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技術 ゼオライト分離膜および分離モジュール

出願人 学校法人早稲田大学日立造船株式会社
発明者 松方正彦瀬下雅博吉田大輝藤田優矢野和宏
出願日 2015年3月18日 (4年3ヶ月経過) 出願番号 2015-055284
公開日 2016年10月6日 (2年9ヶ月経過) 公開番号 2016-174996
状態 特許登録済
技術分野 半透膜を用いた分離 珪酸塩及びセ゛オライト、モレキュラーシーブ
主要キーワード 非凝縮性流体 X線回折法 バブルポイント試験 水熱処理前 微多孔質層 凝縮性流体 粒子径測定器 蒸気透過法
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年10月6日)のものです。
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図面 (6)

課題

非凝縮性流体(例えば、一酸化炭素二酸化炭素水素など)と凝縮性流体(例えば、水、メタノールなど)とを含む混合流体から、凝縮性流体を選択的に、かつ、高い透過率で分離することのできるゼオライト分離膜を提供する。

解決手段

多孔質支持体と、前記多孔質支持体の表面に形成される第1ゼオライト層と、前記第1ゼオライト層の表面に形成される第2ゼオライト層と、を備え、前記第1ゼオライト層は、MFI型ゼオライト粒子を含み、前記第2ゼオライト層は、MFI型ゼオライトの膜体を含み、前記粒子のシリコン元素アルミニウム元素との元素比:Si/Alが、50以上である、ゼオライト分離膜。

概要

背景

ゼオライト(zeolite)は、天然鉱物として各地で産出されており、人工的にも合成されている。ゼオライトの組成は、例えば、一般式:xM2O・yAl2O3・zSiO2・nH2Oで表わされ、ケイ酸塩中にあるシリコン原子の一部がアルミニウム原子に置き換えられた構造を有する。Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、アルミノケイ酸塩骨格陽電荷補償する。アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、マグネシウム(Mg)などが挙げられる。

ゼオライトの構造の基本的な単位は、SiO4あるいはAlO4の四面体構造であり、これらが3次元方向に連なり結晶を形成している。ゼオライトの結晶構造は多様であり、220種あまりの結晶構造が報告されている。この結晶は多孔質であり、細孔の直径は、通常0.2〜1.0nm程度である。そのため、ゼオライトは、複数成分の混合物中から、特定の成分を選択的に透過または除去するための分離膜素材として用いられている。

例えば、特許文献1および2には、ゼオライトの多結晶体を、メタノール製造時の脱水分離膜として使用することが教示されている。

概要

非凝縮性流体(例えば、一酸化炭素二酸化炭素水素など)と凝縮性流体(例えば、水、メタノールなど)とを含む混合流体から、凝縮性流体を選択的に、かつ、高い透過率で分離することのできるゼオライト分離膜を提供する。多孔質支持体と、前記多孔質支持体の表面に形成される第1ゼオライト層と、前記第1ゼオライト層の表面に形成される第2ゼオライト層と、を備え、前記第1ゼオライト層は、MFI型ゼオライト粒子を含み、前記第2ゼオライト層は、MFI型ゼオライトの膜体を含み、前記粒子のシリコン元素アルミニウム元素との元素比:Si/Alが、50以上である、ゼオライト分離膜。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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請求項1

多孔質支持体と、前記多孔質支持体の表面に形成される第1ゼオライト層と、前記第1ゼオライト層の表面に形成される第2ゼオライト層と、を備え、前記第1ゼオライト層は、MFI型ゼオライト粒子を含み、前記第2ゼオライト層は、MFI型ゼオライトの膜体を含み、前記粒子のシリコン元素アルミニウム元素との元素比:Si/Alが、50以上である、ゼオライト分離膜

請求項2

前記粒子のシリコン元素とアルミニウム元素との元素比:Si/Alが、90以上である、請求項1に記載のゼオライト分離膜。

請求項3

前記粒子の平均粒子径が、前記多孔質支持体の表面に存在する細孔の平均細孔径よりも大きい、請求項1または2に記載のゼオライト分離膜。

請求項4

前記多孔質支持体が、セラミックスおよび金属よりなる群から選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゼオライト分離膜。

請求項5

外装体と、前記外装体の内部に配置され、被分離流体を含む処理流体から被分離流体を分離する分離膜と、を備え、前記外装体が、前記処理流体を前記外装体の内部に供給する供給口と、前記分離膜により分離された前記被分離流体を前記外装体から排出する第1排出口と、前記被分離流体の少なくとも一部が除去された前記処理流体を前記外装体から排出する第2排出口と、を備え、前記分離膜が、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゼオライト分離膜を含む、分離モジュール

請求項6

前記ゼオライト分離膜が、開口部および底部を有する管状体であり、前記管状体の外表面が、前記第2ゼオライト層で形成されており、前記開口部が、前記第1排出口と連通している、請求項5に記載の分離モジュール。

請求項7

前記被分離流体が、メタノールおよび水よりなる群から選択される少なくとも一種である、請求項5または6に記載の分離モジュール。

技術分野

0001

本発明は、ゼオライト分離膜および分離モジュールに関し、特に、メタノールおよび水の分離性能に優れるゼオライト分離膜に関する。

背景技術

0002

ゼオライト(zeolite)は、天然鉱物として各地で産出されており、人工的にも合成されている。ゼオライトの組成は、例えば、一般式:xM2O・yAl2O3・zSiO2・nH2Oで表わされ、ケイ酸塩中にあるシリコン原子の一部がアルミニウム原子に置き換えられた構造を有する。Mは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、アルミノケイ酸塩骨格陽電荷補償する。アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、マグネシウム(Mg)などが挙げられる。

0003

ゼオライトの構造の基本的な単位は、SiO4あるいはAlO4の四面体構造であり、これらが3次元方向に連なり結晶を形成している。ゼオライトの結晶構造は多様であり、220種あまりの結晶構造が報告されている。この結晶は多孔質であり、細孔の直径は、通常0.2〜1.0nm程度である。そのため、ゼオライトは、複数成分の混合物中から、特定の成分を選択的に透過または除去するための分離膜素材として用いられている。

0004

例えば、特許文献1および2には、ゼオライトの多結晶体を、メタノール製造時の脱水分離膜として使用することが教示されている。

先行技術

0005

特開2007−55975号公報
特開2007−55970号公報

発明が解決しようとする課題

0006

メタノールは、例えば、一酸化炭素(CO)あるいは二酸化炭素(CO2)と、水素(H2)とを含む原料ガスを用いて、気相反応により合成される。合成の反応式は、以下のとおりである。
CO+2H2 ⇔ CH3OH(1)
CO2+3H2 ⇔ CH3OH+H2O(2)

0007

上記反応は平衡反応である。そのため、反応系内からメタノールおよび水を選択的に除去することにより、反応効率を向上させることができる。しかし、水とともにメタノールを、高い選択性および透過率で透過することのできるゼオライト分離膜は報告されていない。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、多孔質支持体と、前記多孔質支持体の表面に形成される第1ゼオライト層と、前記第1ゼオライト層の表面に形成される第2ゼオライト層と、を備え、前記第1ゼオライト層は、MFI型ゼオライト粒子を含み、前記第2ゼオライト層は、MFI型ゼオライトの膜体を含み、前記粒子のシリコン元素アルミニウム元素との元素比:Si/Alが、50以上である、ゼオライト分離膜に関する。

0009

また、本発明は、外装体と、前記外装体の内部に配置され、被分離流体を含む処理流体から被分離流体を分離する分離膜と、を含み、前記外装体が、前記処理流体を前記外装体の内部に供給する供給口と、前記分離膜により分離された前記被分離流体を前記外装体から排出する第1排出口と、前記被分離流体の少なくとも一部が除去された前記処理流体を前記外装体から排出する第2排出口と、を備え、前記分離膜が、上記ゼオライト分離膜を含む、分離モジュールに関する。

発明の効果

0010

本発明によれば、非凝縮性流体(例えば、CO、CO2、H2など)と凝縮性流体(例えば、水、メタノールなど)とを含む混合流体から、凝縮性流体を選択的に、かつ、高い透過率で分離することのできるゼオライト分離膜を得ることができる。そのため、メタノールの製造プロセスに、このゼオライト分離膜を用いた分離プロセスを組み込むことにより、効率よくメタノールを製造することができる。

図面の簡単な説明

0011

本発明の一実施形態に係る分離モジュールを模式的に示す断面図である。
実施例1〜3で作製された、種結晶担持された多孔質支持体の表面(上段)および断面(下段)のSEM画像である。
実施例1〜4で作製された、ゼオライト分離膜の表面(上段)および断面(下段)のSEM画像である。
比較例1で作製された、ゼオライト分離膜の表面(上段)および断面(下段)のSEM画像である。
実施例で用いた評価装置を説明する概念図である。

実施例

0012

本発明に係るゼオライト分離膜は、多孔質支持体と、前記多孔質支持体の表面に形成される第1ゼオライト層と、前記第1ゼオライト層の表面に形成される第2ゼオライト層と、を備える。このとき、前記第1ゼオライト層は、MFI型ゼオライトの粒子を含み、前記粒子のシリコン元素とアルミニウム元素との元素比:Si/Alは、50以上である。前記第2ゼオライト層は、MFI型ゼオライトの膜体を含む。これにより、凝縮性流体を選択的に分離できるゼオライト分離膜を得ることができる。ゼオライト分離膜は、凝縮性流体の透過率にも優れる。

0013

前記粒子のシリコン元素とアルミニウム元素との元素比:Si/Alは、90以上であることが好ましい。凝縮性流体の選択性および透過率がさらに向上するためである。

0014

前記粒子の平均粒子径は、前記多孔質支持体の表面に存在する細孔の平均細孔径よりも大きいことが好ましい。凝縮性流体の透過率がさらに向上するためである。

0015

前記多孔質支持体は、セラミックスおよび金属よりなる群から選択される少なくとも一種を含むことが好ましい。ゼオライト分離膜の耐熱性および耐圧性が向上するためである。

0016

本発明にかかる分離モジュールは、外装体と、前記外装体の内部に配置され、被分離流体を含む処理流体から被分離流体を分離する分離膜と、を備える。このとき、前記外装体は、前記処理流体を前記外装体の内部に供給する供給口と、前記分離膜により分離された前記被分離流体を前記外装体から排出する第1排出口と、前記被分離流体の少なくとも一部が除去された前記処理流体を前記外装体から排出する第2排出口と、を備える。前記分離膜は、上記ゼオライト分離膜を含む。この分離モジュールを用いることにより、凝縮性流体を選択的に、かつ、高い透過率で分離することができる。

0017

前記ゼオライト分離膜は、開口部および底部を有する管状体であっても良い。この場合、前記管状体の外表面は、前記第2ゼオライト層で形成されており、前記開口部は、前記第1排出口と連通している。

0018

前記被分離流体は、メタノールおよび水よりなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。前記分離モジュールは、特に、水およびメタノールの選択性および透過率に優れるためである。

0019

[ゼオライト分離膜]
以下、本発明に係るゼオライト分離膜について詳述する。
ゼオライト分離膜は、多孔質支持体と、多孔質支持体の表面に形成される第1ゼオライト層と、第1ゼオライト層の表面に形成される第2ゼオライト層と、を備える。

0020

[第1ゼオライト層]
第1ゼオライト層は、MFI型の結晶構造を有するゼオライトの粒子(以下、第1ゼオライト粒子と称する)を含む。多孔質支持体上に、第1ゼオライト粒子を含む層が形成されていることにより、ゼオライト分離膜としての透過抵抗が減少し、凝縮性流体の透過率が向上する。さらに、メタノール合成のように、反応系中にCO、CO2やH2などの分子の小さい非凝縮性流体が含まれる場合であっても、ゼオライト分離膜は、水およびメタノールを選択的に透過する。凝縮性流体としては、特に限定されず、水、メタノール等が挙げられる。なかでも、ゼオライト分離膜は、水およびメタノールを選択的に、かつ、高い透過率で分離することができる。

0021

MFIとは、国際ゼオライト学会(International Zeolite Association : IZA)によって定められたゼオライト結晶構造コードであって、酸素10員環からなる3次元細孔を有している。MFI型ゼオライトとしては、例えば、ZSM−5などが知られている。

0022

第1ゼオライト粒子のシリコン元素とアルミニウム元素との元素比:Si/Alは、50以上である。第1ゼオライト粒子のSi/Alは、90以上であることが好ましく、150以上であることがより好ましく、200以上であることが特に好ましい。水およびメタノールに対する選択性および透過率が、さらに向上するためである。Si/Alは、エネルギー分散X線分析装置(EDX)により測定することができる。

0023

第1ゼオライト粒子に含まれるSiおよびAl以外のカチオン種としては、特に限定されず、アルカリ金属(例えば、Li、Na、K等)やアルカリ土類金属(Ca、Ba、Sr、Mg等)が挙げられる。なかでも、水およびメタノールに対する選択性の観点から、第1ゼオライト粒子に含まれるSiおよびAl以外のカチオン種としては、Naが好ましい。

0024

第1ゼオライト粒子は、種結晶に由来する。種結晶とは、結晶化の起点(核)となる結晶である。種結晶を多孔質支持体に担持させて、Al源およびSi源等を含む原料液中で水熱処理を行うことにより、ゼオライト結晶の成長が促進され、第2ゼオライト層が効率的に生成される。

0025

通常、種結晶は、これを起点として成長するゼオライト結晶の中に取り込まれる。そのため、水熱処理後、種結晶は、多孔質支持体上に粒子の形態ではほとんど存在しない。しかし、Si/Al≧50のMFI型ゼオライト粒子を種結晶として使用する場合、水熱処理後も、種結晶の一部を多孔質支持体上に粒子の形態で存在させることができる。

0026

種結晶を多孔質支持体に担持させる方法としては、種結晶を水等の溶媒に分散させた分散液に多孔質支持体を浸漬した後、乾燥するディップ法や、種結晶を含むスラリーを多孔質支持体の表面に塗布した後、乾燥する方法等が挙げられる。第1ゼオライト層が形成され易い点で、種結晶は、多孔質支持体に3〜5g/m2程度、担持されることが好ましい。

0027

第1ゼオライト粒子は、第1ゼオライト層に、ゼオライト粒子の集合体として存在し得る。第1ゼオライト層にゼオライト粒子が存在することは、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、ゼオライト分離膜の断面を観察することにより確認し得る。また、第1ゼオライト粒子は、種結晶と同じ外形を有しているとは限らず、水熱処理によって変形、合体している場合もあり得る。第1ゼオライト層と第2ゼオライト層との境界には、境界面を確認することが可能である。境界面は、SEMを用いて、ゼオライト分離膜の断面を観察することにより確認し得る。

0028

第1ゼオライト層が、種結晶由来の第1ゼオライト粒子を含むことは、例えば、X線回折法(XRD)により確認することができる。水熱処理前の多孔質支持体に担持された種結晶の層と、水熱処理後の第1ゼオライト層とのXRDのプロファイルでは、いずれも同じ位置(例えば、[200]面および[020]面)に強いピーク観測される。これにより、第1ゼオライト層は種結晶と同じ結晶構造を有するゼオライト粒子、すなわち、種結晶由来の第1ゼオライト粒子を含むことが確認できる。

0029

種結晶の平均粒子径は、結晶の成長速度の観点から、100nm〜1μmであることが好ましく、100nm〜800nmであることがより好ましい。また、第1ゼオライト層を形成し易い点で、種結晶の平均粒子径は、多孔質支持体の表面に存在する細孔Psの平均細孔径よりも大きいことが好ましい。多孔質支持体に種結晶を担持させる際に、細孔Psの内部に種結晶が入り込むと、第1ゼオライト層が形成され難いためである。細孔Psの平均細孔径については、後述する。

0030

第1ゼオライト粒子の平均粒子径は、透過抵抗の観点から、100nm〜1μmであることが好ましく、100nm〜800nmであることがより好ましい。また、透過抵抗の観点から、第1ゼオライト粒子の平均粒子径は、多孔質支持体の表面に存在する細孔Psの平均細孔径よりも大きいことが好ましく、後述する第2ゼオライト膜結晶子径よりも大きいことが好ましい。

0031

平均粒子径とは、レーザー回折式の粒子径分布測定装置により求められる、体積粒度分布におけるメディアン径(D50)である(以下、同じ)。平均粒子径は、例えば、大塚電子株式会社製の粒子径測定器FPAR−1000)により測定することができる。

0032

第1ゼオライト層の平均厚さT1は、特に限定されない。なかでも、透過抵抗の観点から、平均厚さT1は、1μm〜3μmであることが好ましく、1.5μm〜2.5μmであることがより好ましく、1.8μm〜2.5μmであることがさらに好ましい。第1ゼオライト層および第2ゼオライト層の厚さは、例えば、ゼオライト分離膜の断面をSEMで観察し、任意の複数箇所(例えば、10箇所)の各ゼオライト層の厚みを測定し、平均化することにより算出することができる。

0033

第1ゼオライト粒子の結晶子径は、ゼオライト分離膜の分離性能の観点から、10nm〜700nmであることが好ましい。結晶子径は、X線回折法により得られるピーク値半値幅を求め、これをシェラー(Scherrer)の式に当てはめることにより、平均値として算出することができる(以下、同じ)。

0034

[第2ゼオライト層]
第2ゼオライト層は、MFI型ゼオライトの膜体(以下、第2ゼオライト膜と称す)を含む。第2ゼオライト膜は、多孔質支持体に担持された種結晶の一部を起点として、多孔質支持体上に成長したゼオライトの多結晶体である。そのため、第2ゼオライト層は、第1ゼオライト層よりも緻密である。第2ゼオライト膜は、種結晶の結晶構造と同じMFI型の結晶構造を備える。種結晶の残部は、多孔質支持体上に第1ゼオライト層を形成するため、第2ゼオライト層は、第1ゼオライト層の表面に形成される。

0035

第2ゼオライト層の平均厚さT2は、分離性能の観点から、1μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜4μmであることがより好ましく、1μm〜2.5μmであることがさらに好ましい。平均厚さT1と平均厚さT2との比(T1/T2)は特に限定されないが、分離性能と透過抵抗とのバランスの点で、0.6〜1.2であることが好ましい。

0036

第2ゼオライト膜のSi/Al(元素比)は特に限定されない。水およびメタノールの透過性の観点から、第2ゼオライト膜のSi/Alは5〜200であることが好ましい。

0037

第2ゼオライト膜に含まれるSiおよびAl以外のカチオン種としては、特に限定されず、上記したようなアルカリ金属およびアルカリ土類金属が挙げられる。なかでも、水およびメタノールの選択性の観点から、第2ゼオライト膜に含まれるSiおよびAl以外のカチオン種としては、Naが好ましい。

0038

第2ゼオライト膜の結晶子径は、ゼオライト分離膜の分離性能の観点から、10nm〜700nmであることが好ましい。

0039

[多孔質支持体]
多孔質支持体は、MFI型ゼオライトの結晶を成長させて第2ゼオライト層を形成するための基板である。そのため、水熱処理に対して化学的に安定な材料により構成されることが好ましい。また、多孔質支持体は、第1および第2ゼオライト層を支持し、自身も分離膜の一部を構成する。そのため、自己支持性を発揮する程度以上の機械的強度を有し、圧力損失が小さいことが好ましい。

0040

多孔質支持体を構成する材料としては、特に耐熱性および耐圧性に優れる点で、アルミナジルコニアムライトチタニア炭化ケイ素、室化ケイ素等のセラミックスや、アルミニウムステンレス鋼等の金属が好ましい。セラミックスや金属により構成される多孔質支持体を含むゼオライト分離膜は、高温高圧下で行われるメタノール合成の分離膜として特に好ましく用いられる。

0041

多孔質支持体の形状は特に限定されず、目的に応じて適宜設定すれば良い。例えば、管状、平板状、ハニカム状中空糸状ペレット状等が例示できる。多孔質支持体の大きさも特に限定されない。例えば、実用性の観点から、管状の多孔質支持体の大きさは、長さ2cm〜200cm、内径0.5cm〜2cm程度であり得る。多孔質支持体の表面は、紙やすりグラインダー等によって研磨されていても良い。多孔質支持体の表面の平滑性が向上することにより、ゼオライト層が均一に形成され易くなる。

0042

多孔質支持体の平均細孔径は、特に限定されない。なかでも、圧力損失の観点から、10nm〜100μmであることが好ましく、50nm〜50μmであることがより好ましく、5μm〜50μmであることがより好ましい。

0043

多孔質支持体の表面に存在する細孔Psの平均細孔径は、種結晶の平均粒子径よりも小さいことが好ましい。細孔Psの平均細孔径は、例えば、10nm〜1μmであることが好ましく、100nm〜1μmであることがより好ましい。なお、多孔質支持体の表面とは、多孔質支持体の厚みをTsとした場合、第1ゼオライト層側から1/50Tsまでの領域である。

0044

多孔質支持体は、第1ゼオライト層が形成される面に、多孔質支持体の平均細孔径よりも小さい平均細孔径を有する微多孔質層を備えていても良い。この場合、多孔質支持体の表面とは、微多孔質層を含む多孔質支持体の厚みTsaとした場合、第1ゼオライト層側から1/50Tsaまでの領域である。また、細孔Psの平均細孔径は、微多孔質層の平均細孔径であり得る。

0045

微多孔質層の平均細孔径は、多孔質支持体よりも小さければ良く、特に限定されない。なかでも、ゼオライト膜の成形性の観点から、10nm〜2μmであることが好ましく、10nm〜1.5μmであることがより好ましく、100nm〜1μmであることが特に好ましい。

0046

また、微多孔質層の厚みも特に限定されない。なかでも、原料液の含浸を抑制する観点から、微多孔質層の厚みは、1μm〜80μmであることが好ましく、1μm〜50μmであることがより好ましい。なお、微多孔質層を含む多孔質支持体の厚みは、圧力損失の観点から、1mm〜3mmであることが好ましい。

0047

平均細孔径は、例えば、JIS K 3832(バブルポイント試験法)に準拠した細孔径分布評価装置により測定される(以下、同じ)。また、多孔質支持体の空隙率も特に限定されないが、上記と同様の観点から、10〜90%であることが好ましく、20〜50%であることがより好ましく、35〜40%であることがより好ましい。空隙率は、「多孔質支持体の重さ」を「多孔質支持体の比重」で除して得られる「多孔質支持体の真の体積」を、「多孔質支持体のみかけの体積」で除し、これを1から引くことによって求められる。

0048

多孔質支持体は、水熱処理の前に、イオン交換水、さらには超音波等を用いて、その表面が洗浄されることが好ましい。超音波洗浄は、例えば、水中で1〜10分間行えば良い。

0049

[ゼオライト分離膜の製造方法]
ゼオライト分離膜は、例えば、シリコン源(Si源)、アルミニウム源(Al源)、アルカリ源および水を含む原料液を準備する第1工程と、種結晶を準備する第2工程と、多孔質支持体を準備する第3工程と、多孔質支持体に種結晶を担持させる第4工程と、水熱処理により、種結晶を起点にゼオライトの多結晶体を成長させる第5工程と、を含む方法により製造される。

0050

このとき、種結晶として、Si/Alが50以上であるMFI型ゼオライトの粒子を用いる。これにより、種結晶の一部は、水熱処理の際に、ゼオライトの結晶を成長させてゼオライトの多結晶体(第2ゼオライト膜)を形成するための起点となり、種結晶の残部は、水熱処理後も粒子として残存し、第1ゼオライト層を形成する。

0051

(1)第1、第2および第3工程
第1、第2および第3工程では、原料液、種結晶および多孔質支持体をそれぞれ準備する。

0052

[原料液]
原料液は、第2ゼオライト膜を構成するゼオライトの原料であり、Si源、Al源、アルカリ源および水(例えば、イオン交換水)を含む。原料液には、必要に応じて、構造規定剤(SDA:Structure directing agent)を含ませても良い。原料液は、例えば、イオン交換水に、Si源、Al源、アルカリ源およびSDAを所定の割合で順次、添加して、撹拌することにより調製することができる。原料液は、例えばスラリー状である。

0053

原料液の組成は、SiO2/Al2O3(モル比)=20〜200(あるいは、Si/Al(元素比)=40〜400)、H2O/SiO2=40〜400、H2O/アルカリ源=300〜2000、であることが好ましい。また、SDAを含む場合、SDAは、モル比でSDA/Si原子≦0. 1の範囲で原料液に含まれることが好ましい。

0054

Si源およびAl源としては、特に限定されない。例えば、Si源としては、シリコンシリカ粉末ケイ酸ナトリウムコロイダルシリカメタケイ酸ナトリウムゼオライト粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。Al源としては、例えば、アルミニウム、アルミナ、ベーマイトアルミン酸ナトリウム水酸化アルミニウム硝酸アルミニウム塩化アルミニウム硫酸アルミニウム、ゼオライト粉末等を挙げることができる。これらは、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。

0055

アルカリ源は、原料液をアルカリ性にするために、原料液に含ませる。アルカリ源としては、水に溶解して電離し、水酸化物イオンを生ずる化合物であれば、特に限定されない。例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウム水酸化ルビジウム水酸化セシウム等のアルカリ金属の水酸化物水酸化カルシウム水酸化ストロンチウム水酸化バリウム水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、および、水酸化アルミニウム等が挙げられる。原料液のpHは、結晶生成の観点から、13〜14であることが好ましい。

0056

SDAとしては特に限定されず、例えば、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウムTPAOH)、水酸化テトラブチルアンモニウム水酸化テトラメチルアンモニウム塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウムなどが挙げられる。

0057

[種結晶]
種結晶は、Si/Alが50以上であるMFI型ゼオライトの粒子である。種結晶は、Si源、Al源、アルカリ源、SDAおよび溶媒(例えば、水やエタノールなど)を含む原料液を用いて、水熱処理することにより合成してもよい。Si源、Al源、アルカリ源およびSDAとしては、上記と同様のものが例示できる。水熱処理については後述する。

0058

種結晶の原料液の組成は、SiO2/Al2O3(モル比)=20〜200(あるいは、Si/Al(元素比)=40〜400)、H2O/SiO2=40〜400、H2O/アルカリ源=300〜2000であることが好ましい。また、SDAは、モル比でSDA/Si原子≦0. 1の範囲で原料液に含まれることが好ましい。

0059

(2)第4工程
第4工程では、多孔質支持体に種結晶を担持させる。種結晶を多孔質支持体に担持させる方法としては、種結晶を水等の溶媒に分散させた分散液に多孔質支持体を浸漬するディップ法や、種結晶を含むスラリーを多孔質支持体の表面に塗布する方法等が挙げられる。

0060

(3)第5工程
第5工程では、水熱処理が行われる。水熱処理とは、高圧水蒸気の存在下で、無機材料を合成し、結晶を成長させる方法である。水熱処理の条件は特に限定されないが、製造効率等の観点から、100〜200℃で、5時間〜15日間行うことが好ましい。水熱処理は、150〜200℃で、5時間〜1日間行っても良い。

0061

水熱処理により、多孔質支持体の表面において、種結晶の一部を起点として、Si源およびAl源から、種結晶と同じ結晶構造(すなわち、MFI型)を有するゼオライトの核が形成される。形成された核から、ゼオライトの結晶が成長し、第2ゼオライト膜が形成される。このとき、種結晶の残部は、多孔質支持体上に第1ゼオライト層を形成する。そのため、第2ゼオライト膜は、第1ゼオライト層の表面を覆うように形成される。

0062

水熱処理は、例えば、耐圧容器を使用して行われる。耐圧容器は特に限定されず、多孔質支持体の全体を収容できる大きさを備えていれば良い。耐圧容器としては、例えば、オートクレーブ等が用いられる。

0063

具体的には、耐圧容器に多孔質支持体を設置した後、原料液を注入し、耐圧容器を原料液で満たす。多孔質支持体が長尺形状である場合、その長さ方向(長軸の方向)が、耐圧容器の底部に対して水平になるように配置することが好ましい。重力によって生じる原料液の濃度の偏りの影響を少なくするためである。続いて、上記の条件で水熱処理を行った後、耐圧容器を冷却する。耐圧容器から、多孔質支持体を回収し、イオン交換水等で洗浄した後、室温〜150℃の雰囲気下で乾燥させる。その後、必要に応じてSDAを除去することで、ゼオライト分離膜が得られる。

0064

SDAの除去は、例えば、空気中での焼成過酸化水素等の酸化剤を使用する化学的処理により行うことができる。焼成は、400℃以上で3〜100時間、好ましくは、500〜600℃で10時間程度行う。このとき、昇温および冷却を0.1〜1℃/分で行うことにより、温度変化によりゼオライトに発生するクラック等を抑制することができる。なお、上記焼成は、前工程の乾燥工程を兼ねても良い。

0065

このようなゼオライト分離膜は、例えば、パーベーパレーション法PV:Pervaporation、浸透気化法)、ベーパーパーミエーション法(VP:Vapor Permeation、蒸気透過法)といわれる分離および濃縮方法に用いるのに適している。

0066

[分離モジュール]
ゼオライト分離膜は、外装体の内部に配置され、分離モジュールを構成する。以下、図1参照しながら、分離モジュール10について説明する。図1は、ゼオライト分離膜1が、開口部1aおよび底部1bを有する管状体である場合を示している。

0067

分離モジュール10は、外装体2と、外装体2の内部に配置され、被分離流体を含む処理流体から被分離流体を分離する分離膜1と、を含む。このとき、外装体2は、処理流体を外装体2の内部に供給する供給口3と、分離膜1により分離された被分離流体を外装体2から排出する第1排出口4aと、被分離流体の少なくとも一部が除去された処理流体を外装体2から排出する第2排出口4bと、を備え、分離膜は、上記ゼオライト分離膜を含む。

0068

分離モジュール10において、供給口3から外装体2の内部に、被分離流体(例えば、水、メタノール等の凝縮性流体)を含む処理流体が供給されると、処理流体はゼオライト分離膜1に接触する。ゼオライト分離膜1の内部を減圧雰囲気にしておくことにより、処理流体のうち、被分離流体の少なくとも一部がゼオライト分離膜1の内部に透過する。

0069

図1では、ゼオライト分離膜1が管状体であって、開口部1aおよび底部1bを有するため、ゼオライト分離膜1の内部に透過した被分離流体は、開口部1aに向かって進む。開口部1aは第1排出口4aと連通しているため、被分離流体は、第1排出口4aから系外に排出される。なお、管状体の外表面は、第2ゼオライト層である。一方、被分離流体の少なくとも一部が除去された処理流体は、第2排出口4bから系外に排出される。

0070

分離モジュール10を、例えば、メタノールの合成を行う反応器の下流に配置する場合、処理流体には、CO、CO2、H2、メタノールおよび水が含まれ得る。非凝縮性流体はゼオライト分離膜1をほとんど透過せず、凝縮性流体はゼオライト分離膜1を透過する。そのため、ゼオライト分離膜1によって、処理流体から水およびメタノールが分離され、ゼオライト分離膜1の内部へと透過され、外装体2から排出される。外装体2から排出された水およびメタノールは、さらに、水とメタノールとを分離する分離モジュールに移送されても良い。一方、水およびメタノールが除去された処理流体(CO、CO2およびH2)は、外装体2から排出され、再び、メタノール合成の原料として反応器に移送されても良い。ゼオライト分離膜1は、特に水およびメタノールの分離性能に優れるため、メタノール合成の効率が向上する。

0071

あるいは、ゼオライト分離膜1をメンブレンリアクターの分離膜として用いても良い。メンブレンリアクターは、反応と分離とを同時に行う反応器であり、反応生成物を分離膜により選択的に反応系内から排出することにより、反応効率を向上させることができる。この場合、メンブレンリアクターは、外装体(反応器)と、外装体の内部に配置され、反応生成物を含む処理流体から反応生成物を分離する上記ゼオライト分離膜と、反応の原料ガスを外装体の内部に供給する供給口と、ゼオライト分離膜によって分離された反応生成物を外装体から排出する排出口と、を備える。

0072

次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0073

[実施例1]
(1)種結晶の作製
水酸化ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、コロイダルシリカ、TPAOH、エタノール(EtOH)およびイオン交換水を用いて、モル組成が、SiO2:TPAOH:H2O:Al2O3:EtOH=25:4.4:1098:0.625:100になるように、原料液1(ゲル)を調製した。オートクレーブの反応容器内を調製された原料液1で満たし、100℃で48時間の水熱処理を行った。水熱処理後、反応容器からゲル状物を取り出し、遠心分離した後、沈殿物をイオン交換水で洗浄した。最後に、電気炉にて600℃10時間の焼成を行って、ゼオライト粒子である種結晶Aを得た。種結晶AのSi/Al(元素比)は58であった。また、X線回折により、種結晶AはMFI型ゼオライトであることを確認した。

0074

(2)ゼオライト分離膜の作製
多孔質支持体(アルミナ、株式会社ノリタケカンパニーリミテド製、内径7mm、外径10mm)を、種結晶Aの水分散液(濃度10g/L、pH8)に浸漬し、40℃で12時間乾燥する工程を、2回繰り返して、多孔質支持体に種結晶Aを担持させた。種結晶Aが担持された多孔質支持体の表面(上段)および断面(下段)のSEM画像を図2に示す。種結晶Aは、多孔質支持体の表面に、ほぼ一定の厚みを持った層として担持されていた(担持量3.3g/m2)。なお、多孔質支持体は、外周側の表面に微多孔質層を有していた。

0075

次に、水酸化ナトリウム、アルミン酸ナトリウム、コロイダルシリカおよびイオン交換水を用いて、モル組成が、Na2O:Al2O3:SiO2::H2O=8:0.15:36:1200になるように、第2ゼオライト膜の原料液2(ゲル)を調製した。

0076

オートクレーブの内筒であるポリテトラフルオロエチレン製の反応容器内に、上記多孔質支持体を、長さ方向が反応容器の底部に対して水平になるように設置した後、反応容器内を原料液2で満たした。反応容器をオートクレーブに設置し、180℃で12時間、水熱処理を行なった。その後、オートクレーブを冷却し、反応容器から、多孔質支持体を取り出して、遠心分離した後、イオン交換水で洗浄した。最後に、電気炉にて600℃、10時間の焼成を行って、ゼオライト分離膜Aを得た。

0077

得られたゼオライト分離膜Aの表面および断面をSEMにより観察した。ゼオライト分離膜Aの表面(上段)および断面(下段)のSEM画像を図3に示す。多孔質支持体の表面に、ゼオライト粒子を含む第1ゼオライト層(1.9μm)およびゼオライトの膜体を含む第2ゼオライト層(1.7μm)が確認された。また、X線回折により、いずれの層のゼオライトも、MFI型の結晶構造を有することが確認された。

0078

[実施例2]
種結晶の水熱処理時間を24時間としたこと以外、実施例1と同様にして、ゼオライト粒子である種結晶Bを得た。種結晶BのSi/Al(元素比)は90であった。また、X線回折により、種結晶BはMFI型ゼオライトであることを確認した。

0079

次いで、種結晶Bを用いたこと以外、実施例1と同様にして、ゼオライト分離膜Bを得た。水熱処理前の種結晶Bが担持された多孔質支持体の表面(上段)および断面(下段)のSEM画像を図2に示す。種結晶Bは、多孔質支持体の表面に、ほぼ一定の厚みを持った層として担持されていた(担持量3.3g/m2)。

0080

得られたゼオライト分離膜Bの表面および断面をSEMにより観察した。ゼオライト分離膜Bの表面(上段)および断面(下段)のSEM画像を図3に示す。多孔質支持体の表面に、ゼオライト粒子を含む第1ゼオライト層(2.3μm)およびゼオライトの膜体を含む第2ゼオライト層(1.7μm)が確認された。また、X線回折により、いずれの層のゼオライトもMFI型の結晶構造を有することが確認された。

0081

[実施例3]
種結晶の水熱処理時間を12時間としたこと以外、実施例1と同様にして、ゼオライト粒子である種結晶Cを得た。種結晶CのSi/Al(元素比)は205であった。また、X線回折により、種結晶CはMFI型ゼオライトであることを確認した。

0082

次いで、種結晶Cを用いたこと以外、実施例1と同様にして、ゼオライト分離膜Cを得た。水熱処理前の種結晶Cが担持された多孔質支持体の表面(上段)および断面(下段)のSEM画像を図2に示す。種結晶Cは、多孔質支持体の表面に、ほぼ一定の厚みを持った層として担持されていた(担持量4.9g/m2)。

0083

得られたゼオライト分離膜Cの表面および断面をSEMにより観察した。ゼオライト分離膜Cの表面(上段)および断面(下段)のSEM画像を図3に示す。多孔質支持体の表面に、ゼオライト粒子を含む第1ゼオライト層(2μm)およびゼオライトの膜体を含む第2ゼオライト層(1.7μm)が確認された。また、X線回折により、いずれの層のゼオライトもMFI型の結晶構造を有することが確認された。

0084

[実施例4]
Alを含まないMFI型のゼオライト粒子を種結晶Dとして使用したこと以外、実施例1と同様にして、ゼオライト分離膜Dを得た。なお、種結晶Dは、多孔質支持体の表面に、ほぼ一定の厚みを持った層として担持されていた(担持量3.4g/m2)。

0085

得られたゼオライト分離膜Dの表面および断面をSEMにより観察した。ゼオライト分離膜Dの表面(上段)および断面(下段)のSEM画像を図3に示す。多孔質支持体の表面に、ゼオライト粒子を含む第1ゼオライト層(1.9μm)およびゼオライトの膜体を含む第2ゼオライト層(2μm)が確認された。また、X線回折により、いずれの層のゼオライトもMFI型の結晶構造を有することが確認された。

0086

[比較例1]
種結晶の水熱処理時間を168時間としたこと以外、実施例1と同様にして、MFI型ゼオライト粒子である種結晶aを得た。種結晶aのSi/Al(元素比)は19であった。X線回折により、種結晶aはMFI型ゼオライトであることを確認した。

0087

次いで、種結晶aを用いたこと以外、実施例1と同様にして、ゼオライト分離膜aを得た。なお、種結晶aは、多孔質支持体の細孔内に多く担持されており、多孔質支持体の表面には、非常に薄い層として担持されていた。

0088

得られたゼオライト分離膜aの表面および断面をSEMにより観察した。ゼオライト分離膜aの表面(上段)および断面(下段)のSEM画像を図4に示す。多孔質支持体の表面に、ゼオライトの膜体を含むゼオライト層(2μm)が確認された。ゼオライト粒子を含むゼオライト層は確認されなかった。また、X線回折により、ゼオライト層のゼオライトはMFI型の結晶構造を有することが確認された。

0089

このようにして得られたゼオライト分離膜A〜Dおよびaの分離性能を評価した。
評価には、図5に示す透過率測定装置を用いた。すなわち、測定容器20に測定用分離膜30(ゼオライト分離膜A〜Dまたはa)を設置した後、測定容器20の測定用分離膜30の外側に、気化したメタノールまたは水と、マスフローコントローラにより流量制御されたCO2とをそれぞれ別の供給口から同時に供給し、測定用分離膜30に接触させた。接触したガスのうち、分離膜30を透過したガスを、熱伝導度検出器(TCD)を備えたガスクロマトグラフGC−TCD)により分析した。なお、GC−TCDのキャリアーガスには、窒素およびヘリウムを用いた。

0090

(A)メタノール透過性
上記透過率測定装置に、CO2(91kPa)およびメタノールガス(10kPa)の混合ガスを供給し、200℃の温度条件におけるCO2およびメタノール(MeOH)ガスの透過率(Permeance)を測定した。また、測定結果から分離係数α1を算出した。結果を表1に示す。

0091

分離係数α1は、選択性の指標である。分離係数α1は、供給された混合ガスにおけるメタノールの分圧をA1(kPa)、CO2の分圧をA2(kPa)とし、分離後の混合ガスにおけるメタノールの分圧をB1(kPa)、CO2の分圧をB2(kPa)とする場合、α1=(B1/B2)/(A1/A2)により表される。分離係数α1が大きい程、分離膜のメタノール選択性は高い。

0092

0093

表1からわかるように、比較例1に比較して実施例1〜4は、メタノールの透過率が約2倍以上に向上した。さらに、実施例3および4では、分離係数α1も向上しており、メタノール透過率分離係数の両方で顕著な性能改善の効果が得られた。

0094

(B)水透過性
上記透過率測定装置に、CO2(91kPa)および水蒸気(10kPa)の混合ガスを供給し、200℃の温度条件におけるCO2および水蒸気(H2O)の透過率を測定した。また、測定結果から分離係数α2を算出した。分離係数α2は、メタノールの分圧を水蒸気の分圧に置き換えて、上記と同様にして算出できる。分離係数α2が大きい程、分離膜の水選択性は高い。結果を表2に示す。

0095

表2からわかるように、比較例1に比較して実施例1〜4は、水の透過率が約1.5倍以上に向上しており、顕著な性能改善の効果が得られた。
以上、実施例1〜4では、メタノールおよび水の選択性に優れていることがわかる。

0096

本発明に係るゼオライト分離膜は、凝縮性流体を選択的に分離することができる。さらに、上記ゼオライト分離膜は、凝縮性流体の透過率にも優れる。このようなゼオライト分離膜は、凝縮性流体および非凝縮性流体を含む混合流体から、凝縮性流体を分離するための、浸透気化法や蒸気透過法等に用いられる様々な分離膜として有用である。

0097

1:ゼオライト分離膜、1a:開口部、1b:底部、2:外装体、3:供給口、4a:第1排出口、4b:第2排出口、10:分離モジュール、20:測定容器、30:測定用分離膜

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