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技術 多加水パン用本捏生地

出願人 株式会社カネカ
発明者 堀田竜之介
出願日 2015年3月20日 (5年11ヶ月経過) 出願番号 2015-058108
公開日 2016年10月6日 (4年4ヶ月経過) 公開番号 2016-174577
状態 特許登録済
技術分野 ベイカリー製品及びその製造方法
主要キーワード 戻り距離 溝付きローラー ディバイダー グルコン酸類 レーザー体 生地状態 老化耐性 解析モード
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2016年10月6日)のものです。
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課題

含水量が多くても混捏時間が従来と同等またはそれより短く、且つ機械による大量生産ができる製パン本捏生地及び該生地焼成して得られる、しっとりとしてモチモチとした弾力性のある食感を有するパンおよびその製造方法の提供。

解決手段

中種法において、トランスグルタミナーゼ中種生地小麦粉100g当り0.5〜15U添加することで該酵素を十分に働かせ、生地に弾力と保形性を確保した上で、通常は本捏の後半に添加する油脂を中種生地に小麦粉100g当り2〜30重量部添加することで、本捏時の中種の分散性を向上させて生地の纏まりを早くし、こんにゃく粉と澱粉と水とをアルカリ性凝固剤ゼリー状固体にし、pHを調整してから本捏時に添加し本捏の混捏時間が極端に長くならないようにすることで、含水量が多く、しっとりとしてモチモチとした弾力性のある食感を有するパンを、機械により大量生産できる製パン用本捏生地。

概要

背景

多加水パンはしっとりモチモチとし、弾力性のある独特食感故に、リテイルベーカリーを中心に人気を集めている。しかし、小麦粉が水を保持できる許容量以上に水を添加すると、混捏により生地がまとまるまでに時間がかかったり、生地がべたついたりする等、作業性が悪くなり、また腐敗カビ等の衛生上の問題もあり、さらには老化も早くなる。そのため、リテイルベーカリーでは主にストレート法で低速長時間混捏して作製した、べたついて扱い難い生地を、パン職人手作業上手に扱い、製パンが行われている。一方、一般的に機械大量生産においては、機械耐性・安定性の面で中種法が広く用いられるが、ストレート法に比べてより取り扱い難い生地となるため、満足のいく品質の多加水パンを機械大量生産するための技術開発が望まれている。

そこで、この問題を解決するために、例えば、こんにゃく粉と澱粉と水とを、アルカリ性凝固剤とこんにゃく粉のグルコマンナンによる水和ゲル反応によってゼリー状固体に形成し、かつ酸溶液に浸漬してpHを中性から酸性の範囲に調整した多加水パン用有形水を添加した、生地中の総水量が小麦粉100重量部に対して80〜200重量部のパン生地(特許文献1)が開示されているが、得られるパンはこんにゃく粉のグルコマンナンが不均一に分散し、独特な繊維様の食感が付与されるという問題がある。また、水不溶性且つ水膨潤性食物繊維水相中に特定量含有するベーカリー製品練込用水中油型乳化油脂組成物を用いた含水量が対粉70〜150重量部のパン生地を加熱してなるベーカリー製品(特許文献2)が開示されているが、食物繊維特有の食感になってしまい、多加水パン独特のしっとりモチモチとし、弾力性のある食感のパンを得ることはできない。更に、他の副原料と共に、トランスグルタミナーゼ及び蛋白部分加水分解物穀粉添加混合して使用するパン類の製造方法(特許文献3)が開示されているが、実施例に記載のパンでは加水量が最も多いものでも対粉68重量部であり、又トランスグルタミナーゼは、中種ではなく本捏の生地混捏時に添加しているため、成型までの醗酵時間が短くトランスグルタミナーゼが十分に作用しないために、生地がべたついて、機械による大量生産ができない。

概要

含水量が多くても混捏時間が従来と同等またはそれより短く、且つ機械による大量生産ができる製パン用本捏生地及び該生地を焼成して得られる、しっとりとしてモチモチとした弾力性のある食感を有するパンおよびその製造方法の提供。中種法において、トランスグルタミナーゼを中種生地に小麦粉100g当り0.5〜15U添加することで該酵素を十分に働かせ、生地に弾力と保形性を確保した上で、通常は本捏の後半に添加する油脂を中種生地に小麦粉100g当り2〜30重量部添加することで、本捏時の中種の分散性を向上させて生地の纏まりを早くし、こんにゃく粉と澱粉と水とをアルカリ性凝固剤でゼリー状固体にし、pHを調整してから本捏時に添加し本捏の混捏時間が極端に長くならないようにすることで、含水量が多く、しっとりとしてモチモチとした弾力性のある食感を有するパンを、機械により大量生産できる製パン用本捏生地。なし

目的

一方、一般的に機械大量生産においては、機械耐性・安定性の面で中種法が広く用いられるが、ストレート法に比べてより取り扱い難い生地となるため、満足のいく品質の多加水パンを機械大量生産するための技術開発が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

蛋白質含量が7〜17重量%の小麦粉100重量部に対して油脂2〜30重量部及びパン酵母0.2〜2重量部(乾燥重量)を含有し、且つトランスグルタミナーゼを小麦粉100gあたり0.5〜15U含有し、水分が中種生地全体中42〜55重量%である中種生地と、蛋白質含量が7〜17重量%の小麦粉100重量部に対して糖類8〜100重量部(乾燥重量)及び食塩3〜15重量部を含有する中種生地を除く本捏生地材料とを、中種生地中の小麦粉/中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉(重量比)=30/70〜80/20となるように混捏して得られ、本捏生地中の水分が本捏生地全体中46〜57重量%である製パン用本捏生地。

請求項2

本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して、こんにゃく粉と澱粉と水とを、アルカリ性凝固剤とこんにゃく粉のグルコマンナンによる水和ゲル反応によってゼリー状固体に形成し、かつ酸溶液に浸漬してpHを中性から酸性の範囲に調整した有形水の含有量が当該有形水中のこんにゃく粉の重量換算で0.095重量部以下であり、水不溶性且つ水膨潤性食物繊維を含有する水中油型乳化油脂組成物の含有量が当該水中油型乳化油脂組成物中の食物繊維の重量換算で0.006重量部以下である、請求項1に記載の製パン用本捏生地。

請求項3

中種生地を除く本捏生地材料中に、本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して酸化剤を0.0004〜0.08重量部含有する請求項1又は2に記載の製パン用本捏生地。

請求項4

中種生地を除く本捏生地材料中に、本捏生地全体中の小麦粉100gあたりグルコースオキシダーゼを1〜80U含有する請求項1〜3の何れかに記載の製パン用本捏生地。

請求項5

本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して、リン酸架橋澱粉を1〜30重量部含有する請求項1〜4の何れかに記載の製パン用本捏生地。

請求項6

中種生地を除く本捏生地材料中に、本捏生地全体中の小麦粉100gあたり、アミラーゼを0.4〜60U且つキシラナーゼを0.4〜40U含有する請求項1〜5の何れかに記載の製パン用本捏生地。

請求項7

油脂全体中、液油を25〜85重量%含有する請求項1〜6の何れかに記載の製パン用本捏生地。

請求項8

中種法で得られ、パン全体中の水分が40〜50重量%で、焼成翌日に2cmの厚さにスライスし、5cm×5cmの正方形カットして50%圧縮した時のパンクラム凝集性が0.78〜0.87であって、焼成4日後に2cmの厚さにスライスし、5cm×5cmの正方形にカットして50%圧縮した時のパンクラムの凝集性が0.70〜0.85であるパン。

請求項9

請求項1〜7の何れかに記載の製パン用本捏生地を焼成してなる請求項8に記載のパン。

請求項10

蛋白質含量が7〜17重量%の小麦粉100重量部に対して油脂2〜30重量部及びパン酵母0.2〜2重量部(乾燥重量)を含有し、且つトランスグルタミナーゼを小麦粉100gあたり0.5〜15U含有し、水分が中種生地全体中42〜55重量%である中種生地と、蛋白質含量が7〜17重量%の小麦粉100重量部に対して糖類8〜100重量部(乾燥重量)及び食塩3〜15重量部を含有する中種生地を除く本捏生地材料とを、本捏生地中の水分が本捏生地全体中46〜57重量%となるように、中種生地中の小麦粉/中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉(重量比)=30/70〜80/20で混捏した本捏生地を、ローラーに通した後、該生地がローラーから排出される際にローラーに巻き付かないようにローラーから剥離し、その後焼成してパンを連続生産することを特徴とするパンの製造方法。

請求項11

前記ローラーが溝付きローラーである請求項10に記載のパンの製造方法。

請求項12

油脂とトランスグルタミナーゼを、可塑性油脂組成物の形態で添加する請求項10又は11に記載のパンの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、含水量が多くても混捏時間が従来と同等またはそれより短く、且つ機械による大量生産ができる製パン本捏生地及び該生地焼成して得られる、しっとりとしてモチモチとした弾力性のある食感を有するパンに関する。

背景技術

0002

多加水パンはしっとりモチモチとし、弾力性のある独特な食感故に、リテイルベーカリーを中心に人気を集めている。しかし、小麦粉が水を保持できる許容量以上に水を添加すると、混捏により生地がまとまるまでに時間がかかったり、生地がべたついたりする等、作業性が悪くなり、また腐敗カビ等の衛生上の問題もあり、さらには老化も早くなる。そのため、リテイルベーカリーでは主にストレート法で低速長時間混捏して作製した、べたついて扱い難い生地を、パン職人手作業上手に扱い、製パンが行われている。一方、一般的に機械大量生産においては、機械耐性・安定性の面で中種法が広く用いられるが、ストレート法に比べてより取り扱い難い生地となるため、満足のいく品質の多加水パンを機械大量生産するための技術開発が望まれている。

0003

そこで、この問題を解決するために、例えば、こんにゃく粉と澱粉と水とを、アルカリ性凝固剤とこんにゃく粉のグルコマンナンによる水和ゲル反応によってゼリー状固体に形成し、かつ酸溶液に浸漬してpHを中性から酸性の範囲に調整した多加水パン用有形水を添加した、生地中の総水量が小麦粉100重量部に対して80〜200重量部のパン生地(特許文献1)が開示されているが、得られるパンはこんにゃく粉のグルコマンナンが不均一に分散し、独特な繊維様の食感が付与されるという問題がある。また、水不溶性且つ水膨潤性食物繊維水相中に特定量含有するベーカリー製品練込用水中油型乳化油脂組成物を用いた含水量が対粉70〜150重量部のパン生地を加熱してなるベーカリー製品(特許文献2)が開示されているが、食物繊維特有の食感になってしまい、多加水パン独特のしっとりモチモチとし、弾力性のある食感のパンを得ることはできない。更に、他の副原料と共に、トランスグルタミナーゼ及び蛋白部分加水分解物穀粉添加混合して使用するパン類の製造方法(特許文献3)が開示されているが、実施例に記載のパンでは加水量が最も多いものでも対粉68重量部であり、又トランスグルタミナーゼは、中種ではなく本捏の生地混捏時に添加しているため、成型までの醗酵時間が短くトランスグルタミナーゼが十分に作用しないために、生地がべたついて、機械による大量生産ができない。

先行技術

0004

特開2006−320207号公報
特開2011−97923号公報
特開平11-243843号公報

発明が解決しようとする課題

0005

本発明の目的は、含水量が多くても混捏時間が従来と同等またはそれより短く、且つ機械による大量生産ができる製パン用本捏生地及び該生地を焼成して得られる、しっとりとしてモチモチとした弾力性のある食感を有するパンおよびその製造方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0006

本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、中種法において、トランスグルタミナーゼを中種生地に特定量添加することで該酵素を十分に働かせ、生地に弾力と保形性を確保した上で、通常は本捏の後半に添加する油脂を中種生地に特定量添加することで、本捏時の中種の分散性を向上させて生地の纏まりを早くし、本捏の混捏時間が極端に長くならないようにすることで、含水量が多く、しっとりとしてモチモチとした弾力性のある食感を有するパンを、機械により大量生産できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0007

即ち、本発明の第一は、蛋白質含量が7〜17重量%の小麦粉100重量部に対して油脂2〜30重量部及びパン酵母0.2〜2重量部(乾燥重量)を含有し、且つトランスグルタミナーゼを小麦粉100gあたり0.5〜15U含有し、水分が中種生地全体中42〜55重量%である中種生地と、蛋白質含量が7〜17重量%の小麦粉100重量部に対して糖類8〜100重量部(乾燥重量)及び食塩3〜15重量部を含有する中種生地を除く本捏生地材料とを、中種生地中の小麦粉/中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉(重量比)=30/70〜80/20となるように混捏して得られ、本捏生地中の水分が本捏生地全体中46〜57重量%である製パン用本捏生地に関する。好ましい実施態様は、本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して、こんにゃく粉と澱粉と水とを、アルカリ性凝固剤とこんにゃく粉のグルコマンナンによる水和ゲル反応によってゼリー状固体に形成し、かつ酸溶液に浸漬してpHを中性から酸性の範囲に調整した有形水の含有量が当該有形水中のこんにゃく粉の重量換算で0.095重量部以下であり、水不溶性且つ水膨潤性食物繊維を含有する水中油型乳化油脂組成物の含有量が当該水中油型乳化油脂組成物中の食物繊維の重量換算で0.006重量部以下である、上記記載の製パン用本捏生地に関する。より好ましくは、中種生地を除く本捏生地材料中に、本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して酸化剤を0.0004〜0.08重量部含有する上記記載の製パン用本捏生地、更に好ましくは、中種生地を除く本捏生地材料中に、本捏生地全体中の小麦粉100gあたりグルコースオキシダーゼを1〜80U含有する上記記載の製パン用本捏生地に関する。また、好ましい実施態様は、本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して、リン酸架橋澱粉を1〜30重量部含有する上記記載の製パン用本捏生地に関する。より好ましくは、中種生地を除く本捏生地材料中に、本捏生地全体中の小麦粉100gあたり、アミラーゼを0.4〜60U且つキシラナーゼを0.4〜40U含有する上記記載の製パン用本捏生地に関する。更に好ましくは、油脂全体中、液油を25〜85重量%含有する上記記載の製パン用本捏生地、に関する。本発明の第二は、中種法で得られ、パン全体中の水分が40〜50重量%で、焼成翌日に2cmの厚さにスライスし、5cm×5cmの正方形カットして50%圧縮した時のパンクラム凝集性が0.78〜0.87であって、焼成4日後に2cmの厚さにスライスし、5cm×5cmの正方形にカットして50%圧縮した時のパンクラムの凝集性が0.70〜0.85であるパンに関する。好ましい実施態様は、上記記載の製パン用本捏生地を焼成してなる上記記載のパンに関する。本発明の第三は、蛋白質含量が7〜17重量%の小麦粉100重量部に対して油脂2〜30重量部及びパン酵母0.2〜2重量部(乾燥重量)を含有し、且つトランスグルタミナーゼを小麦粉100gあたり0.5〜15U含有し、水分が中種生地全体中42〜55重量%である中種生地と、蛋白質含量が7〜17重量%の小麦粉100重量部に対して糖類8〜100重量部(乾燥重量)及び食塩3〜15重量部を含有する中種生地を除く本捏生地材料とを、本捏生地中の水分が本捏生地全体中46〜57重量%となるように、中種生地中の小麦粉/中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉(重量比)=30/70〜80/20で混捏した本捏生地を、ローラーに通した後、該生地がローラーから排出される際にローラーに巻き付かないようにローラーから剥離し、その後焼成してパンを連続生産することを特徴とするパンの製造方法に関する。好ましい実施態様は、上記ローラーが溝付きローラーである上記記載のパンの製造方法、より好ましくは、油脂とトランスグルタミナーゼを、可塑性油脂組成物の形態で添加する上記記載のパンの製造方法に関する。

発明の効果

0008

本発明に従えば、含水量が多くても混捏時間が従来と同等またはそれより短く、且つ機械による大量生産ができる製パン用本捏生地及び該生地を焼成して得られる、しっとりとしてモチモチとした弾力性のある食感を有するパンを提供することができる。

0009

以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明のパンは、多加水、即ち生地中の水分含量が通常よりも高く、パン全体中の水分、凝集性が特定の範囲にあるパンをいう。

0010

前記パン全体中の水分とは、クラム部分とクラスト部分を含むパン全体の重量(X)と、該パン全体を105℃のオーブンに、5時間保持した後の重量(Y)を測定し、以下の式により計算される値をいう。
パンの水分(重量%)=[(X−Y)/X]×100

0011

前記水分は40〜50重量%が好ましく、41〜49重量%がより好ましく、42〜48重量%が更に好ましい。水分が40重量%より少ないと従来のパンと食感の差が小さい場合がある。また、50重量%より多いと衛生的な日持ちが劣る場合がある。

0012

前記凝集性とは、パンを焼成翌日及び焼成4日後に、2cmの厚さになるよう上面から底面方向に向かってスライスし、50mm×50mmの正方形にカットしたパンクラムを、レオメーター(株式会社山電製「クリープメータ」、MODEL:RE2-3305)を用いて、テクスチャー解析モードで、プランジャー:60mm×60mmの正方形、測定スピード:5mm/秒、測定歪率:50%、戻り距離:50mm、接触面積:2500mm2、測定回数:2回の条件で測定を行った値(凝集性)のことである。

0013

前記焼成翌日の凝集性の値は、好ましくは0.78〜0.87であり、より好ましくは0.79〜0.86、更に好ましくは0.80〜0.85である。焼成翌日の凝集性が0.78より小さいと弾力が劣る場合があり、0.87より大きいと歯切れの悪い食感となる場合がある。また、焼成4日後の凝集性の値は、好ましくは0.70〜0.85であり、より好ましくは0.71〜0.84、更に好ましくは0.72〜0.83である。焼成4日後の凝集性が0.70より小さいと弾力が劣る場合があり、0.85より大きいと歯切れの悪い食感となる場合がある。

0014

また、本発明のパンは、以下のような特徴を有する。即ち、レーザー体計測機「WinVM200」(株式会社アステックス製)を用い、予め重量(g)を測定したパンの体積(cm3)を測定し、得られた体積を重量で割ることにより測定される値(比容積)が、好ましくは4.0〜6.0cm3/gであり、より好ましくは4.2〜5.8cm3/g、更に好ましくは4.4〜5.6cm3/gである。比容積が4.0cm3/gより小さいと重い食感となり、パンが硬くなりやすい場合がある。6.0cm3/gより大きいと食感が軽くなりすぎて弾力性ある食感が損なわれる場合がある。

0015

さらに、本発明のパンのクラムのpHは、5.0〜5.5が好ましく、5.0〜5.4がより好ましく、5.0〜5.3が更に好ましい。pHが5.0より低いとパンに酸味感じられやすい場合がある。5.5より高いと衛生的な日持ちが劣る場合がある。前記pHはパンのクラム部分20gを蒸留水80mlと混合し、ホモジナイザーにて12000rpmで5分間破砕して得た破砕液をpH METER(株式会社堀場製作所製「F-52」)で測定した値をいう。

0016

前記のような特定の水分、凝集性を有する本発明のパンは、小麦粉、油脂、パン酵母、水およびトランスグルタミナーゼを特定量含有する中種生地と、小麦粉、糖類及び食塩を特定量含有する中種生地を除く本捏生地材料とを、中種生地中の小麦粉/中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉(重量比)が特定の比率となるように混捏して得られ、水分が特定の範囲に調整された製パン用本捏生地(以下、単に本捏生地ともいう。)を焼成することで容易に得られる。

0017

前記中種生地とは、パン生地を構成する全小麦粉量のうちの一部の小麦粉、油脂、パン酵母、水及びトランスグルタミナーゼを混捏し、これを醗酵させて作製される生地をいう。

0018

前記中種生地に含まれる小麦粉は、蛋白質含量が7〜17重量%であることが好ましく、9〜15重量%がより好ましく、10〜13重量%が更に好ましい。前記小麦粉は、単一品種小麦から製造された小麦粉、或いはそれらのブレンド品でもよく、全粒粉でも良い。蛋白質含量が7重量%未満であると、生地がまとまりにくく、混捏時間が長くなる場合がある。また蛋白質含量が17重量%を超えると、パンがゴム様の食感となる場合がある。なお、本発明において、小麦粉は、あらかじめ水や他の原材料とある程度捏ね上げていても良いし、α化などを施していても良い。

0019

また、前記中種生地には、小麦粉以外に、大麦粉、ライ麦粉米粉そば粉からなる群より選ばれる少なくとも1種の穀粉を含んでも良い。該小麦粉以外の穀粉の含有量は、本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して、後述する中種生地を除く本捏生地材料中の該穀粉と合計で20重量部以下が好ましい。小麦粉以外の穀粉の含有量が20重量部より多いと、風味が大きく変わったり、機械による大量生産性が劣ったり、パンの比容積が小さくなる場合がある。

0020

前記中種生地に含まれる油脂は、食用であれば特に限定はないが、従来からマーガリンショートニングに用いられる油脂が好ましく、例えば、コーン油亜麻仁油桐油サフラワー油かや油胡麻油、綿実油、芥子油、向日葵油、菜種油大豆油辛子油、カポック油米糠油胡桃油、落花生油オリーブ油椿油茶油ひまし油椰子油、パーム油パーム核油、クヘア油、葡萄油、カカオ脂シア脂コクム脂、ボルネオ脂等の植物油や、魚油鯨油牛脂豚脂、鶏油、卵黄油油等の動物油から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、また、これらの油脂をエステル交換したものや、硬化分別したもの等、通常食用に供されるすべての油脂類を用いることができる。

0021

前記油脂の添加量は、中種生地全体中の小麦粉100重量部に対して、2〜30重量部が好ましく、5〜20重量部がより好ましい。添加量が2重量部より少ないと、混捏時間が長くなる場合がある。30重量部より多い場合は、生地がまとまりにくく、混捏時間が長くなる場合がある。また、前記油脂は、中種生地に入れずに本捏生地作製時に添加すると、混捏時間が長くなる場合がある。

0022

前記油脂全体中には、液油を25〜85重量%含有することが好ましく、35〜85重量%がより好ましく、55〜85重量%が更に好ましく、75〜85重量%が特に好ましい。25重量%より少ないと、生地に練り込まれにくい場合がある。また85重量%より多いと、可塑性油脂としての保形性がなくなり、本捏混捏時に生地がまとまりにくく、パンの比容積が小さい、また内相が粗くなる、などの悪影響を生じる場合がある。上記液油としては、常温で液状であれば特に限定はなく、菜種油、大豆油、ヒマワリ油、綿実油、落花生油、米油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、魚油のほか、パーム油、牛脂、豚脂、乳脂などの常温で固体状もしくは半固体状油脂の分別低融点部等が挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。その中では、コストや風味の面から、菜種油、大豆油が好ましい。

0023

前記中種生地に含まれるパン酵母は、糖を資化して炭酸ガスおよびアルコールを生成し、有機酸および香気成分をも生成する微生物をいい、例えば、サッカロミセスセレビシエ、サッカロミセス・エクシギュース、クルイベロマイセス・ラクティストルラスポラ・デルブルッキーキャンディダユティリス、キャンディダ・ケフィア、その他、通常製パンに使用する酵母等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。前記パン酵母の添加量は、中種生地全体中の小麦粉100重量部に対して、乾燥重量換算で0.2〜2重量部が好ましく、0.4〜1.5重量部がより好ましい。添加量が0.2重量部より少ないと、発酵に時間がかかり生産効率が悪い場合がある。また2重量部より多いと、パン酵母自体の好ましくない風味が付与される場合がある。パン酵母を添加する際は、懸濁液である方が生地への分散を考えると好ましい。なお、一部を本捏時に加えても良い。

0024

前記中種生地に含まれる水分は、中種生地全体中42〜55重量%が好ましく、45〜52重量%がより好ましい。水分量が42重量%より少ないと、本捏混捏時に中種生地が他の材料と混ざりにくく、混捏時間が長くなる場合がある。55重量%より多いと、生地がべたついて生産効率が悪くなる場合や、混捏時間が長くなる場合がある。前記中種生地に含まれる水分は、中種生地約50gを採取し、3〜10mmの厚さに圧延した中種生地全体の重量(x)と、該中種生地全体を105℃のオーブンに、5時間保持した後の重量(y)を測定し、以下の式により計算される値をいう。
中種生地に含まれる水分(重量%)=[(x−y)/x]×100

0025

前記中種生地に含まれるトランスグルタミナーゼは、タンパク質ペプチド中のグルタミン残基供与体リジン残基受容体とするアシル転移反応触媒する活性を有する酵素のことを指し、哺乳動物由来のもの、魚類由来のもの、微生物由来のものなど、種々の起源のものが知られており、この活性を有している酵素であれば、いかなる起源のものでも用いることができる。前記トランスグルタミナーゼの添加量は、中種生地全体中の小麦粉100gあたり0.5〜15Uが好ましく、1〜12Uがより好ましく、1.5〜10Uが更に好ましい。添加量が0.5Uより少ないと、本捏後の生地の保形性が低く機械成型が困難な場合があり、15Uより多いと、焼成後のパンの弾力が強すぎる場合がある。

0026

なお、トランスグルタミナーゼの酵素活性については、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミニルグリシンヒドロキシルアミン基質として反応を行い、生成したヒドロキサム酸トリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測定し、ヒドロキサム酸の量を検量線より求め活性を算出する。37℃、pH6.0で1分間に1μmolのヒドロキサム酸を生成する酵素量を1U(ユニット)とした。

0027

本発明の中種生地を除く本捏生地材料とは、本捏生地作製時に、中種生地に添加する材料を意味し、例えば小麦粉、糖類、食塩、水、アスコルビン酸などの酸化剤及びグルコースオキシダーゼやアミラーゼやキシラナーゼなどの酵素などが挙げられる。

0028

中種生地を除く本捏生地材料に含まれる小麦粉は、蛋白質含量が7〜17重量%であることが好ましく、9〜15重量%がより好ましく、10〜13重量%が更に好ましい。前記小麦粉は、単一品種の小麦から製造された小麦粉、或いはそれらのブレンド品でもよいし、全粒粉でも良い。蛋白質含量が7重量%未満であると、グルテンが形成されにくく、本発明の効果が期待できない場合がある。蛋白質含量が17重量%を超えると、グルテンが過剰に形成されてパンの食感が硬くなったり、口溶けが悪くなる場合がある。

0029

また、前記中種生地を除く本捏生地材料には、小麦粉以外に、大麦粉、ライ麦粉、米粉、そば粉からなる群より選ばれる少なくとも1種の穀粉を含有しても良い。該小麦粉以外の穀粉の含有量は、本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して、中種生地中の該穀粉と合計で20重量部以下が好ましい。含有量が20重量部より多いと、風味が大きく変わったり、機械による大量生産性が劣ったり、パンの比容積が小さくなる場合がある。

0030

前記中種生地を除く本捏生地材料に含まれる糖類としては、例えば、砂糖ブドウ糖果糖麦芽糖乳糖異性化糖オリゴ糖水あめ糖アルコール類などが挙げられ、それらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。また前記糖類は、粉末状であることが好ましく、呈する甘みの点からは、上白糖グラニュー糖を用いることがより好ましい。

0031

前記糖類の添加量は、中種生地を除く本捏生地材料全体中の小麦粉100重量部に対して8〜100重量部(乾燥重量)が好ましく、10〜90重量部がより好ましく、12〜80重量部が更に好ましい。添加量が8重量部より少ないと、パン酵母の栄養源が少なくなりパンの比容積が小さくなる場合がある。100重量部より多いと、パン酵母の活性が抑えられパンの比容積が小さくなる場合がある。なお、糖類は中種生地にも別途添加することもでき、その添加量は、中種生地全体中の小麦粉100重量に対して0〜30重量部(乾燥重量)が好ましく、0〜15重量部がより好ましい。添加量が30重量部より多いと、パン酵母の活性が抑えられパンの比容積が小さくなる場合がある。

0032

前記中種生地を除く本捏生地材料に含まれる食塩とは、主に塩化ナトリウムからなる調味料を意味し、例えば、精製塩、上質塩、内地白塩、原塩粉砕塩などが挙げられ、当該分野で使用される食塩であれば特に限定されない。前記食塩の添加量は、中種生地を除く本捏生地材料全体中の小麦粉100重量部に対して3〜15重量部が好ましく、4〜12重量部がより好ましく、5〜10重量部が更に好ましい。添加量が3重量部より少ないと、パンの味が乏しくなる場合があり、15重量部より多いと、パンの塩味が濃く、食せない場合がある。

0033

本発明の本捏生地は、前記中種生地と中種生地を除く本捏生地材料とを、中種生地中の小麦粉/中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉(重量比)=30/70〜80/20で混合してなることが好ましく、40/60〜80/20がより好ましく、50/50〜75/25が更に好ましい。混合比が30/70より小さいと、パンが硬く、パサつく場合があり、80/20より大きいと、生地の安定性が低くなり扱いにくい場合がある。

0034

また、前記本捏生地中の水分は、中種生地に含まれる水分と中種生地を除く本捏生地材料に含まれる水分との合計であり、本捏生地全体中46〜57重量%が好ましく、47〜56重量%がより好ましく、48〜55重量%が更に好ましい。水分が46重量%より少ないと、パンのしっとりとしてモチモチとした食感が損なわれる場合があり、57重量%より多いと、パンの比容積が小さくなり、重たい食感になる場合がある。また、本捏において水を2度以上に分けて添加しても良く、添加水全体量の5〜30%を残しておき、生地をまとめてから、添加すると更に混捏時間を短くすることができる。なお、前記本捏生地中の水分は、前記記載の中種生地に含まれる水分と同様の測定方法で得られる値をいう。

0035

本発明の中種生地を除く本捏生地材料には、グルテン架橋構造が形成され、生地のべたつきを改善して、生地の保形性を高め、且つ得られたパンの比容積を高め、モチモチした弾力性のある食感を向上させることを目的として、酸化剤を含有すると好ましい。該酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、ビタミンEブロメートシスチン及びグルコン酸類などが挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種を用いることができ、特にパン生地の酸化によるグルテン架橋構造形成能力が優れ、また安全性の面から消費者受け入れられやすいという観点から、アスコルビン酸を用いることが好ましい。前記酸化剤の添加量は、本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して0.0004〜0.08重量部が好ましく、0.001〜0.064重量部がより好ましく、0.002〜0.048重量部が更に好ましい。0.0004重量部より少ないと生地がべたつく場合や、パンの比容積が小さくなる場合がある。また添加量が0.08重量部より多いと、効果が頭打ちになる場合がある。

0036

本発明の中種生地を除く本捏生地材料に含まれるグルコースオキシダーゼとは、β-D-グルコピラノース六炭糖グルコースヘミアセタール型)と結びついて代謝産物に分解する酵素をいう。前記グルコースオキシダーゼの添加量は、本捏生地全体中の小麦粉100gあたり1〜80Uが好ましく、2〜60Uがより好ましく、3〜40Uが更に好ましく、3〜20Uが特に好ましい。添加量が80Uより多いと、生地が荒れる場合や、生地がまとまりにくく、混捏時間が長くなる場合がある。前記グルコースオキシダーゼを添加することで、生地のべたつきを改善し、生地の保形性を高め、且つ得られたパンの比容積を高め、モチモチとした弾力性のある食感を向上させることができる。

0037

なお、グルコースオキシダーゼの酵素活性については、グルコースを基質として、酸素存在下でグルコースオキシダーゼを作用させることで過酸化水素を生成させ、生成した過酸化水素にアミノアンチピリン及びフェノール存在下でペルオキシダーゼを作用させることで生成したキノンイミン色素が呈する色調を、波長500nmで測定して定量し、1分間に1μmolのグルコースを酸化するのに必要な酵素量を1U(ユニット)とした。

0038

本発明の本捏生地には、生地の混捏時間の短縮、生地のべたつきの改善、且つ得られたパンのモチモチとした弾力性のある食感を維持することができるとの観点から、リン酸架橋澱粉を含有していることが好ましい。なお、該リン酸架橋澱粉は、中種生地、中種生地を除く本捏生地材料のどちらに添加しても構わない。

0039

前記リン酸架橋澱粉は、澱粉にトリメタリン酸塩オキシ塩化リンなどを作用させ、澱粉の分子内または分子間の水酸基架橋して、澱粉粒膨潤糊化が抑制された澱粉である。例えば、アセチル化リン酸架橋澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉アセチル化酸化澱粉ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉リン酸モノエステル化リン酸架橋澱粉などが挙げられるが、本発明においては、特に、酸臭等の異味が少ない等の理由から、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉が好ましい。また、上記リン酸架橋澱粉の原料澱粉としては、一般に食品に使用される澱粉、例えば馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、タピオカ澱粉サゴ澱粉コーンスターチワキシーコーンスターチ小麦澱粉米澱粉等を挙げることができるが、特に馬鈴薯澱粉、甘薯澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉からなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。

0040

前記リン酸架橋澱粉の含有量は、本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して1〜30重量部が好ましく、3〜25重量部がより好ましく、6〜20重量部が更に好ましい。含有量が1重量部より少ないと、モチモチした弾力性のある食感の向上効果が得られにくい場合があり、30重量部より多いとパンの側面が腰折れしやすい場合がある。また、モチモチとした弾力性のある食感を出すために添加するリン酸架橋澱粉は、パンの比容積などに悪影響があるため、比容積を高めるために添加する後述のアミラーゼやキシラナーゼの添加量とのバランスを取ることが大事である。

0041

本発明の中種生地を除く本捏生地材料に含まれるアミラーゼは、パンの比容積を高めたり、パンの老化を抑制したりすることを目的に添加することが好ましい。ここでアミラーゼとは、グリコシド結合加水分解することでデンプン中のアミロースアミロペクチンを、単糖類であるブドウ糖や二糖類であるマルトースおよびオリゴ糖に変換する酵素を意味する。例えば、α−アミラーゼグルコシダーゼβ−アミラーゼγ−アミラーゼマルトジェニックアミラーゼなどが挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を使用すればよい。

0042

前記アミラーゼの添加量は、本捏生地全体中の小麦粉100gあたり0.4〜60Uが好ましく、1〜48Uがより好ましく、2〜40Uが更に好ましく、2〜20Uが特に好ましい。添加量が0.4Uより少ないと、老化抑制の効果が劣る場合がある。また添加量が60Uより多いと、しっとりとしてモチモチとした食感が劣る場合がある。

0043

なお、アミラーゼの酵素活性については、可溶性澱粉溶液を基質とし、40℃、pH4.5で加水分解し、1分間に1μmolのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量を1U(ユニット)とした。

0044

本発明の中種生地を除く本捏生地材料に含まれるキシラナーゼは、パンの比容積を高めたり、パンの老化を抑制したりすることを目的に添加することが好ましい。ここでキシラナーゼとは、キシランキシロースに分解する酵素を意味する。

0045

前記キシラナーゼの添加量は、本捏生地全体中の小麦粉100gあたり0.4〜40Uが好ましく、0.6〜32Uがより好ましく、1〜24Uが更に好ましい。添加量が0.4Uより少ないと、老化抑制の効果が劣る場合がある。また40Uより多いと、生地のまとまりが悪くなる場合や、生地がべたついて成型が困難になる場合がある。

0046

なお、キシラナーゼの酵素活性については、キシランを基質として、キシラナーゼを作用させることで遊離還元糖を生成させ、生成した遊離還元糖と3,5−DNS試薬混和し、沸騰水中で加熱して発色させ、波長535nmで測定して定量し、1分間に1μmolのキシロースを生成する酵素量を1U(ユニット)とした。

0047

なお、前記アミラーゼと前記キシラナーゼは併用することが好ましい。前記アミラーゼを単独で使用すると、生地のまとまり易さが劣る場合があり、また前記キシラナーゼを単独で使用すると、生地がべたつき作業性が劣る場合がある。

0048

本発明の本捏生地には、前記以外の原料として、乳原料、前記以外の酵素、前記リン酸架橋澱粉以外の澱粉類及び増粘多糖類乳化剤ココアパウダー等を使用することができる。なお、それらは、中種生地、中種生地を除く本捏生地材料のどちらに添加しても構わない。

0049

前記乳原料としては、例えば、全粉乳脱脂粉乳牛乳脱脂乳クリームバターチーズ等が挙げられる。添加量は、本捏生地全体中の小麦粉100重量に対して0〜20重量部が好ましく、0〜15重量部がより好ましい。添加量が20重量部より多いと、生地のまとまりが悪くなったり、パンのpHが高くなり衛生が悪くなったりする場合がある。

0051

前記リン酸架橋澱粉以外の澱粉としては、例えば、生澱粉である小麦澱粉、コーンスターチ、米澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉等の精製澱粉、並びにそれらのリン酸架橋以外の化学的あるいは物理的処理が施された加工澱粉を使用することができる。

0052

また、本発明の本捏生地には、風味や機能を付加する目的で前記以外の原料を、生地物性を損なわない範囲で不均一分散させても良い。不均一分散させる原料としては、ライ麦粒ホールコーンレーズン等のドライフルーツナッツ類等が例示でき、該原料の添加量は、本捏生地100重重量部に対して、10〜60重量部が好ましく、20〜50重量部がより好ましい。添加量が10重量部より少ないと原料の風味や機能の付与効果が得られない場合がある。60重量部より多いと生地物性が損なわれたり、比容積が小さくなる場合がある。

0053

本発明における「こんにゃく粉と澱粉と水とを、アルカリ性凝固剤とこんにゃく粉のグルコマンナンによる水和ゲル反応によってゼリー状固体に形成し、かつ酸溶液に浸漬してpHを中性から酸性の範囲に調整した有形水」とは、特開2006−320207号公報(特許文献1)に記載([0033]〜[0035])のものをいう。本発明における前記有形水の含有量は少ないほど好ましく、本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して、該有形水中のこんにゃく粉の重量換算で0.095重量部以下が好ましく、0.08重量部以下がより好ましく、0.05重量部以下が更に好ましく、添加しないことが特に好ましい。前記有形水の含有量が0.095重量部より多いと、得られるパンは、こんにゃく粉のグルコマンナンの独特の食感が付与され、生地が不均一になる場合がある。

0054

本発明における「水不溶性且つ水膨潤性食物繊維を含有する水中油型乳化油脂組成物」とは、特開2011−97923号公報(特許文献2)に記載([0014]〜[0035])のものをいう。本発明における前記水中油型乳化油脂組成物の含有量は少ないほど好ましく、本捏生地全体中の小麦粉100重量部に対して、食物繊維の重量換算で0.006重量部以下が好ましく、0.004重量部以下がより好ましく、0.002重量部以下が更に好ましく、添加しないことが特に好ましい。前記水中油型乳化油脂組成物の含有量が0.006重量部より多いと、生地が不均一に食物繊維特有の食感になる場合や、得られるパンのしっとりとしてモチモチとした弾力性のある食感が損なわれる場合がある。

0055

本発明の本捏生地のpHは、出来たパンの衛生的な日持ちを向上させることを目的に、4.8〜5.4が好ましく、4.85〜5.35がより好ましく、4.85〜5.3が更に好ましい。pHが4.8より低いと強い酸味が感じられる場合がある。5.4より高いと衛生的な日持ちが劣る場合がある。前記範囲にpHを調整する方法としては、酢酸乳酸コハク酸リンゴ酸酒石酸クエン酸などの有機酸を添加したり、酢酸代謝パン酵母に産生させることができる。

0056

なお、前記本捏生地のpHは、ホイロ発酵をさせた生地20gを蒸留水80mlと混合し、ホモジナイザーにて12000rpmで5分間破砕し、破砕液を得て、pH METER(株式会社堀場製作所製「F-52」)での測定した値とした。なお、本発明においては非解離型酢酸を50〜400ppm含んでいることが好ましく、200〜350ppmが更に好ましい。50ppmより低いと一般生菌繁殖しやすく、パンを焼いた翌日に衛生上好ましくなくなる場合がある。400ppmを超えると風味に悪影響を及ぼす場合がある。

0057

本発明の本捏生地の製造方法は、例えば以下のように行うことができる。中種生地に用いる小麦粉、油脂、パン酵母、水、トランスグルタミナーゼ及び必要に応じてリン酸架橋澱粉、糖類やその他の原料を混捏した後、5〜30℃で2〜72時間発酵して中種生地を得ることができる。混捏の条件は、通常の中種生地の製造条件に準ずれば良く、例えば、全材料を低速で2〜4分間、中速で1〜3分間である。油脂以外の原料で生地をまとめた後に油脂を添加しても良い。混捏時間が短いと材料の分散性が悪く、中種が不均一になる場合があり、逆に長くなると生地の弾力性が過度に富み、本捏混捏時間が長くなり望ましくない場合がある。また、発酵温度が5℃より低いと発酵時間が長くなり作業工程上望ましくなく、30℃より高いと発酵過剰となり望ましくない場合がある。更に、発酵時間が2時間より短いと発酵が不十分となる場合があり、72時間より長くなると発酵過剰となり望ましくない場合がある。

0058

次いで、上記で得られる中種生地に、中種生地を除く本捏生地材料である小麦粉、糖類、食塩及び必要に応じて酸化剤、グルコースオキシダーゼ、リン酸架橋澱粉、アミラーゼ、キシラナーゼやその他の原料を、中種生地中の小麦粉/中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉=30/70〜80/20(重量比)となるように混捏して本捏生地を得ることができる。混捏の条件は、通常のパン生地の製造条件に準ずれば良く、一般的には低速で2〜4分間、中速で10〜30分間である。混捏時間が短いと生地がべたつき保形性が低く成型が困難になり、逆に長くなると生産効率が悪く、望ましくない場合がある。混捏した本捏生地は、「第一発酵(フロアタイムとも言う)」をした後、ローラーを有する成型機における、ローラーとコンベアとの間、又は対になった2本のローラーの間を通して帯状シート状、板状になり、該生地がローラーから排出される際にローラーに巻き付かないように掻き落として生地をローラーから剥離し、「分割」、「成形・型詰め」等を経て、「最終発酵ホイロとも言う)」により十分生地を膨らませ、オーブンで焼成して所望のパンを得る。前記ローラーを通す際に、生地を極度に圧延することがない、保型性の悪い生地でも帯状、シート状、板状にできる、等の点から、前記ローラーは溝付きローラーであることが好ましい。また、成型機は、生地が上から下に流れ、2本のローラーがそれらの軸を水平にして左右平行に設置されていることが好ましい。前記溝付きローラーとは、ローラーの外周面中央部に周方向の溝を有する構造のものをいい、対になった2本のローラーの場合には、両方もしくはどちらか片方のみが溝付きローラーであればよいが、生地の流れが左右方向で、ローラーが上下に設置されている場合には、通常、上のローラーが溝付きローラーになる。該溝付きローラーの溝の深さは、成形する生地の厚さに応じて適宜変更すればよいが、通常、4〜20mmが好ましく、5〜15mmがより好ましく、5〜12mmが更に好ましい。また、溝は1条であっても、複数条あってもよく、複数条ある場合は、一度に溝の数に応じた生地を成形することができる。更に、溝の内面には生地が付着しにくいように、小さな凹凸があっても構わない。なお、ローラーを有する成型機としては、例えば、V4ディバイダーレオ自動機株式会社製)などが挙げられ、溝付きローラーを有する成型機としては、例えば、Zero Pressure Molder(株式会社コードジャパン製)などが挙げられる。

0059

なお、本発明の本捏生地において、油脂とトランスグルタミナーゼは、可塑性油脂組成物の形態で中種生地に添加しても構わない。該可塑性油脂組成物の作製は、通常の油中水型油脂組成物と同様の方法で実施できる。例えば、所定量の水に所定量の水溶性成分を加えて均一に分散した後、加熱殺菌して水相とする。一方で所定量の加熱溶解した油脂に油溶性成分を混合溶解して油相とする。調製した油相に前記水相を添加してから70℃に加温して温調し、プロペラミキサー攪拌混合して、融解して乳化液を得る。次いでこの乳化液をパーフェクターコンビネーターボテーター等の連続式熱交換機を用いて急冷捏和した後、前記トランスグルタミナーゼを添加して再度捏和し可塑性油脂組成物を製造すればよい。なお、前記トランスグルタミナーゼは水の存在下では不安定であるため、添加水は少ない方が好ましく、添加しないことがより好ましい。

0060

本発明の本捏生地を使用したパンとしては、例えば、食パン、あんパンやクリームパン等の菓子パンロールパンバラエティブレッドチャバッタサンドイッチ等の調理パン、蒸しパン、またはそれらの二次加工品、或いはレンジ調理を必要とするもの等、いかなるパンでもよいが、特に食パン、ロールパン、チャバッタ、バラエティブレッド、サンドイッチ等の調理パンが本発明の効果を有効に享受できる。

0061

以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。

0062

油脂組成物の作製>
(製造例1)
表1に示す配合に従って、油脂組成物を作製した。即ち、パーム融点部30.0重量部、硬化パームダブルオレイン(融点31℃)9.0重量部、エステル交換油脂A 10.0重量部、エステル交換油脂B 15.0重量部を65℃で融解し、菜種油36.0重量部を混合して油相部を調製し、急冷混捏して油脂組成物Aを100重量部得た。

0063

(製造例2)
表1に示す配合に従い、パーム中融点部5.0重量部、エステル交換油脂A 18.0重量部、エステル交換油脂B 52.0重量部を融解し、パームダブルオレイン25.0重量部を混合して油相部を調製し、急冷混捏して油脂組成物Bを得た。

0064

(製造例3)
表1に示す配合に従い、パームエステル交換油脂25.0重量部を融解し、菜種油75.0重量部を混合して油相部を調製し、急冷混捏して油脂組成物Cを得た。

0065

(製造例4)
表1に示す配合に従い、極度硬化菜種油15.0重量部を融解し、菜種油85.0重量部を混合して油相部を調製し、急冷混捏して油脂組成物Dを得た。

0066

(製造例5)
表1に示す配合に従い、油相部の油脂配合の割合は同じで、油相部を急冷捏和した後にトランスグルタミナーゼを添加し、再度捏和した以外は、製造例1と同様にして油脂組成物Eを得た。

0067

0068

<こんにゃく粉含有有形水の作製>
(製造例6)特開2006−320207号公報の実施例1に準拠
表2に示す配合に従い、先ずこんにゃく粉とタピオカ澱粉とを水に分散し、これを攪拌して膨潤させ、次いで水酸化カルシウム溶液と反応させてゲル化させ、これを直径5mmの粒状に成形し、加熱してゼリー状固体に形成し、その後、クエン酸溶液中に3時間以上浸漬して引き上げ、こんにゃく粉含有有形水を得た。

0069

0070

<食物繊維入り水中油型乳化油脂組成物の作製>
(製造例7)特開2011−97923号公報の実施例1に準拠
表3に示す配合に従い、60℃に加温したパーム油8.0重量部にレシチン0.1重量部とグリセリン脂肪酸エステル0.1重量部を溶解した油相を用意した。一方、60℃に加温した水 67.6重量部に乳糖8.0重量部、脱脂粉乳15.0重量部、リン酸塩0.2重量部を溶解し、さらに低置換度カルボキシメチルセルロース1.0重量部を添加・分散した水相を用意した。前記油相を65℃に温調した水相に混合し、攪拌して水中油型予備乳化物を調製した。該予備乳化物を143℃にて5秒間殺菌し、10MPaの圧力で均質化後、5℃まで冷却し、食物繊維入り水中油型乳化油脂組成物を得た。

0071

0072

<生地の水分の測定>
実施例・比較例で作製した生地約50gを採取し、3〜10mmの厚さに圧延した中種生地又は本捏生地全体の重量(x)と、該生地全体を105℃のオーブンに、5時間保持した後の重量(y)を測定し、以下の式により計算される値を水分とした。
生地の水分(重量%)=[(x−y)/x]×100

0073

<本捏生地のまとまり易さの評価>
実施例・比較例で作製した本捏生地のまとまり易さは、以下の方法により混捏時間を測定し、評価した。本捏生地全体中の小麦粉が2000gになるように、中種生地および中種生地を除く本捏生地材料を20Lのミキサーボウル投入し、縦型ミキサー(関東混合機工業株式会社製「カントーミキサーKPI−20M」)にフックを取り付け、低速で3分間混捏後、中速で生地がまとまるまで混捏した。
5点:極めて生地がまとまり易い(混捏時間=20分未満)。
4点:生地が比較的まとまり易い(混捏時間=20分以上、25分未満)。
3点:生地が普通にまとまる(混捏時間=25分以上、30分未満)。
2点:若干生地がまとまり難い(混捏時間=30分以上、45分未満)。
1点:極めて生地がまとまり難い(混捏時間=45分以上)。

0074

<機械による大量生産性の評価>
実施例・比較例で作製した本捏生地を、ストレートモルダ−(株式会社フジサワ製「FM−3」)を使用してパン生地を成形した際の機械への付着性を、以下の基準で評価した。
5点:機械に全く付着せず、機械による大量生産性が極めて良好である。
4点:機械に付着せず、機械による大量生産性が良好である。
3点:機械にやや付着し、機械による大量生産性が若干劣る。
2点:機械に付着し、機械による大量生産性が悪い。
1点:機械への付着が激しく、機械による大量生産性が極めて悪い。

0075

<パンの水分の測定>
実施例・比較例で得られたパンのクラム部分とクラスト部分を含むパン全体の重量(X)と、該パン全体を105℃のオーブンに、5時間保持した後の重量(Y)を測定し、以下の式により計算される値を水分とした。
パンの水分(重量%)=〔(X−Y)/X〕×100

0076

<パンクラムのpHの測定>
実施例・比較例で作製したパンのクラム部分20gを蒸留水80mlと混合し、ホモジナイザーにて12000rpmで5分間破砕して得た破砕液をpH METER(株式会社堀場製作所製「F-52」)で測定した値をパンクラムのpHとした。

0077

<パンの比容積の測定>
レーザー体積計測機「WinVM200」(株式会社アステックス製)を用い、予め重量(g)を測定したパンの体積(cm3)を測定し、得られた体積を重量で割ることにより測定される値(cm3/g)をパンの比容積とした。

0078

<焼成翌日のパンの弾力性の評価(凝集性の測定)>
実施例・比較例で作製したパンを焼成翌日に2cmの厚さになるよう上面から底面方向に向かってスライスし、5cm×5cmの正方形にカットしたパンクラムを、レオメーター(株式会社山電製「クリープメータ」MODEL:RE2-3305)を用いて、テクスチャー解析モードで、プランジャー:60mm×60mmの正方形、測定スピード:5mm/秒、測定歪率:50%、戻り距離:50mm、接触面積:2500mm2、測定回数:2回の条件で測定を行った値をパンの凝集性とし、この値を基に、パンの弾力性を以下のような基準で評価した。
5点:食感に最適な弾力があり、極めて良好である(凝集性が0.80以上0.85以下)。
4点:食感に弾力があり、良好である(凝集性が0.78以上0.80未満、又は0.85を超えて0.87以下)。
3点:弾力が若干弱い、又は若干強すぎてやや劣る(凝集性が0.77以上0.78未満、又は0.87を超えて0.88以下)。
2点:弾力が弱い、又は強すぎて劣る(凝集性が0.76以上0.77未満、又は0.88を超えて0.89以下)。
1点:弾力が極めて弱い、又は極めて強すぎて劣る(凝集性が0.76未満、又は0.89より大きい)。

0079

<焼成4日後のパンの弾力性の評価(凝集性の測定)>
実施例・比較例で作製したパンを焼成4日後に2cmの厚さになるよう上面から底面方向に向かってスライスし、5cm×5cmの正方形にカットしたパンクラムを、レオメーター(株式会社山電製「クリープメータ」MODEL:RE2-3305)を用いて、テクスチャー解析モードで、プランジャー:60mm×60mmの正方形、測定スピード:5mm/秒、測定歪率:50%、戻り距離:50mm、接触面積:2500mm2、測定回数:2回の条件で測定を行った値をパンの凝集性とし、この値を基に、パンの弾力性を以下のような基準で評価した。
5点:食感に最適な弾力が維持されており、極めて良好である(凝集性が0.72以上0.83以下)。
4点:食感に弾力が維持されており、良好である(凝集性が0.70以上0.72未満、又は0.83を超えて0.85以下)。
3点:弾力が若干弱く、やや劣る(凝集性が0.68以上0.70未満、又は0.85を超えて0.86以下)。
2点:弾力が弱く、劣る(凝集性が0.66以上0.68未満、又は0.86を超えて0.87以下)。
1点:弾力が極めて弱く、劣る(凝集性が0.66未満、又は0.87より大きい)。

0080

<パンの官能評価方法>
実施例・比較例で作製したパンを、熟練した10名のパネラーに食べて評価してもらい、それらの平均点評価値とした。その際の評価基準は、以下の通りである。
(しっとりさ)
5点:しっとりさが極めて良好である。
4点:しっとりさが良好である。
3点:若干パサツキが感じられ、しっとりさが劣る。
2点:パサツキがあり、しっとりさに欠ける。
1点:パサツキが酷く、しっとりさが全く感じられない。
(モチモチさ)
5点:モチモチさが極めて良好である。
4点:モチモチさが良好である。
3点:モチモチさがやや劣る。
2点:モチモチさに欠ける。
1点:モチモチさが全く感じられない。

0081

総合評価
生地のまとまり易さ、機械による大量生産性、弾力性、しっとりさ、モチモチさの各評価結果を基に、総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りである。
5点:生地のまとまり易さ、機械による大量生産性、弾力性、しっとりさ、モチモチさの評価が全て4.5点以上。
4点:生地のまとまり易さ、機械による大量生産性、弾力性、しっとりさ、モチモチさの評価で1つ以上が4点以上4.5点未満で、残りが4.5点以上。
3点:生地のまとまり易さ、機械による大量生産性、弾力性、しっとりさ、モチモチさの評価で1つ以上が3点以上4点未満で、残りが4点以上。
2点:生地のまとまり易さ、機械による大量生産性、弾力性、しっとりさ、モチモチさの評価で1つ以上が2点以上3点未満で、残りが3点以上。
1点:生地のまとまり易さ、機械による大量生産性、弾力性、しっとりさ、モチモチさの評価で1つ以上が2点未満。

0082

<パンの衛生(一般生菌)の評価>
実施例・比較例で作製したパンを2cmの厚さにスライスし、中心に乳酸菌を103個/g植菌してポリ袋に入れ、30℃で2日間保存後の標準寒天培地を用いた一般生菌測定法コロニー数カウントし、検体1g当り菌数を算出して、乳酸菌の増殖(菌数が105CFU/gを超えるか)を評価した。この評価は、パンの商品性判断には必須なので評価を行った。

0083

<パンの衛生(カビ)の評価>
実施例・比較例で作製したパンを2cmの厚さにスライスし、ポリ袋に入れて、30℃で5日間保存後のカビの発生の有無を目視で評価した。この評価は、パンの商品性判断には必須なので評価を行った。

0084

<パンの老化耐性の評価>
実施例・比較例で作製したパンを20℃で4日間保存後、熟練した10名のパネラーに、老化耐性の有無(焼成直後のパンに比べ、硬くなっているか否か)を評価してもらった。この評価は、パンの商品性判断には必須なので評価を行った。

0085

(実施例1)食パン
表4に示す配合に従い、食パンを以下の方法にて作製した。強力粉70重量部に対して、生パン酵母2.0重量部(乾燥重量で0.6重量部)、油脂組成物A5.0重量部、水50重量部、トランスグルタミナーゼ0.1重量部(強力粉100gに対して4.0U)をミキサーボウルに投入し、縦型ミキサー(関東混合機工業株式会社製「カントーミキサー」)にフックを取り付け、低速で3分間、中速で生地がまとまるまで混捏後、28℃で4時間発酵させ、中種生地を作製した。その後、発酵した中種生地に、強力粉30重量部に対して、上白糖8重量部、食塩2.2重量部、脱脂粉乳3.0重量部、水40重量部を加えて、低速で3分間、高速で生地がまとまるまで混捏し本捏生地を作製した。28℃で30分一次発酵させ、ゼロープレッシャーモルダー(株式会社コードジャパン製)を用いて板状に生地を延ばして300gで分割後、モルダー及び展圧板を用いて状に成型し、この成型物食型(底面:縦8.5cm×横17cm、上面:縦9.5cm×横19cm、高さ:8cm)に入れ、38℃,湿度85%の条件下で60分間最終発酵を行った。最終発酵後、205℃のオーブンで22分焼成し、食パンを得た。中種生地、本捏生地及び食パンの各種評価結果を表4に示す。

0086

(実施例2,3、比較例1,2)食パン
表4に示す配合に従い、トランスグルタミナーゼの添加量を変えた以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表4に示した。

0087

(比較例3)食パン
表4に示す配合に従い、トランスグルタミナーゼの本捏生地全体中の添加量は同じで、添加場所を中種生地から中種生地を除く本捏生地材料に変えた以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表4に示した。

0088

(比較例4)食パン
表4に示す配合に従い、トランスグルタミナーゼの添加量を変えた以外は、比較例3と同様に食パンを作製して、その評価結果を表4に示した。

0089

0090

表4から明らかなように、中種生地中の小麦粉100gに対してトランスグルタミナーゼを少量(0.2U)しか添加しなかった水準(比較例1)は、本捏生地がまとまり難く且つ大量生産性が悪く、出来たパンもモチモチさが劣ったが、トランスグルタミナーゼを0.8〜12.0U添加した水準(実施例1〜3)は、何れも本捏生地がまとまり易く、機械による大量生産性が良好で、出来た食パンも比容積が増し、またモチモチさが向上し、好ましいものであった。一方、トランスグルタミナーゼを過剰(24.0U)に添加した水準(比較例2)は、トランスグルタミナーゼの作用が過剰に起こり、パンの凝集性、モチモチさが低下し、ゴム様の食感で好ましくないものであった。また、トランスグルタミナーゼを、中種生地を除く本捏生地に添加(本捏生地全体中では、実施例1と同量の添加量)した水準(比較例3)は、トランスグルタミナーゼの作用する時間が少ないため効果が得られず、本捏生地がまとまり難く、出来たパンもモチモチさが劣った。更に、トランスグルタミナーゼを、中種生地を除く本捏生地に過剰に添加した水準(比較例4)は、出来たパンの凝集性が低く、ゴム様の食感で好ましくないものであった。

0091

(実施例4,5、比較例6,7)食パン
表5に示す配合に従い、油脂の添加量を変えた以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表5に示した。

0092

(比較例5)食パン
表5に示す配合に従い、油脂の本捏生地全体中の添加量は同じで、添加場所を中種生地から中種生地を除く本捏生地材料に変え、本捏で生地がまとまってから油脂を添加して低速で2分、高速で4分混捏した以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表5に示した。

0093

0094

表5から明らかなように、中種生地中の小麦粉100重量部に対して油脂を2.9〜28.6重量部添加した水準(実施例1、4及び5)は、何れも本捏生地がまとまり易く、また出来たパンはしっとり、モチモチしており、非常に好ましいものであった。一方、油脂を、中種生地を除く本捏生地材料に添加した水準(比較例5)は、本捏生地がまとまり難くて混捏時間が長くなった。また、中種生地に油脂を少量(0.7重量部)しか添加しなかった水準(比較例6)は、本捏生地がまとまり難くて混捏時間が長くなり、出来たパンもしっとりさとモチモチさが劣った。更に、油脂を中種生地に過剰(42.9重量部)に添加した水準(比較例7)は、中種生地及び本捏生地がまとまり難く且つ大量生産性が悪く、出来たパンもモチモチさが劣った。

0095

(実施例6,7、比較例8)食パン
表6に示す配合に従い、中種生地中の水の添加量を変え、中種生地を除く本捏生地材料中の水の添加量で、本捏生地全体中の水分量が同じになる様に調整した以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表6に示した。

0096

0097

表6から明らかなように、中種生地中の水分が45.0〜49.6重量%の水準(実施例1、6及び7)は、何れも本捏生地がまとまり易く、べたつき難くて、大量生産性が良好で、また出来たパンはしっとり、モチモチしており、非常に好ましいものであった。一方、中種生地中の水分が少ない水準(比較例8)は、本捏生地がまとまり難く、べたついて大量生産性が劣った。

0098

(実施例8,9、比較例9,10)食パン
表7に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料中の糖類の添加量を変えた以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表7に示した。

0099

(実施例10)食パン
表7に示す配合に従い、中種生地に糖類を加え、中種生地の発酵時間を2.5時間に変えた以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表7に示した。

0100

0101

表7から明らかなように、中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉100重量部に対して糖類を15.2〜87.8重量部添加した水準(実施例1、8及び9)は、何れも生地のまとまり易さ及び大量生産性が良好で、出来たパンは比容積も大きく、高い弾力性があって、モチモチさのある好ましいものであった。一方、中種生地を除く本捏生地材料に糖類を少量(7.9重量部)しか添加しなかった水準(比較例9)は、出来たパンの比容積が小さく、弾力性がなく、モチモチさに欠けるものであり、またパン酵母の発酵に必要な糖類が足りないため発酵が抑制され、pHが低下し難いために一般生菌が30℃、2日間で増殖して衛生上問題があった。更に、中種生地を除く本捏生地材料に糖類を過剰(137.3重量部)に添加した水準(比較例10)は、過剰な糖類の影響で本捏生地がまとまり難く、べたつく生地で、大量生産性に劣り、出来たパンも比容積が小さく、凝集性も低くなり、モチモチさが劣るものであり、また糖類により浸透圧が高くなったことでパン酵母の発酵が抑制され、比較例9と同様、pHが低下し難いために一般生菌が30℃2日間で増殖して衛生上問題があった。一方、中種生地に糖類を添加し発酵を短縮した水準(実施例10)は、実施例1と同等の良好な生地状態で、出来たパンもしっとりさとモチモチさに優れたものであった。

0102

(実施例11、比較例11)食パン
表8に示す配合に従い、本捏生地全体中の原材料が同じになる様に中種生地、及び中種生地を除く本捏生地材料中の原材料の割合を調整して、中種生地中の小麦粉/中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉の比率を変えた以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表8に示した。

0103

(実施例12、比較例12)食パン
表8に示す配合に従い、中種生地に配合していた生パン酵母及び油脂組成物の一部を、中種生地を除く本捏生地材料に配合し、中種生地中の小麦粉/中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉の比率を変えて本捏生地全体中の原材料が同じになる様にした以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表8に示した。

0104

0105

表8から明らかなように、中種生地中の小麦粉/中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉(重量比)が50/50〜80/20の水準(実施例1,11,12)は、何れも生地がまとまり易く、大量生産性が良好で、出来たパンは弾力性があって良好で、しっとりさとモチモチさのある好ましいものであった。一方、生地の混合比率が95/5の水準(比較例11)は、中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉に対する水の量が多くなりすぎるために、本捏生地のまとまりが悪くて扱いにくく、大量生産性も悪いものであった。また、混合比率が10/90の水準(比較例12)は、出来たパンは弾力性が低くて、パサ付き気味の硬い食感で、好ましくないものであり、また中種生地が少なすぎて、生地のpHが下がり難いためパンクラムのpHは5.67となり、一般生菌の増殖が30℃、2日間で増殖して衛生上問題があった。

0106

(実施例13、比較例13)食パン
表9に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉100重量部に対する水分を減らし、出来たパンの食感を保つために中種生地中の小麦粉100重量部に対するトランスグルタミナーゼを減らして調整した以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表9に示した。

0107

(実施例14、比較例14)食パン
表9に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉100重量部に対する水分を増やし、出来たパンの生地物性を保つために中種生地中の小麦粉100重量部に対するトランスグルタミナーゼと水分を増やして調整した以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表9に示した。

0108

0109

表9から明らかなように、本捏生地全体中の水分が48.0〜54.7重量%の水準(実施例1,13,14)は、生地のまとまり易さや大量生産性は良好で、また出来たパンの水分が多く、弾力性も高く、しっとりさやモチモチさが良好であり、非常に好ましいものであった。一方、本捏生地全体中の水分が45.3重量%の水準(比較例13)は、出来たパンの水分が38%と一般的なパンと同等であり、弾力性が低く、しっとりさとモチモチさに欠けた普通のパンであった。また、本捏生地全体中の水分が過剰な水準(比較例14)は、本捏生地がまとまり難くて、機械による大量生産性に欠けるものであった。

0110

(実施例15)食パン
表10に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料でアスコルビン酸を添加した以外は、実施例1と同様に食パンを作製して、その評価結果を表10に示した。

0111

(実施例16)食パン
表10に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料でグルコースオキシダーゼを添加した以外は、実施例15と同様に食パンを作製して、その評価結果を表10に示した。

0112

(実施例17)食パン
表10に示す配合に従い、中種生地及び中種生地を除く本捏生地材料のそれぞれの生地配合でリン酸架橋澱粉を添加して、水を増やした以外は、実施例16と同様に食パンを作製して、その評価結果を表10に示した。

0113

(実施例18)食パン
表10に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料でアミラーゼを添加した以外は、実施例17と同様に食パンを作製して、その評価結果を表10に示した。

0114

(実施例19)食パン
表10に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料でキシラナーゼを添加した以外は、実施例18と同様に食パンを作製して、その評価結果を表10に示した。

0115

(実施例20)食パン
表10に示す配合に従い、本捏生地を混捏時、中種生地を除く本捏生地材料中の水を、まず小麦粉100重量部に対して120重量部を添加して生地がまとまるまで混捏を行った後、残りの水33.3重量部を添加して低速2分、高速4分混捏して生地を作製した以外は、実施例19と同様に食パンを作製して、その評価結果を表10に示した。

0116

0117

表10から明らかなように、中種生地を除く本捏生地材料で酸化剤(アスコルビン酸)を添加した水準(実施例15)は、生地のべたつきがよりなくなり、大量生産性が極めて良好で、より比容積が大きいパンが得られた。更に、中種生地を除く本捏生地材料でグルコースオキシダーゼを添加した水準(実施例16)は、酸化剤との相乗効果で生地のべたつきが更になくなり、大量生産性も極めて良好で、更に比容積が大きいパンが得られた。

0118

リン酸架橋澱粉を添加した水準(実施例17)は、リン酸架橋澱粉が水を保持するために多くの水を生地に含ませることが可能となり、出来たパンの比容積は若干小さくなったものの、パン中の水分が更に多くなりモチモチさが向上し、またパネラー9名中8名が老化耐性ありと評価し、流通の面で非常に好ましいものであった。

0119

また、中種生地を除く本捏生地材料にアミラーゼを添加した水準(実施例18)及び中種生地を除く本捏生地材料にキシラナーゼを添加した水準(実施例19)は、生地物性や出来たパンの良好さに加え、パネラー10名中10名が老化耐性ありと評価し、非常に好ましいものであった。更に、中種生地を除く本捏生地材料中の水を2回に分けて添加することで(実施例20)、本捏生地のまとまり易さが更に向上し、大量生産性の面で更に好ましく、出来たパンはパネラー10名中10名が老化耐性ありと評価し、非常に良好なものであった。

0120

(実施例21,22)食パン
表11に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料に醸造酢を添加し、水分量を調製した以外は、実施例20と同様に食パンを作製して、その評価結果を表11に示した。

0121

(実施例23)食パン
表11に示す配合に従い、パン酵母を酢酸の生成が少ないパン酵母に変えた以外は、実施例20と同様に食パンを作製して、その評価結果を表11に示した。

0122

0123

表11から明らかなように、中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉100重量部に対して8.3重量部の醸造酢を添加した水準(実施例21)は、生地のまとまり易さや大量生産性が極めて良好で、出来たパンもしっとりさとモチモチさが感じられ、且つ本捏生地のpH及びパンクラムのpHが、醸造酢が無添加のもの(実施例20)より低く、非解離型酢酸量も実施例20が60ppmに対して222ppmであり、30℃で5日間保存してもカビが発生しない、流通に適したパンであった。また、中種生地を除く本捏生地材料中の小麦粉100重量部に対して醸造酢を11.7重量部添加した水準(実施例22)は、生地のまとまり易さと機械大量生産性は良好であったが、pHが低下し過ぎて、出来たパンは30℃で5日間保存してもカビが発生しなかったものの、酸味が感じられ風味がやや劣った。一方、酢酸生成が穏やかなパン酵母を使用した水準(実施例23)は、生地のまとまり易さと機械大量生産性が良好であったが、出来たパンはクラムのpHが若干高く、非解離型酢酸量も16ppmであった。

0124

(実施例24〜27)食パン
表12に示す配合に従い、油脂組成物の種類を変えた以外は、実施例20と同様に食パンを作製して、その評価結果を表12に示した。

0125

0126

表12から明らかなように、油脂組成物中の液油の含有量が25〜85重量%の水準(実施例20,24〜27)は、何れも生地のまとまり易さと大量生産性が良好で、かつ出来たパンは弾力性、しっとりさ、モチモチさが良好なものであった。特に液油の含有量が75〜85重量%の水準(実施例25,26)は、出来たパンは、弾力性、しっとりさ、モチモチさが非常に良好で、比容積も大きなものであった。

0127

(比較例15)食パン<特開2006−320207号公報(実施例7)に準拠>
表13に示す配合に従い、中種生地配合を強力粉70重量部に対して、生パン酵母2重量部(乾燥重量で0.6重量部)、水42重量部とし、中種生地を除く本捏生地材料配合を強力粉30重量部に対して、上白糖8重量部、食塩2.2重量部、脱脂粉乳3重量部、油脂組成物A5重量部、こんにゃく粉含有有形水(製造例6)55重量部、水13重量部に変えた以外は、比較例5と同様に食パンを作製して、その評価結果を表13に示した。

0128

(比較例16)食パン<特開2011−97923号公報に準拠>
表13に示す配合に従い、こんにゃく粉含有有形水を食物繊維入り水中油型乳化油脂組成物(製造例7)に変え、更に中種生地を除く本捏生地材料中の水分量を変えた以外は、比較例15と同様に食パンを作製して、その評価結果を表13に示した。

0129

(比較例17)食パン<特開平11-243843号公報に準拠>
表13に示す配合に従い、こんにゃく粉含有有形水を小麦蛋白部分加水分解物に変え、トランスグルタミナーゼを添加し、更に中種生地を除く本捏生地材料中の水分量を変えた以外は、比較例15と同様に食パンを作製して、その評価結果を表13に示した。

0130

0131

表13から明らかなように、こんにゃく粉含有有形水を添加した水準(比較例15)は、生地のまとまり易さと大量生産性は良かったが、生地中に有形水が粒状に分散しており、やや不均一な状態であり、出来たパンは弾力性に乏しく、モチモチさも不十分で、かつ繊維様の食感が付与されて、口に残る異物感があり、好ましくないものであった。また、食物繊維入り水中油型乳化油脂組成物を添加した水準(比較例16)は、生地のまとまり易さと大量生産性は良かったが、出来たパンは弾力性に乏しく、しっとりさに欠け、モチモチさが全く感じられないものであった。更に、蛋白加水分解物とトランスグルタミナーゼを併用した水準(比較例17)は、生地がべたついて、機械による大量生産が困難であり、出来たパンは硬い食感であり、モチモチさに欠け好ましくなかった。

0132

(実施例28)レーズン食パン
表14に示す配合に従い、水分量を増やして生地を混捏した後、レーズンを加えた以外は、実施例20と同様に食パンを作製して、その評価結果を表14に示した。

0133

0134

(実施例29)全粒粉食パン
表14に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料の配合中の小麦粉の一部を全粒粉に変え、水分量を増やした以外は、実施例20と同様に食パンを作製して、その評価結果を表14に示した。

0135

(実施例30)ライ麦食パン
表14に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料の配合中の小麦粉の一部をライ麦粉に変え、水分量を増やして生地を混捏した後、ライ麦粒を加えた以外は、実施例20と同様に食パンを作製して、その評価結果を表14に示した。

0136

(実施例31)ココア食パン
表14に示す配合に従い、中種生地を除く本捏生地材料の配合にココアパウダーを添加した以外は、実施例20と同様に食パンを作製して、その評価結果を表14に示した。

実施例

0137

表14から明らかなように、実施例28〜31の全ての水準において、生地のまとまり易さや大量生産性は良好で、出来たパンは、通常のレーズンや全粒粉、ライ麦、ココアパウダーなどを加えたパンでは感じられるパサつきはなく、しっとりさとモチモチさのある、非常に好ましい食感のパンであった。

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