させる方法が記載されている。しかしながら、特許文献1には、溶接熱に対する界面での接合強さに関する記載はあるものの、極低温機器などの異材継手として装置に使用された場合の漏れや接合界面の健全性については言及されていない。

以下の特許文献2には、接合させる材料のそれぞれの接合面に、凹凸加工し、その凹凸をかみ合わせた状態で接合させることで、溶接熱に対する接合界面での接合強さを向上させる方法が記載されているが、異材継手として使用される場合の、各接合界面の特性については言及されていない。

以下の特許文献3には、アルミニウム又はアルミニウム合金ステンレス鋼との間にチタンニッケル層を設けることで、極低温での性能を向上させているが、各層の波高、製造方法については言及されていない。

以下の特許文献4には、アルミニウム+チタン+ニッケル+鋼の多層クラッド材の製造方法として、チタンを含む層を爆発圧着する際に、アルゴンガスを使用することで接合界面の合金を低減させる方法が記載されている。特許文献4には、アルゴンガスの使用によって、衝撃値硬度が良好であることが示されているが、チタン以外の金属材料組み合わせのクラッド材製造方法、波高、特性については記載されていない。

以下の特許文献5には、アルミニウム合金と鋼の間にAg又はAg合金層を介在させる方法が記載されている。特許文献5には、当該クラッド材から異材継手を製作し、アルミニウム合金と鋼を溶接接合した場合にクラッド圧着界面に異常が見られなかったことが記載されているが、波高、浸透探傷などの爆発圧着界面について調査した具体的な記載はない。

以下の特許文献6には、アルミニウム合金+Ag+ステンレス鋼においてアルミニウム合金とAgの間に純アルミニウム層を介在させることが記載されている。特許文献6には、純アルミニウムを挿入すること、かつ、銀の厚みを規定することで衝撃吸収エネルギーが従来技術より向上できることが示されているが、異材継手としての漏れ難さや接合界面の波高については言及されていない。

以下の特許文献7には、炭素鋼又はステンレス鋼とアルミニウムの管、棒、及び板の溶接結合を容易にする目的で、溶接時の高温環境に耐えうる材料として、チタンを選定し、界面の気密性に優れた継手が提供されている。特許文献7には、材料構成として、炭素鋼-ステンレス鋼-チタン-純アルミニウム-耐食アルミニウムのような多層クラッドについても記載されているが、記載された継手は溶接時の高温環境に耐えうることを目的としており、異材継手として使用される場合の、極低温下での漏れ量や、それを左右する接合界面の波高については示されていない。

以下の特許文献8には、アルミニウム合金を含む異材継手において、溶接性を考慮して、アルミニウム合金の成分が規定されている。特許文献8には、MIG溶接を行った箇所の浸透探傷試験を行い、溶接性が良好であったことが記載されているが、爆発圧着によってクラッド化された各接合界面の健全性についての記載は見られない。

以下の特許文献9には、爆発圧着によって、接合された鋼と銅-ニッケル合金、チタン、アルミニウム、アルミニウム合金で構成された継手が示されている。応用例としては、船舶用継手が想定されている。しかしながら、特許文献9には、材料の構成が主に記載されており、接合界面に着目した性能評価結果については示されていない。

以下の特許文献10には、アルミニウム合金、チタン、鋼の接合体を爆発圧着によって製造する方法や、アルミニウム合金と鋼が使用されていることや、界面が波状を呈することが示されているが、接合界面の波高や、その性能に起因する製造方法の記載は見当たらない。

以下の特許文献11には、爆発圧着によって、アルミニウム+チタン+ニッケル+ステンレス鋼を接合し、LNG運搬船向けの異種金属継手材として使用することが記載されており、該継手の形状や板厚が示されている。また、該継手の機械的性質についての要求性能性能測定結果が実施例に示されている。しかしながら、接合界面の健全性については言及されておらず、波高の計測や浸透探傷試験の記載は見られない。
以上のように、上述した文献のいずれにも、過酷な環境下での使用に耐えうる異種金属継手材の特徴や製造方法については全く言及されておらず、教示も示唆もされていない。

概要

一方の最外端にアルミニウム合金、他方の最外端にステンレス鋼又は鋼が配置された異種金属継手材において、極低温環境下でも漏れがなく高い接合特性を有する継手材、及び該継手材の製造方法の提供。一方の最外端がアルミニウム合金、他方の最外端がステンレス鋼又は鋼であり、該アルミニウム合金と該ステンレス鋼又は鋼の間の中間材として、純アルミニウム、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金及び銀からなる群から選ばれる2種以上を含む、4層以上の多層クラッド材からなる異材継手であって、該各層間の各接合界面の全てが、波高1mm以下の波状の接合界面であることを特徴とする異材継手。

目的

本発明が解決しようとする課題は、一方の最外端にアルミニウム合金、他方の最外端にステンレス鋼又は鋼が配置された異種金属継手材において、極低温環境下でも漏れがなく高い接合特性を有する継手材、及び該継手材の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

一方の最外端アルミニウム合金、他方の最外端がステンレス鋼又は鋼であり、該アルミニウム合金と該ステンレス鋼又は鋼の間の中間材として、純アルミニウムニッケルニッケル合金チタンチタン合金、銅、銅合金及び銀からなる群から選ばれる2種以上を含む、4層以上の多層クラッド材からなる異材継手であって、該各層間の各接合界面の全てが、波高1mm以下の波状の接合界面であることを特徴とする異材継手。

請求項2

一方の最外端がアルミニウム合金、他方の最外端がステンレス鋼又は鋼であり、該アルミニウム合金は純アルミニウムとクラッド化され、該純アルミニウムと該ステンレス鋼又は鋼の間の中間材としてニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金及び銀からなる群から選ばれる1種以上を含む、4層以上の多層クラッド材からなる異材継手であって、該各層間の各接合界面の全てが、波高1mm以下の波状の接合界面である、請求項1に記載の異材継手。

請求項3

前記各接合界面において、JIS Z 2343-1-II Cd-2浸透探傷試験により検出される指示模様がいずれも1mm以下である、請求項1又は2に記載の異材継手。

請求項4

前記異材継手が所定の周長をもつ配管形状であり、前記各接合界面において、前記浸透探傷試験により検出される指示模様の長さの合計値が、該周長の3%以下である、請求項2又は3に記載の異材継手。

請求項5

350℃30分間の熱処理後に沸騰水(100℃)と液体窒素(-196℃)を用いた熱サイクルを1000回実施した後のJIS Z 2242に従うシャルピー衝撃試験において、各接合界面において、衝撃吸収エネルギーが15J以上である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の異材継手。

請求項6

前記各層が、爆発圧着によって接合されたものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の異材継手。

請求項7

液化天然ガス液化気化プラント設備用の、請求項1〜5のいずれか1項に記載の異材継手。

請求項8

空気分離装置用の、請求項1〜5のいずれか1項に記載の異材継手。

請求項9

アルミ配管ステンレス配管接合用として、アルミニウム合金、純アルミニウム、チタン、ニッケル、及びステンレス鋼の5層で構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の異材継手。

請求項10

一方の最外端がアルミニウム合金、他方の最外端がステンレス鋼又は鋼であり、該アルミニウム合金と該ステンレス鋼又は鋼の間の中間材として、ニッケル、ニッケル合金、チタン、及びチタン合金からなる群から選ばれる2種を含む、4層の多層クラッド材からなる異材継手であって、該各層間の各接合界面の全てが、波高1mm以下の波状の接合界面である、請求項1に記載の異材継手。

請求項11

前記各接合界面において、JIS Z 2343-1-II Cd-2浸透探傷試験により検出される指示模様が、異材継手の長さ10mmの範囲で、5個以下である、請求項10に記載の異材継手。

請求項12

前記各層が、爆発圧着によって接合されたものである、請求項10又は11に記載の異材継手。

請求項13

モス型の液化天然ガス運搬船に使用されるアルミ製球形タンク鋼製船体の接合用として、アルミニウム合金、チタン、ニッケル、及びステンレス鋼の4層で構成されている、請求項10〜12のいずれか1項に記載の異材継手。

請求項14

土壌の上に母材を置き、該母材の上に所定間隔をもたせて合材を重ね、該合材上の全面に粉末爆薬をセットし、該爆薬を爆発させることにより該母材に該合材を接合させる爆発圧着法により前記各層を接合する際、貫入式土壌硬度計コーン圧入により土壌の反力を測定し、それを縮長さで表した該土壌の指標硬度が10mm以下であることを特徴とする、請求項6〜9、12、及び13のいずれか1項に記載の異材継手の製造方法。

請求項15

前記各層を接合する際、JIS Z8801に従う6 Meshの試験用を通過する砂粒を、前記土壌の表層として使用する、請求項14に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、異種金属材料同士を溶接接合するために使用される異種金属継手材(以下、単に「異材継手」ともいう。)に関する。

背景技術

0002

産業用設備・装置では、様々な種類の金属材料が使用されているため、多くの異種金属同士の接合部が存在している。これらの異種金属材料同士を接合する場合、溶接できない金属材料では、主にフランジを用いてボルト締めによる機械的な接合を施しているが、フランジ締結の場合には機器組立時に莫大な数量のボルトを使用する必要があり、多大な時間を要するほか、増し締めなどの定期保守にも時間を要する。また、漏れが生じやすい等の性能面で信頼性が低いといった問題がある。

0003

一方、溶接が可能な異種金属の場合、溶接するだけなので、非常に簡便で製作コストが安くできるものの、特性が異なる金属を溶接するため、溶接士能力溶接条件の設定及び管理が難しく、溶接不良が発生しやすくなるといった問題や溶接部に形成される両金属の合金によって性能が低下するといった問題がある。
そのため、過酷な環境下で使用される場合や非常に高い接合特性を必要とする場合は、同種の金属同士が溶接できるように、予め異材同士冶金的に接合させた異種金属継手材を用いる方法が多くなってきている。

0004

この異種金属材料からなる異種金属継手材を製作する方法としては、爆発圧着HIPロウ付けなどがある。継手材の両端は同種溶接となる材料となっているが、その間に両端の金属材料を接合し易くするため、あるいは性能を向上させるために別の材料を挿入している構成のものもある。

0005

近年では液化天然ガスLNG)やシェールガス液化気化プラント設備空気分離装置などが世界各地増設されており、それらの設備、装置においては極低温環境になる多くの異種金属同士の接合部が存在している。これらのガス関連設備では極低温環境下においても、信頼性の高い継手材が求められるようになっている。これらのガス関連設備では、極低温環境下においても高い接合性能が求められており、継手材の接合界面の接合状態が悪い場合は、漏れが生じ接合界面の機械特性を低下させ、大きな事故に繋がる可能性がある。

0006

また、これらのガスを輸送する運搬船においては、ガスを極低温に冷却して液化し、体積を小さくして運搬するため、液化されたガスを貯蔵する極低温用容器と、船体を接合する継手が必要となる。特に、モス型運搬船はアルミニウム製の球形タンク鋼製の船体を接合する継手が必要となり、この継手材の接合界面の接合状態が悪い場合は、剥離が生じ接合界面の機械特性を低下させ、1,000トン近い球形タンクが脱落するなど、大きな事故に繋がる可能性がある。

0007

以下の特許文献1には、爆発圧着によって製作された2層又は3層からなるアルミニウムと鋼の異材継手が開示されており、アルミニウムと鋼の接合界面の波形(波の高さ、長さ)を大きくすることで、該異材継手を溶接施工する際の、溶接熱に対する界面での接合強さを向上させる方法が記載されている。しかしながら、特許文献1には、溶接熱に対する界面での接合強さに関する記載はあるものの、極低温機器などの異材継手として装置に使用された場合の漏れや接合界面の健全性については言及されていない。

0008

以下の特許文献2には、接合させる材料のそれぞれの接合面に、凹凸加工し、その凹凸をかみ合わせた状態で接合させることで、溶接熱に対する接合界面での接合強さを向上させる方法が記載されているが、異材継手として使用される場合の、各接合界面の特性については言及されていない。

0009

以下の特許文献3には、アルミニウム又はアルミニウム合金ステンレス鋼との間にチタンニッケル層を設けることで、極低温での性能を向上させているが、各層の波高、製造方法については言及されていない。

0010

以下の特許文献4には、アルミニウム+チタン+ニッケル+鋼の多層クラッド材の製造方法として、チタンを含む層を爆発圧着する際に、アルゴンガスを使用することで接合界面の合金を低減させる方法が記載されている。特許文献4には、アルゴンガスの使用によって、衝撃値硬度が良好であることが示されているが、チタン以外の金属材料組み合わせのクラッド材製造方法、波高、特性については記載されていない。

0011

以下の特許文献5には、アルミニウム合金と鋼の間にAg又はAg合金層を介在させる方法が記載されている。特許文献5には、当該クラッド材から異材継手を製作し、アルミニウム合金と鋼を溶接接合した場合にクラッド圧着界面に異常が見られなかったことが記載されているが、波高、浸透探傷などの爆発圧着界面について調査した具体的な記載はない。

0012

以下の特許文献6には、アルミニウム合金+Ag+ステンレス鋼においてアルミニウム合金とAgの間に純アルミニウム層を介在させることが記載されている。特許文献6には、純アルミニウムを挿入すること、かつ、銀の厚みを規定することで衝撃吸収エネルギーが従来技術より向上できることが示されているが、異材継手としての漏れ難さや接合界面の波高については言及されていない。

0013

以下の特許文献7には、炭素鋼又はステンレス鋼とアルミニウムの管、棒、及び板の溶接結合を容易にする目的で、溶接時の高温環境に耐えうる材料として、チタンを選定し、界面の気密性に優れた継手が提供されている。特許文献7には、材料構成として、炭素鋼-ステンレス鋼-チタン-純アルミニウム-耐食アルミニウムのような多層クラッドについても記載されているが、記載された継手は溶接時の高温環境に耐えうることを目的としており、異材継手として使用される場合の、極低温下での漏れ量や、それを左右する接合界面の波高については示されていない。

0014

以下の特許文献8には、アルミニウム合金を含む異材継手において、溶接性を考慮して、アルミニウム合金の成分が規定されている。特許文献8には、MIG溶接を行った箇所の浸透探傷試験を行い、溶接性が良好であったことが記載されているが、爆発圧着によってクラッド化された各接合界面の健全性についての記載は見られない。

0015

以下の特許文献9には、爆発圧着によって、接合された鋼と銅-ニッケル合金、チタン、アルミニウム、アルミニウム合金で構成された継手が示されている。応用例としては、船舶用継手が想定されている。しかしながら、特許文献9には、材料の構成が主に記載されており、接合界面に着目した性能評価結果については示されていない。

0016

以下の特許文献10には、アルミニウム合金、チタン、鋼の接合体を爆発圧着によって製造する方法や、アルミニウム合金と鋼が使用されていることや、界面が波状を呈することが示されているが、接合界面の波高や、その性能に起因する製造方法の記載は見当たらない。

0017

以下の特許文献11には、爆発圧着によって、アルミニウム+チタン+ニッケル+ステンレス鋼を接合し、LNG運搬船向けの異種金属継手材として使用することが記載されており、該継手の形状や板厚が示されている。また、該継手の機械的性質についての要求性能性能測定結果が実施例に示されている。しかしながら、接合界面の健全性については言及されておらず、波高の計測や浸透探傷試験の記載は見られない。
以上のように、上述した文献のいずれにも、過酷な環境下での使用に耐えうる異種金属継手材の特徴や製造方法については全く言及されておらず、教示も示唆もされていない。

先行技術

0018

特許第3821966号公報
特開2000-135574号公報
特許第0980251号公報
特許第3323311号公報
特許第0881656号公報
特許第3431358号公報
特許第0752320号公報
特開2012-200744号公報
米国特許第5,213,904号明細書
英国特許第2210307号明細書
中国実用新案明細書(CN202878791(U))

発明が解決しようとする課題

0019

本発明が解決しようとする課題は、一方の最外端にアルミニウム合金、他方の最外端にステンレス鋼又は鋼が配置された異種金属継手材において、極低温環境下でも漏れがなく高い接合特性を有する継手材、及び該継手材の製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0020

本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、継手材におけるいずれの接合界面においても、波高が1mm以下であり、好ましくは浸透探傷試験での欠陥指示模様の長さの合計値が1mm個以下であれば、漏れがなく高い接合特性を有する継手材となることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。

0021

すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]一方の最外端がアルミニウム合金、他方の最外端がステンレス鋼又は鋼であり、該アルミニウム合金と該ステンレス鋼又は鋼の間の中間材として、純アルミニウム、ニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金及び銀からなる群から選ばれる2種以上を含む、4層以上の多層クラッド材からなる異材継手であって、該各層間の各接合界面の全てが、波高1mm以下の波状の接合界面であることを特徴とする異材継手。

0022

[2]一方の最外端がアルミニウム合金、他方の最外端がステンレス鋼又は鋼であり、該アルミニウム合金は純アルミニウムとクラッド化され、該純アルミニウムと該ステンレス鋼又は鋼の間の中間材としてニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金及び銀からなる群から選ばれる1種以上を含む、4層以上の多層クラッド材からなる異材継手であって、該各層間の各接合界面の全てが、波高1mm以下の波状の接合界面である、前記[1]に記載の異材継手。

0023

[3]前記各接合界面において、JIS Z 2343-1-II Cd-2浸透探傷試験により検出される指示模様の長さがいずれも1mm以下である、前記[1]又は[2]に記載の異材継手。

0024

[4]前記異材継手が所定の周長をもつ配管形状であり、前記各接合界面において、前記浸透探傷試験により検出される指示模様の長さの合計値が、該周長の3%以下である、前記[2]又は[3]に記載の異材継手。

0025

[5]350℃30分間の熱処理後に沸騰水(100℃)と液体窒素(-196℃)を用いた熱サイクルを1000回実施した後のJIS Z 2242に従うシャルピー衝撃試験において、各接合界面において、衝撃吸収エネルギーが15J以上である、前記[2]〜[4]のいずれかに記載の異材継手。

0026

[6]前記各層が、爆発圧着によって接合されたものである、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の異材継手。

0027

[7]液化天然ガスの液化・気化プラント設備用の、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の異材継手。

0028

[8]空気分離装置用の、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の異材継手。

0029

[9]アルミ配管ステンレス配管接合用として、アルミニウム合金、純アルミニウム、チタン、ニッケル、及びステンレス鋼の5層で構成されている、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の異材継手。

0030

[10]一方の最外端がアルミニウム合金、他方の最外端がステンレス鋼又は鋼であり、該アルミニウム合金と該ステンレス鋼又は鋼の間の中間材として、ニッケル、ニッケル合金、チタン、及びチタン合金からなる群から選ばれる2種を含む、4層の多層クラッド材からなる異材継手であって、該各層間の各接合界面の全てが、波高1mm以下の波状の接合界面である、前記[1]に記載の異材継手。

0031

[11]前記各接合界面において、JIS Z 2343-1-II Cd-2浸透探傷試験により検出される指示模様が、異材継手の長さ10mmの範囲で、5個以下である、前記[10]に記載の異材継手。

0032

[12]前記各層が、爆発圧着によって接合されたものである、前記[10]又は[11]に記載の異材継手。

0033

[13]モス型の液化天然ガス運搬船に使用されるアルミ製球形タンクと鋼製の船体の接合用として、アルミニウム合金、チタン、ニッケル、及びステンレス鋼の4層で構成されている、前記[10]〜[12]のいずれかに記載の異材継手。

0034

[14]土壌の上に母材を置き、該母材の上に所定間隔をもたせて合材を重ね、該合材上の全面に粉末爆薬をセットし、該爆薬を爆発させることにより該母材に該合材を接合させる爆発圧着法により前記各層を接合する際、貫入式土壌硬度計コーン圧入により土壌の反力を測定し、それを縮長さで表した該土壌の指標硬度が10mm以下であることを特徴とする、前記[6]〜[9]、[12]、及び[13]のいずれかに記載の異材継手の製造方法。

0035

[15]前記各層を接合する際、JIS Z8801に従う6 Meshの試験用を通過する砂粒を、前記土壌の表層として使用する、前記[14]に記載の方法。

発明の効果

0036

本発明に係る異材継手は、極低温環境下においても、漏れがなく、高い接合特性を有する。

図面の簡単な説明

0037

本発明の第一の態様の異材継手の断面図である。
本発明の実施例で用いた異種金属継手の模式図である。
接合界面における波高の定義を説明する写真である。
浸透傷試験における指示模様の写真である。
LNG運搬船向け異種金属継手の層構造を説明する模式図である。
モス型のLNG運搬船の極低温となるアルミニウム製の球形タンクと鋼製の船体とを接合するための継手の具体例を説明する図である。

0038

以下、本発明の実施態様を詳細に説明する。
明細書中、用語「極低温」とは、空気を冷却・液化・蒸留することにより、化学鉄鋼等の各プラントで使用される酸素窒素等のガスを液体として抽出するための空気分離装置や、ガス田から採掘された天然ガスを様々なプロセスを経て液化するための天然ガス液化装置などが晒される極めて低い温度を意味するほか、絶対零度摂氏下273.15℃)に近いヘリウム沸点である4K(摂氏零下約269℃)までを含む。

0039

図1に示すように、本発明の第一の態様は、ステンレス鋼を第1部材1とし、アルミニウム、アルミニウム系合金、チタン、及びチタン系合金から選ばれる金属材料の第2部材2との間に少なくとも1層の中間材3を有しており、該中間材3のトータル板厚が4〜20mmである異材継手である。
中間材3は、ステンレス鋼やアルミニウム、アルミニウム系合金、チタン、チタン系合金から選ばれる金属材料と接合性のよいアルミニウム、チタン、ニッケル、銀又は銀合金などから1種又は複数種選ばれる。
異材継手は、第1部材1、第2部材2を始点とし、配管の外径よりも太い肉厚をもつ「つば部5」を有することが好ましい。つば部5の始点は円弧半径が1mm以上のフィレット部をもつことで、継手内を流れる流体によって温度や圧力が負荷された場合に応力集中が起こらず、全体として応力がより軽減できる傾向にある。

0040

また、該異材継手全長を該つば部5の長さで除した値が1.5以上であることが好ましい。該異材継手全長を該つば部5の長さで除した値が1.5以上となるように、該つば部5以外を切削加工することで、異種金属の接合部近傍が、温度や圧力の負荷に対してより耐えうるとともに、継手全体の軽量化が得られ、装置全体への負荷が軽減され、かつ作業性のよい構造となる。

0041

多層からなる異材継手の異種金属間の接合面には波状界面があり、直線状の状態を呈する接合界面に比べて接合面積が増加しているため、接合強度が高くなる。一方、波状界面の波長や波高が大きくなると接合界面への金属間化合物が生成しやすくなるため、接合界面は硬くて脆くなる恐れがある。従って、該異材継手の異種金属間における波状の接合界面の波長と波高がそれぞれ1mm以下であることが好ましい。

0042

以上説明したように、本発明の第一の態様は、ステンレス鋼を第1部材とし、アルミニウム、アルミニウム系合金、チタン、及びチタン系合金から選ばれる金属材料の第2部材との間に少なくとも1層の中間材を有している異種金属で構成された異材継手である。該中間材を設けることで接合性を高めることができる、また、第1部材と第2部材を始点としたつば部を有することで異材継手としての性能を保持しながら、軽量化と作業性の向上も達成できる、また、つば部の始点をR形状とすることでつば部始点の応力集中が回避できる。さらに、異種金属間の接合界面には波状界面を有し、該波状界面の波長、波高を制御することで高い接合強度と高い耐リーク性の両方が得られる。

0043

本発明の第二の態様は、一方の最外端がアルミニウム合金、他方の最外端がステンレス鋼又は鋼であり、該アルミニウム合金は純アルミニウムとクラッド化され、該純アルミニウムと該ステンレス鋼又は鋼の間の中間材としてニッケル、ニッケル合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金及び銀からなる群から選ばれる1種以上を含む、4層以上の多層クラッド材からなる異材継手であって、該各層間の各接合界面の全てが、波高1mm以下の波状の接合界面であり、かつ、該各接合界面において、JIS Z 2343-1-II Cd-2又は同等規格に従う浸透探傷試験により検出される指示模様の長さがいずれも1mm以下である異材継手である。

0044

第二の態様においては、一方の最外端にアルミニウム合金、他方の最外端にステンレス鋼又は鋼が配置され、接合界面の波高が1mm以下であり、かつ、浸透探傷試験での欠陥指示模様の長さの合計値が、好ましくは周長の3%以下であることで、極低温環境においても漏れを極小化し、高い接合特性を有する溶接用継手材が提供される。

0045

本発明で用いられるアルミニウムとは、ASME Section II, Part B又はJIS規格における合金番号1100、1080、1070、1050又は同等品の純アルミニウムのことである。アルミニウム合金とは、前述した純アルミニウム以外の、アルミニウムを主成分とし、Fe成分やMn、Mg等の成分を含んだ合金である。

0046

鋼、ステンレス鋼とは、Feを主成分とするASME Section II, Part A又はJIS規格に記載されるもの、又は該規格と同等の成分を含んだものである。

0047

本明細書中、接合界面における「波高」とは、図3に示すように、波の頂上から谷までの高さの差を示す。本発明において、波高は、拡大鏡ノギスを用いて継手材外周面上の接合界面の任意の10点を計測し、その平均値を求めたものを意味する。但し、以下の実施例1と2においては、電子顕微鏡で測定した。

0048

浸透探傷試験は、JIS Z 2343-1-II Cd-2又は同等規格に準じ、検出された赤色指示模様の大きさ、数をノギスなどの計測機を使用し測定する。
具体的には、指示模様とは、図4に示すように材料表面に存在する傷が、浸透探傷試験で用いた浸透液により目視で観察される赤色の模様のことであり、検出された模様の大きさ、数をノギスなどの計測機を使用し測定する。本発明においては、配管継手の場合、指示模様の長さが、いずれも1mm以下であるか、又は、指示模様の長さの合計値が、周長の3%以下であることが好ましい。また、以下に第三の態様として図5と6に例示する板状の異材継手の場合には、各指示模様が1mm以下であり、かつ、該異材継手の長さ10mmの範囲で5個以下であることが好ましい。

0049

衝撃吸収エネルギーは、JIS Z 2242の金属材料のシャルピー衝撃試験方法に従い、Vノッチ試験片を用いて試験を実施した結果から得られた値である。本発明においては、配管継ぎ手の場合、衝撃吸収エネルギーは、350℃30分間の熱処理後に沸騰水(100℃)と液体窒素(-196℃)を用いた熱サイクルを1000回実施した後、各接合界面において、15J以上であることが好ましい。

0050

漏れ量の評価試験は、JIS Z 2331又は同等規格のヘリウム漏れ試験方法真空吹付け方式で行う。

0051

土壌の指標硬度は、貫入式土壌硬度計を用いて地表面又は表層の土壌硬度測定を行う際に、硬度計のコーン圧入により土壌の反力を測定し、それを縮長(mm)として表したものであり、地盤工学会で示されている土壌硬度試験方法に基づいて測定した値である。測定対象面を1cm掘り下げ平坦面を成形し、5点の計測を繰り返して行う。指標硬度は、最大値最小値切り捨て、残り3点の平均値を算出しその測定面での指標硬度として決定する。

0052

爆発圧着を実施する土壌表層の砂粒は、JIS Z 8801に定められる試験用ふるいを全量通過する粒子とする。土壌表層は約10cmである。

0053

なお、本発明の第一態様又は第二態様の異種金属継手は、前述した空気分離装置や天然ガス液化装置の各種配管だけでなく、建築構造物輸送機器などのアルミニウム又はアルミニウム合金とその他各種金属を溶接接合する場合に用いることも可能である。

0054

本発明の第三の態様は、図5と6に例示する、モス型のLNG運搬船の球形タンクと鋼製の船体を接合する異材継手であるが、その他の船舶や輸送機器、構造体などのアルミニウム合金とその他各種金属を溶接接合する場合に用いることも可能である。前記したように、板状の異材継手である第三の態様においては、各指示模様が1mm以下であり、かつ、該異材継手の長さ10mmの範囲で5個以下であることが好ましい。

0055

本発明の第四の態様は、土壌の上に母材を置き、該母材の上に所定間隔をもたせて合材を重ね、該合材上の全面に粉末の爆薬をセットし、該爆薬を爆発させることにより該母材に該合材を接合させる爆発圧着法により前記各層を接合する際、貫入式土壌硬度計のコーン圧入により土壌の反力を測定し、それを縮長さで表した該土壌の指標硬度が10mm以下であることを特徴とする前記異材継手の製造方法である。各層を接合する際、JIS Z8801に従う6 Meshの試験用篩を通過する砂粒を、前記土壌の表層として使用することが好ましい。

0056

爆発圧着とは、爆薬の高い圧力を利用した金属接合方法の1つであり、特に異種金属同士を強固に接合することのできる技術である。この技術の大きな特徴は、金属素材に熱をほとんど負荷させることなく、接合させることができるので、通常の方法では接合できない金属同士の組み合わせでも強固に接合することができることである。さらに、強固に接合されるメカニズムとして、爆発圧着によって接合された金属の接合界面は、特有の波状を呈することが知られており、直線の接合界面より接合面積が大きいことに起因するとも言われている。但し、この波状界面の大きさが大きくなるにつれ、接合時の塑性変形熱的影響が大きくなるため、接合界面の合金層化につながる。接合界面に合金層が生成すると、接合部が硬く・脆くなる傾向にあるため、接合界面にミクロクラックが生じやすい。異材継手が、極低温環境下に晒されるような前記した設備・装置等に使用される場合、ミクロクラックの拡大や進展があり、重大な事故につながる危険性がある。したがって、接合界面の波の高さを制御することと、ミクロクラックの存在を確認する浸透探傷試験を行うことが重要となる。

0057

爆発圧着に用いる爆薬とは、爆轟波を発生する火薬類である。金属板を強固に接合させるためには、爆速が1000m毎秒以上の爆薬を用いることが好ましく、より最適な接合力とするために、音速の1/3〜1/2となる1500m〜3000m/秒の爆薬を用いることが更に好ましい。爆薬としては、具体的には硝酸アンモニウム硝酸エステル類のPETN(ペンタエリスリトールテトラナイトレート)やニトログリセリンニトロ化合物TNTトリニトロトルエン)、ニトラミンシクロトリメチレントリニトラミンシクロテトラメチレンテトラニトラミンなどが挙げられ、これらを単独又はその他爆薬成分あるいはその他爆薬以外の成分を混合したものを用いてもよい。

0058

以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでないことはいうまでもない。
[実施例1]
第1部材としてアルミニウム合金(JIS A5052P-O、板厚:40mm)を使用し、中間材が工業用純アルミニウム(JIS A1100P-H112、板厚:12mm)と工業用純チタン(JISTP270C板厚:2mm)と工業用純ニッケル(JIS NW2200、板厚:1.6mm)からなり、第2部材がステンレス鋼(JIS SUS304L、板厚:30mm)である5層クラッドを製作した。異材継手全長をつば部長さで除した値は1.9であり、接合界面の波長と波高は、アルミニウム合金と純アルミニウムの接合界面でそれぞれ549、221μm、純アルミニウムとチタンの接合界面でそれぞれ839、125μm、チタンとニッケルの接合界面でそれぞれ451、144μm、ニッケルとステンレス鋼の接合界面でそれぞれ717、173μmであった。得られた継手について、JIS Z 2331の「ヘリウム漏れ試験方法」に従いヘリウムリーク試験を行ったところ、3.2 x 10−11 Pa・m3/sec (常温)であり、優れた耐リーク性能を持つことが判った。また、JIS Z 2242に準じて、シャルピー衝撃試験片を作製し-196℃(液体窒素)で冷却したものを衝撃試験したところ、アルミニウム合金と純アルミニウムの接合界面で52J、純アルミニウムとチタンの接合界面で62J、チタンとニッケルの接合界面で104J、ニッケルとステンレス鋼の接合界面で90Jの吸収エネルギー値が得られた。

0059

[実施例2]
第1部材としてアルミニウム合金(JIS A5052P-O、板厚:50mm) を使用し、中間材が工業用純アルミニウム(JIS A1100P-H112、板厚:12mm)と銀板(JIS H2141 Grade1、板厚:1mm) からなり、第2部材がステンレス鋼(JIS SUS304L、板厚:50mm)からなる4層クラッドを製作した。異材継手全長をつば部長さで除した値は1.9であり、接合界面の波長と波高は、アルミニウム合金と純アルミニウムの接合界面でそれぞれ858、322μm、純アルミニウムと銀の接合界面でそれぞれ500、79μm、銀とステンレス鋼の接合界面でそれぞれ250、50μmであった。得られた継手について、JIS Z 2331の「ヘリウム漏れ試験方法」に従いヘリウムリーク試験を行ったところ、1.3 x 10−11 Pa・m3/sec (常温)であり、優れた耐リーク性能を持つことが判った。また、JIS Z 2242に準じて、シャルピー衝撃試験片を作製し-196℃(液体窒素)で冷却したものを衝撃試験したところ、アルミニウム合金と純アルミニウムの接合界面で39J、純アルミニウムと銀の接合界面で61J、銀とステンレス鋼の接合界面で65Jの吸収エネルギー値が得られた。

0060

[実施例3]
土壌表層の砂粒が6 Meshを通過し、土壌の平均指標硬度が4.9mmの土壌環境で、アルミニウム合金(ASME SB-209 5083-O)と純アルミニウム(ASME SB-209 1100-H112)とチタン(ASME SB-265 Grade 1)とニッケル(ASME SB-162 UNS NO02200)とステンレス鋼(ASME SA-240 Type304L)からなる5層クラッドを爆発圧着法により作製した。このクラッドに対してJIS G 0601に従った超音波探傷試験を行い、接合が確認された位置から図2に示す形状の異材継手を製作し性能評価を行った(a=73mm,b=4.4mm,c=25mm,d=80mm,e=102mm,R=5mm)。

0061

接合界面の波高は継手材外周面上(図2のe部)で拡大鏡・ノギスを用いて測定した。浸透探傷試験はJIS Z 2343-1-II Cd-2に従い外周面全面に行い検出した指示模様の長さ又は直径を測定した。ヘリウム漏れ試験はJIS Z 2331真空吹付け法に従い実施した。その結果を以下の表1に示す。波高・指示模様は、本発明[1]乃至[3]の範囲内であり、漏れも生じていないことが確認された。

0062

0063

次に該継手材に対し、溶接熱を考慮した350℃−30分間の熱処理後、沸騰水(100℃)と液体窒素(-196℃)を用いた熱サイクルを1000回実施して、再度同様の試験を実施した。更に継手材より、JIS Z 2242に従った衝撃試験片採取し試験を実施した。結果を以下の表2に示す。溶接熱・熱サイクルが加えられても性能の劣化が無く、継手として十分な性能を有することが確認された。衝撃試験では全てASME SB-209 1100-H112素材破壊が生じており、Vノッチの形成された接合界面では破壊が生じなかった。

0064

0065

[実施例4]
土壌の平均指標硬度が4.9mm、土壌表層の砂粒が6 Meshを通過する土壌環境で、アルミニウム合金(ASME SB-209 5083-O)と純アルミニウム(ASME SB-209 1100-H112)と銀(ASTMB-413)とステンレス鋼(ASME SA-240 Type304L)からなる4層クラッドを爆発圧着法により作製した。このクラッドに対してJIS G 0601に従った超音波探傷試験を行い、接合が確認された位置から図2に示す形状の異材継手を製作し性能評価を行った(a=60mm,b=7mm,c=25mm,d=106mm,e=76mm,R=5mm)。
接合界面の波高測定結果、浸透探傷試験及びヘリウム漏れ試験の結果を以下の表3に示す。波高・指示模様は本発明[1]乃至[4]の範囲内であり、漏れも生じていないことが確認された。

0066

0067

[比較例1]
土壌表層の砂粒が6 Meshを通過する土壌環境で平均指標硬度を20mmとして爆発圧着を行った以外は、実施例3と同様に製作したクラッド板から、継手材を製作し、性能評価を行った。結果を以下の表4に示す。波高及び指示模様が本発明[1]乃至[3]の範囲から外れる継手材が製作された。但し、ヘリウム漏れ試験では漏れは確認されなかった。

0068

0069

次に該継手材に対し、溶接熱を考慮した350℃−30分間の熱処理後、沸騰水(100℃)と液体窒素(-196℃)を用いた熱サイクルを1000回実施して、再度同様の試験を実施した。その結果を以下の表5に示す。熱サイクル試験前と比較して、指示模様長さが拡大しており、ヘリウム漏れ試験で漏れが検出された。接合界面の波高、指示模様が大きくなることが、継手としての性能を低下させ、極低温での強度が劣ることが確認された。

0070

0071

[実施例5]
土壌の平均指標硬度が4.9mm、土壌表層の砂粒が6 Meshを通過する土壌環境で、アルミニウム合金(JIS A3003P-O)とチタン(JISTP270C)とニッケル(JIS NW2201)とステンレス鋼(JIS SUS304L)からなる4層クラッドを爆発圧着法により作製した。このクラッドに対してJIS G 0601に従った超音波探傷試験を行い、接合が確認された位置から元板厚さままで9mm×250mmの継手材をバンドソーで切り出した。継手材外周の切断面を研磨して表面仕上げを行った。
接合界面の波高は継手材外周面上で拡大鏡・ノギスを用いて測定した。浸透探傷試験はJIS Z 2343-1-II Cd-2に従い外周面全面に行い検出した指示模様の長さ又は直径を測定した。その結果を以下の表6に示す。波高は本発明[10]乃至[11]の範囲内であり、指示模様は一切検出しなかった。

0072

0073

次に該継手材に対し、JIS G0601に従ってR=6T-90°の側曲げと溶接熱を考慮した350℃−30分間の熱処理、及び、沸騰水(100℃)と液体窒素(-196℃)を用いた熱サイクルを1000回行った後、再度、透探傷試験を実施した。その結果、指示模様は一切検出しなかった。本発明の範囲内であれば曲げ加工、溶接熱、及び、熱サイクルが加えられても、接合界面の物性に影響は無く、継手として十分な性能を有することが確認された。

0074

[比較例2]
実施例5と同様の材料を用いて、土壌の平均指標硬度が20mm、土壌表層の砂粒が6 Meshを通過する土壌環境で製作した4層クラッドから、実施例5と同じ継手材を切り出し、性能評価を行った。結果を以下の表7に示す。波高及び指示模様が本発明[10]乃至[11]の範囲から外れる継手材が製作された。

0075

0076

次に、実施例と同様の側曲げ試験、熱処理、熱サイクルを実施した該継手材に、浸透探傷試験を実施した。結果を以下の表8に示す。指示模様長さはそれぞれ拡大しており、更に、製品長さ10mmの範囲に1mm未満の長さの指示模様が6個確認されていた箇所は、その全ての指示模様がつながり一つの大きな指示模様となって検出された。特にアルミとチタン界面においては目視で確認できる剥離があり、指示模様も広い範囲で生じていたことから、本発明[10]乃至[11]の範囲から外れた製品は、継手としての性能を有していないことが確認された。

実施例

0077

0078

極低温環境下や高真空性能が求められる設備、装置は、媒体高圧力や危険物質であることが多く、それらの部材が損傷すると、経済的損失だけではなく、人的被害を起こす可能性がある。このため、異材継手において接合状態が悪く、接合性能が低い場合は、経時変化や不慮の応力集中、熱サイクル等によってクラックが発生、進展し、上述したような問題に繋がりかねない。本発明に係る溶接用継手材は、極低温環境下においても、高い信頼性能および高い接合性能を発揮することができるため、極低温環境下や高真空性能が求められる設備、装置において好適に利用可能である。

0079

図1の符号)
1 第1部材
2 第2部材
3 第3部材(中間材)
4フィレット部
5つば部
図2の符号)
1アルミニウム合金
2アルミニウム
3チタン
4ニッケル
5ステンレス鋼
図5の符号)
1 アルミニウム合金
2 チタン
3 ニッケル
4 ステンレス鋼

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • トヨタ自動車株式会社の「 トレランスリング」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】簡易な構造で潤滑性能を向上させることができるトレランスリングを提供すること。【解決手段】略円環状の基部11と、基部11から径方向外側に隆起する複数の隆起部12と、を有し、ロータシャフト20とギ... 詳細

  • トヨタ自動車株式会社の「 トレランスリングの潤滑構造」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】簡易な構造で潤滑性能を向上させることができるトレランスリングの潤滑構造を提供すること。【解決手段】ロータシャフト20とギヤシャフト30との間に挿入されたトレランスリング10の潤滑構造であって、... 詳細

  • トヨタ自動車株式会社の「 トレランスリングの潤滑構造」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】簡易な構造で潤滑性能を向上させることができるトレランスリングの潤滑構造を提供すること。【解決手段】略円環状の基部11と、基部11から径方向内側に突出する複数の内向き突部12と、を有し、ロータシ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ